実施の形態1.
以下に、本発明の実施の形態1に係る投写型画像表示装置100を、図1〜図9を参照しながら説明する。
図1は、実施の形態1に係る投写型画像表示装置100の内部構成及び光路を示す側面図である。図1に示されるように、投写型画像表示装置100は、光源1と、光源1から射出された照明光を集光等する光学系(例えば、照明レンズ系、球面ミラー、非球面ミラー、平面ミラー等の中の一又は複数の部材を含む。)2と、入力映像信号に基づく画像を表示し、光学系2を通過した照明光を受けて光画像(投写光)を射出するライトバルブ3と、ライトバルブ3から射出された光画像を拡大する屈折レンズ群4と、屈折レンズ群4によって拡大された光画像を拡大投写するパワーを持つパワーミラー5と、パワーミラー5で反射された光画像が投写されて画像を表示する透過型のスクリーン6とを有している。ここで、光源1及び光学系2は、照明光学系を構成する。図1は、スクリーン6が水平方向(図1における左方向)を向き、光源1、光学系2、ライトバルブ3、投写レンズ群4、及びパワーレンズ5がスクリーン6の下側に配置された場合を示す。ただし、光源1、光学系2、ライトバルブ3、投写レンズ群4、及びパワーレンズ5を、スクリーン6の上側、スクリーン6に向かって左側、又はスクリーン6に向かって右側のいずれかに配置することも可能である。
屈折レンズ群4及びパワーミラー5は、投写光学系を構成する。光源1としては、ランプ及びランプからの光を反射させる凹面鏡から構成されたもの、半導体発光素子から構成されたものがある。
ライトバルブ3は、入力映像信号に基づいて光を強度変調することによって光画像を射出する光学素子であり、例えば、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD:Texas Instruments Incorporated(TI)社の登録商標)である。DMDは、それぞれ個別に角度変更可能な複数の微小ミラーを有し、入力映像信号に基づいて個々の微小ミラーの角度を変更する。DMDは、光学系2を通過した光をそれぞれの微小ミラーで反射して、空間的に強度変調された投写光を光画像として射出する。ライトバルブ3は、液晶表示素子等の他の光空間変調素子とすることもできる。ただし、以下の説明においては、ライトバルブ3がDMDである場合を説明する。
図1において、横方向に延びる点線10は、屈折レンズ群4の光軸を示す。また、図1において、実線21は、ライトバルブ3の上端から射出し、屈折レンズ群4を透過してパワーミラー5に向かう主光線を示し、実線22は、ライトバルブ3の中心から射出し、屈折レンズ群4を透過してパワーミラー5に向かう主光線を示し、実線23はライトバルブ3の下端から射出し、屈折レンズ群4を透過してパワーミラー5に向かう主光線を示す。また、図1において、実線31は、ライトバルブ3の上端から射出し、屈折レンズ群4を透過してパワーミラー5に入射し、パワーミラー5により反射された主光線を示し、この主光線31は、スクリーン6上における投写画像の下端を表示する。また、図1において、実線32は、ライトバルブ3の中央から射出し、屈折レンズ群4を透過してパワーミラー5に入射し、パワーミラー5により反射された主光線であり、この主光線32は、スクリーン6上における投写画像の中心を表示する。さらに、図1において、実線33は、ライトバルブ3の上端から射出し、屈折レンズ群4を透過してパワーミラー5に入射し、パワーミラー5により反射された主光線であり、この主光線33は、スクリーン6上で投写画像の上端を表示する。
また、実施の形態1に係る投写型画像表示装置100においては、ライトバルブ3は、その中心が、スクリーン6を水平方向(図1における横方向)に向けて投写型画像表示装置100を設置した場合において、屈折レンズ群4の光軸10から鉛直下方向(図1における下方向)にオフセットした位置になるように、配置されている。このような位置関係は、後述する図7に示されている。
図2は、投写型画像表示装置100のライトバルブ3及び屈折レンズ群4の構成を示す断面図である。図2に示されるように、投写型画像表示装置100は、ライトバルブ3(図2におけるOBJ)と、表面S1,S2を持つ平板状の光学系と、屈折レンズ群4とを有している。屈折レンズ群4は、10枚のレンズ(ライトバルブ2側から表面S3、S4、S6〜S21で示される)と、開口絞りSTO(S5)とを有している。
表1は、投写型画像表示装置100の光学系の光学データを示す。また、表2〜表4は、投写型画像表示装置100の屈折レンズ群4のレンズ表面S3,S20,S21の光学データを示す。また、表5は、投写型画像表示装置100のパワーミラー5の表面(ミラー面)S22の光学データを示す。
表1において、Surfは各面を示し、各面は記号又は番号で区別されている。Surf欄において、OBJはライトバルブ3を示し、IMAはスクリーン6を示し、S22はパワーミラー5のミラー面を示し、S1〜S21は各レンズの表面に対してライトバルブ6側から順に付された面番号に相当する。また、表1において、Radiusは各構成の曲率半径(mm)を示し、Thicknessは面間隔(mm)を示し、ndはd線(波長587.6nm)における屈折率を示し、vdはアッベ数を示す。また、STO(面番号で表記する場合にはS5)は絞りを示す。また、パワーミラー5のミラー面は、Mirrorと表記している。なお、面間隔の数値に付記されたマイナス(−)符号は、当該面が反射面であることを意味している。
表1において、面番号であるS3,S20に付された記号「*」は、当該レンズ表面S3,S20がそれぞれ非球面であることを示す。これらレンズ表面S3,S20の非球面形状は、以下の式(1)によって定義される。なお、式(1)において、Z1(r)は、投写レンズ群4の光軸10から半径r離れた位置におけるサグ(sag)量を示す。また、cはレンズ表面の頂点における曲率を示し、kはコーニック係数を示し、Aiはi次(i=1,…)の非球面係数を示す。
Z1(r)
=c・r2/[1+{1−(1+k)c2・r2}1/2]+ΣAi・ri …(1)
また、表1において、面番号であるS21,S22に付された記号「**」は、当該レンズ表面S21及びパワーミラー表面S22が自由曲面であることを示す。これらレンズ表面S21及びパワーミラー表面S22の自由曲面形状は、以下の式(2)によって定義される。式(2)において、Z2(x,y)は、投写レンズ群4又は屈折レンズ群4の光軸から水平方向にx、鉛直方向にy(鉛直上方を正とする)だけ離れた位置におけるサグ量を示す。また、
r=(x2+y2)1/2
であり、cはレンズ表面又はパワーミラー表面の点における曲率であり、kはコーニック係数であり、Biはi次(i=1,…)の非球面係数であり、Cjkはxj・yk(j=1,…、k=1,…)の自由曲面係数である。
Z2(r)
=c・r2/[1+{1−(1+k)c2・r2}1/2]+ΣBi・ri
+ΣCjk・xj・yk …(2)
また、表2及び表3は、非球面であるレンズ表面S3,S20のそれぞれにおける、コーニック係数k及び非球面係数Aiを示している。また、表4及び表5は、自由曲面であるレンズ表面S21及びパワーミラー表面S22のそれぞれにおける、コーニック係数k、非球面係数Bi及び自由曲面係数Cjkを示している。
なお、実施の形態1に係る投写型画像表示装置100において、パワーミラー5の光軸は、屈折レンズ群4の光軸10から鉛直上方向にオフセット量3.10mmだけ偏心している。ここで、「パワーミラー5の光軸」とは、式(2)の右辺から第3項
ΣCjk・xj・yk
を除いた式、すなわち、以下に示す回転対称形状の式
Z3(r)=c・r2/[1+{1−(1+k)c2・r2}1/2]+ΣBi・ri
の光軸である。
図3は、屈折レンズ群の光軸に対するDMD中心位置のオフセット量がゼロである比較例におけるDMDの動作を説明するための図である。図3において、符号40はDMDのミラー表面(基準面)を、符号41はOFF状態の微小ミラーを、符号42はON状態の微小ミラーを示す。また、図3において、破線50は照明光学系(図1における構成1及び2)の光軸を、実線51は照明光を、破線60は照明光の光軸50がON状態の微小ミラー42により反射された投写光の光軸を、実線61は照明光がON状態の微小ミラー42により反射され、投写レンズ群4の入射瞳方向に向かう投写光を示す。また、図3において、破線70は照明光がOFF状態の微小ミラー41により反射され、投写に寄与しないOFF光の光軸を、実線71はOFF光を示す。また、図3において、角度αはDMDのティルト角(すなわち、基準面40に対する微小ミラーの角度)を示す。また、角度βは照明光51が照明光学系の光軸とのなす最大の角度、及び、投写光61が投写光の光軸とのなす最大の角度を示す。また、角度γは照明光の光軸50と投写光の光軸60とのなす角度を示す。なお、投写光の光軸60は、図1における投写レンズ群4の光軸10と同一である。DMDは、ON状態にある微小ミラー42が、照明光51を投写光学系の入射瞳方向に反射し、反射された投写光61は、投写光学系を構成する屈折レンズ群4に入射して、屈折及び透過を繰り返し、パワーミラー5によりスクリーン6の方向に反射され、スクリーン6に画像が表示される。なお、OFF状態の微小ミラー41で反射されたOFF光71は、投写光学系に入射せず、画像形成には寄与しない。
一般に、投写光学系の明るさを示す指標として、FナンバーFnoが用いられる。FナンバーFnoは、投写光61の角度βを用いて、次式(3)で表される。
Fno=1/(2・sinβ) …(3)
高輝度の投写型画像表示装置を得るためには、投写光学系のFナンバー小さくする、すなわち、投写光61の角度βを大きくする必要がある。しかし、DMDのオフセット量が0の場合に、照明光51と投写光61との重なりを避けるためには、投写光61の角度βは、DMDのティルト角αより大きくすることはできない。現行のDMDのティルト角αは12°であり、ティルト角αと投写光の角度βが等しいとするとき、投写光学系のFナンバーは約2.4となる。
図4は、全反射プリズムを使用した比較例の構成及び照明光と投写光の光路を示す図である。通常、DMDのオフセット量が0の場合には、全反射プリズムを用いて、照明光と投写光とを分離する方法が採用される。図4に示される全反射プリズム80は、第1のプリズム81と、第2のプリズム82とを、第1のプリズム81の傾斜面と第2のプリズム82の傾斜面を対向させて配置している。照明光90は、全反射プリズム80を構成する第1のプリズム81に入射する。第1のプリズム81に入射した照明光90は、照明光90と傾斜面83とのなす角度が臨界角より大きくなるよう、傾斜面83の角度が設定されているため、傾斜面83により全反射作用を受けて、DMD3に入射し、DMDのティルト角に応じて進行方向を変えて反射した後、再び第1のプリズム81に入射する。このとき、投写光91と傾斜面83とのなす角度が臨界角以下となるため、投写光91は傾斜面83を透過し、投写光91はプリズム82を透過して、投写光学系を構成する投写レンズの入射瞳に向かう。通常、投写レンズの入射瞳は、無限遠に設定される。しかし、全反射プリズムを使用する場合、OFF光のプリズム内における散乱による迷光等が原因で投写画像のコントラストが劣化しやすい。また、全反射プリズムは高価であり、装置のコストアップ要因ともなる。
図5は、屈折レンズ群4の光軸10に対するDMD中心位置のオフセット量が大きい実施の形態1におけるDMDの動作を説明するための図である。なお、実施の形態1を示す図5において、比較例を示す図4に示される構成等と同一又は対応する構成等には同じ符号を付す。DMDの中心位置を屈折レンズ群4の光軸10に対して図1における下方向にオフセットした場合、DMDで反射された投写光の光軸60は、DMDの基準面40の法線方向に対して、オフセット量と投写光学系入射瞳位置に応じた、ある角度を有することになる。DMDに入射する照明光の光軸50とDMDの基準面40の法線方向とのなす角は、図3に示すDMDのオフセット量が0の場合よりも、大きくなる。そのため、照明光51の光軸と投写光61の光軸のなす角度が大きくなり、照明光51と投写光61とを大きく分離できる。さらに、照明光51や投写光61と、OFF光71との分離角も大きくなる。よって、実施の形態1に係る投写型画像表示装置100においては、照明光51と投写光61とを分離するための、図4に示されるような全反射プリズムを使用する必要がない。
図6は、全反射プリズムを使用しない実施の形態1の場合の、照明光と投写光の光路を示す図である。DMDを大きくオフセットした実施の形態1の場合には、全反射プリズムを用いることなく、照明光と投写光を分離することが可能となる。図6において、図4に示される構成等と同一又は対応する構成等には、同じ符号を付す。図6において、符号92は、投写光学系の入射瞳を示す。このような構成の場合には、投写光90と照明光91との分離が容易であり、また、投写光学系の入射瞳92は、DMDに比較的近い場所に設定できることから、投写光学系の入射瞳径が小さくなるため、投写光学系を小型化でき、より低コストなレンズとすることができるとともに、画像に寄与しない不要光の、投写光学系への入射を低減でき、高コントラストな投写画像を得ることができる。よって、ライトバルブをオフセットすることにより、投写型画像表示装置の薄型化が可能になるとともに、低コスト化、高コントラスト化を図ることもできる。
しかし、ライトバルブ3のオフセット量が大きくなると、スクリーン6上の投写画像のオフセット量も大きくなり、結果として、投写型画像表示装置の下端からスクリーン3上の投写画像の下端までの高さ、すなわち、スクリーン下の部分が大きくなってしまう。この点について以下に説明する。
通常、投写光学系の倍率は、物体のサイズと像のサイズとの比により表される。これに対応して、一般に画像投写においては、投写倍率Mは、投写画像の対角寸法Diと、ライトバルブ3の対角寸法Dlを用いて、次式(4)で表される。
M=Di/Dl …(4)
ライトバルブの対角寸法Dlは、通常1インチから0.5インチ程度、投写画像対角寸法Diは、通常40インチから80インチ程度で、投写倍率Mは、一般に50倍〜100倍程度である。投写型画像表示装置100においては、ライトバルブの対角寸法Dlは0.79インチであり、投写画像の対角寸法Diは66.34インチであり、投写倍率Mは約84倍である。
また、一般に、歪曲が十分に補正された投写光学系においては、物体面上に置かれた、屈折レンズ群4の光軸10からの高さyの物体は、像面上で、屈折レンズ群の光軸からの高さM・yの大きさに結像される。よって、ライトバルブのオフセット量Llを大きくすると、投写倍率Mに応じて、投写画像のオフセット量Liも増大し、それらの関係は、次式(5)で表される。
Li=M・Ll …(5)
以上のことから、通常、照明光と投写光とを分離するために、ライトバルブのオフセット量をある一定値、最低でもDMDの短辺の0.5倍より大きくする必要があり、それに伴い、投写画像のオフセット量も大きくなり、結果として装置の下端から投写画像下端までの高さが大きくなっていた。この領域は、投写型画像表示装置として有効な機能を果たさない、不必要な領域であり、装置の小型化の点からも、この高さをできるだけ小さくすることが望ましい。
次に、投写型画像表示装置100の投写光学系の作用について説明する。図7は、図1に示される投写型画像表示装置100の構成を概略的に示す図である。図7において、Llはライトバルブ3の中心と屈折レンズ群4の光軸10との距離を示し、Liは投写画像の画面中心と屈折レンズ群4の光軸10との距離を示し、Pは投写画像下端と屈折レンズ群4の光軸10との距離を示している。なお、符号106、131、132、133は、同一条件における、従来の投写光学系に対応したスクリーン6、及びパワーミラー5からスクリーン6に向かう光線を示し、実施の形態1における、符号6、31、32、33にそれぞれ対応している。図7において、図1に示される構成と同一又は対応する構成には、同じ符号を付す。
前記のように、屈折レンズ群4の光軸10からオフセットされたDMD3から斜め上方に射出された投写光は、屈折レンズ群4により屈折して透過した後に、パワーミラー5で反射・拡大され、スクリーン6に入射し、画像が投影される。
一般に、投写光学系の歪曲は、各主光線の屈折レンズ群の光軸10からの高さが高くなる位置に素子を配置して補正することが有効である。従来の投写光学系においては、パワーミラー5の形状を、屈折レンズ群の光軸10を中心とする回転対称な非球面形状とすることで補正可能であり、投写画像の画面中心と屈折レンズ群の光軸10との距離は、式(5)により表される。
それに対し、実施の形態1に係る投写型画像表示装置100においては、パワーミラー5の形状を、自由曲面形状として自由度を追加し、歪曲補正能力に加え、鉛直方向の画面位置を制御する機能を付加したので、DMD3を射出する各主光線のスクリーン到達位置を、通常の投写倍率で決まる到達位置よりも、屈折レンズ群4の光軸10により近い位置となるよう制御することができ、画面下端から屈折レンズ群4の光軸10までの距離Pを小さくすることが可能である。
屈折レンズ群4は、最もパワーミラー5に近いレンズ面を自由曲面形状とし、歪曲補正と画面位置制御を優先しているパワーミラー5で発生した諸収差を良好に補正している。屈折レンズ群4のレンズ構成は、8群10枚であり、従来の投写型画像表示装置と同等の構成が可能である。
実施の形態1に係る投写型画像表示装置100は、以下の条件式(6)〜(8)を満足する。
0.8≦Li/{(Di/Dl)・Ll}<1.0 …(6)
Li/{Hl・(Di/Dl)}>0.5 …(7)
Ll/Hl≧0.54 …(8)
条件式(6)は、DMD中心と屈折レンズ群4の光軸10との距離Llと投写倍率M(=Di/Dl)とに基づいて計算される、従来の投写光学系により投影される投写画像中心と屈折レンズ群の光軸との距離(M・Ll)に対する、投写型画像表示装置により投影される、投写画像中心と屈折レンズ群4の光軸10との距離Liの割合であるLi/{(Di/Dl)・Ll}の適正範囲を示している。
条件式(6)におけるLi/{(Di/Dl)・Ll}が、下限値0.8を下回ると、画面中心位置が、投写倍率Mに基づいて計算される、従来の投写光学系により投影される画面位置よりも、大幅に光軸10に近づくことになり、パワーミラー5による画面位置制御が困難になり、また、それにより発生する諸収差を、屈折レンズ群4で補正することが困難になる。また、この場合には、屈折レンズ群4から射出する主光線23とスクリーン6との干渉が生じてしまう。
また、条件式(6)におけるLi/{(Di/Dl)・Ll}が、上限値1.0を上回ると、従来の投写光学系よりも投写画像中心位置が屈折レンズ群4の光軸10から遠ざかることとなり、装置が大型化してしまう。
条件式(7)は、画面位置の光軸10からの位置関係を規定しており、屈折レンズ群4の光軸10から画面中心までの距離Liに対する、画面の鉛直方向の寸法{Hl・(Di/Dl)}の比が0.5より大きいこと、すなわち、画面全体が投写光学系の鉛直上方に位置することが必要であることを意味する。
もし、条件式(7)におけるLi/{Hl・(Di/Dl)}が、下限値0.5以下となると、スクリーン6と投写光路又は投写光学系との干渉が生じてしまう。
条件式(8)は、ライトバルブ3のオフセット量Llを規定しており、オフセット量Llに対するライトバルブの短辺Hlの比が、0.54以上であることを意味する。
もし、条件式(8)におけるLl/Hlが下限値0.54より小さくなると、オフセット量Llが小さくなりすぎ、画面位置が屈折レンズ群4の光軸10に近づき過ぎるため、スクリーン6と投写光路又は投写光学系との干渉が生じてしまう。また、この場合には、照明光と投写光の分離も困難になってしまう。
なお、実施の形態1に係る投写型画像表示装置100においては、投写光学系のFナンバーは3.5であり、DMD中心と屈折レンズ群4の光軸10との距離Llは7.2mmであり、投写倍率M=Di/Dlは83.87倍であり、投写画像中心と屈折レンズ群4の光軸10との距離Liは550mmである。また、条件式(6)におけるLi/{(Di/Dl)・Ll}は0.91であり、条件式(7)におけるLi/{Hl・(Di/Dl)}は0.67であり、条件式(8)におけるLl/Hlは0.73である。また、TV歪曲は0.12%以下であり、上限の許容値の目安である1%程度よりも十分に小さい。
また、図8及び図9は、実施の形態1に係る投写型画像表示装置100の収差図である。この収差図の縦軸の最大値は±5mmである。本出願の収差図において、横軸(PY、PX)は瞳座標を表し、縦軸(EX、EY)は収差を表す。また、PY−EYの図はタンジェンシャル方向、PX−EXの図はサジタル方向の瞳座標と収差の関係をそれぞれ表す。また、収差図は、3つの波長(実線は波長460nm、細かい破線は波長546nm、粗い破線は波長650nm)の光についてプロットされている。
以上に説明したように、実施の形態1に係る投写型画像表示装置100によれば、スクリーン6の法線に対して傾斜を有する方向に進む投写光を照射する斜め投写を採用しているにもかかわらず、当該装置の奥行きの薄型化及びスクリーン下の部分の高さの縮小を実現することができる。また、実施の形態1に係る投写型画像表示装置100によれば、非球面形状のレンズに加え、レンズ表面及びパワーミラー5の表面に自由曲面形状を採用しているので、パワーミラー5により発生する収差を良好に補正することができる。
実施の形態2.
以下に、本発明の実施の形態2に係る投写型画像表示装置200を、図10〜図13を参照しながら説明する。
図10は、実施の形態2に係る投写型画像表示装置200の内部構成及び光路を示す側面図である。図10において、図1に示される構成と同一又は対応する構成には、同じ符号を付す。また、図11は、投写型画像表示装置200のライトバルブ3及び屈折レンズ群4の構成を示す断面図である。図11において、図2に示される構成と同一又は対応する構成には、同じ符号を付す。
表6は、投写型画像表示装置200の光学系の光学データを示す。また、表7〜表9は、投写型画像表示装置200の屈折レンズ群4のレンズ表面S3,S20,S21の光学データを示す。また、表10は、投写型画像表示装置200のパワーミラー5の表面(ミラー面)S22の光学データを示す。表6〜表10における光学データの記載方法は、実施の形態1において説明された表1〜表5における光学データの記載方法と同じである。
なお、実施の形態2に係る投写型画像表示装置200において、パワーミラー5の光軸は、屈折レンズ群4の光軸10から鉛直上方向にオフセット量3.10mmだけ偏心している。ここで、「パワーミラー5の光軸」とは、式(2)の右辺から第3項を除いた上記式Z3(r)の光軸である。
実施の形態2に係る投写型画像表示装置200は、実施の形態1に係る投写型画像表示装置100において、DMD寸法及び投写画像寸法、屈折レンズ群4の構成枚数等の条件を同一にしたまま、さらにパワーミラー5の画面位置制御を高め、投写画像を屈折レンズ群4の光軸10に近づくようにシフトさせた構成である。パワーミラー5のサイズも同一としながら、投写画像と、屈折レンズ群4を射出した主光線23との干渉が生じない程度に、できるだけ投写画像を屈折レンズ群4の光軸10に近づけている。
なお、実施の形態2に係る投写型画像表示装置200においては、投写光学系のFナンバーは3.5であり、DMD中心と屈折レンズ群4の光軸10との距離Llは7.2mmであり、投写倍率M=Di/Dlは83.87倍であり、投写画像中心と屈折レンズ群4の光軸10との距離Liは520mmである。また、条件式(6)におけるLi/{(Di/Dl)・Ll}は、0.86であり、条件式(7)におけるLi/{Hl・(Di/Dl)}は、0.63であり、条件式(8)におけるLl/Hlは、0.73である。また、TV歪曲は0.13%以下であり、上限の許容値の目安である1%程度よりも十分に小さい。また、図12及び図13は、投写型画像表示装置200の収差図である。この収差図の縦軸の最大値は±5mmである。
以上に説明したように、実施の形態2に係る投写型画像表示装置200によれば、スクリーン6の法線に対して傾斜を有する方向に進む投写光を照射する斜め投写を採用しているにもかかわらず、当該装置の奥行きの薄型化及びスクリーン下の部分の高さの縮小を実現することができる。
なお、実施の形態2において、上記以外の点は、上記実施の形態1の場合と同じである。
実施の形態3.
以下に、本発明の実施の形態3に係る投写型画像表示装置300を、図14〜図17を参照しながら説明する。
図14は、実施の形態3に係る投写型画像表示装置300の内部構成及び光路を示す側面図である。図14において、図1に示される構成と同一又は対応する構成には、同じ符号を付す。また、図15は、投写型画像表示装置300のライトバルブ3及び屈折レンズ群4の構成を示す断面図である。図15において、図2に示される構成と同一又は対応する構成には、同じ符号を付す。
表11は、投写型画像表示装置300の光学系の光学データを示す。また、表12〜表14は、投写型画像表示装置300の屈折レンズ群4のレンズ表面S3,S20,S21の光学データを示す。また、表15は、投写型画像表示装置300のパワーミラー5の表面(ミラー面)S22の光学データを示す。表11〜表15における光学データの記載方法は、実施の形態1において説明した表1〜表5における光学データの記載方法と同じである。
なお、実施の形態3に係る投写型画像表示装置300において、パワーミラー5の光軸は、屈折レンズ群4の光軸10から鉛直上方向にオフセット量4.23mmだけ偏心している。ここで、「パワーミラー5の光軸」とは、式(2)の右辺から第3項を除いた上記式Z3(r)の光軸である。
実施の形態3に係る投写型画像表示装置300は、実施の形態2に係る投写型画像表示装置200において、DMD寸法及び投写画像寸法、屈折レンズ群4の構成枚数等の条件を同一にしたまま、投写光学系のFナンバーをより大きくしたものであり、さらにパワーミラー5の画面位置制御を高め、投写画像を屈折レンズ群4の光軸10に近づくようにシフトさせた構成である。
一般的に、画像投写装置用の光源1には、超高圧水銀ランプが多く使用される。超高圧水銀ランプは、発光効率が良く、短アークギャップのものを使用すれば、光利用効率も比較的良くできる。しかし、現状の超高圧水銀ランプの寿命は十分に長くなく、輝度を上げるために、ランプの出力を上げると、さらに寿命が短くなる。また、光源から広い角度空間に渡って光が放射されるため、集光効率及び光利用効率の向上には限界があり、投写型画像表示装置の更なる高輝度化を図るには問題点もある。
そこで、ランプに代わる光源として、LEDやレーザのような固体光源を用いることも可能である。LEDの場合、光源から放出される光の発散角は大きいが、長寿命である点が有利である。一方、レーザは、光源から放射される光の発散角が小さいものを使用すれば、ランプと比べて、極めて光利用効率を高くできる。また、レーザの寿命は、ランプの寿命に比べても格段に長い。さらに、照明系及び投写光学系のFナンバーも小さくできることから、装置を小型化できるメリットもある。
前述の通り、パワーミラー5のサイズが大きいほうが、歪曲補正及び画面位置制御の自由度が上がるため有利である。また、パワーミラー5をより大きくすることで、歪曲補正及び画面位置制御のみならず、非点収差や像面湾曲等の諸収差の補正にも自由度を割り当てることができ、屈折レンズ群4の収差補正の負担を軽減でき、屈折レンズ群4の構成の簡素化が図れるとともに、総合的な結像性能を向上することができる。
一方、パワーミラー5は、サイズが大きいため、生産性を考慮すると、樹脂のモールド成型で製作することが望ましい。しかし、モールド成型の場合、金型への樹脂充填の際の均一性、冷却時間、ヒケ等による形状誤差といった要因により、成型体が大きくなるに従って製造誤差が増大し、製造コストも増大する。このような観点から、パワーミラー5はできる限り小さいほうが望ましい。
また、画面位置を屈折レンズ群4の光軸10に近づける際、投写画像の下端と屈折レンズ群4から射出される主光線23との干渉を避ける必要がある。パワーミラー5のサイズが大きくなると、主光線23はより屈折レンズ群4の光軸10から鉛直上方に離れる。このため、屈折レンズ群4から射出されパワーミラー5に向かう主光線23と、スクリーン6に向かう投写画像下端との干渉が生じやすくなる。よって、より画面位置を屈折レンズ群4の光軸10に近づける点からも、パワーミラー5のサイズは小さいほうが望ましい。
一般に、投写光学系のFナンバーが小さくなるほど、良好な結像性能及び歪曲性能を確保することが難しくなり、それらを確保するために、投写光学系の大型化や構成の複雑化を招く。実施の形態3に係る投写型画像表示装置300においては、光源1としてレーザ等の固体光源を使用することによって、投写光学系のFナンバーを大きくしているため、結像性能を確保しやすく、屈折レンズ群4のサイズを小さくでき、屈折レンズ群4を構成する個々のレンズの曲率も小さくでき構成を簡略にできる。また、パワーミラー5の小型化も図れる。よって、投写画像下端との干渉も生じにくく、スクリーン6下の部分の高さをより一層小さくすることができる。
なお、実施の形態3に係る投写型画像表示装置300においては、DMD中心と屈折レンズ群4の光軸10との距離Llは7.2mmであり、投写倍率M=Di/Dlは83.87倍であり、投写画像中心と屈折レンズ群の光軸10との距離Liは490mmである。また、条件式(6)におけるLi/{(Di/Dl)・Ll}は0.81であり、条件式(7)におけるLi/{Hl・(Di/Dl)}は0.59であり、条件式(8)におけるLl/Hlは0.73である。また、TV歪曲は0.15%以下であり、上限の許容値の目安である1%程度よりも十分に小さい。また、図16及び図17は、投写型画像表示装置300の収差図である。この収差図の縦軸の最大値は±5mmである。
以上に説明したように、実施の形態3に係る投写型画像表示装置300によれば、簡略な構成としつつ、スクリーン6の法線に対して傾斜を有する方向に進む投写光を照射する斜め投写を採用しているにもかかわらず、当該装置の奥行きの薄型化及びスクリーン下の部分の高さの縮小を実現することができる。
なお、実施の形態3において、上記以外の点は、上記実施の形態1又は2の場合と同じである。
実施の形態4.
以下に、本発明の実施の形態4に係る投写型画像表示装置400を、図18及び図19を参照しながら説明する。
図18及び図19は、本発明の実施の形態4に係る投写型画像表示装置400の内部構成及び光路を示す側面図である。図18は、スクリーン6を水平方向(図18における左方向)に向けて投写型画像表示装置400を設置した場合の投写型画像表示装置400の内部構成及び光路を示す。また、図19は、投写型画像表示装置400をスクリーンに向かって正面から見た場合の内部構成及び光路を示す。図18及び図19において、図1に示される構成と同一又は対応する構成には、同じ符号を付す。
実施の形態4に係る投写型画像表示装置400は、屈折レンズ群4からパワーミラー5に至る光路の途中に、屈折レンズ群4からの光画像の進行方向を折り返す2枚の平面ミラー8,7を介在させた点が、上記実施の形態1に係る投写型画像表示装置100と相違する。図18及び図19に示されるように、平面ミラー7は、スクリーン6とパワーミラー5との間に配置され、平面ミラー8は、パワーミラー5の鉛直上方に配置されている。なお、実施の形態4においては、平面ミラー8,7を介在させずに、屈折レンズ群4からパワーミラー5に至る光路を直線とみなした場合において、前記条件式(6)〜(8)を満足させるように照明光学系(光源1及び光学系2)、ライトバルブ3、屈折レンズ群4、パワーミラー5、及びスクリーン6を配置している。
平面ミラー7は、スクリーン6面に対して平行な水平軸に対して、反射面を鉛直上方に向けて傾いて配置され、平面ミラー8は、スクリーン6中心を通る鉛直面に対して、反射面を鉛直下向に向けて傾いて配置されている。投写型画像表示装置400は、屈折レンズ群4から射出され、平面ミラー8により反射された投写光は、平面ミラー7により反射され、さらにパワーミラー5により反射され、スクリーン6に向かう投写光を横切るように構成されている。また、このように構成することで、屈折レンズ群4を、その光軸がスクリーン面と略並行となるよう、パワーミラー5の鉛直上方であってスクリーン6の背面側に配置して、装置の筐体内にコンパクトに収納できるように構成されている。
平面ミラー面8の法線と、水平面とのなす角度(°)(上方を正方向とする)をθ1とすると、投写型画像表示装置400は、以下の条件式(9)を満足することが望ましい。
22<θ1<37 …(9)
条件式(9)において、角度θ1が下限値22°を下回ると、平面ミラー8から平面ミラー7に向かう光線と、パワーミラー5との干渉が生じてしまう。また、角度θ1が上限値37°を上回ると、屈折レンズ群4及び平面ミラー8と、パワーミラー5からスクリーン6に向かう投写光との干渉が生じてしまう。
なお、実施の形態4に係る投写型画像表示装置400における屈折レンズ群4及びパワーミラー5の形状等の光学的特性は、実施の形態1に係る投写型画像表示装置100に関して示された表1〜表5の光学データと同じである。
以上に説明したように、実施の形態4に係る投写型画像表示装置400によれば、スクリーン6の法線に対して傾斜を有する方向に進む投写光を照射する斜め投写を採用しているにもかかわらず、当該装置の奥行きの薄型化及びスクリーン下の部分の高さの縮小を実現することができる。
なお、実施の形態4において、上記以外の点は、上記実施の形態1の場合と同じである。
また、実施の形態4における平面ミラー7,8を、実施の形態1以外の実施の形態の構成に適用することも可能である。
実施の形態5.
以下に、本発明の実施の形態5に係る投写型画像表示装置500を、図20及び図21を参照しながら説明する。
図20及び図21は、本発明の実施の形態5に係る投写型画像表示装置500の内部構成及び光路を示す側面図である。図20は、スクリーン6を水平方向(図20における左方向)に向けて投写型画像表示装置500を設置した場合の投写型画像表示装置500の内部構成及び光路を示す。また、図21は、投写型画像表示装置500をスクリーンに向かって正面から見た場合の内部構成及び光路を示す。図20及び図21において、図1に示される構成と同一又は対応する構成には、同じ符号を付す。
実施の形態5に係る投写型画像表示装置500は、屈折レンズ群4からパワーミラー5に至る光路の途中に、屈折レンズ群4からの光画像の進行方向を折り返す1枚の平面ミラー7を介在させた点が、上記実施の形態1に係る投写型画像表示装置100と相違する。図20及び図21に示されるように、平面ミラー7は、スクリーン6とパワーミラー5との間に配置されている。なお、実施の形態5においては、平面ミラー7を介在させずに、屈折レンズ群4からパワーミラー5に至る光路を直線とみなした場合において、前記条件式(6)〜(8)を満足させるように照明光学系1,2、ライトバルブ3、及び屈折レンズ群4を配置している。
平面ミラー7は、スクリーン面に対して平行な水平軸に対して、反射面を鉛直上方に向けて傾いて配置され、屈折レンズ群4を射出した投写光が、平面ミラー7により反射された後、さらにパワーミラー5により反射され、スクリーン6に向かう投写光を横切るように構成されている。このように構成することで、屈折レンズ群4を、パワーミラー5の鉛直上方に配置して、装置の筐体内にコンパクトに収納することができる。
また、投写型画像表示装置500は、条件式(9)を満足することが望ましい。条件式(9)において、角度θ1が下限値22°を下回ると、屈折レンズ群4を射出して平面ミラー7に向かう光線と、パワーミラー5との干渉が生じてしまう。また、角度θ1が上限値37°を上回ると、屈折レンズ群4と、パワーミラー5を射出してスクリーン6に向かう投写光との干渉が生じてしまう。
なお、実施の形態5に係る投写型画像表示装置500における屈折レンズ群4及びパワーミラー5の形状等の光学的特性は、実施の形態2に係る投写型画像表示装置200に関して示された表6〜表10の光学データと同じである。
以上に説明したように、実施の形態5に係る投写型画像表示装置500によれば、スクリーン6の法線に対して傾斜を有する方向に進む投写光を照射する斜め投写を採用しているにもかかわらず、当該装置の奥行きの薄型化及びスクリーン下の部分の高さの縮小を実現することができる。
なお、実施の形態5において、上記以外の点は、上記実施の形態1の場合と同じである。
また、実施の形態4における平面ミラー7を、実施の形態1以外の実施の形態の構成に適用することも可能である。
実施の形態6.
以下に、本発明の実施の形態6に係る投写型画像表示装置600を、図22〜図29を参照しながら説明する。
図22は、実施の形態6に係る投写型画像表示装置600の内部構成及び光路を示す側面図である。図22において、図1に示される構成と同一又は対応する構成には、同じ符号を付す。また、図23は、投写型画像表示装置600のライトバルブ3及び屈折レンズ群4の構成を示す断面図である。図23において、図2に示される構成と同一又は対応する構成には、同じ符号を付す。
表16は、投写型画像表示装置600の光学系の光学データを示す。また、表17〜表19は、投写型画像表示装置600の屈折レンズ群4のレンズ表面S3,S20,S21の光学データを示す。また、表20は、投写型画像表示装置600のパワーミラー5の表面(ミラー面)S22の光学データを示す。表16〜表20における光学データの記載方法は、表1〜表5における光学データの記載方法と同じである。
なお、実施の形態6に係る投写型画像表示装置600において、ライトバルブ3は、屈折レンズ群4の光軸10とライトバルブ3表示面を拡張した平面との交点を含む水平軸(光軸10に直交する方向の水平軸であって、図22が描かれている紙面に垂直な方向の軸)を中心として、ライトバルブ3の画面上辺を表示する部分(図22における下側)が屈折レンズ群4を構成するレンズから遠ざかる方向に2.71°回転して(すなわち、図23におけるOBJの下部を左に移動させた姿勢で)配置されている。
ここで、ライトバルブ3を回転して配置する実施の形態6に係る投写型画像表示装置600の効果について説明する。図24は、図7において破線で示した従来の光学系において、パワーミラー5を、面頂点を含みスクリーン面に対して平行な水平軸を中心にして、パワーミラー5の上部がスクリーン6に近づく方向に回転させた比較例の場合の構成を示す図である。この場合、画面位置は、従来よりも屈折レンズ群4の光軸10に近づけることができるが、画面上方部がよりパワーミラー5からより遠ざかる方向に結像面が傾き、さらに、図25に示すような、画面上方に凸となるような形状の歪曲が生じてしまう。
図26には、図24において、ライトバルブ3を、屈折レンズ群4の光軸10とライトバルブ3表示面を拡張した平面との交点を含む、図26の紙面に垂直な方向の水平軸を中心として、ライトバルブ3の画面上辺を表示する部分(図26におけるライトバルブ3の下側)が屈折レンズ群4を構成するレンズから遠ざかる方向に回転して配置した構成を示す図である。
この構成においては、ライトバルブ3の表示面の中でも、屈折レンズ群4の光軸10に沿った距離で、屈折レンズ群4に対して遠い部分ほど、パワーミラー5により近い位置に結像されるため、従来例を示す図24で発生した結像面の傾きが補正できる。同時に、図27で示すように、歪曲のない画像を投写することもできる。
以上に説明したように、ライトバルブ3を、屈折レンズ群4の光軸10とライトバルブ3表示面を拡張した平面との交点を含む、図26の紙面に垂直な方向の水平軸を中心として、回転して配置した構成にすることで、より良好な結像性能及び歪曲性能が実現できる。
なお、投写型画像表示装置600においては、投写光学系のFナンバーは5であり、DMD中心と屈折レンズ群4の光軸10との距離Llは7.2mmであり、投写倍率M=Di/Dlは83.87倍であり、投写画像中心と屈折レンズ群の光軸10との距離Liは477.1mmである。また、条件式(6)におけるLi/{(Di/Dl)・Ll}は0.79であり、条件式(7)におけるLi/{Hl・(Di/Dl)}は0.58であり、条件式(8)におけるLl/Hlは0.73である。また、TV歪曲は0.35%以下であり、上限の許容値の目安である1%程度よりも十分に小さい。また、図28及び図29は、投写型画像表示装置600の収差図である。この収差図の縦軸の最大値は±5mmである。
以上に説明したように、実施の形態6に係る投写型画像表示装置600によれば、スクリーン6の法線に対して傾斜を有する方向に進む投写光を照射する斜め投写を採用しているにもかかわらず、当該装置の奥行きの薄型化及びスクリーン下の部分の高さの縮小を実現することができる。
なお、実施の形態6において、上記以外の点は、上記実施の形態1の場合と同じである。
また、実施の形態6におけるライトバルブ3の配置を、実施の形態6以外の他の実施の形態の構成に適用することも可能である。
参考例.
以下に、参考例の投写型画像表示装置650を、図30〜図33を参照しながら説明する。
図30は、参考例の投写型画像表示装置650の内部構成及び光路を示す側面図である。図30において、図1に示される構成と同一又は対応する構成には、同じ符号を付す。また、図31は、投写型画像表示装置650のライトバルブ3及び屈折レンズ群4の構成を示す断面図である。図31において、図2に示される構成と同一又は対応する構成には、同じ符号を付す。
表21は、投写型画像表示装置650の光学系の光学データを示す。また、表22〜表24は、投写型画像表示装置650の屈折レンズ群4のレンズ表面S3,S20,S21の光学データを示す。また、表25は、投写型画像表示装置200のパワーミラー5の表面(ミラー面)S22の光学データを示す。表21〜表25における光学データの記載方法は、実施の形態1において説明された表1〜表5における光学データの記載方法と同じである。
なお、投写型画像表示装置650においては、投写光学系のFナンバーは5であり、DMD中心と屈折レンズ群4の光軸10との距離Llは5.42mmであり、投写倍率M=Di/Dlは83.87倍であり、投写画像中心と屈折レンズ群の光軸10との距離Liは454.4mmである。また、条件式(6)におけるLi/{(Di/Dl)・Ll}は1.0であり、条件式(7)におけるLi/{Hl・(Di/Dl)}は0.55であり、条件式(8)におけるLl/Hlは0.55である。また、TV歪曲は0.21%以下であり、上限の許容値の目安である1%程度よりも十分に小さい。また、図30及び図31は、投写型画像表示装置650の収差図である。この収差図の縦軸の最大値は±5mmである。
この参考例の構成は、条件式(6)におけるLi/{(Di/Dl)・Ll}が1.0であり、条件式(6)を満たさないものである。
なお、参考例において、上記以外の点は、上記実施の形態1の場合と同じである。
実施の形態7.
以下に、本発明の実施の形態7に係る投写型画像表示装置700を、図34〜図37を参照しながら説明する。
図34は、実施の形態7に係る投写型画像表示装置700の内部構成及び光路を示す側面図である。図34において、図1に示される構成と同一又は対応する構成には、同じ符号を付す。また、図35は、投写型画像表示装置700のライトバルブ3及び屈折レンズ群4の構成を示す断面図である。図35において、図2に示される構成と同一又は対応する構成には、同じ符号を付す。
表26は、投写型画像表示装置700の光学系の光学データを示す。また、表27〜表29は、投写型画像表示装置700の屈折レンズ群4のレンズ表面S3,S20,S21の光学データを示す。また、表30は、投写型画像表示装置700のパワーミラー5の表面(ミラー面)S22の光学データを示す。表26〜表30における光学データの記載方法は、実施の形態1において説明された表1〜表5における光学データの記載方法と同じである。
なお、投写型画像表示装置700においては、投写光学系のFナンバーは5であり、DMD中心と屈折レンズ群4の光軸10との距離Llは5.42mmであり、投写倍率M=Di/Dlは83.87倍であり、投写画像中心と屈折レンズ群4の光軸10との距離Liは445.3mmである。また、条件式(6)におけるLi/{(Di/Dl)・Ll}は0.98であり、条件式(7)におけるLi/{Hl・(Di/Dl)}は0.54であり、条件式(8)におけるLl/Hlは0.55である。また、TV歪曲は0.24%以下であり、上限の許容値の目安である1%程度よりも十分に小さい。また、図36及び図37は、投写型画像表示装置700の収差図である。この収差図の縦軸の最大値は±5mmである。
以上に説明したように、実施の形態7に係る投写型画像表示装置700によれば、スクリーン6の法線に対して傾斜を有する方向に進む投写光を照射する斜め投写を採用しているにもかかわらず、当該装置の奥行きの薄型化及びスクリーン下の部分の高さの縮小を実現することができる。
なお、実施の形態7において、上記以外の点は、上記実施の形態1の場合と同じである。
実施の形態8.
以下に、本発明の実施の形態8に係る投写型画像表示装置800を、図38〜図41を参照しながら説明する。
図38は、実施の形態8に係る投写型画像表示装置800の内部構成及び光路を示す側面図である。図38において、図1に示される構成と同一又は対応する構成には、同じ符号を付す。また、図39は、投写型画像表示装置800のライトバルブ3及び屈折レンズ群4の構成を示す断面図である。図39において、図2に示される構成と同一又は対応する構成には、同じ符号を付す。
表31は、投写型画像表示装置800の光学系の光学データを示す。また、表32〜表34は、投写型画像表示装置800の屈折レンズ群4のレンズ表面S3,S20,S21の光学データを示す。また、表35は、投写型画像表示装置800のパワーミラー5の表面(ミラー面)S22の光学データを示す。表31〜表35における光学データの記載方法は、実施の形態1において説明された表1〜表5における光学データの記載方法と同じである。
なお、投写型画像表示装置800においては、投写光学系のFナンバーは5であり、DMD中心と屈折レンズ群4の光軸10との距離Llは5.9mmであり、投写倍率M=Di/Dlは83.87倍であり、投写画像中心と屈折レンズ群の光軸10との距離Liは470.9mmである。また、条件式(6)におけるLi/{(Di/Dl)・Ll}は0.95であり、条件式(7)におけるLi/{Hl・(Di/Dl)}は0.57であり、条件式(8)におけるLl/Hlは0.60である。また、TV歪曲は0.27%以下であり、上限の許容値の目安である1%程度よりも十分に小さい。また、図40及び図41は、投写型画像表示装置800の収差図である。この収差図の縦軸の最大値は±5mmである。
以上に説明したように、実施の形態8に係る投写型画像表示装置800によれば、スクリーン6の法線に対して傾斜を有する方向に進む投写光を照射する斜め投写を採用しているにもかかわらず、当該装置の奥行きの薄型化及びスクリーン下の部分の高さの縮小を実現することができる。
なお、実施の形態8において、上記以外の点は、上記実施の形態1の場合と同じである。
実施の形態9.
以下に、本発明の実施の形態9に係る投写型画像表示装置900を、図42〜図45を参照しながら説明する。
図42は、実施の形態9に係る投写型画像表示装置900の内部構成及び光路を示す側面図である。図42において、図1に示される構成と同一又は対応する構成には、同じ符号を付す。また、図43は、投写型画像表示装置200のライトバルブ3及び屈折レンズ群4の構成を示す断面図である。図43において、図2に示される構成と同一又は対応する構成には、同じ符号を付す。
表36は、投写型画像表示装置900の光学系の光学データを示す。また、表37〜表39は、投写型画像表示装置900の屈折レンズ群4のレンズ表面S3,S20,S21の光学データを示す。また、表40は、投写型画像表示装置900のパワーミラー5の表面(ミラー面)S22の光学データを示す。表36〜表40における光学データの記載方法は、実施の形態1において説明された表1〜表5における光学データの記載方法と同じである。
なお、投写型画像表示装置900においては、投写光学系のFナンバーは5であり、DMD中心と屈折レンズ群4の光軸10との距離Llは5.9mmであり、投写倍率M=Di/Dlは83.87倍であり、投写画像中心と屈折レンズ群の光軸10との距離Liは470.0mmである。また、条件式(6)におけるLi/{(Di/Dl)・Ll}は0.93であり、条件式(7)におけるLi/{Hl・(Di/Dl)}は0.56であり、条件式(8)におけるLl/Hlは0.60である。また、TV歪曲は0.35%以下であり、上限の許容値の目安である1%程度よりも十分に小さい。また、図44及び図45は、投写型画像表示装置900の収差図である。この収差図の縦軸の最大値は±5mmである。
以上に説明したように、実施の形態9に係る投写型画像表示装置900によれば、斜め投写ながら、スクリーン6の法線に対して傾斜を有する方向に進む投写光を照射する斜め投写を採用しているにもかかわらず、当該装置の奥行きの薄型化及びスクリーン下の部分の高さの縮小を実現することができる。
なお、実施の形態9において、上記以外の点は、上記実施の形態1の場合と同じである。
実施の形態10.
以下に、本発明の実施の形態10に係る投写型画像表示装置1000を、図46〜図49を参照しながら説明する。
図46は、実施の形態10に係る投写型画像表示装置1000の内部構成及び光路を示す側面図である。図46において、図1に示される構成と同一又は対応する構成には、同じ符号を付す。また、図47は、投写型画像表示装置1000のライトバルブ3及び屈折レンズ群4の構成を示す断面図である。図47において、図2に示される構成と同一又は対応する構成には、同じ符号を付す。
表41は、投写型画像表示装置1000の光学系の光学データを示す。また、表42〜表44は、投写型画像表示装置1000の屈折レンズ群4のレンズ表面S3,S20,S21の光学データを示す。また、表45は、投写型画像表示装置1000のパワーミラー5の表面(ミラー面)S22の光学データを示す。表41〜表45における光学データの記載方法は、実施の形態1において説明された表1〜表5における光学データの記載方法と同じである。
なお、実施の形態10に係る投写型画像表示装置1000において、ライトバルブ3は、屈折レンズ群4の光軸10とライトバルブ3表示面を拡張した平面との交点を含む水平軸(光軸10に直交する方向の水平軸であって、図46が描かれている紙面に垂直な方向の軸)を中心として、ライトバルブ3の画面上辺を表示する部分(図46における下側)が屈折レンズ群4を構成するレンズから遠ざかる方向に1.33°回転して(すなわち、図23におけるOBJの下部を左に移動させた姿勢で)配置されている。
投写型画像表示装置1000においては、投写光学系のFナンバーは5であり、DMD中心と屈折レンズ群4の光軸10との距離Llは6.5mmであり、投写倍率M=Di/Dlは83.87倍であり、投写画像中心と屈折レンズ群4の光軸10との距離Liは479.7mmである。また、条件式(6)におけるLi/{(Di/Dl)・Ll}は、0.88であり、条件式(7)におけるLi/{Hl・(Di/Dl)}は0.58であり、条件式(8)におけるLl/Hlは0.66である。また、TV歪曲は0.25%以下であり、上限の許容値の目安である1%程度よりも十分に小さい。また、図48及び図49は、投写型画像表示装置1000の収差図である。この収差図の縦軸の最大値は±5mmである。
以上に説明したように、実施の形態10に係る投写型画像表示装置1000によれば、スクリーン6の法線に対して傾斜を有する方向に進む投写光を照射する斜め投写を採用しているにもかかわらず、当該装置の奥行きの薄型化及びスクリーン下の部分の高さの縮小を実現することができる。
なお、実施の形態10において、上記以外の点は、上記実施の形態1の場合と同じである。
実施の形態11.
以下に、本発明の実施の形態11に係る投写型画像表示装置1100を、図50〜図53を参照しながら説明する。
図50は、実施の形態11に係る投写型画像表示装置1100の内部構成及び光路を示す側面図である。図50において、図1に示される構成と同一又は対応する構成には、同じ符号を付す。また、図51は、投写型画像表示装置1100のライトバルブ3及び屈折レンズ群4の構成を示す断面図である。図50において、図2に示される構成と同一又は対応する構成には、同じ符号を付す。
表46は、投写型画像表示装置1100の光学系の光学データを示す。また、表47〜表49は、投写型画像表示装置1100の屈折レンズ群4のレンズ表面S3,S20,S21の光学データを示す。また、表50は、投写型画像表示装置1100のパワーミラー5の表面(ミラー面)S22の光学データを示す。表46〜表50における光学データの記載方法は、実施の形態1において説明した表1〜表5における光学データの記載方法と同じである。
なお、実施の形態11に係る投写型画像表示装置1100において、ライトバルブ3は、屈折レンズ群4の光軸10とライトバルブ3表示面を拡張した平面との交点を含む水平軸(光軸10に直交する方向の水平軸であって、図50が描かれている紙面に垂直な方向の軸)を中心として、ライトバルブ3の画面上辺を表示する部分(図50における下側)が屈折レンズ群4を構成するレンズから遠ざかる方向に2.11°回転して(すなわち、図23におけるOBJの下部を左に移動させた姿勢で)配置されている。
投写型画像表示装置1100において、投写光学系のFナンバーは5であり、DMD中心と屈折レンズ群の光軸10との距離Llは7.0mmであり、投写倍率M=Di/Dlは83.87倍であり、投写画像中心と屈折レンズ群の光軸10との距離Liは487.3mmである。また、条件式(6)におけるLi/{(Di/Dl)・Ll}は0.83であり、条件式(7)におけるLi/{Hl・(Di/Dl)}は0.59であり、条件式(8)におけるLl/Hlは0.71である。また、TV歪曲は0.32%以下であり、上限の許容値の目安である1%程度よりも十分に小さい。また、図52及び図53は、投写型画像表示装置1100の収差図である。この収差図の縦軸の最大値は±5mmである。
以上に説明したように、実施の形態11に係る投写型画像表示装置1100によれば、スクリーン6の法線に対して傾斜を有する方向に進む投写光を照射する斜め投写を採用しているにもかかわらず、当該装置の奥行きの薄型化及びスクリーン下の部分の高さの縮小を実現することができる。
なお、実施の形態11において、上記以外の点は、上記実施の形態1の場合と同じである。
実施の形態12.
以下に、本発明の実施の形態12に係る投写型画像表示装置1200を、図54及び図55を参照しながら説明する。
図54は、実施の形態12に係る投写型画像表示装置1200を水平横方向から見た場合の内部構成及び光路を示す側面図であり、図55は、投写型画像表示装置1200を鉛直上方向から見た場合の内部構成及び光路を示す上面図である。図54及び図55のそれぞれにおいて、図38に示される構成と同一又は対応する構成には、同じ符号を付す。
実施の形態12に係る投写型画像表示装置1200は、屈折レンズ群4からパワーミラー5に至る光路の途中に、屈折レンズ群4からの光画像の進行方向を折り返す1枚の平面ミラー11を介在させた点が、上記実施の形態8に係る投写型画像表示装置800と相違する。平面ミラー11は、屈折レンズ群4から射出された投写光を水平方向に折り曲げて、物理的な位置関係としてスクリーン6とパワーミラー5との間に屈折レンズ群4を配置させることで、投写光学系をコンパクトに筐体内に収納することを可能にしている。
平面ミラー11により折り曲げられる前後の、投写光軸のなす角度(°)をθ2とすると、投写型画像表示装置1200は、以下の条件式(10)を満足することが望ましい。
20≦θ2≦90 …(10)
条件式(10)において、角度θ2が下限値20°を下回ると、屈折レンズ群4及びライトバルブ3と、パワーミラー5及びパワーミラー5からスクリーン6に向かう投写光との干渉が生じてしまう。また、角度θ2が上限値90°を上回ると、屈折レンズ群4及びライトバルブ3がパワーミラー5から離れて位置することになり、投写光学系をコンパクトに配置することができなくなってしまう。
なお、実施の形態12に係る投写型画像表示装置1200における屈折レンズ群4及びパワーミラー5の形状等の光学的特性は、実施の形態8に係る投写型画像表示装置800に関して示された表31〜表35の光学データと同じである。
以上に説明したように、実施の形態12に係る投写型画像表示装置1200によれば、スクリーン6の法線に対して傾斜を有する方向に進む投写光を照射する斜め投写を採用しているにもかかわらず、当該装置の奥行きの薄型化及びスクリーン下の部分の高さの縮小を実現することができる。
なお、実施の形態12において、上記以外の点は、上記実施の形態8の場合と同じである。
変形例.
上記各実施の形態においては、投写型画像表示装置がスクリーンを透過式とするリア投写型である場合を説明したが、本発明はリア投写型には限定されず、本発明をフロント投写型に適用することもできる。
また、本発明の投写型画像表示装置を、上下、左右、又は、上下左右に並ぶように組み合わせることによって、複数のスクリーンからなるマルチ画面を構成することも可能である。
1 光源、 2 光学系、 3 ライトバルブ、 4 屈折レンズ群、 5 パワーミラー、 6 スクリーン、 7,8 平面ミラー、 10 屈折レンズ群の光軸、 11 平面ミラー、 21,22,23 屈折レンズ群からパワーミラーに向かう主光線、 31,32,33 パワーミラーからスクリーンに向かう主光線、 40 DMDの基準面、 41 OFF状態の微小ミラー、 42 ON状態の微小ミラー、 50 照明光軸、 51 DMDに向かう照明光、 60 投写光軸、 61 DMDからの投写光、 70 OFF光の光軸、 71 OFF光、 80 全反射プリズム、 81 第1のプリズム、 82 第2のプリズム、 90 照明光、 91 投写光、 131,132,133 パワーミラーからスクリーンに向かう主光線、 100,200,300,400,500,600,700,800,900,1000,1100,1200 投写型画像表示装置。