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JP4860655B2 - 異種管接合継手 - Google Patents

異種管接合継手 Download PDF

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JP4860655B2
JP4860655B2 JP2008102072A JP2008102072A JP4860655B2 JP 4860655 B2 JP4860655 B2 JP 4860655B2 JP 2008102072 A JP2008102072 A JP 2008102072A JP 2008102072 A JP2008102072 A JP 2008102072A JP 4860655 B2 JP4860655 B2 JP 4860655B2
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Description

本発明は、合成樹脂管部材(ポリエチレン樹脂管等)と金属管部材(金属ネジ接合部等)という異種の管部材を相対回転可能に接合する異種管接合継手に関する。
従来、管継手としては、接続される管の挿入口側の側壁がテーパ面となった溝を内部に有する筒状の継手本体と、溝に遊嵌され、周方向の一部に切断部を有し、半径方向に拡縮自在となっていて、前記管の管本体の外径より小径で、Mスケールで78以上のロックウェル硬度を有する合成樹脂で形成されている離脱防止リングとを備え、管本体の外周面に形成された突部を離脱防止リングより奥側に配置されるように管が接続され、管および管継手に管の抜け方向の力が加わった時、前記突部が離脱防止リングの前記挿入口と反対側の壁を係止して離脱防止リングをテーパ面に押圧するようになっている構成としたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−73189号公報
しかしながら、従来の管継手にあっては、テーパ面を利用して継手本体と管本体のシールを行うものであるため、シール圧を高めて漏水を抑えるシール機能を確保すると継手本体と管本体の相対回転機能を確保することができないし、シール圧を低くし継手本体と管本体の相対回転機能を確保すると漏水を抑えるシール機能を確保することができない、という問題があった。
また、管および管継手に管の抜け方向の力が加わるときはシール圧が高くなり、逆に、管および管継手に管の抜け方向の力が加わらないときはシール圧が低くなるというように、外力の影響を強く受けてシール圧が大きく変動する、という問題があった。
さらに、テーパ面を利用して継手本体と管本体のシールを行うものであるため、地震時等で大きな引っ張り力が管に作用すると、管が抜けやすく、耐震管路を構築することができない、という問題があった。
そこで、予め初期シール圧を高くし、管継手にシール機能のみを持たせ、回転機構を別途付加することで相対回転機能を達成しようとする場合、構造が複雑になり、部品点数が多く高価になる、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、部品点数が少なく構造が簡単で安価としながら、トルク管理によるシール機能と相対回転機能の両立と、軸方向外力の影響によるシール圧変動抑制と、耐震管路の構築と、を併せて達成することができる異種管接合継手を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の異種管接合継手は、
円筒形状であり、片側に合成樹脂管部材を接続する第1管接続部を有し、反対側に鍔部を有する合成樹脂アダプターと、
片側に金属管部材を接続する第2管接続部を有し、反対側に前記合成樹脂アダプターの鍔部外端面と面接触する第1接触面と、前記合成樹脂アダプターの鍔部外径より大きい内径による平行ネジ部を有する金属継手本体部材と、
前記平行ネジ部とネジ嵌合し、端面に前記合成樹脂アダプターの鍔部内端面と面接触する第2接触面を有する袋ナットと、
前記合成樹脂アダプターの鍔部外端面と前記金属継手本体部材の第1接触面のうち、一方の面に形成したシールリング溝に装着したシールリングと、を備え、
前記袋ナットは、前記金属継手本体部材の平行ネジ部に対し予め規定したトルク範囲内の締め付けトルクにてネジ嵌合し、前記予め規定したトルク範囲として、想定される最大内水圧をシールするのに必要な下限トルクを袋ナット締め付けトルクの最小トルク値とし、前記金属継手本体部材に接続される金属管部材に外部から人力を加えた場合に合成樹脂アダプターに対して相対回転を行える上限トルクを袋ナット締め付けトルクの最大トルク値とする範囲に設定し
前記袋ナットは、前記金属継手本体部材の平行ネジ部に対して予め規定したトルク範囲内のトルクにて締め付けた後、前記金属継手本体部材に形成した貫通穴と連通する径方向穴を前記袋ナットに形成し、前記貫通穴と径方向穴に、回り止め部材を組み込んだことを特徴とする手段とした。
よって、本発明の異種管接合継手にあっては、金属継手本体部材の第1接触面と袋ナットの第2接触面により、合成樹脂アダプターの鍔部外端面と鍔部内端面を挟圧し、かつ、合成樹脂アダプターの鍔部外端面と金属継手本体部材の第1接触面の間にシールリングを介装したものとなる。
