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JP4806993B2 - Iii−v族化合物半導体膜の形成方法 - Google Patents

Iii−v族化合物半導体膜の形成方法 Download PDF

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JP4806993B2 JP2005225777A JP2005225777A JP4806993B2 JP 4806993 B2 JP4806993 B2 JP 4806993B2 JP 2005225777 A JP2005225777 A JP 2005225777A JP 2005225777 A JP2005225777 A JP 2005225777A JP 4806993 B2 JP4806993 B2 JP 4806993B2
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Description

本発明は、III−V族化合物半導体膜の形成方法及び半導体素子に関する。
不純物としてマグネシウム(Mg)を用いてp型のIII−V族化合物半導体膜を形成する場合、いわゆる「ドーピング遅れ」と呼ばれる現象により、III−V族化合物半導体膜中のマグネシウム濃度が著しく低下する問題がある(例えば特許文献1,2参照)。
特開2004−22630号公報 特開平6−13334号公報
上記特許文献1では、V族元素としてリン(P)を含むIII−V族化合物半導体膜を形成することによって、ドーピング遅れによる問題を回避しようとしている。また、上記特許文献2では、アルミニウム(Al)を含むIII−V族化合物半導体膜を形成することによって、ドーピング遅れによる問題を回避しようとしている。
しかしながら、特許文献1,2に記載されたIII−V族化合物半導体膜の形成方法では、III−V族化合物半導体膜がリン又はアルミニウムを含むことが必須の要件となるので、III−V族化合物半導体膜を構成する材料の選択の自由度は低い。
そこで本発明は、材料選択の自由度が高く、マグネシウム濃度の低下を抑制できるIII−V族化合物半導体膜の形成方法及びIII−V族化合物半導体膜を備えた半導体素子を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明のIII−V族化合物半導体膜の形成方法は、(a)有機金属気相成長装置を用いて、マグネシウムを含むp型のIII−V族化合物半導体膜を基板上に形成する工程と、(b)前記III−V族化合物半導体膜の形成に先立って、前記基板上にマグネシウムを含むガスを供給する工程とを含む。
本発明のIII−V族化合物半導体膜の形成方法では、III−V族化合物半導体の材料選択の自由度が高く、得られるIII−V族化合物半導体膜中のマグネシウム濃度の低下が抑制されている。この理由は次のように推察される。
通常、有機金属気相成長装置を用いて、マグネシウムを含むp型のIII−V族化合物半導体膜を基板上に形成する場合、初期段階において、マグネシウムが例えば有機金属気相成長装置及び配管の内壁等に付着してしまうと考えられる。これに対して本発明では、III−V族化合物半導体膜の形成に先立って基板上にマグネシウムを含むガスを供給することによって、例えば有機金属気相成長装置及び配管の内壁等に付着するマグネシウムの量又は基板表層のマグネシウム濃度を予め飽和させることができると考えられる。その結果、膜形成開始時から安定して高いマグネシウム濃度のIII−V族化合物半導体膜を形成できると推察される。
また、前記マグネシウムを含むガスは、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム又はビスエチルシクロペンタジエニルマグネシウムを含むことが好ましい。この場合、マグネシウムがドープされたp型のIII−V族化合物半導体膜が好適に得られる。
本発明の半導体素子は、基板上に設けられたn型の半導体層と、前記半導体層上に設けられた活性層と、前記活性層上に設けられており、上述のIII−V族化合物半導体膜の形成方法によって形成されたp型のIII−V族化合物半導体膜とを備える。
本発明の半導体素子は、上述のIII−V族化合物半導体の形成方法によって形成されたIII−V族化合物半導体を備える。このため、III−V族化合物半導体の材料選択の自由度が高く、得られるIII−V族化合物半導体膜中のマグネシウム濃度の低下が抑制されている。
本発明によれば、材料選択の自由度が高く、マグネシウム濃度の低下を抑制できるIII−V族化合物半導体膜の形成方法及びIII−V族化合物半導体膜を備えた半導体素子が提供される。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
図1は、実施形態に係るIII−V族化合物半導体膜の形成方法を好適に実施するための有機金属気相成長装置を模式的に示す図面である。図1中、「MFC」はマスフローコントローラーを意味する。図1に示される有機金属気相成長装置10は反応炉12を備える。有機金属気相成長装置10は例えばMOCVD装置である。反応炉12は、例えばガス導入口12a,12bを有する。ガス導入口12aからは、原料ガスG1が反応炉12内に導入され、ガス導入口12bからは、原料ガスG2が反応炉12内に導入される。
原料ガスG1は、マグネシウム(Mg)を含む。マグネシウムは、例えばシリンダ等のマグネシウム供給源26から配管を通して供給されるガスG3に含まれる。ガスG3は、例えば、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム(CpMg)又はビスエチルシクロペンタジエニルマグネシウム等を含む。
原料ガスG1は、例えば、アルミニウム(Al)、インジウム(In)及びガリウム(Ga)を含む。アルミニウムは、例えばシリンダ等のアルミニウム供給源24から配管を通して供給されるガスG4に含まれる。ガスG4は、例えばトリメチルアルミニウム(TMA)等を含む。インジウムは、例えばシリンダ等のインジウム供給源22から配管を通して供給されるガスG5に含まれる。ガスG5は、例えばトリメチルインジウム(TMI)等を含む。ガリウムは、例えばシリンダ等のガリウム供給源20から配管を通して供給されるガスG6に含まれる。ガスG6は、例えばトリメチルガリウム(TMG)等を含む。また、原料ガスG1は、例えばH/N等のキャリアガスG9を含む。キャリアガスG9は、キャリアガス供給源18から配管を通して供給される。また、ガスG3,G4,G5,G6は、例えばH/N等のキャリアガスG9を含む。キャリアガスG9は、キャリアガス供給源18から配管を通してマグネシウム供給源26、アルミニウム供給源24、インジウム供給源22及びガリウム供給源20にそれぞれ供給される。これにより、飽和蒸気圧に依存した量のガスG3,G4,G5,G6を反応炉12内に供給することができる。
原料ガスG2は、例えばシラン(SiH)等のガスG7、例えばアンモニア(NH)等のガスG8、キャリアガスG9等を含むことが好ましい。ガスG7は、ガス供給源14から供給される。ガスG8は、ガス供給源16から供給される。
図2は、実施形態に係るIII−V族化合物半導体膜の形成方法の各工程を模式的に示す図面である。本実施形態に係るIII−V族化合物半導体膜の形成方法は、上述の有機金属気相成長装置10を用いて好適に実施される。
(基板載置工程)
まず、図2(a)に示されるように、反応炉12内のサセプタ28上に基板30を載置する。基板30としては、例えば、GaN基板、サファイア基板等が挙げられる。また、基板30は、GaN基板とGaN基板上に設けられた積層体とを含むものであってもよい。
(プリフロー工程)
続いて、図2(a)に示されるように、基板30上に原料ガスG1及び必要に応じて原料ガスG2を供給する。原料ガスG1はマグネシウムを含む。原料ガスG1及びG2は、基板30上に実質的に膜を形成しないようなガスであることが好ましい。また、原料ガスG1及びG2は、III族元素を含まないことが好ましい。原料ガスG1は、例えば、ビスシクロペンタジエニルマグネシウムを含む。原料ガスG2は、例えば、アンモニアを含む。アンモニアを含む原料ガスG2を反応炉12内に供給すると、高温においても反応炉12内の窒素分圧の低下を抑制できる。その結果、例えば窒化物半導体から構成される基板30の窒素抜けを抑制することができる。
(III−V族化合物半導体膜形成工程)
次に、図2(b)に示されるように、基板30上にマグネシウムを含むp型のIII−V族化合物半導体膜32を形成する。III−V族化合物半導体膜32は、例えばAlGaN膜又はGaN膜等の窒化物半導体膜であることが好ましい。III−V族化合物半導体膜32中のマグネシウム濃度は、1×1019cm−3以上であることが好ましい。III−V族化合物半導体膜32中のマグネシウム濃度が1×1019cm−3以上である場合、III−V族化合物半導体膜32を半導体素子のp型半導体層として好適に用いることができる。III−V族化合物半導体膜32は、反応炉12内に原料ガスG1,G2を導入することによって形成されることが好ましい。III−V族化合物半導体膜32は、例えばエピタキシャル膜である。
本実施形態のIII−V族化合物半導体膜の形成方法では、III−V族化合物半導体膜32を構成するIII族元素及びV族元素として、種々の元素を用いることができる。よって、III−V族化合物半導体の材料選択の自由度が高い。また、プリフロー工程を実施することによって、得られるIII−V族化合物半導体膜32中のマグネシウム濃度の低下が抑制される。
通常、有機金属気相成長装置10を用いて、マグネシウムを含むp型のIII−V族化合物半導体膜を基板30上に形成する場合、初期段階において、原料ガスG1に含まれるマグネシウムが例えば有機金属気相成長装置10の反応炉12若しくは配管等の表面に付着すると考えられる。その結果、通常のIII−V族化合物半導体膜の形成方法では、いわゆるドーピング遅れの問題が生じてしまうと考えられる。
これに対して本実施形態では、III−V族化合物半導体膜32の形成に先立って基板30上にマグネシウムを含む原料ガスG1を供給することによって、例えば有機金属気相成長装置10の反応炉12若しくは配管等の表面に予めマグネシウムを付着させることができる。このため、III−V族化合物半導体膜32を形成する前に、例えば有機金属気相成長装置10の反応炉12若しくは配管等の表面に付着するマグネシウムの量を飽和させることができると考えられる。よって、本実施形態では、いわゆるドーピング遅れの問題を回避することができると考えられる。その結果、得られるIII−V族化合物半導体膜32中のマグネシウム濃度を十分に向上させることができると推察される。
また、原料ガスG1は、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム(CpMg)又はビスエチルシクロペンタジエニルマグネシウムを含むことが好ましい。この場合、マグネシウムがドープされたp型のIII−V族化合物半導体膜32が好適に得られる。
図3は、実施形態に係る半導体素子を模式的に示す断面図である。図3に示される半導体光素子40(半導体素子)は、基板42上に設けられたn型の半導体層44と、半導体層44上に設けられた活性層46と、活性層46上に設けられたp型のIII−V族化合物半導体膜48とを備える。半導体光素子40としては、例えば半導体レーザ、発光ダイオード等の半導体発光素子が挙げられる。半導体光素子40は、例えば、基板42上に、半導体層44、活性層46及びIII−V族化合物半導体膜48を順に形成することによって製造される。
基板42としては、基板30と同様のものが挙げられる。半導体層44としては、例えばn型のGaN層等が挙げられる。活性層46は、量子井戸構造を有することが好ましい。具体的には、活性層46は、InGaN井戸層及びInGaNバリア層が交互に配列されてなることが好ましい。この場合、半導体光素子40として、例えば青色発光ダイオードが好適に得られる。
ここで、III−V族化合物半導体膜48は、III−V族化合物半導体膜32と同様に、本実施形態のIII−V族化合物半導体膜の形成方法によって形成される。したがって、III−V族化合物半導体膜48を構成するIII−V族化合物半導体の材料選択の自由度は高い。また、得られるIII−V族化合物半導体膜48中のマグネシウム濃度の低下は抑制されている。
図4は、別の実施形態に係る半導体素子を模式的に示す断面図である。図4に示される半導体光素子50(半導体素子)は、基板42上に設けられた積層体58を備える。積層体58は、n型の半導体層44と、半導体層44上に設けられた活性層46と、活性層46上に設けられたp型のIII−V族化合物半導体膜52と、III−V族化合物半導体膜52上に設けられたp型のIII−V族化合物半導体膜54と、III−V族化合物半導体膜54上に設けられたp型のIII−V族化合物半導体膜56とを備える。半導体光素子50は、例えば、基板42上に、半導体層44、活性層46、III−V族化合物半導体膜52,54,56を順に形成することによって製造される。
III−V族化合物半導体膜52は、例えばp型AlGaN層であり、III−V族化合物半導体膜54は、例えばp型GaN層であり、III−V族化合物半導体膜56は、例えばハイドープp型GaN層である。
ここで、III−V族化合物半導体膜52,54,56のうち少なくとも1つの膜は、III−V族化合物半導体膜32と同様に、本実施形態のIII−V族化合物半導体膜の形成方法によって形成される。
例えば、III−V族化合物半導体膜52が本実施形態のIII−V族化合物半導体膜の形成方法によって形成される場合、III−V族化合物半導体膜52,54,56のいずれにおいても、III−V族化合物半導体の材料選択の自由度が高く、マグネシウム濃度の低下が抑制される。また、例えば、III−V族化合物半導体膜54が本実施形態のIII−V族化合物半導体膜の形成方法によって形成される場合、III−V族化合物半導体膜54,56のいずれにおいても、III−V族化合物半導体の材料選択の自由度が高く、マグネシウム濃度の低下が抑制される。さらに、例えば、III−V族化合物半導体膜56が本実施形態のIII−V族化合物半導体膜の形成方法によって形成される場合、III−V族化合物半導体膜56において、III−V族化合物半導体の材料選択の自由度が高く、マグネシウム濃度の低下が抑制される。
図5は、図4に示される半導体素子を製造する際のガスG3の流量の時間変化を示すタイミングチャートである。時刻t1は、活性層46の形成終了時刻を示す。時刻t3は、III−V族化合物半導体膜52の形成開始時刻を示し、時刻t4は、III−V族化合物半導体膜52の形成終了時刻を示す。したがって、時刻t3〜t4の間ガスG3を供給し続けることによって、III−V族化合物半導体膜52が形成される。
同様に、時刻t6は、III−V族化合物半導体膜54の形成開始時刻を示し、時刻t7は、III−V族化合物半導体膜54の形成終了時刻を示す。したがって、時刻t6〜t7の間ガスG3を供給し続けることによって、III−V族化合物半導体膜54が形成される。
また同様に、時刻t9は、III−V族化合物半導体膜56の形成開始時刻を示し、時刻t10は、III−V族化合物半導体膜56の形成終了時刻を示す。したがって、時刻t9〜t10の間ガスG3を供給し続けることによって、III−V族化合物半導体膜56が形成される。
プロセスP1では、時刻t1と時刻t3との間における時刻t2において、ガスG3の供給を開始する。これにより、III−V族化合物半導体膜52,54,56のマグネシウム濃度が向上する。
プロセスP2では、時刻t4と時刻t6との間における時刻t5において、ガスG3の供給を開始する。これにより、III−V族化合物半導体膜54,56のマグネシウム濃度が向上する。また、時刻t1〜t3の間においてガスG3を供給していないので、プロセスP1に比べて、活性層46にマグネシウムが拡散することを抑制することができる。
プロセスP3では、時刻t5に加えて、時刻t7と時刻t9との間における時刻t8においてもガスG3の供給を開始する。これにより、III−V族化合物半導体膜54,56のマグネシウム濃度が向上する。この場合、プロセスP2に比べて、III−V族化合物半導体膜56中のマグネシウム濃度を向上させることができる。例えば、高いドーピング濃度が必要とされるコンタクト層としてIII−V族化合物半導体膜56を用いる場合、マグネシウム濃度を一層向上させることが好ましい。
プロセスP4では、時刻t4〜t6及び時刻t7〜t9の間においてガスG3を供給し続ける。この場合、プロセスP3に比べて、III−V族化合物半導体膜54,56中のマグネシウム濃度を向上させることができる。
なお、時刻t1〜t3、時刻t4〜t6、及び時刻t7〜t9において、それぞれガスG3を連続的に供給し続けてもよいし、間欠的に供給してもよい。また、ガスG3の流量は、III−V族化合物半導体膜52,54,56の形成時と同じでもよいし異なってもよい。
図6は、図4に示される半導体素子において原子濃度の深さ方向プロファイルの一例を示すグラフである。なお、深さが0の位置とは、III−V族化合物半導体膜56の表面に相当する。グラフ中、プロファイルC1はインジウム濃度の深さ方向プロファイルを示し、プロファイルC2はアルミニウム濃度の深さ方向プロファイルを示す。また、プロファイルC3はプリフロー工程を実施した場合のマグネシウム濃度の深さ方向プロファイルを示し、プロファイルC4はプリフロー工程を実施しなかった場合のマグネシウム濃度の深さ方向プロファイルを示す。グラフから、プリフロー工程を実施することによって、マグネシウム濃度が向上すると共にマグネシウム濃度の深さ方向プロファイルが急峻になることが分かる。
なお、図6のグラフは、具体的には下記構造を有する半導体素子を用いた場合の二次イオン質量分析計(SIMS:Secondary Ion-microprobe Mass Spectrometer)の測定結果を示す。
・III−V族化合物半導体膜56:ハイドープp型GaN層(厚さ25nm)
・III−V族化合物半導体膜54:p型GaN層(厚さ25nm)
・III−V族化合物半導体膜52:p型AlGaN層(厚さ20nm、Al組成が0.12)
・活性層46:InGaNバリア層(厚さ15nm、In組成が0.01)及びInGaN井戸層(厚さ1.6nm、In組成が0.15)からなる多重量子井戸構造
・半導体層44:n型GaN層(厚さ2μm)
・基板42:GaN基板(厚さ400μm)
図7は、別の実施形態に係る半導体素子を模式的に示す断面図である。図7に示される半導体光素子60(半導体素子)は、n型電極62と、p型電極64と、n型電極62及びp型電極64の間に配置された基板42と、基板42とp型電極64との間に配置された積層体58とを備える。p型電極64は、導電性接着剤の硬化物66を介してリードフレーム68のマウント部68b上に電気的に接続されている。n型電極62は、ワイヤボンディング70によってリードフレーム68のリード部68aに電気的に接続されている。n型電極62の形状は、例えば直径がd1の円柱である。d1は、例えば100μmである。また、p型電極64の形状は、例えば一辺がd2の正方形を断面とする角柱である。d2は、例えば300μmである。
n型電極62、基板42、積層体58、p型電極64及び導電性接着剤の硬化物66は、エポキシ系樹脂封止74によって覆われている。エポキシ系樹脂封止74上には、必要に応じて樹脂レンズ76が設けられている。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
まず、有機金属気相成長装置の反応炉内のサセプタ上に半絶縁性のGaN基板を載置した(基板載置工程)。このGaN基板上に、以下のようにGaN層を形成した。なお、原料ガスとしては、トリメチルガリウム、アンモニア及びビスシクロペンタジエニルマグネシウムを適宜用いた。
まず、温度を1100℃としてH及びNHを反応炉内に導入することによって、GaN基板のクリーニングを行った。次に、温度1150℃で厚さ2μmのGaN層をGaN基板上に形成した。
次に、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム及びアンモニアのみを40秒間反応炉内に供給した(プリフロー工程)。
続いて、温度1100℃でマグネシウムをドープしながら厚さ500nmのp型のGaN層をGaN層上に形成した(III−V族化合物半導体膜形成工程)。
次に、反応炉内からGaN基板を取り出して、p型のGaN層上にp型電極を形成した。ここで、p型電極の接触抵抗を伝送線路法(TLM:Transmission Line Model)により測定するために、p型電極を所定の形状に加工した。
p型電極の接触抵抗を測定した結果、接触抵抗は1×10−3Ω・cm以下であった。よって、p型のGaN層は、LEDのp型半導体層として好適に用いることができることが示された。
(実施例2)
まず、有機金属気相成長装置の反応炉内のサセプタ上にサファイア基板を載置した(基板載置工程)。このサファイア基板上に、以下のようにGaN層を形成した。なお、原料ガスとしては、トリメチルガリウム、アンモニア及びビスシクロペンタジエニルマグネシウムを適宜用いた。
まず、温度を1100℃としてHを反応炉内に導入することによって、サファイア基板のクリーニングを行った。次に、温度475℃で厚さ25nmのGaNバッファ層をサファイア基板上に形成した。続いて、温度1160℃で厚さ5μmのGaN層をGaNバッファ層上に形成した。
次に、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム及びアンモニアのみを40秒間反応炉内に供給した(プリフロー工程)。
続いて、温度1100℃でマグネシウムをドープしながら厚さ500nmのp型のGaN層をGaN層上に形成した(III−V族化合物半導体膜形成工程)。
次に、反応炉内からサファイア基板を取り出して、p型のGaN層上にp型電極を形成した。ここで、p型電極の接触抵抗を伝送線路法(TLM:Transmission Line Model)により測定するために、p型電極を所定の形状に加工した。
p型電極の接触抵抗を測定した結果、接触抵抗は1×10−3Ω・cm以下であった。よって、p型のGaN層は、LEDのp型半導体層として好適に用いることができることが示された。
(実施例3)
まず、有機金属気相成長装置の反応炉内のサセプタ上にGaN基板を載置した(基板載置工程)。このGaN基板上に、以下のようにGaN層、AlGaN層、InGaN層等を形成した。なお、原料ガスとしては、トリメチルガリウム、トリメチルアルミニウム、トリメチルインジウム、アンモニア、シラン及びビスシクロペンタジエニルマグネシウムを適宜用いた。
まず、反応炉内を常圧に維持しながら温度1100℃で厚さ2μmのn型GaN層をGaN基板上に形成した。
温度を820℃に下げた後、n型GaN層上に、厚さ15nmの6層のIn0.01Ga0.99Nバリア層と、厚さ1.6nmの5層のIn0.16Ga0.84N井戸層とを交互に形成した。これにより、量子井戸構造を有する活性層をn型GaN層上に形成した。温度を1100℃に上げた後、マグネシウムをドープしながら厚さ20nmのAl0.12Ga0.98N層を活性層上に形成した。
次に、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム及びアンモニアのみを40秒間反応炉内に供給した(プリフロー工程)。
続いて、マグネシウムをドープしながら厚さ50nmのp型GaN層を形成した(III−V族化合物半導体膜形成工程)。
次に、反応炉内からGaN基板を取り出して、大気中にて600℃で10分間熱処理を行った。これにより、マグネシウムがドープされた層の低抵抗化を行った。
次に、フォトリソグラフィー技術及び反応性イオンエッチング(RIE)を用いて、p型GaN層からn型GaN層まで塩素系エッチングガスを用いてエッチングを行った。これにより、素子分離を行った。
次に、GaN基板の裏面上に、フォトリソグラフィー技術及び蒸着法を用いて400μmピッチで素子の中心に直径100μmのn型電極を形成した。具体的には、まず、厚さ100nmのTi膜及び厚さ2500nmのAu膜をこの順でGaN基板の裏面上に形成した。その後、600℃、N雰囲気下で熱処理を行うことにより合金化を行った。
一方、p型GaN層上に、全面にわたって蒸着法を用いてp型電極を形成した。具体的には、まず、厚さ5nmのNi膜及び厚さ5nmのAu膜をこの順でp型GaN層上に形成した。その後、600℃、N雰囲気下で熱処理を行うことにより合金化を行った。
次に、所定の形状となるようにGaN基板にスクライブを施し、チップ化することによって300μm角の発光素子を得た。
次に、リードフレームのマウント部上に導電性接着剤を塗布し、導電性接着剤を介して発光素子のp型電極をマウント部に付着させた。導電性接着剤としては、熱伝導性の高いAg系導電性接着剤を用いた。リードフレームとしては、熱伝導性の高いCuW系リードフレームを用いた。
次に、リードフレームのリード部とn型電極とをワイヤボンディングにより電気的に接続した。続いて、エポキシ系樹脂を用いて樹脂封止を行い、発光素子のランプ化を行った。このようにして、図7に示されるような実施例3の半導体光素子を得た。
実施例3の半導体光素子において、p型電極とn型電極との間に20mAの電流を流し、積分球を用いて光出力の測定を行った。測定の結果、光出力は9.2mWであり、駆動電圧は3.7Vであった。
(比較例1)
プリフロー工程を実施しなかった以外は実施例3と同様にして、比較例1の半導体光素子を得た。
比較例1の半導体光素子において、p型電極とn型電極との間に20mAの電流を流し、積分球を用いて光出力の測定を行った。測定の結果、光出力は6.8mWであり、駆動電圧は4.2Vであった。
したがって、プリフロー工程を実施することによって、得られる半導体光素子の光出力特性及び駆動電圧特性の両方を向上できることが分かった。
実施形態に係るIII−V族化合物半導体膜の形成方法を好適に実施するための有機金属気相成長装置を模式的に示す図面である。 実施形態に係るIII−V族化合物半導体膜の形成方法の各工程を模式的に示す図面である。 実施形態に係る半導体素子を模式的に示す断面図である。 別の実施形態に係る半導体素子を模式的に示す断面図である。 図4に示される半導体素子を製造する際のガスG3の流量の時間変化を示すタイミングチャートである。 図4に示される半導体素子において原子濃度の深さ方向プロファイルの一例を示すグラフである。 別の実施形態に係る半導体素子を模式的に示す断面図である。
符号の説明
10…有機金属気相成長装置、30,42…基板、32,48,52,54,56…III−V族化合物半導体膜、40,50…半導体光素子(半導体素子)、44…半導体層、46…活性層、G1…原料ガス(マグネシウムを含むガス)。

Claims (2)

  1. 有機金属気相成長装置を用いて、マグネシウムを含むp型の第1III−V族化合物半導体膜を基板上に形成する工程と、
    前記第1III−V族化合物半導体膜の形成に先立って、前記基板上にマグネシウムを含みIII族元素を含まないガスを供給する工程と、
    有機金属気相成長装置を用いて、前記第1III−V族化合物半導体膜上に、前記第1III−V族化合物半導体膜より高い濃度のマグネシウムを含むp型の第2III−V族化合物半導体膜を形成する工程と、
    前記第1III−V族化合物半導体膜を形成した後、前記第2III−V族化合物半導体膜の形成に先立って、前記第1III−V族化合物半導体膜上にマグネシウムを含みIII族元素を含まないガスを供給する工程と、
    を含み、
    前記第1III−V族化合物半導体膜及び前記第2III−V族化合物半導体膜が、窒化物半導体膜である、III−V族化合物半導体膜の形成方法。
  2. 前記マグネシウムを含むガスは、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム又はビスエチルシクロペンタジエニルマグネシウムを含む、請求項1に記載のIII−V族化合物半導体膜の形成方法。
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