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JP4730652B2 - 電子部品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、配線基板上に、配線基板との間に空隙を設けて対面載置した複数の配列された機能素子を、これら機能素子を覆うように配線基板上に配置されたゲル状硬化性樹脂シートを用いて、高い歩留りで、配線基板と機能素子との間を中空に保ちつつ一括樹脂封止する電子部品の製造方法に関する。
近年、機能素子が配線基板上に中空モールドされた電子部品が、携帯電話をはじめとする各種電子機器に多数使用されている。このようなものとして典型的には、例えば、弾性表面波デバイス、水晶振動子、圧電振動子等がある。このような電子部品は、機能素子の活性面が樹脂で封止されないようにしなければならず、例えば、弾性表面波デバイスにおいては、弾性表面波チップ上に弾性表面波電極が形成されており、配線基板上に樹脂封止する際に封止樹脂や基板面と弾性表面波電極とが接触しては性能を発揮できないので、電極面上を中空に保ったまま樹脂封止しなければならない。一方、このような電子部品は小型化が進み、その製造も、基板上に多数の小さな機能素子チップ、例えば、弾性表面波チップ、をフリップチップ接合して配列した所謂MAP(モールドアレイパッケージ)形状において、基板上の多数の機能素子チップを一度に一括樹脂封止する方式が主流となりつつある。なお、本明細書では、配線基板と機能素子との間を中空に保ちつつ樹脂封止することを中空モールドという。また、基板上に配列した多数の素子を一度に樹脂封止することを一括樹脂封止という。なお、真空というときは、通常の大気圧より低い圧力の気体で満たされた空間の状態をいう。
従来、このような中空モールド電子部品の一括樹脂封止技術としては、例えば、加熱溶融型部材を用いて空隙部を封止する方法(例えば、特許文献1参照。)、弾性表面波チップをフィルムで覆った後、樹脂で封止する弾性表面波デバイスの実装方法(例えば、特許文献2参照。)、基板に設けた穴から吸気して変形プラスチックフィルムラミネートを行う弾性表面波フィルタのパッケージ方法(例えば、特許文献3参照。)、大気中でゲル状硬化性樹脂シートを用いて基板上の弾性表面波チップを被覆した後、大気中でヒートプレスする方法(例えば、特許文献4参照。)等が知られている。しかしながら、これらの方法では、中空モールドを高精度で生産性よく成形することは困難であった。すなわち、基板上のチップ配列は、製造工程での不良品を除くためにチップ抜けが存在したり、製品によってチップ配列やチップサイズが異なるので、従来の熱プレスや熱ロールでは、モールド成形の精度を維持することが容易でなく、例えば、チップ下に封止樹脂が流入し過ぎたり、封止シートが基板面に到達しなかったり、チップエッジ部にボイドが発生したりすることが避けられなかった。また、変形プラスチックフィルムで封止する方法は、保護層の表面が平坦にならず、パッケージの積層実装等に不向きであった。従って、中空モールドの高い歩留りを可能とする一括樹脂封止技術による製造方法は、従来、知られていない。
国際公開第WO97/02596号パンフレット 特開平11−17490号公報 特開2001−176995号公報 特開2003−17979号公報
上述の現状に鑑みて、本発明は、弾性表面波デバイス等の中空モールドをゲル状硬化性樹脂シートを用いて基板上で一括樹脂封止する際に、中空部の成形性に優れ、チップ抜け基板等の場合にもボイドの発生を低減でき、上述の問題を解決できる、信頼性と生産性に優れた製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、意外にも、真空下でゲル状硬化性樹脂シートを配置した後、熱ロールによる成形を組み合わせることにより、上記不良の発生を大幅に低減できることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成した。
すなわち、本発明は、配線基板上に、上記配線基板との間に空隙を設けて対面載置した複数の配列された機能素子を、上記複数の配列された機能素子を覆うように上記配線基板上に配置されたゲル状硬化性樹脂シートを加熱硬化させて、上記配線基板と上記機能素子との間を中空に保ちつつ、一括樹脂封止する電子部品の製造方法であって、前記ゲル状硬化性樹脂シートとして、前記配線基板と前記機能素子との間の間隔と前記機能素子の厚みとの和の1/20倍以上1倍以下の厚さのシートを、前記和の2倍以下の厚みとなる複数枚を積層して使用し、前記複数枚のシートのうち、最内層のシートは軟化温度が他のシートより高いものであり、少なくとも、以下の工程(a)、(b)、(c)及び(d)を有する電子部品の製造方法である:
(a)配線基板上に上記配線基板との間に空隙を設けて対面載置した複数の配列された機能素子を覆うように、上記配線基板上にゲル状硬化性樹脂シートを配置する工程、