そして、袋ナットをネジ嵌合するに際し、予め規定したトルク範囲内の締め付けトルクとするトルク管理を行い、予め規定したトルク範囲として、想定される最大内水圧をシールするのに必要な締め付けトルクを最小トルク値とし、金属継手本体部材に接続される金属管部材に外部から人力を加えた場合に合成樹脂アダプターと金属継手本体部材が相対回転可能である締め付けトルクを最大トルク値とする。このため、想定される最大内水圧での流体漏れを防止するシール機能と、合成樹脂アダプターと金属継手本体部材の相対回転位置関係を人力により調整する相対回転機能の両立を図ることができる。
また、管軸方向に外力が加わっても、抜け方向へも差し込み方向へも面接触により移動が規制されるため、軸方向外力の影響によるシール圧変動を抑えることができる。
さらに、テーパ面嵌合構造ではなく、合成樹脂アダプターの鍔部に対する垂直面嵌合構造であるため、地震時に大きな引っ張り力が管に作用しても、管が抜けることないため、耐震管路を構築することができる。
この結果、合成樹脂アダプターと金属継手本体部材と袋ナットとシールリングを備えるだけで、回転機構を付加する場合に比べ、部品点数が少なく構造が簡単で安価としながら、トルク管理によるシール機能と相対回転機能の両立と、軸方向外力の影響によるシール圧変動抑制と、耐震管路の構築と、を併せて達成することができる。
さらに、袋ナットを金属継手本体部材の平行ネジ部に対して予め規定したトルク範囲内のトルクにて締め付けた後、金属継手本体部材に形成した貫通穴をガイドにし、貫通穴と連通する径方向穴を袋ナットに形成する。そして、径方向に互いに連通する貫通穴と径方向穴に、回り止め部材を組み込む。
このため、施工状態で振動等が異種管接合継手に加わっても、金属継手本体部材と袋ナットのネジ嵌合部が緩むことがなく、袋ナットの予め規定した範囲内の締め付けトルクを維持することができる。
以下、本発明の異種管接合継手を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1の異種管接合継手Jを仕切弁へのポリエチレン樹脂管の継手として適用した耐震管路の一例を示す全体図である。
実施例1の異種管接合継手Jを適用した耐震管路は、図1に示すように、仕切弁ボックス1と、仕切弁2(金属管部材)と、EFソケット3と、ポリエチレン樹脂管4(合成樹脂管部材)と、を備えている。
前記異種管接合継手J,Jの一端側は、図1に示すように、上部にハンドル21を有する仕切弁2の下部に設けられた一対の金属ネジ接合部22,22にそれぞれネジ込みにより接続される。前記異種管接合継手J,Jの他端側には、図1に示すように、EF(電気融着)ソケット3,3を有するポリエチレン樹脂管4,4がそれぞれ融着により接続される。
図2は、実施例1の異種管接合継手Jを示す全体断面図である。図3は、実施例1の異種管接合継手Jにおけるポリエチレンアダプターを示す断面図である。図4は、実施例1の異種管接合継手Jにおける金属継手本体部材をあらわし、(a)は断面図を示し、(b)は右側面図を示す。図5は、実施例1の異種管接合継手Jにおける袋ナットをあらわし、(a)は左側面図を示し、(b)は断面図を示す。図6は、実施例1の異種管接合継手Jにおける回り止めピンのねじ込み状態を示す要部断面図である。実施例1の異種管接合継手Jの構成を、図2〜図6に基づき説明する。
実施例1の異種管接合継手Jは、図2に示すように、ポリエチレンアダプター5(合成樹脂アダプター)と、金属継手本体部材6と、袋ナット7と、Oリング8(シールリング)と、回り止めピン9(回り止め部材)と、有底ピン穴10(径方向穴)と、を備えている。
前記ポリエチレンアダプター5は、図3に示すように、円筒形状の短管構造であり、片側にポリエチレン樹脂管4(合成樹脂管部材)を接続する円筒外周面51(第1管接続部)を有し、反対側に鍔部52を有する。前記円筒外周面51は、2回融着が可能な長さ(例えば、150mm前後)に設定される。前記鍔部52は、金属継手本体部材6の第1接触面62と面接触する鍔部外端面53と、袋ナット7の第2接触面72と面接触する鍔部内端面54と、を有する。このポリエチレンアダプター5は、射出成形することにより、または、ポリエチレン樹脂管を切削加工することにより、製造することが出来る。
前記金属継手本体部材6は、図4(a)に示すように、片側に仕切弁2の金属ネジ接合部22(金属管部材)に対しネジ込み接続する雄ネジ差口61(第2管接続部)を有し、反対側に前記ポリエチレンアダプター5の鍔部外端面53と面接触する第1接触面62と、前記ポリエチレンアダプター5の鍔部52の外径より大きい内径による平行ネジ部63を有する。前記第1接触面62には、図4(a)に示すように、Oリング8を埋設状態で装着するOリング溝64(シールリング溝)が環状に形成されている。前記平行ネジ部63の外周面には、図4(b)に示すように、パイプレンチにより対角位置で挟み込み、回転させるための多角面65(12角面)を有する。また、多角面65には、内面にメネジを切った貫通穴66が形成されている。この金属継手本体6は、砲金であり、連鋳棒を切削加工することにより、または、鋳造により製造することが出来る。なお、雄ネジ差口61に代えて、雌ネジ差口としても良い。
前記袋ナット7は、図5(b)に示すように、平行ネジ部63とネジ嵌合する雄ネジ部71と、端面にポリエチレンアダプター5の鍔部内端面54と面接触する第2接触面72を有する。前記雄ネジ部71の反対側の外周面には、図5(a)に示すように、パイプレンチにより対角位置で挟み込み、回転させるための多角面73(8角面)を有する。また、袋ナット7のナット内径D’は、ポリエチレンアダプター5のアダプター外径をD”としたとき、アダプター外径D”よりバラツキ分と最小限隙間分を合わせた間隔程度だけ僅かに大きな径とし(例えば、ナット内径D’=64.2mm、管外径D”=63.2mm)、組み付け時に最小クリアランスC(図6参照)を確保する設定している。そして、袋ナット7のナット軸方向長さL(例えば、L=29mm)を、ポリエチレンアダプター5のアダプター内径の半分程度の長さに設定している。この袋ナット7は、金属継手本体6と同様に砲金であり、連鋳棒を切削加工することにより、または、鋳造により製造することが出来る。
