JP4805235B2 - オレフィンブロック共重合体、潤滑油用粘度指数向上剤および潤滑油組成物 - Google Patents
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Description
剤として好適であるが、この文献に具体的に記載されたポリマーで分子量分布の狭いMw/Mnが1.2程度のものを用いても、低温特性改良の性能が十分でなく、さらに改良が望まれる。低温特性改良の方法として、低温特性を極度に悪化させるような領域を避けて高エチレン含量化することが知られているが、テーパード共重合体の場合、分子内組成分布が広がりこの領域を避けることが困難であった。
(i)エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとから得られ、エチレン単位とα−オレフィン単位とのモル比(エチレン/α-オレフィン)が20/80〜65/35の
範囲にあり、重量平均分子量が50,000〜2,000,000の範囲にある重合体ブロ
ックと、
(ii)エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとから得られ、エチレン単位とα-オレフィン単位とのモル比(エチレン/α-オレフィン)が70/30〜85/15の範囲にあり、重量平均分子量が10,000〜400,000の範囲にある重合体ブロックとを有し、Mw/Mn(Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)が1.5以下であることを特徴としている。
本発明に係る潤滑油組成物は、上記潤滑油用粘度指数向上剤を含有することを特徴としている。
本発明に係る潤滑油用粘度指数向上剤を用いると、低温特性に優れ、かつ粘度とせん断安定性のバランスに優れた潤滑油組成物が得られる。
なお、本明細書において「重合」という語は、単独重合だけでなく、共重合をも包含した意味で用いられることがあり、「重合体」という語は、単独重合体だけでなく、共重合体をも包含した意味で用いられることがある。
(i)エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとから得られ、エチレン含量が相対的に少ない重合体ブロックと、
(ii)エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとから得られ、エチレン含量が相対的には多い重合体ブロックと
を含むオレフィンブロック共重合体である。
上記重合体ブロック(i)および(ii)は、エチレンと炭素原子数3〜20のオレフィンから選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンとのランダム共重合体である。
範囲にあり、重量平均分子量は50,000〜2,000,000、好ましくは60,000〜1,000,000、より好ましくは80,000〜500,000の範囲にあることが望ましい。
ン/α-オレフィン)が70/30〜85/15、好ましくは73/27〜82/18の
範囲にあり、重量平均分子量は10,000〜400,000、好ましくは20,000〜
200,000、より好ましくは30,000〜150,000の範囲にあることが望まし
い。
ル比、重量平均分子量が上記範囲内にあると、特に低温特性に優れ、せん断安定性に優れた潤滑油組成物が得られるような粘度指数向上剤となる。
本発明に係るオレフィンブロック共重合体は、上記重合体ブロック(i)および重合体ブロック(ii)に加えてさらに、重合体ブロック(iii)を単数または複数有していても
よい。この場合オレフィンブロック共重合体は、(i)−(ii)−(iii)nまたは(ii)−(i)−(iii)nの形態をとる。ここで、nは1以上、好ましくは1〜8、より好まし
くは1〜3の整数であり、隣り合う重合体ブロック同士は、それぞれ異なる重合体ブロックである。
選ばれる1種のオレフィンの重合体であってもよく、エチレンおよび炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる2種以上のオレフィンのランダム共重合体であってもよい。
上、好ましくは20,000〜2,000,000、より好ましくは30,000〜1,00
0,000、さらに好ましくは40,000〜500,000の範囲にあることが望ましく
、Mw/Mn(Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)が好ましくは1.5以下、より好ましくは1.35以下である。
なお、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の値であり、GPCによる測定は、温度:140℃、溶媒:オルトジクロロベンゼンの条件下で行われる。
オレフィンブロック共重合体が、2個の重合体ブロックからなるジブロック共重合体であるときは、Mw/Mnが1.35未満、好ましくは1.3以下、より好ましくは1.25以下であることが望ましい。この場合、特にせん断安定性に優れた潤滑油組成物が得られるような粘度指数向上剤となる。
このような分子内組成分布の傾き(CD)を有するオレフィンブロック共重合体は、例えば後述するように、特定の触媒系を用いて、エチレンとα−オレフィンとを多段で共重合することにより製造することができ、また使用する遷移金属化合物を変更することにより傾きを調整することができる。
分子内組成分布は、例えば特公平6−96624号公報に示されているような方法で測定することができる。元のポリマーを熱分解してフラグメントに切断し、そのフラグメントを良溶媒/貧溶媒で組成別に溶媒分別して、その分布を統計解析して得られる。
論文に記載されている。例えばポリマーを室温でn−ヘキサンに溶解させ1gポリマー/100ccヘキサンの溶液を作る。ポリマーを溶解させる際には湯浴等で加熱してもよい。次に白濁して沈殿がでるまでイソプロピルアルコールを滴下する。上澄みを除去し、沈殿物を120℃で8時間減圧乾燥する。乾燥後にNMRで組成を測定する。滴下を再び続け、ポリマーを100%回収するまでフラクションを回収し分析する。1回の滴下で回収するポリマーの量は5〜10%になるように滴下を制御することが好ましい。
本発明に係る潤滑油用粘度調整剤として使用されるオレフィンブロック共重合体は、下記遷移金属化合物(A)からなるオレフィン重合触媒、
好ましくは、
(A)下記遷移金属化合物と、
(B)(B-1)有機金属化合物、
(B-2)有機アルミニウムオキシ化合物、および
(B-3)遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物
から選ばれる少なくとも1種の化合物とからなるオレフィン重合触媒の存在下に、エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンとを後述するように共重合させることにより得ることができる。
上記オレフィンブロック共重合体の製造に用いられる遷移金属化合物は、例えば下記一般式(I)で表される遷移金属化合物である。この遷移金属化合物は、下記一般式(I)中のXの一つをn-プロピル基に置換したカチオン錯体について密度汎関数法によって求
めたβ-アゴスティック構造において、中心金属Mと直接結合を持たない最近接のヘテロ
原子とβ位の水素との距離が3.0Å以下、かつ静電エネルギーが−10kJ/mol以下であることが好ましい。
はDouble zeta型関数を用いる。但し、静電エネルギー評価時には、その他の原子のDouble zeta型関数に分極関数を加えたものを用いる。この基底関数は、構造計算で得られた最適構造での1点計算にも用いる。また、構造計算以外では、パウリの相対論的ポテンシャルの補正を行う。静電エネルギーとは、β位の水素と最近接へテロ原子間の静電エネルギーを指す。より具体的には、これら2原子に対して、錯体計算で得られた電荷を割り当てて求めた電子状態に基づく原子間静電相互作用である。ここでの電荷とは、錯体計算(構造計算後、求まったβ-アゴスティック最適構造での1点計算)で得られた、これら2原
子のs、p、d軌道の各電子ポピュレーションである。
式(I)中、Mは周期表第3〜11族から選ばれる遷移金属原子を示す。
mは1〜5の整数を示す。
Lは中心金属Mに配位する配位子であって、中心金属Mに直接結合を持たないヘテロ原子を有する配位子である。
の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
mは1〜5の整数を示す。
Qは窒素原子または置換基R2を有する炭素原子を示す。
示す。
R1は1個以上のヘテロ原子を有する炭化水素基またはヘテロ原子含有基を1個以上有
する炭化水素基を示す。
同士は互いに同一でも異なっていてもよく、いずれか1つの配位子に含まれるR2〜R5のうち1個の基と、他の配位子に含まれるR2〜R5のうち1個の基とが連結されていてもよい。
mは1〜5の整数を示す。
Yは窒素原子またはリン原子を示す。
Qは置換基R7を有する炭素原子、窒素原子またはリン原子を示す。
Sは置換基R8を有する炭素原子、窒素原子またはリン原子を示す。
R1は1個以上のヘテロ原子を有する炭化水素基またはヘテロ原子含有基を1個以上有
する炭化水素基を示す。
いてもよく、いずれか1つの配位子に含まれるR6〜R9のうち1個の基と、他の配位子に含まれるR6〜R9のうち1個の基とが連結されていてもよい。
Xは、式(I)中のXと同様の原子または基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
Qは窒素原子または置換基R2を有する炭素原子を示す。
示す。
R1は、ヘテロ原子およびヘテロ原子含有基から選ばれる少なくとも1種の原子もしく
は置換基を有するフェニル基、
ヘテロ原子およびヘテロ原子含有基から選ばれる少なくとも1種の原子もしくは置換基を有するフェニル基以外の芳香族炭化水素基、
ヘテロ原子およびヘテロ原子含有基から選ばれる少なくとも1種の原子もしくは置換基を有する脂肪族炭化水素基、または
ヘテロ原子およびヘテロ原子含有基から選ばれる少なくとも1種の原子もしくは置換基を有する脂環式炭化水素基を示す。
くは置換基を有するフェニル基である場合、該フェニル基は窒素原子に結合した炭素原子の位置を1位としたときに、
2位および6位の少なくとも1箇所に、ヘテロ原子およびヘテロ原子含有基から選ばれる少なくとも1種の原子または置換基を有しているか、
または3位、4位および5位に、(1)フッ素原子を除くヘテロ原子、(2)炭素原子を1個およびフッ素原子を2個以内含有するフッ素含有基、(3)炭素原子を2個以上含有するフ
ッ素含有基、(4)フッ素原子を除くヘテロ原子を有するヘテロ原子含有基から選ばれる少
なくとも1種の置換基を有している。
いてもよく、いずれか1つの配位子に含まれるR2〜R5のうち1個の基と、他の配位子に含まれるR2〜R5のうち1個の基とが連結されていてもよい。
Xは、式(I)中のXと同様の原子または基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
mは1〜5の整数を示す。
Yは窒素原子またはリン原子を示す。
Qは置換基R7を有する炭素原子、窒素原子またはリン原子を示す。
Sは置換基R8を有する炭素原子、窒素原子またはリン原子を示す。
R1は、(II-a')中のR1と同じである。
R6〜R9は互いに同一でも異なっていてもよく、(II-a)中のR2〜R5と同様の原子または基を示し、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、mが2以上のときはR1同士、R6同士、R7同士、R8同士、R9同士は互いに同一でも異なって
いてもよく、いずれか1つの配位子に含まれるR6〜R9のうち1個の基と、他の配位子に含まれるR6〜R9のうち1個の基とが連結されていてもよい。
Xは、式(I)中のXと同様の原子または基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
物からなるオレフィン重合触媒の存在下に製造することができる。
R10は、(II-a')中のR1と同じである。
R11〜R14は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン含有基、炭化水素基、炭化水素置換シリル基、酸素含有基、窒素含有基またはイオウ含有基を示す。
nはM1の価数を満たす数である。
上記オレフィンブロック共重合体の製造に必要に応じて用いられる(B-1)有機金属化合
物として、具体的には下記のような周期表第1、2族および第13族の有機金属化合物が用いられる。
(式中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。)
で表される有機アルミニウム化合物。
(式中、M2はLi、NaまたはKを示し、Raは炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示す。)
で表される周期表第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物。
(式中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、M3はMgである。)
で表される化合物。
として具体的には、
(C2H5)2AlN(C2H5)Al(C2H5)2 などが挙げられる。
プロピルリチウム、ブチルリチウム、メチルマグネシウムブロミド、メチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムクロリド、プロピルマグネシウムブロミド、プロピルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムブロミド、ブチルマグネシウムクロリド、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ブチルエチルマグネシウムなどを使用することもできる。
上記のような(B-1)有機金属化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いら
れる。
上記オレフィンブロック共重合体の製造に必要に応じて用いられる(B-2)有機アルミニ
ウムオキシ化合物は、従来公知のアルミノキサン(アルモキサンともいう。)であってもよく、また特開平2−78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
上記オレフィンブロック共重合体の製造に必要に応じて用いられる遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物(B-3)としては、特開平1−501950号公報
、特開平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、USP−5321106号明細書などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物などが挙げられる。さらに、ヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物も挙げることができる。
本発明で必要に応じて用いられる(C)担体は、無機または有機の化合物であって、顆粒状ないしは微粒子状の固体である。
((D)有機化合物成分)
本発明において(D)有機化合物成分は、必要に応じて、重合性能および生成ポリマーの物性を向上させる目的で使用される。このような有機化合物としては、例えばアルコール類、フェノール性化合物、カルボン酸、リン化合物およびスルホン酸塩などが挙げられる。
(1)遷移金属化合物(A)を単独で重合器に添加する方法。
(2)遷移金属化合物(A)および成分(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(3)遷移金属化合物(A)を担体(C)に担持した触媒成分、成分(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(4)成分(B)を担体(C)に担持した触媒成分、遷移金属化合物(A)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(5)遷移金属化合物(A)と成分(B)とを担体(C)に担持した触媒成分を重合器に添加する方法。
成分(B)が担持されている上記(4)、(5)の各方法においては、必要に応じて担持されていない成分(B)を、任意の順序で添加してもよい。この場合成分(B)は、同一でも異なっていてもよい。
工程(1)において、重合温度は通常−40〜+200℃、好ましくは0〜+150℃の範囲である。重合圧力は、通常常圧〜100kg/cm2(9.8MPa)、好ましく
は常圧〜50kg/cm2(4.9MPa)の条件下である。工程(2)では、上記工程
(1)で製造された重合体ブロックの存在下に、エチレンと炭素原子数3〜20のオレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンを重合させて、上記重合体ブロックとは異なる重合体ブロックを製造する。
クとは異なる重合体ブロックを製造する。
は常圧〜50kg/cm2(4.9MPa)の条件下である。
本発明では、重合は溶解重合、懸濁重合などの液相重合法または気相重合法のいずれにおいても実施できる。
のアルミニウム原子と、遷移金属化合物(A)中の遷移金属原子(M)とのモル比〔(B-2)/M〕が、通常10〜500,000、好ましくは20〜100,000となるような量
で用いられる。成分(B-3)が用いられる場合は、成分(B-3)と、遷移金属化合物(A)中の遷移金属原子(M)とのモル比〔(B-3)/M〕が、通常1〜10、好ましくは1〜5とな
るような量で用いられる。
/(B-1)〕が通常0.01〜10、好ましくは0.1〜5となるような量で、成分(B)が
成分(B-2)の場合には、モル比〔(D)/(B-2)〕が通常0.001〜2、好ましくは0.005〜1となるような量で、成分(B)が成分(B-3)の場合には、モル比〔(D)/(B-3)〕が通常0.01〜10、好ましくは0.1〜5となるような量で用いられる。
上述したようなオレフィンブロック共重合体は、潤滑油用粘度指数向上剤として好適に用いられる。
本発明に係る潤滑油組成物は、上記オレフィンブロック共重合体である粘度指数向上剤と、潤滑油基材と、必要に応じて流動点降下剤とを含んでいる。
(潤滑油基材)
本発明で用いられる潤滑油基材としては、鉱物油;ポリα−オレフィン;ポリオールエステル、ジオクチルフタレート、ジオクチルセバケート等のジエステル類;ポリアルキレングリコール等の合成油が挙げられ、鉱物油または鉱物油と合成油とのブレンドが好ましく用いられる。
本発明で必要に応じて用いられる流動点降下剤としては、アルキル化ナフタレン、メタクリル酸アルキルの(共)重合体、アクリル酸アルキルの(共)重合体、フマル酸アルキルと酢酸ビニルの共重合体、α-オレフィン重合体、α−オレフィンとスチレンの共重合
体等が挙げられるが、中でも、メタクリル酸アルキルの(共)重合体、アクリル酸アルキルの(共)重合体が好適に用いられる。
本発明に係る潤滑油組成物は、上記潤滑油基材と、上記オレフィンブロック共重合体と、必要に応じて流動点降下剤とを含有している。
この潤滑油組成物は、そのまま潤滑油用途に使用することができ、またこの潤滑油組成物にさらに流動点降下剤などを配合して潤滑油用途に使用することもできる。
また本発明に係る潤滑油組成物は、潤滑油基材、オレフィン重合体および流動点降下剤以外に、メタクリル酸アルキルの(共)重合体、水添SBR、SEBSなどの粘度指数向上効果を有する配合剤、清浄剤、錆止め添加剤、分散剤、極圧剤、消泡剤、酸化防止剤、金属不活性化剤、耐摩耗剤などの配合剤を含有していてもよい。
合物、ジチオリン酸亜鉛等のイオウまたはリン系化合物などを例示することができる。
防錆剤としては、シュウ酸などのカルボン酸およびその塩;スルホン酸塩;エステル;アルコール;リン酸およびその塩;ベンゾトリアゾールおよびその誘導体;チアゾール化合物などを例示することができる。
これらの添加剤の配合量は、要求される潤滑性能によって変化するが、上記潤滑油組成物100重量部中に、通常0.01〜50重量部、好ましくは0.05〜30重量部含まれていてもよい。
以下に、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(ブロック共重合体の組成)
日本電子(株)製のLA500型核磁気共鳴装置を用い、オルトジクロルベンゼンとベンゼン−d6との混合溶媒(オルトジクロルベンゼン/ベンゼン−d6=3/1〜4/1(体積比))中、120℃、パルス幅45°パルス、パルス繰返し時間5.5秒で測定した。
ASTM D 445に基づいて測定を行った。なお、本実施例ではK.V.が10mm2/秒程度となるように調整した。
ASTM D 2602に基づいて測定を行った。CCSはクランク軸における低温での摺動性(始動性)の評価に用いられ、値が小さい程、潤滑油の低温特性が良いことを示す。
ASTM D 3829、D4684に基づいて測定を行った。MRVはオイルポンプが低温でポンピングを行うための評価に用いられ、値が小さい程、潤滑油の低温特性が良いことを示す。
ASTM D 3945に基づいて測定を行った。SSIは潤滑油中の共重合体成分が摺動下でせん断力を受け分子鎖が切断することによる動粘度の損失の尺度であり、SSIが大きい値である程、動粘度の損失が大きいことを示す。
−18℃×2週間冷却後の流動性(外観)を観察し、以下の評価を行った。
○:流動する
×:ゲル状になる。
充分に窒素置換した内容積500mlのガラス製オートクレーブに乾燥トルエン250mlを装入し、プロピレンを100L/hで40分間流通した後、系内の温度を25℃に保ち、メチルアルミノキサンをアルミニウム換算で5.00mmolを加えた。続いて触媒bis[N-(3-t-butylsalicylidene)-2,3,4,5,6-pentafluoroanilinato]titanium(IV) dichlorideを0.05mmol添加すると同時に、エチレン/プロピレン=3/80L/hの混合ガスに切り替え、60分間攪拌した後、イソブチルアルコール20mlを添加し反応を停止させた。1N塩酸水10mlを添加し、窒素気流下30分間攪拌した後、重合溶液をメタノール1.5Lに注ぎ、ポリマーを析出させた。一晩マグネチックスターラーで攪拌した後、ポリマーをグラスフィルターで濾取し、減圧下、130℃で10時間乾燥し、エチレン・プロピレン共重合ポリマー2.52gを得た。GPC分析の結果Mw=10.6万、Mw/Mn=1.14(ポリスチレン換算)であった。また、IR分析より求められたエチレン含量は、49.5mol%であった。
充分に窒素置換した内容積500mlのガラス製オートクレーブに乾燥トルエン250mlを装入し、プロピレンを100L/hで40分間流通した後、系内の温度を25℃に保ち、メチルアルミノキサンをアルミニウム換算で5.00mmolを加えた。続いて触媒bis[N-(3-t-butylsalicylidene)-2,3,4,5,6-pentafluoroanilinato]titanium(IV)dichlorideを0.05mmol添加すると同時に、エチレン/プロピレン=3/80L/hの
混合ガスに切り替え、50分間攪拌した。ここまでは重合例1と同様に行い引き続き反応を停止させることなく、混合ガスの組成を70/30L/hに変え、更に3.5分間攪拌した後、イソブチルアルコール20mlを添加し反応を停止させた。1N塩酸水10mlを添加し、窒素気流下30分間攪拌した後、重合溶液をメタノール1.5Lに注ぎ、ポリマーを析出させた。一晩マグネチックスターラーで攪拌した後、ポリマーをグラスフィルターで濾取し、減圧下、130℃で10時間乾燥し、ブロックポリマー4.33gを得た。GPC分析の結果Mw=18.2万、Mw/Mn=1.15(ポリスチレン換算)であった。また、IR分析より求められたエチレン含量は、63.6モル%であった。結果を表1に示す。
ベース油として、鉱油150ニュートラル(ESSO社製)を87.62重量%、粘度指数向上剤として重合例2で得られたポリマーを0.88重量%、流動点降下剤としてアクルーブ133(三洋化成社製)を0.5重量%、清浄分散剤(ルブリゾール社製)を11.0重量%用いて、潤滑油の性能評価と低温時の流動性の評価を行った。結果を表2に示す。
特公平6−96624の例3B、3Aに従ってポリマーを重合した。ポリマー物性を表3、実施例1と同様に評価した潤滑油物性を表4に示す。
重合例1の方法と同様にして、重合時間とガス組成を調整して重合例5〜9のポリマーを重合した。ポリマー物性を表5、実施例1と同様に評価した潤滑油物性を表6に示す。
重合例5〜8のポリマーをブレンドして潤滑油評価を行った。結果を表7に示す。
特表2002−507225号公報の実施例4に記載の重合体ID「NDG12」および「701204095」で示されるポリマーを実施例4に記載された通り合成した。ポリマー物性を表8、実施例1と同様に評価し、潤滑油物性を表9に示す。
Claims (3)
- (i)エチレンと炭素原子数3〜6のα−オレフィンとから得られ、エチレン単位とα−オレフィン単位とのモル比(エチレン/α-オレフィン)が40/60〜64/36の範囲にあり、重量平均分子量が80,000〜500,000の範囲にある重合体ブロックと、
(ii)エチレンと炭素原子数3〜6のα−オレフィンとから得られ、エチレン単位とα-オレフィン単位とのモル比(エチレン/α-オレフィン)が73/27〜82/18の範囲にあり、重量平均分子量が30,000〜150,000の範囲にある重合体ブロックと
を有し、Mw/Mn(Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)が1.25以下であり、熱分解したとき、重合体ブロック(i)に由来する成分および重合体ブロック(ii)に由来する成分の分子内組成分布の傾き(CD)の絶対値が0.07〜0の範囲にあり、かつ重合体ブロック(ii)は、重合体ブロック(i)よりも重量平均分子量が小さいことを特徴とするオレフィンブロック共重合体。 - 請求項1に記載のオレフィンブロック共重合体であることを特徴とする潤滑油用粘度指数向上剤。
- 請求項2に記載の潤滑油用粘度指数向上剤を含有することを特徴とする潤滑油組成物。
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---|---|---|---|
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