JP4819243B2 - 手術用小型パッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば脳外科手術や整形外科手術の際に用いる小型パッドであって、X線造影等により体内での存在を見出すことの可能な手術用小型パッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
外科手術の際には、出血の吸収や術部廻り組織表面の保護等の目的で、また血液等の吸引時に吸引管先端のフィルターとして、多数のガーゼや手術用小型パッドが使用されている。特に脳外科手術や整形外科手術のように細かい部分に対して手術を行う場合等においては、専ら手術用小型パッドが利用されている。
【0003】
この様な手術用小型パッド等が体内に残ると、脳等を圧迫して障害を生じる恐れがあり、また痛みや違和感,或いは微熱等、様々な身体の不調をきたす恐れがあるから、手術終了に際しては全ての小型パッド等を体内から取り除く必要がある。
【0004】
殊に上記小型パッドは小さいから(例えば7mm×7mm,10mm×10mm,20mm×20mm,30mm×60mm等)見落としてしまいがちであり、完全に取り除ききれない懸念がある。そこで該小型パッドに糸を縫い付け(本明細書において、この糸を引出糸と称することがある)、この引出糸の他端を体外に長く引き延ばしておいて目印にするという手法が採られている。
【0005】
他方、手術用小型パッドのパッド部分がガーゼ製や脱脂綿製であると、その切断端部から糸屑等が脱落し易く、この糸屑等が体内に残ることは芳しくないから、次のようなパッド部が提案されている。即ち不織布を多数積層してこれらを厚み方向に交絡したもの(以下、積層不織布と称することがある)、またガーゼの表裏面に不織布を積層してこれらを厚み方向に交絡させたもの(以下、不織布積層ガーゼと称することがある)である。上記積層不織布は不織布であるから切り端が解けて糸屑を生じるということが殆どなく、上記不織布積層ガーゼについても、不織布層の端部が殆ど解けないことに加えて、この表裏の不織布層によってガーゼの解けも防止される。更に不織布が薄手の場合では強度不足となる懸念があるが、上記不織布積層ガーゼは中間層のガーゼによって十分な強度が確保できるという優れた特性を有する。
【0006】
図2は従来の手術用小型パッド60を示す斜視図である。該手術用小型パッド60は6枚の不織布からなる吸収性パッド部61と綿製引出糸62からなり、この引出糸62の一方端部分によって上記パッド部61をジグザグ縫いすることによって(ジグザグ縫い部62a)、パッド部61に引出糸62が取付けられている。尚このジグザグ縫い部62aは、上記パッド部61の各不織布がバラバラにならない様に止める役目も果たしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述の様に従来の手術用小型パッドは、縫い付けられた引出糸が目印となっているものの、該小型パッドが体内に残る懸念が完全に払拭された訳ではないから、より確実に取り除けるものが望まれている。
【0008】
そこで本発明者は、手術用小型パッドのパッド部にX線非透過性の糸を取り付け、手術終盤の手術部位を閉じる前にX線造影(レントゲン撮影)を行って、上記X線非透過性糸を手がかりに小型パッドの存在の有無を確認し、残っていれば取り除くという方法を思い至った。そして、上記X線非透過性糸としては硫酸バリウムを練り込んだポリプロピレン系樹脂のフィラメント、または硫酸バリウムを練り込んだ塩化ビニル樹脂やシリコン系樹脂のフィラメントが一般に用いられていることから、上記X線非透過性糸に用いられる熱融着性樹脂の性質を利用し、パッド部の表面に熱融着によりX線非透過性糸を取付けるという方法を考えた。
【0009】
しかし一旦融着固化した部分のX線非透過性糸は硬くなりがちであり、殊に脳外科手術のときのように微細な刺激も問題となる場合には、硬い塊部を生じる様な熱融着による取り付けは避ける方が良い。
【0010】
そこで本発明は、X線非透過性糸を用いつつも柔軟性を保ち、手術野からより確実に取り除くことの可能な手術用小型パッドを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る手術用小型パッドは、複数枚積層構造の吸収性パッド部に引出糸を取り付けた手術用小型パッドであって、前記吸収性パッド部の層間にX線非透過性物質含有糸(以下、X線非透過性糸と称することがある)が挟み込まれたものであることを要旨とする。
【0012】
この様に積層構造のパッド部の層間に上記X線非透過性糸を挟み込むことによって、X線非透過性糸を溶融、固化することなく上記吸収性パッド部に取付けることができるから、X線非透過性糸は柔軟性が保たれたままであり、従って手術用小型パッド全体としての柔軟性も保持される。そして上述の様にX線造影を行ってこのX線非透過性糸を手がかりに小型パッドの有無を確認すると良い。
【0013】
尚X線非透過性物質としては前述の硫酸バリウムの他、硫酸銀,酸化チタン,シリコン等が挙げられ、このX線非透過性物質をポリプロピレン,ポリエチレンテレフタレート,塩化ビニル等の樹脂に含有させて糸状とすると良い。
【0014】
更に本発明に係る手術用小型パッドにおいては、前記X線非透過性物質含有糸を跨いで前記引出糸が縫い付けられたものであることが好ましい。なお上記「X線非透過性糸を跨いで引出糸が縫い付けられる」とは、X線非透過性糸全体を跨ぐ場合だけでなく、X線非透過性糸の一部を跨ぐ場合も含む。尚X線非透過性糸全体を跨いで引出糸で縫い付ける場合がより好ましい。
【0015】
X線非透過性糸は上記の如く一般に合成樹脂を主体としたフィラメントであるから、その表面は滑らかで滑りやすく、しかも上記吸収性パッド部は小さく、挟み込むX線非透過性糸の箇所も短いものとなるから、単に挟んだだけではX線非透過性糸がすり抜けてしまう懸念が多少ともある。しかし上記の様にこのX線非透過性糸を跨ぐように前記引出糸で縫い付けることによって、X線非透過性糸をパッド部にしっかりと固定でき、容易に抜け落ちることがなくなる。加えて熱融着で取付けるわけではないから、X線非透過性糸は柔軟性を保つことができ、手術用小型パッド全体としても柔軟性を保ち得る。
【0016】
上記X線非透過性糸としては、あまり細いものを用いるとX線造影において見付け難くなるから太めの糸を用いるのが良いが、この様な太めの糸を吸収性パッド部へ縫い付けるにあたり、必ずしも縫い目の1目がこの太めの糸の直径方向全体を跨ぐ必要はなく、X線非透過性糸を貫くように縫い付ける、即ちX線非透過性糸の一部を跨いで縫い付けても良い。この縫い付け方法としてはミシンを用いてのジグザグ縫い等が挙げられる。
【0017】
また本発明においては、X線非透過性物質含有糸が無撚りのマルチフィラメントであることが好ましい。
【0018】
無撚りのマルチフィラメントは柔軟性に優れるから、同じ太さ、即ちX線造影時の視認性の程度が同じであるモノフィラメントや撚糸と比べて、好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1の(a)は本発明の一実施形態に係る手術用小型パッドを示す斜視図であり、(b)は(a)に示すB−B線断面図である。
【0020】
この手術用小型パッド10は吸収性パッド部11と綿製引出糸12からなり、上記吸収性パッド部11は、2枚のセルロース製不織布13,14上にX線非透過性糸18を載せ且つキュプラ製ワタ15を積層し、更にセルロース製不織布16を重ね、これを厚み方向に交絡して一体化したものである(図1(b))。上記X線非透過性糸18は、硫酸バリウムを練り込んだポリプロピレン製マルチフィラメントを無撚りで引き揃えたものである。
【0021】
上記引出糸12はその一方端部分により上記X線非透過性糸18を跨ぐようにしてジグザグ縫いされ(ジグザグ縫い部12a)、パッド部11に縫い付けられている。
【0022】
この様に引出糸12のジグザグ縫い部12aによって上記X線非透過性糸18がパッド部11に押さえ付けられているから、X線非透過性糸18はしっかりと固定されて外れることが殆どない。
【0023】
加えてX線非透過性糸18は無撚りマルチフィラメントであるから柔軟であり、しかもこのX線非透過性糸18は融着されているわけではないから柔軟性を保っている。従って手術用小型パッド10全体もしなやかであり、手術の際に組織に損傷を与える恐れが小さい。
【0024】
以上の様に本発明に係る手術用小型パッドに関して、例を示す図面を参照しつつ具体的に説明したが、本発明はもとより図示例に限定される訳ではなく、前記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0025】
例えば上記パッド部として不織布やワタを積層したものを挙げたが、これに限るものではなく、ガーゼに不織布を積層し、この層間にX線非透過性糸を挟み込んだもの等であっても良い。また上記例では4層構造のパッド部の場合を示したが、2層や3層、或いは5層,6層構造のものであっても勿論良い。
【0026】
更に上記例では引出糸12がX線非透過性糸18を跨ぐように縫い付けたものを示したが、これに限るものではなく、X線非透過性糸18の存在しないパッド部11部分に引出糸12が縫い付けられたものであっても良い。また上記例では引出糸12のジグザグ縫い部12aの進行方向に沿ってX線非透過性糸18が配置されているものを示したが、これに限らず、例えばジグザグ縫い部12aの進行方向と直交してX線非透過性糸18が配置されたものであっても良く、X線非透過性糸18存在部分とジグザグ縫い部12aとを交叉させることによって、パッド部11にX線非透過性糸18をしっかりと縫い付けることが可能である。
【0027】
【発明の効果】
本発明に係る手術用小型パッドは、X線非透過性物質含有糸が取付けられたものであって、しかも柔軟性が良好であるから、手術野の組織に損傷を与える懸念が小さい。そして上記X線非透過性物質含有糸を目印としてX線造影によって手術用小型パッドの発見が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施形態に係る手術用小型パッドを示す斜視図、(b)は(a)に示すB−B線断面図。
【図2】従来の手術用小型パッドを示す斜視図。
【符号の説明】
10 手術用小型パッド
11 吸収性パッド部
12 引出糸
12a ジグザグ縫い部
13,14,16 不織布
15 ワタ
18 X線非透過性糸
Claims (2)
- 複数枚積層構造の吸収性パッド部に引出糸を取り付けた手術用小型パッドにおいて、
前記吸収性パッド部の層間にX線非透過性物質含有糸が挟み込まれ、前記引出糸が前記X線非透過性物質含有糸を跨いで前記吸収性パッド部に縫い付けられたものであることを特徴とする手術用小型パッド。 - 前記X線非透過性物質含有糸が無撚りのマルチフィラメントである請求項1に記載の手術用小型パッド。
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