JP4738367B2 - 水系有機・無機複合組成物 - Google Patents
水系有機・無機複合組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4738367B2 JP4738367B2 JP2007064297A JP2007064297A JP4738367B2 JP 4738367 B2 JP4738367 B2 JP 4738367B2 JP 2007064297 A JP2007064297 A JP 2007064297A JP 2007064297 A JP2007064297 A JP 2007064297A JP 4738367 B2 JP4738367 B2 JP 4738367B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- organic
- inorganic composite
- vinyl monomer
- polymer emulsion
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Silicon Polymers (AREA)
Description
近年、良加工性、柔軟性、密着性等の有機重合体の長所と、耐候性、難燃性、耐薬品性等の無機物質の長所との両立を目指し、有機・無機複合材料に関する研究が数多く為されている。しかし、一般的に有機重合体は無機重合体との相溶性に劣るため、これらの複合体は不均質であり有機重合体及び無機物質の特性が有効に発現しない場合が多い。
例えば、特許文献1には、ポリ(N−アセチルエチレンイミン)又はポリビニルピロリドン等のアミド結合を有する非反応性ポリマーの存在下、加水分解重合性有機金属化合物を加水分解重合してゲル化させ、生成した金属酸化物ゲルの三次元微細ネットワーク構造体中にアミド結合を有する非反応性ポリマーが均一に分散された有機・無機複合透明均質体を得ることが開示されている。
また、特許文献2には、加水分解重合性シリル基を有するオキサゾリンポリマーと、加水分解重合性シランとを加水分解重合させるオキサゾリン/シリカ複合成形体の製造方法が開示されている。
これらの課題を解決する方法として、特許文献3や特許文献4では、無機物質と有機高分子、又は無機高分子−有機高分子共重合体を有機溶媒に溶解又は分散させることにより、成膜性や成形性を向上させることが開示されている。
特許文献5、特許文献6では、上記有機溶剤を用いる代わりに、無機高分子や無機酸化物をアミド基含有ビニル単量体に溶解又は分散させることによって成膜性や成形性を向上させ、該アミド基含有ビニル単量体を重合開始剤によって重合させることによって有機・無機複合材料を得る方法が開示されている。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)珪素原子に結合したアルコキシ基及び/又は水酸基の含有量が7〜20mmol/gであるコロイダルシリカ(A)と、珪素原子に結合したアルコキシ基及び/又は水酸基の含有量が1〜20mmol/gである重合体エマルジョン粒子(B)を含んでなり、重合体エマルジョン粒子(B)は、水及び乳化剤の存在下に
四官能珪素アルコキシドを含有する珪素アルコキシドとビニル重合性基を有するシランカップリング剤又はチオール基を有するシランカップリング剤からなる加水分解性珪素化合物(b1)0.01以上20質量部以下(但し、重合体エマルジョン粒子(B)100質量部に対して)、
2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)、及び
2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)と共重合可能な他のビニル単量体(b3)
を重合して得られる重合体エマルジョン粒子(B)であり、且つ
[2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)/重合体エマルジョン粒子(B)]の質量比は0.1以上0.5以下、
コロイダルシリカ(A)/重合体エマルジョン粒子(B)の質量比は9/91〜83/17である、
ことを特徴とする水系有機・無機複合組成物。
(2)該コロイダルシリカ(A)が加水分解性珪素化合物(a1)で表面処理されて得られることを特徴とする上記(1)に記載の水系有機・無機複合組成物。
(4)前記重合体エマルジョン粒子(B)が、2層以上の層から形成されるコア/シェル構造である、上記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の水系有機・無機複合組成物。
(5)該重合体エマルジョン粒子(B)がコア/シェル構造であり、その最内層を形成する加水分解性珪素化合物(b1)に対する2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の質量比(b2)/(b1)が1.0以下であり、かつその最外層を形成する(b2)と(b1)の質量比(b2)/(b1)が0.1以上5.0以下である、上記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の水系有機・無機複合組成物。
(7)前記重合体エマルジョン粒子(B)が、水及び乳化剤の存在下に加水分解性珪素化合物(b1)を重合して得られるシード粒子の存在下に、加水分解性珪素化合物(b1)、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)、及び2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)と共重合可能な他のビニル単量体(b3)を重合して得られる、上記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の水系有機・無機複合組成物。
(9)光触媒活性を有する金属酸化物(C)を、コロイダルシリカ(A)と光触媒活性
を有する金属酸化物(C)の質量比(A)/(C)が50/50〜99/1で含有することを特徴とする、上記(1)〜(8)のいずれか一項に記載の水系有機・無機複合組成物。
R 3 Si− (1)
(式中、Rは各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のフルオロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数2〜30個のアルケニル基、フェニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、又は水酸基を表す。)
−(R 2 SiO)− (2)
(式中、Rは式(1)で定義した通りである。)
(12)上記(1)〜(11)のいずれか一項に記載の水系有機・無機複合組成物から形成された有機・無機複合体。
(14)上記(1)〜(11)のいずれか一項に記載の水系有機・無機複合組成物を含んでなる水系組成物。
(15)コロイダルシリカ(A)とコア/シェル構造の重合体エマルジョン粒子(B)のシェル相が相互作用した状態で連続層を形成し、粒子状のコア相が該連続層中に存在する上記(12)または(13)に記載の有機・無機複合体。
(16)23℃における水接触角が30°以下である、上記(12)〜(13)、(15)のいずれか一項に記載の有機・無機複合体。
(18)上記(10)又は(11)のいずれか一項に記載の水系有機・無機複合組成物から形成された有機・無機複合体を基材上に有する機能性複合体であって、該有機・無機複合体中の変性金属酸化物(C’)の濃度が、該有機・無機複合体の基材に接する面より他方の露出面の方が高いことを特徴とする機能性複合体。
(19)上記(12)〜(13)、(15)〜(16)のいずれか一項に記載の有機・無機複合体を基材上に有する建築外装用機能性複合体。
(20)上記(12)〜(13)、(15)〜(16)のいずれか一項に記載の有機・無機複合体を樹脂基材上に有する外装表示用機能性複合体。
本発明の水系有機・無機複合組成物は、珪素原子に結合したアルコキシ基及び/又は水酸基の含有量が7〜20mmol/gであるコロイダルシリカ(即ち、コロイダルシリカ1g当たり7〜20mmolの珪素原子に結合したアルコキシ基及び/又は水酸基を有するコロイダルシリカ)(A)と、珪素原子に結合したアルコキシ基及び/又は水酸基の含有量が1〜20mmol/gである重合体エマルジョン粒子(即ち、重合体エマルジョン粒子1g当たり1〜20mmolの珪素原子に結合したアルコキシ基及び/又は水酸基を有する重合体エマルジョン粒子)(B)を含んでなることを特徴とする。
本発明の水系有機・無機複合組成物において、コロイダルシリカ(A)同士及び、コロイダルシリカ(A)と重合体エマルジョン粒子(B)が相互作用することにより、耐候性、耐薬品性、光学特性、更には防汚性、防曇性、帯電防止性等に優れた有機・無機複合体を形成することが可能となる。
本発明における珪素原子に結合したアルコキシ基及び/又は水酸基の含有量とは、固形分1gあたりの珪素原子に結合したアルコキシ基及び/又は水酸基のmol数であり、珪素核磁気共鳴スペクトル(29Si−NMR)分析により求めることが可能である。
ここで、Si(OX)rO(4−r)/2単位の具体例としては、下記式で表されるものであり、これらの比率から、珪素1mol当たりのOX基のmol数を求めることができる。
r=4の場合:Si(OX)4
r=3の場合:Si(OX)3O1/2
r=2の場合:Si(OX)2O2/2
r=1の場合:Si(OX)O3/2
r=0の場合:SiO4/2
珪素元素を定量すれば、固形分当たりのOX基のmol数が得られる。
p=3の場合:R1Si(OX)3
p=2の場合:R1Si(OX)2O1/2
p=1の場合:R1Si(OX)O2/2
p=0の場合:R1SiO3/2
(R2)(R3)Si(OX)qO(2−q)/2単位の具体例としては、下記式で表
されるものを挙げることができる。
q=2の場合:(R2)(R3)Si(OX)2
q=1の場合:(R2)(R3)Si(OX)O1/2
q=0の場合:(R2)(R3)SiO2/2
また、これらコロイダルシリカは一種または二種類以上組み合わせてもよい。少量成分として、アルミナ、アルミン酸ナトリウムなどを含んでいてもよい。また、コロイダルシリカは、安定剤として無機塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニアなど)や有機塩基(テトラメチルアンモニウムなど)を含んでいてもよい。
/gよりも高くなると架橋密度が高くなりすぎ、得られる有機・無機複合体にクラックが発生する。
R1 nSiX4−n (5)
(式中、R1は水素または炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基を表す。またこれらの置換基上にさらにハロゲン基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基等の官能基を有していても良い。Xは加水分解基を表し、nは0〜3の整数である。加水分解基とは加水分解により水酸基が生じる基であればよく、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、フェノキシ基、オキシム基等が挙げられる。)
X3Si−R2 n−SiX3 (6)
(式中、Xは加水分解基を表し、R2は炭素数1〜6のアルキレン基またはフェニレン基を表す。また、nは0または1である)
R3−(O−Si(OR3)2)n−OR3 (7)
(式中、R3は炭素数1〜6のアルキル基を表す。nは2〜8の整数である。)
上記加水分解性珪素化合物(a1)において、加水分解性基以外の官能基の含有量が多くなると、有機・無機複合組成物から形成される有機・無機複合体の柔軟性は向上するが、水接触角が高くなり、防汚性、防曇性、帯電防止性等が低下する。
よって、加水分解性基以外の官能基の含有量を、珪素原子1molあたり、0〜1molにすることが好ましく、0〜0.5molにすることがより好ましく、0〜0.3molにすることが更に好ましい。防汚性を重視する場合は、加水分解性基以外の官能基を含まないテトラメトキシシラン、テトラエトキシシランやそれらの加水分解縮合物が好適に用いられる。
、加水分解性珪素化合物(a1)による効果が十分に発現し、2.0以下で、有機・無機複合組成物から形成される有機・無機複合体を樹脂基材上に形成する場合、クラックが発生が抑制される。
具体的には、水、炭素数1〜6の一価アルコール、炭素数1〜6の二価アルコール、グリセリンなどのアルコール類の他、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジ(n−プロピル)エーテル、ジイソプロピルエーテル、ジグライム、1、4−ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、乳酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、炭酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレンなどのエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチル(n−ブチル)ケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類、アセトニトリル、プロピオニトリル、n−ブチロニトリル、イソブチロニトリルなどのニトリル類、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、スルホランなどが好適に用いられる。これらの分散媒は、本発明の目的を損なわない限り混合したり、他の任意の分散媒あるいは添加物を混合したりして用いても良い。
より好ましい分散媒は、炭素数1〜6の一価アルコール類またはエチレングリコールモノメチルエーテルやプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルカノールエーテル類である。
触媒としての酸の量は、塗布組成物中に0.0008mol/リットル以上の濃度で含まれることが好ましく、0.0008〜1mol/リットルの濃度で含まれることが更に好ましい。0.0008mol/リットル以上で、加水分解性珪素化合物(a1)の加水分解・脱水縮合反応が十分に進行し、アルコール等に対する耐薬品性が十分となり、種々の基板に均一に塗布できる。また、1mol/リットル以下で、有機・無機複合組成物の安定性が高い。
上記アルカリ土類金属塩は、コロイダルシリカに含まれる珪素原子に対してモル比で0.001〜0.1の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.005〜0.05で
ある。
加水分解性珪素化合物(a1)の混合方法に関しては、予め加水分解性珪素化合物(a1)の加水分解・脱水縮合反応を行った後に上記シリカと混合してもよいが、好ましくは上記シリカと式(5)〜(7)で表される加水分解性珪素化合物(a1)とが共存した状態にて加水分解・脱水縮合反応を行うことが、コロイダルシリカの表面シラノール基濃度を効率よく高めることができるので推奨される。また、コロイダルシリカと重合体エマルジョン粒子を混合した後に、加水分解性珪素化合物(a1)を加え、加水分解・縮合反応を行うことも出来る。
加水分解・脱水縮合を行う反応温度は高ければ高いほど反応が早く進むので生産性の面で好ましいが、反応が早すぎると脱水縮合が進み過ぎて塗布組成物の粘度が増加し塗布工程で基板上に塗布できなくなるので、通常加水分解・脱水縮合を行う温度は、塗布組成物の粘度を制御しやすい温度、具体的には20〜100℃、好ましくは20〜60℃、より好ましくは20〜40℃である。上記温度で加水分解・脱水縮合を行う場合、要する時間は20℃の場合には最低1時間あればよく、60℃であれば最低20分あればよい。
上記のように加水分解・脱水縮合反応を行う際には触媒と水がさらに共存していることが好ましい。用いられる触媒の種類、触媒と水の量は上述の通りである。
さらに、必要に応じて上述のようなアルカリ土類金属塩や種々の添加剤を加え、塗布組成物とする。これらのアルカリ土類金属塩や添加剤は該加水分解・脱水縮合反応を行う前に添加しておいてもいいし、後から添加してもよい。
上記金属酸化物(C)として光触媒を選択すると、本発明の水系有機・無機複合組成物から形成される有機・無機複合体は光照射により光触媒活性及び/又は親水性を発現するため非常に好ましい。
ここで、光触媒とは、光照射によって酸化、還元反応を起こす物質のことを言う。すなわち伝導帯と価電子帯との間のエネルギーギャップよりも大きなエネルギー(すなわち短
い波長)の光(励起光)を照射したときに、価電子帯中の電子の励起(光励起)が生じて、伝導電子と正孔を生成しうる物質であり、このとき、伝導帯に生成した電子の還元力及び/又は価電子帯に生成した正孔の酸化力を利用して、種々の化学反応を行うことができる。
さらに、本発明において親水性とは、好ましくは20℃での水の接触角が60゜以下である場合を言うが、特に水の接触角が30゜以下の親水性を有する表面は、降雨等の水による自己浄化能(セルフクリーニング)による耐汚染性を発現するので好ましい。さらに優れた耐汚染性発現や防曇性発現の点からは表面の水の接触角は20゜以下であることが好ましく、更に好ましくは10゜以下であり、よりさらに好ましくは5°以下である。
これらの光触媒の中でTiO2(酸化チタン)は無害であり、化学的安定性にも優れるため好ましい。酸化チタンとしては、アナターゼ、ルチル、ブルッカイトのいずれも使用できる。
酸化物前駆体(オキシ硫酸チタン、塩化チタン、アルコキシチタン等)や高表面酸化チタンを焼成して得られる窒素ドープ酸化チタン(例えば特開2002−29750号公報、特開2002−87818号公報、特開2002−154823号公報、特開2001−207082号公報参照)、チオ尿素等の硫黄化合物存在下にチタン酸化物前駆体(オキシ硫酸チタン、塩化チタン、アルコキシチタン等)を焼成して得られる硫黄ドープ酸化チタン、酸化チタンを水素プラズマ処理したり真空下で加熱処理したりすることによって得られる酸素欠陥型の酸化チタン(例えば特開2001−98219号公報参照)、さらには光触媒粒子をハロゲン化白金化合物で処理したり(例えば特開2002−239353号公報参照)、タングステンアルコキシドで処理(特開2001−286755号公報参照)することによって得られる表面処理光触媒等を好適に挙げることができる。
上記可視光応答型光触媒の中でオキシナイトライド化合物、オキシサルファイド化合物は可視光による光触媒活性が大きく、特に好適に使用することができる。
上記遷移金属を含むオキシサルファイドの例としては、Sm2Ti2S2O5、Nd2Ti2S2O5、La6Ti2S8O5、Pr2Ti2S2O5、Sm3NbS3O4等を挙げることができる。これらの中で、Sm2Ti2S2O5、Nd2Ti2S2O5が可視光での光触媒活性が非常に大きいため非常に好ましい。
本発明で用いる光触媒はその粒子の形状については、光触媒粒子に比表面積の観点及び粒子の配向効果の観点から、粒子長(l)と粒子直径(d)の比(l/d)が、1/1から20/1の範囲にある事が好ましい。より好ましい(l/d)は1/1から15/1の
範囲であり、さらに好ましい(l/d)は1/1から10/1の範囲である。
また、本発明において、上記金属酸化物(C)として導電性を有する金属酸化物を選択すると、本発明の水系有機・無機複合組成物から形成される有機・無機複合体は、導電性能、帯電防止性能、電磁波遮断性能、面発熱性能を発現するため非常に好ましい。
本発明の水系有機・無機複合組成物において、透明性、強度、耐候性等に優れた有機・無機複合体を形成するために、金属酸化物(C)の粒子径は1〜400nmであることが必要であり、好ましくは、1〜100nm、より好ましくは5〜50nmである。
本発明に用いる金属酸化物(C)の形態としては、粉体、分散液、ゾルのいずれでも用いることができる。ここで、本発明に用いる金属酸化物(C)ゾル及び金属酸化物(C)分散液とは、光触媒粒子が水及び/又は親水性有機溶媒中に0.01〜80質量%、好ましくは0.1〜50質量%で、一次粒子及び/又は二次粒子として分散されたものである。
R3Si− (1)
(式中、Rは各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のフルオロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数2〜30個のアルケニル基、フェニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、又は水酸基を表す。)
−(R2SiO)− (2)
(式中、Rは式(1)で定義した通りである。)
ここで、自己傾斜性とは、該変性金属酸化物(C’)と重合体エマルジョン粒子(B)及び金属酸化物(C)を含む水系有機・無機複合組成物から後述する有機・無機複合体を基材上に形成して機能性複合体を製造する際、その形成過程において変性金属酸化物(C’)が、有機・無機複合体が接する界面の性状(特に親水/疎水性)に対応して、変性金属酸化物(C’)の濃度勾配を有する構造を自律的に形成することを意味する。
また、本発明において、変性処理とは、上記変性剤化合物を金属酸化物(C)の表面に固定化することを意味する。上記の変性剤化合物の金属酸化物(C)表面への固定化は、ファン・デル・ワールス力(物理吸着)または化学結合によるものと考えられる。特に、化学結合を利用した変性は、変性剤化合物と金属酸化物(C)との相互作用が強く、変性剤化合物が金属酸化物(C)粒子の表面に強固に固定化されるので好ましい。
合し、好ましくは0〜200℃、より好ましくは10〜80℃にて加熱したり、(減圧)蒸留等により該混合物の溶媒組成を変化させる等の操作をすることにより得ることができる。
CF3(CF2)g−Y−(V)w (8)
{式中、gは0〜29の整数を表す。Yは分子量14〜50000のw価の有機基を表す。wは1〜20の整数である。Vは、エポキシ基、水酸基、アセトアセチル基、チオール基、環状酸無水物基、カルボキシル基、スルホン酸基、ポリオキシアルキレン基、リン酸基、及び下式(9)で表される基からなる群から選ばれた少なくとも1つの官能基を表す。
−SiWxRy (9)
(式中、Wは炭素数1〜20のアルコキシ基、水酸基、炭素数1〜20のアセトキシ基、ハロゲン原子、水素原子、炭素数1〜20のオキシム基、エノキシ基、アミノキシ基、アミド基から選ばれた少なくとも1種の基を表す。Rは、直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、及び置換されていないか或いは炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜20のアルコキシ基、又はハロゲン原子で置換されている炭素数6〜20のアリール基から選ばれる少なくとも1種の炭化水素基を表す。xは1以上3以下の整数であり、yは0以上2以下の整数である。また、x+y=3である。)}
また、シラノール基は粒子表面に局在化し易いことから、重合体エマルジョン粒子(B)の粒子径と珪素原子に結合したアルコキシ基及び/又は水酸基の関係を、4.4x10−5RB 2≦QB≦4.4x10−5RB 2+20の範囲にすることにより、表面シラノール基量を最適な範囲にすることができる。4.4x10−5RB 2>QBの範囲になるとコロイダルシリカ表面のシラノール基量が低くなり、コロイダルシリカと重合体エマルジョン粒子間の架橋が低くなり機械的強度が劣る。一方、QB>4.4x10−5RB 2+20の場合は、架橋密度が高くなりすぎ、柔軟性が低下し、有機・無機複合体が有機基材上に形成される場合、亀裂を生じ易くなる。
なかでも四官能加水分解性珪素化合物由来の珪素原子に結合したアルコキシ基及び/又は水酸基は反応性が高く、コロイダルシリカ(A)のシラノール基と縮合し易い。また四官能加水分解性珪素化合物を用いると、得られる有機・無機複合体の水接触角が低くなり、防汚性に優れる点で優れている。
SiWxRy (5)
(式中、Wは炭素数1〜20のアルコキシ基、水酸基、炭素数1〜20のアセトキシ基、ハロゲン原子、水素原子、炭素数1〜20のオキシム基、エノキシ基、アミノキシ基、アミド基から選ばれた少なくとも1種の基を表す。Rは、直鎖状又は分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、及び置換されていないか又は炭素数1〜20のアルキル基若しくは炭素数1〜20のアルコキシ基若しくはハロゲン原子で置換されている炭素数6〜20のアリール基から選ばれる少なくとも1種の炭化水素基を表す。xは1以上4以下の整数であり、yは0以上3以下の整数である。また、x+y=4である。)
ここでシランカップリング剤とは、ビニル重合性基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基、イソシアネート基等の有機物と反応性を有する官能基が分子内に存在する、加水分解性珪素化合物(b1)を表す。
、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ペンチルジメトキシシラン、ジ−n−ペンチルジエトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジエトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジメトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジエトキシシラン、ジ−n−オクチルジメトキシシラン、ジ−n−オクチルジエトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等のジアルコキシシラン類;トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン等のモノアルコキシシラン類等を挙げることができる。また、これらの珪素アルコキシドやシランカップリング剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
上記珪素アルコキシドの中では、四官能の珪素アルコキシドを用いることが好ましく、なかでも加水分解速度が速い、テトラメトキシシラン、テトラメトキシシランを用いることがより好ましい。
また、フェニル基を有する珪素アルコキシド、例えばフェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等が、水及び乳化剤の存在下における重合安定性に優れるため非常に好ましい。
また、ビニル重合性基を有するシランカップリング剤の配合量は、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)100質量部に対して0.1以上100質量部以下であることが重合安定性の面から好ましく、さらに好ましくは、0.5以上50質量部以下である。
ーを併用して用いる事が可能である。環状シロキサンオリゴマーの併用により、本発明の水系有機・無機複合組成物からは、柔軟性等に優れた有機・無機複合体を形成することができる。
上記環状シロキサンオリゴマーとしては、下記式(10)で表される化合物を例示することができる。
(R’2SiO)m (10)
(式中、R’は、水素原子、直鎖状又は分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、及び置換されていないか又は炭素数1〜20のアルキル基若しくは炭素数1〜20のアルコキシ基若しくはハロゲン原子で置換されている炭素数6〜20のアリール基から選ばれる少なくとも1種を表す。mは整数であり、2≦m≦20である。)
上記環状シロキサンオリゴマーの中で、反応性等の点からオクタメチルシクロテトラシロキサン等の環状ジメチルシロキサンオリゴマーが好ましい。
上記チタンアルコキシドの具体例としては、例えば、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ−i−プロポキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−sec−ブトキシチタン、テトラ−tert−ブトキシチタン等が挙げられる。
上記チタンアルコキシドが縮合生成物として使用されるとき、該縮合生成物のポリスチレン換算重量平均分子量は、好ましくは200〜5000、さらに好ましくは300〜1000である。
上記ジルコニウムアルコキシドが縮合生成物として使用されるとき、該縮合生成物のポリスチレン換算重量平均分子量は、好ましくは200〜5000、さらに好ましくは300〜1000である。
このようにして得られる重合体エマルジョン粒子(B)は、加水分解性珪素化合物(b1)の重合生成物が有するシラノール基と、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の重合生成物とが、水素結合により複合化されたものとなる。
上記2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の中で、特にN,N−ジエチルアクリルアミドは、水及び乳化剤の存在下における重合安定性に非常に優れるとともに、上述した加水分解性珪素化合物(b1)の重合生成物の水酸基や金属酸化物(A)の水酸基と強固な水素結合を形成することが可能であるため、非常に好ましい。
上記2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の使用量は、得られる重合体エマルジョン粒子(B)に対する質量比[(b2)/(B)]として0.1以上0.5以下である事が好ましく、また上述したコロイダルシリカ(A)との質量比(b2)/(A)が0.1以上1.0以下である事が好ましい。この範囲で(b2)が存在した場合、水素結合力と、金属酸化物(A)との配合安定性が両立して好ましい。
該ビニル単量体(b3)としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル類の他、カルボキシル基含有ビニル単量体、水酸基含有ビニル系単量体、エポキシ基含有ビニル単量体、カルボニル基含有ビニル単量体、アニオン型ビニル単量体のような官能基を含有する単量体等を挙げることができる。
キシエチレンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ドデシル等が挙げられる。(ポリ)オキシエチレンジ(メタ)アクリレートの具体例としては、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール等が挙げられる。
なお、本明細書中で、(メタ)アクリルとはメタアクリル又はアクリルを簡便に表記したものである。
(メタ)アクリル酸エステルの使用量は、1種又は2種以上の混合物として、全ビニル単量体中において好ましくは0〜99.9質量%、より好ましくは5〜80質量%である。
カルボキシル基含有ビニル単量体の使用量は、1種又は2種以上の混合物として、全ビニル単量体中において0〜50質量%である事が耐水性の面から好ましい。より好ましくは0.1〜10質量%、さらに好ましくは0.1〜5質量%である。
上述した水酸基含有ビニル単量体の使用量は、1種又は2種以上の混合物として、全ビ
ニル単量体中において好ましくは0〜80質量%、より好ましくは0.1〜50質量%、さらに好ましくは0.1〜10質量%である。
グリシジル基含有ビニル単量体や、カルボニル基含有ビニル単量体を使用すると、重合体エマルジョン粒子(B)が反応性を有し、ヒドラジン誘導体やカルボン酸誘導体、イソシアネート誘導体等により架橋させて耐溶剤性等の優れた有機・無機複合体の形成が可能となる。グリシジル基含有ビニル単量体や、カルボニル基含有ビニル単量体の使用量は、全ビニル単量体中において好ましくは0〜50質量%である。
かかる連鎖移動剤の一例としては、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンのようなアルキルメルカプタン類;ベンジルメルカプタン、ドデシルベンジルメルカプタンのような芳香族メルカプタン類;チオリンゴ酸のようなチオカルボン酸又はそれらの塩若しくはそれらのアルキルエステル類、又はポリチオール類、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド、ジ(メチレントリメチロールプロパン)キサントゲンジスルフィド及びチオグリコール、さらにはα−メチルスチレンのダイマー等のアリル化合物等を挙げることができる。
これら連鎖移動剤の使用量は、全ビニル単量体に対して好ましくは0.001〜30質量%、さらに好ましくは0.05〜10質量%の範囲で用いることができる。
ールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル等のノニオン型界面活性剤やラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤等を例示することができる。
これらの乳化剤の中で、ラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤を選択すると、本発明の重合体エマルジョン粒子(B)の水分散安定性が非常に良好になると共に、該重合体エマルジョン粒子(B)を含有する本発明の水系有機・無機複合組成物からは、耐水性、耐薬品性、光学特性、強度等に優れた有機・無機複合体を形成することができるため、非常に好ましい。
上記反応性乳化剤の具体例として、スルホン酸基又はスルホネート基を有するビニル単量体の塩を例にとると、ラジカル重合性の二重結合を有し、かつスルホン酸基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩である基により一部が置換された、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜4のアルキルエーテル基、炭素数2〜4のポリアルキルエーテル基、炭素数6又は10のアリール基及びコハク酸基からなる群から選ばれる置換基を有する化合物であるか、スルホン酸基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩である基が結合しているビニル基を有するビニルスルホネート化合物である。硫酸エステル基を有するビニル単量体は、ラジカル重合性の二重結合を有し、かつ硫酸エステル基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩である基により一部が置換された、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜4のアルキルエーテル基、炭素数2〜4のポリアルキルエーテル基及び炭素数6又は10のアリール基からなる群から選ばれる置換基を有する化合物である。
また、上記スルホン酸基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩である基により一部が置換された、炭素数2〜4のアルキルエーテル基又は炭素数2〜4のポリアルキルエーテル基を有する化合物の具体例として、例えばアクアロンHS−10又はKH−1025(商品名)(第一工業製薬(株)製)、アデカリアソープSE−1025N又はSR−1025(商品名)(旭電化工業(株)製)等を挙げることができる。
その他、スルホネート基により一部が置換されたアリール基を有する化合物の具体例として、p−スチレンスルホン酸のアンモニウム塩、ナトリウム塩及びカリウム塩等が挙げられる。
また、上記の硫酸エステル基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩により一部が置換された炭素数2〜4のアルキルエーテル基又は炭素数2〜4のポリアルキエーテル基を有する化合物としては、例えばスルホネート基により一部が置換されたアルキルエーテル基を有する化合物等がある。
上記乳化剤の使用量としては、重合体エマルジョン粒子(B)100質量部に対して、10質量部以下となる範囲内が適切であり、なかでも、0.001〜5質量部となる範囲内が好ましい。
これらの分散安定剤を使用する場合、その使用量としては、重合体エマルジョン粒子(B)100質量部に対して、10質量部以下となる範囲内が適切であり、なかでも、0.001〜5質量部となる範囲内が好ましい。
ここで、加水分解性珪素化合物(b1)の重合触媒としては、塩酸、フッ酸等のハロゲン化水素類、酢酸、トリクロル酢酸、トリフルオロ酢酸、乳酸等のカルボン酸類、硫酸、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸類、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルスルホコハク酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルスルホン酸等の酸性乳化剤類、酸性又は弱酸性の無機塩、フタル酸、リン酸、硝酸のような酸性化合物類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、酢酸ナトリウム、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルアミン、ジアザビシクロウンデセン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、エタノールアミン類、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−アミノプロピルトリメトキシシランのような塩基性化合物類;ジブチル錫オクチレート、ジブチル錫ジラウレートのような錫化合物等を挙げることができる。
これらの中で、加水分解性珪素化合物(b1)の重合触媒としては、重合触媒のみならず乳化剤としての作用を有する酸性乳化剤類、特に炭素数が5〜30のアルキルベンゼンスルホン酸(ドデシルベンゼンスルホン酸等)が非常に好ましい。
合触媒と組み合わせて用いると有利である。
ここで、加水分解性珪素化合物(b1)及び2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の重合は、別々に実施することも可能であるが、同時に実施することにより水素結合等によるミクロな有機・無機複合化が達成できるので好ましい。
このような粒子径の重合体エマルジョン粒子(B)を得る方法として、乳化剤がミセルを形成するのに十分な量の水の存在下に加水分解性金属化合物(b1)及び2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)を重合する、いわゆる乳化重合が最も適した方法である。
が共に特に良好であり好ましい。
ここで、多段乳化重合とは、2種類以上の異なった組成の加水分解性珪素化合物(b1)や2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)(必要に応じてこれと共重合可能な他のビニル単量体(b3))を調整し、これらを別々の段階に分けて重合することを意味する。
