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JP4741418B2 - キーロータ及びこれを備えたシリンダ錠 - Google Patents

キーロータ及びこれを備えたシリンダ錠

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JP4741418B2
JP4741418B2 JP2006140771A JP2006140771A JP4741418B2 JP 4741418 B2 JP4741418 B2 JP 4741418B2 JP 2006140771 A JP2006140771 A JP 2006140771A JP 2006140771 A JP2006140771 A JP 2006140771A JP 4741418 B2 JP4741418 B2 JP 4741418B2
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Description

本発明は、例えば車両用ドアパネルのドアロック機構を施錠・解錠するためのキーロータ及びこれを備えたシリンダ錠に関する。
周知のように、自動車等の車両には、例えばドアパネルのドアロック機構を施錠・解錠するためのシリンダ錠が組み込まれている。
一般に、この種のシリンダ錠は、ドアロック機構にリンク(レバー)を介して連結され、正規のキー(マッチキー)の差し込み(挿入)回動操作によって回動するロータを備えている。
このようなシリンダ錠においては、マッチキーの挿入回動操作によってロータが回動すると、この回動力がレバーを介してドアロック機構に伝達され、これに伴いドアロック機構が施錠・解錠状態に切り替えられる。
ところで、この種のシリンダ錠におけるロータの製造には、成形性及び量産性にすぐれ、また精密鋳造に適していることから、亜鉛ダイキャスト加工法が広く用いられている。
しかし、亜鉛ダイキャスト部品は、比較的軟らかく、破損し易い。このため、シリンダ錠においては、スクリュードライバその他の工具等を用いた不正手段によるロータ等の破壊を防止するために種々の対策が講じられている。
従来、この種のシリンダ錠としては、例えば、図6に示すようなものが知られている(特許文献1参照)。このシリンダ錠につき、図6を用いて説明する。
図6に示すように、シリンダ錠61は、外装部材としてのロータケース(図示せず)と、ブロック取付孔62A及びキー挿抜孔62Bを有するロータ62と、このロータ62のブロック取付孔62Aに嵌合する超硬合金からなるロータ破壊防止用のブロック63と、このブロック63をロータ62に係止する係止部材64とを備えている。
ロータ62には、係止部材64を装着するための凹溝62C及びタンブラピン(図示せず)を配置するタンブラピン孔62Dが設けられている。ロータ62のキー反挿入側端面(キー挿抜孔62Bが形成されている側の端面と反対側の端面)には、ロック機構(図示せず)に連結するための軸部62Eが突設されている。ロータ62のキー挿入側端面には、ロータケースの内面に当接する鍔部62Fが突設されている。
また、ロータ破壊防止用のブロック63には、マッチキーを挿通させるためのキー挿通孔63A及び係止部材64をロータ62に対して凹溝62Cと共に装着するための凹溝63Bが設けられている。
このようなシリンダ錠61においては、例えば、ロータ62のキー挿抜孔62Bに不正キーが差し込まれると、ブロック63のキー挿通孔63Aに挿通される。この状態でキー操作者が不正キーによってキー挿抜孔62Bをこじ開けようとすると、不正キーがブロック63(キー挿通孔63Aの内面)に当たるため、不正キーによるキー挿抜孔62Bのこじ開けが阻止され、ロータ62の破壊が防止される。
特開平8−86129号公報
しかしながら、特許文献1のシリンダ錠によると、ロータ破壊防止用のブロック63がロータ62の軸線方向途中部に配置されているため、ロータ62の鍔部62F及びその内側が破壊され易く、十分な破壊防止効果を得ることができないという問題があった。
また、ブロック63がロータ62の軸線方向途中部に配置されていることは、それだけマッチキーの軸線方向長さを大きい寸法に設定する必要が生じ、マッチキーの製造コストが嵩むという問題もあった。
従って、本発明の目的は、十分な破壊防止効果を得ることができるとともに、マッチキーにおける製造コストの低廉化を図ることができるキーロータ及びこれを備えたシリンダ錠を提供することにある。
[1]本発明は、上記目的を達成するために、ロータ端面に一端が開口するキー挿抜孔及び前記キー挿抜孔に連通するキー照合部材を配置する配置孔を有し、硬質処理を施してなる金属材料によって前記キー挿抜孔のキー挿入側部を形成する第1ロータエレメント及び前記キー挿抜孔のキー反挿入側部を含む部位を形成する第2ロータエレメントからなり、前記第1ロータエレメントと前記第2ロータエレメントは、それぞれの外周縁に設けられた組み付け用の凸部と凹部が嵌合して組み付けられていることを特徴とするキーロータを提供する。
[2]本発明は、上記目的を達成するために、ロータ端面に一端が開口するキー挿抜孔及び前記キー挿抜孔に連通するキー照合部材を配置する配置孔を有し、硬質処理を施してなる金属材料によって前記キー挿抜孔のキー挿入側部を形成する第1ロータエレメント及び前記キー挿抜孔のキー反挿入側部を含む部位を形成する第2ロータエレメントからなり、
前記第2ロータエレメントのキー挿入側端部には、外周面に開口する複数の切り欠きが設けられていることを特徴とするキーロータを提供する。
[3]本発明は、上記目的を達成するために、ロータ端面に一端が開口するキー挿抜孔及び前記キー挿抜孔に連通するキー照合部材を配置する配置孔を有し、ロータ全体は、硬質処理を施してなる金属材料によって形成され、前記ロータのキー挿入側端部の近傍には、円周方向に切り欠きを形成することにより細胴部が設けられていることを特徴とするキーロータを提供する。
[4]本発明は、上記目的を達成するために、ロータケースと、前記ロータケースの内部に収容されたキーロータとを備えたシリンダ錠において、ロータ端面に一端が開口するキー挿抜孔及び前記キー挿抜孔に連通するキー照合部材を配置する配置孔を有し、硬質処理を施してなる金属材料によって前記キー挿抜孔のキー挿入側部を形成する第1ロータエレメント及び前記キー挿抜孔のキー反挿入側部を含む部位を形成する第2ロータエレメントからなり、前記第1ロータエレメントと前記第2ロータエレメントは、それぞれの外周縁に設けられた組み付け用の凸部と凹部が嵌合して組み付けられていることを特徴とするシリンダ錠を提供する。
[5]本発明は、上記目的を達成するために、ロータケースと、
前記ロータケースの内部に収容されたキーロータとを備えたシリンダ錠において、ロータ端面に一端が開口するキー挿抜孔及び前記キー挿抜孔に連通するキー照合部材を配置する配置孔を有し、硬質処理を施してなる金属材料によって前記キー挿抜孔のキー挿入側部を形成する第1ロータエレメント及び前記キー挿抜孔のキー反挿入側部を含む部位を形成する第2ロータエレメントからなり、前記第2ロータエレメントのキー挿入側端部には、外周面に開口する複数の切り欠きが設けられていることを特徴とするシリンダ錠を提供する。
[6]本発明は、上記目的を達成するために、ロータケースと、前記ロータケースの内部に収容されたキーロータとを備えたシリンダ錠において、ロータ端面に一端が開口するキー挿抜孔及び前記キー挿抜孔に連通するキー照合部材を配置する配置孔を有し、ロータ全体は、硬質処理を施してなる金属材料によって形成され、前記ロータのキー挿入側端部の近傍には、円周方向に切り欠きを形成することにより細胴部が設けられていることを特徴とするシリンダ錠を提供する。
本発明によると、十分な破壊防止効果を得ることができるとともに、マッチキーにおける製造コストの低廉化を図ることができる。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るキーロータを備えたシリンダ錠の使用状態を示す断面図である。図2は、本発明の第1の実施の形態に係るキーロータの組立状態を示す図である。図2(a)は正面図を、図2(b)は側面図を、図2(c)は図2(a)のA−A断面図をそれぞれ示す。図3は、本発明の第1の実施の形態に係るキーロータの第1ロータエレメントを示す図である。図3(a)は正面図を、図3(b)は側面図をそれぞれ示す。図4は、本発明の第1の実施の形態に係るキーロータの第2ロータエレメントを示す図である。図4(a)は正面図を、図4(b)は側面図をそれぞれ示す。
〔シリンダ錠の全体構成〕
図1において、符号1で示すシリンダ錠は、外装部材としてのロータケース2と、正規のキー(マッチキー)Kの挿入回動操作によって回動可能なロータ(キーロータ)3と、このロータ3の回動に連動して揺動するレバー4とから大略構成されている。
(ロータケース2の構成)
図1に示すように、ロータケース2は、マッチキーKの挿入方向(図1では右方向)に開口し、かつロータ3を係脱可能に収容する段状の内部空間2Aを有する有底角筒状体によって形成されている。そして、例えば車両用ドアパネル(図示せず)に固定されている。
図1に示すように、ロータケース2のキー挿入側端面部(底部)には、マッチキーKを挿通させるキー挿通孔2Bが設けられている。ロータケース2のキー反挿入側端部には、キー挿入方向に突出する略円筒状のプロテクタ2Cが一体に設けられている。ロータケース2の軸線方向途中部には、ケース内外周面に開口する水抜き口2Dが設けられている。
(ロータ3の構成)
図2(a)〜(c)に示すように、ロータ3は、第1ロータエレメント3Aと第2ロータエレメント3Bとを組み付けてなり、ロータケース2の内部空間2Aに回動可能に収容されている。そして、キー挿通孔2Bの内側開口周縁によってロータ3のキー引き抜き方向(図1では左方向)への移動が、ロータ抜け止め用のプレート(図示せず)によってロータ3のキー挿入方向への移動がそれぞれ規制されている。また、ロータ3は、スプリング(図示せず)によって復帰習性が付与されている。ロータ3には、その一端がキー引き抜き方向に開口するキー挿抜孔3Cが第1ロータエレメント3A及び第2ロータエレメント3Bに跨って設けられている。
第1ロータエレメント3Aは、図3(a)及び(b)に示すように略円板状部材からなり、機械構造用炭素鋼(例えばS45C)等のプレス成形体に硬質処理としての焼入れ処理を施すことにより形成されている。そして、キー挿抜孔3Cのキー挿入側部aを形成し、従来におけるブロック63(図6に示す)と同様にロータ破壊防止用部材として機能するように構成されている。
第1ロータエレメント3Aの外周縁には、内部空間2Aの段状部2a(図1に示す)に当接するフランジ3aが一体に設けられている。第1ロータエレメント3Aのキー反挿入側端部には、キー挿抜孔3Cのキー挿入側部aに連通する組み付け用の凹部3D(図1に示す)が設けられている。第1ロータエレメント3Aの外周縁(第1ロータエレメント3Aの中心より偏心する部位)には、円周方向に等間隔をもって並列する位置決め用の2つの凹部3E,3Eが設けられている。
第2ロータエレメント3Bは、図4(a)及び(b)に示すように略円筒状部材からなり、全体が例えば亜鉛ダイキャスト部材によって形成されている。そして、キー挿抜孔3Cのキー反挿入側部を含む部位を形成するように構成されている。
第2ロータエレメント3Bのキー挿入側端面外周縁には、キー引き抜き方向に突出し、かつ第1ロータエレメント3Aの2つの凹部3E,3Eにそれぞれ嵌合する位置決め用の凸部3F,3Fが一体に設けられている。第2ロータエレメント3Bのキー挿入側端面中央部には、第1ロータエレメント3の凹部3Dに嵌合する組み付け用の凸部3Pが設けられている。
