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JP4725602B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

定着装置及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、定着装置および当該定着装置を用いた画像形成装置に関し、特に、誘導加熱される定着ベルトを利用した定着装置においてウォーミングアップ時間を短縮する技術に関する。
プリンタ等の画像形成装置では、近年、ハロゲンヒータを熱源とする定着装置よりも省エネルギー化を図れる電磁誘導加熱方式の定着装置を備えるものが採用され始めている(例えば、特許文献1)。
図9は、当該特許文献1における電磁誘導加熱方式の定着装置300の構成を示す断面図である。
同図に示すように、定着装置300は、定着ベルト301、定着ローラ302、加圧ローラ303、磁束発生部304およびガイドプレート305などを備えている。
定着ベルト301は、誘導発熱層301aと、その裏面に設けられた整磁合金層301bとを含む円筒状の弾性変形可能なベルトであり、矢印P方向に周回駆動される。
この整磁合金層301bは、通常の温度では強磁性体であるがキュリー温度を超えると非磁性になる特性を有する。
定着ローラ302は、定着ベルト301の周回経路内側に配される。加圧ローラ303は、定着ベルト301の周回経路外側に配され、定着ベルト301を介して定着ローラ302を押圧し、定着ニップ310を確保する。加圧ローラ303は、駆動モータ(不図示)からの駆動力を受けて矢印Q方向に回転する。この駆動力が定着ローラ302と定着ベルト301に伝わることにより、定着ローラ302と定着ベルト301が従動回転する。
磁束発生部304は、定着ベルト301の周回経路外側であり定着ベルト301を挟んで加圧ローラ303に相対する位置に配され、定着ベルト301の誘導発熱層301aを発熱させるための磁束を発生させる。
ガイドプレート305は、抵抗が小さな非磁性体からなり、定着ベルト301の周回経路内側において、定着ベルト301を介して磁束発生部304に対向する位置に配され、定着ベルト301の曲率に沿って湾曲しており、周回駆動される定着ベルト301の裏面に面接触して定着ベルト301をその周回方向に案内しつつ定着ベルト301と磁束発生部304との相対位置を規制する。
このような構成において、定着ベルト301が周回駆動されつつ磁束発生部304から磁束が発せられると、定着ベルト301内の誘導発熱層301aの、磁束発生部304に対向する部分が主に発熱し、この発熱部分が定着ニップ310に至り、定着ニップ310の領域が定着に適した温度まで昇温され、シートS上に形成されたトナー像が定着ニップ310を通過する際に、加熱、加圧されて当該シートSに熱定着される。
このとき、定着ベルト301は、シートSと接する中央部分においては、シートSに熱を奪われて温度が低下するが、シートが通過しない両端側の部分(以下、「非通紙部」という。)では、熱が奪われずに温度が高いままとなっているため、定着ベルト301の中央部分を目標温度に合わせようとして、磁束発生部304に電力を供給すると、非通紙部の温度がさらに上昇する。
すると、定着ベルト301に含まれている整磁合金層301bの非通紙部が、キュリー温度以上に加熱され、強磁性体から非磁性体に転じ、それまで整磁合金層301b内を通っていた磁束が、今度は整磁合金層301bを突き抜けてガイドプレート305に到達する。
この磁束によって、ガイドプレート305では、当該磁束を打ち消す方向にうず電流が生じ、非通紙部における温度上昇が緩和される。
このように、定着装置300は、定着ベルト301自体が発熱するので熱効率に優れ、さらに、整磁合金層301bとガイドプレート305の相互作用により、ベルト301の非通紙部が過熱しないように自動的に温度制御することができる。
特開2007−264421号公報
しかしながら、特許文献1記載の定着ベルト301は、整磁合金層を含んでおり、通常の定着ベルトよりも熱容量が大きいため、その分、ウォーミングアップ時間が若干長くなる。
このため、本発明者らは、整磁合金層301bをガイドプレート305側に設けて、定着ベルト301の熱容量を小さくすることを思いついた。
しかし、このような構成を用いても、ガイドプレート305は、熱容量が大きくなっているので、定着ベルト301とガイドプレート30との間の熱伝導が大きいと、ウォーミングアップ時間が思ったほど短縮できないという問題がある。
そこで、定着ベルト301の周回方向におけるガイドプレート30の長さを短くして、定着ベルト301とガイドプレート30の接触面積を減らし、熱伝導を小さくすることが考えられるが、長さが短くなると、非通紙部の自動温度制御性能が低下してしまう。
本発明は、整磁合金層をガイドプレート側に設けた構成において、非通紙部の温度制御性能を維持しながら、定着ベルト301とガイドプレート30との間の熱伝導を小さくして、ウォーミングアップ時間の短縮化が可能な定着装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本実施の形態の定着装置は、無端状のベルトの周回経路内側に配され第1ローラを、前記ベルトの周回経路外側から当該ベルトを介して第2ローラで押圧して、当該ベルト表面と当該第2ローラの間に定着ニップを確保すると共に、前記ベルトを周回させつつ電磁誘導により加熱して、未定着画像の形成されたシートを前記定着ニップに通して、前記未定着画像の熱定着を行う定着装置であって、前記ベルトの周回経路内側において、前記第1ローラの軸と平行に伸びており、周回駆動されるベルトの裏面に接触して、当該ベルトをその周回方向に案内するガイドプレートと、前記ベルトの周回経路外側において、前記ベルトを挟んで前記ガイドプレートと対向する位置に配され、前記ベルトを加熱するための磁束を発生させる磁束発生部とを備え、前記ベルトは、前記磁束によって発熱する発熱層を有し、前記ガイドプレートは、表面が前記ベルトと対向し、所定温度を超えると強磁性から非磁性に可逆的に変化する整磁合金層と、当該整磁合金層の裏面の前記周回方向両端に亘って沿設された低抵抗導電層とを有し、前記両端のうちの少なくも一方の端部が、前記磁束発生部および前記ベルトから遠ざかる方向に折り曲げられていることを特徴とする。
上記構成では、ガイドプレートは、上記両端のうちの少なくも一方の端部が、ベルトから遠ざかる方向に折り曲げられているので、その分ベルトの接触面積が少なくなり、ベルトとガイドプレートとの間の熱伝導が少なくなるため、定着装置のウォーミングアップ時間が短縮されると共に、整磁合金層と低抵抗導電層との相互作用により温度制御が行われたときのベルトの温度低下率も大きくなるので、より効率的にベルトの幅方向の両端部における温度制御が実施される。
また、前記ガイドプレートは、前記両端のうち、前記周回方向における当該ガイドプレートよりも上流側の端部が折り曲げられていることが望ましい。
これにより、ガイドプレートの上記上流側端部との摩擦により生じるベルトの摩耗が抑制される。
また、前記ガイドプレートは、前記折り曲げの角度が180度であることが望ましい。
これにより、ベルトの摩耗を抑制しつつ、より効率的にベルトの幅方向の両端部における温度制御を実施することができる。
なお、本発明は、上記定着装置を備えた画像形成装置としてもよい。
以下、本発明に係る画像形成装置の実施の形態を、タンデム型カラーデジタルプリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)に適用した場合を例にして説明する。
図1は、当該プリンタ1の全体の構成を示す断面概略図である。
同図に示すように、このプリンタ1は、画像プロセス部3、給紙部4、定着部5および制御部60を備えており、ネットワーク(例えばLAN)に接続されて、外部の端末装置(不図示)からのプリントジョブの実行指示を受け付けると、その指示に基づいてイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色のトナー像を形成し、これらを多重転写してフルカラーの画像形成を実行する。
以下、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各再現色をY、M、C、Kと表し、各再現色に関連する構成部分の番号にこのY、M、C、Kを添字として付加する。
<画像プロセス部>
画像プロセス部3は、作像部3Y,3M,3C,3K、光学部10、中間転写ベルト11などを備えている。
作像部3Yは、感光体ドラム31Yと、その周囲に配設された帯電器32Y、現像器33Y、一次転写ローラ34Y、および感光体ドラム31Yを清掃するためのクリーナ35Yなどを備えており、感光体ドラム31Y上にY色のトナー像を作像する。なお、他の作像部3M〜3Kについても、トナーの色が異なる以外は作像部3Yと同様、帯電器32M〜32Kなどの構成を有するが、図面が煩雑になるのを防ぐため、それらの符号は表記していない。
中間転写ベルト11は、無端状のベルトであり、駆動ローラ12と従動ローラ13に張架されて矢印C方向に周回駆動される。
光学部10は、レーザダイオードなどの発光素子を備え、制御部60からの駆動信号によりY〜K色の画像形成のためのレーザ光Lを発し、感光体ドラム31Y〜31Kを露光走査する。
この露光走査により、帯電器32Y〜32Kにより帯電された感光体ドラム31Y〜31K上に静電潜像が形成される。各静電潜像は、現像器33Y〜33Kにより現像されて感光体ドラム31Y〜31K上にY〜K色のトナー像が、中間転写ベルト11上の同じ位置に重ね合わせて一次転写されるようにタイミングをずらして実行される。
一次転写ローラ34Y〜34Kにより作用する静電力により中間転写ベルト11上に各色のトナー像が順次転写されフルカラーのトナー像が形成され、さらに二次転写位置46方向に移動する。
一方、給紙部4は、用紙Sを収容する給紙カセット41と、給紙カセット41内の用紙Sを搬送路43上に1枚ずつ繰り出す繰り出しローラ42と、繰り出された用紙Sを二次転写位置46に送り出すタイミングをとるためのタイミングローラ対44などを備えており、中間転写ベルト11上のトナー像の移動タイミングに合わせて給紙部4から用紙Sを二次転写位置に給送し、二次転写ローラ45による静電力の作用により中間転写ベルト11上のトナー像が一括して用紙S上に二次転写される。
二次転写位置46を通過した用紙Sは、さらに定着部5に搬送され、用紙S上のトナー像(未定着画像)が、定着部5における加熱・加圧により用紙Sに定着された後、排出ローラ対71を介して排出トレイ72上に排出される。
<定着部>
図2は、上記定着部5の構成を示す部分断面斜視図であり、図3(a)は、その要部における横断面図である。
図2に示すように、定着部5は、定着ローラ150と、定着ベルト155と、ガイドプレート156と、加圧ローラ160と、磁束発生部170とを備える。
同図3(a)に示すように、定着ローラ150は、長尺で円柱状の芯金152の周囲を弾性体層153で被覆されてなり、定着ベルト155の周回経路(周回走行路)内側に配される。
芯金152は、アルミニウム、鉄、ステンレス等からなる外径が約20mmの円柱体である。
弾性体層153は、厚さが約10mmであり、定着ローラ150の外径は、約40mmである。
材質は、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の発泡弾性体であり、耐熱性及び断熱性の高いものが望まれる。
加圧ローラ160は、円柱状の芯金161の周囲に、弾性体層162を介して離型層163が積層されてなり、定着ベルト155の周回経路外側に配置され、定着ベルト155の外側から定着ベルト155を介して定着ローラ150を押圧して、定着ベルト155表面との間に周方向に所定幅を有する定着ニップ155nが形成される。
芯金161は、アルミニウム等からなり、弾性体層162は、シリコンスポンジゴム等からなり、離型層163は、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)コート等からなる。加圧ローラ160の外径は、約35mmである。
定着ローラ150と加圧ローラ160は、芯金152、161の軸方向両端部が図示しないフレームの軸受部に回転自在に軸支されると共に、加圧ローラ160は、駆動モータ(不図示)からの駆動力が伝達されることにより矢印B方向に回転駆動される。この加圧ローラ160の回転に伴って定着ベルト155と定着ローラ150が矢印A方向に従動回転する。
定着ベルト155は、矢印A方向に周回駆動される円筒状のベルトであり、図3(c)に示すように、離型層155aと、弾性体層155bと、発熱層155cとが、この順に離型層155aが外周面側になるように積層されてなる。
定着ベルト155は、自立して円筒形を保持できるベルトが用いられている。定着ベルト155のベルト幅方向(定着ローラ150の回転軸方向に相当)長さは、最大サイズのシートの幅方向長さよりも長くなっている。
離型層155aは、PFAなどからなる円筒体であって、その厚みは、経験上、30μm以上、40μm以下の範囲から適宜決定される。
弾性体層155bは、厚みが約200μmのシリコーンゴムなどからなり、この他、フッ素ゴムなどを使用してもよい。
発熱層155cは、厚みが約40μmのニッケルなどからなり、磁束発生部170から発せられる磁束により発熱する。
図2に戻って、磁束発生部170は、コイルボビン171と、裾コア172と、励磁コイル173と、コア174と、カバー175とを有し、定着ベルト155の周回経路外側であり、定着ベルト155を挟んで加圧ローラ160と相対する位置を基準として、ここから周回方向のやや上流側に、定着ベルト155の幅方向に沿うように配置される。
励磁コイル173は、定着ベルト155に含まれている発熱層155cを加熱するための磁束を発生させるものであり、コイルボビン171に巻かれている。
励磁コイル173から発生される交番磁束は、コア174及び裾コア172により定着ベルト155に導かれ、定着ベルト155の発熱層155c(図3(c)参照)の、主に磁束発生部170に対向する部分を貫き、この部分に渦電流を発生させて発熱層155c自体を発熱させ、定着ベルト155を加熱する。定着ベルト155の昇温により、これに定着ニップ155nで接触している加圧ローラ160も昇温する。
なお、図示していないが定着ベルト155の幅方向中央部の表面温度を検出するためのセンサが別途配置されており、このセンサの検出信号により定着ベルト155の現在の温度を検出し、この検出温度に基づき定着ニップ155nの領域の温度が目標温度に維持されるように励磁コイル173への電力供給が制御される。
定着ニップ155nが目標温度に維持された状態でシートSが定着ニップ155nを通過する際に、シートS上の未定着のトナー像が加熱、加圧されて当該シートS上に熱定着される(図2参照)。
ガイドプレート156は、定着ローラ150の軸と平行に配された長尺な板体であって、表面が定着ベルト155と対向している整磁合金層156aと、これの裏面であって、定着ベルト155の周回方向(以下、「ベルト周回方向」という。)における両端に亘って設けられた低抵抗導電層156bとからなり、表面が定着ベルト155と接触して、当該定着ベルト155をベルト周回方向に案内する。
なお、ガイドプレート156は、長手方向の両端部が図示しないフレームにより支持されている。
そして、このガイドプレート156は、図3(b)に示すように、ベルト周回方向における全長がLとなっている板をその外周が曲率半径Rとなるようにカーブしており、さらに、ベルト周回方向における上流側及び下流側の端部において、先端からそれぞれL、Lの距離の位置で、定着ベルト155から遠ざかる側に180度折り曲げられている。
この折り曲げによって対向する面同士の間が、殆ど隙間のない状態となっている。
ここでは、L及びLの値は、いずれも同じ値となっており、その長さは、約5mmとなっている。
なお、ガイドプレート156の曲率半径Rは、静止時における定着ベルト155の、磁束発生部170に対向する部分の裏面の曲率半径と略等しい。
整磁合金層156aは、ニッケルと鉄の合金などからなり、厚みが約30μmであって、通常の温度では強磁性体であるがキュリー温度を超えると非磁性になる特性を有する。
この他の材料として、ニッケルと鉄とクロムなどを用いてもよい。
低抵抗導電層156bは、例えば、厚みが約500μmの銅などの非磁性の低抵抗導電材料から形成される。
この他の材料として、アルミニウムなどを用いてもよい。
整磁合金層156aが強磁性体のとき、磁束発生部170からの磁束は、定着ベルト155の発熱層155cを突き抜けて、整磁合金層156aに達し、当該整磁合金層156aのベルト周回方向における略中央から両端側に分岐し、その先で最も近い位置にある裾コア172へと向かう。
このとき、発熱層155cは、これを突き抜ける磁束により渦電流が生じて誘導加熱される。
整磁合金層156aは、定着ベルト155からの熱伝導によって、キュリー温度以上となった場合、その部分が強磁性体から非磁性に転じ、磁束発生部170からの磁束が発熱層155cから整磁合金層156aを介して低抵抗導電層156bに通り抜け易くなる。この低抵抗導電層156bは低抵抗なので、そこで発生した渦電流により磁束発生部170で発生した磁束を打ち消す方向の磁束が発生し、その部分における磁束密度を低下させて発熱層155cの発熱が抑えられる。
上記キュリー温度は、定着に適した温度(目標温度)よりも約20℃高い温度に設定されており、これにより多数枚の小サイズのシートを連続してプリントする場合に、定着ベルト155のうち、ベルト幅方向に当該シートが通過しない両端側の部分、即ち、非通紙部Pの温度が、当該シートに熱が奪われないために目標温度を上回っても、キュリー温度を大幅に超えることがなくなって、定着ベルト155にダメージを与えるような高温に至るといったことが防止される。なお、設定すべきキュリー温度は、上記の温度に限られず、通紙部の温度が所定の定着温度を維持しつつ、非通紙部が過昇温しないように定着部5の構成等に応じて実験などにより適宜設定される。
本実施の形態の定着部5のガイドプレート156ように、ベルト周回方向における両端部が折り曲げられると、折り曲げない状態と比べて、ガイドプレート156と定着ベルト155との接触面積が小さくなるので、定着ベルト155が加熱される際にガイドプレート156に伝わる無駄な熱量が小さく抑えられ、定着ベルト155の昇温スピードが速くなり、ウォーミングアップ時間の短縮が図ることができる。
また、ガイドプレート156のベルト周回方向における両端部を折り曲げることにより、これら両端における定着ベルト155との摩擦が低減し、定着ベルト155の劣化が抑制された。
さらに、本発明者らは、鋭意検討の結果、このような折り曲げをガイドプレートに対して実施しても、折り曲げを行わなかったガイドプレートより整磁合金層156aの磁性変化前後で生じる定着ベルト155の温度変化幅が大きくなり、反って非通紙部Pの温度制御性能が向上することを見い出した。
これにより、定着ベルト155の非通紙部Pの温度上昇をより迅速に抑制することができる。
以下、本実施の形態の定着部5における非通紙部Pの温度制御性能の向上について説明する。
(温度制御性能に関するシミュレーション結果)
以下に記載の実施例品と従来品とにおいて、整磁合金層が強磁性体から非磁性体に変化したときの定着ベルトの温度変化率を、有限要素法を用いて算出した。
<具体的仕様>
(実施例品と従来品とで共通するパラメータについて)
i)ガイドプレート
ベルト周回方向の全長L :30mm
外周曲率半径R :20mm
整磁合金層の膜厚 :200μmm
整磁合金層のキュリー温度未満での透磁率:130H/m
整磁合金層のキュリー温度以上での透磁率:3H/m
低抵抗導電層の材質 :銅
低抵抗導電層の膜厚 :500μmm
ii)励磁コイル
線径:0.15mm
線長:800mm
巻数:10
消費電力は、整磁合金層が強磁性体状態にあるときにおける電力を基準に、全て一定とした。
(実施例品と従来品とで相違するパラメータについて)
ガイドプレートのベルト周回方向における折り曲げの有無
1)実施例品
ガイドプレートのベルト周回方向における両端部に折り曲げあり
上流側折り曲げ量L:5mm
下流側折り曲げ量L:5mm
折り曲げ角 :180度
(低抵抗導電層156b同士が隙間無く接触する状態)
2)従来品
ガイドプレートのベルト周回方向における両端部に折り曲げなし
Figure 0004725602
E = (T0-T1)/T0×100
T0: 整磁合金層が強磁性体のときの定着ベルトの温度
T1: 整磁合金層が非磁性体のときの定着ベルトの温度
表1から明らかなように、実施例品は、従来品よりも、整磁合金層が強磁性体から非磁性体に転じたときの温度低下の割合が大きいことがわかる。
ガイドプレートの両端は、整磁合金層156aが強磁性体となっている場合であっても、比較的磁束密度が高い場所であるため、従来品のガイドプレートのように、ガイドプレートの両端で低抵抗導電層156bの端面が露出していると、この端面からいくらかの洩れ磁束が侵入し、そのため磁束発生部170で発生させた磁束の一部を打ち消してしまい、加熱効率を低下させているものと推測される。
実施例品のガイドプレートでは、ベルト周回方向の両端部が折り曲げられていることにより、整磁合金層156aが強磁性体となっているときにおいて、ガイドプレートの両端よりも磁束密度の低い中心寄りの位置で、抵抗導電層156bの端面が露出しているため、低抵抗導電層156bの端部に洩れ磁束が侵入し難くなっている。
これによって、整磁合金層156aが強磁性体となっているときの定着ベルト温度T0は、ガイドプレート156のベルト周回方向の両端部が折り曲げられている実施例品の方が、折り曲げられていない従来品よりも大きくなり、強磁性体から非磁性体に転じる際の温度差が大きくなって、温度低下率Eが大きくなる、つまり、温度制御性能が向上するものと考えられる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、ガイドプレート156のベルト周回方向の両端部を折り曲げるという簡単な構成により、ウォーミングアップ時間の短縮化が図られるだけでなく、定着部5の非通紙部Pの温度制御性能も向上すると共に、定着ベルト155の耐摩耗性をも向上することができる。
<変形例>
以上、本発明を種々の実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明の内容が、上記実施の形態に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例を考えることができる。
(1)上記実施の形態では、ガイドプレート156のベルト周回方向における両端部のそれぞれを折り曲げたとしたが、これに限るものではなく、例えば、図4に示すように、ガイドプレート156のベルト周回方向の全長はLのままで、上記両端部のうちの少なく一方の端部を折り曲げたとしても、上記両端部のいずれも折り曲げられていないものと比べ、ウォーミングアップ時間の短縮化、非通紙部Pの温度制御性能の向上及び定着ベルト155の耐摩耗性の向上について、それなりの効果を奏する。
同図に示すように、定着ベルト155の裏面が上記両端部の上流側の縁を乗り上げることとなり、下流側よりも上流側の摩擦が大きいので、この摩擦を低減するように、上記両端部のうちのどちらか一方の端部を折り曲げるとすれば、上流側を優先して折り曲げることが望ましい。
(2)上記実施の形態では、ガイドプレート156は、ベルト周回方向における上流側及び下流側の端部において、先端からそれぞれL、Lの距離の位置で、定着ベルト155から遠ざかる側に180度折り曲げられているとしたが、これに限定するものではなく、L、Lの距離は、非通紙部Pの温度制御性能を阻害しない範囲で適宜決定すればよい。
また、折り曲げの角度も180度に限定するものではなく、例えば、図5に示すように、ガイドプレートのベルト周回方向における少なくとも一方の端部を僅かに折り曲げ、折り曲げ部の内角θ1が鈍角となるようにしてもよく、もしくは、図6に示すように、折り曲げ部の内角θ2が略直角になるようにしてもよく、さらには、鋭角となるようにしても構わない。
このようにすれば、このような折り曲げを行っていない状態と比べて、低抵抗導電層の端面が磁束密度の高い場所から遠ざかるので、低抵抗導電層の端部への洩れ磁束の侵入がそれなりに抑制されるからである。
また、その場合の折り曲げ部の長さL(図5参照)及びL(図6参照)は、上記と同様に、非通紙部Pの温度制御性能を阻害しない範囲で適宜決定すればよい。
(3)上記実施の形態では、ガイドプレート156のベルト周回方向における端部を180度折り曲げた場合、この折り曲げにより対向する面同士の間には、殆ど隙間が生じない状態となっているとしたが、例えば、図7に示すように、曲げRを大きくとって、曲げ中心に空間を設けてもよい。
また、この場合、低抵抗導電層286bの端面は露出していないので、折り曲げる長さにあまり影響されずに、低抵抗導電層への洩れ磁束の侵入を抑制することができる。
(4)また、上記実施の形態では、ガイドプレートのベルト周回方向における1つの端部において、折り曲げ箇所は1箇所であったが、図8に示すように、多段階的に折り曲げを実施しても構わない。
(5)本実施の形態及び上記(1)〜(4)の変形例において、ガイドプレートのベルト周回方向の全長は、全てLであるが(図3(b)、図4〜図8参照)、これは、ガイドプレートのベルト周回方向の端部を折り曲げる前の状態を統一し、この状態を基準として、端部を折り曲げることによるウォーミングアップ時間の短縮化及び定着部5の非通紙部Pの温度制御性能向上の有効性を示したかったに過ぎず、ガイドプレートのベルト周回方向の全長を所定の値に限定するものではない。
このことは、例えば、図4において、ガイドプレートのベルト周回方向の全長をLよりも5mmほど長くし、その分、折り曲げる部分の長さを、Lよりも5mm長くすれば、結果として、定着ベルトとガイドプレートの接触面積は変わらないことからもわかる。
つまり、ガイドプレートのベルト周回方向の端部を折り曲げないものと、折り曲げたものとでは、後者の方が前者よりもよりウォーミングアップ時間の短縮化、非通紙部Pの温度制御性能の向上及び定着ベルトの耐摩耗性が向上するということであり、全長Lは、設計条件等により適宜決定すればよい。
(6)なお、上記実施の形態では、タンデム型のカラープリンタについて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、モノクロプリンタであってもよく、さらに、複写機やファックスといった付加機能を有する装置であってもよく、要するに、定着ベルトとこれを周回方向に案内するガイドプレートとを用いる定着装置を備えた全ての画像形成装置に適用されるものである。
本発明は、定着ベルトとこれを周回方向に案内するガイドプレートとを用いる定着装置及びこれを用いる画像形成装置に広く適用することができる。
本発明の実施の形態に係るタンデム型カラーデジタルプリンタの断面概略図である。 本発明の実施の形態に係る定着部の部分断面斜視図である。 (a)は、本発明の実施の形態に係る定着部の要部の構成を示す横断面であり、(b)は、本発明の実施の形態に係るガイドプレートの拡大断面図であり、(c)は、定着ベルトの部分断面図である。 本発明の実施の形態に係るガイドプレートの変形例である。 本発明の実施の形態に係るガイドプレートの変形例である。 本発明の実施の形態に係るガイドプレートの変形例である。 本発明の実施の形態に係るガイドプレートの変形例である。 本発明の実施の形態に係るガイドプレートの変形例である。 従来の定着部の断面図である。
符号の説明
1 プリンタ
3 画像プロセス部
3Y,3M,3C,3K 作像部
4 給紙部
5 定着部
10 光学部
11 中間転写ベルト
12 駆動ローラ
13 従動ローラ
31 感光体ドラム
32 帯電器
33 現像器
34 一次転写ローラ
35 クリーナ
41 給紙カセット
42 ローラ
43 搬送路
44 タイミングローラ対
45 二次転写ローラ
46 二次転写位置
60 制御部
71 排出ローラ対
72 排出トレイ
150 定着ローラ
152 芯金
153 弾性体層
155 定着ベルト
155a 離型層
155b 弾性体層
155c 発熱層
155n 定着ニップ
156 ガイドプレート
156a 整磁合金層
156b 低抵抗導電層
160 加圧ローラ
161 芯金
162 弾性体層
163 離型層
170 磁束発生部
171 コイルボビン
172 裾コア
173 励磁コイル
174 コア
175 カバー

Claims (4)

  1. 無端状のベルトの周回経路内側に配され第1ローラを、前記ベルトの周回経路外側から当該ベルトを介して第2ローラで押圧して、当該ベルト表面と当該第2ローラの間に定着ニップを確保すると共に、前記ベルトを周回させつつ電磁誘導により加熱して、未定着画像の形成されたシートを前記定着ニップに通して、前記未定着画像の熱定着を行う定着装置であって、
    前記ベルトの周回経路内側において、前記第1ローラの軸と平行に伸びており、周回駆動されるベルトの裏面に接触して、当該ベルトをその周回方向に案内するガイドプレートと、前記ベルトの周回経路外側において、前記ベルトを挟んで前記ガイドプレートと対向する位置に配され、前記ベルトを加熱するための磁束を発生させる磁束発生部とを備え、
    前記ベルトは、前記磁束によって発熱する発熱層を有し、
    前記ガイドプレートは、表面が前記ベルトと対向し、所定温度を超えると強磁性から非磁性に可逆的に変化する整磁合金層と、当該整磁合金層の裏面の前記周回方向両端に亘って沿設された低抵抗導電層とを有し、前記両端のうちの少なくも一方の端部が、前記磁束発生部および前記ベルトから遠ざかる方向に折り曲げられていることを特徴とする定着装置。
  2. 前記ガイドプレートは、前記両端のうち、前記周回方向における当該ガイドプレートよりも上流側の端部が折り曲げられていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記ガイドプレートは、前記折り曲げの角度が180度であることを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の定着装置を備えた画像形成装置。
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