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JP4775264B2 - 映像音声記録装置及び方法、並びに、映像音声再生装置及び方法 - Google Patents

映像音声記録装置及び方法、並びに、映像音声再生装置及び方法 Download PDF

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JP4775264B2 JP2006545167A JP2006545167A JP4775264B2 JP 4775264 B2 JP4775264 B2 JP 4775264B2 JP 2006545167 A JP2006545167 A JP 2006545167A JP 2006545167 A JP2006545167 A JP 2006545167A JP 4775264 B2 JP4775264 B2 JP 4775264B2
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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体を撮像した映像信号と被写体から発せられた音を含む撮影者の周囲音を集音した音声信号とを記録する映像音声記録装置及び方法、並びに、記録媒体に記録した映像信号と音声信号とを再生する映像音声再生装置及び方法に係り、特に撮像した映像と共に臨場感のある音声を再生することができる映像音声記録装置及び方法、並びに、映像音声再生装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
被写体を撮像した映像信号と被写体から発せられた音を含む撮影者の周囲音を集音した音声信号とを記録する映像音声記録再生装置(いわゆるビデオカメラ)が普及している。この種の映像音声記録再生装置は音声をステレオ録音するためのステレオマイクを備えている。近年、映像音声記録再生装置は小型化が一段と進んでおり、小型化された映像音声記録再生装置に搭載したステレオマイクでは臨場感のある音声を記録しにくいという問題がある。そこで、より臨場感のある音声を記録することができる映像音声記録再生装置が望まれている。
【0003】
国際公開第96/10884号パンフレットには、映像音声記録再生装置本体の両側に耳構造体を配置することにより、被写体を撮像した映像信号と共に撮影者の周囲の音場をバイノーラル集音した音声を記録することができる映像音声記録再生装置が開示されている。
【0004】
しかしながら、上記文献に開示されている、バイノーラルマイクを装置本体に取り付けた映像音声記録再生装置では、装置本体の横幅、即ち左右のマイクの間隔が人頭と同程度でなければ臨場感のある音声を記録することができない。近年製品化されている映像音声記録再生装置本体は、高密度記録技術、ディジタル信号記録技術及び映像圧縮処理技術の進歩に伴って小型化されているので、映像音声記録再生装置本体にバイノーラル集音を目的とするマイクを搭載しても期待するほどの効果が得られない。また、装置の形状が人頭とは大きく異なるので、上記文献に開示されているような効果を得ることは困難と考えられる。
【発明の開示】
[0005] 本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、装置本体の大きさや形状に関係なく、撮像した映像と共に臨場感のある音声を再生することができる映像音声記録装置及び方法、並びに、映像音声再生装置及び方法を提供することを目的とする。
[0006] また、被写体をズームアップして撮影する場合に、被写体のズームアップに連動してさらに臨場感のある音声を再生することができる映像音声記録装置及び方法、並びに、映像音声再生装置及び方法を提供することを目的とする。
[0007] さらに、再生信号を視聴する視聴者とバイノーラル集音した撮影者とが異なる場合のように、任意の撮影者が撮影して任意の視聰者が視聰する場合でも、違和感のほとんどない臨場感のある音声を受聴することができる映像音声再生装置及び方法を提供することを目的とする。
[0014] 本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、被写体を撮像した映像信号と、前記被写体から発せられた音を含む撮影者の周囲音を集音した音声信号とが記録された記録媒体を再生する映像音声再生装置において、前記記録媒体に記録された記録信号を再生する再生部と、前記再生部によって再生された前記記録信号から前記映像信号と前記音声信号とを分離する分離化部と、前記分離化部によって分離された前記映像信号を処理するビデオ処理部と、前記分離化部によって分離された前記音声信号を処理するオーディオ処理部と、前記記録媒体に、前記周囲音を集音するマイクとして前記撮影者の耳に装着するバイノーラルマイクを使用したことを示すバイノーラルフラグ信号が記録されているとき、前記バイノーラルフラグ信号を取得するフラグ情報取得部と、前記フラグ情報取得部が前記バイノーラルフラグ信号を取得したとき、前記オーディオ処理部によって処理された前記音声信号をスピーカによって発音した場合に発生するクロストーク信号を打ち消すよう前記音声信号を処理するクロストークキャンセラとを備え、前記クロストークキャンセラは前記音声信号に対して予め求めたフィルタ特性を畳み込むフィルタを有し、前記フィルタ特性は、測定信号を円筒型構造体の表面部に装着した一対のマイクで集音した音声信号を用いて計測した頭部伝達関数に基づいたフィルタ特性であることを特徴とする映像音声再生装置を提供する。
【0015】
また、被写体を撮像した映像信号と、前記被写体から発せられた音を含む撮影者の周囲音を集音した音声信号とが記録された記録媒体を再生する映像音声再生方法において、前記記録媒体に記録された記録信号を再生する再生ステップと、前記再生ステップにて再生された前記記録信号から前記映像信号と前記音声信号とを分離する分離化ステップと、前記分離化ステップにて分離された前記映像信号を処理するビデオ処理ステップと、前記分離化ステップによって分離された前記音声信号を処理するオーディオ処理ステップと、前記記録媒体に、前記周囲音を集音するマイクとして前記撮影者の耳に装着するバイノーラルマイクを使用したことを示すバイノーラルフラグ信号が記録されているとき、前記バイノーラルフラグ信号を取得するフラグ情報取得ステップと、前記フラグ情報取得ステップにて前記バイノーラルフラグ信号を取得したとき、前記オーディオ処理ステップにて処理された前記音声信号をスピーカによって発音した場合に発生するクロストーク信号を打ち消すよう前記音声信号を処理するクロストークキャンセルステップとを有し、前記クロストークキャンセルステップは前記音声信号に対して予め求めたフィルタ特性を畳み込むステップであり、前記フィルタ特性は、測定信号を円筒型構造体の表面部に装着した一対のマイクで集音した音声信号を用いて計測した頭部伝達関数に基づいたフィルタ特性であることを特徴とする映像音声再生方法を提供する。
本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、被写体を撮像した映像信号と、前記被写体から発せられた音を含む撮影者の周囲音を集音した音声信号とを記録し再生する映像音声記録再生装置において、前記被写体を撮像するカメラ部と、前記周囲音を集音するマイクとして、前記撮影者の耳に装着するバイノーラルマイクを使用するかバイノーラルマイク以外のマイクを使用するかを切り替える切り替え部と、前記カメラ部より出力された映像信号を処理する第1のビデオ処理部と、前記周囲音を集音するマイクより出力された音声信号を処理する第1のオーディオ処理部と、前記切り替え部によって前記周囲音を集音するマイクとして前記バイノーラルマイクに切り替えた場合に、前記周囲音を集音する際の音声モードをバイノーラルモードとして、バイノーラルモードであることを示すバイノーラルフラグ信号を生成するフラグ情報生成部と、前記切り替え部によって前記周囲音を集音するマイクとして前記バイノーラルマイクに切り替えた場合に、前記第1のビデオ処理部によって処理された映像信号と、前記第1のオーディオ処理部によって処理された音声信号であって、前記撮影者の頭部と前記バイノーラルマイクとの位置関係によるバイノーラル音響特性が与えられた周囲音を集音した前記バイノーラルマイクより出力された音声信号と、前記バイノーラルフラグ信号とを記録媒体に記録する記録部と、前記記録媒体に記録された記録信号を再生する再生部と、前記再生部によって再生された前記記録信号から前記映像信号と前記音声信号とを分離する分離化部と、前記分離化部によって分離された前記映像信号を処理する第2のビデオ処理部と、前記分離化部によって分離された前記音声信号を処理する第2のオーディオ処理部と、前記記録媒体に前記バイノーラルフラグ信号が記録されているとき、前記バイノーラルフラグ信号を取得するフラグ情報取得部と、前記フラグ情報取得部が前記バイノーラルフラグ信号を取得したとき、前記第2のオーディオ処理部によって処理された前記音声信号をスピーカによって発音した場合に発生するクロストーク信号を打ち消すよう前記音声信号を処理するクロストークキャンセラとを備え、前記クロストークキャンセラは前記音声信号に対して予め求めたフィルタ特性を畳み込むフィルタを有し、前記フィルタ特性は、測定信号を円筒型構造体の表面部に装着した一対のマイクで集音した音声信号を用いて計測した頭部伝達関数に基づいたフィルタ特性であることを特徴とする映像音声記録再生装置を提供する。
この構成において、前記映像音声記録装置に内蔵されている内蔵マイクと、外部マイク接続端子と、前記外部マイク接続端子に接続して使用する外部マイクとして、前記バイノーラルマイクかバイノーラルマイク以外のマイクかを設定する設定部と、前記外部マイク接続端子に外部マイクが接続されているか否かを検出する接続検出部と、前記オーディオ処理部に供給する音声信号として、前記内蔵マイクより出力された音声信号と前記外部マイクより出力された音声信号とを切り替えるスイッチと、前記設定部によって前記外部マイクがバイノーラルマイクに設定され、前記接続検出部によって前記外部マイク接続端子に外部マイクが接続されていることが検出されたとき、音声モードを前記バイノーラルモードとする制御部とを備え、前記制御部は、音声モードが前記バイノーラルモードのとき、前記スイッチが前記外部マイクより出力された音声信号を前記オーディオ処理部に供給するよう前記スイッチを切り替え制御し、前記フラグ情報生成部が前記バイノーラルフラグ信号を生成するよう前記フラグ情報生成部を制御することが好ましい。
また、前記カメラ部より出力された映像信号を表示する表示部を備え、音声モードが前記バイノーラルモードのとき、前記表示部に前記バイノーラルモードであることを示すバイノーラルマークを表示させる表示制御部を備えることが好ましい。
さらに、前記カメラ部は前記被写体を拡大して撮像するズーム機能を有し、前記バイノーラルマイクによって集音された音声信号を前記カメラ部における拡大率に応じて増幅する音声ズーム処理部を備えることが好ましい。
さらにまた、前記カメラ部は前記被写体を拡大して撮像するズーム機能を有し、前記バイノーラルマイクが集音する音声信号の音源を仮想的に受聴者に接近させて仮想音源を形成するための頭部伝達関数を前記仮想音源と前記受聴者との複数の距離に対応させて記憶する伝達関数メモリと、この伝達関数メモリに記憶された複数の頭部伝達関数のいずれかを前記カメラ部における拡大率に応じて選択的に取得する関数取得器と、前記バイノーラルマイクによって集音された音声信号に対して前記関数取得器にて取得された頭部伝達関数を畳み込む畳み込み演算器とを有する音声ズーム処理部を備えることが好ましい。
本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、被写体を撮像した映像信号と、前記被写体から発せられた音を含む撮影者の周囲音を集音した音声信号とを記録し再生する映像音声記録再生方法において、前記被写体を撮像する撮像ステップと、前記周囲音を集音するマイクとして、前記撮影者の耳に装着するバイノーラルマイクを使用するかバイノーラルマイク以外のマイクを使用するかを切り替える切り替えステップと、前記被写体を撮像した映像信号を処理する第1のビデオ処理ステップと、前記周囲音を集音するマイクより出力された音声信号を処理する第1のオーディオ処理ステップと、前記切り替えステップにて前記周囲音を集音するマイクとして前記バイノーラルマイクに切り替えた場合に、前記周囲音を集音する際の音声モードをバイノーラルモードとして、バイノーラルモードであることを示すバイノーラルフラグ信号を生成するフラグ情報生成ステップと、前記切り替えステップにて前記周囲音を集音するマイクとして前記バイノーラルマイクに切り替えた場合に、前記第1のビデオ処理ステップにて処理された映像信号と、前記第1のオーディオ処理ステップにて処理された音声信号であって、前記撮影者の頭部と前記バイノーラルマイクとの位置関係によるバイノーラル音響特性が与えられた周囲音を集音した前記バイノーラルマイクより出力された音声信号と、前記バイノーラルフラグ信号とを記録媒体に記録する記録ステップと、前記記録媒体に記録された記録信号を再生する再生ステップと、前記再生ステップにて再生された前記記録信号から前記映像信号と前記音声信号とを分離する分離化ステップと、前記分離化ステップにて分離された前記映像信号を処理する第2のビデオ処理ステップと、前記分離化ステップによって分離された前記音声信号を処理する第2のオーディオ処理ステップと、前記記録媒体に前記バイノーラルフラグ信号が記録されているとき、前記バイノーラルフラグ信号を取得するフラグ情報取得ステップと、前記フラグ情報取得ステップにて前記バイノーラルフラグ信号を取得したとき、前記第2のオーディオ処理ステップにて処理された前記音声信号をスピーカによって発音した場合に発生するクロストーク信号を打ち消すよう前記音声信号を処理するクロストークキャンセルステップとを有し、前記クロストークキャンセルステップは前記音声信号に対して予め求めたフィルタ特性を畳み込むステップであり、前記フィルタ特性は、測定信号を円筒型構造体の表面部に装着した一対のマイクで集音した音声信号を用いて計測した頭部伝達関数に基づいたフィルタ特性であることを特徴とする映像音声記録再生方法。
【図面の簡単な説明】
[0016][図1]図1は、本発明の第1の実施形態に係る映像音声記録再生装置を示す外観斜視図である。
[図2]図2は、本発明の第1の実施形態に係る映像音声記録再生装置を用いて被写体を撮影している状態を示す図である。
[図3]図3は、本発明の第1の実施形態に係る映像音声記録再生装置の内部構成例
【図4】図4は、本発明の各実施形態に係る映像音声記録再生装置において音声モードの初期設定を行う表示画面を示す図である。
【図5】図5は、本発明の各実施形態に係る映像音声記録再生装置におけるバイノーラルマイクの表示例を示す図である。
【図6】図6は、本発明の各実施形態に係る映像音声記録再生装置で用いるバイノーラルマイクの変形例を示す図である。
【図7】図7は、本発明の各実施形態に係る映像音声記録再生装置で用いるバイノーラルマイクの変形例を示す図である。
【図8】図8は、本発明の各実施形態に係る映像音声記録再生装置で用いるバイノーラルマイクの変形例を示す図である。
【図9】図9は、本発明の各実施形態に係る映像音声記録再生装置におけるバイノーラルフラグ信号の記述フォーマットの一例を示す図である。
【図10】図10は、本発明の各実施形態に係る映像音声記録再生装置におけるバイノーラルフラグ信号の記述フォーマットの他の例を示す図である。
【図11】図11は、本発明の各実施形態に係る映像音声記録再生装置におけるバイノーラルフラグ信号の記述フォーマットのさらに他の例を示す図である。
【図12】図12は、本発明の第1の実施形態に係る映像音声記録再生装置における記録動作を説明するためのフローチャートである。
【図13】図13は、本発明の第1の実施形態に係る映像音声記録再生装置における再生動作を説明するためのフローチャートである。
【図14】図14は、本発明の各実施形態に係る映像音声記録再生装置で用いるクロストークキャンセラの構成例を示すブロック図である。
【図15】図15は、本発明の各実施形態に係る映像音声記録再生装置で用いるクロストークキャンセラで用いる頭部伝達関数特性を求めるための頭部伝達関数測定装置を示す図である。
【図16】図16は、図15に示す頭部伝達関数測定装置で用いるマイクユニットを取り付けた円筒形構造体と比較のためのダミーヘッドマイクを示す図である。
【図17】図17は、図15に示す頭部伝達関数測定装置で測定したインパルス応答波形を示す波形図である。
【図18】図18は、図15に示す頭部伝達関数測定装置で測定した周波数特性を示す波形図である。
【図19】図19は、ダミーヘッドマイクを用いて測定したインパルス応答波形を示す波形図である。
【図20】図20は、ダミーヘッドマイクを用いて測定した周波数特性を示す波形図である。
【図21】図21は、マイクユニットを取り付けた円筒形構造体を用いて測定した頭部伝達関数に基づくフィルタ特性によるクロストークキャンセル特性を説明するための図である。
【図22】図22は、ダミーヘッドマイクを用いて測定した頭部伝達関数に基づくフィルタ特性によるクロストークキャンセル特性を説明するための図である。
【図23】図23は、マイクユニットを取り付けた円筒形構造体を用いて測定した頭部伝達関数に基づくフィルタ特性によるクロストークキャンセル特性を説明するための図である。
【図24】図24は、ダミーヘッドマイクを用いて測定した頭部伝達関数に基づくフィルタ特性によるクロストークキャンセル特性を説明するための図である。
【図25】図25は、本発明の各実施形態に係る映像音声記録再生装置で用いるクロストークキャンセラの他の構成例を示すブロック図である。
【図26】図26は、本発明の各実施形態に係る映像音声記録再生装置で用いるクロストークキャンセラのさらに他の構成例を示すブロック図である。
【図27】図27は、本発明の各実施形態に係る映像音声記録再生装置におけるヘッドフォンでの再生動作を示すフローチャートである。
【図28】図28は、本発明の第2の実施形態に係る映像音声記録再生装置の内部構成例を示すブロック図である。
【図29】図29は、本発明の第2の実施形態に係る映像音声記録再生装置における音声ズーム処理部の構成例を示すブロック図である。
【図30】図30は、本発明の第2の実施形態に係る映像音声記録再生装置において音声ズーム処理を行う場合の動作を説明するためのフローチャートである。
【図31】図31は、本発明の第2の実施形態に係る映像音声記録再生装置における音声ズーム処理部の他の構成例を示すブロック図である。
【図32】図32は、図31の音声ズーム処理部の他の構成例で用いる頭部伝達関数を求めるための頭部伝達関数測定装置を示す図である。
【図33】図33は、図32の頭部伝達関数測定装置で用いるダミーヘッドマイクを示す断面図である。
【図34】図34は、図32の頭部伝達関数測定装置で測定して得られた頭部伝達関数の特性を示す図である。
【図35】図35は、図32の頭部伝達関数測定装置で測定して得られた頭部伝達関数の特性を示す図である。
【図36】図36は、図32の頭部伝達関数測定装置で測定して得られた頭部伝達関数の特性を示す図である。
【図37】図37は、図32の頭部伝達関数測定装置で測定して得られた頭部伝達関数の特性を示す図である。
【図38】図38は、図32の頭部伝達関数測定装置で測定して得られた頭部伝達関数の特性を示す図である。
【図39】図39は、図32の頭部伝達関数測定装置で測定して得られた頭部伝達関数の特性を示す図である。
【図40】図40は、本発明の第2の実施形態に係る映像音声記録再生装置において図31に示す音声ズーム処理部の他の構成例を用いて音声ズーム処理を行う場合の動作を説明するためのフローチャートである。
【図41】図41は、本発明の第3の実施形態に係る映像音声記録再生装置の内部構成例を示すブロック図である。
【図42】図42は、本発明の第3の実施形態に係る映像音声記録再生装置における音声ズーム処理部の構成例を示すブロック図である。
【図43】図43は、本発明の第3の実施形態に係る映像音声記録再生装置における音声ズーム処理部の他の構成例を示すブロック図である。
【図44】図44は、本発明の第4の実施形態に係る映像音声記録再生装置の内部構成例を示すブロック図である。
【図45】図45は、本発明の第4の実施形態に係る映像音声記録再生装置における音声ズーム処理部の構成例を示すブロック図である。
【図46】図46は、本発明の第4の実施形態に係る映像音声記録再生装置におけるマニュアル音声ズーム処理を説明するためのフローチャートである。
【図47】図47は、本発明の第5の実施形態に係る映像音声記録再生装置の内部構成例を示すブロック図である。
【図48】図48は、本発明の第5の実施形態に係る映像音声記録再生装置における音声ズーム処理部の構成例を示すブロック図である。
【図49】図49は、本発明の第6の実施形態に係る映像音声記録再生装置を示す外観斜視図である。
【図50】図50は、本発明の第6の実施形態に係る映像音声記録再生装置の内部構成例を示すブロック図である。
【図51】図51は、本発明の第6の実施形態に係る映像音声記録再生装置におけるコード収納部の構造例を示す平面図である。
【図52】図52は、本発明の第7の実施形態に係る映像音声記録再生装置を示す外観斜視図である。
【図53】図53は、本発明の第7の実施形態に係る映像音声記録再生装置の内部構成例を示すブロック図である。
【図54】図54は、本発明の第7の実施形態に係る映像音声記録再生装置における無線型バイノーラルマイクと無線送受信部の具体的構成例を示すブロック図である。
【図55】図55は、本発明の第7の実施形態に係る映像音声記録再生装置において無線型バイノーラルマイクが通信可能圏を越えた場合の警告を説明するための図である。
【図56】図56は、本発明の第7の実施形態に係る映像音声記録再生装置において無線型バイノーラルマイクが通信可能圏を越えた場合に表示部に表示させる警告マークの例を示す図である。
【図57】図57は、本発明の第7の実施形態に係る映像音声記録再生装置における動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の映像音声記録装置及び方法、並びに、映像音声再生装置及び方法の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0018】
≪第1の実施形態≫
図1は、第1の実施形態である映像音声記録再生装置101の外観構成例を示す斜視図である。
【0019】
図1に示す映像音声記録再生装置101は、カメラ部11、表示部17、内蔵ステレオマイク21a,21b、外部マイク接続端子32を備えて構成されている。外部マイク接続端子32には無指向性の左右のマイク31a及び31bを有するイヤホン型のバイノーラルマイク3が着脱自在に接続される。ここでは、バイノーラルマイク3を外部マイク接続端子32に接続した状態を図示している。マイク31a,31bは内部に振動板を備える。映像音声記録再生装置101は後に詳述するように、内蔵ステレオマイク21a,21bを用いた撮影(音声収録)とバイノーラルマイク3を用いた撮影(音声収録)とを選択的に行うことができるようになされている。なお、撮影とは、単に被写体の映像を撮像するだけでなく、被写体の映像を撮像することと被写体から発せられた音を含む撮影者の周囲音を集音することの双方を意味する場合がある。
【0020】
図2は、撮影者300が映像音声記録再生装置101を用いて図示しない被写体を撮影している状態を示している。バイノーラルマイク3を用いて集音しながら被写体を撮影する場合には、図2に示すように、撮影者300は左右の耳302に左右のマイク31a,31bを装着する。これにより、撮影者300の頭部30とマイク31a,31bとの位置関係により与えられるバイノーラル音響特性で被写体から発せられた音を含む撮影者300の周囲音が集音される。撮影者300は、表示部17に表示される被写体のモニタ映像を目視しながら、被写体をカメラ部11で撮影すると共に周囲音をバイノーラルマイク3で集音する。後に詳述するように、カメラ部11で撮像した映像信号とバイノーラルマイク3で集音した音声信号がここでは図示していない記録媒体に記録される。また、後に詳述するように、記録媒体に記録された映像信号は、視聴者があたかも撮影者300と同じ撮影環境で視聴しているような臨場感を有する音声と共に再生される。
【0021】
図3は、映像音声記録再生装置101の具体的な内部構成例を示すブロック図である。
【0022】
映像音声記録再生装置101は、カメラ部11、ビデオ符号化部12、多重化部13、記録・再生部14、分離化部15、ビデオ復号化部16、表示部17、内蔵ステレオマイク21(21は21a,21bの総称)、オーディ符号化部22、オーディオ復号化部26、クロストークキャンセラ27、外部マイク接続端子32、フラグ情報取得部36、映像出力端子37a、音声出力端子37b、接続検出部41、フラグ情報生成部42、記録媒体44、制御部47、操作部48、スイッチSw1,Sw2,Sw3を備えて構成されている。なお、記録媒体44としては、ディスク状記録媒体やテープカセットのような着脱自在の記録媒体でもよいし、ハードディスクのように映像音声記録再生装置101内に予め装着されている記録媒体であってもよい。
【0023】
映像出力端子37aにはテレビジョン受像機等のモニタ52が接続される。音声出力端子37bにはアンプ51を介してスピーカ53,54が接続される。スピーカ53,54から発音された音声は視聴者59により受聴される。なお、図3では便宜上、撮影者300と視聴者59とを同時に図示しているが、通常は撮影者300による撮影と視聴者59による再生映像・音声の視聴は別個に行われることは言うまでもない。
【0024】
<記録動作>
映像音声記録再生装置101における記録動作について説明する。
【0025】
まず、撮影者300が操作部48により音声モードの初期設定画像(ウインドウ)を表示させる操作を行うと、制御部47は一例として図4に示すような初期設定画像170を表示部17に表示させる。外部マイク接続端子32には、外部マイクとして、図1,図2で説明したようなバイノーラルマイク3と通常の外部マイクとのいずれも接続することができる。操作部48による所定の操作により、撮影者300はバイノーラルマイク3を用いて集音する場合には、図4に示すように“バイノーラル”を選択し、通常の外部マイクを用いて集音する場合には“ノーマル”を選択する。制御部47は、外部マイク接続端子32に接続して使用する外部マイクとして、バイノーラルマイク3かバイノーラルマイク以外のマイクかを設定する設定部となっている。外部マイク入力として“バイノーラル”が選択され、かつ、接続検出部41が外部マイク接続端子32に外部マイクのプラグが挿入されていることを検出した場合に、制御部47は、映像音声記録再生装置101がバイノーラルマイク3を用いた撮影に対応した記録動作を行うよう回路各部を制御する。バイノーラルマイク3を用いて周囲音を集音して、集音した音声信号を記録する音声モードをバイノーラルモードと称することとする。内蔵ステレオマイク21または通常の外部マイクを用いて周囲音を集音して、集音した音声信号を記録する音声モードをノーマルモードとする。
【0026】
なお、バイノーラルマイク3のプラグを通常の外部マイクとは異なるバイノーラルマイク3専用の形状とし、外部マイク接続端子32をバイノーラルマイク3専用の接続端子とすれば、前述の音声モードの初期設定を省略することができる。
【0027】
具体的には、図3において、接続検出部41は外部マイク接続端子32に外部マイクが接続されていることを検出すると、検出信号を制御部47に供給する。制御部47は外部マイクが“バイノーラル”に設定された状態で外部マイクが接続されていることを示す検出信号が入力されたら、スイッチSw1を内蔵ステレオマイク21からの音声信号を入力する端子aから、バイノーラルマイク3からの音声信号を入力する端子bへと切り替える。これにより、バイノーラルマイク3からの音声信号がオーディ符号化部22へと供給される。スイッチSw1は周囲音を集音するマイクとして、撮影者300の耳302に装着するバイノーラルマイクを使用するかバイノーラルマイク以外のマイクを使用するかを切り替える切り替え部となっている。
【0028】
また、制御部47は、フラグ情報生成部42がバイノーラルモードであることを示すフラグ情報(バイノーラルフラグ信号)を生成して出力するよう制御する。バイノーラルフラグ信号は多重化部13に入力される。
【0029】
このようにバイノーラルモードの設定がされた場合、制御部47は表示部17にバイノーラルモードとなっていることを示すマークを表示させることが好ましい。図5にマークの例を示す。図5(A)に示すマーク171はバイノーラルマイク3を使用する撮影者300を模式的に示すマークであり、図5(B)に示すマーク172はバイノーラル音声のスピーカ再生を模式的に示すマークである。バイノーラルモードを示すマークとしては図5(A),(B)いずれのマークを用いてもよく、勿論これ以外のマークを用いてもよい。これらのマークは、前述の初期設定終了後や外部マイク接続端子32にバイノーラルマイク3が接続された場合にカメラ部11で撮影された映像に重畳して表示部17に表示させればよい。このようなマーク表示により撮影者300はバイノーラルマイク3を使用する際に、音声モードがバイノーラルモードに設定されているか否かを確認することができる。制御部47は、音声モードがバイノーラルモードのとき、表示部17にバイノーラルモードであることを示すバイノーラルマーク(マーク171,172)を表示させる表示制御部となっている。
【0030】
バイノーラルマイク3の左右のマイク31a,31bを左右の耳302に装着した撮影者300は被写体をカメラ部11で撮像する。カメラ部11から出力された映像信号はビデオ符号化部(ビデオ処理部)12及びスイッチSw3の端子gに入力される。映像音声記録再生装置101で撮影(記録)を行っている場合には、スイッチSw3は端子gに切り替えられていて、カメラ部11からの映像信号が表示部17に供給されて被写体の画像が表示される。これと同時に、撮影者300の頭部30とマイク31a,31bとの位置関係により、マイク31a,31からは被写体を正中面方向とするバイノーラル集音した音声信号が得られる。この音声信号はスイッチSw1を介してオーディ符号化部(オーディオ処理部)22に入力される。
【0031】
ここでは記録媒体44がDVカセットの場合について説明すると、ビデオ符号化部12は入力された映像信号をA/D変換すると共にDV圧縮方式により符号化して符号化映像信号を生成する。オーディ符号化部22は入力された音声信号をA/D変換すると共に非圧縮の音声信号のデータ位置をシャフリングにより並び替えて符号化音声信号を生成する。
【0032】
多重化部13は、入力された符号化映像信号と符号化音声信号とバイノーラルフラグ信号とを民生用ディジタルVCR仕様で定められる信号フォーマットに従って時分割多重して多重化信号を生成する。多重化部13より出力された多重化信号は記録・再生部14に入力される。記録・再生部14は入力された多重化信号を民生用ディジタルVCR仕様で定められた記録フォーマットに従って記録媒体44に記録する。バイノーラルフラグ信号の具体的な記録方法は後に詳述する。
【0033】
ここで、バイノーラルマイク3の変形例について説明する。
【0034】
<バイノーラルマイク3の変形例>
図6(A)はマイク31a,31bの第1の変形例であるマイク31cを示しており、図6(B)はマイク31a,31bの第2の変形例であるマイク31dを示している。図6(A)に示すマイク31cは、撮影者300の耳302に挿入するマイク保持部312と、マイク保持部312の上部に連結して設けられており、振動板等のマイクユニットを収納するマイク収納部311とを備えている。バイノーラルマイク3をマイク収納部311とマイク保持部312とに分離した構造のマイク31cとすることにより、撮影者300はバイノーラルマイク3を装着しても外部から到来する音を良好に聞くことができる。図6(B)に示すマイク31dは、マイク保持部312の下部に連結してマイク収納部311を設けたものである。マイク31dでもマイク31cと同様の効果がある。
【0035】
図7はマイク保持部312の具体的構成例を示す斜視図である。ここではマイク保持部312の上部にマイク収納部311を設けた図6(A)のマイク31cについて示している。図7(A)に示すマイク保持部312は、保持部本体312aに、耳302の内部に向かうに従って径が小さくなるテーパ状の通音孔313aを形成したものである。図7(B)に示すマイク保持部312は、保持部本体312aに円柱状の音孔313bを形成したものである。図7(A)の保持部本体312aは撮影者300の耳302に挿入が容易であり、図7(B)の保持部本体312bは装着時の外音の減衰が小さいという特長を有する。
【0036】
図8は、図6(A)のマイク31cのマイク保持部312の外形を異ならせた例を示している。図8において、(A)は大の外形を有するマイク保持部312、(B)は中の外形を有するマイク保持部312、(C)は小の外形を有するマイク保持部312である。このようにマイク保持部312として複数の大きさのものを用意すれば撮影者300は自分の耳302の大きさに合ったものを選択することができる。なお、図8(A)〜(C)はマイク収納部311(マイクユニット)の形状及び大きさは同じであり、マイクユニットの感度及び応答周波数特性も同一である。
【0037】
<バイノーラルフラグ信号の記録>
撮影者300がバイノーラルマイク3を装着して集音したバイノーラル音声と内蔵ステレオマイク21で集音したステレオ音声とを識別するため、バイノーラル音声集音時にはバイノーラル音声と共にバイノーラルフラグ信号を記録媒体44に記録する。バイノーラルフラグ信号はフラグ情報生成部42で生成される。
【0038】
まず、記録媒体44がDVカセットの場合のバイノーラルフラグ信号の具体的な記録方法について説明する。
【0039】
図9はDVカセットにオーディオデータを記録する場合のデータフォーマットである。0〜89バイトのオーディオデータを記録するに際し、第0,1バイトは同期コードを、第2〜4バイトはID(識別)コードを、第5〜9バイトはオーディオ用補助データ(AUX)を、第10〜81はオーディオデータを、そして第82〜89は誤りデータ検出及び訂正用の内符号パリティデータを記録する。フラグ情報生成部42は一例としてバイノーラルモードであればバイノーラルフラグ信号として1を出力し、バイノーラルモードでなければ(ノーマルモードであれば)0を出力する。多重化部13は図9に示すデータフォーマットの信号を生成する。
【0040】
次に、記録媒体44が記録用のディスクの場合のバイノーラルフラグ信号の具体的な記録方法について説明する。記録用のディスクとしては、DVD−RAM,DVD−RW,DVD−Rのような赤色レーザ光を用いて記録再生するディスクと、Blu−ray DiscやHD−DVDのような青色レーザ光を用いて記録再生するディスクがある。ここではこれらの記録用のディスク全般に適用することができるDVDビデオ規格を用いてバイノーラルフラグ信号を重畳する場合について説明する。
【0041】
DVDビデオ規格を用いてバイノーラルフラグ信号を重畳する第1の方法としては、DVDビデオ規格におけるDVD−Video zoneにバイノーラルフラグ信号を重畳する方法が考えられる。
【0042】
図10に示すように、DVD規格のボリューム空間(Volume space)は、Volume and File structureとDVD−Video zoneとDVD others zoneとからなる。DVD−Video zoneはVMG(Video Manager)とVTS(Video Title Set)#1〜DVTS#nを含む。nは2以上の所定の整数である。それぞれのVTSは制御データ(Control Data)とVOBS(Video Object Set)とを含む。VOBSは複数のVOB(Video Object)を含む。VOBSは複数のCELLを含む。CELLは複数のVOBU(Video Object Unit)を含む。VOBUはナビゲーションパック(NV_PACK),オーディオパック(A_PACK),ビデオパック(V_PACK)を含む。本実施形態では、VOBU内にバイノーラルフラグ信号を含むデータパック(D_PACK)を設ける。
【0043】
データパック(D_PACK)は、パックヘッダ,パケットヘッダ,サブストリームID,オーディオフレーム情報,オーディオデータ情報,バイノーラルフラグ信号を含む。バイノーラルフラグを信号は複数のオーディオフレームレイヤからなる。
【0044】
このようにDVDビデオ規格に準拠した形式でバイノーラルフラグ信号を含む情報をデータパック(D_PACK)としてパック化し、MPEG多重化する。これにより、DVDビデオ規格との互換性を保ちながら、オーディオ信号のどのオーディオフレーム部分がバイノーラル音声信号であり、どのオーディオフレーム部分が通常のステレオ音声であるのかが分かる。従って、クロストークキャンセル処理をどのオーディオフレーム部分で施せばよいのかを簡単に判別することができる。
【0045】
DVDビデオ規格を用いてバイノーラルフラグ信号を重畳する第2の方法としては、DVDビデオ規格におけるDVD others zoneにバイノーラルフラグ信号を重畳する方法が考えられる。DVD others zoneは映像や音声の本体のデータに関連する補助データを記録する領域であり、ユーザデータ記録領域でもある。
【0046】
図10と図11とを比較すれば分かるように、本実施形態ではユーザデータ記録領域であるDVD others zoneのデータ構造をDVD−Video zoneのデータ構造と類似した構造としている。図11に示すように、DVD others zoneもVMG,VTS,VOBS,VOB,CELL,VOBUなる各情報を含んでいる。図11に示すDVD others zoneにおけるそれらの各情報を図10のそれと区別するため、頭にDを付した名称としている。
【0047】
図11に示すように、DVD others zoneはDVMGとDVTS#1〜DVTS#nを含む。それぞれのDVTSはDVTSI(Video Title Set Information)とDVOBSとを含む。DVOBSは複数のDVOBを含む。DVOBSは複数のDCELLを含む。DCELLは複数のDVOBUを含む。DVOBUは複数のオーディオフレームレイヤを含む。オーディオフレームレイヤはオーディオ信号の符号化パラメータなどのオーディオフレームデータを記録する領域であり、このオーディオフレームレイヤの一部の領域をバイノーラルフラグ信号の記録領域とする。
【0048】
このようにDVDビデオ規格に準拠した形式でDVD others zoneにバイノーラルフラグ信号を記述することにより、DVD−Video zoneに含まれるオーディオ信号(バイノーラル音声信号または通常のステレオ音声)とバイノーラルフラグ信号とが互いに関連付けられる。DVDビデオ規格との互換性を保ちながら、オーディオ信号のどのオーディオフレーム部分がバイノーラル音声信号であり、どのオーディオフレーム部分が通常のステレオ音声であるのかが分かる。従って、クロストークキャンセル処理をどのオーディオフレーム部分で施せばよいのかを簡単に判別することができる。
【0049】
図10,図11の場合、例えばスタートボタンを操作して撮影を開始してストップボタンを操作して撮影を終了する間に集音されたオーディオ信号を1または複数のオーディオフレームレイヤとし、それぞれのオーディオフレームレイヤに対して音声モード情報を付加する。そして、音声モード情報内にバイノーラルフラグ信号を記述し、バイノーラル情報パケットとして管理する。バイノーラルフラグ信号をバイノーラル情報パケットとして管理することにより、オーディオフレーム毎に音声モード情報を容易に取得することができる。これにより、記録媒体44を再生する際に、バイノーラル音声信号と通常のステレオ音声信号とが混在して記録されている場合であっても、音声モードに応じて後で詳述するクロストークキャンセラ27の切り替えを適切に行うことができる。音声モード情報の記録は少なくとも撮影を開始する操作毎に行うことが必要であり、所定時間毎に記録することはより好ましい。
【0050】
また、記録媒体44として例えば半導体メモリを用いる場合であっても、上記と同様にバイノーラルフラグ信号の記録領域を定義し、記録される音声信号の音声モードを指定することにより、バイノーラルで記録された音声信号を識別し、クロストークキャンセラ27の動作・不動作を適切に切り替えながら音声信号を再生させることができる。
【0051】
さらに、MPEGなどの符号化方式の多重化レイヤのユーザデータ内にバイノーラルフラグ信号を記述することも考えられる。一例として、映像及び音声の通信機能を有する携帯電話を用い、送信側の携帯電話からバイノーラルマイク3で集音した音声信号と共に撮影した映像信号を受信側の携帯電話に伝送する場合を想定する。このような場合にも、送信側の携帯電話から受信側の携帯電話へとバイノーラルフラグ信号を伝送することができる。音声信号に対してバイノーラルフラグ信号を付して伝送することにより、バイノーラル音声の場合に臨場感のある音声を再生することが可能となる。この場合、携帯電話で伝送する映像及び音声パケットデータの所定の箇所にバイノーラルフラグ信号を記述してパケットデータとして伝送する。例えば、MPEG−4で規定される伝送方式を用いる場合には、エレメンタリストリームのユーザデータ記録領域で、図9に示したようなバイノーラルフラグ信号を伝送することができる。MPEG−4標準で規定されるトランスポートストリームを用いる場合には、プライベートデータ領域(private_data_type)にバイノーラルフラグ信号を記述することができる。
【0052】
また、映像データ及び音声データを添付ファイルの形式でファイル化されたデータとして伝送する場合は、そのファイルヘッダの部分にバイノーラルフラグ信号を記述するようにしてもよい。
【0053】
映像音声記録再生装置101における記録動作について図12に示すフローチャートを用いてさらに説明する。
【0054】
まず、制御部47は、ステップS151にて、図4で説明した初期設定が、外部マイク接続端子32に接続する外部マイクをバイノーラルマイク3に設定されているか否かを判定する。ステップS151で初期設定がバイノーラルに設定されていると判定されれば(YES)、ステップS152に移る。バイノーラルに設定されていると判定されなければ(NO)、制御部47はスイッチSw1を端子aへと切り替え、ステップS154にて、映像音声記録再生装置101は内蔵ステレオマイク21からの音声信号を取得する。制御部47は、ステップS152にて、接続検出部41が外部マイク接続端子32に外部マイクのプラグが挿入されていることを検出しているか否かを判定する。ステップS152で外部マイク接続端子32に外部マイクが接続されている判定されれば(YES)、制御部47は、スイッチSw1を端子bへと切り替え、ステップS153にて、映像音声記録再生装置101はバイノーラルマイク3からの音声信号を取得する。ステップS152で外部マイク接続端子32に外部マイクが接続されていると判定されなければ(NO)、制御部47は、スイッチSw1を端子aへと切り替え、ステップS154にて、映像音声記録再生装置101は内蔵ステレオマイク21からの音声信号を取得する。
【0055】
次に、ステップS155にて、カメラ部11からの映像信号をビデオ符号化部12内の図示しないメモリに一時記憶し、バイノーラルマイク3または内蔵ステレオマイク21からの音声信号をオーディオ符号化部22内の図示しないメモリに一時記憶する。ステップS156にて、ビデオ符号化部12は映像信号を符号化し、オーディオ符号化部22は音声信号を符号化する。テップS157にて、符号化映像信号をビデオ符号化部12内の図示しないバッファに一時記憶し、符号化音声信号をオーディオ符号化部22内の図示しないバッファに一時記憶する。さらに、ステップS158にて、フラグ情報生成部42はバイノーラルモードのとき制御部47の指示に基づいてバイノーラルフラグ信号を生成する。
【0056】
そして、多重化部13は、ステップS159にて、符号化映像信号と符号化音声信号とバイノーラルフラグ信号とを多重化し、ステップS160にて、パケット化ストリーム信号を生成する。記録・再生部14は、ステップS161にて、媒体記録44にストリーム信号を記録する。ステップS162にて、ビデオ符号化部12とオーディオ符号化部22は符号化すべき映像信号と音声信号があるか判定し、符号化すべき映像信号と音声信号がまだあると判定されれば(YES)ステップS152に戻り、以上の動作を繰り返す。ステップS162で符号化すべき映像信号と音声信号がまだあると判定されなければ(NO)、処理を終了する。
【0057】
<再生動作>
図3に戻り、映像音声記録再生装置101における再生動作について説明する。図3において、操作部48の図示しない再生ボタンが操作されると、記録・再生部14は制御部47の制御により、記録媒体44に記録された記録信号である多重化信号を再生する。記録・再生部14で再生された多重化信号は分離化部15に供給され、分離化部15は入力された多重化信号を符号化映像信号と符号化音声信号とバイノーラルフラグ信号とに分離する。
【0058】
符号化映像信号はビデオ復号化部(ビデオ処理部)16に供給され、符号化音声信号はオーディオ復号化部(オーディオ処理部)26に供給され、バイノーラルフラグ信号はフラグ情報取得部36に供給される。ビデオ復号化部16は入力された符号化映像信号を復号化して映像信号を得る。再生ボタンが操作に伴って、制御部47の制御によりスイッチSw3が端子hに切り替えられる。ビデオ復号化部16より出力された映像信号は表示部17で表示されると共に、映像出力端子37aを介してモニタ52に供給されて表示される。オーディオ復号化部26は入力された符号化音声信号を復号化して音声信号を得る。音声信号はクロストークキャンセラ27とスイッチSw2の端子cへと供給される。
【0059】
クロストークキャンセラ27は、バイノーラル集音された音声信号をスピーカ53,54で再生する際に発生する、左側のスピーカ54から発音された信号が受聴者59の右側の耳で受聴される第1のクロストーク成分と、右側のスピーカ53から発音された信号が受聴者59の左側の耳で受聴される第2のクロストーク成分とを打ち消すための信号を生成して音声信号に付加することによりクロストーク処理信号を生成する。フラグ情報取得部36は分離化部15で得られたバイノーラルフラグ信号を保持する。制御部47はフラグ情報取得部36がバイノーラルフラグ信号を保持しているか否かによってスイッチSw2を切り替え制御する。即ち、フラグ情報取得部36がバイノーラルフラグ信号を保持していれば、スイッチSw2が端子dに接続してクロストークキャンセラ27からのクロストーク処理信号を音声出力端子37bに対して出力するよう制御し、バイノーラルフラグ信号を保持していなければ、スイッチSw2が端子cに接続してオーディオ復号化部26からのクロストーク処理していない音声信号を音声出力端子37bに対して出力するよう制御する。
【0060】
音声出力端子37bより出力され、アンプ51で増幅された音声信号は左右のスピーカ53,54から発音される。音声出力端子37bより出力される音声信号がクロストークキャンセラ27から出力されたクロストーク処理信号の場合には、視聴者59は、モニタ52に表示された映像を見ながら、撮影者300が撮影を行った際の撮影者300の周囲音を臨場感のある音声として受聴することができる。このとき、クロストークキャンセラ27は、後に詳述する頭部伝達関数を用いてクロストーク成分を打ち消しているので、撮影者300と視聴者59とが異なる場合でも、任意の撮影者300が撮影して任意の視聴者59が視聴する場合でも、違和感のほとんどない臨場感のある音声を受聴することができる。
【0061】
映像音声記録再生装置101における再生動作について図13に示すフローチャートを用いてさらに説明する。
【0062】
図13において、ステップS181にて、記録・再生部14は記録媒体44を再生し、多重化信号に基づいたストリーム信号を得る。ステップS182にて、記録・再生部14はストリーム信号を復号してパケット信号を生成する。ステップS183にて、分離化部15はパケット信号をビデオ信号、オーディオ信号、バイノーラルフラグ信号に分離する。ステップS184にて、ビデオ復号化部16はビデオ信号を復号し、オーディオ復号化部26はオーディオ信号を復号する。ステップS185にて、ビデオ復号化部16とオーディオ復号化部26は復号したビデオ信号とオーディオ信号を図示しないバッファに一時記憶する。ステップS186にて、フラグ情報取得部36はバイノーラルフラグ信号を取得する。
【0063】
そして、制御部47は、ステップS187にて、フラグ情報取得部36が取得したバイノーラルフラグ信号に基づいて、再生したオーディオ信号が通常のステレオ音声信号であるかバイノーラル音声信号であるかを判定する。ステップS187でバイノーラル音声信号であると判定した場合には(YES)、ステップS188に移る。ステップS187でバイノーラル音声信号でないと判定した場合には(NO)、ステップS191に移り、制御部47は、スイッチSw2を端子cに切り替えて、ビデオ信号とオーディオ信号を同期再生するよう回路各部を制御する。
【0064】
バイノーラル音声信号であれば、ステップS188にて、制御部47は、スイッチSw2を端子dに切り替えることによりクロストークキャンセラ27によるクロストークキャンセル処理を有効な状態とする。ステップS189にて、制御部47は、ビデオ信号とクロストークキャンセラ27によってクロストークキャンセル処理したオーディオ信号を同期再生するよう回路各部を制御する。ステップS190にて、再生すべきビデオ信号とオーディオ信号がまだあると判定されれば(YES)、ステップS182に戻り、以上の動作を繰り返す。ステップS190で再生すべきビデオ信号とオーディオ信号がまだあると判定されなければ(NO)、処理を終了する。
【0065】
<クロストークキャンセル>
ここで、図14を用いてクロストークキャンセラ27の具体的構成と動作について説明する。図14に示すように、クロストークキャンセラ27は、フィルタ272a〜272d、加算器274a,274b、フィルタ275a,275bを備えて構成されている。
【0066】
図14において、バイノーラル音声信号のうち左チャンネルの信号P(t)はフィルタ272a,272bに、右チャンネルの信号P(t)はフィルタ272c,272dに入力される。フィルタ272a〜272dは順に、後述する頭部伝達関数hrs(t),hlo(t),hro(t),hls(t)に基づいて作成したフィルタ特性(フィルタ係数)を記憶している。フィルタ272a,272dは頭部伝達関数hrs(t),hls(t)と同等のフィルタ特性を有しており、フィルタ272b,272cは頭部伝達関数hlo(t),hro(t)を反転したのと同等のフィルタ特性を有する。便宜上、フィルタ272a〜272dのフィルタ特性をhrs(t),−hlo(t),−hro(t),hls(t)と表記する。フィルタ272a〜272dは、入力される信号P(t),P(t)にそれぞれのフィルタ特性を与えて出力する。
【0067】
加算器274aはフィルタ272a,272cから出力される信号を加算し、フィルタ275aは加算された信号にd(t)なるフィルタ特性を与える。加算器274bはフィルタ272b,272dから出力される信号を加算し、フィルタ275bは加算された信号にd(t)なるフィルタ特性を与える。
【0068】
ここで、フィルタ275a,275bに記憶されているフィルタ特性d(t)は次の(1)式である。
【0069】
d(t)={hls(t)×hrs(t)−hlo(t)×hro(t)}−1…(1)
フィルタ275a,275bから出力される信号は、スピーカ53,54から発音される際にクロストークがキャンセルされるよう、クロストークキャンセル処理が施されたクロストーク処理信号である。フィルタ275a,275bから出力されたロストーク処理信号は、アンプ51の左チャンネルアンプ51aと右チャンネルアンプ51bでそれぞれ増幅され、スピーカ53,54から発音される。
【0070】
スピーカ53から発音された信号(音声)は視聴者59の左耳で受聴されると共に、発音された信号の一部は破線にて示す第1のクロストーク信号として視聴者59の右耳で受聴される。クロストークキャンセラ27は視聴者59の右耳で受聴される第1のクロストーク信号を打ち消すための第1のクロストーク打消し信号を生成してスピーカ54から発音させる。第1のクロストーク打消し信号により第1のクロストーク信号は打ち消される(減衰される)。同様に、スピーカ54から発音された信号(音声)は視聴者59の右耳で受聴されると共に、発音された信号の一部は破線にて示す第2のクロストーク信号として視聴者59の左耳で受聴される。クロストークキャンセラ27は視聴者59の左耳で受聴される第2のクロストーク信号を打ち消すための第2のクロストーク打消し信号を生成してスピーカ53から発音させる。第2のクロストーク打消し信号により第2のクロストーク信号は打ち消される(減衰される)。結果として、視聴者59は左耳でクロストークがキャンセルされた音声信号P(t)を受聴し、右耳でクロストークがキャンセルされた音声信号P(t)を受聴する。
【0071】
<頭部伝達関数の測定>
図15を用いて、フィルタ272a〜272d,275a,275bに格納する頭部伝達関数特性を求めるための頭部伝達関数測定装置6について説明する。図15に示すように、頭部伝達関数測定装置6は、パーソナルコンピュータ61、増幅器62、スピーカ63、マイクユニット65a,65b、円筒形構造体65e、増幅器66a,66bを備えて構成されている。
【0072】
頭部伝達関数の測定方法について説明する。
【0073】
まず、パーソナルコンピュータ61により例えばインパルス音よりなる測定信号を生成する。測定信号は増幅器62で増幅される。左側のスピーカ63から発音された測定信号は左右のマイクユニット65a,65bで受音される。受音して得られた左右の信号は増幅器66a,66bで増幅されてパーソナルコンピュータ61に入力される。この入力信号はスピーカ63から発音された音声を円筒形構造体65eに取り付けられた左右のマイクユニット65a,65bで受音した信号の頭部伝達関数hls(t),hlo(t)である。頭部伝達関数hls(t)は左側のスピーカ63から発音された信号が左側のマイクユニット65aで受聴される特性であり、頭部伝達関数hlo(t)は左側のスピーカ63から発音された信号が右側のマイクユニット65bで受聴されるクロストーク成分の特性である。
【0074】
同様に、右側のスピーカ64から発音された測定信号は左右のマイクユニット65a,65bで受音される。受音して得られた左右の信号は増幅器66a,66bで増幅されてパーソナルコンピュータ61に入力される。パーソナルコンピュータ61は生成した測定信号と受音した信号とを比較することにより、スピーカ64から発音された音声を円筒形構造体65eに取り付けられた左右のマイクユニット65a,65bで受音した信号の頭部伝達関数hrs(t),hro(t)を求める。頭部伝達関数hrs(t)は右側のスピーカ64から発音された信号が右側のマイクユニット65bで受聴される特性であり、頭部伝達関数hro(t)は右側のスピーカ64から発音された信号が左側のマイクユニット65aで受聴されるクロストーク成分の特性である。
【0075】
図16を用いて円筒形構造体65eについて説明する。図16において、(A)は円筒形構造体65eの上面図、(B)は円筒形構造体65eの斜視図であり、(C)は比較のため示すいわゆるダミーヘッドマイクの断面図である。
【0076】
図16(A),(B)に示すように、円筒形構造体65eの表面にはマイクユニット65a,65bが180°離間した状態で装着されている。図示のように、マイクユニット65a,65bは耳介及び外耳道を有していない。マイクユニット65a,65bの図示しない振動板は円筒形構造体65eの表面とほぼ一致する位置に配置されている。一方、図16(C)に示すダミーヘッドマイク69は、人工頭691の両側部に耳介形部材692a,692bと耳道693a,693bとを備え、耳道693a,693bの奥部にマイクユニット694a,694bを備えたものである。マイクユニット694a,694bは人の鼓膜の位置に相当する位置に設けられており、人が聴取する音に近似する音声信号を集音するものである。
【0077】
図16(A),(B)に示す円筒形構造体65eに取り付けられたマイクユニット65a,65bの受音特性は、人それぞれで大きさや形状が異なる耳介や外耳道により与えられる特性差の影響を受けることがなく、頭部伝達関数を計測することができる特性である。スピーカ63,64から発音された音波は円筒形構造体65eにより遮蔽されるものの、円筒形構造体65eに添って回折してマイクユニット65a,65bに到達する。マイクユニット65a,65bはスピーカ63,64から発音されて直接到達する音波と円筒形構造体65eに添って回折して到達する音波とよりなる特性を計測することになる。円筒形構造体65eを用いることにより、平均的な頭部遮蔽特性を有する頭部伝達関数を得ることができる。従って、頭部の大きさや形状が異なり頭部遮蔽特性が異なる種々の視聴者がバイノーラル音声信号を受聴しても、違和感のほとんどない臨場感のある音声を受聴することができる。
【0078】
図17(A)〜(D)は、前述の音響信号伝達特性測定装置6が発生したインパルス音に、音響信号伝達特性測定装置6によって測定した円筒形構造体65eの頭部伝達関数hls(t),hlo(t),hrs(t),hro(t)が畳み込まれたインパルス応答波形を示している。図17(D)は前述の(1)式に示すフィルタ特性d(t)を示している。図17(A)〜(E)において、縦軸は所定の出力電圧で正規化した信号電圧の振幅を示し、横軸は測定された信号を48kHzで標本化した場合のサンプルの個数で表した時間を示している。
【0079】
図18(A)〜(E)は、図17(A)〜(E)に示す信号をフーリエ解析して得られる周波数特性を示している。図18(A)〜(E)において、100Hz,1kHz,10kHzの周波数位置を破線の縦線で示しており、縦軸の応答特性における2つの破線の横線間の利得差は10dBである。
【0080】
図14のフィルタ272a〜272dには、以上のようにして得られた頭部伝達関数hrs(t),hlo(t),hro(t),hls(t)に基づいたフィルタ特性が与えられる。前述のように、フィルタ272a,272dには頭部伝達関数hrs(t),hls(t)に相当するフィルタ特性が与えられ、フィルタ272b,272cには頭部伝達関数hlo(t),hro(t)を極性反転した−hlo(t),−hro(t)に相当するフィルタ特性が与えられる。
【0081】
比較のため、円筒形構造体65eに取り付けたマイクユニット65a,65bの代わりに図16(C)に示すダミーヘッドマイク69を用いて測定した特性を図19,図20に示す。図19は図17と同様に測定して得られた特性である。図17と図19とを比較すれば分かるように、円筒形構造体65eに取り付けたマイクユニット65a,65bを用いて測定したインパルス応答波形は、ダミーヘッドマイク69を用いて測定したインパルス応答波形よりも、測定用入力信号であるインパルス音に近い波形である。
【0082】
図20はダミーヘッドマイク69を用いて測定した周波数応答特性である。図18と図20とを比較すれば分かるように、円筒形構造体65eに取り付けたマイクユニット65a,65bを用いて得た特性の方が周波数特性の乱れが小さく平坦に近い。図20(A)〜(E)に示すそれぞれの特性は、1.5〜7kHzの周波数において応答特性が増強されたり減衰されたりしている。図18(A)〜(E)に示す特性の方が応答特性の増強及び減衰の程度が小さい。これは円筒形構造体65e取り付けたマイクユニット65a,65bを用いた場合には耳介や外耳道により生じる特性の乱れがないためである。ダミーヘッドマイク69では、スピーカ63,64より発音された音波の一部が耳介で反射して、反射した音波と直接到来する音波とが同相で合成されて増強されたり、逆相で合成されて減衰したりする。また、外耳道の共振や反共振などの影響により特定の周波数で増強されたり減衰したりする。円筒形構造体65eに取り付けたマイクユニット65a,65bを用いることによりダミーヘッドマイク69を用いた場合のような悪影響を抑えることができる。
【0083】
クロストークキャンセラ27のフィルタ272a〜272d及びフィルタ275a,275bに、円筒形構造体65eに取り付けたマイクユニット65a,65bを用いて測定した頭部伝達関数に基づいたフィルタ特性(第1の条件とする)と、ダミーヘッドマイク69を用いて測定した頭部伝達関数に基づいたフィルタ特性とを与え(第2の条件とする)、複数の視聴者による両者の比較視聴テストを行った。視聴者の耳道に細い小型マイクを挿入し、その小型マイクで受音される音が視聴者により受聴される音であるとして受音特性を測定した。
【0084】
図21は、第1の条件で、ある視聴者により測定した特性を示している。図21において、(A)は左側の入力信号P(t)をインパルス信号、右側の入力信号P(t)を無信号としてスピーカ53,54から発音させ、視聴者の左耳に装着した小型マイクで受音されたインパルス応答信号の波形である。(B)は(A)と同じ条件で発音させ、視聴者の右耳に装着した小型マイクで受音されたクロストーク成分の波形である。図21(A)では大きなレベルのインパルス応答波形が得られ、図21(B)では小さなレベルの波形が得られている。図21(C)は応答波形の周波数分析結果であり、Caは(A)の応答波形を周波数分析した応答特性であり、Cbは(B)の応答波形を周波数分析した応答特性である。100Hz〜2kHzで20dBを越えるクロストークキャンセル効果が得られている。
【0085】
さらに、図21において、(D)は左側の入力信号P(t)を無信号、右側の入力信号P(t)をインパルス信号としてスピーカ53,54から発音させ、視聴者の左耳に装着した小型マイクで受音されたクロストーク成分の波形である。(E)は(D)と同じ条件で発音させ、視聴者の右耳に装着した小型マイクで受音されたインパルス応答の波形である。図21(D)では小さなレベルの波形が得られ、図21(E)では大きなレベルのインパルス応答波形が得られている。図21(F)は応答波形の周波数分析結果であり、Fdは(D)の応答波形を周波数分析した応答特性であり、Feは(E)の応答波形を周波数分析した応答特性である。100Hz〜2kHzで16dB程度のクロストークキャンセル効果が得られている。
【0086】
図22は、第2の条件で、図21と同じ視聴者により測定した特性を示している。測定条件は図21と同一である。図22(C)のクロストークキャンセル効果は約14dBであり、図22(F)のクロストークキャンセル効果は約11dBである。第2の条件では第1の条件と比較して効果が劣っていることが分かる。
【0087】
図23は、図21,図22とは異なる視聴者とし、第1の条件にて図21と同一の測定条件で測定した特性を示している。図23(C)のクロストークキャンセル効果は約22dBであり、図23(F)のクロストークキャンセル効果は約18dBである。異なる視聴者であっても良好な効果が得られている。
【0088】
図24は、図23と同じ視聴者で、第2の条件にて図22と同一の測定条件で測定した特性を示している。図24(C)のクロストークキャンセル効果は約14dBであり、図24(F)のクロストークキャンセル効果は約10dBである。異なる視聴者であっても、第2の条件では第1の条件と比較して効果が劣っていることが分かる。さらに異なる視聴者により同様の測定を行い、第1の条件と第2の条件それぞれで上記と同様の効果が得られることを確認した。
【0089】
以上の測定結果より、クロストークキャンセラ27のフィルタ272a〜272d及びフィルタ275a,275bに与えるフィルタ特性は、ダミーヘッドマイク69を用いて測定した頭部伝達関数に基づいたフィルタ特性よりも円筒形構造体65eに取り付けたマイクユニット65a,65bを用いて測定した頭部伝達関数に基づいたフィルタ特性の方が、左側のスピーカから発音されて右側の耳で受聴されるクロストーク成分と右側のスピーカから発音されて左側の耳で受聴されるクロストーク成分を打ち消す効果が大きいことが確認された。
【0090】
円筒形構造体65eに取り付けたマイクユニット65a,65bを用いて測定した頭部伝達関数に基づいたフィルタ特性では、高音域での周波数特性の乱れが少な。即ち、円筒形構造体65eを用いることにより、特定の周波数部分で周波数特性が大きく落ち込んだり上昇したりすることを少なくすることができ、音質の劣化を極力抑えることができる。これにより視聴者はほとんど違和感を覚えることなく臨場感のある音声を受聴することが可能となる。
【0091】
クロストークキャンセラ27のフィルタ272a〜272d及びフィルタ275a,275bに与えるフィルタ特性を円筒形構造体65eに取り付けたマイクユニット65a,65bを用いて測定した頭部伝達関数に基づいたフィルタ特性とした場合には、クロストークキャンセルを、バイノーラル音声信号を受聴する際の構造体である視聴者59の外耳道入り口近傍で行うことになる。従って、耳介や外耳道の音響特性が異なる複数の視聴者59に対してクロストーク成分の打消しが効果的になされることになる。
【0092】
なお、円筒形構造体65eは完全な円筒形に限定されるものではなく、円筒形を若干変形させた形状であってもよい。耳介や外耳道などが与えるような応答特性の変化を与える凹凸部分を有さない形状とするのが好ましく、円筒形構造体65eにマイクユニット65a,65bを取り付けた状態で応答特性の乱れが極力少ないことが好ましい。
【0093】
クロストークキャンセラ27は図14に示す構成に限定されることはなく、低域周波数帯域で生じる逆相感をさらに減少させることができる帯域分割型のクロストークキャンセラとしてもよい。帯域分割型のクロストークキャンセラは、全周波数帯域の信号として入力されるバイノーラル音声信号を低域周波数帯域の信号と中高域周波数帯域の信号とに分割し、中高域周波数帯域のバイノーラル音声信号に対してのみクロストークキャンセル処理を行うものである。
【0094】
図25に帯域分割型のクロストークキャンセラ27aを示し、その構成と動作について説明する。図14に示したクロストークキャンセラ27と同一の機能を有する構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0095】
図25に示すように、クロストークキャンセラ27aは、図14のクロストークキャンセラ27と比較して、ローパスフィルタ(LPF)271a,271d、ハイパスフィルタ(HPF)271b,271c、遅延器273a,273b、ゲインコントロールアンプ(GC)276a〜276d、加算器277a,277bが追加されている点で相違している。
【0096】
クロストークキャンセラ27aに入力されたバイノーラル音声信号のうち、左チャンネルの信号P(t)はLPF271aとHPF271bに入力され、右チャンネルの信号P(t)はLPF271dとHPF271cに入力されて、低域周波数帯と中高域周波数帯とに分割される。LPF271a,271dとHPF271b,271cのカットオフ周波数は100〜200Hz程度に設定される。
【0097】
HPF271b,271cより出力された中高域周波数帯の信号は、クロストークキャンセラ27と同様に構成されるフィルタ272a〜272dと加算器274a,274bとフィルタ275a,275bとよりなる回路部分でクロストークキャンセル処理が施される。クロストークキャンセル処理が施された中高域周波数帯の信号はゲインコントロールアンプ276b,276cに入力され、ゲインが調整される。
【0098】
LPF271a,271dより出力された低域周波数帯の信号は遅延器273a,273bに入力され、中高域周波数帯の信号に対するクロストークキャンセル処理に要する時間とほぼ同じ時間だけ遅延される。遅延器273a,273bより出力された低域周波数帯の信号はゲインコントロールアンプ276a,276dに入力され、中高域周波数帯の信号とのレベル差がなくなるようゲインが調整される。
【0099】
そして、加算器277a,277bは、ゲインコントロールアンプ276a〜276dから出力された低域周波数帯の信号と中高域周波数帯の信号とを加算する。加算器277a,277bより出力された信号は、中高域周波数帯の信号に対してのみクロストークキャンセル処理が施されたクロストーク処理信号である。加算器277a,277bから出力されたロストーク処理信号は、アンプ51の左チャンネルアンプ51aと右チャンネルアンプ51bでそれぞれ増幅され、スピーカ53,54から発音される。
【0100】
この図25の構成では、低域周波数帯の信号に対してはクロストークキャンセル処理が施されないため、低域周波数帯で逆相感のない信号として再生される。
【0101】
図14に示すクロストークキャンセラ27では、前述の図21〜図24にて説明したように、クロストークキャンセラ27によるクロストークキャンセル効果は100Hz以下では十分に得られていない。100Hz以下の低域周波数帯は音源の定位に与える影響が少ない帯域である。クロストークをキャンセルしない信号は逆相の信号として違和感を有して受聴されてしまう。
【0102】
図25に示すクロストークキャンセラ27aでは、100〜200Hz以下の低域周波数帯でクロストークキャンセルを行わないようにし、低域周波数帯で逆相信号が生じないようにしたクロストークキャンセラを実現している。
【0103】
図26に、図25とはフィルタの構成方法が異なる周波数帯域分割型のクロストークキャンセラ27bを示し、その構成と動作について説明する。図25に示したクロストークキャンセラ27aと同一の機能を有する構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0104】
図26に示すクロストークキャンセラ27bは、図25のクロストークキャンセラ27aと比較して、フィルタ272a〜272d及びフィルタ275a,275bの代わりにフィルタ278a,278b及びフィルタ279a,279bを備える点で相違しており、結線方法も異なっている。クロストークキャンセラ27aはフィルタ特性をフィードフォワード型のFIR(finite impulse response:有限インパルス応答)形で構成しているのに対し、クロストークキャンセラ27bはフィルタ特性をフィードバック型のFIR形で構成している。
【0105】
図26において、HPF271b,271cより出力された中高域周波数帯の信号は、FIR形のフィルタ278a,278b,279a,279b及び加算器274a,274bによってクロストークキャンセル処理が施される。頭部伝達関数測定装置6で求められたフィルタ特性は、フィルタ278a,278b,279a,279b内の図示しない記憶領域に格納され、フィルタ278a,278b,279a,279bは入力される信号にそれぞれのフィルタ特性を畳み込んで出力する。クロストークキャンセラ27bによれば、低域周波数帯で逆相信号が生じないようにして違和感を軽減するという点でクロストークキャンセラ27aと同様の作用効果を奏する。図26に示すクロストークキャンセラ27bの方が図25に示すクロストークキャンセラ27aよりも使用するフィルタの次数を少なくすることができ、構成を簡略化できる。なお、FIR形のフィルタの代わりにIIR形(infinite impulse response:無限インパルス応答)のフィルタを用いてもよい。
【0106】
図3に示す構成においては、クロストークキャンセラ27(または27a,27b)を制御部47とは別構成としているが、制御部47がDSP(Digital signal processor)を備えたマイクロプロセッサの場合には、クロストークキャンセラ27,27a,27bの機能を制御部47に実行させてもよい。また、クロストークキャンセラ27,27a,27bはハードウェアに限定されず、ソフトウェアによって実現することができる。
【0107】
<ヘッドフォン再生>
ところで、図3に示す映像音声記録再生装置101においては、オーディオ復号化部26より出力される音声信号をヘッドフォンでも受聴できるようにしている。バイノーラル音声信号をヘッドフォンで受聴する場合には、上述したクロストーク成分は生じない。クロストークキャンセラ27にて処理したクロストーク処理信号をヘッドフォンで受聴するとバイノーラル音声信号の逆相成分が左右の耳で受聴されてしまう。逆相成分は自然界にない音響信号成分であり、受聴上好ましくないため、バイノーラル音声信号をヘッドフォンでも受聴する場合にはクロストークキャンセル処理を行わない。
【0108】
そこで、図3に示すように、オーディオ復号化部26より出力された音声信号を、クロストークキャンセラ27を介することなく音声出力端子37cに出力するようにしている。音声出力端子37cから出力された音声信号はヘッドフォン55へ供給される。視聴者59は前述のようにクロストークキャンセラ27より出力されたクロストーク処理信号をスピーカ53,54によって受聴することもできるし、クロストークキャンセラ27による処理を施していない音声信号をヘッドフォン55によって受聴することもできる。
【0109】
図27を用いてバイノーラル音声信号のヘッドフォン55での再生手順について説明する。図13に示すフローチャートと同一の処理には同一の符号を付し、その説明を省略することとする。
【0110】
図27において、ステップS181〜S186までは図13で説明した通りであり、ステップS192にて、ヘッドフォン55での再生か否かを判定する。ヘッドフォン55の接続端子である音声出力端子37cにプラグが挿入されているかを図示していない接続検出部によって検出すればよい。ステップS192でヘッドフォン再生であると判定されれば(YES)、ステップS193にて、ビデオ信号に同期してクロストークキャンセル処理を行わないバイノーラル音声信号をヘッドフォン55にて再生して、ステップS190に移る。なお、再生した音声信号がバイノーラル音声信号ではない通常のステレオ音声の場合も同様にオーディオ復号化部26より出力された音声信号をヘッドフォン55に供給すればよい。
【0111】
ステップS192でヘッドフォン再生であると判定されなければ(NO)、図13と同様、ステップS187〜S190の処理を行う。ステップS189での処理は、ステップS193でのヘッドフォン55による再生処理とは異なり、バイノーラル音声信号をスピーカ53,54によって再生する処理である。
【0112】
≪第2の実施形態≫
撮影者300は左右の耳302にバイノーラルマイク3を装着して集音しながら被写体の撮影及び記録媒体44への記録を行うことにより、視聴者59は撮影者300が撮影を行った際の全方向の周囲音を受聴することができる。ところが、通常の映像音声記録再生装置(ビデオカメラ)により撮影される映像はカメラ前方約60度の範囲の映像である。ズーム撮影を行う場合にはさらに狭い視野角で撮影される。そこで、ズーム撮影を行う場合には、ズームアップされた被写体の近傍から発音される音声を増強して集音できることが望ましい。第2の実施形態は、被写体のズームアップに併せて、被写体近傍の音声を増強して集音して記録するように構成したものである。
【0113】
図28に第2の実施形態である音声のズーム処理部を備えた映像音声記録再生装置102を示し、その構成と動作について説明する。図3に示した第1の実施形態の映像音声記録再生装置101と同じ機能を有する構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。映像音声記録再生装置102は映像音声記録再生装置101と比較して音声ズーム処理部33を備える点が相違している。なお、図28では、ヘッドフォン55とヘッドフォン55の接続端子である音声出力端子37cの図示を省略している。
【0114】
図28において、外部マイク接続端子32を介して入力されるバイノーラルマイク3からの音声信号は音声ズーム処理部33に入力される。カメラ部11は複数のレンズ(図示せず)を備え、一または複数のレンズを移動させてレンズ間距離を可変することによって被写体をズームアップ/ダウンするズーム機能を有している。操作部48によってズームアップ操作がなされると、制御部47からズームアップ制御信号がカメラ部11に入力されて被写体がズームアップされて撮像されると共に、ズームアップ制御信号が音声ズーム処理部33に入力されて入力された音声信号に対して音声のズームアップ処理が施される。
【0115】
音声ズーム処理部33は、ズームアップ制御信号に基づいて、バイノーラル音声信号のうち被写体近傍から発せられる音声信号を多く含む撮影者300の正中面で集音される音声信号を増強してズームアップ音声信号を生成する。ズームアップ音声信号はスイッチSw1を介してオーディ符号化部22に入力される。ズームアップ撮像された被写体の映像信号はビデオ符号化部12で符号化され、ズームアップ音声信号はオーディ符号化部22で符号化され、第1の実施形態と同様に記録媒体44に記録される。
【0116】
図29は音声ズーム処理部33の具体的な構成例である。図29に示すように、音声ズーム処理部33は、ズーム倍率検出器331,係数算出器332,加算器335、可変増幅器337、加算器338a,338bを備えて構成されている。
【0117】
図29において、ズーム倍率検出器331は制御部47から供給されるズームアップ制御信号を基にズーム倍率を検出する。係数算出器332は検出されたズーム倍率に応じて被写体近傍から発せられる音声の増強度を表す係数αを算出する。加算器335は外部マイク接続端子32より入力された左右チャンネルのバイノーラル音声信号を加算する。可変増幅器337は加算器335の出力信号を係数算出器332からの係数αに従って増幅する。加算器338a,338bは、可変増幅器337の出力信号にそれぞれ左,右チャンネルのバイノーラル音声信号を加算する。バイノーラルマイク3のマイク31a,31bを撮影者300の左右の耳302に装着した状態でマイク31a,31b内の振動板はほぼ平行となる。撮影者300の左右方向からの音声は互いに逆相の成分を含むことがあるので、加算器335での左右チャンネルの加算の結果、左右方向からの音声は部分的に相殺されて減衰する。従って、音声ズーム処理部33からは、撮影者300の正中面で集音される音声が増強されたズームアップ音声信号が出力されることになる。
【0118】
図30を用いて、音声ズーム処理部33での動作を含む映像音声記録再生装置102の動作についてさらに説明する。図30において、ステップS201にて、加算器335はバイノーラルマイク3からの左右チャンネルのバイノーラル音声信号を加算して加算信号Sを得る。ステップS202にて、ズーム倍率検出器331は操作部48の操作に応じて制御部47で得られるズーム倍率を検出する。ズーム倍率をカメラ部11のレンズを駆動するモータへの印加電圧と駆動時間との関係から求めるようにしてもよい。ステップS203にて、係数算出器332はズーム倍率に応じて増強度を表す係数αを算出する。ステップS204にて、可変増幅器337は加算器335の出力信号に係数αを乗じてαSを求める。ステップS205にて、加算器338a,338bは、左,右チャンネルのバイノーラル音声信号と可変増幅器337の出力信号(αS)とを加算する。そして、ステップS206にて、ズームアップ音声信号を記録媒体44に記録する。ステップS207にて、制御部47は記録が終了したか判定し、終了していなければ(NO)、ステップS201から繰り返す。ステップS207で記録が終了していれば(YES)、音声ズーム処理部33での処理を終了する。
【0119】
図31は、音声ズーム処理部33の他の構成例を示す音声ズーム処理部33aを示している。正中面の音声信号に対して音源が受聴者に接近したような効果を与えるような頭部伝達関数を畳み込むと、カメラ部11での被写体のズームアップに連動して音源があたかも受聴者に接近したように感じられ、さらに臨場感を有する音声信号を受聴することができる。図31に示す音声ズーム処理部33aは、正中面の音声信号に音源を接近させるような効果を与える頭部伝達関数を畳み込むように構成したものである。
【0120】
図31に示す音声ズーム処理部33aは、図29の音声ズーム処理部33と比較して、関数取得器333,伝達関数メモリ334,畳み込み演算器336が追加されている点で相違している。
【0121】
図31において、伝達関数メモリ334には音源を仮想的に近接して定位させた仮想音源を形成するための頭部伝達関数を記憶しておく。その頭部伝達関数は仮想音源から発せられる音の受聴特性を得るための関数であり、受聴特性は仮想音源と受聴者との距離によって決まる。
【0122】
関数取得器333は、係数算出器332で算出される係数αに従って想定される音源の定位位置に対応する頭部伝達関数を伝達関数メモリ334から取得する。なお、図29における係数αと図31及び他の図における係数αとは必ずしも同じものではないが、便宜上同一の符号を付す。畳み込み演算器336は、加算器335で生成されたバイノーラル音声の加算信号に関数取得器333で取得された頭部伝達関数を畳み込む。可変増幅器337は、頭部伝達関数が畳み込まれた加算信号を係数算出器332で得られた係数αに従って増幅する。加算器338a,338bは、左,右チャンネルのバイノーラル音声信号と可変増幅器337の出力信号とを加算する。ここでは、可変増幅器337を備える構成としたが、音源を仮想的に近接して定位さるのみでも十分に効果的であり、可変増幅器337を省略することも可能である。また、関数取得器333が頭部伝達関数を選択するための係数αと、可変増幅器337における増幅の程度を決める係数αとを別の係数としてもよい。
【0123】
図32を用いて、仮想音源を形成するための頭部伝達関数の測定方法について説明する。
【0124】
図32に示す頭部伝達関数測定装置6aは、パーソナルコンピュータ61、増幅器62、スピーカ63、増幅器66a,66b、ダミーヘッドマイク68を備えて構成されている。ダミーヘッドマイク68は、人工頭681にマイクユニット684a,684bを装着している。頭部伝達関数測定装置6aは、図15に示した頭部伝達関数測定装置6と比較して、円筒形構造体65eに装着したマイクユニット65a,65bの代わりにダミーヘッドマイク68を用いている点、及び、スピーカを左右のスピーカ63,64の一方のみとして(ここではスピーカ63を使用)ダミーヘッドマイク68の正中面に配置している点で相違している。
【0125】
図33にダミーヘッドマイク68の断面図を示す。ダミーヘッドマイク68は、耳介形部材682a,682bを備える人工頭681の耳道683a,683bの入口近傍にマイクユニット684a,684bを配置したものである。図16(C)に示したダミーヘッドマイク69は、耳道693a,693bの奥部の人の鼓膜の位置に相当する位置にマイクユニット694a,694bを配置したものであり、ダミーヘッドマイク68では耳道683a,683bの入口近傍にマイクユニット684a,684bを配置している点でダミーヘッドマイク69と相違している。なお、通常、ダミーヘッドマイクとは、図16(C)に示すように耳道693a,693bの奥部の人の鼓膜の位置に相当する位置にマイクユニット694a,694bを配置するものをいうが、耳介形部材682a,682bを備える人工頭681の耳道683a,683bの入口近傍にマイクユニット684a,684bを配置した図33のものも便宜上ダミーヘッドマイクと称している。
【0126】
ダミーヘッドマイク68を用いることにより、スピーカ63からの音声を耳道683a,683bによる影響が除かれたバイノーラル音声として集音することができる。
【0127】
図32に戻り、パーソナルコンピュータ61により例えばインパルス音よりなる測定信号を生成する。測定信号は増幅器62で増幅される。スピーカ63から発音された測定信号はダミーヘッドマイク68の左右のマイクユニット684a,684bで受音される。受音して得られた左右の信号は増幅器66a,66bで増幅されてパーソナルコンピュータ61に入力される。パーソナルコンピュータ61は生成した測定信号と受音した信号とを比較することにより、ダミーヘッドマイク68の頭部伝達関数h(t),h(t)を求める。頭部伝達関数h(t)は左側のマイクユニット684aでの受音信号により求めた頭部伝達関数、頭部伝達関数h(t)は右側のマイクユニット684bでの受音信号により求めた頭部伝達関数である。スピーカ63とダミーヘッドマイク68との距離Dを、例えば0.5m,1m,2mなどのように設定し、それぞれの距離Dにおける頭部伝達関数を順次求める。
【0128】
図34〜図39に、図32に示した頭部伝達関数測定装置6aで測定して得られた頭部伝達関数の特性を示す。
【0129】
図34(A)に示すインパルス応答波形は、スピーカ63とダミーヘッドマイク68との距離Dが50cmの場合に左側のマイクユニット684aで受音された波形である。縦軸は正規化された振幅(電圧)である。横軸は時間であり、標本化周波数が48kHzである信号の標本点の数で示してある。図34(B)は図34(A)に示すインパルス応答波形をパーソナルコンピュータ61でフーリエ解析して得られた周波数応答特性である。横軸が周波数(Hz)であり、縦軸は応答特性である。
【0130】
図35(A)は距離Dが50cmの場合に右側のマイクユニット684bで受音されたインパルス応答波形である。図35(B)は図35(A)に示すインパルス応答波形をフーリエ解析して得られた周波数応答特性である。測定条件は図34と同じである。
【0131】
以下、同様にして、図36(A)は距離Dが1mの場合に左側のマイクユニット684aで受音されたインパルス応答波形、図36(B)はその周波数応答特性である。
【0132】
図37(A)は距離Dが1mの場合に右側のマイクユニット684bで受音されたインパルス応答波形、図37(B)はその周波数応答特性である。
【0133】
図38(A)は距離Dが2mの場合に左側のマイクユニット684aで受音されたインパルス応答波形、図38(B)はその周波数応答特性である。
【0134】
図39(A)は距離Dが2mの場合に右側のマイクユニット684bで受音されたインパルス応答波形、図39(B)はその周波数応答特性である。
【0135】
それらの特性を比較すると、図34〜図39の(A)に示すインパルス応答波形は距離Dの値を0.5m,1m,2mと増加させると波形の振幅は減少する。図34〜図39の(B)に示す周波数応答特性は、距離Dが0.5mの場合は破線の楕円で囲んだ1kHz〜4kHzの周波数部分で約400Hzの間隔の規則的な凹凸特性(ピークディップ)が生じており、距離Dが1mの場合ではやや不規則な凹凸特性となり、距離Dが2mの場合では周波数間隔が異なる複数の凹凸特性が組み合わされた特性となっている。また、距離Dが同一の場合は左右でほぼ同一の特性が得られている。
【0136】
パーソナルコンピュータ61は、生成したインパルス音の測定信号と増幅器66a,66bから入力されるインパルス応答信号の波形とを比較して、距離Dごとの頭部伝達特性を求める。距離Dごとに求めた頭部伝達特性が音源を仮想的に距離Dの位置に定位させて、その仮想的な音源からの音声信号を受聴者に受聴させるための特性である。なお、本実施形態では距離Dを0.5m,1m,2mとしたが、さらに多くの距離においてそれぞれの特性を求めてもよく、距離Dの間隔を0.5mよりも狭くしてもよい。
【0137】
以上のようにして得られた頭部伝達特性は図31の伝達関数メモリ334に記憶される。ズーム倍率検出器331で検出されたズーム倍率に対して、記憶された伝達関数のいずれを用いるかは、一例として、カメラ部11における図示しない自動焦点測定機能により計測される被写体までの距離をズーム倍率で除して得られる係数αを用いる。例えば被写体までの距離が10mでズーム倍率が5の場合、係数αは2となる。被写体までの距離が10mでズーム倍率が10の場合、係数αは1となり、ズーム倍率が20の場合には係数αは0.5となる。
【0138】
図40を用いて、音声ズーム処理部33aでの動作を含む映像音声記録再生装置102の動作についてさらに説明する。図40において、ステップS211にて、加算器335はバイノーラルマイク3からの左右チャンネルのバイノーラル音声信号を加算して加算信号Sを得る。ステップS212にて、ズーム倍率検出器331は操作部48の操作に応じて制御部47で得られるズーム倍率を検出する。ステップS213にて、係数算出器332はズーム倍率に応じて伝達関数メモリ334に記憶された複数の伝達関数の内のいずれを選択するかを決めたり、可変増幅器337での増強度を表す係数αを算出したりする。なお、係数αとしては被写体までの距離をズーム倍率で除して得られる数をそのまま用いてもよいし、被写体までの距離をズーム倍率で除して得られる数に基づいて生成した値であってもよい。
【0139】
ステップS214にて、関数取得器333は係数αに応じて伝達関数メモリ334より伝達関数を取得し、畳み込み演算器336は加算器335から出力された加算信号に伝達関数を畳み込む。ステップS215にて、可変増幅器337は畳み込み演算器336の出力信号に係数αを乗じて増強する。ステップS216にて、加算器338a,338bは、左,右チャンネルのバイノーラル音声信号と可変増幅器337の出力信号とを加算する。そして、ステップS216にて、ズームアップ音声信号を記録媒体44に記録する。ステップS218にて、制御部47は記録が終了したか判定し、終了していなければ(NO)、ステップS211から繰り返す。ステップS218で記録が終了していれば(YES)、音声ズーム処理部33aでの処理を終了する。
【0140】
≪第3の実施形態≫
第2の実施形態は音声のズームアップ処理を記録側で行うものであるが、第3の実施形態は音声のズームアップ処理を再生側で行うものである。図41に示す第3の実施形態の映像音声記録再生装置103において、図3に示した第1の実施形態の映像音声記録再生装置101と同じ機能を有する構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。映像音声記録再生装置103は映像音声記録再生装置101と比較して、音声ズーム処理部33bを分離化部15の後段に設けており、ズーム倍率検出器331を多重化部13の前段に設けている点が相違している。なお、図41では、ヘッドフォン55とヘッドフォン55の接続端子である音声出力端子37cの図示を省略している。
【0141】
映像音声記録再生装置103の動作について説明する。操作部48が操作され、制御部47で生成されるカメラ部11のレンズ駆動用信号はカメラ部11とズーム倍率検出器331に供給される。ズーム倍率検出器331は、レンズ駆動用信号のズーム方向,ズーム速度,レンズ駆動時間を解析してズーム倍率を検出する。検出されたズーム倍率を示すズーム倍率情報は多重化部13に供給される。多重化部13は符号化映像信号と符号化音声信号とバイノーラルフラグ信号に併せてズーム倍率情報も多重化する。記録・再生部14はズーム倍率情報も含む多重化信号を記録媒体44に記録する。
【0142】
記録・再生部14は記録媒体44に記録された多重化信号を再生し、分離化部15は符号化映像信号と符号化音声信号とバイノーラルフラグ信号に併せてズーム倍率情報も分離する。ズーム倍率情報は音声ズーム処理部33bに入力される。
【0143】
図42は音声ズーム処理部33bの具体的な構成例である。図42に示すように、音声ズーム処理部33bは図29の音声ズーム処理部33と比較して、ズーム倍率検出器331が省かれている点と加算器338a,338bに入力される信号がクロストークキャンセラ27の出力信号である点で相違している。
【0144】
図42において、係数算出器332は分離化部15で分離されて入力されたズーム倍率情報を用いて可変増幅器337で入力信号を増幅する際に用いる係数αを算出する。加算器335はオーディオ復号化部26から入力されるバイノーラル音声信号を加算する。可変増幅器337は加算器335からの出力信号を係数算出器332から入力された係数αに応じて増幅する。加算器338a,338bはクロストークキャンセラ27からの出力信号と可変増幅器337からの増幅信号とを加算する。
【0145】
ところで、カメラ部11におけるズーム処理を例えばDSPを用いてソフトウェアによって演算処理して実行させる場合がある。音声ズーム処理を再生時に行う場合にはズーム処理に必要なDSPの信号処理時間を確保する必要がない。そのため、記録時にDSPによって撮影した映像信号の最適化処理や映像信号の符号化、または記録制御などの信号処理を十分に行うことができる。音声ズーム処理を再生時に行うことにより、DSPでの演算工数がズーム処理のための演算処理に割り当てられて、記録を行うための演算時間が不足するという不具合が発生するおそれを回避することができる。
【0146】
図43は、図42の音声ズーム処理部33bに対して、図31と同様、正中面の音声信号に近接効果を与える頭部伝達関数を畳み込むように構成した音声ズーム処理部33cを示している。音声ズーム処理部33cは音声ズーム処理部33bと比較して、関数取得器333、伝達関数メモリ334、畳み込み演算器336が追加されている点で相違している。関数取得器333、伝達関数メモリ334、畳み込み演算器336の動作は図31と同様であり、説明を省略する。
【0147】
≪第4の実施形態≫
図44に示す第4の実施形態の映像音声記録再生装置104は、音声のズームアップ処理を記録媒体44の再生時に外部操作により手動で行うよう構成したものである。即ち、ズーム倍率情報が記録媒体44に記録されていない場合に、視聴者59がモニタ52で再生した映像信号を見ながら音声のズームアップ処理を行うものである。視聴者59による手動で行う音声のズームアップ処理をマニュアル音声ズーム処理と称することとする。
【0148】
図44に示す映像音声記録再生装置104は、映像音声記録再生装置103と比較して、ズーム倍率検出器331が省略され、音声ズーム処理部33bの代わりに音声ズーム処理部33dを備えている点で相違している。
【0149】
視聴者59が操作部48を操作してマニュアル音声ズームを行うよう指示すると、制御部47はズームアップ制御信号を音声ズーム処理部33dに入力される。音声ズーム処理部33dはズームアップ制御信号に従ってオーディオ復号化部26で復号されたバイノーラル音声信号に対してズームアップ処理を施す。
【0150】
図45は音声ズーム処理部33dの具体的な構成例である。図45に示すように、音声ズーム処理部33dは、図42のズーム処理部33bと比較して、制御部47からのズームアップ制御信号が入力されるズーム倍率検出器331aが設けられ、係数算出器332には分離化部15からのズーム倍率情報ではなくズーム倍率検出器331aで生成したズーム倍率情報を入力している点で相違している。その他の部分はズーム処理部33bと同様の動作であり、説明を省略する。
【0151】
図46を用いて第4の実施形態におけるマニュアル音声ズーム処理についてさらに説明する。図46において、ステップS221にて、加算器335は再生して得られたバイノーラル音声信号の左右の信号を加算して加算信号Sを得る。ステップS222にて、制御部47は操作部48によって音声ズーム倍率が可変されたか否かを判定する。ステップS222で音声ズーム倍率が可変された場合は(YES)、ステップS223に移り、可変されなかった場合は(NO)、ステップS226に移る。
【0152】
音声ズーム倍率が可変された場合にはステップS223にて、ズーム倍率検出器331aはズームアップ制御信号に基づいてズーム倍率を算出する。ステップS224にて、係数算出器332はズーム倍率検出器331aから入力されたズーム倍率に基づいて係数αを算出する。係数αは、音源を視聴者の前方に定位させるための頭部伝達関数の特性を含んでいてもよい。ステップS225にて、係数αの値を新たに算出された値に更新する。
【0153】
そして、ステップS226にて、可変増幅器337は加算信号Sに係数αを乗算してαSを生成する。なお、ステップS223〜S225を経ていない場合は、係数αは音声ズーム倍率が可変する前の値である。ステップS227にて、加算器338a,338bはクロストークキャンセラ27によってクロストークキャンセル処理が施されたバイノーラル音声信号に信号αSを加算する。ステップS228にて、スイッチSw2及び音声出力端子37bを介してステップS227で得られた音声信号を出力する。ステップS229にて、制御部47は再生が終了したか否かを判定し、終了していなければ(NO)、ステップS221に戻り、終了していれば(YES)、処理を終了する。
【0154】
≪第5の実施形態≫
図47に示す第5の実施形態の映像音声記録再生装置105は、ズームアップ音声信号をヘッドフォン55で受聴するのに好適な構成を示している。図47に示す映像音声記録再生装置105は、図41の映像音声記録再生装置103と比較して、音声ズーム処理部33bの代わりに音声ズーム処理部33eを備えており、音声ズーム処理部33eから出力された音声信号を音声出力端子37cを介してヘッドフォン55へと供給している点で相違している。ヘッドフォン55には、クロストークキャンセラ27によってクロストークキャンセル処理を施しておらず、音声ズーム処理部33eによってズームアップ処理を施したバイノーラル音声信号を供給する。
【0155】
図48は音声ズーム処理部33eの具体的な構成例である。音声ズーム処理部33eは図42の音声ズーム処理部33bと比較して、加算器338c,338dが追加されている点で相違している。加算器338c,338dは、オーディオ復号化部26で復号して得られたバイノーラル音性信号に可変増幅器337から出力されたズームアップ音声信号を加算する。加算器338c,338dによって加算されたヘッドフォン受聴用音声信号は音声出力端子37cを介してヘッドフォン55へと供給される。
【0156】
以上説明した第2〜第5の実施形態によるズームアップ音声信号の再生効果は以下の通りである。
【0157】
カメラ部11の視野角がワイドに設定され、ズーム倍率が小さい場合には加算器335で加算された信号は可変増幅器337で増強されないため、視聴者59は、モニタ52に表示された映像信号と撮影者300を囲む360度の音声信号をスピーカ53,54で再生した臨場感を有する音声信号とを視聴することになる。視野角をワイドに設定した場合でも視野角は60度程度である。視聴者59は、映像の視野角と音声信号を集音した際の角度範囲との違いにより、モニタ52に表示される被写体から発する音が不足するいわゆる中抜け音声であると認識する場合がある。これに対して、前述の如く音声ズームアップ処理が施された音声信号は、撮影者300に対して正中面からの信号成分を増強してバイノーラル音声信号に加算するため、中抜けが補償された音声信号となる。よって、視聴者59が中抜け音声であると認識することを防止し、視聴者59は第1実施例と比較してさらに違和感の少ない臨場感のある音声を受聴することが可能となる。
【0158】
≪第6の実施形態≫
図49,図50に示す第6の実施形態の映像音声記録再生装置106は、第1〜第5の実施形態のように内蔵ステレオマイク21とバイノーラルマイク3とを別々に設けたものではなく、通常のステレオ集音用のマイクとバイノーラルマイクとを共用させた構成を示している。図49は第6の実施形態も映像音声記録再生装置106の外観構成例を示す平面図であり、図50は映像音声記録再生装置106の具体的な内部構成例を示すブロック図である。図49,図50において、図1,図3と同一の機能を有する構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0159】
図49に示すように、映像音声記録再生装置106は上面にマイク31e,31fを載置するためのマイク載置部35a,35bとマイク31e,31fに接続されたマイクコード310e,310fを収納するコード収納部34を備えている。
【0160】
図49において、マイク31e,31fを用いて通常のステレオ音声にて集音する場合は、撮影者300はマイク31e,31fをマイク載置部35a,35bに載置して集音する。バイノーラル音声の集音を行う場合は、撮影者300はコード収納部34からマイクコード310e,310fを引き出してマイク31e,31fを耳302に装着して集音する。映像音声記録再生装置106はマイク載置部35a,35bに載置されるマイク31e,31fを検出する図示しない突起状検出部を有する。突起状検出部に連動して動作するスイッチ(図50のスイッチSw4に相当)のオン/オフにより、映像音声記録再生装置106はマイク31e,31fがマイク載置部35a,35bに載置されているか否かを検出する。マイク載置部35a,35bに載置されているか否かの検出はこれに限定されることはなく、例えばマイク31e,31fに内蔵されている永久磁石から発生する磁界をホール素子や磁気抵抗素子を用いて検出するようにしてもよい。
【0161】
具体的には、図50において、スイッチSw4は、マイク31e,31fがマイク載置部35a,35bに載置されていなければ端子eに接続してオフ状態となり、マイク31e,31fが載置されていれば端子fに接続してオン状態となる。載置検出部41aは、スイッチSw4が端子eに接続しているか端子fに接続しているかによってマイク31e,31fがマイク載置部35a,35bに載置されているか否かを検出する。載置検出部41aによる検出信号は制御部47へ供給される。
【0162】
載置検出部41aが、マイク31e,31fが載置されていることを検出した場合には、マイク31e,31fは通常のステレオ集音を行い、制御部47は、映像音声記録再生装置106がノーマルモードでの撮影に対応した記録動作を行うよう回路各部を制御する。この場合、マイク31e,31fの役割は図3における内蔵ステレオマイク21と等価であり、フラグ情報生成部42はバイノーラルモードであることを示すバイノーラルフラグ信号を生成しない。一方、載置検出部41aが、マイク31e,31fが載置されていないことを検出した場合には、撮影者300がマイク31e,31fを耳302に装着してバイノーラル集音するバイノーラルモードであるとみなし、制御部47は、映像音声記録再生装置106がバイノーラルモードでの撮影に対応した記録動作を行うよう回路各部を制御する。この場合、フラグ情報生成部42は制御部47による制御に基づいてバイノーラルフラグ信号を生成する。
【0163】
第6の実施形態では、マイク31e,31f、マイク載置部35a,35b、載置検出部41a、制御部47が全体として、周囲音を集音するマイクとして、撮影者の耳に装着するバイノーラルマイクを使用するかバイノーラルマイク以外のマイクを使用するかを切り替える切り替え部として動作している。
【0164】
ここで、図51を用いてコード収納部34の構造の一例について説明する。図51(A)はコード収納部34を上面側から見た内部構造であり、マイクコード310e,310fは回転軸343を有するリール341に巻き付けられている。図51(B)はコード収納部34を下面側から見た内部構造であり、リール341の内部には渦巻状のスプリング342が備えられている。マイク31e,31fがマイク載置部35a,35bに載置されているか否かを検出する代わりに、またはこれに加えて、リール341の回転角を検出することによりバイノーラルモードであるか否かを検出してもよい。
【0165】
≪第7の実施形態≫
図52に示す第7の実施形態の映像音声記録再生装置107は、集音して得られた音声信号を装置本体に無線伝送する無線型バイノーラルマイクを用いた構成を示している。図52において、図1と同一の機能を有する構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0166】
図52において、映像音声記録再生装置107は、図1の外部マイク接続端子32の代わりに無線送受信部39を備え、バイノーラルマイク3の代わりに無線型バイノーラルマイク38を用いて音声収録を行う。撮影者300は、装置本体と無線結合される無線型バイノーラルマイク38を頭部に装着し左右のマイク38a,38bを耳302に挿入して集音することにより、マイクコードに邪魔されることなく撮影を行うことができる。また、撮影者300と、図示しない集音者の2人による撮影も可能となる。
【0167】
図53を用いて映像音声記録再生装置107の内部構成について説明する。図53において、図3と同一の機能を有する構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。図53に示す映像音声記録再生装置107は、図3の映像音声記録再生装置101と比較して、外部マイク接続端子32及び接続検出部41の代わりに無線送受信部39を備えている点で相違している。
【0168】
制御部47は、無線型バイノーラルマイク38が装置本体から所定の距離にあると判断し、無線送受信部39が無線型バイノーラルマイク38からバイノーラル音声信号を受信する場合に、スイッチSw1を端子bに接続させて無線型バイノーラルマイク38からバイノーラル音声信号をオーディオ符号化部22に供給させる。この場合、制御部47は、フラグ情報生成部42がバイノーラルフラグ信号を生成するよう制御する。また、制御部47は、無線型バイノーラルマイク38が装置本体から所定の距離を越えると判断した場合には、スイッチSw1を端子aに接続させ、内蔵ステレオマイク21からのステレオ音声信号をオーディオ符号化部22に供給させる。この場合、フラグ情報生成部42はバイノーラルフラグ信号を生成しない。
【0169】
図54に無線型バイノーラルマイク38及び無線送受信部39の内部構成例を示し、それらの動作について説明する。
【0170】
図54に示すように、無線型バイノーラルマイク38のマイク38aは、マイクユニット381、マイクアンプ382、送受信ユニット383、アンテナ384、警告信号発信部385を備えて構成されている。図示を省略しているが、マイク38bは、警告信号発信部385を備えていない点以外はマイク38aと同様の構成である。無線送受信部39は、送受信ユニット391、マイク判定部392、距離測定部393、通信可能圏内判定部394、警告信号発信部395、アンテナ396を備えて構成されている。
【0171】
マイク38a(38b)のマイクユニット381はバイノーラル音声信号を生成する。マイクアンプ382はマイクユニット381からのバイノーラル音声信号を増幅する。送受信ユニット383はマイクアンプ382からの増幅されたバイノーラル音声信号を所定の変調方式により変調してアンテナ384を介して送信する。警告信号発信部385は後述する無線送受信部39の警告信号発信部395で生成され、送受信ユニット391及び送受信ユニット383を介して伝送された警告信号を基に警告信号を発生する。
【0172】
無線送受信部39のアンテナ396は左右のマイク38a,38bから送信される変調信号を受信する。送受信ユニット391は受信した変調信号を復調してバイノーラル音声信号を生成すると共に、変調信号の受信電力の強度を測定する。距離測定部393は測定された受信電力の強度を基に無線送受信部39から無線型バイノーラルマイク38までの距離を推定する。通信可能圏内判定部394は推定された距離が通信可能な所定の距離以内であるか否かを判定する。通信可能圏内判定部394の判定結果は制御部47に供給される。制御部47は、推定された距離が通信可能な所定の距離以内であればスイッチSw1を端子bに接続させ、フラグ情報生成部42がバイノーラルフラグ信号を生成するよう制御する。制御部47は、推定された距離が通信可能な所定の距離を超える場合にはスイッチSw1を端子aに接続させる。
【0173】
警告信号発信部395は、通信可能圏内判定部394で推定された距離が通信可能な所定の距離を超えると判定した場合に警告信号を生成する。警告信号は制御部47に供給される。制御部47は警告マークを生成して表示部17に供給して、表示部17に所定の警告マークを表示させる。マイク判定部392は警告信号発信部395で警告信号を生成していない場合は正常にバイノーラル音声信号が得られていると判定し、送受信ユニット391にて復調して得られたバイノーラル音声信号を、スイッチSw1を介してオーディオ符号化部22に供給する。
【0174】
図55に、無線型バイノーラルマイク38及び映像音声記録再生装置107でなされる警告表示の例を示す。マイク38aには発光ダイオード(LED)386を先端部に装着した棒状部材が設けられている。LED386には警告信号発信部385で生成された警告信号が供給され、警告信号に基づいてLED386が点滅(または点灯)する。LED386が点滅に加えて、またはLED386が点滅の代わりに警告音を発生させてもよい。この場合には、警告音がマイクユニット381で受聴されないよう(受聴されにくいよう)、警告音のレベルを小さくしたり、警告音の周波数を例えば数十Hz以下の低周波数としたりすることが好ましい。
【0175】
警告信号発信部395は、無線型バイノーラルマイク38が破線の円で示す通信可能圏を越えたと判定した場合に警告信号を生成する。図55に示すように、無線型バイノーラルマイク38が通信可能圏を越えていれば、表示部17に所定の警告マークが表示される。
【0176】
図56は表示部17に表示される警告マークの例を示している。図56(A)に示す警告マーク171aは、図5(A)に示したバイノーラルマーク171上に×印を重ねて表示したものである。図56(B)に示す警告マーク172aは、図5(B)に示すマーク172をグレー表示したものである。警告マークとしては図56(A),(B)いずれのマークを用いてもよく、勿論これ以外のマークを用いてもよい。警告表示を行ったにもかかわらず無線送受信部39での受信電力が受信限界以下となると想定される場合には、制御部47は無線型バイノーラルマイク38から内蔵ステレオマイク21へと切り替える。
【0177】
図57を用いて映像音声記録再生装置107の動作についてさらに説明する。図57において、ステップS251にて、制御部47はバイノーラルモードであるか否かを判定する。ステップS251でバイノーラルモードであると判定されなければ(NO)、ステップS253にて、記録・再生部14は内蔵ステレオマイク21で集音して通常のステレオ音声信号を記録媒体44に記録する。ステップS251でバイノーラルモードであると判定されれば(YES)、ステップS252にて無線送受信部39は無線型バイノーラルマイク38からの送信信号を受信する。ステップS254にて、距離測定部393は受信電力の強度(受信強度)に基づいて無線送受信部39から無線型バイノーラルマイク38までの距離を検出する。ステップS255にて、通信可能圏内判定部394は検出した距離が所定の距離以内であるか否かを判定する。
【0178】
ステップS255で所定の距離以内であると判定されなければ(NO)、ステップS257にて、制御部47は、警告表示時間tが0(非提示)であるか否か判定し、警告表示時間tが0であればステップS300にて警告信号を発生するよう警告信号発信部395を制御する。警告信号の発生後、ステップS254に戻り同じ処理を繰り返す。ステップS257にて、警告表示時間tが0でなければ(NO)、ステップS258にて、制御部47は、警告表示時間tが予め定めた最大時間tmaxを越えたか否か判定し、最大時間tmaxを越えていなければ(NO)、ステップS300に移り、同様にテップS254に戻る。最大時間tmaxを越えていれば(YES)、ステップS259にて、制御部47は、無線型バイノーラルマイク38から内蔵ステレオマイク21へと切り替えるようスイッチSw1を制御し、警告信号の発生を停止するよう警告信号発信部395を制御する。そして、ステップS253に移る。
【0179】
ステップS255で所定の距離以内であると判定されれば(YES)、ステップS256にて、制御部47は、警告信号発信部395が警告信号を発生中であれば、警告信号の発生を停止するよう警告信号発信部395を制御する。そして、ステップS301にて、記録・再生部14は無線型バイノーラルマイク38で集音してバイノーラル音声信号を記録媒体44に記録する。ステップS302にて、制御部47は、記録終了の操作がなされたか否か判定し、記録終了の操作がなされていなければ(NO)、ステップS251に戻り、記録終了の操作がなされていれば(YES)、処理を終了する。
【産業上の利用可能性】
【0180】
本発明は、民生用のビデオカメラのみならず、業務用のビデオカメラにおいても、撮像した映像と共に臨場感のある音声を再生することが必要な映像音声記録再生装置に適用できる。また、動画撮影機能を有するデジタルカメラや携帯電話にも適用できる。さらには、本発明は映像信号と音声信号との双方を記録再生する映像音声記録再生装置に用いて好適であるが、音声信号のみを記録再生する音声記録再生装置に用いても十分に効果的である。

Claims (8)

  1. 被写体を撮像した映像信号と、前記被写体から発せられた音を含む撮影者の周囲音を集音した音声信号とが記録された記録媒体を再生する映像音声再生装置において、
    前記記録媒体に記録された記録信号を再生する再生部と
    前記再生部によって再生された前記記録信号から前記映像信号と前記音声信号とを分離する分離化部と
    前記分離化部によって分離された前記映像信号を処理するビデオ処理部と
    前記分離化部によって分離された前記音声信号を処理するオーディオ処理部と
    前記記録媒体に、前記周囲音を集音するマイクとして前記撮影者の耳に装着するバイノーラルマイクを使用したことを示すバイノーラルフラグ信号が記録されているとき、前記バイノーラルフラグ信号を取得するフラグ情報取得部と
    前記フラグ情報取得部が前記バイノーラルフラグ信号を取得したとき、前記オーディオ処理部によって処理された前記音声信号をスピーカによって発音した場合に発生するクロストーク信号を打ち消すよう前記音声信号を処理するクロストークキャンセラとを備え、
    前記クロストークキャンセラは前記音声信号に対して予め求めたフィルタ特性を畳み込むフィルタを有し、前記フィルタ特性は、測定信号を円筒型構造体の表面部に装着した一対のマイクで集音した音声信号を用いて計測した頭部伝達関数に基づいたフィルタ特性であることを特徴とする映像音声再生装置。
  2. 被写体を撮像した映像信号と、前記被写体から発せられた音を含む撮影者の周囲音を集音した音声信号とが記録された記録媒体を再生する映像音声再生方法において、
    前記記録媒体に記録された記録信号を再生する再生ステップと
    前記再生ステップにて再生された前記記録信号から前記映像信号と前記音声信号とを分離する分離化ステップと
    前記分離化ステップにて分離された前記映像信号を処理するビデオ処理ステップと
    前記分離化ステップによって分離された前記音声信号を処理するオーディオ処理ステップと
    前記記録媒体に、前記周囲音を集音するマイクとして前記撮影者の耳に装着するバイノーラルマイクを使用したことを示すバイノーラルフラグ信号が記録されているとき、前記バイノーラルフラグ信号を取得するフラグ情報取得ステップと
    前記フラグ情報取得ステップにて前記バイノーラルフラグ信号を取得したとき、前記オーディオ処理ステップにて処理された前記音声信号をスピーカによって発音した場合に発生するクロストーク信号を打ち消すよう前記音声信号を処理するクロストークキャンセルステップとを有し、
    前記クロストークキャンセルステップは前記音声信号に対して予め求めたフィルタ特性を畳み込むステップであり、前記フィルタ特性は、測定信号を円筒型構造体の表面部に装着した一対のマイクで集音した音声信号を用いて計測した頭部伝達関数に基づいたフィルタ特性であることを特徴とする映像音声再生方法。
  3. 被写体を撮像した映像信号と、前記被写体から発せられた音を含む撮影者の周囲音を集音した音声信号とを記録し再生する映像音声記録再生装置において、
    前記被写体を撮像するカメラ部と
    前記周囲音を集音するマイクとして、前記撮影者の耳に装着するバイノーラルマイクを使用するかバイノーラルマイク以外のマイクを使用するかを切り替える切り替え部と
    前記カメラ部より出力された映像信号を処理する第1のビデオ処理部と
    前記周囲音を集音するマイクより出力された音声信号を処理する第1のオーディオ処理部と
    前記切り替え部によって前記周囲音を集音するマイクとして前記バイノーラルマイクに切り替えた場合に、前記周囲音を集音する際の音声モードをバイノーラルモードとして、バイノーラルモードであることを示すバイノーラルフラグ信号を生成するフラグ情報生成部と
    前記切り替え部によって前記周囲音を集音するマイクとして前記バイノーラルマイクに切り替えた場合に、前記第1のビデオ処理部によって処理された映像信号と、前記第1のオーディオ処理部によって処理された音声信号であって、前記撮影者の頭部と前記バイノーラルマイクとの位置関係によるバイノーラル音響特性が与えられた周囲音を集音した前記バイノーラルマイクより出力された音声信号と、前記バイノーラルフラグ信号とを記録媒体に記録する記録部と
    前記記録媒体に記録された記録信号を再生する再生部と
    前記再生部によって再生された前記記録信号から前記映像信号と前記音声信号とを分離する分離化部と
    前記分離化部によって分離された前記映像信号を処理する第2のビデオ処理部と
    前記分離化部によって分離された前記音声信号を処理する第2のオーディオ処理部と
    前記記録媒体に前記バイノーラルフラグ信号が記録されているとき、前記バイノーラルフラグ信号を取得するフラグ情報取得部と
    前記フラグ情報取得部が前記バイノーラルフラグ信号を取得したとき、前記第2のオーディオ処理部によって処理された前記音声信号をスピーカによって発音した場合に発生するクロストーク信号を打ち消すよう前記音声信号を処理するクロストークキャンセラとを備え、
    前記クロストークキャンセラは前記音声信号に対して予め求めたフィルタ特性を畳み込むフィルタを有し、前記フィルタ特性は、測定信号を円筒型構造体の表面部に装着した一対のマイクで集音した音声信号を用いて計測した頭部伝達関数に基づいたフィルタ特性であることを特徴とする映像音声記録再生装置。
  4. 前記映像音声記録再生装置に内蔵されている内蔵マイクと、
    外部マイク接続端子と、
    前記外部マイク接続端子に接続して使用する外部マイクとして、前記バイノーラルマイクかバイノーラルマイク以外のマイクかを設定する設定部と、
    前記外部マイク接続端子に外部マイクが接続されているか否かを検出する接続検出部と、
    前記オーディオ処理部に供給する音声信号として、前記内蔵マイクより出力された音声信号と前記外部マイクより出力された音声信号とを切り替えるスイッチと、
    前記設定部によって前記外部マイクがバイノーラルマイクに設定され、前記接続検出部によって前記外部マイク接続端子に外部マイクが接続されていることが検出されたとき、音声モードを前記バイノーラルモードとする制御部とを備え、
    前記制御部は、音声モードが前記バイノーラルモードのとき、前記スイッチが前記外部マイクより出力された音声信号を前記オーディオ処理部に供給するよう前記スイッチを切り替え制御し、前記フラグ情報生成部が前記バイノーラルフラグ信号を生成するよう前記フラグ情報生成部を制御することを特徴とする請求項3に記載の映像音声記録再生装置。
  5. 前記カメラ部より出力された映像信号を表示する表示部を備え、
    音声モードが前記バイノーラルモードのとき、前記表示部に前記バイノーラルモードであることを示すバイノーラルマークを表示させる表示制御部を備えたことを特徴とする請求項3または4に記載の映像音声記録装置。
  6. 前記カメラ部は前記被写体を拡大して撮像するズーム機能を有し、
    前記バイノーラルマイクによって集音された音声信号を前記カメラ部における拡大率に応じて増幅する音声ズーム処理部を備えたことを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項に記載の映像音声記録装置。
  7. 前記カメラ部は前記被写体を拡大して撮像するズーム機能を有し、
    前記バイノーラルマイクが集音する音声信号の音源を仮想的に受聴者に接近させて仮想音源を形成するための頭部伝達関数を前記仮想音源と前記受聴者との複数の距離に対応させて記憶する伝達関数メモリと、この伝達関数メモリに記憶された複数の頭部伝達関数のいずれかを前記カメラ部における拡大率に応じて選択的に取得する関数取得器と、前記バイノーラルマイクによって集音された音声信号に対して前記関数取得器にて取得された頭部伝達関数を畳み込む畳み込み演算器とを有する音声ズーム処理部を備えたことを特徴とする請求項3ないし6のいずれか1項に記載の映像音声記録装置。
  8. 被写体を撮像した映像信号と、前記被写体から発せられた音を含む撮影者の周囲音を集音した音声信号とを記録し再生する映像音声記録再生方法において、
    前記被写体を撮像する撮像ステップと
    前記周囲音を集音するマイクとして、前記撮影者の耳に装着するバイノーラルマイクを使用するかバイノーラルマイク以外のマイクを使用するかを切り替える切り替えステップと
    前記被写体を撮像した映像信号を処理する第1のビデオ処理ステップと
    前記周囲音を集音するマイクより出力された音声信号を処理する第1のオーディオ処理ステップと
    前記切り替えステップにて前記周囲音を集音するマイクとして前記バイノーラルマイクに切り替えた場合に、前記周囲音を集音する際の音声モードをバイノーラルモードとして、バイノーラルモードであることを示すバイノーラルフラグ信号を生成するフラグ情報生成ステップと
    前記切り替えステップにて前記周囲音を集音するマイクとして前記バイノーラルマイクに切り替えた場合に、前記第1のビデオ処理ステップにて処理された映像信号と、前記第1のオーディオ処理ステップにて処理された音声信号であって、前記撮影者の頭部と前記バイノーラルマイクとの位置関係によるバイノーラル音響特性が与えられた周囲音を集音した前記バイノーラルマイクより出力された音声信号と、前記バイノーラルフラグ信号とを記録媒体に記録する記録ステップと
    前記記録媒体に記録された記録信号を再生する再生ステップと
    前記再生ステップにて再生された前記記録信号から前記映像信号と前記音声信号とを分離する分離化ステップと
    前記分離化ステップにて分離された前記映像信号を処理する第2のビデオ処理ステップと
    前記分離化ステップによって分離された前記音声信号を処理する第2のオーディオ処理ステップと
    前記記録媒体に前記バイノーラルフラグ信号が記録されているとき、前記バイノーラルフラグ信号を取得するフラグ情報取得ステップと
    前記フラグ情報取得ステップにて前記バイノーラルフラグ信号を取得したとき、前記第2のオーディオ処理ステップにて処理された前記音声信号をスピーカによって発音した場合に発生するクロストーク信号を打ち消すよう前記音声信号を処理するクロストークキャンセルステップとを有し、
    前記クロストークキャンセルステップは前記音声信号に対して予め求めたフィルタ特性を畳み込むステップであり、前記フィルタ特性は、測定信号を円筒型構造体の表面部に装着した一対のマイクで集音した音声信号を用いて計測した頭部伝達関数に基づいたフィルタ特性であることを特徴とする映像音声記録再生方法。
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