[go: up one dir, main page]

JP4773865B2 - Co2回収装置及びco2回収方法 - Google Patents

Co2回収装置及びco2回収方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4773865B2
JP4773865B2 JP2006111303A JP2006111303A JP4773865B2 JP 4773865 B2 JP4773865 B2 JP 4773865B2 JP 2006111303 A JP2006111303 A JP 2006111303A JP 2006111303 A JP2006111303 A JP 2006111303A JP 4773865 B2 JP4773865 B2 JP 4773865B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lean solution
semi
heat
regeneration tower
reflux line
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006111303A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007284273A (ja
Inventor
琢也 平田
裕士 田中
徹 高品
正樹 飯嶋
剛司 大石
富雄 三村
靖幸 八木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Electric Power Co Inc
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Kansai Electric Power Co Inc
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Electric Power Co Inc, Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Kansai Electric Power Co Inc
Priority to JP2006111303A priority Critical patent/JP4773865B2/ja
Publication of JP2007284273A publication Critical patent/JP2007284273A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4773865B2 publication Critical patent/JP4773865B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02CCAPTURE, STORAGE, SEQUESTRATION OR DISPOSAL OF GREENHOUSE GASES [GHG]
    • Y02C20/00Capture or disposal of greenhouse gases
    • Y02C20/40Capture or disposal of greenhouse gases of CO2
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/10Process efficiency
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/151Reduction of greenhouse gas [GHG] emissions, e.g. CO2
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals

Landscapes

  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Gas Separation By Absorption (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)

Description

本発明は、省エネルギーを図ったCO2回収装置及びCO2回収方法に関する。
近年、地球の温暖化現象の原因の一つとして、CO2による温室効果が指摘され、地球環境を守る上で国際的にもその対策が急務となってきた。CO2の発生源としては化石燃料を燃焼させるあらゆる人間の活動分野に及び、その排出抑制への要求が一層強まる傾向にある。これに伴い大量の化石燃料を使用する火力発電所などの動力発生設備を対象に、ボイラの燃焼排ガスをアミン系CO2吸収液と接触させ、燃焼排ガス中のCO2を除去、回収する方法及び回収されたCO2を大気へ放出することなく貯蔵する方法が精力的に研究されている。
また前記のようなCO2吸収液を用い、燃焼排ガスからCO2を除去・回収する工程としては、吸収塔において燃焼排ガスとCO2吸収液とを接触させる工程、CO2を吸収した吸収液を再生塔において加熱し、CO2を遊離させると共に吸収液を再生して再び吸収塔に循環して再使用するものが採用されている(特許文献1)。
前記従来のCO2回収装置は、図8に示すように、例えばボイラやガスタービン等の産業設備1001から排出されたCO2を含有する排ガス1002を冷却水1003によって冷却する冷却塔1004と、冷却されたCO2を含有する排ガス1002とCO2を吸収するCO2吸収液1005とを接触させて前記排ガス1002からCO2を除去する吸収塔1006と、CO2を吸収したCO2吸収液(リッチ溶液)1007からCO2を放出させてCO2吸収液1005を再生する再生塔1008とを有する。この装置では、前記再生塔1008でCO2を除去した再生CO2吸収液(リーン溶液)1009は前記吸収塔1006でCO2吸収液として再利用する。
この従来のCO2回収装置を用いたCO2回収方法では、まずCO2を含有する排ガス1002は、排ガス送風機1010により昇圧された後、冷却塔1004に送られ、ここで冷却水1003により冷却され、CO2吸収塔1006に送られる。
前記CO2吸収塔1006において、排ガス1002はアルカノールアミンをベースとするCO2吸収液1005と交向流接触し、排ガス1002中のCO2は、化学反応(R−NH2+H2O+CO2→R−NH3HCO3)によりCO2吸収液1005に吸収され、CO2が除去された排ガス1011は系外に放出される。CO2を吸収したCO2吸収液1007は「リッチ溶液」とも呼称される。このリッチ溶液1007はリッチソルベントポンプ1012により昇圧され、リッチ・リーン溶液熱交換器1013において、再生塔1008でCO2を除去されることにより再生されたCO2吸収液(リーン溶液)1009により加熱され、再生塔1008に供給される。
再生塔1008の上部から再生塔1008内部に放出されたリッチ溶液1007は、吸熱反応を生じて、大部分のCO2を放出する。再生塔1008内で一部または大部分のCO2を放出したCO2吸収液は「セミリーン溶液」と呼称される。このセミリーン溶液は、再生塔1008下部に至る頃には、ほぼ全てのCO2が除去されたCO2吸収液1009となる。このほぼ全てのCO2が除去されることにより再生された吸収液は「リーン溶液」と呼称される。このリーン溶液1009は再生加熱器1014で飽和スチーム1030により加熱される。一方、再生塔1008の塔頂部からは塔内においてリッチ溶液1007およびセミリーン溶液から放出された水蒸気を伴ったCO2ガス1015が導出され、コンデンサ1016により水蒸気が凝縮され、分離ドラム1017にて水が分離され、CO2ガス1018が系外に放出されて回収される。分離ドラム1017にて分離された水は凝縮水循環ポンプ1019にて再生塔1008の上部に供給される。再生されたCO2吸収液(リーン溶液)1009は、前記リッチ・リーン熱交換器1013にて前記リッチ溶液1007により冷却され、つづいてリーンソルベントポンプ1020にて昇圧され、さらにリーンソルベントクーラ1021にて冷却された後、吸収塔1006に供給される。
なお、図8中、符号1001aはボイラやガスタービン等の産業設備1001の煙道であり、1001bは煙突である。前記CO2回収装置は、既設の排ガス源からCO2を回収するために後付で設けられる場合と、新設排ガス源に同時付設される場合とがある。煙突1001bには開閉可能な扉を設置し、CO2回収装置の運転時は閉止する。また排ガス源は稼動しているが、CO2回収装置の運転を停止した際は開放するように設定する。
また、他の従来のCO2回収装置は、再生塔1008の塔底部近傍に回収されたリーン溶液1009を再生加熱器1014からのスチーム凝縮水により該リッチ溶液1007を加熱するスチーム凝縮水熱交換器を具備し、再生加熱器1014で使用されたスチーム凝縮水の余熱を有効利用して、リッチ溶液を加熱させ、再生塔1008に供給されていた(特許文献2)。
特開平3−193116号公報 特開2005−254212号公報
前記CO2吸収液及び工程を用いて燃焼排ガスのようなCO2含有ガスからCO2を吸収除去・回収する方法においては、これらの工程は燃焼設備に付加して設置されるため、その操業費用もできるだけ低減させなければならない。特に前記工程の内、再生工程は多量の熱エネルギーを消費するので、可能な限り省エネルギープロセスとする必要がある。
本発明は、前記問題に鑑み、エネルギー効率を一層向上させたCO2回収装置及びCO2回収方法を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、CO2を含有するガスとCO2吸収液とを接触させてCO2を除去する吸収塔と、CO2を吸収したリッチ溶液を再生し熱交換する再生塔と、再生塔でCO2を除去したリーン溶液を吸収塔で再利用するCO2回収装置であって、前記再生塔が、前記再生塔内でCO2を一部除去したセミリーン溶液を前記再生塔の上流側から抜き出して下流側に戻す第1の還流ラインに介装され、前記第1の還流ライン中のセミリーン溶液をボイラ等の産業設備の煙道内の高温の排ガスにより熱交換する排ガス熱交換器と、前記再生塔内でCO2を一部除去したセミリーン溶液を前記再生塔の上流側から抜き出して下流側に戻す第2の還流ラインに介装され、前記第2の還流ライン中のセミリーン溶液を前記リーン溶液の余熱により熱交換するリーン溶液熱交換器とを具備してなることを特徴とするCO2回収装置にある。
第2の発明は、第1の発明において、前記再生塔内でCO2を一部除去したセミリーン溶液を前記再生塔の上流側から抜き出して下流側に戻す第3の還流ラインに介装され、前記第3の還流ライン中のセミリーン溶液を前記再生加熱器からのスチーム凝縮水の余熱により熱交換するスチーム凝縮水熱交換部を具備してなることを特徴とするCO2回収装置にある。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記第1の還流ラインが、前記リーン溶液熱交換器又は前記スチーム凝縮水熱交換部の何れか一方又は両方を有してなるものであることを特徴とするCO2回収装置にある。
第4の発明は、第1乃至第3のいずれか1つの発明において、前記第2の還流ラインが、前記排ガス熱交換器又は前記スチーム凝縮水熱交換部の何れか一方又は両方を有してなるものであることを特徴とするCO2回収装置にある。
第5の発明は、第1乃至第4のいずれか1つの発明において、前記第1の還流ライン、前記第2の還流ライン又は前記第3の還流ラインの少なくともいずれかが、複数本設けられてなるものであることを特徴とするCO2回収装置にある。
第6の発明は、CO2を含有するガスとCO2吸収液とを吸収塔内で接触させてCO2を除去した後、該CO2を吸収したリッチ溶液を再生塔で再生し、その後再生したCO2を除去したリーン溶液を吸収塔で再利用するCO2回収方法であって、前記再生塔の上流側から抜き出して下流側に戻す第1の還流ライン中のCO2を一部除去したセミリーン溶液をボイラ等の産業設備の煙道内の高温の排ガスにより熱交換し、前記再生塔の上流側から抜き出して下流側に戻す第2の還流ライン中の前記セミリーン溶液を、前記再生塔からの前記リーン溶液の余熱により熱交換することを特徴とするCO2回収方法にある。
第7の発明は、第6の発明において、前記再生塔内でCO2を一部除去したセミリーン溶液を前記再生塔の上流側から抜き出して下流側に戻す第3の還流ライン中のセミリーン溶液を、飽和スチームにより熱交換する再生加熱器からのスチーム凝縮水の余熱により熱交換することを特徴とするCO2回収方法にある。
第8の発明は、第6又は第7の発明において、前記リーン溶液熱交換器又は前記スチーム凝縮水熱交換部の何れか一方又は両方を有してなる前記第1の還流ライン中のセミリーン溶液を前記リーン溶液の余熱、又はスチーム凝縮水の余熱の何れか一方又は両方により熱交換することを特徴とするCO2回収方法にある。
第9の発明は、第6乃至第8のいずれか1つの発明において、前記排ガス熱交換器又は前記スチーム凝縮水熱交換部の何れか一方又は両方を有してなる前記第1の還流ライン中のセミリーン溶液を前記高温の排ガス、又はスチーム凝縮水の余熱の何れか一方又は両方により熱交換することを特徴とするCO2回収方法にある。
本発明によれば、該再生塔の途中から抜き出したCO2を一部除去したセミリーン溶液を排ガスの余熱により加熱すると共に、CO2を除去したリーン溶液の余熱により前記セミリーン溶液を加熱することにより、エネルギー効率を向上させたCO2回収装置及びCO2回収方法を提供することができる。
また、リーン溶液の余熱を利用して再生塔に入れるリッチ溶液の温度を最適な温度とすることにより、スチーム及びコンデンサの負荷の軽減を図ることができ、更に省エネルギーを図ったCO2回収装置及びCO2回収方法を提供することができる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
本発明による実施例1に係るCO2回収装置について、図1を参照して説明する。
図1は、本発明にかかるCO2回収装置の実施例1の概略図である。図中、前記図8に示した装置と同一構成には同一符号を付して重複した説明は省略する。
図1に示すように、本実施例にかかるCO2回収装置1000Aは、CO2を含有するCO2含有ガス1002とCO2を吸収するCO2吸収液1005とを接触させてCO2を除去する吸収塔1006と、CO2を吸収したリッチ溶液1007を再生する再生塔1008と、該再生塔1008でCO2を除去したリーン溶液(再生液)1009を吸収塔1006で再利用するCO2回収装置であって、再生塔1008内でCO2を一部除去したセミリーン溶液10を再生塔1008の上流側から抜き出して下流側に戻す第1の還流ラインL1に介装され、前記第1の還流ラインL1中のセミリーン溶液10をボイラ等の産業設備1001の煙道1001a内の高温の排ガス1002により熱交換する排ガス熱交換器11と、前記第1の還流ラインL1の下流側に設けられ、前記再生塔1008内でCO2を一部除去したセミリーン溶液10を前記再生塔1008の上流側から抜き出して下流側に戻す第2の還流ラインL2に介装され、前記第2の還流ラインL2中のセミリーン溶液10を前記リーン溶液1009の余熱により熱交換するリーン溶液熱交換器20とを具備してなるものである。
また、前記再生塔1008内の塔底部には再生還流ラインL0が設けられている。そして前記再生塔1008内の塔底部に回収されたリーン溶液1009を高温の飽和スチーム1030により熱交換するための再生加熱器1014が、再生還流ラインL0に介装されている。再生加熱器1014において再生還流ラインL0中のリーン溶液1009は高温の飽和スチーム1030により熱交換され、加熱される。そして、再生加熱器1014を出た前記再生還流ラインL0のリーン溶液1009は、再生還流ラインL0を介して再生塔1008の塔底部に戻る。
また、再生塔1008で生成されたリーン溶液1009は、リーン溶液供給管21−1を介して吸収塔1006に供給される。そして、前記リッチ溶液供給管22には、前記リーン溶液1009の余熱によりリッチ溶液1007を加熱するリッチ・リーン溶液熱交換器1013が設けられている。
尚、図1中、符号8はノズル、9はチムニートレイ、1011はCO2除去排ガス、25aは吸収塔1006内に配設される充填層、26a、26b、26cは再生塔1008の内部に配設される充填層を各々図示する。
ここで、図1においては、図の煩雑化を避けるために充填層を3段積層した状態としているが、これに限定されるものではない。例えば、充填層を10〜16段で構成してもよい。
本実施例においては、再生塔1008の上流側から順に、再生塔1008内でセミリーン溶液10を再生塔1008の上流側から抜き出して下流側に戻す第1の還流ラインL1及び第2の還流ラインL2を具備している。これら第1の還流ラインL1及び第2の還流ラインL2により、再生塔1008内のセミリーン溶液10を再生塔1008の外に抜き出すことができる。
本実施例は、セミリーン溶液10を煙道1001a内の高温の排ガス1002により熱交換するための排ガス熱交換器11を、第1の還流ラインL1に設けるようにしている。
再生塔1008から抜き出されたセミリーン溶液10は、第1の還流ラインL1を介してボイラやガスタービン等の産業設備1001の煙道1001aに導入される。そして、前記第1の還流ラインL1中のセミリーン溶液10は、煙道1001a内の排ガス熱交換器11において、ボイラ等の産業設備の煙道内の高温の排ガス1002により熱交換され、加熱される。
そして、排ガス熱交換器11を出た前記第1の還流ラインL1中のセミリーン溶液10は前記第1の還流ラインL1を介して再生塔1008内に戻る。この前記第1の還流ラインL1の再生塔1008に戻す位置は、セミリーン溶液10を抜き出した位置の下端に設定されている。
このように、本実施例では、まず第1にボイラ等の産業設備1001の煙道1001a内の高温の排ガス1002により第1の還流ラインL1中のセミリーン溶液10を加熱する排ガス熱交換器11を設けるようにしている。これにより、高温の排ガスの熱を有効利用することにより、再生塔1008に供給するセミリーン溶液10の供給温度を上昇させることができる。この結果再生塔1008で使用するスチーム供給量を低減することができる。
また、排ガス熱交換器11は、煙道1001a内の第1の還流ラインL1が排ガス1002との接触面積を高めるために例えば螺旋状に形成されている。
また、第1の還流ラインL1は再生塔1008内に1本に限定されるものではなく、複数本設けるようにしてもよい。
更に、本実施例は、排ガス熱交換器11に加え、セミリーン溶液10をリーン溶液1009の余熱により熱交換するためのリーン溶液熱交換器20を、第2の還流ラインL2に設けるようにしている。
再生塔1008から抜き出されたセミリーン溶液10は、第2の還流ラインL2を介してリーン溶液熱交換器20に導入される。そして、リーン溶液熱交換器20において前記第2の還流ラインL2中のセミリーン溶液10は、前記再生塔1008により生成された前記リーン溶液のリーン溶液供給管21−1を通る前記リーン溶液1009の余熱により熱交換され、加熱される。
そして、リーン溶液熱交換器20を出た前記第2の還流ラインL2のセミリーン溶液10は前記第2の還流ラインL2を介して再生塔1008内に戻る。この前記第2の還流ラインL2の再生塔1008に戻す位置は、セミリーン溶液10を抜き出した位置の下端に設定されている。
このように、本実施例では、第1の還流ラインL1において排ガス熱交換器11によりセミリーン溶液10を加熱することに加え、更に第2の還流ラインL2においてリーン溶液1009からの余熱によりセミリーン溶液10を加熱するリーン溶液熱交換器20を設けるようにしている。これにより、本実施例は、排ガス熱交換器11においてセミリーン溶液10を加熱することに加え、更にリーン溶液1009の余熱をも有効利用することにより、セミリーン溶液10の供給温度を上昇させることができる。この結果再生塔1008で使用するスチーム供給量を低減することができる。
また、第2の還流ラインL2は再生塔1008内に1本に限定されるものではなく、複数本設けるようにしてもよい。
ここで、例えば再生塔1008内に導入されるリッチ溶液1007は108℃前後となる。そして第1の還流ラインL1により抜き出されたセミリーン溶液10の温度は103℃前後となり、排ガス熱交換器11において加熱され、再生塔1008内に戻される前記第1の還流ラインL1中のセミリーン溶液10の温度は108℃前後となる。
また、第2の還流ラインL2により抜き出されたセミリーン溶液10の温度は112℃前後となり、リーン溶液熱交換器20を通過して再生塔1008内に戻される前記第2の還流ラインL2中のセミリーン溶液10の温度は116℃前後となる。
また、再生還流ラインL0により抜き出されたリーン溶液1009の再生加熱器1014を通過して再生塔1008内に戻される温度は121℃前後となる。
このように、セミリーン溶液10の供給温度を上昇させることにより、再生塔1008で使用するスチーム供給量を低減することができるため、熱エネルギーの消費を低減し、エネルギー効率を向上させることができる。
また、本実施例では、図1の実施例の構成の他に、図2に示すように第3の還流ラインL3を新たに設けて、第3の還流ラインL3にセミリーン溶液10を再生加熱器1014からのスチーム凝縮水1031の熱エネルギーにより熱交換するスチーム凝縮水熱交換器30を設けるようにしても良い。
再生塔1008から抜き出された第3の還流ラインL3中のセミリーン溶液10は、スチーム凝縮水熱交換器30においてスチーム凝縮水1031の熱エネルギーにより熱交換され、加熱される。
そして、スチーム凝縮水熱交換器30を出た前記第3の還流ラインL3のセミリーン溶液10は前記第3の還流ラインL3を介して再生塔1008に戻る。この前記第3の還流ラインL3の再生塔1008に戻す位置は、セミリーン溶液10を抜き出した位置の下端に設定されている。
このように、本実施例の他の変形例では、第1の還流ラインL1に設けた排ガス熱交換器11と、第2の還流ラインL2に設けたリーン溶液熱交換器20によりセミリーン溶液10を加熱することに加え、更に第3の還流ラインL3を設けてスチーム凝縮水熱交換器30を設けるようにしている。これにより、本実施例は、排ガス熱交換器11とリーン溶液熱交換器20においてセミリーン溶液10を加熱することに加え、更にスチーム凝縮水1031の熱エネルギーをも有効利用することにより、セミリーン溶液10の供給温度を上昇させることができ、この結果再生塔1008で使用するスチーム供給量を低減することができる。
また、図2においては、第3の還流ラインL3を第1の還流ラインL1と第2の還流ラインL2との間に設けているが、これに限定されるものではない。例えば、第3の還流ラインL3を第1の還流ラインL1の上流側に設けるようにしてもよい。また、第3の還流ラインL3を第2の還流ラインL2の下流側に設けるようにしてもよい。
また、本実施例では、第1の還流ラインL1には排ガス熱交換器11が介装されているが、排ガス熱交換器11以外にリーン溶液熱交換器20又はスチーム凝縮水熱交換器30の何れか一方又は両方を介装させるようにしてもよい。
また、第2の還流ラインL2にはリーン溶液熱交換器20が介装されているが、リーン溶液熱交換器20以外に排ガス熱交換器11又はスチーム凝縮水熱交換器30の何れか一方又は両方を介装させるようにしてもよい。
また、本実施例では、リッチ・リーン溶液熱交換器1013がリッチ溶液1007を供給するリッチ溶液供給管22に介装され、前記再生塔1008からの前記リーン溶液1009の余熱により前記リッチ溶液1007を加熱するようにしている。
リッチ・リーン溶液熱交換器1013において再生塔1008に供給されるリッチ溶液1007を前記リーン溶液1009と熱交換して、加熱することができ、再生塔1008に供給されるリッチ溶液1007を高温にすることができる。このように、リーン溶液の余熱を利用して再生塔に入れるリッチ溶液の温度を最適な温度とすることにより、スチーム及びコンデンサの負荷の軽減を図ることができる。
また、本実施例では、前記再生塔1008内に複数の温度計T1〜T4を設けている。これら温度計T1〜T4により、排ガス熱交換器11、リーン溶液熱交換器20においてセミリーン溶液10を加熱した後の熱交換器出口側におけるセミリーン溶液10の温度を測定する。そして、セミリーン溶液10の温度が所定の温度(再生塔内戻し位置内温度或いは計算上想定される温度)よりも低い場合には、セミリーン溶液10の抜出し後の熱交換を止め、従来のようなセミリーン溶液10を再生塔1008から抜出した直後に再生塔1008に返送する運転に切り替える制御を行う。この時、再生塔1008からのリーン溶液1009はリーン溶液供給管21−2を介してリーン溶液供給管21−1に供給されてリッチ・リーン溶液熱交換器1013において再生塔1008に供給するリッチ溶液1007と熱交換した後に吸収塔1006に供給される。
このように、排ガス熱交換器11、リーン溶液熱交換器20のようなセミリーン溶液10の加熱用の熱交換器が不調等の場合には、直ちに従来のようなセミリーン溶液10を再生塔1008から抜き出さない従来のフローに近い運転に切り替え、運転可能な装置構成とする。この結果、セミリーン溶液10の抜出し時の放熱による熱エネルギーロスを防止することができる。
この場合、リッチ・リーン熱交換器1013としてはセミリーン溶液10を再生塔1008から抜き出さない従来のフローでの再生塔へのリッチ溶液1007の供給温度まで加熱可能な熱交換量を達成可能なものを選定する。同様に再生加熱器1014及びコンデンサについても、従来のフローでの熱交換量を達成可能なものを選定する。
このように、排ガス熱交換器11、リーン溶液熱交換器20のようなセミリーン溶液10の加熱用の熱交換器の伝熱面が汚れ等により性能が低下する場合においても、再生塔1008にてリッチ溶液1007中のCO2を所定濃度まで除去可能であり、CO2回収性能を低下させないようにすることができる。
本実施例で用いる熱交換器の種類は特に限定されるものではなく、例えばプレート熱交換器、シェル&チューブ熱交換器等の公知の熱交換器を用いればよい。
また、本発明で使用できるCO2 吸収液としては特に限定されるものではないが、アルカノールアミンやアルコール性水酸基を有するヒンダードアミン類を例示することができる。このようなアルカノールアミンとしてはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジグリコールアミンなどを例示することができるが、通常モノエタノールアミン(MEA)が好んで用いられる。またアルコール性水酸基を有するヒンダードアミンとしては2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP)、2−(エチルアミノ)−エタノール(EAE)、2−(メチルアミノ)−エタノール(MAE)、2−(ジエチルアミノ)−エタノール(DEAE)などを例示できる。
[試験例1]
次に、本実施例を用いた場合におけるCO2回収性能の試験結果について説明する。
[試験例1の反応条件]
試験例1、比較例1、2、3では、再生塔1008内の段数を12段としており、上流側から順に、コンデンサ1016に連結する段を再生塔1008の1段とし、再生加熱器1014に連結する段を12段とし、リッチ溶液1007を供給する段を4段とした。
尚、再生塔1008内の段数、コンデンサ1016に連結する段、再生加熱器1014に連結する段、リッチ溶液1007を供給する段については、以下の実施例2、3での試験例2、3についても同様である。
試験例1は、再生塔1008内の上流側から6段目に第1の還流ラインL1を設け、排ガス熱交換器11においてセミリーン溶液10を熱交換した。そして、9段目に第2の還流ラインL2を設け、リーン溶液熱交換器20においてセミリーン溶液10を熱交換したものである。
また、比較例1は、セミリーン/排ガス熱交換器11、リーン溶液熱交換器20のようなセミリーン溶液10の加熱用の熱交換器を有しない従来型の図8に対応するものである。
また、比較例2は、再生塔1008内の上流側から6段目に第1の還流ラインL1を設け、排ガス熱交換器11のみにおいてセミリーン溶液10を熱交換したものである。
また、比較例3は、再生塔1008内の上流側から7段目と9段目に第2の還流ラインL2−1、2−2を設け、リーン溶液熱交換器20においてセミリーン溶液10を熱交換したものである。
試験例1での反応条件である、第1の還流ラインL1、第2の還流ラインL2のセミリーン溶液10を抜き出す段と、第1の還流ラインL1及び第2の還流ラインL2にて熱交換を行う熱交換器を、下記表1に示す。
尚、以下の実施例2、3での試験例2、3の反応条件についても併せて示す。
Figure 0004773865
[試験例1でのCO2回収性能]
試験例1においては、CO2回収性能として、(1)第1の還流ラインL1と第2の還流ラインL2と設けてセミリーン溶液10を抜き出して熱交換するように構成した本試験例1、セミリーン溶液10を抜き出して熱交換を行わない比較例1、第1の還流ラインL1を設けて排ガス熱交換器11のみにおいてセミリーン溶液10を熱交換するように構成した比較例2及び第2の還流ラインL2を2本設けてセミリーン溶液10を抜き出して熱交換するように構成した比較例3による、再生加熱器1014の熱量(Gcal/h)、(2)コンデンサ1016の熱量(Gcal/h)、(3)リッチ溶液1007の供給温度(℃)、(4)リーン溶液1009のリッチ・リーン熱交換器1013の出口温度(℃)、(5)リッチ・リーン熱交換器1013の熱交換量(Gcal/h)、(6)セミリーン溶液10を抜き出して熱交換を行わない比較例1に対する再生加熱器1014の熱量比、について検討した。
前記(1)〜(6)の検討項目のCO2回収性能についての結果を表1に示す。
尚、表1では、以下の実施例2、3での試験例2、3及び比較例3における前記(1)〜(6)のCO2回収性能についても併せて示す。
表1の結果により、本試験例1の再生加熱器1014の熱量は、再生塔1008内でセミリーン溶液10を抜き出して熱交換を行わない比較例1の場合の熱量15.31Gcal/hから、13.74Gcal/hに低減された。この時の再生加熱器1014の熱量比は、0.90であった。
また第1の還流ラインL1を設けて排ガス熱交換器11のみにおいてセミリーン溶液10を熱交換するように構成した比較例2の場合の再生加熱器1014の熱量は14.12Gcal/hであった。
また第2の還流ラインL2を2本設けてセミリーン溶液10を抜き出して熱交換するように構成した比較例3の場合の再生加熱器1014の熱量は14.00Gcal/hであった。
よって、本試験例によれば、再生塔1008内でセミリーン溶液10を抜き出して熱交換を行わない比較例1、第1の還流ラインL1を設けて排ガス熱交換器11のみにおいてセミリーン溶液10を熱交換するように構成した比較例2、第2の還流ラインL2を2本設けてセミリーン溶液10を抜き出して熱交換するように構成した比較例3に比べて、再生加熱器1014の熱量を低減することができることが確認された。
また、本試験例1のコンデンサ1016の熱量は、再生塔1008内でセミリーン溶液10を抜き出して熱交換を行わない比較例1の場合の熱量4.38Gcal/hから、4.09Gcal/hに低減された。
また第1の還流ラインL1を設けて排ガス熱交換器11のみにおいてセミリーン溶液10を熱交換するように構成した比較例2の場合のコンデンサ1016の熱量は、4.42Gcal/hであった。
また第2の還流ラインL2を2本設けてセミリーン溶液10を抜き出して熱交換するように構成した比較例3の場合のコンデンサ1016の熱量は、3.37Gcal/hであった。
よって、本試験例1によれば、コンデンサ1016における消費熱量を、再生塔1008内でセミリーン溶液10を抜き出して熱交換を行わない比較例1、第1の還流ラインL1を設けて排ガス熱交換器11のみにおいてセミリーン溶液10を熱交換するように構成した比較例2のものに比べて低減することができることが確認された。
また、リッチ溶液1007の供給温度は、再生塔1008内でセミリーン溶液10を抜き出して熱交換を行わない比較例1の場合における112℃から、本試験例1では108℃に低減された。
また第1の還流ラインL1を設けて排ガス熱交換器11のみにおいてセミリーン溶液10を熱交換するように構成した比較例2の場合の供給温度は、112℃であった。
また第2の還流ラインL2を2本設けてセミリーン溶液10を抜き出して熱交換するように構成した比較例3の場合の供給温度は、99℃であった。
よって、本試験例1によれば、リッチ溶液1007の供給温度は、再生塔1008内でセミリーン溶液10を抜き出して熱交換を行わない比較例1、第1の還流ラインL1を設けて排ガス熱交換器11のみにおいてセミリーン溶液10を熱交換するように構成した比較例2のものに比べてリッチ溶液1007の供給温度を低くすることができることが確認された。
また、リーン溶液のリッチ・リーン熱交換器1013の出口温度は、試験例1、比較例1、2、3共に60.23℃であった。
また、リッチ・リーン熱交換器1013の熱交換量は、再生塔1008内でセミリーン溶液10を抜き出して熱交換を行わない比較例1の11.31Gcal/hから、試験例1では10.54Gcal/hに低減された。
また第1の還流ラインL1を設けて排ガス熱交換器11のみにおいてセミリーン溶液10を熱交換するように構成した比較例2の場合のリッチ・リーン熱交換器1013の熱交換量は、11.31Gcal/hであった。
また第2の還流ラインL2を2本設けてセミリーン溶液10を抜き出して熱交換するように構成した比較例3の場合のリッチ・リーン熱交換器1013の熱交換量は、8.79Gcal/hであった。
よって、本試験例によれば、リッチ・リーン熱交換器1013の熱交換量を再生塔1008内でセミリーン溶液10を抜き出して熱交換を行わない比較例1及び第1の還流ラインL1を設けて排ガス熱交換器11のみにおいてセミリーン溶液10を熱交換するように構成した比較例2のものに比べて低くすることができることが確認された。
また、本試験例における再生塔内温度と段数の関係について説明する。
図3は、本発明の本試験例1、比較例1及び比較例2における再生塔内温度と段数の関係を示す図である。
図3に示すように、セミリーン溶液10を再生塔1008の6段目で抜き出して排ガス熱交換器11において熱交換してから戻すと共に、9段目でセミリーン溶液10を抜き出してリーン溶液熱交換器20において熱交換してから戻す試験例1は、従来のように再生塔1008内でセミリーン溶液10を抜き出して熱交換を行わない比較例1のものより、6段目以降から再生塔内温度が高温側に引き上げられ、シフトした。
また、本試験例1は、セミリーン溶液10を再生塔1008の6段目で抜き出して排ガス熱交換器11において熱交換してから戻す比較例2とは8段目以降から再生塔内温度が同じになった。
このように、本発明に係る試験例1のような6段目から12段目における温度分布の高温側へのシフトは、本発明の特有の効果であり、従来の再生加熱器1014による熱交換のみでは得ることができないものである。
前記再生塔1008内における再生塔内の温度分布の高温側へのシフトは、再生塔1008内の中段部分においてなされており、再生塔内の上段部分の温度は上昇していない。
また、試験例1の方が、比較例1、2に比べて再生塔1008内の上段部分の温度は低かった。その結果、コンデンサ1016における消費熱量は、試験例1のものの方が比較例1、2のものより低くなった。
本発明による実施例2に係るCO2回収装置について、図4を参照して説明する。
図4は、実施例2に係るCO2回収装置を示す概念図である。なお、実施例1と同様の部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
図4に示すように、本実施例にかかるCO2回収装置1000Bは、第2の還流ラインL2を2本設けてなるものである。再生塔1008の上流側から順に第2−1の還流ラインL2−1、第2−2の還流ラインL2−2とする。
そして、第2−2の還流ラインL2−2中のセミリーン溶液10をリーン溶液1009の余熱により熱交換するリーン溶液熱交換器20−2を、第2−2の還流ラインL2−2に設けるようにしている。
再生塔1008から抜き出されたセミリーン溶液10は、第2の還流ラインL2−2を介してリーン溶液熱交換器20−2に導入される。そして、リーン溶液熱交換器20−2において前記第2の還流ラインL2−2中のセミリーン溶液10は、前記再生塔1008により生成された前記リーン溶液1009のリーン溶液供給管21−1を通る前記リーン溶液1009と熱交換され、加熱される。
そして、リーン溶液熱交換器20−2を出た前記第2の還流ラインL2−2のセミリーン溶液10は前記第2の還流ラインL2−2を介して再生塔1008に戻る。この前記第2の還流ラインL2−2の再生塔1008に戻す位置は、セミリーン溶液10を抜き出した位置の下端に設定されている。
このように、本実施例では、更にもう1本第2の還流ラインL2−2を設け、リーン溶液1009からの余熱によりセミリーン溶液10を加熱するリーン溶液熱交換器20−2を設けるようにしている。これにより、本実施例は、更にリーン溶液1009の余熱をも有効利用することにより、再生塔1008に供給するセミリーン溶液10の供給温度を上昇させることができる。この結果再生塔1008で使用するスチーム供給量を低減することができる。
ここで、例えば再生塔1008内に導入されるリッチ溶液1007は102℃前後となる。そして第1の還流ラインL1により抜き出されたセミリーン溶液10の温度は102℃前後となり、排ガス熱交換器11を通過して再生塔1008内に戻される前記第1の還流ラインL1中のセミリーン溶液10の温度は108℃前後となる。
また、第2−1の還流ラインL2−1により抜き出されたセミリーン溶液10の温度は106℃前後となり、リーン溶液熱交換器20−1を通過して再生塔1008内に戻される前記第2の還流ラインL2中のセミリーン溶液10の温度は113℃前後となる。
更に、第2−2の還流ラインL2−2により抜き出されたセミリーン溶液10の温度は113℃前後となり、リーン溶液熱交換器20−2を通過して再生塔1008内に戻される前記第2の還流ラインL2中のセミリーン溶液10の温度は116℃前後となる。
また、再生還流ラインL0により抜き出されたリーン溶液1009の再生加熱器1014を通過して再生塔1008内に戻される温度は121℃前後となる。
このように、セミリーン溶液10の供給温度を上昇させることにより、再生塔1008で使用するスチーム供給量を低減することができるため、熱エネルギーの消費を低減し、エネルギー効率を向上させることができる。
[試験例2]
次に、本実施例を用いた場合におけるCO2回収性能の試験結果について説明する。
[試験例2−1、2−2の反応条件]
試験例2−1、2−2、比較例1、2、3では、再生塔1008内の段数を12段としており、上流側から順に、コンデンサ1016に連結する段を再生塔1008の1段とし、再生加熱器1014に連結する段を12段とし、リッチ溶液1007を供給する段を4段とした。
試験例2−1は、再生塔1008内の上流側から6段目に第1の還流ラインL1を設け、排ガス熱交換器11においてセミリーン溶液10を熱交換した。そして、7段目に第2−1の還流ラインL2−1を設け、リーン溶液熱交換器20−1においてセミリーン溶液10を熱交換した。更に、9段目に第2−2の還流ラインL2−2を設け、リーン溶液熱交換器20−2においてセミリーン溶液10を熱交換したものである。
また、試験例2−2は、再生塔1008内の上流側から5段目に第1の還流ラインL1を設け排ガス熱交換器11においてセミリーン溶液10を熱交換した。そして、6段目に第2−1の還流ラインL2−1を設けリーン溶液熱交換器20−1においてセミリーン溶液10を熱交換した。更に、8段目に第2−2の還流ラインL2−2を設けリーン溶液熱交換器20−2においてセミリーン溶液10を熱交換したものである。
また、比較例1は、排ガス熱交換器11、リーン溶液熱交換器20のようなセミリーン溶液10の加熱用の熱交換器を有しない従来型の図8に対応するものである。
また、比較例2は、再生塔1008内の上流側から6段目に第1の還流ラインL1を設け、排ガス熱交換器11のみにおいてセミリーン溶液10を熱交換したものである。
また、比較例3は、再生塔1008内の上流側から7段目と9段目に第2の還流ラインL2−1、2−2を設け、リーン溶液熱交換器20においてセミリーン溶液10を熱交換したものである。
尚、試験例2−1、2−2での反応条件である、第1の還流ラインL1、第2の還流ラインL2−1及び第2の還流ラインL2−2のセミリーン溶液10を抜き出す段と、第1の還流ラインL1及び第2の還流ラインL2にて熱交換を行う熱交換器は、表1に示す通りである。
[試験例2−1、2−2でのCO2回収性能]
試験例2−1、2−2においては、CO2回収性能として、(1)第1の還流ラインL1と第2の還流ラインL2と設けてセミリーン溶液10を抜き出して熱交換するように構成した本試験例2−1、2−2、セミリーン溶液10を抜き出すための還流ラインを設けないセミリーン溶液10の加熱用の熱交換器を有しない比較例1、第1の還流ラインL1を設けて排ガス熱交換器11のみにおいてセミリーン溶液10を熱交換するように構成した比較例2及び第2の還流ラインL2を2本設けてセミリーン溶液10を抜き出して熱交換するように構成した比較例3による、再生加熱器1014の熱量(Gcal/h)、(2)コンデンサ1016の熱量(Gcal/h)、(3)リッチ溶液1007の供給温度(℃)、(4)リーン溶液1009のリッチ・リーン熱交換器1013の出口温度(℃)、(5)リッチ・リーン熱交換器1013の熱交換量(Gcal/h)、(6)セミリーン溶液10を抜き出して熱交換を行わない比較例1に対する再生加熱器1014の熱量比、について検討した。
前記(1)〜(6)の検討項目のCO2回収性能についての結果を前記表1に示す。
表1の結果により、試験例2−1の再生加熱器1014の熱量は、再生塔1008内でセミリーン溶液10を抜き出して熱交換を行わない比較例1の熱量15.31Gcal/hから、13.22Gcal/hに低減された。この時の再生加熱器1014の熱量比は、0.86であった。
また試験例2−2の再生加熱器1014の熱量は、再生塔1008内でセミリーン溶液10を抜き出して熱交換を行わない比較例1の熱量15.31Gcal/hから、13.06Gcal/hに低減された。この時の再生加熱器熱量比は、0.85となった。
また第1の還流ラインL1を設けて排ガス熱交換器11のみにおいてセミリーン溶液10を熱交換するように構成した比較例2の場合の再生加熱器1014の熱量は、14.12Gcal/hであった。
また第2の還流ラインL2を2本設けてセミリーン溶液10を抜き出して熱交換するように構成した比較例3の場合の再生加熱器1014の熱量は、14.00Gcal/hであった。
よって、本試験例によれば、セミリーン溶液10の昇温を行うことにより、再生塔1008内でセミリーン溶液10を抜き出して熱交換を行わない比較例1、第1の還流ラインL1を設けて排ガス熱交換器11のみにおいてセミリーン溶液10を熱交換するように構成した比較例2、第2の還流ラインL2を2本設けてセミリーン溶液10を抜き出して熱交換するように構成した比較例3に比べて、再生加熱器1014の熱量を低減することができることが確認された。
また、コンデンサ1016の熱量については、再生塔1008内でセミリーン溶液10を抜き出して熱交換を行わない比較例1の熱量4.38Gcal/hから、試験例2−1では3.61Gcal/h、実施例2−2では3.53Gcal/hにそれぞれ低減された。
また第1の還流ラインL1を設けて排ガス熱交換器11のみにおいてセミリーン溶液10を熱交換するように構成した比較例2の場合のコンデンサ1016の熱量は、4.42Gcal/hであった。
また第2の還流ラインL2を2本設けてセミリーン溶液10を抜き出して熱交換するように構成した比較例3の場合のコンデンサ1016の熱量は、3.37Gcal/hであった。
よって、本試験例2−1、2−2によれば、コンデンサ1016における消費熱量を従来のように再生塔1008内でセミリーン溶液10を抜き出して熱交換を行わない比較例1、第1の還流ラインL1を設けて排ガス熱交換器11のみにおいてセミリーン溶液10を熱交換するように構成した比較例2のものより低減することができることが確認された。
また、リッチ溶液1007の供給温度は、再生塔1008内でセミリーン溶液10を抜き出して熱交換を行わない比較例1の場合における112℃から、試験例2−1では102℃に低減され、実施例2−2では100℃に低減された。
また第1の還流ラインL1を設けて排ガス熱交換器11のみにおいてセミリーン溶液10を熱交換するように構成した比較例2の場合の供給温度は、112℃であった。
また第2の還流ラインL2を2本設けてセミリーン溶液10を抜き出して熱交換するように構成した比較例3の場合の供給温度は、99℃であった。
よって、本試験例2−1、2−2によれば、リッチ溶液1007の供給温度を再生塔1008内でセミリーン溶液10を抜き出して熱交換を行わない比較例1のものに比べて低くすることができることが確認された。
また、リーン溶液1009のリッチ・リーン熱交換器1013の出口温度は、試験例2−1、2−2、比較例1、2、3共に60.23℃であった。
また、リッチ・リーン熱交換器1013の熱交換量は、再生塔1008内でセミリーン溶液10を抜き出して熱交換を行わない比較例1の11.31Gcal/hから、試験例2−1では9.34Gcal/hに低減された。また、試験例2−2では8.92Gcal/hに低減された。
また第1の還流ラインL1を設けて排ガス熱交換器11のみにおいてセミリーン溶液10を熱交換するように構成した比較例2の場合のリッチ・リーン熱交換器1013の熱交換量は、11.31Gcal/hであった。
また第2の還流ラインL2を2本設けてセミリーン溶液10を抜き出して熱交換するように構成した比較例3の場合のリッチ・リーン熱交換器1013の熱交換量は、8.79Gcal/hであった。
よって、本試験例2−1、2−2によれば、リッチ・リーン熱交換器1013の熱交換量を再生塔1008内でセミリーン溶液10を抜き出して熱交換を行わない比較例1及び第1の還流ラインL1を設けて排ガス熱交換器11のみにおいてセミリーン溶液10を熱交換するように構成した比較例2のものに比べて低くすることができることが確認された。
また、本試験例における再生塔内温度と段数の関係について説明する。
図5は、本発明の試験例2−1、2−2及び比較例1における再生塔内温度と段数の関係を示す図である。
図5に示すように、試験例2−1は、従来のように再生塔1008内でセミリーン溶液10を抜き出して熱交換を行わない比較例1のものより、7段目以降から再生塔内温度が高温側に引き上げられた。
また、実施例2−2は、従来のように再生塔1008内でセミリーン溶液10を抜き出して熱交換を行わない比較例1のものより、6段目以降から再生塔内温度が高温側に引き上げられた。
このように、本発明に係る試験例2−1のような7段目から12段目における温度分布の高温側へのシフト、及び試験例2−2のような6段目から12段目における温度分布の高温側へのシフトは、本発明の特有の効果であり、従来の再生加熱器1014による加熱では得ることができないものである。
前記再生塔1008内における再生塔1008内の温度分布の高温側へのシフトは、再生塔1008内の中段部分においてなされており、上段部分の温度は上昇していない。また、試験例2−1、2−2の方が、比較例1に比べて再生塔1008内の上段部分の温度は低かった。その結果、コンデンサ1016における消費熱量は、試験例1のものの方が比較例1、2のものより低くなった。
本発明による実施例3に係るCO2回収装置について、図6を参照して説明する。
図6は、実施例3に係るCO2回収装置を示す概念図である。なお、実施例1と同様の部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
図6に示すように、本実施例にかかるCO2回収装置1000Cは、前記再生加熱器1014からのスチーム凝縮水1031の熱エネルギーにより熱交換するスチーム凝縮水熱交換器30が、前記第1の還流ラインL1に介装されている。
本実施例では、排ガス熱交換器11において熱交換された前記第1の還流ライン中のセミリーン溶液10が、前記スチーム凝縮水熱交換器30において、スチーム凝縮水により熱交換され、加熱される。そして、前記スチーム凝縮水熱交換器30を出た前記第1の還流ラインL1中のセミリーン溶液10は前記第1の還流ラインL1を介して再生塔1008に戻る。このスチーム凝縮水の熱(例えば137℃の場合)により、スチーム凝縮水熱交換器30を設置することにより、セミリーン溶液10の温度を数度上昇させることができる。
このように、第1の還流ラインL1に排ガス熱交換器11の他に、更に前記再生加熱器1014からのスチーム凝縮水1031の熱エネルギーによりセミリーン溶液10を加熱するスチーム凝縮水熱交換器30を設けるようにした。その結果、再生加熱器1014で使用されたスチーム凝縮水1031の熱エネルギーを有効利用することにより、再生塔1008に供給するセミリーン溶液10の供給温度を上昇させることができる。この結果再生塔1008で使用するスチーム供給量を低減することができる。
また、本実施例では、排ガス熱交換器11を通過した後の前記第1の還流ラインL1にスチーム凝縮水熱交換器30を介装させるようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、前記第2の還流ラインL2にスチーム凝縮水熱交換器30を介装させるようにしてもよい。
[試験例3]
次に、本実施例を用いた場合におけるCO2回収性能の試験結果について説明する。
[試験例3の反応条件]
試験例3、比較例1、2、3では、再生塔1008内の段数を12段としており、上流側から順に、コンデンサ1016に連結する段を再生塔1008の1段とし、再生加熱器1014に連結する段を12段とし、リッチ溶液1007を供給する段を4段とした。
試験例3では、5段目に第1の還流ラインL1を設け、排ガス熱交換器11においてセミリーン溶液10を熱交換し、更にスチーム凝縮水熱交換器30においてセミリーン溶液10を熱交換した。その後、そして、6段目に第2−1の還流ラインL2−1を設け、リーン溶液熱交換器20−1においてセミリーン溶液10を熱交換した。そして、8段目に第2−2の還流ラインL2−2を設け、リーン溶液熱交換器20−2においてセミリーン溶液10を熱交換したものである。
また、比較例1は、排ガス熱交換器11、リーン溶液熱交換器20のようなセミリーン溶液10の加熱用の熱交換器を有しない従来型の図8に対応するものである。
また、比較例2は、再生塔1008内の上流側から6段目に第1の還流ラインL1を設け、排ガス熱交換器11のみにおいてセミリーン溶液10を熱交換したものである。
また、比較例3は、再生塔1008内の上流側から7段目と9段目に第2の還流ラインL2−1、2−2を設け、リーン溶液熱交換器20においてセミリーン溶液10を熱交換したものである。
試験例3での反応条件である、第1の還流ラインL1、第2−1の還流ラインL2−1及び第2−2の還流ラインL2−2のセミリーン溶液10を抜き出す段と、第1の還流ラインL1及び第2の還流ラインL2−1、L2−2において熱交換を行う熱交換器は、前記表1に示す通りである。
[試験例3でのCO2回収性能]
試験例3においては、CO2回収性能として、(1)第1の還流ラインL1で排ガス熱交換器11とスチーム凝縮水熱交換器30においてセミリーン溶液10を熱交換し、第2の還流ラインL2を2本設けてセミリーン溶液10を抜き出して熱交換するように構成した本試験例3、セミリーン溶液10を抜き出すための還流ラインを設けないセミリーン溶液10の加熱用の熱交換器を有しない比較例1、第1の還流ラインL1を設けて排ガス熱交換器11のみにおいてセミリーン溶液10を熱交換するように構成した比較例2及び第2の還流ラインL2を2本設けてセミリーン溶液10を抜き出して熱交換するように構成した比較例3による、再生加熱器1014の熱量(Gcal/h)、(2)コンデンサ1016の熱量(Gcal/h)、(3)リッチ溶液1007の供給温度(℃)、(4)リーン溶液1009のリッチ・リーン熱交換器1013の出口温度(℃)、(5)リッチ・リーン熱交換器1013の熱交換量(Gcal/h)、(6)セミリーン溶液10を抜き出して熱交換を行わない比較例1に対する再生加熱器1014の熱量比、について検討した。
前記(1)〜(6)の検討項目のCO2回収性能についての結果を前記表1に示す。
表1の結果により、試験例3の再生加熱器1014の熱量は、再生塔1008内でセミリーン溶液10を抜き出して熱交換を行わない比較例1の熱量15.31Gcal/hから、12.73Gcal/hに低減された。この時の再生加熱器1014の熱量比は、0.83であった。
また第1の還流ラインL1を設けて排ガス熱交換器11のみにおいてセミリーン溶液10を熱交換するように構成した比較例2の場合の再生加熱器1014の熱量は、14.12Gcal/hであった。
また第2の還流ラインL2を2本設けてセミリーン溶液10を抜き出して熱交換するように構成した比較例3の場合の再生加熱器1014の熱量は、14.00Gcal/hであった。
よって、本試験例によれば、再生塔1008内でセミリーン溶液10を抜き出して熱交換を行わない比較例1、第1の還流ラインL1を設けて排ガス熱交換器11のみにおいてセミリーン溶液10を熱交換するように構成した比較例2、第2の還流ラインL2を2本設けてセミリーン溶液10を抜き出して熱交換するように構成した比較例3に比べて、再生加熱器1014の熱量を低減することができることが確認された。
また、コンデンサ1016の熱量については、再生塔1008内でセミリーン溶液10を抜き出して熱交換を行わない比較例1の熱量4.38Gcal/hから、試験例3は3.68Gcal/hにそれぞれ低減された。
また第1の還流ラインL1を設けて排ガス熱交換器11のみにおいてセミリーン溶液10を熱交換するように構成した比較例2の場合のコンデンサ1016の熱量は、4.42Gcal/hであった。
また第2の還流ラインL2を2本設けてセミリーン溶液10を抜き出して熱交換するように構成した比較例3の場合のコンデンサ1016の熱量は、3.37Gcal/hであった。
よって、本試験例3によれば、コンデンサ1016における消費熱量を、再生塔1008内でセミリーン溶液10を抜き出して熱交換を行わない比較例1、第1の還流ラインL1を設けて排ガス熱交換器11のみにおいてセミリーン溶液10を熱交換するように構成した比較例2のものに比べて低減することができることが確認された。
また、リッチ溶液1007の供給温度は、再生塔1008内でセミリーン溶液10を抜き出して熱交換を行わない比較例1の112℃から、101℃に低減された。
また第1の還流ラインL1を設けて排ガス熱交換器11のみにおいてセミリーン溶液10を熱交換するように構成した比較例2の場合の供給温度は、112℃であった。
また第2の還流ラインL2を2本設けてセミリーン溶液10を抜き出して熱交換するように構成した比較例3の場合の供給温度は、99℃であった。
よって、本試験例3によれば、リッチ溶液1007の供給温度は、再生塔1008内でセミリーン溶液10を抜き出して熱交換を行わない比較例1、第1の還流ラインL1を設けて排ガス熱交換器11のみにおいてセミリーン溶液10を熱交換するように構成した比較例2のものに比べて低くすることができることが確認された。
また、リーン溶液のリッチ・リーン熱交換器1013の出口温度は、試験例3、比較例1、2、3共に60.23℃であった。
また、リッチ・リーン熱交換器1013の熱交換量は、再生塔1008内でセミリーン溶液10を抜き出して熱交換を行わない比較例1の11.31Gcal/hから、9.18Gcal/hに低減された。
また第1の還流ラインL1を設けて排ガス熱交換器11のみにおいてセミリーン溶液10を熱交換するように構成した比較例2の場合のリッチ・リーン熱交換器1013の熱交換量は、11.31Gcal/hであった。
また第2の還流ラインL2を2本設けてセミリーン溶液10を抜き出して熱交換するように構成した比較例3の場合のリッチ・リーン熱交換器1013の熱交換量は、8.79Gcal/hであった。
よって、本試験例によれば、リッチ・リーン熱交換器1013の熱交換量を、再生塔1008内でセミリーン溶液10を抜き出して熱交換を行わない比較例1及び第1の還流ラインL1を設けて排ガス熱交換器11のみにおいてセミリーン溶液10を熱交換するように構成した比較例2のものに比べて低くすることができることが確認された。
また、本試験例における再生塔内温度と段数の関係について説明する。
また、図7は、本発明の試験例3、比較例1における再生塔内温度と段数の関係を示す図である。
図7に示すように、本発明に係る試験例3は、比較例1のように従来のセミリーン溶液10を抜きださない場合に比べて6段目以降から再生塔内温度が高温側に引き上げられ、シフトした。
このように、本発明にかかる試験例3のような6段目から12段目における温度分布の高温側へのシフトは、本発明の特有の効果であり、従来の再生加熱器による加熱では得ることができないものである。
前記再生塔1008内における再生塔内の温度分布の高温側へのシフトは、再生塔1008内の中段部分においてなされており、再生塔内の上段部分の温度は上昇していない。また、実施例3の方が、比較例1に比べて再生塔内の上段部分の温度は低かった。その結果、コンデンサ1016における消費熱量は、試験例3のものの方が比較例1のものより低くなった。
ここで、本発明において、前記の還流ライン上のセミリーン溶液10の抜き出す位置と戻す位置における回収熱源順序は任意であり、前記実施例1乃至3のCO2回収装置に限定されるものではない。例えば、セミリーン溶液10を抜き出した後、リーン溶液熱交換器20において熱交換し、スチーム凝縮水熱交換器30において熱交換して再生塔1008に戻すようにしても良い。また、セミリーン溶液10を抜き出した後、スチーム凝縮水熱交換器30において熱交換し、リーン溶液熱交換器20において熱交換して再生塔1008に戻すようにしても良い。
一例として、再生塔1008内の段に設けた還流ラインに、排ガス熱交換器11、リーン溶液熱交換器20、スチーム凝縮水熱交換器30の何れかの熱交換器を介装させた種々のCO2回収装置を示す。
例えば表2に示すように、再生塔1008のセミリーン溶液10の抜き出す段を、上段部A、中段部B、下段部Cの3段とし、熱交換器を、(1)リーン溶液熱交換器20、(2)排ガス熱交換器11、(3)スチーム凝縮水熱交換器30として、A(1)〜(3)、B(1)〜(3)、C(1)〜(3)の何れかを組み合わせてセミリーン溶液10と熱交換するようにしても良い。
Figure 0004773865
また、表3に示すように、再生塔1008のセミリーン溶液10の抜き出す段を、上段部A、中段上部B−1、中段下部B−2、下段部Cの4段とし、熱交換器を、(1)リーン溶液熱交換器20、(2)排ガス熱交換器11、(3)スチーム凝縮水熱交換部30として、A(1)〜(3)、B−1(1)〜(3)、B−2(1)〜(3)、C(1)〜(3)の何れかを組み合わせてセミリーン溶液10と熱交換するようにしても良い。
Figure 0004773865
以上のように、本発明にかかるCO2回収装置は、ボイラ等の産業設備の煙道内の高温の排ガス、セミリーン溶液の余熱、スチーム凝縮水の余熱を効率的に用いることで、再生塔1008における加熱スチームの供給量を低減させることに用いて適している。
第1実施例におけるCO2回収装置の概略図である。 第1実施例におけるCO2回収装置の別の構成を示す概略図である。 第1実施例における再生塔内温度と段数の関係を示す図である。 第2実施例におけるCO2回収装置の概略図である。 第2実施例における再生塔内温度と段数の関係を示す図である。 第3実施例におけるCO2回収装置の概略図である。 第3実施例における再生塔内温度と段数の関係を示す図である。 従来のCO2回収装置の概略構成図である。
符号の説明
1000A、1000B、1000C CO2回収装置
1001 産業設備(ボイラやガスタービン等)
1001a 煙道
1002 CO2を含有する排ガス
1004 冷却塔
1005 CO2吸収液
1006 吸収塔
1007 リッチ溶液
1008 再生塔
1009 リーン溶液
1011 CO2除去排ガス
1013 リッチ・リーン熱交換器
1014 再生加熱器
1016 オーバーヘッドコンデンサ
1030 飽和スチーム
1031 スチーム凝縮水
8 ノズル
9 チムニートレイ
10 セミリーン溶液
11 排ガス熱交換器
20 リーン溶液熱交換器
21−1、21−2 リーン溶液供給管
22 リッチ溶液供給管
25a 吸収塔内に配設される充填層
26a、26b 再生塔の内部に配設される充填層
30 スチーム凝縮水熱交換器
L0 再生還流ライン
L1 第1の還流ライン
L2 第2の還流ライン
L3 第3の還流ライン

Claims (9)

  1. CO2を含有するガスとCO2吸収液とを接触させてCO2を除去する吸収塔と、CO2を吸収したリッチ溶液を再生し熱交換する再生塔と、再生塔でCO2を除去したリーン溶液を吸収塔で再利用するCO2回収装置であって、
    前記再生塔が、前記再生塔内でCO2を一部除去したセミリーン溶液を前記再生塔の上流側から抜き出して下流側に戻す第1の還流ラインに介装され、前記第1の還流ライン中のセミリーン溶液をボイラ等の産業設備の煙道内の高温の排ガスにより熱交換する排ガス熱交換器と、
    前記再生塔内でCO2を一部除去したセミリーン溶液を前記再生塔の上流側から抜き出して下流側に戻す第2の還流ラインに介装され、前記第2の還流ライン中のセミリーン溶液を前記リーン溶液の余熱により熱交換するリーン溶液熱交換器とを具備してなることを特徴とするCO2回収装置。
  2. 請求項1において、
    前記再生塔内でCO2を一部除去したセミリーン溶液を前記再生塔の上流側から抜き出して下流側に戻す第3の還流ラインに介装され、前記第3の還流ライン中のセミリーン溶液を前記再生加熱器からのスチーム凝縮水の余熱により熱交換するスチーム凝縮水熱交換部を具備してなることを特徴とするCO2回収装置。
  3. 請求項1又は2において、
    前記第1の還流ラインが、前記リーン溶液熱交換器又は前記スチーム凝縮水熱交換部の何れか一方又は両方を有してなるものであることを特徴とするCO2回収装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1つにおいて、
    前記第2の還流ラインが、前記排ガス熱交換器又は前記スチーム凝縮水熱交換部の何れか一方又は両方を有してなるものであることを特徴とするCO2回収装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1つにおいて、
    前記第1の還流ライン、前記第2の還流ライン又は前記第3の還流ラインの少なくともいずれかが、複数本設けられてなるものであることを特徴とするCO2回収装置。
  6. CO2を含有するガスとCO2吸収液とを吸収塔内で接触させてCO2を除去した後、該CO2を吸収したリッチ溶液を再生塔で再生し、その後再生したCO2を除去したリーン溶液を吸収塔で再利用するCO2回収方法であって、
    前記再生塔の上流側から抜き出して下流側に戻す第1の還流ライン中のCO2を一部除去したセミリーン溶液をボイラ等の産業設備の煙道内の高温の排ガスにより熱交換し、
    前記再生塔の上流側から抜き出して下流側に戻す第2の還流ライン中の前記セミリーン溶液を、前記再生塔からの前記リーン溶液の余熱により熱交換することを特徴とするCO2回収方法。
  7. 請求項6において、
    前記再生塔内でCO2を一部除去したセミリーン溶液を前記再生塔の上流側から抜き出して下流側に戻す第3の還流ライン中のセミリーン溶液を、飽和スチームにより熱交換する再生加熱器からのスチーム凝縮水の余熱により熱交換することを特徴とするCO2回収方法。
  8. 請求項6又は7において、
    前記リーン溶液熱交換器又は前記スチーム凝縮水熱交換部の何れか一方又は両方を有してなる前記第1の還流ライン中のセミリーン溶液を前記リーン溶液の余熱、又はスチーム凝縮水の余熱の何れか一方又は両方により熱交換することを特徴とするCO2回収方法。
  9. 請求項6乃至8のいずれか1つにおいて、
    前記排ガス熱交換器又は前記スチーム凝縮水熱交換部の何れか一方又は両方を有してなる前記第1の還流ライン中のセミリーン溶液を前記高温の排ガス、又はスチーム凝縮水の余熱の何れか一方又は両方により熱交換することを特徴とするCO2回収方法。
JP2006111303A 2006-04-13 2006-04-13 Co2回収装置及びco2回収方法 Expired - Fee Related JP4773865B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006111303A JP4773865B2 (ja) 2006-04-13 2006-04-13 Co2回収装置及びco2回収方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006111303A JP4773865B2 (ja) 2006-04-13 2006-04-13 Co2回収装置及びco2回収方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007284273A JP2007284273A (ja) 2007-11-01
JP4773865B2 true JP4773865B2 (ja) 2011-09-14

Family

ID=38756400

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006111303A Expired - Fee Related JP4773865B2 (ja) 2006-04-13 2006-04-13 Co2回収装置及びco2回収方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4773865B2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2711435C (en) * 2008-02-22 2012-10-09 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Co2 recovery apparatus and co2 recovery method
JP4929227B2 (ja) * 2008-04-30 2012-05-09 株式会社日立製作所 高湿分空気利用ガスタービンシステム
JP5039651B2 (ja) 2008-07-08 2012-10-03 三菱重工業株式会社 排ガス中の二酸化炭素回収システム
JP5495520B2 (ja) * 2008-07-23 2014-05-21 三菱重工業株式会社 排ガス中の二酸化炭素回収装置
JP5638262B2 (ja) 2010-02-23 2014-12-10 三菱重工業株式会社 Co2回収装置およびco2回収方法
KR101695029B1 (ko) * 2010-09-07 2017-01-23 한국전력공사 발전소 건식 재생용 이산화탄소 분리회수장치로부터의 열 회수장치
JP5591083B2 (ja) * 2010-12-01 2014-09-17 三菱重工業株式会社 Co2回収システム
US8647421B2 (en) * 2011-03-17 2014-02-11 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. CO2 recovery apparatus
US8961665B2 (en) * 2012-03-28 2015-02-24 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Exhaust gas treatment system
US20140041523A1 (en) * 2012-08-09 2014-02-13 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Exhaust gas treatment system
US9233337B2 (en) * 2012-09-20 2016-01-12 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. CO2 recovery device

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007284273A (ja) 2007-11-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4773865B2 (ja) Co2回収装置及びco2回収方法
JP4745682B2 (ja) Co2回収装置および方法
JP4690659B2 (ja) Co2回収装置
JP5230088B2 (ja) Co2回収装置及び方法
JP5021917B2 (ja) Co2回収装置及び方法
JP5922451B2 (ja) Co2回収装置
JP5595045B2 (ja) Co2回収装置及びco2回収方法
JP5134578B2 (ja) Co2回収装置及びその方法
JP5638262B2 (ja) Co2回収装置およびco2回収方法
CN101855002B (zh) 吸附剂再生的改进方法
JP2005254212A5 (ja)
JP5402842B2 (ja) 二酸化炭素の回収方法及び回収装置
JP5976812B2 (ja) 排ガス処理システム
JP2008307520A (ja) Co2又はh2s除去システム、co2又はh2s除去方法
JP2013226487A (ja) Co2回収装置およびco2回収方法
JP5174194B2 (ja) Co2回収装置及び方法
JP5591083B2 (ja) Co2回収システム
JP5976817B2 (ja) 熱回収システム及び熱回収方法
CN104936678B (zh) 含co2及h2s的气体的回收系统及回收方法
JP5737916B2 (ja) Co2回収システム
JP2016087540A (ja) Co2回収装置およびco2回収方法
KR20170114802A (ko) 탈거탑 탑상증기의 열에너지를 재활용한 이산화탄소 포집방법과 그 장치
JP2019022894A (ja) Co2回収装置およびco2回収方法
JP5863741B2 (ja) Co2回収装置
JP5518164B2 (ja) Co2回収装置及び方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090119

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110602

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110607

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110624

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140701

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees