この発明は、カメラ、詳しくは被写体状況の指定に応じて撮影条件を一括設定するシーン選択モードを撮影モードの一部として有するカメラに関するものである。
従来より、被写体像を光電変換する撮像素子を備え、これにより取得された画像信号をデジタルデータとして所定の記録媒体に記録し得るように構成されるデジタルカメラ(以下、単にカメラという)が広く普及している。
このようなカメラにおいては、その本体背面側に、比較的大サイズの画像表示部が配設されているのが一般である。この画像表示部は、撮影動作をおこなう際に被写体像を含む画像を表示させてファインダーとして用いたり、撮影済みの画像を再生表示させて画像再生表示装置として使用されるほかに、例えば撮影動作や再生動作の実行中に撮影動作や再生動作に関わる各種の設定項目の設定値等の撮影条件を表示させることで、設定済みの各設定値の確認や変更設定等をおこなう際にも利用されるのが通常である。
この場合において、撮影画像(モニタ画像)の表示画面上に設定変更画面を重畳表示させるようにしたものについては、例えば特開2001−211354号公報等によって、従来より種々の提案がなされ、また一般に実用化されている。
一方、カメラを用いて撮影動作をおこなうのに際しては、その場の撮影環境や状況に最適となるように各種の撮影条件の設定をおこなう必要があるが、このような設定を確実におこなうことは専門的知識を要することから、使用者にとっては困難な操作の一つとなっている。
そこで、従来のカメラにおいては、撮影動作時の態様(撮影モードという)の一つに、典型的な撮影環境や代表的な被写体状況を指定すると、これに応じて最適となる撮影条件(各種設定値)を一括して自動的に設定をおこなうシーン選択モードとよばれる撮影モードを有するものがある。このシーン選択モードは、撮影条件が全て自動的に設定されるいわゆる自動(オート)撮影モードと、撮影条件の全てを撮影者自身が任意に設定する手動(マニュアル)撮影モードとの中間的な撮影モードであるといえる。
従来のカメラにおけるシーン選択モードは、各種の撮影環境や被写体状況を考慮した複数の種類の撮影シーンを想定し、各撮影シーンのそれぞれに応じて最適な撮影を行ない得るための複数項目からなる撮影条件を予め規定しておき、各々の撮影シーンに対しては、それぞれの撮影環境や被写体状況を容易に表わす名称を附している。
そして、撮影動作をおこなうその場の環境や状況に応じて、予め用意されている複数の撮影シーンのうちから一つを選択すると、その撮影環境や被写体状況に最適な各種の設定値がカメラ内部において自動的に設定されるようになっている。
ここで、シーン選択モードにおいて選択し得る撮影シーンとしては、例えばポートレイト,風景,夜景,自分撮り,記念写真等等がある。
このようにシーン選択モードで予め用意される各撮影シーンにおける撮影条件は、それぞれの撮影シーンにおいて一般的に適したものとなるような撮影条件が採用される。しかしながら、その条件によっても個々の具体的な撮影において常に最適な条件であるとは限らない。
そこで、シーン選択モードを有するカメラであっても、各種の撮影条件の設定値を任意に変更し得るようにできれば至便である。その一例として、例えば特開2004−184432号公報等による提案が、従来よりなされている。
上記特開2004−184432号公報によって開示されているカメラにおいては、シーン選択モードにおける焦点調節動作に関するフォーカス設定等についての切り換えをおこない得るようにしている。これによって、特に焦点調節操作については操作性の向上を図ることができるというものである。
また、上記公報に開示されているカメラでは、シーン選択モードにおける各種の設定のうちフォーカス設定以外の撮影条件の一部の設定についても変更をおこない得るようになっている。この場合において、各撮影条件の設定状態は表示部の画面上に表示されるようになっている。
特開2001−211354号公報
特開2004−184432号公報
ところが、上記特開2004−184432号公報によって開示されているカメラにおいては、各撮影条件の設定状態を表示したり変更する操作に手間がかかってしまい、使用者に操作上の負担をかけてしまったり、円滑な撮影動作をおこない得ないという問題点がある。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、被写体状況の指定に応じて撮影条件を一括設定するシーン選択モードを撮影モードの一部として有するカメラにおいて、設定済みの撮影条件の各項目を画面上において容易に把握することができると共に、その設定変更を容易に実行し得るような良好な操作性を備えたカメラを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明によるカメラは、被写体状況の指定に応じて撮影条件を一括設定するシーン選択モードを撮影モードの一つとして少なくとも有するカメラにおいて、上記シーン選択モードのうち選択されたシーンの種類を示すモードオブジェクトを表示部に表示させるモード表示制御部と、上記表示部の画面上において少なくとも水平方向及び垂直方向を操作方向とする操作部と、選択されるシーンの種類毎の撮影条件に関する各設定項目とこの設定項目の個々の条件を各設定項目毎にオブジェクト単位で表わし、当該複数のオブジェクトを上記表示部に水平方向と垂直方向に分けて配列表示させる設定項目表示制御部と、を具備し、上記設定項目表示制御部は、上記水平方向に配列される第1のオブジェクトについては、上記操作部の水平方向操作によって当該第1のオブジェクトの中でいずれかのオブジェクトを選択させ、選択されたオブジェクトに係る設定項目では上記操作部の垂直方向操作によって個々の条件を切換えて表示し、上記垂直方向に配列される第2のオブジェクトについては、上記操作部の垂直方向操作によって当該第2のオブジェクトの中でいずれかのオブジェクトを選択させ、選択されたオブジェクトに係る設定項目では上記操作部の水平方向操作によって個々の条件を切換えて表示することを特徴とする。
本発明によれば、被写体状況の指定に応じて撮影条件を一括設定するシーン選択モードを撮影モードの一部として有するカメラにおいて、設定済みの撮影条件の各項目を画面上において容易に把握することができると共に、その設定変更を容易に実行し得るような良好な操作性を備えたカメラを提供することができる。
以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。
図1及び図2は、本発明の一実施形態のカメラの構成を示す図である。このうち、図1は、カメラの内部構成の概略を示すブロック構成図である。また、図2は、カメラの背面側の外観を示す背面図である。
本実施形態のカメラ1は、図1に示すように本カメラ1の動作を全体的に制御する制御部であるCPU10と、光学レンズ等によって構成される撮影レンズ11と、この撮影レンズ11によって形成される光学的な被写体像を受けて電子的な画像データを生成する処理(光電変換処理)をおこなうCCD等の撮像素子12と、この撮像素子12によって生成される画像信号を受けて所定の信号処理を行ないデジタル画像信号を出力する撮像部13と、この撮像部13から出力されるデジタル画像信号を受けて各種の画像信号処理(WB調整処理やγ補正処理や圧縮伸張処理や画像合成処理等等)をおこなう画像処理部14と、この画像処理部14からの出力を受けて表示用の画像信号を作成する処理をおこなう表示処理部15と、上記画像処理部14からの出力を受けて記録用の画像データを作成する圧縮処理や画像保存メモリー20(後述)から読み込んだ画像データを伸張処理する圧縮伸長部16と、上記画像処理部14からの出力を一時的に記憶する画像バッファーメモリー17と、撮影動作時の被写体画像や撮影条件等の各種の設定画面(メニュー画面等)を表示する液晶表示装置(LCD)等からなる画像表示部(以下、単に表示部という)18と、上記圧縮伸長部16により作成された記録用画像データを受けてこれを記憶する画像保存メモリー20と、この画像保存メモリー20と本カメラ1の各種電気回路との間に介在し両者を電気的に接続するメモリインターフェース(I/F)19と、各種のプログラムや「シーン選択モード」の撮影シーンを表わす画像データや説明データや設定項目パネル(後述する)を表わす画像データ等の各種データが記憶される記憶部であるロム(ROM)21と、本カメラ1に設けられる各種の操作部材に連動する操作部22等によって主に構成されている。
また、表示部18への各オブジェクトの表示制御(後述する)をおこなう機能部分を表示制御装置と定義すれば、表示制御装置は所定のプログラムにしたがった処理を実行するCPU10が該当する。
また、本実施形態のカメラ1の背面側には、図2に示すように表示部18の表示画面が外部に向けて配設されている。この表示部18の近傍であって、背面から見て右寄りの部位には、操作部22(図1参照)に連動する複数の操作部材42〜45が各所定の部位に配設されている。このうちTWボタン42は、撮影動作時には撮影レンズ11の変倍動作のための指示操作をおこなう操作部材である。また、同TWボタン42は、再生動作時には表示部18に表示中の画像(被写体像)の拡大表示や縮小表示のための指示操作をおこなう操作部材である。
XY操作キー43は複数の押しボタン部材からなり、表示部18の画面上において少なくとも水平方向及び垂直方向を操作方向とする操作部である。すなわち、XY操作キー43は、表示部18の画面上において上方向への指示をおこなう上向ボタン43aと、同画面上において下方向への指示をおこなう下向ボタン43bと、同画面上において画面に向かって左方向への指示をおこなう左向ボタン43cと、同画面上において画面に向かって右方向への指示をおこなう右向ボタン43dと、これに加えて、上記各ボタン43a,43b,43c,43dによって選択した設定を決定するための決定ボタン44等によって主に構成されている。
このXY操作キー43は、撮影動作に先立っておこなう撮影条件の設定のための撮影条件設定メニューを表示部18に表示した際、その画面内において指示操作をおこなう操作部材である。また、再生動作時には表示部18に表示される画像の選択操作や拡大表示時の表示位置指定操作等をおこなったり、再生動作に関する各種の設定のための再生設定メニューを表示部18に表示した際、その画面内において指示操作をおこなう操作部材である。
撮影モード選択ダイヤル45は、図2に示す矢印R方向に回転させることで、撮影モードの選択をおこなう操作部材である。この撮影モード選択ダイヤル45の表面上には、本カメラ1において設定し得る複数の撮影モードを表わす文字又は記号等の指標45aが印刷もしくは刻印などの手段によって設けられている。ここで、設定し得る撮影モードとしては、例えば「シーン選択モード」(SCENE),「ユーザー設定モード」(MY),「手動露出撮影モード(マニュアル露出撮影モード)」(M),「シャッター速度優先自動露出撮影モード」(S),「絞り優先自動露出撮影モード」(A),「プログラム自動露出撮影モード」(P),「画像再生モード」等である。
上述のように、本カメラ1において設定し得る撮影モードには、「シーン選択モード」を含んでいる。この「シーン選択モード」は、典型的な撮影環境や代表的な被写体状況の指定をおこなうと、これに応じて最適となる撮影条件(各種設定値)を一括して自動的に設定される撮影モードである。
そして、このシーン選択モードにおいて、複数用意される典型的撮影シーンのうちからいずれか一つが選択されると、その選択された撮影シーンに適した撮影条件の各設定項目が一括設定されることになる。
一方、カメラ1の上面側には、図2に示すように同カメラ1の背面側から見て右端寄りの所定の部位に操作部22のうち撮影動作を実行する指示操作をおこなうためのシャッターレリースボタン41が配設されている。
このように構成される本実施形態のカメラ1において、撮影をおこなうのに先立ってシーン選択モードに設定し、所望の撮影シーンを選択した後、この選択した撮影シーンにおける各種の設定項目についての確認及び設定変更をおこなう際の作用について、図3〜図8を用いて以下に説明する。
図3は、本実施形態のカメラにおいて撮影モードのうちシーン選択モードが選択された際の作用の流れを示すフローチャートである。図4は、本実施形態のカメラにおいて撮影モードのうちシーン選択モードが選択された際の表示部の表示画面の例を示す図である。図5は、図4の状態からさらにシーン選択モードのうち所望の撮影シーンが選択された際の表示部の表示画面の例を示す図である。図6は、図5の状態において設定操作がなされる際の設定項目パネルの表示形態の変化を示す図表である。図7は、図5に示す設定項目パネルAで示される項目(本例では閃光発光装置の制御に関する設定項目)の設定変更がなされた際の状態変化を示す図である。図8は、図5に示す設定項目パネルBで示される項目(本例では露出補正量に関する設定項目)の設定変更がなされた際の表示変化を示す図である。
まず、本実施形態のカメラ1の電源状態がオン状態となっており、かつ当該カメラ1の動作モードが撮影動作モードに設定されている状態にあるものとする。このとき表示部18の表示画面には、撮影レンズ11,撮像素子12,撮像部13,画像処理部14等によって生成される被写体画像がモニタ画像として表示されている。この被写体画像(モニタ画像)を表示部18に表示させるための作用については、従来のデジタルカメラ等における一般的な内部処理により実現されるものとする。
この状態において、使用者は、操作部22(図1参照)のうち撮影モード選択ダイヤル45(図2参照)の矢印R方向への回転操作をおこなって指標45aを「シーン選択モード」(SCENE)に合わせる。これにより、カメラ1のCPU10(図1参照)は、操作部22からの指示信号を受けて、撮影モードを「シーン選択モード」に切り換える。そして、図3に示す「シーン選択モード」の処理シーケンスの実行を開始する。
図3の「シーン選択モード」の処理シーケンスが開始すると、まず、ステップS1において、CPU10は、ROM21から「シーン選択モード」に関する各種のデータを読み込んで、表示部18の表示画面に図4の符号18A,18B,18Cで示すようなシーン選択画面を表示する処理をおこなう。
