JP4841804B2 - 光学フィルムの製造方法 - Google Patents
光学フィルムの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4841804B2 JP4841804B2 JP2003388452A JP2003388452A JP4841804B2 JP 4841804 B2 JP4841804 B2 JP 4841804B2 JP 2003388452 A JP2003388452 A JP 2003388452A JP 2003388452 A JP2003388452 A JP 2003388452A JP 4841804 B2 JP4841804 B2 JP 4841804B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- optical film
- screen
- die
- film
- less
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Polarising Elements (AREA)
- Liquid Crystal (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Description
溶液キャスティング法は、熱可塑性樹脂を有機溶剤に溶解し、キャストによる流延法によって成形するので、表面性は優れているが、溶剤の乾燥に加熱が必要で時間がかかるため生産性が悪く、乾燥工程を経過しても残留溶剤がフィルム内に残存し、且つ、時間と共に残存溶剤量が変化し光学性能等に悪影響を与えるという欠点があった。
上記ダイラインは、目視により確認できるものもあるが、より明確に確認するには、光をフィルム面に対して垂直若しくは法線方向から30度程度の角度で入射させ、その出射光をスクリーンに投影して観察する。ダイラインは光学フィルムを光ディスクの基板やLCDに使用した場合に大きな障害になる。
すなわち、最大粗さRt表記で0.3μm以下であっても急激な表面形状の変化がみられると、その部分では、透過光が急激な濃淡変化となって現れる。
本発明における非晶性熱可塑性樹脂とは、透明性の優れた非晶性熱可塑性樹脂であれば、特に限定されず、例えば熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等が挙げられ、これらの非晶性熱可塑性樹脂は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記非晶性熱可塑性樹脂の中で、熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂が透明性、耐熱性及び液晶とのマッチング性に優れ、固有複屈折率が低く、光弾性係数が小さいので特に好適に用いられる。
上記紫外線吸収剤としては、光学フィルムの成形の際に一般に使用されている紫外線吸収剤であれば特に限定されず、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸エステル系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤が挙げられる。
上記紫外線吸収剤の添加量は、光学フィルムの波長380nmの光線の透過率が3%以下になるように適宜決定されればよいが、一般に、非晶性熱可塑性樹脂100重量部に対し、0.2〜10重量部である。
本発明において上記光学フィルムは溶融押出成形法で成形されるので、フィルム中に残存溶媒を含まず、時間の経過と共に残存溶剤量が変化し光学性能等に悪影響を与えることがない。
暗室にて、投影機(光源装置 ウシオ電機社製、型番SX−U1500H)を4mはなれた白色のスクリーンに投影し、その間にスクリーンから1mの位置にフィルムを設置し、CCDカメラ(日本ローパー社製MegaPlus Camera 1.6i 画素数1532×1024)をスクリーンより0.8mの位置に仰角が10°以下となるように設置し、スクリーンに投影されたフィルムの画像を取り込む(図1参照)。スクリーンは特に指定しないが、以下の測定方法を用いて、明度の相加平均値の標準偏差が8以下であれば特に問題がない。取り込まれた画像が7ピクセルあたり1mmとなるようにフィルムとスクリーン間の距離を調整する。取り込まれた画像の明度が平均1024階調で、フィルム透過光が平均700〜750の間の値となるように光源の光量を調整する。取り込まれた画像はカメラが傾いていることから、取り込まれた画像は上部と下部で、輝度が2%程度異なるが、ここでは、この差を無視する。
とすると、Xは以下の式にて表される。
Aij=Cij−Bij (i=1,2,・・・,10)(j=1,2,・・・・,1532)
Bijはフィルムをセットした状態での明度値であり、Cijはフィルムをセットしていないときの明度の値である。
i=縦方向に選択した線の番号
j=横方向の画素の位置
即ち、本発明の光学フィルムの製造方法は、Tダイリップエッジ部分に存在する凹部のダイリップの幅方向の長さをA、リップランド方向の長さをBとしたときに、A≦100μm、B≦15μm、且つ、B/A≦0.15の凹部のみが存在するTダイを用いて、溶融押出成形して、厚み100μm以下で且つ明度の相加平均値の標準偏差が15以下である光学フィルムを製造することを特徴とする。(図3参照)
上記請求項1又は請求項2記載の光学フィルムの製造方法においては、先ず最初に、ダイスの設置された押出機で非晶性熱可塑性樹脂を溶融し、Tダイからシート状に溶融押出して非晶性熱可塑性樹脂フィルムを形成する。
Aが大きくなると幅広の凸条が形成され、Bが大きくなると高い凸条が形成され、B/Aが大きくなると幅の狭い鋭角状の凸条が形成されダイラインが出やすくなるので上記範囲に限定されるのであり、より好ましくはA≦80μm、B≦12μm、且つ、B/A≦0.135である。
上記樹脂温度は、「非晶性熱可塑性樹脂のガラス転移温度+50℃」より低い温度では表面性のよい光学フィルムを溶融押出成形することができず、「T−50℃」より高くなると、溶融押出成形時に紫外線吸収剤が揮散して紫外線吸収剤の効果が低下すると共に、揮散した紫外線吸収剤がTダイのリップエッジに付着してダイラインの原因となるので上記範囲に限定されるものであり、好ましくは、「非晶性熱可塑性樹脂のガラス転移温度+50℃」〜「T−70℃」である。
Tダイつき単軸押出機としては(直径100mm L/D=32 リップクリアランス800μm)であって、Tダイは幅1800mmのコートハンガータイプで樹脂流路表面はH−Crメッキが施されたものを用いた。Tダイリップエッジ部分に存在する凹部の大きさは表1に示すようにAは75μm、Bは10μm、A/B=0.133であった。
得られた光学フィルムの10m、500m及び2500m部分の位置でサンプルを切り出し明度の相加平均値の標準偏差を先述の測定装置で測定し、波長380nmの光線透過率を分光測色計(東京電色社製、商品名「TC−1800」)で測定し、結果を表1に示す。
上記サンプルを暗室でフィルム表面を蛍光灯の反射光にて目視観察し、明度の相加平均値の標準偏差の下の欄の目視は、はっきりしたダイラインが確認出来るものを×、はっきりしたダイラインが確認出来ないものを○と判断する。結果を表1に示す。
紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(1)(旭電化社製、商品名「LA−31」、5重量%加熱減量温度T=369℃)を用いた。
実施例1と同様にフィルムを溶融押出成膜し評価した。ただし溶融押出の際に使用するTダイのリップエッジ部分に存在する凹部は表1のごとく、幅方向の長さAは85μm、リップランド方向の長さBは20μm、且つ、B/Aが0.235であった。
紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(2)(旭電化社製、商品名「LA−36」、5重量%加熱減量温度T=258℃)を用いた以外は実施例2と同様にして成膜し光学測定を行った。結果を表1に示す。
2 CCDカメラ
3 フィルム
4 スクリーン
Claims (2)
- Tダイがとりつけられた押出機に非晶性熱可塑性樹脂を供給し溶融押出する光学フィルムの製造法であって、Tダイリップエッジ部分に存在する凹部のダイリップの幅方向の長さをA、リップランド方向の長さをBとしたときに、A≦100μm、B≦15μm、且つ、B/A≦0.15の凹部のみが存在するTダイを用いて、溶融押出成形して、厚み100μm以下で且つ明度の相加平均値の標準偏差が15以下である光学フィルムを製造することを特徴とする光学フィルムの製造方法。但し、暗室にて、投影機を4mはなれた白色のスクリーンに投影し、上記投影機と上記スクリーンとの間に上記スクリーンから1mの位置に上記光学フィルムを設置し、CCDカメラを上記スクリーンより0.8mの位置に仰角が10°以下となるように設置し、上記スクリーンに投影されたフィルムの画像を、取り込まれた画像が7ピクセルあたり1mmとなるように上記光学フィルムと上記スクリーン間の距離を調整し且つ上記取り込まれた画像の明度が平均1024階調で、フィルム透過光が平均700〜750の間の値となるように光源の光量を調整した上で画素数1532×1024にて取り込み、上記取り込まれた画像においてTD方向光学フィルム上の距離にて1cm間隔毎に連続して10箇所選択し、縦方向に選択した線の番号をiとし、横方向の画素の位置をjとして、上記10箇所の各明度値をBijとする一方、上記光学フィルムをセットしていないときに取り込まれた画像においてTD方向光学フィルム上の距離にて1cm間隔毎に連続して10箇所選択し、縦方向に選択した線の番号をiとし、横方向の画素の位置をjとして、上記10箇所の各明度値をCijとし、下記式に基づいて算出された値を明度の相加平均値の標準偏差Xとする。
式中、Aij=Cij−Bij (i=1,2,・・・,10)(j=1,2,・・・・,1532)
- Tダイがとりつけられた押出機に非晶性熱可塑性樹脂及び紫外線吸収剤を供給し溶融押出する光学フィルムの製造法であって、Tダイリップエッジ部分に存在する凹部のダイリップの幅方向の長さをA、リップランド方向の長さをBとしたときに、A≦100μm、B≦15μm、且つ、B/A≦0.15の凹部のみが存在するTダイを用いて、紫外線吸収剤の加熱減量が5重量%となる温度をT℃としたときに、押出機における樹脂温度が「非晶性熱可塑性樹脂のガラス転移温度+50℃」〜「T−50℃」の温度範囲で溶融押出成形して、波長380nmの光線の透過率が3%以下で且つ明度の相加平均値の標準偏差が15以下である厚み100μm以下の光学フィルムを製造することを特徴とする光学フィルムの製造方法。但し、暗室にて、投影機を4mはなれた白色のスクリーンに投影し、上記投影機と上記スクリーンとの間に上記スクリーンから1mの位置に上記光学フィルムを設置し、CCDカメラを上記スクリーンより0.8mの位置に仰角が10°以下となるように設置し、上記スクリーンに投影されたフィルムの画像を、取り込まれた画像が7ピクセルあたり1mmとなるように上記光学フィルムと上記スクリーン間の距離を調整し且つ上記取り込まれた画像の明度が平均1024階調で、フィルム透過光が平均700〜750の間の値となるように光源の光量を調整した上で画素数1532×1024にて取り込み、上記取り込まれた画像においてTD方向光学フィルム上の距離にて1cm間隔毎に連続して10箇所選択し、縦方向に選択した線の番号をiとし、横方向の画素の位置をjとして、上記10箇所の各明度値をBijとする一方、上記光学フィルムをセットしていないときに取り込まれた画像においてTD方向光学フィルム上の距離にて1cm間隔毎に連続して10箇所選択し、縦方向に選択した線の番号をiとし、横方向の画素の位置をjとして、上記10箇所の各明度値をCijとし、下記式に基づいて算出された値を明度の相加平均値の標準偏差Xとする。
式中、Aij=Cij−Bij (i=1,2,・・・,10)(j=1,2,・・・・,1532)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003388452A JP4841804B2 (ja) | 2003-11-18 | 2003-11-18 | 光学フィルムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003388452A JP4841804B2 (ja) | 2003-11-18 | 2003-11-18 | 光学フィルムの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005148568A JP2005148568A (ja) | 2005-06-09 |