(b)上記複数の配列された機能素子がその内部に含まれている上記ゲル状硬化性樹脂シートと上記配線基板とで囲まれた閉空間領域を、真空にする工程、
(c)上記閉空間領域を真空に維持しつつ、熱ロールで上記ゲル状硬化性樹脂シートを硬化温度未満に加熱し流動させながら封止樹脂表面を平坦に成形する工程、及び、
(d)上記ゲル状硬化性樹脂シートを硬化温度に加熱して硬化させる工程。
本発明は上述の構成により、中空モールド電子部品、例えば、弾性表面波デバイス等を配線基板上で一括樹脂封止する際に、チップ抜けが有っても、中空モールドを精度よく形成することができる。
本発明はまた、上述の構成により、弾性表面波デバイス等を配線基板上で一括樹脂封止する際に、チップ下に樹脂侵入が少なく、チップ外周部においてはボイドがない良品を製造することができる。
本発明はさらに、上述の構成により、容易に、製品厚みを有し保護樹脂表面が平坦な一括樹脂封止されたMAP状の電子部品を高い歩留りで製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の製造方法においては、配線基板上に機能素子チップの活性面を配線パターンと対面させて載置したものを、配線パターンと活性面とを接触しないようにするために、空隙を設けて、保護樹脂で封止されてなる電子部品が製造される。このような機能素子としては、例えば、弾性表面波チップ、圧電振動子チップ、水晶振動子チップ、センサーチップ等が挙げられる。活性面とは、上記機能素子において、例えば、それぞれ、弾性表面波電極、圧電振動子、水晶振動子、センサーが形成されている面である。このような面は、樹脂等で密封されたり、基板面と接触したりすると、電極や振動子の物理的振動が妨げられ、機能を果たさなくなる。センサーでは検知物質との接触が妨げられ、やはり機能を果たさなくなる。従って、保護樹脂で封止する場合に、このような活性面の上部を中空に明けておく必要がある。一方、これら電子部品の小型化に伴い、例えば、弾性表面波デバイスでは、2ミリ角やそれ以下のサイズのチップが用いられており、製造方法としては、表面に微細な配線パターンを形成した基板上に、多数のチップをフリップチップ接合で配列し、多数のチップを一度に一括して樹脂封止し、その後に個別デバイスにダイシングする方法が用いられている。
本発明の製造方法は、上記製造方法における一括樹脂封止工程に好適に適用されるものであって、上述の(a)〜(d)の4工程を必須の工程とする。以下、これらの各工程を説明する。
工程(a)
本工程では配線基板上に上記配線基板との間に空隙を設けて対面載置した複数の配列された機能素子を覆うように、上記配線基板上にゲル状硬化性樹脂シートを配置する。機能素子と配線基板との間の上記空隙は、例えば、粒子状、平面状等のスペーサーを挿入したり、フリップチップ接合のためのフリップチップバンプの高さで確保する等の方法を採用することができる。機能素子は基板上に、通常は複数がアレイ状に配列されているが、任意の配列でよく、必ずしも規則配列である必要はない。また、基板上を幾つかの領域に分けてその各領域に一定数のチップを配列した一群のチップ群を配置し、基板上にはそのようなチップ群が複数配列されていてもよい。なお、単独のチップへの本発明の適用を排除するものではない。上記ゲル状硬化性樹脂シートは、上記複数の配列された機能素子をその内部に含むように、上記配線基板とで囲まれた閉空間領域を形成するように、例えば、配列された一群のチップ群全体を覆いつつ、しかも、その1群のチップ群全体の周囲の基板部分もまた覆うように、配置する。
上記ゲル状硬化性樹脂シートは、たとえば液状または固状の硬化性組成物とゲル化剤として作用する熱可塑性樹脂パウダーとの混合物をシート化することにより製造することができる。なお、固状の硬化性組成物に対するゲル化剤というのは、加熱し、溶融する条件にした場合にもゲル状にすることができるようにするためのものである。
上記液状または固状の硬化性組成物の具体例としては、たとえばエポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂、ポリイミド樹脂、ビニルエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、キシレン樹脂、ケイ素樹脂などの熱硬化性樹脂を樹脂成分として含有する硬化性組成物などがあげられる。これらは1種で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらのうちでは、エポキシ樹脂組成物が、低粘度で、フィラー充填など他の機能を付与するのに適する点から好ましい。
上記エポキシ樹脂組成物は、一般に、エポキシ樹脂、硬化剤および(または)潜在性硬化促進剤、必要により使用されるシリカ、アルミナなどのフィラー、その他の添加剤(ゲル化剤を除く)などを含有する組成物である。
上記エポキシ樹脂にはとくに制限はなく、一般にエポキシ樹脂として各種用途に使用されているものであれば使用することができる。
上記エポキシ樹脂の具体例としては、たとえばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式脂肪族エポキシ樹脂、有機カルボン酸類のグリシジルエーテル、上記エポキシ樹脂のプレポリマーや、ポリエーテル変性エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂のような上記エポキシ樹脂と他のポリマーとの共重合体などがあげられる。これらは単独で使用してもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちではビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が、耐熱性や耐水性がよく、安価で経済的であるなどの点から好ましい。
上記硬化剤としては、従来から使用されているものが使用可能であり、その具体例としては、たとえばフェノール系硬化剤、ジシアンジアミド系硬化剤、尿素系硬化剤、有機酸ヒドラジド系硬化剤、ポリアミン塩系硬化剤、アミンアダクト系硬化剤などがあげられる。これらは単独で使用してもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちではフェノール系硬化剤が、硬化時の低アウトガス性、耐湿性、耐ヒートサイクル性などの点から好ましい。また、ジシアンジアミド系硬化剤、尿素系硬化剤、有機酸ヒドラジド系硬化剤、ポリアミン塩系硬化剤、アミンアダクト系硬化剤が、潜在性硬化剤であり、保存安定性の点から好ましい。
上記潜在性硬化剤としては、活性温度が60℃以上、さらには80℃以上であるのが好ましい。活性温度の上限としては、250℃以下、さらには180℃以下であるのが、活性温度以上で速硬化性で、生産性を向上させることができるなどの点から好ましい。
上記硬化剤を使用する場合の使用量は、硬化剤の種類によって異なるため一概に規定することはできないが、通常、エポキシ基1当量あたり、硬化剤の官能基の当量数が0.5〜1.5当量、さらには0.7〜1当量、ことには0.8〜1当量であるのが好ましい。
上記潜在性硬化促進剤としては、従来から使用されているものが使用可能であるが、保存安定性の点から、活性温度が60℃以上、さらには80℃以上のものが好ましい。活性温度の上限としては、250℃以下、さらには180℃以下であるのが、活性温度以上での硬化促進性が高く、生産性を向上させることができるなどの点から好ましい。
上記潜在性硬化促進剤の具体例としては、たとえば変性イミダゾール系硬化促進剤、変性脂肪族ポリアミン系促進剤、変性ポリアミン系促進剤などがあげられる。これらは単独で使用してもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは変性イミダゾール系硬化促進剤が、活性温度が高く、反応性がよく、純度の高いものが得られやすいなどの点から好ましい。
上記潜在性硬化促進剤を使用する場合の使用量は、潜在性硬化促進剤の種類によって異なるため一概に規定することはできないが、通常、エポキシ樹脂100部あたり、1〜80部、さらには5〜50部であるのが好ましい。
上記ゲル化剤として作用する熱可塑性樹脂パウダーとしては、上記液状の硬化性組成物を吸収・膨潤してゲル状になる、または上記液状の硬化性組成物と相溶してゲル状になるなどするものであればよい。
上記熱可塑性樹脂の具体例としては、たとえばポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、合成ゴム(ポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、エチレン−プロピレン共重合体)、ポリ酢酸ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリアクリル酸アミド、ポリオキシメチレン、ポリフェニレンオキシド、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、セルロース系樹脂、ポリアクリロニトリル、熱可塑性ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどがあげられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上組み合わせて使用してもよい。これらのうちではポリメタクリル酸メチルなどのポリメタクリル酸エステルが、シート化性の点から好ましい。
上記熱可塑性樹脂の軟化温度、分子量などについては、一概に規定することはできないが、一般的に、シート化温度とエポキシ樹脂の反応性の点から、軟化温度は、50〜150℃であるのが好ましく、また、分子量は、300万以下、さらには100万以下であるのが好ましい。
上記熱可塑性樹脂パウダーの平均粒子径としては、0.01〜200μm、さらには0.01〜100μmであるのが、シートの厚さ制御の点から好ましい。