なお、図4に示す符号18A,18B,18Cは、それぞれが表示部18の表示画面の表示例を示すものであって、それぞれが一つの撮影シーンを示すものとなっている。なお、図4においては、三つの撮影シーンの表示例のみを図示しその他は省略しているが、実際には、本カメラ1にて選択し得る撮影シーンに応じた表示画面が用意されている。
このシーン選択画面は、表示部18の表示画面中に表示中の被写体画像50に対して重畳した形態で、ROM21から読み込んだデータのうち設定項目パネルCと、表示中の撮影シーンに応じた説明文51と、同撮影シーンの添付画像52等を、表示画面中の所定の部位に表示した形態となっている。なお、設定項目パネルCは、シーン選択モードにおいて選択し得る複数の撮影シーンの種類毎に固有のモードオブジェクトとして用意され、予めROM21にデータ等として記憶されているものである。そして、このモードオブジェクトは、必要に応じてモード表示制御部でもあるCPU10によってROM21から読み出され、表示部18に表示されるようになっている。
このステップS1の処理において表示部18の表示画面には、符号18A,18B,18Cのいずれか一つが表示されることになる。つまり、撮影モード選択ダイヤル45の操作によって当該カメラ1の撮影モードを「シーン選択モード」に切り換えると、表示部18には、「シーン選択モード」において選択し得る複数の撮影シーンのうちのいずれか一つの撮影シーンを表わすシーン選択画面が表示される。
このシーン選択画面が表示部18に表示されると、CPU10は、操作部22からの指示信号の待機状態となる。
ステップS2において、使用者は、操作部22のXY操作キー43のうち左向ボタン43c,右向ボタン43d,決定ボタン44のいずれかを操作して所望の撮影シーンの選択(シーン選択)操作をおこなう。
例えば、表示部18の表示画面が図4の符号18Bで示される撮影シーン「風景」である場合において、左向ボタン43cの操作を一回おこなうと、表示画面は図4の符号18Aで示される撮影シーン「ポートレート」に切り換わる。また、表示画面が図4の符号18Bのとき、右向ボタン43dの操作を一回おこなうと、表示画面は図4の符号18Cで示される撮影シーン「セルフポートレート」に切り換わる。同様に、左向ボタン43c又は右向ボタン43dの操作を行なうことで、表示部18の画面表示には、選択可能な撮影シーンが順次切り換わる。
こうして、左向ボタン43c又は右向ボタン43dにより表示画面の切り換えをおこなって所望の撮影シーンを探す。そして、所望の表示画面を表示部18に表示させた状態で、決定ボタン44の操作をおこなう。これにより、表示部18の表示画面に表示中の撮影シーンが選択される。
ステップS3において、CPU10は、操作部22のXY操作キー43の決定ボタン44からの指示信号を受けて、表示部18の表示画面に図5に示すようなシーン設定項目画面を表示する処理をおこなう。
このシーン設定項目画面は、表示部18の表示画面中に表示中の被写体画像50に対して重畳した形態で、ROM21から読み込んだデータのうち設定項目パネルA,B,Cが、表示画面中の所定の部位に表示されるものである。具体的には、例えば設定項目パネルCが表示部18の画面上において略中央部分に配置され、これを中心として同画面上において設定項目パネルCの上下部分(水平方向)に複数の設定項目パネルBが並べて配列され、また、同画面上において設定項目パネルCの左右部分(垂直方向)に複数の設定項目パネルAが並べて配列された形態の表示がなされる。
すなわち、設定項目パネルAは、各設定項目の各条件情報の変更操作をXY操作キー43の垂直方向操作(上向ボタン43a又は下向ボタン43b)によっておこなう第1のオブジェクトである。この第1のオブジェクトである設定項目パネルAは、XY操作キー43の水平方向操作(左向ボタン43c又は右向ボタン43d)によって、その選択をなし得るように表示部18の画面上において水平方向に配列される。
また、設定項目パネルBは、各設定項目の各条件情報の変更操作をXY操作キー43の水平方向操作(左向ボタン43c又は右向ボタン43d)によっておこなう第2のオブジェクトである。この第2のオブジェクトである設定項目パネルBは、XY操作キー43の垂直方向操作(上向ボタン43a又は下向ボタン43b)によって、その選択をなし得るように表示部18の画面上において垂直方向に配列される。
この場合において、設定項目パネルA,Bの配列表示は、設定項目表示制御部としても機能するCPU10によってなされる。
ここで、設定項目パネルA,Bは、選択されるシーンの種類毎の撮影条件に関する各設定項目(ISO感度,ドライブ動作形態,タイマー動作形態,ストロボ動作形態,マクロ撮影形態,AF動作形態,シャッタ速度値,絞り値,露出補正値,AE動作形態,WB種別,…etc…)と、この設定項目のそれぞれに関する情報(個々の条件情報、例えば自動露出モード(AE=Auto)等)を、各設定項目毎にオブジェクト単位で示す表示形態である。
そのために、このオブジェクト(設定項目パネルA,B)を表示するための各種の画像データ等は、予めROM21に記憶されている。そして、このオブジェクトは、必要に応じて設定項目表示制御部でもあるCPU10によってROM21から読み出され、表示部18に表示されるようになっている。
なお、第2のオブジェクトである設定項目パネルBによって表示される設定条件は、主に数値軸の値を扱う設定項目とするのがのぞましい。具体的には、例えばシャッタ速度値,絞り値,露出補正値などの条件設定をおこなうのに設定項目パネルBを用いるのが適当である。
このシーン設定項目画面が表示部18に表示されると、CPU10は、操作部22からの指示信号の待機状態となる。
ステップS4において、使用者は、操作部22のXY操作キー43を操作して設定の変更を所望する項目の選択(設定項目選択)操作をおこなう。
例えば、表示部18の表示画面が図5に示す状態において、XY操作キー43の上向ボタン43a又は下向ボタン43bの操作をおこなうと、表示画面中において設定項目パネルCに対して上側又は下側に配置される設定項目パネルBを順次選択することができるようになる。また、XY操作キー43の左向ボタン43c又は右向ボタン43dの操作をおこなうと、表示画面中において設定項目パネルCに対して左側又は右側に配置される設定項目パネルAを順次選択することができるようになる。この場合において、XY操作キー43を操作する毎に例えば各設定項目パネルが選択状態となったとき、領域b(後述する図6参照)が強調表示(図6においてはグレー表記により表わしている)されることになる。この強調表示がなされている設定項目パネルの設定項目が設定変更し得る対象となる。
ここで、設定項目パネルA,B,Cは、図6の表に示すように複数の領域a,b,c等によって形成されている。領域aは、項目アイコンを表わす記号や文字等が表示され、その設定項目の固有の種類を示している。領域bは、設定変更のための選択操作の方向を示す記号(例えば矢印等)が表示される。領域cは、その設定項目において設定される各種の状態を表わす記号や文字等の情報が表示され、表示中の情報をXY操作キー43の操作によって変更することで、設定変更をおこなうことができるようになっている。
図6の表において、「(1)通常時」として示す欄は、設定項目パネルA,B,Cの表示状態が通常時の状態を示している。この通常時とは、設定項目に変更が加えられていない状態であって、かつXY操作キー43による選択状態ともなっていないときの状態をいう。
同表において、「(2)選択時」として示す欄は、設定項目パネルA,B,Cの選択設定が可能な状態を示している。この選択時とは、設定項目に変更が加えられていない状態であって、かつXY操作キー43による選択が可能となったときの状態をいう。このとき、各設定項目パネルの領域bは、例えば着色表示や点滅表示等によって他の領域とは異なる形態の表示となる。なお、図6では、表示形態の違いをグレー表記によって示している。
この表示形態のうち設定項目パネルCについては、XY操作キー43による選択が可能となったときの状態であって、上述の図4の状態においていずれかの撮影シーンを選択して、図5のシーン設定項目画面を表示させた直後の状態である。
同表において、「(3)選択時+設定変更時」として示す欄は、設定項目パネルA,B,Cの「(2)」の状態に加えて、設定項目に変更が加えられている状態を表わしている。したがって、このとき、各設定項目パネルの領域bに加えて、領域aの項目アイコンの表示部分が、例えば着色表示や点滅表示等の形態で表示されている。なお、この場合において、領域aと領域bの表示形態は、異なるもの(異なる色による着色表示等)としてもよいし、同様の形態(同色の着色表示等)としてもよい。
同表において、「(4)設定変更後」として示す欄は、上述の「(3)」の状態から選択設定状態が外れた状態、すなわち設定項目に変更が加えられた状態のみを表わしている。このとき、各設定項目パネルの領域aの項目アイコンの表示部分が、通常時とは異なる形態で表示されている。
図3に戻って、上記ステップS4にて、使用者による設定項目選択操作がなされると、まず、CPU10は、XY操作キー43の左向ボタン43c又は右向ボタン43dの操作がなされた否かの確認をおこなう(ステップS5)。
この場合において、左向ボタン43c又は右向ボタン43dからの指示信号が確認されると、CPU10は、設定項目パネルAが選択されたもの判断する(ステップS6)。
上述のように使用者がXY操作キー43の左向ボタン43c又は右向ボタン43dのいずれかを操作して、設定項目パネルAのいずれかの選択操作にかかると、CPU10は、まず設定項目パネルCに隣接しかつ指示された方向にある設定項目パネルAの表示を「選択時」の表示(図6の(2)欄参照)に切り換える。そして、XY操作キー43の左右向ボタン43c,43dからの指示信号を受けるたびに、隣接する設定項目パネルAの表示を「選択時」表示に切り換える一連の処理(設定項目選択処理)をおこなう(ステップS7)。そして、「選択時」表示となっている設定項目パネルAが選択された設定項目となる。
設定項目が選択されると、次にステップS8において、使用者は、操作部22のXY操作キー43の上向ボタン43a又は下向ボタン43b及び決定ボタン44を操作して設定値の選択(設定値選択)操作をおこなう。
この設定値選択操作は、所望の設定項目パネルAが「選択時」表示となっているとき、即ち選択された設定項目となっている状態において、XY操作キー43の上向ボタン43a又は下向ボタン43bを操作する。これによって生じる指示信号を受けて、CPU10は、領域cの表示を順次切り換えて表示する。
例えば、ここで選択された設定項目パネルAが、図7に示すような閃光発光装置の動作形態に関する設定項目であるとする。この場合において、図7に示すように領域aには、「閃光発光動作形態」を表わす項目アイコンが表示されている。また、領域bは、上下方向の矢印記号が、着色表示等の異なる形態で表示されている。そして領域cには、初期設定状態である「強制発光動作モード」を示す記号c1が表示されている。
この状態において、XY操作キー43の上向ボタン43a又は下向ボタン43bを操作する毎に、領域cの表示は、記号c1(強制発光)→記号c2(発光禁止)→記号c3(赤目軽減発光)→記号c4(自動発光制御)といったふうに順次切り換わる。そして、所望の動作形態を示す記号cを領域cに表示させた状態で、決定ボタン44を操作する。
すると、この決定ボタン44からの指示信号を受けて、CPU10は、選択された設定項目(領域c)の設定をおこなうと同時に、領域aの表示を着色表示等の表示形態に切り換える(図6の「(3)」参照)(ステップS9)。
そして、一連の処理シーケンスを終了する(リターン)。
一方、上述のステップS5において、CPU10が上向ボタン43a又は下向ボタン43bからの指示信号を確認すると、設定項目パネルBが選択されたもの判断して、次のステップS10の処理に進む。
使用者がXY操作キー43の上向ボタン43a又は下向ボタン43bのいずれかを操作して、設定項目パネルBのいずれかの選択操作にかかると、CPU10は、まず設定項目パネルCに隣接しかつ指示された方向にある設定項目パネルBの表示を「選択時」の表示(図6の(2)欄参照)に切り換える。そして、XY操作キー43の上下向ボタン43a,43bからの指示信号を受けるたびに、隣接する設定項目パネルBの表示を「選択時」表示に切り換える一連の処理(設定項目選択処理)をおこなう(ステップS11)。そして、「選択時」表示となっている設定項目パネルBが選択された設定項目となる。
設定項目が選択されると、次にステップS12において、使用者は、操作部22のXY操作キー43の左向ボタン43c又は右向ボタン43d及び決定ボタン44を操作して設定値の選択(設定値選択)操作をおこなう。
この設定値選択操作は、所望の設定項目パネルBが「選択時」表示となっているとき、即ち選択された設定項目となっている状態において、XY操作キー43の左向ボタン43c又は右向ボタン43dを操作する。これによって生じる指示信号を受けて、CPU10は、領域cの表示を順次切り換えて表示する。
例えば、ここで選択された設定項目パネルBが、図8に示すような露出補正値の設定項目であるとする。この場合において、図8に示すように領域aには、「露出補正」を表わす項目アイコンが表示されている。また、領域bは、左右方向の矢印記号が、着色表示等の異なる形態で表示されている。そして領域cには、初期設定状態である「露出補正値=プラスマイナス(±)0」を示す部位の目盛c5と、露出補正値「0」(ゼロ)の表示がなされている。
この状態において、XY操作キー43の左向ボタン43c又は右向ボタン43dを操作する毎に、領域cの表示は、露出補正値=−0.3←→−0.7←→−1.0というように順次切り換わる。なお、この場合において、左向ボタン43cを操作すれば補正値はマイナス側に、右向ボタン43dを操作すれば補正値はプラス側に、それぞれ変更することができるようになっている。そして、所望の補正値を領域cに表示させた状態で、決定ボタン44を操作する。