JP4841804B2 true JP4841804B2 (ja) | 2011-12-21 |
Family
ID=34695524
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003388452A Expired - Fee Related JP4841804B2 (ja) | 2003-11-18 | 2003-11-18 | 光学フィルムの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4841804B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4960638B2 (ja) * | 2006-02-08 | 2012-06-27 | 積水化学工業株式会社 | 透明フィルムの検査方法 |
KR102063551B1 (ko) * | 2016-05-24 | 2020-01-08 | 주식회사 엘지화학 | 광학필름의 결함 검출 시스템 및 광학필름의 결함 검출 방법 |
JP7076280B2 (ja) * | 2018-04-27 | 2022-05-27 | 日立造船株式会社 | 測定方法および測定装置 |
-
2003
- 2003-11-18 JP JP2003388452A patent/JP4841804B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2005148568A (ja) | 2005-06-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5184806B2 (ja) | 透明熱可塑性フィルムの製造方法および透明熱可塑性フィルム | |
JP4975504B2 (ja) | 透明熱可塑性フィルムおよびその製造方法 | |
JPH03223328A (ja) | 成形用材料および成形品 | |
KR101627011B1 (ko) | 광학 필름의 제조 방법, 광학 필름 및 화상 표시 장치 | |
KR20160042439A (ko) | 광학 필름, 투명 도전성 필름, 터치 패널, 표면 보호 필름 및 표시 장치 | |
JPH0659121A (ja) | 位相差フイルム及びその製造方法 | |
JP4841804B2 (ja) | 光学フィルムの製造方法 | |
JP2003131036A (ja) | 光学フィルム、その製造方法及び偏光板 | |
JP5189785B2 (ja) | 熱可塑性フィルムおよびその製造方法、並びに、偏光板、光学補償フィルム、反射防止フィルム、および、液晶表示装置 | |
JP6642748B2 (ja) | 積層フィルム | |
JP4960638B2 (ja) | 透明フィルムの検査方法 | |
JP2004149640A (ja) | 光学フィルム及びその製造方法 | |
JP4292912B2 (ja) | 光学用フィルム | |
JP6258510B2 (ja) | 環状オレフィン系フィルムの製造方法、及び、環状オレフィン系フィルム | |
JP3924236B2 (ja) | 光学フィルムの製造方法 | |
JP2004126026A (ja) | 光学フィルム及び位相差フィルム | |
JP2003057439A (ja) | 光学フィルムおよびその製造方法 | |
JP2005309339A (ja) | 光学補償フィルム及び偏光板の製造方法 | |
JP3403851B2 (ja) | 芳香族ポリカ−ボネ−ト溶液組成物およびフィルムの製造方法 | |
JP2006327110A (ja) | 光学フィルムの製造方法、光学フィルム及び位相差フィルム | |
JP5373557B2 (ja) | 光学用二軸延伸ポリエステルフィルム | |
JP2003094469A (ja) | 光学用飽和ノルボルネンフイルム及びその製造法 | |
JPH11166039A (ja) | 熱可塑性ノルボルネン系ポリマーの乾燥方法 | |
JP2010174089A (ja) | 光学用ポリエステル樹脂 | |
JP3797298B2 (ja) | 積層体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060809 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090520 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090527 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090930 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20091228 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20091228 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20100112 |
|
A912 | Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 Effective date: 20100312 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110715 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20111005 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141014 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |