JP4849982B2 - 自動変速機の変速制御装置及び方法 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載された技術は、摩擦係合要素の油圧サーボへの油圧を制御して、変速時のショックを軽減する技術である。この技術では、図15に示すように、開放から係合へ切り替えられる係合側の摩擦係合要素について、入力トルクに応じて、イナーシャフェーズ開始時の目標油圧PTAを算出し、該目標油圧と予め設定された所定時間tTAとにより、所定勾配が算出され、該勾配による第1のスイープアップにより油圧を上昇させる。油圧が目標油圧PTAになる時点で入力回転数が所定変化量となる際の目標回転変化率に基づき比較的緩やかな勾配δPTAが設定され、該勾配による第2のスイープアップにより油圧を上昇させる。入力回転の回転数変化ΔNが、入力軸回転数センサにて検知され得る回転変化開始判定回転数dNSになると、入力回転数変化を見ながら、所定勾配にて油圧がフィードバック制御される。更に、目標変速開始時間及び目標変速開始時における回転数変化率を計測して、目標油圧PTA,第2のスイープ部の勾配δPTA及び目標変速開始時間taimが学習補正される。
このような開放側油圧PAの制御と同時に、係合側油圧PBを所定勾配で上昇させ、これにより係合側実油圧を徐々に上昇させて係合側摩擦係合要素のトルク容量を徐々に増加させる。
また、上記配分比設定手段は、配分に係る摩擦係合要素の構造上の分担比を補正して上記配分比を設定することが好ましい。これにより、配分比の設定を適正化することができる。
さらに、上記のトルク容量を油圧に変換する際、対象となる摩擦係合要素の締結開始初期油圧を用いることが好ましい。これにより、摩擦係合要素の締結開始圧分を補正することができる。差回転ではなく回転速度に着目して制御することで、回転速度を確実に管理して制御することができる。
この場合の制御終了閾値は、アップシフトの際には、変速後入力回転数よりも大きい入力回転速度値、もしくは、入力側の方が出力側よりも大きい上記入出力差回転数に設定し、ダウンシフトの場合、変速後入力回転数よりも小さい入力回転速度値、もしくは、入力側の方が出力側よりも小さい上記入出力差回転数に設定し、変速後回転より小さい側に設定することが好ましい。これにより、同じ制御ロジックで、アップシフトにも、ダウンシフトにも対応できる。
上記変速制御手段は、上記掛け替えフェーズにおいて、上記第1摩擦係合要素を係合から開放に切り替えると共に上記第3の摩擦係合要素を開放から係合に切り替える第1の掛け替え制御の際に、差回転制御の対象である上記第2の摩擦係合要素の変速後入力回転数推定値と上記第2の摩擦係合要素の出力回転数との差回転数を所定の範囲に保持することが好ましい(請求項12)。これにより、その後の第2の摩擦係合要素の係合に至る処理を、変速ショックを招くことなく行なうことができる。
また、上記変速制御手段は、上記掛け替えフェーズにおいて、上記第1の掛け替え制御に続いて実施する、上記第3摩擦係合要素を係合から開放に切り替えると共に上記第2の摩擦係合要素を開放から係合に切り替える第2の掛け替え制御の際に、差回転制御の対象である上記第2の摩擦係合要素の変速後入力回転数推定値と上記第2の摩擦係合要素の出力回転数との差回転数を所定の範囲に保持することが好ましい(請求項13)。これにより、変速ショックを招くことなく変速を行なうことができる。
このように、イナーシャフェーズ制御が完全に終わったところで、トルク分担の切り替えを実施することにより、その後の掛け替え制御を、トルクショックを招くことなく行なうことができる。
この場合、記変速後変速段を設定する機械的操作の完了を確認した上で、上記第3摩擦係合要素と上記第2の摩擦係合要素との掛け替え制御の開始することが好ましい。
また、上記変速制御手段は、上記第2の掛け替え制御により締結側の上記第2の摩擦係合要素に全トルク容量を配分する状態に移行し終わったら、上記第2の掛け替え制御を終了することが好ましい(請求項15)。これにより、トルク分担の切り替えが完全に終わったところで、次の制御(終了フェーズ)に移行することになり、時間的な無駄を生じることなく、且つ各フェーズの制御を適切に行なうことができる。
また、上記目標値設定手段では、上記の各目標差回転数の大きさ(絶対値)を、上記入力部材に連結されたエンジンの負荷又は該負荷に対応する量(スロットル開度,エンジントルク)と、上記入力部材の回転又は該回転に対応する量もしくは変速比とにより設定することが好ましい(請求項20)。これにより、入力トルクの大小や、回転の大小に応じた適切な目標値を生成することができる。
本発明の自動変速機の変速制御方法は、変速段に応じて複数の摩擦係合要素の何れかを係合させてエンジンから入力部材に入力された回転を適宜変速して出力する自動変速機における変速段の切り替え時に、上記複数の摩擦係合要素のうち変速前に締結していた第1の摩擦係合要素を係合から開放に切り替えると共に変速後に締結すべき第2の摩擦係合要素を開放から係合に切り替える掛け替え制御を行なう変速制御手段を有する、自動変速機の変速制御方法において、上記第1の摩擦係合要素の開放に伴い自発的に生じる回転変化と変速制御の結果生じる回転変化とが同じ方向になると共に、変速の間に機構上の制限から中間状態となる経由変速段を一旦実現する必要がある特定の変速を行なう際の上記掛け替え制御時に、変速後の上記第2の摩擦係合要素の入力回転速度を推定しこの推定結果に基づいて該第2の摩擦係合要素の回転速度を制御する回転速度の制御と、はじめに、上記第1の摩擦係合要素を係合から開放する一方で、上記複数の摩擦係合要素のうちの上記経由変速段実現のために使う第3の摩擦係合要素を開放から係合し上記経由変速段を実現し、続いて、上記第3の摩擦係合要素を係合から開放する一方で、上記第2の摩擦係合要素を開放から係合するように制御する摩擦係合要素の係合開放の制御とを、並行して行なうことを特徴としている(請求項24)。
さらに、上記特定変速の変速制御は、上記第1の摩擦係合要素の回転速度を制御しながら上記経由変速段を設定する準備フェーズと、上記準備フェーズの後に変速比の切り替えに係るイナーシャの補正を実施するイナーシャフェーズと、上記イナーシャフェーズの後に上記の第1,第2,第3の摩擦係合要素の掛け替え制御を実施する掛け替えフェーズと、上記掛け替えフェーズの後に実施する終了フェーズと、をそなえていることが好ましい(請求項26)。これにより、制御の切り替えを必要としないロジック構成により実施することができ、円滑に且つ速やかに変速を実施することができると共に、摩擦係合要素の開放/締結のタイミングを完全に同期することが可能になる。
[各実施形態に共通する自動変速機の変速制御の構成]
各実施形態を説明する前に、まず、図1〜図7を参照して、各実施形態に共通する自動変速機の変速制御における掛け替え制御の原理及び基本構成について説明する。
図2は、一般的な4速自動変速機の構成を示す模式図である。図2に示すように、この自動変速機は、入力軸11と出力軸12との間に介装され、2組のプラネタリギア21,22を直列に備えている。
一方、第2のプラネタリギア22のサンギア(S2)22Sは入力軸11に直結されている。また、第2のプラネタリギア22のプラネタリピニオンを枢支するキャリア22Cは、第1のプラネタリギア21のリングギア21Rに直結されるとともに出力軸12に直結されている。また、第2のプラネタリギア22のリングギア22Rは、上記のように第1のプラネタリギア21のキャリア21Cにクラッチ27を介して接続されている。
したがって、1速から2速へ変速する(変速段の切り替えをする)場合には、クラッチ27を締結したままで、締結状態にあるクラッチ26を開放しつつ、開放状態にあるクラッチ23を締結することになる。
このクラッチ33,34の掛け替えにあたって、クラッチ33,34の差回転制御と言う視点で、この構成を見ると、入力トルクTinと入力回転ωinとに対して、2つのクラッチの締結容量Tc1,Tc2を制御して、いずれかのクラッチの差回転を制御するのであるから、この2速変速機から、クラッチ部分だけを抜き出して考えると、図6に示すように、1つの統合クラッチの容量制御による差回転制御に置き換えて考えることができる。
このような制御系を用いて、変速機の入力軸(入力部材)11の回転に関し、変速前に締結していて変速に伴って開放する開放側クラッチ1の開放に伴い、自発的に生じる回転変化と、変速制御の結果生じる回転変化とが、同方向になるような変速を行なう場合を考える。
このような状況下では、まず、入力軸回転の速度を、変速前の変速比で作られる回転数相当から、変速後の変速比で作られる回転数相当に変化させ、その後に、クラッチの掛け替えを行なうことになる。
図7に示すように、この自動変速機は、入力軸51と、いずれもこの入力軸51に入力側部材を結合された第1クラッチ(クラッチ1)52及び第2クラッチ(クラッチ2)53と、出力軸54と、第1クラッチ52と出力軸54との間に介装された変速ギア機構60Aと、第2クラッチ53と出力軸54との間に介装された変速ギア機構60Bと、を備えて構成される。
また、出力側軸56Aの出力端部にはギア57aが固設され、出力軸54のギア54aと噛み合って出力側軸56Aから出力軸54に動力伝達できるようになっており、出力側軸56Bの出力端部にはギア57bが固設され、出力軸54のギア54aと噛み合って出力側軸56Bから出力軸54に動力伝達できるようになっている。
しかしながら、アクセル踏み込みによるダウンシフトの場合、例えば6速から4速や5速から3速や4速から2速等に飛び越しダウンシフトすることがあり、アクセル戻しによるアップシフトの場合、例えば1速から3速や2速から4速や3速から5速等に飛び越しアップシフトすることがある。
図8〜図15は本発明の第1実施形態に係る自動変速機の変速制御装置及び方法を示すものである。なお、本実施形態で対象とする自動変速機は、上述した図7に示す2軸型6速自動変速機とする。
(変速制御に係る機能構成)
本実施形態では、本発明の変速制御を、上述のような自動変速機における上記飛び越しシフトのような、変速前変速段から変速後変速段への変速の間に機構上の制限から中間状態となる経由変速段を一旦実現する必要がある特定の変速であって、開放するクラッチの開放に伴い自発的に生じる入力軸51の回転変化と、変速制御の結果生じる入力軸51の回転変化とが、同方向になるような変速を行なう場合に適用する。
目標値設定手段10Aは、変速段切り替え前目標値として、変速段切り替え前に使用した開放側クラッチの入力側回転速度と出力側回転速度との差(入出力差回転)の目標値である第1目標差回転数(目標差回転1ともいう)を設定し、変速段切り替え後目標値として、変速段切り替え後に使用する締結側クラッチ(ここでは、上記の開放側クラッチと同一クラッチ)の入力軸回転速度と出力側回転速度との差(入出力差回転)の目標値である第2目標差回転数(目標差回転2ともいう)を設定する。
変速制御手段10は、このような各機能10A〜10Eを用いて、各フェーズの制御を実施する。以下、図9の経由変速段を経て行われる踏み込みダウンシフト時のタイムチャート(時系列動作模式図)を用いて具体例に即して各フェーズの制御を説明する。なお、図9は、ギア列5から、ギア列4を経由してギア列3へ変速する場合について記している。このとき、開放側クラッチ及び締結側クラッチは、ギア列3とギア列5へ接続されているクラッチ1を指し、経由変速段使用クラッチは、ギア列4に接続されているクラッチ2を指している。したがって1回目の変速(第1の掛け替え)では、開放側クラッチであるクラッチ1を開放し、経由変速段使用クラッチであるクラッチ2を締結する操作を行い、2回目の変速(第2の掛け替え)では、締結側クラッチであるクラッチ1を締結し、経由変速段使用クラッチであるクラッチ2を開放する操作を行なうこととなる。
最後に、終了フェーズにて、総トルク容量を徐々に増加させ、クラッチ1を完全締結して、変速制御を終える。
以上の制御により、イナーシャフェーズを1回で済ませながら、2回の掛け替えを連続的に実施し変速を行なうことができる。
次に、図10〜図14のフローチャートを用いて、本実施形態に係る変速制御をさらに詳細に説明する。
図10に示すように、ステップS1にて、変速制御中かを判断する。変速中であると判断されたら、続いてステップS2にて、準備フェーズか否かの判断をする。準備フェーズであると判断したときには、ステップS3にて、準備フェーズ処理を行なう。この準備フェーズ処理の詳細は、図11を用いて後述する。
ステップS4にて、掛け替えフェーズでないと判断されたときには、ステップS6にて掛け替えフェーズか否かの判断をする。掛け替えフェーズであると判断したときには、ステップS7にて、掛け替えフェーズ処理を行なう。この掛け替えフェーズ処理の詳細は、図13を用いて後述する。
ステップS8にて、終了フェーズでないと判断されたときは、ステップS10にて、変速制御を終了させる。
したがって、各フェーズごとの制御が終了した後、ステップS11にて、制御対象のクラッチの目標差回転数と実差回転数との比較によるフィードバック制御を行ない、この結果から総トルク容量を設定する。つまり、実差回転数が目標差回転数よりも大きければ、総トルク容量を所定量増加して、入力回転を低下させる。逆に、実差回転数が目標差回転数よりも小さければ、総トルク容量を所定量減少して、入力回転を上昇させる。なお、この場合の各所定量は、一定値でも良いが、実回転数と目標回転数との差に応じた可変の値としても良い。
なお、ステップS1にて、変速制御中でない、と判断した場合には、ステップS13にて、開放側、締結側の各クラッチのトルク容量をそれぞれ、非変速時開放側クラッチのトルク容量基本値、非変速時締結側クラッチのトルク容量基本値に設定する。
以上の処理を、所定の制御周期で繰り返すことで、本制御が実施される。
次に、各フェーズについて説明する。
図11に示すように、準備フェーズでは、まず、ステップS16にて、差回転制御の目標値を変速前制御目標値に設定する。続いて、ステップS17にて、制御差回転(制御対象クラッチの実差回転数)として、クラッチ1入力回転数とクラッチ1出力回転数との差分を取る。この制御差回転はステップS11にて、総クラッチ容量を求めるのに用いる。
その後、ステップS21にて、準備フェーズ終了判断閾値と現在の制御対象クラッチの差回転数とを比較し、ステップS22にて、経由変速段が締結を終了したか判断を行なう。このステップS21にて、現在の制御対象クラッチの差回転数が準備フェーズ終了判断閾値よりも大きく(即ち、制御対象クラッチが十分な差回転数状態にある)、且つ、経由変速段の締結が終了していると判断された場合には、ステップS23にて、準備フェーズを終了し、イナーシャフェーズヘの移行処理をする。
図12に示すように、イナーシャフェーズでは、まず、ステップS24にて、差回転制御の目標値を変速後制御目標値に設定する。同時に、ステップS25にて、配分比を0に固定する。続いて、ステップS26にて、経由変速段倒クラッチ出力側回転数と、経由変速段変速比と、変速後変速段変速比とから、変速後入力回転推定値を算出する。さらに、ステップS27にて、この変速後入力回転推定値とクラッチ1回転数の差分を制御差回転(制御対象クラッチの実差回転数)とする。
図13は、本実施形態の掛け替えフェーズ処理を示すフローチャートである。
これにより、次の制御周期では、ステップS33を経て進んだステップS37にて、変速段切り替え処理中で無いと判断され、ステップS45にて、配分比を、所定の変化速度で漸減する。その後、ステップS46にて、配分比と0を比較し、配分比が0以下であると判断されたときには、ステップS47にて、掛け替え樹御を終了し、終了フェーズヘの移行処理をする。
図14に示すように、掛け替えフェーズでは、まず、ステップS48にて、差回転制御の目標値を終了制御目標値に設定する。続いてステップS49にて、制御差回転(制御対象クラッチの実差回転数)として、クラッチ1入力回転数とクラッチ1出力回転数との差分を取る。次にステップS50にて、配分比を0に固定する。その後、ステップS51にて、タイマにより所定時間の経過が確認され、かつ、ステップS52にて、総トルク容量が変速制御終了閾値に達している(クラッチ1が完全に締結されている)場合には、ステップS53にて、変速制御を終了し、非変速時制御への移行処理をする。
次に、上述の制御を実現するための本実施形態の制御機能の構成を説明する。
図15は、本実施形態の制御機能の構成を示したブロック図である。
図15に示すように、まず、入力信号演算部B1にて、入力信号の処理を行なう。
変速決心演算部B2は、入力信号演算部B1より、車速信号とアクセル操作量信号を受け、変速マップとの比較により、変速パターンを生成する。この変速パターンには、非変速状態も含まれる。
制御対象回転選択部B4は、変速パターンと変速フェーズから、それぞれの変速制御に合わせ、制御対象となるクラッチを選択し、その回転信号から、制御対象クラッチ回転を生成する。
差回転F/B制御部B7は、制御対象クラッチの実差回転数と目標差回転数とを用いて、目標差回転に対するフィードバック制御を行ない、F/B補正分を生成する。
演算部B8は、総トルク容量算出手段10Bに相当し、F/B補正分と、オープン制御分に相当する入力軸トルクとの和を取り、総クラッチのトルク容量(総トルク容量)を生成する。
最後に、各クラッチの個別伝達トルク容量であるクラッチ1容量,クラッチ2容量のうち、クラッチ1容量は、クラッチ1容量→圧変換部B10にてクラッチ1制御指令圧に、クラッチ2容量はクラッチ2容量→圧変換部B11にて、クラッチ2制御指令圧に、それぞれ変換される。クラッチ1容量→圧変換部B10,クラッチ2容量→圧変換部B11は、各クラッチの係合制御量を調整する油圧指令値を出力する調整手段10Eに相当する。
(作用及び効果)
このように、本実施形態にかかる変速制御によれば、変速前に締結していて変速に伴って一旦開放する開放側クラッチ1の開放に伴い、自発的に生じる回転変化と、変速制御の結果生じる回転変化とが、同方向になるような変速であって、変速前変速段から変速後変速段への変速の間に機構上の制限から変速前変速段及び変速後変速段で使用するクラッチ1(第1の摩擦係合要素及び第2の摩擦係合要素)を一旦開放しなくてはならない変速の場合、経由変速段及び変速前後に使用しないクラッチ2(第3の摩擦係合要素)を利用することにより、クラッチ1を開放して変速前変速段から変速後変速段への変速のためのギア組み設定の切り換えの間でも、動力伝達状態を確保することができ、エンジン負荷が急変して円滑な変速を実施できる。
[第2実施形態]
図16,図17は本発明の第2実施形態に係る自動変速機の変速制御装置及び方法を示すものである。
したがって、図16の踏み込みダウンシフト時の時系列動作模式図に示すように、準備フェーズでは、入力軸の回転数の目標値を現回転速度よりも高めに設定した目標回転1とし、入力軸の実際回転数が目標回転1になるように制御する。イナーシャフェーズでは、入力軸の回転数目標値を目標回転1から変速後回転速度よりも高めに設定した目標回転2に切り換えるとともに、目標回転2にまでなだらかに繋ぐように、イナーシャフェーズ中目標回転を生成して、入力軸の実際回転数がイナーシャフェーズ中目標回転になるように制御する。また、その後の掛け替えフェーズでは、入力軸の実際回転数が目標回転2になるように制御する。
次に、本実施形態の制御機能の構成を説明する。
図17は、本実施形態の制御機能の構成を示したブロック図である。
