JP4820051B2 - 発光管、発光管の製造方法及び低圧水銀ランプ - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、2重螺旋形状の発光管、発光管の製造方法及び低圧水銀ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】
省エネルギー時代を迎え、低圧水銀ランプの開発が進められている。特に、白熱電球を代替する光源として蛍光ランプ、中でも、ランプ効率が高く長寿命な電球形蛍光ランプが注目されている。この電球形蛍光ランプは、湾曲したガラス管内に電極を封着する発光管を備えている。
【0003】
発光管には、例えば、ガラス管の略中央を折り返して折り返し部を形成すると共に、折り返し部から端部にかけての部分を同一の旋回軸の廻りに旋回させ、さらに、ガラス管の両端部を旋回軸と略平行に延伸させた2重螺旋形状のものがある。なお、電極は、ガラス管の端部寄りである旋回軸と平行な部分の内部に挿入され封着されている。
【0004】
この2重螺旋形状の発光管は、U形状のガラス管を複数本結合させた発光管よりも、一定空間内における発光管内の電極間距離を長くできる長所を有している。そして、さらに、発光管を構成するガラス管を細く(管外径:9mm程度)し、旋回軸方向に隣合うガラス管の間隙を1mm程度に狭めることにより、発光管自身の全長を大にすることなく、旋回軸の廻りを旋回する旋回数を増やすことができる。これにより、発光管内の電極間距離を長くでき、白熱電球と同等の明るさが得られるようになった。
【0005】
しかしながら、この2重螺旋形状の発光管を有する従来の電球形蛍光ランプは、近年小型化されつつあるが、白熱電球よりもまだ大きく、その普及の妨げとなっている。つまり、従来の電球形蛍光ランプの全長が白熱電球よりも長いために、白熱電球用の既存の灯具に電球形蛍光ランプを装着すると、電球形蛍光ランプの先端が灯具から張り出す等の不具合が生じる。
【0006】
そこで、電球形蛍光ランプの全長、つまり発光管の全長をさらに短くしたものとして、ガラス管の端部を旋回軸と平行にするのではなく、ガラス管の折り返し部から端部までを同じ螺旋ピッチで成形し、その端部に電極を封着したもの(第1の従来技術)、或いは、平行部を旋回軸方向ではなく内側に向けて湾曲させたもの(第2の従来技術、例えば、特許文献1参照)が提案されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−17378号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の第1の従来技術は、ガラス管の折り返し部から端部まで旋回軸の廻りを旋回させているため、ガラス管の端部とこの端部に旋回軸方向に隣合うガラス管との間隙が略1mmとなってしまう。このため、ガラス管端部に電極を封着するための作業空間がなく封着作業が難しい上、電極を封着する際にガラス管の端部を加熱すると、隣のガラス管も併せて加熱してしまい、この隣のガラス管が、変形したり、さらには溶融して端部側のガラス管に溶着したりする。なお、このような変形等した発光管は不良品として扱われる。
【0009】
また、第2の従来技術は、ガラス管の端部を内側に向けているため、ガラス管の端部と、この端部と隣合うガラス管との間隙が第1の従来技術のように狭くなることはない。しかし、両端部が内側に向いて湾曲しているため、両端部同士が近づくことになり、電極を封着するための作業空間が小さくなり、その作業が難しい。
【0010】
本発明は、上記のような問題点を鑑みてなされたものであって、ガラス管の端部が旋回軸と平行に延伸する従来の発光管よりも全長を短くでき、しかもガラス管の端部に電極を装着する際の作業空間を確保できる発光管及びその製造方法、低圧水銀ランプを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る発光管は、ガラス管の略中央を折り返すと共に前記折り返し部から両端部までの部分が旋回軸の廻りを旋回する2重螺旋形状に形成され、ビーズガラスマウントタイプの電極が前記ガラス管の両端部に封着されてなる発光管であって、
前記ガラス管の少なくとも一方の端部の前記旋回軸と平行な方向には、当該端部に隣合うガラス管の隣接部分があり、前記一方の端部と前記隣接部分との間隙が前記旋回軸と平行な方向に広がるように、前記一方の端部近傍部分の螺旋ピッチが漸次拡大され、前記電極が前記ガラス管の両端部の圧潰により当該両端部に封着されていることを特徴としている。
【0012】
なお、ここでいう「旋回軸方向」とは、旋回軸と平行な方向をいう。この構成によれば、ガラス管の端部とこの端部に隣合うガラス管との間隙が大きくなり、例えば、ガラス管の端部に電極を装着する作業空間が大きくなる上、ガラス管の端部に電極を装着する際に、ガラス管の端部を加熱しても、この端部に隣合うガラス管が高温になることを防ぐことができる。
【0013】
このため、ガラス管の端部に電極を容易に装着することができる。しかも、ガラス管の端部とこの端部に隣合うガラス管とは他のガラス管同士よりも離れているが、ガラス管の端部を旋回軸に平行に形成した従来のものに比べて、旋回軸方向の大きさを小さくできる。
また、前記ガラス管内に挿入されている電極部分の挿入先端位置と、前記ガラス管の端面から前記旋回軸廻りに1/2周分旋回した位置との間に前記旋回軸方向に湾曲する湾曲部を備えていることを特徴としている。このため、ガラス管の端部の螺旋ピッチを容易に拡大させることができる。
【0014】
しかも、前記折り返し部から前記湾曲部までの部分における前記旋回軸と平行な方向に隣合うガラス管の間隙が、0.5mm以上3mm未満の範囲内であると共に、前記一方の端部と前記隣接部分との間隙が、3mm以上12mm以下の範囲内であることを特徴とし、また、前記ガラス管の管内径が、5mm以上9mm以下の範囲内であることを特徴としている。このため、発光管をより小型化でき、白熱電球と略同じ大きさにすることも可能となる。
【0015】
一方、本発明に係る発光管の製造方法は、ガラス管の略中央を折り返して折り返し部を形成すると共に前記折り返し部から両端部までの部分が旋回軸の廻りを旋回する2重螺旋形状に形成され、ビーズガラスマウントタイプの電極が前記ガラス管の両端部に装着されてなる発光管の製造方法であって、加熱により軟化したガラス管を、成形冶具の外周面に形成されている螺旋形状の溝に沿って巻き付ける工程と、螺旋形状に巻き付けられた前記ガラス管を前記成形冶具から取り外す工程と、前記ガラス管における電極が封着される封着予定部と、当該封着予定部と前記旋回軸と平行な方向に隣合うガラス管との間隙が前記旋回軸と平行な方向に拡がるよう前記ガラス管における封着予定部近傍部分の螺旋ピッチを漸次拡大させる工程と、前記ガラス管の封着予定部を圧潰することで前記電極を前記封着予定部位に封着する工程とを含むことを特徴としている。
【0016】
このため、ガラス管の封着予定部とこれに隣合うガラス管との間隙が大きくなり、例えば、ガラス管の封着予定部に電極を装着する作業空間が大きくなる上、電極を装着する際に、ガラス管の封着予定部の付近を加熱しても、これに隣合うガラス管が高温になることを防ぐことができる。従って、ガラス管の封着予定部に電極を容易に装着することができる。
【0017】
しかも、ガラス管の封着予定部とこれに隣合うガラス管とは他のガラス管同士よりも離れているが、ガラス管の端部を旋回軸に平行に形成した従来のものに比べて、旋回軸と平行な方向の大きさを小さくできる。
さらに、前記ガラス管の封着予定部近傍部分の螺旋ピッチを拡大させる工程は、前記ガラス管の封着予定部の前記折り返し部寄り付近を、前記ガラス管の軟化点以上、前記ガラス管の作業温度未満の範囲の温度に加熱した後、前記ガラス管の封着予定部が前記隣合うガラス管から前記旋回軸と平行な方向に離れるように前記ガラス管の封着予定部の前記折り返し部寄り付近を前記旋回軸と平行な方向への引張り負荷によって湾曲させることを特徴としている。このため、ガラス管の封着予定部の螺旋ピッチを容易に拡大させることができる。
【0018】
しかも、前記電極を封着する工程は、前記ガラス管の封着予定部の付近を、当該ガラス管の作業温度以上であって当該作業温度より120℃高い温度以下の範囲の温度に加熱して、前記ガラス管の封着予定部に前記電極を封着することを特徴としている。このため、ガラス管の封着予定部に電極を容易に封着できる。
また、本発明に係る低圧水銀ランプは、前記発光管を備えていることを特徴としている。このため、発光管の全長を短くすることが可能となり、低圧水銀ランプ自体の全長も短くすることが可能となる。
【0019】
しかも、前記2重螺旋形状の発光管は、環外径が34mm以上40mm以下、長さが50mm以上90mm以下であることを特徴としている。このため、本発明を例えば電球形蛍光ランプに適用すると、白熱電球と略同等の大きさにすることも可能となり、白熱電球用の灯具を利用することもできる。
一方、 前記発光管を覆うグローブを備え、前記発光管の一部が熱伝導性媒体を介して前記グローブに熱的に結合されていることを特徴としている。このため、定常点灯時における発光管の温度の上昇を抑制することができる。
【0020】
また、前記グローブの外径が60mm以下であることを特徴としている。このため、本発明を例えば電球形蛍光ランプに適用すると、白熱電球と略同等の大きさにすることも可能となり、白熱電球用の灯具を利用することもできる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る低圧水銀ランプを電球形蛍光ランプに適用させた場合における実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
1.電球形蛍光ランプの構成について
図1は本発明に係る電球形蛍光ランプの一部を切り欠いた全体構造を示す正面図である。この電球形蛍光ランプ1は、白熱電球100Wの代替用である21W品種である。なお、100W用の白熱電球の大きさは、最大外径が60mm、全長が110mmである。
【0022】
電球形蛍光ランプ1は、同図に示すように、2重螺旋形状に湾曲する発光管2と、この発光管2を点灯させるための電子安定器3と、電子安定器3を収納し且つ口金5を備えるケース4と、発光管2を覆うグローブ6とを備えている。
発光管2は、ケース4の開口部から下方(口金5と反対側)に延伸しており、発光管2を形成するガラス管9は、その両端部91a、91bがケース4内に位置するように、両端部91a、91b間の略中央の折り返し部92で折り返されている。ガラス管9の端部91a、91bには、電極(図2参照)が装着され、また、ガラス管9の内部には水銀が、例えば、単体形態で封入されている。
【0023】
発光管2は、ガラス管9の両端部91a、91bがホルダー41内に挿入された状態で、例えばシリコーンの接着剤(図示省略)によりホルダー41に固定されている。このホルダー41の裏側(口金5側)には、基板31が装着されており、この基板31に発光管2を点灯させるための電気部品が取り付けられている。なお、これらの電気部品により電子安定器3が構成され、この電子安定器3は、所謂、シリーズインバータ方式によるもので、その回路効率が91%である。
【0024】
ケース4は、合成樹脂製であって、下拡がりの筒状をしている。ケース4内には、電子安定器3側が奥側(上側)となるように、ホルダー41がケース4の開口部から挿入され、ホルダー41の周縁部がケース4の内壁に接着剤により固着されている(図示省略)。ケース4の上部、つまり開口部と反対側には、E26用の口金5が装着されている。なお、図1では、口金5と電子安定器3との電気的接続の図示は省略している。
【0025】
グローブ6は、発光管2を覆うためのもので、その開口部がケース4の開口部の内側に挿入され、グローブ6の開口部側の端部における外周がケース4の開口部側の端部における内周に接着剤より固着されている。そしてこのグローブ6とケース4とで外囲器が構成され、電球形蛍光ランプ1の全長L0は115mmである。
【0026】
グローブ6は、白熱電球と同様に、装飾性に優れたガラス材からなり、その形状がなす状、所謂A型をしている。このグローブ6の最大外径D0は60mmである。
グローブ6の内壁の下端部62及び発光管2の下端部は、透明なシリコーンからなる熱伝導性媒体15により熱的に結合されている。このため、電球形蛍光ランプ1を点灯したときに、発光管2の温度が上昇しても、その熱が熱伝導性媒体15を介してグローブ6へと伝わり、発光管2の温度、特に発光管2の下端部の温度上昇を抑制することができる。
【0027】
発光管2の下端部の温度上昇を抑制する理由は、発光管2の最も温度の低い箇所94(以下、「最冷点箇所94」という。)の温度を下げれば、発光管2内の水銀蒸気圧が効果的に下がるためであり、本実施の形態のような2重螺旋形状の発光管2の場合には、電極から最も離れた箇所、つまり発光管2の下端部が、最冷点箇所94になるためである。
【0028】
なお、この最冷点箇所94は、ガラス管9の折り返し部92の中央部でもあり、その下端が熱伝導性媒体15側に膨らんでおり、熱伝導性媒体15との接触面積を大きくしている。
図2は、発光管2の一部を切り欠いた構造を示す正面図である。
ガラス管9は、一方の端部(例えば91a)から旋回軸A廻りに旋回しながら下方の折り返し部92に向かう第1の旋回部93aと、折り返し部92から同じく旋回軸A廻りに旋回しながら他方の端部(91b)に向かう第2の旋回部93bとを有する2重螺旋形状をしている。第1及び第2の旋回部93a、93bは、両者をあわせて旋回軸Aを略6.5周旋回し、その環外径Φtが38mmである。
【0029】
ガラス管9の第1及び第2の旋回部93a、93bは、旋回軸Aに対して所定角度α0(本実施の形態では、約78°である。)で傾斜しながら、旋回軸Aと略一定の間隔をおいて旋回軸A廻りを旋回している。つまり、ガラス管9は、旋回軸Aを中心とした平面視同心円状に形成されている。なお、ガラス管9の管軸と旋回軸Aとの間の一定の間隔を、以下、「旋回半径」ともいう。
【0030】
また、旋回軸方向に隣合う第1の旋回部93aにおける横断面の中心(ガラス管の軸心)と第2の旋回部93bにおける横断面の中心(ガラス管の軸心)とのピッチPt(以下、「螺旋ピッチ」という。)は10mmであり、隣合う第1の旋回部93aと第2の旋回部93bとの間隙は、約1mmである。
一方、ガラス管9の端部91a、91bも旋回軸A廻りに螺旋形状に湾曲しており、このガラス管9の端部91a、91bの螺旋ピッチが徐々に拡大され、ガラス管9の端99(端部91b側のみ図示)と、この端99が旋回軸方向に隣合う旋回部との間隙Sgが約5mmとなっている。
【0031】
すなわち、ガラス管9の端部91a、91bの端99から螺旋方向に沿って1/4周分旋回した位置(発光管2をガラス管9の端部91a,91bから旋回軸方向に見たときに、ガラス管2の端部91a,91bの端99から旋回軸の周りを90°旋回した位置)に対応するガラス管9の部位を旋回軸方向であって折り返し部92と反対側に湾曲させる(この部位を、以下、「湾曲部」という。)ことで、湾曲部から端99に移るに従って、ガラス管9の端部91a、91bの螺旋ピッチを拡大している。
【0032】
ガラス管9の端部91a、91bは、旋回軸Aに対して所定角度α(実施の形態では約70°である。)で傾斜している。なお、発光管2の全長Ltは約80mmである。
ガラス管9の材料としては、例えば、ストロンチウム・バリウムシリケイトガラス(軟化点:682℃、作業温度:1020℃)等の軟質ガラスが用いられ、その管内径が7.4mm、管外径が9.0mmのものを使用した。
【0033】
ガラス管9の両端部91a、91bには、電極7、8が封着されている。この電極7、8には、タングステン製のフィラメントコイル73が用いられており、これら電極7、8は、ビーズガラス72により仮止めされた状態(所謂、ビーズガラスマウント方式である。)でガラス管9内に挿入され、電極7、8用のリード線7a、7b、8a、8bがガラス管9の端部91a、91bに封着されている。これによりガラス管9内は気密状に封止されることになる。
【0034】
なお、ガラス管9の内部を排気するための排気管85は、ガラス管9の一方の端部(ここでは、91b)に電極8の封着時に同時に装着される。また、ガラス管9内における両電極7、8の距離(電極間距離)は670mmである。
ガラス管9の内部には、水銀が単体形態で約5mg封入され、また緩衝ガスとしてアルゴン・ネオンガスの混合ガス(この混合ガスにおけるネオンの容量比率は略25%である)が、上記の排気管85を介して400Paで封入されている。
【0035】
ここで、ガラス管9内に封入される水銀は、発光動作時における水銀蒸気圧が略水銀単体の蒸気圧値を呈するものであれば良く、例えば、亜鉛水銀のような形態のものを封入しても良い。
ガラス管9の内面には、希土類の蛍光体95が塗布されている。この蛍光体95としては、赤、緑、青発光の3種類で、例えばY2O3:Eu(赤)、LaPO4:Ce、Tb(緑)、BaMg2Al16O27:Eu、Mn(青)蛍光体を混合したものを用いた。
【0036】
上記構成の電球形蛍光ランプ1を点灯させたときの性能について説明する。まず、口金5を上にして定常点灯させたときの発光光束は1520lmであり、このときのランプ効率が70lm/W以上であった。
このランプ効率は、発光管2の最冷点箇所94とグローブ6の内壁の下端部62とを熱伝導性媒体15により結合しているため、定常点灯時における発光管2の最冷点箇所94の温度を、ガラス管9内の水銀が最大光束を発するときの蒸気圧となる温度と略同じにすることができ、70lm/W以上という高い値を得ることができたと考えられる。なお、電球形蛍光ランプ点灯開始時の光束立上り特性は、水銀単体を用いているため、アマルガム形態の水銀を使用した電球形蛍光ランプに対して改善される。
【0037】
2.発光管の製造方法について
1)ガラス管の成形について
ガラス管110を2重螺旋状に湾曲する方法を説明する。図3及び図4は、発光管を製造する工程を説明する図である。図5は、図4の(a)の状態のガラス管を旋回軸方向のガラス管端部側から見た図である。
【0038】
(ア)ガラス管の軟化
まず、図3の(a)に示すように、直管状のガラス管110を用意する。このガラス管110は、その横断面形状が円形状であり、その管内径が7.4mm、管外径が9.0mmである。そして、この直管状のガラス管110の中央(少なくとも2重螺旋形状に湾曲させる部分を含む)を、図3の(a)に示すように、電気或いはガス等の加熱炉120内で加熱して、ガラス管110の温度を軟化点(本実施の形態では、675℃)以上にしてガラス管110を軟化させる。
【0039】
(イ)ガラス管の巻き付け工程及び脱型工程
軟化したガラス管110を加熱炉120から取り出して、図3の(b)に示すように、このガラス管110の略中央114を成形冶具130の頂部に位置合わせして成形冶具130を図外の駆動装置により回転(図中に示すB方向)にさせることにより、軟化したガラス管110を成形冶具130に巻き付ける。なお、ガラス管110の略中央114は折り返し部となり、便宜上、この折り返し部も114の符号を付す。
【0040】
この成形冶具130の外周面には、冶具の軸心(旋回軸)の廻りに旋回する溝131が軸心方向に10mmの螺旋ピッチで2重螺旋形状に形成されており、この成形冶具130を回転させることにより、軟化したガラス管110が溝131に沿って巻き付けられていく。なお、ガラス管110を成形冶具130に巻き付ける作業中には、ガラス管110の横断面を略円形状に保持できるように、圧力制御された窒素などのガスがガラス管110内に吹き込まれている。
【0041】
成形冶具130にガラス管110を巻きつけた状態を暫く保持するとガラス管110の温度が下がり、ガラス管110が軟化状態から硬化状態に戻る。そして、成形冶具130をガラス管110の巻き付け時の回転方向(B方向)と逆方向に回転させると、図3の(c)に示すように、成形冶具130から外された2重螺旋形状のガラス管110を得ることができる。
【0042】
(ウ)切断工程
成形冶具130から外したガラス管110を巻数が6.5周になるように、不要部を切断する。この段階では、ガラス管110の折り返し部114から端部113まで螺旋ピッチ10mmで2重螺旋形状に成形されている。
(エ)端部の離間工程
切断された後の端部113の端115から螺旋形状のガラス管110に沿って約1/4周旋回した部分(この部分を、「湾曲形成予定部」といい、符号「111a」を用いる。)を例えばガスバーナーで加熱して、図4の(a)に示すように、ガラス管110の端部113を旋回軸方向のC方向に引っ張って、図4の(b)に示すように、端115と、この端115と隣合う旋回部112(以下、この部分を単に「隣合う旋回部112」という。)との間隙(旋回部112の外周と、端115との旋回軸方向の間隙)が5mmとなるように離間させる。
【0043】
湾曲形成予定部111aの位置は、図5に示すように、図4の(a)の状態のガラス管110を旋回軸方向のガラス管110の端部113側から見たときに、ガラス管110の端部113(ここでは、一方の端部113のみを説明するが、他方の端部についても同様である。)の端115の中心Dと旋回軸Aとを結ぶ線分L1から、旋回軸Aの周りに1/4周分折り返し部側に旋回したところである。
【0044】
つまり、ガラス管110の端部113の端115の中心Dと旋回軸Aとを結ぶ線分L1と、湾曲形成予定部111aと旋回軸Aとを結ぶ線分L2との角度Eが略90°となっている。なお、上記の湾曲形成予定部111aは、湾曲後、「湾曲部111b」になる。
この離間の際には、端115から湾曲形成予定部111aまでに対応するガラス管110の部位全体を加熱するのではなく、湾曲形成予定部111aを局所的に、ガラス管110の軟化点に対して100℃程高い温度(つまり、775℃程度)になるように加熱する。
【0045】
この湾曲形成予定部111aに隣接する旋回部112は、湾曲形成予定部111aとの間隙が1mmと近接しているけれども、湾曲形成予定部111aの温度が775℃になるように加熱しているので、旋回部112の温度が上がっても、軟化点よりも高くなることはなく、熱により変形することもない。
しかも、ガラス管110の端115は、隣合う旋回部112に対して旋回軸方向に5mm程離れているが、湾曲部111bの位置が、ガラス管110の端115からガラス管9が湾曲する螺旋方向に沿って1/4周分戻った位置なので、湾曲形成予定部111aを旋回軸方向に少し湾曲させれば良く、湾曲部111bにおける残留応力も小さくなる。このため、ガラス管110を2重螺旋形状に巻き付けた後で行う残留応力を除去するアニーリング処理により、湾曲部111bの残留応力も併せて除去できる。
【0046】
2)ガラス管への電極の封着について
上記のように形成された2重螺旋形状のガラス管110の内面に蛍光体を塗布し、その後にガラス管110の両端(図4では端部113だけを図示している。)に電極7、8を封着する。ここではガラス管110の端部113に電極8を封着する方法について説明するが、他方の端部にも、当然同様に電極7が封着される。
【0047】
まず、一対のリード線8a、8bによりビーズガラスマウント方式でフィラメントコイル73が保持された電極8を用意しておく。次に、用意しておいた電極8をガラス管110の端115から、フィラメントコイル73の先端位置が15mm程度となるように、挿入した状態で、ガラス管110の端部113を電極のリード線8a、8bと共に、例えば、作業温度に対して100℃程度高い温度、つまり1120℃の温度になるように、ガスバーナーで加熱する。そして、ガラス管110の端部113が溶融状態になると、ガラス管110の端部113を圧潰させてリード線8a、8bと共に封着する。
【0048】
このとき、ガラス管110の端115は、隣合う旋回部112の外周に対して5mmと離れているので、電極8を封着する際にガラス管110の端部113を1120℃に加熱しても、隣合う旋回部112は高温にならず、隣合う旋回部112が軟化して変化するようなことを防ぐことができる。さらに、ガラス管110の端部113が隣合う旋回部112に対して旋回軸方向に離れているため、電極8を封着する作業空間が広くなり、効率良く電極8の封着作業ができる。
【0049】
以上の工程で発光管2の製造が完了するが、ガラス管110の端部113に電極8を封着するときに、端部113に排気管85も同時に封着しておき、この排気管85を介して、ガラス管110内への水銀及び希ガスの封入等を行う。なお、端部113は、図2におけるガラス管9の端部91bに相当する。
3.その他
1)端部の離間工程について
(ア)ガラス管の端部と隣合う旋回部との間隙について
本実施の形態では、ガラス管110の端115と、この端115に旋回軸方向に隣合う旋回部112との間隙を5mmとしているが、この間隙は、3mm以上12mm以下であれば良い。つまり、その間隙が3mmより小さいと、ガラス管110の端部113とその隣合う旋回部112との間隙が狭くなり、ガラス管110の端部113に電極8を挿入したり、封着したりする作業空間がなくなる上、電極8を封着する際の加熱時に隣合う旋回部112が熱により変形等するからである。
【0050】
一方、間隙が12mmより大きいと、ガラス管110の端部113に電極8を挿入したり、封着したりする作業空間が広くなるが、発光管の全長Ltが、従来のガラス管の端部を旋回軸と平行にした電球形蛍光ランプの発光管と変わらなくなってしまうからである。
(イ)湾曲部の加熱温度について
ガラス管110の端部113を隣合う旋回部112から離間させる際における湾曲形成予定部111aの温度は、使用しているガラス管110の材質によって定まる軟化点を基準としており、その温度は、軟化点以上で、作業温度未満、更には軟化点より120℃高い温度以下の範囲が好ましい。
【0051】
これは、湾曲形成予定部111aを軟化させて湾曲させているので、湾曲形成予定部111aの温度が軟化点より低い場合には、ガラス管110をスムーズに湾曲させることができないからである。
逆に、作業温度以上では、ガラス管110は軟化状態となるが、ガラスの粘度が低下して、ガラス管110の形状が保持されなくなり、作業性が著しく悪くなるからである。また、湾曲形成予定部111aを軟化点より120℃より高い温度に加熱しても、当然その部分を湾曲させれるが、加熱するエネルギが大きくなり、コストアップにつながり、また、その温度にまで加熱するのに長時間必要となり、生産効率が悪くなるからである。
【0052】
(ウ)湾曲部の位置について
ガラス管110上の湾曲部111bの位置は、ガラス管110内に挿入されている電極部分(フィラメントコイル73)の先端位置と、ガラス管110の端面から旋回軸A廻りに1/2周分旋回した位置との間にあることが好ましい。
これは、湾曲部111bとガラス管110の端115との距離が、電極8におけるガラス管110内に挿入される部分の長さ(本実施の形態では15mm程度)より短くなると、ガラス管110内に挿入されたフィラメントコイル73の先端部が湾曲部111bに接触したり、ガラス管110の端部113を加熱したときに、電極8のフィラメントコイル73の温度が高温となるため、その上に塗布されているエミッタが蒸発したりするからである。
【0053】
逆に、湾曲部111bとガラス管110の端115との距離が、旋回軸廻りに1/2周旋回する長さより長くなると、電極8を封着するガラス管110の端部113の位置精度が低下し、電極8を封着する封着工程における生産効率が悪くなるからである。
(エ)電極の封着工程について
電極8をガラス管110の端部113に封着する際のガラス管110の温度は、そのガラス管110の材質によって定まる作業温度を基準としており、その温度は、作業温度以上で、作業温度より120℃高い温度以下が好ましい。
【0054】
これは、ガラス管110を溶融させて電極8をガラス管110に封着しているので、ガラス管110の温度が作業温度より低い場合には、電極8を封着できないからである。
逆に、作用温度より120℃より高い温度でも封着できるが、加熱するエネルギが大きくなり、コストアップにつながり、また、ガラス管110をその温度にまで加熱するのに長時間必要となり、生産効率が悪くなるからである。
【0055】
(変形例)
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明の内容が、上記の実施の形態に示された具体例に限定されないことは勿論であり、例えば以下のような変形例を実施することができる。
1.発光管のグローブ形状について
上記の実施の形態では、電球形蛍光ランプは発光管を覆うグローブを備えているが、このグローブを備えていないものでも良い。この場合、グローブを備えていないために、グローブ付きのものに対して電球形蛍光ランプの大きさが若干小さくなるが、本発明を適用すると発光管の旋回軸方向の寸法を更に小型化でき、延いては、電球形蛍光ランプの全長も小にできる。
【0056】
さらに、グローブがない場合は、発光管の環外径をもう少し大きくすることも可能な場合があり、電極間距離を更に長くして発光光束、ランプ効率を向上させることも可能となる。また、白熱電球と略同じ明るさにして電球形蛍光ランプの全長を短くすることもでき、発光管の設計の自由度、延いては電球形蛍光ランプの設計の自由度を大きくすることができる。
【0057】
2.切断工程及び離間工程について
上記の実施の形態では、発光管の製造において、2重螺旋形状に形成されたガラス管の不要部を切断した後に、湾曲形成予定部(本発明における封着予定部の折り返し部寄り付近である)を加熱し、湾曲形成予定部を湾曲させて、ガラス管の端部(本発明における封着予定部である)をその隣合うガラス管に対して離間させ、更にその後に蛍光体をガラス管の内壁に塗布しているが、例えば、不要部を切断する前に、湾曲形成予定部111aを加熱して湾曲させ、その後に不要部を切断し、更にその後に蛍光体を塗布しても良い。
【0058】
或いは、ガラス管を2重螺旋形状に形成した後に、湾曲形成予定部111aを加熱して湾曲させ、その後に蛍光体を塗布して不要部を切断しても良い。つまり、湾曲部を形成した後に、ガラス管の封着予定部に電極を封着しても良い。
なお、蛍光体の塗布は、ガラス管が最終的な発光管の形状に形成された後に行われるのが好ましい。これは、蛍光体の塗布後にガラス管を変形させると、蛍光体にヒビが入ったり、蛍光体が剥がれたりするからである。この傾向は、2重螺旋形状の環外径が小さい場合に特に顕著になり、本実施の形態のような発光管のサイズでは、蛍光体の塗布後はガラス管を変形させない方が好ましい。
【0059】
3.発光管の材質
上記の実施の形態では、ガラス管にストロンチウム・バリウムシリケイトガラスを使用したが、他の材質のものを使用しても良い。このようなものとしては、例えば、ソーダライムガラス(軟化点;690℃、作用温度;1005℃)、鉛ガラス(軟化点;615℃、作用温度;955℃)、バリウムシリケイトガラス(軟化点;683℃、作業温度1031℃)等がある。
【0060】
4.隣合う旋回部の間隙について
上記の実施の形態では、隣合う第1の旋回部と第2の旋回部との間隙が1mmとなっているが、この間隙は、0.5mm以上3mm未満の範囲にあれば良い。これは、間隙が0.5mmより小さくなるように、ガラス管を2重螺旋形状に成形することは困難であり、逆に、間隙が3mm以上にすれば、ガラス管の端部と隣合う旋回部との間隙を大きくする必要性がなくなるからである。
【0061】
5.ガラス管の管径及び発光管の環外径
上記の実施の形態では、ガラス管の管内径が7.4mmであるが、この管内径は5mm以上9mm以下の範囲であれば良い。これは、管内径が5mmより小さくなると、ガラス管内に電極を挿入することが困難になり、逆に管内径が9mmより大きくなると、白熱電球と同程度の明るさを有し且つ同程度の大きさにすることができないためである。
【0062】
次に、発光管は、直径が34mm、長さが50mmの円柱と、直径が40mm、長さ90mmの円柱との間の空間に収まる大きさが好ましい。これは、本発明に係る発光管を、例えば、白熱電球を代替する電球形蛍光ランプに用いる場合に、発光管の大きさが、直径が40mm、長さが90mmの円柱よりも大きくなると、白熱電球よりも大きくなり、逆に、直径が34mm、長さが50mmの円柱よりも小さくなると、白熱電球と同等の発光光束が得られないからである。
【0063】
つまり、この発光管を用いた電球形蛍光ランプは、白熱電球と略同等の大きさで、略同等の光束を発することが可能となり、白熱電球用の既存の灯具をそのまま利用できるのである。
6.電極の装着方法
上記の実施の形態では、電極をガラス管の端部に封着方式で装着しているが、他の方式でガラス管の端部に電極を装着しても良い。このような他の方式には、例えば、電極が取り付けられたステム管を装着するステム方式がある。
【0064】
7.ガラス管の端部について
上記の実施の形態では、ガラス管の両端部における螺旋ピッチを拡大させているが、例えば、ガラス管の一方の端部だけその螺旋ピッチを拡大させても良い。
この場合、他方の端部が旋回軸と平行に形成されていると、発光管の旋回軸方向の寸法を小さくできないが、第2の従来技術で記載したように、ガラス管の端部を旋回軸と平行にするのではなく内側に(旋回軸に近づくように)湾曲させることで、発光管の旋回軸方向の寸法を小さくできる。
【0065】
しかも、一方の端部は、旋回軸廻りに旋回し、他方の端部は、旋回軸方向に向かって内側に湾曲しているので、各端部の周辺には、電極をガラス管の端部に装着するためのより広い作業空間を確保できる。
8.湾曲部について
上記の実施の形態では、ガラス管の端部からガラス管に沿って1/4周分旋回した位置に、旋回軸の折り返し部と反対側へと湾曲する湾曲部を1つ有しているが、2以上の湾曲部を有していても良い。つまり、ガラス管の端部が、旋回軸方向に隣合うガラス管との間隔が段階的に徐々に広がるように、当該端部近傍部分の螺旋ピッチが拡大されていても良い。
【0066】
当然、このように複数の湾曲部を有しても、上記の実施の形態と同様の効果を得ることができる。この場合における湾曲部の位置も、ガラス管内に挿入されている電極部分の先端位置と、ガラス管の端面から前記旋回軸廻りに1/2周旋回した位置との間に形成されていれば良い。
9.その他
本実施の形態で説明した電球形蛍光ランプは、白熱電球100W相当品について説明したが、当然白熱電球40W相当品、60W相当品にも適用できる。この場合は、発光管の全長、つまりはガラス管の旋回数が変更される。
【0067】
10.低圧水銀ランプ
本発明に係る低圧水銀ランプは、上記の実施の形態では電球形蛍光ランプについて説明したが、他のランプ、例えば、図6に示すような蛍光ランプにも適用できる。
この蛍光ランプ100は、ガラス管120の端部まで螺旋状に旋回する2重螺旋形状の発光管110と、この発光管110(ガラス管120の両端部)を保持する有底円筒状の保持部材130と、この保持部材130の周壁に被嵌するケース140と、発光管110を覆うグローブ150と、灯具のソケットに嵌合して電力の供給を受ける片口金160(例えば、GX10q型)とを備える。
【0068】
上記電球形蛍光ランプ1とは、保持部材130とケース140との内部に電子安定器を収納していない点、口金160の形状が一般電球にも使用されているねじ込み口金でない点で異なる。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る発光管によれば、ガラス管の略中央を折り返すと共に前記折り返し部から両端部までの部分が旋回軸の廻りを旋回する2重螺旋形状に形成され、ビーズガラスマウントタイプの電極が前記ガラス管の両端部に封着されてなる発光管であって、前記ガラス管の少なくとも一方の端部の前記旋回軸と平行な方向には、当該端部に隣合うガラス管の隣接部分があり、前記一方の端部と前記隣接部分との間隙が前記旋回軸と平行な方向に広がるように、前記一方の端部近傍部分の螺旋ピッチが漸次拡大され、前記電極が前記ガラス管の両端部の圧潰により当該両端部に封着されている。このため、端部を旋回軸と平行に形成した従来の発光管よりも全長を短くでき、しかもガラス管の端部に電極を容易に装着できる。
【0070】
また、本発明に係る発光管の製造方法によれば、ガラス管の略中央を折り返して折り返し部を形成すると共に前記折り返し部から両端部までの部分が旋回軸の廻りを旋回する2重螺旋形状に形成され、ビーズガラスマウントタイプの電極が前記ガラス管の両端部に装着されてなる発光管の製造方法であって、加熱により軟化したガラス管を、成形冶具の外周面に形成されている螺旋形状の溝に沿って巻き付ける工程と、螺旋形状に巻き付けられた前記ガラス管を前記成形冶具から取り外す工程と、前記ガラス管における電極が封着される封着予定部と、当該封着予定部と前記旋回軸と平行な方向に隣合うガラス管との間隙が前記旋回軸と平行な方向に拡がるよう前記ガラス管における封着予定部近傍部分の螺旋ピッチを漸次拡大させる工程と、前記ガラス管の封着予定部を圧潰することで前記電極を前記封着予定部位に封着する工程とを含む。このため、端部を旋回軸と平行に形成した従来の発光管よりも全長を短くでき、しかもガラス管の端部に電極を容易に装着できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における電球形蛍光ランプの一部を切り欠いた全体構成を示す正面図である。
【図2】本発明の実施の形態における発光管の一部を切り欠いた構成を示す正面図である。
【図3】本発明の実施の形態における発光管の製造工程を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態における発光管の製造工程を示す図である。
【図5】図4の(a)の状態のガラス管を旋回軸方向のガラス管端部側から見た図である。
【図6】本発明を蛍光ランプに適用させた例を示す図である。
【符号の説明】
1 電球形蛍光ランプ
2 発光管
4 ケース
5 口金
6 グローブ
7、8 電極
9 ガラス管
15 熱伝導性媒体
91a、91b 端部
92 折り返し部
100 蛍光ランプ
110 発光管
120 ガラス管
A 旋回軸
Claims (6)
- ガラス管の略中央を折り返すと共に前記折り返し部から両端部までの部分が旋回軸の廻りを旋回する2重螺旋形状に形成され、ビーズガラスマウントタイプの電極が前記ガラス管の両端部に封着されてなる発光管であって、
前記ガラス管の両端部は、前記ガラス管の旋回半径方向の前記旋回軸側に湾曲されておらず、前記ガラス管の少なくとも一方の端部の前記旋回軸と平行な方向には、当該端部に隣合うガラス管の隣接部分があり、前記一方の端部と前記隣接部分との間隙が前記旋回軸と平行な方向に広がるように、前記一方の端部近傍部分の螺旋ピッチが漸次拡大され、前記電極が前記ガラス管の両端部の圧潰により当該両端部に封着されていることを特徴とする発光管。 - 前記ガラス管内に挿入されている電極部分の挿入先端位置と、前記ガラス管の端面から前記旋回軸廻りに1/2周分旋回した位置との間に前記旋回軸方向に湾曲する湾曲部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の発光管。
- 前記折り返し部から前記湾曲部までの部分における前記旋回軸と平行な方向に隣合うガラス管の間隙が、0.5mm以上3mm未満の範囲内であると共に、前記一方の端部と前記隣接部分との間隙が、3mm以上12mm以下の範囲内であることを特徴とする請求項2に記載の発光管。
- 前記ガラス管の管内径が、5mm以上9mm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の発光管。
- ガラス管の略中央を折り返して折り返し部を形成すると共に前記折り返し部から両端部までの部分が旋回軸の廻りを旋回する2重螺旋形状に形成され、かつ前記ガラス管の両端部が前記ガラス管の旋回半径方向の前記旋回軸側に湾曲されておらず、ビーズガラスマウントタイプの電極が前記ガラス管の両端部に装着されてなる発光管の製造方法であって、
加熱により軟化したガラス管を、成形冶具の外周面に形成されている螺旋形状の溝に沿って巻き付ける工程と、
螺旋形状に巻き付けられた前記ガラス管を前記成形冶具から取り外す工程と、
前記ガラス管における電極が封着される封着予定部と、当該封着予定部と前記旋回軸と平行な方向に隣合うガラス管との間隙が前記旋回軸と平行な方向に拡がるよう前記ガラス管における封着予定部近傍部分の螺旋ピッチを漸次拡大させる工程と、
前記ガラス管の封着予定部を圧潰することで前記電極を前記封着予定部位に封着する工程と
を含むことを特徴とする発光管の製造方法。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の発光管を備えていることを特徴とする低圧水銀ランプ。
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