前記Oリング8は、図6に示すように、金属継手本体部材6の第1接触面62に形成したOリング溝64に装着している。このOリング8は、Oリング溝64に装着した後、シリコン系等の滑材を塗布し、その後、袋ナット7を締め込むことで、ポリエチレンアダプター5と金属継手本体部材6を一体化している。このOリング8の素材としては、耐老化性・耐候性・耐オゾン性・耐油性(アルコール・ケトン(MEK)・酢酸エチル)に優れたEPDM(「エチレンプロピレンジエンゴム」の略称)等が用いられる。
前記回り止めピン9は、図6に示すように、金属継手本体部材6のメネジを切った貫通穴66に埋め込み状態でネジ込まれるネジ込み頭部91と、袋ナット7の有底ピン穴10に差し込まれるピン部92と、を有する。この回り止めピン9を組み込む有底ピン穴10は、袋ナット7に予め形成されているのではなく、金属継手本体部材6の平行ネジ部63に対して予め規定したトルク範囲内のトルクにて袋ナット7を締め付けた後、金属継手本体6に形成されている貫通穴66をガイドにし、ボール盤等により袋ナット7の途中位置まで達する径方向の有底ピン穴10を形成する。そして、径方向に互いに連通する貫通穴66と有底ピン穴10に、回り止めピン9を組み込んでいる。この回り止めピン9は、ピン部92のピン径dを、現場施工者が袋ナット7の多角面73をパイプレンチで回転させる締め付け操作を想定し、仮に締め付け操作が行われた場合にピン部92に作用するトルクを仮想トルク(=想定施工トルクT)とし、この仮想トルクに基づき締め付け操作が行われても破断することがない径寸法に設定している。
ピン径dの演算式は、例えば、
ピン径d=(想定施工トルクT/ピン部の半径R/ピン材料の許容応力×4/π)0.5
=(1500(kgf・cm)/4(cm)/2000(kgf/cm2)×4/π)0.5
=0.49cm
となる。したがって、仮に想定施工トルクTを超えるトルク入力があっても、破断を防止できるように、計算値に対し安全係数を見積もって、例えば、ピン径d=φ6mmとしている。
また、袋ナット7は、内水圧に対して漏水することがなく、ポリエチレンアダプター5と金属継手本体部材6が相対回転可能である予め規定したトルク範囲内の締め付けトルクにてネジ嵌合している。
そして、予め規定したトルク範囲をより詳しく述べると、想定される最大内水圧をシールするのに必要な下限トルクを袋ナット締め付けトルクTの最小トルク値とし、仕切弁2のハンドル21に外部から人力を加えた場合に相対回転を行える上限トルクを袋ナット締め付けトルクTの最大トルク値とする範囲に設定している。
これを具体的数値に置き換えると、袋ナット締め付けトルクをT(kgf・cm)とし、ポリエチレン樹脂管外径をD(cm)とした時、
0.5D3≦T≦1000
の式にて表される範囲である。さらに、この範囲内のうち、1.5D3−100≦T≦1.5D3+100を最適トルク範囲として設定している。
次に、作用を説明する。
まず、「異種管接合継手の開発経緯」の説明を行い、続いて、実施例1の異種管接合継手Jにおける作用を、「袋ナット締め付けトルクのトルク範囲設定作用」、「継手組み立て作用」、「継手を用いた耐震管路の施工作用」に分けて説明する。
[異種管接合継手の開発経緯]
図7は、従来の異種管接合継手の一例を示す断面図である。図8は、従来の異種管接合継手を用いて耐震管路を構築する場合に短管部分をEFソケットで接合した状態を示す図である。図9は、埋め戻しによる管の捩れで仕切弁のハンドルが仕切弁ボックスの内面まで傾いた状態を示す図である。図10は、従来の異種管接合継手に回転機構を付加した回転機構付き継手の一例を示す断面図である。
ポリエチレン樹脂管と仕切弁、ネジ継手等の金属継手を接合する継手には、図7に示すようなオスアダプターが知られている。
この継手は、袋ナットを管に通して、管を継手本体に挿入し、袋ナットを締め付けることにより、インサートコアで管が拡径し、管の内面とインサートコアとの間でハードシール(強固の水密)され、ロックリングにより、拡径された管外径が抜けるのを防止する構造を持つ継手である。
この継手は、袋ナットの締め付け力が少ないと、ハードシールは確保されるが、管の抜け防止力は不十分で、水道等の水圧試験で漏水が無くても、地震時等管の引張り力が作用すると、管が抜けることがある。
そこで、上記品質バラツキを少なくするため、短管と継手を予め締め付け力を管理し、工場で接合することが可能である。この場合、現場での施工は、ポリエチレン樹脂管の場合、図8に示すように、ポリエチレン樹脂短管部分をEFソケット等で接合することで、耐震管路を構築することになる。
しかし、図8のような配管をした後、金属継手や仕切弁の締め込み(ネジ接合)が不十分で、水圧試験でネジ部から漏水した場合、配管が固定された状態でネジ接合部を無理矢理増し締めすると、工場で締め込んだポリエチレン樹脂短管部分と継手締込み部から漏水する可能性がある。
また、上記継手にネジ式仕切弁を、そのハンドルが上になるように締め込んだ後、埋め戻しを行うと、図9に示すように、管がねじれて仕切弁のハンドルが傾き、ハンドルが仕切弁ボックスの内面に接触し、弁操作に支障を招く場合がある。この時も、仕切弁のハンドルを真直ぐ上にしようとすると、工場で締め込んだポリエチレン樹脂短管部分と継手締込み部から漏水する可能性がある。
そこで、図10に示すように、継手の金属部分に回転機構を持たせ、工場で短管を組み込み、一体化した継手が考えられる。
この継手は、継手本体と回転ソケットが分離されており、そこに、回転リングを埋め込んでカバーを組み込む構造であるが、構造が複雑、部品点数が多く高価であり、かつ、回転リングの強度が不十分で、軸方向の抜け力に対して強度が弱い弱点がある。
さらに、袋ナットと継手本体の締め付けは、平行ネジであり、埋設時の車両荷重等による振動で、このネジ部分が緩み、管が抜けてしまう可能性がある。
このように、従来の異種管接合継手は、いずれも解決すべき課題を持っている。これらの課題を総合勘案すると、構造が単純で安価であり、シール性を確保しつつ、ポリエチレン樹脂管部分と金属ネジ部分が回転可能であり、軸方向の抜け力に対して強度が強い継手の開発が希求されている。本発明者は、このような継手を取り巻く環境の中で、継手構造の見直しを試み、構造を最大限に単純化しながらも、全ての要求性能を達成することを開発の狙いとし、本発明の異種管接合継手を提案した。
[袋ナット締め付けトルクのトルク範囲設定作用]
図11は、必要な袋ナット締め付けトルクの範囲を説明するための袋ナット締め付けトルクと金属継手本体回転トルクの関係を示すトルク関係特性図である。
実施例1では、袋ナット締め付けトルクT(kgf・cm)の予め規定したトルク範囲として、上記のように、ポリエチレン樹脂管外径をD(cm)とした時、0.5D3≦T≦1000の式にて表される範囲とし、さらに、この範囲内のうち、T=1.5D3±αを最適トルク範囲として設定した。この式が得られる理由と、臨界的意義について説明する。
ポリエチレンアダプター5と金属継手本体部材6の面圧(Ps)は、シールするためには、内部流体の内水圧より、高いのが望ましい。
袋ナット7の締め付けトルク(T)と、締め付け力(F)は、一般に次式から求められる。
F=T/(E・C) …式(1)
ここで、T:締め付けトルク (kgf・cm)
E:袋ナットネジ径 (8.1534cm(G2 3/4))
C:ネジの摩擦係数 (0.2)
また、面圧(Ps)は、次式から求められる。
Ps=F/A …式(2)
ここで、A:ポリエチレンアダプターと金属継手本体接触面の面積(cm2)
今、ポリエチレンアダプター5の鍔部52の外径=78mm、内径=51.8mm、金属継手本体部材6のOリング溝64の外径=72mm、内径=57mmとすると、ポリエチレンアダプターと金属継手本体接触面の面積Aは、
A=(π/4)×(782-51.82-(722-572))=11.51cm2
となる。
したがって、式(1)、式(2)により、面圧(Ps)は、
Ps=T/18.77kgf/cm2 …式(3)
となり、面圧(Ps)が既知であれば、式(3)により締め付けトルクTを算出できる。
ここで、内水圧(=必要面圧)を10kgf/cm2とすると、式(3)により初期必要締め付けトルクは、185kgf・cmになる。
一方、袋ナット7を締め付け、回り止めピン9を施した後に、ポリエチレンアダプター5を固定し、金属継手本体部材6が回転する初期トルクの関係を、袋ナット締め付けトルク毎に、測定した結果を図11に示す。
呼び径50mmの仕切弁2のハンドル21までの高さHは、約23cmである(図1参照)。仕切弁ボックス1が周辺にある状態で、ハンドル21を回転出来る人間の力は、せいぜい30kgfであると考えると、仕切弁2のネジは左右2箇所にあるので、金属継手本体回転トルクは、
23cm×30kgf/2=345kgf・cm
つまり、345kgf・cm以下である必要がある。言い換えると、345kgf・cmを超えるとハンドル21を人力で回転させるのが困難になる。
これらの関係を、図11に併記したもので、工場で締め付けるトルクは、185kgf・cm〜1000kgf・cmの範囲内にする必要がある。
そして、仕切弁2のハンドル21の回転力は少なければ、少ないほど良い。また、実験から、ポリエチレンアダプター5の応力緩和特性から、50年使用を想定した長期では初期面圧の1/3になる可能性がある。しかがって、最適締め付けトルクは、
185×3=555kgf・cm
になる。
これらの関係を一般化したものは、ポリエチレン樹脂管外径をD(cm)とすると、水道配水用ポリエチレン樹脂管では、SDR11より、
管内径=D−D/11×2
となる。鍔外径は、管肉厚のほぼ2倍で、
鍔外径=D+D/11×2
となる。Oリング溝64の面積Aは、接触面の約半分であり、
A=π/4(鍔外径2−管内径2)×1/2
となる。トルクTと軸力Fの関係は、F=T/鍔外径であり、初期面圧は、10kgf/cm2必要とすると、
シールに必要な初期締め付けトルクTは、
T≧0.5D3kgf・cm
となる。
一方、図11から明らかなように、仕切弁2のハンドル21の回転可能な初期締め付けトルクTは、1000kgf・cmである。したがって、
0.5D3≦T≦1000
の範囲内の締め付けトルクT(kgf・cm)にて袋ナット7を締め付けた後、回り止めピン9を打つことにする。このトルク下限値とトルク上限値の臨界的意義は、初期締め付けトルクTが0.5D3kgf・cm未満の場合には、最大圧域の内水圧が作用したときに水漏れが起き易いことを意味し、初期締め付けトルクTが1000kgf・cmを超える場合、配管固定後に人力にて仕切弁2のハンドル21を回転させるのが困難になることを意味する。