図17に示すように、制御の対象を、第1実施形態のクラッチの入出力差回転からクラッチの入力回転に置き換えたもので、第1実施形態との差異のみ説明する。
目標回転演算部B5´は、第1実施形態の目標差回転演算部B5に替わるもので、目標差回転演算部B5と同様、変速制御フェーズと制御対象クラッチ回転に基づいて、それぞれの変速制御に合わせ、目標回転を生成する。このとき、上述のように、入力軸トルクの符号が正の場合には、入力軸回転が制御対象クラッチの出力回転よりも大きくなるように目標回転を設定し、入力軸トルクの符号が負の場合には、入力軸回転が制御対象クラッチの出力回転よりも小さくなるように目標回転を設定する。
(作用及び効果)
他は第1実施形態と同様であり、このような構成でも、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
図18〜図20は本発明の第3実施形態に係る自動変速機の変速制御装置及び方法を示すものである。
本実施形態では、第1実施形態における準備フェーズを省略したものである。
(タイムチャート)
図18は、本実施形態による踏み込みダウンシフト時の時系列動作模式図である。
図18に示すように、第1実施形態との違いは、準備フェーズを省略し、イナーシャフェーズ中に、入力軸回転の制御を行なうと同時に、経由変速段の確立操作を行なっていることである。
(フローチャート)
図19は、本実施形態にかかる制御の全体構成フローチャートである。
図20は、本実施形態にかかる制御のイナーシャフェーズ処理のフローチャートである。
つづいて、ステップS59にて、今回の変速で経由変速段として使うギア列を選択し、ステップS60にて、経由変速段締結操作を行ない、経由変速段を確立する。これらは、ステップS19,ステップS20と同様の処理である。その後、ステップS61にて、経由変速段締結終了判断を行なう。結果、経由変速段の締結が終了していると判断された場合には、ステップS62にて、経由変速段締結終了処理を行なう。
(作用及び効果)
このような構成でも、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
[第4実施形態]
図21〜図24は本発明の第4実施形態に係る自動変速機の変速制御装置及び方法を示すものである。
図21は、本実施形態による踏み込みダウンシフト時の時系列動作模式図である。
図21に示すように、本実施形態では、イナーシャフェーズ中に、入力軸回転の制御を行なうと同時に、経由変速段の確立操作を行ない、この後、1回目の掛け替え制御を行なっている。
本実施形態にかかる制御の全体構成フローチャートは、第3実施形態と同様であるので、フローチャートは省略する。
図22に示すように、第3実施形態(図20)との違いは、配分比の設定がステップS56以降になったことと、経由変速段締結判断後のルーチンに、配分比の移行制御が加わったことである。ステップS56までは図20と同様であるので省略する。
ステップS56にて、経由変速段が締結していないと判断したとき、ステップS63にて配分比を0に設定する。続く、ステップS57からステップS62までの処理は図20と同様であるので省略する。
図23に示すように、第1実施形態(図13)の掛け替えフェーズのフローチャートから、ステップS33からステップS36までを省略したものである。
本実施形態にかかる終了フェーズは第1実施形態と同様であるので、フローチャートは省略する。
図24は、は本実施形態の制御をコーストアップに適用した際の時系列動作模式図である。
図24において、図示上、クラッチのトルク容量との比較のため、入力軸トルクを絶対値で表記しているが、実際は、トルクの符号が負、もしくは、0近傍の低トルクである。
図24に示すように、この場合、クラッチ締結容量を減じても、入力軸回転は変速前回転から下がる方向にのみ、動作するので、準備フェーズでの目標回転、もしくは、目標差回転と、準備フェーズの終了判断閾値は、変速前回転より低くなるように設定しなければならない。イナーシャフェーズ中の目標値の目標回転2とイナーシャフェーズの終了判断閾値は、変速後回転よりも高めに設定しなければならない。
(作用及び効果)
このような構成でも、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上記の各実施形態のうち入力回転を制御するものでは、摩擦係合要素制御手段10は、入力軸回転速度を制御パラメータとしてクラッチ1,2の制御を行なっているが、入力軸回転速度自体ではなくこれに対応した他の入力部材の回転速度を制御パラメータとしてもよい。また、変速比を制御パラメータとしてクラッチ1,2の制御を行なってもよい。つまり、クラッチの入出力間に差回転を与えることは、見かけ上の変速比を微小に変更することにもなるので、目標変速比を変速前の値或いは変速後の値に対して微小に変更して、変速比が目標変速比となるようにクラッチ1,2の制御を行なうのである。
