[go: up one dir, main page]

JP4727599B2 - 畜肉または水産物の前処理方法および食感改良方法 - Google Patents

畜肉または水産物の前処理方法および食感改良方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4727599B2
JP4727599B2 JP2007019982A JP2007019982A JP4727599B2 JP 4727599 B2 JP4727599 B2 JP 4727599B2 JP 2007019982 A JP2007019982 A JP 2007019982A JP 2007019982 A JP2007019982 A JP 2007019982A JP 4727599 B2 JP4727599 B2 JP 4727599B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shrimp
texture
acid
immersion
salt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007019982A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008182966A (ja
Inventor
潤 長谷川
雅之 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
San Ei Gen FFI Inc
Original Assignee
San Ei Gen FFI Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by San Ei Gen FFI Inc filed Critical San Ei Gen FFI Inc
Priority to JP2007019982A priority Critical patent/JP4727599B2/ja
Publication of JP2008182966A publication Critical patent/JP2008182966A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4727599B2 publication Critical patent/JP4727599B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)

Description

本発明は、畜肉又は水産物の加熱処理に先立って行う前処理方法に関する。詳細には、牛肉、豚肉、鶏肉などの畜肉については食感を改良する方法に関する。また、エビ、イカ、貝類、魚類等の水産物については、浸漬後の当該水産物の透明感を軽減し、かつ歯ごたえのある食感とすることができ、加工食品の原材料に適した水産物に改良する方法に関する。
加工食品の普及に伴い、種々の畜肉や水産物を用いた加工食品が市販されており、その前処理の方法として、各種酸性塩、塩基性塩を含む水溶液に浸漬する方法などが知られている。
中でも、酸性溶液及びアルカリ性溶液の両方に浸漬する前処理方法としては、えび、かになどの甲殻類を、食用無機酸、食用グルコノデルタラクトン、食用有機酸あるいはこれらの2以上の混合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を添加してpH4以下に調整した酸性水溶液により処理した後、中和および/または水洗して、生鮮状態を保ったままその表面を赤色に発色させることを特徴とする、甲殻類を赤色に発色させる方法(特許文献1)、エビの処理方法について、(1)塩類の水溶液に浸漬させた後に(pH7.5〜9.5)、(2)アミノ酸並びに有機酸及び/又は有機酸塩からなる水溶液に浸漬させるエビの処理方法(特許文献2)などがある。
このうち、特許文献1の方法では、酸性水溶液により処理する際、エビが赤色に発色する程、pHを低くする必要があり、身の表面を鮮やかな赤色に発色されるのに適するpHとして、pH=1〜3程度とされている(特許文献1〔0013〕参照)。この程度までpHを下げると、エビに含まれるタンパク質が変性して赤色になってしまい、生のエビとしては、鮮度が失われたかのような印象を与え、商品価値が失われてしまうことがあった。また、特許文献2に記載の方法では、アルカリ性溶液に浸漬した後、酸性の溶液に浸漬する方法であり、この方法では、特に、エビについては、食感改良及びタンパク質の変性などの問題が改善されなかった。
また、日本はエビの最大消費国の一つであり、世界のエビの7分の1は日本が消費していると言われている。通常市販されているエビの多くは、運搬の利便化や品質保持を目的として、冷凍状態で運搬される。しかし、冷凍エビを解凍する際にドリップ(留出液)が流出したり、冷凍保存により、栄養成分がウィープ(流出)したり、冷凍保存することにより、たん白質が変成してエビの食感が変化するといった問題があった。
こういったエビの加工について、ドリップの流出を抑制し、歩留まりを向上させることを目的として、例えば、減圧下で塩類の水溶液及び塩溶性たん白質を可溶化される塩を含む水溶液中に浸漬する方法(特許文献3)。あるいは、イオン組成を擬似海水化した溶液に浸漬する方法(特許文献4)等が提案されている。しかし、こういった操作を行うことにより、エビの加工後の食感が変化し、本来それぞれのエビが有する食感がなくなり、また明らかに人工的な処理を施したように見える透明感のある外観となっていた。
更には、従来、養殖のエビは歯ごたえのあるブラックタイガーが主流であったが、歯ごたえの少ないバナメイ種は生産効率が良く、現在主流になりつつある。そのため、これら歯ごたえの少ないとされる種のエビにも、しっかりとした歯ごたえを付与し、かつ、鮮度が保持された自然な外観を有するエビの需要が高まっている。
特開2000−175619号公報 特許3055336号公報 特開平3−49643号公報 特開昭56−15671号公報
本発明は、かかる事情に鑑みて開発されたものであり、牛肉、豚肉、鶏肉などの畜肉に関しては食感を軟らかく改良することを目的とし、また、エビ、イカ、貝類、魚類等の水産物に関しては、浸漬後の当該水産物の透明感を軽減し、かつ歯ごたえのある食感とすることができ、加工食品の原材料に適した水産物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の問題点に鑑み、鋭意研究を重ねていたところ、畜肉や水産物を酸性溶液(pH3〜5)に浸漬後、アルカリ性溶液(pH8.5〜11.5)することにより、畜肉に関しては食感を軟らかく改善することができ、エビなどの水産物に関しては浸漬後の透明感を軽減し、歯ごたえのある食感に調製できることを見いだした。更に、当該処理方法は、歩留まりも向上し、加工食品の原材料に適した畜肉又は水産物を調製できることを見いだし、本発明を完成するに到った。
つまり、本発明は、畜肉または水産物をpH3〜5の溶液に浸漬後、pH8.5〜11.5の溶液に浸漬することを特徴とする畜肉または水産物の前処理方法および食感改良方法に関する。
本発明により、畜肉に関しては食感を軟らかく改善することができ、エビなどの水産物に関しては浸漬後の透明感を軽減し、歯ごたえのある食感に調製できる。また、浸漬による歩留まり向上効果があり、加工食品の原材料に適した畜肉又は水産物を提供することができるようになった。
本発明の畜肉又は水産物の前処理方法および食感改良方法は、畜肉や水産物を(1)pH3〜5の酸性溶液に浸漬後、(2)pH8.5〜11.5のアルカリ性溶液に浸漬することを特徴とする。
まず、本発明は(1)pHを3.0〜5.0、より好ましくは3.5〜5.0、更に好ましくはpH4.0〜4.5の範囲に調整された酸性溶液に畜肉や水産物を浸漬する。pHが5.0より高いと、畜肉の場合は食感改良効果が充分でなく、エビなどの水産物の場合は、透明感軽減及び歯ごたえ付与の効果が十分望めず、好ましくない。pHが3.0より低いと、特に、水産物、更にはエビの場合、色素タンパク質からアスタキサンチンが遊離し、赤色化するため、鮮度が悪い印象を与える場合があり、また、pHが低くなると畜肉や水産物の肉質が極端に収縮し、後のアルカリ性溶液での浸漬を行っても歩留まりが向上しない傾向が見られるようになるためである。なお、本発明では、当該酸性溶液にエビを浸漬する際は、前記のように赤色化しない限度での浸漬が望ましく、具体的にはpH4.0〜5.0で行うことが好ましい。
当該酸性溶液の調製方法としては、前述の液性を示すならば使用する物質に特に制限はないが、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、グルコン酸、グルコノデルタラクトン、乳酸、酢酸、アジピン酸、フィチン酸、アスコルビン酸などの有機酸、炭酸、塩酸、リン酸などの無機酸と、そのナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などから任意に1種又は2種以上を選択して使用する、これら酸及び又はその塩を、0.1〜10質量%含み、前述のpHとなるように調整することにより酸性溶液を調製することができる。なお、酸及びその塩は、単品で用いてもよいし、複数の酸及び塩を組みあわせて使用することもできる。
次に、(1)の工程後、本発明は(2)pH8.5〜11.5、より好ましくは9.0〜10.5の範囲に調整されたアルカリ性溶液に浸漬する。pHが11.5より高いと、水産物、特に、エビの色素タンパク質からアスタキサンチンが遊離し、赤色化するため、鮮度が悪い印象を与える。また、pHが高いと畜肉や水産物がアルカリ味を呈するようになる。更には、pHが低くなると歩留まりが悪くなる傾向がある。
当該アルカリ性溶液の調製方法としては、前述の液性を示すならば、使用する物質に特に制限はない。例えば、酸の種類が塩酸、炭酸、クエン酸、リン酸、グルコン酸、コハク酸、フマル酸、酢酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸等やそのナトリウム塩やカリウム塩を0.1〜10質量%含むように調製する。使用する酸及び/又はその塩の一例として、塩化ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、クエン酸三カリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、グルコン酸カリウム、酒石酸カリウム及び塩化カリウム等から選ばれる1種又は2種以上を挙げることができる。中でも、塩化ナトリウムと、クエン酸塩、グルコン酸塩、リン酸塩及びグルタミン酸塩から選ばれる1種又は2種以上を併用して使用するのが好ましい。具体的には、クエン酸三ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム、クエン酸三カリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、グルコン酸カリウム、及び塩化カリウムから選ばれる1種又は2種以上を、塩化ナトリウムと併用して使用するのが好ましい。
なお、本発明で使用する塩化ナトリウムは、一般に市場で入手可能であれば良く、食塩、食卓塩、ニュークッキングソルト、キッチンソルト、クッキングソルト、特級精製塩、精製塩、並塩、原塩、粉砕塩等のいずれのものも使用可能である。塩化ナトリウムの配合量は、浸漬液に対して、0.3〜5重量%、より好ましくは0.5〜2重量%の範囲になるように適宜調整することが望ましい。浸漬液に対する添加量が5%を大きく超えると、魚の味に影響が出て塩辛くなり、最終食品(加工食品)の味に影響が出て好ましくなく、0.3%より少なくなると、浸漬歩留まりも悪くなり、食感改良効果などが充分に発揮されなくなることがあるためである。
塩化ナトリウム以外のナトリウム塩及び/又はカリウム塩の含有量は、使用する塩の種類や組み合わせによって異なるため、一概には規定することができないが、例えば、浸漬液に対して0.1〜6重量%、より好ましくは0.5〜3重量%となるように適宜調整することができる。含有量が6重量%を大きく超えると、塩特有の味が強くなり好ましくなく、0.1%重量より少ないと、浸漬歩留まり効果が充分でなく、食感改良などの効果が充分に発揮されないことがあるためである。
本発明で対象となる畜肉としては、牛肉、豚肉、羊肉などの食用の獣肉、鶏肉等食用に供する畜肉であれば特に限定されない。
また、本発明で対象となる水産物としては、エビ類、イカ類等の甲殻類、ホタテ等の貝類、鰆等の魚類等が挙げられる。これらの中でも、甲殻類、更には、エビは、エビ独特の食感を改良ないしは増強する効果が高く、また、浸漬歩留まりの向上効果が高くなることから特に好ましく用いられる。
エビとしては、通常生食用や加工食品用に用いられているものであれば特に限定はされない。具体的には、シバエビ、アカエビ、サルエビ、トラエビ、モエビ、アミエビ等の小エビ類や、バナメイ、クルマエビ、伊勢エビ、ブラックタイガー等の大エビ等を例示することができる。特には、バナメイ種と言った、食感において歯ごたえの少ないとされる種のエビに対して、しっかりとした歯ごたえを付与し、かつ、鮮度が保持された自然な外観を有するエビに加工できる点で好ましく使用される。また、生のエビを用いてもよいし、予め冷凍後流通された冷凍エビを解凍したエビを用いることもできる。
前述の酸性溶液、アルカリ性溶液の調製法は、酸やそのナトリウム塩、カリウム塩類を水に溶解する等、常法により調製することができる。なお、当該浸漬液には、本発明の効果を損なわない限り、食塩、調味料、酸味料、日持向上剤、保存料、pH調整剤、香料、色素、増粘多糖類、膨張剤、乳清たん白質、大豆たん白質等のたん白質、糖類、甘味料、澱粉、ビタミン類、ミネラル類等を添加することができる。
本発明の畜肉又は水産物の前処理方法および食感改良方法は、前述の酸性溶液に浸漬後、前述のアルカリ性溶液に浸漬することを特徴とする。
具体的には、畜肉又は水産物に対して、同量〜1.5倍量程度の各浸漬液(酸性溶液、アルカリ性溶液)を使用して、浸漬処理を行う。また、浸漬と同等の効果があれば、インジェクションなどの工程で代用してもよい。浸漬の際、予め使用する加工食品の原材料として好ましい大きさにカットしておいてもよい。浸漬時における浸漬液の温度は特に規定はされないが、食品衛生上、酸性溶液、アルカリ性溶液の浸漬ともに、0〜15℃で行うことが望ましい。
また、浸漬時間は使用する畜肉、水産物の種類や、カットする大きさによっても異なるが、酸性溶液浸漬時には、15分間〜30時間、好ましくは1時間〜5時間、更に好ましくは1〜3時間、アルカリ性溶液浸漬時には、15分間〜30時間、好ましくは1時間〜18時間とするのが好ましい。なお、酸性溶液における浸漬の場合は、一定時間浸漬すると、タンパク質の変性が進み、硬い食感となることがあるため、pH3〜4で浸漬する場合は1〜3時間程度の浸漬時間とするのが好ましい。
更に、本発明では、浸漬後の畜肉又は水産物を直ちに加工食品に加工しない場合は、浸漬後の畜肉又は水産物を凍結しておくことが好ましい。浸漬後凍結しておくことにより、保存できる期間を冷蔵より長期間とすることができるからである。凍結方法としては、常法を採ることが出来るが、急速凍結することが好ましい。急速凍結する方法は、凍結する畜肉等の大きさによっても任意の方法を採ることが出来るが、例えば、−35℃以下で30分〜2時間保持することで凍結することができる。凍結された畜肉等は、解凍後も食感改良効果は維持されているため、加工食品の製造時、解凍して原材料として使用することができ、加工食品の原材料に適する。
更に、本発明の効果を損なわない限り、酸性溶液とアルカリ性溶液の浸漬の間に加熱工程を入れてもかまわない。
本発明の方法により浸漬し調製された畜肉又は水産物は、例えば、畜肉の場合、ハム、ソーセージ等の食肉製品、唐揚げ、カツレツ、ハンバーグ、ギョーザ、シューマイ等の食肉を使用した総菜類などの加工食品の原材料として使用できる。また、水産物の場合、例えば、フライ、天ぷら、フリッター、ギョーザ、シューマイ、カツレツ、ボイル製品等といった各種加工食品の原材料として好適に用いることができる。これら加工食品は、加工後、更に凍結し、冷凍食品として流通される製品であっても良く、更に当該冷凍食品を解凍した時も、原材料の水産物の食感改良効果は維持されたままである。
以下、本発明の内容を以下の実施例、比較例等を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。特に記載のない限り、「部」は「重量部」、「%」は、「重量%」とする。
実験例1
下記表1、2、3の処方通りに酸性溶液又はアルカリ性溶液を調製した。
(1)酸性溶液の調製
下記表1に掲げる処方通りに、第1液、第2液を調製し、第1液及び第2液の配合を調整しながら混合して表2の通りにpHを調整した。
Figure 0004727599
Figure 0004727599
(2)アルカリ性溶液の調製
下記表3に掲げる配合で、pH10のアルカリ性溶液を調製した。
Figure 0004727599
(3)エビの浸漬
冷凍エビ(バナメイ)を一晩冷蔵庫内(4℃)にて解凍し、(1)で調製した酸性溶液100部に対してエビ100部を2時間浸漬した後、ざる上げし、さらに(2)で調製したアルカリ性溶液100部に対してエビ100部を18時間浸漬しエビを前処理した。この前処理後のエビに衣付けし、170〜180℃にて2分間油ちょうしたエビフリッターについて、食感を官能評価した。結果を表4に示す。
Figure 0004727599
表4より、実施例1〜3のエビフリッターは、浸漬歩留まりも良く、食感(歯ごたえ)も良好で、外観(透明感)もなく、良好であった。それに対して、酸性溶液に浸漬しない比較例1は、食感及び外観の評価が悪く、また、比較例2は処理後のエビが赤く発色し、かつ身が極端に縮むため、加工食品の原材料には適さなかった。
なお、実施例2のうち、(1)と(2)の順序を逆にし、アルカリ性溶液浸漬後、酸性溶液に浸漬した後は実施例2と同様にしてエビフリッターを調製したが、味が酸っぱくなり、食用に適さなかった。
実験例2
(1)酸性溶液の調製
実験例1で調製した実施例2と同様の方法でpH4の酸性溶液を調製した。
(2)アルカリ性溶液の調製
下記表5に掲げる配合でpH7.4〜12.6のアルカリ性溶液を調製した。
Figure 0004727599
(3)エビの浸漬
冷凍エビ(ブラックタイガー:サイズ16/20)を一晩冷蔵庫(4℃)にて解凍し、殻を剥き、押し伸ばした原料を(1)で調製した酸性溶液100部に対してエビ100部を2時間浸漬した後、ざる上げし、さらに(2)で調製したアルカリ性溶液100部に対してエビ100部を18時間浸漬しエビを前処理した。アルカリ性溶液浸漬後の歩留まりを測定した。また、この前処理したエビに衣付けし、170〜180℃にて2分間油ちょうしたエビフライについて、食感及び外観について評価した。結果を表6に示す。
Figure 0004727599
表6より、浸漬したアルカリ性溶液のpHが8.5〜11.5の範囲内にある実施例4〜9のエビは歩留まりも良好で、かつ、食感及び外観についても良好な評価であった。それに対して、pHが7.4のアルカリ性溶液を使用した比較例4は歩留まりも低く留まり、食感に歯ごたえがなくなり、また、pH12.6のアルカリ性溶液を使用した比較例5は、歩留まりも低く留まり、また、加熱前の発色が見られ、生のエビとしての商品価値に劣っていた。
実施例10
実施例2の酸性溶液及びアルカリ性溶液を使用して実験例1と同様に、体長5cm前後の小エビを前処理した。この処理エビを使用し以下の手順でチャーハンを試作した。
浸漬処理エビ、ご飯、マッシュルーム、レタス、長ネギ、塩、チキンパウダー、胡椒、卵、油の入った鍋に、処理エビとマッシュルームをいれ、エビに色が付くまで炒める。別の中華なべにご飯と溶き卵を入れ、強火で炒める。ご飯の水分が飛んだら、塩、チキンパウダー、胡椒で味付けた後、先ほど調理したエビとマッシュルーム、レタス、長ネギを加え醤油で味を調えて、エビ入りチャーハンを調製した。比較例として、前述の前処理を施さないエビを使用してチャーハンを調製した。
前処理したエビを使用した実施例のチャーハンは、未浸漬のエビを使用したものと比較すると、エビの歯ごたえのある食感がエビの存在感を引き立てるため、美味しく感じるものとなった。
実施例11:鶏肉の浸漬
下記表7、8、9の処方通りに酸性溶液又はアルカリ性溶液を調製した。
(1)酸性溶液の調製
下記表7に掲げる処方通りに、第1液、第2液を調製し、第1液及び第2液の配合を調整しながら混合して表8の通りにpHを調整した。
Figure 0004727599
Figure 0004727599
(2)アルカリ性溶液の調製
下記表9に掲げる配合で、pH10のアルカリ性溶液を調製した。
Figure 0004727599
(3)鶏ササミの浸漬
冷凍鶏ササミを一晩冷蔵庫内(4℃)にて解凍し、(1)で調製した酸性溶液100部に対して鶏ササミ100部を2時間浸漬した後、ざる上げし、さらに鶏ササミ100部に対して(2)で調製したアルカリ性溶液30部を加え、1時間真空タンブリングし、18時間塩漬し鶏ササミを前処理した。この前処理後の鶏ササミをホットプレートにて170〜180℃にて5分間加熱した焼き鳥について、食感を官能評価した。結果を表10に示す。
Figure 0004727599
実施例11の焼き鳥は、浸漬歩留まりも良く、比較例6よりも柔らかくジューシーな食感となり、良好であった。
本発明により、牛肉、豚肉、鶏肉などの畜肉に関して食感を改良し、エビ、イカ、貝類、魚類等の水産物に関しては浸漬後の当該水産物の透明感を軽減し、かつ歯ごたえのある食感とすることができ、加工食品の原材料に適した水産物に改良することができる。

Claims (1)

  1. 畜肉または水産物をpH3〜5の溶液に浸漬後、pH8.5〜11.5の溶液に浸漬することを特徴とする畜肉または水産物の食感改良方法。
JP2007019982A 2007-01-30 2007-01-30 畜肉または水産物の前処理方法および食感改良方法 Active JP4727599B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007019982A JP4727599B2 (ja) 2007-01-30 2007-01-30 畜肉または水産物の前処理方法および食感改良方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007019982A JP4727599B2 (ja) 2007-01-30 2007-01-30 畜肉または水産物の前処理方法および食感改良方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008182966A JP2008182966A (ja) 2008-08-14
JP4727599B2 true JP4727599B2 (ja) 2011-07-20

Family

ID=39726415

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007019982A Active JP4727599B2 (ja) 2007-01-30 2007-01-30 畜肉または水産物の前処理方法および食感改良方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4727599B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013176308A (ja) * 2012-02-28 2013-09-09 Nichirei Foods:Kk 挽肉加工食品の製造方法
JP6703157B1 (ja) * 2019-03-13 2020-06-03 株式会社極洋 魚介類の製造方法及び魚介類の製造装置、並びに魚介類の製造プログラム
JP7134434B2 (ja) * 2019-03-14 2022-09-12 国立大学法人 鹿児島大学 物性改善処理をした甲殻類の製造方法及びレトルト食品の製造方法
JP6898504B2 (ja) * 2019-10-08 2021-07-07 マルハニチロ株式会社 冷凍エビ及びその製造方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000175619A (ja) * 1998-12-18 2000-06-27 Kiyokuyou:Kk えび、かになどの甲殻類を赤色に発色させる方法
JP2006075175A (ja) * 2001-02-19 2006-03-23 House Foods Corp 加工食品の調製方法及びレトルト食品
JP2009515554A (ja) * 2005-11-16 2009-04-16 ユニバーシティ オブ マサチューセッツ 調理済みタンパク質食品の保水容量および柔らかさを改善する方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000175619A (ja) * 1998-12-18 2000-06-27 Kiyokuyou:Kk えび、かになどの甲殻類を赤色に発色させる方法
JP2006075175A (ja) * 2001-02-19 2006-03-23 House Foods Corp 加工食品の調製方法及びレトルト食品
JP2009515554A (ja) * 2005-11-16 2009-04-16 ユニバーシティ オブ マサチューセッツ 調理済みタンパク質食品の保水容量および柔らかさを改善する方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008182966A (ja) 2008-08-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN103719932B (zh) 即食膨化鳀鱼的加工方法
WO2009002554A1 (en) Method of processing meat to enhance moisture retention
JP5882792B2 (ja) 水産物又は畜肉処理用製剤、及び、それを用いた水産物又は畜肉の処理方法
Pedro et al. Reducing salt levels in seafood products
JP4774008B2 (ja) 甲殻類または畜肉類の風味品質改良剤およびそれを用いた甲殻類または畜肉類の処理法
JP4688733B2 (ja) 肉類の品質改良剤および肉類の品質改良方法
JP3798391B2 (ja) 水産物用処理剤
Esaiassen et al. Brining of cod fillets: influence on sensory properties and consumers liking
JP4727599B2 (ja) 畜肉または水産物の前処理方法および食感改良方法
JP4544160B2 (ja) 食肉用改良剤ならびに該食肉用改良剤を用いる食肉加工食品の製造法
JP4603314B2 (ja) 畜肉類又は魚貝類用品質改良剤、畜肉類又は魚貝類の品質改良方法及び該畜肉類又は魚貝類用品質改良剤を含有する畜肉類又は魚貝類
Belitz et al. Fish, whales, crustaceans, mollusks
JP2007061091A (ja) 畜水産加工品の食感改良方法
JP2003304836A (ja) 食肉用改良剤ならびに該食肉用改良剤を用いる食肉加工食品の製造法
KR20210039027A (ko) 조미 훈제 새우의 제조방법 및 그에 의하여 제조한 조미 훈제 새우
JP3793875B2 (ja) 食品または食品素材の染色方法
JP2011211916A (ja) 燻煙食肉製品の製造方法
KR100917682B1 (ko) 조미 훈제 새우의 제조방법 및 그에 의하여 제조한 조미 훈제 새우
JP3751408B2 (ja) 魚介・畜肉類乾燥品の製造方法及び魚介・畜肉類乾燥品
KR102661657B1 (ko) 오징어 젓갈 제조방법
JP4773251B2 (ja) 肉の解凍方法
Venugopal Weak Acid-induced gel from shark meat and its food applications
JP2001095526A (ja) 食品の退色防止方法
JP5367508B2 (ja) 畜肉及び魚肉用の肉質改善剤及び肉質改善方法
CN104472657A (zh) 一种速冻粘粉调味沙丁鱼的制作方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091221

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110208

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110316

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110412

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110413

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4727599

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140422

Year of fee payment: 3