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JP4850321B2 - アンギオテンシン誘導体 - Google Patents

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Description

本発明は、哺乳動物のペプチド・ホルモンであるアンギオテンシンIおよびアンギオテンシンIIの類似体または誘導体に関し、また特に、レニン活性化アンギオテンシン系に関連した疾病の治療法および予防法において、これらを免疫治療上利用することに関する。
アンギオテンシン・ペプチドは哺乳類の動脈圧を制御することに関係している。それらは、動脈圧の低下により生じたレニンによって導かれるレニン−アンギオテンシン系(RAS)として公知の生化学的カスケードの結果として、体内において様々な形で生じる。下記に模式的に表したRASでは、動脈血圧の低下に続いて、レニンが腎臓により貯蔵プロレニンから放出され、アンギオテンシノーゲンに酵素的に作用して、配列Asp-Arg-Val-Tyr-Ile-His-Pro-Phe-His-Leuを有するデカペプチドのアンギオテンシンIを生成する。アンギオテンシンIのC末端からの2つのアミノ酸は、肺の内皮に存在するアンギオテンシン変換酵素(ACE)により、通常1〜2秒以内ですばやく切断され、配列Asp-Arg-Val-Tyr-Ile-His-Pro-Pheを有するオクタペプチドのアンギオテンシンIIを生成する。
Figure 0004850321
アンギオテンシンIは、体内にほんのわずかの時間しか存在せず、また、穏やかな血管収縮薬活性を備えている。従って、アンギオテンシンIは単独では循環系にほとんど作用しない。しかしながら、アンギオテンシンIIは、内分泌系、並びに循環系に重大な作用を持つ血管作動性のペプチドである。高濃度のRAS活性化アンギオテンシンIIは、血管収縮と、塩および水分の腎臓における停留を生じ、その双方が心臓血管障害をもたらす可能性がある亢進動脈圧(高血圧症)をもたらし得る。アンギオテンシンIIは、鬱血性心不全を含む他のいくつかの疾病状態に関連している。高血圧症は心臓マヒおよび心臓発作に対する主な危険因子であり、また、鬱血性心不全は発症からの数年以内で極めて高い死亡率を示す疾病である。レニン−アンギオテンシン系に関連するこれらの疾病および他の疾病を治療する有効な治療法が必要とされている。
これらの疾病に対する現在の治療法には、小さな有機分子を用いたRAS系への介入がある。1つの方法として、現在、高血圧症の処置で承認されている薬剤、リシノプリル、カプトプリルおよびエナラプリル薬剤のような阻害剤でACEを阻害することが試みられている。しかし、これらの薬剤は完全に成功しなかった。ACEの阻害はほんの部分的なものであると思われる。さらに、ACEが基質特異性を欠如しているので、ブラジキニンを含む他の代謝的活性ペプチドの生体内変化もまた阻害されると思われるが、それは望ましくない。その上、これらの薬剤は、多くの場合、成人の生涯の大半のような長期間にわたって、規則的に服用する必要がある。しかし、これらの薬剤のより重大な欠点は、空咳と、眩暈感および失神が起こる可能性を伴う第1回投与時の降圧作用とを含む望ましくない副作用である。抗高血圧症薬治療は長期間、例えば30年にも及ぶ期間、時にはそれ以上長い期間、常に処置する必要があるので、これらの有害な副作用によって患者の同意を失う結果となる可能性があり、特に主として無症候性疾病において短期の臨床的作用が無い場合には、この治療方法の有用性が厳しく限定される。
より最近の治療の方法は、アンギオテンシンIIの活性をブロックすることを目的としたアンギオテンシン受容体拮抗薬である薬剤に関連する。例えば、ロサルタン(losartan)およびバルサルタン(valsartan)などを例示できる。現在までに開発されている薬剤は、AT1アンギオテンシン受容体のみに特異的であるようである。従って、それらの薬剤はアンギオテンシンIIの主要な血管収縮薬効果をブロックし、より許容性が高いが、アンギオテンシン・ホルモンの他の作用に影響することがない。AT1受容体拮抗薬を用いた経験によれば、AT1受容体拮抗薬がACE阻害剤に対し比較的有効であると思われるが、患者の同意が充分に得られないという問題が残されている。従って、RASに関連した疾病に対する改良された治療法が必要である。
ホルモンの活性に関連した疾病または障害を治療し、予防することができる方法とは、免疫療法によって、すなわち、特定の抗ホルモン抗体によりホルモンの活性を中和するようホルモンに対して患者を免疫することによって、患者体内のホルモンの作用を中和する方法である。そのような抗体は、受動的免疫治療で外因的に投与してもよく、また、ホルモンを主成分とする免疫原を用いた能動免疫によりその生体内で産生させることができる。
我々は、今回、新規のアンギオテンシン誘導体を開発した。それは効力のある免疫原であり、RASによって生成された高濃度のアンギオテンシンIIに関連した疾病を治療する免疫治療法において使用することが可能である。
詳しくは、アンギオテンシン誘導体は、タンパク質またはポリペプチドのような免疫担体に対するアンギオテンシン・ペプチドの結合を促進し、免疫したホスト(host)でアンギオテンシンに結合してその作用を中和する抗体を誘導することが可能な免疫原性複合体を形成する結合部分(例えばペプチド配列)に結合した1種または複数のアンギオテンシン・ペプチドとして開発された。これらの誘導性抗体には前駆体形態であるアンギオテンシノーゲンに結合できるものも含まれ、この場合、レニンによるアンギオテンシンIを生じる切断が制御されので、その系にさらなるブロッキングが提供されることになる。特にこれは、レニン産生に関するアンギオテンシンIIのネガティブ・フィードバック効果の変化による作用およびアンギオテンシンIの遊離による作用を低下させることができる。これは、レニン産生におけるアンギオテンシンIIの負のフィードバック作用の調節効果およびアンギテンシンIの放出を低減することに特に適切である。
従って、1つの態様として、本発明は、ペプチド担体結合部分に結合した少なくとも1つのアンギオテンシン・ペプチド部分を含むアンギオテンシン誘導体を提供する。
これらのアンギオテンシン誘導体は、ホルモンの活性が特異的抗ホルモンまたは抗ポリペプチド抗体によって中和されるように、ホルモン・アンギオテンシンII、および/またはそのポリペプチド前駆体アンギオテンシンI、および/またはアンギオテンシノーゲンに対して患者を免疫するのに使用することができる。
そのアンギオテンシン・ペプチド部分は、天然のアンギオテンシンの生物学的活性(すなわち、受容体での天然ホルモン活性であり、アンギオテンシンIおよびアンギオテンシンII双方を含む)を必ずしも有しておらず、天然のアンギオテンシン・ペプチドの免疫学的擬態として作用する、すなわち、天然のアンギオテンシン・ペプチドに結合する抗体を生成するために免疫学的にアンギオテンシンに似た作用をすることが可能な本体のいかなる部分であってもよい。例えば、そのような成分は、都合良くは、アンギオテンシン・ペプチド、好ましくはアンギオテンシンI(式、Asp-Arg-Val-Tyr-Ile-His-Pro-Phe-His-Leuのデカペプチド)、または、アンギオテンシンII(式、Asp-Arg-Val-Tyr-Ile-His-Pro-Pheのオクタペプチド)、あるいは、それらの機能的に同等な異型体を含む。そのような異型体には、単一または複数のアミノ酸の置換、付加または欠失によるアンギオテンシンIまたはアンギオテンシンII配列の修飾物、および化学的にアミノ酸残基が修飾された配列があるが、これらの場合、アンギオテンシン免疫原性活性を保持していなければならない。そのような機能的に(つまり免疫学的に)同等な異型体は天然の生物学的変化として生じるかもしれず、化学的合成または化学的修飾、突然変異誘発、例えば、部位特定的な突然変異誘発またはランダムな突然変異誘発などによる公知の技術および標準的技術を用いて調製することもできる。修飾に関する重要な特性は、アンギオテンシン・ペプチドが天然のアンギオテンシンの免疫学的擬態として作用する能力を保持していることである。従って、例えば、アンギオテンシン・ペプチドまたはそのエピトープ(類)の物理化学的特性、例えば、電荷密度、親水性/疎水性、サイズおよび立体配置を維持し、免疫学的構造も維持する別のアミノ酸に、あるアミノ酸を置換することができる。「付加」異型体には、単一または複数のアミノ酸の配列内挿入、並びにN末端またはC末端融合を含めることができる。欠失は配列内であってもよく、あるいはN末端またはC末端から切断してもよい。本明細書に使用される用語「アンギオテンシン・ペプチド」には、すべての天然のアンギオテンシン・ペプチドおよびそれらと機能的に同等な異型体が含まれる。
担体結合成分は免疫学的担体にアンギオテンシン・ペプチド部分を結合することが可能な手段として働き、通常、それはタンパク質またはポリペプチドである。また、好ましくは、反応性側鎖を有するアミノ酸残基を含んでおり、それを介してアンギオテンシン誘導体を標準的な結合技術を用いて担体に容易に結合することができる。そのような側鎖には、有利には、遊離のヒドロキシル基、カルボキシル基、またはチオール基を含むことができる。従って、そのようなアミノ酸は、システイン、チロシン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸残基、あるいはN-アセチルシステインのようなそれらの誘導体であれば都合がよい。
本発明のアンギオテンシン類似体は、免疫療法的に利用可能な抗体を誘導するための、免疫学的担体への改良された結合を有していることが示された。また、これらの類似体は、この点に関して天然のペプチド以上の長所を備えている。
担体結合部分は、アンギオテンシン・ペプチドのN末端またはC末端でのペプチド延長の形態、あるいは、2つ以上のアンギオテンシン部分間の鎖セグメントからの、またはそれらの内部に配置されたペプチド・ペンダントの形態をとることができる。
さらなる観点から、本発明は、式Iのアンギオテンシン誘導体を提供できることがわかる。
((A)-Xn)m-Lp-Y-[Lq(Xr-(A))s]t (I)
上式で、
Aはアンギオテンシン・ペプチド部分を表し、
Xはアミノ酸を表し、
Yは、遊離の-SH基、-OH基、または=COOH基を持った側鎖を有するアミノ酸を表し、
Lは、1つまたは複数の部位で((A)-Xn)-基と結合することが可能な、例えば、10までの(A)Xn部分と結合することが可能な有機リンカーを表し、
nおよびrはそれぞれ0〜20であり、
mおよびSはそれぞれ≧1、例えば1〜10、好ましくは1、2、3または4であり、
p、qおよびtはそれぞれ0または1であり、
ただし、m≧2の場合、p=1、または、s≧2の場合、q=1である。
好ましくは、Aはアンギオテンシン・ペプチドであり、また、Xはアンギオテンシン・ペプチドのN末端またはC末端に結合することができる。
基Lは任意の有機リンカー構造であってもよいが、好ましくは、ペプチド鎖であり、それは天然または合成のアミノ酸、あるいは擬似アミノ酸の残基を含んでいる直鎖状、分岐状、または単一のアミノ酸残基であってよい。しかしながら、それはさらにカルボキシル末端またはアミン末端の樹状あるいはカスケード型ポリマー、例えば分枝状ポリアミンを表していてもよい。
t=0の場合、式(I)の化合物は、上式において、担体結合成分(すなわち、X-YまたはX-L-Y)が単一のN末端延長またはC末端延長としてアンギオテンシン・ペプチドのN末端またはC末端に結合した誘導体、例えば樹状配列として、基Yの担体結合部分末端に複数のアンギオテンシン・ペプチド部分が結合した誘導体、あるいは担体結合部分上の複数の部位でアンギオテンシン部分を結合した誘導体を含む。
t=1の場合、誘導体は、担体結合部分の担体結合基Yが誘導体の鎖セグメント内に、すなわち、2つ以上のアンギオテンシン・ペプチド部分間に効果的に配置されている「ダイマー」型構造の形態をとり得る。
t=1、およびLがアミノ酸残基またはペプチド鎖である場合、Lは、「鎖逆転」アミノ酸、または擬似アミノ酸(すなわち、2つのペプチド成分を結合可能な化合物、例えば、ジアミンまたはジカルボン酸)であるか、あるいはそれらを含んでいてよく、これは、ペプチド鎖のN末端からC末端を反転するか逆転することが可能な化合物である。従って、そのような化合物は2つのアミノ基または2つのカルボン酸基を通常含んでおり、例えば、グルタミン酸またはα,ω-アルキレンジアミン、α,ω-アルキレンジカルボン酸である。t=1の場合、((A)-Xn)-基の総数が8を超えないことがさらに好ましい。
式(I)の好ましい化合物は、上式において、nおよびrはそれぞれ0〜10であり、さらに好ましくは1〜6であり、また、上式において、mおよびsはそれぞれ≦8であり、好ましくは1、2または4である。
基Xは、好ましくは、側鎖を有しないかまたはヒドロカルビル側鎖(好ましくは、各アルキル部分が飽和または不飽和であって、6つまでの炭素を含み、また、各アリル部分が好ましくはフェニル環であるアルキル、C3-7のシクロアルキルまたはシクロアルケニル、C3-7のシクロアルキル−またはシクロアルケニル−アルキル、アルカリル、アラルキルまたはアルカリルアルキル部分)を有しているアミノ酸を表し、特に好ましくは、脂肪族側鎖を有していないアミノ酸である。グリシン、アラニン、β-アラニン、バリン、ロイシンおよびイソロイシンが好ましく、特にグリシンが好ましい。
基Yは、好ましくはシステイン、チロシン、グルタミン酸またはアスパラギン酸、あるいはそれらの誘導体、例えばN-アセチルシステインである。
基Lは、好ましくは、少なくとも1つのアミノ酸残基または少なくとも2つのアミンまたはカルボキシル基を含む擬似アミノ酸を含んでおり、特にt=0の場合、例えばリジン、アルギニン、グルタミン酸またはアスパラギン酸である。そのような好ましい基Lは、例えば、2〜15のアミノ酸残基を含んでいる直鎖状または分岐状のペプチド鎖であると都合がよい。もちろん、分岐形成はアミノ酸残基側鎖のアミン基あるいはカルボキシル基、例えば、リジンまたはアルギニンの側鎖アミン基、あるいはアスパラギン酸またはグルタミン酸の側鎖のカルボキシル基でペプチド結合形成により形成することができる。そのうち、1つまたは複数の、例えば1〜3個のリジン残基を含む基Lが特に好ましい。分岐形成は、リジンのα-アミノ基およびε-アミノ基の双方でペプチド結合形成によって形成することができる。
従って、式(I)の好ましい化合物は、式(II)から式(IV)の化合物を含んでいる。
(A)-Xn-Y (II)
(A)-Xn-L-Y (III)
((A)-Xn)m-L-Y (IV)
(A)-Xn-L-Y-L-Xr-(A) (V)
上式において、A、X、L、nおよびrは前文に定義したとおりであり、m≧2である。
式(IV)の化合物が複数の(A)基を含んでいる場合、それらが同じ末端で結合していることが好ましく、すなわち、すべてがN末端結合、またはC末端結合していることが好ましい。
式(II)および式(III)の化合物において、Xがアンギオテンシン・ペプチドである基AにC末端結合している場合、Yは好ましくはシステインである。XがAのN末端に結合している場合、Yは好ましくはN-アセチルシステインである。
式(II)から式(V)において、XnまたはXrは、それぞれ1〜6のグリシン残基の鎖であることが好ましい。
式(IV)の化合物では、mは好ましくは2または4である。
式(III)から式(IV)において、Lは、好ましくは、リジン
Figure 0004850321
であり、上式において、uは0〜10、好ましくは0〜6であり、また、Xは上記に定義したとおりのアミノ酸である。
従って、式(IV)の好ましい化合物は、式(VI)および式(VII)に表されるものである。
Figure 0004850321
上式において、A、X、Y、nおよびuは先に定義されたとおりであり、Kはリジンである。
式(V)の「ダイマー型」誘導体では、アンギオテンシン・ペプチド部分は、アンギオテンシン・ペプチドの「反転した」または「逆転した」配列異型体、すなわち、構成しているアミノ酸の順序が反転しているアンギオテンシン・ペプチドであることが好ましい。
本発明に係る代表的なアンギオテンシン誘導体は次のものを含んでいる。
Figure 0004850321
(A-(Gly)1-2-成分は、α-アミノ基またはε-アミノ基のいずれかに結合することができる。)
Figure 0004850321
N-アセチル-Cys-Ala-アンギオテンシン
N-アセチル-Cys-(Ala)4-アンギオテンシン
N-アセチル-Cys(Gly)6-アンギオテンシン
N-アセチル-Cys-Gly-Ala-Gly-Ala-アンギオテンシン
Figure 0004850321
(A)-Gly Cys
(A)-Cys
(A)-Tyr
N-アセチル-Cys-(A)
Tyr-(A)
N-アセチル-Cys-Gly-(A)
Cys - (A)
上式において、AはアンギオテンシンIまたはアンギオテンシンIIであり、A′はアンギオテンシンIまたはアンギオテンシンII、あるいは逆転したあるいは反転したアンギオテンシンIまたはアンギオテンシンIIの配列である。
好ましくはグリシンであるけれども、上記の式の1つまたは複数のグリシン残基の代わりに脂肪族側鎖アミノ酸を使用してもよい。
コンピュータ援用エネルギー最小化モデリングにより試験した場合、単独で最適な免疫原性であるには本発明のペプチド類似体はあまりにも小さいと一般的に考えられるが、担体結合部分を介して担体に結合された場合、これらのペプチド類似体は強い防御免疫応答を誘発することがわかった。従って、本発明のペプチド類似体は、RASに関係する疾病の免疫療法において利用するのに非常に適している。理論的に制限されることを望まないが、担体結合部分を用いた担体へのペプチドの連結は、天然のアンギオテンシン・ペプチドの場合と同じ立体配座を実質的に有する類似体を生じたと思われる。
本発明による新規の誘導体は、R. B. Merrifield, Fed. Proc. Amer. Soc. Biol. (1962). 21,412、およびR. B. Merrifield, Jour. Amer. Chem. Soc. (1963), 85, 2149、およびconventional FMOC chemistryに記述されているような、固体マトリックスへ結合されたポリペプチドを生成するためのアミノ酸を段階的に付加するメリフィールド(Merrifield)固相法を含むペプチドに対するいくつかの一般的技術を用いて、生成することができる。所望により、鎖合成の間、成長鎖におけるアミノ酸の反応性側鎖基を保護してもよい。分岐状構造は類似の技術によって調製することができる。
新規の誘導体が直鎖状のペプチドである場合は、例えば、Sambrookらによって記載されている分子クローニング(Molecular Cloning、研究室マニュアル(A Laboratory Manual)、第2版、1989年)のような当技術分野で公知の技術を用いて、組換えDNA発現により調製することもできる。
従って、本発明は、また、本発明のアンギオテンシン・ペプチド誘導体をコードする核酸分子、およびそれに相補的な配列を有する核酸分子を提供する。
本発明のさらなる態様によれば、我々は、本発明の前記核酸分子を含む発現ベクターを提供する。そのようなベクターは、例えば、大腸菌または酵母菌のような原核細胞または真核細胞である微生物、あるいは植物細胞または哺乳動物細胞のような動物細胞における発現に適当と思われる。
