JP4786088B2 - グルタルアルデヒドモノアセタールの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、グルタルアルデヒドとジオールとからグルタルアルデヒドモノアセタールを高収率且つ高選択率で製造する方法に関するもので、より詳細には両末端に他の置換基に容易に転換可能なアルデヒド部分とアセタール部分を持つ、農薬、医薬等の中間体として重要な物質であるグルタルアルデヒドモノアセタールの高収率かつ簡便な製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ジアルデヒドモノアセタールの製造方法として、下記の従来技術1〜5が知られている。
【0003】
(従来技術1)特開昭48−39416号公報
上記公報には、ジアルデヒドとジオールとから、下記式(1)
【化4】
[式中、R3及びR4は2価の炭化水素残基を示す。]
で示される反応でジアルデヒドモノアセタール(グルタルアルデヒドモノアセタールを含む)が合成されると記載されており、副産するジアルデヒドビスアセタールは加水分解してジアルデヒドとジオールとして再使用できることも示されている。
【0004】
(従来技術2)特開昭48−61477号公報
この公報には、ジアルデヒドモノアセタール(グルタルアルデヒドモノアセタールを含む)が、ジアルデヒドビスアセタールの加水分解により、下記式(2)
【化5】
[式中、R5及びR6は2価の炭化水素残基を示す。]
で示される反応で合成されると記載されている。
【0005】
(従来技術3)特開平11−228566号公報
上記公報には、ジアルデヒドモノアセタール(グルタルアルデヒドモノアセタールを含む)が、下記式(3)
【化6】
[式中、R7及びR8は2価の炭化水素残基を示す。]
で示される反応、すなわち、ジアルデヒドとジオールとの反応によるジアルデヒドビスアセタールの合成及びジアルデヒドビスアセタールとジオールとの反応によるジアルデヒドモノアセタールの合成による反応で合成されると記載されている。
【0006】
(従来技術4)EP 0316672B1(1993)
この文献には、下記式(4)に示すとおり、グリオキザールと置換された1,3−プロパンジオールの反応でグリオキザールモノアセタールが合成されると記載されており、副産するグリオキザールビスアセタール並びに回収されたグリオキザールとジオールは次回の反応にリサイクルされ再使用できることも示されている。
【化7】
[式中、R9、R10、R11及びR12は水素、アルキル基又はアリ
ール基を示し、同じでも異なってもよい。]
【0007】
(従来技術5)特開平10−182540号公報、EP0847976A1(1998)
この文献には、グリオキザールとグリオキザールビスアセタールの混合物からグリオキザールモノアセタールが下記式(5)で示される反応で合成されることが記載されており、反応後回収されたグリオキザールビスアセタール、グリオキザールとアルコールは次回の反応にリサイクルされ再使用できることも示されている。
【化8】
[式中、R13及びR14は同じか又は異なってもよく、C1〜C4−アル
キル基又はC2〜C4−アルケニル基である。]
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術1は、ジオールと過剰のジアルデヒドとの反応によりジアルデヒドモノアセタールを製造する方法である。高価な原料であるジアルデヒド過剰で反応する方法であり、特許記載の収率では経済性という点で満足できないばかりか、蒸留によりジアルデヒドモノアセタールを得るためには、容易に重合固化する高純度ジアルデヒドを多量に取り扱わなければならない。また、副産物であるジアルデヒドビスアセタールは加水分解して、ジアルデヒドとジオールとして反応に再使用するため工程数が多くなるという欠点を有している。
【0009】
従来技術2は、ジアルデヒドビスアセタールの加水分解によりジアルデヒドモノアセタールを製造する方法である。反応収率は50%程度と記載されているが、ジアルデヒドモノアセタールの単離を蒸留により実施すると、最も低沸点である水が初めに系外に留去されるため、蒸留中にジアルデヒドモノアセタールがジアルデヒドビスアセタールに転換され、ジアルデヒドモノアセタールの収率は著しく低下する。また、この方法を実施するためには別途ジアルデヒドビスアセタールの合成工程が必要である。
【0010】
従来技術3は、ジアルデヒドとジオールの反応でジアルデヒドビスアセタールを得た後、ジアルデヒドビスアセタールとジアルデヒドとの反応でジアルデヒドモノアセタールを製造する方法である。しかしながら、この方法では2段階の反応が実施されるため操作が煩雑であり、かつ第2段階の反応は純粋な状態で容易に重合固化する高純度ジアルデヒドとジアルデヒドビスアセタールとの反応があるばかりか、反応後ジアルデヒドモノアセタールを得るためには、容易に重合固化する高純度ジアルデヒドの分離を蒸留操作により行わなければならないという操作上の欠点を有する。
【0011】