なお、準備フェーズにおける目標変速比(フェーズ終了閾値)は、目標回転速度を変速前入力回転或いは変速後入力回転よりも所定速度だけ高い回転速度に設定する場合には、目標変速比を変速前変速比或いは変速後変速比よりも所定量だけ高い変速比に設定し、目標回転速度を変速前入力回転或いは変速後入力回転よりも所定速度だけ低い回転速度に設定する場合には、目標変速比を変速前変速比或いは変速後変速比よりも所定量だけ低い変速比に設定に設定すればよい。
つまり、前述のように、2軸型自動変速機以外の方式の自動変速機でも、構成上、特定のギア列の組み合わせにて、直接掛け替えが行なえない場合には、かかる方法を適用可能である。また、その場合、クラッチの入力側回転が、変速機の入力軸回転と同じでなく、所定の変速比にて関連付けられている場合には、その変速比にて補正を行ない、差回転制御を行なう必要がある。また、機構上のトルク分担比が1で無い場合についても同様、掛け替えフェーズでのトルク容量配分比に、この機構上のトルク分担比を補正して、各クラッチの締結容量を決定する必要がある。
52 第1クラッチ(クラッチ1)
53 第2クラッチ(クラッチ2)
54 出力軸
60A 変速ギア機構
60B 変速ギア機構
10 摩擦係合要素制御手段
10A 目標値設定手段
10B 総トルク容量算出手段
10C 配分比設定手段
10D 個別トルク容量算出手段
10E 調整手段
B1 入力信号演算部
B2 変速決心演算部
B3 変速スケジュール制御部
B4 制御対象回転選択部
B5 目標差回転演算部
B5´ 目標回転演算部
B6 配分比演算部
B7 差回転F/B制御部(差回転フィードバック制御部)
B7´ 回転F/B制御部(回転速度フィードバック制御部)
B8 加算部
B9 トルク容量配分部(クラッチ容量配分部)
B10 クラッチ1容量→圧変換部
B11 クラッチ2容量→圧変換部
B12 ギア選択司令部
B13〜B18 クラッチ圧の指令部
B19 ギア選択確認部
Claims (26)
- 変速段に応じて複数の摩擦係合要素の何れかを係合させてエンジンから入力部材に入力された回転を適宜変速して出力する自動変速機における変速段の切り替え時に、上記複数の摩擦係合要素のうち変速前に締結していた第1の摩擦係合要素を係合から開放に切り替えると共に変速後に締結すべき第2の摩擦係合要素を開放から係合に切り替える掛け替え制御を行なう変速制御手段を有する、自動変速機の変速制御装置において、
上記変速制御手段は、上記第1の摩擦係合要素の開放に伴い自発的に生じる回転変化と変速制御の結果生じる回転変化とが同じ方向になると共に、変速前変速段から変速後変速段への変速の間に機構上の制限から中間状態となる経由変速段を一旦実現する必要がある特定の変速を行なう際の上記掛け替え制御時に、変速後の上記第2の摩擦係合要素の入力回転速度を推定しこの推定結果に基づく目標値によって該第2の摩擦係合要素の回転速度を制御する回転速度の制御と、はじめに、上記第1の摩擦係合要素を係合から開放する一方で、上記複数の摩擦係合要素のうちの上記経由変速段実現のために使う第3の摩擦係合要素を開放から係合し上記経由変速段を実現し、続いて、上記第3の摩擦係合要素を係合から開放する一方で、上記第2の摩擦係合要素を開放から係合するように制御する摩擦係合要素の係合開放の制御とを、並行して行なう
ことを特徴とする、自動変速機の変速制御装置。 - 上記変速制御手段による上記特定変速の変速制御では、上記変速前変速段から上記経由変速段を経て上記変速後変速段への変速を行なう際に、上記経由変速段による動力伝達経路が確立したことが確認されたことを条件に、上記変速前変速段から上記変速後変速段への切り替えを開始する
ことを特徴とする、請求項1記載の自動変速機の変速制御装置。 - 上記第1の摩擦係合要素と上記第2の摩擦係合要素とは同一の摩擦係合要素である
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の自動変速機の変速制御装置。 - 上記変速制御手段による上記特定変速の変速制御は、
上記第1の摩擦係合要素の回転速度を制御しながら上記経由変速段を設定する準備フェーズと、
上記準備フェーズの後に変速比の切り替えに係るイナーシャの補正を実施するイナーシャフェーズと、
上記イナーシャフェーズの後に上記の第1,第2,第3の摩擦係合要素の掛け替え制御を実施する掛け替えフェーズと、
上記掛け替えフェーズの後に実施する終了フェーズと、をそなえている
ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の自動変速機の変速制御装置。 - 上記変速制御手段は、
上記の第1〜3の摩擦係合要素のいずれかにおける入出力間の回転速度差の目標値である目標差回転を設定するものであって、上記特定変速時には、上記第2の摩擦係合要素の入力回転速度を推定し、該推定した入力回転速度に基づいて上記第2の摩擦係合要素の上記目標差回転を設定する目標値設定手段と、
上記目標差回転を得るために要求される上記自動変速機の総伝達トルク容量を算出又は推定する総トルク容量算出手段と、
上記掛け替えを行なう摩擦係合要素間における個別伝達トルク容量の配分比を設定する配分比設定手段と、
上記総トルク容量算出手段により算出又は推定された上記総伝達トルク容量と上記配分比設定手段により設定された上記配分比とに基づいて上記の各摩擦係合要素の個別伝達トルク容量を設定する個別伝達トルク容量設定手段と、
上記個別伝達トルク容量設定手段により設定された上記個別伝達トルク容量に基づいて上記の第1〜3の摩擦係合要素の少なくとも何れかの係合制御量を調整する油圧指令値を出力する調整手段と、をそなえ、
上記の各フェーズは、上記目標値設定手段,上記総トルク容量算出手段,上記配分比設定手段,上記個別伝達トルク容量設定手段,及び上記調整手段を通じて実施される
ことを特徴とする、請求項4記載の自動変速機の変速制御装置。 - 上記準備フェーズでは、上記目標値設定手段は、第1の摩擦係合要素の入出力間の回転速度差の目標値である目標差回転数を設定し、上記総トルク容量算出手段は、該目標差回転を得るために要求される上記自動変速機の総伝達トルク容量を算出又は推定する
ことを特徴とする、請求項5記載の自動変速機の変速制御装置。 - 上記イナーシャフェーズでは、上記目標値設定手段は、上記第2の摩擦係合要素の入力回転速度を、上記経由変速段を実現するために使う上記第3の摩擦係合要素の出力回転と、該第3の摩擦係合要素の係合により実現される変速比と、上記変速後変速段の使用時に実現される変速比とから推定する
ことを特徴とする、請求項5又は6記載の自動変速機の変速制御装置。 - 上記目標値設定手段は、上記特定変速時のイナーシャフェーズで、上記第3の摩擦係合要素と接続されている上記経由変速段が設定されるまでの間には、上記第2の摩擦係合要素の入力回転速度を、上記第2の摩擦係合要素の出力回転速度と、変速後の変速比とから推定する
ことを特徴とする、請求項5〜7の何れか1項に記載の自動変速機の変速制御装置。 - 上記目標値設定手段は、上記特定変速時のイナーシャフェーズで、上記第2の摩擦係合要素の変速後入力回転速度推定値と、上記第1の摩擦係合要素の現在の入力回転速度との差から、上記第2の摩擦係合要素の入出力間の回転速度差の目標値である目標差回転数を設定し、
上記総トルク容量算出手段は、上記第2の摩擦係合要素の入出力間の実回転速度差が上記目標差回転数に漸近するように上記自動変速機の総伝達トルク容量を算出又は推定することを特徴とする、請求項5〜7の何れか1項に記載の自動変速機の変速制御装置。 - 上記目標値設定手段は、上記特定変速時のイナーシャフェーズで、上記第2の摩擦係合要素の変速後入力回転速度推定値もしくは変速後の変速比のいずれかの値について、変速前の値から変速後の値までの上記目標値の軌跡を作成し、
上記総トルク容量算出手段は、上記第2の摩擦係合要素の入出力間の実回転速度差が上記目標値に追従するように上記自動変速機の総伝達トルク容量を算出する
ことを特徴とする、請求項5〜7の何れか1項に記載の自動変速機の変速制御装置。 - 上記変速制御手段は、上記特定変速時のイナーシャフェーズにおいて、回転制御の対象である上記第2の摩擦係合要素の入力回転数もしくは入出力差回転数が予め設定された制御終了閾値になったら上記イナーシャフェーズを終了する
ことを特徴とする、請求項5〜10の何れか1項に記載の自動変速機の変速制御装置。 - 上記変速制御手段は、上記掛け替えフェーズにおいて、上記第1摩擦係合要素を係合から開放に切り替えると共に上記第3の摩擦係合要素を開放から係合に切り替える第1の掛け替え制御の際に、差回転制御の対象である上記第2の摩擦係合要素の変速後入力回転数推定値と上記第2の摩擦係合要素の出力回転数との差回転数を所定の範囲に保持する
ことを特徴とする、請求項5〜11のいずれか1項に記載の自動変速機の変速制御装置。 - 上記変速制御手段は、上記掛け替えフェーズにおいて、上記第1の掛け替え制御に続いて実施する、上記第3摩擦係合要素を係合から開放に切り替えると共に上記第2の摩擦係合要素を開放から係合に切り替える第2の掛け替え制御の際に、差回転制御の対象である上記第2の摩擦係合要素の変速後入力回転数推定値と上記第2の摩擦係合要素の出力回転数との差回転数を所定の範囲に保持する
ことを特徴とする、請求項12記載の自動変速機の変速制御装置。 - 上記変速制御手段は、上記第2の掛け替え制御の開始前に、上記変速前変速段を解除する機械的操作と、上記変速後変速段を設定する機械的操作とを完了する
ことを特徴とする、請求項13記載の自動変速機の変速制御装置。 - 上記変速制御手段は、上記第2の掛け替え制御により締結側の上記第2の摩擦係合要素に全トルク容量を配分する状態に移行し終わったら、上記第2の掛け替え制御を終了することを特徴とする、請求項14記載の自動変速機の変速制御装置。
