[go: up one dir, main page]

JP4857957B2 - エンジンの制御装置 - Google Patents

エンジンの制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4857957B2
JP4857957B2 JP2006181110A JP2006181110A JP4857957B2 JP 4857957 B2 JP4857957 B2 JP 4857957B2 JP 2006181110 A JP2006181110 A JP 2006181110A JP 2006181110 A JP2006181110 A JP 2006181110A JP 4857957 B2 JP4857957 B2 JP 4857957B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
intake
ratio
compressor
throttle valve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006181110A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008008241A (ja
Inventor
俊雅 古賀
康隆 石橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2006181110A priority Critical patent/JP4857957B2/ja
Publication of JP2008008241A publication Critical patent/JP2008008241A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4857957B2 publication Critical patent/JP4857957B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Processes For Solid Components From Exhaust (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

本発明は、過給機を備えるエンジンの制御に関し、特に、減速時等の過渡運転時における過給機のサージングを防止するための制御に関する。
エンジンの出力を向上させるための装置として、排気通路中に設けたタービンによって駆動するターボ過給機が知られている。
ターボ過給機のコンプレッサの効率は、周知のようにコンプレッサの上下流の圧力比とコンプレッサを通過するガス流量をパラメータとして表すことができる。圧力比がガス流量に対応する適正な圧力比の範囲(正常運転域)から外れて異常運転域に移行すると、サージング、チョーキングあるいはタービン過回転といった望ましくない現象が生じるため、異常運転域に入らないようにコンプレッサの運転点を定めなければならない。
しかしながら、ターボ過給機が自動車用エンジンと組み合わせて用いられる場合には、アクセルペダル開度の急激な変化に伴って過渡的にコンプレッサの運転点が異常運転域に移行することがあり、一時的ではあってもコンプレッサの異常運転が生じる。
例えば、高速定常運転時や加速後にアクセルペダルを戻した場合には、排気流量が急激に減少する。このとき、コンプレッサの運転点がサージングが生じうる異常運転領域に移行することがある。
このようなサージングの発生を防止するための技術として、特許文献1にはコンプレッサの上下流をバイパスするバイパス通路を設け、サージ発生領域ではコンプレッサを通過した吸気の一部をバイパス通路を通してコンプレッサ上流に戻し、コンプレッサの上流側の圧力を上昇、そして下流側の圧力を低下させて、コンプレッサの上下流の圧力比を小さくする技術が開示されている。
実開平6−69331号公報
ところで、タービンに可変ノズルを備え、この可変ノズルを運転状態に応じて開閉することによって、加速時等には過給圧を速やかに上昇させ、かつ高負荷運転時等には十分な吸気量をエンジンに圧送するいわゆる可変容量型ターボ過給機が知られている。また、排気後処理装置の浄化効率をより高めるために、エンジンに導入される吸入空気の空気過剰率を運転状態に応じて制御する吸気絞り弁が知られている。
出願人らは、これら可変容量型ターボ過給機及び吸気絞り弁を備えるエンジンにおいて、特許文献1のようにバイパス配管等といったサージング防止のための新たな装置を設けることなく、過渡運転時のサージングを防止することを目的として、可変容量型ターボ過給機の可変ノズル及び吸気絞り弁の開度制御について開発を進めている。そして、急減速等の過渡運転時には、吸気絞り弁を閉方向に制御し、かつ可変ノズルを開方向に制御する技術を開発した。急減速等の場合には燃料カット制御が行われるので吸入空気は未燃焼、すなわち低温のままエンジンから排出されて排気後処理装置に流入し、排気浄化効率を低下させることとなるが、吸気絞り弁を閉じることによって排気後処理装置に流入する空気量を低減し、排気後処理装置の温度低下を抑制できる。また、吸気絞り弁を閉じるとコンプレッサ下流の吸気管内圧力が上昇することで圧力比が増大し、ターボ過給機の運転点がサージングが発生する異常運転領域に突入するおそれがあるが、可変ノズルを開くことによりタービンの回転数を低下させることによってコンプレッサ下流の圧力上昇を抑制し、サージングが発生する異常運転領域への移行を防止できる。
しかしながら、吸気絞り弁の方が可変ノズルよりも作動速度が速い場合、例えば、吸気絞り弁は電動アクチュエータにより駆動し、可変ノズルは吸気管負圧を利用して駆動する場合には、タービンの回転数が低下する前にコンプレッサ下流の圧力が上昇して圧力比が増大し、サージングが発生する異常運転領域に移行するおそれがある。
そこで、本発明では、吸気絞り弁の作動速度が可変ノズルの作動速度よりも速い場合にも、サージングが発生する異常運転領域への移行を防止することを目的とする。
本発明のエンジンの制御装置は、ディーゼルエンジンの排気エネルギーで駆動される過給機と、前記過給機のコンプレッサの下流側の吸気通路に設けた吸気絞り弁と、前記過給機の過給圧を制御する過給圧制御手段と、前記吸気絞り弁の開度を制御する絞り比制御手段と、を備え、燃料カット制御を伴う車両減速時には、前記過給圧制御手段は燃料カット制御開始とともに前記過給機の過給圧を低下させるよう制御し、かつ前記絞り比制御手段は前記吸気絞り弁の開度をなまし処理を行いつつ減少させるよう制御する。
本発明によれば、吸気絞り弁の開度を減少させる際になまし処理を行うことにより、吸気絞り弁の作動速度が過給圧制御手段の作動速度より速い場合であっても、吸気絞り弁が閉弁するまでの間に過給圧が低下するので、圧力比の上昇を抑制してサージングの発生を防止することができる。
以下本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の第1実施形態を適用するシステムの概略構成を示している。
1はエンジン、2は排気通路、3は吸気通路、4は排気通路2と吸気通路3とを連通するEGR通路、5は後述するターボ過給機のコンプレッサに圧縮されて高温となった吸入空気を冷却するためのインタークーラである。
EGR通路4には圧力制御弁(図示せず)からの制御圧力に応動するダイヤフラム式のEGR弁6を備える。圧力制御弁は後述するエンジンコントローラ31からのデューティ制御信号により駆動されるもので、これによって運転条件に応じた所定のEGR率を得るようにしている。
エンジン1には燃料供給手段としてのコモンレール式の燃料噴射装置10を備える。この燃料噴射装置10は、主に燃料タンク(図示せず)、サプライポンプ14、コモンレール(蓄圧室)16、気筒毎に設けられるノズル17からなり、サプライポンプ14により加圧された燃料は蓄圧室16にいったん蓄えられたあと、蓄圧室16の高圧燃料が気筒数分のノズル17に分配される。
ノズル17(燃料噴射弁)は、針弁、ノズル室、ノズル室への燃料供給通路、リテーナ、油圧ピストン、リターンスプリングなどからなり、油圧ピストンへの燃料供給通路に介装される三方弁(図示せず)が介装されている。三方弁(電磁弁)のOFF時には、針弁が着座状態にあるが、三方弁がON状態になると針弁が上昇してノズル先端の噴口より燃料が噴射される。つまり、三方弁のOFFからONへの切換時期により燃料の噴射開始時期が、また、ONにする時間により燃料噴射量がそれぞれ制御される。例えば、OFFからONへの切換え時期が早いほど燃料噴射時期は進角した状態となり、ONにする時間が長いほど燃料噴射量が多くなる。
EGR通路4の開口部下流の排気通路2に、排気の熱エネルギーを回転エネルギーに変換するタービン22と、吸気を圧縮するコンプレッサ23とを同軸で連結した可変容量ターボ過給機21を備える。タービン22のスクロール入口に、アクチュエータ25により駆動される可変ノズル24(ジオメトリ可変機構、過給圧制御手段)が設けられ、可変ノズル24は、通常運転時には、低回転速度域から所定の過給圧が得られるように、エンジンコントローラ31によって低回転速度側ではタービン22に導入される排気の流速を高めるノズル開度(傾動状態)に、高回転速度域では排気を抵抗なくタービン22に導入させるノズル開度(全開状態)に制御する。
上記のアクチュエータ25は、制御圧力に応動して可変ノズル24を駆動するダイヤフラムアクチュエータ26と、このダイヤフラムアクチュエータ26への制御圧力を調整する圧力制御弁(図示せず)とからなり、可変ノズル24の実開度が目標ノズル開度となるように、デューティ制御信号が作られ、このデューティ制御信号が圧力制御弁に出力される。なお、ダイヤフラムアクチュエータ26への制御圧力としては、例えば吸気管の負圧を利用することができる。
また、コレクタ3aのすぐ上流の吸気通路3に、圧力制御弁(図示せず)からの制御圧力に応動するダイヤフラム式のアクチュエータ19により駆動される吸気絞り弁18を設ける。アクチュエータ19の構成はEGR弁6と同様であり、吸気絞り弁18用の圧力制御弁もエンジンコントローラ31からのデューティ制御信号により駆動される。この吸気絞り弁18は、後述するように燃料カット制御時や排気後処理装置からの要求に応じた運転時に開閉制御される。
アクセルセンサ32、エンジン回転速度とクランク角度を検出するセンサ33、水温センサ34、エアフローメータ35、過給圧センサ36からの信号が入力されるエンジンコントローラ(絞り比制御手段)31では、これらの信号に基づいて、車両の減速を検知し(車両の減速検知手段)、また、目標EGR率と目標過給圧とが得られるようにEGR制御と過給圧制御を協調して行う。具体的な制御方法については、本発明と直接関係ないので説明を省略する。また、アクセルオフでの減速時に所定条件を満たした場合には、燃料噴射量を減量するいわゆる燃料カット制御を行う。そして、エンジン回転速度もしくは車速が所定値まで低下した場合には燃料カット制御を終了する。
一方、タービン22下流の排気通路2にNOxトラップ触媒29、排気中のPMを捕集するDPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)28をからなる排気後処理装置を備える。
次に、燃料噴射量の減量を伴う減速時における、EGR弁6、吸気絞り弁18、可変ノズル24、燃料噴射量の制御について説明する。
アクセルペダルを踏み込んだ状態での走行中に、アクセルペダルを閉じて減速状態へ移行すると、所定車速以上であることや所定エンジン回転速度以上であること等の条件を満たしている場合には、燃費向上等の目的で燃料噴射を停止する、いわゆる燃料カット制御を行う。この燃料カット制御は、エンジン回転速度が所定回転数まで低下した場合や車速が所定速度まで低下した場合等のように燃料カット条件を満たさなくなったときに解除されて、燃料噴射を再開する。なお、燃料カット制御を終了したときは、燃料噴射再開時のトルクショック等を防止するためのリカバリ制御を経て、アイドル回転数で運転するよう制御を行う。
ところで、燃料カット制御を開始すると、筒内で燃焼が行われなくなるため排圧が低下し始める。これに対して吸気圧は、吸気流れやコンプレッサ23の慣性等があるため、排圧の低下よりも遅れて低下し始める。これにより、燃料カット制御中に排圧が吸気圧よりも低くなる期間(差圧逆転期間)が生じる。差圧逆転期間中にEGR弁6を開弁しておくと、EGR通路4を通して吸気通路3から排気通路2へ吸入新気が流れて、排気後処理装置28、29に供給される酸素濃度が上昇して触媒反応が過度に活性化され、NOxトラップ触媒28が過剰に昇温することとなる。また、排圧が吸気圧よりも低くなると、それまでEGR通路4を流れていたEGRガスが逆流してタービン22に流入し、いわゆるサージ騒音が発生する。そこで、燃料カット制御開始時から差圧逆転期間が終了するまではEGR弁6を閉弁する。また、燃料カット制御開始時にEGR弁6を閉弁すると、排気がEGR通路4へ分岐することなくすべてタービン22へ流入することになるので、タービン22の回転速度の急激な低下を抑制することができ、コンプレッサ23を通過するガス流量が急激に低下することによって生じるサージングを防止することができる。
吸気絞り弁18の制御については、図2のブロック図を参照して説明する。目標絞り比演算部100では、後述する排気後処理装置の要求に応じて定まる空気過剰率となるような目標絞り比を演算する。サージ防止用目標絞り比演算部101では、エンジン1の回転速度に基づいてコンプレッサ23のサージングを防止するための吸気絞り比(サージ防止用絞り比)を演算する。具体的には図3に示すテーブルをエンジン回転速度で検索する。なお、図3は縦軸に吸気絞り比、横軸にエンジン回転速度をとったものであり、図中の曲線TQHOは目標吸気絞り比、斜線領域はサージングが発生する領域を表す。
スイッチ部102では、吸気絞り動作要求F_DEC_TVOが入力された場合にはサージ防止用絞り比を、そうでない場合は目標絞り比演算部100で演算した絞り比を選択する。そして、なまし処理部103では、目標絞り比演算部100で演算した絞り比からサージ防止用絞り比に切換えるときの「なまし時間」を演算する。ここでいう「なまし時間」とは、燃料カット制御開始から吸気絞り弁18の開度をサージ防止用絞り比に制御するまでの時間であり、燃料カット制御開始時の圧力比(過給圧センサ36の検出値と大気圧との比)を用いて図4に示したテーブルを検索することにより行う。なお、図4の縦軸はなまし時間、横軸はコンプレッサ上下流の圧力比であり、圧力比が大きい場合ほど「なまし時間」が長くなっている。
吸気絞り弁制御部104では、スイッチ部102で選択した絞り比となまし処理部103で求めた「なまし時間」とに基づいて吸気絞り弁18の駆動を制御する。具体的には図6に示すように吸気絞り比が変化することとなる。図6は縦軸に吸気絞り弁18の絞り比、横軸に時間をとったタイムチャートである。目標絞り比演算部100で演算した目標絞り比で運転中に、吸気絞り動作要求F_DEC_TVOが入力されると、サージ防止用目標絞り比演算部101で演算した絞り比に切換わる。このとき、吸気絞り動作要求F_DEC_TVOが入力されてからサージ防止用目標絞り比演算部101で演算した絞り比になるまでに、図中Tで示した時間を要する。この時間Tがなまし処理部103で演算した「なまし時間」である。
ここで、「なまし時間」について説明する。燃料カット制御開始時に可変ノズル24を開とする制御を開始する場合、当該制御開始の応答遅れや目標開度になるまでの作動時間があるため、可変ノズル24が目標開度のときに比べてタービン22及びコンプレッサ23が回転し易い状態である期間が生じる。また、吸気流れやコンプレッサ23等には慣性もある。したがって、吸気絞り弁18が可変ノズル24より作動速度が早い場合には、コンプレッサ23の回転速度が低下する前に吸気絞り弁18の開度が小さくなり、コンプレッサ23を通過した吸気が吸気絞り弁18により堰き止められて、コンプレッサ23の上下流の圧力比が増大し、サージングが発生する。そこで、「なまし時間」を設けることで可変ノズル24が目標開度になるまでは吸気絞り弁18が目標開度まで絞られないようにし、コンプレッサ23下流の吸気通路3内の圧力上昇を抑制してサージングの発生を防止する。
上記の制御による効果について図8を参照して説明する。図8はターボ過給機21のコンプレッサ23の過給効率特性マップであり、縦軸は圧力比、横軸はコンプレッサ23を通過する吸気量Qである。
周知のように吸気を圧縮するコンプレッサ23は、図中の線Cで囲まれた部分(正常運転域)の外側の領域(異常運転域)で運転すると、サージング、チョーキング、タービン22の過回転といった望ましくない現象が生じるため、異常運転域に入らないようにコンプレッサ23の運転点を定めなければならない。
例えば、燃料カット制御を伴う急減速時には、排圧が急激に低下するのでタービン22の回転速度、すなわちコンプレッサ23の回転速度が急激に低下し、吸気量Qが減少する。また、圧力比は前述した吸気流れやコンプレッサ23の慣性等により吸気量Qに比べて低下速度は緩やかになる。したがって、運転点は図8の左方向へ移動し、異常運転域に移行することがある。これを防止するために、一般的には排気流量が減少してもコンプレッサ23の回転速度を維持するように、可変ノズル24の開度を小さくするよう制御される。
ところが、本実施形態のように吸気絞り弁18を閉じる場合には、コンプレッサ23の回転速度を維持するとコンプレッサ23下流の圧力が上昇して圧力比が増大してしまうので(運転点は図8中の左上方に移動する)、異常運転域に移行する場合がある。
そこで、可変ノズル24の開度を燃料カット制御開始とともに大きくするよう制御することによってコンプレッサ23の回転速度を低下させてコンプレッサ23下流の圧力上昇を抑制し、かつ、コンプレッサ23の回転速度が低下するまで吸気絞り弁18が閉じないように「なまし時間」を設けて圧力比が増大することを防止する。このように圧力比が吸気量Qの減少とともに減少するようにすると、運転点は図8中の右下方向に移動することになり、サージングの発生を防止することができる。
なお、圧力比が大きいということは、コンプレッサ23が高回転速度で運転しているということであり、吸気流及びコンプレッサ23の慣性も大きい。したがって、可変ノズル24を開くよう制御してもコンプレッサ23の回転数が低下するまでの時間は圧力比が小さい場合に比べて長くなる。そこで、圧力比が大きいときほど「なまし時間」が長くなるように設定する。
また、「なまし時間」は圧力比の代わりに吸入空気量を用いて演算してもよい。この場合、図5に示すようなテーブルを用いる。図5の縦軸はなまし時間、横軸は吸入空気量であり、吸入空気量が多い場合ほどなまし時間を長くとるようになっている。
以上のように本実施形態では、車両減速時には、可変ノズル24を開いて過給圧を低下させ、かつ吸気絞り弁18の開度をなまし処理を行いつつ減少させるので、吸気絞り弁18の作動速度が可変ノズル24の作動速度より速い場合でも、可変ノズル24が開く前に圧力比が増大してサージングが発生することを防止できる。
なまし時間を減速開始時の圧力比または吸入空気量に基づいて設定することとし、圧力比が大きいほど、または吸入空気量が多いほど長いなまし時間を設定するので、可変ノズル24が開く前に圧力比が増大することを確実に防止することができる。
第2実施形態について説明する。
本実施形態は、NOxトラップ触媒29またはDPF28といった排気後処理装置からの要求による吸気絞り弁18の開度制御に関する。本実施形態を適用するシステムの概略構成は、第1実施形態と同様に図1に示したとおりである。
NOxトラップ触媒29は、リーン燃焼時に排気中のNOx(窒素酸化物)をトラップし、トラップしていたNOxをストイキ燃焼時やリッチ燃焼時に排気中のHC、COを還元剤として用いて還元浄化するものである。NOxのトラップ量は、例えばエンジン回転速度とエンジン負荷等から推定するNOx排出量を運転時間で積算することにより求めることができる。
通常運転時(リーン燃焼)に、トラップされたNOxが許容範囲の限界まで達したときには、トラップされたNOxを還元浄化して浄化機能を再生するために、エンジンコントローラ(再生要求検知手段)31では所定の排気温度が確保できる領域になると、リッチ燃焼となるように空気過剰率を制御する(リッチスパイク)。
また、排気中に微量に含まれるSOx(硫黄酸化物)によりNOxトラップ触媒29が被毒されるので、エンジンコントローラ31は、SOxが許容範囲の限界まで堆積したと判定したときにはこのSOxがNOxトラップ触媒より脱離し得る温度に排気温度を高めるため、ほぼストイキ燃焼となるように空気過剰率を制御する(硫黄被毒解除)。
なお、エンジンコントローラ(再生要求検知手段)31は、排気中のPMがDPF28に許容範囲の限界まで堆積したと判定したとき、トラップしたPMを燃焼させるいわゆるDPF再生を行うが、その前段階として、堆積したPMが燃焼し得る温度である300度前後まで排気温度を高めるため、空燃比がややリーンとなるように空気過剰率を設定している(昇温)。なお、PM堆積量は、DPF28上下流の圧力差に基づいて推定することができ、例えば、前記圧力差が所定値以上になった場合に許容範囲の限界に達したと判断することができる。また、エンジン回転速度とエンジン負荷等の運転条件からPM排出量を推定し、これを運転時間で積算することによっても求めることができる。
このように、NOxトラップ触媒29にトラップされるNOxの還元(以下、単に「NOx還元」という)とNOxトラップ触媒29へのSOxによる被毒の解除(以下、単に「硫黄被毒解除」という)のためにリッチ燃焼を得る必要があり、要求に応じてリーン燃焼からリッチ燃焼やストイキ燃焼へ切換えるのであるが、過給機21だけではリッチ燃焼やストイキ燃焼が得られない場合があるので、吸気絞り弁18の開度制御を行う。アクチュエータ19の構成はEGR弁6と同様であり、吸気絞り弁18用の圧力制御弁もエンジンコントローラ31からのデューティ制御信号により駆動される。
この他にも、PMが多量に堆積し、かつDPFベッド温度が高温の状態でDPF再生を開始すると、PMが急速に燃焼することによりDPFが過熱して性能低下するおそれがあるので、これを防止するために酸素供給量を適切に制御することによってPMの燃焼を緩やかにする制御(以下、単に「性能低下防止」という)があり、この制御時にもリッチ燃焼となるように空気過剰率を制御する。
なお、目標新気量が得られるように排気タービン22の可変ノズル24の開度と吸気絞り弁18の開度とを制御する方法には、過給機21によっては目標新気量が得られない領域(例えば、アイドル近くの低負荷域)でのみ吸気絞り弁18を制御する方法や運転領域に関係なく可変ノズル開度と吸気絞り弁開度とを同時に制御する方法とがあるが、いずれの方法でも構わない。また、EGR装置を吸入空気量調整手段として用いることもできる。
また、これら排気後処理要求に基づく運転を行うのは、所定の条件が成立したときだけであるので、これらを行うための運転をまとめて条件運転とし、これに対してリーン運転を行う運転を通常運転として区別すれば、通常運転から条件運転への移行やその逆の移行のさせ方は、様々なものが公知となっており、本実施形態では、例えば特開2003−336520号に記載の制御と同様に行うこととする。また、後述する「排気後処理要求に基づいて定まる空気過剰率」についても、特開2003−336520号公報と同様の方法で定める。