すると、この決定ボタン44からの指示信号を受けて、CPU10は、選択された設定項目(領域c)の設定をおこなうと同時に、領域aの表示を着色表示等の表示形態に切り換える(図6の「(3)」参照)(ステップS9)。
そして、一連の処理シーケンスを終了する(リターン)。
ところで、上述のようにしてシーン選択モードにて一括して設定される規定の撮影条件のうち一部の設定条件を、初期設定状態から使用者が任意に変更した場合、その変更後の設定条件を含む撮影条件に係る条件情報を一括して新たな撮影シーンとして保存し得るようにすれば、再度、同一の撮影条件にて所望のときにこれを読み出していつでも利用することができるようになる。
具体的には、例えば図9の表に示すように、初期設定状態(「設定前」の欄)から一部の設定条件を「設定後」の欄で示すごとくに変更した場合を考えてみる。
図9は、本実施形態のカメラのシーン選択モードにおいて一部の設定条件の変更をおこなった場合の設定前後のオブジェクトの表示形態の一例を示す図表である。
本カメラ1において撮影モードのシーン選択モードにて、使用者が所望の撮影シーンとして、例えば「風景+人物(記念撮影)」シーンを選択した場合の撮影条件の各設定項目は、図9の「設定前」の欄に示すようになる。
この状態が初期設定状態となり、各パネル表示の状態は、設定項目パネルCは、「風景+人物(記念撮影)」シーン(SCENE)を表わしており、設定項目パネルAのうち符号A1で示す「タイマー動作形態」の設定項目「OFF」,符号A2で示す「ドライブ動作形態」の設定項目「連写」,符号A3で示す「ISO感度」の設定項目「Auto」,符号A4で示す「ストロボ動作形態」の設定項目「強制発光」,符号A5で示す「マクロ撮影形態」の設定項目「OFF」,符号A6で示す「AF動作形態」の設定項目「ESP」を表わし、設定項目パネルBのうち符号B1で示す「露出補正値」の設定項目「補正値±0.0」を表わしている。なお、「ESP」(intelligent Electro Selective Pattern) は被写体が画面中央にない場合にも、焦点調節をおこないたい時に使用する動作形態(モード)である。
この状態において、使用者は一部の設定項目の設定条件を変更設定することで、各オブジェクトの表示が図9の「設定後」の欄に示すようになる。
即ち、設定変更後の各パネル表示の状態のうち変更が加えられたものでは、設定項目パネルAのうち符号A2で示す「ドライブ動作形態」の設定項目「OFF」,符号A3で示す「ISO感度」の設定項目「200」,符号A4で示す「ストロボ動作形態」の設定項目「OFF」,符号A6で示す「AF動作形態」の設定項目「スポット」にそれぞれ表示が変更されている。そして、この場合、受述したように設定変更があった設定項目パネルの領域aの表示が着色表示等の表示形態となる(図9ではグレー表記で表わしている)。
そして、使用者はこの状態において、操作部22のうちの所定の操作部材を操作することにより、この状態における撮影条件(「設定後」の状態の撮影条件)のセットを、例えば画像バッファーメモリー17等、カメラ1の内部における所定の記憶部に記憶保存させ、任意にいつでもその撮影条件を一括して設定し得る「マイ撮影シーン登録」をおこなうことができるようになっている。
この登録操作をおこなうことによって、設定項目パネルCは、図9の「設定前」の欄における符号C1及び図10に示す表示例から、同図の「設定後」の欄における符号C2及び図11に示す表示例のように、その表示が変更される。
このように「マイ撮影シーン登録」をおこなうことによって作成されるマイ撮影シーンを表わす表示は、その基準になった撮影シーンを表わす表示に対して、例えば図11に示すようにMY等の文字や、その旨を表わす形状の絵や、着色表示等が附加された形態のものとなる。
そして、このようにして任意に記憶保存されたマイ撮影シーンは、シーン選択モードによって選択し得る撮影シーンの一つとして本カメラ1に登録され、いつでも任意に呼び出して撮影条件を一括して設定できるようになる。
この一連の登録処理は、CPU10による制御により実現される。つまり、この場合において、CPU10は、変更された条件を含むシーンの種類(マイ撮影シーン)をシーン選択モードにおける変更シーン選択モードとして一括して登録する登録部としての役目をする。
次に、実施例2について以下に説明する。
カメラ1を用いて写真を撮影するのに際して、最適な撮影条件を適確に設定するためには、撮影環境や被写体状況に応じて細かな設定をおこなうことが望ましい。そのためには、各種の設定項目についての専門的な知識や写真撮影に関する経験等を必要とするのは当然である。
ところで、近年のデジタルカメラ等を用いて撮影した結果、取得される画像データには、その画像データの撮影取得時における撮影条件等、即ちカメラの各種設定状態等に関する各種の情報が付随データとして記録されるようになっている。そして、この情報データの内容については、撮影済みの画像データに基づく画像を表示装置等によって再生表示する際に、合わせて読み出し表示させることができるようになっているものである。
そこで、所望の撮影結果を備えた撮影済み画像データに付随している情報データを、カメラに取り込むことで、各種の撮影条件を設定することが考えられる。このようにすれば、写真的な専門知識や経験が無い使用者でも、撮影条件に関する細かな設定をおこなうことができ、これにより、使用者は所望の撮影結果を容易に取得し得ることが期待できる。
そこで、次に示す例は、本実施形態のカメラ1において実行可能な制御の一つであって、例えばインターネット上におけるウエッブサイト等に登録又は掲載されている画像データや撮影済みの画像データが記録された記録媒体等から、所望の画像データに付随する各種の設定条件等の情報データを参照し、これらの設定条件等を本カメラ1のシーン選択モードにおけるマイ撮影シーンの撮影条件としてカメラ1に記録保存し登録することができるようにする制御である。
図12は、本実施形態のカメラにおいて、撮影済み画像データからこれに付随する情報データを読み出し、これをカメラに登録するマイ撮影シーン登録の処理シーケンスを示すフローチャートである。図13〜図15は、図12のマイ撮影シーン登録処理時の各ステップにおける表示部の表示画面の表示例を示す図である。このうち、図13は、情報データを参照するのに際して撮影済みの複数のインデックス画像を表示画面に表示した状態を示す図である。図14は、図13の状態において所望の画像を選択した後、その選択画像についての画像データ及び情報データに基づいて画像と設定条件等を表示画面に表示した状態を示す図である。図15は、図14の表示される各種設定条件等をマイ撮影シーンとして登録するマイ撮影シーン登録処理の実行中の表示画面を示す図である。
まず、撮影済み画像データ等を記録した記録媒体を装着したカメラ1を、画像再生モードで起動させる。
この状態で、使用者は操作部22の所定の操作部材、例えばTWボタン42のWボタンの操作をおこなう。これを受けて、CPU10は、図12のステップS21において、「インデックス画面表示」処理を実行する。この「インデックス画像表示」処理は、表示部18の画面上において、図13に示すように複数の縮小画像を並べて表示する処理である。なお、図13において、表示部18の表示画面に表示し切れない画像がある場合には、表示画面の右端端部に縦スクロールバー18bが表示される。この場合、XY操作キー43の操作を続けることにより、画面全体が切り換わり次頁のインデックス画像表示画面が表示されるようになっているのは、従来一般的なデジタルカメラ等における画像再生モード時の表示制御と同様である。
次に、ステップS22において、使用者は表示部18の画面上に表示中の複数のインデックス画像から、所望の画像を特定し選択する「特定画像選択」操作をおこなう。「特定画像選択」操作は、例えば、図13の表示部18の表示画面上において、XY操作キー43の上下左右向ボタン43a,43b,43c,43dを用いて所望の画像を特定指示する。
つまり、インデックス画像表示がなされているとき、表示部18の画面上においては、複数のインデックス画像のうちの一つが選択画像枠18aによって識別されるようになっている。このとき、XY操作キー43を操作すると選択画像枠18aが上下左右方向に移動するようになっている。これにより、所望の画像を特定指示することになる。そして、この状態で、決定ボタン44を操作すると、そのとき選択画像枠18aによって他から識別されている画像が選択指示されることになる。
この決定ボタン44による選択指示操作を受けて、CPU10は、ステップS23において、「シーン設定項目画面表示」処理を実行する。この「シーン設定項目画面表示」処理は、上述のステップS22の処理において選択指示された画像データとこれに付随する情報データを読み込んで、所定の表示形態で表示部18に表示する処理である。この場合におけるシーン設定項目画面の表示形態は、例えば、図14に示すように表示部18の表示画面の略上半部の領域には、選択指示された画像データに付随する情報データに基づいて撮影条件の設定条件に関する情報が上述の設定項目パネルA,B,Cと同じ形態でなされる(図14の符号18c参照)。この撮影条件に関する表示形態は、上述した図5の表示形態と略同様のものである。
また、同時に表示部18の表示画面の略下半部の領域には、図14に示すように画像データのインデックス画像18dと、これに付随する情報データのうち、例えばファイル番号や撮影日時や画像解像度等の情報が文字等によって表示される(図14の符号18e参照)。
この表示状態にあるとき、使用者は、読み込んだ撮影条件の設定条件に対して、さらに好みの設定変更を加えることができる。
そのために、ステップS24において、使用者はXY操作キー43を用いて「設定項目選択」操作をおこなう。
また、ステップS25において、使用者はXY操作キー43を用いて「設定条件変更」操作をおこなう。
ここで、ステップS24,S25における各操作は、上述したシーン選択モードのうちの所望の撮影シーンに対する撮影条件の設定条件の変更操作と全く同じ操作である(図5参照)。
こうして登録すべき撮影条件の各設定条件が決定したら、次に、ステップS26において、使用者は所定の登録操作をおこなう。これを受けてCPU10は「登録」処理を実行する。この「登録」処理は、上述のステップS25の処理で最終的に設定し表示部18の表示画面上に表示中の各種設定条件等をマイ撮影シーンとして登録するマイ撮影シーン登録処理である。
例えば、使用者が操作部22のうちの所定の操作部材、例えばシャッターレリースボタン41等を操作する。これにより所定の登録指示信号が発生する。この登録指示信号を受けて、CPU10は表示部18の表示を図14の表示形態から図15の表示形態に切り換える。つまり、画面上において符号18fで示す確認メッセージを表示させる。
これを受けて使用者は、XY操作キー43の左右向ボタン43c,43dを操作して、登録決定する場合は「YES」を選択し、この時点で登録決定をしない場合は「NO」を選択する。この場合において、符号18eの領域における選択肢「YES」又は「NO」のいずれか一方が、例えば着色表示等によって識別可能な表示となっている。そして、XY操作キー43の左右向ボタン43c,43dの操作によって、この着色表示等の識別表示が切り換わるようになっている。
そして、所望の選択肢が着色表示されているときに、使用者は決定ボタン44を操作する。これにより、CPU10は所定の登録処理を完了する。その後、元のメインルーチンへ戻る(リターン)。
なお、上述した例では、カメラ1の表示部18に表示されるインデックス画像を選択し、その撮影条件を参照するようにしている。しかしながら、このマイ撮影シーン登録処理については、カメラのみで実行するのに限らず、例えば、撮影済みの画像データを複数記録した記録媒体を具備するコンピュータ上で動作するアプリケーションソフトウエアを用いても同様の処理を実現できる。
この場合には、撮影済み画像データに加えて、例えばインターネット上におけるウエッブサイト等に登録又は掲載されている画像についての画像データやその付随データ等をも参照することができる。
この場合において、撮影情報を参照するための画像データは、コンピュータの記録媒体、例えば内蔵固定型記録媒体(HDD等)や着脱式記録媒体に記録されているものでもよいし、コンピュータに対してケーブル接続や無線接続手段等によって電気的に接続されるカメラ1との間で通信をおこなうことにより、カメラ1の側の記録媒体に記録されているものでもよい。
また、この場合においては、コンピュータ側で撮影条件の設定条件に関する情報データを作成することになるので、最終的に作成した情報データは、例えば当該コンピュータとケーブル接続や無線接続手段等によって電気的に接続されるカメラ1に対して転送する処理が必要になる。または、作成した情報データを、コンピュータ及びカメラ1に対して共通して使用可能な着脱自在の記録媒体に記録し、これをカメラ1に装着した後、カメラ1に転送する処理をおこなうようにしてもよい。
また、マイ撮影シーン登録処理については、上述の例に限らず、次に示すように撮影動作時におこない得るようにする例も考えられる。
図16は、本実施形態のカメラの撮影動作の際に、撮影条件の変更をおこなって、その撮影条件の設定項目に関する情報データをカメラに登録するマイ撮影シーン登録の処理シーケンスの別の例を示すフローチャートである。また、図17は、図16のマイ撮影シーン登録処理時における表示部の表示画面の表示例を示す図である。
まず、カメラ1の動作モードが撮影動作モードで起動させる。そして、撮影モードを「シーン選択モード」に設定する。
この状態で、使用者は、図16のステップS31において、操作部22のXY操作キー43の操作によって「シーン選択」操作をおこなう。この操作は、上述の図4の状態でおこなう撮影シーンの選択操作と同様である。
これを受けて、CPU10は、ステップS32において、「シーン設定項目画面表示」処理を実行する。この「シーン設定項目画面表示」処理により、図17に示す表示が表示部18の表示画面になされる。なお、この時点にの表示は、図17の符号18fで示す領域に「変更前」のモニタ画像が表示され、同図符号18gで示す領域に、上述のステップS31の処理にて選択した撮影シーンにより規定される撮影条件に応じた設定項目パネルA,B,Cが並べて表示されている状態である。
この状態で、使用者は、ステップS33において、XY操作キー43を用いて「設定項目選択」操作をおこなう。
また、ステップS34において、使用者はXY操作キー43を用いて「設定条件変更」操作をおこなう。
ここで、ステップS33,S34における各操作は、上述したシーン選択モードのうちの所望の撮影シーンに対する撮影条件の設定条件の変更操作と略同様の操作である(図5参照。図12のステップS24,S25の処理と同様)。
なお、この場合において、XY操作キー43によって設定項目パネルを選択すると、その選択された設定項目パネルに応じた設定条件の項目が、図17の符号18iで示す領域に拡大表示されるようになっている。この拡大表示を見ながら使用者はXY操作キー43を用いて設定条件の変更操作をおこなう。
ステップS35において、CPU10は、画像処理部14を制御して「シミュレーション画像作成」処理を実行する。この「シミュレーション画像作成」処理は、モニタ画像に対して、上述のステップS33,S34の処理にて変更された設定条件を加味したシミュレーション画像を作成する画像処理である。
ここで、CPU10は、表示部18に表示される表示画像とCPU10(設定項目表示制御部)によって表示中の画像に付随する撮影条件とを、設定項目パネル(オブジェクト)として同表示部18に表示させ、設定項目パネル(オブジェクト)を用いて変更された撮影条件に係るシミュレーション画像を表示させるシミュレーション部としての役目もしている。
次いで、ステップS36において、CPU10は、表示処理部15を制御して、上述のステップS35の処理にて作成したシミュレーション画像を表示部18の表示画面上の所定の領域に表示させる「シミュレーション画像表示」処理を実行する。この場合において、、作成されたシミュレーション画像は、表示部18の表示画面上において図17の符号18hで示す領域に「変更後」のモニタ画像として表示される。
そして、使用者は、ステップS37において、上述のステップS36の処理で表示される「変更後」のモニタ画像を確認し、その結果でOKであれば、次のステップS38の処理に進む。また、その結果に不満足であれば、設定のやり直しをするために、上述のステップS32の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。
上述のステップS36の処理において、その結果(変更した設定条件の結果画像)がOKであると判断すると、使用者は所定の登録操作をおこなう。
これを受けて、ステップS38において、CPU10は「登録」処理を実行する。これにより、この時点で設定済みの設定条件であって、表示部18の表示画面上に表示中の各種設定条件をマイ撮影シーンとして登録される(リターン)。
ところで、従来の電子機器等において、表示装置を具備するものでは、その機器の操作方法等の取り扱い方を説明する文章等を表示装置に表示し得るようにしたものがある。
そこで、本実施形態のカメラ1においては、例えばシーン設定項目画面中の所定の領域に、図18に示すような「HELP」パネルを加えて表示するようにしてもよい。
図18は、本実施形態のカメラにおいて、「HELP」パネルを有するシーン設定項目画面の表示例を示す図である。図19は、図18のシーン設定項目画面から「HELP」パネルを選択指示した際の表示画面の表示例を示す図である。図20は、図19の表示画面において、縦スクロール操作をした場合の表示画面の表示例を示す図である。図21は、図20の表示画面において、さらに縦スクロール操作をした場合の表示画面の表示例を示す図である。
図18に示す「HELP」パネルは、シーン設定項目画面の表示中に各設定項目パネルに関する情報の一覧を表示するために設けられているものである。各設定項目パネルのそれぞれの内容を知りたい場合や、設定条件の変更をおこなうのに際して、いずれのパネルを選択すればよいかを調べる際に用いる。
使用者は、表示部18の表示画面にシーン設定項目画面が表示されている状態(図18の状態)で、XY操作キー43を操作して「HELP」パネルを選択し、決定ボタン44を操作する。これにより、表示部18に表示中のシーン設定項目画面(図18)は、図19に示す設定項目一覧表示に切り換わる。この設定項目一覧表示では、本カメラ1に登録されている設定項目に関する情報、例えば設定項目の名称や、各対応する設定項目パネルCの形態や、その設定項目に関する簡単な説明文等の情報等が一覧表示形式で表示部18の表示画面上に表示される。
なお、表示部18の表示画面に表示し切れない情報については、XY操作キー43の上下向ボタン43a,43bの操作によって縦スクロール操作をおこなうことで、表示画面上に表示し得るようになっている(図19,図20,図21参照)。
そうしてXY操作キー43を操作して所望の設定項目を探し、見つかったら所望の設定項目を選択した状態(図18の符号18aで示す選択指示枠を参照)で、決定ボタン44の操作をおこなう。これにより、その所望の設定項目が選択指示されることになる。
すると、設定項目一覧表示(この場合は図20参照)は、図18に示すシーン設定項目画面の表示に切り換わり、かつ先程選択指示した設定項目が選択された状態になる。
図18で示す例によって具体的に説明すると次の如くである。
即ち、先に、図20に示す設定項目一覧表示にて「閃光発光装置の動作形態」に関する設定項目を選択指示するものとする(符号18a参照)。
すると、これにより図18に示すシーン設定項目画面の表示に切り換わる。同時に、図18の表示画面においては、「閃光発光装置の動作形態」に関する設定項目パネルCが選択表示状態となる。つまり、領域bが着色表示等によって他と識別可能状態となる(図18ではハッチングで示している)。
この状態では、XY操作キー43の上下向ボタン43a,43bの操作をおこなうことで、設定条件の選択指示を実行することができる。
以上説明したように上記一実施形態によれば、被写体状況の指定に応じて撮影条件を一括設定するシーン選択モードにおいて、表示部18に表示される撮影シーンを示すモードオブジェクト(設定項目パネルC)をXY操作キー43によって選択し、これにより選択した撮影シーンについての撮影条件に関する各設定項目(例えばISO,ドライブ,タイマー,ストロボ,マクロ,AF,シャッタ,絞り,露出補正,AE,WB,…etc…)及びこの各設定項目のそれぞれに関する情報(個々の条件情報)は、各設定項目毎にオブジェクト(設定項目パネルA,B)単位で、表示部18に表示されるようにしている。
そして、第1のオブジェクト(設定項目パネルA)の各設定項目の各条件情報の変更操作は、XY操作キー43の上下向ボタン43a,43bの垂直方向操作によっておこなわれ、かつ設定項目パネルAの選択は、XY操作キー43の左右向ボタン43c,43dの水平方向操作によっておこなわれる。そのために、設定項目パネルAは、表示部18の画面上において水平方向に配列表示している。
また、第2のオブジェクト(設定項目パネルB)の各設定項目の各条件情報の変更操作は、XY操作キー43の左右向ボタン43c,43dの水平方向操作によっておこなわれ、かつ設定項目パネルBの選択は、XY操作キー43の上下向ボタン43a,43bの水平方向操作によっておこなわれる。そのために、設定項目パネルBは、表示部18の画面上において垂直方向に配列表示している。
このように各設定項目を示す設定項目パネルA,Bを、表示部18の画面上において効率的に配列表示するようにしたので、統一された操作体系で項目選択操作や条件変更操作を容易にかつ効率的におこなうことができる。また、視覚的にも理解しやすいように各設定項目パネル(オブジェクト)を配列表示されているので、極めて良好な操作性を確保することができる。
また、設定項目の条件情報が初期設定状態から変更されている場合には、モードオブジェクト(設定項目パネルC)の表示形態を、初期設定状態とは異なる表示形態(例えば着色表示や点滅表示等)で、表示するようにしたので、設定条件が初期値から変更されたか否かを容易に確認することができると共に、誤操作を防止することができる。
さらに、撮影済み画像データに付随する撮影条件等の情報データを、表示部18の表示画面上に画像とオブジェクト単位で表示させることができようにし、その表示画面上では、設定項目パネルA,B(オブジェクト)によって設定条件の変更操作をおこなうことができるようにしている。そして、変更された条件を含む撮影シーンをシーン選択モードにおけるマイ撮影シーン(変更シーン選択モード)として一括して登録することができ、また、登録した情報は一括して設定することができるようにしたので、使用者の好みに応じた撮影条件のセットを作成することができ、これを任意のときに利用することができる。したがって、一度登録をおこなっておけば、撮影動作のたびに煩雑な設定操作をおこなう必要がなくなり、かつ簡単な操作で各種の設定条件を一括して設定することができるので、使用者は、複雑な設定操作に煩わされず、撮影動作に専念することができるという効果がある。
また、実施形態はプログラムに従ったCPUの制御処理によって実現されるが、つまりこれは上記プログラム自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、このプログラム自体が本発明を構成する。
そして、これらのプログラムは上述のEEPROM以外の記録媒体の形式でもよく、カメラに着脱自在な記録媒体に格納されていてもよい。
記録媒体としては、フロッピー(登録商標)ディスクや磁気テープ媒体等の磁気記録媒体,CD−ROMやDVD等の光学記録媒体,MDやMO等の光磁気記録媒体,ICカード等の半導体メモリー媒体等を適用できる。そして、このプログラムが記憶した記録媒体自体も本発明を構成する。
また、専用通信ネットワークシステムやインターネット等に接続されたサーバーシステムに設けられるハードディスク媒体やRAM等の半導体メモリー等の格納装置を記録媒体として使用し、通信網を介してプログラムをカメラに提供するようにしてもよい。
あるいは、他のアプリケーションソフトウエア等と協働して、上述の実施形態の機能が実現される場合にも、かかるプログラムが本発明に含まれることは言うまでもない。
なお、本実施形態においては、プログラムをCPU上で実行することで、上述の機能を実現するものとしているが、これに限ることはなく、例えばハードウエアによって同様の機能を実現するようにしてもよい。
本発明の一実施形態のカメラの内部構成の概略を示すブロック構成図。
図1のカメラの背面側の外観を示す背面図。
図1のカメラにおいて、撮影モードのうちシーン選択モードが選択された際の作用の流れを示すフローチャート。
図1のカメラにおいて、撮影モードのうちシーン選択モードが選択された際の表示部の表示画面の例を示す図。
図1のカメラにおいて、図4の状態からさらにシーン選択モードのうち所望の撮影シーンが選択された際の表示部の表示画面の例を示す図。
図1のカメラにおいて、図5の状態で設定操作がなされる際の設定項目パネルの表示形態の変化を示す図表。
図1のカメラにおいて、図5に示す設定項目パネルAで示される項目(本例では閃光発光装置の制御に関する設定項目)の設定変更がなされた際の状態変化を示す図。
図1のカメラにおいて、図5に示す設定項目パネルBで示される項目(本例では露出補正量に関する設定項目)の設定変更がなされた際の表示変化を示す図。
図1のカメラのシーン選択モードにおいて一部の設定条件の変更をおこなった場合の設定前後のオブジェクトの表示形態の一例を示す図表。
図1のカメラにおいて、シー-M選択モードにおける初期設定状態の設定項目パネルCの表示例を示す図。
図1のカメラにおいて、マイ撮影シーン登録後の設定項目パネルCの表示例を示す図。
図1のカメラにおいて、撮影済み画像データからこれに付随する情報データを読み出し、これをカメラに登録するマイ撮影シーン登録の処理シーケンスを示すフローチャート。
図12のマイ撮影シーン登録処理において、情報データを参照するのに際して撮影済みの複数のインデックス画像を表示画面に表示した状態を示す図。
図13の状態において所望の画像を選択した後、その選択画像についての画像データ及び情報データに基づいて画像と設定条件等を表示画面に表示した状態を示す図。
図14の表示される各種設定条件等をマイ撮影シーンとして登録するマイ撮影シーン登録処理の実行中の表示画面を示す図。
図1のカメラの撮影動作の際に、撮影条件の変更をおこなって、その撮影条件の設定項目に関する情報データをカメラに登録するマイ撮影シーン登録の処理シーケンスの別の例を示すフローチャート。
図16のマイ撮影シーン登録処理時における表示部の表示画面の表示例を示す図。
図1のカメラにおいて、「HELP」パネルを有するシーン設定項目画面の表示例を示す図。
図18のシーン設定項目画面から「HELP」パネルを選択指示した際の表示画面の表示例を示す図。
図19の表示画面において、縦スクロール操作をした場合の表示画面の表示例を示す図。
図20の表示画面において、さらに縦スクロール操作をした場合の表示画面の表示例を示す図。
符号の説明
1……カメラ
10……CPU
11……撮影レンズ
12……撮像素子
13……撮像部
14……画像処理部
15……表示処理部
16……圧縮伸長部
17……画像バッファーメモリー
18……表示部
19……メモリインターフェース(I/F)
20……画像保存メモリー
21……ROM
22……操作部
41……シャッターレリースボタン
42……TWボタン
43……XY操作キー
43a……上向ボタン
43b……上下向ボタン
43c……左向ボタン
43d……右向ボタン
44……決定ボタン
45……撮影モード選択ダイヤル