なお、長期使用によって締め付けトルクが1/3程度になることを考慮し、シールに必要な初期締め付けトルクTの3倍程度が、長期使用によってもシール性能を確保することができる締め付けトルクとなる。したがって、最適値は、
0.5D3×3=1.5D3
となる。なお、図11に示すように、1.5D3の前後の許容量である±α(例えば、α=100kgf・cm)を、袋ナット締め付けトルクT(kgf・cm)の最適トルク範囲(1.5D3−100≦T≦1.5D3+100)とすることができる。
この実施例1では、雄ネジを有する金属継手本体部材6の例を示したが、雌ネジを有する金属継手本体部材でも同じことがいえる。
[継手組み立て作用]
図12は、実施例1の異種管接合継手Jを工場にて組み立て完了した状態を示す要部断面図である。
実施例1の異種管接合継手Jを工場にて組み立てる継手組み立て作用を説明する。
まず、金属継手本体部材6の第1接触面62に形成したOリング溝64にOリング8を装着し、Oリング8の装着後、シリコン系等の滑材を塗布し、その後、鍔部52の鍔外端面53をOリング8に押し当てるようにしてポリエチレンアダプター5を金属継手本体部材6に差し込む。そして、金属継手本体部材6の平行ネジ部63に対し袋ナット7の雄ネジ部71を螺合し、袋ナット7をパイプレンチにより回しながら締め込むことで、ポリエチレンアダプター5と金属継手本体部材6を一体化する。ここで、袋ナット7の締め込みトルクは、上記のように、内水圧に対して漏水することがなく、ポリエチレンアダプター5と金属継手本体部材6が相対回転可能である予め規定したトルク範囲内の締め付けトルクに管理される。
このように、金属継手本体部材6の平行ネジ部63に対して予め規定したトルク範囲内のトルクにて袋ナット7を締め付けた後、金属継手本体6に形成されている貫通穴66の内径をガイドにし、ボール盤等により袋ナット7の途中位置まで達する径方向の有底ピン穴10(φ6mm)を形成する。そして、径方向に互いに連通する貫通穴66と有底ピン穴10に、回り止めピン9をネジ込んで埋め込み状態とする。
以上の工程を経過して工場にて組み立てられた実施例1の異種管接合継手Jは、図12に示すように、金属継手本体部材6の第1接触面62と袋ナット7の第2接触面72により、ポリエチレンアダプター5の鍔部外端面53と鍔部内端面54を挟圧し、かつ、ポリエチレンアダプター5の鍔部外端面53と金属継手本体部材6の第1接触面62の間に弾性変形したOリング8を介装したものとなる。
そして、実施例1の異種管接合継手Jでは、上記のように、袋ナット7をネジ嵌合するに際し、内水圧に対して漏水することがなく、ポリエチレンアダプター5と金属継手本体部材6が相対回転可能である予め規定したトルク範囲内の締め付けトルクとするトルク管理を工場での組み立て時に行う。このため、管系を流れる流体の漏水を防止するシール機能と、ポリエチレンアダプター5と金属継手本体部材6の相対回転を許容する相対回転機能の両立を図ることができる。
前記「シール機能」については、試作品での水圧試験によると、「2.5MPaで3分の間に漏れ等の異常がないこと」という試験基準をクリアすることが確認された。試作品での脈動水圧試験によると、「0MPa−3.0MPaの脈動水圧を10万回繰り返したとき異常がないこと」という試験基準をクリアすることが確認された。試作品での熱間内圧クリープ試験によると、「80℃の水で1.1MPaの水圧を加えたとき165時間異常がないこと」という試験基準をクリアすることが確認された。
前記「相対回転機能」については、試作品でのスクレイプ性試験によると、「金属部を手で持ちスクレイプできること」という試験基準を、共回りすること無くクリアすることが確認された。
さらに、第1接触面62と第2接触面72により、ポリエチレンアダプター5の鍔部外端面53と鍔部内端面54を挟圧していることで、管軸方向に外力が加わっても、抜け方向へも差し込み方向へも面接触により移動が規制されるため、テーパ面シールの場合のような軸方向外力の影響によるシール圧変動がなく、軸方向外力の影響によるシール圧変動を抑えることができる。したがって、実施例1の異種管接合継手Jを施工状態としたとき、様々な要因により管軸方向に外力が加わっても、「シール機能」と「相対回転機能」の両立を維持することができる。
[継手を用いた耐震管路の施工作用]
図13は、埋め戻しによる管の捩れで傾いた仕切弁をハンドルに人力を加えるだけで元の垂直状態に戻す戻し作用説明図である。図14は、実施例1の異種管接合継手Jを用いた管路の曲げ耐水圧試験を示す説明図である。
実施例1の異種管接合継手Jを用いて耐震管路を施工する際は、仕切弁2の一対の金属ネジ接合部22,22に対し、パイプレンチを用いて異種管接合継手J,Jの一端側の金属継手本体部材6の雄ネジ差口61,61をネジ込む。そして、図1に示すように、異種管接合継手J,Jのポリエチレンアダプター5,5に対しEFソケット3,3を融着し、さらに、EFソケット3,3にポリエチレン樹脂管4,4を融着する。そして、配管のために掘った土の埋め戻しを行って、耐震管路を施工する。なお、EFソケット3は、ポリエチレンアダプター5に対し、予め工場にて融着しておいても良い。
このように耐震管路を施工すると、埋め戻しによる力がポリエチレン樹脂管4に作用し、左右のポリエチレン樹脂管4,4が捩れることで、図13の仮想線に示すように、仕切弁2が傾いてしまうことがある。この場合、異種管接合継手J,Jが相対回転機能を有するため、ハンドル21に人力を加えるだけで、図13の実線に示すように、傾いた仕切弁2を元の垂直状態に戻すことができる。ちなみに、試作品でのバルブ締め込み後回転性の実験によると、「バルブを取り付けた後、ポリエチレン樹脂を固定して手でバルブが回転できること」という試験基準をクリアし、ハンドル21に荷重17kgfを加えることで、傾いた仕切弁2を元の垂直状態に戻すことができた。
配管固定後において、仕切弁2の金属ネジ接合部22に対する金属継手本体部材6の雄ネジ差口61,61の締め込みが不十分で、水圧試験によりネジ部から漏水した場合、配管が固定された状態のままで、ネジの増し締めが要求される。この場合、異種管接合継手J,Jが相対回転機能を有するため、配管固定状態のまま、パイプレンチを用いて異種管接合継手J,Jの一端側の金属継手本体部材6の雄ネジ差口61,61を回すことで、ネジの増し締めを行うことができる。この点は、試作品でのネジ増し締め施工性実験において、「ポリエチレン樹脂部を固定し、雄ネジ差口をパイプレンチで回転できること」という試験基準をクリアし、ネジの増し締めが施工可能であることが確認された。
耐震管路を構築するためには、地震により管軸方向に大きな引っ張り力が加わっても、継手の構成部品が抜けて破損することがないという耐久性能が要求される。これに対し、異種管接合継手Jは、テーパ面嵌合構造ではなく、ポリエチレンアダプター5の鍔部52に対する垂直面嵌合構造であるため、管軸方向に大きな引っ張り力が加わっても、ポリエチレン樹脂管4が破断し、継手部に弱点がなく、耐震管路を構築することができる。ちなみに、試作品での原管引張試験によると、「管が破壊すること」という試験基準をクリアし、引っ張り力を加え、引っ張り力が3.24kNとなったときに管の破壊が確認された。
実施例1の異種管接合継手Jでは、袋ナット7のナット内径D’とポリエチレンアダプター5のアダプター外径D”のクリアランスCを最小にし、ナット長さLをアダプター内径の半分程度にしている。このため、継手を有する管系を大きく曲げてもシール面の開きが抑えられ、漏水を防止することができる。ちなみに、試作品を用いて図14に示すように管路の曲げ耐水圧試験を行った結果、「片側22.5度曲げて水圧1.0MPaを加えて異常ないこと」という試験基準をクリアし、片側33度曲げて水圧1.0MPaを加えてもシール面の開きは見られなかった。このことは、大きな曲げ力が作用する地震時にシール性を保てることを意味し、耐震性に優れる。
実施例1では、金属継手本体部材6の平行ネジ部63に対して予め規定したトルク範囲内のトルクにて袋ナット7を締め付けた後、袋ナット7に有底ピン穴10を形成し、貫通穴66と有底ピン穴10に、回り止めピン9を組み込んでいる。このように、金属継手本体部材6の平行ネジ部63に対して袋ナット7をネジ込んだ後、金属継手本体部材6と袋ナット7を回り止めする回り止めピン9を打つため、施工状態で振動等が異種管接合継手Jに加わっても、金属継手本体部材6と袋ナット7のネジ嵌合部が緩むことがない。
加えて、回り止めピン9は、ピン部92のピン径dを、仮に締め付け操作が行われた場合にピン部92に作用するトルクを仮想トルクとし、この仮想トルクに基づき締め付け操作が行われても破断することがない径寸法に設定している。このため、現場施工者が、間違って袋ナット7の多角面73をパイプレンチで回転させる締め付け操作を行っても、回り止めピン9が破断することなく、金属継手本体部材6と袋ナット7のネジ嵌合部の緩み防止が確保される。
次に、本発明の効果を説明する。
実施例1の異種管接合継手Jにあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 円筒形状であり、片側に合成樹脂管部材を接続する第1管接続部を有し、反対側に鍔部52を有するポリエチレンアダプター5と、片側に金属管部材を接続する第2管接続部を有し、反対側に前記ポリエチレンアダプター5の鍔部外端面53と面接触する第1接触面62と、前記ポリエチレンアダプター5の鍔部外径より大きい内径による平行ネジ部63を有する金属継手本体部材6と、前記平行ネジ部63とネジ嵌合し、端面に前記ポリエチレンアダプター5の鍔部内端面54と面接触する第2接触面72を有する袋ナット7と、前記ポリエチレンアダプター5の鍔部外端面53と前記金属継手本体部材6の第1接触面62のうち、一方の面に形成したシールリング溝(Oリング溝64)に装着したシールリング(Oリング8)と、を備え、前記袋ナット7は、前記金属継手本体部材6の平行ネジ部63に対し予め規定したトルク範囲内の締め付けトルクにてネジ嵌合し、前記予め規定したトルク範囲として、想定される最大内水圧をシールするのに必要な下限トルクを袋ナット締め付けトルクの最小トルク値とし、前記金属継手本体部材6に接続される金属管部材に外部から人力を加えた場合にポリエチレンアダプター5に対して相対回転を行える上限トルクを袋ナット締め付けトルクの最大トルク値とする範囲に設定した。このため、部品点数が少なく部品点数が少なく構造が簡単で安価としながら、トルク管理によるシール機能と相対回転機能の両立と、軸方向外力の影響によるシール圧変動抑制と、耐震管路の構築と、を併せて達成することができる。このシール機能により、想定される最大内水圧が加わっても流体漏れを防止することができる。また、相対回転機能により、人力を加えるだけでポリエチレンアダプター5と金属継手本体部材6を正規の位置関係に戻すことができる。
(2) 前記袋ナット7は、予め規定したトルク範囲として、袋ナット締め付けトルクをT(kgf・cm)とし、ポリエチレン樹脂管外径をD(cm)とした時、
0.5D3≦T≦1000
の式にて表される範囲に設定した。このため、シール機能と相対回転機能を両立する袋ナット7の初期締め付けトルクのトルク範囲を、ポリエチレン樹脂管外径Dに基づいて規定することができる。
(3) 前記袋ナット7は、予め規定したトルク範囲として、袋ナット締め付けトルクをT(kgf・cm)とし、ポリエチレン樹脂管外径をD(cm)とした時、
1.5D3−100≦T≦1.5D3+100
の式にて表される最適トルク範囲に設定した。このため、シール機能と相対回転機能の両立を長期にわたって維持する袋ナット7の締め付けトルクのトルク範囲を、ポリエチレン樹脂管外径Dに基づいて規定することができる。
(4) 前記袋ナット7は、前記金属継手本体部材6の平行ネジ部63に対して予め規定したトルク範囲内のトルクにて締め付けた後、前記金属継手本体部材6に形成した貫通穴66と連通する径方向穴(有底ピン穴10)を前記袋ナット7に形成し、前記貫通穴66と径方向穴(有底ピン穴10)に、回り止め部材(回り止めピン9)を組み込んだ。このため、施工状態で振動等が異種管接合継手Jに加わっても、金属継手本体部材6と袋ナット7のネジ嵌合部が緩むことがなく、袋ナット7の予め規定した範囲内の締め付けトルクを維持することができる。
(5) 前記ポリエチレンアダプター5は、合成樹脂管部材としてポリエチレン樹脂管4を、円筒外周面51による第1管接続部に接続する部材であり、前記金属継手本体部材6は、金属管部材として仕切弁2の金属ネジ接合部22,22を、ネジ構造による第2管接続部(雄ネジ差口61)に接続する部材であり、前記袋ナット7は、前記仕切弁2のハンドル21に外部から人力を加えた場合に相対回転を行える上限トルクを袋ナット締め付けトルクの最大トルク値とする。このため、埋め戻し等により管径に捩れが生じて仕切弁2が傾いた場合、仕切弁2のハンドル21に人力を加えるだけで継手が相対回転し、仕切弁2を正規の位置に復帰させることができる。
(6) 前記袋ナット7は、ナット内径D’とアダプター外径D”のクリアランスCを、バラツキ吸収分と最小限隙間分を合わせた程度の間隔に設定すると共に、ナット軸方向長さLを、ポリエチレンアダプター5のアダプター内径の半分程度の長さに設定した。このため、継手を有する管系を大きく曲げてもシール面の開きが抑えられ、漏水を防止することができ、耐震性に優れる。
(7) 前記シールリングは、前記金属継手本体部材6の第1接触面62に形成したOリング溝64に装着したOリング8とし、前記Oリング溝64にOリング8を装着した後、滑材を塗布し、その後、前記袋ナット7を締め込むことで、前記ポリエチレンアダプター5と前記金属継手本体部材6を一体化する。このため、シールリングを押し潰し変形により高いシール性を発揮するOリング8としながら、ポリエチレンアダプター5と金属継手本体部材6の相対回転をスムーズにすることができる。
(8) 前記回り止め部材は、前記金属継手本体部材6のネジ溝を有する貫通穴66に埋め込み状態でネジ込まれるネジ込み頭部91と、前記袋ナット7の有底ピン穴10に差し込まれるピン部92と、を有する回り止めピン9であり、前記回り止めピン9は、前記ピン部92のピン径dを、現場施工者が前記袋ナット7の多角面73をパイプレンチで回転させる締め付け操作を想定し、仮に締め付け操作が行われた場合にピン部92に作用するトルクを仮想トルクとし、この仮想トルクに基づき締め付け操作が行われても破断することがない径寸法に設定した。このため、現場施工者が、間違って袋ナット7の多角面73をパイプレンチで回転させる締め付け操作を行っても、袋ナット7のネジ嵌合緩みを防止する回り止めピン9の破断を回避することができる。
以上、本発明の異種管接合継手を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、回り止め部材として、回り止めピン9を用いる例を示した。しかし、袋ナット7の締め付け後、金属継手本体部材6と袋ナット7を一体化する部材であれば、回り止めピン9以外の回り止め部材を用いるものであっても良い。
実施例1では、シールリングとして、Oリング8を用いる例を示した。しかし、合成樹脂アダプターと金属継手本体部材6のシール性を確保すると共に、相対回転を許容するシールリングであれば、他の構造のメカニカルシールを用いるようにしても良い。また、シールリングを設定する面は、金属継手本体部材6側ではなく、合成樹脂アダプター側としても良い。また、シールリングを装着した面の対向面に、シールリングの滑りを良くする滑りシート等を設定しても良い。
実施例1では、耐震管路を構築する仕切弁へのポリエチレン樹脂管の継手として実施例1の異種管接合継手Jを適用する例を示したが、異種管を有する通常管路の継手としても勿論適用することができる。
実施例1の異種管接合継手Jを仕切弁へのポリエチレン樹脂管の継手として適用した耐震管路の一例を示す全体図である。 実施例1の異種管接合継手Jを示す全体断面図である。 実施例1の異種管接合継手Jにおけるポリエチレンアダプターを示す断面図である。 実施例1の異種管接合継手Jにおける金属継手本体部材をあらわし、(a)は断面図を示し、(b)は右側面図を示す。 実施例1の異種管接合継手Jにおける袋ナットをあらわし、(a)は左側面図を示し、(b)は断面図を示す。 実施例1の異種管接合継手Jにおける回り止めピンのねじ込み状態を示す要部断面図である。 従来の異種管接合継手の一例を示す断面図である。 従来の異種管接合継手を用いて耐震管路を構築する場合に短管部分をEFソケットで接合した状態を示す図である。 埋め戻しによる管の捩れで仕切弁のハンドルが仕切弁ボックスの内面まで傾いた状態を示す図である。 従来の異種管接合継手に回転機構を付加した回転機構付き継手の一例を示す断面図である。 必要な袋ナット締め付けトルクの範囲を説明するための袋ナット締め付けトルクと金属継手本体回転トルクの関係を示すトルク関係特性図である。 実施例1の異種管接合継手Jを工場にて組み立て完了した状態を示す要部断面図である。 埋め戻しによる管の捩れで傾いた仕切弁をハンドルに人力を加えるだけで元の垂直状態に戻す戻し作用説明図である。 実施例1の異種管接合継手Jを用いた管路の曲げ耐水圧試験を示す説明図である。
符号の説明
J 異種管接合継手
1 仕切弁ボックス
2 仕切弁(金属管部材)
21 ハンドル
22 金属ネジ接合部
3 EFソケット
4 ポリエチレン樹脂管(合成樹脂管部材)
5 ポリエチレンアダプター(合成樹脂アダプター)
51 円筒外周面(第1管接続部)
52 鍔部
53 鍔部外端面
54 鍔部内端面
6 金属継手本体部材
61 雄ネジ差口(第2管接続部)
62 第1接触面
63 平行ネジ部
64 Oリング溝(シールリング溝)
65 多角面
66 貫通穴
7 袋ナット
71 雄ネジ部
72 第2接触面
73 多角面
8 Oリング(シールリング)
9 回り止めピン(回り止め部材)
91 ネジ込み頭部
92 ピン部
10 有底ピン穴(径方向穴)

Claims (6)

  1. 円筒形状であり、片側に合成樹脂管部材を接続する第1管接続部を有し、反対側に鍔部を有する合成樹脂アダプターと、
    片側に金属管部材を接続する第2管接続部を有し、反対側に前記合成樹脂アダプターの鍔部外端面と面接触する第1接触面と、前記合成樹脂アダプターの鍔部外径より大きい内径による平行ネジ部を有する金属継手本体部材と、
    前記平行ネジ部とネジ嵌合し、端面に前記合成樹脂アダプターの鍔部内端面と面接触する第2接触面を有する袋ナットと、
    前記合成樹脂アダプターの鍔部外端面と前記金属継手本体部材の第1接触面のうち、一方の面に形成したシールリング溝に装着したシールリングと、を備え、
    前記袋ナットは、前記金属継手本体部材の平行ネジ部に対し予め規定したトルク範囲内の締め付けトルクにてネジ嵌合し、前記予め規定したトルク範囲として、想定される最大内水圧をシールするのに必要な下限トルクを袋ナット締め付けトルクの最小トルク値とし、前記金属継手本体部材に接続される金属管部材に外部から人力を加えた場合に合成樹脂アダプターに対して相対回転を行える上限トルクを袋ナット締め付けトルクの最大トルク値とする範囲に設定し
    前記袋ナットは、前記金属継手本体部材の平行ネジ部に対して予め規定したトルク範囲内のトルクにて締め付けた後、前記金属継手本体部材に形成した貫通穴と連通する径方向穴を前記袋ナットに形成し、前記貫通穴と径方向穴に、回り止め部材を組み込んだことを特徴とする異種管接合継手。
  2. 請求項1に記載された異種管接合継手において、
    前記袋ナットは、予め規定したトルク範囲として、袋ナット締め付けトルクをT(kgf・cm)とし、前記合成樹脂アダプターに接続される合成樹脂管外径をD(cm)とした時、
    0.5D3≦T≦1000
    の式にて表される範囲に設定したことを特徴とする異種管接合継手。
  3. 請求項2に記載された異種管接合継手において、
    前記袋ナットは、予め規定したトルク範囲として、袋ナット締め付けトルクをT(kgf・cm)とし、前記合成樹脂アダプターに接続される合成樹脂管外径をD(cm)とした時、
    1.5D3−100≦T≦1.5D3+100
    の式にて表される最適トルク範囲に設定したことを特徴とする異種管接合継手。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載された異種管接合継手において、
    前記合成樹脂アダプターは、合成樹脂管部材としてポリエチレン樹脂管を、円筒外周面による第1管接続部に接続する部材であり、
    前記金属継手本体部材は、金属管部材として仕切弁の金属ネジ接合部を、ネジ構造による第2管接続部に接続する部材であり、
    前記袋ナットは、前記仕切弁のハンドルに外部から人力を加えた場合に相対回転を行える上限トルクを袋ナット締め付けトルクの最大トルク値とすることを特徴とする異種管接合継手。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載された異種管接合継手において、
    前記袋ナットは、ナット内径とアダプター外径のクリアランスを、バラツキ吸収分と最小限隙間分を合わせた程度の間隔に設定すると共に、ナット軸方向長さを、合成樹脂アダプターのアダプター内径の半分程度の長さに設定したことを特徴とする異種管接合継手。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載された異種管接合継手において、
    前記シールリングは、前記金属継手本体部材の第1接触面に形成したOリング溝に装着したOリングとし、
    前記Oリング溝にOリングを装着した後、滑材を塗布し、その後、前記袋ナットを締め込むことで、前記合成樹脂アダプターと前記金属継手本体部材を一体化することを特徴とする異種管接合継手。
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