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JP4752214B2 - エピタキシャル層形成用AlN結晶の表面処理方法 - Google Patents

エピタキシャル層形成用AlN結晶の表面処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、発光素子、電子素子、半導体センサなどの半導体デバイスの基板などに用いられるエピタキシャル層形成用AlN結晶の表面処理方法に関する
AlN結晶などのIII族窒化物結晶は、発光素子、電子素子、半導体センサなどの半導体デバイスの基板を形成するための材料として非常に有用なものである。
従来は、AlN結晶からAlN結晶基板を形成する方法として、AlN結晶を所定の厚さにスライスした後、表面を研磨する方法が採られており、特に化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing;以下CMPという)が広く行なわれていた(たとえば、特許文献1〜3を参照)。
ここで、従来のCMPは、被研磨物であるAlN結晶以下に硬度の低い砥粒を含むスラリーを研磨パッドに供給しながら、AlN結晶を研磨パッドに押し当てることによりAlN結晶の表面を行なっているが、AlN結晶は硬質で反応性に乏しいため、従来のCMPでは、研磨速度が非常に低く、非効率的である。
一方、AlN結晶よりも硬度の高い砥粒を用いて機械研削または機械研磨によりAlN結晶の表面を研削または研磨すると、AlN結晶の表面側領域に厚い加工変質層が形成され、またはAlN結晶の表面粗さが大きくなるため、そのAlN結晶表面上にエピタキシャル成長させたIII族窒化物結晶層の表面は凹凸が大きくなり白濁してしまい、良質な半導体デバイスを形成することができない。
米国特許第6596079号明細書 米国特許第6488767号明細書 国際公開第03/043780号パンフレット
本発明は、半導体デバイスに用いることができるエピタキシャル層形成用AlN結晶基板を効率的に得るため、効率よくエピタキシャル層形成用AlN結晶にモフォロジーの良好な表面を形成するエピタキシャル層形成用AlN結晶の表面処理方法を提供することを目的とする。
本発明は、AlN結晶の表面を化学的機械的に研磨するエピタキシャル層形成用AlN結晶の表面処理方法であって、化学的機械的研磨に用いられるスラリーの砥粒が、上記AlN結晶よりも硬度の高い高硬度砥粒と、上記AlN結晶以下に硬度の低い低硬度砥粒とを含み、スラリーのpHが5以下または8以上であるエピタキシャル層形成用AlN結晶の表面処理方法である。
また、本発明にかかるエピタキシャル層形成用AlN結晶の表面処理方法は、上記AlN結晶の表面を機械研削または機械研磨し、機械研削または機械研磨された上記AlN結晶の表面を上記のように化学的機械的に研磨するものとすることができる。
本発明にかかるエピタキシャル層形成用AlN結晶の表面処理方法において、上記AlN結晶の化学的機械的研磨後における加工変質層の厚さを100nm以下とすること、表面粗さRyを5nm以下とすること、表面粗さRaを0.5nm以下とすることができる
また、本発明にかかるエピタキシャル層形成用AlN結晶の表面処理方法において、上記化学的機械的研磨後のAlN結晶を熱処理することができる。
上記のように、本発明によれば、エピタキシャル層形成用AlN結晶にモフォロジーの良好な表面を効率よく形成することができ、半導体デバイスに用いることができるエピタキシャル層形成用AlN結晶基板を効率的に得ることができる。
本発明にかかるAlN結晶の表面処理方法は、図1を参照して、AlN結晶1の表面を化学的機械的に研磨するAlN結晶の表面処理方法であって、化学的機械的研磨(以下、CMPという)に用いられるスラリー17の砥粒16が、AlN結晶1よりも硬度の高い高硬度砥粒と、AlN結晶1以下に硬度の低い低硬度砥粒とを含む。
ここで、CMPとは、砥粒を分散させたスラリーを用いて被研磨物を化学的かつ機械的に研磨することをいい、たとえば、図1を参照して、定盤15上に固定された研磨パッド18を回転軸15cを中心にして回転させながら、スラリー供給口19から研磨パッド18上に砥粒16を分散させたスラリー17を供給するとともに、AlN結晶1を固定した結晶ホルダ11上に重り14を載せてその回転軸11cを中心にして回転させながらAlN結晶1を、上記研磨パッド18に押し当てることによって、AlN結晶1の表面を化学的機械的に研磨することができる。
CMPにおいて、上記高硬度砥粒と低硬度砥粒とを混合した砥粒を用いることにより、研磨速度を高く維持しながら、AlN結晶にモフォロジーの良好な表面を形成することができる。高硬度砥粒のみでは研磨速度は高いが結晶表面のモフォロジーが悪くなり、低硬度砥粒のみでは研磨速度がきわめて低くなり、実質的にCMPが困難となる。
上記観点から、スラリーの砥粒は、高硬度砥粒と低硬度砥粒の混合体積比が、高硬度砥粒:低硬度砥粒=5:95〜70:30であることが好ましく、15:85〜50:50であることがより好ましい。
本発明にかかるAlN結晶の表面処理方法において、高硬度砥粒の粒径は1μm以下であることが好ましい。高硬度砥粒によってAlN結晶の表面が機械的に除去されて研磨が可能となるため、高硬度砥粒の粒径を小さくすることにより、AlN結晶の表面に形成される傷および凹凸の深さを小さくし、表面をより平坦化することが可能となる。かかる観点から、高硬度砥粒の粒径は0.5μm以下であることがより好ましい。
ここで、上記高硬度砥粒は、AlN結晶よりも硬度の高い砥粒であれば特に制限はないが、ダイヤモンド、SiC、Si34、BN、Al23、Cr23、ZrO2からなる群から選ばれる少なくとも1つの材質を含む砥粒であることが好ましい。かかる材質を含む高硬度砥粒を用いることにより、AlN結晶の表面のCMPにおける研磨速度を高くすることができる。
また、上記低硬度砥粒は、AlN結晶以下に硬度の低い砥粒であれば特に制限はないが、SiO2、CeO2、TiO2、MgO、MnO2、Fe23、Fe34、NiO、ZnO、CoO2、Co34、CuO、Cu2O、GeO2、CaO、Ga23、In23からなる群から選ばれる少なくとも1つの材質を含む砥粒であることが好ましい。かかる材質を含む低硬度砥粒を用いることにより、AlN結晶のCMPにより形成される表面のモフォロジーを向上させることができる。
なお、砥粒は、単一の金属元素を含む酸化物に限定されず、2種類以上の金属元素を含む酸化物(たとえば、フェライト、ペロブスカイト、スピネルまたはイルメナイトなどの構造を有するもの)であってもよい。また、AlN、GaN、InNなどの窒化物、CaCO3、BaCO3などの炭酸化物、Fe、Cu、Ti、Niなどの金属、炭素(具体的には、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、C60など)を用いることもできる。
ここで、上記スラリー17のpHは5以下または8以上であることが好ましい。pHが5以下の酸性スラリーまたはpHが8以上の塩基性スラリーをAlN結晶に接触させて、AlN結晶表面をエッチングすることにより、CMPにおける研磨速度を高めることができる。かかる観点から、スラリー17のpHは3以下または10以上であることがより好ましい。
本発明にかかるAlN結晶の表面処理方法において、AlN結晶の表面を機械研削または機械研磨し、機械研削または機械研磨されたAlN結晶の表面を化学的機械的に研磨することができる。CMPの前に機械研削または機械研磨を組み合わせることにより、AlN結晶表面の研磨速度を高め、かつ、モフォロジーの良好なAlN結晶表面を形成することができる。
ここで、機械研削とは、図2を参照して、たとえば、砥粒をボンドで固めた砥石22を砥石台金23に固定してその回転軸23cを中心に回転させながら、結晶ホルダ21に固定されその回転軸21cを中心に回転しているAlN結晶1の表面に送り出すことにより、AlN結晶1の表面を削り取りながら平滑化することをいう。また、機械研磨とは、図3を参照して、たとえば定盤15をその回転軸35cを中心に回転させながら、定盤35上に砥粒36を分散したスラリーを供給させるとともに、AlN結晶1を固定した結晶ホルダ31上に重り34を載せてその回転軸31cを中心にして回転させながら、AlN結晶1を上記定盤35に押し当てることにより、AlN結晶の表面を平滑化することをいう。機械研磨において、砥粒を分散したスラリーを用いることに替えて、図示はしないが、上記砥粒をボンドで固めた砥石をAlN結晶に回転させながら押し当てることにより、AlN結晶の表面を研磨することも可能である。
本発明にかかるAlN結晶の表面処理方法において、図1を参照して、AlN結晶1のCMP後における加工変質層1aの厚さは100nm以下であることが好ましい。AlN結晶のCMP後の加工変質層を100nm以下とすることにより、AlN結晶上にモフォロジーの良好なエピタキシャル層(エピタキシャル成長によって形成された層をいう、以下同じ)を形成することができる。かかる観点から、上記加工変質層の厚さは10nm以下であることがより好ましい。
また、本発明にかかるAlN結晶の表面処理方法において、AlN結晶のCMP後における表面粗さRyは5nm以下であることが好ましい。本願において、表面粗さRyとは、粗さ曲面から、その平均面の方向に基準面積としてとして10μm角(100μm2)だけ抜き取り、この抜き取り部分の平均面から最も高い山頂までの高さと最も低い谷底までの深さとの和をいう。AlN結晶のCMP後の表面粗さRyを5nm以下とすることにより、AlN結晶上にモフォロジーの良好なエピタキシャル層を形成することができる。かかる観点から、上記表面粗さRyは1nm以下であることがより好ましい。
また、本発明にかかるAlN結晶の表面処理方法において、AlN結晶のCMP後における表面粗さRaは0.5nm以下であることが好ましい。本願において、表面粗さRaとは、粗さ曲面から、その平均面の方向に基準面積として10μm角(100μm2)だけ抜き取り、この抜き取り部分の平均面から測定曲面までの偏差の絶対値を合計してそれを基準面積で平均した値をいう。AlN結晶のCMP後の表面粗さRaを0.5nm以下とすることにより、AlN結晶上にモフォロジーの良好なエピタキシャル層を形成することができる。かかる観点から、上記表面粗さRyは0.1nm以下であることがより好ましい。
また、本発明にかかるAlN結晶の表面処理方法において、AlN結晶のCMP後における表面からの深さが2nm以上であるスクラッチ(傷)の密度は1×104本/mm以下であることが好ましい。AlN結晶のCMP後の表面からの深さが2nm以上であるスクラッチの密度を1×104本/mm以下とすることにより、AlN結晶上にモフォロジーの良好なエピタキシャル層を形成することができる。
また、本発明にかかるAlN結晶の表面処理方法において、AlN結晶のCMP後における表面からの深さが50nm以上であるピット(穴)の密度は1×103個/mm2以下であることが好ましい。AlN結晶のCMP後の表面からの深さが50nm以上であるピットの密度を1×103個/mm2以下とすることにより、AlN結晶上にモフォロジーの良好なエピタキシャル層を形成することができる。
また、本発明にかかるAlN結晶の表面処理方法において、CMP後におけるAlN結晶の表面酸化層の厚さは3nm以下であることが好ましい。ここで、表面酸層の厚さは、エリプソメトリー、XPS(X線光電子分光法)、AES(オージェ電子分光法)またはRBS(ラザフォード後方散乱法)などにより評価することができる。AlN結晶のCMP後の表面酸化層を3nm以下にすることにより、AlN結晶上にモフォロジーの良好なエピタキシャル層を形成することができる。かかる観点から、上記表面酸化層の厚さは2nm以下であることがより好ましい。
また、上記CMP後におけるAlN結晶表面の不純物の量については、原子番号が19以上の元素の原子は1×1012atoms/cm2以下、O(酸素)およびC(炭素)を除く原子番号が1から18までの元素の原子は1×1014atoms/cm2以下であることが好ましい。また、O原子およびC原子は、AlN結晶表面に存在する全元素の原子に対して、それぞれ40原子%以下であることが好ましい。AlN結晶表面におけるAl原子およびN原子は、AlN結晶表面に存在するAl原子およびN原子の和に対して、それぞれ40原子%〜60原子%であることが好ましい。ここで、原子番号が19以上の元素の原子ならびにOおよびCを除く原子番号が1から18までの元素の原子の量は、TXRF(全反射蛍光X線分析法)により評価することができる。O、C、AlおよびNの原子の量は、XPS、AESなどにより評価することができる。AlN結晶表面を上記の化学組成とすることにより、AlN結晶上にモフォロジーの良好なエピタキシャル層を形成することができる。
さらに、本発明にかかるAlN結晶の表面処理方法において、CMP後のAlN結晶を熱処理することが好ましい。かかる熱処理により、AlN結晶のCMP後における表面粗さRyおよび表面粗さRaの値をさらに低減することができる。この熱処理は、非酸化性雰囲気下、より好ましくは還元性雰囲気下(具体的には、N2ガス雰囲気下、NH3ガス雰囲気下、H2ガス雰囲気下など)で、900℃〜1100℃程度で行なうことが好ましい。
本発明にかかるAlN結晶基板は、上記のAlN結晶の表面処理方法により得られたAlN結晶基板である。上記の表面処理方法により得られたAlN結晶基板は、加工変質層がないかまたはあっても薄く、表面が平坦化されているため、この上にモフォロジーの良好なエピタキシャル層を形成することができる。本発明にかかるAlN結晶基板は、具体的には、各種方法により成長させたAlN結晶を、必要に応じて所定の面に平行にスライスした後、上記の方法により機械研削または機械研磨し、その表面を上記の方法により化学的機械的に研磨することによって得られる。
なお、上記AlN結晶の成長方法には特に制限はないが、大きなバルク状のAlN結晶を効率的に成長させる観点から、昇華法またはHVPE(ハライドまたはハイドライド気相エピタキシャル成長)法などの気相成長法が好ましく用いられる。
また、本発明にかかるAlN結晶基板は、その表面粗さRyが1nm以下である。上記のAlN結晶の表面処理方法を用いることによって、従来では得られていなかった表面粗さRyが1nm以下の極めて平坦な表面を有するAlN結晶基板が得られる。かかるAlN結晶基板上には、モフォロジーが極めて良好なエピタキシャル層を形成することができる。
また、本発明にかかるAlN結晶基板は、その表面粗さRaが0.1nm以下である。上記のAlN結晶の表面処理方法を用いることによって、従来では得られていなかった表面粗さRyが0.1nm以下の極めて平坦な表面を有するAlN結晶基板が得られる。かかるAlN結晶基板上には、モフォロジーが極めて良好なエピタキシャル層を形成することができる。
また、本発明にかかるAlN結晶基板は、その表面からの深さが2nm以上であるスクラッチの密度が1×104本/mm以下である。上記のAlN結晶の表面処理方法を用いることによって、従来では得られていなかった上記スクラッチの密度が1×104本/mm以下とスクラッチが少ない表面を有するAlN結晶基板が得られる。かかるAlN結晶基板上には、モフォロジーが良好なエピタキシャル層を形成することができる。
また、本発明にかかるAlN結晶基板は、表面からの深さが50nm以上であるピットの密度が1×103個/mm2以下である。上記のAlN結晶の表面処理方法を用いることによって、従来では得られていなかった上記ピットの密度が1×103個/mm2以下とピットが少ない表面を有するAlN結晶基板が得られる。かかるAlN結晶基板上には、モフォロジーが良好なエピタキシャル層を形成することができる。
また、上記AlN結晶基板の主面は、ウルツ鉱型構造におけるC面、A面、R面、M面およびS面のいずれかの面に平行であることが好ましい。ここで、C面とは{0001}面および{000−1}面を、A面とは{11−20}面およびその等価面を、R面とは{01−12}面およびその等価面を、M面とは{10−10}面およびその等価面を、S面とは{10−11}面およびその等価面を意味する。AlN結晶基板の主面がウルツ鉱型構造における上記各面に平行または平行に近い状態とすることにより、AlN結晶基板上にモフォロジーの良好なエピタキシャル層を形成しやすくなる。
また、上記AlN結晶基板の主面と、ウルツ鉱型構造におけるC面、A面、R面、M面およびS面のいずれかの面とのなす角であるオフ角が、0.05°以上15°以下であることが好ましい。0.05°以上のオフ角を設けることによりAlN結晶基板上に形成するエピタキシャル層の欠陥を低減することができる。しかし、オフ角が15°を超えるとエピタキシャル層に階段状の段差ができやすくなる。かかる観点から、オフ角は、0.1°以上10°以下であることがより好ましい。
本発明にかかるエピタキシャル層付AlN結晶基板は、上記のAlN結晶基板上にエピタキシャル成長により形成された1層以上のIII族窒化物層を有する。上記のAlN結晶基板は、加工変質層がないかまたはあっても薄く、表面が平坦化されているため、この上にエピタキシャル成長させられたIII族窒化物層は良好なモフォロジーを有する。ここで、III族窒化物層には、特に制限がなく、たとえばAlxGayIn1-x-yN層(0≦x、0≦y、x+y≦1)などが挙げられる。また、III族窒化物層エピタキシャル成長をさせる方法にも、特に制限がなく、HVPE法、MBE(分子線エピタキシ)法、MOCVD(有機金属化学気相堆積)法などが好ましく挙げられる。
本発明にかかる半導体デバイスは、上記のAlN結晶基板を含む。上記のAlN結晶基板は、加工変質層がないかまたはあっても薄く、表面が平坦化されているため、このAl結晶基板上にモフォロジーの良好なエピタキシャル層を形成して品質のよい半導体デバイスを形成することができる。本発明にかかる半導体デバイスとしては、発光ダイオード、レーザダイオードなどの発光素子、整流器、バイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタ、HEMT(High Electron Mobility Transistor;高電子移動度トランジスタ)などの電子素子、温度センサ、圧力センサ、放射線センサ、可視−紫外光検出器などの半導体センサなどが挙げられる。
また、本発明にかかる半導体デバイスは、図4を参照して、上記のAlN結晶基板410を含む半導体デバイス400であって、AlN結晶基板410における一方の主面側にエピタキシャル成長された3層以上の半導体層450と、AlN結晶基板410の他方の主面に形成された第1の電極461と、半導体層450の最外半導体層上に形成された第2の電極462とを含む発光素子と、発光素子を搭載する導電体482とを備え、発光素子は、AlN結晶基板410側が発光面側であり、最外半導体層側が搭載面側であり、半導体層450は、p型半導体層430と、n型半導体層420と、p型半導体層430とn型半導体層420との間に形成される発光層440とを含む。上記構成を有することにより、AlN結晶基板面側を発光面側とする半導体デバイスを形成することができる。
かかる半導体デバイスは、半導体層側が発光面側である半導体デバイスと比較して、発光層での発熱に対する放熱性に優れる。そのため、高電力で作動させても半導体デバイスの温度上昇が緩和され、高輝度の発光を得ることができる。また、サファイア基板などの絶縁性基板では、半導体層にn側電極およびp側電極の2種類の電極を形成する片面電極構造をとる必要があるが、本発明にかかる半導体デバイスは、半導体層とAlN結晶基板にそれぞれ電極を形成する両面電極構造をとることができ、半導体デバイスの主面の大部分を発光面とすることができる。さらに、半導体デバイスの実装の際に、ワイヤボンデイングが1回で足りるなど製造工程が簡略化できるなどの利点がある。
(実施例1)
本実施例は、昇華法で成長させたAlN結晶の表面を、機械研磨し、さらに化学的機械的に研磨することにより処理する場合の実施例である。
(1−1)AlN結晶の作製
AlN種結晶(直径50mm×厚さ1.5mm)のAl原子面側のC面((0001)面)上に、昇華法により以下のようにしてAlN結晶を成長させた。
図5を参照して、BN製の坩堝52の下部にAlN粉末などのAlN原料5を収納し、内径48mmの坩堝52の上部にAlN種結晶9を配置した。AlN種結晶9は平坦に加工されており、このAlN種結晶9の裏面に種結晶保護材53であるBN材が密着するように配置して、AlN種結晶9の裏面からのAlNの昇華を防止した。
次に、反応容器51内にN2ガスを流しながら、高周波加熱コイル55を用いて加熱体54を加熱することにより、坩堝52内の温度を上昇させた。坩堝52内の昇温中は、坩堝52のAlN種結晶9側の温度をAlN原料5側の温度よりも高くして、昇温中にAlN種結晶9の表面をエッチングにより清浄するとともに、昇温中にAlN種結晶9および坩堝52内部から放出された不純物を、坩堝52に設けた排気口52cを通じて除去した。
次に、坩堝52のAlN種結晶9側の温度を2100℃、AlN原料5側の温度を2150℃にして、AlN原料5からAlNを昇華させて、坩堝52の上部に配置されたAlN種結晶9上で、AlNを再度固化させてAlN結晶1を成長させた。AlN結晶成長中も、反応容器51内の坩堝52の外側にN2ガスを流し続け、反応容器51内の坩堝52の外側のガス分圧が101.3hPa〜1013hPa程度になるように、N2ガス導入口51aにおけるN2ガス導入量とN2ガス排気口51cにおけるN2ガス排気量とを制御した。上記の結晶成長条件で50時間AlN結晶を成長させた後、室温(25℃)まで冷却して、AlN結晶1を得た。
得られたAlN結晶は、結晶の外周部において多結晶化が見られたが、結晶の中心から直径42mmの範囲内ではX線回折の半値幅は200arcsec以下であり、半導体デバイスの基板として使用可能なAlN単結晶であった。このAlN結晶の厚さは、厚い部分で7.5mm、薄い部分で4.5mmであった。
次に、得られた上記のAlN結晶を、AlN種結晶9の(0001)面と平行な面でスライスし、また多結晶化した外周部を取り除き、直径42mm×厚さ1.5mmのAlN結晶基板を得た。
(1−2)AlN結晶表面基板の機械研磨
図3を参照して、AlN結晶基板1のN原子面側のC面((000−1)面)をセラミックス製の結晶ホルダ31にワックスで貼り付けた。ラップ装置(図示せず)に直径300mmの定盤35を設置し、ダイヤモンドの砥粒36が分散されたスラリーを定盤35に供給しながら、定盤35をその回転軸35cを中心にして回転させるとともに、結晶ホルダ31上に重り34を載せることによりAlN結晶基板1を定盤35に押し付けながら、AlN結晶基板1を結晶ホルダ31の回転軸31cを中心にして回転させることにより、AlN結晶の表面(Al原子面側のC面、(0001)面)の機械研磨を行なった。ここで、定盤35としては銅定盤または錫定盤を用いた。砥粒径が6μm、2μmの2種類のダイヤモンド砥粒を準備し、機械研磨の進行とともに、砥粒径を段階的に小さくしていった。研磨圧力は200g/cm2〜500g/cm2とし、AlN結晶1および定盤35の回転数はいずれも30rpm〜100rpmとした。かかる機械研磨によりAlN結晶基板の表面は鏡面となった。
(1−3)AlN結晶基板表面のCMP
図1を参照して、上記機械研磨後におけるAlN結晶基板1のN原子面側のC面((000−1)面)をセラミックス製の結晶ホルダ11にワックスで貼り付けた。ポリッシュ装置(図示せず)に設置された直径300mmの定盤15上に研磨パッド18を設置し、砥粒16が分散されたスラリー17を研磨パッド18に供給しながら、回転軸15cを中心にして研磨パッド18を回転させるとともに、結晶ホルダ11上に重り14を載せることによりAlN結晶基板1を研磨パッド18に押し付けながら、AlN結晶基板1を結晶ホルダ11の回転軸11cを中心にして回転させることにより、AlN結晶の表面(Al原子面側のC面、(0001)面)のCMPを行なった。ここで、定盤15としてはステンレス銅定盤を用いた。研磨圧力は100g/cm2〜500g/cm2とし、AlN結晶1および研磨パッド18の回転数はいずれも30rpm〜80rpm、研磨時間は120分間とした。ここで、砥粒には、高硬度砥粒として粒径1μmのダイヤモンド砥粒と、低硬度砥粒として粒径0.1μmのコロイダルシルカ(SiO2)砥粒とを5:95の混合体積比で混合したものを用い、スラリーのpHは8とした(表1参照)。
このCMPにおける研磨速度は0.8μm/hrであった。また、CMP後におけるAlN結晶の加工変質層の厚さは10nmであり、AlN結晶表面の表面粗さRyは1.1nm、表面粗さRaは0.11nmであった。ここで、AlN結晶における加工変質層の厚さの評価は、結晶をへき開面で破断した断面のTEM(透過型電子顕微鏡)観察により行なった。また、AlN結晶表面の表面粗さRyおよび表面粗さRaの評価は、AlN結晶基板表面の10μm角の範囲内におけるAFM(原子間力顕微鏡)観察により行なった。なお、加工変質層とは、結晶表面の研削または研磨によって結晶の表面側領域に形成される結晶格子が乱れた層をいい、TEM観察によりその層の存在およびその厚さを確認できる。また、CMP後におけるAlN結晶の表面酸化層の厚さは1nmであり、このAlN結晶表面におけるAl原子とN原子の比率はそれぞれ50原子%と50原子%であった。ここで、表面酸下層の厚さおよびAl原子とN原子との比率の評価は、XPSにより行なった。
(1−4)AlN結晶基板の熱処理
上記CMP後のAlN結晶基板をMOCVD装置内に設置し、NH3ガスを1slm(標準状態のガスが1分間に1リットル流れる流量の単位をいう、以下同じ)流しながら1000℃まで昇温した後、HN3ガスを0.5slm〜5slm流しながら1000℃で10分間保持することによって、AlN結晶基板の熱処理を行なった。
(1−5)AlN結晶基板上へのエピタキシャル層の形成
上記MOCVD装置において、上記熱処理後のAlN結晶基板上に、1000℃で、流量が2slmのTMA(トリメチルアルミニウム、以下同じ)ガスを60分間流すことにより、AlN結晶基板上にエピタキシャル層として厚さが2μmのAlN層を形成した。
このエピタキシャル層の表面粗さRyは1.2nm、表面粗さRaは0.13nmの鏡面となった。結果を表1にまとめた。
(実施例2〜実施例5)
砥粒における高硬度砥粒および低硬度砥粒の種類、粒径および混合比、ならびにスラリーのpHを表1に示すとおりとした以外は、実施例1と同様にして、AlN結晶基板の作製、AlN結晶基板の表面処理を行ない、AlN結晶基板上にエピタキシャル層を形成した。結果を表1にまとめた。
(比較例1)
砥粒として低硬度砥粒である粒径0.1μmのコロイダルシリカ(SiO2)砥粒のみを用いた以外は、実施例1と同様にして、AlN結晶基板の表面処理を行ない、エピタキシャル層を形成した。CMPの研磨速度は0μm/hrと研磨が進まず、CMP後におけるAlN結晶の加工変質層の厚さは1500nmであった。CMP後のAlN結晶表面の表面粗さRyは21nm、表面粗さRaは2.0nmであった。また、このAl結晶基板上に形成されたエピタキシャル層は白濁し、その表面粗さRyは100nmを超え、表面粗さRaは10nmを超えた。結果を表1にまとめた。
(比較例2)
砥粒として高硬度砥粒である粒径1μmのダイタモンド砥粒のみを用いた以外は、実施例1と同様にして、AlN結晶基板の表面処理を行ない、エピタキシャル層を形成した。CMPの研磨速度は3.2μm/hrと大きかったが、CMP後におけるAlN結晶の加工変質層の厚さは500nmであった。CMP後のAlN結晶表面の表面粗さRyは12nm、表面粗さRaは1.1nmであった。また、このAl結晶基板上に形成されたエピタキシャル層は白濁し、その表面粗さRyは100nmを超え、表面粗さRaは10nmを超えた。結果を表1にまとめた。
Figure 0004752214
表1より明らかなように、高硬度砥粒と低硬度砥粒とを混合した砥粒を用いてCMPを行なうことにより、モフォロジーの良好なAlN結晶表面およびエピタキシャル層が得られた。ここで、低硬度砥粒の混合率が大きくなるにつれて、研磨速度は低下するが、AlN結晶表面のモフォロジーは向上した。
(実施例6〜実施例11)
実施例6〜実施例11は、HVPE法で成長させたAlN結晶の表面を、機械研磨し、さらに化学的機械的に研磨することにより処理する場合の実施例である。
(2−1)AlN結晶の作製
AlN種結晶(直径50mm×厚さ0.5mm)のAl原子面側のC面((0001)面)上に、HVPE法により以下のようにしてAlN結晶を成長させた。
図6を参照して、反応容器61内のペディスタル62上にAlN種結晶9を配置し、反応容器61に、Al原料ガス導入口61aからAl原料ガス7としてAlClガスまたはAlCl3ガスを、窒素原料ガス導入口61bから窒素原料ガス8としてNH3ガスを導入した。III族元素原料ガスおよび窒素原料ガスのキャリアガスとしてN2ガスを用いた。AlClガスまたはAlCl3ガスとNH3ガスとの比(モル比)を1:100、AlN種結晶の温度を1000℃として、AlN結晶の成長速度が20μm/hrとなるように調整して、上記AlN種結晶9上に厚さ5mmのAlN結晶1を成長させた。
次に、得られた上記のAlN結晶を、AlN種結晶9の(0001)面と平行な面でスライスし、直径50mm×厚さ0.5mmのAlN結晶基板を得た。
(2−2)AlN結晶基板表面の機械研磨
AlN結晶基板の機械研磨は、実施例1と同様に行なった。
(2−3)AlN結晶基板表面のCMP
上記機械研磨後のAlN結晶基板の表面を、砥粒における高硬度砥粒および低硬度砥粒の種類および混合比、高硬度砥粒の粒径、ならびにスラリーのpHを表2に示すようにした以外は、実施例1と同様にして、化学的機械的に研磨した。
(2−4)AlN結晶基板の熱処理
上記CMP後のAlN結晶基板をMOCVD装置内に設置し、実施例1と同様にして、AlN結晶基板の熱処理を行なった。
(2−5)AlN結晶基板上へのエピタキシャル層の形成
上記MOCVD装置において、実施例1と同様にして、AlN結晶基板上にエピタキシャル層として厚さが2μmのAlN層を形成した。結果を表2にまとめた。
Figure 0004752214
表2において、実施例6〜実施例8を参照して、高硬度砥粒の粒径が小さくなるほどCMPの研磨速度は低くなったがAlN結晶基板の加工変質層の厚さ、表面粗さRyおよび表面粗さRaはいずれも低減し、AlN結晶基板表面のモフォロジーは向上した。また、実施例9と実施例10ならびに実施例8と実施例11を参照して、スラリーのpHを、5から3、または8から11とすることにより、CMPの研磨速度が高くなった。
(実施例12、参考例13、実施例14〜実施例18)
実施例12、参考例13、実施例14〜実施例18は、昇華法で成長させたAlN結晶の表面を、機械研削し、さらに化学的機械的に研磨することにより処理する場合の実施例または参考例である。
(3−1)AlN結晶の作製
AlN結晶の作製は、実施例1と同様に昇華法により行なった。
(3−2)AlN結晶基板表面の機械研削
図2を参照して、AlN結晶基板1のN原子面側のC面((000−1)面)をセラミックス製の結晶ホルダ21にワックスで貼り付けた。研削機としては、インフィード型のものを用いた。砥石22は、外径80mm×幅5mmのリング形状をした、ビトリファイドボンドのダイヤモンド砥石を用いた。AlN結晶1を結晶ホルダ21に固定してその回転軸21cを中心にして回転させるとともに、砥石22砥石台金23に固定してその回転軸23cを中心にして回転させながら、砥石22をAlN結晶の表面に送り込むことによってAlN結晶の表面(Al原子面側のC面、(0001)面)の機械研削を行なった。砥粒径が15μm、5μm、3μm、の3種類のダイヤモンド砥石を準備し、機械研削の進行とともに、砥粒径を段階的に小さくしていった。かかる機械研削によりAlN結晶の表面は鏡面となった。
(3−3)AlN結晶基板表面のCMP
上記機械研磨後のAlN結晶基板の表面を、砥粒における高硬度砥粒および低硬度砥粒の種類および混合比、高硬度砥粒の粒径、ならびにスラリーのpHを表3に示すようにした以外は、実施例1と同様にして、化学的機械的に研磨した。ここで、高硬度砥粒における硬度は、ダイヤモンド>SiC>Al23>Cr23>ZrO2の順である。
(3−4)AlN結晶基板の熱処理
上記CMP後のAlN結晶基板をMOCVD装置内に設置し、実施例1と同様にして、AlN結晶基板の熱処理を行なった。
(3−5)AlN結晶基板上へのエピタキシャル層の形成
上記MOCVD装置において、実施例1と同様にして、AlN結晶基板上にエピタキシャル層として厚さが2μmのAlN層を形成した。結果を表3にまとめた。
Figure 0004752214
表3において、実施例12、参考例13、実施例14〜実施例18を参照して、各種の高硬度砥粒と各種の低硬度砥粒とを混合した砥粒を含むスラリーを用いたCMPによっても、研磨速度が大きくかつAlN結晶表面のモフォロジーが良好である表面処理を行なうことができる。ここで、高硬度砥粒の硬度の低下または粒径の低下とともに、AlN結晶の加工変質層、表面粗さRyおよび表面粗さRaはいずれも低減し、AlN結晶基板表面のモフォロジーは向上した。
(実施例19〜実施例24)
実施例19〜実施例24は、昇華法で成長させたAlN結晶を種々の面方位にスライスしてAlN結晶基板を作製した後、このAlN結晶基板を実施例1と同様にして機械研磨し、さらに実施例14と同様に化学的機械的に研磨した実施例である。結果を表4にまとめた。
Figure 0004752214
表4において、実施例19〜実施例24を参照して、AlN結晶基板の主面がC面、A面、R面、M面およびS面のいずれの面であっても、本発明にかかるCMPにより、研磨速度が大きくかつAlN結晶表面のモフォロジーが良好である表面処理を行なうことができる。また、表4から明らかなように、研磨速度が大きい面は、C面(N原子面側)>A面>M面>S面>R面>C面(Al原子面側)の順番であった。
(実施例25)
HVPE法によりAlN結晶を成長させる際に、SiをAlN結晶にドーピングしてn型のAlN結晶を得た。得られたn型のAlN結晶を、実施例15と同様にして、機械研削、CMPを行い、n型のAlN結晶基板を得た。
次に、図4を参照して、このn型のAlN結晶基板410の一方の主面上に、MOCVD法により、n型半導体層420としての厚さ1μmのn型AlN層421(ドーパント:Si)および厚さ1μmのn型Al0.3Ga0.7N層422(ドーパント:Si)、発光層440、p型半導体層430としての厚さ50nmのp型Al0.3Ga0.7N層431(ドーパント:Mg)および厚さ150nmのp型Al0.2Ga0.8N層432(ドーパント:Mg)を順次形成して、半導体デバイスとしての発光素子を得た。ここで、発光層440は、厚さ10nmのAl0.25Ga0.70In0.05N層で形成される障壁層の6層と、厚さ10nmのAl0.20Ga0.75In0.05N層で形成される井戸層の5層とが交互に積層された多重量子井戸構造とした。
次に、n型のAlN結晶基板の他方の主面上に第1の電極461として、厚さ200nmのTi層、厚さ1000nmのAl層、厚さ200nmのTi層、厚さ2000nmのAu層から形成される積層構造を形成し、窒素雰囲気中で加熱することにより、n側電極を形成した。一方、p型Al0.2Ga0.8N層432上に第2の電極462として、厚さ4nmのNi層、厚さ4nmのAu層から形成される積層構造を形成し、不活性ガス雰囲気中で加熱することにより、p側電極を形成した。上記積層体をチップ化した後に、上記p側電極をAuSnで形成されたはんだ層470で導電体482にボンディングした。さらに、上記n側電極と導電体481とをワイヤ490でボンディングして、発光装置としての半導体デバイス400を得た。
このようにして、AlN結晶基板410側が発光面側であり、半導体層450の最外半導体層であるp型Al0.2Ga0.8N層432側が導電体482への搭載面側である発光装置が得られる。また、分光器を用いてこの発光装置の発光スペクトルを測定したところ330nmにピーク波長を有していた。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明でなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。
本発明に用いられるAlN結晶の表面を化学的機械的に研磨する方法を示す断面模式図である。 本発明に用いられるAlN結晶の表面を機械研削する方法を示す断面模式図である。 本発明に用いられるAlN結晶の表面を機械研磨する方法を示す断面模式図である。 本発明にかかる一の半導体デバイスを示す断面模式図である。 本発明において、昇華法によりAlN結晶を成長させる昇華炉を示す模式図である。 本発明において、HVPE法によりAlN結晶を成長させるHVPE装置を示す模式図である。
符号の説明
1 AlN結晶、1a 加工変質層、5 AlN原料、7 Al原料ガス、8 窒素原料ガス、9 AlN種結晶、11,21,31 結晶ホルダ、11c,15c,21c,23c,31c,35c 回転軸、14,34 重り、15,35 定盤、16,36 砥粒、17 スラリー、18 研磨パッド、19 スラリー供給口、22 砥石、23 砥石台金、50 昇華炉、51,61 反応容器、51a N2ガス導入口、51c N2ガス排気口、52 坩堝、53 種結晶保護材、54 加熱体、55 高周波加熱コイル、56 放射温度計、60 HVPE装置、61a Al原料ガス導入口、61b 窒素原料ガス導入口、61c ガス排出口、62 ペディスタル、65 ヒータ、400 半導体デバイス、410 AlN結晶基板、420 n型半導体層、421 n型AlN層、422 n型Al0.3Ga0.7N層、430 p型半導体層、431 p型Al0.3Ga0.7N層、432 p型Al0.2Ga0.8N層、440 発光層、450 半導体層、461 第1の電極、462 第2の電極、470 はんだ層、481,482 導電体。

Claims (6)

  1. AlN結晶の表面を化学的機械的に研磨するエピタキシャル層形成用AlN結晶の表面処理方法であって、
    化学的機械的研磨に用いられるスラリーの砥粒が、前記AlN結晶よりも硬度の高い高硬度砥粒と、前記AlN結晶以下に硬度の低い低硬度砥粒とを含み、
    前記スラリーのpHが5以下または8以上であるエピタキシャル層形成用AlN結晶の表面処理方法。
  2. 前記AlN結晶の表面を機械研削または機械研磨し、前記機械研削または機械研磨されたAlN結晶の表面を化学的機械的に研磨する請求項1に記載のエピタキシャル層形成用AlN結晶の表面処理方法。
  3. 前記AlN結晶の化学的機械的研磨後における加工変質層の厚さが100nm以下である請求項1または請求項2に記載のエピタキシャル層形成用AlN結晶の表面処理方法。
  4. 前記AlN結晶の化学的機械的研磨後における表面粗さRyが5nm以下である請求項1または請求項2に記載のエピタキシャル層形成用AlN結晶の表面処理方法。
  5. 前記AlN結晶の化学的機械的研磨後における表面粗さRaが0.5nm以下である請求項1または請求項2に記載のエピタキシャル層形成用AlN結晶の表面処理方法。
  6. 前記化学的機械的研磨後のAlN結晶を熱処理する請求項1から請求項のいずれかに記載のエピタキシャル層形成用AlN結晶の表面処理方法。
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