さらに、in situでの本発明に係るアンギオテンシン誘導体の合成が可能な発現ベクターは、治療に利用できるとともに、様々な方法によって被験者に導入することができる。これらの例には、薬理学上許容される賦形剤、例えば、リン酸緩衝食塩水(PBS)の溶液に含まれた「裸の(naked)」核酸ベクターの局所的適用が含まれている。また、例えば、米国特許第5371015号に記述されている当技術分野で公知の方法による粒子衝撃のような、「遺伝子ガン(gene gun)」技術として知られている物理的方法によるベクターの投与も含まれている。この技術では、発射装置から高圧で発射することによって、ベクターで被覆された金ビーズのような不活性粒子を皮膚表面から浸透することが十分可能な速度に加速している。
さらに、本発明のアンギオテンシン誘導体をコードする核酸配列をデリバリー・ベクターの形態で免疫治療に利用することができる。これらには、核酸配列が組み込まれ、当技術分野で公知の方法により免疫に利用することが可能な当技術分野で公知のアデノウイルスまたはレトロウイルス・デリバリー・ベクター等のウイルス・デリバリー・ベクターが含まれる。
他の本発明の核酸ベクターを運ぶのに利用できる非ウイルス・デリバリー・ベクターには、当技術分野で公知のリポソーム伝達手段を含む脂質デリバリー・ベクターが含まれる。
また、さらなる観点から、本発明は、本発明によるベクターで形質転換された宿主生物を提供する。
本発明のアンギオテンシン誘導体は、他の小分子に対する場合のように、単独で抗体産生を刺激するのには十分なサイズでないかもしれないので、抗体産生および防御免疫応答を刺激するためには高分子担体に結合させる必要があるかもしれない。
従って、さらなる観点から、本発明は、担体に結合させた、好ましくは、ポリペプチド担体に結合させた上記定義のアンギオテンシン誘導体を提供する。
本発明の誘導体の担体への結合は、当技術分野で公知の方法、例えば、ヘテロ二官能性連結剤で処理する方法によって行うことができる。結合が、末端のシステイン(またはN-アセチルシステイン)を介して行われる場合、連結剤は、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスルフォスクシンアミド・エステルを用いることができる。その場合、マレイミドがペプチド担体中の1つまたは複数のリジン側鎖を修飾し、末端のシステイン残基でチオエーテル結合を形成する。当技術分野で公知の他の結合試薬、例えば、カルボジイミド結合試薬もまた使用することができる。
精製ツベルクリン・タンパク分画、破傷風トキソイド、ジフテリア・トキソイド、テンガイ・ヘモシアニンまたはそれらの誘導体を含む、当技術分野で公知のそのような目的の担体を使用してもよい。
さらに、アンギオテンシン誘導体が直鎖状ペプチドで、担体がタンパク質またはポリペプチドである場合、適当なホスト細胞中で複合分子をコードする核酸分子が発現する組換えDNA方法によって、全ペプチド複合体を生成することができる。
本発明の新規のアンギオテンシン誘導体は、標準濃度または高濃度のRAS活性および/またはアンギオテンシン・ペプチドに関連した病状を治療する免疫治療方法に使用することができ、現在利用可能な方法と比較した場合、有利な方法であることを示している。現在の治療のケースよりも投薬の頻度がより少ないという点から患者の同意は増えるはずであり、また、不適当な副作用も回避できる。
従って、さらなる態様によれば、本発明は、薬理学上許容される1つまたは複数の担体または賦形剤と、本発明によるアンギオテンシン誘導体、または本発明による複合アンギオテンシン誘導体を含む薬剤組成物を提供する。
また、さらなる観点によれば、本発明は、治療用の本発明によるアンギオテンシン誘導体を提供する。
さらなる観点によれば、本発明は、レニン−アンギオテンシン系に関連した疾患の治療用の医薬製造での本発明によるアンギオテンシン誘導体の使用を提供する。そのような疾患としては、鬱血性心不全、全身性高血圧症のような高血圧症、およびレニン−アンギオテンシン系が病態生理学に寄与するその他の疾病、並びにレニン−アンギオテンシン系が活性レベルを上昇させた場合の疾病がある。
また、さらなる観点によれば、本発明は、本発明によるアンギオテンシン誘導体を投与することを含むレニン−アンギオテンシン系に関連した病状を治療する方法を提供する。
その方法は、血圧を調整するのに使用することができる。
誘導体をコードする組換え核酸または担体に任意に結合させた本発明によるアンギオテンシン誘導体は、非経口的(例えば、誘導体を吸着し、それらを被験者の皮膚に浸透させることを可能にするのに十分な速度で加速することができる金顆粒剤またはビーズなどの不活性粒子の形態で腹腔内、皮下、筋肉内、皮内に、あるいは静脈内に)、局所的(例えば、皮膚へのクリームとして)、関節内、粘膜的(例えば、経口的、鼻腔的、膣的、直腸的に、および眼内経路を介して)方法を含むすべての従来法によって、あるいは、たとえば吸入装置および噴霧器などの肺および気管支系へ薬剤を直接運ぶように設計された装置による肺内への送達によって投与することができるとともに、例えば、Remingtons Pharmaceutical Sciences、Gennaro編、Mack Publishing Company、Pennsylvania、米国(1990)に記述されているような、製薬学的に許容される1つまたは複数の担体または賦形剤を任意に用いて、薬学的従来法によって処方することができる。
そのような組成物は、粘膜的、非経口的または経口的投与などの単位投与形に処方すると都合がよい。
実際の治療措置または予防措置、処方および投薬量は、個々の患者に大いに依存し、個々の状況に基づいて開業医により工夫され得る。
処方の種類は投与経路に適したものである。例えば、皮下注射または筋肉内注射による非経口投与は、1つまたは複数の免疫アジュバント、例えば、水酸化アルミニウム、サポニン、クイルA(quil A)、ムラミル・ジペプチド、鉱物油または植物油、小胞ベースのアジュバント、非イオン的ブロック共重合体、あるいはDEAEデキストランを任意に加えた注射用のPBS、食塩水、あるいは蒸留水に複合体類似物の滅菌水性懸濁液を用いて行うことができる。防腐剤などの付加的な成分を用いてもよい。
注射は1〜100μgペプチド当量の範囲の投薬量で行うことができる。また、投薬は、ほぼ3カ月または6カ月ごとに1回の頻度から、1年ごとに1回または5年ごとに1回までの頻度で行うことができる。
経口投与については、結合させた誘導体を錠剤、液体、カプセルなどに処方することができる。投与量は、製品の生物学的利用可能性に依存した間隔で行われる投薬で、1〜1000μgペプチド当量の範囲にある。
さらなる観点によれば、本発明は、ACE阻害剤および/またはアンギオテンシンII受容体拮抗薬に基づいた既存の治療によって達成されている現状に匹敵するか、あるいはそれより優れているアンギオテンシンホルモンの最大限の阻害を達成する方法であって、前記方法が本発明によるアンギオテンシン誘導体を投与することを含む方法を提供する。
次に、図を参照し、以下のこれに制限されることはない実施例において、本発明をさらに詳しく説明する。
図1は、時間(試料日)に対する抗体価、+/−sem、n=6(ODの0.1の増加に相当する希釈)を示すグラフであり、
A =コントロール
B =実施例2の誘導体3
C =実施例2の誘導体1
D =実施例2の誘導体4
E =実施例2の誘導体2である。
図2は、コントロールラット、および実施例4の群CおよびJのAI類似体の複合体により免疫したラットにおけるAIを投与した後の血圧のピーク変化を示すグラフである。
図3は、実施例4の群AおよびCの動物におけるAIに応答した平均血圧変化の記録を示す。
図4、図5および図6は、図4ではアンギオテンシンI、図5ではアンギオテンシンII、および図6ではアンギオテンシノーゲンのアッセイで用いたELISAアッセイにおけるA450換算で測定された抗体価を示す棒グラフであり、そのELISAは、アンギオテンシン・ホルモンの類似体を含むワクチンに対して生じた部分的に精製されたラット抗血清の結合を示す。
図7および図8は、以下の誘導体についての時間(試料日)に対する抗体価を示すグラフである。
N-アセチル-Cys-(Ala)4-アンギオテンシンI
N-アセチル-Cys(Gly)6-アンギオテンシンI
Figure 0004850321
実施例1:ペプチド生成。
Protein Technologies社製のSymphony Peptide Synthesiserを用いた固相ペプチド合成のFmoc法によってペプチドを合成した。使用した樹脂は、Rink Amide Linkerを有するTentagel S-NH2であった。使用したFmocアミノ酸の側鎖保護基は、Cys、His、ApnおよびGlnに対してはTrt、Tyr、Thr、Asp、GluおよびSerに対してはtBuであり、LysおよびTrpのインドールNに対してはBoc、Argに対してはPmcであった。カルボキシル基の活性化は、TBTU/HOBt/DIPEAを用いて行い、すべての結合はDMF中で実施した。Fmoc基の脱保護は、DMF中の20%ピペリジンで行った。ペプチドの樹脂からの切断は、TFA中の5%アニソール/5%チオアニソール/5% EDT/3%水/2% TESで1時間行った。そのペプチドを、Waters Deltaprep 4000の40mm x 210mm Deltapak C18ラジアル・コンプレッション・カラムを用いたRP-HPLCによって精製し、Kratos Maldi 3のMALDI-TOF、およびAAAによって特性を決定した。
デンドリマーについては、Fmoc Lys(Fmoc)-OHを上記の方法に従って付着させ、ペプチド延長用の遊離αおよびεアミノ基の双方を与える。使用するFmocアミノ酸の量は、適宜に増加させなければならない。
Rink Amide Linker=p-[(R,s--[1-(9H-フルオレン-9-イル)-メトキシホルムアミド]-2,4-ジメトキシベンジル)-フェノキシ酢酸
Fmoc=9-フルオレニルメトキシカルボニル
Trt=トリチル、トリフェニルメチル
tBu=第三級ブチル
Boc=第三級ブチルオキシカルボニル
Pmc=2,2,5,7,8-ペンタメチルクロマン-6-スルホニル
TBTU=2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム テトラフルオロボレート
HOBt=N-ヒドロキシベンゾトリアゾール
DIPEA=ジイソプロピルエチルアミン
DMF=N,N-ジメチルホルムアミド
EDT=エタンジチオール
TES=トリエチルシラン
TFA=トリフルオロ酢酸
RP-HPLC=逆相高性能液体クロマトグラフィー
MALDI-TOF=マトリックス支援されたレーザー脱離イオン化−フライト時間(Matrix assisted laser desorption ionization-time of flight)
AAA=アミノ酸分析
Fmoc-Lys(Fmoc)-OH=α,ε ジ-9-フルオレニルメトキシカルボニルリジン
以下のペプチドを本方法で合成した。
Figure 0004850321
実施例2:複合化手順。
リン酸緩衝食塩水(phosphate buffered saline: PBS)中の破傷風トキソイド溶液に、60モル過剰のS-MBSおよびm-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスルホスクシンイミドエステルを加え、シールしたバイアルにおいて、4℃で2時間撹拌する。
過剰S-MBS架橋剤をPBS中でクロマトグラフィー(ゲルろ過クロマトグラフィ、PD-10、G-25 sephadexカラム)により除去する。活性化破傷風トキソイドのピークを収集し、遊離マレイミド基についてアッセイし、下記のように使用する。
得られた担体タンパク質溶液をN2を用いてパージし、12モル過剰のアンギオテンシン誘導体ペプチドを添加する。得られた溶液を、シールした容器で、20℃で4時間撹拌する。
その複合体を上記のゲルろ過クロマトグラフィーによって遊離ペプチドから精製する。遊離のマレイミド基の損失に関する最終アッセイを、その混合物の試料で行って、利用可能な部位がすべて複合化されることを証明する。
最終複合体を作用濃度まで希釈し、所望のように処方する。
直鎖状C末端が延長されたアンギオテンシンペプチド誘導体を有するS-MBS架橋結合複合体の構造(例えば、実施例1の誘導体(1)および(2))を以下に示す。
Figure 0004850321
この手順に従って、実施例1のアンギオテンシン誘導体(1)〜(4)を破傷風トキソイドのアリコートに個々に複合化させた。
実施例3:免疫化調査。
実施例2に記述した破傷風トキソイドのアリコートに、各々結合させた実施例1の4つのアンギオテンシン誘導体を、通常生理食塩水(saline)(0.9%(w/v))ビヒクル中の0.4%(w/v)の水酸化アルミニウムゲル(Alhydrogel、Superfoss/a、Denmark)へ吸着させて製剤化した。
すべての複合体を10μg/mlペプチド当量溶液として使用した。
雄Sprague-Dawleyラットを、1群当たり6匹のラットを有する5つの処置群に用いた。
処置群は以下のものを受けた。
ビヒクル、滅菌食塩水 0.5ml/ラット
N-アセチル-Cys-Gly-アンギ 0.5ml ビヒクル中、5μgペ
オテンシンI誘導体免疫治療 プチド当量/ラット
アンギオテンシンI-Gly-Cys 0.5ml ビヒクル中、5μgペ
誘導体免疫治療 プチド当量/ラット
N-アセチル-Cys-Gly-アンギ 0.5ml ビヒクル中、5μgペ
オテンシンII誘導体免疫治 プチド当量/ラット

アンギオテンシン 5μgペプチド当量/ラット
II-Gly-Cys誘導体免疫治療
用いた経路は皮下とし、調査期間中、各ラットは特定の試験物質の3回別々の投与量を受けた。
実験手順の全体にわたって、週に一度各ラットの体重を記録した。
実験手順
この最初の調査では、動物の一般的な生理学上のモニタリングの一部として、各ラットのコア温度を記録した。
1日目およびその後22日目および43日目に、ラットはビヒクルまたは試験物質の1回皮下投与量を受けた。続いて、各投与後24時間(2日目、23日目および44日目)および表1に明示したさらなる特定の日に、静脈血試料(0.5ml)をラットを押さえながら得た。
ガラス管に静脈血の各試料を集め、氷上で冷却し放置して凝塊とし、遠心分離して、試料化から45分以内に血清を得た。血清試料は、約-20℃でできるだけ迅速に凍結した。
Figure 0004850321
各血清試料は、酵素連結された免疫吸着剤アッセイ(Enzyme Linked ImmunoSorbant Assay: ELISA)にて、血清中に存在する抗アンギオテンシンペプチド−抗体を滴定することにより、抗体応答の処置による生成についてアッセイした。
このアッセイは以下のように実施した。
96ウェルの単一ウェルマイクロタイタープレートを50μlの検出基質、例えば、アンギオテンシンII-Gly-Cys-BSA(10μgペプチド当量/ウェル)で1時間室温にてコーティングした。同時に別のウェルへ50μlのPBSを注入し、基質ブランクとして作用させた。
そのプレートを200μlリン酸緩衝食塩液(PBS)/0.1% Tween 20で3回洗浄した。
PBS中の3%(w/v)粉乳(Marvel)をウェル当たり200μl添加し、室温で1時間放置して非特異的抗体結合を阻害した。
プレートを、200μlのPBS/0.1% Tween 20で3回洗浄した。
血清試料をPBSで適当な希釈濃度まで希釈した。典型的な希釈物は以下のとおりである。
i) 1/100-5μl ラット血清+495μl PBS
ii) 1/1000-20μl(i)+180μl PBS
iii) 1/2000-10μl(i)+190μl PBS
iv) 1/5000-4μl(i)+196μl PBS
適当に希釈された血清(50μl)を適当なウェルに充填し、20℃で1時間インキュベートして、基質:抗体を結合させた。
そのプレートを200μlのPBS/0.1% Tween 20で3回洗浄した。
PBS中のラビット抗ラットIgGペルオキシダーゼ複合体を1:5000に希釈した。すなわち、IgGペルオキシダーゼ1μlにPBSを5ml加えた。これはラット血清抗体に結合し、抗体検出を可能にする。
希釈されたIgGペルオキシダーゼ50μlを適当なウェルに添加し、室温で45分間放置した。
そのプレートを200μlのPBSで3回洗浄した。
ペルオキシダーゼ基質3,3′,5,5′-テトラメチルベンジジン(TMB)の250μlアリコートを、30%過酸化水素4μlとともに0.1M酢酸ナトリウム緩衝液pH5.5の25mlへ添加した。
調製したTMB基質100μlを、ブランクのウェルを含む適当なウェルに添加した。抗体/基質結合が形成されていた場合に、色素が生じる反応が起こる。室温に15分間放置し、その後、各ウェルに10%硫酸50μlを添加して反応を停止した。
そのプレートを、TMB基質上のペルオキシダーゼ酵素の反応によって生じた405nmの光の吸収について調べ、一次(抗アンギオテンシン)抗体結合の量に比例する。実施例1の誘導体(1)から(4)の4つの試料複合体処方についての結果を図1に示す。
図1は、x軸上の日に測定された異なる試料時間での、平均抗体価(+/−Sem、n=6)の時間経過をy軸上に示す。抗体価は、ElISAアッセイにおける基線レベルから0.1OD変化に対して求められた、血清のSAS推定希釈である。
アンギオテンシンペプチドに対する抗体レベルの変化を時間の経過とともに見ることができる。以下にそれを要約する。
Figure 0004850321
(A)はコントロールである。
抗体価データと並行して、すべての動物を、体温、体重および一般的外見における総体的な生理学的変化について、全般的毒性または有害効果として検査した。
4つのアンギオテンシン免疫複合体処置群のうちのいずれにも有害作用は記録されず、これはその処置が、動物において有害な生理学的作用なしで、抗アンギオテンシン抗体を産生するのに有効であることを示している。
実施例4:意識のあるラットでの外因性アンギオテンシンI(AI)の昇圧効果に関するアンギオテンシンペプチドに対する活性免疫化の作用
アンギオテンシン類似体を用いた活性免疫化の可能性を実証するこの実験では、あるアンギオテンシンI(AI)類似体およびアンギオテンシンII(AII)類似体を優れた免疫原である担体タンパク質と結合させた。これらの免疫複合体はアジュバントされ、免疫化されたラットで強い抗アンギオテンシン免疫応答が生じることを確認した。
免疫化されたラットを、外因性AIに対する昇圧応答の阻害に関して試験した。
物質および方法
アンギオテンシン免疫治療ワクチンの調製
この調査で使用したアンギオテンシン類似体は以下のとおりである。
AI類似体は、N-アセチル-システイン-グリシン-アンギオテンシンIである。
AII類似体は、N-アセチル-システイン-グリシン-アンギオテンシンIIである。
Symphony peptide synthesizer(Anachem)を使用して、AIおよびAII類似体を調製した。
適当な二価リンカーを使用して、複合担体タンパク質、破傷風トキソイド(TT)(Chiron Behring, GmbH)、テンガイ・ヘモシアニン(KLH)(Biosyn, GmbH)および非毒性組換えジフテリア毒素(DT)(Chiron Behring, GmbH)を、好適な二価のリンカーを用いて活性化した。「活性化」担体タンパク質は、サイズ排他式クロマトグラフィによって、過剰の架橋試薬から分離した。
以下の複合体を作製した。
Figure 0004850321
過剰のAIおよび/またはAIIの類似体を活性化担体タンパク質と混合し、反応させ、その後、AI/AII-担体タンパク質複合体をサイズ排他式クロマトグラフィにより、残存する遊離の類似体から分離した。
その複合体を0.2μmフィルタ(Millipore)を通す濾過によって滅菌し、アジュバントおよび生理食塩水ビヒクルを用いて処方し、投与に適したワクチンを得た。
Alhydrogel(R)(Superfos S. A.)は、この試験に関して選択された水酸化アルミニウムゲルアジュバントであり、また、0.9%生理食塩水(Flowfusor(R)、Fresenius)はワクチンビヒクルであった。
表2に、各処置群に投与される複合体処方を示す。その複合体は、DEAE(ジエチルアミノエチル)−デキストランアジュバントで処方されたF群の複合体以外、水酸化アルミニウムアジュバントで処方された。
免疫化およびAI抗原投与
表2中の特定の日に、雄Sprague Dawleyラット(当初200〜250g; Harlan Olac、すべての群においてn=6)を、食塩水または免疫治療ワクチン(0.5ml、sc.)で注射した。
61日目に、ナトリウムメトヘキシトン麻酔(40〜60mg kg-1 ii.p., 必要に応じて補充)下で、遠位腹大動脈(腹側尾動脈を介して)および右頚静脈にカテーテルを移植した。翌日、意識のあるラットにAI(3〜60pmolラット-1)の濃縮剤(0.1ml)静脈投与量を増加させながら与える一方で、平均値全身性動脈血圧および心拍数を記録した。実験の最後に、動物にペントバルビトンナトリウム(100mg)静脈投与し、血液試料をElISAによる抗アンギオテンシン抗体の測定のために、心臓穿刺により得た。
Figure 0004850321
アンギオテンシン類似体抗体のELISA
ELISAプレートウェル(Anachem)を、担体としてのウシ血清アルブミン(BSA)に複合化させたAIまたはAIIのいずれか10μgペプチド当量で、コーティングした。
コーティングされたウェルを、PBS(0.2%w/v)/Tween(Sigma)で洗浄し、3%マーヴェルでブロック化し、それらの各ウェル中でワクチン接種ラットからの希釈した血清をインキュベートした。その血清を2,500〜20,000倍の範囲にわたって、PBS(Sigma)で希釈した。
固定化された抗体を、ラビット抗ラットIgG/セイヨウワサビ(horseradish)ペルオキシダーゼ複合体を用いてウェル中で検出し、H2O2(Sigma)と3,3′-5,5′-テトラ-メチルベンジジンを用いて明らかにした。その反応は、22℃で15分後に、10%(v/v)H2SO4(Sigma)の添加によって停止した。
生成された色をPackardのプレート・リーダを使用して、450nmでの吸光度により決定した。得られた吸光度読取り値を統計パッケージ(SAS Institute 1997)により分析し、抗体価を決定した。
AI抗原投与に関する血圧変化の統計的分析
直前の前抗原投与値以上の平均血圧および心拍数の最大変化を、各動物および各抗原投与量について計算した。処置された群と免疫化されていないコントロールとの差異を、Dunnett試験を用いてANOVAにより評価した。
投与量応答分析
免疫化の主たる効果は、AI抗原投与に対して動物の血圧投与量応答における平行シフトが生じることであった。このシフトの大きさを見積るために、ロジスティック・モデルを導き、投与量応答に適合させた。
Figure 0004850321
上式において、dはAIの投与量であり、BPmaxは血圧の最大変化であり、αは形状パラメータであり、また、ED50は半減最大応答を与えるAIの投与量である。個々のED50見積りを各動物について得た。処置群と免疫化されていないコントロールとの有意差は、Dunnett多重比較試験法を用いて対数変換したED50値のANOVAにより算定した。
結果
表3は結果のうちのいくつかを要約しており、活性免疫化が、AIに対する昇圧投与量応答で有意なシフトを生じるとともに、抗体価を著しく増加することを示している。
血圧に関する明らかな効果がこれらの処置で実証され、その最大投与量シフト(8.9xコントロール)は、水酸化アルミニウムアジュバント上の破傷風トキソイドおよびAI類似体を含む複合体を用いて確認される。
さらに、表3は抗アンギオテンシン抗体価と応答との関係をも説明している。一般に、処置誘導抗体価と平均処置誘導投与量シフトの間には、広範囲の一致があるが、群CおよびJ間に目立った投与量応答がないのは明らかである。
図2および図3は、コントロールラット(群A)、および5μg(低投与量、群C)および25μg(高投与量、群J)のペプチド当量投与量で、AlOHゲルアジュバントで提供された、破傷風トキソイドおよびAI類似体の複合体で免疫化したラットに関する結果を図示している。
図2は、コントロールラット(群A)、および5μg(低投与量、群C)または25μg(高投与量、群J)の投与量にてAI類似体で免疫化したラットにおけるAIの昇圧作用を示すグラフである。y軸はBP(mmHg)のピーク変化を表し、x軸はコントロール、高投与量群J(25μg)および低投与量群C(5μg)動物におけるアンギオテンシンI投与量(pmol/ラット)を示す。エラー・バーは、集団標準偏差(n=6)内にプールされたものに基づいて平均の95%信頼区間を示すが、それはコントロール群のみに示す。
図3は、群A(コントロール)および群C(5μg投与量)からの代表動物でのAI(3、18および60pmol濃縮剤投与量)に対する応答における平均血圧変化の記録を示す。
結論
水酸化アルミニウムアジュバント上の破傷風トキソイドおよびAI類似体を含む複合体を用いた処置は、外因性AIに対する昇圧応答を非常に有意に低下させた。
Figure 0004850321
中央値AI濃縮剤(pmol.rat-1)は、コントロール(群A)ラットおよび免疫化された(群B〜L)ラットにおいて、平均値血圧での半減最大の増加(ED50)および対応する抗アンギオテンシン抗体価を達成する。有意性確率はDunnett法により多重比較について調整した(*=P<0.05、**=P<0.01、***=P<0.001)。
実施例5:実施例3において産生された抗体の特性決定
実施例3において産生された抗体は、下記のアフィニティ・クロマトグラフィーにより濃縮した。
物質
1mLのHiTrapタンパク質Gアフィニティ・カラム(Pharmacia Biotech、17-0404-03)
洗浄緩衝液(WB)=PBS pH7.2
溶出緩衝液(EB)=0.1Mグリシン(HCL)pH2.7
中和緩衝液(NB)=1Mトリス(HCL)pH9
貯蔵緩衝液(SB)=20%エタノール(v/v)
1.TT-NAc-CG-アンギオテンシンI(5mL)、アンギオテンシンI-GC-TT(7mL)、TT-NAc-CG-アンギオテンシンII(6mL)またはアンギオテンシンII-GC-TT(5mL)のそれぞれで接種した後、末端血からのラット血清を、遠心分離によって清澄化し、1μmのPTFEディスク・フィルタを通してろ過し、次いで、pH7.2のPBSに対して透析した。その後、それぞれを別々に以下のように濃縮した。
2.HiTrapカラムをWB 5mLで洗浄し、平衡化した。
3.調製した血清(1.)をHiTrapカラムに1回通過させ、排出物を収集して-20℃で保存した。
4.HiTrapカラムをWB 5mLで洗浄し、残余の血清を除去した。
5.固定化された抗体EB 10mLで溶出した。その溶出液を各1ml画分に収集し、NBの0.1mLで直ちに中和した。
6.実験の最後に、HiTrapカラムをSBで洗浄し、4℃で保存した。
ELISAアッセイは、以下のようにコーティングされたプレートを用いて、実施例3の記述に従って実施した。
1)アンギオテンシンIおよびアンギオテンシンIIについて
物質
Nunc Maxisorp ELISAプレート(Life Technologies、430341 A)。
ヒトアンギオテンシンI(Bachem、H-1680)
ヒトアンギオテンシンII(Bachem、H-1705)
0.1M炭酸塩緩衝液、pH9.8(0.1L当たり、Na2CO3で0.316gおよびNaHCO3で0.584g)
使用した他の材料は、上述の実施例3で記載したELISA法と同様であった。
1.測定される特異的結合の事象に依存して、アンギオテンシンIまたはアンギオテンシンIIのいずれか100μL(0.1M炭酸塩緩衝液pH9.8の0.2mg/ml)をELISAプレート・ウェルの適当数に添加し、22℃で1時間インキュベートした。
2.上述の実施例3に記載したELISA法に従って、ELISAプレートをPBS/Tweenで洗浄し、Marvelでブロックし、再度PBS/Tweenで洗浄した。
3.破傷風トキソイド(TT)複合体TT-NAc-CG-Ang I、Ang I-GC-TT、TT-NAc-CG-Ang IIおよびAng II-GC-TTに調達した血清から濃縮した抗体を、pH7.2のPBS、2.5μg/mlで、コーティングされたウェル中でインキュベートした(1時間、22℃)。
その後、吸光度を450nmで読み取る以外は実施例3に記述した方法によりELISAを完了した。
2) アンギオテンシノーゲンについて
天然アンギオテンシノーゲン(Sigma、A-2562)の検出のためのELISAは、実施例3の方法により実施した。
破傷風トキソイド(TT)複合体、TT-NAc-CG-Ang I、Ang I-GC-TT、TT-NAc-CG-Ang IIおよびAng II-GC-TTに調達した血清からの濃縮抗体を、pH7.2のPBS、0.5μg/mlでインキュベートした(22℃で1時間)。
その結果を図4、図5および図6に示し、各図は、アンギオテンシンI(図4)、アンギオテンシンII(図5)およびアンギオテンシノーゲン(図6)でコーティングされたELISAプレートで読み取れた吸光度を示し、抗体が、アンギオテンシンI、アンギオテンシンII、アンギオテンシノーゲンに認識されるTT、すなわち、TT-NAc-CG-Ang I、Ang I-GC-TT、TT-NAc-CG-Ang IIおよびAng II-GC-TTに結合させたそれぞれのアンギオテンシン誘導体に調達されたことを示している。
実施例6:さらなるアンギオテンシン誘導体の生成および免疫化調査
以下のアンギオテンシン誘導体ペプチド1〜6を実施例1の方法に従って合成した。
N-アセチル-Cys-Ala-アンギオテンシンI (1)
N-アセチル-Cys-(Ala)4-アンギオテンシンI (2)
N-アセチル-Cys(Gly)6-アンギオテンシンI (3)
N-アセチル-Cys-Gly-Ala-Gly-Ala-アンギオテンシンI (4)
Figure 0004850321
これらのペプチドを実施例2に記述したような破傷風トキソイドに結合させ、実施例3に記述された手順を用いて免疫化調査用に処方した。
抗体価を実施例4に記述したELISA技術を用いて、免疫原に使用されるペプチドに対して測定した。
その結果を図7および図8に示し、これは、抗体価をさまざまな試料日で、0.1OD単位の変化を示すように設計されたSASTM(Statistics Analysis System)を生じる希釈倍率としてy軸に示すグラフである。示された各測定点は、各2通りずつアッセイされた、5匹の異なる動物からの5つの血清試料の平均値を表す。
すべてのペプチドが、抗アンギオテンシンI応答を生じるのに有効であることが示された。その応答は、程度と持続時間において多様であった。

Claims (9)

  1. レニン−アンギオテンシン系に関係した疾病を治療するのに使用する薬剤の製造における、N−アセチル−システイン−グリシンからなるペプチド担体結合部分を介して担体に結合した、少なくとも1つのアンギオテンシンI・ペプチドを含む免疫原性アンギオテンシン複合体の使用であって、上記担体は、精製ツベルクリン・タンパク誘導体、破傷風トキソイド、ジフテリア・トキソイド、テンガイ・ヘモシアニンまたはそれらの誘導体から選択されるものである、上記免疫原性アンギオテンシン複合体の使用
  2. 前記複合体が、アンギオテンシンI分子との交差反応性免疫応答を誘導する、請求項に記載の使用。
  3. 前記複合体が、アンギオテンシンIIおよび/またはアンギオテンシノーゲン分子との交差反応性免疫応答を誘導する、請求項2に記載の使用。
  4. 前記疾病が、鬱血性心不全または高血圧症である、請求項1〜のいずれか一項に記載の使用。
  5. 血圧調節のためである、請求項1〜のいずれか一項に記載の使用。
  6. N−アセチル−システイン−グリシンからなるペプチド担体結合部分を介して担体に結合した、Asp-Arg-Val-Tyr-Ile-His-Pro-Phe-His-Leuなる配列を有する、少なくとも1つのアンギオテンシンI・ペプチド部分を含む免疫原性アンギオテンシン誘導体であって、上記担体は、精製ツベルクリン・タンパク誘導体、破傷風トキソイド、ジフテリア・トキソイド、テンガイ・ヘモシアニンまたはそれらの誘導体から選択されるものである、上記免疫原性アンギオテンシン誘導体
  7. アンギオテンシンI分子との交差反応性免疫応答を誘導する、請求項に記載のアンギオテンシン誘導体。
  8. アンギオテンシンIIおよび/またはアンギオテンシノーゲン分子との交差反応性免疫応答を誘導する、請求項7に記載のアンギオテンシン誘導体。
  9. 請求項6〜8のいずれか一項に記載のアンギオテンシン誘導体を、1つまたは複数の薬学上許容される担体または賦形剤とともに含む薬剤組成物。
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