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JP4754984B2 - トルク配分制御装置 - Google Patents

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JP4754984B2
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Description

本発明は、4輪駆動車の前後輪又は2輪駆動車の左右輪のトルク配分を調節可能なトルク配分制御装置に関する。
従来、4輪駆動車の前後輪に伝達されるトルク配分を制御する電子制御クラッチでは、クラッチ推定温度が保護判定温度以上となったとき、クラッチにロックトルクを印加してクラッチ温度を低下させるようにクラッチ保護制御を行うものがある。
しかし、クラッチにロックトルクを印加しても、クラッチ摺動部の差回転が収束しない状況では、保護制御をしているにも係わらず、クラッチの発熱を助長するという問題があった。
特開2002−166737号公報
解決しようとする問題点は、クラッチにロックトルクを印加しても、クラッチ摺動部の差回転が収束しない状況では、保護制御をしているにも係わらず、クラッチの発熱を助長し、的確な保護制御ができない点である。
本発明は、的確な保護制御を可能とするために、車両の従動輪へのトルク伝達を摺動部の締結により調節可能な伝達トルク調節手段又は車両の左右駆動輪間の差動を摺動部の締結により調節可能な差動調節手段と、前記摺動部の温度状況を監視する温度状況監視手段と、前記監視された温度状況が設定された閾値を上回るとき該温度状況を下げるために前記伝達トルク調節手段又は前記差動調節手段の前記摺動部に働くトルクと前記摺動部の差回転との関係で求めた前記摺動部の発熱状況及び放熱状況の境界曲線に基づき前記締結を調節して摺動部を放熱状況とする放熱保護制御を行うユニット保護制御手段とを備え、前記ユニット保護制御手段は、前記温度状況が閾値を越えるとき前記摺動部に働くトルクと摺動部の差回転との関係で求められる摺動部の発熱状況か放熱状況かにより前記摺動部の締結を解放するか前記放熱保護制御を行うかを選択することを特徴とする。
本発明のトルク配分制御装置は、車両の従動輪へのトルク伝達を摺動部の締結により調節可能な伝達トルク調節手段又は車両の左右駆動輪間の差動を摺動部の締結により調節可能な差動調節手段と、前記摺動部の温度状況を監視する温度状況監視手段と、前記監視された温度状況が設定された閾値を上回るとき該温度状況を下げるために前記伝達トルク調節手段又は前記差動調節手段の前記摺動部に働くトルクと前記摺動部の差回転との関係で求めた前記摺動部の発熱状況及び放熱状況の境界曲線に基づき前記締結を調節して摺動部を放熱状況とする放熱保護制御を行うユニット保護制御手段とを備え、前記ユニット保護制御手段は、前記温度状況が閾値を越えるとき前記摺動部に働くトルクと摺動部の差回転との関係で求められる摺動部の発熱状況か放熱状況かにより前記摺動部の締結を解放するか前記放熱保護制御を行うかを選択するため、放熱保護制御時の摺動部の発熱を抑制し、的確な保護制御を行わせることができる。
的確な保護制御を可能にするという目的を、摺動部の発熱状況か放熱状況かにより摺動部を解放するか放熱保護制御を行うかとすることで実現した。
[四輪駆動車]
図1は、本発明の実施例1を適用した車両に係りフロント・エンジン、フロント・ドライブ・ベース(FFベース)の4輪駆動車のスケルトン平面図である。
図1のトルク伝達カップリング1は、トルク配分制御装置の伝達トルク調節手段として機能し、電磁クラッチなどにより構成されている。トルク伝達カップリング1は、リヤ・デファレンシャル装置3の入力側において、回転軸5及びドライブ・ピニオン・シャフト7間に介設されている。トルク伝達カップリング1は、後述するコントローラ9による電磁石の通電制御等により締結制御される構成となっている。
前記ドライブ・ピニオン・シャフト7のドライブ・ピニオン・ギヤ11は、リヤ・デファレンシャル装置3のリング・ギヤ13に噛み合っている。リヤ・デファレンシャル装置3は、デフ・キャリヤ15に回転自在に支持されている。リヤ・デファレンシャル装置3には、左右のアクスル・シャフト17,19を介して左右の後輪21,23が連動連結されている。
前記回転軸5には、ユニバーサル・ジョイント25を介してプロペラ・シャフト27が結合されている。プロペラ・シャフト27には、ユニバーサル・ジョイント29を介して、トランスファ31の出力軸33が結合されている。
前記出力軸33の傘歯車35は、伝動軸37の傘歯車39に噛み合っている。伝動軸37は、フロント・デファレンシャル装置41のデフ・ケース43側に設けられ、連動構成されている。
前記フロント・デファレンシャル装置41は、エンジン45からトランス・ミッション47を介してリング・ギヤ49にトルクが入力され、回転駆動されるようになっている。フロント・デファレンシャル装置41には、左右のアクスル・シャフト51,53を介して、左右の前輪55,57が連動連結されている。
従って、エンジン45からトランス・ミッション47を介してフロント・デファレンシャル装置41のリング・ギヤ49にトルクが入力されると、一方ではアクスル・シャフト51,53を介して左右の前輪55,57へトルク伝達が行われる。また他方では、デフ・ケース43、伝動軸37、傘歯車39、35を介して出力軸33へトルク伝達が行われる。
前記出力軸33からは、ユニバーサル・ジョイント29、プロペラ・シャフト27、ユニバーサル・ジョイント25、回転軸5を介してトルク伝達カップリング1へトルクが入力される。
前記トルク伝達カップリング1がトルク伝達状態であれば、ドライブ・ピニオン・シャフト7、ドライブ・ピニオン・ギヤ11を介して、リヤ・デファレンシャル装置3のリング・ギヤ13にトルク伝達が行われる。リヤ・デファレンシャル装置3からは、左右のアクスル・シャフト17,19を介して、左右の後輪21,23へトルク伝達が行われる。
従って、トルク伝達カップリング1がトルク伝達状態であるときには、前輪59,61、後輪21,23によって、4輪駆動状態で走行することができる。トルク伝達カップリング1が、トルク伝達状態にないときには、前輪59,61による2輪駆動状態で走行することができる。
2輪駆動状態と4輪駆動状態との選択は、運転席のボタン操作等で行うようになっている。選択された「オート・モード」により4輪駆動状態となり、各種センサの検出に基づきコントローラ9により各走行条件下で最適な走行性能を得るための制御が行われる。「2WD」が選択される2輪駆動状態となり、「ロック・モード」が選択されると「オート・モード」よりも出力トルクをアップした制御が行われる。
さらに、「オート・モード」において、トルク伝達カップリング1の摺動部の温度状況により「放熱保護制御」が行われ、さらに旋回走行時に「旋回放熱保護制御」が行われる。
前記コントローラ9には、各種センサの検出値として前後輪55,57,21,23の各車輪回転数59、出力軸33及びドライブ・ピニオン・シャフト7の回転数である前輪後輪側各回転数61、アクセル開度63、ステアリング角(ハンドル角)65、車両に働く左右G67、同前後G69、トルク伝達カップリング1周辺の温度環境の検出値71が入力されるようになっている。
検出値71は、トルク伝達カップリング1自体の温度、トルク伝達カップリング1周辺の部材温度を温度センサにより測定したもので、この検出値71に基づき摺動部の温度状況が推定される。部材温度としては、トルク伝達カップリング1の支持ベアリング、キャリヤケース、アクチュエータ(電磁石)、オイル等の温度である。なお、各車輪回転数59と前輪後輪側各回転数61とは、何れか一方を用いることでトルク伝達カップリング1の差回転を算出することができる。
これらコントローラ9への入力に基づき、トルク伝達カップリング1への出力制御値a、スロットル開度又は燃料供給量(電気自動車の場合はモータへの電流供給量)b、ブレーキ操作力c、トランス・ミッション47の変速比dの出力が行われる。この出力により「オート・モード」「放熱保護制御」「旋回放熱保護制御」が行われる。
図2は、制御ブロック図である。
図2のように、コントローラ9では、前記入力により制御出力計算部73、前後差回転演算部75、旋回R推定部77、目標前後差回転演算部79において演算が行われる。
制御出力計算部73は、前後輪55,57,21,23の各車輪回転数59、出力軸33、アクセル開度63などの検出値からトルク伝達カップリング1の制御出力値が演算され、この制御出力値を用い「オート・モード」において各走行条件下で最適な走行性能を得る制御出力を行うと共に、制御出力値が温度推定・発熱/放熱演算部81及び第1保護制御部83へ入力される。
前後差回転演算部75では、前後輪55,57,21,23の各車輪回転数59、出力軸33及びドライブ・ピニオン・シャフト7の回転数である前輪後輪側各回転数61の少なくとも一方から、トルク伝達カップリング1の摺動部の実差回転を演算し、第1,第2保護制御部83,85に入力する。
旋回R推定部77は、ステアリング角(ハンドル角)65から旋回走行時の旋回半径Rを推定演算し、第2保護制御部85へ入力する。なお、旋回R推定部77における旋回R推定値の演算は、左右車輪(実施例では、従動輪側となる左右後輪)の各車輪回転数59(車輪速)から行われても良い。
目標前後差回転演算部79は、車両の旋回半径R及び車速に基づく前記摺動部の目標差回転を演算し、第2保護制御部85へ入力する。車速は、従動車輪である後輪21,23の回転平均値から算出しているが、種々の既存の検出手段を用いることもできる。
温度推定・発熱/放熱演算部81は、前記トルク伝達カップリング1周辺の温度環境の検出値71から、ユニット温度として摺動部の温度状況を推定し、また、摺動部に働くトルク及び摺動部の差回転により発熱した場合の温度状況を演算し、推定し又は演算した温度状況の少なくとも一方から摺動部の温度状況を監視し、第1保護制御部83へ入力する。
第1保護制御部83は、ユニット保護制御手段として、前記温度状況が閾値を越えるとき前記摺動部に働くトルクと摺動部の差回転との関係で求めた発熱及び放熱の境界曲線に基づき前記トルクを制御してトルク伝達カップリング1の「放熱保護制御」を行う。
第2保護制御部85は、ユニット保護制御手段として、旋回走行により車両の旋回半径R及び車速に基づく前記摺動部の目標差回転が前記摺動部の検出された実差回転を下回るとき前記「放熱保護制御」の保護制御トルクに限界を定めた「旋回放熱保護制御」を行わせる。
第2保護制御部85は、前記旋回半径Rが閾値(一定値)を上回るとき実差回転が目標差回転を越える前に前記「旋回放熱保護制御」を開始すると共に旋回半径Rが閾値を下回るとき実差回転が目標差回転を越えるとき前記「旋回放熱保護制御」を開始する。
第1,第2保護制御部83,85は、前記温度状況が閾値T2を下回ったとき又はイグニッション・オフから一定時間経過したとき又は前記摺動部の発熱状況の推定又は演算の結果が初期値にリセットされたとき前記「放熱保護制御」「旋回放熱保護制御」を停止する。また、「放熱保護制御」「旋回放熱保護制御」の停止は、保護制御に入る閾値(例えば、140℃)より温度状況の低い閾値(135℃)を設定して行わせる。このヒステリシスの設定により「放熱保護制御」「旋回放熱保護制御」のいたずらな繰り返しを抑制することができる。
図3は、境界曲線を示す制御マップのグラフである。
第1保護制御部83は、図3の制御マップを記憶部から読み込んで前記保護制御を行う。図3の制御マップは、横軸に摺動部の差回転を取り、縦軸に摺動部の締結による出力トルクを示している。この制御マップは、摺動部に働くトルクと摺動部の差回転との関係で求めた発熱及び放熱の境界曲線87を示し、発熱側と放熱側とを分けている。発熱側は、摺動部の放熱量よりも発熱量が勝る領域であり、放熱側は、発熱量よりも放熱量が勝る領域である。摺動部のトルクは、コントローラ9による出力制御値aから求めることができる。
そして、トルク伝達カップリング1が例えば「オート・モード」により発熱側でトルク制御されているとき、摺動部の温度状況が140℃になると第1保護制御部83は、放熱側の条件となるように摺動部のトルクを下げる等の制御を行う。
図4は、図5は、保護制御トルクの出力マップのグラフであり、図4は、旋回Rが大きい場合(直進時等)、図5は、旋回Rが小さい場合を示す。
第2保護制御部85は、摺動部の目標差回転が摺動部の検出された実差回転を下回ると共に旋回半径が閾値を下回るとき実差回転が目標差回転を越える前に前記保護制御を開始し(図4)、摺動部の目標差回転が前記摺動部の検出された実差回転を下回ると共に旋回半径が閾値を上回り実差回転が目標差回転を越えるとき前記保護制御を開始する(図5)。
従って、直進から大きな旋回半径Rに移るときなど前記保護制御トルクを、旋回走行による摺動部の差回転が発生する前から行い、放熱保護制御トルクを徐々に増加させて安定した旋回走行を行わせることができる。また、小さな旋回半径Rで走行しようとするときは、摺動部の差回転が出てから「旋回放熱保護制御」を行わせることができ、いわゆるタイトコーナ・ブレーキング現象を抑制することができる。
図6は、保護制御への移行フローチャート、図7は、同解除フローチャートである。
図6のフローチャートは、図2の第1保護制御部83のみを使用する場合に用いられる。このフローチャートが実行されると、ステップS1では、「ユニット(推定)温度≧T1」の判断処理が実行される。この処理では、検出値71により推定されたトルク伝達カップリング1の摺動部の温度状況が、所定の閾値T1を上回るか否かが判断される。閾値T1は、前記のように例えば140℃に設定されている。この判断により、「ユニット(推定)温度≧T1」で無ければ(NO)、ステップS2へ移行し、「ユニット(推定)温度≧T1」であれば(YES)、ステップS3へ移行する。
ステップS2では、「通常制御」が行われる。この制御では、「オート・モード」により、各走行条件下で最適な走行性能を得るための出力制御値aによる制御が行われ、この出力によりトルク伝達カップリング1の制御が行われる。
ステップS3では、「発熱量計算値≧E1」の判断処理が行われる。この処理では、前記のように摺動部に係るトルクと差回転とから演算された摺動部の温度状況(発熱量状況)を用い、「発熱量計算値≧E1」であれば(YES)、ステップS4へ移行し、「発熱量計算値≧E1」で無ければ(NO)、ステップS2へ移行する。
ステップS4では、「ユニット保護制御」の処理が実行される。この処理により、前記図3の境界曲線を用いた制御マップにより前記のような「放熱保護制御」が行われる。
図7のフローチャートでは、ステップS11により「ユニット保護制御ON」の判断処理が実行され、前記「放熱保護制御」が行われていなければ(NO)、ステップS12へ移行し、「放熱保護制御」が行われていれば(YES)、ステップS13へ移行する。
ステップS12では、「放熱保護制御」が停止され、図6のステップS2同様の「通常制御」が行われる。
ステップS13では、「ユニット(推定)温度≧T2」の判断処理が実行される。この処理では、保護制御中に摺動部の前記推定温度が閾値T2よりも下がったか否かが判断される。閾値T2は、前記のようにT1に対してヒステリシスが設けられ、T1よりも低い135℃となっている。「ユニット(推定)温度≧T2」であれば(YES)、ステップS14へ移行し、「ユニット(推定)温度≧T2」で無ければ(NO)、ステップS12へ移行する。
ステップS14では、摺動部の温度状況が依然高いとして前記ユニット保護制御が継続される。
図8は、保護制御への移行フローチャートであり、前記第2保護制御部85を合わせて使用する場合について用いられる。
図8のフローチャートでは、図6のフローチャートに比較してステップS21,22,23,24が付加されている。
ステップS21では、「実前後差回転>目標前後差回転」の判断処理が実行される。この処理では、目標前後差回転演算部79の演算結果と前後差回転演算部75の演算結果とが比較され、「実前後差回転>目標前後差回転」で無ければ(NO)、ステップS4へ移行し、「実前後差回転>目標前後差回転」であれば(YES)、ステップS22へ移行する。従って、直進走行時等には摺動部の実際の差回転が、車両の旋回半径R及び車速に基づく摺動部の差回転を下回っていれば、ステップS4において前記第1保護制御部83による「放熱保護制御」が行われる。
ステップS22では、「旋回R≧一定値」の判断処理が実行される。この処理では、旋回半径Rが閾値である一定値を下回るか否かが判断され、「旋回R≧一定値」であれば(YES)、ステップS23へ移行し、「旋回R≧一定値」で無ければ(NO)、ステップS24へ移行する。
ステップS23では、第2保護制御部85により図4の制御マップによりユニット保護制御、すなわち「旋回放熱保護制御」が行われる。この制御により、直進から大きな旋回半径Rに移るときなどに、旋回走行による摺動部の差回転が発生する前から「放熱保護制御」を行い、安定した旋回走行を行わせることができる。また、旋回走行時の摺動部の保護制御トルクの上限を定めて制御することができる。
ステップS24では、第2保護制御部85により図5の制御マップによりユニット保護制御が行われる。この制御により、小さな旋回半径Rで走行しようとするときは、摺動部の差回転が出てから「旋回放熱保護制御」を行わせることができ、いわゆるタイトコーナ・ブレーキング現象を抑制することができる。
[実施例1の効果]
本発明実施例のトルク配分制御装置は、車両の後輪21,23へのトルク伝達を摺動部の締結により調節可能なトルク伝達カップリング1と、前記摺動部の温度状況を推定又は演算の少なくとも一方により監視する温度推定・発熱/放熱演算部81と、前記監視された温度状況が設定された閾値T1を上回るとき前記トルク伝達カップリング1の「放熱保護制御」を行う第1保護制御部83とを備え、前記第1保護制御部83は、前記温度状況が閾値T1を越えるとき前記摺動部に働くトルクと摺動部の差回転との関係で求められる摺動部の発熱状況か放熱状況かにより摺動部を解放するか「放熱保護制御」を行うかを選択するため、「放熱保護制御」時の摺動部の発熱を抑制し、「放熱保護制御」を的確に行わせることができる。
前記温度推定・発熱/放熱演算部81は、前記トルク伝達カップリング1周辺の温度環境の検出に基づき前記温度状況を推定して前記監視を行うため、トルク伝達カップリング1の摺動部の温度状況を的確に推定して、的確な保護制御を行わせることができる。
前記温度推定・発熱/放熱演算部81は、前記摺動部に働くトルク及び摺動部の差回転により温度状況を演算して前記温度状況の監視を行うため、トルク伝達カップリング1の摺動部の温度状況を的確に推定して、的確な「放熱保護制御」を行わせることができる。
前記第2保護制御部85は、車両の旋回半径R及び車速に基づく前記摺動部の目標差回転が前記摺動部の検出された実差回転を下回るとき前記「放熱保護制御」の保護制御トルクに限界を定めた「旋回放熱保護制御」を行わせるため、旋回走行時の放熱保護制御を的確に行わせることができる。
前記第2保護制御部85は、前記旋回半径Rが閾値(一定値)を上回るとき実差回転が目標差回転を越える前に前記「旋回放熱保護制御」を開始すると共に旋回半径Rが閾値を下回るとき実差回転が目標差回転を越えるとき前記「旋回放熱保護制御」を開始する。このため、直進から大きな旋回半径Rに移るときなど前記「旋回放熱保護制御」を、旋回走行による摺動部の差回転が発生する前から行い、安定した旋回走行を行わせることができる。また、小さな旋回半径Rで走行しようとするときは、摺動部の差回転が出てから「旋回放熱保護制御」を行わせることができ、いわゆるタイトコーナ・ブレーキング現象を抑制することができる。
前記第1,第2保護制御部83,85は、前記温度状況が閾値T2を下回ったとき又はイグニッション・オフから一定時間経過したとき又は前記摺動部の温度状況の推定又は演算の結果が初期値にリセットされたとき前記保護制御を停止するため、保護制御の停止を確実に行わせることができる。
前記第1,第2保護制御部83,85は、前記保護制御に入る閾値T1より温度状況の低い閾値T2を設定して前記保護制御の停止を行わせるため、保護制御のいたずらな繰り返しを抑制することができる。
図9は、本発明の実施例2に係り、フロント・エンジン、リヤ・ドライブの2輪駆動車のスケルトン平面図である。なお、実施例1と対応する構成部分には同符号を付して説明する。
図9では、前輪55A,57Aが従動輪であり、トランス・ミッション47Aの出力軸61Aがユニバーサル・ジョイント29に接続されている。左右駆動輪である後輪21A,23A間の差動を調節可能な差動調節手段として、差動トルク制限クラッチ1Aがリヤ・デファレンシャル装置3に設けられている。差動トルク制限クラッチ1Aは、油圧クラッチにより構成され、コントロール・バルブ95を介して油圧ポンプ97に接続されている。コントロール・バルブ95は、コントローラ9Aにより制御され、「差動制限モード」により、各種センサの検出に基づき各走行条件下で最適な走行性能を得るためにリヤ・デファレンシャル装置3の差動制限トルクの制御が行われる。「ロック・モード」が選択されると「差動制限モード」よりも差動制限トルクをアップした制御が行われる。
さらに、「差動制限モード」において、車両のスタック状態が検出されると差動トルク制限クラッチ1Aの「放熱保護制御」「旋回放熱保護制御」が行われる。
前記コントローラ9Aには、各種センサの検出値として前後輪55A,57A,21A,23Aの各車輪回転数59、アクセル開度63、ステアリング角(ハンドル角)65、差動トルク制限クラッチ1A周辺の温度環境の検出値87が入力されるようになっている。
検出値87は、実施例1の検出値71と同様であり、差動トルク制限クラッチ1A自体の温度、差動トルク制限クラッチ1A周辺の部材温度を温度センサにより測定したもので、この検出値87に基づき摺動部の温度状況が推定される。部材温度としては、リヤ・デファレンシャル装置3の支持ベアリング、キャリヤケース、アクチュエータ(電磁石)、オイル等の温度である。
これらの入力に基づき、差動トルク制限クラッチ1Aの制御出力値a、スロットル開度又は燃料供給量(電気自動車の場合はモータへの電流供給量)b、ブレーキ操作力cの出力が行われる。この出力により「差動制限モード」「ロック・モード」の制御が行われる。
そして、本実施例では、実施例1同様に、第1,第2保護制御部83,85により同様な条件により「放熱保護制御」「旋回放熱保護制御」を行わせることができる。
[その他]
トルク伝達のための摺動部を締結させるアクチュエータを用いる場合は、電磁石、電磁ソレノイド、油圧ピストン・シリンダ、電動モータ・ギヤ、エア圧ピストン・シリンダなど種々のものが考えられ、適宜状況に応じて選択される。
フロント・エンジン、フロント・ドライブ・ベース(FFベース)の4輪駆動車のスケルトン平面図である(実施例1)。 制御ブロック図である(実施例1)。 「放熱保護制御」の制御マップのグラフである(実施例1)。 「旋回放熱保護制御」の制御マップのグラフである(実施例1)。 「旋回放熱保護制御」の制御マップのグラフである(実施例1)。 「放熱保護制御」への移行フローチャートである(実施例1)。 「放熱保護制御」「旋回放熱保護制御」の解除フローチャートである(実施例1)。 「旋回放熱保護制御」への移行フローチャートである(実施例1)。 フロント・エンジン、リヤ・ドライブの2輪駆動車のスケルトン平面図である(実施例2)。
符号の説明
1 トルク伝達カップリング(伝達トルク調節手段)
1A 差動トルク制限クラッチ(差動調節手段)
9,9A コントローラ(走行状態検出手段、制御手段)
21,23 後輪(従動輪)
55,57 前輪(駆動輪)
21A,23A 後輪(駆動輪)
55A,57A 前輪(従動輪)
81 温度推定・発熱/放熱演算部(温度状況監視手段)
83 第1保護制御部(ユニット保護制御手段)
85 第2保護制御部(ユニット保護制御手段)

Claims (7)

  1. 車両の従動輪へのトルク伝達を摺動部の締結により調節可能な伝達トルク調節手段又は車両の左右駆動輪間の差動を摺動部の締結により調節可能な差動調節手段と、
    前記摺動部の温度状況を監視する温度状況監視手段と、
    前記監視された温度状況が設定された閾値を上回るとき該温度状況を下げるために前記伝達トルク調節手段又は前記差動調節手段の前記摺動部に働くトルクと前記摺動部の差回転との関係で求めた前記摺動部の発熱状況及び放熱状況の境界曲線に基づき前記締結を調節して摺動部を放熱状況とする放熱保護制御を行うユニット保護制御手段とを備え、
    前記ユニット保護制御手段は、前記温度状況が閾値を越えるとき前記摺動部に働くトルクと摺動部の差回転との関係で求められる摺動部の発熱状況か放熱状況かにより前記摺動部の締結を解放するか前記放熱保護制御を行うかを選択する
    ことを特徴とするトルク配分制御装置。
  2. 請求項1記載のトルク配分制御装置であって、
    前記温度状況監視手段は、前記伝達トルク調整手段周辺又は差動調節手段周辺の温度環境の検出に基づき前記温度状況を推定して前記監視を行う
    ことを特徴とするトルク配分制御装置。
  3. 請求項1記載のトルク配分制御装置であって、
    前記温度状況監視手段は、前記摺動部に働くトルク及び摺動部の差回転により温度状況を演算して前記温度状況の監視を行う
    ことを特徴とするトルク配分制御装置。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載のトルク配分制御装置であって、
    前記ユニット保護制御手段は、車両の旋回半径及び車速に基づく前記摺動部の目標差回転が前記摺動部の検出された実差回転を下回るとき前記放熱保護制御により前記摺動部に働くトルクに限界を定め旋回放熱保護制御を行わせる
    ことを特徴とするトルク配分制御装置。
  5. 請求項4記載のトルク配分制御装置であって、
    前記ユニット保護制御手段は、前記旋回半径が閾値を上回るとき実差回転が目標差回転を越える前に前記旋回放熱保護制御を開始すると共に旋回半径が閾値を下回るとき実差回転が目標差回転を越えるとき前記旋回放熱保護制御を開始する
    ことを特徴とするトルク配分制御装置。
  6. 請求項1記載のトルク配分制御装置であって、
    前記ユニット保護制御手段は、前記温度状況が閾値を下回ったとき又はイグニッション・オフから一定時間経過したとき又は前記摺動部の温度状況の推定又は演算の結果が初期値にリセットされたとき前記放熱保護制御又は旋回放熱保護制御を停止する
    ことを特徴とするトルク配分制御装置。
  7. 請求項6記載のトルク配分制御装置であって、
    前記ユニット保護制御手段は、前記放熱保護制御又は旋回放熱保護制御に入る閾値より温度状況の低い閾値を設定して前記放熱保護制御又は旋回放熱保護制御の停止を行わせる
    ことを特徴とするトルク配分制御装置。
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