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JP4756775B2 - フィンシール包装体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、完全な密封性が要求される物品の包装に好適し、あわせて適度な開封性をも有したフィンシール包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のフィンシール包装体は先ず、物品の胴回りにフィルム包材を筒状に巻き付けてその両端部裏面を相互に重ね合わせた状態で合掌シールし、この後、物品の両端からそれぞれ突出する耳部を合わせ目に成形して、これら合わせ目を合掌シールして三方シールを施すことにより成形されている。このようなフィンシール包装体は、合掌シールの高い密着性により優れた密封性を有するものの、開封時にはその接着面やフィルム包材を引き裂くだけの力を必要とする分、開封性にやや劣るという問題がある。
【0003】
このため、例えば特開平7−215362号公報や特開平9−104449号公報には、三方フィンシールの包装形態で開封性を高めた包装容器が記載されている。これら包装容器はいずれも、フィンシール帯の一部に2本の切込線で形成された摘みを有しており、開封時にこの摘みを引かせることでフィンシール帯の引き裂きを容易にしている。具体的には、前者の包装容器は積層されたフィルム包材の剥離性を摘みに利用し、フィンシール帯では外側層のみを引き裂いて内側層から分離させる。またフィルム包材の内側層には予め、その胴回りで切込線と交差する方向に切目が設けられており、フィルム包材の引き裂きが胴回りにまで達すると、この切目から内側層をも破断して内外層ともにフィルム包材が引き裂かれる。
【0004】
後者の包装容器もまた積層されたフィルム包材を用いたものであるが、この包装容器は摘みの引き起こしにより、切込線からフィンシール帯全体が引き裂かれるものとなっている。フィンシール帯の基端近傍には一方のフィルム包材を貫通する破断線が設けられており、この破断線は摘みの引き起こし方向と反対側をその切込線と直する方向に延びている。したがって、摘みの引き起こしによりフィンシール帯の引き裂きが進むと、その破断線から一方の包材が破断されるため、この後、フィンシール帯の引き裂きに続いて胴回りのフィルム包材が引き裂かれるものと考えられる。
【0005】
一方、特開平8−91430号公報に記載された包装体はフィルム包材に付着された開封テープを有しており、この開封テープは物品の胴回りにフィルム包材とともに巻回されている。開封テープは、その一端をフィンシール帯に臨ませた状態でフィルム包材の間に挟み込まれており、フィンシール帯にはその端縁から開封テープの両側に2本の切目を入れることで摘みが形成されている。したがって、開封時に摘みを引き起こしてフィンシール帯を引き裂くと、この後、開封テープの両側に沿ってフィルム包材が引き裂かれるので、そのまま胴回りのフィルム包材が容易に引き裂かれるものと考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した公知の包装容器や包装体はその構造上、いずれも開封時に摘みを引き起こした後、そのまま引き起こし方向に連続して摘みを引っ張らなければ開封できないという制約がある。このためフィンシール包装体の開封方向が摘みの引き起こし方向だけに限られ、開封者の利き手によっては開封が不便になる場合もある。
【0007】
また公知の包装容器はいずれも、開封時にフィルム包材の胴回りの引き裂きを確実にするために一軸延伸フィルムによる方向性のある積層フィルムの使用が条件となっている。このため、公知の包装容器はさらに材料コストの増加を招くという問題がある。
そこで本発明は、方向性のあるフィルム包材を用いることなく、物品の胴回りに対していずれの方向へも容易に開封が可能となるフィンシール包装体の実現を課題としたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のフィンシール包装体(請求項1)は、開封テープを用いることで方向性のないフィルム包材を利用可能とするとともに、開封テープの端部をフィンシール帯に臨ませない構造を採用することで上記の課題を解決したものである。
具体的には、開封テープは物品の胴周長よりもわずかに短い全長を有し、フィルム包材の裏面に付着されて物品の胴回りに巻回されることで、その両端がフィンシール帯の基端を挟んで相互に向き合うとともに、これら両端とその基端との間にそれぞれ間隔を確保して配置されている。あわせてフィンシール包装体は、フィンシール帯の幅方向の一部に設けられた単一の摘みであって、開封テープの巻回方向でみてその両側となる位置にてフィンシール帯の端縁からフィンシール帯の基端に向けて延びる一対の摘み区画線によって形成され、これら摘み区画線が切込又はミシン目からなる、単一の摘みを備えている。
【0009】
上述のフィンシール包装体において、開封者によって摘みがフィンシール帯の基端に向けて引っ張られると、一対の摘み区画線の先端からそれぞれフィンシール帯の幅方向に亀裂が走り、やがてフィンシール帯は摘みの根元から基端まで引き裂かれる。この状態で、摘みに連なって引き裂かれた部分は物品の胴回りに対して中立の位置にあるから、この後、開封者は摘みをいずれの方向にも引っ張ることができる。一方、開封テープの両端はフィンシール帯の基端の両側にそれぞれ位置しているから、摘みがいずれの方向に引っ張られてもフィルム包材の引き裂きが開封テープの一端部まで達し、その後の開封が容易となる。
【0010】
より詳しくは、上述した摘みの中立状態で開封者が任意に開封方向を選択し、摘みが胴回りの一方に向けて引っ張られると、その反対側のフィルム包材がフィンシール帯の基端の位置で破断されるとともに、その開封方向ではフィルム包材の胴回りに亀裂が進行し、やがて亀裂は開封テープの一端部の両側に達する。この後、胴回りのフィルム包材は開封テープの両側に沿って引き裂かれ、これにより包装体の開封が行われる。
【0011】
上述したフィンシール包装体の開封を良好に実現する上で、一対の摘み区画線はフィンシール帯の端縁から基端に向けてテーパ状の形を象るように延び、かつ、その最小間隔が開封テープの幅よりも広く設定されていることが好ましい(請求項2)。この場合、摘みはその端縁にて指で摘むのに充分な広さの幅を有し、一方、その根元幅は開封テープの一端に亀裂が到達するまでフィルム包材の引き裂き幅を有効に確保する。
【0012】
なお、一対の摘み区画線が一対のミシン目である場合、開封者はミシン目に沿ってフィンシール帯を引き裂くことで摘みが形成される
また、フィンシール帯は物品に向けて折り込まれた後、その摘みの端縁部分を除いて筒状のフィルム包材にシールされている(請求項)。この場合、フィンシール帯が筒状フィルム包材の外面に密着しているので、例えばフィンシール包装体の輸送・流通過程でフィンシール帯が何らかの引っかかりを受け、その摘みから誤って開封されてしまうことはない。一方、開封時にはシールを剥がすことなく、その端縁部から容易に摘みを引き起こすことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、フィンシール包装体の第1実施形態を示している。このフィンシール包装体は直方体形状の物品2を熱溶着性のフィルム包材4により密封したものであり、物品2の胴回りにはフィンシール帯6が形成され、さらにその両サイドにはサイドフィンシール帯8が形成されている。
【0014】
フィルム包材4の裏面には開封テープ10が貼り付けられており、この開封テープ10はフィルム包材4とともに物品2の胴回りに巻回されている。開封テープ10は物品2の胴周長よりもわずかに短い全長を有しており、それゆえ開封テープ10の両端は互いに重なり合っておらず、これら両端は物品2の胴回り方向に離間している。さらに開封テープ10は、両端がフィンシール帯6の基端を挟んで相互に向き合っており、それぞれ基端との間に間隔を確保して位置付けられている。
【0015】
フィンシール帯6は、その基端が物品2の胴回りのコーナに合致して位置付けられ、図示の横倒し姿勢で物品2の上面に向けて折り込まれている。フィンシール帯6には、その端縁から基端に向けてテーパ状の形を象るように延びる一対のミシン目12が一対の摘み区画線として形成されており、これら一対のミシン目12は、開封テープ10の巻回方向でみてその両側にそれぞれ位置している。それゆえ図示のようにフィンシール帯6が折り込まれ、物品2の胴回りにて筒状のフィルム包材4の上に重ね合わされた状態にあるとき、一対のミシン目12は開封テープ10の両側にそれぞれ分かれて位置する。また一対のミシン目12はフィンシール帯6の端縁から基端の手前まで延びており、これら一対のミシン目12の間にはフィンシール帯6の端縁からその幅方向の一部に摘み14が形成されている。
【0016】
フィンシール帯6は図示の折り込み状態で筒状のフィルム包材4にヒートシールされており、そのシール領域は図中に斜線を施して示されるように、摘み14の端縁部を残して形成されている。
図2は、図1のフィンシール包装体を成形する過程で得られる胴巻き包装体を示している。胴巻き包装体は、物品2の胴回りにシート状のフィルム包材4を筒状に胴巻きし、その両端部裏面を互いに重ね合わせた状態で、上述のフィンシール帯6を形成することにより得られている。このとき、フィンシール帯6はその基端が物品2のコーナに合致して成形され、そして、この基端が開封テープ10の両端間に位置したものとなる。またミシン目12の形成は、例えばこの胴巻き包装体の状態で実施される。
【0017】
この後、フィンシール帯6を物品2の胴回りに折り込み、両耳部16を左右に拡開して合わせ目が成形される。そして、これら合わせ目を合掌シールしてサイドフィンシール帯8を形成すると、物品2が完全に密封される。なお図1のように、サイドフィンシール帯8をさらに物品2の側面に折り込んでサイドシールすると、包装体はいわゆるキャラメル包装に近似した形態となる。
【0018】
図3は、第2実施形態のフィンシール包装体を示している。この場合、フィンシール帯6は物品2の一端面に対して折り込まれ、さらにフィンシール帯6の端縁から一対の摘み区画線としての一対の切込18,20を入れることで摘み14が形成されている。これら切込18,20もまた、開封テープ10の巻回方向でみてその両側にそれぞれ位置しており、フィンシール帯6の端縁から基端に向けてテーパ状の形を象るように延びている。ただし、一方の切込18は開封テープ10と平行に延びており、また、他方の切込20は開封テープ10に向けて斜めに延び、かつ、一方の切込18よりもフィンシール帯6の幅方向でみて切込長が長い。またフィンシール帯6をフィルム包材4にヒートシールする領域は、他方の切込20の終端を境界にして摘み14の周囲を避けて形成されている。
【0019】
図4は第3実施形態のフィンシール包装体を示し、この場合、第1実施形態とはフィンシール帯6の位置およびサイドフィンシール帯8の形態において異なっている。具体的には、フィンシール帯6の基端は物品2の胴回りのコーナから離れた上面に位置付けられ、その両側に開封テープ10の両端がそれぞれ配置されている。またサイドフィンシール帯8は物品2の両側から張り出すように形成されており、これにより包装形態はいわゆるピロー形となっている。
【0020】
上述した各実施形態のフィンシール包装体を開封するとき、いずれにあってもその摘み14を指で摘んで引き起こすことから始められる。ここで、一対のミシン目12や切込18,20はフィンシール帯6の端縁にて最も間隔が広く、それゆえ摘み14には開封者による摘み上げを容易にするだけの充分な幅が確保されている。また摘み14の端縁部は筒状のフィルム包材4にヒートシールされていないため、開封者はシールを剥がさなくても容易に摘み14を摘み上げることができる。以下に、第3実施形態のフィンシール包装体を例に挙げてその開封手順を詳しく説明する。
【0021】
図5は、摘み14と開封テープ10との位置関係を具体的に示している。一対のミシン目12はフィンシール帯6の基端側で最も間隔が狭く、この最小間隔Wは開封テープ10の幅よりもわずかに広く設定されている。また上述のように一対のミシン目12はそれぞれ開封テープ10の両側に位置していることから、図示のようにフィンシール帯6が物品2に対して折り込まれた状態で、摘み14は開封テープ10の両側に拡がっている。
【0022】
フィンシール帯6の基端は開封テープ10の両端間に位置しており、これら両端とフィンシール帯6の基端との間にそれぞれ所定の間隔Dが確保されている。このため図6に示されるように、開封テープ10の両端はいずれもフィンシール帯6の内部に臨んでいない。この状態で摘み14が引き起こされると、一対のミシン目12に沿ってフィンシール帯6が引き裂かれるとともに、その根元部分に施された弱シール域Sが剥がされる。
【0023】
さらに摘み14が引き起こされると、各ミシン目12の先端からフィンシール帯6の基端に向けて幅方向に亀裂が走り、図7に示されるようにフィンシール帯6はその基端まで引き裂かれた状態になる。このとき亀裂はミシン目12の最小間隔Wとほぼ同一の間隔を保持して進行するため、フィンシール帯6の引き裂き幅はミシン目12の最小間隔Wにほぼ一致する。なお図7中、フィンシール帯6のヒートシール領域を示す斜線の消失は、摘み14とともにフィンシール帯6の一部が剥がれたことを意味し、また摘み14の引き起こしにより、各ミシン目は既に引き裂かれた後となっている。
【0024】
摘み14の引き起こしによりフィンシール帯6がその基端まで引き裂かれると、図8に示されるように摘み14から基端までの間の部分は物品2の胴回りに対して中立の状態となる。
この中立状態から開封者が任意に開封方向を選択し、物品2の胴回りでみて一方向へ摘み14を引っ張ると、図9に示されるように開封方向の反対側ではフィルム包材4がフィンシール帯6の基端で破断する。これに対し開封方向では、フィンシール帯6の基端から続いて胴回りの方向にフィルム包材4に2本の亀裂が走り、これら亀裂は開封テープ10の両側にまで達する。これに伴い、開封テープ10はその一端からフィルム包材4とともに開封方向へ引き起こされ、物品2の胴回りから剥離する。
【0025】
フィルム包材4の亀裂が開封テープ10の両側に達すると、摘み14に連なって引き裂かれたフィルム包材4を介して開封テープ10が引っ張られ、この後、図10に示されるようにフィルム包材4は開封テープ10の両側に沿って容易に引き裂かれる。
図9とは逆の開封方向が選択された場合も同様に、図11に示されるように開封方向と反対側ではフィルム包材4がフィンシール帯6の基端で破断し、一方、開封方向ではフィンシール帯6の基端から胴回りの方向にフィルム包材4に亀裂が走る。
【0026】
上述した第3実施形態では、図8に示されるように摘み14が物品2の上面から直立した状態(断面逆T字状)にあるが、第1および第2実施形態の場合は摘み14が物品2のコーナから斜めに延びた状態(断面逆Y字状)となる。
図12および図13は、第1実施形態のフィンシール包装体が開封される様子を示している。この場合、摘み14が中立状態まで引き起こされた後、物品2の背面に向けて摘み14が引っ張られると、図12に示されるように物品2の上面側ではフィルム包材4がフィンシール帯6の基端で破断し、一方、物品2の一端面側ではフィンシール帯6の基端から胴回りの方向にフィルム包材4に亀裂が走る。
【0027】
これに対し、中立状態から物品2の上面に沿って摘み14が引っ張られると、図13に示されるように物品2の一端面側ではフィルム包材4がフィンシール帯6の基端で破断し、一方、物品2の上面側ではフィンシール帯6の基端から胴回りの方向にフィルム包材4に亀裂が走る。
いずれの場合にあっても、摘み14の引っ張りによるフィンシール帯6の引き裂きは摘み14の根元幅、つまり、一対のミシン目12の最小間隔Wをほぼ保ったまま開封テープ10の一端まで到達するので、この後、フィルム包材4の引き裂きは良好に開封テープ10に引き継がれる。したがって、開封者は任意に開封方向を選択し、いずれの方向へもフィンシール包装体を開封することが可能となる。
【0028】
次に包装体におけるフィルム包材4の引き裂き性について、試験データに基づき検証する。上述した各実施形態のフィンシール包装体にあってはその構造上、摘み14と開封テープ10の両端とが互いに接続されておらず、開封時において摘み14の引っ張りによるフィルム包材4の引き裂きが、物品2の胴回りで開封テープ10に引き継がれるものとなっている。
【0029】
そこで、以下にフィルム包材4の引き裂き試験を行い、摘み14の根元幅とフィルム包材4の引き裂き幅との関係について試験データを収集する。そして、その結果を基にフィンシール包装体の開封実現性を検証するものとする。
図14は、引き裂き試験に供されたフィルム包材4を示している。試験用フィルム包材4には予め、その一端縁から切込18,20をそれぞれ所定の切込深さd1,d2で入れておき、これら切込18,20の間にフィンシール包装体と同様の摘みを形成する。そして、摘みを一端縁から直角方向に引っ張って試験用フィルム包材4に亀裂を走らせる。
【0030】
試験用フィルム包材4には、厚さ0.05mmの3層ラミネートフィルムを使用する。層構造は1層目がOPP(二軸延伸ポリプロピレンフィルム)で層厚が0.020mm、2層目がPET(ポリエチレンテレフタレート)で層厚が0.012mm、そして3層目がPE(ポリエチレン)で層厚は0.018mmである。
【0031】
全ての試験用フィルム包材4について、各切込18,20の切込深さd1,d2をそれぞれ、d1=2mm,d2=7mmとし、端縁方向でみてこれら切込18,20の最小間隔Wを6mmに設定する。なお、一端縁での最大間隔Wkは例えば16mmである。
試験用フィルム包材4の引き裂き後、各試験用フィルム包材4毎に一端縁から所定の距離L(例えば15mm)の位置で亀裂間の距離Aを計測する。そして、元の切込18,20間の最小間隔Wと距離Aとの間の差を求める。
【0032】
表1は、上記の引き裂き試験を10個のサンプルについて行った結果、得られた値を示している。
【0033】
【表1】
Figure 0004756775
【0034】
上記の試験結果から以下の点が明らかとなっている。
(1)引き裂き後に試験用フィルム包材4の亀裂を観察すると、亀裂は切込18,20のテーパ形状に関係なく摘みの引っ張り方向に進行し、その最小間隔Wをほぼ保ったまま、各切込18,20の先端からそれぞれ並行して亀裂が走る。
(2)一端縁から距離Lの位置では、少なくとも長い方の切込20の先端から8mm、短い方の切込18の先端から13mmだけそれぞれ亀裂が進行したことになるが、この間に亀裂間の距離Aは最小間隔Wより1.0mmを超えて狭まることはない。
(3)亀裂間の距離Aはサンプル毎に最小間隔Wと同じであるか、または小さくなっており、いずれも最小間隔Wより大きくなることはない。
【0035】
上記の試験結果に基づき、本発明の発明者らはフィンシール包装体の開封性について以下のように検証する。
すなわち、フィルム包材4に方向性のない材料を使用していても、延伸フィルムであれば、開封時に摘み14の根元幅(最小間隔W)と同程度の間隔を保ったまま亀裂は8mm以上進行し、その間隔は1mmを超えて狭まることはない。このため、摘み14の根元から開封テープ10までの間に8mm以下の隔たりがあったとしても、摘み14の根元幅が開封テープ10の幅より1mm以上大きく設定されていれば、摘み14の根元から開封テープ10の幅よりも広い間隔のままフィルム包材4が引き裂かれ、その引き裂き領域は開封テープ10の一端まで確実に到達する。
【0036】
このような引き裂き性をフィルム包材4が有することにより、フィンシール包装体の構造上、その摘み14と開封テープ10とが相互に接続されていなくても、摘み14の引っ張りによりフィルム包材4の引き裂きが開封テープ10に引き継がれ、その後の開封は確実となる。さらにフィンシール帯6の基端を挟んで開封テープ10の両端がそれぞれ配置されていれば、フィンシール包装体は摘み14の引き起こし方向に関係なく、いずれの方向にも開封することが可能となる。
【0037】
本発明は上述した各種の実施形態のみに制約されず、種々に変形して実施可能である。例えば、摘み14を形成するミシン目12と切込18,20は相互に置換することができ、第1および第3実施形態において切込18,20により摘み14を形成してもよいし、あるいは、第2実施形態において一対のミシン目12により摘み14を形成してもよい。
【0038】
また第2実施形態のフィンシール包装体の開封については、ミシン目12の引き裂きを除いて第1および第3実施形態と同様に行われる。この場合、摘み14を引き起こし、そのまま切込18,20からフィンシール帯8を引き裂くことで摘み14が中立状態となり、この後、摘み14をいずれの方向に引っ張っても開封することが可能となる。
【0039】
その他、フィンシール帯6の折り込み方向や物品2の長手方向に対する開封テープ10の巻回位置、摘み14の根元幅や開封テープ10の幅、サイドフィンシール帯8の折り込み形態などはいずれも適宜に変形することができる。
【0040】
【発明の効果】
本発明のフィンシール包装体(請求項1)は、物品の胴回りに対していずれの方向へも開封自在となり、その利便性に富む。特にフィンシール帯に開封テープの端部が重ならない構造であるため、フィンシール帯での密着性が向上し、薄いフィルム包材を使用しても密封性の高い包装を実現することができる。さらに、使用するフィルム包材には方向性を必要としないため、フィンシール包装体の成形には安価なコーティングフィルムを使用することができる。
【0041】
また、摘みの形状が開封時に摘みやすく、また開封を確実にできるものであれば(請求項2)、開封者に一層の利便性を提供できる。
ミシン目により形成された摘みを有していれば、開封時まで摘みがフィンシール帯から分離することがなく、誤って開封前に摘みだけが破断してしまうことはない。
【0042】
さらにフィンシール帯を筒状のフィルム包材にシールしていれば(請求項)、開封前の不所望な摘みの剥離が防止され、フィンシール包装体の安全性や商品性を大きく向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のフィンシール包装体を表す斜視図である。
【図2】図1のフィンシール包装体の成形過程における胴巻き包装体を表す斜視図である。
【図3】第2実施形態のフィンシール包装体を表す斜視図である。
【図4】第3実施形態のフィンシール包装体を表す斜視図である。
【図5】図4中、摘みの部分を拡大して示した平面図である。
【図6】図5中、VI−VI線に沿う断面図である。
【図7】図5の摘みが引き起こされたときの状態を示した平面図である。
【図8】図7中、VIII−VIII線に沿う断面図である。
【図9】図8の摘みが一方向へ引っ張られたときの状態を示す図である。
【図10】第3実施形態のフィンシール包装体が一方向に開封されるときの状態を示す斜視図である。
【図11】図10とは逆の方向にフィンシール包装体が開封されるときの状態を示す斜視図である。
【図12】第1実施形態のフィンシール包装体が一方向に開封されるときの状態を示す斜視図である。
【図13】図12とは逆の方向にフィンシール包装体が開封されるときの状態を示す斜視図である。
【図14】引き裂き試験に使用された試験用フィルム包材を詳細に示す図である。
【符号の説明】
2 物品
4 フィルム包材
6 フィンシール帯
8 サイドフィンシール帯
10 開封テープ
12 ミシン目
14 摘み
18,20 切込

Claims (3)

  1. 物品の胴回りをフィルム包材で筒状に包み込み、その両端部裏面を相互に重ね合わせた状態で合掌シールしたフィンシール帯を形成し、この後、前記物品の両側に突出する前記フィルム包材の両耳部を所定の形状に閉じて合わせ目を成形し、これら合わせ目を合掌シールして成形されるフィンシール包装体において、
    前記フィルム包材の裏面に付着されて前記フィルム包材とともに前記物品の胴回りに巻回された前記物品の胴周長よりもわずかに短い全長を有する開封テープであって、両端が前記フィンシール帯の基端を挟んで相互に向き合い、かつ、前記両端と前記フィンシール帯の基端との間にそれぞれ間隔を確保して配置された開封テープと、
    前記フィンシール帯の幅方向の一部に設けられた単一の摘みであって、前記開封テープの両側となる位置にて前記フィンシール帯の端縁から前記フィンシール帯の基端に向けて延びる一対の摘み区画線によって形成され、これら摘み区画線が切込又はミシン目からなる、単一の摘みと
    を具備したことを特徴とするフィンシール包装体。
  2. 前記一対の摘み区画線は前記端縁から前記基端に向けてテーパ状の形を象るように延び、その最小間隔が前記開封テープの幅よりも広く設定されていることを特徴とする請求項1に記載のフィンシール包装体。
  3. 前記フィンシール帯は前記物品に向けて折り込まれた後、前記摘みの端縁部分を除いて前記筒状のフィルム包材にシールされていることを特徴とする請求項1又は2に記載のフィンシール包装体。
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