- 上記変速制御手段では、上記終了フェーズにおいて、上記目標値設定手段が、上記第2の摩擦係合要素の目標差回転数を設定し、上記第2の摩擦係合要素の実入出力差回転数が該目標差回転数となるように制御する
ことを特徴とする、請求項5〜15のいずれか1項に記載の自動変速機の変速制御装置。 - 上記変速制御手段では、上記終了フェーズにおいて、締結側である上記第2の摩擦係合要素の伝達トルク容量を最大容量まで増加させる
ことを特徴とする、請求項5〜16のいずれか1項に記載の自動変速機の変速制御装置。 - 上記目標値設定手段は、
制御対象の摩擦係合要素の伝達トルク容量を低下させたときに該摩擦係合要素の入力回転が増加する場合には、該摩擦係合要素の入力回転が出力回転よりも高くなるように、上記の各目標差回転数を設定し、
制御対象の摩擦係合要素の伝達トルク容量を低下させたときに該摩擦係合要素の入力回転が減少する場合には、該摩擦係合要素の入力回転が出力回転よりも低くなるように、上記の各目標差回転数を設定する
ことを特徴とする、請求項5〜17のいずれか1項に記載の自動変速機の変速制御装置。 - 上記制御対象の摩擦係合要素の入力回転が増加するか否かの判断は、上記入力部材に連結されたエンジンの負荷又は該負荷に対応する量の大小もしくは符号により決定する
ことを特徴とする、請求項18記載の自動変速機の変速制御装置。 - 上記目標値設定手段では、上記の各目標差回転数の大きさを、上記入力部材に連結されたエンジンの負荷又は該負荷に対応する量と、上記入力部材の回転又は該回転に対応する量もしくは変速比とにより設定する
ことを特徴とする、請求項5〜19の何れか1項に記載の自動変速機の変速制御装置。 - 上記変速制御手段では、上記目標値設定手段において、制御対象の摩擦係合要素の出力軸回転数と、該制御対象の摩擦係合要素の上記目標差回転数とから、該制御対象の摩擦係合要素の入力軸回転速度に対する目標値である目標入力軸回転数を設定し、該制御対象の摩擦係合要素の実入力軸回転数が該目標入力軸回転数に一致するよう制御する
ことを特徴とする、請求項5〜20の何れか1項に記載の自動変速機の変速制御装置。 - 上記変速制御手段は、変速の無い定常走行時にも、上記の第1〜3の摩擦係合要素の少なくとも何れかの係合制御量を調整し、該定常走行時に、上記配分比設定手段は、現在要求されている変速段を構成維持するための摩擦係合要素が主となるよう配分比を設定することを特徴とする、請求項5〜21の何れか1項に記載の自動変速機の変速制御装置。
- 上記特定変速は、パワーオフアップシフトが含まれている
ことを特徴とする、請求項1〜22の何れか1項に記載の自動変速機の変速制御装置。 - 変速段に応じて複数の摩擦係合要素の何れかを係合させてエンジンから入力部材に入力された回転を適宜変速して出力する自動変速機における変速段の切り替え時に、上記複数の摩擦係合要素のうち変速前に締結していた第1の摩擦係合要素を係合から開放に切り替えると共に変速後に締結すべき第2の摩擦係合要素を開放から係合に切り替える掛け替え制御を行なう変速制御手段を有する、自動変速機の変速制御方法において、
上記第1の摩擦係合要素の開放に伴い自発的に生じる回転変化と変速制御の結果生じる回転変化とが同じ方向になると共に、変速の間に機構上の制限から中間状態となる経由変速段を一旦実現する必要がある特定の変速を行なう際の上記掛け替え制御時に、
変速後の上記第2の摩擦係合要素の入力回転速度を推定しこの推定結果に基づいて該第2の摩擦係合要素の回転速度を制御する回転速度の制御と、はじめに、上記第1の摩擦係合要素を係合から開放する一方で、上記複数の摩擦係合要素のうちの上記経由変速段実現のために使う第3の摩擦係合要素を開放から係合し上記経由変速段を実現し、続いて、上記第3の摩擦係合要素を係合から開放する一方で、上記第2の摩擦係合要素を開放から係合するように制御する摩擦係合要素の係合開放の制御とを、並行して行なう
ことを特徴とする、自動変速機の変速制御方法。 - 上記第1の摩擦係合要素と上記第2の摩擦係合要素とは同一の摩擦係合要素である
ことを特徴とする、請求項24記載の自動変速機の変速制御方法。 - 上記特定変速の変速制御は、
上記第1の摩擦係合要素の回転速度を制御しながら上記経由変速段を設定する準備フェーズと、
上記準備フェーズの後に変速比の切り替えに係るイナーシャの補正を実施するイナーシャフェーズと、
上記イナーシャフェーズの後に上記の第1,第2,第3の摩擦係合要素の掛け替え制御を実施する掛け替えフェーズと、
上記掛け替えフェーズの後に実施する終了フェーズと、をそなえている
ことを特徴とする、請求項24又は25記載の自動変速機の変速制御方法。
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