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JP4843581B2 - 能動型騒音制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば、車両の走行により車室内に発生する騒音であるロードノイズの逆位相かつ等振幅の相殺音を生成し、前記ロードノイズと干渉させることによって前記ロードノイズを低減する車両用能動型騒音制御装置に適用して好適な能動型騒音制御装置に関する。
道路(ロード)から受ける車輪の振動がサスペンションを介して車体に伝わり、特に車室内のような閉空間の音響的な共鳴特性により励起され、40Hz程度にピークを有し20〜150Hz帯域幅のロードノイズ(「ゴー」というこもった音で、ドラミングノイズとも呼ばれる)を、マイクロフォンが配置される評価点(受聴点)において前記ロードノイズと逆位相の相殺音により打ち消す車両用能動型騒音制御装置が提案されている(特許文献1)。
図6は、特許文献1に提案されている車両用能動型騒音制御装置100の構成を示すブロック図である。
この車両用能動型騒音制御装置100は、基本的には、車室内空間104内に配置されロードノイズと相殺音との干渉音を誤差信号eaとして検出するマイクロフォン106と、車室内空間104に配置され制御信号Saを相殺音として車室内空間104に出力するスピーカ105と、誤差信号eaから減算器118により適応フィルタ出力信号Sbを差し引いた補正後の誤差信号ebがゼロ値となるように動作する適応ノッチフィルタ110と、ノードノイズの周波数fdの基準信号{余弦波基準信号cos(2πfdt)と正弦波基準信号(2πfdt)}から上記制御信号Saを生成してスピーカ105に供給する調整回路108とから構成される。
ここで、減算器118が接続された適応ノッチフィルタ110は、ウイドロウ(Widrow)教授が発表しているようにノイズキャンセラーとして動作する(非特許文献1)。
すなわち、図6において、適応ノッチフィルタ110は、フィルタ係数A、Bを更新するLMSアルゴリズム演算器114、116を有し、このLMSアルゴリズム演算器114、116には、それぞれ余弦波信号cos(2πfdt)と正弦波信号sin(2πfdt)が供給されるとともに、誤差信号eaから適応フィルタ出力信号Sbを差し引いた補正誤差信号ebが供給され、補正誤差信号eb(ノイズキャンセル出力)が最小となるようにフィルタ係数A、Bを更新する。結果として、適応ノッチフィルタ110は、減算器118の出力側で中心周波数(ロードノイズ周波数)fdのノッチフィルタとして機能する。
さらに、調整回路108は、参照信号生成器120を有し、この参照信号生成器120には、スピーカ105からマイクロフォン106までの車室内空間104でのロードノイズ周波数fdの音の伝達特性を模擬した模擬伝達関数C^{模擬伝達関数(実部)Cr及び模擬伝達関数(虚部)Ci}が設定される。参照信号生成器120は、参照信号r{模擬余弦波信号である参照信号rc及び模擬正弦波信号である参照信号rs}を生成する。調整回路108は、参照信号rにフィルタ係数A、Bを作用させて制御信号Sa=A×rc+B×rsを生成する。
特開2007−25527号公報 「ADAPTIVE SIGNAL PROCESSING」Bernard Widrow、Stanford University、Samuel D.Stearns、Sandia National Laboratories、1985 by Prentice−Hall,Inc.,Englewood Cliffs,New Jersey 07632(Figure 12.6,Page 317)
しかしながら、上記従来技術に係る、ロードノイズを低減する車両用能動型騒音制御装置100では、制御信号Saを生成する際に、余弦波信号cos(2πfdt)と正弦波信号sin(2πfdt)に模擬伝達関数(実部)Cr及び模擬伝達関数(虚部)Ciを乗算する4回の乗算処理、模擬参照信号rc、rsを生成する際の2回の加算処理、フィルタ係数A、Bを乗算する2回の乗算処理、さらに制御信号Saを生成する1回の加算処理が必要とされる。合計で、制御信号Saを生成する際に乗算処理が6回、加算処理が3回必要とされ、演算処理量が非常に多い(演算負荷が大きい)という問題がある。
しかも、ロードノイズの大きい周波数は、1周波数ではなく、複数周波数あることから各周波数毎に制御信号Saを生成する場合には、各周波数毎に調整回路108が必要になり上記の問題がさらに大きくなり、コストも大幅に上昇する。実際上、スピーカ105は、複数有り、その分さらに、コストが上昇する。
この発明はこのような課題を考慮してなされたものであって、演算処理量がきわめて少なく低コストの能動型騒音制御装置を提供することを目的とする。
この発明に係る能動型騒音制御装置は、制御信号が補正された補正制御信号を相殺音として出力する音出力器と、評価点における所定周波数のノイズと、このノイズを相殺する前記相殺音との干渉による残留騒音を誤差信号として出力する音検出器と、前記誤差信号が入力されて前記補正制御信号を出力する能動型騒音制御器と、を備え、前記能動型騒音制御器は、前記誤差信号から前記制御信号を減算して補正誤差信号を生成する減算器と、前記所定周波数のノイズに関する基準信号を生成する基準信号生成器と、前記基準信号にフィルタ係数をかけて前記制御信号を生成するとともに、前記基準信号と前記補正誤差信号に基づいて前記フィルタ係数を逐次更新する適応ノッチフィルタと、生成された前記制御信号の位相を調整した信号を前記補正制御信号として出力する遅延器と、を備え、前記遅延器は、前記基準信号の前記音出力器から前記音検出器までの位相遅延量と、前記音検出器から前記遅延器の入力点までの位相遅延量と、前記遅延器の出力点から前記音出力器までの位相遅延量と、の和の位相遅延量を、180°から引いた位相遅延量を、前記適応ノッチフィルタの1サンプル時間の位相遅延量で割った数のバッファメモリからなるリングバッファメモリとされたことを特徴とする。
この発明によれば、適応ノッチフィルタにより生成された制御信号の位相を調整して補正制御信号を得る構成としているので、従来技術に比較して演算処理量のきわめて少ない低コストの能動型騒音制御装置を構築することができる。
この場合、前記所定周波数のノイズをロードノイズとすることで、車両用能動型騒音制御装置を構築することができる。
さらに、基準信号の周波数が異なる複数の能動型騒音制御器を備える能動型騒音制御装置の構成を採用することで、演算処理量の低減効果並びにコスト低減効果をより大きくすることができる。
この発明によれば、演算処理量がきわめて少なく低コストの能動型騒音制御装置を構築できる。
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る能動型騒音制御器(能動型騒音制御装置)18を備える車両用能動型騒音制御装置10の構成を示すブロック図である。
図1において、車両に搭載される車両用能動型騒音制御装置10は、基本的には、制御信号Scの位相と振幅(ゲイン)が補正された補正制御信号Scaを相殺音として出力するスピーカ(音出力器)8と、評価点におけるロードノイズ(所定周波数のノイズ)とこのロードノイズを相殺する(打ち消す)前記相殺音との干渉による残留騒音を誤差信号e1として出力するマイクロフォン(音検出器)6と、マイクロフォン6から誤差信号e1が入力されて前記補正制御信号Scaをスピーカ8に出力する能動型騒音制御器18と、から構成される。
ロードノイズと、このロードノイズの相殺音を受音するマイクロフォン6は、車室内空間4の前後方向の音響固有モードの1次又は2次モードにおける腹部分の位置{20〜150Hz帯域幅のロードノイズ中、42[Hz]又は84[Hz]の車室内共鳴音の定在波の音圧が大きな位置}に設けられている。具体的には、車両がセダンであれば、車両の幅方向の断面が閉空間となる、例えば前部位置近傍、例えば前座席の足元付近、ルームミラー近傍、インストルメントルパネルの奥の位置等である。
複数のスピーカ8は、5chサウンドのサラウンド効果を高めるために、例えば、車両前席側の左右キックパネル部、インストルメントルパネル中央下部、車両後席側のCピラー下部の左右ボディ部等に配置される。なお、0.1ch分のウーハは方向性をほとんど持たないので任意の位置に配置される。
能動型騒音制御器18は、コンピュータを含んで構成され、CPUが各種入力に基づきROM等のメモリに記憶されているプログラムを実行することで各種の機能を実現する機能実現手段として動作する。
能動型騒音制御器18を構成するA/D変換器35は、マイクロフォン6で検出されたアナログ信号の誤差信号をデジタル信号の誤差信号e1に変換して、減算器20の被減算入力に供給する。
能動型騒音制御器18を構成するD/A変換器37は、デジタル信号の補正制御信号Scaをアナログ信号の補正制御信号Scaに変換してスピーカ8に供給する。
能動型騒音制御器18は、上記のA/D変換器35、D/A変換器37、及び減算器20の他、適応ノッチフィルタ32と位相・ゲイン調整器46とから構成される。
減算器20は、誤差信号e1から制御信号Scを減算して補正誤差信号e2を生成し、次回のサンプリング時にフィルタ係数更新器(アルゴリズム演算器)38、40に用いるため、適応ノッチフィルタ32を構成する1サンプル時間遅延器(Z-1)36に供給する。