上記ゲル状硬化性樹脂シートを製造する際の液状または固状の硬化性組成物と熱可塑性樹脂パウダーとの使用割合は、使用する硬化性組成物の種類と熱可塑性樹脂パウダーの種類とによりかわるため一義的に規定することはできないが、一般にエポキシ樹脂100部に対して、熱可塑性樹脂パウダー10〜100部、さらには20〜70部であるのが好ましい。上記熱可塑性樹脂パウダーの量が少なすぎる場合には、シート作成時にシート強度が低下しやすくなり、多すぎる場合には、流動性が低くなり、熱ロール時に高圧力が必要となり、チップ破損がおこりやすくなる。
上記のごとき液状または固状の硬化性組成物および熱可塑性樹脂パウダーを配合・保持し、硬化性組成物を熱可塑性樹脂パウダーに吸収させる、または硬化性組成物と熱可塑性樹脂パウダーとを相溶させることにより、ゲル状硬化性組成物を得ることができる。
上記配合・保持は、常温または加熱下で均一に混合したのち、撹拌下または非撹拌下で行なえばよい。たとえば、25℃程度でニーダーなどで混合することにより行なわれる。
硬化性組成物の熱可塑性樹脂パウダーへの吸収または硬化性組成物と熱可塑性樹脂パウダーとの相溶を促進させるために、加熱するのが好ましい。このとき、硬化性組成物を、たとえばロールコーターにより塗工し、そののちゲル化させるために加熱するのが好ましい。この場合の加熱温度は、熱可塑性樹脂パウダーのガラス転移温度以上、好ましくは軟化温度以上で、熱可塑性樹脂パウダーの溶融開始温度未満、使用する硬化剤および(または)潜在性硬化促進剤の活性温度以下の温度であるのが好ましい。通常は、熱可塑性樹脂パウダーの軟化温度よりも5〜50℃、さらには10〜30℃高い温度が好ましく、使用する硬化剤および(または)潜在性硬化促進剤の活性温度以下の温度であるのが好ましい。加熱時間は、硬化性組成物が熱可塑性樹脂パウダーに吸収、または硬化性組成物と熱可塑性樹脂パウダーとが相溶し、ゲル化した硬化性組成物が得られるのに充分な時間であればよい。上記加熱温度は、通常、60〜150℃、さらには80〜120℃であり、加熱時間は、0.5〜30分、さらには1〜10分であるのが、硬化性組成物が実質的に硬化しない(そののち行なわれる熱ロールによりゲル状硬化性樹脂シートから形成された保護層で弾性表面波チップを保護することができる)点から好ましい。
このようにして得られたゲル状硬化性組成物は、たとえば加熱成形のような通常の方法により、シート状にすることができる。また、ゲル状硬化性組成物になる前の液状または固状の硬化性組成物および熱可塑性樹脂パウダーを配合し、必要により加熱して液状にしたものを、ロールコーターなどにより膜厚を制御した塗工物とし、60〜150℃で0.5〜30分、さらには80〜120℃で1〜10分乾燥させることによりシート状にすることができる。これらの方法でシートを形成すると、無溶剤系のためたとえば50μm程度の厚さから1000μmという厚いシートまで製造することができる。溶剤系のものを使用すると、100μm程度の厚さのものまでしか製造することができない。
形成された本発明に使用する上記ゲル状硬化性樹脂シートの厚さは、配線基板上にバンプで接続された機能素子、例えば、弾性表面波チップを覆い、熱ロールすることにより封止樹脂層を形成することができ、好ましくは該封止樹脂表面を平坦になるようにできる点から、上記配線基板と上記機能素子との間の間隔と上記機能素子の厚みとの和の1倍以上2倍以下の厚さ、さらには1.5倍以下であるのが、好ましい。実際の上記ゲル状硬化性樹脂シートの厚さとしては、弾性表面波チップの厚さが一般に200〜400μm、バンプの高さが一般に20〜80μmであるから、220〜960μm、さらには220〜720μmであるのが好ましい。
上記説明においては、ゲル状硬化性樹脂シートとして、液状または固状の硬化性組成物とゲル化剤として作用する熱可塑性樹脂パウダーとの混合物をシート化したものを使用したが、液状または固状の硬化性組成物とゲル化剤として作用する光重合性化合物およびラジカル発生剤との混合物を用いてシート化したものを使用してもよい。この場合には、まず、液状または固状の硬化性組成物と光重合性化合物およびラジカル発生剤との混合物を調製し、得られた混合物をシート状にしたのち光を照射し、光重合性化合物を重合させたものが、ゲル状硬化性樹脂シートとして使用される。
上記光重合性化合物としては、たとえば分子内に1個以上の(メタ)アクリロイル基含有化合物、たとえば(メタ)アクリル酸とアルキルアルコール、アルキレンジオール、多価アルコールなどとのエステルなど、特開平11−12543号公報の[0009]〜[0012]に記載の化合物があげられる。
また、上記ラジカル発生剤としては、たとえば紫外線、電子線などの活性線の照射を受けてラジカルを発生する化合物であり、従来から使用されている各種のもの、たとえば2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンゾイン、アセトフェノンなどを使用することができる。
上記ラジカル発生剤の使用量としては、上記光重合性化合物100部あたり0.01〜10部、さらには0.05〜5部であるのが好ましい。
上記液状または固状の硬化性組成物とゲル化剤として作用する光重合性化合物およびラジカル発生剤との使用割合としては、上記硬化性組成物100部あたり上記光重合性化合物およびラジカル発生剤の合計5〜100部、さらには10〜30部であるのが好ましい。
上記光重合性化合物およびラジカル発生剤を使用して形成された本発明に使用するゲル状硬化性樹脂シートの厚さは、上記熱可塑性樹脂パウダーを使用して形成された上記ゲル状硬化性樹脂シートの厚さと同じでよい。
上記ゲル状硬化性樹脂シートは、低ガラス転移温度、低線膨張率であることが、硬化物を低応力化(低ソリ化)することができるので好ましく、さらに、原料を高純度化したものであることが、不純物イオンが少なく、弾性表面波チップ表面の汚染を防ぐことができるので好ましく、さらに、ゲル状硬化性樹脂シートの弾性率(25℃)が10〜10Pa、さらには10〜10Paで、硬化時の溶融粘度が10〜10Pa・s、さらには10〜10Pa・sであることが、熱ロールすることにより、封止樹脂層形成前のデバイスに弾性表面波電極面と配線パターンが形成された面とがバンプの高さのぶん隔てられた部分が中空構造を保つように封止樹脂層を形成するうえで好ましい。また、軟化温度は、50℃以上、好ましくは60℃以上、より好ましくは80℃以上である。
上述のように、上記ゲル状硬化性樹脂シートにおいては、低ガラス転移温度であるか、及び/又は、低線膨張率であることが、硬化物を低応力化(低ソリ化)するうえで好ましい。低ガラス転移温度としては、ゲル状硬化性樹脂シートの硬化物のTgが100℃以下が好ましく、さらには60℃以下であることがより好ましい。また低ソリ化・流動性調整・電子部品の高信頼化等のために低熱膨張率を得るためには、ゲル状硬化性樹脂シートは無機フィラー(例えば溶融シリカなど)を好ましくは50重量%以上、より好ましくは75重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上含有している。フィラーを高充填したシートの場合は、熱膨張率が低くなり低ソリ化できるので、信頼性を考慮するとTgは高い方が好ましく、例えば100℃以上が好ましく、より好ましくは150℃以上であるが、これに限定されるものではなく、用途に応じて調整可能である。
上述の説明ではゲル状硬化性樹脂シートを1枚使用することを前提にしたのであるが、本発明においては、上記ゲル状硬化性樹脂シートを複数枚、例えば、2〜20枚、使用してもよい。2枚以上積層したものを使用する場合、異なる厚さのチップに対しても、少ない種類のゲル状硬化性シートで対応することができる。また、チップに直接接する最内層のシートの軟化温度を他のシートより高くしておくと、熱ロールをかけたときに、チップ下に樹脂が入り込むのを防ぐ効果を高めることができる。複数枚使用するときのゲル状硬化性樹脂シートとしては、上記配線基板と上記機能素子との間の間隔と上記機能素子の厚みとの和の1/20倍以上1倍以下の厚さのシートを、上記和の2倍以下の厚みとなる複数枚を積層して使用することが好ましい。
なお、最内層のシートの軟化温度を他のシートより高くする場合、軟化温度は、最内層の軟化温度が5℃以上高いことが好ましく、より好ましくは10℃以上高いことが、製造方法上好ましい。ここで、軟化温度とは、シートを加熱軟化させながら電子部品を封止するという観点から、封止性を損なうことのない温度、すなわちシートの粘度が十分下がった温度を軟化点と定義し、例えば、弾性率G′の温度変化のグラフから外挿線の交点を求める方法で測定することができ、例えば、グラフにおいて、温度上昇とともにG′が下降する曲線の勾配が最大になる点で引いた接線とG′が充分低下した領域において引いた接線との交点の温度とすることができる。また上記ゲル状硬化性樹脂シートを複数枚積層する方法としては、ラミネート方法が好ましい。例えば、2枚以上積層する方法としては、加熱することが可能な2本のローラーを備えたラミネーターを用いて行うことができる。ラミネートする温度は、25〜120℃が、シートの軟化点及び粘度の変化なく確実にラミネートできるので好ましい。
また、本発明においては、上記1枚又は複数枚のゲル状硬化性樹脂シートに加えて、上記ゲル状硬化性樹脂シート以外の追加の他の樹脂シートを、必要に応じて、積層することができる。上記他の樹脂シートは、例えば、低透湿性の熱可塑性樹脂系シート(例えば、ポリエステル系、ポリオレフィン系シート)、無機フィラーを配合して透湿性・流動性を抑えた硬化性樹脂シート(例えば、エポキシ樹脂系硬化性シート)、ポリイミド系樹脂シート等のように、所望の特別の機能を持つものを適用することができる。上記追加の他の樹脂シートは、熱ロールで硬化性樹脂を流動させるときに支障が生じないために、硬化性樹脂シートの下に積層することが好ましいが、必ずしもこれに限定されることはない。
工程(b)
本工程では、上記複数の配列された機能素子がその内部に含まれている上記ゲル状硬化性樹脂シートと上記配線基板とで囲まれた閉空間領域を真空にする。上記閉空間領域を真空にするためには、例えば、上記工程(a)を真空中で行って上記閉空間領域の真空を達成すればよい。上記工程(a)を真空中で行うには、例えば、真空プレス等の真空隔室を形成することができる装置を利用して真空下で予め樹脂シートを、タックが生じる程度の温度、例えば、50℃程度で、低圧プレスして樹脂シートを基板と素子に密着させる。なお、真空の程度は、通常、真空プレス等で達成される程度の真空度であってよく、例えば、1.0〜0.01Toor、であってよい。真空隔室を形成するには、例えば、真空チェンバー、可動式真空枠等を利用することができる。
さらには、上記工程(a)を大気圧下で行った後であって上記工程(c)の前に、又は、上記工程(a)を大気圧下で行いつつ、上記ゲル状硬化性樹脂シートと上記配線基板とで囲われた上記閉空間領域から吸気することにより、真空ラミネートを行い、上記閉空間領域の真空を達成してもよい。上記真空ラミネートを行うには、例えば、ラミネーターを用いて隔壁ラバーシートを介して大気圧で均一加圧しつつ排気を行ってもよく、また、該当する場合は基板に設けた孔から排気して行ってもよい。
なお、本発明においては、上記閉空間領域の真空を達成する方法にはなんら限定はなく、いかなる可能を方法を採用することも可能であり、ここに記載した方法は例示に過ぎない。また、上記工程(a)と工程(b)は、上述のように、一体的に操作してもよく、または、個別的に操作してもよい。
工程(c)
本工程では上記閉空間領域を真空に維持しつつ、熱ロールで上記ゲル状硬化性樹脂シートを硬化温度未満に加熱し流動させながら封止樹脂表面を平坦に成形する。これを実行するには、例えば、上記工程(a)を真空中で行った場合には、上記閉空間領域の真空を達成することにより上記工程(b)をも一体的に操作し、そして、そのまま、真空中で工程(c)を行うか、又は、上記工程(b)をも一体的に操作した後、一旦、系を真空から解放し、しかしながら、上記閉空間領域の真空を維持しつつ、工程(c)を行ってもよい。後者の場合、上記ゲル状硬化性樹脂シートのタック性を利用して閉空間領域の密閉を維持することができる。または、上記工程(a)と工程(b)とを別個に操作した後、本工程を行う。一般には、本工程を大気圧中で行う方法が、熱ロールをかける操作が容易であるので好ましい。
上記熱ロールは、ゲル状硬化性樹脂シートの軟化点以上、硬化温度未満の範囲で、好ましくは60〜250℃、さらには60〜180℃の温度で行なわれるのがより好ましく、80〜120℃がさらに好ましい。熱ロール温度がゲル状硬化性樹脂シートの軟化点未満の場合、流動性が不足し、封止樹脂の未充填をおこしたり、チップが破損したりしやすくなり、250℃をこえる場合、封止樹脂が硬化の際に発泡をおこしやすくなる。
上記熱ロールとして上下2本ロールを使用する場合は、熱ロールは、樹脂に接する高温の第一のロールと、配線基板に接する低温の第二のロールとから構成されることが好ましい。上記高温の熱ロールは、封止樹脂の軟化点以上で硬化温度未満に設定し、上記低温のロールは、封止樹脂の軟化点未満、例えば、室温(25℃)に設定する。こうすると、封止樹脂の表面側がより高温になり、流動性が高まり成形性が向上するとともに、配線基板側で低温になり、樹脂の流動性が低くなりチップ下への流入を一層抑えることができる。また、上記熱ロールとして1本ロール構成とすることもできる。この場合、成形は、封止すべき上記配線基板を支持台に載置したうえで上記ゲル状硬化性樹脂シートの上から熱ロールをかけて行う。この場合も、支持台は室温であるので、やはり配線基板側で低温になり、樹脂の流動性が低くなりチップ下への流入を一層抑えることができる。
ロールのギャップは、一定に維持することが、封止樹脂表面を平坦に成形するために好ましく、特に、製品厚み、例えば、1.2ミリ又はそれ以下、に維持することが好ましい。また、封止樹脂側のロールにゴムロールを使用することが、樹脂シートに凹凸があっても均一に加圧できるので好ましい。ロールをかける速度は、0.1〜0.3m/分程度を例示することができる。
工程(d)
本工程では上記ゲル状硬化性樹脂シートを硬化温度に加熱して硬化させる。上記加熱硬化方法としては特に限定されず、例えば、オーブン等で加熱して行うことができる。
配線パターンが形成された基板上に弾性表面波チップが実装され、上記基板の配線パターンが形成された面と上記弾性表面波チップの弾性表面波電極が形成された電極面とが対面して配置され、上記弾性表面波電極と上記配線パターンとがバンプで接続されており、かつ、弾性表面波電極面と配線パターンが形成された面とがバンプの高さのぶん隔てられており、上記弾性表面波チップの電極面と反対側の面から上記基板表面にかけてゲル状硬化性樹脂シートから形成された保護層で、弾性表面波電極面と配線パターンが形成された面とがバンプの高さのぶん隔てられた部分が中空構造を保つように覆われている弾性表面波デバイスを製造する場合は、本発明に従い、例えば、以下のように行うことができる。すなわち、まず、ゲル状硬化性樹脂シートを、上記弾性表面波チップが実装された基板に真空下にてゲル状硬化性樹脂シートで覆われた部分が真空を保つように貼付け、その後に、弾性表面波チップと基板の間を中空構造を保つように熱ロールを用いて樹脂を流動させることにより、保護層の表面が実質的にフラットになるように成形する。
以下に実施例を示して、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1〜3、参考例1〜2及び比較例1〜2
表1の配合でワニスを作成し、このワニスを、離型処理された75μm厚さのPETフィルムの離型処理された面に塗布して乾燥後、樹脂層が300μm厚になるように調整し、PETフィルム上にゲル状エポキシ樹脂シート(軟化点50℃)を形成した。
得られたシートの軟化温度(℃)、軟化時の弾性率(Pa)、軟化時の動的複素粘度(Pa・s)を測定した。また、硬化物(150℃、3時間、オーブン硬化)のTg(℃)、線膨張係数(ppm)、曲げ弾性率(25℃、150℃;GPa)を測定した。
測定方法:
軟化温度、弾性率、粘度:ARES粘弾性測定装置(TA)、動的粘弾性測定(Temp Ramp、周波数1HZ、Ramp Rate2.5℃/min)
曲げ弾性率:DMA6100(SEIKO)、動的粘弾性測定(Temp Ramp、周波数1Hz、Ramp Rate2℃/min)
線膨張係数:TMA120C(SEIKO)、(Ramp Rate2.5℃/min)
得られたシートを適当な大きさに切断したものを、200μm×30mm×50mmのガラエポ基板上に、高さ50μmのバンプで接続された400μm×2mm×2mmのダミーチップを7行7列に2mm間隔で49個形成した保護層形成前のデバイスの上に、一番外側配列のチップから2mm外側までをカバーするようにのせた。このものを、実施例及び比較例に供した。
参考例1では、配合1で得られたシートをデバイスに真空ラミネーター(25℃、5秒間、シートタックを利用してシート外周部を基板に貼付け)で真空ラミネートした。参考例2では、配合1で得られたシートをのたせデバイスを、50℃、10秒間、0.1MPaで真空プレスしてプリフォームした。比較例では、いずれも、配合1で得られたシートをデバイスにのせたものをそのまま熱プレス又は熱ロールにかけた。実施例、参考例、比較例とも、熱ロールは、上ロール(100℃、ゴムロール)、下ロール(25℃、金属ロール)の間を0.77mmに設定し、0.3m/分の速度で行った。この後、それぞれのサンプルを、150℃、3時間、オーブン硬化した。また、比較例の熱プレスは、150℃で5分間、0.1MPaで行い、硬化させた。
実施例1〜3では、配合2及び配合3(実施例)、配合2及び配合4(実施例)又は配合3及び配合4(実施例)を、それぞれ、1枚ずつ2枚をラミネートした。上記実施例1〜3でシートを2枚積層する方法としては、加熱することが可能な2本のローラーを備えたラミネーター(自社製)を用いて行った。ラミネートする温度は100℃で行った。
なお、表1中の略号は以下のとおりである。
LSAC6006:旭化成エポキシ(株)製、変性(プロピレンオキサイド付加)エポキシ樹脂、エポキシ当量250g/eq
DAL−BPFD:本州化学工業(株)製、ジアリルビスフェノールF
HX3088:旭化成エポキシ(株)製、変性イミダゾール、活性温度約80℃
F301:日本ゼオン(株)製、アクリルパウダー、粒径2μm、軟化温度80〜100℃のポリメチルメタクリレート
FB201S:電気化学工業(株)製、充填用シリカ
A187:日本ユニカー(株)製、エポキシシラン
IXE600:東亞合成(株)製、ビスマスアンチモン、イオンキャッチャー
RY200:日本アエロジル(株)製、微粉シリカ、揺変性発現剤
RE304S:日本化薬(株)製、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量170g/eq
ELM100:住友化学(株)製、アミノエポキシ樹脂、エポキシ当量105g/eq
EPPN-502H:日本化薬(株)、多官能エポキシ樹脂、エポキシ当量170g/eq
MEH7500:明和化成(株)、多官能フェノール、フェノール当量105g/eq
2P4MHZ:四国化成工業(株)、変性イミダゾール
Figure 0004730652
評価方法
チップ下樹脂侵入:熱ロール工程後の(製造した)樹脂封止デバイス(ダミーデバイス)の基板とチップとを強制的に剥離させ、チップ下部への樹脂侵入の有無を顕微鏡で観察し、下記基準で評価した。
◎:チップ端部からの樹脂侵入が10μm以下
○:チップ端部からの樹脂侵入が20μm以下
×:チップ端部からの樹脂侵入が20μmをこえる。
ボイド:熱ロール工程後の(製造した)樹脂封止デバイス(ダミーデバイス)の基板とチップとを強制的に剥離させ、チップ端部のボイドの有無を顕微鏡で観察し、下記基準で評価した。