従来技術4は、グリオキザールと置換された1,3−プロパンジオールとの反応に限定されているため、記載されている方法はグリオキザールモノアセタールの製造方法であり、グルタルアルデヒドモノアセタール(I)の製造方法ではない。
従来技術5は、グリオキザールとアルコールの反応に限られているため、記載されている方法はグリオキザールモノアセタールの製造方法であり、グルタルアルデヒドモノアセタール(I)の製造方法ではない。
【0012】
これら従来技術の内容を検討すれば、グルタルアルデヒドとジオールの反応でグルタルアルデヒドモノアセタールを合成する反応は、下記の式(6)と式(7)で示される二つの平衡反応から成り立っているものと考えることができ、従来の方法では選択的にグルタルアルデヒドモノアセタールを合成することは困難であった。
【化9】
[式中、R1、R2は水素又はメチル基、エチル基を示し、同じでも異なっ
てもよい。nは0を含む2迄の整数である。]
【化10】
[式中、R1、R2は水素又はメチル基、エチル基を示し、同じでも異なっ
てもよい。nは0を含む2迄の整数である。]
【0013】
また、グルタルアルデヒドとジオールの反応でグルタルアルデヒドモノアセタールを合成する場合、蒸留操作によりグルタルアルデヒドモノアセタールを単離しようとすれば、水、ジオール、グルタルアルデヒド、グルタルアルデヒドモノアセタール、グルタルアルデヒドビスアセタールを含む反応液を処理しなければならず、初めに最も沸点の低い水が留出する。このため、平衡は式(6)と式(7)に従ってグルタルアルデヒドビスアセタール側にずれ、グルタルアルデヒドモノアセタールの収率が低下する。よって、この反応の平衡は反応工程及び蒸留等の後処理工程を含めて成り立っているものと理解するのが実際的である。
【0014】
従って、本発明の目的は、グルタルアルデヒドとジオールとからグルタルアルデヒドモノアセタールを高収率かつ高選択率でしかも簡便な手段で製造する方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、グルタルアルデヒドと一般式II:
【化1】
[式中、R 1 、R 2 は水素又はメチル基、エチル基を示し、同じでも異なってもよく、nは0を含む2迄の整数である。]で表されるジオールとを反応させることからなる一般式I:
【化2】
[式中、R 1 、R 2 は水素又はメチル基、エチル基を示し、同じでも異なってもよく、nは0を含む2迄の整数である。]で表されるグルタルアルデヒドモノアセタールの製造方法において、
反応系に一般式III:
【化3】
[式中、R 1 、R 2 は水素又はメチル基、エチル基を示し、同じでも異なってもよく、nは0を含む2迄の整数であって、式Iの化合物が有するR 1 、R 2 およびnと同一である。]で表されるグルタルアルデヒドビスアセタールを、グルタルアルデヒド1モル当たり0.3乃至1.8モルの量で添加し、共存させ、30〜200℃で反応させることを特徴とする前記グルタルアルデヒドモノアセタールの製造方法が提供される。
本発明の製造方法において、反応を反応系中の水分を留去しつつ行うことが好ましい。また、本発明の方法では、反応生成物を蒸留し、グルタルアルデヒドモノアセタールとグルタルアルデヒドビスアセタールとを分離し、グルタルアルデヒドモノアセタールを製品として回収し、分離されたグルタルアルデヒドビスアセタールを反応系に循環することが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法では、グルタルアルデヒド(G)とジオール(D)とを反応させるが、この反応系中に副生物であるグルタルアルデヒドビスアセタール(GB)を添加し、共存させることにより、グルタルアルデヒドビスアセタール(GB)の生成を抑制し、高収率且つ高選択率でグルタルアルデヒドモノアセタール(GM)を製造することができる。
【0017】
例えば、グルタルアルデヒドビスアセタール(GB)を添加、共存させることなく、グルタルアルデヒドとジオールとを反応させた場合のグルタルアルデヒド基準のグルタルアルデヒドモノアセタール(GM)の収率は40%のオーダーであるのに対して、グルタルアルデヒドビスアセタール(GB)を添加、共存させて、グルタルアルデヒドとジオールとを反応させた場合のグルタルアルデヒド基準のグルタルアルデヒドモノアセタール(GM)の収率は80%のオーダーに達するのであって、本発明による予想外の効果が明らかである。
【0018】
本発明者等の研究によると、グルタルアルデヒドとジオールとの反応は、前記式(6)と(7)との二段の平衡反応で表される。すなわち、第一段目のグルタルアルデヒドとジオールとの反応は脱水反応であり、系内の水を除去することにより、平衡は右側、すなわちグルタルアルデヒドモノアセタール(GM)の生成する側へ移行する。ところが、第二段目のグルタルアルデヒドモノアセタール(GM)とジオーとの反応も脱水反応であり、系内の水を除去することにより、やはり平衡は右側、すなわちグルタルアルデヒドビスアセタール(GB)の生成する側へ移行する。