適応ノッチフィルタ32は、1サンプル時間遅延器36の他、ロードノイズの周波数fd(この実施形態では、fd=42[Hz]とする。)を有しそれぞれが基準信号である余弦波信号cos(2πfdt)を生成する余弦波信号生成器22と正弦波信号sin(2πfdt)を生成する正弦波信号生成器24とからなる基準信号生成器26を有している。適応ノッチフィルタ32は、さらに、余弦波信号cos(2πfdt)にフィルタ係数Aをかけて出力する1タップ適応フィルタ28と、正弦波信号sin(2πfdt)にフィルタ係数Bかけて出力する1タップ適応フィルタ30と、A×cos(2πfdt)+B×sin(2πfdt)の加算信号を制御信号Scとして出力する加算器31とを有している。
適応ノッチフィルタ32は、さらにまた、余弦波信号cos(2πfdt)と正弦波信号sin(2πfdt)とがそれぞれに供給されるとともに補正誤差信号e2が供給され、補正誤差信号e2が最小値となるように適応制御アルゴリズム、例えば最急降下法の一種であるLMS(Least Mean Square)アルゴリズムに基づいて1タップ適応フィルタ28、30のフィルタ係数A、Bを更新する上記のフィルタ係数更新器38、40を有している。
位相・ゲイン調整器46は、移相器として動作するNサンプル時間遅延を有する遅延器(Z-N)34と、これに直列に接続されるゲイン調整器(振幅調整器)44とを備え(接続順序は、逆でもよい)、適応ノッチフィルタ32から供給される制御信号Scに対して遅延器34により所定の位相遅延を与えるとともにゲイン調整器44により振幅を調整し補正後制御信号Scaとして出力する。
基本的には、以上のように構成される能動型騒音制御器18を備える車両用能動型騒音制御装置10の動作について以下に説明する。
まず、位相・ゲイン調整器46を構成する遅延器34に設定が必要とされる位相遅延量θdとこの位相遅延量θdを実現するハードウエア(ソフトウエア)の構成例について説明する。
マイクロフォン6の位置する点である評価点においてロードノイズをゼロ値とするためには、相殺音とロードノイズとの位相差が当該評価点において180[゜]の位相差(逆相)を有し、かつ振幅が同一になっていることが必要である。
位相差についてより詳しく説明すると、マイクロフォン6の入力点(位置)からA/D変換器35、減算器20、適応ノッチフィルタ32、位相・ゲイン調整器46、D/A変換器37、スピーカ8、及び車室内空間4を通じてマイクロフォン6に至るロードノイズの周波数42[Hz]に対応する正弦波の位相遅延量が180[゜]になっていることが必要である。
ここで、図2に示すように、42[Hz]の正弦波のスピーカ8からマイクロフォン6までの車室内空間4中の位相遅延量をθsmとし、マイクロフォン6からA/D変換器35、減算器20、及び遅延器34の入力点までの位相遅延量をθmdとし、遅延器34の出力点からゲイン調整器44、D/A変換器37、及びスピーカ8までの位相遅延量をθdsとする。
そうすると、遅延器34での位相遅延(位相遅延量)θdは、θmd+θd+θds+θsm=180[゜]=π[rad]が成立することが必要であるから、位相遅延θdをθd=180−(θmd+θds+θsm)に設定しておけばよい。実際上、θsm>>θdsであり、θmdは、1サンプル時間遅延器36での1サンプル遅延時間に対応する42[Hz]の正弦波(又は余弦波)の位相遅延量(1サンプル位相遅延)θ1に概ね等しいので、位相遅延量θdは、θd≒180−(θsm+θ1)とすればよい。θsm、θ1は、固定値である。ここでは、遅延器34を、例えば、リングバッファメモリで構成するものとする。
図3に模式的に示すように、周波数fd[Hz]の周期は1/fd[sec]であり、周期1/fd[sec]が、360[゜]=2π[rad]に対応する。
適応ノッチフィルタ32の1サンプル時間をt1とすると、1サンプル時間t1での位相遅延θ1は、周期1/fdを1サンプル時間t1で割った値で、360[゜]=2π[rad]を割った値となる。すなわち、θ1=360゜/(t1×fd)=2π/(t1×fd)となる。必要な位相遅延はθdであるので、遅延器34として、θd/θ1(=N個とする。)の値分のバッファメモリN個(バッファメモリD1、D2、…DN)からなるリングバッファメモリRBMを準備すればよい。
このリングバッファメモリRBMを利用し、適応ノッチフィルタ32により今回のサンプリング時点で新たに生成した制御信号Scの値をバッファメモリD1に書き込むとき、N個前のサンプリング時点で書き込んだバッファメモリDNに書き込まれている制御信号Scの値を読み出してゲイン調整器44に供給することで、必要な位相遅延θd(θd=N×θ1)を得ることができる。この場合、この書込処理とこの読出処理(例えば、クロックの立ち上がり)の終了後に、バッファメモリDm(例えば、D2やDN)にバッファメモリDm−1(例えば、D1やDN−1)の値を転送しておき(前記クロックの立ち下がり)、次のサンプリング時点(次のクロックの立ち上がり)では、バッファメモリD1に新たに生成した制御信号Scの値を書き込み、同時にバッファメモリDNからN個前のサンプリング時点で書き込まれた制御信号Scの値を読み出すように構成する。
このように、遅延器34は、例えば、ハードウエアであるリングバッファメモリRBMとCPUによるソフトウエアにより構成することができるので、乗算器や加算器による演算処理量に比較して演算処理がほとんどないに等しい。しかも、リングバッファメモリRBMは、RAM(主メモリ)の一部を利用して形成できるのでコストの上昇をほとんど招くことなく遅延器34を構成することができる。
次に、位相・ゲイン調整器46を構成するゲイン調整器44に設定されるゲイン量について説明する。このゲイン量は、位相遅延と同様に考えることができる。すなわち、概ね、スピーカ8から車室内空間4を経てマイクロフォン6に至る経路での相殺音の減衰量を補償する値(固定値)に設定すればよい。
以上のように構成される位相・ゲイン調整器46を備える能動型騒音制御器18を備える車両用能動型騒音制御装置10の動作について説明する。
マイクロフォン6では、ロードノイズと相殺音との干渉による残留騒音が誤差信号として検出され、この誤差信号がA/D変換器35によりデジタル信号の誤差信号e1とされる。誤差信号e1は、減算器20の被減算入力端子に供給される。
適応ノッチフィルタ32は、1サンプル時間遅延器36に入力される信号である補正誤差信号e2が最小値になるように1タップ適応フィルタ28、30のフィルタ係数A、Bを決定する動作を行なうことから、減算器20の減算入力端子には、ロードノイズの周波数fdの誤差信号e1と比較して同振幅・同位相の制御信号Scが生成される。
すなわち、適応ノッチフィルタ32は、減算器20の出力側(補正誤差信号e2発生点)で中心周波数fdのノッチフィルタとして機能し、減算器20の被減算入力側(制御信号Sc発生点)で中心周波数fdの帯域通過フィルタ(BPF)として機能する。
図4は、適応ノッチフィルタ32の制御信号Scの発生点での通過帯域周波数特性250を示している。この通過帯域周波数特性250から、中心周波数fd(fd=42[Hz])で急峻な帯域通過フィルタとして動作することが分かる。急峻さは、制御パラメータであるステップサイズパラメータを調整することで変化させることができる。
この場合、例えばフィルタ係数Aの更新式は、ステップサイズパラメータをμとして、次の(1)式で与えられる。
A(n+1)=A(n)−μ・e2(n)・cos(2π×fd×n×t1)
…(1)
適応ノッチフィルタ32により生成された制御信号Scの値は、位相・ゲイン調整器46の遅延器34に供給され、当該遅延器34のリングバッファメモリRBMのバッファメモリD1に書き込まれる一方、位相遅延量θd前の制御信号Scの値がバッファメモリDNから読み出されてゲイン調整器44に供給される。ゲイン調整器44は、位相遅延された制御信号Scの振幅を調整し、結果として、位相と振幅が調整された補正制御信号Scaが位相・ゲイン調整器46から出力される。
補正制御信号Scaは、スピーカ8から相殺音として出力され、マイクロフォン6の入力点でロードノイズに対して逆相・同振幅の相殺音として当該ロードノイズと干渉し、ロードノイズが打ち消される。
以上説明したように上記した実施形態によれば、適応ノッチフィルタ32のフィルタ係数更新器38、40に供給する補正誤差信号e2を、マイクロフォン6から得た誤差信号e1から適応ノッチフィルタ32の出力信号である制御信号Scを減算器20により減算した信号として、誤差信号e1に対応する制御信号Scを生成している。
そして、適応ノッチフィルタ32により生成された制御信号Scの位相と振幅を位相・ゲイン調整器46により、マイクロフォン6の位置で相殺音がロードノイズの逆相・同振幅となるようように調整した補正制御信号Scaを生成する構成としているので、図6に示した従来技術に係る調整装置(乗算器6、加算器3)に比較して、位相・ゲイン調整器46が、乗算器(ゲイン調整器44)1つとリングバッファメモリRBMのみからなる構成に簡単化され、結果としてハードウエア(ソフトウエア)及び演算処理量のきわめて少ない低コストの能動型騒音制御器18を構築することができる。
なお、この発明は、ロードノイズを消音することに限らず、基準信号生成器26の周波数fdを、相殺対象とするノイズの周波数とし、位相・ゲイン調整器46を、相殺対象とする空間の音の伝達特性に係る位相・ゲインを考慮した値に調整することで、対象とする空間(特定空間)に配置された音検出器(例えば、マイクロフォン)の位置でのノイズを正確に消音することができる。
さらに、ロードノイズの成分は、周波数fdにおいて、最大となっているが、この2倍の周波数2fd=84[Hz]で、2番目に大きい値(音圧)となっているので、この2倍の周波数2fd(便宜上2fd=fd´とおく。)でのロードノイズを低減するための能動型騒音制御装置を併せて用いる構成としてもよい。
例えば、図5は、図1に示した能動型騒音制御器18を2つ用いた車両用能動型騒音制御装置10Aの構成を示している。
この車両用能動型騒音制御装置10Aは、車室内空間4を伝搬するロードノイズの周波数fd=42[Hz]の成分を相殺する図1に示した能動型騒音制御器18と、この能動型騒音制御器18のA/D変換器35とD/A変換器37を共用した車室内空間4を伝搬するロードノイズ周波数fd´=84[Hz]の能動型騒音制御器18Aとの並列的な接続により構成している。
ここで、能動型騒音制御器(能動型騒音制御装置)18Aは、車室内空間4を伝搬する84[Hz]のロードノイズの相殺音を生成する補正制御信号Sca´を、減算器20´と適応ノッチフィルタ32´と位相・ゲイン調整器46´により生成する。
42[Hz]成分に係る補正制御信号Scaと84[Hz]成分に係る補正制御信号Sca´は、加算器70により加算され、D/A変換器37を介してスピーカ8に供給される。
以上のように並列的に構成することで、fd=42[Hz]及びfd´=84[Hz]のロードノイズを同時に消音することができる。さらに、複数に並列に接続することでより高次のノードノイズも消音することができ、並列に複数接続することで、結果として広帯域にノードノイズを消音することができる。
この発明の実施形態に係る能動型騒音制御装置が適用された車両用能動型騒音制御装置の構成を示すブロック図である。 遅延器で必要な位相遅延量の説明図である。 遅延器の構成例の説明図である。 減算器を備える適応ノッチフィルタの特性を示す説明図である。 複数の能動型騒音制御器を並列的接続した車両用能動型騒音制御装置の構成を示すブロック図である。 従来技術に係る車両用能動型騒音制御装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
4…車室内空間
6…マイクロフォン
8…スピーカ
10、10A…車両用能動騒音制御装置
18、18A…能動型騒音制御器(能動型騒音制御装置)
20…減算器
32…適応ノッチフィルタ
34…遅延器
46…位相・ゲイン調整器

Claims (3)

  1. 制御信号が補正された補正制御信号を相殺音として出力する音出力器と、
    評価点における所定周波数のノイズと、このノイズを相殺する前記相殺音との干渉による残留騒音を誤差信号として出力する音検出器と、
    前記誤差信号が入力されて前記補正制御信号を出力する能動型騒音制御器と、を備え、
    前記能動型騒音制御器は、
    前記誤差信号から前記制御信号を減算して補正誤差信号を生成する減算器と、
    前記所定周波数のノイズに関する基準信号を生成する基準信号生成器と、
    前記基準信号にフィルタ係数をかけて前記制御信号を生成するとともに、前記基準信号と前記補正誤差信号に基づいて前記フィルタ係数を逐次更新する適応ノッチフィルタと、
    生成された前記制御信号の位相を調整した信号を前記補正制御信号として出力する遅延器と、
    を備え
    前記遅延器は、前記基準信号の前記音出力器から前記音検出器までの位相遅延量と、前記音検出器から前記遅延器の入力点までの位相遅延量と、前記遅延器の出力点から前記音出力器までの位相遅延量と、の和の位相遅延量を、180°から引いた位相遅延量を、前記適応ノッチフィルタの1サンプル時間の位相遅延量で割った数のバッファメモリからなるリングバッファメモリとされた
    ことを特徴とする能動型騒音制御装置。
  2. 請求項1記載の能動型騒音制御装置において、
    前記所定周波数のノイズが、車両の走行により車室内に発生するロードノイズである
    ことを特徴とする能動型騒音制御装置。
  3. 前記基準信号の周波数が異なる複数の請求項1記載の前記能動型騒音制御器を備える
    ことを特徴とする能動型騒音制御装置。
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