ボイド少ない:チップ端部からのボイドが50μm以下
外周部にボイド:チップ端部からのボイドが50μmをこえる。
硬化後の状態:熱ロール工程後の樹脂封止デバイスをオーブン中で硬化し、基板とチップとを強制的に剥離させ、チップ下部への樹脂侵入の有無とボイドを顕微鏡で観察し、下記基準で評価した。
良好:熱ロール後と比較し侵入及びボイドの変化が小さかった
ボイド:チップ下のエアーが膨張しボイドが発生した。
結果を表2に示した。
Figure 0004730652
上記参考例1〜2から、本発明の製造方法によると、チップ下樹脂侵入がなく、ボイドも少ない封止が達成されており、実施例1〜3から、複数枚のラミネートにより、チップ下樹脂侵入が一層良好であり、従来方法に相当する比較例1及び2の欠点を克服できたことが示された。なお、比較例2の硬化後の状態は、熱プレス(比較例1)の場合に比べるとエアー膨張は大きかった。
本発明は、従来の中空モールド電子部品製造方法の欠点を克服し、より高い歩留りで製造が可能となり、ゲル状硬化性樹脂シートを利用した電子部品の製造方法として極めて有用である。

Claims (14)

  1. 配線基板上に、前記配線基板との間に空隙を設けて対面載置した複数の配列された機能素子を、前記複数の配列された機能素子を覆うように前記配線基板上に配置されたゲル状硬化性樹脂シートを加熱硬化させて、前記配線基板と前記機能素子との間を中空に保ちつつ、一括樹脂封止する電子部品の製造方法であって、前記ゲル状硬化性樹脂シートとして、前記配線基板と前記機能素子との間の間隔と前記機能素子の厚みとの和の1/20倍以上1倍以下の厚さのシートを、前記和の2倍以下の厚みとなる複数枚を積層して使用し、前記複数枚のシートのうち、最内層のシートは軟化温度が他のシートより高いものであり、少なくとも、以下の工程(a)、(b)、(c)及び(d)を有することを特徴とする電子部品の製造方法:
    (a)配線基板上に前記配線基板との間に空隙を設けて対面載置した複数の配列された機能素子を覆うように、前記配線基板上にゲル状硬化性樹脂シートを配置する工程、
    (b)前記複数の配列された機能素子がその内部に含まれている前記ゲル状硬化性樹脂シートと前記配線基板とで囲まれた閉空間領域を、真空にする工程、
    (c)前記閉空間領域を真空に維持しつつ、熱ロールで前記ゲル状硬化性樹脂シートを硬化温度未満に加熱し流動させながら封止樹脂表面を平坦に成形する工程、及び、
    (d)前記ゲル状硬化性樹脂シートを硬化温度に加熱して硬化させる工程。
  2. 真空中で前記工程(a)を行うことにより前記工程(b)を達成した後、前記真空中から解放し、その後に前記工程(c)を行う請求項1記載の製造方法。
  3. 真空中で前記工程(a)を行うことにより前記工程(b)を達成し、前記真空中から解放することなく、前記真空中で前記工程(c)を行う請求項1記載の製造方法。
  4. 前記工程(a)を真空プレスにより行い、真空中でゲル状硬化性樹脂シートを前記配線基板上に配置することにより前記工程(b)を達成する請求項2又は3記載の方法。
  5. 前記工程(a)を大気圧下で行った後であって前記工程(c)の前に、又は、前記工程(a)を大気圧下で行いつつ、前記ゲル状硬化性樹脂シートと前記配線基板とで囲まれた閉空間領域から吸気することにより前記工程(b)を達成する請求項1記載の製造方法。
  6. 熱ロールは、樹脂に接する高温の第一のロールと、配線基板に接する低温の第二のロールとから構成される請求項1〜5のいずれか記載の製造方法。
  7. 成形は、封止すべき前記配線基板を支持台に載置したうえで前記ゲル状硬化性樹脂シートの上から熱ロールをかけて行う請求項1〜5のいずれか記載の製造方法。
  8. 前記ゲル状硬化性樹脂シートは、ゲル状エポキシ樹脂シートである請求項1〜7のいずれか記載の製造方法。
  9. 最内層のシートは軟化温度が他のシートより5℃以上高いものである請求項8記載の製造方法。
  10. 最内層のシートは軟化温度が他のシートより10℃以上高いものである請求項9記載の製造方法。
  11. 前記複数枚のゲル状硬化性樹脂シートに加えて、前記ゲル状硬化性樹脂シート以外の追加の他の樹脂シートを積層する請求項8〜10のいずれか記載の製造方法。
  12. 前記他の樹脂シートは、低透湿性の熱可塑性樹脂シートである請求項11記載の製造方法。
  13. 前記機能素子は、弾性表面波デバイスである請求項1〜12のいずれか記載の製造方法。
  14. 前記弾性表面波デバイスは、弾性表面波チップの弾性表面波電極が形成された電極面と、前記配線基板とが対面して配置され、前記電極と前記配線基板上の配線パターンとがバンプで接続されており、かつ、前記チップと前記配線基板とが前記バンプの高さの分だけ隔てられたものであり、前記電極面と前記配線基板との間が中空に樹脂封止される請求項13記載の製造方法。
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