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JP4820674B2 - プレス機械のダイクッション制御装置 - Google Patents

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JP4820674B2
JP4820674B2 JP2006082976A JP2006082976A JP4820674B2 JP 4820674 B2 JP4820674 B2 JP 4820674B2 JP 2006082976 A JP2006082976 A JP 2006082976A JP 2006082976 A JP2006082976 A JP 2006082976A JP 4820674 B2 JP4820674 B2 JP 4820674B2
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Description

本発明は、絞り加工等に用いられるプレス機械のダイクッション制御装置であって、スライドの動作と同期してダイクッションパッドの動作を制御するダイクッション制御装置に関するものである。
従来、サーボモータにより駆動されるダイクッションパッドの昇降動作を制御するダイクッション制御装置として、例えば特許文献1にて提案されているものが知られている。この特許文献1に係るダイクッション制御装置においては、スライドの上型がワークを挟んでダイクッションパッドに接触するまでは、ダイクッションのクッションストロークの制御を位置制御により行う。ダイクッションパッドに荷重がかかり始めた時のサーボモータの電流変化を検出すると、この電流変化の検出信号により位置制御から圧力制御に切り換え、ダイクッションパッドに予め設定されたクッション圧を与える。このようなダイクッション制御装置では、位置制御から圧力制御に切り換えることができるので、絞り加工を良好に行える。
特開平10−202327号公報(第3頁)
しかしながら、上型がワークに接触(タッチ)した際の衝撃負荷により、実際の発生圧力に圧力制御時の目標圧力を大きく越えたオーバーシュートが生じると、このオーバーシュートが発生している間、目標圧力との偏差が下向きに発生し続ける。特に圧力制御部分に積分要素がある場合には、偏差が累積することになり、その反動でアンダーシュートが大きく発生する。このアンダーシュートによりダイクッションは、スライドと共に下降しているはずが、下降の途中でスライドよりも瞬間的に先に下降しようとするなど、ダイクッションとスライドとの離脱現象が生じ、荷重の抜け等が発生して正確な圧力制御が行えないという問題がある。
本発明の目的は、ダイクッションとスライドとの離脱現象を確実に防止できるダイクッション制御装置を提供することにある。
本発明の請求項1に係るプレス機械のダイクッション制御装置は、所定の圧力パターンに基づく圧力目標値に応じた第1の圧力指令信号を出力する圧力指令信号出力部と、ダイクッションパッドにかかる発生圧力を検出する圧力検出手段と、前記圧力パターンに基づく圧力目標値と前記圧力検出手段からの圧力検出信号に基づく圧力検出値との偏差に応じた圧力偏差信号を出力する圧力比較部と、前記圧力偏差信号に基づいて圧力用速度指令信号を出力する圧力制御部と、前記圧力用速度指令信号に基づいてモータ電流指令信号を出力する速度制御部と、前記モータ電流指令信号に応じた電流をダイクッション駆動用の電動サーボモータに供給するサーボアンプと、前記圧力目標値とこの圧力目標値を超えてオーバーシュートする発生圧力との前記偏差を所定時間にわたって略ゼロにする偏差解消部とを備え、前記所定時間の終わりは、前記オーバーシュートする圧力検出値が略ピークをむかえるまでであり、前記所定時間の終わりの時点での圧力検出値から前記圧力目標値までを所定の時定数を用いてなだらかに収束させる圧力パターンを新たな圧力パターンとし、前記所定時間経過後、前記圧力目標値に収束させるまでの間に、前記新たな圧力パターンに応じた第2の圧力指令信号を前記第1の圧力指令信号と置き換えることを特徴とする。
本発明の請求項に係るプレス機械のダイクッション制御装置は、請求項1に記載のダイクッション制御装置において、前記圧力制御部は、前記圧力比較部から出力される圧力偏差信号を積分する積分器を備えていることを特徴とする。
本発明の請求項3に係るプレス機械のダイクッション制御装置は、請求項1または請求項2に記載のプレス機械のダイクッション制御装置において、所定の位置パターンに基づく位置目標値に応じた位置指令信号を出力する位置指令信号出力部と、ダイクッションパッドの位置を検出する位置検出手段と、前記位置パターンに基づく位置目標値と前記位置検出手段からの位置検出信号に基づく位置検出値との偏差に応じた位置偏差信号を出力する位置比較部と、前記位置偏差信号に基づいて位置用速度指令信号を出力する位置制御部と、前記位置用速度指令信号および前記圧力用速度指令信号のいずれか一方を速度指令信号として出力する位置・圧力制御切換部とをさらに備え、前記速度制御部は、前記位置・圧力制御切換部から出力される速度指令信号に基づいてモータ電流指令信号を出力し、前記位置用速度指令信号に基づく位置制御から前記圧力用速度指令信号に基づく圧力制御に切り換わると同時に、前記偏差解消部は前記圧力偏差信号を略ゼロにすることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、スライドの上型がワークに接触した際、圧力目標値を大きくオーバーシュートして発生圧力が生じた場合でも、この発生圧力と圧力目標値との偏差を偏差解消部が0「ゼロ」にするため、圧力偏差信号も0となり、偏差の累積による大きなアンダーシュートの発生を防止でき、スライドとダイクッションとの離脱現象を抑制して荷重抜けを確実に防止できる。
請求項2の本発明によれば、発生圧力収束部により、オーバーシュート時のピーク圧が圧力目標値になだらかに収束するため、アンダーシュートをより確実に防止できる。
次に、本発明によるダイクッション制御装置の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係るプレス機械の概略構成図が示されている。図2には、第1実施形態に係るダイクッション13の概略構成図が示されている。
