本発明は、ベンズイミダゾール誘導体、薬物としてのベンズイミダゾール誘導体、1つまたは複数のキナーゼ、好ましくはrafキナーゼの阻害因子としてのベンズイミダゾール誘導体、医薬品を製造するためのベンズイミダゾール誘導体の使用、前記ベンズイミダゾール誘導体を含有する医薬品組成物を製造する方法、前記方法によって得られる医薬品組成物および前記医薬品組成物を投与することを含む治療の方法に関する。
タンパク質リン酸化は細胞機能調節のための基本的な過程である。タンパク質キナーゼおよびホスファターゼの両方の協調的動きがリン酸化の水準を支配し、それ故特定の標的タンパク質の活性を支配する。タンパク質リン酸化の主要な役割の1つは、シグナル変換にあって、そこでは細胞外シグナルが、例えばp21ras/raf経路において、タンパク質リン酸化および脱リン酸化が連続して発生することにより、増幅され、増殖される。
そのp21ras遺伝子は、Harvey(ラスH)およびKirsten(ラスK)ラット肉腫ウイルスの腫瘍遺伝子として発見された。ヒトにおいては、細胞ラス遺伝子(c−ラス)の特徴のある突然変異体が多くの異なるタイプの癌と関連づけられている。これらの突然変異による対立遺伝子は、ラスを活性化して構成性にし、マウス細胞株NIH3T3等の細胞を培養液中で変換することが示されている。
そのp21ras腫瘍遺伝子は、ヒト固形癌を発展および進行させる主な誘因であり、すべてのヒトの癌の30%の割合で突然変異を受ける(Boltonなど、(1994)Ann.Rep.Med.Chem., 29, 165〜74;Bos、(1989)Cancer Res., 49, 4682〜9)。その正常な、突然変異していない形においてラスタンパク質は、殆どすべての組織における成長因子受容体によって方向付けられるシグナル変換カスケードの重要な要素である(Avruch等、(1994)Trends Biochem.Sci., 19, 279〜83)。
生化学的に、ラスは、グアニンヌクレオチド結合タンパク質であり、GTP結合活性化形とGDP結合静止形の間の循環は、ラス遺伝子の内因性GTP酵素活性およびその他の調節タンパク質によって厳密に制御される。ラス遺伝子産物は、グアニン三リン酸(GTP)およびグアニン二リン酸(GDP)に結合し、GTPをGDPに加水分解する。活性であるのはラスのGTP結合状態である。癌細胞中のラス突然変異体においては、内因性GTP酵素活性が緩和され、そのために、タンパク質は酵素rafキナーゼ等の下流のエフェクターに構成性成長シグナルを伝達する。これによりこれらの突然変異体を運ぶ細胞の癌性増殖が引き起こされる(Magnuson等、(1994)Semin.Cancer Biol., 5, 247〜53)。そのラスプロト腫瘍遺伝子は、高等真核生物中の受容体および非受容体チロシンキナーゼにより発せられた成長および識別シグナルを変換するためには、機能的に無傷のc−raf1プロト腫瘍遺伝子を必要とする。
活性化されたラスは、c−raf1プロト腫瘍遺伝子の活性化にとって必要であるが、ラスがRaf−1タンパク質(Ser/Thr)キナーゼを活性化する生化学的ステップは今や十分に特性化されている。rafキナーゼに非活性化抗体を投与するかまたは優性阻害rafキナーゼまたはrafキナーゼの担体である優性阻害MEK(MAPKK)の共発現によってrafキナーゼシグナル経路を阻害することによる活性なラスの影響を阻害することは、変形した細胞の正常な成長表現型への復帰をもたらすことが示されており、Daum等、(1994)Trends Biochem.Sci.19 474〜80、Fridman等、(1994)J Biol.Chem.269 30105〜8、Kolch等(1991)Nature 349 426〜28、および総論を見るにはWeinstein-Oppenheimer等、Pharm.& Therap.(2000), 88, 229〜279を参照されたい。
同様に、rafキナーゼの(アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドによる)阻害は、インビトロおよびインビボにおいて、様々なヒト腫瘍タイプの成長の阻害と相互に関連付けられている(Monia等、Nat.Med. 1996, 2, 668〜75)。
Rafセリンおよびトレオニン特異的タンパク質キナーゼは、様々な細胞系における細胞増殖を刺激する細胞質内酵素である(Rapp, U.R.等、「The oncogene handbook」(1988);T.Curran, E.P.Reddy及びA.Skalka(編)Elsevier Science Publishers;The Netherlands,213〜253頁;Rapp,U.R.等(1988)Cold Spring Harbor Sym.Quant.Biol. 53:173〜184;Rapp,U.R.等(1990)Inv Curr.Top.Microbiol.Amunol.PotterおよびMelchers(編集者),Berlin,Springer-Verlag 166:129〜139)。
3個のアイソザイム:c−Raf(Raf−1)(Bonner,T.I., 等(1986)Nucleic Acids Res.14:1009〜1015)、A−Raf(Beck,T.W.等(1987)Nucleic Acids Res.15:595〜609)、およびB−Raf(Qkawa,S.等(1998)Mol.Cell.Biol.8:2651〜2654;Sithanandam,G.等(1990)Oncogene:1775)が特性化された。これらの酵素は様々な組織中でそれらの発現が異なる。Raf−1は、試験したすべての臓器およびすべての細胞株中で発現し、A−RafおよびB−Rafは、それぞれ尿生殖および脳組織中で発現する(Storm,S.M.(1990)Oncogene 5:345〜351)。
Raf遺伝子は、プロト腫瘍遺伝子であり、それらは、特別に改変された形で発現したとき、細胞の悪性転換を開始することができる。発癌活性化をもたらす遺伝子の変化は、タンパク質のN末端の負の調整ドメインによる除去または妨害により、構成性が活発なタンパク質キナーゼを発生する(Heidecker,G.等(1990)Mol.Cell.Biol.10:2503〜2512;Rapp, U.R.等「Oncogenes and cancer」;S.A.Aaronson, J.Bishop, T.Sugimura, M.Terada, K.ToyoshimaおよびP.K.Vogt(編)Japan Scientific Press, 東京)。腫瘍遺伝子的に活性化されているが野生型の変種ではない大腸菌発現ベクターにより調製されたRafタンパク質を、NIH3T3細胞中にマイクロインジェクションすることにより形態変換が引き起こされ、DNA合成が刺激される(Rapp,U.R.等「Oncogenes and cancer」(1987);S.A.Aaronson, J.Bishop,T.Sugimura,M.Terada,K.ToyoshimaおよびP.K.Vogt(編集者)Japan Scientific Press, 東京;Smith,M.R.等(1990)Mol.Cell.Biol.10:3828〜3833)。B−Rafの活性突然変異体が、広範囲のヒトの癌、例えば、大腸癌、卵巣癌、メラノーマおよび肉腫において確認されている(Davies,H.等(2002), Nature 417 949〜945。2002年6月9日、オンライン公開、1.01038/nature00766)。その優勢な突然変異体は、キナーゼ活性化ドメイン(V599E)における単一のホスホミメティック(phosphomimetic)置換であり、構成性のキナーゼ活性およびNIH3T3細胞の形質転換を引き起こす。
したがって、活性化Raf−1は細胞増殖の細胞内活性剤である。マイトジェンの候補となる下流エフェクター中のRaf−1タンパク質セリンキナーゼは、Raf腫瘍遺伝子が、細胞突然変異(ラス復帰突然変異体細胞)または抗ラス抗体のマイクロインジェクションのいずれかによる細胞のラス活性阻害に起因する増殖停止に打ち勝つと、形質導入のシグナルを伝達する(Rapp,U.R.等「The Oncogene Handbook」, (1988);T.Curran, E.P.ReddyおよびA.Skalka(編) Elsevier Science Publishers;The Netherlands, 213-253頁;Smith,M.R.等(1986)Nature(London)320:540〜543)。
c−Rafの機能は、様々な膜結合型の腫瘍遺伝子による形質転換および血清中に含有されているマイトジェンによる増殖促進にとって必要である(Smith,M.R.等(1986)Nature(London)320:540〜543)。Raf−1タンパク質セリンキナーゼ活性は、マイトジェンによりリン酸化反応を経て調整され(Morrison,D.K.等(1989) Cell 58:648〜657)、それは、また、副次的な細胞分布に影響する(Olah,Z.等(1991) Exp.Brain Res.84:403;Rapp,U.R.等(1988) Cold Spring Harbor Sym.Quant.Biol.53:173〜184)。Raf−1活性化増殖因子としては、血小板由来の増殖因子(PDGF)(Morrison,D.K.等(1988) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:8855〜8859)、コロニー刺激因子(Baccarini,M.等(1990)EMBO J.9:3649〜3657)、インスリン(Blackshear,P.J.等(1990)J.Biol.Chem.265:12115〜12118)、上皮細胞増殖因子(EGF)(Morrison,R.K.等(1988) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:8855〜8859)、インターロイキン2(Turner,B.C.等(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:1227)、ならびにインターロイキン3および顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(Carroll,M.P.等(1990)J.Biol.Chem.265:19812〜19817)が挙げられる。
細胞のマイトジェン処理をすると、一時的に活性化されてRaf−1タンパク質セリンキナーゼは、核周囲領域および細胞核に転位する(Olah,Z.等(1991)Exp.Brain Res. 84:403;Rapp,U.R.等(1988)Cold Spring Habor Sym.Quant.Biol.53:173〜184)。活性化したRafを含有する細胞は、それらの遺伝子発現のパターンが改変され(Heidecker,G.等(1989)「Genes and signal transduction in multistage carcinogenesis」、N.Colburn(編), Marcel Dekker,Inc.,New York, 339〜374頁)、Raf腫瘍遺伝子は、一過性トランスフェクションアッセイにおいてAp−I/PEA3に依存するプロモーターからの転写を活性化する(Jamal,S.等(1990)Science 344:463〜466;Kaibuchi,K.等(1989)J.Biol.Chem.264:20855〜20858;Wasylyk,C.等(1989)Mol.Cell.Biol.9:2247〜2250)。
細胞外のマイトジェンによるRaf−1活性化に対する少なくとも2つの独立した経路が存在し、1つは、タンパク質キナーゼC(KC)を含み、2番目は、タンパク質チロシンキナーゼにより開始する(Blackshear,P.J.等(1990) J.Biol.Chem.265:12131〜12134;Kovacina,K.S.等(1990)J.Biol.Chem.265:12115〜12118;Morrison,D.K.等(1988) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:8855〜8859;Siegel,J.N.等(1990)J.Biol.Chem.265:18472〜18480;Turner,B.C.等(1991) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:1227)。いずれの場合も、活性化はRaf−1タンパク質リン酸化反応を伴う。Raf−1リン酸化反応は、自動リン酸化反応により増幅されたキナーゼカスケードの結果であり得、またはもっぱら、ジアシルグリセロールによるPKC活性化に類似した想定される活性化リガンドのRfa−1調整ドメインへの結合により開始される自動リン酸化反応により引き起こされ得る(Nishizuka,Y.(1986) Science 233:305〜312)。
血管新生の過程は、前から存在する管脈構造からの一般に毛細血管である新たな血管の発達である。血管新生は1つまたは複数の以下のステップを含むものとして定義される:(i)内皮細胞の活性化、(ii)血管透過性の増大、(iii)一時的な線維素ゲル細胞外マトリックスの形成を引き起こす基底膜のその後の溶解および血漿成分の血管外遊出、(iv)内皮細胞の増殖および動員、(v)機能的毛細血管を形成する動員された内皮細胞の再構築、(vi)ループ状毛細血管の形成、および(vii)基底膜の沈着および新しく形成された血管への血管周辺細胞の補充。
正常な血管新生は、組織増殖の間、胚発生から成熟するまでを通して活性化され、次いで成人期中は、比較的無活動の期間に入る。
正常な血管新生は、また、創傷治癒の間、および女性の生殖周期の一定の段階で活性化される。不適切または病的な血管新生は、様々な網膜症、虚血性疾病、アテローム性動脈硬化症、慢性炎症性疾患、関節リューマチ、および癌を含むいくつかの疾病状態と関連している。疾病状態における血管新生の役割は、例えば、Fan等のTrends in Pharmacol Sci. 16:54 66;ShawverなどのDOT Vol.2, No.2 1997年2月;Folkmann, 1995, Nature Medicine 1:27〜31で議論されている。
癌においては、固形腫瘍の増殖は、血管新生依存性であることが示されている(Folkmann,J., J.Nat'l.Cancer Inst., 1990, 82, 4〜6参照)。したがって、プロ血管新生経路を標的にすることは、大きな、いまだ満たされていない医学的ニーズのあるこれら領域における新たな治療法を提供するために幅広く追求されている戦略である。
Rafは血管新生過程に含まれる。内皮増殖因子(例えば血管内皮細胞増殖因子VEGF)は、受容体チロシンキナーゼ(例えばVEGFR−2)を活性化し、Ras/Raf/Mek/Erkキナーゼカスケードを通してシグナルを伝達する。VEGFによるVEGFR−2の活性化は腫瘍の血管新生を開始するシグナル変換経路における重要なステップである。VEGFの発現は、腫瘍細胞に対して構成性であり、また、ある一定の刺激に対する応答が上方に調節され得る。上記刺激の1つは、VEGFの発現が、腫瘍および関連する宿主組織の両方において上方に調節される低酸素状態である。VEGFリガンドは、その細胞外のVEGF結合部位と結合することによってVEGFR−2を活性化する。これにより、VEGFRの受容体二量体化およびVEGFR−2の細胞内キナーゼドメインにおけるチロシン残基の自動リン酸化反応がもたらされる。そのキナーゼドメインは、リン酸塩をATPからチロシン残基に移動するように作用し、かくして、VEGFR−2の下流のシグナル発信タンパク質のための結合部位を提供し、最終的に血管新生の開始に導く(McMahon,G., The Oncologist, Vol.5, NO.90001, 3〜10, 2000年4月)。
Braf遺伝子中に標的破壊のあるマウスは、発育中に血管障害で死亡する(Wojnowski,L.等1997, Nature genetics 16, 293〜296頁)。これらのマウスは、脈管系形成および血管新生における欠陥、例えば、拡大した血管および分化した内皮細胞のアポトーシス死の増加を示す。
シグナル変換経路の確認および他のシグナル経路との混信の探知のため、適切なモデルまたはモデルシステムが様々な科学者により生み出されており、例えば、細胞培養モデル(例えば、Khwaja等、EMBO, 1997, 16, 2783〜93)およびトランスジェニック動物モデル(例えば、White等、Oncogene, 2001, 20, 7064〜7072)がある。シグナル変換カスケードにおける特定のステップを試験するために、シグナル変調に対して干渉化合物を使用することができる(例えば、Stephens等、Biochemical J., 2000, 351, 95〜105)。本発明による化合物もまた、動物および/または細胞培養モデルまたは本出願を通して掲げた任意の臨床的障害におけるキナーゼに依存するシグナル変換経路を試験するための試薬として有用である。
キナーゼ活性の測定は、当業者であればそれぞれ実行できるよく知られた技術である。基質、例えばヒストン(例えば、Alessi等、FEBS Lett. 1996, 399, 3, 333〜8頁)またはミエリン塩基性タンパク質によるキナーゼ活性の検出に対する一般的な試験システムは、文献(例えば、Campos-Gonzalez,R. およびGlenney,Jr., J.R.1992 J.Biol.Chem. 267, 14535頁)に詳細に記載されている。
キナーゼ阻害因子の確認のため様々な定量法が利用できる(例えば、Walters等、Nature Drug Discovery 2003, 2;259〜266頁を参照)。例えば、シンチレーション近接アッセイ(例えば、Sorg等、J.of.Biomolecular Screening, 2002, 7, 11〜19)またはフラッシュプレートアッセイ(flashplate assay)において、基質としてのタンパク質またはペプチドのγATPによる放射能リン酸化反応を測定することができる。阻害化合物の存在下ではシグナルまたは減少した放射能シグナルを検出できない。さらに、ホモジニアス時間分解蛍光共鳴エネルギー転移(HTR−FRET)、および蛍光偏光(FP)技術が、アッセイ方法として有用である(例えば、Sills等、J.of Biomolecular Screening, 2002, 191〜214)。
その他の非放射能ELISA系アッセイ方法は特異的リン酸化抗体(AB)を使用する。そのリン酸化ABはリン酸化した基質のみに結合する。この結合は、第二級ペルオキシダーゼ共役抗体により、例えば化学発光による測定によって検出できる(例えば、Ross等、Biochem.J., 2002, 366, 977〜981)。
本発明は、一般的にはベンズイミダゾール誘導体として記載されるアリールおよび/またはヘテロアリール誘導体の両方を含み、好ましくはキナーゼ疎外因子であり、より好ましくは酵素rafキナーゼの阻害因子である化合物を提供する。酵素はp21rasの下流エフェクターであるので、1つまたは複数のキナーゼ経路、好ましくはrafキナーゼ経路の阻害が、例えばrafキナーゼが介在する腫瘍および/または癌性の細胞増殖の治療において示される場合、その阻害因子はヒトまたは家畜の使用に対する医薬品組成物に有用である。特に、その化合物は、ヒトまたは動物の固形癌、例えばネズミ癌の治療に有用であり、それはこれらの癌の進行がラスタンパク質シグナル変換カスケードに依存し、そのため、そのカスケードを妨害することにより、すなわち1つまたは複数のキナーゼを阻害する、好ましくはrafキナーゼを阻害することにより治療の余地があるためである。したがって、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩は、1つまたは複数のキナーゼ経路、好ましくはrafキナーゼ経路が介在する疾病、例えば、癌腫(例えば、肺、膵臓、甲状腺、膀胱または大腸の)、脊髄の障害(例えば、骨髄性白血病)またはアデノーマ(例えば、大腸絨毛腺腫)等の固形癌を含む特に癌、病的な血管新生および転移細胞移動の治療のために投与される。その上、該化合物は、補体活性化による慢性炎症(Niculescu等、(2002)Immunol.Res., 24:191〜199)およびHIV−1(ヒト免疫不全ウィルスタイプ1)誘発性免疫欠損(Popik等、(1998)J Virol, 72:6406〜6413)の治療において有用である。
したがって、本発明の対象は、式I
であって、式中、
R6、R7は、互いに独立にH、A、またはSO2Aであって、
Aは、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アルキレンシクロアルキル、アルコキシおよびアルコキシアルキルからなる群から独立に選択され、
R8、R9、R10は、H、A、3から7個の炭素原子を含むシクロアルキル、Hal、CH2Hal、CH(Hal)2、C(Hal)3、NO2、(CH2)nCN、(CH2)nNR11R12、(CH2)nOR11、(CH2)nO(CH2)kNR11R12、(CH2)nCOOR12、(CH2)nCONR11R12、(CH2)nNR11COR13、(CH2)nNR11CONR11R12、(CH2)nNR11SO2A、(CH2)nSO2NR11R12、(CH2)nS(O)uR13、(CH2)nOC(O)R13、(CH2)nCOR13、(CH2)nSR11、CH=N−OA、CH2CH=N−OA、(CH2)nNHOA、(CH2)nCH=N−R11、(CH2)nOC(O)NR11R12、(CH2)nNR11COOR12、(CH2)nN(R11)CH2CH2OR13、(CH2)nN(R11)CH2CH2OCF3、(CH2)nN(R11)C(R13)HCOOR12、C(R13)HCOR12、(CH2)nN(R11)CH2CH2N(R12)CH2COOR12、(CH2)nN(R11)CH2CH2NR11R12、CH=CHCOOR11、CH=CHCH2NR11R12、CH=CHCH2NR11R12、CH=CHCH2OR13、(CH2)nN(COOR11)COOR12、(CH2)nN(CONH2)COOR11、(CH2)nN(CONH2)CONH2、(CH2)nN(CH2COOR11)COOR12、(CH2)nN(CH2CONH2)COOR11、(CH2)nN(CH2CONH2)CONH2、(CH2)nCHR13COR11、(CH2)nCHR13COOR11、(CH2)nCHR13CH2OR14、(CH2)nOCNおよび(CH2)nNCO
からなる群から独立に選択される。
R11、R12は、H、A、(CH2)mAr3および(CH2)mHetからなる群から独立に選択され、またはNR11R12において、
R11、R12は、それらが結合しているN原子と共に、N、OおよびSから選択された1個または2個のさらなるヘテロ原子を場合により含有する5、6または7員の複素環を形成しており、
R13、R14は、H、Hal、A、(CH2)mAr4および(CH2)mHetからなる群から独立に選択され、
Ar3、Ar4は、互いに独立に、A、Hal、NO2、CN、OR15、NR15R16、COOR15、CONR15R16、NR15COR16、NR15CONR15R16、NR16SO2A、COR15、SO2R15R16、S(O)uAおよびOOCR15からなる群から選択された1つまたは複数の置換基により場合により置換されている、5から12個、好ましくは5から10個の炭素原子を含む芳香族炭化水素残基である。
Hetは、A、Hal、NO2、CN、OR15、NR15R16、COOR15、CONR15R16、NR15COR16、NR15CONR15R16、NR16SO2A、COR15、SO2R15R16、S(O)uAおよびOOCR15からなる群から選択された1つまたは複数の置換基により場合により置換されている飽和、不飽和または芳香族複素環残基であり、
R15、R16は、H、Aおよび(CH2)mAr6からなる群から独立に選択され、ただし
Ar6は、メチル、エチル、プロピル、2−プロピル、t−ブチル、Hal、CN、OH、NH2およびCF3からなる群から選択された1つまたは複数の置換基により場合によって置換されている5または6員の芳香族炭化水素であり、
k、mおよびnは、互いに独立に、0、1、2、3、4または5である。
Xは、結合を表すかまたは(CR11R12)h、もしくは(CHR11)h−Q−(CHR12)iであって、ただし
Qは、O、S、N−R15、(CHal2)j、(O−CHR18)j、(CHR18−O)j、CR18=CR19、(O−CHR18CHR19)j、(CHR18CHR19−O)j、C=O、C=S、C=NR15、CH(OR15)、C(OR15)(OR20)、C(=O)O、OC(=O)、OC(=O)O、C(=O)N(R15)、N(R15)C(=O)、OC(=O)N(R15)、N(R15)C(=O)O、CH=N−O、CH=N−NR15、S=O、SO2、SO2NR15およびNR15SO2からなる群から選択され、ただし
R18、R19、R20は、R8、R9およびR10に対して示した意味から独立に選択されて、好ましくは、H、A、Hal、CH2Hal、CH(Hal)2、C(Hal)3、NO2、(CH2)nCN、(CH2)nOR11、(CH2)nNR11R12、(CH2)nO(CH2)kNR11R12、(CH2)nCOOR13、(CH2)nCONR11R12、(CH2)nNR11COR13、(CH2)nNR11CONR11R12、(CH2)nNR11SO2A、(CH2)nSO2NR11R12、(CH2)nS(O)uR13、(CH2)nCOR13、(CH2)nSR11、(CH2)nNHOAおよび(CH2)nNR11COOR13からなる群から好ましくは独立に選択され、
h、iは、互いに独立に、0、1、2、3、4、5、または6であり、
jは、0、1、2、3、4、5、または6であり、
Yは、O、S、NR21、C(R22)−NO2、C(R22)−CNおよびC(CN)2から選択され、ただし
R21は、R13、R14に対して示した意味から独立に選択され、
R22は、R11、R12に対して示した意味から独立に選択され、
p、rは、互いに独立に、0、1、2、3、4または5であり、
qは、0、1、2、3または4で、好ましくは0、1または2であり、
uは、0、1、2または3で、好ましくは0、1または2であり、
Halは、F、Cl、BrおよびIからなる群から独立に選択され、
それらの互変異性型、およびそれの薬学的に許容されるそれらの誘導体、溶媒和物、塩および立体異性体とすべての割合のそれらの混合物を含むものであり、より好ましくはそれらの塩および/または溶媒和物であり、特に好ましくは生理学的に許容されるそれらの塩および/または溶媒和物である。
さらにより好ましいのは、式Iの化合物であって
式中、
Ar2は、6から10個、特に6個の炭素原子を含有する芳香族炭化水素および3から8個、特に4から6個の炭素原子と、N、OおよびSから独立に選択された、特にNおよびOから選択された1個または2個のへテロ原子とを含有する、エチレン性不飽和または芳香族複素環残基から選択され、
R8、R9、R10は、H、A、シクロアルキル3から7個の炭素原子、Hal、CH2Hal、CH(Hal)2、C(Hal)3、NO2、(CH2)nCN、(CH2)nOR11、(CH2)nNR11R12、(CH2)nO(CH2)kNR11R12、(CH2)nCOOR13、(CH2)nCONR11R12、(CH2)nNR11COR13、(CH2)nNR11CONR11R12、(CH2)nNR11SO2A、(CH2)nSO2NR11R12、(CH2)nS(O)uR13、(CH2)nOC(O)R13、(CH2)nCOR13、(CH2)nSR11、(CH2)nNHOA、(CH2)nNR11COOR13、(CH2)nN(R11)CH2CH2OR13、(CH2)nN(R11)CH2CH2OCF3、(CH2)nN(R11)C(R13)HCOOR8、(CH2)nN(R11)、C(R13)HCOR8、(CH2)nN(COOR13)COOR14、(CH2)nN(CONH2)COOR13、(CH2)nN(CONH2)CONH2、(CH2)nN(CH2COOR13)COOR14、(CH2)nN(CH2CONH2)COOR13、(CH2)nN(CH2CONH2)CONH2、(CH2)nCHR13COR14、(CH2)nCHR13COOR14および(CH2)nCHR13CH2OR14
からなる群から独立に選択され、
Xは、結合を表すかまたは(CR11R12)h、もしくは(CHR11)h−Q−(CHR12)iであって、ただし
Qは、O、S、N−R15、(CHal2)j、(O−CHR18)j、(CHR18−O)j、CR18=CR19、(O−CHR18CHR19)j、(CHR18CHR19−O)j、C=O、C=NR15、CH(OR15)、C(OR15)(OR20)、C(=O)N(R15)、N(R15)C(=O)、CH=N−NR15、S=O、SO2、SO2NR15およびNR15SO2からなる群から選択され、ただし
h、iは、互いに独立に、0、1、2、3、4、5または6、好ましくは0、1、2または3であり、
jは、1、2、3、4、5または6、好ましくは1、2、3または4であり、
pは、1、2、3または4、好ましくは1、2または3であり、
rは、0、1、2または3、好ましくは0、1または2である化合物、
それらの互変異性型、および薬学的に許容されるそれらの誘導体、溶媒和物、塩および立体異性体とすべての割合のそれらの混合物を含むものであり、より好ましくはそれらの塩および/または溶媒和物であり、特に好ましくは生理学的に許容されるそれらの塩および/または溶媒和物である。
本明細書で使用する用語の「有効量」とは、例えば研究者または臨床家が探求中の組織、系、動物または人の生物学的または医学的反応が顕在化する薬または医薬品作用物質の量を意味する。さらに、用語「治療有効量」とは、当該量を受けたことがない対応する被検者と比較して、疾病、障害、または副作用の改善された、治療、治癒、阻害、または回復、あるいは疾病または障害の進行速度の減少をもたらす量を意味する。その用語は、また、その範囲の中に、正常な生理的機能を高めるのに有効な量も含む。
本明細書で使用する用語の「アルキル」とは、1個から12個までの炭素原子を有しており、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキルスルファニル、C1〜C6アルキルスルフェニル、C1〜C6アルキルスルホニル、オキソ、ヒドロキシ、メルカプト、アルキルにより場合により置換されているアミノ、カルボキシ、アルキルにより場合により置換されているカルバモイル、アルキルにより場合により置換されているアミノスルホニル、ニトロ、シアノ、ハロゲン、または複数段階の置換が許容されるC1〜C6ペルフルオロアルキルからなる群から選択される置換基によって場合により置換されている直線または枝分かれした鎖状炭化水素を好ましくは指す。本明細書で使用する「アルキル」の例としては、非限定で、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチルなどが挙げられる。
本明細書で使用する用語の「アルキレン」とは、1個から10個までの炭素原子を有しており、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキルスルファニル、低級アルキルスルフェニル、低級アルキルスルホニル、オキソ、ヒドロキシ、メルカプト、アルキルにより場合により置換されているアミノ、カルボキシ、アルキルにより場合により置換されているカルバモイル、アルキルにより場合により置換されているアミノスルホニル、ニトロ、シアノ、ハロゲンおよび低級ペルフルオロアルキルを含む群から選択される置換基によって場合により置換されており、複数段階の置換が許容される直線または枝分かれした鎖状二価の炭化水素基を好ましくは指す。本明細書で使用する「アルキレン」の例としては、非限定で、メチレン、エチレン、n−プロピレン、n−ブチレンなどが挙げられる。
本明細書で使用する用語の「ハロゲン」または「ハロ」とは、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)またはヨウ素(I)を好ましくは指す。
本明細書で使用する用語の「ハロアルキル」とは、ハロゲンが本明細書で定義したものである少なくとも1種のハロゲンにより置換されている少なくとも1個、最大で6個の炭素原子を好ましくは含有している上で定義したアルキル基を好ましくは指す。本発明で有用な枝分かれまたは直鎖状「ハロアルキル」基の例としては、非限定で、1種または複数種のハロゲン、例えばフルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードにより独立に置換されている、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチルおよびn−ブチルが挙げられる。
本明細書で使用する用語の「シクロアルキル」とは、3個から7個までの炭素原子を有しており、アルキルリンカー、好ましくはC1〜C6アルキルリンカーを場合により含んでおり、それにより結合させることができる非芳香族環状炭化水素環を好ましくは指す。そのアルキル基またはC1〜C6アルキル基は上で定義したものである。「シクロアルキル」基としては、非限定で、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルが挙げられる。
本明細書で使用する用語の「シクロアルキレン」とは、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキルスルファニル、低級アルキルスルフェニル、低級アルキルスルホニル、オキソ、ヒドロキシ、メルカプト、アルキルにより場合により置換されているアミノ、カルボキシ、アルキルにより場合により置換されているカルバモイル、アルキルにより場合により置換されているアミノスルホニル、ニトロ、シアノ、ハロゲン、低級ペルフルオロアルキルを含む群から選択された置換基によって場合によって置換された複数段階の置換が許容される3個から7個までの炭素原子を好ましくは有する非芳香族脂環式二価の炭化水素基を好ましくは指す。本明細書で使用する「シクロアルキレン」の例としては、非限定で、シクロプロピル−1,1−ジイル、シクロプロピル−1,2−ジイル、シクロブチル−1,2−ジイル、シクロペンチル−1,3−ジイル、シクロヘキシル−1,4−ジイル、シクロヘプチル−1,4−ジイル、またはシクロオクチル−1,5−ジイル、などが挙げられる。
本明細書で使用する用語の「複素環式」または用語「ヘテロシクリル」とは、1つまたは複数の不飽和の度合いを有しており、S、SO、SO2、OまたはNから選択される1つまたは複数のへテロ原子置換を含有しており、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルスルファニル、ハロアルキルスルファニル、アルキルスルフェニル、アルキルスルホニル、オキソ、ヒドロキシ、メルカプト、アルキルにより場合により置換されているアミノ、カルボキシ、アルキルにより場合により置換されているカルバモイル、アルキルにより場合により置換されているアミノスルホニル、ニトロ、シアノ、ハロゲン、またはペルフルオロアルキルからなる群から選択される置換基により場合により置換されていて、複数段階の置換が許容される、3から12員の複素環式環を好ましくは指す。上記環は、1つまたは複数の他の「複素環式」環(1つまたは複数)またはシクロアルキル環(1つまたは複数)と場合により縮合していてもよい。「複素環式」部分の例としては、非限定で、テトラヒドロフラン、ピラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、テトラヒドロチオピラン、テトラヒドロチオフェン、などが挙げられる。
本明細書で使用する用語の「ヘテロシクリレン」とは、1つまたは複数段階の不飽和を有しており、S、SO、SO2、OまたはNから選択される1つまたは複数のへテロ原子を含有し、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキルスルファニル、低級アルキルスルフェニル、低級アルキルスルホニル、オキソ、ヒドロキシ、メルカプト、アルキルにより場合により置換されているアミノ、カルボキシ、アルキルにより場合により置換されているカルバモイル、アルキルにより場合により置換されているアミノスルホニル、ニトロ、シアノ、ハロゲン、低級ペルフルオロアルキルを含む群から選択された置換基によって場合によって置換されていて、複数段階の置換がされていてもよい3から12員の複素環式環ジラジカルを好ましくは指す。上記環は、1つまたは複数のベンゼン環または1つまたは複数の別の「複素環式」環またはシクロアルキル環と場合により縮合していてもよい。「ヘテロシクリレン」の例としては、非限定で、テトラヒドロフラン−2,5−ジイル、モルホリン−2,3−ジイル、ピラン−2,4−ジイル、1,4−ジオキサン−2,3−ジイル、1,3−ジオキサン−2,4−ジイル、ピペリジン−2,4−ジイル、ピペリジン−1,4−ジイル、ピロリジン−1,3−ジイル、モルホリン−2,4−ジイル、などが挙げられる。
本明細書で使用する用語の「アリール」とは、場合により置換されているベンゼン環、または1つまたは複数の場合により置換されているベンゼン環に縮合して、例えば、アントラセン、フェナントレン、またはナフタレン環系を形成している場合により置換されているベンゼン環系を好ましくは指す。典型的な場合による置換基としては、アルキル、アルコキシ、アルキルスルファニル、アルキルスルフェニル、アルキルスルホニル、オキソ、ヒドロキシ、メルカプト、アルキルにより場合によって置換されているアミノ、カルボキシ、テトラゾリル、アルキルにより場合により置換されているカルバモイル、アルキルにより場合により置換されているアミノスルホニル、アシル、アロイル、ヘテロアロイル、アシルオキシ、アロイルオキシ、ヘテロアロイルオキシ、アルコキシカルボニル、ニトロ、シアノ、ハロゲン、ペルフルオロアルキル、ヘテロアリール、またはアリールが挙げられ、複数段階の置換も許容される。「アリール」基の例としては、非限定で、フェニル、2−ナフチル、1−ナフチル、ビフェニル、ならびにそれらの置換誘導体が挙げられる。
本明細書で使用する用語の「アリーレン」とは、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキルスルファニル、低級アルキルスルフェニル、低級アルキルスルホニル、オキソ、ヒドロキシ、メルカプト、アルキルにより場合によって置換されているアミノ、カルボキシ、テトラゾリル、アルキルにより場合により置換されているカルバモイル、アルキルにより場合により置換されているアミノスルホニル、アシル、アロイル、ヘテロアロイル、アシルオキシ、アロイルオキシ、ヘテロアロイルオキシ、アルコキシカルボニル、ニトロ、シアノ、ハロゲン、低級ペルフルオロアルキル、ヘテロアリール、およびアリールを含む群から選択された置換基によって場合により置換されており、複数段階の置換も許容されるベンゼン環ジラジカルまたは1つまたは複数の場合によって置換されているベンゼン環に縮合しているベンゼン環系ジラジカルを好ましくは指す。「アリーレン」の例としては、非限定で、ベンゼン−1,4−ジイル、ナフタレン−1,8−ジイル、アントラセン−1,4−ジイル、などが挙げられる。
本明細書で使用する用語の「アラルキル」とは、好ましくはアルキルリンカーを介して結合している本明細書で定義されているアリールまたはヘテロアリール基を指し、ただしアルキルは本明細書で定義されているものである。「アラルキル」の例としては、非限定で、ベンジル、フェニルプロピル、2−ピリジルメチル、3−イソキサゾリルメチル、5−メチル−3−イソキサゾリルメチルおよび2−イミダゾリルメチルが挙げられる。
本明細書で使用する用語の「ヘテロアリール」とは、単環式5から7員の芳香族環、または該単環式5から7員の芳香族環の2個を含む縮合二環式芳香族環系を好ましくは指す。これらのヘテロアリール環は、N酸化物および硫黄酸化物ならびに二酸化物が、許容されるヘテロ原子置換型である1つまたは複数の窒素、硫黄および/または酸素のへテロ原子を含有し、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルスルファニル、ハロアルキルスルファニル、アルキルスルフェニル、アルキルスルホニル、オキソ、ヒドロキシ、メルカプト、アルキルにより場合により置換されているアミノ、カルボキシ、テトラゾリル、アルキルにより場合により置換されているカルバモイル、アルキルにより場合により置換されているアミノスルホニル、アシル、アロイル、ヘテロアロイル、アシルオキシ、アロイルオキシ、ヘテロアロイルオキシ、アルコキシカルボニル、ニトロ、シアノ、ハロゲン、ペルフルオロアルキル、ヘテロアリールまたはアリールからなる群から選択された3員までにより場合によって置換されていてもよく、複数段階の置換も許容される。本件で使用される「ヘテロアリール」の例としては、フラニル、チオフェニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、オキソピリジル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピリダジル、ピラジニル、ピリミジル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、インダゾリル、およびそれらの置換型変形が挙げられる。
本明細書で使用する用語の「ヘテロアリーレン」とは、N酸化物および一酸化硫黄ならびに二酸化硫黄が許容される複素環式芳香族置換型である、1つまたは複数の窒素、酸素、または硫黄のへテロ原子を含有し、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキルスルファニル、低級アルキルスルフェニル、低級アルキルスルホニル、オキソ、ヒドロキシ、メルカプト、アルキルにより場合によって置換されているアミノ、カルボキシ、テトラゾリル、アルキルにより場合により置換されているカルバモイル、アルキルにより場合により置換されているアミノスルホニル、アシル、アロイル、ヘテロアロイル、アシルオキシ、アロイルオキシ、ヘテロアロイルオキシ、アルコキシカルボニル、ニトロ、シアノ、ハロゲン、低級ペルフルオロアルキル、ヘテロアリール、またはアリールからなる群から選択された置換基によって場合により置換されており、複数段階の置換も許容される5から7員の芳香環ジラジカル、または多環式複素環式芳香族環ジラジカルを好ましくは指す。多環式芳香環系ジラジカルは、1つまたは複数の環が、1つまたは複数のへテロ原子を含有することができる。本件で使用される「ヘテロアリーレン」の例は、フラン−2,5−ジイル、チオフェン−2,4−ジイル、1,3,4−オキサジゾール−2,5−ジイル、1,3,4−チアジアゾール−2,5−ジイル、1,3−チアゾール−2,5−ジイル、ピリジン−2,4−ジイル、ピリジン−2,3−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,4−ジイル、キノリン−2,3−ジイル、などである。
本明細書で使用する用語の「アルコキシ」とは、基RaO−であってRaが上で定義したアルキルである基を好ましくは指し、用語「アルコキシ」とは、アルキル部分が少なくとも1個、最大で6個の炭素原子を含有する本明細書で定義したアルコキシ基を好ましくは指す。本発明において有用な典型的なアルコキシ基としては、非限定で、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシおよびt−ブトキシが挙げられる。
本明細書で使用する用語の「ハロアルコキシ」とは、基RaO−であってRaが上で定義したハロアルキルである基を好ましくは指し、用語「ハロアルコキシ」とは、ハロアルキル部分が少なくとも1個、最大で6個の炭素原子を含有する本明細書で定義したハロアルコキシ基を好ましくは指す。本発明において有用な典型的なハロアルコキシ基としては、非限定で、1つまたは複数のハロ基例えばトリフルロメトキシにより置換された、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシおよびt−ブトキシが挙げられる。
本明細書で使用する用語の「アラルコキシ」とは、基RCRBO−であって、RBがアルキルであり、RCが上で定義したアリールである基を好ましくは指す。
本明細書で使用する用語の「アリールオキシ」とは、RCO−であって、RCが上で定義したアリールである基を好ましくは指す。
本明細書で使用する用語の「アルキルスルファニル」とは、基RAS−であって、RAが上で定義したアルキルである基を好ましくは指し、用語「アルキルスルファニル」とは、アルキル部分が少なくとも1個、最大で6個の炭素原子を含有する本明細書で定義したアルキルスルファニル基を好ましくは指す。
本明細書で使用する用語の「ハロアルキルスルファニル」とは、基RDS−であって、RDが上で定義したハロアルキルである基を好ましくは指し、用語「ハロアルキルスルファニル」とは、アルキル部分が少なくとも2個、最大で6個の炭素原子を含有する本明細書で定義したハロアルキルスルファニル基を好ましくは指す。
本明細書で使用する用語の「アルキルスルフェニル」とは、基RAS(O)−であって、RAが上で定義したアルキルである基を好ましくは指し、用語「アルキルスルフェニル」とは、アルキル部分が少なくとも1個、最大で6個の炭素原子を含有する本明細書で定義したアルキルスルフェニル基を好ましくは指す。
本明細書で使用する用語の「アルキルスルホニル」とは、基RASO2−であって、RAが上で定義したアルキルである基を好ましくは指し、用語「C1〜C6アルキルスルホニル」とは、アルキル部分が少なくとも1個、最大で6個の炭素原子を含有する本明細書で定義したアルキルスルホニル基を好ましくは指す。
本明細書で使用する用語の「オキソ」とは、基=Oを好ましくは指す。
本明細書で使用する用語の「メルカプト」とは、基−SHを好ましくは指す。
本明細書で使用する用語の「カルボキシ」とは、基−COOHを好ましくは指す。
本明細書で使用する用語の「シアノ」とは、基−CNを好ましくは指す。
本明細書で使用する用語の「シアノアルキル」とは、基−RBCNであって、RBが上で定義したアルキレンである基を好ましくは指す。本発明において有用な典型的な「シアノアルキル」基としては、非限定で、シアノメチル、シアノエチルおよびシアノイソプロピルが挙げられる。
本明細書で使用する用語の「アミノスルホニル」とは、基−SO2NH2を好ましくは指す。
本明細書で使用する用語の「カルバモイル」とは、基−C(O)NH2を好ましくは指す。
本明細書で使用する用語の「スルファニル」とは、基−S−を指す。
本明細書で使用する用語の「スルフェニル」とは、基−S(O)−を指す。
本明細書で使用する用語の「スルホニル」とは、基−S(O)2−または−SO2−を指す。
本明細書で使用する用語の「アシル」とは、基RFC(O)−であって、RFが本明細書で定義したアルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクリルである基を好ましくは指す。
本明細書で使用する用語の「アロイル」とは、基RCC(O)−であって、RCが本明細書で定義したアリールである基を好ましくは指す。
本明細書で使用する用語の「ヘテロアロイル」とは、基REC(O)−であって、REが本明細書で定義したヘテロアリールである基を好ましくは指す。
本明細書で使用する用語の「アルコキシカルボニル」とは、基RAOC(O)−であって、RAが本明細書で定義したアルキルである基を好ましくは指す。
本明細書で使用する用語の「アシルオキシ」とは、基RFC(O)O−であって、RFが本明細書で定義した、アルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルである基を好ましくは指す。
本明細書で使用する用語の「アロイルオキシ」とは、基RCC(O)O−であって、RCが本明細書で定義したアリールである基を好ましくは指す。
本明細書で使用する用語の「ヘテロアロイルオキシ」とは、基REC(O)O−であって、REが本明細書で定義したヘテロアリールである基を好ましくは指す。
本明細書で使用する用語の「カルボニル」または「カルボニル部分」とは、基C=Oを好ましくは指す。
本明細書で使用する用語の「チオカルボニル」または「チオカルボニル部分」とは、基C=Sを好ましくは指す。
本明細書で使用する用語の「アミノ」、「アミノ基」または「アミノ部分」とは、好ましくは基NRGRG'であって、RGおよびRG'が互いに独立に、水素、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アルキレンシクロアルキル、シアノアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、アシルおよびアロイルからなる群から好ましくは選択された基を指す。RGおよびRG'の両方が水素である場合、NRGRG'はまた、「非置換アミノ部分」または「非置換アミノ基」とも呼ばれる。RGおよび/またはRG'が水素以外である場合、NRGRG'はまた、「置換アミノ部分」または「置換アミノ基」とも呼ばれる。
本明細書で使用する用語の「イミノ」または「イミノ部分」とは、好ましくは基C=NRGであって、RGが、水素、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アルキレンシクロアルキル、シアノアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、アシルおよびアロイルからなる群から好ましくは選択された基を指す。RGが水素である場合、C=NRGはまた「非置換イミノ部分」とも呼ばれる。RGが水素以外の残基である場合、C=NRGはまた「置換イミノ部分」とも呼ばれる。
本明細書で使用する用語の「エテン−1,1−ジイル部分」とは、好ましくは基C=CRKRLであって、RKおよびRLが互いに独立に、水素、ハロゲン、シアノ、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、シクロアルキル、ニトロ、アルキレンシクロアルキル、シアノアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、アシルおよびアロイルからなる群から好ましくは選択される基を指す。水素RKおよびRLが両方とも水素である場合、C=CRKRLはまた、「非置換のエテン−1,1−ジイル部分」と呼ばれる。RKおよびRLの1つまたは両方が水素以外の残基である場合、C=CRKRLはまた、「置換エテン−1,1−ジイル部分」と呼ばれる。
本明細書で使用する用語の「基」、「残基」および「ラジカル」または「基類」、「残基類」および「ラジカル類」とは、当該技術分野の習慣で、それぞれ同義語として通常使用される。
本明細書で使用する用語の「場合によって」とは、続いて記載される事象(1つまたは複数)が、起こるかも起こらないかもしれず、かつ、起こる事象(1つまたは複数)および起こらない事象の両方を含むことを意味する。
本明細書で使用する用語の「薬学的に許容される誘導体」とは、本発明の化合物の何らかの生理的に機能する誘導体、例えば哺乳動物に投与した際、本発明の化合物またはその活性な代謝産物を(直接または間接的に)提供することができるエステルまたはアミドを好ましくは指す。該誘導体は、必要以上の実験をすることなく、かつ、生理的に機能する誘導体についての教示に関して参照により本明細書に組み込む、Burger's Medicinal Chemistry And Drug Discovery、第5編、第1巻:Principles And Practiceの教示を参照すれば当業者には明らかである。該誘導体は、いわゆるプロドラッグ化合物、例えば、アルキル基、アシル基、糖またはオリゴペプチド等のペプチドにより誘導体化され、容易に分解または代謝されて本発明による活性化合物となる本発明による化合物を好ましくは含む。該誘導体としては、本発明による化合物の生物分解性ポリマー誘導体類が好ましくは含まれる。適当なポリマーおよび生物分解性ポリマー誘導体類を製造するための方法は、例えばInt.J.Pharm. 115, 61〜67(1995)から技術的に知られている。
本明細書で使用する用語の「溶媒和物」とは、溶質(本発明においては、式Iもしくは式IIの化合物またはその塩あるいは生理的機能性のある誘導体)と溶媒とにより形成される様々な化学量論性の複合体を好ましくは指す。本発明の目的にかなう該溶媒は溶質の生物活性を妨げない。適当な溶媒の例としては、非限定で、水、メタノール、エタノールおよび酢酸が挙げられる。好ましくは使用する溶媒は薬学的に許容される溶媒である。薬学的に許容される適当な溶媒の例としては、非限定で、水、エタノールおよび酢酸が挙げられる。使用する溶媒は水であることが最も好ましい。適当な溶媒和物の例は、本発明による化合物の一水和物または二水和物あるいはアルコラートである。
本明細書で使用する用語の「置換された」とは、特に明記しない限り複数段階の置換が許容される1個または複数の指名された置換基による置換を好ましくは指す。
本明細書に記載した化合物のいくつかは、1つまたは複数のキラル原子を含有することができ、またはさもなければ、通常は光学異性体および/またはジアステレオマーである2つ以上の立体異性体として存在することができる。したがって、本発明の化合物は、立体異性体の混合物、特に光学異性体、ならびに精製した立体異性体、特に精製した光学異性体の混合物、または立体異性的に濃縮した混合物、特に光学異性的に濃縮した混合物を含む。さらに本発明の範囲には、上の式Iにより表される化合物の個々の異性体ならびにそれらの任意の完全または部分平衡混合物が含まれる。本発明は、また、上の式により表される化合物の1つまたは複数のキラル中心が反転しているその異性体による混合物としての個々の異性体も対象とする。また、式(I)の化合物のすべての互変異性型および互変異性型の混合物が、式(I)および好ましくはそれに対応する式およびサブ式の化合物の範囲に含まれるのは当然である。
R6が水素(H)または解離の傾向がある他の基である場合、ベンズイミダゾール部分は、2つ以上の互変異性型として存在し、それらは通常互いに当量の関係であり分離できないということは理解されている。該平衡は様々な要因に依存しうる。例えば、凝集の状態、pH値、化合物が溶解されている溶液、など。したがって、すべての互変異性型は本発明の主題であり、いかなる互変異性型はそれぞれの式において表現されている。
得られたラセミ化合物は、それ自体知られている方法により機械的または化学的に異性体に分割することができる。ジアステレオマーは、ラセミ混合物から光学活性分割剤による反応によって好ましくは形成する。適当な分割剤の例は、酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、マンデル酸、マレイン酸、乳酸のD型およびL型等の光学活性の酸、または、β−カンファースルホン酸等の様々な光学活性のカンファースルホン酸である。また、光学活性分割剤(例えばジニトロベンゾイルフェニルグリシン)を充填したカラムを用いる光学異性体分割が有利であり、適当な溶離液の例は、ヘキサン/イソプロパノール/アセトニトリル混合物である。
ジアステレオマーの分割は、また、例えば、クロマトグラフィーまたは分別晶出等の標準的な精製方法によって実施することもできる。
式Iの光学活性化合物を、既に光学活性にされた出発材料を使用することにより、上記/下記の方法によって得ることも勿論可能である。
他に指摘がない限り、式Iの化合物に対する言及は、それに対応するサブ式、例えばサブ式I.1からI.18および好ましくは式IaからIdに対する言及を好ましくは含むことを理解すべきである。また、使用および組成物を含む以下の実施形態は、式Iについて説明されるが、サブ式I.1からI.18および好ましくは式IaからIdにもまた好ましくは適用できることは明らかである。
本発明の対象は、特に式Iの化合物であって、1つまたは複数の置換基または基、好ましくはその置換基または基の主要部分は、好ましくは、より好ましくは、さらにより好ましくはまたは特に好ましくは、のように示される重要性を有する。
式Iの化合物において、用語アルキルは、好ましくは非枝分かれまたは枝分かれアルキル残基であって、1、2、3、4、5、6、5,7、8、9または10個、好ましくは1、2、3、4、5または6個、より好ましくは1、2、3または4個、特に好ましくは1または2個の炭素原子を含む好ましくは非枝分かれアルキル残基、あるいは3、4、5、6、7、8、9または10個、好ましくは3、4、5または6個、より好ましくは3または4個の炭素原子を含む枝分かれアルキル残基を指す。そのアルキル残基は、特に1つまたは複数のハロゲン原子により例えばペルハロアルキルまで、1つまたは複数のヒドロキシ基により、または1つまたは複数のアミノ基により、場合によっては置換されていることができ、そのすべてを場合によってはアルキルにより置換されていてもよい。アルキル残基がハロゲンにより置換されている場合は、それは、アルキル残基の炭素原子の数によって通常1、2、3、4または5個のハロゲン原子を含む。例えば、メチル基は1、2または3個のハロゲン原子を、エチル基(アルキル残基が2個の炭素原子を含む)は1、2、3、4または5個のハロゲン原子を含むことができる。アルキル残基がヒドロキシ基により置換されている場合は、それは通常1個または2個、好ましくは1個のヒドロキシ基を含む。ヒドロキシ基がアルキルにより置換されている場合は、そのアルキル置換基は好ましくは1から4個の炭素原子を含み、好ましくは非置換であるかまたはハロゲンにより置換されており、より好ましくは非置換である。アルキル残基がアミノ基により置換されている場合、それは通常1個または2個、好ましくは1個のアミノ基を含む。そのアミノ基がアルキルにより置換されている場合は、そのアルキル置換基は好ましくは1から4個の炭素原子を含み、好ましくは非置換であるかまたはハロゲンにより置換されており、より好ましくは非置換である。式Iの化合物に照らして、アルキルは好ましくは、メチル、エチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、イソプロピル、t−ブチル、2−アミノエチル、N−メチル−2−アミノエチル、N,N−ジメチル−2−アミノエチル、N−エチル−2−アミノエチル、N,N−ジエチル−2−アミノエチル、2−ヒドロキシエチル、2−メトキシエチルおよび2−エトキシエチルからなる群から、さらに好ましくは2−ブチル、n−ペンチル、ネオネンチル、イソペンチル、ヘキシルおよびn−デシルから、より好ましくはメチル、エチル、トリフルオロメチル、イソプロピルおよびt−ブチルからなる群から選択される。
式Iの化合物において、アルケニルは、アリル、2−または3−ブテニル、イソブテニル、s−ブテニル、さらに、好ましくは4−ペンテニル、イソペンテニルおよび5−ヘキセニルからなる群からより好ましくは選択される。
式Iの化合物において、アルキレンはより好ましくは非枝分かれであり、さらにより好ましくはメチレンまたはエチレン、さらに好ましくはプロピレンまたはブチレンである。
式Iの化合物において、アルキレンシクロアルキルは、5から10個の炭素原子を好ましくは有しており、好ましくはメチレンシクロプロピル、メチレンシクロブチル、さらに好ましくはメチレンシクロペンチル、メチレンシクロヘキシルまたはメチレンシクロヘプチル、さらに、別法では、エチレンシクロプロピル、エチレンシクロブチル、エチレンシクロペンチル、エチレンシクロヘキシルまたはエチレンシクロヘプチル、プロピレンシクロペンチル、プロピレンシクロヘキシル、ブチレンシクロペンチルまたはブチレンシクロヘキシルである。
式Iの化合物において、用語の「アルコキシ」は式O−アルキルであって、アルキルが上で定義したアルキル基である基を好ましくは含む。より好ましくは、アルコキシはメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、2−ブトキシ、t−ブトキシおよびそれらのハロゲン化、特にそれらのペルハロゲン化誘導体からなる群から選択される。好ましいペルハロゲン化誘導体は、O−CCl3、O−CF3、O−C2Cl5、O−C2F5、O−C(CCl3)3およびO−C(CF3)3からなる群から選択される。
式Iの化合物において、用語の「アルコキシアルキル」は、枝分かれおよび非枝分かれ残基、より好ましくは、式CuH2u+1−O−(CH2)vであって、式中uおよびvが、互いに独立に1から6であり、特に好ましくはu=1、v=1〜4である非枝分かれ残基を好ましくは含む。
式Iの化合物において、用語の「アルコキシアルキル」は、1つまたは複数の水素原子がハロゲンにより、例えば、ペルハロアルコキシアルキルまで置換されている上で定義したアルコキシアルキル基を含む。
式Iの化合物において、シクロアルキルは、3〜7個の炭素原子を好ましくは有しており、好ましくはシクロプロピルまたはシクロブチル、さらに好ましくはシクロペンチルまたはシクロヘキシル、さらにまたシクロヘプチルであり、特に好ましくはシクロペンチルである。
式Iの化合物において、Ar2は、好ましくは非置換または置換されたここで定義したアリール基あるいはヘテロアリール基から選択される。この点においてアリール基は、非置換または置換されたフェニル、2−ナフチル、1−ナフチルおよびビフェニルから選択されることが好ましく、より好ましくは非置換または置換フェニルである。この点においてヘテロアリール基は非置換または置換ピリジニル、ピリミジル、キノリニル、イソキノリニル、チオフェニル、チアジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、ピラゾリルおよびイミダゾリルから選択されることが好ましく、より好ましくは非置換または置換ピリジニルおよびピリミジルから選択される。
式Iの化合物において、Ar2は、フェニル、ピリジニル、ピリミジル、キノリニル、イソキノリニル、チオフェニル、チアジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、ピラゾリルおよびイミダゾリルからなる群から選択されることがより好ましく、さらにより好ましくはフェニル、ピリジニルおよびピリミジルから選択され、特に好ましくはフェニルおよびピリジニルから選択される。
式Iの化合物において、Ar3からAr6は、A、Hal、NO2、CN、OR15、NR15R16、COOR15、CONR15R16、NR15COR16、NR15CONR15R16、NR16SO2A、COR15、SO2R15R16、S(O)uAおよびOOCR15からなる群から選択された1つまたは複数の置換基により場合によって置換されている、フェニル、ナフチルおよびビフェニルから、互いに独立に好ましくは選択される。
式Iの化合物において、hetは、好ましくは場合により置換されている芳香族複素環残基およびさらにより好ましくは場合により置換されている飽和複素環残基であり、その置換基はA、CNおよびHalから好ましくは選択される。さらにより好ましくは、hetは、1−ピペリジル、1−ピペラジル、1−(4−メチル)−ピペラジル、4−メチルピペラジン−1−イルアミン、4−モルホリニル、1−4ピロリジニル、1−ピラゾリジニル1−(2−メチル)−ピラゾリジニル、1−イミダゾリジニルまたは1−(3−メチル)−イミダゾリジニル、チオフェン−2−イル、チオフェン−3−イル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、2−ピリダジル、4−ピリダジル、2−ピリミジル、4−ピリミジル、5−ピリミジル、2−ピラジニルおよび3−ピラジニルからなる群から選択される。
本発明の好ましい態様は、nが0または1、特に0である式Iの化合物に関する。
本発明の別の好ましい態様は、残基R8、R9および/またはR10において、特にR10において、nが0である式Iの化合物に関する。
本発明の別の好ましい態様は、残基R6および/またはR7において、nが0である式Iの化合物に関する。
本発明の別の好ましい態様は、Xが、(CR11R12)hまたは(CHR11)h−Q−(CHR12)iから選択される橋かけ基を表す式Iの化合物に関する。
橋かけ基Xが(CR11R12)hの場合、hは好ましくは0、1、2、3および4から選択され、より好ましくは1、2、3および4から選択され、特に1または2である。
橋かけ基Xが(CHR11)h−Q−(CHR12)iの場合、hおよび/またはiは好ましくは0、1、2、3および4から選択され、より好ましくは0、1、2および3から選択され、特に0、1または2であり、さらにより好ましくはhおよびiの両方が0である。
本発明は特に式Iの化合物に関し、前記ラジカルの少なくとも1つは上記の好ましい意味を有する。
化合物のいくつかのより好ましい基は、以下のサブ基I.1)からI.18)によって表すことができ、それは、式Iに対応し、その中でこれまで以上に詳細に示されていないラジカルは、式Iにおいて定義したものである。
ただし、
I.1)pは、1、2または3であり;
I.2)pは、1、2または3であり、
R8は、1から4個の炭素原子を含むアルキル、1から4個の炭素原子を含むアルコキシ、Hal、CH2Hal、CH(Hal)2、1から4個の炭素原子を含むペルハロアルキル、NO2、(CH2)nCN、(CH2)nNR11R12、(CH2)nO(CH2)kNR11R12、(CH2)nCOR13、(CH2)nCOOR13、(CH2)nCONR11R12、(CH2)nSO2NR11R12および(CH2)nS(O)uR13からなる群から選択され;
I.3)pは、1、2または3であり、
R8は、1から4個の炭素原子を含むアルキル、1から4個の炭素原子を含むアルコキシ、Hal、CH2Hal、CH(Hal)2、1から4個の炭素原子を含むペルハロアルキル、NO2、(CH2)nCN、(CH2)nNR11R12、(CH2)nO(CH2)kNR11R12、(CH2)nCOR13、(CH2)nCOOR13、(CH2)nCONR11R12、(CH2)nSO2NR11R12および(CH2)nS(O)uR13からなる群から選択され;
nは、0、1または2、好ましくは0または1である。
I.4)pは、1、2または3であり、
R8は、1から4個の炭素原子を含むアルキル、1から4個の炭素原子を含むアルコキシ、Hal、CH2Hal、CH(Hal)2、1から4個の炭素原子を含むペルハロアルキル、NO2、(CH2)nCN、(CH2)nNR11R12、(CH2)nO(CH2)kNR11R12、(CH2)nCOR13、(CH2)nCOOR13、(CH2)nCONR11R12、(CH2)nSO2NR11R12および(CH2)nS(O)uR13からなる群から選択され、
nは、0、1または2、好ましくは0または1であり;
qは、0または1である。
I.5)pは、1、2または3であり、
R8は、1から4個の炭素原子を含むアルキル、1から4個の炭素原子を含むアルコキシ、Hal、CH2Hal、CH(Hal)2、1から4個の炭素原子を含むペルハロアルキル、NO2、(CH2)nCN、(CH2)nNR11R12、(CH2)nO(CH2)kNR11R12、(CH2)nCOR13、(CH2)nCOOR13、(CH2)nCONR11R12、(CH2)nSO2NR11R12および(CH2)nS(O)uR13からなる群から選択され、
nは、0、1または2、好ましくは0または1であり、
qは、0または1であり、
Xは、O、S、NR11、CHOR11、CH2、CH2CH2、OCH2、CH2O、OCH2CH2、CH2CH2Oからなる群、好ましくはO、SおよびCH2、特にOおよびSから選択される。
I.6)pは、1、2または3であり、
R8は、1から4個の炭素原子を含むアルキル、1から4個の炭素原子を含むアルコキシ、Hal、CH2Hal、CH(Hal)2、1から4個の炭素原子を含むペルハロアルキル、NO2、(CH2)nCN、(CH2)nNR11R12、(CH2)nO(CH2)kNR11R12、(CH2)nCOR13、(CH2)nCOOR13、(CH2)nCONR11R12、(CH2)nSO2NR11R12および(CH2)nS(O)uR13からなる群から選択され、
nは、0、1または2、好ましくは0または1であり、
qは、0または1であり、
Xは、O、S、NR11、CHOR11、CH2、CH2CH2、OCH2、CH2O、OCH2CH2、CH2CH2Oからなる群、好ましくはO、SおよびCH2、特にOおよびSから選択され、
Ar2は、フェニル、ピリジニルまたはピリミジル、特にフェニルまたはピリジニルである。
I.7)pは、1、2または3であり、
R8は、1から4個の炭素原子を含むアルキル、1から4個の炭素原子を含むアルコキシ、Hal、CH2Hal、CH(Hal)2、1から4個の炭素原子を含むペルハロアルキル、NO2、(CH2)nCN、(CH2)nNR11R12、(CH2)nO(CH2)kNR11R12、(CH2)nCOR13、(CH2)nCOOR13、(CH2)nCONR11R12、(CH2)nSO2NR11R12および(CH2)nS(O)uR13からなる群から選択され、
nは、0、1または2、好ましくは0または1であり、
qは、0または1であり、
Xは、O、S、NR11、CHOR11、CH2、CH2CH2、OCH2、CH2O、OCH2CH2、CH2CH2Oからなる群、好ましくはO、SおよびCH2、特にOおよびSから選択され、
Ar2は、フェニル、ピリジニルまたはピリミジル、特にフェニルまたはピリジニルであり、
R10は、H、1から4個の炭素原子を含むアルキル、1から4個の炭素原子を含むアルコキシ、Hal、CH2Hal、CH(Hal)2、1から4個の炭素原子を含むペルハロアルキル、NO2、(CH2)nCN、(CH2)nNR11R12、(CH2)nO(CH2)kNR11R12、(CH2)nCOR13、(CH2)nCOOR13、(CH2)nCONR11R12、(CH2)nSO2NR11R12および(CH2)nS(O)uR13からなる群から選択され、好ましくは、1から4個の炭素原子を含むアルキル、(CH2)nNR11R12、(CH2)nO(CH2)kNR11R12、(CH2)nCOR13、(CH2)nCOOR13、(CH2)nCONR11R12からなる群、特に(CH2)nCONR11R12から選択される。
I.8)pは、1、2または3であり、
R8は、1から4個の炭素原子を含むアルキル、1から4個の炭素原子を含むアルコキシ、Hal、CH2Hal、CH(Hal)2、1から4個の炭素原子を含むペルハロアルキル、NO2、(CH2)nCN、(CH2)nNR11R12、(CH2)nO(CH2)kNR11R12、(CH2)nCOR13、(CH2)nCOOR13、(CH2)nCONR11R12、(CH2)nSO2NR11R12および(CH2)nS(O)uR13からなる群から選択され、
nは、0、1または2、好ましくは0または1であり、
qは、0または1であり、
Xは、O、S、NR11、CHOR11、CH2、CH2CH2、OCH2、CH2O、OCH2CH2、CH2CH2Oからなる群、好ましくはO、SおよびCH2、特にOおよびSから選択され、
Ar2は、フェニル、ピリジニルまたはピリミジル、特にフェニルまたはピリジニルであり、
R10は、H、1から4個の炭素原子を含むアルキル、1から4個の炭素原子を含むアルコキシ、Hal、CH2Hal、CH(Hal)2、1から4個の炭素原子を含むペルハロアルキル、NO2、(CH2)nCN、(CH2)nNR11R12、(CH2)nO(CH2)kNR11R12、(CH2)nCOR13、(CH2)nCOOR13、(CH2)nCONR11R12、(CH2)nSO2NR11R12および(CH2)nS(O)uR13からなる群から選択され、好ましくは、1から4個の炭素原子を含むアルキル、(CH2)nNR11R12、(CH2)nO(CH2)kNR11R12、(CH2)nCOR13、(CH2)nCOOR13、(CH2)nCONR11R12からなる群、特に(CH2)nCONR11R12から選択され、
kは、0、1または2、好ましくは0または2である。
I.9)pは、1、2または3であり、
R8は、1から4個の炭素原子を含むアルキル、1から4個の炭素原子を含むアルコキシ、Hal、CH2Hal、CH(Hal)2、1から4個の炭素原子を含むペルハロアルキル、NO2、(CH2)nCN、(CH2)nNR11R12、(CH2)nO(CH2)kNR11R12、(CH2)nCOR13、(CH2)nCOOR13、(CH2)nCONR11R12、(CH2)nSO2NR11R12および(CH2)nS(O)uR13からなる群から選択され、
nは、0、1または2、好ましくは0または1であり、
qは、0または1であり、
Xは、O、S、NR11、CHOR11、CH2、CH2CH2、OCH2、CH2O、OCH2CH2、CH2CH2Oからなる群、好ましくはO、SおよびCH2、特にOおよびSから選択され、
Ar2は、フェニル、ピリジニルまたはピリミジル、特にフェニルまたはピリジニルであり、
R10は、H、1から4個の炭素原子を含むアルキル、1から4個の炭素原子を含むアルコキシ、Hal、CH2Hal、CH(Hal)2、1から4個の炭素原子を含むペルハロアルキル、NO2、(CH2)nCN、(CH2)nNR11R12、(CH2)nO(CH2)kNR11R12、(CH2)nCOR13、(CH2)nCOOR13、(CH2)nCONR11R12、(CH2)nSO2NR11R12および(CH2)nS(O)uR13からなる群から選択され、好ましくは、1から4個の炭素原子を含むアルキル、(CH2)nNR11R12、(CH2)nO(CH2)kNR11R12、(CH2)nCOR13、(CH2)nCOOR13、(CH2)nCONR11R12からなる群、特に(CH2)nCONR11R12から選択され、
kは、0、1または2、好ましくは0または2であり、
rは、0、1または2、好ましくは0または1である。
I.10)R8は、1から4個の炭素原子を含むアルキル、1から4個の炭素原子を含むアルコキシ、Hal、CH2Hal、CH(Hal)2、1から4個の炭素原子を含むペルハロアルキル、NO2、(CH2)nCN、(CH2)nNR11R12、(CH2)nO(CH2)kNR11R12、(CH2)nCOR13、(CH2)nCOOR13、(CH2)nCONR11R12、(CH2)nSO2NR11R12および(CH2)nS(O)uR13からなる群から選択され、
nは、0、1または2、好ましくは0または1であり、
qは、0または1であり、
Xは、O、S、NR11、CHOR11、CH2、CH2CH2、OCH2、CH2O、OCH2CH2、CH2CH2Oからなる群、好ましくはO、SおよびCH2、特にOおよびSから選択され、
Ar2は、フェニル、ピリジニルまたはピリミジル、特にフェニルまたはピリジニルであり、
R10は、H、1から4個の炭素原子を含むアルキル、1から4個の炭素原子を含むアルコキシ、Hal、CH2Hal、CH(Hal)2、1から4個の炭素原子を含むペルハロアルキル、NO2、(CH2)nCN、(CH2)nNR11R12、(CH2)nO(CH2)kNR11R12、(CH2)nCOR13、(CH2)nCOOR13、(CH2)nCONR11R12、(CH2)nSO2NR11R12および(CH2)nS(O)uR13からなる群から選択され、好ましくは、1から4個の炭素原子を含むアルキル、(CH2)nNR11R12、(CH2)nO(CH2)kNR11R12、(CH2)nCOR13、(CH2)nCOOR13、(CH2)nCONR11R12からなる群、特に(CH2)nCONR11R12から選択され、
kは、0、1または2、好ましくは0または2であり、
rは、0、1または2、好ましくは0または1である。
I.11)R8は、1から4個の炭素原子を含むアルキル、1から4個の炭素原子を含むアルコキシ、Hal、CH2Hal、CH(Hal)2、1から4個の炭素原子を含むペルハロアルキル、NO2、(CH2)nCN、(CH2)nNR11R12、(CH2)nO(CH2)kNR11R12、(CH2)nCOR13、(CH2)nCOOR13、(CH2)nCONR11R12、(CH2)nSO2NR11R12および(CH2)nS(O)uR13からなる群から選択され、
qは、0または1であり、
Xは、O、S、NR11、CHOR11、CH2、CH2CH2、OCH2、CH2O、OCH2CH2、CH2CH2Oからなる群、好ましくはO、SおよびCH2、特にOおよびSから選択され、
Ar2は、フェニル、ピリジニルまたはピリミジル、特にフェニルまたはピリジニルであり、
R10は、H、1から4個の炭素原子を含むアルキル、1から4個の炭素原子を含むアルコキシ、Hal、CH2Hal、CH(Hal)2、1から4個の炭素原子を含むペルハロアルキル、NO2、(CH2)nCN、(CH2)nNR11R12、(CH2)nO(CH2)kNR11R12、(CH2)nCOR13、(CH2)nCOOR13、(CH2)nCONR11R12、(CH2)nSO2NR11R12および(CH2)nS(O)uR13からなる群から選択され、好ましくは、1から4個の炭素原子を含むアルキル、(CH2)nNR11R12、(CH2)nO(CH2)kNR11R12、(CH2)nCOR13、(CH2)nCOOR13、(CH2)nCONR11R12からなる群、特に(CH2)nCONR11R12から選択され、
kは、0、1または2、好ましくは0または2であり、
rは、0、1または2、好ましくは0または1である。
I.12)R8は、1から4個の炭素原子を含むアルキル、1から4個の炭素原子を含むアルコキシ、Hal、CH2Hal、CH(Hal)2、1から4個の炭素原子を含むペルハロアルキル、NO2、(CH2)nCN、(CH2)nNR11R12、(CH2)nO(CH2)kNR11R12、(CH2)nCOR13、(CH2)nCOOR13、(CH2)nCONR11R12、(CH2)nSO2NR11R12および(CH2)nS(O)uR13からなる群から選択され、
Xは、O、S、NR11、CHOR11、CH2、CH2CH2、OCH2、CH2O、OCH2CH2、CH2CH2Oからなる群、好ましくはO、SおよびCH2、特にOおよびSから選択され、
Ar2は、フェニル、ピリジニルまたはピリミジル、特にフェニルまたはピリジニルであり、
R10は、H、1から4個の炭素原子を含むアルキル、1から4個の炭素原子を含むアルコキシ、Hal、CH2Hal、CH(Hal)2、1から4個の炭素原子を含むペルハロアルキル、NO2、(CH2)nCN、(CH2)nNR11R12、(CH2)nO(CH2)kNR11R12、(CH2)nCOR13、(CH2)nCOOR13、(CH2)nCONR11R12、(CH2)nSO2NR11R12および(CH2)nS(O)uR13からなる群から選択され、好ましくは、1から4個の炭素原子を含むアルキル、(CH2)nNR11R12、(CH2)nO(CH2)kNR11R12、(CH2)nCOR13、(CH2)nCOOR13、(CH2)nCONR11R12からなる群、特に(CH2)nCONR11R12から選択され、
kは、0、1または2、好ましくは0または2であり、
rは、0、1または2、好ましくは0または1である。
I.13)R8は、1から4個の炭素原子を含むアルキル、1から4個の炭素原子を含むアルコキシ、Hal、CH2Hal、CH(Hal)2、1から4個の炭素原子を含むペルハロアルキル、NO2、(CH2)nCN、(CH2)nNR11R12、(CH2)nO(CH2)kNR11R12、(CH2)nCOR13、(CH2)nCOOR13、(CH2)nCONR11R12、(CH2)nSO2NR11R12および(CH2)nS(O)uR13からなる群から選択され、
qは、0または1であり、
Xは、O、S、NR11、CHOR11、CH2、CH2CH2、OCH2、CH2O、OCH2CH2、CH2CH2Oからなる群、好ましくはO、SおよびCH2、特にOおよびSから選択され、
R10は、H、1から4個の炭素原子を含むアルキル、1から4個の炭素原子を含むアルコキシ、Hal、CH2Hal、CH(Hal)2、1から4個の炭素原子を含むペルハロアルキル、NO2、(CH2)nCN、(CH2)nNR11R12、(CH2)nO(CH2)kNR11R12、(CH2)nCOR13、(CH2)nCOOR13、(CH2)nCONR11R12、(CH2)nSO2NR11R12および(CH2)nS(O)uR13からなる群から選択され、好ましくは、1から4個の炭素原子を含むアルキル、(CH2)nNR11R12、(CH2)nO(CH2)kNR11R12、(CH2)nCOR13、(CH2)nCOOR13、(CH2)nCONR11R12からなる群、特に(CH2)nCONR11R12から選択され、
kは、0、1または2、好ましくは0または2であり、
rは、0、1または2、好ましくは0または1である。
I.14)qは、0または1であり、
Xは、O、S、NR11、CHOR11、CH2、CH2CH2、OCH2、CH2O、OCH2CH2、CH2CH2Oからなる群、好ましくはO、SおよびCH2、特にOおよびSから選択され、
Ar2は、フェニル、ピリジニルまたはピリミジル、特にフェニルまたはピリジニルであり、
R10は、H、1から4個の炭素原子を含むアルキル、1から4個の炭素原子を含むアルコキシ、Hal、CH2Hal、CH(Hal)2、1から4個の炭素原子を含むペルハロアルキル、NO2、(CH2)nCN、(CH2)nNR11R12、(CH2)nO(CH2)kNR11R12、(CH2)nCOR13、(CH2)nCOOR13、(CH2)nCONR11R12、(CH2)nSO2NR11R12および(CH2)nS(O)uR13からなる群から選択され、好ましくは、1から4個の炭素原子を含むアルキル、(CH2)nNR11R12、(CH2)nO(CH2)kNR11R12、(CH2)nCOR13、(CH2)nCOOR13、(CH2)nCONR11R12からなる群、特に(CH2)nCONR11R12から選択され、
kは、0、1または2、好ましくは0または2であり、
rは、0、1または2、好ましくは0または1である。
I.15)Xは、O、S、NR11、CHOR11、CH2、CH2CH2、OCH2、CH2O、OCH2CH2、CH2CH2Oからなる群、好ましくはO、SおよびCH2、特にOおよびSから選択され、
Ar2は、フェニル、ピリジニルまたはピリミジル、特にフェニルまたはピリジニルであり、
R10は、H、1から4個の炭素原子を含むアルキル、1から4個の炭素原子を含むアルコキシ、Hal、CH2Hal、CH(Hal)2、1から4個の炭素原子を含むペルハロアルキル、NO2、(CH2)nCN、(CH2)nNR11R12、(CH2)nO(CH2)kNR11R12、(CH2)nCOR13、(CH2)nCOOR13、(CH2)nCONR11R12、(CH2)nSO2NR11R12および(CH2)nS(O)uR13からなる群から選択され、好ましくは、1から4個の炭素原子を含むアルキル、(CH2)nNR11R12、(CH2)nO(CH2)kNR11R12、(CH2)nCOR13、(CH2)nCOOR13、(CH2)nCONR11R12からなる群、特に(CH2)nCONR11R12から選択され、
kは、0、1または2、好ましくは0または2であり、
rは、0、1または2、好ましくは0または1である。
I.16)Ar2は、フェニル、ピリジニルまたはピリミジル、特にフェニルまたはピリジニルであり、
R10は、1から4個の炭素原子を含むアルキル、1から4個の炭素原子を含むアルコキシ、Hal、CH2Hal、CH(Hal)2、1から4個の炭素原子を含むペルハロアルキル、NO2、(CH2)nCN、(CH2)nNR11R12、(CH2)nO(CH2)kNR11R12、(CH2)nCOR13、(CH2)nCOOR13、(CH2)nCONR11R12、(CH2)nSO2NR11R12および(CH2)nS(O)uR13からなる群から選択され、好ましくは、1から4個の炭素原子を含むアルキル、(CH2)nNR11R12、(CH2)nO(CH2)kNR11R12、(CH2)nCOR13、(CH2)nCOOR13、(CH2)nCONR11R12からなる群、特に(CH2)nCONR11R12から選択され、
kは、0、1または2、好ましくは0または2であり、
rは、0、1または2、好ましくは0または1である。
I.17)R10は、H、1から4個の炭素原子を含むアルキル、1から4個の炭素原子を含むアルコキシ、Hal、CH2Hal、CH(Hal)2、1から4個の炭素原子を含むペルハロアルキル、NO2、(CH2)nCN、(CH2)nNR11R12、(CH2)nO(CH2)kNR11R12、(CH2)nCOR13、(CH2)nCOOR13、(CH2)nCONR11R12、(CH2)nSO2NR11R12および(CH2)nS(O)uR13からなる群から選択され、好ましくは、1から4個の炭素原子を含むアルキル、(CH2)nNR11R12、(CH2)nO(CH2)kNR11R12、(CH2)nCOR13、(CH2)nCOOR13、(CH2)nCONR11R12からなる群、特に(CH2)nCONR11R12から選択され、
kは、0、1または2、好ましくは0または2であり、
rは、0、1または2、好ましくは0または1である。
I.18)R10は、H、1から4個の炭素原子を含むアルキル、1から4個の炭素原子を含むアルコキシ、Hal、CH2Hal、CH(Hal)2、1から4個の炭素原子を含むペルハロアルキル、NO2、(CH2)nCN、(CH2)nNR11R12、(CH2)nO(CH2)kNR11R12、(CH2)nCOR13、(CH2)nCOOR13、(CH2)nCONR11R12、(CH2)nSO2NR11R12および(CH2)nS(O)uR13からなる群から選択され、好ましくは、1から4個の炭素原子を含むアルキル、(CH2)nNR11R12、(CH2)nO(CH2)kNR11R12、(CH2)nCOR13、(CH2)nCOOR13、(CH2)nCONR11R12からなる群、特に(CH2)nCONR11R12から選択され、
rは、0、1または2、好ましくは0または1である。
本発明の1つの好ましい実施形態は、式Iの化合物、および、好ましくは1つまたは複数のサブ式I.1)からI.18)の化合物に関し、式中、pは1、2または3であり、R8は、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、F、Cl、Br、CF3、C(CF3)3、メトキシ、エトキシ、t−ブトキシ、ペルフルオロt−ブトキシ(OC(CF3)3)、メチルスルファニル(SCH3)、エチルスルファニル(SCH2CH3)、アセチル(COCH3)、プロピオニル(COCH2CH3)、ブチリル(COCH2CH2CH3)およびSO2CF3からなる群から独立に選択される。pが2または3の場合、置換基はすべて同じであるか異なっていることができる。
本発明の別の好ましい実施形態は、式Iの化合物、および、好ましくは1つまたは複数のサブ式I.1)からI.18)の化合物に関し、式中、hとiの合計は0を超える。
本発明の別のより好ましい実施形態は、式Iの化合物、および、好ましくは1つまたは複数のサブ式I.1)からI.18)の化合物に関し、式中、hおよび/またはiは0である。
本発明の別の好ましい実施形態は、式Iの化合物、および、好ましくは1つまたは複数のサブ式I.1)からI.18)の化合物に関し、式中、Xは、S、N−R21、CH2、CH2CH2、OCH2、CH2O、C=O、C(=O)−NHおよびNH−C(=O)からなる群から選択される。
本発明の別の好ましい実施形態は、式Iの化合物、および、好ましくは1つまたは複数のサブ式I.1)からI.18)の化合物に関し、式中、Xは、S、N−R21、CH2、CH2CH2、OCH2、CH2O、C=O、C(=O)−NHおよびNH−C(=O)からなる群から選択される。
本発明の別の好ましい実施形態は、式Iの化合物、および、好ましくは1つまたは複数のサブ式I.1)からI.18)の化合物に関し、式中、Xは、S、CH2からなる群から選択される。
本発明の別のさらにより好ましい実施形態は、式Iの化合物、および、好ましくは1つまたは複数のサブ式I.1)からI.18)の化合物に関し、式中、XはOである。
本発明の別の好ましい実施形態は、式Iの化合物、および、好ましくは1つまたは複数のサブ式I.1)からI.18)の化合物に関し、式中、Yは、C(R22)−NO2、C(R22)−CNおよびC(CN)2からなる群から選択される。
本発明の別のより好ましい実施形態は、式Iの化合物、および、好ましくは1つまたは複数のサブ式I.1)からI.18)の化合物に関し、式中、YはO、SおよびNR21からなる群から選択される。
本発明の別のさらにより好ましい実施形態は、式Iの化合物、および、好ましくは1つまたは複数のサブ式I.1)からI.18)の化合物に関し、式中、YはOおよびSからなる群から選択される。
本発明の別のさらにより好ましい実施形態は、式Iの化合物、および、好ましくは1つまたは複数のサブ式I.1)からI.18)の化合物に関し、式中、YはOである。
本発明の別の好ましい実施形態は、式Iの化合物、および、好ましくは1つまたは複数のサブ式I.1)からI.18)の化合物に関し、式中、Ar2がピリジニルである。
本発明の別の好ましい実施形態は、式Iの化合物、および、好ましくは1つまたは複数のサブ式I.1)からI.18)の化合物に関し、式中、rは0または1のいずれかである。rが1である場合、R10は、好ましくは(CH2)nCONR11R12、特に(CH2)nCONR11R12(ただし、nは0である)である。この実施形態において、R11は、好ましくはHおよびAからなる群、より好ましくはHおよびアルキルから選択され、特にHであり、R12は、HおよびAからなる群から、より好ましくはH、好ましくは1から6個、特に1または2個の炭素原子を含む非置換アルキルおよび置換アルキルから好ましくは選択される。置換基に適するものとしては、NH2、NHCH3、NHCH2CH3、N(CH3)2およびNH(CH2CH3)等のアミノ基、およびCOOH、COOCH3、CONH2、およびCONHCH3等のカルボキシル基およびその誘導体が挙げられる。残基R10として特に好ましいのは、CONHCH3、CONHCH2CH2NH2、CONHCH2CH2NHCH3、CONHCH2CH2N(CH3)2、CONHCH2COOHおよびCONHCH2CH2COOHである。この実施形態は、Ar2がピリジニルであるときに特に好ましい。Ar2がピリジニルであるとき、R10はピリジニル残基の窒素原子に対するビシナル位において、すなわちピリジニル残基の2および/または6位で好ましくは結合している。
本発明の別の好ましい実施形態は、式Iの化合物、および、好ましくは1つまたは複数のサブ式I.1)からI.18)の化合物に関し、式中、ベンズイミダゾール部分は2個以上の置換基R8を含んでおり、1個または複数、好ましくは1個の置換基R8は、(CH2)nNR11R12、(CH2)nO(CH2)kNR11R12、(CH2)nNR11(CH2)kOR12、(CH2)nNR11(CH2)kNR12R12、(CH2)nCOOR13および(CH2)nS(O)uR13(ただし、R11、R12およびR13は上で定義したものであり、nは上で定義したものであって、好ましくはnは0、1または2、特に0であり、kは1から4、好ましくは1または2であり、uは好ましくは2である)からなる群から選択される。この実施形態において、R11、R12およびR13は、より好ましくは、互いに独立に、H、メチルおよびエチルからなる群から選択される。この実施形態において、1個または2個の置換基R8、好ましくは1個の置換基R8は、特に好ましくは、NH2、N(CH3)2、N(C2H5)2、NHCH2CH2NH2、N(CH3)CH2CH2NH2、N(CH3)CH2CH2N(CH3)2、N(CH3)CH2CH2N(CH3)2、N(CH3)CH2CH2OCH3、OCH2CH2N(CH3)2、SCH3、SC2H5、SO2CH3、COOCH3およびCOOHからなる群から選択される。したがって、この実施形態において、ベンズイミダゾール部分は、特に好ましくは、この段落において定義されている(CH2)nNR11R12、(CH2)nO(CH2)kNR11R12、(CH2)nNR11(CH2)kOR12、(CH2)nNR11(CH2)kNR12R12、(CH2)nCOOR13および(CH2)nS(O)uR13以外の、特に、NH2、N(CH3)2、N(C2H5)2、NHCH2CH2NH2、N(CH3)CH2CH2NH2、N(CH3)CH2CH2N(CH3)2、N(CH3)CH2CH2N(CH3)2、N(CH3)CH2CH2OCH3、OCH2CH2N(CH3)2、SCH3、SC2H5、SO2CH3、COOCH3およびCOOH以外の少なくとも1個の置換基R8を含む。
本発明の別の好ましい実施形態は、式Iの化合物、および、好ましくは1つまたは複数のサブ式I.1)からI.18)の化合物に関し、式中、qは1である、すなわち、オキサアミド基に結合しているフェニレン部分およびラジカルXは、好ましくはアルキルおよびハロゲンからなる群から、より好ましくはメチル、エチル、F、ClおよびBrから選択された置換基によって1回だけ置換されている。
本発明の別の好ましい実施形態は、式Iの化合物、および、好ましくは1つまたは複数のサブ式I.1)からI.18)の化合物に関し、式中、qは0である、すなわちオキサアミド基に結合しているフェニレン部分およびラジカルXは、非置換である。
本発明の別の好ましい実施形態は、式Iの化合物、および、好ましくは1つまたは複数のサブ式I.1)からI.18)の化合物に関し、式中、(R8)p−ベンズイミダゾール部分は上で定義したものであるが、1つまたは複数のさらなる残基、好ましくは1つのさらなる残基を含んでいる。そのさらなる残基は、R8に対して示した意味から好ましくは選択され、より好ましくは、(CH2)nNR11R12、(CH2)nO(CH2)kNR11R12、(CH2)nNR11(CH2)kOR12、(CH2)nNR11(CH2)kNR12R12、(CH2)nCOOR13および(CH2)nS(O)uR13(ただし、R11、R12およびR13は上で定義したものであり、nは上で定義したものであって、好ましくは、nは0、1または2、特に0であり、kは1から4、好ましくは1または2であり、uは好ましくは2である)からなる群から選択される。この実施形態において、R11、R12およびR13は、より好ましくは、互いに独立に、H、メチルおよびエチルからなる群から選択される。さらにより好ましくは、そのさらなる残基(1つまたは複数)は、NH2、N(CH3)2、N(C2H5)2、NHCH2CH2NH2、N(CH3)CH2CH2NH2、N(CH3)CH2CH2N(CH3)2、N(CH3)CH2CH2N(CH3)2、N(CH3)CH2CH2OCH3、OCH2CH2N(CH3)2、SCH3、SC2H5、SO2CH3、COOCH3およびCOOHからなる群から選択される。
本発明の別の好ましい実施形態は、式Iの化合物、および、好ましくは1つまたは複数のサブ式I.1)からI.18)の化合物に関し、式中、Xは、フェニル残基に対して、パラ−(p−)またはメタ−(m−)位に結合しており、すなわち、オキサアミド部分に直接結合している。
本発明の別の好ましい実施形態は、式Iの化合物、および、好ましくは1つまたは複数のサブ式I.1)からI.18)の化合物に関し、式中、Ar2はピリミジル残基であって、前記ピリミジル残基は、そのピリミジル残基の窒素原子に対する3−または4−位、好ましくは4−位においてXに結合している。
本発明の別の好ましい実施形態は、式Iの化合物、および、好ましくは1つまたは複数のサブ式I.1)からI.18)の化合物に関し、式中、Ar2は、1つまたは複数の置換基R10を含んでおり、1個または2個、好ましくは1個の置換基R10は、非置換または置換カルバモイル部分から選択される。置換カルバモイル部分は、CONHR23またはCONR23R24、好ましくはCONHR23(ただし、R23およびR24は、R8に対して示された定義から独立に選択され、より好ましくはアルキル、好ましくはメチル、エチル、プロピルおよびブチルから選択される)、(CH2)nNR11R12および(CH2)nOR12(ただし、R11、R12およびnは上で定義したものである)から好ましくは選択される。この実施形態において、nは、好ましくは0ではなく、より好ましくは1から3、特に1または2である。R23に対する好ましい例は、メチル、エチル、CH2CH2NH2、CH2CH2N(CH3)2、CH2CH2N(CH2CH3)2、CH2CH2OH、CH2CH2OCH3およびCH2CH2OCH2CH3からなる群から選択される。
本発明の別の好ましい実施形態は、式Iの化合物、および、好ましくは1つまたは複数のサブ式I.1)からI.18)の化合物に関し、式中、Ar2は、1つまたは複数の置換基R10を含んでおり、1個または2個、好ましくは1個の置換基R10は、置換カルバモイル部分から選択される。置換カルバモイル部分は、好ましくはCONHR23から選択され、R23は、好ましくは非置換C1〜C4アルキル、特にメチルである。
本発明の別の好ましい実施形態は、式Iの化合物、および、好ましくは1つまたは複数のサブ式I.1)からI.18)の化合物に関し、式中、Ar2は、1つまたは複数の置換基R10を含んでおり、1個または2個、好ましくは1個の置換基R10は、置換カルバモイル部分から選択される。置換カルバモイル部分は、好ましくはCONHR23から選択され、R23は、(CH2)nNR11R12および(CH2)nOR12(ただし、R11、R12およびnは上で定義されているものである)から選択される。この実施形態において、nは、好ましくは0ではなく、より好ましくは1から3、特に1または2である。R23に対する好ましい例は、CH2CH2NH2、CH2CH2N(CH3)2、CH2CH2N(CH2CH3)2、CH2CH2OH、CH2CH2OCH3およびCH2CH2OCH2CH3からなる群から選択される。
本発明の別の好ましい実施形態は、式Iの化合物、および、好ましくは1つまたは複数のサブ式I.1)からI.18)の化合物に関し、式中、−Ar2−(R10)は、式
(ただし、R10、R23およびR24は上および下で定義されているものである)から選択される。
本発明の別の好ましい実施形態は、式Iの化合物、および、好ましくは1つまたは複数のサブ式I.1)からI.18)の化合物に関し、式中、ベンズイミダゾール部分は、1つまたは複数の置換基R8を含んでおり、1個または2個、好ましくは1個の置換基R8は、NH2、N(CH3)2、NHCH3、N(C2H5)2、HNCH2CH2NH2、OCH2CH2NH2、HOCH2CH2NH、OCH2CH2NHCH3、N(CH3)CH2CH2NH2、HN(CH3)CH2CH2NH、N(CH3)CH2CH2N(CH3)2、N(CH3)CH2CH2N(CH3)2、N(CH3)CH2CH2OCH3、OCH2CH2N(CH3)2、OCH2CH2N(CH2CH3)2、SCH3、SC2H5、および式
の化合物からなる群から選択され、かつ/またはAr2が、1つまたは複数の置換基R10を含んでおり、1個または2個、好ましくは1個の置換基R10は、この段落においてR8に対して与えられている意味から独立に選択される。
本発明の別の特に好ましい実施形態は、式Iの化合物、および、好ましくは1つまたは複数のサブ式I.1)からI.18)の化合物に関するものであって、上文および下文に記載されている実施形態の1つまたは複数の特徴が、1つの化合物中に組み合わされている。
本発明の対象は、それ故、式Ia、Ib、IcおよびId、
(R7、R8、p、X、Y、R9、qが、上文および下文に定義されているもの、およびR10が、Hまたは上文および下文に定義されているもの、好ましくはサブ式I.1)からI.18)および/またはそれと関連する実施形態において定義されているものであり、それらの互変異性型であり、および薬学的に許容されるすべての割合のその混合物を含むそれらの誘導体、溶媒和物、塩および立体異性体、より好ましくはそれらの塩および/または溶媒和物、特に好ましくは生理学的に許容されるそれらの塩および/または溶媒和物である。
本発明の別の好ましい実施形態は、式Iの化合物、および、好ましくは1つまたは複数のサブ式I.1)からI.18)およびIaからIdの化合物に関し、式中、R10は、置換カルバモイル部分CONHR23またはCONR23R24、好ましくはCONHR23(ただし、R23およびR24は、R8に対して与えられた定義から独立に選択される)であり、より好ましくは(CH2)nNR11R12および(CH2)nOR12(ただし、R11およびR12およびnは上で定義したものである)から選択される。この実施形態において、nは、好ましくは0ではなく、より好ましくは1から3、特に1または2である。R23に対する好ましい例は、CH2CH2NH2、CH2CH2N(CH3)2、CH2CH2N(CH2CH3)2、CH2CH2OH、CH2CH2OCH3、CH2CH2OCH2CH3からなる群から、および式
から選択される。
1つの残基、例えば、R8、R9、R10またはR14あるいはR23が、1つまたは複数の式Iおよびそれに対応するサブ式中に2回以上含まれるとき、それは、各場合において互いに独立にそれぞれの残基に対して与えられた意味から選択されることは当然である。例えば、R11およびR12は、H、A、(CH2)mAr3および(CH2)mHetからなる群から独立に選択されることが明確にされる。そのとき、(CH2)nNR11(CH2)mNR12R12は、(CH2)nNA(CH2)mNA2(R11=A、R12=A、およびR12=Hの場合)ならびに(CH2)nNA(CH2)mNHA(R11=A、R12=HおよびR12=Aの場合)、または(CH2)nNA(CH2)mNH(CH2)mHet(R11=A、R12=H、およびR12=(CH2)mHetの場合)であることができる。したがって、式Iの化合物が、1個の残基、R8、R9およびR10をもし含めば、そのとき、例えば、R8、R9およびR10はすべて(CH2)nCOOR13であることができ、すべての残基R13は同じ(例えば、CH2Hal、ただし、HalはClであり、そのときすべての残基R8、R9およびR10は同じである)であるか、または異なり(例えばCH2Hal、ただし、R8中でHalはClであり、R9中でHalはFであり、R10中でHalはBrであり、そのときすべての残基R8、R9およびR10は異なる)、あるいは、例えば、R8は(CH2)nCOOR13であり、R9はNO2であり、R10は(CH2)nSR11であって、R11およびR13が同じである(例えば、両方ともHであることができ、または両方ともAであってメチルであることができる)か、または異なる(例えば、R11はHであることができ、R13はAであってメチルであることができる)ことができる。
他に記載がない場合、式Iの化合物に対する言及は、また、それと関係するサブ式、特に、サブ式I.1)からI.18)およびIaからIdをも含む。
本発明の対象は、特に、式Iの化合物であって、前記式中に記載されている残基の少なくとも1つが上文および下文で与えられている、好ましいか、または特に好ましい意味の1つを有するものである。
本発明は、さらに式Ieの化合物に関し、
式中
(R8)pは、非置換を意味し;
(R8)pは、4−CH3;
(R8)pは、4−CF3;
(R8)pは、5−Cl;
(R8)pは、5−CF3;
(R8)pは、4−CH3および5−CH3;
(R8)pは、4−CH3および5−Cl;
(R8)pは、4−Brおよび6−CF3;
(R8)pは、4−CF3および6−Br;
(R8)pは、5−Clおよび6−CF3;
(R8)pは、4−CH3;
(R8)pは、4−Cl、6−CF3;
(R8)pは、4−CF3、6−Cl;
(R8)pは、5−Clおよび6−CH3;
(R8)pは、5−Clおよび6−CF3;
(R8)pは、4−CF3および6−CF3;
(R8)pは、5−Clおよび6−Cl;
および/または
(R8)pは、5−CH3;
であり、Bは以下に示す群:
それらの互変異性型であり、および薬学的に許容されるすべての割合のその混合物を含むそれらの誘導体、溶媒和物、塩および立体異性体、より好ましくは、それらの塩および/または溶媒和物、特に好ましくは生理学的に許容されるそれらの塩および/または溶媒和物である。
本発明はさらに、式Ieeの化合物に関し、
式中
(R8)pは、非置換を意味し;
(R8)pは、5−Cl;
(R8)pは、5−CF3;
(R8)pは、4−CH3および5−Cl;
(R8)pは、4−Brおよび6−CF3;
(R8)pは、5−Clおよび6−CF3;
(R8)pは、4−CH3;
(R8)pは、4−Cl、6−CF3;
(R8)pは、5−Clおよび6−CH3;
(R8)pは、4−CF3および6−CF3;
(R8)pは、5−Clおよび6−Cl;
および/または
(R8)pは、5−CH3;
であり、Bは以下に示す群;
およびそれらの互変異性型であり、および薬学的に許容されるすべての割合のその混合物を含むそれらの誘導体、溶媒和物、塩および立体異性体、より好ましくは、それらの塩および/または溶媒和物、特に好ましくは生理学的に許容されるそれらの塩および/または溶媒和物である。
本発明は、さらに、式A−NH−CO−Bであって、AおよびBが以下の表に示されている、化合物(1)から(78)に関する:
およびそれらの互変異性型であり、および薬学的に許容されるすべての割合のその混合物を含むそれらの誘導体、溶媒和物、塩および立体異性体、より好ましくは、それらの塩および/または溶媒和物、特に好ましくは生理学的に許容されるそれらの塩および/または溶媒和物である。
特別の実施形態において、サブ式Ia、Ib、Ic、Idおよび/またはIIeによるベンズイミダゾール誘導体は、O(CH2)nNR11R12、NR11(CH2)nNR11R12、O(CH2)nOR12およびNR11(CH2)nOR12からなる群から選択される1つまたは2つの置換基をさらに含み、
ただし、
R11、R12は、H、A、(CH2)mAr3および(CH2)mHetからなる群から独立に選択され、またはNR11R12において、
R11およびR12は、それらが結合しているN原子と共に、N、OおよびSから選択された1個または2個のさらなるヘテロ原子を場合により含有する5、6または7員の複素環を形成しており、
nは、1、2、3、4、5または6である。
この実施形態において、該置換基は、HNCH2CH2NH2、OCH2CH2NH2、NHCH2CH2NH、OCH2CH2NHCH3、N(CH3)CH2CH2NH2、HN(CH3)CH2CH2NH、N(CH3)CH2CH2N(CH3)2、N(CH3)CH2CH2N(CH3)2、N(CH3)CH2CH2OCH3、OCH2CH2N(CH3)2、OCH2CH2N(CH2CH3)2および式
の化合物からなる群から好ましくは選択される。
化合物、特に本発明による化合物を明らかにするために本明細書で使用する命名法は、一般に、化学化合物、特に有機化合物に対するIUPAC組織の規則に基づいている。
本発明の別の態様は、式Iの化合物を製造する方法であって、
a)式II
であって、
式中、
L1が、Hまたは金属イオンであり、R6、R7、R8およびpが、上および下で定義したものである化合物を、
b)式III
であって、
式中、
L2が、Cl、Br、I、OH、エステル化されたOH基またはジアゾニウム部分であり、Y、R9、q、X、Ar2、R10およびrが、上および下で定義したものである化合物と反応させ、
場合により
c)前記反応により得られた式Iの化合物を単離し、かつ/またはその塩を得るために酸で処理することを特徴とする方法に関する。
式Iの化合物およびそれらの調製のための出発材料もまた、さらに、文献(例えば、Houben-Weyl, Methoden der organischen Chemie[有機化学の方法]、Georg-Thieme-Verlag, Stuttgartなどの標準的な著述)に記載されていてそれ自体知られている方法により、正確には、既知であってその反応に適する前記反応条件の下で調製される。それ自体知られているがここではさらに詳細には記載しない変形もまた、本件で使用することができる。
必要に応じて、出発材料はまた、反応混合物からそれらを単離しないで、代わりにそれらをさらに式Iの化合物にそれぞれ直ちに転化することによりインサイチュー(in situ)で形成させることができる。他方、その反応を段階的に行うことが可能である。
式Iの化合物、および特に式Iの化合物は、式IIの化合物を式IIIの化合物と反応させることによって好ましくは得ることができる。
詳細には、式IIの化合物の式IIIの化合物との反応は、好ましくは不活性溶媒の存在または非存在下で、約−20℃から約200℃の間、好ましくは0℃と100℃との間、特に室温(25℃)付近の温度で行う。場合によっては、式IIの1つの化合物を式IIIの1つの化合物と、与えられた温度範囲の下端、好ましくは−20℃と75℃との間、より好ましくは0℃と60℃との間、特に10℃と40℃との間、例えば室温付近において混合し、その混合物を与えられた温度範囲の上端の温度、好ましくは80℃と180℃との間、より好ましくは90℃と150℃との間、特に95℃と120℃との間まで、例えば約100℃または約110℃に加熱するのが有利であり得る。
一般に、式IIおよび/または式IIIの化合物は新規である。ともかく、それらは、技術的に知られている方法によって調製することができる。
式IIの化合物において、L1は、好ましくはHまたはアミノ基を活性化する部分であり、それは例えば金属イオンに結合している。適当な金属イオンとしては、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンおよびアルミニウムイオンからなる群から好ましくは選択される。特に好ましい金属イオンは、アルカリ金属イオンであって、Li,NaおよびKが特に好ましい。多価金属イオンの場合、その金属イオンと式IIの化合物とは、式IIの化合物と金属イオンの間の割合が、化学量論および/または電気的中性の規則に従う金属イオン(1つまたは複数)の価数に依存する1つまたは複数の式IIの化合物および1つまたは複数の金属イオンを含有する錯体を形成する。
式IIIの化合物において、L2は、好ましくは、Cl、Br、I、OH、反応性の誘導体化したOH部分、特にエステル化されているOH部分、例えば、R’が、アルキル部分、好ましくは1から10個、より好ましくは1から6個の炭素原子を含む上文/下文に記載したアルキル部分であるOR’部分、または反応性のエステル化されているOH部分、例えば1から6個の炭素原子を含むアルキルスルホニルオキシ部分(好ましくはメチルスルホニルオキシ)または6から10個の炭素原子を含むアリールスルホニルオキシ部分(好ましくはフェニル系のp−トリルスルホニルオキシ)、またはジアゾニウム部分であり、より好ましくは、Cl、BrまたはIおよびR’が上文/下文で定義したものであるOR’であり、さらにより好ましくは、OHおよびOR’(R’は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチルおよびt−ブチルからなる群から好ましくは選択される)である。L2として特に好ましいのはOHである。
式IIの化合物と式IIIの化合物の間の反応は、酸結合手段、例えば1つまたは複数の塩基の存在下で、多くの場合有利に行うことができる。適当な酸結合手段は技術的に知られている。酸結合手段として好ましいのは無機塩基および特に有機塩基である。無機塩基についての例は、アルカリまたはアルカリ土類水酸化物、アルカリまたはアルカリ土類炭酸塩およびアルカリまたはアルカリ土類重炭酸塩、あるいは、弱酸とアルカリまたはアルカリ土類金属、好ましくは、カリウム、ナトリウム、カルシウムまたはセシウムとのその他の塩である。有機塩基についての例は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、ジメチルアニリン、ピリジンまたはキノリンである。有機塩基を使用する場合、反応中に採用する最も高い反応温度より高い沸点を有する塩基を使用するのが一般に有利である。有機塩基として特に好ましいのはDIPEAである。
多くの場合、式IIの化合物の式IIIの化合物との反応を、前記化合物の間の反応を促進する1つまたは複数の化合物、例えば1つまたは複数の触媒および/または縮合剤として作用している1つまたは複数の化合物の存在下で行うのが有利である。これに関する適当な化合物は、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファートテトラフルオロボラート(TBTU)、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラートおよび1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(HOBT)である。
反応時間は、一般に、それぞれの化合物の反応性およびそれぞれの反応条件により、数分から数日の範囲である。適当な反応時間は、当業者に公知の方法、例えば反応モニタリングにより容易に決定可能である。上記の反応温度に基づいて、適当な反応時間は、一般に10分から36時間の範囲にあり、好ましくは20分から24時間の間、特に12分から12時間の間、例えば約1時間、約3時間、約6時間または約10時間である。
好ましくは、式IIの化合物の式IIIの化合物との反応は、それぞれの反応条件下で好ましくは不活性である適当な溶媒の存在中で行う。適当な溶媒の例は、ヘキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエンまたはキシレン等の炭化水素類、トリクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、テトラクロロメタン、クロロホルムまたはジクロロメタン等の塩素化炭化水素類、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノールまたはt−ブタノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)またはジオキサン等のエーテル類、エチレングリコールモノメチルもしくはモノエチルエーテルまたはエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)等のグリコールエーテル類、アセトンまたはブタノン等のケトン類、アセトアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)またはN−メチルピロリジノン(NMP)等のアミド類、アセトニトリル等のニトリル類、ジメチルスルホキシド(DMSO)等のスルホキシド類、ニトロメタンまたはニトロベンゼン等のニトロ化合物類、酢酸エチル等のエステル類、または前記溶媒の混合物である。極性溶媒が一般に好ましい。適当な極性溶媒の例は、塩素化炭化水素類、アルコール類、グリコールエーテル類、ニトリル類、アミド類およびスルホキシド類またはそれらの混合物である。より好ましいのは、アミド類、特にジメチルホルムアミド(DMF)である。
YがO以外である式Iの化合物が必要である場合であっても、YがOである式IIの化合物と本発明による式IIIの化合物との反応を行い、YがOである式Iの化合物を獲得し、式Iの化合物中の対応するC=O基(すなわちYがOであるC=Y基)を、例えば、Houben-Weyl,Methods of Organic Chemistryからの当業者に公知の方法により、C=NR21、C=C(R22)−NO2、C=C(R22)−CNまたはC=C(CN)2基に変性または転化するのが好都合であり得る。
特に好ましくは、式IIIの化合物(ここでYはO、L2はOHである)と式IIの化合物(ここで好ましくはL1はHである)との間の反応は、DIPEAなどの有機塩基やDMFなどの極性有機溶媒の存在下で、TBTUおよびHOBTの存在する中で、0から60℃の間の温度、例えば室温付近で行われる。多くの場合において、反応の後半、例えば反応時間2から5時間後に、反応を終了するためにおよび/またはワークアップ処理を容易に行うために酸を加えることが有利である。
式IIの化合物は当業者に公知の方法により得ることができる。有利な方式において、それらは、式IV
であって、R6、R8およびpが上文/下文で定義したものであり、L3およびL4が互いに独立して、L2に対して与えられた意味から選択され、より好ましくは水素である化合物を、ハロゲンシアン化物、好ましくはシアン化臭素とアセトニトリル、水、メタノールまたはそれらの混合物などの適当な溶媒の存在下で反応させることにより容易に得ることができる。
特に好ましくは、式IIの化合物は、式IVの化合物(L3およびL4の両方が水素であり、好ましくはR6もまた水素であり、好ましくはメタノールで希釈されている)をシアン化臭素の溶液、好ましくはアセトニトリル/水の混合物で希釈されており、特におよそ1:10の比であるアセトニトリルと水の混合物で希釈されている溶液に加えることによって容易に得ることができ、式Vの化合物を得る。
および特に好ましくは式VIの化合物を得ることができ、
ここでR6および/またはR8およびpは、上記/下記で定義されているものである。
この反応は、0℃と50℃との間の温度で行われることが好ましく、特に室温付近である。反応時間は好ましくは2時間と4時間の間である。
式IVのいくつかの出発材料は知られており、好ましくは市販されている。それらが知られていない場合は、それらはそれ自体知られている方法により調製することができる。
式IIIの化合物は当業者に公知の方法に従って得ることができる。
式IIIの化合物が式IIIaによる化合物である場合、
式VIIIaの化合物
(ここでR9およびqは上記/下記で定義したものであり、Gは保護基であり好ましくはAで与えられた意味の中から選択され特にアルキルであり、例えばエチルまたはメチルである)を、式IXの化合物
L9−X−Ar2−(R10)r IX
(ここでL9はHまたは金属イオンであり、好ましくはアルカリ金属イオンからなる群から選択される金属イオンであり、より好ましくはHである。Ar2、R10、rおよびXは上記/下記で定義したものであり、Xは(CHR11)h−Q−(CHR12)i(R11,h,R12およびiは上記/下記で定義したものであり、好ましくはhおよび/またはiは0である。特にQはO、S、N−R17、(CHR18−O)j、(CHR18CHR19−O)j、CH=N−O,CH=N−NR17、SO2NR17からなる群から選択され、j、R17、R18およびR19は上記/下記で定義されている)である)と反応させ、任意に反応生成物を単離し、さらに得られた式XIの反応生成物
を式IIIの化合物中に、好ましくは式XIの化合物のCOOG部分を加溶媒分解または加水分解しCOOH部分とすることにより移動する有利な方法で容易に得ることができる。
上記部分の加水分解を行うための方法および反応条件は当業者に公知である。一般に前記加溶媒分解または加水分解反応は、酸性または塩基性溶剤の中で適当な溶媒の存在下で行うことが有利である。好ましくは、塩基溶剤の中で行われ、例えば1または複数の塩基の存在下で行われ、好ましくはアルカリまたはアルカリ土類水酸化物などの無機塩基が好ましく、より好ましくは水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムであり、より好ましくは、水または例えば上記/下記に示したアルコールなど、またはそれらの混合物である極性溶媒の存在下で行われる。好ましい反応温度は通常0℃と選択した溶媒の沸点温度の間の範囲の温度に設定され、特に室温付近である。加水分解の好ましい条件は、エタノール/NaOHおよび水/NaOHの加水分解が行われ、好ましくは例えば−20℃と50℃との間の温度、例えば約0℃のような低温度で行う。
Ar2は好ましくはピリジニルである。したがって式IXの化合物は好ましくは式IXaおよび式IXbからなる群から選択される。
(式中、L9、X、R10は上記定義したものであり、特に好ましくは式IXcおよび式IXdからなる群から選択され、
式中R10およびrは上記定義したものである。
したがって、式IIIa、式IX、式IXa、式IXbおよび式XIにおいて、橋かけ基Xは、好ましくは、O、S、OCH2およびOCH2CH2であり、特にOである。
式IX、式IXaおよび式IXbにおいて、L9は好ましくはHである。
一般に、この反応は、式IIIaa
であって、R9、q、X、Ar2、R10、rおよびGが、上文/下文で定義したものである化合物を製造するのに好都合である。
式IIIaaの化合物を得るために、式VIIIa
の化合物から選択された式VIIIの化合物を採用し、反応を上文/下分に記載されているように進めるのは理にかなっている。
したがって、式VIIIaの化合物および式IXaの化合物から出発することによって、その反応は、式IIIaaa
(式中、R9、q、X、R10およびrは、上文/下文で定義したものである)の化合物を好ましくはもたらす。
したがって、式VIIIaの化合物および式IXbの化合物から出発することによって、その反応は、式IIIaab
(式中、R9、q、X、R10およびrは、上文/下文で定義したものである)の化合物を好ましくはもたらす。
したがって、式VIIIaの化合物および式IXcの化合物から出発することによって、その反応は、式IIIaac
(式中、R9、q、R10およびrは、上文/下文で定義したものである)の化合物を好ましくはもたらす。
したがって、式VIIIaの化合物および式IXdの化合物から出発することによって、その反応は、次式
(式中、R9、q、R10およびrは、上文/下文で定義したものである)の化合物を好ましくはもたらす。
式VIIIおよび/または式IXの出発材料のいくつかは知られており、好ましくは市販されている。それらが知られていない場合、それらはそれ自体知られている方法によって調製することができる。
式VIIIと式IXの化合物の間の反応は、0℃と250℃、より好ましくは室温と200℃の間の温度範囲、例えば、約120℃、約150℃または約180℃で好ましくは行う。反応時間は、それぞれの反応物およびそれぞれの反応温度に依存するが、一般的には、30分と36時間、好ましくは3時間と24時間、より好ましくは8時間と20時間の間の範囲にあり、例えば、約10時間、約16時間または約18時間である。
反応は、溶媒の非存在下、または好ましくは、それぞれの反応条件下で不活性であることが好ましい溶媒である溶媒の存在下で行うことができる。その反応を行うための適当な不活性溶媒は、技術的に知られている。適当な溶媒の例は、高沸点脂肪族炭化水素類、高沸点芳香族炭化水素類、例えば、トルエン、キシレン;トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、ペンタクロロエタンおよびヘキサクロロエタン等の高沸点塩素化炭化水素類;エチレングリコールおよびプロピレングリコール等の高沸点エーテル類;エチレングリコールモノメチルもしくはモノエチルエーテルまたはエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)等のグリコールエーテル類;アセトアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)またはN−メチルピロリドン(NMP)等のアミド類;ジメチルスルホキシド(DMSO)等のスルホキシド類;または前記溶媒の混合物である。好ましいのはアミド類、特にジメチルホルムアミド(DMF)である。
好ましくは、その反応は塩基の存在下で行う。適当な塩基は技術的に知られている。好ましい塩基は有機塩基および特に無機塩基である。無機塩基についての例は、アルカリまたはアルカリ土類水酸化物、アルカリまたはアルカリ土類炭酸塩およびアルカリまたはアルカリ土類重炭酸塩、あるいは、弱酸とアルカリまたはアルカリ土類金属、好ましくは、カリウム、ナトリウム、カルシウムまたはセシウムとのその他の塩である。好ましい無機塩基は、K2CO3、Na2CO3、MgCO3、CaCO3、NaOHおよびKOHであり、特に好ましくはK2CO3である。有機塩基についての例は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、ジメチルアニリン、ピリジンまたはキノリンである。有機塩基を使用する場合、反応中に採用する最も高い反応温度より高い沸点を有する塩基を使用するのが一般に有利である。
別法では、式IIIの化合物が、式IIIb
による化合物である場合、それは、式VIIIb
(式中、R9、qおよびGは、上文/下文で定義されているものであり、L10は、L2に対して与えられた意味から独立に選択され、好ましくはL10はハロゲンであり、より好ましくはL10はCl、BrおよびIからなる群から選択され、特に好ましくはL10はClである)の化合物を、式IXbα
L11−X−Ar2−(R10)r IXbα
(式中、L11はHまたは金属イオン、好ましくは金属イオン、より好ましくはアルカリ金属イオンからなる群から選択された金属イオン、特にHであり;Ar2、R10、rおよびXは上文/下文で定義したものであって、特にその中でXは、(CHR11)h−Q−(CHR12)i、CH=N−O、CH=N−NR17、SO2NR17であり、その中で、Q、h、i、R11、R12およびR17は上文/下文で定義したものであり;さらにより好ましくはその中でXはOである)の化合物と反応させ、
場合によりその反応生成物を単離し、
得られた式XIb
の反応生成物を式IIIaの化合物中に、好ましくは式XIの化合物のCOOG部分を可溶解分解または加水分解してCOOH部分にすることにより、好ましくは上記の条件下において、移動する有利なやり方で容易に得ることができる。
Ar2は、好ましくはピリジニルである。したがって、式IXαbの化合物は、式IXeおよびIXf
(式中、L11、X、R10およびrは、上で定義したものである)からなる群から、特に好ましくは、式IXgおよびIXh
(式中、R10およびrは、上で定義したものである)からなる群から好ましくは選択される。
したがって、式IIIb、IXb、IXbαIXe、IXfおよびXIbにおいて、橋かけ基Xは、好ましくは、O、S、OCH2およびOCH2CH2であり、特にOである。
一般に、この別法の反応は、式IIIbb
であって、R9、q、X、Ar2、R10、rおよびGが、上文/下文で定義したものである化合物を製造するのに好都合である。
式IIIbbの化合物を得るために、式IIIbb
であって、halおよびGが、上文/下文で定義されたものであり、特にhalがClである化合物から選択された式VIIIbの化合物を採用し、別法の反応を上文/下分に記載されているように進めるのは理にかなっている。
したがって、式VIIIbbの化合物および式VIIIeの化合物から出発することによって、その反応は、式IIIbbe
(式中、R9、q、X、R10、rおよびGは、上文/下文で定義したものである)の化合物を好ましくはもたらす。
したがって、式VIIIbbの化合物および式IXfの化合物から出発することによって、その反応は、式IIIbbf
(式中、G、R9、q、X、R10およびrは、上文/下文で定義したものである)の化合物を好ましくはもたらす。
したがって、式VIIIbbの化合物および式IXgの化合物から出発することによって、その反応は、式IIIbbg
(式中、R9、q、R10およびrは、上文/下文で定義したものである)の化合物を好ましくはもたらす。
したがって、式VIIIbの化合物および式IXhの化合物から出発することによって、その反応は、式IIIbbh
(式中、R9、q、R10およびrは、上文/下文で定義したものである)の化合物を好ましくはもたらす。
式VIIIbおよび/または式IXbαの出発材料のいくつかは、知られており、好ましくは市販されている。それらが知られていない場合、それらはそれ自体知られている方法によって調製することができる。
式VIIIbと式IXbαの化合物の間の反応は、0℃と250℃、より好ましくは50℃と220℃の間の温度範囲、例えば、約90℃、約120℃、約160℃、約180℃または約200℃で好ましくは行う。反応時間は、それぞれの反応物およびそれぞれの反応温度に依存するが、一般的には、10分と24時間、好ましくは30分と12時間、より好ましくは1時間と6時間の間の範囲にあり、例えば、約1.5時間、約3時間、約4時間または約5時間である。
反応は、溶媒の非存在下、または、それぞれの反応条件下で不活性であることが好ましい溶媒である溶媒の存在下で行うことができる。その反応を行うための適当な不活性溶媒は、技術的に知られている。適当な溶媒の例は、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、例えば、トルエン、キシレン;ジクロロメタン、トリクロロメタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、ペンタクロロエタンおよびヘキサクロロエタン等の塩素化炭化水素類;ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、エチレングリコールおよびプロピレングリコール等のエーテル類;エチレングリコールモノメチルもしくはモノエチルエーテルまたはエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)等のグリコールエーテル類;アセトニトリル等のニトリル類;アセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)またはN−メチルピロリドン(NMP)等のアミド類;ジメチルスルホキシド(DMSO)等のスルホキシド類;または前記溶媒の混合物である。
好ましくは、その反応は触媒の存在下で行う。適当な触媒は技術的に知られている。好ましい触媒活性を示す金属は特に銅である。
好ましくは、その反応は、式VIIbの1つの化合物および式VIIIbの1つの化合物を含む反応混合物を、好ましくは適当な触媒の存在する中、特に銅が存在する中で、適当な反応温度まで、好ましくは与えられた温度範囲の上端、より好ましくは150℃と200℃の間の範囲にある例えば約180℃に加熱することにより行う。この温度における反応時間は、好ましくは上で示されている、特に1時間と5時間の間の範囲、例えば約3時間である。好ましくは、その反応混合物は、次に、与えられた温度の低い範囲内の温度まで、より好ましくは、50℃と150℃の間の範囲の温度、例えば約90℃まで冷めるままにする。好ましくは、適当な溶媒、特にt−ブチルメチルエーテルを次に加え、その反応混合物を、ほぼ同じ温度でさらにしばらく、好ましくは30分から2時間、より好ましくは約1時間好ましくは保持する。
好ましいさらなる別法として、式IIIの化合物が、式IIIc
による化合物である場合、それは、式VIIIb
(式中、R9、qおよびGは、上文/下文で定義したものであって、Xは、(CHR11)h−Q−(CHR12)i、CH=N−O、CH=N−NR17、SO2NR17であり、その中でQ、h、i、R11、R12およびR17は、上文/下文で定義したものであり、特にXはOであり、L12は、L1で示された意味から独立に選択され特にHである)の化合物を、
式IXc
L13−Ar2−(R10)r IXc
(式中、L13は、適当な脱離基であり、好ましくはCl、Br、I、エステル化OH基、またはジアゾニウム部分であり、より好ましくはCl、BrまたはIであり、特にClである。さらに、Ar2、R10およびrは上文/下文で定義したものである。)の化合物と反応させ、場合によりその反応生成物を単離し、
得られた式XIc
の反応生成物を式IIIcの化合物中に、好ましくは式XIcの化合物のCOOG部分を可溶解分解または加水分解してCOOH部分にすることにより、好ましくは上記の条件下において、移動する有利なやり方で容易に得ることができる。
Ar2は好ましくはピリジニルである。したがって、式IXcの化合物は、式IXceおよびIXcf
(式中、L13、R10およびrは、上で定義したものである)からなる群から、特に好ましくは、式IXcgおよびIXch
(式中、R10およびrは上で定義したものである)からなる群から好ましくは選択される。
一般に、この別法の反応は、式IIIcc
であって、R9、q、X、Ar2、R10、rおよびGが、上文/下文で定義したものである化合物、および特に式IIIccc
であって、R9、q、X、R10およびGが、上文/下文で定義したものであり、特にR9、q、X、およびGが、上文/下文で定義したものであり、R10は非置換または好ましくは置換カルバモイルである化合物を製造するのに好都合である。
式VIIIcの化合物と式IXcの化合物の間の反応は、技術的に公知の反応時間および反応条件の下で行うことができる。有利には、反応は、溶媒の非存在下で行うことができ、好ましくは適当な溶媒、好ましくは例えば上記に示した極性溶媒などの存在下で行うことができる。好ましくは、反応は溶媒としてDMFの存在下で行うことができる。反応は、好ましくは0℃と120℃の間の温度範囲において行われ、より好ましくは25℃と100℃の間、特に45℃と80℃の間の温度で行われる。
反応時間は好ましくは15分と48時間の間の範囲であり、好ましくは1時間と36時間の間、特に6時間と30時間の間の範囲である。多くの場合、式VIIIcの化合物と式IXcの化合物を、与えられた範囲の短い方の反応時間における与えられた範囲の低い方の温度において混合し、そして反応混合物を反応時間の長いほうの反応時間における与えられた高い方の温度に加熱する。特に好ましくは、式VIIIcの化合物と式IXcの化合物を混合し、さらに5分から30分の反応時間の間およそ45℃に加熱し、その後20から30時間の反応時間の間およそ80℃に加熱する。
式IIIの化合物が、式IIId
による化合物である場合、それは、式XII
(式中、L14は、Hまたは金属イオン、好ましくはアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンおよびアルミニウムイオンからなる群から選択された金属イオン、特に好ましくはアルカリ金属イオンであって、Li、NaおよびKが特に好ましく、さらにより好ましくはHであり、R9、qおよびXは、上文/下文で定義したものであって、特にその中でXは、(CHR11)h−Q−(CHR12)iであり、その中で、R11、h、R12およびiは、上文/下文で定義したものであり、その中でhおよび/またはiは、好ましくは0であり、Qは、O、S、N−R17、(CHR18−O)j、(CHR18CHR19−O)j、CH=N−O、CH=N−NR17、SO2NR17からなる群から選択され、その中で、j、R17、R18およびR19は、上文/下文で定義したものである)の化合物を、
式XIII
(式中、halは、Cl、BrおよびIからなる群から独立に選択され、残基R10は同じものかまたは異なるものであって、上文/下文で示された意味を有しており、好ましくは両方とも同じ意味を有しており、添字rは同じものかまたは異なるものであって、上文/下文で示された意味を有しており、好ましくは同じである)の化合物と反応させ、場合によりその反応生成物を単離し、
得られた式XIV
の反応生成物を、式IIIdの化合物中に、好ましくは式XIVの化合物のCOOG部分を可溶解分解または加水分解してCOOH部分にすることにより、好ましくは上記の条件下において、移動する有利なやり方で容易に得ることができる。
式XIIおよびXIIIの化合物の間の反応は、0℃と250℃、より好ましくは室温と200℃の間の温度範囲内、例えば約120℃、約150℃または約180℃で好ましくは行う。反応時間は、それぞれの反応物およびそれぞれの反応温度に依存するが、一般的には30分と24時間、好ましくは1時間と12時間の範囲内にあり、例えば約2時間、約3時間または約6時間である。その反応は、溶媒の非存在下、またはそれぞれの反応条件下で不活性である溶媒が好ましい溶媒の存在下で行うことができる。その反応を行うために適当な不活性溶媒は技術的に知られている。
式XIIおよび/または式XIIIのいくつかの出発材料は知られており、好ましくは市販されている。それらが知られていない場合は、それらはそれ自体知られている方法により調製することができる。
化合物III、IIIa、IIIaa、IIIaaa、IIIaab、IIIb、IIIbb、IIIbbc、IIIbbf、IIIc、IIIcc、IIIccc、IIId、VIIIc、IX、IXa、IXb、IXbα、IXe、IXf、XI、XII、および/またはXIVにおいて、橋かけ基Xは、好ましくはO、S、OCH2およびOCH2CH2であり、より好ましくはOまたはCH2であり、特にOである。
化合物IIId、XIII、およびXIVにおいて、rは好ましくはそれぞれの場合において独立に、そしてより好ましくはそれぞれの場合において0である。
化合物XIIにおいて、L10は好ましくはHまたはNaおよびKからなる群から選択され、特に好ましくはHである。
選択した反応経路とは無関係に、残基R8、R9および/またはR10を1つまたは複数の上記の化合物中に導入すること、または、その化合物が既に1つまたは複数の残基R8、R9および/またはR10を含んでいる場合に、さらなる残基R8、R9および/またはR10を前記化合物中に導入することは、多くの場合可能性があるかもしくは実行可能でさえある。さらなる残基の導入は、技術的に知られている方法、特に芳香族置換反応、例えば、求核芳香族置換反応または求電子芳香族置換反応により容易に実施することができる。例えば、ベンズイミダゾール部分および/またはAr2が、1つまたは複数のハロゲン、および好ましくはフッ素置換基を含む化合物において、1つまたは複数のそのハロゲン/フッ素置換基は、HO(CH2)nNR11R12、HO(CH2)nO(CH2)kNR11R12、HO(CH2)nNR11(CH2)kOR12、HO(CH2)nNR11(CH2)kNR11R12、HO(CH2)nCOOR13、HO(CH2)nS(O)uR13 HNR11(CH2)nNR11R12、HNR11(CH2)nO(CH2)kNR11R12、HNR11(CH2)nNR11(CH2)kOR12、HNR11(CH2)nNR11(CH2)kNR11R12、HNR11(CH2)nCOOR13およびHNR11(CH2)nS(O)uR13(R11、R12、R13は上で定義されたものであり、nは上で定義されたものであって、好ましくはnは0、1または2、特に0であり、kは1から4であって、好ましくは1または2であり、uは好ましくは2である)からなる群から好ましくは選択された、ヒドロキシ、チオおよび/またはアミノ置換炭化水素により容易に置換することができる。この実施形態において、R11、R12、R13はより好ましくは、H、メチルおよびエチルからなる群から互いに独立に選択される。さらにより好ましくは、ヒドロキシ、チオおよび/またはアミノ置換炭化水素は、NH3、HN(CH3)2、NH2CH3、HN(C2H5)2、H2NCH2CH2NH2、HOCH2CH2NH2、HOCH2CH2NHCH3、HN(CH3)CH2CH2NH2、HN(CH3)CH2CH2N(CH3)2、HN(CH3)CH2CH2N(CH3)2、HN(CH3)CH2CH2OCH3、HOCH2CH2N(CH3)2、HOCH2CH2N(CH2CH3)2、HSCH3、HSC2H5、および式
の化合物、またはそれらの塩、特に金属塩からなる群から選択される。
他方で、多くの場合、残基R8、R9およびR10の1つまたは複数を、もともと存在していたもの以外の残基R8、R9および/またはR10に変性または誘導体化することが可能であるか実現可能でさえある。例えば、CH3−基は、アルデヒド基またはカルボン酸基に酸化することができ、チオ原子含有基、例えばS−アルキルまたはS−アリール基は、SO2−アルキルまたはSO2−アリール基にそれぞれ酸化することができ、カルボン酸基は、カルボン酸エステル基またはカルボンアミド基に誘導体化することができ、カルボン酸エステル基またはカルボンアミド基は、加水分解して対応するカルボン酸基にすることができる。上記変性または誘導体化を実施する方法は、例えば、Houben-Weyl, Methods of Organic Chemistryから技術的に知られている。
本明細書に記載されている反応ステップは、いずれも、1つまたは複数のワークアップ処置および/または単離処置が場合により後に続き得る。適当な上記処置は、例えば、Houben-Weyl, Methoden der Organischen Chemie、 Georg-Thieme-Verlag, Stuttgart等の標準的な著述から、技術的に知られている。上記処置の例としては、非限定であるが、溶媒の蒸発、蒸留、結晶化、分別結晶化、抽出処置、洗浄処置、蒸解処置、ろ過処置、クロマトグラフィー、HPLCによるクロマトグラフィー、および乾燥処置、特に真空および/または高温における乾燥処置が挙げられる。
式Iの塩基は、酸を用いる関連した酸付加塩に、例えば、エタノール等の好ましくは不活性溶媒中で、当量のその塩基と酸とを反応させ、続いて蒸発させることによって転化することができる。この反応のための適当な酸は、特に、生理的に許容される塩を提供するものである。したがって、無機酸、例えば、硫酸、亜硫酸、ジチオン酸、硝酸、塩酸または臭化水素酸等のハロゲン化水素酸、例えばオルトリン酸等のリン酸、スルファミン酸、さらに有機酸、特に、脂肪族酸、脂環式酸、アルアリファチック酸、芳香族または複素環式一塩基または多塩基カルボキシル酸、スルホン酸または硫酸等の燐酸、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、ピバリン酸、ジエチル酢酸、マロン酸、コハク酸、ピメリン酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ニコチン酸、イソニコチン酸、メタン−またはエタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリメトキシ安息香酸、アダマンタンカルボン酸、p−トルエンスルホン酸、グリコール酸、エンボン酸、クロロフェノキシ酢酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、プロリン、グリオキシル酸、パルミチン酸、パラクロロフェノキシイソ酪酸、シクロヘキサンカルボン酸、グルコース1−リン酸、ナフタレンモノ−およびジスルホン酸またはラウリル硫酸を使用することができる。生理的に許容できない酸との塩、例えばピクリン酸塩は、式Iの化合物を単離および/または精製するために使用することができる。他方、式Iの化合物は、対応する金属塩、特にアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩に、あるいは対応するアルミニウム塩に、塩基(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウム)を用いて転化させることができる。適当な塩は、さらに、アンモニウム塩、例えば、ジメチル−、ジエチル−およびジイソプロピルアンモニウム塩、モノエタノール−、ジエタノール−およびジイソプロパノールアンモニウム塩、シクロヘキシル−およびジシクロヘキシルアンモニウム塩、ジベンジルエチレンジアンモニウム塩に、さらに例えばアルギニンまたはリシンとの塩に置換される。
他方、必要に応じて、式Iの遊離の塩基をそれらの塩から塩基(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウム)を用いて遊離させることができる。
本発明は、式Iの化合物および生理学的に許容される医薬品としてのそれらの塩および溶媒和物に関する。
本発明は、また、式Iの化合物および生理学的に許容されるキナーゼ阻害因子としてのそれらの塩および溶媒和物に関する。
本発明は、さらに、式Iの化合物および/または生理学的に許容されるそれらの塩および/または溶媒和物の、特に非化学的方法による医薬品組成物および/または医薬品製品を調製するための使用に関する。この場合、本発明による1つまたは複数の化合物は、少なくとも1つの固体、液体および/または半液体の賦形剤またはアジュバントと共に、かつ必要に応じて、1つまたは複数のさらなる活性成分と組み合わせて適当な剤形に加工することができる。
本発明は、さらに、特に非化学的経路による医薬品組成物および/または医薬品製品を製造するための、遊離塩基、医薬品として許容される誘導体、好ましくは式の化合物の溶媒和物、および式Iの化合物の塩としての式Iの化合物からなる群から選択される本発明の一つまたは複数の化合物の使用に関する。一般に、医薬品組成物および/または医薬品製品を製造するための非化学的経路は、本発明による1つまたは複数の化合物をそのような治療を必要としている患者に投与するために適する剤形に変形させる技術的に知られている適当な機械的手段による処理ステップを含む。通常、本発明による1つまたは複数の化合物の上記剤形への変形は、担体、賦形剤、助剤および本発明による化合物以外の医薬品活性成分からなる群から選択された1つまたは複数の化合物の添加が含まれる。適当な処理ステップとしては、非限定で、それぞれの活性および不活性成分を、組み合わせ、磨砕、混合、造粒、溶解、分散、均質化、成型および/または圧縮するステップが挙げられる。この点において、活性成分とは、好ましくは、本発明による少なくとも1つの化合物および本発明による化合物以外であって、有用な医薬品特性、好ましくは、本明細書に開示されている本発明による化合物以外のそのような医薬品活性要因を示す1つまたは複数のさらなる化合物である。
医薬品組成物および/または医薬品製品を調製するためのその方法は、組み合わせ、磨砕、混合、造粒、溶解、分散、均質化および圧縮するステップからなる群から選択された1つまたは複数の処理ステップを好ましくは含む。その1つまたは複数の処理ステップは、好ましくは本発明による医薬品組成物および/または医薬品製品を形成するためのものである1つまたは複数の成分について好ましくは実施される。さらにより好ましくは、前記処理ステップは、医薬品組成物および/または医薬品製品を形成するためのものである2つ以上の成分について実施し、前記成分は、1つまたは複数の本発明による化合物および、加えて、本発明による化合物以外の活性成分、賦形剤、助剤、アジュバントおよび担体からなる群から好ましくは選択された1つまたは複数の化合物を含む。前記処理ステップを実施するための機械的手段は、例えば、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry、第5版から技術的に知られている。
好ましくは、本発明による1つまたは複数の化合物は、賦形剤、助剤、アジュバントおよび担体からなる群から選択された少なくとも1つの化合物、特に固体、液体および/または半液体の賦形剤、助剤、アジュバントおよび担体と共に、および、必要に応じて1つまたは複数のさらなる活性成分と組み合わせて適当な剤形に加工される。
適当な剤形としては、非限定で、錠剤、カプセル、半固体、座薬、エアロゾルが挙げられ、それらは、例えば以下に示す、技術的に知られている方法に従って製造することができる:
錠剤 活性成分(1つまたは複数)および助剤を混合し、前記混合物を錠剤に圧縮(直接圧縮)、場合により混合物の一部を粒子化した後圧縮する
カプセル 活性成分(1つまたは複数)および助剤を混合して流動する粉末を得、場合により粒子化し、粉末/粒子を口の開いたカプセルに充填し、カプセルにキャップをする
半固体(軟膏、ゲル、クリーム) 活性成分(1つまたは複数)を水性または脂肪質担体中に溶解/分散させる;その後水/脂肪質相を補充の脂肪質相、水相とそれぞれ混合し、均質化する(クリームのみ)
座薬(直腸および膣) 活性成分(1つまたは複数)を加熱して液化した担体材料(直腸:担体材料は、通常はワックス;膣:担体材料は、通常はゲル化剤の加熱溶液)中に溶解/分散させ、前記混合物を座薬の型に流し込み、徐冷し、その型から座薬を取り出す
エアロゾル 活性成分(1つまたは複数)を、噴霧剤中に分散/溶解し、前記混合物を噴霧器中に瓶詰めする。
本発明は、かくして、少なくとも1つの式Iの化合物および/またはその生理的に許容される塩および/または溶媒和物の1つを含む医薬品組成物および/または医薬品製品、ならびに特に少なくとも1つの式Iの化合物および/またはその生理的に許容される塩および/または溶媒和物の1つを含む医薬品組成物および/または医薬品製品に関する。
好ましくは、本発明による医薬品組成物および/または医薬品製品は、本発明による1つまたは複数の化合物の治療有効量を含有する。前記本発明による1つまたは複数の化合物の治療有効量は当業者には公知であり、または技術的に知られている標準的な方法により容易に決定することができる。例えば、本発明による化合物は、キナーゼ阻害因子として、好ましくはrafキナーゼ阻害因子として有効である他の化合物と類似したやり方で、特にWO/0042012(Bayer)に記載の化合物と類似した方法で患者に投与することができる。通常、治療的に有効である適当な投与量は、1投薬単位当たり0.0005mgと1000mgとの間、好ましくは、0.005mgと500mgとの間、特に0.5と100mgとの間の範囲にある。1日の投与量は、好ましくは0.001mgを超え、より好ましくは0.01mgを超え、さらにより好ましくは0.1mgを超え、特に1.0mgを超え、例えば2.0mgを超え、5mgを超え、10mgを超え、20mgを超え、50mgを超えまたは100mgを超え、好ましくは1500mg未満であり、より好ましくは750mg未満であり、さらにより好ましくは500mg未満であり、例えば400mg未満、250mg未満、150mg未満,100mg未満,50mg未満または10mg未満である。
個々の患者に対する特定の投与量は、しかしながら、多数の要因に、例えば、採用された特定の化合物の効能に、年齢、体重、全身の健康状態、性、食べ物の種類に、投与の時間と経路に、排泄率、投与の種類および投与される剤形、医薬品の組み合わせならびにその治療が関係するその特定の疾患の重傷度に依存する。個々の患者に対する特定の治療有効投与量は、定型的な実験により、例えば、その治療上の処置にアドバイスまたは参加する医者または内科医が容易に決定することができる。
しかしながら、各患者に対する特定の投与量は、多種多様の要因、例えば、採用された特定の化合物の効能に、年齢、体重、全身の健康状態、性別に、食べ物に、投与の時間と方法に、排泄率、医薬品の組み合わせならびにその治療を適用するその特定の病気の重傷度に依存する。非経口的投与が好ましい。経口投与は特に好ましい。
これらの組成物および/または製品は、ヒトの薬物または動物薬として使用することができる。適当な賦形剤は、経腸性(例えば経口)、非経口または局所性投与に適しており、新規化合物と反応しない有機または無機物質であり、例えば、水、植物油、ベンジルアルコール、アルキレングリコール、ポリエチレングリコール、トリ酢酸グリセロール、ゼラチン、ラクトースまたはデンプン等の炭水化物、ステアリン酸マグネシウム、タルクまたはワセリンである。特に経口投与用として適する適当な剤形についての例は、特に、錠剤、丸剤、コーティング錠、カプセル、粉剤、顆粒、シロップ剤、ジュース剤またはドロップ剤である。特に直腸投与に適する適当な剤形についてのさらなる例は、座薬であり、特に非経口的投与に適する適当な剤形についてのさらなる例は、溶液、好ましくは油系または水性溶液、さらに懸濁液、エマルジョンまたは植込錠であり、局所適用に適するのは軟膏、クリームまたは粉剤である。この新規な化合物は、また、凍結乾燥して、得られた凍結乾燥品を例えば注射用調合液の調製に使用することができる。指示された該組成物および/または製品は、殺菌し、かつ/または、滑剤、防腐剤、安定剤および/または湿潤剤、乳化剤、浸透圧を修正するための塩、緩衝物質、染料および香料、および/または1つまたは複数のさらなる活性成分、例えば1つまたは複数のビタミン等の助剤を含むことができる。
吸入スプレーとして投与するためには、活性成分を噴霧ガスまたは噴霧ガス混合物(例えばCO2またはクロロフルオロカーボン)中に溶解するかまたは懸濁させるスプレーを使用することが可能である。活性成分は、ここでは微粉形態で使用するのが好都合であり、その場合1つまたは複数の生理的に許容されるさらなる溶媒例えばエタノールを存在させることができる。吸入液剤は、通常の吸入器を用いて投与することができる。
式Iの化合物およびそれらの生理的に許容される塩および溶媒和物および特に式Iの化合物およびそれらの生理的に許容される塩および溶媒和物は、1つまたは複数の疾病、例えばアレルギー性疾患、乾癬およびその他の皮膚病、特にメラノーマ、例えば関節リューマチ等の自己免疫疾患、多発性硬化症、クローン病、糖尿病または潰瘍性大腸炎と闘うために採用することができる。
一般に、本発明による物質は、1用量単位当たり1mgと500mgとの間、特に5mgと100mgとの間の化合物ロリプラムに対応する投与量で好ましくは投与する。1日の投与量は、好ましくは体重1kg当たり約0.02mgと10mgとの間である。しかしながら、各患者に対する特定の投与量は、多種多様の要因、例えば、採用された特定の化合物の効能に、年齢、体重、全身の健康状態、性に、食べ物に、投与の時間と方法に、排泄率、医薬品の組み合わせならびにその治療を適用するその特定の病気の重傷度に依存する。
請求項1に記載の式1の化合物および/またはそれらの生理的に許容される塩は、また、血管新生によって維持または増殖される病理学的過程、特に腫瘍、再狭窄、糖尿病性網膜症、斑点変性疾患または関節リューマチにおいて使用される。
熟練者であれば容易に理解するであろうが、投与レベルは、その特定の化合物、症状の重症度および対象の副作用に対する感受性の関数として変化し得る。特定の化合物のいくつかは、他より一層効き目がある。与えられた化合物についての好ましい投薬量は、当業者による様々な手段によって容易に決定される。好ましい手段とは、与えられた化合物の生理学的効能を測定することである。
主題の方法における使用に対して、主題の化合物は、本発明の化合物以外の薬学的活性剤、特にその他の抗転移、抗腫瘍または抗血管新生剤と配合することができる。重要な血管新生阻害化合物としては、アンギオスタチン、エンクロスタチン(enclostatin)、コラーゲンアルファのカルボキシ末端ペプチド(XV)、その他が挙げられる。重要な細胞傷害および細胞増殖抑制剤としては、アドリアマイシン、アレラン(arelan)、Ara−C、BICNU、ブスルファン、CNNU、シスプラチン、サイトキサン、ダウノルビシン、DTIC、5−FU、ハイドレア、イホスファミクル(ifosfamicle)、メトトレキサート、ミトラマイシン、マイトマイシン、ミトサントロン、ナイトロジェンマスタード、ベルバン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、VP−16、カルボプラチン、フルダラビン、ジェムシタビン、イダルビシン、イリノテカン、ロイスタチン、ナベルビン、タキソール、タキソテール、トポテカン、その他が挙げられる。
本発明の化合物は、インビボでの異種移植腫瘍モデルにおいて増殖抑制効果を有することが示されている。主題の化合物は、高増殖性疾患を有する対象に、例えば、腫瘍の成長を抑制するため、リンパ増殖性疾患に伴う炎症を減少させるため、組織不適合性または組織回復その他による神経障害を抑制するために投与される。当面の化合物は、予防または治療目的に有用である。本明細書で使用する用語「治療する」は、疾病の阻害および事前の状態の治療の両方を指すために使用される。増殖の阻害は、主題の化合物を顕在的な疾病の進行前に、例えば、腫瘍の再生を阻害する、転移性の成長を阻害する、心臓血管手術に伴う動脈再狭窄を軽減するなどのために投与することによって達成される。別法では、該化合物は、進行中の疾病を、患者の臨床症状を安定化または改善するように処理するために使用される。
さらに、本発明による化合物は、好ましくは、多種多様の起源の感染症の治療に利用することができる。
本発明と合致する感染症としては、非限定で、バクテリア、真菌、ウイルスおよび原生動物等の病原微生物によって引き起こされる感染症、例えばインフルエンザ(Pleschka,S.等、Nature Cell Biol. 2001, 301〜305頁)、レトロウイルス、例えばHIV感染(Yang,X.等、J.Biol.Chem.1999, 274, 27981〜27988頁;Popik,W等、Mol Cel Biol.1996, 16, 6532〜6541頁)、B型肝炎(Benn,J等、Proc.Natl.Acad.Sci. 1995, 92, 11215〜11219頁)、C型肝炎(Aoki等、J.Virol.2000, 74, 1736〜1741頁)、ラピローマウイルス、パラインフルエンザ、ライノウイルス、アデノウイルス、ピロリ菌(Heliobacter pylori)、ならびに皮膚のウイルスおよびバクテリア感染症(例えば、ヘルペス、いぼ、水痘、伝染性軟属腫、帯状疱疹、せつ、蜂巣炎、丹毒、膿痂疹、輪癬、皮膚真菌症および白癬)が挙げられる。
さらに、本発明と合致する化合物は、好ましくは抗血管新生特性を示す。
したがって、本発明の化合物は、血管新生および/または血管透過性と関連する疾患の領域における細胞増殖を特徴とする、関節炎および再狭窄を含む血管増殖疾患;肝硬変およびアテローム性動脈硬化症を含む線維化疾患;糸球体腎炎、糖尿病性ネフロパチー、悪性腎硬化症、血栓性微小血管症候群、移植臓器拒絶および糸球体腎症を含むメサンギウム細胞増殖性疾患;および乾癬、真性糖尿病、慢性創傷治癒、炎症および神経変性疾患を含む代謝性疾患を含む1つまたは複数の哺乳類を悩ます疾病の治療に有利に採用することができる。
宿主または患者は、任意の哺乳類の種、例えば、霊長類の種、特にヒト;マウス、ラットおよびハムスターを含む齧歯動物;ウサギ;ウマ、ウシ、イヌ、ネコなどからであり得る。動物モデルは、ヒトの疾病の治療に対するモデルを提供し、実験的研究のために重要である。
主題の化合物による治療に対する特定の細胞の感受性は、インビトロでの試験により測定することができる。一般的に、細胞の培養液は、主題の化合物と、様々な濃度で、活性な作用物質が細胞死を引き起こすかまたは移動を阻害することを可能にするのに十分な期間、通常、約1時間と1週間の間、組み合わせる。インビトロでの試験には、生検標本からの培養細胞を使用することができる。処理後残った生存細胞を次に数える。
投与量は、利用した特定の化合物、特定の疾患、患者の状態などによって変化しよう。一般的には、薬用量は、標的組織内の望ましくない細胞の個体群を患者の生存を維持しながら実質的に減少させるには十分な量である。治療は、一般に、細胞の負荷量の十分な低下、例えば少なくとも約50%の減少があるまで続けられ、さらに望ましくない細胞が体内に本質的に検出されなくなるまで続けられることもありうる。
本発明による化合物は、ヒトまたはヒト以外の動物に、より好ましくは哺乳動物に、特にヒトに、好ましくは投与される。
該化合物は、また、タンパク質キナーゼにより媒介されるシグナル経路の特定の阻害において使用が見出される。タンパク質キナーゼは、細胞外シグナルおよび細胞周期チェックポイントに対する応答のような重要な細胞活性についてのシグナル経路に関与する。特定のタンパク質キナーゼの阻害は、これらのシグナル経路中に介入する手段、例えば、細胞外シグナルの効果を妨害すること、細胞周期チェックポイントから細胞を放出することなどを提供した。タンパク質キナーゼの活性における欠陥は、タンパク質キナーゼにより媒介されたシグナルに欠陥が存在する様々な病理学的または臨床症状と関連している。上記症状としては、細胞周期の調節におけるかまたは細胞外シグナルに応えた欠陥と関連するもの、例えば、免疫障害、自己免疫および免疫不全症;乾癬、関節炎、炎症、子宮内膜症、瘢痕、癌、などを含むことができる過剰増殖性疾病が挙げられる。本発明の化合物は、精製したキナーゼタンパク質、好ましくはrafキナーゼを阻害することにおいて活性であり、例えば、該化合物の存在下では特定の基質のリン酸化反応が減少する。本発明の化合物は、また、シグナル変換または本出願を通して掲げた任意の臨床的障害を研究するための試薬としても有用である。
細胞増殖の調節異常と関連する多くの疾患が存在する。重要な症状としては、非限定で、以下の症状が挙げられる。主題の化合物は、平滑筋細胞および/または炎症細胞の血管の血管内膜層中への増殖および/または移動が存在し、その結果その血管を通る制限された血流、例えば、新生内膜閉塞性傷害をもたらす様々な症状の治療に役立つ。重要な閉塞性血管症状としては、アテローム性動脈硬化症、移植手術後のグラフト冠動脈疾患、静脈グラフト狭窄、近位吻合プロセティック(prothetic)グラフト狭窄、血管形成またはステント留置後の再狭窄、などが挙げられる。
過剰増殖および組織リモデリングもしくは修復または生殖組織が存在する疾病、例えば、子宮、睾丸および卵巣癌、子宮内膜症、へん平上皮乳頭腫および子宮頚部上皮腺癌などは、主題化合物の投与によって細胞数が減少する。神経系細胞の成長および増殖もまた重要である。
腫瘍細胞は、無制約成長、周辺組織への侵入、および遠位部位への転移性拡大を特徴とする。成長と拡大は、増殖するだけでなく細胞死を下方変調(アポトーシス)し、腫瘍新生血管を生成するために血管新生を活性化する能力も必要とする。
治療の対象となる重要な腫瘍としては、癌腫、例えば、大腸癌、十二指腸癌、前立腺癌、乳癌、メラノーマ、腺管癌、肝臓癌、膵臓癌、腎臓癌、子宮内膜癌、胃癌、形成異常口腔粘膜、ポリープ症、湿潤性口腔癌、非小細胞肺癌、移行性およびへん平上皮泌尿器癌など;神経の悪性腫瘍、例えば、神経芽細胞腫、神経膠腫など;血液悪性腫瘍、例えば、幼児期急性白血病、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ性白血病、悪性皮膚T細胞、菌状息肉腫、非MF皮膚T細胞リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、T細胞リッチ皮膚リンパ球腫、水疱性類天疱瘡、円盤状紅斑性疱瘡、扁平苔癬など、および同種のものが挙げられる。
神経組織の腫瘍は特に重要であり、例えば神経膠腫、神経腫などである。いくつかの特に重要な癌としては、本来腺癌の亜種である乳癌が挙げられる。本来の位置での腺管癌は非侵襲性乳癌の最も通常のタイプである。DCISにおいては、悪性細胞は、導管の壁を通って胸部の脂肪質組織中に転移を完了していない。浸潤性(または侵襲的)腺管癌(IDC)は、導管の壁を通って胸部の脂肪質組織中に転移して侵襲を完了している。浸潤性(または侵襲的)小葉癌(ILC)は、IDCと類似しており、それは体内の他所に転移する可能性を有している。侵襲的乳癌の約10%から15%が浸潤性小葉癌である。
非小細胞肺癌もまた重要である。非小細胞肺癌(NSCLC)は肺癌の3つの一般的な亜類型からなる。類表皮癌(扁平上皮細胞癌とも呼ばれる)は通常より大きい気管支の1つの中で始まり、比較的ゆっくり成長する。これらの腫瘍の大きさは非常に小さいものからかなり大きいものまで及ぶ。腺癌は、肺の外側表面の近くで成長を開始し、大きさおよび成長速度の両方とも様々であり得る。ゆっくり成長する腺癌のいくつかは、肺胞細胞癌として記載される。大きい細胞癌は、肺の表面近くで始まり、急速に成長し、その成長は通常診断時にはかなり大きくなっている。その他のあまり一般的でない肺癌の形は、カルチノイド、円柱腫、粘液類表皮腫、および悪性中皮腫である。
メラノーマはメラノサイトの悪性腫瘍である。ほとんどのメラノーマは皮膚で起こるが、それらはまた粘膜面からまたは神経堤細胞が移動するその他の部位にも起こり得る。メラノーマは大部分は成人において起こり、その場合の半分を超えて皮膚の外見上正常な領域で発生する。予後は、臨床および組織学的要因により、ならびに障害の解剖学的位置により影響される。メラノーマの侵襲、分裂指数、腫瘍浸潤リンパ球、および原発部位における潰瘍形成または出血の厚さおよび/または水準が予後に影響する。臨床病期は、腫瘍が局所リンパ節または遠位部位まで広がったかどうかを基準とする。原発部位に臨床的に閉じ込められた疾病については、そのメラノーマの局所侵入の厚さおよび深さが大きいほどリンパ節転移の可能性が高く、予後は悪い。メラノーマは局所拡大(リンパ管を通して)によりおよび/または遠位部位への血行経路により拡大し得る。いずれの臓器も転移先に含むことができるが肺および肝臓が代表的な部位である。
他の重要な過剰増殖性疾病は、表皮性の過剰増殖、組織、リモデリングおよび修復と関係する。例えば、乾癬の慢性皮膚炎は、過形成の表皮性ケラチン生成細胞ならびにCD4+記憶T細胞、好中球およびマクロファージを含む浸潤性単核細胞と関係がある。
免疫細胞の増殖は、多数の自己免疫およびリンパ増殖症候群と関係している。重要な疾病としては、多発性硬化症、関節リュウマチおよびインスリン依存性真性糖尿病が挙げられる。証拠により、アポトーシスにおける異常が、全身性紅斑性狼瘡(SLE)の病因の一部を演じることが示されている。他のリンパ増殖性は、リンパ球アポトーシスの遺伝性疾患の要件となり、それが、自己免疫性リンパ増殖性症候群、ならびに多数の白血病およびリンパ腫である。環境および食品の作用物質に対するアレルギー症状ならびに炎症性腸疾患もまた、本発明の化合物によって緩和することができる。
意外にも、本発明によるベンズイミダゾール誘導体は、シグナル経路、特に本明細書に記載したシグナル経路、好ましくは本明細書に記載した1つまたは複数のキナーゼ経路、およびより好ましくはrafキナーゼシグナル経路と相互作用することが可能であることが見出された。本発明によるベンズイミダゾール誘導体は、当該技術分野で知られている方法、例えば酵素に基づくアッセイにより、容易に立証することができる有利な生物学的活性を好ましくは示す。適当なアッセイは、当該技術分野では、例えば本明細書に引用した文献およびその文献に引用された参照から知られており、または、それと類似の方法により開発しかつ/または実施することができる。上記の酵素に基づくアッセイにおいて、本発明によるベンズイミダゾール誘導体は、適当な範囲、好ましくはミクロモルの範囲、より好ましくはナノモルの範囲のIC50値によって通常文書に記入される効果、好ましくは変調効果、および特に阻害効果を示す。
一般に、本発明による化合物は、それらが好ましくは、IC50値として測定して、100μmol以下、好ましくは10μmol以下の範囲、より好ましくは3μmol以下の範囲、さらにより好ましくは1μmol以下の範囲、最も好ましくはナノモルの範囲にある1つまたは複数のキナーゼ、好ましくは、本明細書で定義されている1つまたは複数のキナーゼ、より好ましくは1つまたは複数のrafキナーゼに対して効果または活性を示す場合に、本発明による適当なキナーゼ変調因子、特に適当なキナーゼ阻害因子として認識すべきである。本発明による使用に対して特に好ましいのは、0.5μmol以下の範囲、特に0.1μmol以下の範囲の、1つまたは複数のキナーゼ、好ましくは本明細書で定義されている1つまたは複数のキナーゼ、より好ましくは1つまたは複数のrafキナーゼ、さらにより好ましくはA−raf、B−rafおよびc−raf1を含み、またはA−raf、B−rafおよびc−raf1からなり、特に好ましくはc−raf1を含むかまたはc−raf1からなる、IC50値として測定して、活性を示す上文/下文で定義されているキナーゼ阻害因子である。多くの場合、与えられた範囲の下端におけるIC50値が有利であり、ある場合には、1つのIC50値ができるだけ小さく、または、複数のIC50値ができるだけ小さく、しかし、一般に、0.0001μmol、0.001μmol、0.01μmolまたはさらに0.1μmolの上の範囲で、上で与えられた上限と下限の間にあるIC50値は、望ましい医薬品活性を示すのに十分であることが非常に望ましい。しかしながら、測定された活性度は、それぞれの検査システムまたは選択されたアッセイによって変化し得る。
別法では、本発明による化合物の有利な生物学的な活性は、インビトロでの増殖アッセイまたはインビトロでの成長アッセイ等のインビトロでのアッセイの中で容易に立証することができる。適当なインビトロでのアッセイは、当該技術分野では、例えば本明細書に引用した文献およびその文献に引用された参照から知られており、または、以下に記載したように実施することができ、または、それと類似の方法により開発しかつ/または実施することができる。
インビトロでの成長アッセイについての例として、突然変異したK−ras遺伝子を含有するヒト腫瘍細胞株、例えば、HCT116、DLD−1またはMiaPaCaを、標準の増殖アッセイにおいて、例えばプラスティック上で足場に依存する成長または軟寒天上で足場に依存しない成長に対して使用することができる。ヒト腫瘍細胞株は、例えば、ATCC(米国メリーランド州ロックビル)から市販されており、技術的に知られている方法により、例えば、10%の熱不活性化ウシ胎仔血清および200mMのグルタミンによるRPMI中で培養することができる。細胞培地、ウシ胎仔血清および添加剤は、例えば、Invitrogen/Gibco/BRL(ドイツ国、カールスルーエ)および/またはQRH Biosciences(米国カンザス州、レネクサ)から市販されている。足場に依存する成長に対する標準的増殖アッセイにおいては、3×103個の細胞を96ウェルの組織培養プレート中に接種し、例えば、5%CO2培養器中37℃で一晩付着したままにすることができる。化合物は、希釈シリーズ中の培養液中に滴下し、96ウェルの細胞培養に加えることができる。細胞は、例えば、1日から5日間の、一般的には成長期間のほぼ半分の時間、例えば細胞を5日間成長させる場合は3日目に培養液を含有する新たな化合物を供給して成長させる。増殖は、代謝活性を測定する等の技術的に知られている方法により、例えば、1μキューリーの3Hチミジンによる8時間の培養に続いて3HチミジンのDNA中への組み込みを測定し、その細胞をグラスファイバーのマット上にセルハーベスターを用いて取り込み、3Hチミジンの組み込みを液体シンチレーションカウンタによるか、またはクリスタルバイオレット染色等の染色技法により測定することによるOD490/560における標準的ELISAプレートリーダーにより測定する標準的XTT比色アッセイ(Boehringer Mannheim)により監視することができる。他の適当な細胞定量法も、当該技術分野においては知られている。
別法では、足場に依存しない成長に対して、細胞は、0.4%Seaplaqueアガロース中、1×103から3×103でRPMI完全培地中に、RPMI完全培地中にわずか0.64%の寒天を含有する最下層にオーバーレイして、例えば24ウェルの組織培養プレート中に平面培養することができる。完全培地プラス化合物の希釈シリーズは、ウェルに加えて、例えば5%CO2培養器中37℃で十分な時間、例えば、10〜14日間、好ましくは、化合物を含有する新たな培養液を一般的には3〜4日の間隔で供給を繰返し培養することができる。コロニー形成および全体の細胞集団は監視することができ、平均のコロニーの大きさおよびコロニーの数は、技術的に知られている方法、例えばイメージキャプチャー技法および画像解析ソフトウェアを使用して計ることができる。イメージキャプチャー技法および画像解析ソフトウェアは、イメージプロプラス(Image Pro Plus)またはメディアサイバーネティックス(media Cybernetics)等である。
本明細書で既に述べたように、これらのシグナル経路は様々な疾患と関連している。したがって、前記シグナル経路の1つまたは複数に作用させることによってベンズイミダゾール誘導体は、前記シグナル経路に従属する疾患の予防および/または治療に役立つ。
本発明による化合物は、好ましくはキナーゼ変調因子であり、より好ましくはキナーゼ阻害因子である。本発明によれば、キナーゼとしては、非限定で、1つまたは複数のRafキナーゼ、1つまたは複数のTieキナーゼ、1つまたは複数のVEGFRキナーゼ、1つまたは複数のPDGFRキナーゼ、p38キナーゼおよび/またはSAPK2αが挙げられる。
好ましくは、本発明に適合するキナーゼは、セリン/トレオニンキナーゼ(STK)およびレセプターチロシンキナーゼ(RTK)から選択される。
本発明に適合するセリン/トレオニンキナーゼは、1つまたは複数のRafキナーゼ、p38キナーゼおよびSAPK2αから好ましくは選択される。
本発明に適合するレセプターチロシンキナーゼは、1つまたは複数のPDGFRキナーゼ、1つまたは複数のVEGFRキナーゼおよび1つまたは複数のTieキナーゼから好ましくは選択される。
好ましくは、本発明に適合するキナーゼは、1つまたは複数のRafキナーゼ、1つまたは複数のTieキナーゼ、1つまたは複数のVEGFRキナーゼ、1つまたは複数のPDGFRキナーゼ、p38キナーゼおよびSAPK2αから選択される。
この点においてRafキナーゼは、好ましくは、A−Raf、B−Rafおよびc−Raf1を含むかまたはそれらからなる。
この点においてTieキナーゼは、好ましくは、Tie2キナーゼを含むかまたはそれらからなる。
この点においてVEGFRキナーゼは、好ましくは、VEGFR2キナーゼを含むかまたはそれらからなる。
本発明による好ましいシグナル経路は、上記の1つまたは複数のキナーゼが関与するシグナル経路である。
本発明による化合物のキナーゼ変調または阻害特性のおかげで、本発明による化合物は、前記シグナル経路を好ましくは下方制御するかまたは阻害することにより、好ましくは細胞シグナル経路である1つまたは複数のシグナル経路と好ましくは相互に作用する。該シグナル経路の例としては、非限定で、rafキナーゼ経路、Tieキナーゼ経路、VEGFRキナーゼ経路、PDGFRキナーゼ経路、p38キナーゼ経路、SAPK2α経路および/またはRas経路が挙げられる。
rafキナーゼ経路の変調は、様々な癌性および非癌性疾患、好ましくは、皮膚の腫瘍、血液の腫瘍、肉腫、へん平上皮癌、胃癌、頭部癌、頚部癌、食道癌、リンパ腫、卵巣癌、子宮癌および/または前立腺癌等の癌性疾患において重要な役割を演じる。rafキナーゼ経路の変調は、メラノーマ、結腸直腸癌、肺癌、脳腫瘍、膵臓癌、乳癌、婦人科癌、卵巣癌、甲状腺癌、慢性白血病および急性白血病、膀胱癌、肝臓癌および/または腎臓癌等のrafキナーゼが従属するシグナル経路の構成的活性化を示す様々な癌のタイプにおいてさらに一層重要な役割を演ずる。rafキナーゼ経路の変調は、また、感染症、好ましくは、上文/下文で述べた感染症、特に、消化性潰瘍中のピロリ菌感染症等のピロリ菌感染症において重要な役割を演じる。
上文/下文で述べた1つまたは複数のシグナル経路、特にVEGFRキナーゼ経路は、血管新生において重要な役割を演じる。したがって、本発明による化合物のキナーゼ変調または阻害特性のおかげで、本発明による化合物は、血管新生によって引き起こされ、媒介されかつ/または成長する病理学的過程または疾患の、例えば抗血管新生を誘発させることによって、予防および/または治療するのに適している。血管新生によって引き起こされ、媒介されかつ/または成長する病理学的過程または疾患としては、非限定で、腫瘍特に固形腫瘍、関節炎特にリューマチ性関節炎または関節リューマチ、糖尿病性網膜症、乾癬、再狭窄;線維疾患;メサンギウム細胞増殖性疾患、糖尿病性ネフロパチー、悪性腎硬化症、血栓性微小血管症候群、移植臓器拒絶、糸球体腎症、代謝異常、炎症および神経変性疾患、特に、固形腫瘍、リューマチ性関節炎、糖尿病性網膜症および乾癬が挙げられる。
p38シグナル経路の変調は、様々な癌性と、とはいえ、様々な非癌性の疾患、例えば、線維症、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、血管疾患、心疾患、炎症、腎疾患および/または血管新生等、特に非癌性疾患、例えば、関節リュウマチ、炎症、自己免疫疾患、慢性閉塞性肺疾患、喘息および/または炎症性大腸炎等において重要な役割を演じる。
PDGFシグナル経路の変調は、様々な癌性と、とはいえ、様々な非癌性の疾患、例えば、関節リュウマチ、炎症、自己免疫疾患、慢性閉塞性肺疾患、喘息および/または炎症性大腸炎等、特に非癌性疾患、例えば、線維症、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、血管疾患、心疾患、炎症、腎疾患および/または血管新生等において重要な役割を演じる。
本明細書で既に述べたように、これらのシグナル経路は様々な疾患と関連している。したがって、前記シグナル経路の1つまたは複数に作用させることによってベンズイミダゾール誘導体は、前記シグナル経路に従属する疾患の予防および/または治療に役立つ。
本発明の対象は、それ故、本明細書に記載したシグナル経路のプロモーターまたは阻害因子としての、好ましくは阻害因子としての、本発明によるベンズイミダゾール誘導体である。好ましい本発明の対象は、それ故、1つまたは複数のキナーゼ経路、好ましくは1つまたは複数の本明細書に記載のキナーゼ経路、より好ましくはrafキナーゼ経路の、プロモーターまたは阻害因子としての、好ましくは阻害因子としての、本発明によるベンズイミダゾール誘導体である。より好ましい本発明の対象は、それ故、rafキナーゼのプロモーターまたは阻害因子としての、好ましくは阻害因子としての、本発明によるベンズイミダゾール誘導体である。さらにより好ましい本発明の対象は、A−raf、B−rafおよびc−raf1からなる群から選択された1つまたは複数のrafキナーゼのプロモーターまたは阻害因子としての、好ましくは阻害因子としての、本発明によるベンズイミダゾール誘導体である。本発明の特に好ましい対象は、c−raf1のプロモーターまたは阻害因子としての、好ましくは阻害因子としての、本発明によるベンズイミダゾール誘導体である。
したがって、本発明の対象は、薬物としての本発明によるベンズイミダゾール誘導体である。本発明の対象は、薬物活性成分としての本発明によるベンズイミダゾール誘導体である。本発明のさらなる対象は、医薬品としての本発明による1つまたは複数のベンズイミダゾール誘導体の使用である。本発明のさらなる対象は、疾患、好ましくは本明細書に記載した疾患、より好ましくは本明細書で述べたシグナル経路によって引き起こされ、媒介されかつ/または成長する疾患、さらにより好ましくはrafキナーゼによって引き起こされ、媒介されかつ/または成長する疾患、特にA−raf、B−rafおよびc−raf1からなる群から選択されたrafキナーゼにより、引き起こされ、媒介されかつ/または成長する疾患の治療および/または予防における1つまたは複数の本発明によるベンズイミダゾール誘導体の使用である。
通常、本明細書で議論される疾患は、2つの群、過剰増殖性および非過剰増殖性疾患に分割される。
これに関連して、感染症、感染性疾患、プシオアルシス(psioarsis)、関節炎、炎症、子宮内膜症、瘢痕、良性前立腺肥大、免疫疾患、自己免疫疾患および免疫不全症は、非癌性病変として認めることができ、そのうち関節炎、炎症、免疫疾患、自己免疫疾患および免疫不全症は、通常、非過剰増殖性疾患として認識される。
これに関連して、脳腫瘍、肺癌、へん平上皮癌、膀胱癌、胃癌、膵臓癌、肝臓癌、腎臓癌、結腸直腸癌、乳癌、頭部癌、頚部癌、食道癌、婦人科癌、甲状腺癌、リンパ腫、慢性白血病および急性白血病は、癌性疾患として認められ、そのすべてが通常過剰増殖性疾患として認識される。
特に癌性細胞増殖、とりわけrafキナーゼによって媒介される癌性細胞増殖は、本発明の標的である疾患である。
本発明の対象は、それ故、前記疾患の治療および/または予防における薬物および/または薬物の活性成分としての本発明によるベンズイミダゾール誘導体、および前記疾患の治療および/または予防のための医薬品製造のための本発明のベンズイミダゾール誘導体の使用、ならびに本発明による1つまたは複数のベンズイミダゾール誘導体のこのような投与を必要としている患者にそれを投与することを含む前記疾患の治療方法である。
したがって、本発明の対象は、本発明による1つまたは複数のベンズイミダゾール誘導体を含有する医薬品組成物である。本発明の対象は、特に、本発明による1つまたは複数のベンズイミダゾール誘導体および、生理的に許容される、賦形剤、助剤、アジュバント、担体および医薬品として活性な本発明による化合物以外の成分からなる群から好ましくは選択された1つまたは複数のさらなる化合物(本発明の化合物以外のもの)を含有する医薬品組成物である。
したがって、本発明の対象は、本発明による1つまたは複数のベンズイミダゾール誘導体および、担体、賦形剤、助剤、アジュバント、および医薬品として活性な本発明による化合物以外の成分からなる群から好ましくは選択された1つまたは複数の化合物(本発明の化合物以外のもの)の医薬品組成物を製造するための方法である。
したがって、過剰増殖性疾患の治療における本発明による化合物の使用は、本発明の対象である。
したがって、過剰増殖性疾患の治療のための薬物を製造するための本発明による化合物の使用は、本発明の対象である。
特に好ましくは、本発明の対象は、1つまたは複数のキナーゼにより媒介される癌性細胞増殖、特に1つまたは複数のrafキナーゼにより媒介される癌性細胞増殖を処置するための方法である。
上文および下文で、温度はすべて℃で示されている。以下の実施例において、「通常のワークアップ」とは、有機相を飽和NaHCO3溶液で、必要に応じて、水および飽和NaCl溶液で洗浄し、その相を分離し、有機相を硫酸ナトリウムにより乾燥して蒸発させ、その生成物を、シリカゲルに基づくクロマトグラフィー、分取HPLCおよび/または結晶化により精製することを意味する。
本発明は、式Iのベンズイミダゾール誘導体、rafキナーゼの阻害因子としての式Iの化合物の使用、医薬品組成物の製造のための式Iの化合物の使用および前記医薬品組成物を患者に投与することを含む治療方法に関する。