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JP4752754B2 - 2層積層膜およびこれを用いたパターン形成方法 - Google Patents

2層積層膜およびこれを用いたパターン形成方法 Download PDF

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JP4752754B2 JP2006343455A JP2006343455A JP4752754B2 JP 4752754 B2 JP4752754 B2 JP 4752754B2 JP 2006343455 A JP2006343455 A JP 2006343455A JP 2006343455 A JP2006343455 A JP 2006343455A JP 4752754 B2 JP4752754 B2 JP 4752754B2
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
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Description

本発明は、精密微細加工する際にフォトリソグラフィー技術を用いるいわゆるフォトファブリケーションに関する。より詳しくは、本発明は、半導体、電子部品やディスプレイパネル、タッチパネル等の配線形成、電極形成等のフォトファブリケーションに好適に用いられるリフトオフ法に好適なポジ型感放射線性樹脂組成物から得られる2層積層膜、並びにこの2層積層膜を形成する工程を含むパターン形成方法に関する。
レジストを加工物表面に塗布し、フォトリソグラフィー技術によりレジスト膜をパターニングしたのち、蒸着および/またはスパッタにより、有機物または無機物を堆積させ、レジスト膜上に堆積した有機薄膜または無機薄膜を、このレジスト膜ごと剥離することで、レジスト開口部に所望の有機薄膜パターンまたは無機薄膜パターンを得る方法を一般にリフトオフ法と呼ぶ。
このリフトオフ法においては、レジストパターンの形状は非常に重要となる。たとえば、レジストパターンの形状が図3(c)に示すようなポジ型レジストに多くみられる順テーパー形状である場合には、レジストの剥離後に得られる薄膜パターンは、図3(d)のようなエッジの部分にバリを有するものになってしまう。
このようなバリの形成を防ぐため、図4(c)に示すように、現像によるレジスト膜除去部分の開口底部が開口上部と比較して大きな、いわゆる逆テーパー形状のレジストパターンを形成しうるネガ型レジストやイメージリバーサルレジスト等を使用することが考えられる。
しかしながら、これらの方法では一般にレジストパターンの形状制御が困難である上、形成したレジストパターンを光学顕微鏡で確認することが困難であり、さらには硬化型であるためレジストの剥離が困難である等の問題があった。
また、基板となる加工物表面は、一般に複数の加工工程を経ているため、レジストの塗布膜厚に対して大きな凹凸を有している場合が多く、均一な膜厚のレジスト膜を形成することが難しいという問題があった。
また、加工物の生産性向上の点からは、加工工程の流れを妨げず、一連の工程の一部として、加工物表面に容易にパターン形成できる技術が望まれていた。この問題に対応するために、2層積層膜を用いたパターン形成方法により、アンダーカット形状のレジストパターンを、1回の露光および現像で得て、これによってバリのない製膜層を形成する方法
(特許文献1)が検討されている。
しかし、半導体、電子部品、ディスプレイパネルの小型化・薄型化に伴い要求される微細加工に対し、上記リフトオフ法を用いたフォトリソグラフィーにおいてはパターンの微細化により過剰なアンダーカットがパターン間の下部で繋がってしまうため、レジストが浮いてしまうことが問題となる場合がある。このためアンダーカット形状の制御が求められるようになってきている。
本発明者らは、このような状況に鑑みて鋭意研究した結果、特定のポジ型感放射線性樹脂組成物1を用いて得られる下層(レジスト層[I])と、特定のポジ型感放射線性樹脂組成物2を用いて得られる上層(レジスト層[II])とからなる2層積層膜を形成するパ
ターン形成方法により、ライン/スペースが10μm/10μm以下のような微細パターンでもアンダーカット形状を制御することが可能なレジストパターンを、1回の露光およ
び現像で得ることができ、これによって、バリのない製膜層を容易に形成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
特開2003−287905
本発明は、基板表面にバリのない製膜層を容易に得ることができるレジスト膜およびこれを形成するパターン形成方法を提供することを目的としている。
特に本発明は、ライン/スペースが10μm/10μm以下のような微細パターンにおいても、アンダーカットがパターン間の下部で繋がらないようにアンダーカット形状を制御することが可能なレジストパターンを、1回の露光および現像で得て、バリのない製膜
層を容易に形成することを目的としている。
本発明は、特定のポジ型感放射線性組成物1から得られる下層(レジスト層[I])と、さらにその下層の上に特定のポジ型感放射線性組成物2から得られる上層(レジスト層[II])とからなる2層積層膜を用いて、リフトオフ法によりパターンを形成させることで、上記問題を解決するに至った。
すなわち、本発明に係る2層積層膜は、(A)一般式(1)で表される構造単位および一般式(2)で表される構造単位を含有し、構成する全構造単位を100重量%としたときにカルボキシル基を有する構造単位が1重量%未満である重合体、(B)キノンジアジ
ド基含有化合物、(C)溶剤、を含有するポジ型感放射線性樹脂組成物1から得られる下層(レジスト層[I])と、
(D)フェノール性水酸基を有する重合体、(E)キノンジアジド基含有化合物および(F)溶剤を含有するポジ型感放射線性樹脂組成物2から得られる上層(レジスト層[II])とからなることを特徴としている。
Figure 0004752754
また、本発明に係るパターン形成方法は、(A)上記一般式(1)で表される構造単位および上記一般式(2)で表される構造単位を含有し、構成する全構造単位を100重量%としたときにカルボキシル基を有する構造単位が1重量%未満である重合体、(B)キノンジアジド基含有化合物、(C)溶剤、を含有するポジ型感放射線性樹脂組成物1から得られる下層(レジスト層[I])と、
(D)フェノール性水酸基を有する重合体、(E)キノンジアジド基含有化合物および(F)溶剤を含有するポジ型感放射線性樹脂組成物2から得られる上層(レジスト層[II])とからなる2層積層膜を形成する工程を含むことを特徴としている。
本発明に係るパターン形成方法は、
(a)基板表面に、前記ポジ型感放射性樹脂組成物1から下層(レジスト層[I])を形成した後、前記レジスト[I]上に、前記ポジ型感放射性樹脂組成物2から上層(レジスト層[II])を形成して、2層積層膜を形成する工程と、
(b)前記2層積層膜を、UV光での露光および/または電子線での描画によってパターン露光する工程と、
(c)前記2層積層膜を現像することによって、その現像による2層積層膜除去部分の底部が開口部と比較して大きなアンダーカット形状のレジストパターンを形成する工程と、
(d)前記レジストパターンを形成している2層積層膜を有する基板上前記レジストパターン形成工程(c)を経た2層積層膜表面、および前記開口部に対応した位置の基板表面上に有機薄膜または無機薄膜を蒸着および/またはスパッタする工程と、
(e)前記2層積層膜上に堆積した蒸着膜および/またはスパッタ膜を前記2層積層膜ごと剥離する工程とを備えることが好ましい。
前記ポジ型感放射線性樹脂組成物1において、重合体(A)は、水に不溶であり、アルカリ水溶液に可溶であり、さらに、前記溶剤(F)に不溶または難溶であることが好ましい。
前記ポジ型感放射線性樹脂組成物2において、溶剤(F)が2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノンから選ばれる少なくとも1種および/またはジアルキレングリコールジアルキルエーテルを含有する溶剤であることが好ましい。
前記下層(レジスト層[I])の膜厚は、0.1μm〜3μmの範囲にあり、前記上層(レジスト層[II])の膜厚は、0.1μm〜10μmの範囲にあることが好ましい。
本発明では前記工程(a)に用いられる基板は、本発明の2層積層膜が形成可能であれば、特に制限はないが、Siウェハー、ガラス基板、セラミック基板、プリント配線板、フィルム等またはこれらに加工をほどこした基板が好適に用いられる。 また前記工程(d)の有機薄膜または無機薄膜としては、DLC(Diamond Like Carbon)膜、SiO、SiN、Au、Pd、Ag、Pt、Cu、Cr、Al、Ta、Ni、Cr、TiN,TiC,ITO、TiOなどが上げられる。これらの薄膜の用途としては、配線、電極、抵抗体、絶縁膜、誘電体、反射膜等光学的用途、保護膜などが上げられる。
本発明によれば、1回の露光および現像により断面がアンダーカット形状をした微細レジストパターンを基板上に形成することができ、このレジストパターンを用いたリフトオフ法により、基板上に所望の薄膜(有機あるいは無機薄膜)パターンを形成することができる。
特に本発明は、特定のポジ型感放射線性樹脂組成物1を用いて形成した下層と、特定のポジ型感放射線性樹脂組成物2を用いて形成した上層とからなる2層積層膜を形成するパターン形成方法により、ライン/スペースが10μm/10μm以下のような微細パターンにおいてもアンダーカット形状を制御することが可能なレジストパターン得られる。
ライン/スペースが10μm/10μm以下のようなパターン間が密な微細パターンにおいてもアンダーカットがパターン下部で繋がることなく、適切なアンダーカット形状を制御可能なレジストパターンが、1回の露光および現像で得られ、バリのない製膜層を容
易に形成すること、光学顕微鏡で形状確認が可能なこと、剥離が容易であること等、製造工程上の利点が多いため、本発明をその製造工程に用いることで、被加工物の生産性を向上することができる。
また、本発明によるレジストパターンは、前記工程(d)において蒸着またはスパッタする薄膜が導電性を有するため、半導体、電子部品、ディスプレイパネルの小型化・薄型化に伴い要求される微細加工を要する配線または電極を形成する用途に最適である。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明に係る2層積層膜は、(A)一般式(1)で表される構造単位および一般式(2)で表される構造単位を含有し、構成する全構造単位を100重量%としたときにカルボキシル基を有する構造単位が1重量%未満である重合体、(B)キノンジアジド基含有化合物、(C)溶剤、を含有するポジ型感放射線性樹脂組成物1から得られる下層(レジスト層[I])と、
(D)フェノール性水酸基を有する重合体、(E)キノンジアジド基含有化合物および(F)溶剤を含有するポジ型感放射線性樹脂組成物2から得られる上層(レジスト層[II])とからなることを特徴としている。
まず、本発明に用いられるポジ型感放射線性樹脂組成物1および2について、具体的に説明する。
<下層用ポジ型感放射線性樹脂組成物1(組成物1)>
本発明に用いるポジ型感放射線性樹脂組成物1(以下、単に組成物1ともいう。)は、(A)一般式(1)で表される構造単位および一般式(2)で表される構造単位を含有し、構成する全構造単位を100重量%としたときにカルボキシル基を有する構造単位が1
重量%未満である重合体、(B)キノンジアジド基含有化合物、(C)溶剤、を含有する。
Figure 0004752754
((A)一般式(1)で表される構造単位および一般式(2)で表される構造単位を含有し、構成する全構造単位を100重量%としたときにカルボキシル基を有する構造単位が1重量%未満である重合体)
本発明における(A)一般式(1)で表される構造単位および一般式(2)で表される構造単位を含有し、構成する全構造単位を100重量%としたときにカルボキシル基を有する構造単位が1重量%未満である重合体、(以下、「重合体(A)という。」)は、必
須成分としてモノマーIに由来するフェノール性水酸基を有するラジカル重合性化合物の一般式(1)であらわされる構造単位およびモノマーIIに由来するアルコール性水酸基を有するラジカル重合性化合物の一般式(2)で表される構造単位、さらに、(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、(メタ)アクリル酸アリールエステル類、ジカルボン酸ジエステル類、芳香族ビニル類、共役ジオレフィン類、ニトリル基含有重合性化合物、塩素含有重合性化合物、アミド結合含有重合性化合物、脂肪酸ビニル類等からなるその他のラジカル重合性化合物としてのモノマーIIIに由来する構造単位との炭素−炭素二重結合が開裂して得られる繰り返し単位から構成される。さらに、重合体(A)の1重量%未満の割合で、カルボキシル基を有するラジカル重合性化合物としてモノマーIVに由来する構造単位を含んでもよい。
モノマーIあるいはモノマーIIは、組成物1に適度なアルカリ溶解性と極性を付与することができ、上層膜との僅かなインターミキシングができる極性を付与するために必須である。すなわち、組成物Iを成分として含む下層が、前記加工工程(a)、(b)、(c)に従い、上層と2層積層膜を形成した後、露光、現像した際に、アルカリ性の現像液に対して適度なアルカリ溶解性を有し、所望のアンダーカット形状が希望する現像時間の範囲以内で制御できること、および現像後の脱イオン水等によるリンス工程において実質上溶解しないことが、実使用において重要となる。また適度な極性は、アルカリ現像液に対する親和性、基板との密着性において重要であるが、もっとも重要なことは上層を構成する組成物2を下層の上に形成した際の下層と上層間のインターミキシングを抑制することである。すなわち、下層を構成する組成物Iの極性を高めに設定し、上層を構成する組成物IIの各成分との間に極性の差を設けることでインターミキシングを抑制している。 インターミキシングが過度に進行すると上下層の組成が不均一に交じり合い、アンダーカット形状を設計通りにコントロールすることが困難になり、基板界面に現像残りが発生するようになる。
また上層と下層間でインターミキシングがまったく進行しない場合、上層下層間に界面が形成される、現像した際に界面で上層が剥離するかあるいは、現像が界面でのみ著しく進行してしまい、アンダーカット形状のコントロールが困難となる。
(モノマーI)
フェノール性水酸基を有する一般式(1)の構造単位となるラジカル重合性化合物のモノマーIとして、具体的には、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシスチレン、α−メチル−p−ヒドロキシスチレン、α−メチル−m−ヒドロキシスチレン、α−メチル−o−ヒドロキシスチレン、4−イソプロペニルフェノール、2−アリルフェノール、4−アリルフェノール、2−アリル−6−メチルフェノール、2−アリル−6−メトキシフェノール、4−アリル−2−メトキシフェノール、4−アリル−2,6−ジメトキシフェノール、4−アリルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられる。これらの化合物は、単独で、または2種以上組み合わせて使用できる。これらの中では、p−ヒドロキシスチレン、4−イソプロペニルフェノール等が好ましい。
(モノマーII)
アルコール性水酸基を有する一般式(2)の構造単位となるラジカル重合性化合物のモノマーIIとして、具体的には、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のヒドロキシルアルキルエステル類や、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類で重合後加水分解することによりアルコール性水酸基を生じるもの等が挙げられる。これらの化合物は、単独で、または2種以上組み合わせて使用できる。これらの中では、ヒドロキシアルキルエステル類が好ましく、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート等がより好ましい。
(モノマーIII)
モノマーIIIは、主として重合体の機械的特性を適度にコントロールする目的であり、
また、重合体のガラス転移温度をコントロールする目的で使用する。
モノマーIIIは、モノマーIとモノマーII以外のモノマーで、カルボキシル基を含まないモノマーである。具体的には、(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、(メタ)アクリル酸アリールエステル類、ジカルボン酸ジエステル類、芳香族ビニル類、共役ジオレフィン類、ニトリル基含有重合性化合物、塩素含有重合性化合物、アミド結合含有重合性化合物、脂肪酸ビニル類等が挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート等;
前記(メタ)アクリル酸アリールエステルとして、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等;
前記ジカルボン酸ジエステルとして、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等;
前記芳香族ビニル類として、スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メトキシスチレン等;
前記共役ジオレフィン類として、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,4−ジメチルブタジエン等;
前記塩素含有重合性化合物として、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有重合性化合物;塩化ビニル、塩化ビニリデン等;
前記アミド結合含有重合性化合物として、アクリルアミド、メタクリルアミド等;
前記脂肪酸ビニル類として酢酸ビニル等;
等が挙げられる。これらの化合物は単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中では、アクリル酸アルキルエステル、特にn−ブチルアクリレート等が好ましい。
(モノマーIV)
モノマーIVは、カルボキシル基を有する構造単位となるラジカル重合性化合物のモノマーであり、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、およびクロトン酸等のモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等のジカルボン酸;2−マレイノロイルオキシエチルメタクリレート、2−サクシノロイルオキシエチルメタクリレート、2−ヘキサヒドロフタロイルエチルメタアクリレート等のカルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸誘導体等が挙げられる。
これらの化合物は、単独で、または2種以上組み合わせて使用できる。本発明の重合体(A)はモノマーIVを含まないことがアルカリによる現像速度をコントロールすることが容易となり任意のアンダーカット形状が得られるため好ましい。
このように本発明に用いられる重合体(A)は、必須の前記モノマーIおよびモノマーIIと、さらにモノマーIII、必要に応じて1重量%未満の割合でモノマーIVとをラジカル重合することによって得られる(共)重合体である。これら(共)重合体の中でも、前記モノマーIとモノマーIIとモノマーIIIとをラジカル重合することによって得られる共重合体であることが好ましい。
前記重合体(A)が、前記モノマーIとモノマーIIとモノマーIIIとをラジカル重合することによって得られる共重合体である場合には、各モノマーの構成単位含有量は、
モノマーI単位含有量が、通常20〜70重量%、好ましくは、35〜55重量%であり
モノマーII単位含有量が、通常5〜60重量%、好ましくは15〜40重量%であり、モノマーIII単位含有量が、通常5〜50重量%、好ましくは5〜40重量%である。
モノマー単位含有量とは、前記重合体(A)を100とした場合に含まれるモノマー単位の含有割合で重量割合のことをいう。
また、前記重合体(A)が、前記モノマーI、モノマーII、モノマーIII、モノマーIVとをラジカル重合することによって得られる共重合体である場合には、
モノマーI単位含有量が、通常20〜70重量%、好ましくは、35〜55重量%であり

モノマーII単位含有量が、通常5〜60重量%、好ましくは15〜40重量%、であり、
モノマーIII単位含有量が、通常5〜50重量%、好ましくは5〜40重量%、であり、
モノマーIV単位含有量が1重量%未満である。
重合体(A)としてはモノマーIV単位含有量が0重量%であることが好ましい。
重合体(A)を合成する際に用いられる重合溶媒としては、アルコール類、環状エーテル類、多価アルコールのアルキルエーテル類、多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類、芳香族炭化水素類、ケトン類、エステル類が挙げられる。
具体的に、前記アルコール類として、メタノール、エタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等;
前記環状エーテル類として、テトラヒドロフラン、ジオキサン等;
前記多価アルコールのアルキルエーテル類として、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等;
前記多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類として、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート等;
前記芳香族炭化水素類として、トルエン、キシレン等;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、ジアセトンアルコール等のケトン類;
前記エステル類として、酢酸エチル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等;
が挙げられる。
これらのうち、環状エーテル類、多価アルコールのアルキルエーテル類、多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類、ケトン類、エステル類等が好ましい。
また、ラジカル重合における重合触媒としては、通常のラジカル重合開始剤が使用でき、たとえば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物;ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1′−ビス−(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物および過酸化水素等を挙げることができる。なお、過酸化物をラジカル重合開始剤に使用する場合には、還元剤を組み合わせてレドックス型の開始剤としても良い。
また、前記重合体(A)の分子量は、得られる感放射線性樹脂組成物1を用いて形成する下層(レジスト層[I])における現像性、密着性等の観点から、重量平均分子量(本明細書における重量平均分子量は、すべてGPC法によるポリスチレン換算値である。)が2000〜100000であることが好ましく、5000〜50000の範囲にあることがより好ましい。重量平均分子量が2000未満であると、現像時間が短すぎ、一方、100000を超えると現像時間が長すぎ、解像性が著しく低下する傾向にある。
また、重合体(A)は、現像性および望ましいアンダーカット構造のレジストパターンを形成する点から水に不溶であり、アルカリ水溶液に可溶であることが好ましい。さらに、下層(レジスト層[I])上に、上層(レジスト層[II])を積層する際に、これらの混合層の発生を防止する点から、後述する溶剤(F)に不溶または難溶であることが好ましい。
ここで、水に不溶とは、重合体(A)が水に対して実質的に溶解しないことを意味するが、具体的には25℃の水100gに対して、0.1g以下の量で溶解してもよい。
また、アルカリ水溶液に可溶であるとは、好適にアルカリ現像可能であることを意味するが、具体的にはアルカリ水溶液、たとえば、25℃のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.38重量%水溶液100gに対して、重合体(A)が、好ましくは5g以上溶解する。このような重合体(A)を用いることにより、適度なアルカリ溶解性と、上層との僅かなインターミキシングができる極性を有することができ、ライン/スペース=10
μm/10μm以下の微細配線を形成する際にも、アンダーカットを、2〜3μmで制御
することが出来る。ここで、前記アルカリ水溶液を構成するアルカリ類は、特に限定されないが、現像液を構成するアルカリ類として後述するものが挙げられる。
さらに、溶剤(F)に不溶または難溶とは、後述する溶剤(F)に対して重合体(A)が実質的に溶解しないこと、または溶解してもごく微量であることを意味するが、具体的には、後述する溶剤(F)、たとえば、25℃の2−ヘプタノン100gに対して、重合体(A)が0.1g以下の量で溶解してもよい。
((B)キノンジアジド基含有化合物)
キノンジアジド基含有化合物は、感光剤として現像時に2層レジスト膜のアンダーカット部分の後退量Wが0μmになる現像時間(t1)と10μmになる現像時間(t2)の差(t2−t1)が実際の製造工程で問題にならない程度に長いこと、例えば20秒以上を確保するために添加する。なお、ここで、アンダーカット部分の後退量Wとは、図2に示すように、現像による2層積層膜除去部分の底部が開口部と比較して大きいアンダーカット形状の領域のうち、下層2に由来し最も広く後退した領域から上層3に由来し開口部の最も狭い領域を引いた領域を意味する。
前記キノンジアジド基含有化合物としては、ポリヒドロキシベンゾフェノン類、ビス[(ポリ)ヒドロキシフェニル]アルカン類、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン類またはそのメチル置換体、ビス(シクロヘキシルヒドロキシフェニル)ヒドロキシフェニルメタン類またはそのメチル置換体、あるいは、4,4'−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ジフェノールや7−ヒドロキシ−4−(4'−ヒドロキシフェニル)−2−メチル−2−(2',4'−ジヒドロキシ)フェニルクマロン、あるいは、ノボラック樹脂、ピロガロール−アセトン樹脂、p−ヒドロキシスチレンのホモポリマーまたはこれと共重合しうるモノマーとの共重合体、あるいは、水酸基またはアミノ基を有する化合物等;と、
キノンジアジド基含有スルホン酸またはナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリド等;との完全エステル化合物、部分エステル化合物、アミド化物または部分アミド化物等を挙げることができる。
具体的には、前記ポリヒドロキシベンゾフェノン類として、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,4'−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリヒ
ドロキシベンゾフェノン、2,3,6−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシ−2'−メチルベンゾフェノン、2,3,4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3',4,4',6−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,2',3,4,4'−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,2',3,4,5−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,3',4,4',5',6−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、2,3,3',4,4',5'−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン等;または
前記ビス[(ポリ)ヒドロキシフェニル]アルカン類として、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,4−
ジヒドロキシフェニル)−2−(2',4'−ジヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(2',3',4'−トリヒドロキシフェニル)プロパン等;または
前記トリス(ヒドロキシフェニル)メタン類またはそのメチル置換体として、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン等;または
前記ビス(シクロヘキシルヒドロキシフェニル)ヒドロキシフェニルメタン類またはそのメチル置換体として、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン等;または
4,4'−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェ
ニル]エチリデン]ジフェノール;
7−ヒドロキシ−4−(4'−ヒドロキシフェニル)−2−メチル−2−(2',4'−ジヒドロキシ)フェニルクマロン;または
ノボラック樹脂、ピロガロール−アセトン樹脂、p−ヒドロキシスチレンのホモポリマ
ーまたはこれと共重合しうるモノマーとの共重合体;または
前記水酸基またはアミノ基を有する化合物として、フェノール、p−メトキシフェノール、ジメチルフェノール、ヒドロキノン、ナフトール、ピロカテコール、ピロガロール、ピロガロールモノメチルエーテル、ピロガロール−1,3−ジメチルエーテル、没食子酸、アニリン、p−アミノジフェニルアミン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン等;等と、
キノンジアジド基含有スルホン酸として、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホン酸、ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホン酸、オルトアントラキノンジアジドスルホン酸等;またはナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリド等との完全エステル化合物、部分エステル化合物、アミド化物または部分アミド化物等を挙げることができる。
本発明で使用される下層用ポジ型感放射線性樹脂組成物1は、前記のキノンジアジド基含有化合物を単独で含有してもよいし、2種以上を含有してもよい。
これらのうちでは、4,4'−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−
メチルエチル]フェニル]エチリデン]ジフェノール1モルと、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリド1.0モルとのエステル化反応生成物が好ましい。
また(B)キノンジアジド基含有化合物は、前記(A)ラジカル重合体100重量部に対して、通常1〜40重量部、好ましくは5〜30重量部、より好ましくは5〜20重量部の範囲で配合される。この配合量が5重量部未満では未露光部と露光部とのアルカリ溶解速度に差がつきにくく、40重量部を超えると得られるレジスト膜[I]の基板に対する密着性が低下する場合がある。
((C)溶剤)
組成物1に用いられる(C)溶剤として、具体的には、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等を挙げることができる。さらに、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等の高沸点溶剤を添加することもできる。これらの溶剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらのうちでは、2−ヒドロキシプロピオン酸エチルが好ましい。
これらの溶剤は、得られる組成物1を基板上にスピンコート法で塗布する場合は、5μm以下に塗布する場合には、組成物1の固形分濃度は、通常1重量%〜50重量%、好ましくは5重量%〜25重量%になる範囲で使用される。すなわち、前記重合体(A)およびキノンジアジド基含有化合物(B)の合計100重量部に対して、前記溶剤は、通常100〜10000重量部、好ましくは300〜2000重量部の量で使用される。
((G)界面活性剤)
前記組成物1には、塗布性、消泡性、レベリング性等を向上させる、塗布直後の塗膜の
ひけを抑制する目的で界面活性剤を配合することもできる。前記ポジ型感放射線性樹脂組成物1において、界面活性剤(G)が有機変性ポリシロキサンを含有することで特にスリットコーターを用いた塗布性が著しく向上する。スリットコーターで一旦塗膜が基板に塗布された後に、塗膜端部から中央部にレジストが移動する、いわゆる“ヒケ”が、有機変性ポリシロキンを使用することで解消することができる。界面活性剤としては、たとえばBM−1000、BM−1100(BM ケミー社製)、メガファックF142D、同F172、同F173、同F183(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431(住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145(旭硝子(株)製)、SH−28PA、同−190、同−193、SZ−6032、SF−8428(東レシリコーン(株)製)、NBX−15(ネオス(株)製)等の名称で市販されているフッ素系界面活性剤、KL−245、KL−270(共栄社化学(株)製)、SH28PA(東レ・ダウコーニング社製)等の名称で市販されているシリコン系界面活性剤またノニオンS−6、ノニオン0−4、プロノン201、プロノン204(日本油脂(株)製)、エマルゲンA−60、同A−90、同A−500(花王(株)製)、KL−600(共栄社化学(株)製)等の名称で市販されているノニオン系界面活性剤を、1種または2種以上使用することができる。これらのうち、有機変性ポリシロキサンであるKL−245、KL−270が好ましい。
これらの界面活性剤は、前記(A)ラジカル重合体100重量部に対して、好ましくは通常、5重量部以下、好ましくは0.01〜2重量部の量で使用される。
(その他の成分)
前記組成物1は、その他の成分として、以下のものを含有してもよい。
(多核フェノール化合物)
本化合物は、組成物2の必須成分ではないが、添加することでアルカリ溶解性が向上し、レジストパターンの形状をコントロールすることができる。ここで多核フェノール化合物とは、独立に存在するベンゼン環を2個以上有し、かつ、該ベンゼン環の一部に水酸基が結合したフェノール性水酸基を1分子中に2個以上有する化合物を意味する。具体的には、たとえば、4,4'−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ジフェノール、2,2−ビス(1,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチルエステル、4,6−ビス〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル〕−1,3−ベンゼンジオール等が挙げられる。
これらの多核フェノール化合物は、重合体(A)100重量部に対して、通常1〜30重量部、好ましくは5〜20重量部の量で使用される。
<上層用ポジ型感放射線性樹脂組成物2(組成物2)>
本発明に用いられる上層用ポジ型感放射線性樹脂組成物2(以下、単に組成物2ともいう。)は、(D)フェノール性水酸基を有する重合体、(E)キノンジアジド基含有化合物、(F)溶剤からなり、必要に応じて(H)他の成分として、水酸基および/またはカルボキシル基を有するラジカル重合体や界面活性剤等の添加剤を含有する組成物であることが望ましい。
((D)フェノール性水酸基を有する重合体)
フェノール性水酸基を有する重合体としては、以下に示すノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレンおよびその誘導体が挙げられる。これらは単独で使用することもできるが、混合して使用してもよい。
(ノボラック樹脂)
本発明において用いられるノボラック樹脂はアルカリ可溶であり、m−クレゾールと他の1種以上のフェノール類とをアルデヒド化合物と縮合して得られる樹脂であって、m−クレゾールの割合が全フェノール類中の40〜90モル%であるノボラック樹脂である。
ノボラック樹脂の原料に用いられる前記他のフェノール類としては、具体的には、たとえば、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノールおよび2,3,5−トリメチルフェノール等を挙げることができる。これらは、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
これらのうちでは、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、3,4−キシレノールおよび2,3,5−トリメチルフェノールを好ましく挙げることができる。
また、m−クレゾールと他の1種以上のフェノール類との好ましい組み合わせとしては、m−クレゾール/2,3−キシレノール、m−クレゾール/2,4−キシレノール、m−クレゾール/2,3−キシレノール/3,4−キシレノール、m−クレゾール/2,3,5−トリメチルフェノールおよびm−クレゾール/2,3−キシレノール/2,3,5−トリメチルフェノール等を挙げることができる。
また、縮合させるアルデヒド化合物としては、たとえばホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、グリオキサール、グルタルアルデヒド、テレフタルアルデヒド、イソフタルアルデヒド等を挙げることができる。これらのうち、特に、ホルムアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒドを好適に用いることができる。
これらのアルデヒド類も単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。このようなアルデヒド化合物を、フェノール類1モルに対し、好ましくは0.4〜2モル、
より好ましくは0.6〜1.5モルの量で使用する。
フェノール類とアルデヒド化合物との縮合反応には、通常、酸性触媒が使用される。この酸性触媒としては、たとえば塩酸、硝酸、硫酸、ギ酸、シュウ酸、酢酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等を挙げることができる。このような酸性触媒は、通常、フェノール類1モルに対し、1×10-5〜5×10-1モルの量で使用できる。
縮合反応においては、通常、反応媒質として水が使用されるが、反応初期から不均一系になる場合は、反応媒質としてたとえばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類、エチルメチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン等のケトン類を用いることができる。これらの反応媒質は、通常、反応原料100重量部当り、20〜1,000重量部の量で使用される。
縮合反応の温度は、原料の反応性に応じて、適宜調整することができるが、通常10〜200℃である。
反応方法としては、フェノール類、アルデヒド化合物、酸性触媒等を一括して仕込む方法、および酸性触媒の存在下にフェノール類、アルデヒド化合物等を反応の進行とともに加えていく方法等を適宜採用することができる。
縮合反応終了後は、系内に存在する未反応原料、酸性触媒、反応媒質等を除去するために、反応温度を130℃〜230℃に上昇させ、減圧下で揮発分を除去し、ノボラック樹脂を回収する方法や、得られたノボラック樹脂をエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、乳酸エチル、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、ジオキサン、メタノール、酢酸エチル等の良溶媒に溶解したのち、水、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の貧溶媒を混合し、次いで、析出する樹脂溶液層を分離し、高分子量のノボラック樹脂を回収する方法もある。
また、前記ノボラック樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という。)は、組成物2を製膜する際の作業性、レジストとして使用する際の現像性、感度および耐熱性の点から、2,000〜20,000であることが好ましく、3,000〜15,000であることが特に好ましい。
(ポリヒドロキシスチレン)
本発明に用いることができるポリヒドロキシスチレン類としては、マルカリンカーM,マルカリンカーCMM、マルカリンカーCHM、マルカリンカーMB、マルカリンカーPHM−C、マルカリンカーCST、マルカリンカーCBA(丸善石油化学(株)製)等の名称で市販されている樹脂が挙げられる。
((E)キノンジアジド基含有化合物)
(E)キノンジアジド基含有化合物としては、下層用ポジ型感放射線性樹脂組成物1(組成物1)で記述した(B)キノンジアジド基含有化合物と同様のものが使用できる。
(E)キノンジアジド基含有化合物として、好ましい組み合わせとしては、
4,4'−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェ
ニル]エチリデン]ジフェノール1.0モルとナフトキノン−1,2−ジアジド−5−ス
ルホニルクロリド2.0モルとのエステル化反応生成物、
7−ヒドロキシ−4−(4'−ヒドロキシフェニル)−2−メチル−2−(2'、4'−ジヒドロキシ)フェニルクマロン1.0モルとナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニ
ルクロリド2.0モルのエステル化反応生成物が挙げられる。
本発明で使用される上層用ポジ型感放射線性樹脂組成物2は、前記キノンジアジド基含有化合物を単独で含有してもよいし、2種以上を含有してもよい。
このキノンジアジド基含有化合物は、前記(E)フェノール性水酸基を有する重合体100重量部に対して、通常5〜60重量部、好ましくは10〜50重量部、より好ましくは15〜35重量部の範囲で配合される。この配合量が5重量部未満では未露光部と露光部とのアルカリ溶解速度に差がつきにくく、60重量部を超えると形成されるレジスト膜[II]の均質性が低下し、解像性が劣化する傾向がみられる。
((F)溶剤)
溶剤(F)としては、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノンから選ばれる少なくとも1種および/またはジアルキレングリコールジアルキルエーテルを含有する溶剤である。
これらのうち、下層(レジスト層[I])上に、上層(レジスト層[II])を積層する時に双方の混合層の発生を防止する点からは、重合体(A)が不溶または難溶である溶剤が好ましく、具体的には、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノンから少なくとも1種および、ジアルキレングリコールジアルキルエーテルを使用することが好ましい。ジアルキレングリコールジアルキルエーテルを使用することで、以下で説明するスッリトコーターで塗布する際にノズルの先端で溶剤が乾燥し、ノズル詰まりが発生するのを防止することができる。
これらの溶剤は、得られた組成物2を基板上にスピンコート法で5μm以下に塗布する場合には、組成物2の固形分濃度は、好ましくは通常、1重量%〜50重量%、好ましくは5重量%〜30重量%になる範囲で使用される。すなわち、前記(D)フェノール性水酸基を有する重合体および(E)キノンジアジド基含有化合物の合計100重量部に対して、前記溶剤は通常100〜2000重量部、好ましくは150〜900重量部の量で使用される。
また得られた組成物2を基板上にスリットコーターにて5μm以下に塗布する場合は、
組成物2の固形分濃度は、好ましくは通常、2重量%〜50重量%、好ましくは10重量%〜30重量%になる範囲で使用される。すなわち、前記(D)フェノール性水酸基を有する重合体および(E)キノンジアジド基含有化合物の合計100重量部に対して、前記溶剤は通常100〜5000重量部、好ましくは230〜900重量部の量で使用される。
((H)その他の成分)
前記組成物2は、その他の成分として、以下のものを含有してもよい。
(多核フェノール化合物)
本化合物は、組成物2の必須成分ではないが、添加することでアルカリ溶解性が向上し、レジストパターンの形状をコントロールすることができる。多核フェノール化合物としては組成物1と同様のものを用いることができる。
これらの多核フェノール化合物は、(D)フェノール性水酸基を有する重合体100重量部に対して、通常1〜30重量部、好ましくは5〜20重量部の量で使用される。
(界面活性剤)
界面活性剤としては、下層用ポジ型感放射線性樹脂組成物1(組成物1)で記述した界面活性剤(G)と同様のものが使用できる。
このような界面活性剤は、前記(D)フェノール性水酸基を有する重合体100重量部に対して、好ましくは5重量部以下、より好ましくは0.01〜2重量部の量で使用される。
次に、本発明に係る2層積層膜およびこれを用いたパターン形成方法について説明する。
<2層積層膜およびこれを用いたパターン形成方法>
本発明に係る2層積層膜は、前記ポジ型感放射線性樹脂組成物1から形成された下層(レジスト層[I])と、前記ポジ型感放射線性樹脂組成物2から形成された上層(レジスト層[II])とからなり、
本発明に係るパターン形成方法は、前記2層積層膜を形成する工程を含むことを特徴としているため、該パターン形成方法とあわせて、本発明に係る2層積層膜について、以下に説明する。
すなわち、図1を参照して説明すると、本発明に係るパターン形成方法は、基板1表面に、ポジ型感放射線性樹脂組成物1(組成物1)から下層(レジスト層[I])(図1では下層2)を形成した後(a-1)、ポジ型感放射線性樹脂組成物2(組成物2)からなる上層(レジスト層[II])(図1では上層3)をその上に形成して(a−2)、2層積層膜を形成する工程(a)と、
前記積層膜をUV光にてマスクMを介した露光および/または電子線での描画によって
パターン露光する工程(b)と、
前記積層膜を現像することによりその現像による積層膜除去部分の底部が開口部と比較して大きなアンダーカット形状のレジストパターンを形成する工程(c)と、
前記レジストパターン形成工程(c)を経た積層膜表面、および前記開口部に対応した位置の基板表面上に有機あるいは無機薄膜4a,4bを蒸着および/またはスパッタする工程(d)と、
前記積層膜上に堆積した蒸着および/またはスパッタ膜4aを前記積層膜、すなわち下層2,上層3ごとリフトオフする工程(e)とを具備している。
前記工程(a)において、本発明に係る2層積層膜が形成される。ここで、ポジ型感放射線性樹脂組成物1とポジ型感放射線性樹脂組成物2との組み合わせを選択することで、該2層積層膜の形成方法としては、組成物1、2それぞれを液状のレジストとして基板に
塗布する方法としてスピンコート法、スリットコート法、ロールコート法、スクリーン印刷法、アプリケーター法などが挙げられる。また組成物1あるいは2を支持フィルム上に塗布/乾燥して、転写する方法も可能である。これらの方法は、それぞれ単独で用いても良いし、組み合わせて実施しても良い。
このようにして得られた前記下層(レジスト層[I])の膜厚は、レジスト膜の膜厚制御と、蒸着および/またはスパッタ膜の寸法制御の点から、0.1〜3μmであることが好ましく、さらに0.3〜2μmの範囲であることがより好ましい。下層の膜厚が0.1μm未満の場合には、膜厚制御が困難となり、ピンホールが発生する恐れがある。下層の膜厚が3μmを超える場合には、蒸着および/またはスパッタの際にアンダーカット部での拡散が顕著となり、蒸着および/またはスパッタ膜パターンの寸法制御が困難となることがある。
また、得られた前記上層(レジスト層[II])の膜厚は、蒸着および/またはスパッタ工程での熱変形パターニング特性との点から、0.1〜10μmであることが好ましい。
上層の膜厚が1μm未満の場合、蒸着および/またはスパッタ工程で上層表面が加熱されアンダーカット上部が熱ダレして垂れ下り、基板表面に触れる恐れがでてくる。上層の膜厚が20μmを超える場合には、パターニング時間が長くなり、蒸着および/またはスパッタ膜パターンの寸法制御が困難になることがある。
なお、前記工程(a)において、下層2と上層3とを製膜した際に、下層2と上層3との混合層が発生すると、現像後にアンダーカット部分の基板面に現像残渣が発生する不具合が生じ易くなる。その一方で、両層がまったく混合せず両層の間に界面が存在する場合には、現像時に現像液がこの界面にそって浸透し、下層2の水平方向の現像速度が速くなり、アンダーカットの水平方向のサイズをコントロールすることが困難となる。この混合層を防止する手段として水溶性有機物を中間層として使用する事も可能であるが、加工工程が増える上、中間層の膜厚変化により適正な現像時間がシフトし、結果としてレジストの開口寸法にばらつきがでてしまう等の不具合が発生しやすい。これらの理由から下層2と上層3に用いる材料は、適度なインターミキシングが進行する組み合わせであることが好ましい。
また、本発明に係る2層積層膜では、続く工程(c)において、前記積層膜に、現像による積層膜除去部分の底部が開口部と比較して大きなアンダーカット形状のレジストパターンを形成する点から、下層2(レジスト層[I])の方が上層3(レジスト層[II])よりも、同一現像液に対する溶解速度、すなわち、アルカリ水溶液に対する溶解速度が速いことが好ましい。
さらに、引き続く工程(d)、すなわち、前記レジストパターン形成工程(c)を経た2層積層膜表面、および前記開口部に対応した位置の基板表面上に有機あるいは無機薄膜4a,4bを蒸着および/またはスパッタする工程においては、積層膜表面が加熱される。このとき上層3の耐熱性が充分でない場合および/または、アンダーカット部分の後退量Wが大きい場合には、熱だれして周辺部分が垂れ下がり、蒸着および/またはスパッタした有機薄膜あるいは無機薄膜4bにバリが発生する原因となる。
したがって、上層3に用いるポジ型感放射線性樹脂組成物2は、この工程(d)に支障がでないような耐熱性を有することが好ましく、下層2および上層3は、現像時にアンダーカット部分の後退量Wを充分コントロールできるだけの現像時間に対するマージンを有する事が好ましい。 なお、アンダーカット部分の後退量Wとは、前述したように、図2に示すように現像による積層膜除去部分の底部が開口部と比較して大きいアンダーカット状の領域のうち、下層2に由来し最も広く後退した領域から上層3に由来し開口部の最も狭い領域を引いた領域を意味する。
このように本発明における組成物1と組成物2の組み合わせは、上記条件を満足する組み合わせであることが好ましい。
以下、図1に基づいて、本発明に係るパターン形成方法を各工程ごとにさらに具体的に説明する。
(工程(a))
まず図1(a−1)に示すように下層材である組成物1を用いて基板表面に下層(レジスト層[I](図1では下層2))を形成する方法であるが、基板表面が比較的平坦な場合は、組成物1(固形分量:5〜50重量%)を、スピンコート法あるいはスリットコート法によって、基板1に塗布し、塗布後、塗膜(下層2)を有する基板1を200℃以下、より好ましくは70〜130℃で乾燥することにより、下層2を形成することができる。
基板1表面に凹凸がある場合には、下層(レジスト層[I])の均一性を確保する目的でPET(ポリエチレンテレフタレート)等の基材上にスピンコートした後、クリーンオーブン等でベークすることで転写フィルム化した後、ラミネーターを用いて基板1に下層(レジスト層[I])をラミネートすることで、下層2を形成することができる。なお、この際、ラミネートする条件は基板1の材質等に応じて調整する。
次いで、図1(a−2)に示すように上層材である組成物2を用いて、下層(レジスト層[I])上に上層(レジスト層[II])を形成する。形成方法としては、たとえば、組成物2を下層(レジスト層[I](図1では下層2))上に、スピンコート法によって塗布した後、200℃以下、より好ましくは70〜130℃で乾燥して上層(レジスト層[II](図1では上層3))を形成する方法が好ましく挙げられる。
なお、組成物2をPET等の基材上にフィルム化した後、ラミネーターを用いて下層(レジスト層[I](図1では下層2))上にラミネートする方法で、上層(レジスト層[II](図1では上層3))を形成してもよく、またPET等の基材上に下層材、上層材の順にフィルム化した後、ラミネーターを用いて基板1にラミネートすることにより、下層2と上層3を一度に形成してもよい。
(工程(b))
次いで、所定のマスクMを介して、下層2および上層3からなる積層膜に、放射線を照射し、パターン露光を行う。これらの放射線の線源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、アルゴンガスレーザー等を用いることができる。ここで放射線とは、紫外線(UV光)、可視光線、遠紫外線、X線、電子線等を意味する。これらのうちでは、操作性の点からUV光、電子線が好ましい。パターン露光の際には、前記放射線を、前記積層膜に、好ましくは100〜1500mJ/cm2、より好ましくは100〜500mJ/cm2の露光量となるように照射する。
(工程(c))
露光後の積層膜を、アルカリ現像液を用いて、浸漬法、パドル法、シャワー法に従って現像処理することで、積層膜の露光部を選択的に溶解除去し、図1(c)に示すような所望のレジストパターンを得ることができる。前記レジストパターンは、現像による積層膜除去部分の底部が開口部に比較して大きなアンダーカット形状となる。
ここで現像液としては、たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロ
ピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノナン等のアルカリ類の水溶液を使用することができる。
また、上記アルカリ類の水溶液にメタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。現像処理後の基板およびレジストパターンに対して、水等を用いてリンス処理を施し、さらに乾燥させる。
なお、上述したような工程以外に他の工程が付加されても何等差し支えない。たとえば、下層2の下地として平坦化工程、基板1あるいは下地と下層2との密着性向上のための前処理工程、下層2と上層3との混合をコントロールするための中間層形成、積層膜の現像前の濡れ性向上を目的としたプリウェット処理、現像後に実施するポストベーク工程等を適宜ほどこすことができる。
本発明で用いる組成物1およびこれからなる下層(レジスト層[I])、組成物2およびこれからなる上層(レジスト層[II])は、アルカリ溶解性が極めて良好であり、さらに、同一現像液に対して、下層(レジスト層[I])の溶解速度の方が上層(レジスト層[II])の溶解速度よりも速く、且つ溶解速度をコントロールすることができるため高い再現性をもって寸法安定性に優れたアンダーカット形状のレジストパターンを形成することができる。
また、このアンダーカット構造のレジストパターンは、光学顕微鏡による観察で形状を確認することが可能であり、レジストの剥離が容易であるため、所望のアンダーカット形状が得られなかった場合には、レジストを剥離し、再度パターニングすることができる。
(工程(d))
次に、得られたアンダーカット形状のレジストパターンを用いて、図1(d)に示すように薄膜4aおよび4b(有機薄膜あるいは無機薄膜)を蒸着および/またはスパッタにより形成する。得られる有機薄膜あるいは無機薄膜の厚さに特に制限はないが、これらの形状をコントロールする点からは、無機薄膜あるいは有機薄膜の厚さは、下層2の膜厚よりも薄い方が好ましい。
また、蒸着および/またはスパッタ方法により、得られる薄膜の垂直方向に異方性が生じるため、薄膜4bの形状制御には、上層3のポジ型レジスト開口寸法と、下層2の膜厚の調整が重要となる。前記蒸着および/またはスパッタ方法としては、たとえば、真空蒸着、スパッタリング等のPVD(物理的気相堆積)が挙げられる。
(工程(e))
次に、前記工程(d)で形成した薄膜4aおよび4bのうち、積層膜上に形成した部分4aを前記積層膜ごと剥離し、目的とする薄膜パターン4bを得る。
薄膜4aおよび4b形成後のレジストパターンの剥離には、ポジ型レジストの剥離に一般に用いられる溶剤がそのまま使用することができる。すなわち、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、アセトン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メ
チルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等を挙げることができる。さらに、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等の高沸点溶剤を使用することもできる。
前記レジストパターンの剥離は、室温でも可能であるが、温度を上げることにより剥離性能を向上することができる。
また、剥離前にレジストパターンを有する基板を、UV光で全面露光して、上層と下層、または、上層に含有されるキノンジアジド基含有化合物を分解させ、剥離を容易にすることができる。この場合には、剥離液としてエチルアルコール、イソプロピルアルコール等の腐食性がほとんどみられない溶剤、または上述した現像液中に、室温でディップするだけで剥離が可能である。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、特にことわりの無い限り、部は重量部、%は重量%を示す。
(調製例)
組成物1および組成物2の調製
以下の(A)〜(H)成分を用いて、組成物1(下層用組成物(1−1)〜(1−7))および組成物2(上層用組成物(2−1)〜(2−2))を調製した。それぞれを表2および表3に示す。
<(A)重合体>
(重合体A−1の合成):
ドライアイス/メタノール環流器と温度計の付いたフラスコを窒素置換した後、重合開始剤として2,2′−アゾビスイソブチロニトリル3.0g、溶媒として2−ヒドロキシプロピオン酸エチルを150g仕込み、重合開始剤が溶解するまで攪拌した。引き続いて、4−イソプロペニルフェノール(モノマーa1)44g、2ーヒドロキシエチルアクリレート(モノマーb1)24g、n−ブチルアクリレート(モノマーd1)32g、を仕込んだ後、ゆるやかに攪拌を始めた。その後、溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度で3時間重合を行った。次いで重合開始剤として2,2′−アゾビスイソブチロニトリル1.5gを添加し、さらに70℃で3時間重合を継続した。その後、室温まで放冷し、フラスコ内を空気で置換した後、p−メトキシフェノール150mgを加えた。反応生成物を多量のメタノールに滴下して反応物を凝固させた。この凝固物を水洗後、凝固物と同重量のテトラヒドロフランに再溶解し、多量のメタノールで再度凝固させた。この再溶解−凝固操作を計3回行った後、得られた凝固物を40℃で48時間真空乾燥し、ラジカル重合体A−1を得た。表1に示す。
Figure 0004752754
(重合体A−2〜A−12の合成):
上記A−1において、モノマー種を表1に記載のものを使用した以外は同一の手順で合成を実施し、ラジカル重合体A−2〜A−12を得た。表1に示す。
<(B)キノンジアジド基含有化合物>
B−1:4,4'−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル
]フェニル]エチリデン]ジフェノール1モルと、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリド1.0モルとのエステル化反応生成物。
<(C)、(F)溶剤>
溶剤として、以下のものを用いた。
MAK:2−ヘプタノン
EDM:ジエチレングリコールメチルエチルエーテル
EL:2−ヒドロキシプロピオン酸エチル
BAcO:酢酸ブチル
<(G)界面活性剤>
G−1:KL−270(共栄社製) 有機変性ポリシロキサン
G−2:NBX−15(ネオス(株)製) ジグリセリンEO付加物ペルフルオロノネニルエーテル
G−3:SF−8428(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)
<(D)フェノール性水酸基を有する重合体の合成>
D−1:m−クレゾールと2,3−キシレノールと3,4−キシレノールを重量比80:10:10の割合で混合し、これにホルマリンを加え、シュウ酸触媒を用いて常法により縮合してクレゾールノボラックを得た。この樹脂に対して分別処理を施し、低分子領域をカットして重量平均分子量10、000のノボラック樹脂D−1を得た。
<(E)キノンジアジド基含有化合物>
E−1:4,4'−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル
]フェニル]エチリデン]ジフェノール1モルと、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリド1.0モルとのエステル化反応生成物。
<(H)多核フェノール化合物>
H−1:4,4'−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル
]フェニル]エチリデン]ジフェノール
<組成物1(下層用組成物(1−1)〜(1−13))の調製>
(組成物(1−1)(の調製)
上記ラジカル重合体A−1を100部、キノンジアジド基含有化合物B−1を10部、界面活性剤G−1を0.2部、それにその他の成分(H)としてH−1:4,4'−[1
−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ジフェノール10部、ELを1500部添加し溶解した後、孔径1μmのメンブレンフィルターを用いてろ過し、組成物(1-1)を調製した。表2に示す。
(組成物(1−2)〜(1−13)の調製)
表2に示す材料を用いて組成物(1−1)と同様の手順で調製した。
<組成物2(上層用組成物(2−1)〜(2−4))の調製>
(組成物(2−1)の調製)
D−1を90部、キノンジアジド基含有化合物E−1を25部、その他の成分としてH−1:4,4'−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]
フェニル]エチリデン]ジフェノールを15部、G−3:SF−8428(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)を0.2部、MAK180部に均一に溶解した後、これを孔径3μmのメンブレンフィルターを用いてろ過し、固形分35%の組成物(2-1)を調製した。
(組成物(2−2)〜(2−4)の調製)
表2に示す材料を用いて組成物(2−1)と同様の手順で調製した。
Figure 0004752754
Figure 0004752754
(実施例)
<基板表面への積層膜形成>
組成物(1-1)を4インチ径のシリコンウェハー上に滴下し、スピンコートした後、ホッ
トプレートにて100℃、10分間ベークして、レジスト膜[I](下層)を得た。次にこの上に組成物(2-1)を滴下しスピンコート、ホットプレートにて100℃、5分間ベ
ークすることでレジスト膜[II](上層)を形成し、2層積層膜を得た。
<塗布性>
下層製膜後と上層製膜後に、光学顕微鏡にて塗膜の表面状態を観察した。
以下の基準で評価し、評価結果を○、×で示した。結果を表4に示す。
塗布性 ○ :塗布基板全面で、均一な塗膜が得られた。
× :剥がれやホール等が見られ、塗布基板全面で均一な塗膜が得られなかった。
塗布性の良好な塗膜を有する基板について、下層と上層の膜厚を触針式の膜厚計にて測定した。上層の膜厚は2層膜の膜厚から下層の膜厚を引くことで求めた。結果を表4に示す。
<露光、現像>
上記の要領で作製した塗布性良好な基板を、露光、アルカリ現像し、パターニング評価を実施した。評価条件は以下の通り。
露光機:Mask Aligner MA150
(ズース・マイクロテックス社製、コンタクトアライナー)
露光量:500mJ/cm (420nm付近)
露光様式:ハードコンタクト露光
現像:上記条件で露光した基板を、2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液中にディップし、遥動することで現像した。なお、現像時間は10秒刻みで変えて行った。
リンス:超純水の流水にて1分間リンスし、エアーブローして乾燥した。
現像後、必要に応じて、光学顕微鏡と走査型電子顕微鏡にてパターン形状を確認した。評価パターンは50μm×50μmの□ヌキパターンで隣接するホール間のスペースが50μm(ピッチ50μm)のものを使用した。
<上層の現像性>
評価:以下の基準で評価し、○、×で示した。結果を表4に示す。
上層の現像性 ○ : 現像残りなく解像しており、上層の抜きパターンが光学顕微鏡で観察して、ヌキパターンの1辺が50±10umでパターニングできる。
上層の現像性 × : 現像時間によらず、現像残りがある、および/または4インチ径の基板面内でヌキパターンの1辺が50±10umでパターニングできない。
<アンダーカット幅>
評価:以下の基準で評価し、○、△、×で示した。結果を表4に示す。
上記パターニング評価で、アンダーカット幅(上層の開口でもっとも幅の狭い部分の長さから下層のもっとも開口幅の広い部分の長さの差)を測長する。
○ :アンダーカット幅が0μmに成る現像時間(t1)と〜アンダーカット幅が
10μmになる現像時間(t2)の差(t2−t1)が20秒以上の場合
△ :アンダーカット幅が0μmに成る現像時間(t1)と〜アンダーカット幅が
10μmになる現像時間(t2)の差(t2−t1)が10秒以上20秒未満の場合
× :アンダーカット幅が0μmに成る現像時間(t1)と〜アンダーカット幅が
10μmになる現像時間(t2)の差(t2−t1)が10秒未満の場合
<スリットコーターでの塗布評価>
<塗布膜の引け評価>
15cm□のガラス基板にスリットコーターを用いて下層を塗布した後に、塗膜の端を
観察した。
以下の基準で評価し、結果を表4に示す。
塗布膜の引け ○:塗布直後、塗膜の端が全く収縮しない
△:塗布直後、塗膜の端が1mm程度収縮する。
×:塗布直後、塗膜の端が1mm以上収縮する。
<ノズル詰り評価>
15cm□のガラス基板にスリットコーターで上層を塗布した。これを複数回繰り返した時のノズルの詰まり詰りを以下の基準で評価し、結果を表4に示す。。
ノズル詰り ○:3枚以上連続塗布出来る。
△:1〜3枚まで連続塗布出来る
×:1枚も塗布出来ない。
(実施例2〜11、比較例1〜5)
表2に示した組成物(下層用組成物)と、表3に示した組成物(上層用組成物)を用い、実施例1と同様にして評価した。結果を表4に示す。
Figure 0004752754
図1は、本発明に係るパターン形成方法の概略図である。 図2は、本発明に係るパターンの後退量を定義した図である。 図3は、従来のパターン形成方法の概略図である。 図4は、従来のパターン形成方法の概略図である。
符号の説明
1 … 基板
2 … 下層
3 … 上層
4a … 蒸着および/またはスパッタ膜
4b … 蒸着および/またはスパッタ膜
5 … レジスト
6a … 蒸着および/またはスパッタ膜
6b … 蒸着および/またはスパッタ膜
7 … レジスト
8a … 蒸着および/またはスパッタ膜
8b … 蒸着および/またはスパッタ膜
M … マスク
W ・・・ 後退量

Claims (10)

  1. (A)下記一般式(1)で表される構造単位および下記一般式(2)で表される構造単位を含有し、構成する全構造単位を100重量%としたときにカルボキシル基を有する構造単位が1重量%未満である重合体、(B)キノンジアジド基含有化合物および(C)溶
    剤、を含有するポジ型感放射線性樹脂組成物1から得られる2層積層膜の下層(レジスト
    層I)と、
    (D)フェノール性水酸基を有する重合体、(E)キノンジアジド基含有化合物および(F)溶剤を含有するポジ型感放射線性樹脂組成物2から得られる2層積層膜の上層(レジ
    スト層II)を用いる事を特徴とする2層積層膜。
    Figure 0004752754
    (式中Rは水素原子またはメチル基であり、Rは−(CH)n−でnは0〜3の整数であり、あるいは−(C=O)−NH−、あるいは(C=O)−O−であり、Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、mは0〜4の整数である。Rはメチレン基、あるいは炭素数2〜10のアルキレン基であり、環構造を有してもよい。)
  2. 前記一般式(1)で表される構造単位が4−イソプロペニルフェノールに由来する構造単位であることを特徴とする請求項1に記載の2層積層膜。
  3. 前記一般式(2)で表される構造単位がヒドロキシアルキルアクリレートに由来する構造単位であることを特徴とする請求項1または2に記載の2層積層膜。
  4. 前記ポジ型感放射線性樹脂組成物1において、重合体(A)が、水に不溶であり、アルカリ水溶液に可溶であり、さらに、前記溶剤(F)に不溶または難溶であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の2層積層膜。
  5. 前記ポジ型感放射線性樹脂組成物2において、溶剤(F)が2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノンから選ばれる少なくとも1種および/またはジアルキレングリコールジアルキルエーテルを含有する溶剤であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の2層積層膜。
  6. 前記ポジ型感放射線性樹脂組成物1において、界面活性剤(G)として有機変性ポリシロキサンを含有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の2層積層膜。
  7. 前記下層(レジスト層[I])の膜厚が0.1μm〜3μmの範囲にあり、前記上層(レジ
    スト層[II])の膜厚が0.1μm〜10μmの範囲にあることを特徴とする請求項1か
    ら6のいずれかに記載の2層積層膜。
  8. ラジカル重合体(A)がカルボキシル基を有する構造単位を含まないことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の2層積層膜。
  9. (A)一般式(1)で表される構造単位および一般式(2)で表される構造単位を含有し、構成する全構造単位を100重量%としたときにカルボキシル基を有する構造単位が1重量%未満であるラジカル重合体、(B)キノンジアジド基含有化合物および(C)溶
    剤、を含有するポジ型感放射線性樹脂組成物1から得られる2層積層膜の下層(レジスト
    層[I])と、
    (D)フェノール性水酸基を有する重合体、(E)キノンジアジド基含有化合物および(F)溶剤を含有するポジ型感放射線性樹脂組成物2から得られる2層積層膜の上層(レジ
    スト層[II])を用いて2層積層膜を形成する工程を含むことを特徴とするパターン形成
    方法。
  10. (a)基板表面に、前記ポジ型感放射性樹脂組成物1から下層を形成した後、前記下層(レジスト層[I])上に、前記ポジ型感放射性樹脂組成物2から上層(レジスト層[II])を形成して、2層積層膜を形成する工程と、
    (b)前記積層膜を、UV光での露光および/または電子線での描画によってパターン露光する工程と、
    (c)前記積層膜を現像することによって、その現像による積層膜除去部分の底部が開口部と比較して大きなアンダーカット形状のレジストパターンを形成する工程と、
    (d)前記レジストパターン形成工程(c)を経た積層膜表面、および前記開口部に対応した位置の基板表面上に有機薄膜または無機薄膜を蒸着および/またはスパッタする工程と、
    (e)前記積層膜上に堆積した蒸着膜および/またはスパッタ膜を前記積層膜ごと剥離する工程と
    を備えることを特徴とする請求項9に記載のパターン形成方法。
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