第2ロータエレメント3Bのキー挿入側端部には、外周面に開口する複数の切り欠き3I,3Iが設けられている。これにより、所定の回転トルクより大きい回転トルクが不正キーやドリルのロータ3(キー挿抜孔3Cのキー挿入側部a)への挿入回動操作によって第2ロータエレメント3Bに作用した場合に切り欠き3I,3I近傍の部位に応力が集中し、第2ロータエレメント3Bが切り欠き3I,3I近傍の部位から破壊され、キー挿抜孔3Cにおけるキー挿入側部aのこじ開けが阻止される。
第2ロータエレメント3Bのキー反挿入側端部には、ロータ径方向及びキー挿入方向に開口する段状のレバー嵌合空間3Jが設けられている。また、第2ロータエレメント3Bのキー反挿入側端部には、2つの円周方向位置にプレート当接面3k,3k(一方のみ図示)を有する凹溝3Kが設けられている。凹溝3Kには、上記したロータ抜け止め用のプレートが嵌合されている。2つのプレート当接面3k,3k間の円周方向寸法は、ロータ3の回動ストロークと略同一の寸法に設定されている。
第2ロータエレメント3Bの軸線方向中央部には、キー挿抜孔3Cに連通するばり除去用孔3Nと水抜き用孔3M(共に図2(b)に示す)が設けられている。また、第2ロータエレメント3Bの軸線方向中央部には、水抜き用孔3M内でキー引き抜き方向に突出するマッチキー当接用の凸部3O(図1に示す)が一体に設けられている。
第2ロータエレメント3Bには、ロータ3の軸線と直角な方向に貫通し、かつキー挿抜孔3Cに連通する複数(4個)のタンブラ配置孔(キー照合部材配置孔)3G,3G,…(図2(b)に示す)がキー挿抜方向に沿って設けられている。また、第2ロータエレメント3Bには、ロータ3の軸線と直角な方向に開口し、かつタンブラ配置孔3G,3G,…にそれぞれ連通する複数(8個)のスプリング配置孔3H,3H,…(図2(b)に示す)がキー挿抜方向に沿って設けられている。複数のスプリング配置孔3H,3H,…のうち互いに隣り合う2つのスプリング配置孔3H,3Hは、互いに異なる方向に開口されている。
タンブラ配置孔3G,3G,…には、図1に示すように、複数のタンブラ(キー照合部材)8がロータ3の軸線と直角な方向に進退可能に配設されている。複数のタンブラ8,8,…はロータ3の軸線方向に所定の間隔をもって配置され、このうち互いに隣り合う2つのタンブラ8,8はタンブラ復帰用のスプリング(図示せず)によって反対の方向(ロータ3の軸線の上方と下方)に付勢されている。タンブラ8,8,…には、キー挿抜方向に開口するキー嵌合孔8A,8A,…が設けられている。キー嵌合孔8A,8A,…の内面には、マッチキーKの凹部kに嵌合する凸部8a,8a,…が一体に設けられている。スプリング配置孔3H,3H,…にはタンブラ復帰用のスプリング(図示せず)が配置されている。
(レバー4の構成)
図1に示すように、レバー4は、ドアロック機構側及びロータ側にそれぞれ扁平部(図示せず)と鍔部4Bを有する軸状体からなり、そのドアロック機構側端部がドアパネル内でドアロック機構(共に図示せず)に、またロータ側端部がレバー嵌合空間3Jでロータ3にそれぞれ揺動可能に連結されている。そして、上記したようにロータ3の回動に連動して揺動し、ドアロック機構を施錠・解錠するように構成されている。鍔部4Bのロータ側端面中央部には、キー引き抜き方向に突出するピン部4Cが設けられている。ピン部4Cには、鍔部4Bをレバー嵌合空間3Jの係合段部3jに圧接する円筒状のゴムからなるクッション7が装着されている。
〔シリンダ錠1の動作〕
ドアロック機構(図示せず)を施錠状態から解錠状態に切り替えるには、マッチキーKをロータケース2のキー挿通孔2Bに挿通させるとともに、ロータ3のキー挿抜孔3Cに挿入する。この場合、マッチキーKがロータ3のキー挿抜孔3Cに挿入されると、複数のタンブラ8,8,…の凸部8a,8a,…がそれぞれ対応する部位でマッチキーKの凹部kに係合し、ロータ3が回動可能な状態となる。
次に、ドアロック機構の施錠状態を解除する方向にマッチキーKを回動操作する。この場合、マッチキーKが回動すると、この回動力がレバー4を介してドアロック機構に伝達され、これに伴いドアロック機構が施錠状態から解錠状態に切り替えられる。
なお、ドアロック機構の施錠状態において、ロータ3のキー挿抜孔3Cに例えば不正キーやドリルが挿入され、この状態で不正キー等によってキー挿抜孔3Cをこじ開けようとすると、硬質処理を施してなるロータ3(第1ロータエレメント3A)に不正キー等が当たるため、所定の回転トルクより大きい回転トルクが第1ロータエレメント3Aに作用した場合にも第1ロータエレメント3Aが破壊されず、凸部3F,3Fが塑性変形して凹部3E,3Eとの嵌合状態を解除する。これにより、第1ロータエレメント3Aが第2ロータエレメント3Bのキー挿入側端面上で空転するため、キー挿抜孔3Cのこじ開けが阻止され、ロータ3の破壊発生が防止される。
一方、ドアロック機構(図示せず)を解錠状態から施錠状態に切り替えるには、マッチキーKをロータケース2のキー挿通孔2Bに挿通させるとともに、ロータ3のキー挿抜孔3Cに挿入する。この場合、マッチキーKがロータ3のキー挿抜孔3Cに挿入されると、複数のロックプレート8,8,…がそれぞれ対応する部位でマッチキーKの凹部8a,8a,に係合し、ロータ3が回動可能な状態となる。
次に、ドアロック機構を施錠状態とする方向にマッチキーKを回動操作する。この場合、マッチキーKが回動すると、この回動力がレバー4を介してドアロック機構に伝達され、これに伴いドアロック機構が解錠状態から施錠状態に切り替えられる。
[第1の実施の形態の効果]
以上説明した第1の実施の形態によれば、次に示す効果が得られる。
(1)硬質処理を施してなる金属材料によって第1ロータエレメント3Aが形成されているため、ロータ3のキー挿入側部aの機械的強度(硬度)を高めることができ、ロータ3における十分な破壊防止効果を得ることができる。
(2)第1ロータエレメント3Aに硬質処理が施されていることは、従来ロータの軸線方向途中部に必要としたブロックが不要になる。これにより、マッチキーの軸線方向長さを短縮することができ、マッチキーにおけるコストの低廉化を図ることができる。
(3)所定の回転トルクより大きい回転トルクが不正キーやドリルのロータ3(キー挿抜孔3Cのキー挿入側部a)への挿入回動操作によって第1ロータエレメント3Aに作用した場合には凸部3Fが塑性変形して凹部3Eとの嵌合状態を解除するため、第1ロータエレメント3Aが第2ロータエレメント3Bのキー挿入側端面上で空転し、キー挿抜孔3Cのこじ開けが阻止される。これにより、シリンダ錠の主要部が破壊されず、不正行為による車両用ドアパネルの解錠操作を実施することができなくなり、車両の盗難を未然に防止することができる。
[第2の実施の形態]
図5は、本発明の第2の実施の形態に係るキーロータを説明するために示す側面図である。図5において、図4と同一の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図5に示すように、第2の実施の形態に示すキーロータとしてのロータ51は、単一の部材によって形成されている点に特徴がある。
このため、ロータ51は、例えばMIM(Metal Injection Molding)法を用い、全体が金属粉末(例えばステンレス鋼)及びバインダー(温度管理で流動特性を出す粘結材)の混合物を原料とする硬質の材料からなる焼結部材によって、すなわちロータ全体が硬質処理を施してなる金属材料によって形成されている。ロータ3の原料である金属粉末としては、ステンレス鋼の他に合金鋼又は工具鋼・超鋼合金等の金属粉末が用いられる。ロータ51のキー挿入側端部Aは、焼入れ処理を施すことにより機械的強度(硬度)を一層高めることが可能である。
ロータ51のキー挿入側端部A近傍には、円周方向に等間隔をもって並列する2つの切り欠き51a,51aを形成することにより細胴部51Aが設けられている。これにより、所定の回転トルクより大きい回転トルクが不正キーやドリルのロータ51(キー挿抜孔3C)への挿入回動操作によってロータ51に作用した場合に細胴部51Aに応力が集中し、ロータ51の細胴部51Aが破壊され、不正キー等によるキー挿抜孔3Cのこじ開けが阻止される。
[第2の実施の形態の効果]
以上説明した第2の実施の形態によれば、次に示す効果が得られる。
(1)ロータ51の全体が硬質処理を施してなる金属材料によって形成されているため、ロータ全体の機械的強度(硬度)を高めることができ、ロータ51における十分な破壊防止効果を得ることができる。
(2)硬質処理を施してなる金属材料によってロータ51が形成されていることは、従来ロータ破壊防止に必要としたブロックが不要になる。これにより、マッチキーKの軸線方向長さを短縮することができ、マッチキーの製造コストの低廉化を図ることができる。
(3)ブロックが不要であることは、部品点数を削減することができ、シリンダ錠1の組立作業の簡素化を図ることができる。
(4)ロータ51のキー挿入側端部A近傍には細胴部51Aが設けられているため、所定の回転トルクより大きい回転トルクが不正キーやドリルのロータ51への挿入回動操作によってロータ51に作用した場合に細胴部51Aに応力が集中し、ロータ51の細胴部51Aが破壊され、キー挿抜孔3Cにおけるキー挿入側部a(図2(c)に示す)のこじ開けが阻止される。これにより、ロータ51における細胴部51Aよりキー反挿入部側の部位が破壊されず、不正行為による車両用ドアパネルの解錠操作を実施することができなくなり、車両の盗難を未然に防止することができる。
以上、本発明のキーロータ(シリンダ錠)を上記の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能であり、例えば次に示すような変形も可能である。
(1)各実施の形態では、第1ロータエレメント3A又はロータ51の全体が硬質処理を施してなる金属材料によって形成されている場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、キー挿抜孔3Cの少なくともキー挿入側部aを形成する部位が硬質処理を施してなる金属材料によって形成されていればよい。
(2)各実施の形態では、車両用ドアパネルのドアロック機構に適用する場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、車両用トランク・グローブボックスのロック機構やステアリングロック装置にも各実施の形態と同様に適用可能である。
本発明の第1の実施の形態に係るキーロータを備えたシリンダ錠の使用状態を示す断面図。 (a)〜(c)は、本発明の第1の実施の形態に係るキーロータの組立状態を示す正面図と側面図と断面図。 (a)及び(b)は、本発明の第1の実施の形態に係るキーロータの第1ロータエレメントを示す正面図と側面図。 (a)及び(b)は、本発明の第1の実施の形態に係るキーロータの第2ロータエレメントを示す正面図と側面図。 本発明の第2の実施の形態に係るキーロータを説明するために示す側面図。 従来のキーロータを説明するために示す分解斜視図。
符号の説明
1,61…シリンダ錠、2…ロータケース、2A…内部空間、2a…段状部、2B…キー挿通孔、2C…プロテクタ、2D…水抜き口、3,51,62…ロータ、3A…第1ロータエレメント、3a…フランジ、3B…第2ロータエレメント、3C…キー挿抜孔、a…キー挿入側部、3D…組み付け用の凹部、3E…位置決め用の凹部、3F…位置決め用の凸部、3G…タンブラ配置孔、3H…スプリング配置孔、3I,51a…切り欠き、3J…レバー嵌合空間、3j…係合段部、3K…凹溝、3k…プレート当接面、3M…ばり除去用孔、3N…水抜き用孔、3O…マッチキー当接用の凸部、3P…組み付け用の凸部、4…レバー、4B…鍔部、4C…ピン部、7…クッション、8…タンブラ、8A…キー嵌合孔、8a…凸部、51A…細胴部、62A…ブロック取付孔、62B…キー挿抜孔、62C…凹溝、62D…タンブラピン孔、62E…軸部、62F…鍔部、63…ブロック、63A…キー挿通孔、63B…凹溝、64…係止部材、K…マッチキー、k…凹部

Claims (6)

  1. ロータ端面に一端が開口するキー挿抜孔及び前記キー挿抜孔に連通するキー照合部材を配置する配置孔を有し、硬質処理を施してなる金属材料によって前記キー挿抜孔のキー挿入側部を形成する第1ロータエレメント及び前記キー挿抜孔のキー反挿入側部を含む部位を形成する第2ロータエレメントからなり、
    前記第1ロータエレメントと前記第2ロータエレメントは、それぞれの外周縁に設けられた組み付け用の凸部と凹部が嵌合して組み付けられていることを特徴とするキーロータ。
  2. ロータ端面に一端が開口するキー挿抜孔及び前記キー挿抜孔に連通するキー照合部材を配置する配置孔を有し、硬質処理を施してなる金属材料によって前記キー挿抜孔のキー挿入側部を形成する第1ロータエレメント及び前記キー挿抜孔のキー反挿入側部を含む部位を形成する第2ロータエレメントからなり、
    前記第2ロータエレメントのキー挿入側端部には、外周面に開口する複数の切り欠きが設けられていることを特徴とするキーロータ。
  3. ロータ端面に一端が開口するキー挿抜孔及び前記キー挿抜孔に連通するキー照合部材を配置する配置孔を有し、ロータ全体は、硬質処理を施してなる金属材料によって形成され、
    前記ロータのキー挿入側端部の近傍には、円周方向に切り欠きを形成することにより細胴部が設けられていることを特徴とするキーロータ。
  4. ロータケースと、
    前記ロータケースの内部に収容されたキーロータとを備えたシリンダ錠において、
    ロータ端面に一端が開口するキー挿抜孔及び前記キー挿抜孔に連通するキー照合部材を配置する配置孔を有し、硬質処理を施してなる金属材料によって前記キー挿抜孔のキー挿入側部を形成する第1ロータエレメント及び前記キー挿抜孔のキー反挿入側部を含む部位を形成する第2ロータエレメントからなり、前記第1ロータエレメントと前記第2ロータエレメントは、それぞれの外周縁に設けられた組み付け用の凸部と凹部が嵌合して組み付けられていることを特徴とするシリンダ錠。
  5. ロータケースと、
    前記ロータケースの内部に収容されたキーロータとを備えたシリンダ錠において、
    ロータ端面に一端が開口するキー挿抜孔及び前記キー挿抜孔に連通するキー照合部材を配置する配置孔を有し、硬質処理を施してなる金属材料によって前記キー挿抜孔のキー挿入側部を形成する第1ロータエレメント及び前記キー挿抜孔のキー反挿入側部を含む部位を形成する第2ロータエレメントからなり、前記第2ロータエレメントのキー挿入側端部には、外周面に開口する複数の切り欠きが設けられていることを特徴とするシリンダ錠。
  6. ロータケースと、
    前記ロータケースの内部に収容されたキーロータとを備えたシリンダ錠において、
    ロータ端面に一端が開口するキー挿抜孔及び前記キー挿抜孔に連通するキー照合部材を配置する配置孔を有し、ロータ全体は、硬質処理を施してなる金属材料によって形成され、
    前記ロータのキー挿入側端部の近傍には、円周方向に切り欠きを形成することにより細胴部が設けられていることを特徴とするシリンダ錠。
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