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JP4762836B2 - 励磁機および同期機 - Google Patents

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JP4762836B2 JP2006245581A JP2006245581A JP4762836B2 JP 4762836 B2 JP4762836 B2 JP 4762836B2 JP 2006245581 A JP2006245581 A JP 2006245581A JP 2006245581 A JP2006245581 A JP 2006245581A JP 4762836 B2 JP4762836 B2 JP 4762836B2
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Description

本発明は、電流を通じることにより移動磁界を発生させる励磁機およびそれを用いた同期機に関し、特に、電動機や発電機等の同期機における励磁機の構造に関する。
従来、例えば、永久磁石同期機は、ステータ(固定子)に電流を流すことにより発生する磁場と、ロータ(回転子)に埋め込まれた永久磁石が発生する磁場とが作用してロータを回転するような電磁力が発生するようになっており、保守性,制御性および耐環境性に優れ、且つ、高効率および高力率運転が可能な電動機として産業・民生家電分野を問わず広く用いられている。
ここで、電気エネルギーを同期機に流して回転駆動力を得るようにするのが同期電動機であり、逆に、同期機を回転させて電気エネルギーを同期機より取り出すのが同期発電機であるが、本明細書では、両者を含めて同期機としている。なお、両者の構造は基本的には同じなので、以下詳細説明では、主として同期電動機を例として説明する。また、本明細書では、主として励磁機をステータとして説明するが、例えば、ロータに電流を流すことによって、励磁機をロータとして構成することもできるのはいうまでもない。
また、励磁機としては、同期機であっても、誘導機であっても直流機であっても構成は同じなので、そうした機器にたいしても本発明を適用することができるのはいうまでもない。
図1および図2は従来の同期機の一例を示し、図1は横断面図であり、また、図2は縦断面図である。図1および図2において、参照符号1はヨーク、2はティース、7はステータ、8はロータ、そして、9は永久磁石を示している。
図1および図2に示されるように、従来の同期機は、ヨーク1およびティース2で構成されたステータ7の内側にロータ8が配置されている。例えば、ロータ8には永久磁石9が埋め込まれており、ステータ7に三相交流を流すことにより発生する磁場が永久磁石9に働くことでロータ8が回転するようになっている。
従来、同期機のステータは、鉄損を低減するために無方向性電磁鋼板(NO)を積層することにより作られていた。ここで、無方向性電磁鋼板は、鋼板表面のどの方向にも一様な比透磁率を有する鋼板であって、比較的鉄損の小さい材料として広く用いられているが、長時間連続運転する同期機のステータに用いる材料としてはさらなる磁気特性の改善が求められていた。
また、従来、ステータ7のヨーク1とティース2とを分割し、ヨーク1には円周方向を磁化容易方向とする方向性電磁鋼板(GO)を使用し、且つ、ティース2には径方向を磁化容易方向とする方向性電磁鋼板を使用して鉄損を低減するものも知られている。
しかしながら、図1および図2に示す従来の同期機は、ヨーク1およびティース2を構成する方向性電磁鋼板の積層方向が同じ方向なので、ヨーク1からティース2への磁束の流れがスムーズではなく、この部分に磁気抵抗の大きい回転磁界が発生して鉄損を増加させることになっていた。さらに、ステータ7を通過する磁束は分割されたヨーク1同士の境界線およびヨーク1とティース2との境界線の双方を通過するため、この境界線の磁気抵抗により鉄損が増加するという問題もあった。
そこで、従来、ステータでの全体的な磁気抵抗を小さくして性能を向上させるために、コイルが装着されるティース部とヨーク部を連結してステータを構成し、ティース部に方向性電磁鋼板を用いると共に、ヨーク部に透磁率の異方性の小さい磁性材を用いた電気モータが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、従来、ヨークとティースとを備えたステータを複数枚、厚さ方向に積層・固定し、ヨークを周方向に分割し、該分割されたヨークの境界をティースが設けられている周方向の位置とし、ヨークおよびティースを方向性電磁鋼板で構成し、ヨークの磁化容易方向をステータの周方向とし、そして、ティースの磁化容易方向をステータの径方向とした同期機も提供されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、従来、ヨークが周方向に分割されている励磁機(ステータ)の磁気抵抗と鉄損を低減し磁束(B)を増大するために、ヨークおよびティースを、異なる方向に積層された方向性電磁鋼板で構成した励磁機およびそれを用いた同期機も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
また、従来、モータのヨークとティースの接続部分に多く発生する回転磁界、並びに、二次元ベクトル磁気特性測定装置により回転磁界の磁気特性を明らかにした文献も発行されている(例えば、特許文献4および5参照)。
ところで、従来、有限要素法による電磁場解析技術が知られており、様々な文献に記載されている(例えば、非特許文献1および2参照)。有限要素法は、モータなどの電気機器を空間的に微小なメッシュに分割し、そのメッシュ内部は低次の関数で表現できるとして、マックスウェルの方程式を数値解析的に求めるものであり、磁気エネルギーを最小にする条件が実在する物理量として定式化している。モータなどの損失および電磁トルクといった電磁気特性を明らかにするために用いられており、精度よく実現象を反映することができる。
特開2000−078780号公報 特開2004−056906号公報 特開2004−236495号公報 特開2004−347482号公報 特開2005−069933号公報 K. Fujisaki, S. Satoh, "Numerical Calculations of Electromagnetic Fields in Silicon Steel Under Mechanical Stress", IEEE Transactions on Magnetics, Volume: 40, Issue: 4, July 2004, Pages: 1820-1825 中田、高橋著「電気工学の有限要素法 第二版」森北出版株式会社、1986年、東京
上述したように、特許文献1に開示された電気モータは、ティース部に方向性電磁鋼板を用い、ヨーク部に透磁率の異方性の小さい磁性材(低炭素鋼鋼板や無方向性電磁鋼板など)を用いるものであるが、ヨーク1およびティース2の接合部も透磁率の異方性の小さい磁性材を用いているため、ヨーク1からティース2への磁束の流れがスムーズでなく、この部分に磁気抵抗の大きい回転磁界が発生して鉄損を増加させてしまうという問題があった。
また、特許文献2に開示されたステータは、ヨークおよびティースを方向性電磁鋼板で構成し、ヨークの磁化容易方向をステータの周方向とすると共に、ティースの磁化容易方向をステータの径方向としたものであるが、特許文献1のものと同様に、ヨークとティースの積層方向が直交しないので渦電流は発生しないが、回転磁界が発生して鉄損を増加させてしまうという問題があった。
図3は従来の同期機の他の例における励磁機(ステータ)の一部を示す断面図であり、前述した特許文献3に開示されたステータを示すものである。
図3において、参照符号3はヨークとヨークとの境界線を示し、4はヨークとティースとの境界線を示している。ここで、ヨーク1およびティース2の鋼板の積層方向は、図3に示すステータでは、ヨーク1の鋼板面の法線方向が径方向でティース2の鋼板面の法線方向がモータ(回転モータ)の回転軸方向とされている。
図3に示す従来のステータ7は、外周部分のヨーク1およびティース2を備え、ヨーク1とティース2がロータの周囲に円周状に配置され、ヨーク1がステータの周方向に分割されている。そして、ヨーク1およびティース2は、方向性電磁鋼板を異なる方向に積層して構成されている。これにより、ヨークが周方向に分割されているステータの回転磁界の発生を抑制し、磁気抵抗と鉄損を低減し、磁束密度(B)を増大することができる。
図10は回転磁界を説明するための図である。
図10に示されるように、回転磁界は、例えば、電磁鋼板を交流励磁したときに、電磁鋼板内の或る位置で磁束密度ベクトルB(Bx、By)の1周期の軌跡が二次元平面内で楕円状になるもので、モータのヨークとティースの接続部分に多く発生する(なお、詳細は特許文献4参照)。
また、回転磁界は、二次元ベクトル磁気特性測定装置によりその磁気特性を明らかにすることができる(特許文献5参照)が、通常、鉄損の増加を招くために、できるだけその発生を抑制することが望まれている。
なお、電磁鋼板ではなくバルク形状の磁性体の交流励磁において、回転磁界とは、磁束密度ベクトルの1周期の軌跡が二次元平面内から外れる場合を指すこともある。
この特許文献3に開示されたステータは、ヨークとティースの積層方向が直交しており、ヨークとティースとの接合部分には同一平面が存在せず、ヨークとティースとの境界4の近傍に回転磁界を発生し難くなる。しかしながら、当該構造の励磁機は、回転磁界を低減することはできるものの、ヨークとティースの積層方向が直交しているためか、損失が大きくなるという問題があった。
図4は図3に示すステータを拡大して示す斜視図である。図4において、参照符号5はティース2に装着された電磁コイルを示している。
図4において、まず、ティース2に装着された電磁コイル5に交流電流を印加する(P1)と、ティース2における電磁コイル5の回転軸方向に磁束密度B1が発生する(P2)。その磁束密度B1は、ティース2からヨーク1に向かい、その一部(B2)はティース2の中央部とヨーク1の周回部との接合部分3に到達する(P3)。
ここで、磁束密度B2は交流成分なので、その磁束密度B2のベクトルを周回するように、ヨーク1の外周部1aにおけるティース2先端部に渦電流EC1が発生する。さらに、ヨーク1の内周部1bにおける2つの隣接するティース2間には渦電流EC2が発生する。このように、ヨーク1の鋼板に渦電流EC1,EC2が大きく流れると、損失が増大してモータの高効率化の大きな阻害要因となる。
本発明は、上述した従来の励磁機(同期機)が有する問題に鑑み、ヨークを構成する積層された方向性電磁鋼板の各鋼板面の法線方向が励磁機の径方向であり、且つ、ティースを構成する積層された方向性電磁鋼板の各鋼板面の法線方向が励磁機の回転軸方向である回転型の励磁機において、回転磁界の発生を抑制しつつ、可及的に損失を低減して高効率化を図ることを目的とする。
本発明の第1の形態によれば、分割されたヨークおよびティースを備え、前記ヨークを構成する積層された方向性電磁鋼板の各鋼板面の法線方向は、励磁機の径方向であり、且つ、前記ティースを構成する積層された方向性電磁鋼板の各鋼板面の法線方向は、励磁機の回転軸方向である回転型の励磁機であって、前記ヨークと前記ティースとの接合部近傍に絶縁部を設けて、前記ヨークまたは前記ティースに生じる渦電流を低減するようになっており、前記絶縁部は、第1のティースと該第1のティースに隣接する第2のティースとの間のヨークの内周部において、該第1のティースとの接合部近傍に設けられた第1絶縁部を含み、該ヨークに生じる渦電流を低減することを特徴とする励磁機が提供される。
本発明の第2の形態によれば、分割されたヨークおよびティースを備え、前記ヨークを構成する積層された方向性電磁鋼板の各鋼板面の法線方向は、励磁機の径方向であり、且つ、前記ティースを構成する積層された方向性電磁鋼板の各鋼板面の法線方向は、励磁機の回転軸方向である回転型の励磁機であって、前記ヨークと前記ティースとの接合部近傍に絶縁部を設けて、前記ヨークまたは前記ティースに生じる渦電流を低減するようになっており、前記絶縁部は、第1のティースと該第1のティースに隣接する第2のティースとの間のヨークの内周部において、該第1のティースとの接合部近傍に設けられた第1絶縁部を含み、該ヨークに生じる渦電流を低減する励磁機を備えることを特徴とする同期機が提供される。
ここで、好ましくは、前記ティースは、前記ヨークの外周部を残して嵌合され、前記絶縁部は、さらに、該ヨークの外周部に設けられた第2絶縁部を含み当該ヨークの外周部における該ティース先端部に生じる渦電流を低減する。また、前記第2絶縁部は、前記ヨークを構成する電磁鋼板の幅方向の少なくとも一方側に設けられ、且つ、該電磁鋼板の幅の1/3〜1/4の幅を有するように構成してもよい。
らに、好ましくは、前記第1絶縁部は、前記第1および第2のティース間のヨークの少なくとも一方側に設けられ、且つ、該第1および第2のティース間のヨークの幅の1/3〜1/4の幅を有している。また、前記第1絶縁部は、前記第1および第2のティース間のヨークの両方側に複数設けるように構成してもよい。
また、前記絶縁部は、さらに、前記ヨークと前記ティースとの接合部に設けられた第3絶縁部を含み、前記ヨークまたは前記ティースに生じる渦電流を低減するように構成してもよい。
本発明によれば、ヨークとティースを異なる方向に積層された電磁鋼板で構成した励磁機において、渦電流を低減して高効率化を図ることができる。
以下、本発明に係る励磁機の実施の形態を、添付図面を参照して詳述する。
図5は本発明に係る励磁機(ステータ)の一実施の形態の一部を示す断面図であり、励磁機が回転型の同期機(回転モータ)のステータとして適用される場合を示している。図5において、参照符号1はヨーク、2はティース、6はティース先端近傍のヨークの外周部に設けた絶縁部、そして、7はステータを示している。
本実施の形態のステータ7は、例えば、前述した図1および図2に示すような回転モータに適用され、図4に示すステータと同様に、ヨーク1を構成する積層された電磁鋼板の各鋼板面の法線方向がモータの径方向とされ、且つ、ティース2を構成する積層された電磁鋼板の各鋼板面の法線方向がモータの回転軸方向とされている。
図5と前述した図4との比較から分かるように、本実施の形態のステータ7では、ティース2がヨーク1の外周部1aを残して境界線4で嵌合され、そのヨーク1の外周部1aにおけるティース2の先端にスリット状の絶縁部6を設け、ヨーク1の外周部1aにおけるティース2の先端に生じる渦電流(図4を参照して説明したEC1)を低減する。
ここで、絶縁部6の材質としては、例えば、紙,マイカテープ,樹脂シートおよび樹脂テープ等の従来から使用されている様々なものが適用可能である。また、絶縁部6の厚さT1は、磁気抵抗の増加を抑制する観点から薄い方が好ましい。例えば、厚さT1が10μm〜100μm程度でも絶縁破壊を生じない範囲であれば、十分に渦電流の発生を低減することができる。
図6は図5に示すステータにおける絶縁部の形状を説明するための図であり、図5におけるAAの方向から見た図である。
ヨーク1の外周部1aにおけるティース2の先端に設ける絶縁部6としては、例えば、図6(a)に示すように、ヨーク1を構成する鋼板の幅方向の全てを絶縁部60として構成するか、図6(b)に示すように、ヨーク1を構成する鋼板の幅方向の両側の一部を絶縁部61,62として構成するか、或いは、図6(c)に示すように、ヨーク1を構成する鋼板の幅方向の一方側の一部を絶縁部61として構成し、渦電流EC1の発生を低減するようになっている。
なお、図6(b)および図6(c)において、絶縁部61(62)の幅W1は、例えば、ヨーク1を構成する電磁鋼板の幅W0の約1/3〜1/4程度の幅であれば、渦電流EC1を十分に低減することができる。磁束(B2)の発生を抑制するように渦電流(EC1)は流れるので、渦電流自身は、有限要素法を用いた数値解析結果などを見ると、電磁鋼板の幅W0の約1/3〜1/4程度の幅の外側のほうが大きく強くなり、それよりも内側は小さく弱くなっている。このため、渦電流を抑制するためには、大きく強く流れている外側の渦電流を抑制することが効果は大きくなるので、電磁鋼板の幅W0の約1/3〜1/4程度の幅に、絶縁部を挿入すれば、その低減効果が大きいものといえる。
渦電流発生の状況を、有限要素法による電磁場解析結果を基に詳細に記載する。有限要素法による電磁場解析技術については、例えば、非特許文献1または2等に詳細に記載されており、ここではその説明を省略する。
図3に示したステータについて、交流励磁するときの損出の発生機構について詳細な検討を行った。まず、その検討結果の概要を説明する。
図4は図3に示したすステータを拡大して示す斜視図である。図4のステータでは、渦電流EC1およびEC2がヨーク1に発生してモータの効率を低下させることが、この方式における損失増大の要因の一つであることが判明した。
図11は有限要素法による電磁場解析を行ったモデルの図である。ここで、図11は、図3のステータに対応する。
図11では集中巻きしたステータコアの基本となる3個のティース20と付随するヨーク10のみを取り上げており、水平(X軸)方向に周期境界条件を用いることで複数個のティースを表現している。ロータに相当する部分80は、簡便のために無垢鉄(導電率は)を想定している。
図11中の表に電磁鋼板の物性値等の解析条件を示す。ヨークとティースの積層方向の違いは、比透磁率の異方性で表現している。励磁電流は3相交流、50Hzとした。また、Z方向には、半分の厚みを考えており、対称境界条件を設定している。さらに、鋼材の導電率は、積層方向の導電率を零とするテンソルを表し、鋼材部分に鋼材の平面方向に流れる渦電流を表現している。ティース先端部とロータに相当する部分80との間には、0.5mm程度の空隙が設けられている。
図12は、図3のステータ構造における電磁気現象を明らかにするために、図11に示す解析モデルについての、磁束密度分布と渦電流ベクトル分布および損失(鉄損+渦電流)の比を示す図である。
図12において、下欄に記載したティース、ヨークおよび全体のそれぞれについて、単位質量で規格化した損失(鉄損+渦電流)は、全体の損失(w/kg)を1としたときの、各損失(w/kg)の比で表している。また、比較のために、電磁鋼板の積層方向が回転軸方向であるNO一体構造のステータの場合(1)も解析を実施した。
さらに、ステータ構造としてヨークの電磁鋼板の積層方向が回転半径方向で、ティースの電磁鋼板の積層方向が回転軸方向であるときの、ヨークとティースの接合部分を絶縁とした場合(2)、並びに、導電(完全に密着)とした場合(3)の2形体の計算も実施している。なお、実際のヨークとティースの接合部分は、上記絶縁と導電との間にあるものと考えられる。また、鉄芯の損失としては、従来の鉄損(B−W特性より算出)だけではなく、ステータコアに流れる渦電流の影響も考慮している。
図12の下部の(鉄損、渦損)欄の「渦損」の計算結果に示されるように、ヨークとティースとの接合部分を絶縁したケース(2)をみると、NO一体のケース(1)と比べて、渦電流の分だけ損失が増加していることが分かる。これは、ティース先端部のヨーク側(図12中の領域CAを参照)に磁束密度が集中して、その部分の渦電流が増加しているためと考えられる。
また、ヨークとティースとの接合部分を導電したケース(3)をみると、NO一体のケース(1)と比べて、渦電流の分だけ損失が増加していることが分かる。これは、ヨークとティースとが導通しているために、ヨークの内側にヨーク−ティースに跨る渦電流が流れている(図12中の領域CBを参照)ためであると考えられる。
実際のヨークとティースとの接合部分は、絶縁と導電との間にあると考えられるので、図12を参照して説明した電磁気現象により、図3のステータ構造における損失低減策としては、次のようなことが考えられる。
すなわち、まず、ティース先端部のヨーク側(図12中の領域CA)に絶縁部6を入れて渦電流の発生を抑制する。次に、ヨークの内側に絶縁部16を入れてヨーク−ティースに跨る渦電流の発生を抑制する。
図13は、有限要素法の電磁場解析による半分の厚みの渦電流ベクトル分布(ヨークの外側部分:ωt=315度)の詳細を示す図である。渦電流は、ヨークの背部で、端部より4分の1までの範囲に多く流れていることがわかるが、図6のようにスリットを入れた場合には、渦電流自体も迂回するので、3分の1まで絶縁部(61,62)を入れた方が効果的である。
図7は本発明に係るステータの他の実施の形態の一部を示す断面図である。なお、図7において、電磁コイル5は、絶縁部16を明瞭に示すために省略されている。
図7に示されるように、本実施例は、ヨーク1の外周部1aにおけるティース2の先端にスリット状の絶縁部6を設けて渦電流EC1を低減するだけでなく、図4を参照して説明したヨーク1の内周部1bにおける2つの隣接するティース2間(ティース21と22との間)に発生する渦電流EC2をも低減するものである。
すなわち、第1のティース21とそれに隣接する第2のティース22との間のヨーク1の内周部1bにおいて、第1のティース21との接触部近傍に絶縁部16を設け、第1および第2のティース間のヨークに生じる渦電流EC2を低減するようになっている。
図8および図9は図7に示すステータにおける絶縁部16の形状を説明するための図であり、図8は図7におけるBBの方向から見た図であり、図9は図7におけるCCの方向から見た図である。
隣接するティース21および22の間のヨーク1に設ける絶縁部16としては、例えば、図8(a)に示すように、隣接するティース21,22間のヨーク1の中央付近の両側に絶縁部161,162を設けるか、図8(b)に示すように、隣接するティース21,22間のヨーク1の中央付近の一方側に絶縁部161を設けるか、或いは、図8(c)に示すように、隣接するティース21,22間のヨーク1の両側に複数の絶縁部163a〜163dを設ける。これにより、隣接するティース21,22間のヨーク1に生じる渦電流EC2を低減することができる。
なお、図8(a)〜図8(c)において、絶縁部161(162,163a〜163d)の幅W3は、例えば、隣接するティース21,22間のヨーク1の幅W2の約1/3〜1/4程度の幅であれば、渦電流EC2を十分に低減することができる。
また、図9に示されるように、隣接するティース21および22の間のヨーク1に設ける絶縁部16の平面形状(図7におけるCCの方向から見た形状)は、例えば、ヨーク1とティース2との接続線4と平行な辺を有する絶縁部16aとされるが、他の形状(例えば、絶縁部16b)としてもよい。いずれにしろ、隣接するティース21および22の間のヨーク1に生じる渦電流の経路を妨げる形状であればよい。なお、絶縁部16a(16b,16,161,162,163a〜163d)の厚さ(奥行き)W5は、例えば、ヨーク1の幅(厚さ)W4の約1/3〜1/4程度の厚さであれば、渦電流EC2を十分に低減することができる。
図12に示したティースとヨークとの接合部分を絶縁したケース(2)と、導電したケース(3)とを比較すると、絶縁したケース(2)の方が、渦電流の発生が少ないことが分かる。このため、励磁器(同期機)の損失を低減させるためには、ティースとヨークとの接合部分を絶縁することも効果的であると考えられる。
また、本発明の励磁機(ステータ)を、同期機(電動機や発電機等)に適用することによって、損失が少なく高効率の同期機を提供することが可能になる。
上述した各実施の形態では、本発明に係る励磁機を回転型の同期機(回転モータ)のステータとして説明したが、本発明の励磁機は、このようなモータのステータとして適用されるだけでなく、直線型の同期機(例えば、リニアモータ)のステータとしても適用することができる。直線型の同期機の場合には、上記の説明での回転方向を同期機の磁界移動方向と読み換え、また、回転軸方向を磁界移動方向およびヨークとティースの接続方向に直交する方向と読み換えれば、上記の説明をそのまま適用することができる。
さらに、ヨーク1およびティース2を構成する積層された電磁鋼板は、方向性電磁鋼板に限定されるものではなく、無方向性電磁鋼板の場合でも、渦電流の低減の効果が得られる。
本発明は、異なる方向に積層した電磁鋼板で構成されるヨークおよびティースを備える様々な励磁機および該励磁機を用いた同期機に適用することができる。
従来の同期機の一例を示す横断面図である。 従来の同期機の一例を示す縦断面図である。 従来の同期機の他の例における励磁機(ステータ)の一部を示す断面図である。 図3に示すステータを拡大して示す斜視図である。 本発明に係る励磁機(ステータ)の一実施例の一部を示す断面図である。 図5に示すステータにおける絶縁部の形状を説明するための図である。 本発明に係るステータの他の実施例の一部を示す断面図である。 図7に示すステータにおける絶縁部の形状を説明するための図(その1)である。 図7に示すステータにおける絶縁部の形状を説明するための図(その2)である。 回転磁界を説明するための図である。 有限要素法による電磁場解析を行ったモデルの図である。 有限要素法の電磁場解析による各条件における渦電流ベクトル分布および損失(鉄損+渦電流)の比を示す図である。 有限要素法の電磁場解析による半分の厚みの渦電流ベクトル分布(ヨークの外側部分:ωt=315度)を示す図である。
符号の説明
1 ヨーク
2 ティース
3 ヨークとヨークとの境界線
4,40 ヨークとティースとの境界線
5 電磁コイル
6,60,61,62;16,16a,16b,161,162,163a〜163d 絶縁部
7 励磁機(ステータ)
8 ロータ
9 永久磁石
10 ヨーク(電磁場解析モデル)
20 ティース(電磁場解析モデル)
80 ロータに相当する部分(電磁場解析モデル)
EC1〜EC2 渦電流

Claims (7)

  1. 分割されたヨークおよびティースを備え、前記ヨークを構成する積層された方向性電磁鋼板の各鋼板面の法線方向は、励磁機の径方向であり、且つ、前記ティースを構成する積層された方向性電磁鋼板の各鋼板面の法線方向は、励磁機の回転軸方向である回転型の励磁機であって、
    前記ヨークと前記ティースとの接合部近傍に絶縁部を設けて、前記ヨークまたは前記ティースに生じる渦電流を低減するようになっており、
    前記絶縁部は、第1のティースと該第1のティースに隣接する第2のティースとの間のヨークの内周部において、該第1のティースとの接合部近傍に設けられた第1絶縁部を含み、該ヨークに生じる渦電流を低減することを特徴とする励磁機。
  2. 請求項1に記載の励磁機において、
    前記ティースは、前記ヨークの外周部を残して嵌合され、前記絶縁部は、さらに、該ティース先端部近傍の該ヨークの外周部に設けられた第2絶縁部を含み、当該ヨークの外周部における該ティース先端部に生じる渦電流を低減することを特徴とする励磁機。
  3. 請求項2に記載の励磁機において、
    前記第2絶縁部は、前記ヨークを構成する電磁鋼板の幅方向の少なくとも一方側に設けられ、且つ、該電磁鋼板の幅の1/3〜1/4の幅を有していることを特徴とする励磁機。
  4. 請求項に記載の励磁機において、
    前記第1絶縁部は、前記第1および第2のティース間のヨークの少なくとも一方側に設けられ、且つ、該第1および第2のティース間のヨークの幅の1/3〜1/4の幅を有していることを特徴とする励磁機。
  5. 請求項に記載の励磁機において、
    前記第1絶縁部は、前記第1および第2のティース間のヨークの両方側に複数設けられることを特徴とする励磁機。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の励磁機において、
    前記絶縁部は、さらに、前記ヨークと前記ティースとの接合部に設けられた第3絶縁部を含み、前記ヨークまたは前記ティースに生じる渦電流を低減することを特徴とする励磁機。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の励磁機を備えることを特徴とする同期機。
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