ところで、条件運転に切換える際に、空気過剰率をストイキよりもリッチ側にするために吸気絞り弁18の開度を減少させると、コンプレッサ23下流の吸気通路3内の圧力が上昇するので、圧力比が増大してサージングが発生するおそれがある。そこで、可変ノズル24の開度を増大させてコンプレッサ23の回転速度を低下させ、圧力比の増大を防止する。このとき、吸気絞り弁18の作動速度が可変ノズル24の作動速度よりも速いと、第1実施形態と同様に、可変ノズル24の開度が大きくなりコンプレッサ23の回転速度が低下するまでの間に圧力比が増大し、サージングが発生するおそれがある。そこで、通常運転から条件運転に切換える際の吸気絞り弁18の制御を図7のブロック図に示したように行う。以下、図7のブロック図を参照して説明する。
目標絞り比演算部200では、目標絞り比を演算する。なお、通常運転時は原則として吸気絞り弁18を全開にしておくので、ここでは目標絞り比は常に全開となる。
排気後処理要求からの目標絞り比演算部201では、排気後処理要求に基づいて定まる空気過剰率となるような絞り比を演算する。なお、NOx還元、硫黄被毒解除、DPF再生、性能低下防止の場合は、吸気絞り弁18の目標開度は全開よりも小さい値が設定されるが、昇温の場合は空気過剰率をストイキよりもリーンにするので、吸気絞り弁18の目標開度は全開となる。
排気後処理判定部202では、運転状態が通常運転であるか条件運転であるかのかの判定を行う。ここでは、通常運転をState1、条件運転のうちNOx還元を行う運転をState2、昇温を行う運転をState3、硫黄被毒解除を行う運転をState4、DPF再生を行う運転をState5、性能低下防止のための運転をState6とし、後処理要求として現在の運転状態のState番号が入力される。そして入力値がState1の場合は通常運転、それ以外の場合は条件運転であると判定して、判定結果をスイッチ部203に入力する。
スイッチ部203では、排気後処理判定部202での判定結果が通常運転の場合は目標絞り比演算部201で設定した開度、すなわち全開を選択し、条件運転の場合は、排気後処理要求からの絞り比演算部201で演算した絞り比を選択する。
そして、なまし処理部204では、排気後処理要求からの目標絞り比演算部201で演算した絞り比に切換えるときの「なまし時間」を演算する。ここでいう「なまし時間」とは、吸気絞り弁18が全開の状態から、排気後処理要求から定まる目標絞り比に制御するまでの時間であり、当該制御開始時の圧力比を用いて第1実施形態と同様に図4に示したテーブルを検索することにより行う。
吸気絞り弁制御部205では、スイッチ部203で選択した絞り比となまし処理部204で求めた「なまし時間」とに基づいて吸気絞り弁18の駆動を制御する。
このように制御することにより、NOxトラップ触媒29またはDPF28の再生制御等を行うために吸気絞り弁18の開度を減少させ、可変ノズル24の開度を増大させる際に、吸気絞り弁18の作動速度が可変ノズル24の作動速度よりも速い場合であっても、可変ノズル24の開度が増大してコンプレッサ23の回転速度が低下する前に吸気絞り弁18が閉じて、圧力比が増大してサージングが発生することを防止できる。
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術的思想の範囲内で様々な変更を成し得ることは言うまでもない。
本発明の実施形態を適用可能なシステムの概略図である。 第1実施形態の制御を説明するためのブロック図である。 サージ防止用目標絞り比演算用のテーブルである。 なまし時間算出用のテーブルである。 なまし時間算出用のテーブルである。 吸気絞り弁の開度変化を表すタイムチャートである。 第2実施形態の制御を説明するためのブロック図である。 コンプレッサの効率マップである。
符号の説明
1 エンジン
2 排気通路
3 吸気通路
4 EGR通路
5 インタークーラ
6 EGR弁
10 コモンレール式燃料噴射装置
14 サプライポンプ
16 コモンレール(蓄圧室)
17 ノズル
18 吸気絞り弁
21 可変容量ターボ過給機
22 タービン
23 コンプレッサ
24 可変ノズル(ジオメトリ可変機構)
25 アクチュエータ
28 NOxトラップ触媒
29 DPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)
31 エンジンコントローラ
32 アクセルセンサ
34 水温センサ
35 エアフローメータ
36 過給圧センサ

Claims (2)

  1. ディーゼルエンジンの排気エネルギーで駆動される過給機と、
    前記過給機のコンプレッサの下流側の吸気通路に設けた吸気絞り弁と、
    前記過給機の過給圧を制御する過給圧制御手段と、
    前記吸気絞り弁の開度を制御する絞り比制御手段と、
    を備え、
    燃料カット制御を伴う車両減速時には、前記過給圧制御手段は燃料カット制御の開始とともに前記過給機の過給圧を低下させるよう制御し、かつ前記絞り比制御手段は前記吸気絞り弁の開度をなまし処理を行いつつ減少させるよう制御するとともに、
    前記絞り比制御手段は、前記車両減速開始時の圧力比又は吸入空気量が大きいほど長いなまし時間を設定することを特徴とするエンジンの制御装置。
  2. 前記過給圧制御手段は、前記過給機のタービンのジオメトリを変え得るジオメトリ可変機構であることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの制御装置。
JP2006181110A 2006-06-30 2006-06-30 エンジンの制御装置 Active JP4857957B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006181110A JP4857957B2 (ja) 2006-06-30 2006-06-30 エンジンの制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006181110A JP4857957B2 (ja) 2006-06-30 2006-06-30 エンジンの制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008008241A JP2008008241A (ja) 2008-01-17
JP4857957B2 true JP4857957B2 (ja) 2012-01-18

Family

ID=39066668

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006181110A Active JP4857957B2 (ja) 2006-06-30 2006-06-30 エンジンの制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4857957B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5076942B2 (ja) * 2008-02-08 2012-11-21 マツダ株式会社 エンジンの過給装置
JP5530226B2 (ja) 2010-03-09 2014-06-25 ヤンマー株式会社 エンジンの排気ガス処理システム
JP6375912B2 (ja) * 2014-12-05 2018-08-22 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
EP3315749B1 (en) 2015-11-20 2020-01-01 Mitsubishi Heavy Industries Engine & Turbocharger, Ltd. Control device for supercharging system
KR101795276B1 (ko) * 2016-06-20 2017-11-08 현대자동차주식회사 Acv 제어방법
JP6509958B2 (ja) 2017-07-04 2019-05-08 本田技研工業株式会社 内燃機関の制御装置
EP3719288B1 (en) * 2017-11-29 2023-07-26 Nissan Motor Co., Ltd. Control method and control device for vehicular internal combustion engine
JP2024126837A (ja) * 2023-03-08 2024-09-20 株式会社小松製作所 サージ回避制御装置、内燃機関システム、サージ回避制御方法、及びプログラム

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3424571B2 (ja) * 1998-11-06 2003-07-07 トヨタ自動車株式会社 内燃機関
JP4250824B2 (ja) * 1999-09-17 2009-04-08 マツダ株式会社 ターボ過給機付エンジンの制御装置
JP2003097298A (ja) * 2001-09-27 2003-04-03 Nissan Motor Co Ltd 過給機付き内燃機関の制御装置
JP4093159B2 (ja) * 2003-09-18 2008-06-04 日産自動車株式会社 内燃機関の排気浄化装置
JP2006152894A (ja) * 2004-11-29 2006-06-15 Denso Corp 過給機付き内燃機関のスロットル制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008008241A (ja) 2008-01-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4713147B2 (ja) エンジンの制御装置
JP4367335B2 (ja) エンジンの制御装置。
JP4055670B2 (ja) エンジンの排気浄化装置
JP4857957B2 (ja) エンジンの制御装置
EP3121432B1 (en) Control device and control method for diesel engine
US7963101B2 (en) Exhaust gas purifying device for an internal combustion engine
JP4670592B2 (ja) 内燃機関の排気再循環システム
JP4435300B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP6421796B2 (ja) エンジンの制御装置
JP7061905B2 (ja) 内燃機関システム
JP5678484B2 (ja) 排気管噴射制御装置
JP6421798B2 (ja) エンジンの制御装置
JP2008038622A (ja) 内燃機関の排気浄化装置、及び方法
EP2578824A1 (en) System for purifying exhaust gas in upland area
JP5811261B2 (ja) ディーゼルエンジンの排ガス後処理システム及び排ガス後処理方法
JP7225571B2 (ja) 車両用内燃機関の制御装置
WO2016132874A1 (ja) 内燃機関の排気ガス浄化システム、内燃機関及び内燃機関の排気ガス浄化方法
JP2010133327A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP4500765B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2005320940A (ja) 内燃機関の排気還流システム
JP2007255308A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP5045475B2 (ja) エンジンの過給装置
JP4349096B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2007040223A (ja) 排気浄化装置
JP4760661B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090325

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101124

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110322

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110331

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110607

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110901

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20110912

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111004

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111017

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4857957

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141111

Year of fee payment: 3