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JP4858462B2 - 伝動ベルト - Google Patents

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Description

この発明は、板片状の多数のエレメントを互いに対面させて環状に配置し、それらのエレメントをリングに組み付けることにより無端環状に結束して構成した伝動ベルトに関するものである。
一般に、複数の回転部材同士の間で動力の伝達を行う場合に用いる変速機として、変速比を段階的に変化させることができる有段変速機と、変速比を連続してすなわち無段階に変化させることができる無段変速機とがあり、後者の無段変速機としてはベルト式無段変速機およびトロイダル式無段変速機などが知られている。このうち、ベルト式無段変速機は、駆動側プーリおよび従動側プーリの2組のプーリと、それらのプーリに巻き掛けられる伝動ベルトとを使用して変速比を無段階に変化させる変速機である。そのようなベルト式無段変速機に用いられる伝動ベルトとして、例えば、エレメントあるいはブロックなどと称される多数の板片をその板厚方向に互いに重ね合わせて環状に配列するとともに、それらの板片をリングあるいはバンドあるいはキャリアなどと称される環状の帯状体で環状に結束することにより、無端環状に形成されたベルトが知られている。
このような伝動ベルトが、駆動側および従動側の2組のプーリに巻き掛けられた状態で駆動側プーリが駆動されると、エレメントには、エレメントと駆動側プーリとの接触部分の摩擦力、および、駆動側プーリのトルクに応じて駆動側プーリからエレメントに対して加えられるエレメントの積層方向すなわちエレメントの厚さ方向の圧縮力が作用する。そして、駆動側プーリに接触しているエレメントに伝達された圧縮力は、プーリに巻き掛けられていないエレメントを経由して、従動側プーリに接触しているエレメントに伝達される。この従動側プーリに接触しているエレメントに圧縮力が伝達されると、そのエレメントと従動側プーリとの接触部分の摩擦力、および伝達された圧縮力に応じて従動側プーリを回転させようとするトルクが発生する。このようにして、駆動側プーリと従動側プーリとの間で、伝動ベルトを介して動力伝達が行われる。
上記のような伝動ベルトの一例が特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載されている高負荷伝動ベルトは、センターベルトと耐側圧を補強するブロックとからなる伝動ベルトであって、具体的には、上端に係止部を有している2本のベルト側部およびそれらを下端で連結する連結部材により形成されたブロック(エレメント)と、そのエレメントの両係止部の間に開口している嵌合溝(エレメントの開口凹部)に両係止部によってエレメントから外れないように嵌め込まれている2列の無端キャリア(リング)とによって構成されている。そして、エレメントの2本のベルト側部の前後面には、それぞれ凸部と凹部とが設けられていて、前後のエレメント同士の間でそれら凸部と凹部とが嵌り合うことにより、エレメントがベルト走行中でも整列するようになっている。
特開2000−205342号公報
上記の特許文献1に記載されている伝動ベルトは、エレメントの左右両端のベルト側部にリングとエレメントとを係止する係止部が形成されていて、両ベルト側部上方の平面部分に、隣接するエレメント同士で互いに嵌合する嵌合用の凹凸部が形成されている。すなわちこの嵌合用の凹凸部は、エレメントの両側に左右対称に2箇所設けられている。そして、両ベルト側部の間に形成された開口凹部に2列のリングを嵌め込み、係止部で係止されるように組み付けることにより、伝動ベルトが構成されている。
このような伝動ベルトにおいては、リングにエレメントを組み付ける場合、あるいはリングに組み付けられたエレメントをリングから外す場合に、2列に並列されているリングの一部を互いに重ね合わせた状態にする必要がある。すなわち2列のリングに対してエレメントを組み付けたり、外したりする場合には、それら2列のリングにねじりを加えて互いに重ね合わせることにより、2列のリングの幅をエレメントの両係止部間の開口幅よりも狭い状態にする必要がある。
2列のリングにねじりを加えて互いに重ね合わせた状態にするためには、隣接しているエレメント同士を、それぞれの対向面内で相対回転、すなわちローリングさせる必要がある。しかしながら、特許文献1に記載されている伝動ベルトは、隣接するエレメント同士で互いに嵌合する凹凸部がエレメントの左右両側に2箇所設けられているため、エレメント同士のローリング方向の動作が規制されてしまう。その結果、2列のリングを互いに重なり合わせた状態にすることが困難になり、伝動ベルトを組み付けることができなくなる可能性があった。
これに対して、例えば図6に示すような、隣接するエレメント同士で互いに嵌合する凹凸部がエレメントの幅方向の中央部に1箇所だけ設けられているエレメントを採用することにより、エレメント同士のローリングを可能にし、2列のリングを互いに重なり合わせた状態にしてエレメントと2列のリングとを容易に組み付けることが可能な構成を、本出願人は別に出願している。
この図6に示す構成の伝動ベルトでは、上記のようにエレメント同士のローリングを可能にしてエレメントと2列のリングとの組み付けを容易にすることができる。その反面、伝動ベルトがトルク伝達を行うベルト走行時に、伝動ベルトがプーリに巻き掛かっていない伝動ベルトの直線走行状態の部分では、ベルトの進行方向に対する伝動ベルトの直進性が低下してしまう可能性がある。すなわち、図6に示すように、隣接するエレメント同士で位置決めをしている嵌合用の凹凸部がエレメントのロッキングエッジよりも内周側に設けられているため、伝動ベルトの直線走行状態では、それら嵌合用の凹凸部の嵌合が浅くなる。また、嵌合用の凹凸部の間のクリアランスも累積して増加する。その結果、例えば図7に示すように、伝動ベルトの直線走行状態では、ベルトの進行(走行)方向に対してエレメントが蛇行している状態となり、伝動ベルトの直進性が低下してしまう場合があった。
なお、開口凹部と2列のリングとの嵌合部分のクリアランスδを小さくすることにより、エレメントとリングとの間の幅方向における相対移動を規制して伝動ベルトの直進性を改善できるが、それら開口凹部と2列のリングとの嵌合部分は、開口凹部内の2列のリングの組み付けを容易にするためのスペースを確保しておく必要があるため、それらの嵌合部分のクリアランスδは、伝動ベルトの直進性の改善に寄与できる程度に小さくすることはできない。
このように、開口凹部が形成されたエレメントと2列のリングとを組み付けて構成される従来の伝動ベルトにおいては、その組み付けを容易にして組み付け性を向上させるとともに、ベルト走行時の直線走行状態における伝動ベルトの直進性を向上させるためには、未だ改良の余地があった。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、エレメントとリングとを容易にかつ確実に組み付けることができるとともに、ベルト走行時における直進性を向上することができる伝動ベルトを提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、帯状のリングを幅方向で複数列に並列させて収容する凹部が形成されるとともに、その凹部における左右の内壁面の開口端側に前記複数列のリングを係合させてその離脱を防止する左右の抜け止め部が形成された板片状の多数のエレメントを、前記開口端側が外周側となるように環状に配列し、その環状に配列されたエレメントの列における前記両抜け止め部の内周側に前記複数列のリングを嵌め込んで組み付けた伝動ベルトにおいて、前記左右の抜け止め部の先端面が互いに対向する開口部の間でかつ前記リングの外周側に、前記凹部内での前記エレメントと前記リングとの幅方向における相対移動を規制する保持リングが装着されていることを特徴とする伝動ベルトである。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記開口部の幅方向における該開口部と前記保持リングとの間のクリアランスが、前記凹部の幅方向における該凹部と前記複数列のリングとの間のクリアランスよりも小さいことを特徴とする伝動ベルトである。
そして、請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記保持リングが、前記複数列のリングが並列した状態での幅方向のほぼ中央に装着されていることを特徴とする伝動ベルトである。
請求項1の発明によれば、複数列のリングにより連結される多数のエレメントが、隣接するエレメント同士の間でエレメントをローリングさせることが可能に連結される。そのため、エレメントをローリングさせながらエレメントの凹部における両抜け止め部の内周側に複数列のリングを嵌め込んで係合させることができ、エレメントと複数列のリングとを容易に組み付けることができる。そして、左右の抜け止め部の先端面が互いに対向する開口部の間でかつリングの外周側に、エレメントがリングに対して幅方向に相対移動する際に抜け止め部の先端面と当接してその相対移動を規制する保持リングが装着されている。言い換えると、多数のエレメントを環状に連結する複数列のリングの外周側で左右の抜け止め部の対向する先端面同士の間に、保持リングがさらに積層されて装着されている。そのため、それら複数列のリングがエレメントの凹部内に嵌め込まれた状態で、伝動ベルトの幅方向における複数列のリングとエレメントとの相対移動が規制され、その結果、伝動ベルトがトルク伝達を行うベルト走行時における伝動ベルトの直進性を向上させることができる。
また、請求項2の発明によれば、複数列のリングの外周側で左右の抜け止め部の先端面同士の間に保持リングが積層された状態で、凹部と複数列のリングとの間のクリアランス(すなわち、凹部内の互いに対向する左右の内壁面間の距離と複数列のリングの全幅との差)よりも、開口部と保持リングとの間のクリアランス(すなわち、凹部内の互いに対向する左右の抜け止め部の先端面間の距離と保持リングの幅との差)が小さくなるように各部の形状・寸法が設定されている。そのため、クリアランスが小さくなっている開口部と保持リングとの間の嵌合部分を、ベルト走行時に幅方向の位置決めとして機能させることができ、伝動ベルトの直進性をより一層向上させることができる。
そして、請求項3の発明によれば、複数列のリングの外周側で左右の抜け止め部の先端面同士の間に積層される保持リングは、複数列のリングが全て並列した状態におけるリングの幅の中央部分に配置される。そのため、複数列のリングがエレメントの凹部内に嵌め込まれた状態において、それら複数列のリングを凹部の幅方向における中央部分に配置して保持することができ、その結果、伝動ベルトの直進性をバランスよく向上させることができる。
つぎに、この発明で対象とする伝動ベルトについて図面を参照して具体的に説明する。図1,図2において、伝動ベルトVは、例えば、ベルト式無段変速機の駆動側(入力軸)プーリと従動側(出力軸)プーリとに巻き掛けられて、それらのプーリの間で動力を伝達するベルトの例を示している。そして、この発明における多数のエレメントEは、例えば金属製の板片状の部材からなり、その幅方向(図1のx軸方向)における左右の側面1,2が、テーパ状の傾斜した面として形成された本体(基体)部3を有し、そのテーパ状に傾斜した両側面1,2が、ベルト式無段変速機の駆動側プーリあるいは従動側プーリであるプーリ4のベルト巻き掛け溝(V形溝)4aに摩擦接触してトルクを伝達するトルク伝達面となっている。
本体部3の幅方向(図1のx軸方向)における左右の両端部分に、本体部3の一部であって、エレメントEの上下方向(図1,図2のy軸方向)での上方に延びた左右の柱部5,6がそれぞれ形成されている。したがって、本体部3の図1,図2での上側のエッジ部分である上端面3aと、両柱部5,6の本体部3の幅方向における中央を向いた左右の内壁面5a,6aとによって、エレメントEの上側(図1のy軸方向での上側)すなわち伝動ベルトVの外周側に開口した凹部7が形成されている。
凹部7は、互いに密着して環状に配列されたエレメントEを環状に結束するための帯状の2列(もしくは2条)のリングRを、その内側に挿入して幅方向で2列に並列させた状態で収容するための部分であり、したがって上端面3aが、リングRの内周面を接触させて載せるサドル面3aとなっている。
リングRは、例えば、金属製で環状の薄い帯状体(単リング)を径方向に複数層に重ねたいわゆる積層リング13,14として形成されていて、この積層リング13,14における各単リング同士の重ね合わせ状態もしくは積層状態は、各単リングの張力や各単リング同士の間の摩擦力等によって保持されている。
左右の柱部5,6の上端部分には、左右の先端面8a,9aがそれぞれ本体部3の幅方向における中央に向かって延びた左右の抜け止め部8,9が、それぞれ両柱部5,6と一体に形成されている。言い換えると、凹部7の開口端(凹部7における伝動ベルトVの外周側の端部)側の左右の内壁面5a,6aに、凹部7の幅方向(図1のx軸方向)における中心側に向けた抜け止め部8,9がそれぞれ形成されている。
したがって、凹部7の底部7a(すなわちサドル面(上端面)4a)側では、互いに対向する両内壁面5a,6a間の距離Wによって凹部7内の内幅Wが決定されている。一方、凹部7の開口端側では、互いに対向する両先端面8a,9aの間の距離Wによって凹部7の開口部7bにおける開口幅Wが決定されている。
ここで、前述のリングRは、前述したように2列の積層リング13,14によって構成されていて、そのため、各積層リング13,14を円周方向の一部において部分的に径方向(すなわち厚さ方向)で互いに重なり合わせることによって、リングRとして、積層リング13と積層リング14とが径方向に互いに重なり合った重ね合わせ状態と、積層リング13と積層リング14とが幅方向に互いに並列した並列状態とを同時に設定できるようになっている。
また、リングRは、並列状態でのリングRの全幅(すなわち、積層リング13の幅と積層リング14の幅との合計)Dが、上記の開口幅Wよりも広くなり、かつ内幅Wよりも狭くなるように、積層リング13,14の幅寸法、および凹部7の各部の形状・寸法が設定されて形成されている。さらに、リングRを重ね合わせ状態にすることにより、リングRの全幅を一時的に開口幅Wよりも狭くすることができるように、積層リング13,14の幅寸法、および凹部7の各部の形状・寸法が設定されて形成されている。
したがって、リングRを重ね合わせ状態にすることにより、その重ね合わせ状態の部分を、凹部7の両先端面8a,9aの間、すなわち開口部7bを通過させて凹部7に嵌め込むことができる。そしてリングRの重ね合わせ状態の部分を開口部7bを通過させて凹部7に嵌め込んだ後に、エレメントEをリングRの並列状態の部分まで移動させること、もしくはリングRの凹部7が嵌め込まれた部分を並列状態に戻すことによって、凹部7内でリングRを両抜け止め部8,9の内周側の部分で係止し、凹部7からのリングRの離脱を防止すること、すなわちリングRを凹部7に嵌め込んで係合させることができる。
また、エレメントEの凹部7に並列状態のリングRが嵌め込まれた状態におけるそれら凹部7とリングRとの嵌合部分には、伝動ベルトVの幅方向にクリアランスδ1が設けられている。すなわち、このクリアランスδ1は、凹部7の内幅WとリングRの全幅Dとの差(すなわち「δ1=(W−D)/2」)として表され、凹部7内へのリングRの組み付けを容易にするための所定の寸法に設定されている。
この伝動ベルトVを構成する多数のエレメントEは、環状に配列された状態でリングRによって結束され、その状態で駆動側および従動側のそれぞれのプーリ4に巻き掛けられる。したがってプーリ4に巻き掛けられた状態では、各エレメントEが、プーリ4の中心に対して扇状に拡がり、かつ互いに密着する必要があるため、各エレメントEの図1,図2での下側の部分(環状に配列した状態での中心側の部分)が薄肉に形成されている。
すなわち、本体部3の一方の面(例えば図2のz軸方向での左側の面)で、エレメントEの上下方向におけるサドル面3aの位置から下側の部分が削り落とされた状態で次第に薄肉化されている。したがって、各エレメントEが扇形に拡がって接触する状態、言い換えると、各エレメントEがプーリ4に巻き掛かり円弧状に湾曲して配列されて伝動ベルトVが湾曲するベルト湾曲状態で、その板厚の変化する境界部分で接触する。この境界部分のエッジが、いわゆるロッキングエッジ10となっている。
この種のエレメントEのサドル面3aは、多数のエレメントEを結束しているリングRが接触しているので、伝動ベルトVがトルクを伝達している状態では、その接触圧が大きくなるのに対して、エレメントEが直線状に配列されている状態からプーリ4に巻き掛かって扇状に開く場合には、リングRとサドル面3aとの間に滑りによる摺動が生じ、それに伴って大きい摩擦力が生じる。このとき、エレメントEの上下方向における上記のサドル面3aとロッキングエッジ10との間の距離が長いと、リングRとサドル面3aとの間の摩擦力によるモーメントが大きくなり、リングRとサドル面3aとの間で一層滑りによる摺動が生じ易くなる。その結果、伝動ベルトVの運転時における摩擦損失が増大して伝動ベルトVの伝動効率が低下してしまうおそれがある。
そこで、上記のように、エレメントEの上下方向におけるサドル面3aの位置と同じ位置もしくはほぼ同じ位置に、すなわちエレメントEの上下方向におけるサドル面3aの位置からオフセットせずに、ロッキングエッジ10を形成することによって、リングRとサドル面3aとの間の摩擦力によるモーメントを可及的に小さくすることができ、その結果、伝動ベルトVの運転時における摩擦損失を低減して伝動ベルトVの伝動効率を向上することができる。
エレメントEの本体部3の幅方向における中央部分には、各エレメントEの相対的な位置を決めるためのディンプル11とホール12とが形成されている。具体的には、本体部3の一方の面側(図2の例では、ロッキングエッジ10のある面側)に凸となる円錐台形のディンプル11が形成されている。そして、このディンプル11とは反対側の面に、隣接するエレメントEにおけるディンプル11を緩く嵌合(遊嵌)させる有底円筒状のホール12が形成されている。
したがって、互いに隣接するエレメントEの間で、これらのディンプル11とホール12とが嵌合することによって、エレメントE同士の図1での左右方向および上下方向の相対位置を決めることができる。しかしながら、前述したように、この発明におけるエレメントEはディンプル11およびホール12がロッキングエッジ10よりも内周側に形成されているため、ベルト走行時に、伝動ベルトVがプーリ4に巻き掛かっていない伝動ベルトVの直線走行状態の部分では、ベルトの進行方向に対する伝動ベルトVの直進性が低下してしまう可能性があった。
すなわち、各エレメントEがプーリ4に巻き掛かり円弧状に湾曲して配列している場合、すなわちディンプル11が形成されている側(図2のz軸方向での左側)の前面11aとホール12が形成されている側(図2のz軸方向での右側)の後面12aとが当接している場合におけるディンプル11とホール12との嵌合状態と比較して、各エレメントEがプーリ4に巻き掛かからずに直線状に配列している場合、すなわち前面11aと後面12aとの間に距離がある場合は、ディンプル11とホール12との嵌合が不可避的に浅くなってしまう。その結果、ディンプル11とホール12とが嵌合することによる互いに隣接するエレメントEの間での位置決め機能が低くなり、ベルト走行時における伝動ベルトVの直進性が低下してしまう。
そこで、この発明における伝動ベルトVは、多数のエレメントEと複数列のリングRとを容易にかつ確実に組み付けて伝動ベルトVの組み付け性を向上することと併せて、ベルト走行時における伝動ベルトVの直進性を向上するために、この発明の伝動ベルトVを構成するエレメントEとリングRとの間に、具体的にはエレメントEの凹部7の開口部7bの間でかつリングRの外周側に、凹部7内でのエレメントEとリングRとの幅方向における相対移動を規制する保持リング15が装着されている。
より具体的には、図1に示すように、保持リング15は、凹部7の開口部7bの間、すなわち両抜け止め部8,9の互いに対向する先端面8a,9aの間であって、リングRの最外周面上でなおかつリングRの幅方向のほぼ中央に、積層して配置された状態で装着されている。また、保持リング15は、1列(もしくは1条)の帯状のリングであって、この図1に示す例では、リングRすなわち積層リング13,14と同様に、例えば金属製で環状の薄い帯状体(単リング)を径方向に複数層に重ねた積層リングとして形成されている。したがって、この保持リング15とリングRとは、保持リング15の張力および保持リング15とリングRとの間の摩擦力等によってその積層状態が保持されている。
また、保持リング15の幅Dは、開口部7bの開口幅Wよりも僅かに狭くなるように設定されている。具体的には、保持リング15が開口部7bの間に位置した状態におけるそれら開口部7bと保持リング15との嵌合部分には、伝動ベルトVの幅方向に、前述の凹部7とリングRとの嵌合部分のクリアランスδ1よりも小さな、クリアランスδ2が設けられている。すなわち、このクリアランスδ2は、凹部7の開口部7bの開口幅Wと保持リング15の幅Dとの差(すなわち「δ2=(W−D)/2」)として表される。そして、このクリアランスδ2は、保持リング15を凹部7の両抜け止め部8,9の先端面8a,9aと干渉することなく開口部7bの間に装着することが可能で、かつ保持リング15をエレメントEの凹部7におけるリングRの幅方向の位置決めとして機能させることが可能な所定の寸法に設定されている。
したがって、この保持リング15が装着された状態では、エレメントEとリングRとが幅方向に相対移動する際に、リングRのいずれかの側面13a(もしくは14b)といずれかの内壁面5a(もしくは6a)とが当接するよりも先に、リング13のいずれかの側面15a(もしくは15b)といずれかの先端面8a(もしくは9a)とが当接する。すなわち、リング13のいずれかの側面15a(もしくは15b)といずれかの先端面8a(もしくは9a)とが当接することにより、エレメントEとリングRとの幅方向における相対移動が規制される。そのため、エレメントEの凹部7内におけるリングRの配置が、常に凹部7の幅方向の中央に位置するように保持される。言い換えると、リングRの周長方向に対して、エレメントEの幅方向の中心が常に一致するように整列した状態が保持される。その結果、図3に示す状態のように、ベルト走行時における伝動ベルトVの直進性が良好になり、例えばベルト式無段変速機が運転される場合に、伝動ベルトVのがたつきを防止して伝動ベルトVを安定して走行させることができる。
図4,図5に、この発明による伝動ベルトVの他の実施形態を示す。上記の図1,図2に示す伝動ベルトVにおける保持リング15が、1列(1条)の金属製の積層リングにより構成された例であるのに対して、図4に示す伝動ベルトVは、リングRの2列の積層リング13,14と同様に、2列の金属製の積層リングによりこの発明における保持リングを構成した例を示している。
すなわち、図4において、リングRを構成する2列の積層リング13,14のうち、積層リング13の外周側に、金属製で環状の薄い帯状体(単リング)を径方向に複数層に重ねた積層リング21aが積層して装着されている。一方、積層リング14の外周側に、金属製で環状の薄い帯状体(単リング)を径方向に複数層に重ねた積層リング21bが積層して装着されている。そして、これら積層リング21aと積層リング21bとにより、この発明における保持リング21が構成されていて、その保持リング21は、エレメントEの開口部7bの間、すなわち両抜け止め部8,9の互いに対向する先端面8a,9aの間であって、リングRの最外周面上でなおかつリングRの幅方向のほぼ中央に、積層して配置された状態で装着されている。
このように、保持リング21を2列に分割してリングRに積層させて装着した場合であっても、前述の1列の保持リング15を装着した場合と同様の効果を得ることができる。さらに、保持リング15および保持リング21のように、リングRと同じ材質もしくは同等の強度や弾性を有する材質で保持リング15,16を形成することにより、それら保持リング15,21の強度をリングRの強度に付加することができ、リングRの強度を増大させることができる。その結果、伝動ベルトVとしての強度、および耐久性を向上させることができ、また伝動ベルトVの伝達トルク容量も増大させることができる。
また、上記の図1,図2,図4に示す伝動ベルトVにおける保持リング15,21が、リングRと同材質もしくは同等の金属製の積層リングにより構成された例であるのに対して、図5に示す伝動ベルトVは、高い伸縮率を有する弾性部材によりこの発明における保持リングを構成した例を示している。
すなわち、図5において、エレメントEの開口部7bの間、すなわち両抜け止め部8,9の互いに対向する先端面8a,9aの間であって、リングRの最外周面上でなおかつリングRの幅方向のほぼ中央に、例えばゴム製や樹脂製で環状の帯状体により形成した保持リング31が積層して配置された状態で装着されている。
このように、保持リング31を、高い伸縮率を有する弾性部材により形成することにより、前述の保持リング15,21を装着した場合と同様の効果を得ることができるとともに、保持リング31が高い伸縮率を有していることによって、組み付けの際の自由度を高めることができる。
以上のように、この発明の伝動ベルトVによれば、2列のリングRにより連結される多数のエレメントEが、隣接するエレメントE同士の間でエレメントEをローリングさせることが可能に連結される。そのため、エレメントEをローリングさせながらエレメントEの凹部7における両抜け止め部8,9の内周側に2列のリングRを嵌め込んで係合させることができ、エレメントEと2列のリングRとを容易に組み付けることができる。そして、多数のエレメントEを環状に連結する2列のリングRの外周側で左右の抜け止め部8,9の互いに対向する先端面8a,9a同士の間に、保持リング15,21,31がさらに積層されて装着される。そのため、それら2列のリングRがエレメントEの凹部7内に嵌め込まれた状態で、伝動ベルトVの幅方向における2列のリングRとエレメントEとの相対移動が規制され、その結果、伝動ベルトEがトルク伝達を行うベルト走行時における伝動ベルトEの直進性を向上させることができる。
また、2列のリング2の外周側で左右の抜け止め部8,9の先端面8a,9a同士の間に保持リング15,21,31が積層された状態で、凹部7と2列のリングRとの間のクリアランスδ1(すなわち、凹部7内の互いに対向する左右の内壁面間5a,6aの距離W(すなわち内幅W)と2列のリングRの全幅Dとの差の半分)よりも、開口部7bと保持リング15,21,31との間のクリアランスδ2(すなわち、凹部7内の互いに対向する左右の先端面8a,9a間の距離W(すなわち開口幅W)と保持リング15,21,31の幅Dとの差の半分)が小さくなるように各部の形状・寸法が設定されている。そのため、クリアランスδ2が小さくなっている開口部7bと保持リング15,21,31との間の嵌合部分を、ベルト走行時に幅方向の位置決めとして機能させることができ、伝動ベルトVの直進性をより一層向上させることができる。
そして、保持リング15,21,31は、2列のリングRが全て並列した状態におけるリングの全幅Dの中央部分に配置される。そのため、2列のリングRがエレメントEの凹7部内に嵌め込まれた状態において、それら2列のリングRを凹部7の幅方向における中央部分に配置して保持することができ、その結果、幅方向における左右のバランスがよい良好な直進性の下で伝動ベルトVを走行させることができる。
なお、この発明は上述した具体例に限定されない。すなわち、上述した具体例では、エレメントEと共にこの発明の伝動ベルトVを構成するリングRが、図面上では4層に積層されたリングにより構成された例を示し、またこの発明における保持リング15,21が、図面上では3層に積層されたリングにより構成された例を示しているが、この発明におけるリングRあるいは保持リング15,21は、4層あるいは3層以外の複数層もしくは単層のリングRあるいは保持リング15,21であってもよい。
また、上述した具体例では、リングRを2列に並列させた例を示しているが、この発明のリングRは、2列以外に、例えば3列や4列の複数列に並列させた積層リングであってもよい。
また、上述した具体例では、この発明の伝動ベルトVが、例えばベルト式無段変速機に使用されている例を示しているが、この発明の伝動ベルトVは、ベルト式無段変速機に限らず、伝動ベルトとVプーリとによって構成される他の巻き掛け伝動装置の伝動ベルトにも適用することができる。
この発明に係る伝動ベルトの構成を示す模式図であって、その伝動ベルトの正面図である。 この発明に係る伝動ベルトの構成を示す模式図であって、その伝動ベルトの一部側断面図である。 この発明に係る伝動ベルトを採用した場合のベルトの直進性を説明するための模式図である。 この発明に係る伝動ベルトの他の構成を示す模式図である。 この発明に係る伝動ベルトのさらに他の構成を示す模式図である。 従来の伝動ベルトの構成を示す模式図である。 従来の伝動ベルトによるベルトの直進性を説明するための模式図である。
符号の説明
E…エレメント、 R,13,14…リング、 V…伝動ベルト 5a,6a…内壁面、 7…凹部、 7b…開口部、 8,9…抜け止め部、 8a,9a…先端面、 15,21,31……保持リング。

Claims (3)

  1. 帯状のリングを幅方向で複数列に並列させて収容する凹部が形成されるとともに、その凹部における左右の内壁面の開口端側に前記複数列のリングを係合させてその離脱を防止する左右の抜け止め部が形成された板片状の多数のエレメントを、前記開口端側が外周側となるように環状に配列し、その環状に配列されたエレメントの列における前記両抜け止め部の内周側に前記複数列のリングを嵌め込んで組み付けた伝動ベルトにおいて、
    前記左右の抜け止め部の先端面が互いに対向する開口部の間でかつ前記リングの外周側に、前記凹部内での前記エレメントと前記リングとの幅方向における相対移動を規制する保持リングが装着されていることを特徴とする伝動ベルト。
  2. 前記開口部の幅方向における該開口部と前記保持リングとの間のクリアランスが、前記凹部の幅方向における該凹部と前記複数列のリングとの間のクリアランスよりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の伝動ベルト。
  3. 前記保持リングは、前記複数列のリングが並列した状態での幅方向のほぼ中央に装着されていることを特徴とする請求項1または2に記載の伝動ベルト。
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