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JP4825528B2 - 核酸の分離精製方法 - Google Patents

核酸の分離精製方法 Download PDF

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Description

本発明は、核酸を分離精製する方法に関する。より詳細には、本発明は、RNAとDNAを含む核酸混合物からRNAを分離精製する方法に関する。さらに詳しくは、少なくとも二個の開口を有する容器内に核酸吸着性多孔膜を収容した核酸分離精製カートリッジと圧力発生装置を用いて、RNAとDNAを含む核酸混合物からRNAを分離精製する方法に関する。
核酸は、様々な分野で種々の形態で使用されている。例えば、組換え核酸技術の領域においては、核酸をプローブ、ゲノム核酸、およびプラスミド核酸の形態で用いることが要求される。
診断分野においても、核酸は種々の形態で種々の目的に用いられている。例えば、核酸プローブは、ヒトの病原体の検出および診断に日常的に用いられている。同様に核酸は遺伝障害の検出に用いられている。核酸はまた食品汚染物質の検出にも用いられている。さらに、核酸は遺伝地図の作製からクローニングおよび組換え発現におよぶ種々の理由により、興味ある核酸の位置確認、同定および単離において日常的に用いられている。
多くの場合、核酸は極めて少量でしか入手できず、そして単離および精製操作が煩雑で時間を要する。このしばしば時間を消費する煩雑な操作は核酸の損失に結びつきやすい。
血清、尿およびバクテリアのカルチャーから得られた試料から核酸を精製する場合には、コンタミネーション(汚染)および疑陽性の結果が生じるという危険性も加わる。
広く知られた分離精製方法の一つに、核酸を二酸化珪素、シリカポリマー、珪酸マグネシウム等の固相に吸着させ、これに引き続いて洗浄、脱離等の操作を行い、分離精製する方法がある(例えば、特許文献1)。この方法は、分離性能として優れているが、簡便性、迅速性、自動化適性において充分とは言えず、またこの方法に用いられる器具及び装置は自動化及び小型化に不向きであり、更に器具及び装置、特に吸着体を同一性能で工業的に大量生産することが困難であり、かつ取扱いが不便で、種々の形状に加工しがたい等の問題点がある。さらに、素材自体が脆いために機械的強度を得るには一定以上の厚みが必要となるため、特にDNAとRNAの混合試料からRNAを選択的に回収する際、DNAse等の高価な試薬を用いる必要がある等の問題がある。
また、簡便かつ効率よく核酸を分離精製する方法の一つとして、固相に核酸を吸着させる溶液及び固相から核酸を脱離させる溶液をそれぞれ用いて、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に核酸を吸着及び脱離させることによって、核酸を分離精製する方法が記載されている(特許文献2、3)。
その他に、従来から知られている核酸分離精製法としては、遠心法によるもの、磁気ビーズを用いるもの、フィルターを用いるものなどがあり、これらを利用した核酸分離精製装置が提案されている。例えば、フィルターを用いた核酸分離性装置としては、フィルターを収容したフィルターチューブをラックに多数セットし、これに核酸を含む試料液を分注し、上記ラックの底部の周囲をシール材を介してエアチャンバーで密閉して内部を減圧し、全フィルターチューブを同時に排出側より吸引し試料液を通過させて核酸をフィルターに吸着し、その後、洗浄液および回収液を分注して、同様に減圧吸引して洗浄・脱離するようにした機構が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特公平7−51065号公報 特開2003−128691号公報 特開2004−49108号公報 特許第2832586号公報
本発明の目的は、生体材料中の核酸を多孔膜表面に吸着させた後、洗浄等を経て脱離させて核酸を分離精製する方法において、特に洗浄工程における目詰まりを軽減させることで処理可能な生体材料の量を増やし、結果的に回収されるRNA量を増大させることにある。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、洗浄工程の目詰まりを低減させるためには、イオン結合が関与しない相互作用で核酸が吸着する多孔膜を用い、且つ核酸を含む試料溶液中の水溶性有機溶媒濃度を10〜35容量%とすることが有効であることを見いだし、本発明を完成したものである。
また、本発明では、二個の開口を有する容器内に有機高分子からなる多孔膜を収容した核酸分離精製カートリッジを使用することが好ましい。
即ち、本発明は、下記の構成よりなるものである。
1.
(1)生体材料に核酸可溶化試薬を加えて混合液を作成し、さらに該混合液に、水溶性有機溶媒または水溶性有機溶媒を含む溶液を加えて試料溶液を作成する工程、
(2)核酸を含む試料溶液を、核酸吸着性多孔膜に通過させて、該多孔膜に核酸を吸着させる工程、
(3)洗浄液を核酸吸着性多孔膜に通過させて、RNAが吸着した状態で該多孔膜を洗浄する工程、及び
(4)回収液を核酸吸着性多孔膜に通過させて、該多孔膜からRNAを脱離させる工程を含有するRNA分離精製方法において、
前記核酸吸着性多孔膜が、トリアセチルセルロースの多孔膜を鹸化処理した、イオン結合が関与しない相互作用で核酸が吸着する多孔膜であり、
前記水溶性有機溶媒が、メタノール、エタノール、プロパノール及びブタノールから選択される少なくとも1種のアルコールであり、
且つ、前記試料溶液における水溶性有機溶媒濃度が10〜25容量%であるRNA分離精製方法。
2.
前記アルコールが、エタノールである、上記1に記載のRNA分離精製方法。
3.
生体材料が細胞またはウイルスを含む検体である、上記1又は2に記載のRNA分離精製方法。
4.
細胞を含む検体が動物組織である、上記3に記載のRNA分離精製方法。
5.
前記(1)、(2)、(3)及び(4)の各工程において、核酸を含む試料溶液、洗浄液又は回収液の核酸吸着性多孔膜への通過を、少なくとも二個の開口を有する容器内に溶液が内部を通過可能な核酸吸着性多孔膜を収容した核酸分離精製カートリッジ及び圧力発生装置を用いて行い、且つ、該圧力発生装置が、核酸分離精製カートリッジの一の開口に着脱可能に結合されるポンプである上記1〜4のいずれか一項に記載のRNA分離精製方法。
6.
上記1〜5のいずれか一項に記載のRNA分離精製方法を行うための、核酸分離精製カートリッジと試薬のキット
発明は上記1〜の構成を有するものであるが、以下その他についても参考のため記載した。
[1]
(1)生体材料に核酸可溶化試薬を加えて混合液を作成し、さらに該混合液に、水溶性有機溶媒または水溶性有機溶媒を含む溶液を加えて試料溶液を作成する工程、
(2)核酸を含む試料溶液を核酸吸着性多孔膜に通過させて、該多孔膜に核酸を吸着させる工程、
(3)洗浄液を核酸吸着性多孔膜に通過させて、RNAが吸着した状態で該多孔膜を洗浄する工程、及び
(4)回収液を核酸吸着性多孔膜に通過させて、該多孔膜からRNAを脱離させる工程を含有するRNA分離精製方法において、
前記核酸吸着性多孔膜がイオン結合が関与しない相互作用で核酸が吸着する多孔膜であり、且つ、前記試料溶液における水溶性有機溶媒濃度が10〜35容量%であるRNA分離精製方法。
[2]
上記水溶性溶媒が、メタノール、エタノール、プロパノール及びその異性体、ならびにブタノール及びその異性体から選択される少なくとも1種のアルコールである前記[1]記載のRNA分離精製方法。
[3]
上記水溶性溶媒濃度が10〜30容量%である前記[1]または[2]記載のRNA分離精製方法。
[4]
上記水溶性溶媒濃度が10〜25容量%である前記[1]〜[3]のいずれかに記載のRNA分離精製方法。
[5]
生体材料が細胞またはウイルスを含む検体である、前記[1]〜[4]のいずれかに記載のRNA分離精製方法。
[6]
細胞を含む検体が動物組織である、前記[5]に記載のRNA分離精製方法。
[7]
前記(1)、(2)、(3)及び(4)の各工程において、核酸を含む試料溶液、洗浄液又は回収液の核酸吸着性多孔膜への通過を、少なくとも二個の開口を有する容器内に溶液が内部を通過可能な核酸吸着性多孔膜を収容した核酸分離精製カートリッジ及び圧力発生装置を用いて行い、且つ、該圧力発生装置が、核酸分離精製カートリッジの一の開口に着脱可能に結合されるポンプである前記[1]〜[6]のいずれかに記載のRNA分離精製方法。
[8]
前記[1]〜[7]のいずれかに記載の核酸分離精製方法を行うための、核酸分離精製カートリッジと試薬のキット。
[9]
前記[1]〜[7]のいずれかに記載の核酸分離精製方法を自動で行う装置。
本発明によれば、分離性能に優れ、洗浄効率がよく、簡便で、迅速で、自動化および小型化適性に優れ、実質的に同一の分離性能を有するものを大量に生産可能である多孔膜を使用した核酸の分離精製方法であって、洗浄工程で目詰まりすることなくRNA回収量を増大させることができる。
本発明の核酸分離精製方法は、(1)生体材料に核酸可溶化試薬を加えて混合液を作成し、さらに該混合液に、水溶性有機溶媒または水溶性有機溶媒を含む溶液を加えて試料溶液を作成する工程、(2)核酸を含む試料溶液を核酸吸着性多孔膜に通過させて、該多孔膜に核酸を吸着させる工程、(3)洗浄液を核酸吸着性多孔膜に通過させて、RNAが吸着した状態で該多孔膜を洗浄する工程、及び(4)回収液を核酸吸着性多孔膜に通過させて、該多孔膜からRNAを脱離させる工程を少なくとも含むものである。
好ましくは、上記(1)、(2)及び(3)の各工程において、DNAとRNAを含む核酸混合物含有の試料溶液、洗浄液又は回収液を、圧力発生装置を用いて核酸吸着性多孔膜に通過させるものであり、より好ましくは、上記(1)、(2)及び(3)の各工程において、少なくとも二個の開口を有する容器内に該核酸吸着性多孔膜を収容した核酸分離精製カートリッジの一の開口に、核酸を含む試料溶液、洗浄液、又は回収液を注入し、カートリッジの上記一の開口に結合された圧力差発生装置を用いてカートリッジ内を加圧状態にして、注入した各液を通過させ、他の開口より排出させるものである。試料溶液、洗浄液、又は回収液を加圧状態で上記多孔膜に通過させることにより、装置をコンパクトに自動化することができ、好ましい。ポンプの加圧は、好ましくは10〜300kPa、より好ましくは40〜200kPaの範囲で行われる。
さらに好ましくは、上記核酸吸着性多孔膜を収容する核酸分離精製カートリッジを用いて、以下の工程でRNAを分離精製することができる。
すなわち、(a)DNAとRNAを含む核酸混合物含有の試料溶液を、少なくとも二個の開口を有する容器内に、溶液が内部を通過可能な、核酸吸着性多孔膜を収容した核酸分離精製カートリッジの一の開口に注入する工程、(b)核酸分離精製カートリッジの上記一の開口に結合された圧力差発生装置を用いて核酸分離精製カートリッジト内を加圧状態にし、注入した試料溶液を、核酸吸着性多孔膜を通過させ、核酸分離精製カートリッジの他の開口より排出することによって、核酸吸着性多孔膜内に核酸を吸着させる工程、(c)核酸分離精製カートリッジの上記一の開口に洗浄液を注入する工程、(d)核酸分離精製カートリッジの上記一の開口に結合された圧力差発生装置を用いて核酸分離精製カートリッジ内を加圧状態にし、注入した洗浄液を、核酸吸着性多孔膜を通過させ、他の開口より排出することによって、核酸吸着性多孔膜を、核酸が吸着した状態で、洗浄する工程、(e)核酸分離精製カートリッジの上記一の開口に回収液を注入する工程、(f)核酸分離精製カートリッジの一の開口に結合された圧力差発生装置を用いて核酸分離精製カートリッジ内を加圧状態にし、注入した回収液を、核酸吸着性多孔膜を通過させ、他の開口より排出することによって、核酸吸着性多孔膜内から核酸を脱離させ、核酸分離精製カートリ
ッジ容器外に排出する工程が挙げることができる。
上記の核酸分離精製の工程では、最初の核酸を含む試料液を注入から核酸分離精製カートリッジ外に核酸を得るまでの工程を実質30分以内、好適な状況では5分以内で終了することが可能である。
また、上記の核酸分精製の工程では、紫外可視分光光度計での測定値1(260nm/280nm)が、1.8〜2.2、測定値2(260nm/230nm)が1.5以上となる純度を持つRNAを回収することができ、不純物混入量の少ない高純度の核酸を定常的に得ることができる。さらには、紫外可視分光光度計での測定値1(260nm/280nm)が2.0付近、測定値2(260nm/230nm)が1.7以上となる純度を持つ核酸を回収することができる。
また、上記工程において、圧力差発生装置としては、注射器、ピペッタ、ペリスタポンプのような加圧が可能なポンプ等、或いは、エバポレーター等の減圧可能なものが挙げられる。これらの内、手動操作には注射器が、自動操作にはポンプが適している。また、ピペッタは片手操作が容易にできるという利点を有する。好ましくは、圧力差発生装置は、核酸分離精製カートリッジの一の開口に着脱可能に結合されている。
また、上記工程において、上記核酸分離精製カートリッジの他の開口に結合された圧力差発生装置を用いて核酸分離精製カートリッジ内を減圧状態にしても好適に実施できる。また、核酸分離精製カートリッジに遠心力を作用させることによっても好適に実施することができる。
本発明において生体材料として使用できる検体は、核酸を含むものであれば特に制限はなく、例えば診断分野においては、検体として採取された全血、血漿、血清、尿、便、精液、唾液等の体液、あるいは植物(又はその一部)、動物(またはその一部)、細菌、ウイルス、培養細胞など、あるいはそれらの溶解物およびホモジネートなどの生物材料から調製された溶液が対象となる。動物(またはその一部)検体として用いられるものに動物組織が挙げられる。動物を解剖したときに採取できる、肝臓、腎臓、脾臓、脳、心臓、肺、胸腺、大腸、胃、食道、リンパ節、皮膚など個体を構成する組織全てを使用することができる。培養細胞としては、浮遊系細胞、接着系細胞等が挙げられる。浮遊系細胞とは培養液中で容器壁に付着することなく漂いながら生育、増殖する細胞を指し、例えばHL60,U937,HeLaS3等が代表的な細胞株として挙げられる。接着系細胞とは培養液中で容器壁底面に付着し生育、増殖する細胞を指し、例えばNIH3T3,HEK293,HeLa,COS,CHO細胞等が代表的な細胞株として挙げられる。
これらの生体材料は、通常、細胞膜・核膜を溶解して核酸を溶出する試薬を含む水溶液(核酸可溶化試薬)で処理する。これにより細胞膜・核膜が溶解されて、核酸が水溶液内に分散し、核酸を含む試料溶液を得る。
以下に、細胞膜・核膜を溶解し、核酸を溶出して、生体材料から核酸を含む試料溶液を得る工程について説明する。該工程は、通常、(I)生体材料(細胞又はウイルスを含む検体等)を容器に注入する工程、(II)上記容器に、核酸可溶化試薬溶液を添加し、検体と核酸可溶化試薬溶液を混合して混合液を得る工程、及び(III)上記で得られた混合液に水溶性有機溶媒を添加して試料溶液を得る工程を包含する。
細胞膜・核膜を溶解して核酸を溶出するには、核酸可溶化試薬を用いる。核酸可溶化試薬としては、カオトロピック塩、核酸安定化剤、界面活性剤、緩衝剤及び消泡剤いずれか1つ以上を含む溶液が挙げられる。核酸可溶化試薬が1液から成ってもよく、2液以上に
分かれていてもよい。
上記、核酸可溶化試薬中のカオトロピック塩濃度は、0.5mol/L以上であることが好ましく、より好ましくは0.5mol/L〜8mol/L、さらに好ましくは、1mol/L〜6mol/Lである。前記カオトロピック塩としては、特に限定は無く公知のカオトロピック塩を使用することができる。カオトロピック塩としては、グアニジン塩、イソチアン酸ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム等を使用することができる。中でもグアニジン塩が好ましい。グアニジン塩としては、塩酸グアニジン、イソチオシアン酸グアニジン、グアニジンチオシアン酸塩(チオシアン酸グアニジン)が挙げられ、中でも塩酸グアニジンまたはグアニジンチオシアン酸塩が好ましい。これらの塩は単独でも、複数組み合わせて用いてもよい。
上記、核酸可溶化試薬中の界面活性剤は、例えば、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤である。本発明においてはノニオン界面活性剤を好ましく用いることができる。ノニオン界面活性剤は、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤、脂肪酸アルカノールアミドを用いることができるが、好ましくは、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤を用いることができる、さらに好ましくは、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤は、POEデシルエーテル、POEラウリルエーテル、POEトリデシルエーテル、POEアルキレンデシルエーテル、POEソルビタンモノラウレート、POEソルビタンモノオレエート、POEソルビタンモノステアレート、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、POEアルキルアミン、POEアセチレングリコールから選択されるポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤である。
また、カチオン界面活性剤も好ましく用いることができる。さらに好ましくは、カチオン界面活性剤は、セチルトリメチルアンモニウムプロミド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリドから選択されるカチオン界面活性剤である。これらの界面活性剤は、単独または複数組み合わせて用いてもよい。これら界面活性剤の核酸可溶化試薬溶液における濃度は0.1〜20質量%であることが好ましい。
核酸可溶化試薬には、核酸安定化剤を共存させることが好ましい。検体中には、核酸を分解するヌクレアーゼ等が含まれていることがあり、検体をホモジナイズすると、ヌクレアーゼが核酸に作用し、収量が減少することがある。これを回避する目的で、核酸可溶化液に、ヌクレアーゼを不活性化させる作用を有する安定化剤を共存させることができる。これにより、核酸の回収量及び回収効率が向上し、検体の微量化及び迅速化が可能となる。
ヌクレアーゼの不活性化剤としては、一般的に還元剤を好ましく用いることができる。
還元剤としては、水素、ヨウ化水素、硫化水素、水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム等の水素化化合物、アルカリ金属、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、亜鉛等の電気的陽性の大きい金属、またはそれのアマルガム、アルデヒド類、糖類、ギ酸、シュウ酸などの有機酸化物、等が上げられるが、メルカプト化合物が好ましい。メルカプト化合物は、N-アセチルシステイン、メルカプトエタノールや、アルキルメルカプタン等が上げられるが、特に限定されない。メルカプト化合物は、前処理液として、0.1〜20質量%の濃度で、より好ましくは、0.5〜15質量%で用いることができる。
上記核酸可溶化試薬には、消泡剤を含有させることも好ましい。上記消泡剤としては、シリコン系消泡剤とアルコール系消泡剤の2つの成分が好ましく挙げられ、また、アルコ
ール系消泡剤としては、アセチレングリコール系界面活性剤が好ましい。
消泡剤の具体例としては、シリコン系消泡剤(例えば、シリコーンオイル、ジメチルポリシロキサン、シリコーンエマルジョン、変性ポリシロキサン、シリコーンコンパウンドなど)、アルコール系消泡剤(例えば、アセチレングリコール、ヘプタノール、エチルエキサノール、高級アルコール、ポリオキシアルキレングリコールなど)、エーテル系消泡剤(例えば、ヘプチルセロソルブ、ノニルセロソルブ−3−ヘプチルコルビトールなど)、油脂系消泡剤(例えば、動植物油など)、脂肪酸系消泡剤(例えば、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸など)、金属セッケン系消泡剤(例えば、ステアリン酸アルミ、ステアリン酸カルシウムなど)、脂肪酸エステル系消泡剤(例えば、天然ワックス、トリブチルホスフェートなど)、リン燐酸エステル系消泡剤(例えば、オクチルリン酸ナトリウムなど)、アミン系消泡剤(例えば、ジアミルアミンなど)、アミド系消泡剤(例えば、ステアリン酸アミドなど)、その他の消泡剤(例えば、硫酸第二鉄、ボーキサイトなど)などが挙げられる。特に好ましくは、消泡剤として、シリコン系消泡剤とアルコール系消泡剤の2つの成分を組み合わせて使用することができる。また、アルコール系消泡剤としては、アセチレングリコール系界面活性剤を使用することも好ましい。
また、上記の核酸可溶化試薬溶液は水溶性有機溶媒を含んでいても良い。この水溶性有機溶媒は、核酸可溶化試薬に含まれる各種試薬の溶解性を上げることを目的としており、アセトン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド等が挙げられるが、アルコールが好ましい。アルコールは、1級アルコール、2級アルコール、3級アルコールのいずれでも良い。アルコールがメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール及びその異性体、ブチルアルコール及びその異性体をより好ましく用いることができる。これらの水溶性有機溶媒は単独または複数組み合わせて用いてもよい。これら水溶性有機溶媒の核酸可溶化試薬溶液における濃度は1〜20質量%であることが好ましい。
上記の核酸可溶化試薬溶液は、好ましくはpH3〜8、より好ましくはpH4〜7、さらに好ましくはpH5〜7のものが用いられる。
本発明で用いる緩衝材の具体例としては、通常用いられるpH緩衝剤(buffer)を挙げることができる。好ましくは、生化学用のpH緩衝剤が挙げられる。このような緩衝剤としては、クエン酸塩、リン酸塩または酢酸塩から成る緩衝剤、Tris−HCl、TE(Tris−HCl/EDTA)、TBE(Tris−Borate/EDTA)、TAE(Tris−Acetate/EDTA)、グッド緩衝剤が挙げられる。グッド緩衝剤としては、MES(2-Morpholinoethanesulfonic acid)、Bis−Tris(Bis(2-hydoroxyethyl)iminotris(hydroxymethyl)methane)、HEPES(2-[4-(2-Hydroxyethyl)-1-piperazinyl]ethanesulfonic asid)、PIPES(Piperaxine-1,4-bis(2-ethanesulfonic acid))、ACES(N-(2-Acetamino)-2-aminoethanesulfonic acid)、CAPS(N-Cyclohexyl-3-aminopropanesulfonic acid)、TES(N-Tris(hydroxymethyl)methyl-2-aminoethanesulfonic acid)が挙げられる。
これらの緩衝剤は、前記核酸可溶化試薬中の濃度は1〜500mmol/Lであることが好ましい。
細胞膜・核膜を溶解し、核酸を可溶化して、生体材料から核酸を含む試料溶液を得る工程において、核酸可溶化試薬を添加する前もしくは後に検体をホモジナイズ処理することで、自動化処理適正が向上する。ホモジナイズ処理は、例えば、超音波処理、鋭利な突起物を用いる、高速攪拌処理を用いる、微細空隙から押し出す処理、ガラス、ステンレス、ジルコニア等のビーズを用いる処理等で行うことができる。これらの処理を行なうため、例えば、ボルテックスなどのミキサーや、Rotor−Stator型、ポッター型、ダウンス型などのホモジナイザーや、ビーズミル、ペッスル、フレンチプレス、グラインダー、ブレードホモジナイザー、など市販のホモジナイザーいずれも使用することができる
。核酸可溶化試薬を添加する前にホモジナイズ処理する場合は、検体を液体窒素で凍らせた後、ビーズミルやクラッシャーミル、すり鉢、粉砕機などで処理することもできる。
ホモジナイズした検体とカオトロピック塩、核酸安定化剤、界面活性剤、緩衝剤及び消泡剤いずれか1つ以上を含む核酸可溶化試薬試薬とを混合する方法は、特に限定されない。混合する際、攪拌装置により30から3000rpmで1秒から3分間混合することが好ましい。これにより、分離精製される核酸収量を増加させることができる。または、転倒混和を5から30回行うことで混合することも好ましい。また、ピペッティング操作を、10から50回行うことによっても混合することができる、この場合、簡便な操作で分離精製される核酸収量を増加させることができる。
検体が培養細胞や酵母などの場合は、10個〜1×108個の細胞数に対して、核酸可溶化試薬50〜1000μlで処理することが望ましい。検体が動物や植物などの組織の場合は、組織量0.1mg〜200mgに対して、核酸可溶化試薬50〜1000μlで処理することが望ましい。検体が細菌の場合は、1×108個〜1×1010個の細菌に対して、核酸可溶化試薬50〜1000μlで処理することが望ましい。検体が溶解し、かつ、カートリッジの容量を超えない範囲で核酸可溶化試薬の液量を変えることができる。
細胞膜・核膜を溶解し、核酸を可溶化して、生体材料から核酸を含む試料溶液を得る工程において、次に上記混合液に水溶性有機溶媒を添加する。混合液に添加する水溶性有機溶媒は、アルコールを好ましく用いることができる。アルコールは、1級アルコール、2級アルコール、3級アルコールのいずれでもよく、メタノール、エタノール、プロパノール及びその異性体、ブタノール及びその異性体を好ましく用いることができる。これらアルコールは2種類以上を用いてもよい。これら水溶性有機溶媒の核酸を含む試料溶液における最終濃度は、10〜35容量%であることが好ましい。さらに好ましくは、10〜30容量%である。RNAの回収量を落とすことなく、かつ、目詰まりを低減させるためには10〜25容量%であることが好ましい。生体材料の種類によっては、15〜20容量%であることが好ましい。混合する際、攪拌装置により30から3000rpmで1秒から3分間混合することが好ましい。これにより、分離精製される核酸収量を増加させることができる。または、転倒混和を5から30回行うことで混合することも好ましい。また、ピペッティング操作を、10から50回行うことによっても混合することができる。
また、得られた核酸を含む試料溶液は、表面張力は0.05J/m2以下であることが好ましく、また、粘度は、1〜10000mPaであることが好ましく、比重は、0.8〜1.2であることが好ましい。こうした物性の溶液にすることで、次の工程において、試料溶液を核酸吸着性多孔膜に接触後に、試料溶液残渣を除去しやすくする。
以下に、本発明で用いる核酸吸着性多孔膜および吸着工程について説明する。
本発明の核酸吸着性多孔膜は、溶液が内部を通過可能なものである。ここで「溶液が内部を通過可能」とは、膜の一方の面が接する空間と膜の他方の面が接する空間の間に圧力差を生じさせた場合に、高圧の空間側から低圧の空間側へと、膜の内部を溶液が通過することが可能であることを意味する。または、膜に遠心力を掛けた場合に、遠心力の方向に、膜の内部を溶液が通過することが可能であることを意味する。
また、本発明の核酸吸着性多孔膜は、イオン結合が実質的に関与しない相互作用で核酸が吸着する多孔膜である。これは、多孔膜側の使用条件で「イオン化」していないことを意味し、環境の極性を変化させることで、核酸と多孔膜が引き合うようになると推定される。これにより分離性能に優れ、しかも洗浄効率よく、核酸を単離精製することができる。好ましくは、核酸吸着性多孔膜は、親水基を有する多孔膜であり、環境の極性を変化させることで、核酸と多孔膜の親水基同士が引きあるようになると推定される。
ここで親水基とは、水との相互作用を持つことができる有極性の基(原子団)を指し、核酸の吸着に関与する全ての基(原子団)が当てはまる。親水基としては、水との相互作用の強さが中程度のもの(化学大事典、共立出版(株)発行、「親水基」の項の「あまり親水性の強くない基」参照)が良く、例えば、水酸基、カルボキシル基、シアノ基、オキシエチレン基などを挙げることができる。好ましくは水酸基である。
本発明において、親水基を有する多孔膜とは、多孔膜を形成する材料自体が、親水性基を有する多孔膜、または多孔膜を形成する材料を処理またはコーティングすることによって親水基を導入した多孔膜を意味する。多孔膜を形成する材料は有機物、無機物のいずれでも良い。例えば、多孔膜を形成する材料自体が親水基を有する有機材料である多孔膜、親水基を持たない有機材料の多孔膜を処理して親水基を導入した多孔膜、親水基を持たない有機材料の多孔膜に対し親水基を有する材料でコーティングして親水基を導入した多孔膜、多孔膜を形成する材料自体が親水基を有する無機材料である多孔膜、親水基を持たない無機材料の多孔膜を処理して親水基を導入した多孔膜、親水基を持たない無機材料の多孔膜に対し親水基を有する材料でコーティングして親水基を導入した多孔膜などを、使用することができるが、加工の容易性から、多孔膜を形成する材料は有機高分子などの有機材料を用いることが好ましい。
親水基を有する材料の多孔膜としては、ポリヒドロキシエチルアクリル酸、ポリヒドロキシエチルメタアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリオキシエチレン、アセチルセルロース、アセチル価の異なるアセチルセルロースの混合物などで、形成された多孔膜を挙げることができるが、特に水酸基を有する有機材料の多孔膜を好ましく使用することができる。
水酸基を有する有機材料の多孔膜として、多糖構造を有する材料が好ましく、アセチル価の異なるアセチルセルロースの混合物から成る有機高分子の多孔膜をより好ましく使用することができる。アセチル価の異なるアセチルセルロースの混合物として、トリアセチルセルロースとジアセチルセルロースの混合物、トリアセチルセルロースとモノアセチルセルロースの混合物、トリアセチルセルロースとジアセチルセルロースとモノアセチルセルロースの混合物、ジアセチルセルロースとモノアセチルセルロースの混合物を好ましく使用する事ができる。特にトリアセチルセルロースとジアセチルセルロースの混合物を好ましく使用することができる。トリアセチルセルロースとジアセチルセルロースの混合比(質量比)は、99:1〜1:99である事が好ましく、90:10〜50:50である事がより好ましい。
更に好ましい水酸基を有する有機材料としては、特開2003−128691号公報に記載のアセチルセルロースの鹸化物が挙げられる。アセチルセルロースの鹸化物とは、アセチル価の異なるアセチルセルロースの混合物を鹸化処理したものであり、トリアセチルセルロースとジアセチルセルロース混合物の鹸化物、トリアセチルセルロースとモノアセチルセルロース混合物の鹸化物、トリアセチルセルロースとジアセチルセルロースとモノアセチルセルロース混合物の鹸化物、ジアセチルセルロースとモノアセチルセルロース混合物の鹸化物も好ましく使用することができる。より好ましくは、トリアセチルセルロースとジアセチルセルロース混合物の鹸化物を使用することである。トリアセチルセルロースとジアセチルセルロース混合物の混合比(質量比)は、99:1〜1:99であることが好ましい。更に好ましくは、トリアセチルセルロースとジアセチルセルロース混合物の混合比は、90:10〜50:50であることである。この場合、鹸化処理の程度(鹸化率)で固相表面の水酸基の量(密度)をコントロールすることができる。核酸の分離効率をあげるためには、水酸基の量(密度)が多い方が好ましい。例えば、トリアセチルセルロースなどのアセチルセルロースの場合には、鹸化率(表面鹸化率)が約5%以上であることが好ま
しく、10%以上であることが更に好ましい。また、水酸基を有する有機高分子の表面積を大きくするために、アセチルセルロースの多孔膜を鹸化処理することが好ましい。この場合、多孔膜は、表裏対称性の多孔膜であってもよいが、裏非対称性の多孔膜を好ましく使用することができる。
鹸化処理とは、アセチルセルロースを鹸化処理液(例えば水酸化ナトリウム水溶液)に接触させることを言う。これにより、鹸化処理液に接触したセルロースのエステル誘導体のエステル基が加水分解され、水酸基が導入され再生セルロースとなる。こうして作成された再生セルロースは、本来のセルロースとは、結晶状態等の点で異なっている。また、鹸化率を変えるには、水酸化ナトリウムの濃度や処理時間を変えて鹸化処理を行えば良い。鹸化率は、NMR、IR又はXPSにより、容易に測定することができる(例えば、カルボニル基のピーク減少の程度で定めることができる)。
親水基を持たない有機材料の多孔膜に親水基を導入する方法として、ポリマー鎖内または側鎖に親水基を有すグラフトポリマー鎖を多孔膜に結合することができる。有機材料の多孔膜にグラフトポリマー鎖を結合する方法としては、多孔膜とグラフトポリマー鎖とを化学結合させる方法と、多孔膜を起点として重合可能な二重結合を有する化合物を重合させグラフトポリマー鎖とする2つの方法がある。
まず、多孔膜とグラフトポリマー鎖とを化学結合にて付着させる方法においては、ポリマーの末端または側鎖に多孔膜と反応する官能基を有するポリマーを使用し、この官能基と、多孔膜の官能基とを化学反応させることでグラフトさせることができる。多孔膜と反応する官能基としては、多孔膜の官能基と反応し得るものであれば特に限定はないが、例えば、アルコキシシランのようなシランカップリング基、イソシアネート基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、エポキシ基、アリル基、メタクリロイル基、アクリロイル基等を挙げることができる。ポリマーの末端、または側鎖に反応性官能基を有するポリマーとして特に有用な化合物は、トリアルコキシシリル基をポリマー末端に有するポリマー、アミノ基をポリマー末端に有するポリマー、カルボキシル基をポリマー末端に有するポリマー、エポキシ基をポリマー末端に有するポリマー、イソシアネート基をポリマー末端に有するポリマーが挙げられる。この時に使用されるポリマーとしては、核酸の吸着に関与する親水基を有するものであれば特に限定はないが、具体的には、ポリヒドロキシエチルアクリル酸、ポリヒドロキシエチルメタアクリル酸及びそれらの塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸及びそれらの塩、ポリオキシエチレンなどを挙げることができる。
多孔膜を基点として重合可能な二重結合を有する化合物を重合させ、グラフトポリマー鎖を形成させる方法は、一般的には表面グラフト重合と呼ばれる。表面グラフト重合法とは、プラズマ照射、光照射、加熱などの方法で基材表面上に活性種を与え、多孔膜と接するように配置された重合可能な二重結合を有する化合物を重合によって多孔膜と結合させる方法を指す。基材に結合しているグラフトポリマー鎖を形成するのに有用な化合物は、重合可能な二重結合を有しており、核酸の吸着に関与する親水基を有するという、2つの特性を兼ね備えていることが必要である。これらの化合物としては、分子内に二重結合を有していれば、親水基を有するポリマー、オリゴマー、モノマーのいずれの化合物をも用いることができる。特に有用な化合物は親水基を有するモノマーである。特に有用な親水基を有するモノマーの具体例としては、次のモノマーを挙げることができる。例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリセロールモノメタクリレート等の水酸性基含有モノマーを特に好ましく用いることができる。また、アクリル酸、メタアクリル酸等のカルボキシル基含有モノマー、もしくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩も好ましく用いることができる。
親水基を持たない有機材料の多孔膜に親水基を導入する別の方法として、親水基を有する材料をコーティングすることができる。コーティングに使用する材料は、核酸の吸着に関与する親水基を有するものであれば特に限定はないが、作業の容易さから有機材料のポリマーが好ましい。ポリマーとしては、ポリヒドロキシエチルアクリル酸、ポリヒドロキシエチルメタアクリル酸及びそれらの塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸及びそれらの塩、ポリオキシエチレン、アセチルセルロース、アセチル価の異なるアセチルセルロースの混合物などを挙げることができるが、多糖構造を有するポリマーが好ましい。
また、親水基を持たない有機材料の多孔膜に、アセチルセルロースまたは、アセチル価の異なるアセチルセルロースの混合物をコーティングした後に、コーティングしたアセチルセルロースまたは、アセチル価の異なるアセチルセルロースの混合物を鹸化処理することもできる。この場合、鹸化率が約5%以上であることが好ましい。さらには、鹸化率が約10%以上であることが好ましい。
親水基を有する無機材料である多孔膜としては、シリカ化合物を含有する多孔膜を挙げることができる。シリカ化合物を含有する多孔膜としては、ガラスフィルターを挙げることができる。また、特許公報第3058342号に記載されているような、多孔質のシリカ薄膜を挙げることができる。この多孔質のシリカ薄膜とは、二分子膜形成能を有するカチオン型の両親媒性物質の展開液を基板上に展開した後、基板上の液膜から溶媒を除去することによって両親媒性物質の多層二分子膜薄膜を調整し、シリカ化合物を含有する溶液に多層二分子膜薄膜を接触させ、次いで前記多層二分子膜薄膜を抽出除去することで作製することができる。
親水基を持たない無機材料の多孔膜に親水基を導入する方法としては、多孔膜とグラフトポリマー鎖とを化学結合させる方法と、分子内に二重結合を有している親水基を有するモノマーを使用して、多孔膜を起点として、グラフトポリマー鎖を重合する2つの方法がある。多孔膜とグラフトポリマー鎖とを化学結合にて付着させる場合は、グラフトポリマー鎖の末端の官能基と反応する官能基を無機材料に導入し、そこにグラフトポリマーを化学結合させる。また、分子内に二重結合を有している親水基を有するモノマーを使用して、多孔膜を起点として、グラフトポリマー鎖を重合する場合は、二重結合を有する化合物を重合する際の起点となる官能基を無機材料に導入する。
親水性基を持つグラフトポリマー、および分子内に二重結合を有している親水基を有するモノマーとしては、上記、親水基を持たない有機材料の多孔膜とグラフトポリマー鎖とを化学結合させる方法において、記載した親水性基を持つグラフトポリマー、および分子内に二重結合を有している親水基を有するモノマーを好ましく使用することができる。
親水基を持たない無機材料の多孔膜に親水基を導入する別の方法として、親水基を有する材料をコーティングすることができる。コーティングに使用する材料は、核酸の吸着に関与する親水基を有するものであれば特に限定はないが、作業の容易さから有機材料のポリマーが好ましい。ポリマーとしては、ポリヒドロキシエチルアクリル酸、ポリヒドロキシエチルメタアクリル酸及びそれらの塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸及びそれらの塩、ポリオキシエチレン、アセチルセルロース、アセチル価の異なるアセチルセルロースの混合物などを挙げることができる。
また、親水基を持たない無機材料の多孔膜に、アセチルセルロースまたは、アセチル価の異なるアセチルセルロースの混合物をコーティングした後に、コーティングしたアセチルセルロースまたは、アセチル価の異なるアセチルセルロースの混合物を鹸化処理することもできる。この場合、鹸化率が約5%以上であることが好ましい。さらには、鹸化率が
約10%以上であることが好ましい。
親水基を持たない無機材料の多孔膜としては、アルミニウム等の金属、ガラス、セメント、陶磁器等のセラミックス、もしくはニューセラミックス、シリコン、活性炭等を加工して作製した多孔膜を挙げることができる。
上記の核酸吸着性多孔膜は、溶液が内部を通過可能であり、厚さが10μm〜500μmである。さらに好ましくは、厚さが50μm〜250μmである。洗浄がし易い点で、厚さが薄いほど好ましい。
上記の溶液が内部を通過可能な核酸吸着性多孔膜は、最小孔径が0.22μm以上である。さらに好ましくは、最小孔径が0.5μm以上である。また、最大孔径と最小孔径の比が2以上である多孔膜を用いる事が好ましい。これにより、核酸が吸着するのに十分な表面積が得られるとともに、目詰まりし難い。さらに好ましくは、最大孔径と最小孔径の比が5以上である。
上記の溶液が内部を通過可能な核酸吸着性多孔膜は、空隙率が50〜95%である。さらに好ましくは、空隙率が65〜80%である。また、バブルポイントが、0.1〜10kgf/cm2である事が好ましい。さらに好ましくは、バブルポイントが、0.2〜4kgf/cm2である。
上記の、溶液が内部を通過可能な核酸吸着性多孔膜は、圧力損失が、0.1〜100kPaである事が好ましい。これにより、過圧時に均一な圧力が得られる。さらに好ましくは、圧力損失が、0.5〜50kPaである。ここで、圧力損失とは、膜の厚さ100μmあたり、水を通過させるのに必要な最低圧力である。
上記の、溶液が内部を通過可能な核酸吸着性多孔膜は、25℃で1kg/cm2の圧力で水を通過させたときの透水量が、膜cm2あたり1分間で1〜5000mLであることが好ましい。さらに好ましくは、25℃で1kg/cm2の圧力で水を通過させたときの透水量が、膜cm2あたり1分間で5〜1000mLである。
上記の、溶液が内部を通過可能な核酸吸着性多孔膜は、多孔膜1mgあたりの核酸の吸着量が0.1μg以上である事が好ましい。さらに好ましくは、多孔膜1mgあたりの核酸の吸着量が0.9μg以上である。
上記の、溶液が内部を通過可能な核酸吸着性多孔膜は、一辺が5mmの正方形の多孔膜をトリフルオロ酢酸5mLに浸漬したときに、1時間以内では溶解しないが48時間以内に溶解するセルロース誘導体が、好ましい。また、一辺が5mmの正方形の多孔膜をトリフルオロ酢酸5mLに浸漬したときに1時間以内に溶解するが、ジクロロメタン5mLに浸漬したときには24時間以内に溶解しないセルロース誘導体がさらに好ましい。
核酸吸着性多孔膜中を、核酸を含む試料溶液を通過させる場合、試料溶液を一方の面から他方の面へと通過させることが、液を多孔膜へ均一に接触させることができる点で、好ましい。核酸吸着性多孔膜中を、核酸を含む試料溶液を通過させる場合、試料溶液を核酸吸着性多孔膜の孔径が大きい側から小さい側に通過させることが、目詰まりし難い点で好ましい。
核酸を含む試料溶液を核酸吸着性多孔膜を通過させる場合の流速は、液の多孔膜への適切な接触時間を得るために、膜の面積cm2あたり、2〜1500μL/secである事が好ましい。
液の多孔膜への接触時間が短すぎると十分な分離精製効果が得られず、長すぎると操作性の点から好ましくない。さらに、上記流速は、膜の面積cm2あたり、5〜700μL/secであ
る事が好ましい。
また、使用する溶液が内部を通過可能な核酸吸着性多孔膜は、1枚であってもよいが、複数枚を使用することもできる。複数枚の核酸吸着性多孔膜は、同一のものであっても、異なるものであって良い。
複数枚の核酸吸着性多孔膜は、無機材料の核酸吸着性多孔膜と有機材料の核酸吸着性多孔膜との組合せであっても良い。例えば、ガラスフィルターと再生セルロースの多孔膜との組合せを挙げることができる。また、複数枚の核酸吸着性多孔膜は、無機材料の核酸吸着性多孔膜と有機材料の核酸非吸着性多孔膜との組合せであってもよい、例えば、ガラスフィルターと、ナイロンまたはポリスルホンの多孔膜との組合せを挙げることができる。
少なくとも二個の開口を有する容器内に、上記のような溶液が内部を通過可能な核酸吸着性多孔膜を収容した核酸分離精製カートリッジを好ましく使用することができる。また、少なくとも二個の開口を有する容器内に、上記のような溶液が内部を通過可能な核酸吸着性多孔膜を複数枚収容した核酸分離精製カートリッジを好ましく使用することができる。この場合、少なくとも二個の開口を有する容器内に収容される複数枚の核酸吸着性多孔膜は、同一のものであっても、異なるものであっても良い。
核酸分離精製カートリッジは、少なくとも二個の開口を有する容器内に、上記のような溶液が内部を通過可能な核酸吸着性多孔膜を収容する以外、その他の部材を収容していないことが好ましい。上記の容器の材料としては、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニルなどのプラスチックを使用することができる。また、生分解性の材料も好ましく使用することができる。また、上記の容器は透明であっても、着色してあっても良い。
核酸分離精製カートリッジとして、個々の核酸分離精製カートリッジを識別する手段を備えている核酸分離精製カートリッジを使用する事ができる。個々の核酸分離精製カートリッジを識別する手段としては、バーコード、磁気テープなどが挙げられる。
また、少なくとも二個の開口を有する容器内から核酸吸着性多孔膜を容易に取り出す事が可能になっている構造を有した核酸分離精製カートリッジを使用することもできる。
以下、洗浄工程について説明する。
次に、洗浄液を核酸吸着性多孔膜に通過させる。
本発明において、洗浄液は、好適には水溶性有機溶媒を55〜90容量%の濃度で含有する水溶液であり、さらに好ましくは水溶性有機溶媒を60容量%以上90容量%以下の濃度で含有する水溶液である。水溶性有機溶媒を上記範囲で含有することにより、洗浄工程にて目詰まりすることなく、かつ、タンパク質や低分子化合物などの不純物を洗い流して高純度なRNAを回収することができるため、好ましい。洗浄液は、核酸吸着性多孔膜に核酸と共に吸着した試料溶液中の不純物を洗い流す機能を有する必要がある。そのためには、核酸吸着性多孔膜からRNAは脱離させないが不純物は脱離させる組成であることが必要である。
洗浄液中に含まれる水溶性有機溶媒の割合を上記範囲とすることで目詰まりの原因となる核酸やタンパク質を収縮させ、その結果、洗浄工程での目詰まりが低減される。
洗浄液に含まれる水溶性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノールおよびその異性体、ブタノールおよびその異性体を用いることができ、中でもエタノールを
用いることが好ましい。これらのアルコールは複数種類を用いてもよい。
本発明の洗浄液は、更に水溶性塩を含有することが好ましい。水溶性塩としては、ハロゲン化物の塩であることが好ましく、中でも塩化物が好ましい。また、水溶性塩は、一価または二価のカチオンであることが好ましく、特にアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩が好ましく、中でもナトリウム塩、カリウム塩及びリチウム塩が好ましくナトリウム塩が最も好ましい。
水溶性塩が洗浄液中に含まれる場合、洗浄液中の濃度は10mmol/L以上であることが好ましく、その上限は不純物の溶解性を損なわない範囲であれば特に問わないが、1mol/L以下であることが好ましく、0.1mol/L以下であることがより好ましい。より好ましくは、水溶性塩が塩化ナトリウムであり、さらには、塩化ナトリウムが20mmol/L以上1mol/L以下含まれていることである。
また洗浄液のpHを安定化させるため、緩衝剤を含有することが好ましい。通常用いられるpH緩衝剤(buffer)を挙げることができる。好ましくは、生化学用のpH緩衝剤が挙げられる。このような緩衝剤としては、クエン酸塩、リン酸塩または酢酸塩から成る緩衝剤、Tris−HCl、TE(Tris−HCl/EDTA)、TBE(Tris−Borate/EDTA)、TAE(Tris−Acetate/EDTA)、グッド緩衝剤が挙げられる。グッド緩衝剤としては、MES(2-Morpholinoethanesulfonic acid)、Bis−Tris(Bis(2-hydoroxyethyl)iminotris(hydroxymethyl)methane)、HEPES(2-[4-(2-Hydroxyethyl)-1-piperazinyl]ethanesulfonic asid)、PIPES(Piperaxine-1,4-bis(2-ethanesulfonic acid))、ACES(N-(2-Acetamino)-2-aminoethanesulfonic acid)、CAPS(N-Cyclohexyl-3-aminopropanesulfonic acid)、TES(N-Tris(hydroxymethyl)methyl-2-aminoethanesulfonic acid)が挙げられる。中でもTris−HClが好ましい。
これらの緩衝剤の前記洗浄液中の濃度は1〜500mmol/Lであることが好ましい。5〜100mmol/Lであることがより好ましい。
更に、洗浄液は、カオトロピック物質を含んでいないことが好ましい。それによって、洗浄工程に引き続く回収工程にカオトロピック物質が混入する可能性を減らすことができる。回収工程時に、カオトロピック物質が混入すると、しばしばPCR反応等の酵素反応を阻害するので、後の酵素反応等を考慮すると洗浄液にカオトロピック物質を含まないことが理想的である。また、カオトロピック物質は、腐食性で有害であるので、この点でもカオトロピック物質を用いないで済むことは、実験者にとっても試験操作の安全上極めて有利である。カオトロピック物質が含まれないため、紫外可視分光光度計での測定値(260nm/230nm)が、1.5以上の高純度なRNAを回収することができる。好適な状況では、紫外可視分光光度計での測定値(260nm/230nm)が1.7以上、更に好適には2.0付近となる高純度なRNAを回収することができる。
ここで、カオトロピック物質とは、前記した、イソチオシアン酸グアニジン、チオシナア酸グアニジン、イソチアン酸ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウムなどのカオトロピック塩、さらに尿素を指す。
従来、核酸分離精製工程における洗浄工程の際、洗浄液がカートリッジなどの容器に対する濡れ性が高いため、しばしば洗浄液が容器中に残留することになり、洗浄工程に続く回収工程への洗浄液の混入して核酸の純度の低下や次工程における反応性の低下などの原因となっている。したがって、カートリッジなどの容器を用いて核酸の吸着及び脱離を行う場合、吸着、洗浄時に用いる液、特に洗浄液が、次の工程に影響を及ぼさないように、カートリッジ内に洗浄残液が残留しないことは重要である。
したがって、洗浄工程における洗浄液が次工程の回収液に混入することを防止して、洗浄液のカートリッジ内への残留を最小限に留めるため、洗浄液の表面張力を0.035J
/m2未満にすることが好ましい。表面張力が低いと、洗浄液とカートリッジの濡れ性が向上し、残留する液量を抑えることができる。
ここで、洗浄効率を上げる為に、水の割合を増やすことができるが、この場合、洗浄液の表面張力は上昇し、残留する液量が増える。洗浄液の表面張力が0.035J/m2以上の場合は、カートリッジの撥水性を高めることで、残留する液量を抑えることができる。カートリッジの撥水性を高めることで、液滴を形成させ、その液滴が流れ落ちることによって残留する液量が抑制できる。撥水性を高める方法としては、カートリッジ表面にシリコン等の撥水剤をコートするか、カートリッジ成型時にシリコン等の撥水剤を練り込む等の手段があるが、これに限らない。
また、洗浄や回収操作を自動化することによって、操作が簡便かつ迅速に行うことが可能になる。洗浄工程は、迅速化のためには1回の洗浄で済ませてもよく、また純度がより重要な場合には複数回洗浄を繰り返すことが好ましい。
洗浄工程において、洗浄液は、チューブ、ピペット、又は自動注入装置、もしくはこれらと同じ機能をもつ供給手段を使用して、核酸吸着性多孔膜を収容した核酸分離精製カートリッジへ供給される。供給された洗浄液は、核酸分離精製カートリッジの一の開口(核酸を含む試料溶液を注入した開口)から供給され、該開口に結合された圧力差発生装置(例えばスポイド、注射器、ポンプ、パワーピペットなど)を用いて核酸分離精製カートリッジ内を加圧状態にして核酸吸着性多孔膜を通過させ、一の開口と異なる開口より排出させることができる。また、洗浄液を一の開口から供給し、同じ一の開口より排出させることもできる。さらには、核酸分離精製カートリッジの核酸を含む試料溶液を供給した一の開口と異なる開口より洗浄液を供給し、排出させることも可能である。しかしながら、核酸分離精製カートリッジの一の開口から供給し、核酸吸着性多孔膜を通過させ、一の開口と異なる開口より排出さる方法が洗浄効率が優れてより好ましい。洗浄工程における洗浄液の液量は、2μl/mm2以上が好ましい。洗浄液量が多量であれば洗浄効果は向上するが、操作性を保ち、試料の流出を抑止するためには、200μl/mm2以下が好ましい。
洗浄工程において、洗浄液を核酸吸着性多孔膜に通過させる場合の流速は、膜の単位面積(cm2)あたり、2〜1500μL/secであることが好ましく、5〜700μL/secであることがより好ましい。通過速度を下げて時間を掛ければ洗浄がそれだけ十分に行なわれることになるが、核酸の分離精製操作の迅速化も重要であるので上記した範囲が選択される。
洗浄工程において、洗浄液の液温は4〜70℃であることが好ましい。さらには、洗浄液の液温を室温とすることがより好ましい。また洗浄工程において、その核酸分離精製カートリッジを器械的な振動や超音波による攪拌を与えながら、または遠心分離により洗浄することもできる。
本発明に従い、核酸吸着性多孔膜を利用することにより洗浄工程を簡素化することができる。すなわち、(1)洗浄液が核酸吸着性多孔膜を通過する回数を1回でよい、(2)洗浄工程を室温でできる。(3)洗浄後、直ちに回収液をカートリッジに注入することができる。(4)前記(1)、(2)、(3)のいずれか1つもしくは2つ以上のも可能である。従来法においては、洗浄液中に含まれる有機溶媒を迅速に取り除くため、しばしば乾燥工程を必要としたが、本発明に係る核酸吸着性多孔膜は薄膜であるためにこれを省略できるからである。
従来、核酸分離精製工程において、洗浄工程の際、しばしば洗浄液が飛散し他に付着することによって、試料のコンタミネーション(汚染)が起きることが問題となっている。洗浄工程におけるこの種のコンタミネーションは、二個の開口を有する容器内に核酸吸着
性多性孔膜を収容した核酸分離精製カートリッジと廃液容器の形状とを工夫することによって抑止することができる。
洗浄工程の途中でDNaseを作用させることもできる。DNAとRNAを含む核酸混合物溶液からRNAのみを選択的に分離精製するのに、核酸吸着性多孔膜を収容した核酸分離精製カートリッジに通過させ、核酸吸着性多孔膜に核酸を吸着させた(吸着工程)後、洗浄を行い(洗浄工程1)、DNaseを作用させる工程を経ることにより行うことが好ましい。さらにDNaseやその他タンパク質・塩類などの夾雑物を除去するため、DNase作用後に洗浄することができる(洗浄工程2)。
DNaseは特に限定無く、いずれのDNaseも用いることが出来る。例えば、ウシなどの動物膵臓由来のDNaseIや、遺伝子組み換え技術により作成したリコンビナントDNaseを用いることができる。
DNaseを作用させる際のDNase溶液(以下、DNase反応液とも言う。)には、DNase活性の発現に好適なマグネシウム、カルシウム、マンガンなどの2価の金属イオンを添加してもよい。さらに、核酸吸着性多孔膜に核酸を保持させるため、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩などを共存させることもできる。
DNase活性至適pHに合わせるため、DNase反応液には緩衝剤も含まれる。緩衝剤としては、一般的に用いられる、TrisHCl、HEPES、リン酸バッファーなどを用いることができる。
本発明の方法は、核酸分離精製カートリッジの核酸吸着性多孔膜でDNaseを作用させる工程におけるDNase溶液の全液量は、核酸吸着性多孔膜1cm2当たり250μl以下で行うものである。また、核酸分離精製カートリッジの核酸吸着性多孔膜でDNaseを作用させる工程においてDNase溶液におけるDNase濃度(以下、単にDNase濃度とも言う。)は10Kunitz U/mL以上10000Kunitz U/mL以下が好ましく、50Kunitz U/mL以上5000Kunitz U/mL以下がより好ましい。なお、ここで用いた活性Kunitz Uは、「DNAを基質として、25℃、pH5.0において反応液1mlのA260の吸光度を1分間に0.001増加させるDNase活性を1Kunitz Uとする」と定義したものである。また、核酸分離精製カートリッジの核酸吸着性多孔膜でDNaseを作用させる工程における時間は、DNAとRNAを含む核酸混合物溶液中のDNA量と作用させるDNase濃度により異なるが5秒〜360分が好ましく、30秒〜180分がより好ましい。また、核酸分離精製カートリッジの核酸吸着性多孔膜でDNaseを作用させる工程における温度は4℃以上であればよく、10〜50℃が好ましく、反応効率を高めるため高温、例えば50〜70℃で行うこともできる。尚、「核酸吸着性多孔膜でDNaseを作用させる」とは、核酸吸着性多孔膜における、核酸が吸着している部位とDNaseを作用させることを意味し、「核酸吸着性多孔膜で」とは、酸吸着性多孔膜上に限らず、多孔膜における孔中や、膜の裏側の孔の出口等も含む。
次いで、核酸吸着性多性孔膜からRNAを脱離させて回収する工程について示す。
回収工程において、回収液は、チューブ、ピペット、又は自動注入装置、もしくはこれらと同じ機能をもつ供給手段を使用して、核酸吸着性多孔膜を装着した核酸分離精製カートリッジへ供給される。回収液は、核酸分離精製カートリッジの一の開口(核酸を含む試料溶液を注入した開口)から供給され、該開口に結合された圧力差発生装置(例えばスポイド、注射器、ポンプ、パワーピペットなど)を用いて核酸分離精製カートリッジ内を加圧状態にして核酸吸着性多孔膜を通過させ、一の開口と異なる開口より排出させることができる。また、回収液を一の開口から供給し、同じ一の開口より排出させることもできる。さらには、核酸分離精製カートリッジの核酸を含む試料溶液を供給した一の開口と異なる開口より回収液を供給し、排出させることも可能である。しかしながら、核酸分離精製カートリッジの一の開口から供給し、核酸吸着性多孔膜を通過させ、一の開口と異なる開口より排出さる方法が回収効率が優れてより好ましい。
検体から調整した核酸を含む試料溶液の体積に対して、回収液の体積を調整して核酸の脱離を行うことができる。分離精製された核酸を含む回収液量は、そのとき使用する検体量による。一般的によく使われる回収液量は数10から数100μlであるが、検体量が極微量である時や、逆に大量の核酸を分離精製したい場合には回収液量は1μlから数10mlの範囲で変える事ができる。
回収液としては好ましくは精製蒸留水、Tris-HCl バッファー、Tris/EDTAバッファー等が使用できる。また、回収した核酸をPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)に供する場合、PCR反応において用いる緩衝溶液(例えば、KCl 50mmol/L、Tris-HCl 10mmol/L、MgCl2 1.5mmol/Lを最終濃度とする水溶液)を用いることもできる。
回収液のpHは、pH2〜11であることが好ましい。さらには、pH5〜9であることが好ましい。特にイオン強度と塩濃度は吸着核酸の溶出に効果を及ぼす。回収液は、290mmol/L以下のイオン強度であることが好ましく、さらには、90mmol/L以下の塩濃度であることが好ましい。こうすることで、核酸の回収率が向上し、より多くの核酸を回収することができる。
回収液の体積を当初の核酸を含む試料溶液の体積と比較して少なくすることによって、濃縮された核酸を含む回収液を得ることができる。好ましくは、(回収液体積):(試料溶液体積)=1:100〜99:100、更に好ましくは、(回収液体積):(試料溶液体積)=1:10〜9:10にすることができる。これにより核酸分離精製後工程において濃縮のための操作をすることなく、簡単に核酸を濃縮できる。これらの方法により検体よりも核酸が濃縮されている核酸溶液を得る方法を提供できる。
また別の方法としては、回収液の体積を当初の核酸を含む試料溶液よりも多い条件で核酸の脱離を行うことにより、希望の濃度の核酸を含む回収液を得ることができ、次工程(PCRなど)に適した濃度の核酸を含む回収液を得ることができる。好ましくは、(回収液体積):(試料溶液体積)=1:1〜50:1、更に好ましくは、(回収液体積):(試料溶液体積)=1:1〜5:1にすることができる。これにより核酸分離精製後に濃度調整をする煩雑さがなくなるというメリットを得られる。更に、十分量の回収液を使用することにより、多孔膜からの核酸回収率の増加を図ることができる。
また、目的に応じて回収液の温度を変化させることで簡便に核酸を回収することができる。例えば、回収液の温度を0〜10℃にして多孔膜からの核酸の脱離を行うことで、酵素による分解を防止する何らかの試薬や特別な操作を加えることなく核酸分解酵素の働きを抑制して、核酸の分解を防ぎ、簡便に、効率よく核酸溶液を得ることができる。
また、回収液の温度を10〜35℃とした場合、一般的な室温で核酸の回収を実施することが出来、複雑な工程を必要とせずに核酸を脱離させて分離精製することができる。
また別の方法としては、回収液の温度を高温、例えば35〜70℃することで、多孔膜からの核酸の脱離を煩雑な操作を経ず簡便に高い回収率で実施することができる。
回収液注入後、多孔膜を回収液に浸漬することで回収量を上げることができる。浸漬時間が10秒以上であることが好ましく、30秒以上であることがさらに好ましい。
回収液の注入回数は限定されるものではなく、1回でも複数回でもよい。通常、迅速、簡便に核酸を分離精製する場合は、1回の回収で実施するが、大量の核酸を回収する場合等複数回にわたり回収液を注入する事がある。
回収工程においては、核酸の回収液をその後の後工程に使用できる組成にしておくことが可能である。分離精製された核酸は、しばしばPCR(ポリメラーゼチェインリアクション)法により増幅される。この場合、分離精製された核酸溶液はPCR法に適したバッファー液で希釈する必要がある。本方法による回収工程において、回収液にPCR法に適したバッファー液を用いることで、その後のPCR工程へ簡便、迅速に移行することができる。
また、回収工程において、核酸の回収液に回収した核酸の分解を防ぐための安定化剤を添加しておくことも可能である。安定化剤としては、抗菌剤、抗カヒ゛剤や核酸分解抑制剤などを添加することができる。核酸分解酵素の阻害剤としてはEDTAなどが上げられる。
また別の実施態様として、回収容器にあらかじめ安定化剤を添加しておくこともできる。
また、回収工程で用いられる回収容器には特に限定はないが、260nmの吸収が無い素材で作製された回収容器を用いることができる。この場合、回収した核酸溶液の濃度を、他の容器に移し替えずに測定できる。260nmに吸収のない素材は、例えば石英ガラス等が挙げられるがそれに限定されるものではない。
前記のRNA分離精製方法を行うための、核酸分離精製カートリッジと各工程における試薬をキットとすることができる。
上記の、少なくとも二個の開口を有する容器内に核酸吸着性多孔膜を収容した核酸分離精製カートリッジと圧力発生装置を用いて、核酸を含む検体から核酸を分離精製する工程は、工程を自動で行う自動装置を用いて行うことが好ましい。それにより、操作が簡便化および迅速化するだけでなく、作業者の技能によらず一定の水準の、核酸を得ることが可能になる。
以下に、少なくとも二個の開口を有する容器内に核酸吸着性多孔膜を収容した核酸分離精製カートリッジと圧力発生装置を用いて、核酸を含む検体から核酸を分離精製する工程を自動で行う自動で行う自動装置の例を示すが、自動装置はこれの限定されるものではない。
自動装置は、溶液が内部を通過可能な、核酸吸着性多孔膜を収容した核酸分離精製カートリッジを用い、該核酸分離精製カートリッジに核酸を含む試料液を注入し加圧して該試料液中の核酸を前記核酸吸着性多孔膜に吸着させた後、前記核酸分離精製カートリッジに洗浄液を分注し加圧して不純物を除去した後、前記核酸分離精製カートリッジに、回収液を分注し核酸吸着性多孔膜に吸着した核酸を脱離して回収液とともに回収する、分離精製動作を自動的に行う核酸分離精製装置であって、前記核酸分離精製カートリッジ、前記試料液および洗浄液の排出液を収容する廃液容器および前記核酸を含む回収液を収容する回収容器を保持する搭載機構と、前記核酸分離精製カートリッジに加圧エアを導入する加圧エア供給機構と、前記核酸分離精製カートリッジに洗浄液および回収を分注する分注機構とを備えてなることを特徴とするものである。
(1)核酸精分離製カートリッジの作製
内径7mm、核酸吸着性多孔膜を収容する部分を持つ核酸分離精製カートリッジ(以下、単に核酸精製カートリッジとも言う。)を作製する。
(2)核酸吸着性多孔膜として、トリアセチルセルロースの多孔膜を鹸化処理した多孔膜を使用し、上記(1)で作成した核酸精製カートリッジの核酸吸着性多孔膜収納部に収容
する。
[実施例1]
(3)核酸可溶化試薬溶液及び洗浄液の調製
下記に示す処方の核酸可溶化試薬溶液及び洗浄液を調製する。
(核酸可溶化試薬溶液−1)
グアニジンチオシアン酸塩(和光純薬社製) 3.5mol/L
BisTris(同仁化学社製) 0.25mol/L
塩酸を用いて、pH6.5に調製
(1.0容量%の2−メルカプトエタノールを使用前に添加。)
(核酸可溶化試薬−2)
Tween20(和光純薬社製) 15wt/vol%
BisTris(同仁化学社製) 0.1mol/L
塩酸を用いて、pH6.0に調製
(洗浄液)
Tris-HCl(pH7.5) 10mmol/L
塩化ナトリウム 100mmol/L
エタノール 70容量%
(回収液)
Tris-HCl(pH6.5) 1mmol/L
(4)核酸を含む試料溶液の調製
ビーズミルホモジナイザー(トミー精工製、MicroSmash)用2.0mlチューブに5mmφジルコニアボールを入れておく。液体窒素で急速凍結したマウス肝臓をハサミで小破片とし、30mgを上記2.0mlチューブにはかりとる。核酸可溶化試薬−1を350,385、420,455μlを加え、ビーズミルホモジナイザー(トミー精工製、MicroSmash)にて4200rpmにて120秒ホモジナイズする。15000rpmにて3分間、室温にて遠心分離し、組織破片を取らないように新しい1.5mlチューブに上清を移す。ここに核酸可溶化試薬−2を175μl加え、ボルテックスミキサーで15秒間攪拌する。さらに、99.5%以上特級エタノールを各々175,140,105,70μl加え、ボルテックスミキサーで1分間攪拌する(試料溶液中のエタノール終濃度はそれぞれ25,20,15,10%となる)。
(5)RNA分離精製操作
上記(4)で調製した試料溶液を上記(1)及び(2)で作成した核酸吸着性多孔膜を有する核酸精製カートリッジの一の開口に注入し、続いて上記一の開口に圧力差発生装置を結合し、核酸分離精製カートリッジ内を加圧状態にし、注入した核酸を含む試料溶液を、核酸吸着性多孔膜に通過させることで、核酸吸着性多孔膜に接触させ、核酸分離精製カートリッジの他の開口より排出する。続いて、上記核酸分離精製カートリッジの上記一の開口に、洗浄液を750μl注入し、上記一の開口に圧力差発生装置を結合し、核酸分離精製カートリッジ内を加圧状態にし、注入した洗浄液を核酸吸着性多孔膜に通過させ、他の開口より排出する。同様の操作を3回繰り返す。続いて、上記核酸分離精製カートリッジの上記一の開口に回収液を100μl注入し、120秒間室温にてインキュベートする。核酸分離精製カートリッジの上記一の開口に圧力差発生装置を結合して核酸分離精製カートリッジ内を加圧状態にし、注入した回収液を、核酸吸着性多孔膜に通過させ、他の開口より排出し、この液を回収する。
(6)洗浄工程通過時間と回収された核酸の回収量
上記(5)の操作における洗浄工程での洗浄液の多孔性膜通過時間(洗浄工程通過時間)と回収された核酸を含む回収液の濃度を測定した。測定法は260nmの吸光度を使用する方法を用いた。結果を表1に示す。
Figure 0004825528
表1から明らかなように、試料溶液中のエタノール濃度が10〜25%の場合に高純度なRNAが高収量得られていることが分かる。また、エタノール濃度が10〜25%の範囲では洗浄工程通過時間1分以下になっており、目詰まりしない。
以上のことから本発明により、処理可能な検体量を増大させ、結果としてRNAの回収量を増大させることが可能である。

Claims (6)

  1. (1)生体材料に核酸可溶化試薬を加えて混合液を作成し、さらに該混合液に、水溶性有機溶媒または水溶性有機溶媒を含む溶液を加えて試料溶液を作成する工程、
    (2)核酸を含む試料溶液を、核酸吸着性多孔膜に通過させて、該多孔膜に核酸を吸着させる工程、
    (3)洗浄液を核酸吸着性多孔膜に通過させて、RNAが吸着した状態で該多孔膜を洗浄する工程、及び
    (4)回収液を核酸吸着性多孔膜に通過させて、該多孔膜からRNAを脱離させる工程を含有するRNA分離精製方法において、
    前記核酸吸着性多孔膜が、トリアセチルセルロースの多孔膜を鹸化処理した、イオン結合が関与しない相互作用で核酸が吸着する多孔膜であり、
    前記水溶性有機溶媒が、メタノール、エタノール、プロパノール及びブタノールから選択される少なくとも1種のアルコールであり、
    且つ、前記試料溶液における水溶性有機溶媒濃度が10〜25容量%であるRNA分離精製方法。
  2. 前記アルコールが、エタノールである、請求項1に記載のRNA分離精製方法。
  3. 生体材料が細胞またはウイルスを含む検体である、請求項1又は2に記載のRNA分離精製方法。
  4. 細胞を含む検体が動物組織である、請求項3に記載のRNA分離精製方法。
  5. 前記(1)、(2)、(3)及び(4)の各工程において、核酸を含む試料溶液、洗浄液又は回収液の核酸吸着性多孔膜への通過を、少なくとも二個の開口を有する容器内に溶液が内部を通過可能な核酸吸着性多孔膜を収容した核酸分離精製カートリッジ及び圧力発生装置を用いて行い、且つ、該圧力発生装置が、核酸分離精製カートリッジの一の開口に着脱可能に結合されるポンプである請求項1〜4のいずれか一項に記載のRNA分離精製方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のRNA分離精製方法を行うための、核酸分離精製カートリッジと試薬のキット。
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