このため、グルタルアルデヒドモノアセタール(GM)が生成する条件では、グルタルアルデヒドビスアセタール(GB)も必ず生成し、両者の生成の割合は前記式(6)及び(7)の反応の平衡定数により定まるが、本発明者らの実験結果によるとグルタルアルデヒドビスアセタール(GB)の生成割合はかなり多いものである。
【0019】
本発明では、グルタルアルデヒドとジオールとの反応系に、外部からグルタルアルデヒドビスアセタール(GB)を積極的に添加し、共存させるのである。この反応系を用いることにより、前記式(6)の反応における平衡を右に移行させてグルタルアルデヒドモノアセタール(GM)の生成を有効に行わせる一方で、反応系内に共存させるグルタルアルデヒドビスアセタール(GB)によって、前記式(7)の反応における平衡の右向きへの移行を抑制し、グルタルアルデヒドモノアセタール(GM)の収率及び選択率を顕著に向上させ得るものである。
【0020】
本発明に用いるグルタルアルデヒド(G)は無水のものでもよいが、通常は取り扱いの容易さから20〜70wt%の水溶液が使用される。
【0021】
本発明に用いるジオール(D)は式(II)で示されるジオールであり、具体的な例としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール等の脂肪族ジオールを挙げることができる。なかでも、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコールが特に好ましい。
【0022】
本発明の方法は、すでに指摘したとおり、式(6)と式(7)で示される二つの平衡反応で成立しており、グルタルアルデヒドモノアセタール(GM)1モルはグルタルアルデヒド(G)1モルとジオール(D)1モルに等価であり、一方、グルタルアルデヒドビスアセタール(GB)1モルはグルタルアルデヒド(G)1モルとジオール(D)2モルに等価である。したがって、初回反応もしくはリサイクル反応に仕込むジオール(D)、グルタルアルデヒド(G)、グルタルアルデヒドモノアセタール(GM)、グルタルアルデヒドビスアセタール(GB)のモル比は実質的にジオール(D)とグルタルアルデヒド(G)のモル比に換算できる。
つまり、グルタルアルデヒド(G)に対するジオール(D)のモル比は
[計算式]=[ジオール(D)+グルタルアルデヒドモノアセタール(GM)+2×グルタルアルデヒドビスアセタール(GB)]/[グルタルアルデヒド(G)+グルタルアルデヒドモノアセタール(GM)+グルタルアルデヒドビスアセタール(GB)]
で算出でき、通常は[計算式]=0.6〜4.0、より好ましくは[計算式]=1.2〜2.0のモル比で実施する。
【0023】
本発明の方法において、反応系中に存在させるグルタルアルデヒドビスアセタール(GB)の量は、グルタルアルデヒドモノアセタール(GM)の収率、選択率及び生産性に大きな影響を与える。
一般に、グルタルアルデヒド(G)1モル当たりグルタルアルデヒドビスアセタール(GB)0.3〜1.8モル、好ましくは0.5〜1.5モルを使用するのが望ましい。
グルタルアルデヒドビスアセタール(GB)の量比が上記範囲を下回ると、グルタルアルデヒドモノアセタール(GM)の収率及び選択率が、上記範囲内にある場合に比して、低下する傾向があり好ましくない。一方、この量比が上記範囲を下回ると反応に際して多量の液を取り扱わねばならず、エネルギー効率が悪く、生産性も低下する。
【0024】
反応系に仕込むジオール(D)の量は前記計算式を満たす量であるが、グルタルアルデヒド(G)1モル当たりジオール(D)0.2モル以上、より好ましくは0.5モル以上を使用する。
【0025】
本発明の反応は無溶媒でも実施できるが、通常ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素又はシクロヘキセン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素を使用する。
【0026】
本発明では、通常グルタルアルデヒド(G)が水溶液として供給されるため、反応系内に多量の水が存在する。このため、目的の反応平衡を達成するように、反応系より水を留去することが望ましい。
【0027】
本発明の反応は無触媒でも進行するが、酸触媒の使用が有利である。酸触媒としては硫酸、塩酸、燐酸等の無機酸又は酢酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸の他、陽イオン交換樹脂、ゼオライト等の固体酸も使用できる。なかでも硫酸、塩酸、スルホン酸型陽イオン交換樹脂が特に好適である。
上記触媒の使用量は、使用する酸の種類により異なるが、硫酸を使用する場合はグルタルアルデヒド(G)、グルタルアルデヒドモノアセタール(GM)、グルタルアルデヒドビスアセタール(GB)の合計のモル数に対して、硫酸を0.05〜0.2モル%の範囲で使用するのが好ましい結果を与える。
【0028】
本発明の反応は常圧、減圧又は加圧条件下で実施できる。通常、反応は常圧で、反応混合物の沸騰温度で行うのがよい。