図1に示されるプレス機械1は、本体フレーム2に昇降自在に支承されてスライド駆動機構3により昇降駆動されるスライド4と、このスライド4と対向配置されベッド5上に取着されるボルスタ6とを備えている。前記スライド4の下面には上型7が取り付けられるとともに、前記ボルスタ6の上面には下型8が取り付けられている。こうして、スライド4の昇降動作により、上型7と下型8との間に配されたワーク9に対しプレス加工(絞り加工)が施される。
これらの構成のうち、ベッド5には、ダイクッション13が内蔵されている。このダイクッション13は、所要のダイクッションピン14と、ベッド5内においてそのベッド5に昇降自在に支持されるダイクッションパッド15と、このダイクッションパッド15を昇降駆動するダイクッションパッド駆動機構16とを備えて構成されている。
前記各ダイクッションピン14は、ボルスタ6および下型8のそれぞれに形成された上下方向に貫通する孔に挿通されている。各ダイクッションピン14において、その上端は下型8の凹部に配されたブランクホルダ17に当接されるとともに、その下端はダイクッションパッド15に当接されている。
前記ダイクッションパッド15の各側面とその各側面に対向するベッド5の内壁面との間には、ダイクッションパッド15を上下方向に案内する図示しない1個以上のガイド部材が設けられている。各ガイド部材は、互いに係合する一対のインナーガイドとアウターガイドとからなり、ダイクッションパッド15の各側面にインナーガイドが取り付けられ、ベッド5の内壁面にアウターガイドが取り付けられている。こうして、ダイクッションパッド15は、ベッド5内においてそのベッド5に昇降自在に支持されている。
前記ダイクッションパッド駆動機構16は、図2に示されるように、駆動源としての電動サーボモータ21と、ダイクッションパッド15の昇降手段としてのボールねじ機構22と、電動サーボモータ21とボールねじ機構22との間の動力伝達経路に配される巻掛け伝動機構23および連結部材24とを備え、ダイクッションパッド15と電動サーボモータ21との間で互いの動力が伝達自在に構成されている。
前記電動サーボモータ21は、回転軸を有する回転式のACサーボモータであり、当該電動サーボモータ21へ供給するモータ電流(電流)iの制御によって回転軸の回転速度や回転力が制御されるようになっている。電動サーボモータ21の本体部分は、ベッド5の内壁面間に架設されたビーム25に固定されている。また、この電動サーボモータ21には、エンコーダ(位置検出手段)36が付設されている。このエンコーダ36は、電動サーボモータ21の回転軸の角度および角速度を検出しその検出値をそれぞれモータ回転角度検出信号θ、モータ回転角速度検出信号ωとして出力する。このエンコーダ36から出力されたモータ回転角度検出信号θおよびモータ回転角速度検出信号ωは、後述するコントローラ41に入力される。
前記ボールねじ機構22は、ねじ部26とそのねじ部26に螺合するナット部27とを有してなり、ナット部27から入力された回転動力をねじ部26で直線動力に変換して出力する機能を有している。ねじ部26の下端部は連結部材24の中心部に形成された空間内において進退可能に配され、ナット部27の下端部は連結部材24の上端部に結合されている。前記連結部材24は、所要のベアリングおよびそれらベアリングを収容する軸受ハウジングよりなる軸受装置28を介して前記ビーム25に支持されている。
前記巻掛け伝動機構23は、電動サーボモータ21の回転軸に固定される小プーリ29と、連結部材24の下端部に固定される大プーリ30との間に、タイミングベルト31が巻装されることによって構成されている。
以上の構成により、電動サーボモータ21の回転動力が小プーリ29、タイミングベルト31、大プーリ30、および連結部材24を介してボールねじ機構22におけるナット部27に伝達され、このナット部27に伝達された回転動力によりボールねじ機構22におけるねじ部26が上下方向に移動してダイクッションパッド15が昇降駆動される。また、電動サーボモータ21へのモータ電流iを制御することにより、ダイクッションパッド15に与えられる付勢力が制御される。
ところで、このダイクッション13において、ダイクッションパッド15の下端部にはプランジャロッド80が接続されている。このプランジャロッド80は、その側面を筒状のプランジャガイド82で摺動自在に支持されている。このプランジャガイド82は、プランジャロッド80およびそのプランジャロッド80に連結されるダイクッションパッド15を昇降方向に案内する機能を有している。プランジャロッド80の下部には下方向に開口を有するシリンダ80Aが形成され、このシリンダ80Aの内部にはピストン81が摺動自在に収容されている。
シリンダ80Aの内壁面およびピストン81の上面で油圧室83が形成され、この油圧室83には圧油が充填される。油圧室83の軸心はプランジャロッド80およびボールねじ機構22の軸心と同一である。油圧室83の圧油ポートは油圧回路に接続され、油圧室83と油圧回路との間で圧油の授受が行われる。油圧室83の圧油は、上型7とワーク9とが接する際に生ずる衝撃を緩和するとともに、油圧が所定値以上になるとタンクに排出される。油圧室83の圧油はこうした過負荷保護機能を有する。
前記ピストン81の下端はボールねじ機構22におけるねじ部26の上端に当接されている。ピストン81の下端には球面状の凹面81Aが形成され,この凹面81Aに対向するねじ部26の上端には球面状の凸面が形成される。なお、これとは逆にピストン81の下端に凸面が形成され、ねじ部26の上端に凹面が形成されていてもよい。ねじ部26のような棒状の部材は端部に働く軸方向の力には強いものの、曲げモーメントには弱い。ねじ部26の上端が球面形状であると、仮にダイクッションパッド15が傾いてねじ部26の上端に曲げモーメントが発生したとしても、ねじ部26全体には軸方向の力のみが働く。このような構造によって偏心荷重によるねじ部26の損傷を防止することができる。
そして、このダイクッション13において、油圧室83の圧力が前述の油圧回路中で検出される。油圧室83のポートは、油圧回路を構成する管路85と連通しており、この管路85の途中には、圧力計(圧力検出手段)93が設けられている。圧力計93によって油圧室83の圧力すなわちダイクッションパッド15に生ずる負荷が検出される。圧力計93からは圧力検出信号Prがコントローラ41に向けて出力される。
次に、前記ダイクッション13を制御するダイクッション制御装置40の構成について図3の機能ブロック図および図4の制御ブロック図を用いて以下に説明することとする。
図3、図4に示されるダイクッション制御装置40は、コントローラ41と、このコントローラ41から出力されるモータ電流指令信号icに応じたモータ電流iを前記電動サーボモータ21に供給するサーボアンプ42とを備えている。
前記コントローラ41は、詳細図示による説明は省略するが、各種入力信号を変換・整形する入力インタフェースと、マイクロコンピュータや高速数値演算プロセッサ等を主体に構成され、決められた手順にしたがって入力データの算術・論理演算を行うコンピュータ装置と、演算結果を制御信号に変換して出力する出力インタフェースとを備えて構成されている。このコントローラ41には、ダイクッションパッド位置演算部43、ダイクッションパッド速度演算部44、位置指令信号出力部45、位置比較部46、位置制御部47、圧力指令信号出力部48、圧力比較部49、圧力制御部50、位置・圧力制御切換部51、速度比較部52、速度制御部53、出力切換部101、タイマ102、圧力保持部103、および時定数処理部104の各種機能部が設けられている。これらの機能部は、前記コンピュータで処理されるソフトウェア等で形成されている。また、本実施形態では、出力切換部101およびタイマ102により、本発明の偏差解消部100が形成され、出力切換部101、タイマ102、圧力保持部103、および時定数処理部104により、本発明の発生圧力収束部150が形成されている。
前記ダイクッションパッド位置演算部43は、電動サーボモータ21に付設のエンコーダ36からのモータ回転角度検出信号θを入力し、この入力信号に基づいてモータ回転角度と所定の関係にあるダイクッションパッド15の位置を求め、その結果をダイクッションパッド位置検出信号(位置検出信号)hrとして出力する機能を有している。
前記ダイクッションパッド速度演算部44は、当該エンコーダ36からのモータ回転角速度検出信号ωを入力し、この入力信号に基づいてモータ回転速度と所定の関係にあるダイクッションパッド15の速度(昇降速度)を求め、その結果をダイクッションパッド速度検出信号υrとして出力する機能を有している。
前記位置指令信号出力部45は、ダイクッションパッド15の位置目標値を予め設定された位置パターン54を参照することで求め、その求められた位置目標値に基づく位置指令信号hcを生成・出力する機能を有している。ここで、前記位置パターン54は、時間
(あるいはプレス角度またはスライド位置)とダイクッションパッド位置との所望の対応関係を示すものである。
前記位置比較部46は、位置指令信号出力部45から出力される位置指令信号hcと、ダイクッションパッド位置演算部43からのダイクッションパッド位置検出信号hrとを比較して位置偏差信号ehを出力する機能を有している。
前記位置制御部47は、位置比較部46からの位置偏差信号ehを入力しその入力信号
に所定の位置ゲインK1を乗じて出力する係数器55を備え、位置偏差信号ehに見合う大きさの位置用速度指令信号υhcを生成・出力する機能を有している。
前記圧力指令信号出力部48は、ダイクッションパッド15において発生させる圧力(クッション圧)目標値を、予め設定された圧力パターン56を参照することで求め、その求められた圧力目標値(以下。目標圧力という場合がある)に基づく圧力指令信号Pcを生成・出力する機能を有している。ここで、前記圧力パターン56は、時間(あるいはプレス角度またはスライド位置)とダイクッションパッド15に生ずる圧力との所望の対応関係を示すものである。
前記圧力比較部49は、圧力指令信号出力部48からの圧力指令信号Pcと、圧力計93からの圧力検出信号Prとを比較して圧力偏差信号epを出力する機能を有している。
前記圧力制御部50は、圧力比較部49からの圧力偏差信号epを入力しその入力信号
に所定の比例ゲインK2を乗じて出力する係数器71と、圧力比較部49からの圧力偏差
信号epを入力しその入力信号を積分して出力する積分器72(ブロック内の記号sはラ
プラス演算子である。)と、この積分器72からの出力信号を入力しその入力信号に所定の積分ゲインK3を乗じて出力する係数器73とを備え、係数器71からの出力信号に係
数器73からの出力信号を加算して圧力用速度指令信号υpcを生成・出力する機能を有している。
この圧力制御部50においては、比例動作(P動作)と積分動作(I動作)とを組み合わせた比例+積分動作(PI動作)が行われることにより、当該圧力制御部50からは、圧力偏差信号epに見合う大きさで、かつ圧力偏差信号epがある限りその大きさが増加するような圧力用速度指令信号υpcが出力され、検出圧力が目標圧力に迅速かつ正確に一致するようになっている。
前記位置・圧力制御切換部51は、ダイクッションパッド15の位置を制御する位置制御と、ダイクッションパッド15に生ずる圧力を制御する圧力制御とを切り換えるものであり、b接点を基準にa接点とc接点との接続を切り換えるスイッチ60と、このスイッチ60の切換動作の選択を行うための位置・圧力比較部61とを備えている。
スイッチ60によってb接点とa接点とが接続(以下、この接続動作を「b−a接点接続動作」という。)された場合には、位置制御部47からの位置用速度指令信号υhcが速度比較部52へと流れ、一方、同スイッチ60によってb接点とc接点とが接続(以下、この接続動作を「b−c接点接続動作」という。)された場合には、圧力制御部50からの圧力用速度指令信号υpcが速度比較部52へと流れるようになっている。
位置・圧力比較部61は、圧力制御部50からの圧力用速度指令信号υpcと、位置制御部47からの位置用速度指令信号υhcとを比較し、両者のうち小さい方を選択するように設定されている。
ここで、位置・圧力比較部61の切換ロジックを図5〜図7を用いて説明する。図5には、位置用速度指令信号υhcが示されている。図5において、ダイクッションパッド15の位置パターン(位置目標値)を常に0(待機位置)に設定した場合、上型7がワーク9と接する前には、ダイクッションパッド15の位置は、待機位置に一致するため、位置偏差信号ehは0となり、位置用速度指令信号υhcは0となる。その後、ダイクッションパッド15の予備加速が開始されると、ダイクッションパッド15を下降させる側に位置用速度指令信号υhcが大きくなり、後に一定速度で予備加速を行うようになる。そして、予備加速の途中で、上型7がワーク9と接する位置(タッチ位置)に達すると、ダイクッションパッド15が上型7の下降に伴って位置目標よりも下方位置を下がり始めるため、位置偏差信号ehが徐々に大きくなり、これに従い上方位置に戻そうとする位置用速度指令信号υhcが上向きで大きくなる。
一方、図6には、圧力用速度指令信号υpcが示されている。図6においてダイクッションパッド15の圧力パターン(圧力目標値)を常に一定値に設定した場合、上型7がワーク9と接する前には、ダイクッションパッド15には圧力が発生しないため、圧力偏差信号epが圧力パターンの一定値に一致し、圧力用速度指令信号υpcは圧力パターンの一定値に応じた値となる。その後、上型7がワーク9と接する位置(タッチ位置)に達すると、ダイクッションパッド15が上型7に押されて圧力が発生する。この圧力はダイクッションパッド15の下降に伴って大きくなって当初から設定されてある圧力目標値に近づくため、圧力偏差信号epは徐々に小さくなり、これに従い圧力用速度指令信号υpcも小さくなる。
位置・圧力比較部61は、図7に示されるように、位置用速度指令信号υhcと圧力用速度指令信号υpcとを比較し、両者のうち小さい方を選択するように設定されている。このため、上型7がワーク9と接する前の下降時には、位置用速度指令信号υhcの方が圧力用速度指令信号υpcより小さいので、位置用速度指令信号υhcが選択される。この選択により、スイッチ60によってb接点とa接点とが接続され、位置用速度指令信号υhcが速度比較部52へ流れ、位置制御が行われる。
次に、上型7がワーク9と接するタッチ位置に達すると、位置用速度指令信号υhcは増加し、圧力用速度指令信号υpcは減少する。これらの速度指令信号υhc,υpcの大小関係が逆転したとき、位置・圧力比較部61は位置用速度指令信号υhcより小さい圧力用速度指令信号υpcを選択し、スイッチ60のb接点とc接点とが接続される。この接続切換動作により、圧力用速度指令信号υpcが速度比較部52に流れ、圧力制御が行われることとなる。
位置・圧力比較部61が、位置用速度指令信号υhcと圧力用速度指令信号υpcとを常に比較し、両者のうちより小さい方を選択するように設定されているので、位置制御と圧力制御との切換を適切なタイミングで自動的に行うことができる。したがって、上型7がワーク9を介してダイクッションパッド15に接触したときの衝撃や振動などの影響を最小限に抑制でき、適切なタイミングで安定的かつ確実に位置制御と圧力制御との切換を行える。また、位置用速度指令信号υhcと圧力用速度指令信号υpcとの両方を常に監視しているので、上型7がワーク9に接触したときのタッチ位置を確実に把握でき、迅速かつ確実な切換を行える。
前記速度比較部52は、位置・圧力制御切換部51による切換動作にて位置制御が選択された場合に、位置制御部47からの位置用速度指令信号υhcと、ダイクッションパッド速度演算部44からのダイクッションパッド速度検出信号υrとを比較して速度偏差信号
evを出力し、位置・圧力制御切換部51による切換動作にて圧力制御が選択された場合
に、圧力制御部50からの圧力用速度指令信号υpcと、ダイクッションパッド速度演算部44からのダイクッションパッド速度検出信号υrとを比較して速度偏差信号evを出力する機能を有している。
本実施形態によれば、圧力制御時において、圧力制御部50からは圧力偏差信号epに
見合う大きさで、かつ圧力偏差信号epがある限りその大きさが増加するような圧力用速
度指令信号υpcが出力されるので、圧力偏差を迅速かつ確実に減少させることができる。したがって、圧力制御の精度を向上させることができる。
前記速度制御部53は、速度比較部52からの速度偏差信号evを入力しその入力信号
に所定の比例ゲインK4を乗じて出力する係数器62と、速度比較部52からの速度偏差
信号evを入力しその入力信号を積分して出力する積分器63(ブロック内の記号sはラ
プラス演算子である。)と、この積分器63からの出力信号を入力しその入力信号に所定の積分ゲインK5を乗じて出力する係数器64とを備え、係数器62からの出力信号に係
数器64からの出力信号を加算してモータ電流指令信号(トルク指令信号)icを生成・
出力する機能を有している。
この速度制御部53においても、比例動作(P動作)と積分動作(I動作)とを組み合わせた比例+積分動作(PI動作)が行われることにより、当該速度制御部53からは、速度偏差信号evに見合う大きさで、かつ速度偏差信号evがある限りその大きさが増加するようなモータ電流指令信号icが出力され、検出速度が目標速度に迅速かつ正確に一致
される。こうして、安定した位置・圧力制御ができるようにされている。
前記出力切換部101は、接点d,e,f,gを有するスイッチとして機能する。d−e接点接続動作では、圧力指令信号出力部48から出力された圧力指令信号Pcをそのまま圧力比較部49に出力する。d−f接点接続動作では、時定数処理部104で所定の時定数により演算処理された圧力指令信号Pcを圧力比較部49に出力する。d−g接点接続動作では、圧力計93からの圧力検出信号Prをそのまま圧力比較部49に出力する。
前記タイマ102は、位置・圧力比較部61からの起動信号により出力切換部101の接点接続動作を切り換え、所定時間保持する機能を有している。具体的には、上型がワーク9にタッチし、位置制御から圧力制御に切り換わると、すなわち、位置・圧力比較部61が位置・圧力制御切換部51にてb−c接点接続動作に切り換えると、同時に位置・圧力比較部61はタイマ102に起動信号を出力する。起動信号を入力したタイマ102は、位置制御から圧力制御に切り換わった後に時間T1に達するまでの間は、出力切換部101に対してd−g接点接続動作を実行させるように切換信号を出力する。この後、時間T1を越えて時間T2に達するまでの間タイマ102は、出力切換部101に対してd−f接点接続動作を実行させるように切換信号を出力する。そして、時間T2経過後にタイマ102は、出力切換部101に対してd−e接点接続動作を実行させるように切換信号を出力する。
前記圧力保持部103は、タイマ102での時間T1が経過し、出力切換部101での接点接続動作がd−g接点接続動作からd−f接点接続動作に切り換わった時点の圧力検出信号Prを保持する機能を有している。
前記時定数処理部104は、圧力保持部103で保持された圧力検出信号Prと圧力指令信号出力部48からの圧力指令信号Pcとの偏差に所定の時定数(本実施形態は1/(1+Ts))を乗じて、さらにその値に圧力保持部103で保持された圧力検出信号Prを加えた値を新たな圧力指令信号Pcとして演算処理し、接点fに出力する機能を有している。
前記サーボアンプ42は、電流比較部65と電流制御部66と電流検出部67とを備えて構成されている。このサーボアンプ42において、電流検出部67は、電動サーボモータ21に供給されるモータ電流iを検出しその検出値をモータ電流検出信号irとして出
力する。電流比較部65は、速度制御部53からのモータ電流指令信号icと、電流検出
部67からのモータ電流検出信号irとを比較してモータ電流偏差信号eiを出力する。電流制御部66は、電流比較部65からのモータ電流偏差信号eiに基づいて電動サーボモ
ータ21へのモータ電流iを制御する。
以下には、本実施形態の位置指令信号出力部45の位置パターン54、圧力指令信号出力部48の圧力パターン56について詳説する。図8には、本実施形態における位置パターン54がスライド動作と関連付けられて示されており、図9には本実施形態における圧力パターン56が示されている。
位置パターン54は、図8に示されるように、まずダイクッションパッド15の待機位置に相当する位置h1が時刻t1まで設定され、その後、予備加速のために時刻t1から時刻t2まで所定の時定数をもって位置が位置h2まで下降するように設定されている。そして、位置h2まで達する途中の位置h12にて、上型7がワーク9に接することになる(時刻t12)。上型7がワーク9に接して絞り加工が行われる際には圧力制御が行われることが望ましいため、スライド4が下死点に達する時刻t3までの位置パターン54による位置目標値は、ダイクッションパッド15の実際の位置よりも高くなるように設定されている。このことにより、ダイクッションパッド15が下降しても位置偏差信号ehが大きくなり、この位置偏差信号ehよりも小さくなる圧力偏差信号epに基づいた圧力用速度指令信号υpcが選択されて圧力制御が行われるようになっている。この際の位置パターン54としては具体的に、位置h2までの予備加速の後、時刻t2から時刻t3にかけて別の時定数を持って位置h3まで下降するように位置指令信号hcが出力される。
次いで、時刻t3から時刻t4までの間は、スライド4が上昇に転じるのに対してダイクッションパッド15が下死点位置にロッキングしている。この位置h3にあっては、次説する圧力パターン56での圧力目標値が十分に高く設定されているため、圧力偏差信号epに基づく圧力用速度指令信号υpcの方が大きくなり、時刻t3時点で位置制御に切り換わっている。そして、この位置制御に基づき、時刻t3から時刻t4までの下死点ロッキングの後、時刻t4から時刻t5の間は、所定高さ上昇する補助リフト動作のため、時刻t5で位置h4となるように設定がされ、そして時刻t5以降は、待機位置に相当する位置h1に復帰するように設定されている。
一方、図9に示されるように、圧力パターン56は、上型7がワーク9に接する前の時刻t12までは、所定値P1が設定されている。この所定値P1は、ダイクッションパッド15の予圧よりも所定割合だけ高い値に設定されており、これにより、上型7がワーク9に接する前の状態では、所定の圧力偏差信号epが発生する。次に、上型7がワーク9に接して絞り加工が行われる時刻t12から時刻t3までの範囲においては、圧力パターン56には、所定値P2といった最適な圧力が設定されている。
具体的には、絞り加工の開始時には、所定の時定数を持って圧力目標値が所定値P1から所定値P2に斜めに上昇し、その後、スライド4が下死点に達するまでの時刻t3までの間、その所定値P2を保持する。スライド4が下死点に達した後(時刻t3以降)は位置制御が行われることが望ましいため、圧力偏差信号epが大きくなるように圧力目標値が一気に所定値P3と高い値に設定されている。
次に、ダイクッションパッド15の動作と圧力・位置制御との関係について以下に説明する。図10には、スライド4とダイクッションパッド15の動作説明図が示されており、時間の経過に伴うスライド4とダイクッションパッド15との位置の変化が線図で表わされている。
なお、以下の説明において、ダイクッションパッド位置演算部43からのダイクッションパッド位置検出信号hrを「位置フィードバック信号hr」と称し、ダイクッションパッド速度演算部44からのダイクッションパッド速度検出信号υrを「速度フィードバック
信号υr」と称し、圧力計93からの圧力検出信号Prを「圧力フィードバック信号Pr」
と称することとする。また、位置制御を「位置フィードバック制御」と称するとともに、圧力制御を「圧力フィードバック制御」と称することとする。
まず、プレス加工動作開始から時刻t1までの間は、ダイクッションパッド15が待機位置の位置h1にあるため、位置用速度指令信号υhcは0であるのに対し、圧力用速度指令信号υpcは所定値P1に対応した値となる。このため、プレス加工動作開始から時刻t1までの間は、位置・圧力比較部61は位置用速度指令信号υhcを選択し、b接点とa接点とがスイッチ60によって接続状態とされて、位置フィードバック制御が行われる。また、時刻t1から時刻t12の間においても、圧力用速度指令信号υpcが所定値P1に対応した値となるため、引き続き位置フィードバック制御が行われる。
この位置フィードバック制御時において、位置比較部46は、位置指令信号hcから位
置フィードバック信号hrを減じて位置偏差信号ehを出力し、位置制御部47は、位置偏差信号ehを減少させる位置用速度指令信号υhcを出力し、速度比較部52は、位置用速
度指令信号υhcから速度フィードバック信号υrを減じて速度偏差信号evを出力し、速度制御部53は、速度偏差信号evを減少させるモータ電流指令信号(トルク指令信号)icを出力し、サーボアンプ42は、モータ電流指令信号icに応じたモータ電流iを電動サ
ーボモータ21に供給する。これにより、エンコーダ36による位置検出値が予め設定された位置パターン54に追従するようにダイクッションパッド15の位置が制御される。 そして、ダイクッションパッド15は時刻t1までは待機位置で待機し、その後上型7とワーク9とが接する際の衝撃を緩和するために、時刻t1から時刻t2までの間、予備加速を行うように制御される。
次いで、予備加速途中の時刻t12において上型7とワーク9とが位置h12で接すると、位置パターン54の位置目標値としては依然として、位置h2に向けて変化し、その後に位置h3に向けて変化する。しかし、実際のダイクッションパッド15は、スライド4に追従することで目標位置よりもさらに下方位置を下降するため、ある値以上の位置偏差信号ehが存在することになる。一方上型7とワーク9とが接すると圧力が上昇するため、発生圧力としては、圧力パターン56の圧力目標値である所定値P1に近づいていく。したがって、圧力偏差信号epが次第に小さくなる。圧力偏差信号epに基づく圧力用速度指令信号υpcが位置偏差信号ehに基づく位置用速度指令信号υhcよりも小さくなったとき、位置・圧力比較部61が圧力用速度指令信号υpcを選択する。
これにより、位置・圧力制御切換部51におけるスイッチ60にてb−c接点接続動作が行われ、位置フィードバック制御から圧力フィードバック制御に自動的に切り換えられる。したがって、位置・圧力制御切換部51による自動的な切換動作により、上型7がワーク9に接触した直後に確実に位置制御と圧力制御とを切り換えることができる。以上により、時刻t12から時刻t3までの間は、スライド4とダイクッションパッド15とが一体となって下降し、ワーク9に対し絞り加工が施される。この時刻t12から時刻t3までの間においては、圧力フィードバック制御が行われることとなる。
この圧力フィードバック制御時において、圧力比較部49は、圧力指令信号Pcから圧
力フィードバック信号Prを減じて圧力偏差信号epを出力し、圧力制御部50は、圧力偏差信号epを減少させる圧力用速度指令信号υpcを出力し、速度比較部52は、圧力用速
度指令信号υpcから速度フィードバック信号υrを減じて速度偏差信号evを出力し、速度制御部53は、速度偏差信号evを減少させるモータ電流指令信号(トルク指令信号)icを出力し、サーボアンプ42は、モータ電流指令信号icに応じたモータ電流iを電動サ
ーボモータ21に供給する。これにより、圧力計93による圧力検出値が予め設定された圧力パターン56に追従するようにダイクッションパッド15のクッション圧が制御される。
ところで、時刻t12にて上型がワーク9にタッチすると、その衝撃により実際の発生圧力は、圧力パターン56に基づく目標圧力(図10の目標圧力の1点鎖線参照)を大きく超えてオーバーシュートし(図10の発生圧力参照)、従来ではこれによる偏差の累積が原因でアンダーシュート(図10の発生圧力の点線参照)が生じ、荷重抜けが生じていた。そこで、本実施形態では、上型がワーク9にタッチし、位置フィードバック制御から圧力フィードバック制御に切り換わると、タイマ102は位置・圧力比較部61からの起動信号により出力切換部101に切換信号を出力し、時間T1に達するまで間、それまでのd−e接点接続動作をd−g接点接続動作に切り換える。
こうすることで、圧力指令信号Pcとして圧力計93からの実際の圧力フィードバック信号Prが与えられることになり、目標圧力としては、圧力パターン56に基づく本来の目標圧力を超えて、図10に実線で示すように、実際の発生圧力と同じになる。したがって、時間T1までの間では、圧力指令信号Pcと圧力フィードバック信号Prとの偏差により生じる圧力偏差信号epが0「ゼロ」となり、積分要素を有するPI動作制御を行う場合でも、従来のような偏差の累積を解消でき、その累積に起因したアンダーシュートを確実に防止して離脱現象を防止でき、荷重抜けを防止できる。なお、時間T1は、オーバーシュートした発生圧力が略ピークとなる時間であり、実験や経験等から求められる。
さらに、本実施形態では、時間T1が経過した時点で、タイマ102は出力切換部101に切換信号を出力し、時間T2に達するまでの間、d−g接点接続動作をd−f接点接続動作に切り換える。これと同時にタイマ102は、圧力保持部103に起動信号を出力し、時間T1時点での圧力フィードバック信号Prを保持させる。こうすることで、時間T2に達するまでの間は時定数処理部104が起動し、圧力保持部103で保持された圧力フィードバック信号Prと、1/(1+Ts)といった所定の時定数とにより、圧力パターン56に基づく圧力指令信号Pcを演算処理して加工する。この結果、図10の目標圧力に実線で示すように、時間T1後においては、前記の時定数に基づいたなだらかなカーブにより目標圧力が設定される。すなわち、時間T1での目標圧力は、時間T2にて目標圧力P2に収束するようにその間の目標圧力が自動的に設定されるのである。
このことにより、時間T1後の発生圧力もなだらかに収束し、アンダーシュートをより確実に防止できるのである。この時間T2は、本発明を適用しない場合にオーバーシュートおよびアンダーシュートを繰り返す発生圧力が実際に収束するのに要する時間に基づき、実験や経験から求められる。そして、時間T2経過後において、タイマ102からの切換信号により出力切換部101は、d−f接点接続動作をd−e接点接続動作に戻し、圧力パターン56に基づく圧力指令信号Pcを優先させる。
ここで、図11のフローチャートを参照し、出力切換部101、タイマ102、圧力保持部103、および時定数処理部104の動作をより簡潔に説明する。図11において、タイマ102は、位置・圧力制御部51からの起動信号を監視し、位置フィードバック制御から圧力フィードバック制御に切り換わるのを待つ(ST1)。起動信号が入力されるとタイマ102は、出力切換部101に切換信号を出力し、出力切換部101はd−g接点接続動作を開始する。これにより、圧力フィードバック信号Prを圧力指令信号Pcとして扱い、圧力偏差信号epを0にし、オーバーシュートによる偏差の累積を抑制してアンダーシュートの発生を防止する(ST2)。次いで、タイマ102は時間T1を経過したかを監視し、時間T1を経過した時点で出力切換部101に切換信号を出力するとともに、圧力保持部103に起動信号を出力する(ST3)。
そして、タイマ102からの切換信号を受けた出力切換部101は、d−f接点接続動作を開始するとともに、圧力保持部103は、時間T1時点での圧力フィードバック信号Prを保持する。また、これに伴って時定数処理部104は所定の時定数および前記保持された圧力フィードバック信号Prに基づいて圧力指令信号Pcを加工し、接点fに出力する(ST4)。これにより、時間T1後の目標圧力をなだらかに収束させるパターンに変更し、アンダーシュートをより確実に防止する。この後、タイマ102は時間T2の経過を待って出力切換部101に切換信号を出力し(ST5)、出力切換部101ではd−f接点接続動作に戻す(ST6)。
なお、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、数量などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、数量などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
以下には、図12ないし図14を参照して本発明の第1の変形例について説明する。
第1の変形例では、前記実施形態の出力切換部101に替えて、各々スイッチとして機能する第1出力切換部105、第2出力切換部106、第3出力切換部107、および圧力指令信号Pcを0に変更する指令信号変更部108を備えている。そして、タイマ102、第1出力切換部105、第2出力切換部106、第3出力切換部107、および指令信号変更部108により、本発明の偏差解消部100が形成され、タイマ102、圧力保持部103、時定数処理部104、第1出力切換部105、および第3出力切換部107により、本発明の発生圧力収束部150が形成されている。
具体的に、第1出力切換部105は、接点h,i,jを有し、h−i接点接続動作により時定数処理部104で加工された圧力指令信号Pcを圧力比較部49に出力し、h−j接点接続動作により第2出力切換部106からの圧力指令信号Pcを圧力比較部49に出力する。第2出力切換部106は、接点k,l,mを有し、k−l接点接続動作により指令信号変更部108からの圧力指令信号Pc、すなわち、常に0「ゼロ」の圧力指令信号Pcを第1出力切換部105の接点jに出力し、k−m接点接続動作により圧力指令信号出力部48からの圧力指令信号Pcをそのまま第1出力切換部105の接点jに出力する。第3出力切換部107は、接点n,oを有し、n−o接点接続動作により圧力計93からの圧力検出信号Prを圧力比較部49に出力し、接点n,oが開放状態では圧力検出信号Prの圧力比較部49への圧力フィードバックを停止する。指令信号変更部108は前述のように、圧力指令信号Prを常に0「ゼロ」として第2出力切換部106の接点lに出力する機能を有している。
また、本変形例では、タイマ102が次のように機能する。つまり、上型がワーク9に接触し(t12)、位置制御から圧力制御に切り換わった後の時間T1までの間、タイマ102は、第1出力切換部105に対してh−j接点接続動作を行うための切換信号を出力し、第2出力切換部106に対してk−l接点接続動作を行うための切換信号を出力し、第3出力切換部107に対して開放状態を維持するための切換信号を出力する。この結果、圧力比較部49には、指令信号変更部108を通した0「ゼロ」の圧力指令信号Prが入力するために、図14に示すように、目標圧力が0となる。また、第3出力切換部107が開放しているため、圧力フィードバックがなされず、圧力比較部49では、圧力偏差信号epがやはり0となる。このことから、実際の発生圧力がオーバーシュートした場合でも、偏差の累積が行われず、その後のアンダーシュートを抑制して離脱現象を防止でき、荷重抜けを防止できる。
なお、時間T1から時間T2までの間では、タイマ102は、第1出力切換部105に対してh−i接点接続動作を行うための切換信号を出力し、第3出力切換部107に対してn−o接点接続動作を行うための切換信号を出力する。この結果、前述した実施形態と同様、目標圧力がなだらかに目標圧力P2に収束するように設定され、アンダーシュートをより確実に防止できる。また、時間T2を越えると、タイマ102は、第1出力切換部105に対してh−j接点接続動作を行うための切換信号を出力し、第2出力切換部106に対してk−m接点接続動作を行うための切換信号を出力し、第3出力切換部107に対してn−o接点接続動作を維持させる。この結果、通常の圧力制御に戻ることになる。
以下には、図15ないし図17を参照して本発明の第2の変形例について説明する。
第2の変形例では、前記実施形態での圧力保持部103や時定数処理部104などは設けられていないが、代わりに圧力記憶部109、圧力指令信号生成部110、および出力切換部111を備えている。これらの各部109,110,111およびタイマ102により、本発明の偏差解消部100が形成され、また、この偏差解消部100が発生圧力収束部150をも兼ねている。
圧力記憶部109は、RAM、ROM等の適宜な記憶媒体で構成され、圧力計93からの圧力検出信号Prに基づいた圧力波形を複数記憶する。圧力指令信号生成部110は、圧力記憶部109に記憶された複数の圧力波形に基づき、位置制御から圧力制御に切り換わった時点から時間T3が経過するまでに適用される圧力パターン112を生成するとともに、この圧力パターン112に基づいた圧力指令信号Pcを出力切換部111に出力する。出力切換部111は、接点p,q,rを有するスイッチとして機能する。また、本変形例でのタイマ102は、位置制御から圧力制御に切り換わった時点から時間T3が経過するまでの間は、出力切換部111がp−q接点接続動作を行うように切換信号を出力し、それ以外の場合では、p−r接点接続動作を行うように切換信号を出力する。
ここで、コントローラ41の運転モードとしては、ティーチングモードと通常モードとが選択されるようになっており、ティーチングモードでは、タイマ102が機能せず、出力切換部111では常時、p−r接点接続動作を行うようになっている。そして、このティーチングモードにおいて、圧力検出信号Prが圧力記憶部109へ記憶され、圧力信号生成部110にて発生圧力と略同じオーバーシュート部分を有した圧力パターン112を生成する。なお、圧力パターン112の生成にあたっては、図17に2点鎖線で示すように、実際の発生圧力での最初のオーバーシュート時のピーク圧Ppと収束時の圧力Pfとの間がなだらかに変化するように補間される。この補間には、前記実施形態と同様な時定数などを用いてもよい。
一方、ティーチングモードの後に通常モードでの運転が行われるのであるが、この通常モードでは、位置制御から圧力制御に切り換わった時点から時間T3が経過するまでの間、出力切換部111がp−q接点接続動作を行うため、圧力パターン56に基づく圧力指令信号Pcではなく、発生圧力と略同様な圧力パターン112に基づいた圧力指令信号Pcが圧力比較部49に出力される。この結果、圧力指令信号Pcと圧力検出信号Prとは略同じとなり、圧力偏差信号epも略0となって偏差の累積がなくなり、アンダーシュートを確実に防止して離脱現象を防止でき、荷重抜けを防止できる。
以上の第1、第2の変形例の他、例えば、前記実施形態では、本発明に係る圧力検出手段として、油圧回路中に設けられた圧力計が用いられていたが、ダイクッションパッドの側面に設けられたひずみゲージなどであってもよい。また、位置検出手段としても、ダイクッション駆動用の電動サーボモータに設けられたエンコーダに限らず、ダイクッションパッドとベッドとの間に設けられるリニアスケールなどであってもよい。さらに、電動サーボモータとしては、回転型に限らず、リニアサーボモータなどの直動型であってもよい。
前記実施形態では、ダイクッション制御装置が位置制御と圧力制御とを切り換える構成になっていたが、ストロークを通して圧力制御が行われる場合でも、本発明に含まれる。
本発明は、絞り加工等を行うプレス機械に用いられるダイクッションを制御するためのダイクッション制御装置に利用でき、特に電動サーボモータで駆動されるダイクッションのダイクッション制御装置として好適に利用できる。
本発明の一実施形態に係るプレス機械の概略構成図。 前記実施形態に係るダイクッションの概略構成図。 ダイクッション制御装置の構成を説明する機能ブロック図。 ダイクッション制御装置の構成を説明する制御ブロック図。 時間と位置用速度指令信号との関係を示す図。 時間と圧力用速度指令信号との関係を示す図。 位置制御と圧力制御との切換動作を説明するための説明図。 位置パターンを示す図。 圧力パターンを示す図。 スライドとダイクッションパッドの動作説明図。 出力切換部、タイマ、および圧力保持部の動作を説明するためのフローチャート。 第1の変形例を説明する機能ブロック図。 第1の変形例を説明する制御ブロック図。 第1の変形例での目標圧力および発生圧力を示す図。 第2の変形例を説明する機能ブロック図。 第2の変形例を説明する制御ブロック図。 第2の変形例での発生圧力を示す図。
符号の説明
1…プレス機械、9…ワーク、13…ダイクッション、15…ダイクッションパッド、21…電動サーボモータ、40…ダイクッション制御装置、42…サーボアンプ、48…圧力指令信号出力部、49…圧力比較部、56…圧力パターン、50…圧力制御部、53…速度制御部、93…圧力検出手段である圧力計、100…偏差解消部、150…発生圧力収束部、ep…圧力偏差信号、i…電流であるモータ電流、ic…モータ電流指令信号、Pc…圧力指令信号、Pr…圧力検出信号、T1,T2…時間、υpc…圧力用速度指令信号。

Claims (3)

  1. プレス機械(1)のダイクッション制御装置(40)において、
    所定の圧力パターンに基づく圧力目標値に応じた第1の圧力指令信号を出力する圧力指令信号出力部(48)と、
    ダイクッションパッド(15)にかかる発生圧力を検出する圧力検出手段(93)と、
    前記圧力パターンに基づく圧力目標値と前記圧力検出手段(93)からの圧力検出信号に基づく圧力検出値との偏差に応じた圧力偏差信号を出力する圧力比較部(49)と
    前記圧力偏差信号に基づいて圧力用速度指令信号を出力する圧力制御部(50)と、
    前記圧力用速度指令信号に基づいてモータ電流指令信号を出力する速度制御部(53)と、
    前記モータ電流指令信号に応じた電流をダイクッション(13)駆動用の電動サーボモータ(21)に供給するサーボアンプ(42)と、
    前記圧力目標値とこの圧力目標値を超えてオーバーシュートする発生圧力との前記偏差を所定時間にわたって略ゼロにする偏差解消部(100)とを備え
    前記所定時間の終わりは、前記オーバーシュートする圧力検出値が略ピークをむかえるまでであり、
    前記所定時間の終わりの時点での圧力検出値から前記圧力目標値までを所定の時定数を用いてなだらかに収束させる圧力パターンを新たな圧力パターンとし、
    前記所定時間経過後、前記圧力目標値に収束させるまでの間に、前記新たな圧力パターンに応じた第2の圧力指令信号を前記第1の圧力指令信号と置き換える
    ことを特徴とするプレス機械(1)のダイクッション制御装置(40)。
  2. 請求項1に記載のプレス機械(1)のダイクッション制御装置(40)において、
    前記圧力制御部(50)は、前記圧力比較部(49)から出力される圧力偏差信号を積分する積分器(72)を備えている
    ことを特徴とするプレス機械(1)のダイクッション制御装置(40)。
  3. 請求項1または請求項2に記載のプレス機械のダイクッション制御装置(40)において、
    所定の位置パターンに基づく位置目標値に応じた位置指令信号を出力する位置指令信号出力部(45)と、
    ダイクッションパッド(15)の位置を検出する位置検出手段(36)と、
    前記位置パターンに基づく位置目標値と前記位置検出手段(36)からの位置検出信号に基づく位置検出値との偏差に応じた位置偏差信号を出力する位置比較部(46)と、
    前記位置偏差信号に基づいて位置用速度指令信号を出力する位置制御部(47)と、
    前記位置用速度指令信号および前記圧力用速度指令信号のいずれか一方を速度指令信号として出力する位置・圧力制御切換部(51)とをさらに備え、
    前記速度制御部(53)は、前記位置・圧力制御切換部(51)から出力される速度指令信号に基づいてモータ電流指令信号を出力し、
    前記位置用速度指令信号に基づく位置制御から前記圧力用速度指令信号に基づく圧力制御に切り換わると同時に、前記偏差解消部(100)は前記圧力偏差信号を略ゼロにする
    ことを特徴とするプレス機械のダイクッション制御装置(40)。
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