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JP4752373B2 - クリーニング装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、感光体、中間転写体等の像担持体上の残余トナーをクリーニングする為のクリーニング装置、及び該クリーニング装置を備える画像形成装置に関する。
一般的な電子写真法の画像形成装置は、感光体上に現像されたトナー像を記録媒体に転写し、その際に残余した転写残トナーをウレタンゴム等のクリーニングブレードで除去している。感光体から一旦中間転写体へ転写する場合の中間転写体のクリーニングや、転写ロールへ付着したトナー等をクリーニングする場合も同様にクリーニングブレードで除去している。
ここで、一般的なクリーニングブレードは感光体の軸に対してクリーニングブレードの軸がほぼ平行である。この場合、クリーニングブレードに突入するトナーは感光体から戻される方向に力は働き感光体からは剥がされるが、ブレードエッジ近傍に滞留している限り、再度ブレードエッジに突入することになり、例えば省エネの観点から定着温度を下げることが可能な軟らかいトナーを用いた場合には、感光体に固着しやすくなってしまう。
これに対し、像担持体の軸とクリーニングブレードの軸が角度を成すものが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この方法では、トナーのブレードエッジへの再突入を抑え、トナーを軸方向へ流動させることができるため、ブレードエッジ近傍からトナーを排除するのに有効である。しかしながら、曲率を有する像担持体の場合は、クリーニングブレードが当接しない部分や当接圧が軸方向で著しく異なることとなり、均一なクリーニング性能が得られなくなる。
また、クリーニングブレードの硬度として、JIS A硬度80以下のものが開示されている(例えば、特許文献2〜特許文献5参照。)。このような低硬度のクリーニングブレードは、感光体や中間転写体等の被クリーニング部材に対して当たりが柔らかいため、被クリーニング部材を傷つけず、結果、被クリーニング部材の寿命は永くなるという利点を有する。
しかしながら、低硬度のクリーニングブレードは、像担持体に当接しているエッジ部分や、場合によってはクリーニングブレード全体が巻き込まれるとともに大きく変形してしまう。特に接触帯電器を用いた場合には、発生する放電生成物によって像担持体表面が高粘度となっているため巻き込み量が多くなり、クリーニングブレードと被クリーニング部材との接触幅が大きくなる。この接触幅の部分には、クリーニングブレードがスティックとスリップの挙動を繰り返すことによってトナーが挟み込まれるため、接触幅が大きくなると、より多くのトナーがクリーニングブレードによって潰されることになる。柔らかいトナーの場合にはこの影響は大きく、最終的には像担持体に固着してしまう。
このような状況から、クリーニングブレードと像担持体との接触部分における接触幅を5〜30μmとするクリーニング装置が開示されている(例えば、特許文献6参照。)。しかしながら、このような装置であっても、柔らかいトナーを用いた場合はトナーが潰れやすく、像担持体に固着してしまうという問題があった。
特開平8−211799号公報 特開平5−119686号公報 特開平5−150697号公報 特開平5−278045号公報 特開平6−318022号公報 特開2004−199042号公報
本発明の課題は、クリーニングブレードや像担持体が寿命も永くなるクリーニング装置、及び該クリーニング装置を備えた画像形成装置を提供することである。
上記状況を踏まえ、鋭意研究を行ったところ、下記<1>〜<10>のクリーニング装置に至った。
<1> 曲率を有する像担持体に当接し該像担持体上に残留したトナーをクリーニングするクリーニングブレードを備えるクリーニング装置であって、
前記クリーニングブレードの長手方向に延びた直線状の端部を持つ支持部材の当該端部側に、前記クリーニングブレードが支持されており、
前記像担持体の軸方向に対して前記クリーニングブレードの長手方向が角度を有するように前記クリーニングブレードを当接してなり、少なくともクリーニングに必要な前記クリーニングブレードの有効長における一方の端部を、前記像担持体の回転方向に対して上流側に当接し、他方の端部を下流側に当接し、
前記クリーニングブレードの長手方向において、前記像担持体の回転方向に対して上流側に当接される前記一方の端部では、クリーニングブレードの自由長が最も大きく、下流側に当接される前記他方の端部では、クリーニングブレードの自由長が最も小さいことを特徴とするクリーニング装置。
クリーニングブレードの上記一方の端部は、像担持体の回転方向に対して上流側に配置されるため当接圧が高くなる。一方、上記他方の端部は、下流側に配置されるため当接圧が低くなる。このような当接圧の差異が存在すると、均一にクリーニングし難くなる。
また、当接圧の低い部分(上記他方の端部)においても良好にクリーニングできるよう、クリーニング可能な当接圧を上記他方の端部に与えると、もともと当接圧の高い部分(上記一方の端部)では更に過剰な当接圧を与えることになり、結果、クリーニングブレードや像担持体の寿命が短くなってしまう。
そこで、上記<>の発明では、当接圧の高くなる上記一方の端部では自由長を長くし、当接圧の低くなる上記他方の端部では自由長を短くする。これにより、曲率を有する像担持体にクリーニングブレードを角度をもって当接した際の、クリーニングブレード長手方向における当接圧を均一にでき、均一なクリーニング性能が得られる。且つ過剰な当接圧を避けることができるためクリーニングブレードや像担持体の寿命も永くなる。
<2> 前記クリーニングブレードによる像担持体への当接圧は、クリーニングブレード長手方向で同等であることを特徴とする前記<1>に記載のクリーニング装置。
<3> 前記クリーニングブレードによってクリーニングされた残余トナーの排出口は、前記他方の端部の近傍に設けられてなることを特徴とする前記<1>又は<2>に記載のクリーニング装置。
上記<3>の発明では、クリーニングブレードが像担持体の軸に対して角度をもって当接されるため、像担持体の回転方向に対して下流側に配置される上記他方の端部側へクリーニングされたトナーが流動する。そこで、上記他方の端部の近傍に残余トナーの排出口を設けることで、トナーの排出を効率的に行うことができる。
<4> 前記クリーニングブレードが、板状ゴムで構成され、該板状ゴムと前記像担持体との接触幅が、前記トナーの体積平均粒径よりも小さいことを特徴とする前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載のクリーニング装置。
<5> 前記板状ゴムのJIS A硬度が、80以上であることを特徴とする前記<4>に記載のクリーニング装置。
<6> 前記板状ゴムにおいて、少なくとも前記像担持体との接触部に微粒子が分散されてなることを特徴とする前記<4>又は<5>に記載のクリーニング装置。
<7> 前記板状ゴムにおいて、少なくとも前記像担持体との接触部に皮膜層が形成されてなることを特徴とする前記<4>〜<6>のいずれか1項に記載のクリーニング装置。
<8> 前記クリーニングブレードが、板状スクレーパで構成されてなることを特徴とする前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載のクリーニング装置。
上述のように、トナーの像担持体への固着及びフィルミングは、クリーニングブレードがスティックとスリップとを繰り返すことによってトナーが接触部に入り込んで、クリーニングブレードによって潰されることにより発生する。
上記<4>〜<8>の発明によれば、接触部の幅がトナーの体積平均粒径よりも小さいため、トナーの接触部分への入り込みが防止されて、像担持体への固着やフィルミングの発生を抑えることができる。
<9> 前記トナーが結着樹脂と着色剤とを含み、前記結着樹脂として、融点が45℃〜110℃の樹脂を含有することを特徴とする前記<1>〜<8>のいずれか1項に記載のクリーニング装置。
前記<1>〜<8>のいずれかの発明によれば、45℃〜110℃の融点を有するような柔らかいトナーを用いた場合であっても、クリーニングブレードによってトナーを押し潰さず、良好にクリーニングを行うことができる。
<10> 前記トナーの下記式(2)で表される形状係数SF1が、135以下であることを特徴とする前記<1>〜<9>のいずれか1項に記載の画像形成装置。
式(2): SF1 = (ML2/A)×(π/4)×100
〔式中、MLはトナー粒子の絶対最大長を表し、Aはトナー粒子の投影面積を表す。〕
形状係数SF1が135以下のトナー、すなわち真球に近い形状のトナーを用いた場合であっても、前記<1>〜<8>のクリーニング装置を用いれば、良好に像担持体をクリーニングすることができる。
なお、真球に近い形状のトナーは、クリーニングブレードとの接触面積が少なくなるため、効率的にクリーニングし難しくなることから、当接圧を高くしてクリーニングを行う必要があった。その結果、クリーニングブレードや像担持体の劣化を速め、寿命を短くしていた。また、上記<9>に記載のトナーのように、柔らかいトナーを使用すると、高い当接圧のためにトナーが押し潰されフィルミングが多く発生するようになった。
本発明の前記<1>〜<8>のクリーニング装置では、クリーニングブレードによって剥がされたトナーは、ブレードエッジに再度突入することが少なくなり効率的にクリーニングを行うことができる。また、高い当接圧を必要とせず、且つ一定の接触幅になるよう制限しているため、効果的にフィルミングを防ぐことができる。
<11> 前記トナーが外添剤を有してなり、該外添剤の少なくとも1種類は、体積平均粒径が50〜500nmであることを特徴とする前記<1>〜<10>のいずれか1項に記載のリーニング装置。
トナーの外添剤の粒径は、クリーニング性能に影響を与えていることが明らかとなった。上記粒径範囲にある外添剤は、クリーニングブレードをすり抜けることができるため、トナーと像担持体との付着力や摩擦力を低減させことができる。その結果、クリーニングブレードと像担持体と接触幅が狭くなり、トナーの入り込みやフィルミングを抑制することができる。
また、鋭意研究の結果、下記<12>〜<13>のクリーニング装置に至った。
<12> 像担持体と、該像担持体の表面を帯電させる帯電手段と、帯電された前記像担持体の表面に光を照射して潜像を形成させる露光手段と、トナーを含む現像剤により前記潜像を現像しトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を被転写体に転写する転写手段と、前記転写後の前記像担持体上に残余したトナーをクリーニングするクリーニング手段と、を少なくとも備える画像形成装置であって、
前記クリーニング手段が、前記<1>〜<11>のいずれか1項に記載のクリーニング装置であることを特徴とする画像形成装置。
<13> 前記像担持体の表層は、フッ素系樹脂微粒子が分散されてなることを特徴とする前記<12>に記載の画像形成装置。
上記<13>の発明によれば、フッ素系樹脂微粒子が分散された像担持体を適用することで、クリーニングブレードと像担持体との付着力や摩擦力を低減できる。これにより、クリーニングブレードと像担持体との接触幅が狭まり、トナーの像担持体への固着を防ぐことができる。
以上のように、本発明によれば、クリーニングブレードや像担持体が寿命が永くなるクリーニング装置、及び該クリーニング装置を備えた画像形成装置を提供できる。
<画像形成装置>
以下、添付図面に基づいて本発明の画像形成装置を説明する。
図1には、クリーニング装置を備えた画像形成装置の概略構成が示されている。この画像形成装置100は、中間転写体を用いたタンデムカラー電子写真複写機である。
図1に示す画像形成装置では、それぞれイエロー、マゼンタ、シアンそしてブラックの各色の画像を形成する4つの現像ユニット50Y,50M,50C,50Kが、所定の間隔をおいて並列的に(タンデム状に)配置されている。ここで、各現像ユニット50Y,50M,50C,50Kは、収容されている現像剤中のトナーの色を除き基本的に同様に構成されているので、以下、代表して、イエローの現像ユニット50Yを説明する。
イエローの現像ユニット50Yは、像担持体としての感光体ドラム(像担持体)1Yを備えており、この感光体ドラム1Yは、当該図1が描かれた紙面に垂直な方向に軸線を有し、図示の矢印A方向に沿って図示しない駆動手段によって所定のプロセススピードで回転駆動されるようになっている。感光体ドラム1Yとしては、例えば、赤外領域に感度を持つ有機感光体が用いられる。
なお、所定の条件により自動で、あるいは、手動で、プロセススピードの切り替えが可能であってもよい。本発明の画像形成方法は、このようにプロセススピードの切り替えが途中で行われるような装置であっても、高画質な画像形成と現像剤の維持性とを実現し得るものである。ここで、「所定の条件により自動」としては、例えば、写真画像等高精細な画像部分を含む画像情報が入力された場合に、高画質な画像を得るため、自動で通常モードから低速モードに切換える場合が挙げられる。
図1における感光体ドラム1Yの上部には、ロール帯電方式の帯電器(帯電手段)2Yが設けられており、帯電器2Yには、不図示の電源により所定の電圧が印加され、感光体ドラム1Yの表面が所定の電位に帯電される。
感光体ドラム1Yの周囲には、帯電器2Yよりも当該感光体ドラム1Yの回転方向下流側に、当該感光体ドラム1Yの表面に画像露光を施して静電潜像を形成する露光手段BmYが配置されている。レーザービーム等を用いる露光手段BmYの態様は、特に限定されない。
また、感光体ドラム1Yの周囲には、露光手段BmYよりも当該感光体ドラム1Yの回転方向下流側に、イエロー色の現像器5Yが配置されており、感光体ドラム1Y表面に形成された静電潜像を、イエロー色のトナーによって顕像化し、感光体ドラム1Y表面にトナー像Tを形成する構成になっている。
図1における感光体ドラム1Yの下方には、感光体ドラム1Y表面に形成されたトナー像Tを一次転写する中間転写ベルト11が、4つの感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kの下方に渡るように配置されており、この中間転写ベルト11は、一次転写ロール12Yによって感光体ドラム1Yの表面に押し付けられている。一次転写ロール12にトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加することで、感光体ドラム1上のトナー像Tは中間転写ベルト11に静電転写される。
中間転写ベルト11は、駆動ロール25、支持ロール26およびバックアップロール16の3つのロールからなる駆動手段によって張架され、感光体ドラム1Yのプロセススピードと等しい移動速度で、矢印B方向に周動されるようになっている。そして、中間転写ベルト11表面には、上記のようにして一次転写されたイエローのトナー像Tの他、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色のトナー画像が順次一次転写され、積層される。
ここで、中間転写ベルト11の端部かつ非画像部には反射型の基準マーク13が一枚貼られており、対向して設けられている発光、受光検知センサ14が基準マーク13を検知することによってすべてのプロセスのタイミングが規定されている。
中間転写ベルト11を張架するバックアップロール16には、中間転写ベルト11を介して二次転写ロール15が圧接されている。二次転写ロール15とバックアップロール16間に、トナーを記録媒体31に引き寄せる電圧を印加すると、中間転写ベルト11に担持されたトナー像Tは、上記二次転写位置において、記録媒体31表面に静電転写される。なお、記録媒体31は、フィードローラ32によって所定のタイミングでトレイ33から搬出される。
バックアップロール16には中間転写ベルト11との当接位置から円周方向へ約20〜40mmの距離をおいて、電極ロール19が当接しており、電極ロール19にはトナーと同極性の電圧が適宜印加されるようになっている。
また、感光体ドラム1Yの周囲には、一次転写ロール12Yよりも感光体ドラム1Yの回転方向(矢印A方向)下流側に、感光体ドラム1Yの表面に残留した、或いはリトランスファーしたトナー8Yを清掃するためのクリーニングブレードを有するクリーニング装置6Yが配置されており、クリーニング装置6Yにおけるクリーニングブレードは、感光体ドラム1Yの表面に対向するように当接して取り付けられている。
感光体ドラム1Yの周囲のクリーニング装置6Yより下流側には、イレーズランプ4Yが配置されており、このイレーズランプ4Yは、クリーニング装置6Yにより未転写残留トナーが除去された感光体ドラム1Yの表面に除電光を照射して感光体ドラム1Yの表面を除電するようになっている。
さらに、中間転写ベルト11の外周には、駆動ロール25の表面に略対応した位置に、中間転写ベルト用のクリーニング装置17に備えられたクリーニングブレード17aが当該中間転写ベルト11の表面に接触するように配置され、残留トナーが除去される
二次転写ロール15の周面には、クリーニングブレード18aを有するクリーニング装置18が設けられ、二次転写ロール15にクリーニングブレード18aが当接され、二次転写ロール15に付着したトナーを除去している。
また、図1における二次転写ロール15の下流側には、記録媒体31上に多重転写されたトナー画像を、熱及び圧力によって記録媒体表面に転写して、永久像とするための定着器21が配置されている。
本発明の画像形成方法に使用する画像形成装置において、各構成部材は、本発明に規定するものの他、特に制限はない。例えば、像担持体である感光体ドラムや中間転写ベルト(あるいは中間転写ドラム)、並びに帯電器等の各構成要素は、公知の如何なるものをも採用することができる。
なお、図1では前記帯電手段としては、ロール帯電方式の帯電器を示したが、非接触型のコロトロン帯電器やスコロトロン帯電器であってもよい。但し、オゾン発生の低減による環境保全性等を高い次元で実現できる点で、ロール帯電方式の帯電器であることが好ましい。
感光体ドラム1Yの表面(最表面層)は、フッ素系樹脂を含んでいることが好ましい。これにより潜像担持体表面の表面エネルギーが小さくなるため、クリーニングブレードとの摩擦力を低減させることが可能である。
また潜像担持体表面の傷の発生や磨耗を抑制するために、高強度の最表面層を設けることもできる。この高強度の最表面層を構成する材料としては、バインダー樹脂中に導電性微粒子を分散したもの、通常の電荷輸送層材料にフッ素樹脂、アクリル樹脂などの潤滑性微粒子を分散させたもの、シリコーンや、アクリルなどのハードコート剤を使用することができるが、強度、電気特性、画質維持性などの観点から、電荷輸送性を有し、架橋構造を有する樹脂を用いることが好ましく、特に架橋構造を有するシロキサン系樹脂を用いることが好ましい。
本発明で用いることができるフッ素系樹脂粒子としては、4フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂およびそれらの共重合体の中から1種あるいは2種以上を適宜選択するのが望ましいが、特に、4フッ化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂が好ましい。
このような最表面層を有する感光体ドラムとクリーニングブレードとでは、接触部での摩擦力が低減され、トナーの固着及びフィルミングの抑制に効果的である。
中間転写ベルト11は、ポリイミド、ポリカーボネイト等の単層ベルトであり、例えば厚さ0.1mmに形成されていることが好ましい。中間転写体はベルト状のもの以外に、ドラム状のものを使用しても良いのは勿論である。
一次転写ロール12Yは、抵抗値が106〜108Ωに調整された発泡ウレタンゴム製であることが好ましい。
上記バックアップロール16は、絶縁性ロールを半導電性の薄層フィルムで被覆して形成されている。この薄層フィルムは厚さ10μm〜200μmに形成され、その表面抵抗率が107〜1011Ω/□(□:単位面積)に調整されていることが好ましい。
上記二次転写ロール15は、接地された導電性ロールであり、その表面電位を常に接地位置と等電位に保つため、その体積抵抗率は107Ω・cm以下の低抵抗であることが望ましい。
二次転写ロール15をクリーニングするためのクリーニングブレード18aは、ポリウレタンゴム製であることが好ましい。
感光体用のクリーニング装置6Y、6M、6C及び6K、中間転写体用のクリーニング装置17、並びに二次転写ロール15用のクリーニング装置18のうち、少なくとも1つが、以下に記載する本発明のクリーニング装置である。好ましくは、感光体用のクリーニング装置6Y、6M、6C及び6Kの少なくとも1つが下記本発明のクリーニング装置の場合であり、より好ましくは、クリーニング装置6Y、6M、6C及び6Kのすべてが下記本発明のクリーニング装置の場合であり、更に好ましくは、クリーニング装置6Y、6M、6C、6K、17及び18のすべてが本発明のクリーニング装置の場合である。
<クリーニング装置>
まず、本発明のクリーニング装置におけるクリーニングブレードと、像担持体との関係について説明する。尚、本発明のクリーニング装置は、感光体のほか、中間転写体、転写ロールにも適用することができるが、いずれも同様に適用できることから、以下では、感光体を像担持体の例として説明を行う。
図2は、感光体とクリーニングブレードとの当接位置の関係を示す概略図である。
図2(A)に示す通り、感光体の軸方向に対して前記クリーニングブレードの長手方向が角度を有するようにクリーニングブレードが当接される。ここで、少なくともクリーニングに必要なクリーニングブレードの有効長Lにおける一方の端部を端部Aとし、端部Aを前記像担持体の回転方向に対して上流側に当接する。また有効長Lにおける他方の端部を端部Bとし、端部Bを下流側に当接する。
図2(B)に示すように、感光体を軸方向から見たときの、感光体の中心と端部Aとを結んだ線、及び感光体の中心と端部Bとを結んだ線が成す角度をθとし、前記像担持体の半径をr(mm)とするとき、端部Aに対し端部Bの食込み量の減少分は、r(1−cosθ)となる(図2(C))。ここで、食込み量の差分が0.6mm以上となると、感光体の軸方向内でクリーニング性が著しく変わってしまう為、下記式(1)を満たすことが重要である。
式(1): 0<r(1−cosθ)≦0.6
好ましくは、r(1−cosθ)の値は、0.4以下、より好ましくは0.2以下、更に好ましくは0.1以下である。
なお、本発明において、クリーニングブレードの有効長Lとは、感光体上のトナーをクリーニングしなければならない領域、つまり、感光体表面にトナーが現像される領域(最大現像幅)を意味する。
端部Aは、像担持体の回転方向に対して上流側に配置されるため当接圧が高くなる。一方、端部Bは、下流側に配置されるため当接圧が低くなる。
そこで、図3に示すように、当接圧の高くなる端部Aでは自由長を長くし、当接圧の低くなる端部Bでは自由長を短くする。自由長による調節によって、クリーニングブレードで圧力が吸収・緩和され、クリーニングブレード長手方向における当接圧を均一にすることができる。これにより、均一なクリーニング性能が得られ、且つ過剰な当接圧を避けることができ、クリーニングブレードや像担持体の寿命も永くなる。
ここで、本発明において自由長とは、ブレード支持部材からの突き出し量をいう。
更に自由長について、図3を用いて説明する。
クリーニングブレードは、クリーニング部材6aとこれを支持する支持部材6bとで構成される。端部Aにおける自由長は、端部Aにおけるクリーニング部材6aが像担持体に当接する点A1から支持部材6bまでの最短距離、すなわち、図3ではA1からA2までの距離をいう。同様に、端部Bにおける自由長は、図3ではB1からB2までの距離をいう。
例えば、図3に示すクリーニング部材6aが、下記表1に示すヤング率及び厚さを有するゴム部材であって、支持部材6bの配置位置を表1に示す自由長となるように調節して半径30mmの感光体に取り付けたとすると、当接圧は、端部A及び端部Bともに40gf/cmとなり、クリーニングブレードの長手方向において略一定となる。
ここで、食い込み量は、上記式(1)の「r(1−cosθ)」から算出した値をいう。
また、当接圧F(kgf/cm)は、次式(3)により算出した値である。
式(3): F=(D×E×t3)/(4×L3
式(3)中、Dは食込み量(mm)を表し、Eはヤング率(kg/cm2)を表し、tはゴムの厚さ(mm)を表し、Lは自由長(mm)を表す。
以上のように感光体の軸方向とクリーニングブレードの長手方向が互いに角度を成す構成において、クリーニングされるトナーの挙動を説明する。
図4(A)は、従来のクリーニング装置を示す概略図であり、感光体とクリーニングブレードの軸はほぼ平行である。この場合、突入するトナーの力(トナーの感光体への付着力等)F1に対し、クリーニングブレードがトナーを押し返す力F2が大きければクリーニングが行われる。
しかし、特開2000−352839号公報記載のような低温定着用の軟らかいトナーの場合、トナー自体が潰れやすくなる。クリーニングする為には、ある程度の大きさのF2が必要であるが、大きすぎるとクリーニングブレードが感光体へ押し付ける力も大きくなるため、クリーニングブレードと感光体との間に挟み込まれたトナーは、クリーニングブレードによって潰され、感光体表面に固着してしまう。
このような現象は、感光体の軸方向とクリーニングブレードの長手方向が略平行であるが故に起こり易くなり、クリーニングされたトナーは静電気力等の影響で感光体から離れない限り、クリーニングブレードの同じ位置に再突入し続ける。また、クリーニングし難い球形トナーも同様であり、離れない限りクリーニングブレードの同じ位置に再突入し続け、クリーニング不良の発生が多くなる。
一方、図4(B)は本発明のクリーニング装置を示す概略図である。突入するトナーに対してクリーニングブレードは角度を有しているため、トナーは感光体の軸方向(図4(B)では、紙面の右横方向)への力を受ける。従って、トナーは同一箇所に留まること無く、感光体の軸方向で移動する。これにより軟らかいトナーを用いても感光体への固着がし難くなり、球形トナーもクリーニングし易くなる。
クリーニングされたトナーは搬送オーガーを介して排トナーボックス等へ搬送される。図4(B)に示すように、トナーはクリーニングブレードの端部A側から端部B側に移動する。したがって、端部B側にトナーが集まり易いので、残余トナーを排出する排出口は、端部B側の近傍とすることが好ましい。
次に、図5において、トナーが感光体に固着するに至る推定メカニズムを示す。
比較的硬度が低いクリーニングブレードの場合、感光体の回動に従い、エッジ先端では連続的にスティック&スリップが起こっている。
図5(A)のスティック状態では、エッジ先端が感光体に凝着しつつ感光体の回転に引きずられて、エッジ先端の巻き込みが発生している。トナーは、エッジ先端から離れた位置(a)で塞き止められる。
図5(B)のスリップ状態は、エッジ先端が巻き込まれから解放された状態であり、トナーを塞き止める位置はエッジ先端近傍の位置(b)となる。この時にトナーがエッジ先端まで侵入する。
トナーが接触幅よりも小さいと、図5(C)のスリップ状態からスティック状態になる過程において、エッジ先端近傍の位置(b)にまで入り込んだトナーがクリーニングブレードのエッジ先端とともに巻き込まれ、クリーニングブレードと感光体の間に挟み込まれる。軟らかいトナーの場合には、トナーはクリーニングブレードの当接圧によって潰れ、経時で感光体表面に固着し、最終的には潰れたトナーが感光体上に膜状に形成されフィルミングが発生する。
この時、トナー粒径が接触幅よりも大きい場合は、トナーは挟まれにくい。すなわち、トナーが巻き込まれて潰れるのを防ぐには、トナー粒径よりも接触幅を狭くすればよい。
なお、本発明における接触幅は、摺擦によってできたカット面先端の磨耗幅とみなして定義する。すなわち、接触幅とは、当接圧4gf/mm、当接角25°、28℃、85%RHで、感光体を30,000回転させた後に摺擦してできたカット面先端の磨耗痕跡の幅の最大値をいう。
具体的に、磨耗痕跡の幅は、次のように測定する。
図6に摺擦後の磨耗痕跡の形状を示す。図6は、クリーニングブレードの厚さ方向の断面図である。エッジ先端部Qは、スティック&スリップの現象において支軸のように挙動するため、磨耗していないことが多い。そこで、接触幅は、磨耗していないエッジ先端部Qを含め、磨耗している部分の末端Rまでの距離を測定する。
なお、本発明では、図3に示すように感光体の軸方向とクリーニングブレードの長手方向とが角度をもって当接しているため、クリーニングブレードの長手方向において、磨耗痕跡の幅が異なる場合がある。その場合には、接触幅とは、最大の磨耗痕跡の幅を指す。
図7では、走行試験後の感光体とクリーニングブレードのエッジ先端接触幅との位置関係を示す。
図7(A)に示すように、低硬度のクリーニングブレードである程、エッジ先端が巻き込まれ易く、感光体との接触幅も大きくなる。
一方、図7(B)に示すように、高硬度のクリーニングブレードである程、エッジ先端の巻き込みは抑制され、接触幅も小さくなる。
トナーの巻き込みを抑えるため、接触幅を狭くする方法としては、大きく分けて、(I)クリーニングブレードの変形を抑えることと、(II)感光体とクリーニングブレードとの摩擦力を低減することが挙げられる。具体的には、以下の方法を挙げることができる。
(1)クリーニングブレードのゴム硬度を大きくする。
ゴム硬度を大きくすれば、ゴムの変形が抑えられ、接触幅が小さくなる。
例えば、トナー粒径が6μmの場合、図8に示すように、クリーニングブレードの当接圧を変えても、接触幅がトナー粒径の6μmよりも小さい条件、つまりゴムの硬度(JIS A)を80以上とすれば、トナーの固着を防ぐことができる。
本発明のクリーニング装置では、クリーニングブレードのゴムの硬度(JIS A)は、80以上であることが好ましく、より好ましくは、80以上90以下である。
(2)金属薄板等のスクレーパを用いる。
金属製のスクレーパでは、先端部の変形が少ない。また、金属製のスクレーパと感光体とでは、ゴム製のクリーニングブレードに比べて摩擦力が小さくなる。したがって、接触幅が小さくなり、トナーの入り込みを抑えることができ、引いてはフィルミングの発生を抑制できる。
(3)クリーニングブレードの先端部の表面に低摩擦層を形成する。
クリーニングブレードの先端部に、ゴム、樹脂を主成分とする低摩擦層を形成する。この様子を図9(A)に示す。低摩擦層は、ウレタンゴム、シリコーンゴム、シリコーン樹脂、フッ素ゴム、フッ素樹脂、ナイロン等のバインダーに、シリコーンパウダー、フッ素樹脂パウダー、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)パウダー等を混合した低摩擦層形成材料を、クリーニングブレードの像担持体接触部(エッジ先端部)にディッピング法等により塗工することで得られる。特に、低摩擦層は、フッ素系、アクリル系、DLCで形成されることが好ましい。
また、少なくともクリーニングブレードの像担持体接触部で低摩擦層が形成されていれば、接触幅を低減できるが、かかる部分以外の箇所に、低摩擦層が形成されていてもよい。
クリーニングブレードの先端部の表面に低摩擦層を形成すれば、感光体とクリーニングブレードとの摩擦を軽減することができるため接触幅が小さくなり、トナーの入り込みを抑えることができ、引いてはフィルミングの発生を抑制できる。
本発明に適用できる低摩擦層については、例えば、特開平11−24522号公報等を参照できる。
(4)クリーニングブレードの先端部に潤滑剤を含有させる。
クリーニングブレードの先端部に、粉体又は液状の潤滑剤を含有させる。この様子を図9(B)に示す。潤滑剤を含有させることで、クリーニングブレードの潤滑性を高め、感光体との摩擦力を低減させる。粉体の潤滑剤としては、フッ素系、アクリル系、カーボンで構成される微粒子を挙げることができる。
また、少なくともクリーニングブレードの像担持体接触部で潤滑剤を含んでいれば、摩擦力を低減できるが、かかる部分以外の箇所に潤滑剤を含んでいてもよい。
このようにすれば、感光体とクリーニングブレードとの摩擦を軽減することができるため接触幅が小さくなり、トナーの入り込みを抑えることができ、引いてはフィルミングの発生を抑制できる。
本発明に適用できる潤滑剤については、例えば、特開平7−306616号公報等を参照でき、フッ素樹脂の粉体からなる潤滑剤については、特開平9−258632号公報等を参照でき、これらに記載の潤滑剤の技術は、本発明に適用することができる。
次に、図10を用いて、本発明のクリーニング装置の説明を行う。なお、クリーニング装置6Y、6M、6C、6K、17及び18は、同様のクリーニング装置が適用できるため、以下では、代表としてクリーニング装置6Yの説明を行う。
図10は、本発明のクリーニング装置の概略断面図である。
図10に示すクリーニング装置6Yは、感光体ドラム1Y表面の残留トナーを回転ブラシ(クリーニングブラシ)38で処理し、クリーニングブレード35で掻き取る構成であり、かかる回転ブラシ38に、図10(A)では回収ロールとしてのデトーニングロール39が接触しており、図10(B)では固形潤滑剤40が接触している。
回転ブラシ38は、全体として円柱状であって、感光体ドラム1Yに近接して、感光体ドラム1Yと軸平行に配置されている。回転ブラシ38の軸芯としては、円柱状のブラシシャフト38Aが設けられており、このブラシシャフト38Aの周囲表面には、導電性接着剤層を介して多数の導電性繊維が放射状に植毛されてブラシ38Bを形成する。ブラシ38Bには、トナー像転写工程で印加される電圧の極性と同一極性の直流電圧が印加される。これにより、感光体ドラム1Yの表面とブラシ38Bとの間に電界が形成され、感光体ドラム1Y表面に残留している負帯電のトナーTがブラシ38Bに静電吸着されるようになっている。
回転ブラシ38は、図示しないモータにより図2における時計回り方向(矢印38C方向)に回転させられ、感光体ドラム1Y表面を擦って感光体ドラム1Y表面に残留している帯電のトナーTを掻き取ることができる。
クリーニングブラシの材質としては、公知の材質を用いることが可能であるが、その中でも、ナイロン、アクリル又はポリプロピレンが好ましく、この中でも特にナイロンが長期安定性に優れるため好ましい。ブラシ表面の繊維太さは2〜17デニールの範囲が好ましく、さらに好ましくは3〜10デニールの範囲である。
ブラシ表面の繊維長さ(起毛の接着層厚は含まない)は2.5mm〜7mmの範囲が好ましく、さらに好ましくは3mm〜6.5mmの範囲である。またブラシ表面の繊維密度は、15×103〜200×103本/inch2(23.4〜310本/mm2)の範囲が好ましく、さらに好ましくは20×103〜80×103本/inch2(31.0〜124本/mm2)の範囲である。
クリーニングブレード35で掻き取られた残留トナーは、前記回転ブラシ38によってトナー搬送オーガー部36へ送られる。
トナー搬送オーガー部36は螺旋形状を有しており、螺旋の旋回によって回収された残余トナーをクリーニング装置6Yの外に排出する。本発明のクリーニング装置では、クリーニングブレードが像担持体の軸方向に対して角度をもって当接されているため、前記端部B側の近傍に残余トナーの排出口を設けると、効率的に排出することができる。
図10(A)におけるデトーニングロール39は、フェノール樹脂で被覆されており、図示しないモータにより図10(A)における反時計回り方向(矢印A方向)に回転させられる。このデトーニングロール39には、ブラシ38Bに印加される電圧よりも大きい直流電圧が印加される。
図10(B)における固形潤滑剤40は、回転ブラシ38により削られ、削られた固形潤滑剤は感光体ドラム1Yに塗布される。
前記固形潤滑剤としては、特に制限されないが、脂肪酸金属塩、特に劈開性を有し離型性向上効果が高いステアリン酸亜鉛を用いることが、効果的に被膜を形成する観点から好ましい。
なお、図10に示すクリーニング装置6Yでは、クリーニングブレード35、回転ブラシ38、デトーニングロール39、固形潤滑剤40を備えているが、本発明のクリーニング装置は、クリーニングブレード35有していれば、その他の部品は適宜選択して適用することができる。また、図10に図示しない公知の部品を更に適用することもできる。
<現像剤>
次に、クリーニング対象である静電潜像現像用トナー、及び該トナーを含む現像剤について説明を行う。
(静電潜像現像用トナー)
本発明では、静電潜像現像用トナーは特に制限されないが、低温定着可能な軟らかいトナーであっても、本発明のクリーニング装置を用いれば、良好にクリーニングを行うことができる。当然に、従来の温度で定着を行うトナーについても、本発明のクリーニング装置で良好にクリーニングすることができる。
以下では、低温定着可能な柔らかいトナーについて説明を行う。
低温定着可能な柔らかい静電潜像現像用トナーは、少なくとも結着樹脂および着色剤を含有し、必要に応じて離型剤およびその他の成分を含有する。また、本発明で用いられるトナーには、上記構成からなるいわゆるトナー粒子の他、種々の目的で外添剤が添加されていることが望ましい。
さらに結着樹脂としては、結晶性樹脂を含むことが好ましく、結晶性樹脂と非結晶性樹脂とを併用することが更に好ましい。充分な分子間凝集力を潜在させた高分子量の非晶性樹脂と、シャープメルト性を有する結晶性樹脂とを併用することで、最低定着温度を上昇させることなく、かつ、定着ロールに対しても定着時の剥離性が良好となる。
ここで、本発明における結晶性樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するものをいう。また、本発明における非晶性樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)を用いた熱分析測定において、明確な吸熱ピークではなく、階段状の吸熱変化のみを有するものであり、常温固体で、ガラス転移温度以上の温度において熱可塑化するものをいう。
結晶性樹脂としては、結晶性を有する樹脂であれば特に制限はなく、具体的には、結晶性ポリエステル樹脂、結晶性ビニル系樹脂が挙げられるが、定着時の紙への定着性や帯電性、及び好ましい範囲での融点調整の観点から、結晶性ポリエステル樹脂が好ましい。また、適度な融点をもつ直鎖脂肪族系の結晶性ポリエステル樹脂がより好ましい。
また、架橋構造を有する結晶性樹脂は、かかる架橋構造によって紙などの被転写体に対する過度の染み込みを防止することができ、定着ラチチュードの広い電子写真用トナーを提供することができるため、好ましい結晶性樹脂の態様のひとつである。なお、本発明のトナーに好適な架橋構造を有する結晶性樹脂は、有機溶剤中で溶解せず、膨潤するような成分を有する。
本発明における結晶性樹脂の融点は、40℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましい。但し、上限としては110℃以下が好ましく、100℃以下がより好ましく、90℃以下が更に好ましい。また、特に低温定着性のためには結晶性樹脂の融点は、45℃〜110℃の範囲であることが好ましく、60〜95℃の範囲であることがより好ましい。
結晶性樹脂の融点が40℃より低い場合は、トナーの保存時や使用時に、トナーがブロッキングを起こすおそれがある。また、結晶性樹脂の融点が110℃より高い場合は、低温定着性が達成されないおそれがある。
本発明に用いられる非晶性樹脂のガラス転移温度は、45〜60℃の範囲であることが好ましく、50〜60℃の範囲であることがより好ましい。ガラス転移温度が45℃未満であると、トナーが貯蔵中又は現像器中でブロッキング(トナーの粒子が凝集して塊になる現象)を起こしやすい傾向にある。一方、ガラス転移温度が60℃を超えると、トナーの定着温度が高くなってしまい好ましくない。
本発明において、結晶性樹脂の融点及び非結晶性樹脂のガラス転移温度の測定には前記示差走査熱量計(DSC)を用いる。室温から150℃まで毎分10℃の昇温速度で、ASTM D3418−8に準拠して測定を行う。
結晶性樹脂の融点は、融解ピーク温度として求めることができる。なお、上記測定において複数の融解ピークを示す場合があるが、本発明においては、最大のピーク温度をもって融点とみなす。
非結晶性樹脂のガラス転移温度は、吸熱部におけるベースラインと立ち上がりラインとの延長線の交点の温度とする。
また、トナーは常温で十分な硬さを有していることが好ましい。具体的には、動的粘弾性が角周波数1rad/sec、30℃において貯蔵弾性率(G’30)が1×105Pa以上、損失弾性率(G’’30)が1×105Pa以上であることが好適である。角周波数1rad/sec、30℃において貯蔵弾性率(G’30)が1×105Pa未満、損失弾性率(G’’30)が1×105Pa未満の場合には、現像機内でキャリアと混合された時に、キャリアから受ける圧力や剪断力によりトナー粒子が変形し、安定な帯電現像特性を維持することができない。また、潜像保持体上のトナーがクリーニングされる際に、クリーニングブレードから受ける剪断力によって変形し、クリーニング不良が発生する。角周波数1rad/sec、30℃において貯蔵弾性率(G’30)が1×105Pa以上、損失弾性率(G’’30)が1×105Pa以上である場合には、高速機で用いても特性が安定するので好ましい。
本発明において、トナーは、融点+20℃のときの損失正接tanδが、角周波数1rad/secでtanδ<1.5を満たすことが好ましい。融点以上の損失正接tanδが角周波数1rad/secでtanδ<1.5を満たすことで、紙などの被転写体に対する過度の染み込みを防止することができ、定着ラチチュードの広く、安定した定着像の電子写真用トナー組成物を提供することができる。この損失正接tanδは0.01<tanδ<1を満たすことがさらに好ましい。
このようなトナーとしては、例えば、特開2000−352839号公報等を参照できる。
以下に、結晶性樹脂の例を説明する。
架橋構造を有する結晶性樹脂を構成するポリマーの好ましい例として、長鎖アルキル基を有するアクリルとジビニルモノマーから構成される樹脂を挙げることができる。ここで使用されるモノマーとしては、長鎖アルキル基、好ましくは炭素数10以上のアルキル基を有するアクリルが挙げられ、具体的には、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、ベヘニルアクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、そしてベヘニルメタクリレートが挙げられるが、長鎖アルキル基、好ましくは炭素数10〜24程度のアルキル基を有していればこれらに限定されるものではない。また、長鎖アルキル基の代わりに長鎖エーテル基あるいはポリエステル基を有するアクリルモノマーを用いることもできる。
また、ジビニルモノマーとしては1モノマーユニットにビニル基が2つ含有されていればよく、ジビニルスチレン、プロピレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、5−エチル−2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサンのアクリル酸エステル、N,N−メチレンビスアクリルアミド等が挙げられる。
また、本発明の結着樹脂に好適な他の結晶性樹脂として、ポリエステル系樹脂を挙げることができる。前記ポリエステル樹脂は、例えば、モノマー成分である、2価又は3価以上のカルボン酸と、2価又は3価以上のアルコールとの反応により得られる。なお、本発明においては、前記ポリエステル樹脂として市販品を使用してもよいし、適宜合成したものを使用してもよい。2価のカルボン酸としては、例えば、蓚酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の二塩基酸、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステル、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の脂肪族不飽和ジカルボン酸などが挙げられる。3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。2価のアルコールとしては、例えば、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキシド又は(及び)プロピレンオキシド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、キシリレングリコールなどが挙げられる。3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、必要に応じて、酸価や水酸基価の調製等の目的で、酢酸、安息香酸等の1価の酸や、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等の1価のアルコールも使用することができる。
また、本発明において使用される結着樹脂は、上記結晶性樹脂のほか、本発明の効果を損なわない範囲において、上記以外のモノマーを共重合成分として併用することができる。共重合可能な他のモノマー成分しては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のエチレン系不飽和オモノオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピレン酸ビニル、酢酸ビニルなどのビニルエステル類、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸テトラフルオロプロピル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸トリフルオロエチル、アクリル酸ヘキサフルオロイソプロピル、アクリル酸テトラフルオロプロピル、アクリル酸オクタフルオロペンチル、アクリル酸ヘプタデカフルオロデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物等を挙げることができる。
これらの使用割合は、結着樹脂の所望の特性や主となる前記長鎖アルキル基又はエーテル基、ポリエステル基を有するアクリル系モノマーの種類により適宜選択し得るが、一般的には、仕込み比で60モル%程度が上限であり、好ましくは、20〜50モル%程度である。
前記結晶性樹脂に架橋構造を形成するには、長鎖アルキル基を有するアクリル系樹脂やポリエステル系樹脂に、イソシアネート系含有化合物のような架橋成分を添加するなどの手段により行うことができる。良好な架橋構造を形成するためには少なくとも3官能性の成分を用いることが好ましい。好ましい架橋構造の形成のためには、例えば、ジオール成分を有する樹脂とトリイソシアネートとの組み合わせ、トリオール成分を有する樹脂とジイソシアネートとの組み合わせを用いる方法、その他、ポリエステル樹脂の合成中に、主鎖中にビニル基等の官能基を導入し、そこにビニル基を有するモノマーを反応させる方法などをとればよい。
また、トナー粒子は、コアに前記結晶性樹脂と非結晶性樹脂を含み、シェルに非結晶性粒子を含む、コア/シェル粒子であることも好適である。
本発明のトナーに用いる着色剤としては、特に制限はなく、それ自体公知の着色剤を挙げることができ、目的に応じて適宜選択することができる。着色剤としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック、ベンガラ、紺青、酸化チタン等の無機顔料、ファストイエロー、ジスアゾイエロー、ピラゾロンレッド、キレートレッド、ブリリアントカーミン、パラブラウン等のアゾ顔料、銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン顔料、フラバントロンイエロー、ジブロモアントロンオレンジ、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレット等の縮合多環系顔料が挙げられる。また分散染料、油溶性染料等を用いることもできる。前記着色剤の電子写真用トナーにおける含有量としては、前記結着樹脂100重量部に対して1〜30重量部が好ましいが、定着後における画像表面の平滑性を損なわない範囲においてできるだけ多い方が好ましい。着色剤の含有量を多くすると、同じ濃度の画像を得る際、画像の厚みを薄くすることができ、オフセットの防止に有効な点で有利である。なお、前記着色剤の色相を選択することで、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等が得られる。
本発明のトナーには、前記必須成分のほか、その他の成分として、目的に応じて公知の添加剤などを適宜選択して用いることができる。例えば、無機微粒子、有機微粒子、帯電制御剤、離型剤などのそれ自体公知の各種添加剤が挙げられる。
外添剤としては、特に制限はなく、従来から外添剤として用いられている各種外添剤を問題なく用いることができる。例えば、帯電性、導電性、粉体流動性、潤滑性等を改善する目的で、金属、金属酸化物、金属塩、セラミックス、樹脂、カーボンブラック等の微粒子を、外添してもよい。
上述のように、球形に近い形状のトナーを用いた場合、一般に、像担持体のクリーニングは困難となる。そこで、体積平均粒径D50が50〜500nmの球形微粒子を外添剤として用いることが好ましい。特に、単分散球形シリカを用いることが有効である。
かかる単分散球形シリカは、クリーニングブレードをすり抜けることができるため、トナーと像担持体との付着力を低減させることができ、摩擦力を軽減できる。その結果、クリーニングブレードと像担持体と接触幅が狭くなり、トナーの入り込みやフィルミングを抑制することができる。
単分散球形シリカの体積平均粒径D50が50nm未満であると、非静電的付着力低減に対して有効に働かなくなり易い。特に、現像器内のストレスにより、トナー粒子に埋没しやすくなり、現像、転写向上効果が著しく低減しやすい。一方、500nmを超えると、トナー粒子から離脱しやすくなり、非静電的付着力低減に対して有効に働かないと同時に、接触部材に移行しやすくなり、帯電阻害、画質欠陥等の二次障害を引き起こしやすくなる。
より好ましくは、本発明における単分散球形シリカの体積平均粒径D50は、100〜200nmである。
外添剤の体積平均粒径D50の測定方法は、下記トナーにおける体積平均粒径D50の測定方法と同様である。
本発明における単分散の定義としては、凝集体を含め、平均粒径に対する標準偏差で議論することができ、標準偏差として体積平均粒径D50×0.22以下であることが好ましい。本発明における球形の定義としては、下式(3)で表されるWAdellの球形化度で議論することができ、球形化度が0.6以上であることが好ましく、0.8以上であることがより好ましい。
式(3): 球形化度=S1/S2
上記式(3)中、S1は実際の粒子と同一体積の球の表面積を表し、S2は実際の粒子そのものの表面積を表す。)
また、材料としてシリカが好ましい理由としては、屈折率が1.5前後であり、粒径を大きくしても光散乱による透明度の低下、特にOHP上への画像採取時のPE値(Projection EfficiencY)等に影響を及ぼさないことが挙げられる。
一般的なフュームドシリカは、真比重2.2であり、粒径的にも最大50nmが製造上から限界である。また、凝集体として粒径を上げることはできるが、均一分散、安定したスペーサー効果が得られにくい。一方、外添剤として用いられる他の代表的な無機微粒子としては、酸化チタン(真比重4.2、屈折率2.6)、アルミナ(真比重4.0、屈折率1.8)、酸化亜鉛(真比重5.6、屈折率2.0)が挙げられるが、いずれも真比重が高く、スペーサー効果を有効に発現する粒径80nmより大きくすると、トナー粒子からの剥がれが起こりやすくなり、剥がれた粒子が帯電付与部材、あるいは像担持体等へ移行しやすくなり、帯電低下あるいは画質欠陥を引き起こしてしまう場合がある。また、その屈折率も高いため、これらの大粒径無機物を用いることはカラー画像形成には適していない。
単分散球形シリカは、湿式法であるゾルゲル法により得ることができる。湿式法、かつ焼成することなしに作製するため、蒸気相酸化法に比べ、真比重を低く制御することができる。また、疎水化処理工程での疎水化処理剤種、あるいは処理量を制御することにより、更に真比重の値を調整することが可能である。粒径は、ゾルゲル法の加水分解、縮重合工程のアルコキシシラン、アンモニア、アルコール、水の重量比、反応温度、攪拌速度、供給速度により自由に制御することができる。単分散球形シリカに望まれる、単分散性や球形形状も、本手法にて作製することにより十分に達成することができる。
前記単分散球形シリカの添加量は、トナー粒子100質量部に対して、0.5〜5質量部が好ましく、1〜3質量部がより好ましい。該添加量が0.5質量部より少ないと、非静電的付着力の低減効果が小さく、現像、転写向上効果が十分得られなくなることがあり、一方、該添加量が5質量部より多いと、トナー粒子表面を1層被覆し得る量を超え、被覆が過剰な状態となり、シリカが接触部材に移行し、二次障害を引き起こし易くなる。
本発明においては、トナーの流動性および帯電性を制御するために、トナー粒子表面を充分に被覆することが望まれるが、大粒径である前記単分散球形シリカだけでは充分な被覆を得ることがでないことがあるため、外添剤として小粒径の無機化合物を併用することが好ましい。小粒径の無機化合物としては、体積平均粒径50nm未満の無機化合物が好ましい。
小粒径の無機化合物としては、公知のものを用いることができ、例えば、シリカ、アルミナ、チタン化合物(酸化チタン、メタチタン酸等)、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム等が挙げられる。また、目的に応じてこれら無機微粒子の表面には公知の表面処理を施してもよい。
特に、その中でも15nm以上50nm未満のチタン化合物は透明性に影響を与えず、良好な帯電性、環境安定性、流動性、耐ケーキング性、安定した負帯電性、安定した画質維持性に優れた現像剤を提供することができる。
また、体積平均粒径が20nm以上50nm未満であるシリカを併用することにより、トナーを均一に被うことが可能となり、トナーのブロッキング性抑制および初期的な転写性向上が可能となる。
小粒径の無機化合物の添加量は、トナー粒子100質量部に対して、それぞれ0.3〜3質量部が好ましく、0.5〜2.5質量部がより好ましい。該添加量が0.3質量部より少ないと、トナーの流動性が十分に得られない場合があり、また熱保管によるブロッキング抑制が不十分となりやすい。一方、該添加量が3質量部より多いと、過剰被覆状態となり、過剰無機酸化物が接触部材に移行し、二次障害を引き起こす場合がある。
本発明において、前記外添剤のトナー粒子表面への付着状態は、単に機械的な付着であってもよいし、表面にゆるく固着されていてもよい。また、トナー粒子の全表面を被覆していても、一部を被覆していてもよい。
また、外添混合後に篩分プロセスを通しても一向に構わない。
本発明において、前記外添剤は、トナー粒子に添加され混合されるが、混合は、例えば、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、レディゲミキサー等の公知の混合機によって行うことができる。
本発明におけるトナーの体積平均粒径は4〜10μmの範囲が好ましく、5〜8μmの範囲がより好ましく、5.5〜7.5μmの範囲がさらに好ましい。体積平均粒径が4μm未満では、帯電性が不十分になり、現像性が低下することがあり、10μmを超えると、画像の解像性が低下する場合がある。
また、トナーの粒度分布指標としては、体積平均粒度分布指標GSDvが1.30以下、数平均粒度分布指標GSDpが1.40以下であることが好ましい。また、体積平均粒度分布指標GSDvと数平均粒度分布指標GSDpとの比GSDv/GSDpが0.95以上であることが好ましい。
体積平均粒度分布指標GSDvが1.30を超える、あるいは数平均粒度分布指標GSDpが1.40を超えると画像の解像性が低下し、GSDv/GSDpが0.95未満の場合、帯電性の低下を発生させることがあると同時に飛び散り、カブリ等の画像欠陥の原因ともなり得る場合がある。
上記トナーの体積平均粒径及び粒度分布指標は、コールターウンターTAII(ベックマン−コールター社製、アパーチャー径:10μm)を用いて測定される粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積、数をそれぞれ小粒径側から累積分布を引いて、累積16%となる粒径を体積D16v、数D16p、累積50%となる粒径を体積D50v(これを「体積平均粒径」とする)、数D50p(これを「数平均粒径」とする)、累積84%となる粒径を体積D84v、数D84pと定義する。そして、前記体積粒度分布指数GSDvは、(D84v/D16v1/2として算出され、前記数平均粒度分布指数GSDpは、(D84p/D16p1/2として算出される。
また、本発明のクリーニング装置では、下記式(2)で表されるトナーの形状係数SF1が135以下であっても良好にクリーニングすることができる。
式(2): SF1 = (ML2/A)×(π/4)×100
〔式中、MLはトナー粒子の絶対最大長を表し、Aはトナー粒子の投影面積を表す。〕
形状係数SF1は100に近づくほど真球となる。トナーの形状係数SF1が大きくなるほど、形状の歪によって現像器内でのキャリアとの衝突によりトナーが破壊されやすくなる。この際、結果として微粉が増加したり、これによってトナー表面に露出した離型剤成分により感光体表面等が汚染され帯電特性を損なったりすることがあるばかりでなく、微粉に起因するかぶりの発生等の問題を起こすことがある。
一方、形状係数SF1が100に近いトナーでは、真球形状に近づくため、流動性、帯電性、および転写性が向上する。結果、トナーの現像性のばらつきが抑制され、現像剤の維持性が向上する。しかしながら、トナー形状が真球に近づくほど、クリーニングブレードとの接触面積が少なくなるため、クリーニング性が損われやすく、結果として画像欠陥を生じる場合がある。
本発明のクリーニング装置では、過剰な当接圧を必要とせず、クリーニング性も良好であるため、トナーの形状係数SF1が135以下であっても良好なクリーニング性が発揮される。
なお、前記形状係数SF1の平均値は、250倍に拡大した50個以上のトナー像を光学顕微鏡から画像解析装置(LUZEX III、ニレコ社製)に取り込み、その最大長及び投影面積から、個々の粒子について前記SF1の値を求め平均したものである。
トナー粒子は、上記の結着樹脂中に、着色剤、非磁性無機微粉末および所望により使用されるその他の材料を分散させてトナー粒子を形成する工程および所望によってトナー粒子表面に表面層を形成する工程によって製造される。
具体的には、結晶性樹脂を主体とする結着樹脂、着色剤、非磁性無機微粒子およびその他の材料からなるトナー材料を粉体化する公知の方法や、混練粉砕法、水系媒体において結着樹脂の単量体、着色剤、非磁性無機微粉末およびその他の材料を分散させた粒子を重合する懸濁重合法、結着樹脂の乳化粒子を、着色剤、非磁性無機微粉末およびその他の材料とともに凝集固着する乳化凝集法であってもよい。乳化凝集法の場合、乳化粒子は、乳化重合法で作成したものであってもよいし、結着樹脂を溶剤に溶解し、水系媒体中で細かく分散させたものであってもよい。また、結着樹脂、着色剤、非磁性無機微粒子その他の材料を溶剤中に溶解分散させておき、水系媒体中で懸濁分散し、その後溶剤を除去する方法を採用してもよい。また、結着樹脂、着色剤、非磁性無機微粒子およびその他の材料を溶剤に溶解分散させておき、スプレードライヤー等で気体中に分散し、同時に溶剤を除去する方法を採用してもよい。さらに、溶剤中に溶解している結着樹脂を温度を下げたり、または貧溶媒を加えることにより析出させる方法を採用してもよい。また、溶融している材料を媒体中で分散冷却する方法を採用してもよい。また、分散重合やシード重合の技法を用いてもよい。
これらトナーの製造方法のなかでも、良好な既述の球形化度SFのトナー粒子を得るために、湿式製法で作製されることが望ましい。湿式製法としては、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法;結着樹脂を得るための重合性単量体と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法;結着樹脂、着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法;等が挙げられる。
また、上記方法で得られたトナー粒子をコアにして、更に凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法を行ってもよい。また、一般の粉砕分級法により得られたトナー粒子に対し、加熱溶融させて再度固化する球形化処理を施すことで、トナー形状係数SF1を所定の範囲内のものに揃えてもよい。
(静電潜像現像剤)
静電潜像現像剤は、前記静電潜像現像用トナーを単独で用いると一成分系の静電潜像現像剤となり、キャリアと組み合わせて用いると二成分系の静電潜像現像剤となる。
例えばキャリアを用いる場合のそのキャリアとしては、特に制限はなく、それ自体公知のキャリアが挙げられ、例えば、特開昭62−39879号公報、特開昭56−11461号公報等に記載された樹脂被覆キャリア等の公知のキャリアが挙げられる。
キャリアの具体例としては、以下の樹脂被覆キャリアが挙げられる。該キャリアの核体粒子としては、通常の鉄粉、フェライト、マグネタイト造型物などが挙げられ、その体積平均粒径は、30〜200μm程度の範囲である。
キャリアの製造には、加熱型ニーダー、加熱型ヘンシェルミキサー、UMミキサーなどを使用することができ、前記被覆樹脂の量によっては、加熱型流動転動床、加熱型キルンなどを使用することができる。
二成分系の静電潜像現像剤における前記本発明の静電潜像現像用トナーとキャリアとの混合比としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
現像剤におけるキャリアの含有量((キャリア)/(キャリア+トナー)×100)としては、85〜99質量部の範囲が好ましく、より好ましくは87〜98質量部の範囲、さらに好ましくは89〜97質量部の範囲である。
以下に、本発明を参考例、実施例及び比較例をもって具体的に説明する。ただし下記の参考例、実施例及び比較例によって本発明が限定されるものではない。なお、以下において特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を表す。
<各種特性の測定方法>
まず、参考例、実施例、比較例で用いたトナー等の物性測定方法について説明する。
(トナー粒度及び粒度分布測定方法)
本発明におけるトナー粒度及び粒度分布測定は、測定装置としてはコールターカウンターTA−II型(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用した。
測定法としては、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5質量%水溶液2ml中に測定試料を0.5〜50mg加える。これを前記電解液100〜150ml中に添加した。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTA−II型により、アパーチャー径として100μmアパーチャーを用いて2〜60μmの粒子の粒度分布を測定して、前述のようにして体積平均粒径D50v、GSDv、GSDpを求めた。測定する粒子数は50000であった。
(トナーの形状係数SF1測定方法)
トナー形状係数SF1は、スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個につきSF1を計算し、平均値を求めることにより得られたものである。この形状係数SF1は下式(2)により求めた。
式(2): SF1=(ML2/A)×(π/4)×100
上記式(2)において、MLは各々の粒子の最大長を表し、Aは各々の粒子の投影面積を表す。
(外添剤粒子の体積平均粒径)
外添剤粒子の体積平均粒子径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で測定し、前述のようにして求めた。
[トナー粒子の作製]
(各分散液の調製)
−結晶性樹脂粒子分散液(1)−
加熱乾燥した三口フラスコに、セバシン酸ジメチル98mol%、イソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム2mol%、1,6−ヘキサンジオール100mol%、及び触媒としてジブチル錫オキサイド(酸成分に対して0.014%)とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌・還流を行った。その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い4時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、結晶性ポリエステル樹脂(1)を合成した。
結晶性ポリエステル樹脂(1)の融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確な吸熱ピークを示し、吸熱ピーク温度は66℃であった。
次いで、結晶性ポリエステル樹脂(1)を用い、以下のように樹脂粒子分散液を調製した。
・結晶性ポリエステル樹脂(1) 90部
・イオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬社製) 1.8部
・イオン交換水 210部
以上を100℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA製、ウルトラタラックスT50)にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理を1時間行い、体積平均粒径が130nm、 固形分量が30質量%の結晶性樹脂粒子分散液(1)を得た。
−非晶性樹脂粒子分散液(1−1)−
・スチレン(和光純薬製) 280部
・n−ブチルアクリレート(和光純薬製) 120部
・β−カルボキシエチルアクリレート(ローディア日華製) 18部
前記成分を混合溶解したものに、アニオン性界面活性剤(ダウファックス、ダウケミカル社製)1.5部をイオン交換水550部に溶解した溶液を加えて、フラスコ中で分散、乳化し10分間ゆっくりと攪拌混合しながら、さらに、過硫酸アンモニウム2.3部をイオン交換水50部に溶解した溶液を投入した。次いで、フラスコ内の窒素置換を充分に行った後、フラスコ内の溶液を攪拌しながらオイルバスで65℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続し、アニオン性の非晶性樹脂粒子分散液(1−1)を得た。
非晶性樹脂粒子分散液(1−1)中の樹脂粒子の体積平均粒径は173nm、固形分量は42.3質量%であった。
(着色剤分散液の調製)
−着色剤分散液(1)−
・カーボンブラック(キャボット社製、リーガル330) 30部
・アニオン界面活性剤(日本油脂製、ニューレックスR) 2部
・イオン交換水 220部
上記成分を混合し、ホモジナイザー(ウルトラタラックス、IKA社製)により10分間予備分散した後、対向衝突型湿式粉砕機(アルチマイザー、杉野マシン製)を用い、圧力245mPaで15分間分散処理を行い、体積平均粒径が328nmの着色剤分散液(1)を得た。
(離型剤分散液の調製)
・パラフィンワックス(HNP9、日本精鑞製、融点:75℃) 45部
・カチオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬製) 5部
・イオン交換水 200部
前記成分を混合し80℃に加熱し、ホモジナイザー(ウルトラタラックス、IKA社製)により10分間予備分散した後、圧力噴出型粉砕機(ゴーリンホモジナイザー、ゴーリン社製)を用い、分散処理を行い、体積平均粒径が185nmの離型剤粒子分散液を得た。
(トナー粒子の作製)
−トナー粒子(1−1)−
・結晶性樹脂粒子分散液(1) 80部
・非晶性樹脂粒子分散液(1−1) 180部
・着色剤分散液(1) 36部
・離型剤分散液 81部
上記成分を丸型ステンレス製フラスコ中に投入し、ウルトラタラックスT50で十分に混合・分散した溶液を得た。次いで、この溶液にポリ塩化アルミニウム0.2部を加えてコア凝集粒子を作製し、ウルトラタラックスを用いて分散操作を継続した。さらに加熱用オイルバスでフラスコ内の溶液を攪拌しながら47℃まで加熱し、47℃で60分保持した後、ここに非晶性樹脂粒子分散液(1−1)を緩やかに42部を追加し、コア/シェル凝集粒子を作製した。
その後、0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えて溶液のpHを6.5にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら98℃まで加熱し、0.3mol/Lの硝酸水溶液を加えて溶液のpHを4.2、次いで0.3mol/Lのクエン酸水溶液を加えて溶液のpHを3.1に調整した後、5時間保持した。
冷却後、溶液中に分散した状態の粒子を濾過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を施した。これを更に40℃のイオン交換水3Lに再分散し、15分300rpmで攪拌・洗浄した。この操作を更に5回繰り返し、濾液のpHが7.01、電気伝導度が15.8μS/cmとなったところで、ヌッチェ式吸引濾過によりNo.5Aろ紙を用いて固液分離を行い、得られた固形物を、12時間かけて真空乾燥させ、黒色のトナー粒子(1−1)を得た。
トナー粒子(1−1)の粒度分布を測定したところ、体積平均粒子径D50vは6.4μm、数平均粒度分布指標GSDpは1.25であり、体積平均粒度分布指標GSDvは1.28であった。また、トナー粒子(1−1)の形状係数SF1は131であった。
(現像剤の調製)
上記各トナー粒子50部に対して、外添剤として疎水性シリカ(TS720、キャボット社製、体積平均粒径12nm)3.5部を添加し、サンプルミルにてブレンドし、外添処理された各トナーを得た。
一方、トルエン11部、ジエチルアミノエチルメタクリレート−スチレン−メチルメタクリレート共重合体(共重合比:2/20/78、重量平均分子量50,000)2部、カーボンブラック(キャボット社製、R330R)0.2部及びガラスビーズ(粒径1mm、トルエンと同量)を関西ペイント社製サンドミルに投入し、回転速度1200rpmで30分間攪拌して被覆樹脂層形成用溶液を調製した。
次に、この被覆樹脂層形成用溶液とMn−Mg系フェライト粒子(真比重:4.6g/cm3、体積平均粒径:35μm、飽和磁化:65emu/g)100部を真空脱気型ニーダーに入れ、温度を60℃を保って10分間攪拌した後、減圧してトルエンを留去することにより、被覆樹脂層が形成されたフェライトキャリアを得た。
このフェライトキャリアに対し、前記トナーをトナー濃度が5%になるように混合し、ボールミルで5分間攪拌・混合し、前記トナー粒子(1−1)を含む現像剤(1−1)を調製した。
[クリーニングブレードの作製]
(クリーニングブレード(1)の作製)
厚さ2mmゴム部材を12.5mm×324mmに加工した。このゴム部材の硬度(JIS−A)は、90であった。
また、支持部材である厚さ2mmの板金の先に加工したゴム部材を自由長が前記端部Aで1.2mm、端部Bで0.6mmとなるように調節して、クリーニングブレード(1)を作製した。なお、前述の通り、端部Aは感光体の回転方向上流側に配した端部であり、端部Bは下流側に配した端部である。
(クリーニングブレード(2)〜(6)の作製)
クリーニングブレード(1)の作製において使用したゴム部材の種類を、表2に示すものに変更した以外は同様にして、クリーニングブレード(2)〜(6)を作製した。
(クリーニングブレード(7)の作製)
クリーニングブレード(3)の作製において使用したゴム部材において、表面のエッジ先端部0.5mmのところまでを、濃度30質量%のフッ素系樹脂(ルブロンL−2:ダイキン工業社製)液で被覆した以外は同様にして、クリーニングブレード(7)を作製した。
(クリーニングブレード(8)の作製)
クリーニングブレード(3)の作製において使用したゴム部材に、潤滑剤としてフッ素系樹脂(ルブロンL−5:ダイキン工業社製)を添加した。添加量は、ゴム部材100重量部に対して、30重量部とした。それ以外はクリーニングブレード(1)と同様にして、クリーニングブレード(8)を作製した。
[画像形成装置の作製]
上記で得られた現像剤及びクリーニングブレードを、感光体の軸方向に対して下記表3に示す角度となるよう、タンデム式の画像形成装置、富士ゼロックス社製DocuCentre Color a450の改造機に適用して、感光体のクリーニング性能を評価した。また、クリーニングブレードの感光体への当接角を25度、当接圧は2gf/mm及び4gf/mmの2通りで行った。
なお、改造機は、クリーニングブレードを試験ごとに交換することが可能で、感光体からトナーをサンプリングできるように改造したものである。このクリーニングブレードを有するクリーニング装置には、オーガを備えた。上記端部B側(感光体の回転の下流側端部)には、トナー排出口を設けた。
また、使用した感光体の半径(r)は、30mmである。
尚、クリーニングに対するストレス条件を付加するため、帯電器は接触式の帯電ロールを用いて行った。接触帯電器は、放電により感光体表面エネルギーを増加させて濡れ性を増加させ、その結果摩擦力を向上させると考えられており、クリーニングには大きなストレスとなる。

[評価試験]
<接触幅の測定>
上記画像形成装置の作製において、クリーニングブレードの取り付け条件(当接圧2gf/mm又は4gf/mm、当接角を25°)で、湿度85%RH、温度28℃において、感光体を30,000回転させた後に摺擦してできたカット面先端の磨耗痕跡の幅の最大値を、前述の方法に従い測定し、接触幅を求めた。
<トナー固着の評価>
上記装置を用い、帯電ロールへの印加電圧を、AC1.8kV(Peak to Peak)、周波数2kHzとした。さらに、試験環境として高温高湿度(28℃、85%RH)下で実施し、放電生成物によるクリーニングへのストレスを与えた。
各装置毎に画像密度5%チャートを1万枚印刷した際、トナーの感光体上の固着状態を目視確認し、固着のない場合を◎、10,000枚後に固着が発生した場合を○、1,000枚から10,000枚の間で固着が発生した場合を△、1,000枚以下で固着が発生した場合を×とした。◎、○、△で実用可能である。
結果を表4に示す。
表4に示すように、当接圧が2gf/mm、4gf/mmのいずれであっても、式(1)におけるr(1−cosθ)の値が、0より大きく0.6以下の場合にはトナー固着の点でクリーニング性が良好であった。特に、ゴム硬度の高い、或いは表面の摩擦力の小さいクリーニングブレードでは、接触幅が小さくなるためトナー固着の観点におけるクリーニング性が更に良好となった。
尚、r(1−cosθ)の値が、0.6より大きくなると、ブレード端部と感光体との当接が著しく低下し、端部のみ固着が発生した。
本発明において用いられる画像形成装置の一例を示す概略断面図である。 本発明のクリーニング装置におけるクリーニングブレードの当接状態を説明する図であり、図2(A)は感光体を半径方向から観察した図であり、図2(B)は感光体を軸方向から観察した図であり、図2(C)は図2(B)の拡大図である。 本発明にかかるクリーニングブレードの自由長を説明する図である。 クリーニングブレードに対するトナーの挙動を説明する図であり、図4(A)は、従来のクリーニング装置の場合であり、図4(B)は、本発明のクリーニング装置の場合である。 クリーニングブレードによってトナーが潰される様子を説明する図である。 クリーニングブレードの接触幅を説明する図である。 クリーニングブレードと像担持体との接触状態を示す図である。 クリーニングブレードの硬度とエッジ部分の接触幅との関係を示す図である。 本発明のクリーニングブレードの構成の一例を示す概略図である。 図10(A)(B)ともに、本発明のクリーニング装置の一例を示す概略図である。
符号の説明
1Y,1M,1C,1K 感光体ドラム
6Y クリーニング装置
17a クリーニングブレード
17 クリーニング装置
18a クリーニングブレード
18 クリーニング装置
35 クリーニングブレード
36 トナー搬送オーガー部
50Y,50M,50C,50K 各現像ユニット
100 画像形成装置
T トナー像

Claims (13)

  1. 曲率を有する像担持体に当接し該像担持体上に残留したトナーをクリーニングするクリーニングブレードを備えるクリーニング装置であって、
    前記クリーニングブレードの長手方向に延びた直線状の端部を持つ支持部材の当該端部側に、前記クリーニングブレードが支持されており、
    前記像担持体の軸方向に対して前記クリーニングブレードの長手方向が角度を有するように前記クリーニングブレードを当接してなり、少なくともクリーニングに必要な前記クリーニングブレードの有効長における一方の端部を、前記像担持体の回転方向に対して上流側に当接し、他方の端部を下流側に当接し、
    前記クリーニングブレードの長手方向において、前記像担持体の回転方向に対して上流側に当接される前記一方の端部では、クリーニングブレードの自由長が最も大きく、下流側に当接される前記他方の端部では、クリーニングブレードの自由長が最も小さいことを特徴とするクリーニング装置。
  2. 前記クリーニングブレードによる像担持体への当接圧は、クリーニングブレード長手方向で同等であることを特徴とする請求項1に記載のクリーニング装置。
  3. 前記クリーニングブレードによってクリーニングされた残余トナーの排出口は、前記他方の端部の近傍に設けられてなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のクリーニング装置。
  4. 前記クリーニングブレードが、板状ゴムで構成され、該板状ゴムと前記像担持体との接触幅が、前記トナーの体積平均粒径よりも小さいことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のクリーニング装置。
  5. 前記板状ゴムのJIS A硬度が、80以上であることを特徴とする請求項4に記載のクリーニング装置。
  6. 前記板状ゴムにおいて、少なくとも前記像担持体との接触部に微粒子が分散されてなることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のクリーニング装置。
  7. 前記板状ゴムにおいて、少なくとも前記像担持体との接触部に皮膜層が形成されてなることを特徴とする請求項4〜請求項6のいずれか1項に記載のクリーニング装置。
  8. 前記クリーニングブレードが、板状スクレーパで構成されてなることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のクリーニング装置。
  9. 前記トナーが結着樹脂と着色剤とを含み、前記結着樹脂として、融点が45℃〜110℃の樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のクリーニング装置。
  10. 前記トナーの下記式(2)で表される形状係数SF1が、135以下であることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のクリーニング装置。
    式(2): SF1 = (ML2/A)×(π/4)×100
    〔式中、MLはトナー粒子の絶対最大長を表し、Aはトナー粒子の投影面積を表す。〕
  11. 前記トナーが外添剤を有してなり、該外添剤の少なくとも1種類は、体積平均粒径が50〜500nmであることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のクリーニング装置。
  12. 像担持体と、該像担持体の表面を帯電させる帯電手段と、帯電された前記像担持体の表面に光を照射して潜像を形成させる露光手段と、トナーを含む現像剤により前記潜像を現像しトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を被転写体に転写する転写手段と、前記転写後の前記像担持体上に残余したトナーをクリーニングするクリーニング手段と、を少なくとも備える画像形成装置であって、
    前記クリーニング手段が、請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載のクリーニング装置であることを特徴とする画像形成装置。
  13. 前記像担持体の表層は、フッ素系樹脂微粒子が分散されてなることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
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