反応温度は、通常30〜200℃、好適には40〜150℃である。反応温度が30℃未満では反応速度が遅く、また200℃以上ではグルタルアルデヒド(G)、グルタルアルデヒドモノアセタール(GM)の重合物が増加し、収率が低下する。
反応は、反応平衡が達成されるまで実施され、上記反応温度では通常2〜30時間、好適には4〜16時間である。
反応中、ガスクロマトグラフィーで反応液の状態を追跡することで、反応平衡が達成されたことを確認することができる。反応終了の判断方法としては反応時間、ガスクロマトグラフィーでの分析結果等を挙げることができ、さらに反応系からの脱水を行う場合には脱水量、反応液温度も反応終了の判断方法となりうる。
【0029】
反応後、酸触媒を失活させるために好適な塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物または炭酸塩を使用して中和することができる。イオン交換樹脂の場合には、反応後、濾過又は遠心分離するという簡単な操作で反応液から除去できる。
【0030】
酸触媒を失活化させた反応液は水層と有機層の二層に分離している場合があるが、そのまま蒸留塔に導入しても分液後有機層を導入してもよい。
【0031】
グルタルアルデヒドモノアセタール(GM)は蒸留により得ることができる。グルタルアルデヒド(G)、ジオール(D)は低沸点留分として、グルタルアルデヒドビスアセタール(GB)は高沸点留分又は缶残液として得られる。蒸留工程でのグルタルアルデヒドモノアセタール(GM)の収率は70〜90モル%である。蒸留中蒸留系内の水の減少とともに式(7)で示す平衡がグルタルアルデヒドモノアセタール(GM)からグルタルアルデヒドビスアセタール(GB)側にずれ、グルタルアルデヒドビスアセタール(GB)が増加するが、本発明の方法に従えば増加したグルタルアルデヒドビスアセタール(GB)も次回の反応にリサイクルできる。
【0032】
また、高純度のグルタルアルデヒドモノアセタール(GM)を得る目的のためには前記蒸留の実施に先立ち、蒸留中分解して絶えずジオール(D)を放出するグルタルアルデヒド(G)とジオール(D)等の重合物を分離する粗蒸留を行う。粗蒸留工程でのグルタルアルデヒドモノアセタール(GM)の収率は80〜100モル%である。粗製留分は再度蒸留され、含量99%以上の高純度グルタルアルデヒドモノアセタール(GM)となる。また、粗蒸留工程においても前記蒸留工程と同じ理由でグルタルアルデヒドビスアセタール(GB)が増加する場合があるが、本発明の方法に従えば増加したグルタルアルデヒドビスアセタール(GB)も次回の反応にリサイクルできる。
【0033】
本発明の反応でグルタルアルデヒドモノアセタール(GM)に転化せずに回収されたグルタルアルデヒド(G)、ジオール(D)は、再度反応原料として使用できる。また、グルタルアルデヒドビスアセタール(GB)も回収、再使用できる。これらをリサイクルした後述の実施例3の反応工程では、反応時仕込グルタルアルデヒド(G)基準としたグルタルアルデヒドモノアセタール(GM)の収率[〔メタキシレン層中グルタルアルデヒドモノアセタール(GM)−反応時仕込グルタルアルデヒドモノアセタール(GM)〕/反応時仕込グルタルアルデヒド(G)]は初回反応の43モル%から78モル%に著しく向上し、グルタルアルデヒドビスアセタール(GB)の収率[〔メタキシレン層中グルタルアルデヒドビスアセタール(GB)−反応時仕込グルタルアルデヒドビスアセタール(GB)〕/反応時仕込グルタルアルデヒド(G)]は初回反応の39モル%から7モル%に低下した。
【0034】
また、後述の実施例3のごとく、蒸留工程で得る各液もその組成に応じて反応工程ならびに蒸留工程にリサイクルすれば、製品留分中に得るグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールの収率は、初回蒸留時の31モル%(反応時仕込グルタルアルデヒド基準)から58モル%(反応時仕込グルタルアルデヒド基準)に向上する。
【0035】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら制限されるものではない。
なお、グルタルアルデヒド、グルタルアルデヒドモノエチレンアセタール、グルタルアルデヒドビスエチレンアセタール等の含有量の分析はガスクロマトグラフィーで行った。
【0036】
(実施例1)グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールの合成
グルタルアルデヒドビスエチレンアセタールを添加した反応
温度計、脱水管、還流コンデンサー及び撹拌機を備えた四つ口フラスコに51wt%グルタルアルデヒド水溶液232.4g(1.18モル)、エチレングリコール85.9g(1.38モル)、97.69wt%グルタルアルデヒドビスエチレンアセタール[1,3−ビス(2,5−ジオキサシクロペンチル)プロパン]154.1g(0.80モル)、メタキシレン133.0g、20wt%硫酸水溶液0.98g(2.0ミリモル)を加え、撹拌しながら加熱し沸騰温度とした。6時間沸騰温度で加熱し脱水管を通して113.0gの水を反応系外に留去した。この間、反応温度は102℃から114℃に上昇した。反応液を50℃に冷却し、6wt%水酸化ナトリウム水溶液2.7g(4.1ミリモル)を加え中和した後、そのままの温度でメタキシレン層と水層に分離した。メタキシレン層の重量は474.2gでエチレングリコール、グルタルアルデヒド、グルタルアルデヒドモノエチレンアセタール[1−ホルミル−3−(2,5−ジオキサシクロペンチル)プロパン]、グルタルアルデヒドビスエチレンアセタールをそれぞれ12.5g(0.20モル)、11.8g(0.12モル)、120.0g(0.83モル)、169.8g(0.90モル)含んでいた。使用したグルタルアルデヒドを基準とした、メタキシレン層中のグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールの収率は70モル%であった。また、水層はグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールを1.6g(0.01モル)、グルタルアルデヒドビスエチレンアセタールを0.6g(0.00モル)含んでいた。
【0037】
(実施例2)グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールの合成
初回反応
温度計、脱水管、還流コンデンサー及び撹拌機を備えた四つ口フラスコに51wt%グルタルアルデヒド水溶液1963.1g(10.00モル)、エチレングリコール931.3g(15.00モル)、メタキシレン665.1g、20wt%硫酸水溶液4.8g(9.8ミリモル)を加え、撹拌しながら加熱し沸騰温度とした。6時間沸騰温度で加熱し脱水管を通して1101.7gの水を反応系外に留去した。この間、反応温度は101℃から111℃に上昇した。反応液を50℃に冷却し、6wt%水酸化ナトリウム水溶液13.4g(20.1ミリモル)を加え中和した後、そのままの温度でメタキシレン層と水層に分離した。メタキシレン層の重量は2339.1gでエチレングリコール、グルタルアルデヒド、グルタルアルデヒドモノエチレンアセタール、グルタルアルデヒドビスエチレンアセタールをそれぞれ90.9g(1.46モル)、74.1g(0.74モル)、593.3g(4.12モル)、766.4g(4.07モル)含んでいた。使用したグルタルアルデヒドを基準とした、メタキシレン層中のグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールの収率は41モル%であった。また、水層はグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールを14.8g(0.10モル)、グルタルアルデヒドビスエチレンアセタールを10.6g(0.06モル)含んでいた。
【0038】
初回グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールの蒸留
上記メタキシレン層2327.4gをヘリパックNo.3(東京特殊金網製)を充填したカラム(長さ500mm、内径25mm、充填高450mm)を設置した蒸留塔の缶に仕込み、缶温48〜138℃、塔頂部温度33〜52℃、圧力48〜51mmHgで蒸留し、回収メタキシレン624.8gと水57.2gからなる2層の留分を得た。引き続き、缶温120〜126℃、塔頂部温度38〜99℃、圧力15〜16mmHgでエチレングリコール、グルタルアルデヒド、グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールをそれぞれ33.1g(0.53モル)、48.3g(0.48モル)、47.7g(0.33モル)含む留分(A1液と呼ぶ)136.3gを得た。更に、缶温126〜127℃、塔頂部温度99℃、圧力15mmHgでエチレングリコール、グルタルアルデヒド、グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールをそれぞれ1.4g(0.02モル)、0.9g(0.01モル)、44.5g(0.31モル)含む留分(B1液と呼ぶ)47.4gを得た。最後に、缶温127〜145℃、塔頂部温度98〜100℃、圧力13〜15mmHgでグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールを97.30wt%の濃度で含む製品留分429.1g(2.90モル)を得た。この製品は不純物としてエチレングリコールを1.71%含んでいた。反応に使用したグルタルアルデヒドを基準とした、製品留分中に得たグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールの収率は29モル%であった。また、缶残液(C1液と呼ぶ)1004.9gはグルタルアルデヒドモノエチレンアセタール、グルタルアルデヒドビスエチレンアセタールをそれぞれ15.9g(0.11モル)、776.2g(4.12モル)含んでいた。
【0039】
グルタルアルデヒドビスエチレンアセタール等をリサイクルした反応
温度計、脱水管、還流コンデンサー及び撹拌機を備えた四つ口フラスコに新規51wt%グルタルアルデヒド水溶液982.2g(5.00モル)、新規エチレングリコール363.9g(5.86モル)、新規メタキシレン26.5g、20wt%硫酸水溶液4.7g(9.6ミリモル)を加え、更に前述の回収メタキシレン622.2g、A1液133.7g、C1液996.3gを添加した。この結果、反応仕込量はエチレングリコール、グルタルアルデヒド、グルタルアルデヒドモノエチレンアセタール、グルタルアルデヒドビスエチレンアセタールがそれぞれ396.4g(6.39モル)、548.2g(5.48モル)、62.5g(043モル)、769.5g(4.09モル)となった。次に、撹拌しながら加熱し沸騰温度とした。6時間沸騰温度で加熱し脱水管を通して464.6gの水を反応系外に留去した。この間、反応温度は101℃から110℃に上昇した。反応液を50℃に冷却し、6wt%水酸化ナトリウム水溶液13.4g(20.1ミリモル)を加え中和した後、そのままの温度でメタキシレン層と水層に分離した。メタキシレン層の重量は2574.4gでエチレングリコール、グルタルアルデヒド、グルタルアルデヒドモノエチレンアセタール、グルタルアルデヒドビスエチレンアセタールをそれぞれ94.5g(1.52モル)、81.4g(0.81モル)、583.0g(4.04モル)、893.9g(4.75モル)含んでいた。反応時仕込グルタルアルデヒドを基準とした、メタキシレン層中に増加したグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールの収率は66モル%であった。また、水層はグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールを12.0g(0.08モル)、グルタルアルデヒドビスエチレンアセタールを5.2g(0.03モル)含んでいた。
【0040】
リサイクル時のグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールの蒸留
上記反応で得たメタキシレン層2568.5gとB1液45.3gを前述の蒸留塔の缶に仕込み、缶温44〜122℃、塔頂部温度33〜53℃、圧力50〜51mmHgで蒸留し、回収メタキシレン596.0gと水87.7gからなる2層の留分を得た。引き続き、缶温120〜127℃、塔頂部温度36〜97℃、圧力13〜16mmHgでエチレングリコール、グルタルアルデヒド、グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールをそれぞれ12.9g(0.21モル)、48.4g(0.48モル)、19.8g(0.14モル)含む留分(A2液と呼ぶ)102.2gを得た。更に、缶温127〜129℃、塔頂部温度97〜102℃、圧力16mmHgでエチレングリコール、グルタルアルデヒド、グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールをそれぞれ1.1g(0.02モル)、1.1g(0.01モル)、37.4g(0.26モル)含む留分(B2液と呼ぶ)40.2gを得た。最後に、缶温129〜146℃、塔頂部温度100〜102℃、圧力15〜16mmHgでグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールを98.09wt%の濃度で含む製品留分482.7g(3.28モル)を得た。この製品は不純物としてエチレングリコールを0.73%含んでいた。製品留分中に得たグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールの収率は60モル%(反応時仕込グルタルアルデヒドを基準)であった。また、缶残液(C2液と呼ぶ)1257.6gはグルタルアルデヒドモノエチレンアセタール、グルタルアルデヒドビスエチレンアセタールをそれぞれ12.4g(0.09モル)、941.9g(5.00モル)含んでいた。
以下同様に回収メタキシレン、A2液、C2液を反応系に、B2液を蒸留系にリサイクルしてグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールを製造することができる。
【0041】
(実施例3)グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールの合成
初回反応
温度計、脱水管、還流コンデンサー及び撹拌機を備えた四つ口フラスコに51wt%グルタルアルデヒド水溶液1963.1g(10.00モル)、エチレングリコール931.2g(15.00モル)、メタキシレン664.9g、20wt%硫酸水溶液4.7g(9.6ミリモル)を加え、撹拌しながら加熱し沸騰温度とした。10時間沸騰温度で加熱し脱水管を通して1100.9gの水を反応系外に留去した。この間、反応温度は100℃から112℃に上昇した。反応液を50℃に冷却し、6wt%水酸化ナトリウム水溶液13.4g(20.1ミリモル)を加え中和した後、そのままの温度でメタキシレン層と水層に分離した。メタキシレン層の重量は2349.8gでエチレングリコール、グルタルアルデヒド、グルタルアルデヒドモノエチレンアセタール、グルタルアルデヒドビスエチレンアセタールをそれぞれ118.2g(1.90モル)、90.6g(0.91モル)、612.8g(4.25モル)、732.8g(3.89モル)含んでいた。使用したグルタルアルデヒドを基準とした、メタキシレン層中のグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールの収率は43モル%であった。また、水層はグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールを17.9g(0.12モル)、グルタルアルデヒドビスエチレンアセタールを7.4g(0.04モル)含んでいた。
【0042】
初回グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールの粗蒸留
上記メタキシレン層2341.0gを実施例2で示した蒸留塔の缶に仕込み、メタキシレンの回収とメタキシレン層中に溶解しているグルタルアルデヒド等の重合物を分離する目的で粗蒸留を行った。缶温41〜140℃、塔頂部温度32〜53℃、圧力50〜51mmHgで蒸留し、回収メタキシレン628.6gと水63.5gからなる2層の留分を得た。引き続き、缶温117〜160℃、塔頂部温度22〜135℃、圧力15〜16mmHgでグルタルアルデヒド、グルタルアルデヒドモノエチレンアセタール、グルタルアルデヒドビスエチレンアセタールをそれぞれ31.4g(0.31モル)、561.6g(3.90モル)、252.2g(1.34モル)含む粗蒸留留分875.2gを得た。また、粗蒸留缶残液(D1液と呼ぶ)727.0gはグルタルアルデヒドモノエチレンアセタール、グルタルアルデヒドビスエチレンアセタールをそれぞれ2.6g(0.02モル)、532.2g(2.83モル)含んでいた。
【0043】
初回グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールの蒸留
上記粗蒸留留分870.6gを前述の蒸留塔の缶に仕込み、缶温114〜121℃、塔頂部温度69〜97℃、圧力15〜17mmHgで蒸留を行い、エチレングリコール、グルタルアルデヒド、グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールをそれぞれ15.5g(0.25モル)、21.2g(0.21モル)、19.0g(0.13モル)含む留分(E1液と呼ぶ)60.6gを得た。更に、缶温121〜122℃、塔頂部温度97〜109℃、圧力15〜17mmHgでグルタルアルデヒド、グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールをそれぞれ0.6g(0.01モル)、37.7g(0.26モル)含む留分(F1液と呼ぶ)39.5gを得た。最後に、缶温122〜148℃、塔頂部温度105〜109℃、圧力17mmHgでグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールを99.02wt.%の濃度で含む製品留分444.1g(3.05モル)を得た。この製品はエチレングリコールは混入していなかった。反応に使用したグルタルアルデヒドを基準とした、製品留分中に得たグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールの収率は31モル%であった。また、精留缶残液(G1液と呼ぶ)316.9gはグルタルアルデヒドモノエチレンアセタール、グルタルアルデヒドビスエチレンアセタールをそれぞれ8.4g(0.06モル)、303.6g(1.61モル)含んでいた。
【0044】
グルタルアルデヒドビスエチレンアセタール等をリサイクルした反応
温度計、脱水管、還流コンデンサー及び攪拌機を備えた四つ口フラスコに新規51wt.%グルタルアルデヒド水溶液1072.2g(5.46モル)、新規エチレングリコール387.2g(6.24モル)、新規メタキシレン36.5g、20wt.%硫酸水溶液4.8g(9.8ミリモル)を加え、更に前述の回収メタキシレン628.6g、D1液715.7g、E1液59.2g、G1液314.1gを添加した。この結果、反応仕込量はエチレングリコール、グルタルアルデヒド、グルタルアルデヒドモノエチレンアセタール、グルタルアルデヒドビスエチレンアセタールがそれぞれ405.2g(6.53モル)、567.5g(5.67モル)、27.6g(0.19モル)、778.8g(4.14モル)となった。次に、攪拌しながら加熱し沸騰温度とした。6時間沸騰温度で加熱し脱水缶を通して511.0gの水を反応系外に留去した。この間、反応温度は100℃から109℃に上昇した。反応液を50℃に冷却し、6wt.%水酸化ナトリウム水溶液13.4g(20.1ミリモル)を加え中和した後、そのままの温度でメタキシレン層と水層に分離した。メタキシレン層の重量は2649.1gでエチレングリコール、グルタルアルデヒド、グルタルアルデヒドモノエチレンアセタール、グルタルアルデヒドビスエチレンアセタールをそれぞれ126.1g(2.03モル)、92.7g(0.93モル)、662.0g(4.59モル)、851.2g(4.52モル)含んでいた。反応時仕込グルタルアルデヒドを基準とした、メタキシレン層中に増加したグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールの収率は78モル%であった。また、水層はグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールを7.2g(0.05モル)、グルタルアルデヒドビスエチレンアセタールを2.9g(0.02モル)含んでいた。
【0045】
リサイクル時のグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールの粗蒸留
上記メタキシレン層2637.0gを前述の蒸留塔の缶に仕込み、前回と同様に粗蒸留を行った。缶温44〜145℃、塔頂部温度33〜52℃、圧力50mmHgで蒸留し、回収メタキシレン629.3gと水113.3gからなる2層の留分を得た。引き続き、缶温134〜160℃、塔頂部温度29〜141℃、圧力15mmHgでグルタルアルデヒド、グルタルアルデヒドモノエチレンアセタール、グルタルアルデヒドビスエチレンアセタールをそれぞれ46.7g(0.47モル)、536.3g(3.72モル)、406.3g(2.16モル)含む粗蒸留留分1001.0gを得た。また、粗蒸留缶残液(D2液と呼ぶ)861.1gはグルタルアルデヒドモノエチレンアセタール、グルタルアルデヒドビスエチレンアセタールをそれぞれ0.2g(0.00モル)、627.0g(3.33モル)含んでいた。
【0046】
リサイクル時のグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールの蒸留
上記粗蒸留留分998.0gとF1液39.2gを前述の蒸留塔の缶に仕込み、缶温117〜121℃、塔頂部温度76〜100℃、圧力14〜16mmHgで蒸留を行い、エチレングリコール、グルタルアルデヒド、グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールをそれぞれ0.8g(0.01モル)、38.7g(0.39モル)、8.2g(0.06モル)含む留分(E2液と呼ぶ)48.6gを得た。更に、缶温121〜122℃、塔頂部温度100〜103℃、圧力15〜16mmHgでグルタルアルデヒド、グルタルアルデヒドモノエチレンアセタールをそれぞれ1.7g(0.02モル)、46.2g(0.32モル)含む留分(F2液と呼ぶ)49.2gを得た。最後に、缶温122〜143℃、塔頂部温度98〜103℃、圧力13〜16mmHgでグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールを99.12wt.%の濃度で含む製品留分477.4g(3.28モル)を得た。この製品中にはエチレングリコールの混入はなかった。反応時仕込グルタルアルデヒドを基準とした、製品留分中に得たグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールの収率は58モル%であった。また、精留缶残液(G2液と呼ぶ)458.5gはグルタルアルデヒドモノエチレンアセタール、グルタルアルデヒドビスエチレンアセタールをそれぞれ5.7g(0.04モル)、435.5g(2.31モル)含んでいた。
以下同様に回収メタキシレン、D2液、E2液、G2液を反応系に、F2液を蒸留系にリサイクルしてグルタルアルデヒドモノエチレンアセタールを製造することができる。
【0047】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、グルタルアルデヒド(G)とジオール(D)とを反応させて、グルタルアルデヒドモノアセタール(GM)を製造するに際し、この反応系にグルタルアルデヒドビスアセタール(GB)を添加し、共存させることにより、グルタルアルデヒドビスアセタール(GB)の生成を抑制し、グルタルアルデヒドモノアセタール(GM)の収率及び選択率を向上させ、その製造が工業的に効率よく、かつ容易に可能となる。
Claims (4)
- グルタルアルデヒドと一般式II:
反応系に一般式III:
- 反応を反応系中の水分を留去しつつ行うことを特徴とする請求項1に記載のグルタルアルデヒドモノアセタールの製造方法。
- 反応生成物を蒸留し、グルタルアルデヒドモノアセタールとグルタルアルデヒドビスアセタールとを分離することを特徴とする請求項1に記載のグルタルアルデヒドモノアセタールの製造方法。
- 分離されたグルタルアルデヒドビスアセタールを反応系に循環することを特徴とする請求項3に記載のグルタルアルデヒドモノアセタールの製造方法。
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