本発明において、2段乳化重合による重合体エマルジョン粒子(B)の合成として、例えば水及び乳化剤の存在下にビニル単量体(C)及び/又は加水分解性珪素化合物(b1)を重合して得られるシード粒子の存在下に、加水分解性珪素化合物(b1)及び2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)を重合する方法を例示できる。
ここで、ビニル単量体(C)とは、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)及び/又は上述した他のビニル単量体(b3)を意味する。
また、コア/シェル構造の確認は、例えば、透過型電子顕微鏡等による形態観察や粘弾性測定による解析等により実施することが可能である。
また、上述したコア/シェル構造の重合体エマルジョン粒子(B)において、コア相のガラス転移温度(Tg)が0℃以下、すなわち上記シード粒子のガラス転移温度が0℃以下のものは、それを含有する水系有機・無機複合組成物からは室温における柔軟性に優れ、割れ等が生じにくい有機・無機複合体を形成することが可能となり、好ましい。
本発明において、3段以上の多段乳化重合を実施する場合は、上述した2段重合による重合体エマルジョン粒子(B)の合成例を参考に、重合する系列の数を増加させれば良い。
重合体エマルジョン粒子の珪素原子に結合したアルコキシ基及び/又は水酸基の含有量が1mmol/gより小さい場合には、上述したコロイダルシリカの変性と同様に、加水分解性珪素化合物(a1)で重合体エマルジョン粒子を表面処理することにより、1〜20mmol/gの範囲にすることができる。
ここで、コロイダルシリカ(A)と重合体エマルジョン粒子(B)の質量比(A)/(B)は、1/99〜99/1、好ましくは5/95〜90/10、さらに好ましくは9/91〜83/17である。この範囲で配合された有機・無機複合組成物からは、透明性、耐汚染性に優れた有機・無機複合体を得る事ができ好ましい。
また、本発明の水系有機・無機複合組成物には、水素結合等によるコロイダルシリカ(A)と重合体エマルジョン粒子(B)の相互作用を制御する目的で、アルコール類を添加することもできる。アルコールの添加により、貯蔵安定性等が非常に向上する。
これらの紫外線吸収剤、光安定剤は、コロイダルシリカ(A)と重合体エマルジョン粒子(B)と単に配合することも可能であるし、重合体エマルジョン粒子(B)を合成する際に共存させることも可能である。
本発明において使用できる紫外線吸収剤としては、紫外線吸収能の高いベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤が好ましい。
本発明において使用できるヒンダードアミン系光安定剤として具体的には、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)サクシネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−ブチルマロネート、1−〔2−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピニルオキシ〕エチル〕−4−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートとメチル−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル−セバケートの混合物(日本チバガイギー(株)製、商品名:TINUVIN292)、ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、TINUVIN123(商品名、日本チバガイギ(株)製)などがある。ラジカル重合性ヒンダードアミン系光安定剤として具体的には、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルアクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−イミノピペリジルメタクリレート、2,2,6,6,−テトラメチル−4−イミノピペリジルメタクリレート、4−シアノ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、4−シアノ−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレートなどがある。
本発明において使用できるヒンダードアミン系光安定剤としては、塩基性が低いものが好ましく、具体的には塩基定数(pKb)が8以上のものが好ましい。
本発明の水系有機・無機複合組成物からは、皮膜状、シート状、繊維状又は成形体の様態である有機・無機複合体を形成することができる。
一方、重合体エマルジョン粒子(B)に対する光触媒活性を有する金属酸化物(C)の質量比(C)/(B)が高すぎると、基材上に形成された有機・無機複合体の光照射による劣化が著しくなり、好ましくない。よって、質量比(C)/(B)の範囲は、好ましくは1/99〜50/50であり、より好ましくは3/97〜20/80であり、最も好ま
しくは5/95〜15/85である。
ここで、光触媒のバンドギャップエネルギーよりも高いエネルギーの光の光源としては、太陽光や室内照明灯等の一般住宅環境下で得られる光の他、ブラックライト、キセノンランプ、水銀灯、LED等の光が利用できる。
また、金属酸化物(C)として導電性を有する金属酸化物を用いた場合の有機・無機複合体は、優れた導電性能、帯電防止性能、電磁波遮断性能、面発熱性能を示す。
本発明の別の態様においては、有機・無機複合体を基材上に有する機能性複合体が提供される。
本発明の機能性複合体を得るのに用いられる基材としては、特に限定はされなく、例えば本発明で開示した用途に使用される基材は全て用いることができる。
本発明の機能性複合体を得るのに用いられる基材の具体例としては、例えば合成樹脂、天然樹脂等の有機基材や、金属、セラミックス、ガラス、石、セメント、コンクリート等の無機基材や、それらの組み合わせ等を挙げることができる。
なお、本明細書では、皮膜という表現を使用しているが、必ずしも連続膜である必要はなく、不連続膜、島状分散膜等の態様であっても構わない。
本発明の機能性複合体の製造方法は、基材上に本発明の有機・無機複合体皮膜を形成する場合に限定されない。基材と本発明の有機・無機複合体を同時に成形、例えば、一体成形してもよい。また、本発明の有機・無機複合体を成形後、基材の成形を行ってもよい。また、本発明の有機・無機複合体と基材を個別に成形後、接着、融着等により機能性複合体としてもよい。
本発明の有機・無機複合体又は機能性複合体であって、20℃における水との接触角が60゜以下(好ましくは30゜以下)となった親水性のもの(親水性膜、及び該親水性膜で被覆された基材等)は、鏡やガラスの曇りを防止する防曇技術、さらには建築外装等に対する防汚技術や帯電防止技術等への応用が可能である。
本発明の上記有機・無機複合体又は機能性複合体であって光電変換機能を有するものは、太陽エネルギーの電力変換等の機能を発現することが可能であり、(湿式)太陽電池等に用いる光半導体電極等の用途に使用することができる。
本発明の上記有機・無機複合体又は機能性複合体であって導電性能を有するものは、太陽電池や液晶系表示材料、電子ペーパー、有機EL、タッチパネル等の透明導電膜用途、防曇・防霜用ヒーター、暖房用パネルヒーター等の面発熱用途等に使用することができる。
実施例、参考例及び比較例中において、各種の物性は下記の方法で測定した。
1.数平均粒子径
試料中の固形分含有量が1〜20質量%となるよう適宜溶媒を加えて希釈し、湿式粒度分析計(日本国日機装製マイクロトラックUPA−9230)を用いて測定した。
2.皮膜硬度
JIS−K5400に準じ、鉛筆硬度(皮膜のすり傷)として求めた。
日本国日本電色工業製濁度計NDH2000を用いて、JIS−K7105に準じてヘイズ値及び全光線透過率を測定した。
4.皮膜表面に対する水の接触角
皮膜の表面に脱イオン水の滴を乗せ、20℃で1分間放置した後、日本国協和界面科学製CA−X150型接触角計を用いて測定した。
皮膜に対する水の接触角(以下、初期CAという)が小さいほど、皮膜表面は親水性が高い。
試料を23℃水中に10日間浸漬した後、23℃で1日乾燥させ、ヘイズ値を上記3.の方法で評価した。
6.耐候性(耐候性ヘイズ、耐候性CA)
スガ試験器製サンシャインウェザーメーターを使用して曝露試験(ブラックパネル温度63℃、降雨18分/2時間)を行った。曝露2000時間後のヘイズ値(以下、耐候性ヘイズという)を上記3.の方法で、水の接触角(以下、耐候性CAという)を上記4.の方法で評価した。
7.耐汚染性
試験板を一般道路(トラック通行量500〜1000台/日程度)に面したフェンスに3ケ月間張りつけた後、汚染の度合いを目視にて評価した。
◎:全く汚れがなく良好。
○:多少の汚れはあるが、良好。
×:雨筋汚れがみられ、悪い。
皮膜表面にメチレンブルーの5質量%エタノール溶液を塗布した後、東芝ライテック製FL20S BLB型ブラックライトの光を3日間照射した。なおこのとき、日本国トプコン製UVR−2型紫外線強度計(受光部として、日本国トプコン製UD−36型受光部(波長310〜400nmの光に対応)を使用)を用いて測定した紫外線強度が1mW/cm2となるよう調整した。
その後、メチレンブルーの分解の程度(皮膜表面の退色の程度に基づき、目視で評価)に基づき、光触媒の活性を以下の3段階で評価した。
◎:メチレンブルーが完全に分解。
○:メチレンブルーの青色がわずかに残る。
×:メチレンブルーの分解はほとんど観測されず。
試料を電子顕微鏡のメッシュ上に落とし風乾した。メッシュ上の試料を超高分解能TEMにより観察し、観察像から任意の粒子を100個抽出し、粒子長と粒子径の比を求めた。
超高分解能による観察の条件は以下の通りである。
・装置:日本国日立製H−9000UHR型
・加速電圧:300kV
・測定倍率:1000000倍
Bruker Biospin社製DSX400を用いて29Si−NMR分析を行い、Si(OX)rO(4−r)/2、R1Si(OX)pO(3−p)/2、(R2)(R3)Si(OX)qO(2−q)/2(Xは水素原子又はアルキル基、R1,R2及びR3は炭素数1〜6のアルキレン基またはフェニレン基、rは0〜4の整数、pは0〜3の整数、qは0〜2の整数である。)で表されるそれぞれの単位の比率を求め、OX基の含有量を求める。
エタノールを綿棒に浸し、荷重200gをかけて皮膜表面を10往復擦り、目視により、以下の3段階で評価した。
○:外観変化無し
△:皮膜にキズがはいるが、基材上に皮膜は残っている。
×:皮膜が溶解し剥離する。
12.皮膜断面構造の観察
試料をエポキシ樹脂(商品名、Quetol812)に包埋後、独国Reichert社製ULTRACUT−N型ミクロトーム(商品名)により50〜60nmの厚さの超薄切片を作成し、支持膜を張ったメッシュに積載した後、カーボン蒸着を行い、検鏡用試料とし、TEMにより塗膜断面の観察を実施した。
TEM観察の条件は以下の通りである。
・装置:日本国日立製HF2000型
・加速電圧:125kV
コロイダルシリカ(A−1)の合成
数平均粒子径12nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形分20%)75gとエタノール25gを混合し、水/ エタノール分散コロイダルシリカ(A−1)を得た。コロイダルシリカ(A−1)の数平均粒子径は12nm、固形分は15質量%であった。コロイダルシリカ(A−1)の珪素原子に結合したアルコキシ基及び/又は水酸基の含有量は、6.3mmol/gであった。
コロイダルシリカ(A−2)の合成
数平均粒子径12nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形分20%)75gとエタノール25gを混合し、水/ エタノール分散コロイダルシリカを得た。次いで、6重量% 硝酸水溶液0 . 8g、テトラエトキシシラン10.4 g を攪拌下に滴下し、23℃で1 時間攪拌して、数平均粒子径13nm、固形分15.7質量%のコロイダルシリカ(A−2)を得た。コロイダルシリカ(A−2)の珪素原子に結合したアルコキシ基及び/又は水酸基の含有量は、9.7mmol/gであった。
重合体エマルジョン粒子(B−1)水分散体の合成
還流冷却器、滴下槽、温度計および撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水1600g、ドデシルベンゼンスルホン酸2gを投入した後、撹拌下で温度を80℃に加温した。これに、アクリル酸ブチル86g、フェニルトリメトキシシラン75g、テトラエトキシシラン136g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.3gの混合液とジエチルアクリルアミド137g、アクリル酸3g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25%水溶液)13g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液40g、イオン交換水1500gの混合液を、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下した。さらに反応容器中の温度が80℃の状態で約2時間撹拌を続行した後、室温まで冷却し、100メッシュの金網で濾過した後、イオン交換水で固形分を10.0質量%に調整し、数平均粒子径100nmの重合体エマルジョン粒子(B−1)水分散体を得た。重合体エマルジョン粒子(B−1)水分散体の29Si−NMR分析を行った結果、珪素原子に結合したアルコキシ基及び/又は水酸基の含有量は、1.6mmol/gであった。
重合体エマルジョン粒子(B−2)水分散体の合成
参考例2で得られた重合体エマルジョン粒子(B−1)水分散体を23℃で1週間保管した後、攪拌下でテトラエトキシシラン113gを10分間かけて滴下し、23℃で1時間攪拌を続行し、数平均粒子径105nmの重合体エマルジョン粒子(B−2)水分散体を得た。重合体エマルジョン粒子(B−2)水分散体の29Si−NMR分析を行った結
果、珪素原子に結合したアルコキシ基及び/又は水酸基の含有量は、2.6mmol/gであった。
重合体エマルジョン粒子(B−3)水分散体の合成
還流冷却器、滴下槽、温度計および撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水1600g、ドデシルベンゼンスルホン酸2gを投入した後、撹拌下で温度を80℃に加温した。これに、アクリル酸ブチル86g、フェニルトリメトキシシラン133g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.3gの混合液とジエチルアクリルアミド137g、アクリル酸3g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25%水溶液)13g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液40g、イオン交換水1500gの混合液を、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下した。さらに反応容器中の温度が80℃の状態で約2時間撹拌を続行した後、室温まで冷却し、100メッシュの金網で濾過した後、イオン交換水で固形分を10.0質量%に調整し、数平均粒子径100nmの重合体エマルジョン粒子(B−1)水分散体を得た。重合体エマルジョン粒子(B−3)水分散体の29Si−NMR分析を行った結果、珪素原子に結合したアルコキシ基及び/又は水酸基の含有量は、0.2mmol/gであった。
変性光触媒(C−1)の合成。
還流冷却器、温度計および撹拌装置を有する反応器に、LS−8600[1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの商品名(信越化学工業製)]474g、LS−8620[オクタメチルシクロテトラシロキサンの商品名(信越化学工業製)]76.4g、LS−8490[1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリフェニルシクロトリシロキサンの商品名(信越化学工業製)408g、LS−7130[ヘキサメチルジシロキサンの商品名(信越化学工業製)40.5g、及び硫酸化ジルコニア20gを仕込み、50℃で3時間攪拌した後、さらに80℃に加熱したまま5時間攪拌した。硫酸化ジルコニアをろ過したのち、130℃、真空下で低沸分を除去し、重量平均分子量6600、Si−H基含量7.93mmol/gのメチルハイドロジェンシロキサン−メチルフェニルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー(合成シリコーン化合物)780gを得た。
得られたSi−H基含有化合物溶液(1)4gに水100gを加えると、透明な水溶液となった。
また、得られたSi−H基含有化合物溶液(1)3.97gにブチルセロソルブ8gを添加・混合した後、1N水酸化ナトリウム水溶液8mlを添加すると、水素ガスが発生し、その体積は21℃において15.8mlであった。この水素ガス生成量から求めた、Si−H基含有化合物溶液(1)1g当りのSi−H基含量は0.16mmol/g(合成シリコーン化合物1g当たりに換算したSi−H基含量は約1.78mmol/g)であった。
6nm(カタログ値)のもの]252.0gと水748.0gを入れた後、これに合成したSi−H基含有化合物溶液(1)61.1gを40℃にて攪拌下約30分かけて添加し、さらに40℃にて12時間撹拌を続けた後、減圧蒸留によりメチルエチルケトンを除去し、水を加えて8.3質量%の非常に分散性の良好な変性光触媒ヒドロゾル(C−1)を得た。この時、Si−H基含有化合物溶液(1)の反応に伴い生成した水素ガス量は20℃において160mlであった。
また、得られた変性光触媒(C−1)の粒径分布は単一分散(数平均粒子径は75nm)であり、さらに変性処理前のTKS203の単一分散(数平均粒子径は12nm)の粒径分布が大きな粒径側に移動していることが確認できた。
変性光触媒(C−2)の合成。
還流冷却器、温度計および撹拌装置を有する反応器に、シリカ被覆酸化チタンヒドロゾル(商品名「TSK−5」、石原産業(株)製、固形分30%)100g、イオン交換水100g、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン1gを加え、撹拌下で温度を80℃に加温した。反応容器中の温度が80℃の状態で約2時間撹拌を続行した後、室温まで冷却し、変性光触媒(C−2)を得た。
参考例2で合成したコロイダルシリカ(A−2)63.7gに参考例3で合成した重合体エマルジョン粒子(B−1)水分散体100gを混合、攪拌する事により水系有機・無機複合組成物(E−1)を得た。
10cm×10cmのPETフィルムに上記水系有機・無機複合組成物(E−1)を膜厚が2μmとなるようにバーコートした後、室温で1週間乾燥する事により、有機・無機複合体皮膜(F−1)を有する試験板(G−1)を得た。試験板(G−1)の評価結果を表1に示した。
参考例2で合成したコロイダルシリカ(A−2)63.7gに参考例4で合成した重合体エマルジョン粒子(B−2)水分散体100gを混合、攪拌する事により水系有機・無機複合組成物(E−2)を得た。
10cm×10cmのPETフィルムに上記水系有機・無機複合組成物(E−2)を膜厚が2μmとなるようにバーコートした後、室温で1週間乾燥する事により、有機・無機複合体皮膜(F−2)を有する試験板(G−2)を得た。試験板(G−2)の評価結果を表1に示した。
参考例2で合成したコロイダルシリカ(A−2)38.2gに参考例3で合成した重合体エマルジョン粒子(B−1)水分散体100gと数平均粒子径10nmのシリカ被覆酸化チタンヒドロゾル(商品名「MPT−422」、石原産業(株)製、固形分20%)20gを混合、攪拌する事により水系有機・無機複合組成物(E−3)を得た。
10cm×10cmのガラス板に上記水系有機・無機複合組成物(E−3)を膜厚が2μmとなるようにバーコートした後、室温で1週間乾燥する事により、有機・無機複合体皮膜(F−3)を有する試験板(G−3)を得た。試験板(G−3)の評価結果を表1に示した。
参考例2で合成したコロイダルシリカ(A−2)38.2gに参考例3で合成した重合体エマルジョン粒子(B−1)水分散体100gと数平均粒子径10nmのシリカ被覆酸化チタンヒドロゾル(商品名「TSK−5」、石原産業(株)製、固形分30%)20g
を混合、攪拌する事により水系有機・無機複合組成物(E−4)を得た。
10cm×10cmのPETフィルムに上記水系有機・無機複合組成物(E−4)を膜厚が2μmとなるようにバーコートした後、室温で1週間乾燥する事により、有機・無機複合体皮膜(F−4)を有する試験板(G−4)を得た。試験板(G−4)の評価結果を表1に示した。
参考例2で合成したコロイダルシリカ(A−2)38.2gに参考例3で合成した重合体エマルジョン粒子(B−1)水分散体100gと参考例6で合成した変性光触媒(C−1)20gを混合、攪拌する事により水系有機・無機複合組成物(E−5)を得た。
10cm×10cmのPETフィルムに上記水系有機・無機複合組成物(E−5)を膜厚が2μmとなるようにバーコートした後、室温で1週間乾燥する事により、有機・無機複合体皮膜(F−5)を有する試験板(G−5)を得た。試験板(G−5)の評価結果を表1に示した。
参考例2で合成したコロイダルシリカ(A−2)38.2gに参考例3で合成した重合体エマルジョン粒子(B−1)水分散体100gと参考例7で合成した変性光触媒(C−2)20gを混合、攪拌する事により水系有機・無機複合組成物(E−6)を得た。
10cm×10cmのPETフィルムに上記水系有機・無機複合組成物(E−6)を膜厚が2μmとなるようにバーコートした後、室温で1週間乾燥する事により、有機・無機複合体皮膜(F−6)を有する試験板(G−6)を得た。試験板(G−6)の評価結果を表1に示した。
参考例1で合成したコロイダルシリカ(A−1)66.7gに参考例3で合成した重合体エマルジョン粒子(B−1)水分散体100gを混合、攪拌する事により水系有機・無機複合組成物(E−7)を得た。
10cm×10cmのPETフィルムに上記水系有機・無機複合組成物(E−7)を膜厚が2μmとなるようにバーコートした後、室温で1週間乾燥する事により、有機・無機複合体皮膜(F−7)を有する試験板(G−7)を得た。試験板(G−7)の評価結果を表1に示した。
参考例1で合成したコロイダルシリカ(A−1)66.7gに参考例5で合成した重合体エマルジョン粒子(B−3)水分散体100gを混合、攪拌する事により水系有機・無機複合組成物(E−8)を得た。
10cm×10cmのPETフィルムに上記水系有機・無機複合組成物(E−8)を膜厚が2μmとなるようにバーコートした後、室温で1週間乾燥する事により、有機・無機複合体皮膜(F−8)を有する試験板(G−8)を得た。試験板(G−8)の評価結果を表1に示した。
2 埋め込み用エポキシ樹脂
3 連続層
3a コロイダルシリカ(A)
3b 重合体エマルジョン粒子(B)のコア相
3c 重合体エマルジョン粒子(B)のシェル相
Claims (20)
- 珪素原子に結合したアルコキシ基及び/又は水酸基の含有量が7〜20mmol/gであるコロイダルシリカ(A)と、珪素原子に結合したアルコキシ基及び/又は水酸基の含有量が1〜20mmol/gである重合体エマルジョン粒子(B)を含んでなり、
重合体エマルジョン粒子(B)は、水及び乳化剤の存在下に
四官能珪素アルコキシドを含有する珪素アルコキシドとビニル重合性基を有するシランカップリング剤又はチオール基を有するシランカップリング剤からなる加水分解性珪素化合物(b1)0.01以上20質量部以下(但し、重合体エマルジョン粒子(B)100質量部に対して)、
2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)、及び
2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)と共重合可能な他のビニル単量体(b3)
を重合して得られる重合体エマルジョン粒子(B)であり、且つ
[2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)/重合体エマルジョン粒子(B)]の質量比は0.1以上0.5以下、
コロイダルシリカ(A)/重合体エマルジョン粒子(B)の質量比は9/91〜83/17である、
ことを特徴とする水系有機・無機複合組成物。 - 該コロイダルシリカ(A)が加水分解性珪素化合物(a1)で表面処理されて得られることを特徴とする請求項1に記載の水系有機・無機複合組成物。
- 該重合体エマルジョン粒子(B)を得るのに用いる2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の上記コロイダルシリカ(A)に対する質量比(b2)/(A)が0.1以上1.0以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の水系有機・無機複合組成物。
- 前記重合体エマルジョン粒子(B)が、2層以上の層から形成されるコア/シェル構造である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水系有機・無機複合組成物。
- 該重合体エマルジョン粒子(B)がコア/シェル構造であり、その最内層を形成する加水分解性珪素化合物(b1)に対する2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体
(b2)の質量比(b2)/(b1)が1.0以下であり、かつその最外層を形成する(b2)と(b1)の質量比(b2)/(b1)が0.1以上5.0以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の水系有機・無機複合組成物。 - 前記重合体エマルジョン粒子(B)が、水及び乳化剤の存在下に、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)、これと共重合可能な他のビニル単量体(b3)、加水分解性珪素化合物(b1)から選ばれた1種以上を重合して得られるシード粒子の存在下に、加水分解性珪素化合物(b1)、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)、及び2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)と共重合可能な他のビニル単量体(b3)を重合して得られる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の水系有機・無機複合組成物。
- 前記重合体エマルジョン粒子(B)が、水及び乳化剤の存在下に加水分解性珪素化合物(b1)を重合して得られるシード粒子の存在下に、加水分解性珪素化合物(b1)、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)、及び2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)と共重合可能な他のビニル単量体(b3)を重合して得られる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の水系有機・無機複合組成物。
- 前記加水分解性珪素化合物(b1)が、ビニル重合性基を有する加水分解性珪素化合物を少なくとも1種含み、その使用量が該2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)100質量部に対して0.1以上100質量部以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の水系有機・無機複合組成物。
- 光触媒活性を有する金属酸化物(C)を、コロイダルシリカ(A)と光触媒活性を有する金属酸化物(C)の質量比(A)/(C)が50/50〜99/1で含有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の水系有機・無機複合組成物。
- 下記式(1)で表されるトリオルガノシラン単位、下記式(2)で表されるモノオキシジオルガノシラン単位、下記式(3)で表されるジオキシオルガノシラン単位、式(4)で表されるトリオキシシラン単位、及びジフルオロメチレン単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造単位を有する化合物類から選ばれる少なくとも1種の変性剤化合物で金属酸化物(C)を変性処理することによって得られる変性金属酸化物(C’)を含有することを特徴とする請求項9に記載の水系有機・無機複合組成物。
R3Si− (1)
(式中、Rは各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のフルオロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数2〜30個のアルケニル基、フェニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、又は水酸基を表す。)
−(R2SiO)− (2)
(式中、Rは式(1)で定義した通りである。)
- 該光触媒活性を有する金属酸化物の粒子長(l)と粒子直径(d)の比(l/d)が、1/1から20/1である事を特徴とする請求項9〜10のいずれか一項に記載の水系有機・無機複合組成物。
- 請求項1〜11のいずれか一項に記載の水系有機・無機複合組成物から形成された有機・無機複合体。
- 請求項1〜11のいずれか一項に記載の水系有機・無機複合組成物の固形分を含んでなる有機・無機複合体。
- 請求項1〜11のいずれか一項に記載の水系有機・無機複合組成物を含んでなる水系組成物。
- コロイダルシリカ(A)とコア/シェル構造の重合体エマルジョン粒子(B)のシェル相が相互作用した状態で連続層を形成し、粒子状のコア相が該連続層中に存在する請求項12または13に記載の有機・無機複合体。
- 23℃における水接触角が30°以下である、請求項12〜13、15のいずれか一項に記載の有機・無機複合体。
- 請求項12〜13、15〜16のいずれか一項に記載の有機・無機複合体を基材上に有する機能性複合体。
- 請求項10又は11のいずれか一項に記載の水系有機・無機複合組成物から形成された有機・無機複合体を基材上に有する機能性複合体であって、該有機・無機複合体中の変性金属酸化物(C’)の濃度が、該有機・無機複合体の基材に接する面より他方の露出面の方が高いことを特徴とする機能性複合体。
- 請求項12〜13、15〜16のいずれか一項に記載の有機・無機複合体を基材上に有する建築外装用機能性複合体。
- 請求項12〜13、15〜16のいずれか一項に記載の有機・無機複合体を樹脂基材上に有する外装表示用機能性複合体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007064297A JP4738367B2 (ja) | 2007-03-14 | 2007-03-14 | 水系有機・無機複合組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007064297A JP4738367B2 (ja) | 2007-03-14 | 2007-03-14 | 水系有機・無機複合組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008222887A JP2008222887A (ja) | 2008-09-25 |
JP4738367B2 true JP4738367B2 (ja) | 2011-08-03 |
Family
ID=39841876
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007064297A Active JP4738367B2 (ja) | 2007-03-14 | 2007-03-14 | 水系有機・無機複合組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4738367B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010125690A1 (ja) * | 2009-05-01 | 2010-11-04 | サスティナブル・テクノロジー株式会社 | 光透過性基体の透過可視光量増加剤及びそれを用いた高光透過性基体の製造方法 |
JP5327713B2 (ja) * | 2009-07-03 | 2013-10-30 | Toto株式会社 | 光触媒塗装体、および光触媒コーティング液 |
JP2011056418A (ja) * | 2009-09-10 | 2011-03-24 | Toto Ltd | 外構、および外構用コーティング液 |
JP5905658B2 (ja) * | 2009-11-26 | 2016-04-20 | 旭化成イーマテリアルズ株式会社 | 機能性塗膜 |
JP5299260B2 (ja) * | 2009-12-24 | 2013-09-25 | 信越化学工業株式会社 | 固体材料の表面処理方法 |
KR101136340B1 (ko) | 2009-12-30 | 2012-04-18 | 한국기술교육대학교 산학협력단 | 플라스틱에 적용 가능한 기능성 코팅용액 조성물 |
JP6714530B2 (ja) * | 2017-03-08 | 2020-06-24 | 旭化成株式会社 | 光触媒組成物、光触媒塗膜及び光触媒塗装製品 |
JP7288515B2 (ja) * | 2019-10-16 | 2023-06-07 | 富士フイルム株式会社 | 分散液、組成物、硬化膜、カラーフィルタ、光学素子、固体撮像素子及びヘッドライトユニット |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2994937B2 (ja) * | 1993-11-09 | 1999-12-27 | 株式会社日本触媒 | 有機ポリマー複合無機微粒子の製造方法 |
JPH0931297A (ja) * | 1995-07-24 | 1997-02-04 | Gantsu Kasei Kk | 水分散性組成物及びその製造方法 |
JP3625246B2 (ja) * | 1996-12-12 | 2005-03-02 | 三菱レイヨン株式会社 | 水性被覆組成物 |
JP2004292686A (ja) * | 2003-03-27 | 2004-10-21 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 塗料用水性組成物 |
KR100997721B1 (ko) * | 2005-12-13 | 2010-12-02 | 아사히 가세이 이-매터리얼즈 가부시키가이샤 | 수계 유기·무기 복합 조성물 |
-
2007
- 2007-03-14 JP JP2007064297A patent/JP4738367B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2008222887A (ja) | 2008-09-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4785865B2 (ja) | 水系有機・無機複合組成物 | |
JP5599134B2 (ja) | 多官能シランを用いた有機・無機複合組成物 | |
JP4964021B2 (ja) | 防汚層の形成方法 | |
JP5411574B2 (ja) | 複合体、機能性構造体及びコーティング剤 | |
JP2009019072A (ja) | 水系有機・無機複合組成物 | |
JP4738367B2 (ja) | 水系有機・無機複合組成物 | |
JP2009280706A (ja) | 有機・無機複合体 | |
JP2009279566A (ja) | 光触媒含有組成物 | |
CN105086726A (zh) | 水性涂层剂组合物、水性涂料、涂膜以及涂装制品 | |
JP2008031297A (ja) | 水系汚染防止用組成物および塗装物 | |
JP5368720B2 (ja) | 光触媒塗膜及び光触媒組成物 | |
JP2009280770A (ja) | 有機・無機複合組成物、これを用いた有機無機複合体、及び機能性複合体 | |
JP5692892B2 (ja) | 塗膜及び水系有機無機複合組成物 | |
JP5514463B2 (ja) | 耐熱用コーティング組成物 | |
JP2011110455A (ja) | 塗膜及び組成物 | |
JP5431127B2 (ja) | 水系有機無機複合組成物及び有機無機複合体 | |
JP2012166195A (ja) | 防汚層の形成方法 | |
JP2012086104A (ja) | 光触媒組成物 | |
JP2011092880A (ja) | 光触媒塗膜 | |
JP5599635B2 (ja) | 機能性塗膜 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20090401 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100201 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100309 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100427 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110201 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110328 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110426 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110426 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4738367 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140513 Year of fee payment: 3 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |