以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。図1は本発明に係る見当調整装置を適用した両面4色刷枚葉輪転印刷機の概略構成図、図2ないし図5は各版胴に設けられた版見当調整装置を説明するための図であって、図2は版胴の原動側端部の正面図、図3は同じく操作側端部の正面図、図4は図2におけるIV矢視側面図、図5は図3におけるV矢視側面図、図6は同じく構成を示すブロック図、図7は同じく動作を説明するための胴の配列図で、同図(A)は上流側の版胴の見当調整を開始したタイミングを示し、同図(B)は上流側の版胴の見当調整が終了したタイミングを示す。
図1に符号1で示す両面4色刷枚葉輪転印刷機は、給紙装置2と、4色の表面印刷ユニット3Aないし3Dを備えた表面印刷部3と、4色の裏面印刷ユニット4Aないし4Dを備えた裏面印刷部4と、排紙装置5とによって概略構成されている。
給紙装置2においては、図示を省略したサッカー装置によって、フィーダボード7上に1枚ずつ送り出されたシート状物としての紙Pが、フィーダボード7の先端において天地方向および左右方向の見当を揃えられた状態で、スィング装置8の爪にくわえられ、スィング装置8の揺動によって渡し胴9のくわえ爪装置にくわえ替えられる。
表面印刷ユニット3Aないし3Dは、版が装着された版胴12Aないし12Dと、これら版胴12Aないし12Dのそれぞれと周面が対接するゴム胴13Aないし13Dと、これらゴム胴13Aないし13Dのそれぞれと周面が対接する倍径の印刷胴としての圧胴14Aないし14Dとによって構成されている。各版胴12Aないし12Dの周面のそれぞれには、切欠き部15Aないし15Dが設けられている。
各ゴム胴13Aないし13Dの周面には、各版胴12Aないし12Dの切欠き部15Aないし15Dと対向する切欠き部17Aないし17Dが設けられている。各圧胴14Aないし14Dの周面のそれぞれには、ゴム胴13Aないし13Dの切欠き部17Aないし17Dと対向する切欠き部19Aないし19Dと切欠き部20Aないし20Dとが、円周方向に互いに180°位相をずらして設けられている。
裏面印刷ユニット4Aないし4Dは、版が装着された版胴25Aないし25Dと、これら版胴25Aないし25Dのそれぞれと周面が対接するゴム胴26Aないし26Dと、これらゴム胴26Aないし26Dのそれぞれと周面が対接する倍径の印刷胴としての圧胴27Aないし27Dとによって構成されている。各版胴25Aないし25Dの周面のそれぞれには、切欠き部28Aないし28Dが設けられている。
各ゴム胴26Aないし26Dの周面のそれぞれには、版胴25Aないし25Dの切欠き部28Aないし28Dと対向する切欠き部30Aないし30Dが設けられている。各圧胴27Aないし27Dの周面のそれぞれには、ゴム胴26Aないし26Dの切欠き部30Aないし30Dと対向する切欠き部32Aないし32Dと切欠き部33Aないし33Dとが、円周方向に互いに180°位相をずらして設けられている。
排紙装置5には、4色目の裏面印刷ユニット4Dの圧胴27Dと対向する渡し胴36と、この渡し胴36と対向する排紙胴37と、この排紙胴37と同軸上に設けられたスプロケットとスプロケット38との間に張架された排紙チェーン39とが備えられている。
次に、図2ないし図6を用いて、表面印刷ユニット3Aないし3Dの版胴12Aないし12Dに設けられた従来から広く知られている版見当調整装置40について説明する。なお、各版胴12Aないし12Dに設けられた各版見当調整装置40は、すべて同じ構造であるから、ここでは版胴12Aに設けられた版見当調整装置40についてのみ説明する。
図2において、印刷機の原動側フレーム41に軸支された外メタル42には、周面に版が装着された版胴12Aの端軸12aが内メタル43を介して軸支されており、外メタル42の外周円の軸心と内メタル43および版胴12Aの軸心とは図に符号t1で示すだけ偏心している。端軸12aのフレーム41の外側に突出している端面には、外歯ギア44がボルト45で固定されており、この外歯ギア44は、後述する内歯ギア46と噛合している。
フレーム41の外方には、ブラケット47がフレーム41との間を複数個のステー48で連結されフレーム41と平行になるように設けられており、ブラケット47の軸受孔には、段付きのウォームホイール49が嵌入されその先端ねじ部に螺合されたナット50によって締め付け固定されている。51,52はブラケット47を挟んでその両側に介装されたスラストベアリングである。ウォームホイール49の内周ねじ孔49aには、鍔を有するねじ軸53のねじ部53aが螺合されており、ねじ部53aの先端には、長孔とボルト54とでウォームホイール49に固定されたねじ板55が螺合されている。
56は前記内歯ギア46を内周面に有する円筒状のカップリングであって、その一方の開口端には、円板57が螺着されており、この円板57の孔には、前記ねじ軸53の一端が嵌合されてその鍔とナット58とで固定されている。59,60は鍔とナット58と円板57とで挟持されたスラストベアリングである。このように構成されていることにより、ねじ軸53とカップリング56とは互いに回動自在でかつ軸方向への移動が規制されている。
61はカップリング56の鍔部56aにリング62とボルト63とで固定されたヘリカルギアであって、原動側のヘリカルギア64と噛合しており、原動側の回転は、ヘリカルギア64,61と内歯ギア46、外歯ギア44を介して版胴42に伝達される。この場合、外歯ギア44と内歯ギア46とが摺動自在に噛合していることにより、カップリング56が軸方向へ移動しても支承がないように構成されている。
図3において、操作側フレーム65に回動自在に軸支された外メタル66には、中空状のブラケット部67aとこれよりも小径の軸受部67bとで段状に形成された内メタル67が、軸受部67bと回動自在に嵌合させており、軸受部67bの孔には版胴12Aの端軸12bが回転自在に軸支されている。外メタル66の外周円軸心と版胴12Aの軸心とは図に符号t2で示すだけ偏心させており、内メタル67の外周円軸心と版胴12Aの軸心とは図に符号t3で示すだけ偏心させている。
フレーム65の外方には、正面視をL字状に形成されたブラケット68が垂直部材をフレーム65と平行となるようにフレーム65側に固定されており、垂直部材68aの軸受孔68bには、段付きのウォームホイール69が嵌入されてその先端ねじ部に螺合されたナット70で締め付け固定されている。71,72はブラケット68を挟んでその両側に介装されたスラストベアリングである。ウォームホイール69の内周ねじ孔69aには、ねじ軸73のねじ部73aが螺合されており、ねじ部73aの先端には、長孔とボルト74とでウォームホイール69に固定されたねじ板75が螺合されている。
ねじ軸73の鍔69bはカップリング部67bの中空部にスラストベアリング74を介して係入されており、ねじ軸73とカップリング部67aとは、ねじ部にスラストベアリング75を介して螺合されたナット76によって締め付け固定されている。このように構成されていることにより、ねじ軸73とカップリング部67aとは回動自在でかつ軸方向への移動が規制されている。77はブラケット68に後述する軸受箱78を介して支持された回り止めであって、その上端平面をねじ軸73の回動を規制するように構成されている。
図3および図5において、操作側のブラケット68の上端部には、U字状に形成された軸受81が固定されており、これとフレーム側の軸受82とに軸支された回転軸84は版見当調整用のアクチュエータとしての表側ひねり調整用モータ83によって回転駆動するように構成されており、この回転軸84のねじ部には、ラック85がガイド軸85aで回動を規制されて螺合している。上記した内メタル67の外周部には扇形状のセグメントギア86が固定されており、表側ひねり調整用モータ83を駆動することにより、回転軸84が回転しねじ作用によってラック85が移動しセグメントギア86が回動しこれと一体の内メタル67が回動するので、偏心t3の偏心作用で版胴12Aのひねり方向の見当調整が行われるように構成されている。
次に、この版見当調整装置40における天地方向の見当を調整する機構について説明する。
図2において、駆動側のブラケット47には、上方が開口する箱状に形成された軸受箱88が固定されており、これに軸支されたウォ−ム軸89には、上記したウォームホイール49と噛合するウォーム90が軸着されており、ウォーム軸89は版見当調整用のアクチュエータとしての表側天地調整用モータ91(図6参照)のモータ軸に接続されている。
したがって、表側天地調整用モータ91の駆動によってウォーム軸89が回動し、ウォーム90およびウォームホイール49を介してねじ軸53が回動すると、ねじ部53aのねじ作用でねじ軸53が軸方向へ移動する。ねじ軸53の軸方向への移動によって、これと軸方向に一体のカップリング56およびヘリカルギア61も軸方向に移動するので、ヘリカルギア61,64のはす歯作用により版胴12Aが円周方向へわずかに回動し、天地方向の見当が調整される。
次に、この版見当調整装置40における左右方向の見当を調整する機構について説明する。
上記した軸受箱78には、図5に示すように、版見当調整用のアクチュエータとしての表側左右調整用モータ93が固定されており、この表側左右調整用モータ93のモータ軸に接続されたウォーム軸94には、上記したウォームホイール49と噛合するウォーム95が一体に形成されている。したがって、左右調整モータ93によるウォームホイール49の回転によりねじ部73aの作用でねじ軸73が軸方向へ進退すると、これとカップリング部67aを介して軸方向へ一体の版胴12Aが軸方向に移動し左右の版見当が調整される。
次に、図6を用いて本発明の版見当調整装置40の構成について説明する。
同図において、96は見当調整入力手段としての表側調整値入力部であって、表面印刷ユニット3の版胴12Aないし12Dのひねり方向および天地方向ならびに左右方向の調整値が入力される。97は全ユニット調整ボタンであって、このボタンをONすることにより、各版胴12Aないし12Dの版見当調整装置40による調整動作が、後述する制御装置99によって所定のタイミングで開始される。
98は機械の回転位相を検出する回転位相検出手段としてのロータリエンコーダである。99は制御装置であって、全ユニット調整ボタン97がONすると、各版胴12Aないし12Dの版見当調整装置40に、ロータリエンコーダ98による検出値に基づき、調整動作の開始のタイミングの指令を送るとともに、上記した表側調整値入力部96に入力された調整値に基づき版胴12Aないし12Dの表側ひねり調整用モータ83および表側天地調整用モータ91ならびに表側左右調整用モータ93の動作量の指令を送る。
次に、図6および図7を用いて、このような構成の枚葉輪転印刷機の版見当調整装置による版見当調整動作について説明する。
予め、表面印刷ユニット3Aないし3D間の表面側の絵柄の見当調整を行う。すなわち、試し刷りされた印刷物から、各表面印刷ユニット3Aないし3Dの版胴12Aないし12Dにおけるひねり方向の調整値および天地方向の調整値ならびに左右方向の調整値を決定し、決定した調整値に応じて、各版胴12Aないし12Dの版見当調整装置40の表側ひねり調整用モータ83および表側天地調整用モータ91ならびに表側左右調整用モータ93の動作量の指令を送ることにより、各版胴12Aないし12Dの見当が調整され、表面印刷ユニット3Aないし3D間の見当調整を行う。
同様に、裏面印刷ユニット4Aないし4D間の裏面側の絵柄の見当調整を行う。すなわち、試し刷りされた印刷物から、各裏面印刷ユニット4Aないし4Dの版胴25Aないし25Dにおけるひねり方向の調整値および天地方向の調整値ならびに左右方向の調整値を決定し、決定した調整値に応じて、各版胴25Aないし25Dの版見当調整装置40の裏側ひねり調整用モータおよび裏側天地調整用モータならびに裏側左右調整用モータの動作量の指令を送ることにより、各版胴25Aないし25Dの見当が調整され、裏面印刷ユニット4Aないし4D間の見当調整を行う。
このように、表面印刷ユニット3Aないし3D間の表面側の絵柄の見当調整を行うとともに、裏面印刷ユニット4Aないし4D間の裏面側の絵柄の見当調整を行った後に、表面印刷ユニット3Aないし3Dによって印刷された表面側の絵柄を紙Pの中央へわずかな量だけずらす本発明の特徴である微調整の見当合わせの方法について説明する。
先ず、予め、表面印刷ユニット3Aないし3D間の表面側の絵柄の見当調整が行われた枚葉輪転印刷機によって印刷された印刷物から表面側の絵柄を紙Pの中央へずらす量、すなわち、版胴12Aないし12Dのひねり方向の調整値および天地方向の調整値ならびに左右方向の調整値を設定し、これら調整値を調整値入力部96に入力する。ここで設定する調整値は、既に表面印刷ユニット3Aないし3D間の表面側の絵柄の見当調整が終了しているので、表面印刷ユニット3Aないし3Dの各版胴12Aないし12Dにおいて同一の調整値となる。
このように設定した後、全ユニット調整ボタン97をONすると、図7(A)に示すように、9枚目の紙P9がスィング装置8の爪から渡し胴9のくわえ爪装置にくわえ替えられる。そして、この渡し胴9の切欠き部11が表面印刷ユニット3の1色目の印刷ユニット3Aの圧胴14Aの切欠き部19Aに対向を開始したことをロータリエンコーダ98が検出すると、制御装置99では、表面印刷ユニット3のうち、1色目の印刷ユニット3Aのみの版胴12Aの版見当調整装置40に調整動作の開始の指令を送る。
すなわち、制御装置99では、版胴12Aの版見当調整装置40における表側ひねり調整用モータ83および表側天地調整用モータ91ならびに表側左右調整用モータ93に、調整値入力部96に入力された調整値に基づいた所定の動作量の指令を送る。
この版見当調整装置40による見当調整は、版胴12Aの切欠き部15Aとゴム胴13Aの切欠き部17Aとが対向を開始し、同図(B)に示すように、版胴12Aの切欠き部15Aとゴム胴13Aの切欠き部17Aとが対向を終了する、同図(B)に示す状態までの間に終了する。
このように、版胴12Aの切欠き部15Aとゴム胴13Aの切欠き部17Aとが対向している間に、版見当調整装置40による見当調整を終了するようにしたことにより、版胴12Aとゴム胴13Aとの有効面間でスリップが起きないため、版胴12A上に形成されるインキの膜厚が変化するようなことがなく、また版面の耐久性が向上する。また、版見当調整装置40の各モータ83,91,93への負荷も軽減できるため、これらモータ83,91,93の出力を低減することができる。
1色目の印刷ユニット3Aの版胴12Aの見当調整が終了した同図(B)に示す状態においては、版胴12Aからゴム胴13Aの周面に見当調整済みの絵柄が転写し始めた状態であるため、既に、ゴム胴13Aと圧胴14Aとの間を通過し始めた8枚目の紙P8の表面には、見当調整済みの絵柄ではなく見当未調整の絵柄が印刷される。
一方、渡し胴9のくわえ爪装置から1色目の印刷ユニット3Aの圧胴14Aのくわえ爪装置にくわえ替えられた9枚目の紙P9の表面には、1色目の印刷ユニット3Aのゴム胴13Aと圧胴14Aとの間を通過するときに、見当調整済みの絵柄が印刷される。この9枚目の紙P9が裏面印刷ユニット4の1色目の圧胴27Aのくわえ爪装置にくわえ替えられ、この圧胴27Aとゴム胴26Aとの間を通過するときに裏面に1色目が印刷される。
次に、9枚目の紙P9を搬送する圧胴27Aの切欠き部32Aが、表面印刷ユニット3の2色目の印刷ユニット3Bの圧胴14Bの切欠き部19Bに対向を開始した状態を、ロータリエンコーダ98が検出すると、制御装置99では、表面印刷ユニット3のうち、2色目の印刷ユニット3Bの版胴12Bの版見当調整装置40に調整動作の開始の指令を送る。
以下、1色目の印刷ユニット3Aの版胴12Aの見当調整が開始された状態から、2色目の印刷ユニット3Bの版胴12Bの見当調整を開始するタイミングについて説明する。1色目の印刷ユニット3Aの版胴12Aの見当調整が開始された状態、すなわち渡し胴9の切欠き部11と圧胴14Aの切欠き部19Aが対向を開始した位置から渡し胴9のくわえ爪装置から圧胴14Aのくわえ爪装置に紙P9をくわえ替えるまでの渡し胴9の回転角度をθ1とするとθ1=90°となる。また、圧胴14Aのくわえ爪装置が渡し胴9のくわえ爪装置から紙P9をくわえ替えした位置から圧胴27Aのくわえ爪装置に紙P9をくわえ替えるまでの回転角度をθ2とすると、θ2=180°となる。ここで、圧胴14Aは倍径胴であるため、回転角度θ2を単胴である渡し胴9の機械角θ2′に換算すると、θ2′=2×θ2=360°となる。また、圧胴14Aのくわえ爪装置から圧胴27Aのくわえ爪装置に紙P9をくわえ替えした位置から圧胴27Aの切欠き部32Aと圧胴14Bの切欠き部19Bが対向を開始するまでの回転角度をθ3とすると、θ3=135°となる。ここで、圧胴27Aは倍径胴であるため、回転角度θ3を単胴である渡し胴9の機械角θ3′に換算すると、θ3′=2×θ3=270°となる。
したがって、1色目の印刷ユニット3Aの版胴12Aの見当調整が開始された状態から、2色目の印刷ユニット3Bの版胴12Bの見当を開始するまでの機械角θは、
θ=(θ1+θ2′+θ3′)=720°となる。
このとき、版胴12Bの切欠き部15Bとゴム胴13Bの切欠き部17Bとが対向を開始し、版胴12Bの切欠き部15Bとゴム胴13Bの切欠き部17Bとが対向を終了する同図(B)に示す状態までの間に、版見当調整装置40による見当調整が終了する。
このように、2色目の印刷ユニット3Bの版胴12Bの見当調整が終了した状態においては、ゴム胴13Bの周面に見当調整済みの絵柄が転写し始めた状態であるため、既に、ゴム胴13Bと圧胴14Bとの間を通過を開始した8枚目の紙P8の表面には見当未調整の絵柄が印刷される。一方、圧胴27Aのくわえ爪装置から2色目の印刷ユニット3Bの圧胴14Bのくわえ爪装置にくわえ替えられた9枚目の紙P9の表面には、2色目の印刷ユニット3Bのゴム胴13Bと圧胴14Bとの間を通過するときに、見当調整済みの絵柄が印刷される。
すなわち、紙搬送方向上流側の印刷ユニット3Aの版見当調整装置40は、紙P9に対して見当調整し印刷するとともに、紙搬送方向下流側の印刷ユニット3Bの版見当調整装置40は、紙搬送方向上流側の印刷ユニット3Aによる版見当調整で見当調整された紙P9より紙搬送搬送方向下流側の紙P1〜P8を除き、見当調整された紙P9に対して見当調整し印刷するように構成されている。
この9枚目の紙P9が裏面印刷ユニット4の2色目の圧胴27Bのくわえ爪装置にくわえ替えられ、この圧胴27Bとゴム胴26Bとの間を通過するときに裏面に2色目が印刷される。
この9枚目の紙P9を搬送する圧胴27Bの切欠き部32Bが、表面印刷ユニット3の3色目の印刷ユニット3Cの圧胴14Cの切欠き部19Cに対向を開始した状態を、ロータリエンコーダ98が検出すると、制御装置99では、表面印刷ユニット3のうち、3色目の印刷ユニット3Cの版胴12Cの版見当調整装置40に調整動作の開始の指令を送る。
以下、2色目の印刷ユニット3Bの版胴12Bの見当調整が開始された状態から、3色目の印刷ユニット3Cの版胴12Cの見当調整を開始するタイミングについて説明する。2色目の印刷ユニット3Bの版胴12Bの見当調整が開始された状態、すなわち圧胴27Aの切欠き部32Aと圧胴14Bの切欠き部19Bが対向を開始した位置から圧胴27Aのくわえ爪装置から圧胴14Bのくわえ爪装置に紙P9をくわえ替えるまでの回転角度をθ4とすると、θ4=45°となる。ここで、圧胴27Aは倍径胴であるため、回転角度θ4を単胴である渡し胴9の機械角θ4′に換算すると、θ4′=2×θ4=90°となる。また、圧胴14Bのくわえ爪装置が圧胴27Aのくわえ爪装置から紙P9をくわえ替えした位置から圧胴27Bのくわえ爪装置に紙P9をくわえ替えるまでの回転角度をθ5とすると、θ5=180°となる。ここで、圧胴14Bは倍径胴であるため、回転角度θ5を単胴である渡し胴9の機械角θ5′に換算すると、θ5′=2×θ5=360°となる。また、圧胴14Bのくわえ爪装置から圧胴27Bのくわえ爪装置に紙P9をくわえ替えした位置から圧胴27Bの切欠き部32Bと圧胴14Cの切欠き部19Cが対向を開始するまでの回転角度をθ6とすると、θ6=135°となる。ここで、圧胴27Bは倍径胴であるため、回転角度θ6を単胴である渡し胴9の機械角θ6′に換算すると、θ6′=2×θ6=270°となる。
したがって、2色目の印刷ユニット3Bの版胴12Bの見当調整が開始された状態から、3色目の印刷ユニット3Cの版胴12Cの見当を開始するまでの機械角θは、
θ=(θ4′+θ5′+θ6′)=720°となる。
このとき、3色目の印刷ユニット3Cの版胴12Cの切欠き部15Cとゴム胴13Cの切欠き部17Cとが対向を開始し、版胴12Cの切欠き部15Cとゴム胴13Cの切欠き部17Cとが対向を終了する同図(B)に示す状態までの間に、版見当調整装置40による見当調整が終了する。
このように、3色目の印刷ユニット3Cの版胴12Cの見当調整が終了した状態においては、ゴム胴13Cの周面に見当調整済みの絵柄が転写し始めた状態であるため、既に、ゴム胴13Cと圧胴14Cとの間を通過した8枚目の紙P8の表面には見当未調整の絵柄が印刷される。一方、圧胴27Bのくわえ爪装置から3色目の印刷ユニット3Cの圧胴14Cのくわえ爪装置にくわえ替えられた9枚目の紙P9の表面には、3色目の印刷ユニット3Cのゴム胴13Cと圧胴14Cとの間を通過するときに、見当調整済みの絵柄が印刷される。
この9枚目の紙P9が裏面印刷ユニット4の3色目の圧胴27Cのくわえ爪装置にくわえ替えられ、この圧胴27Cとゴム胴26Cとの間を通過するときに裏面に3色目が印刷される。
この9枚目の紙P9を搬送する圧胴27Cの切欠き部32Cが、表面印刷ユニット3の4色目の印刷ユニット3Dの圧胴14Dの切欠き部19Dに対向を開始した状態を、ロータリエンコーダ98が検出すると、制御装置99では、表面印刷ユニット3のうち、4色目の印刷ユニット3Dの版胴12Dの版見当調整装置40に調整動作の開始の指令を送る。
以下、3色目の印刷ユニット3Cの版胴12Cの見当調整が開始された状態から、4色目の印刷ユニット3Dの版胴12Dの見当調整を開始するタイミングについて説明する。3色目の印刷ユニット3Cの版胴12Cの見当調整が開始された状態、すなわち圧胴27Bの切欠き部32Bと圧胴14Cの切欠き部19Cが対向を開始した位置から圧胴27Bのくわえ爪装置から圧胴14Cのくわえ爪装置に紙P9をくわえ替えるまでの回転角度をθ7とすると、θ7=45°となる。ここで、圧胴27Bは倍径胴であるため、回転角度θ7を単胴である渡し胴9の機械角θ7′に換算すると、θ7′=2×θ7=90°となる。また、圧胴14Cのくわえ爪装置が圧胴27Bのくわえ爪装置から紙P9をくわえ替えした位置から圧胴27Cのくわえ爪装置に紙P9をくわえ替えるまでの回転角度をθ8とすると、θ8=180°となる。ここで、圧胴14Cは倍径胴であるため、回転角度θ8を単胴である渡し胴9の機械角θ8′に換算すると、θ8′=2×θ8=360°となる。また、圧胴14Cのくわえ爪装置から圧胴27Cのくわえ爪装置に紙P9をくわえ替えした位置から圧胴27Cの切欠き部32Cと圧胴14Dの切欠き部19Dが対向を開始するまでの回転角度をθ9とすると、θ9=135°となる。ここで、圧胴27Cは倍径胴であるため、回転角度θ9を単胴である渡し胴9の機械角θ9′に換算すると、θ9′=2×θ9=270°となる。
したがって、3色目の印刷ユニット3Cの版胴12Cの見当調整が開始された状態から、4色目の印刷ユニット3Dの版胴12Dの見当を開始するまでの機械角θは、
θ=(θ7′+θ8′+θ9′)=720°となる。
このとき、4色目の印刷ユニット3Dの版胴12Dの切欠き部15Dとゴム胴13Dの切欠き部17Dとが対向を開始し、版胴12Dの切欠き部15Dとゴム胴13Dの切欠き部17Dとが対向を終了する同図(B)に示す状態までの間に、版見当調整装置40による見当調整が終了する。
このように、4色目の印刷ユニット3Dの版胴12Dの見当調整が終了した状態においては、ゴム胴13Dの周面に見当調整済みの絵柄が転写し始めた状態であるため、既にゴム胴13Dと圧胴14Dとの間を通過した8枚目の紙P8の表面には見当未調整の絵柄が印刷される。一方、圧胴27Cのくわえ爪装置から4色目の印刷ユニット3Dの圧胴14Dのくわえ爪装置にくわえ替えられた9枚目の紙P9の表面には、4色目の印刷ユニット3Dのゴム胴13Dと圧胴14Dとの間を通過するときに、見当調整済みの絵柄が印刷される。
この9枚目の紙P9が裏面印刷ユニット4の4色目の圧胴27Dのくわえ爪装置にくわえ替えられ、この圧胴27Dとゴム胴26Dとの間を通過するときに裏面に4色目が印刷される。
このように、9枚目の紙P9の紙搬送方向下流側の紙P1〜P8については、4色の印刷ユニット3Aないし3Dによって全て見当未調整の絵柄が印刷されるため、4色の絵柄がずれることがないので、これらの印刷物が不良印刷となることがなく、損紙の発生を防止することができる。一方、8枚目の紙P8の上流側の紙P9の表面には、4色の印刷ユニット3Aないし3Dによって全て見当調整済みの絵柄が印刷される。なお、本実施の形態においては、裏面に対して表面の印刷見当を調整するようにしたが、表面に対して裏面の印刷見当を調整するようにしてもよい。
図8は上述した両面4色枚葉輪転印刷機における版見当調整装置の変形例の構成を説明するためのブロック図、図9は同じく動作を説明するための胴の配列図で、同図(A)は上流側の版胴の見当調整を開始したタイミングを示し、同図(B)は上流側の版胴の見当調整が終了したタイミングを示す。
この実施例は、表面側の4色の絵柄間の見当を調整するとともに、裏面側の4色の絵柄間の見当を調整した後に、表面側の絵柄と裏面側の絵柄とを共に中央へずらして、表面側の絵柄と裏面側の絵柄との間の見当合わせを行う場合を例示したものである。
図8に示すように、符号140で示す版見当調整装置には、上述した版見当調整装置40の構成に加えて、見当調整入力手段としての裏側調整値入力部101と、版見当調整用のアクチュエータとしての裏側ひねり調整用モータ102、裏側天地調整用モータ103、裏側左右調整用モータ104とが備えられている。裏側調整値入力部101には、裏面印刷ユニット4の版胴4Aないし4Dのひねり方向および天地方向ならびに左右方向の調整値が入力される。105は制御装置であって、全ユニット調整ボタン97をONすることにより、ロータリエンコーダ98による検出値に基づき、表面印刷ユニット3の各版胴3Aないし3Dおよび裏面印刷ユニット4の各版胴4Aないし4Dにおける版見当調整装置40による調整動作の開始の指令を送るとともに、上記した表側調整値入力部96に入力された調整値に基づき版胴12Aないし12Dの表側ひねり調整用モータ83および表側天地調整用モータ91ならびに表側左右調整用モータ93の動作量の指令を送り、かつ上記した裏側調整値入力部101に入力された調整値に基づき版胴25Aないし25Dの裏側ひねり調整用モータ102および裏側天地調整用モータ103ならびに裏側左右調整用モータ104の動作量の指令を送る。
次に、図8および図9を用いて、表面印刷ユニット3の各版胴3Aないし3Dおよび裏面印刷ユニット4の各版胴4Aないし4Dにおける版見当調整装置40による調整動作を説明する。
予め、上述した実施の形態と同様な方法で、表面印刷ユニット3Aないし3D間の表面側の絵柄の見当調整を行うとともに、裏面印刷ユニット4Aないし4D間の裏面側の見当調整を行う。
次に、表面印刷ユニット3Aないし3Dによって印刷された表面側の絵柄を紙Pの中央へわずかな量だけずらすとともに、裏面印刷ユニット4Aないし4Dによって印刷された裏面側の絵柄を紙Pの中央へわずかな量だけずらし、表面側の絵柄と裏面側の絵柄との見当合わせをする微調整の方法について説明する。
先ず、予め、表面印刷ユニット3Aないし3D間の表面側の絵柄の見当調整が行われ、かつ裏面印刷ユニット4Aないし4D間の裏面側の絵柄の見当調整が行われた枚葉輪転印刷機によって印刷された印刷物から表面側の絵柄を紙Pの中央へずらす量、すなわち、版胴12Aないし12Dのひねり方向の調整値および天地方向の調整値ならびに左右方向の調整値を設定し、これら調整値を表側調整値入力部96に入力する。同時に、裏面側の絵柄を紙Pの中央へずらす量、すなわち、版胴25Aないし25Dのひねり方向の調整値および天地方向の調整値ならびに左右方向の調整値を設定し、これら調整値を裏側調整値入力部101に入力する。
このように設定した後、全ユニット調整ボタン97をONすると、図9(A)に示すように、9枚目の紙P9がスィング装置8の爪から渡し胴9のくわえ爪装置にくわえ替えられる。そして、この渡し胴9の切欠き部11が表面印刷ユニット3の1色目の印刷ユニット3Aの圧胴14Aの切欠き部20Aに対向を開始したことをロータリエンコーダ98が検出すると、制御装置105では、表面印刷ユニット3のうち、1色目の印刷ユニット3Aのみの版胴12Aの版見当調整装置140に調整動作の開始の指令を送る。
すなわち、制御装置105では、版胴12Aの版見当調整装置40における表側ひねり調整用モータ83および表側天地調整用モータ91ならびに表側左右調整用モータ93に、調整値入力部96に入力された調整値に基づいた所定の動作量の指令を送る。
この版見当調整装置140による見当調整は、版胴12Aの切欠き部15Aとゴム胴13Aの切欠き部17Aとが対向を開始し、版胴12Aの切欠き部15Aとゴム胴13Aの切欠き部17Aとが対向を終了する同図(B)に示す状態までの間に終了する。
1色目の印刷ユニット3Aの版胴12Aの見当調整が終了した同図(B)に示す状態においては、版胴12Aからゴム胴13Aの周面に見当調整済みの絵柄が転写し始めた状態であるため、既にゴム胴13Aと圧胴14Aとの間を通過した8枚目の紙P8の表面には、見当調整済みの絵柄ではなく見当未調整の絵柄が印刷される。
一方、渡し胴9のくわえ爪装置から1色目の印刷ユニット3Aの圧胴14Aのくわえ爪装置にくわえ替えられた9枚目の紙P9の表面には、1色目の印刷ユニット3Aのゴム胴13Aと圧胴14Aとの間を通過するときに、見当調整済みの絵柄が印刷される。
次に、9枚目の紙P9を搬送する圧胴14Aの切欠き部20Aが、裏面印刷ユニット4の1色目の印刷ユニット4Aの圧胴27Aの切欠き部33Aに対向を開始した状態を、ロータリエンコーダ98が検出すると、制御装置105では、裏面印刷ユニット4のうち、1色目の印刷ユニット4Aの版胴25Aの版見当調整装置140に調整動作の開始の指令を送る。
以下、版見当調整装置140に調整動作の開始の指令を送るタイミングを説明する。表面の1色目の印刷ユニット3Aの版胴12Aの見当調整が開始された状態、すなわち渡し胴9の切欠き部11と圧胴14Aの切欠き部20Aが対向を開始した位置から渡し胴9のくわえ爪装置から圧胴14Aのくわえ爪装置に紙P9をくわえ替えるまでの渡し胴9の回転角度θ11は90°となり、機械回転角度も90°となる。次に、圧胴14Aのくわえ爪装置が渡し胴9のくわえ爪装置から紙P9をくわえ替えした位置から圧胴14Aの切欠き部20Aと圧胴27Aの切欠き部33Aが対向を開始するまでの回転角度θ12は135°となり、単胴の渡し胴9の回転角度に換算すると、機械回転角度は270°となる。したがって、表面の1色目の印刷ユニット3Aの版胴12Aの見当調整が開始された状態から、裏面の1色目の印刷ユニット4Aの版胴25Aの見当調整が開始するまでの機械回転角度は、360°となる。
このとき、版胴25Aの切欠き部28Aとゴム胴26Aの切欠き部30Aとが対向を開始し、版胴25Aの切欠き部28Aとゴム胴26Aの切欠き部30Aとが対向を終了するまでの間に、版見当調整装置140による見当調整が終了する。
このように、1色目の印刷ユニット4Aの版胴25Aの見当調整が終了した状態においては、ゴム胴26Aの周面に見当調整済みの絵柄が転写し始めた状態であるため、既にゴム胴26Aと圧胴27Aとの間を通過した8枚目の紙P8の裏面には見当未調整の絵柄が印刷される。一方、圧胴14Aのくわえ爪装置から1色目の印刷ユニット4Aの圧胴27Aのくわえ爪装置にくわえ替えられた9枚目の紙P9の裏面には、1色目の印刷ユニット4Aのゴム胴26Aと圧胴27Aとの間を通過するときに、見当調整済みの絵柄が印刷される。
次に、9枚目の紙P9を搬送する圧胴27Aの切欠き部33Aが、表面印刷ユニット3の2色目の印刷ユニット3Bの圧胴14Bの切欠20Bに対向を開始した状態を、ロータリエンコーダ98が検出すると、制御装置105では、表面印刷ユニット3のうち、2色目の印刷ユニット3Bの版胴12Bの版見当調整装置140に調整動作の開始の指令を送る。
以下、版見当調整装置140に調整動作の開始の指令を送るタイミングを説明する。1色目の印刷ユニット4Aの版胴25Aの見当調整が開始された状態、すなわち圧胴14Aの切欠き部19Aと圧胴27Aの切欠き部32Aが対向を開始した位置から圧胴14Aのくわえ爪装置から圧胴27Aのくわえ爪装置に紙P10をくわえ替えるまでの回転角度θ13は45°となり、単胴の渡し胴9の回転角度に換算すると、機械回転角度は90°となる。次いで、圧胴14Aのくわえ爪装置が圧胴27Aのくわえ爪装置から紙P10をくわえ替えした位置から圧胴27Aの切欠き部33Aと圧胴14Bの切欠き部20Bが対向を開始するまでの回転角度θ14は135°となり、単胴の渡し胴9の回転角度に換算すると、機械回転角度は270°となる。したがって、裏面の1色目の印刷ユニット4Aの版胴25Aの見当調整が開始された状態から、表面の2色目の印刷ユニット3Bの版胴12Bの見当調整が開始するまでの機械回転角度は360°となる。
このとき、版胴12Bの切欠き部15Bとゴム胴13Bの切欠き部17Bとが対向を開始し、版胴12Bの切欠き部15Bとゴム胴13Bの切欠き部17Bとが対向を終了するまでの間に、版見当調整装置140による見当調整が終了する。
このように、2色目の印刷ユニット3Bの版胴12Bの見当調整が終了した状態においては、ゴム胴13Bの周面に見当調整済みの絵柄が転写し始めた状態であるため、既にゴム胴13Bと圧胴14Bとの間を通過した8枚目の紙P8の表面には見当未調整の絵柄が印刷される。一方、圧胴27Aのくわえ爪装置から2色目の印刷ユニット3Bの圧胴14Bのくわえ爪装置にくわえ替えられた9枚目の紙P9の表面には、2色目の印刷ユニット3Bのゴム胴13Bと圧胴14Bとの間を通過するときに、見当調整済みの絵柄が印刷される。
次に、9枚目の紙P9を搬送する圧胴14Bの切欠き部19Bが、裏面印刷ユニット4の2色目の印刷ユニット4Bの圧胴27Bの切欠き部32Bに対向を開始した状態を、ロータリエンコーダ98が検出すると、制御装置105では、裏面印刷ユニット4のうち、2色目の印刷ユニット4Bの版胴25Bの版見当調整装置140に調整動作の開始の指令を送る。
以下、版見当調整装置140に調整動作の開始の指令を送るタイミングを説明する。
2色目の印刷ユニット3Bの版胴12Bの見当調整が開始された状態、すなわち圧胴27Aの切欠き部33Aと圧胴14Bの切欠き部20Bが対向を開始した位置から圧胴27Aのくわえ爪装置から圧胴14Bのくわえ爪装置に紙P10をくわえ替えるまでの回転角度θ15は45°となり、単胴の渡し胴9の回転角度に換算すると、機械回転角度は90°となる。次いで、圧胴27Aのくわえ爪装置が圧胴14Bのくわえ爪装置から紙P10をくわえ替えした位置から圧胴14Bの切欠き部19Bと圧胴27Bの切欠き部32Bが対向を開始するまでの回転角度θ16は135°となり、単胴の渡し胴9の回転角度に換算すると、機械回転角度は270°となる。したがって、表面の2色目の印刷ユニット3Bの版胴12Bの見当調整が開始された状態から、裏面の2色目の印刷ユニット4Bの版胴25Bの見当調整が開始するまでの機械回転角度は360°となる。
このとき、版胴25Bの切欠き部28Bとゴム胴26Bの切欠き部30Bとが対向を開始し、版胴25Bの切欠き部28Bとゴム胴26Bの切欠き部30Bとが対向を終了するまでの間に、版見当調整装置40による見当調整が終了する。
このように、2色目の印刷ユニット3Bの版胴25Bの見当調整が終了した状態においては、ゴム胴26Bの周面に見当調整済みの絵柄が転写し始めた状態であるため、既にゴム胴26Bと圧胴27Bとの間を通過した8枚目の紙P8の表面には見当未調整の絵柄が印刷される。一方、圧胴14Bのくわえ爪装置から2色目の印刷ユニット4Bの圧胴27Bのくわえ爪装置にくわえ替えられた9枚目の紙P9の表面には、2色目の印刷ユニット4Bのゴム胴26Bと圧胴27Bとの間を通過するときに、見当調整済みの絵柄が印刷される。
この後、2色目の印刷ユニット3Bの圧胴14Bが回転角度θ17(45°)だけ回転し、2色目の印刷ユニット4Bの圧胴27Bが回転角度θ18(135°)だけ回転し、機械が角度360°だけ回転したときに、3色目の印刷ユニット3Cの版胴12Cの見当調整装置140による見当調整が行われる。次いで、2色目の印刷ユニット4Bの圧胴27Bが回転角度θ19(45°)だけ回転し、3色目の印刷ユニット3Cの圧胴14Cが回転角度θ20(135°)だけ回転し、機械が角度360°だけ回転したときに、印刷ユニット4Cの版胴25Cの版胴25Cの見当調整装置140による見当調整が行われる。
次いで、3色目の印刷ユニット3Cの圧胴14Cが回転角度θ21(45°)だけ回転し、3色目の印刷ユニット4Cの圧胴27Cが回転角度θ22(135°)だけ回転し、機械が角度360°だけ回転したときに、4色目の印刷ユニット3Dの版胴12Dの見当調整装置140による見当調整が行われる。次いで、3色目の印刷ユニット4Cの圧胴27Cが回転角度θ23(45°)だけ回転し、4色目の印刷ユニット3Dの圧胴14Dが回転角度θ24(135°)だけ回転し、機械が角度360°だけ回転したときに、4色目の印刷ユニット4Dの版胴25Dの見当調整装置140の見当調整が順次行われる。この見当調整は、版胴12Cの切欠き部15Cとゴム胴13Cの切欠き部17C、版胴25Cの切欠き部28Cとゴム胴26Cの切欠き部30C、版胴12Dの切欠き部15Dとゴム胴13Dの切欠き部17D、版胴25Dの切欠き部28Dとゴム胴26Dの切欠き部30Dのそれぞれが対向している間に終了する。
また、ゴム胴13Cと圧胴14Cとの間、ゴム胴26Cと圧胴27Cとの間、ゴム胴13Dと圧胴14Dとの間、ゴム胴26Dと圧胴27Dとの間を通過した8枚目の紙P8の表・裏面には見当未調整の絵柄が印刷される。一方、ゴム胴13Cと圧胴14Cとの間、ゴム胴26Cと圧胴27Cとの間、ゴム胴13Dと圧胴14Dとの間、ゴム胴26Dと圧胴27Dとの間を通過した9枚目の紙P9の表・裏面には見当調整済みの絵柄が印刷される。
図10は本発明の第2の実施の形態を示す両面2色刷枚葉輪転印刷機の概略構成図である。
同図において、符号201で示す両面2色刷枚葉輪転印刷機は、給紙装置202と、1色目の印刷ユニット203と、2色目の印刷ユニット204と、排紙装置205とによって概略構成されている。1色目の印刷ユニット203には、周面にブランケットが巻かれた上下一対のゴム胴207,208が互いにブランケットを対接させて配設されており、このうち、印刷胴としての上側のゴム胴207には、渡し胴209が対向しくわえ爪装置が備えられている。
210は上側のゴム胴207に対向する表面印刷用の版胴、211は下側のゴム胴208に対向する裏面印刷用の版胴であって、これら版胴210,211には、上述した版見当調整装置140が備えられている。また、上側のゴム胴207と表面印刷用の版胴210の周面には、上述した第1の実施の形態に示した切欠き部と同様の互いに対向する切欠き部(図示せず)が設けられ、下側のゴム胴208と裏面印刷用の版胴211の周面には、上述した第1の実施の形態に示した切欠き部と同様の互いに対向する切欠き部(図示せず)が設けられている。
2色目の印刷ユニット204には、周面にブランケットが巻かれた上下一対のゴム胴213,214が互いにブランケットを対接させて配設されており、このうち、印刷胴としての上側のゴム胴213にはくわえ爪装置が備えられている。215は上側のゴム胴213に対向する表面印刷用の版胴、216は下側のゴム胴214に対向する裏面印刷用の版胴であって、これら版胴215,216には、上述した版見当調整装置140が備えられている。また、上側のゴム胴213と表面印刷用の版胴215の周面には、上述した第1の実施の形態に示した切欠き部と同様の互いに対向する切欠き部(図示せず)が設けられ、下側のゴム胴214と裏面印刷用の版胴216の周面には、上述した第1の実施の形態に示した切欠き部と同様の互いに対向する切欠き部(図示せず)が設けられている。
このような構成において、給紙装置202から図示を省略したサッカ装置によって1枚ずつフィーダボード218上に送り出された紙Pは、見当が揃えられた状態でスィング装置219の爪にくわえられ、スィング装置219が揺動することにより渡し胴209のくわえ爪装置にくわえ替えられる。渡し胴209のくわえ爪装置にくわえられた紙Pは、上側のゴム胴207のくわえ爪装置にくわえ替えられ、ゴム胴207によって搬送され、このゴム胴207と下側のゴム胴208との間を通過するときに表裏に1色目が印刷される。
表裏に1色目が印刷された紙Pは、1色目の上側のゴム胴207と2色目の上側のゴム胴213との間に介在する渡しローラ群220のくわえ爪装置に順次くわえ替えられ、2色目の上側のゴム胴213のくわえ爪装置にくわえ替えられる。上側のゴム胴213のくわえ爪装置にくわえ替えられた紙Pは、ゴム胴213によって搬送され、このゴム胴213と下側のゴム胴214との間を通過するときに表裏に2色目が印刷される。表裏に2色目が印刷された紙Pは、渡し胴221のくわえ爪装置にくわえ替えられ、さらに排紙チェーン222の排紙爪にくわえ替えられ排紙装置205に排紙される。
このように印刷されている最中に、上述した第1の実施の形態と同様に、紙Pの表面に印刷される表面側の絵柄と裏面に印刷される裏面側の絵柄とを共に、紙Pの中央へずらすには、表面側の絵柄を紙Pの中央へずらす量、すなわち、版胴210,215のひねり方向の調整値および天地方向の調整値ならびに左右方向の調整値を設定し、これら調整値を表側調整値入力部96に入力する。同時に、裏面側の絵柄を紙Pの中央へずらす量、すなわち、版胴211,216のひねり方向の調整値および天地方向の調整値ならびに左右方向の調整値を設定し、これら調整値を裏側調整値入力部101に入力する。
このように設定した後、全ユニット調整ボタン97をONすると、制御装置105では、ロータリエンコーダ98による機械の回転角の検出に基づき、渡し胴209によって搬送されてきた紙に対して、紙搬送方向上流側の1色目の印刷ユニット203の版胴210,211によって見当調整済みの絵柄が印刷されるように版見当調整装置140を制御する。同時に、制御装置105では、紙搬送方向下流側の2色目の印刷ユニット204の版胴215,216が、紙搬送方向上流側の1色目の印刷ユニット203の版胴210,211によって見当調整済みの絵柄が印刷され、搬送されてきた上記紙より紙搬送搬送方向下流側の紙を除き、上記紙に対して見当調整済みの絵柄を印刷するように版見当調整装置140を制御する。
このように、見当調整済みの絵柄が印刷される上流側の紙よりも紙搬送方向下流側の紙については、2色の印刷ユニット203,204によって見当未調整の絵柄が印刷されるため、2色の絵柄ずれることがないので、紙搬送方向下流側の印刷物が不良印刷となることがなく、損紙の発生を防止することができる。一方、上流側の紙には、2色の印刷ユニット203,204によって全て見当調整済みの絵柄が印刷される。
また、1色目の印刷ユニット203の版胴210の見当調整は、版胴210の切欠き部とゴム胴207の切欠き部とが対向している間に行われ、版胴211の見当調整は、版胴211の切欠き部とゴム胴208の切欠き部とが対向している間に行われる。同様に、2色目の印刷ユニット204の版胴215の見当調整は、版胴215の切欠き部とゴム胴213の切欠き部とが対向している間に行われ、版胴216の見当調整は、版胴216の切欠き部とゴム胴214の切欠き部とが対向している間に行われる。
図11は本発明の第3の実施の形態を示す両面2色刷枚葉輪転印刷機の概略構成図である。
同図において、符号301で示す反転機構付4色刷枚葉輪転印刷機は、給紙装置302と、4色の印刷ユニット303Aないし303Dからなる印刷ユニット303と、排紙装置304とによって概略構成されている。4色の印刷ユニット303Aないし303Dは、それぞれ版胴310A,310B,310C,310Dと、これと周面が対接するゴム胴311A,311B,311C,311Dと、これと周面が対接する圧胴312A,312B,312C,312Dとが備えられている。各版胴310Aないし310Dと各ゴム胴311Aないし311Dの周面には、上述した第1の実施の形態に示した切欠き部と同様の互いに対向する切欠き部(図示せず)が設けられ、各ゴム胴311Aないし311Dと各圧胴312Aないし312Dの周面には、上述した第1の実施の形態に示した切欠き部と同様の互いに対向する切欠き部(図示せず)が設けられている。
圧胴312Aと圧胴312Bとの間には渡し胴315が介在し、圧胴312Cと圧胴312Dとの間には渡し胴316が介在し、圧胴312Dと排紙装置304の排紙胴(図示せず)との間には渡し胴317が介在している。2色目の印刷ユニット303Bの圧胴312Bと3色目の印刷ユニット303Cの圧胴312Cとの間には、従来から広く知られている反転機構を備えた反転胴320が介在している。
この反転機構付4色刷枚葉輪転印刷機301においては、反転胴320の反転機構を非動作状態に設定することにより、給紙装置302から印刷ユニット303に給紙される紙の表面に4色の絵柄が印刷される片面刷りが行われ排紙装置304に排紙される。一方、反転胴320の反転機構を動作状態に設定することにより、印刷ユニット303A,303Bによって紙の表面に2色の絵柄が印刷され、反転胴320において紙の表裏が反転され、印刷ユニット303C,303Dによって紙の裏面にも2色の絵柄が印刷される両面刷りが行われ排紙装置304に排紙される。
このように両面刷りが行われている最中に、上述した第1の実施の形態と同様に、紙Pの表面に印刷される表面側の絵柄と裏面に印刷される裏面側の絵柄とを、共に紙Pの中央へずらすには、表面側の絵柄を紙Pの中央へずらす量、すなわち、1色目と2色目の版胴310A,310Bのひねり方向の調整値および天地方向の調整値ならびに左右方向の調整値を設定し、これら調整値を表側調整値入力部96に入力する。同時に、裏面側の絵柄を紙Pの中央へずらす量、すなわち、3色目と4色目の版胴310C,310Dのひねり方向の調整値および天地方向の調整値ならびに左右方向の調整値を設定し、これら調整値を裏側調整値入力部101に入力する。
このように設定した後、全ユニット調整ボタン97をONすると、制御装置105では、ロータリエンコーダ98による機械の回転角の検出に基づき、1色目の印刷ユニット303Aの圧胴312Aに搬送されてきた紙の表面に、紙搬送方向上流側の1色目の印刷ユニット303Aの版胴310Aによって見当調整済みの絵柄が印刷されるように版見当調整装置140を制御する。同時に、制御装置105では、紙搬送方向下流側の2色目の印刷ユニット303Bの版胴310Bが、紙搬送方向上流側の1色目の印刷ユニット303Aの版胴310Aによって見当調整済みの絵柄が印刷され、搬送されてきた上記紙より紙搬送搬送方向下流側の紙を除き、上記紙に対して見当調整済みの絵柄を印刷するように版見当調整装置140を制御する。
同様に、制御装置105では、ロータリエンコーダ98による機械の回転角の検出に基づき、反転胴320を介して3色目の印刷ユニット303Cの圧胴312Cに搬送されてきた紙の裏面に、紙搬送方向上流側の3色目の印刷ユニット303Cの版胴310Cによって見当調整済みの絵柄が印刷されるように版見当調整装置140を制御する。同時に、制御装置105では、紙搬送方向下流側の4色目の印刷ユニット303Dの版胴310Dによって、紙搬送方向上流側の3色目の印刷ユニット303Aの版胴310Aによって見当調整済みの絵柄が印刷され、搬送されてきた上記紙より紙搬送搬送方向下流側の紙を除き、上記紙に対して見当調整済みの絵柄を印刷するように版見当調整装置140を制御する。
このように、見当調整済みの絵柄が印刷される上流側の紙よりも紙搬送方向下流側の紙の表裏には、それぞれ2色の印刷ユニット303A,303Bおよび2色の印刷ユニット33C,303Dによって見当未調整の絵柄が印刷されるため、表裏の2色の絵柄がずれることがないので、紙搬送方向下流側の印刷物が不良印刷となることがなく、損紙の発生を防止することができる。一方、上流側の紙の表裏には、4色の印刷ユニット303Aないし303Dによって全て見当調整済みの絵柄が印刷される。
また、1色目の印刷ユニット303Aの版胴310Aの見当調整は、版胴310Aの切欠き部とゴム胴311Aの切欠き部とが対向している間に行われ、版胴303Bの見当調整は、版胴303Bの切欠き部とゴム胴311Bの切欠き部とが対向している間に行われる。同様に、3色目の印刷ユニット303Cの版胴310Cの見当調整は、版胴310Cの切欠き部とゴム胴311Cの切欠き部とが対向している間に行われ、版胴310Dの見当調整は、版胴310Dの切欠き部とゴム胴311Dの切欠き部とが対向している間に行われる。
図12は本発明の第4の実施の形態を示す複合多色刷枚葉輪転印刷機の要部の構成図である。
同図において、符号401で示す複合多色刷枚葉輪転印刷機は、周面に4個の有効面と切欠き部とが交互に形成された4倍径の印刷胴としての圧胴402を備えており、渡し胴403を介して給紙された紙がくわえ爪装置によってくわえられ、この圧胴402の周面に巻き付けられながら搬送される。405は圧胴402に周面が対接する4倍径のゴム胴であって、周面に4個の有効面と切欠き部とが交互に形成され有効面にブランケットが巻かれている。
このゴム胴405の周面には、このゴム胴405の回転方向上流側から4個の版胴406Aないし406Dが対接しており、これら版胴406Aないし406Dの径はゴム胴405の径の略1/4に形成され、これら版胴406Aないし406Dのそれぞれには、上述した版見当調整装置40が備えられている。各版胴406Aないし406Dとゴム胴405の周面には、上述した第1の実施の形態に示した切欠き部と同様の互いに対向する切欠き部(図示せず)が設けられている。408は周面に4個の有効面と切欠き部とが交互に形成された4倍径の凹版胴であって、凹状の画線部を有する4個の凹版が有効面に等間隔で装着されており、周面が圧胴402に対接している。
409は周面を凹版胴408に対接する3個のインキ着けローラであって、凹版胴408の略1/4の径に形成されている。410は洗浄液411に浸漬されたワイピングローラであって、周面が凹版胴408に対接し、凹版胴408の非画線部に着けられた余分なインキを拭き取る。413はスプロケット414と図示を省略したスプロケット間に張架された排紙チェーンであって、圧胴402のくわえ爪装置から紙を排紙爪にくわえ替えることにより、排紙チェーン413によって紙を搬送し排紙装置に排紙する。
このように構成されていることにより、給紙装置から給紙された紙は、渡し胴403を介して圧胴402のくわえ爪装置にくわえ替えられ、圧胴402とゴム胴405との間を通過するときに、4色のインキが印刷される。さらに、圧胴402によって搬送される紙は、圧胴402と凹版胴408との間を通過するときに3色のインキが印刷され、排紙チェーン413の排紙爪にくわえ替えられることにより、排紙チェーン413によって搬送され排紙装置に排紙される。
このように印刷が行われている最中に、4色の版胴406Aないし406Dによる絵柄を紙の中央へずらすには、絵柄を紙の中央へずらす量、すなわち、4色の版胴406Aないし406Dのひねり方向の調整値および天地方向の調整値ならびに左右方向の調整値を設定し、これら調整値を版見当調整装置40の表側調整値入力部96に入力する。
このように設定した後、全ユニット調整ボタン97をONすると、制御装置99では、見当調整済みの絵柄を印刷しようとする紙が、ゴム胴405と圧胴402との間を通過したときに、1色目の版胴406Aの見当調整済みの絵柄が印刷できるタイミングで、かつ版胴406Aとゴム胴405の互いの切欠き部が対向しているタイミングで版胴406Aの見当調整を行うように制御する。
次いで、2色目の版胴406Bでは、見当調整済みの絵柄を印刷しようとする紙の紙搬送方向下流側の紙を除き、見当調整済みの絵柄を印刷しようとする紙が、ゴム胴405と圧胴402との間を通過したときに、見当調整済みの2色目の絵柄が印刷できるタイミングで、かつ版胴406Bとゴム胴405の互いの切欠き部が対向しているタイミングで見当調整がされるように制御される。
また、3色目の版胴406Cでは、見当調整済みの絵柄を印刷しようとする紙の紙搬送方向下流側の紙を除き、見当調整済みの絵柄を印刷しようとする紙が、ゴム胴405と圧胴402との間を通過したときに、見当調整済みの3色目の絵柄が印刷できるタイミングで、かつ版胴406Cとゴム胴405の互いの切欠き部が対向しているタイミングで見当調整がされるように制御される。
さらに、4色目の版胴406Dでは、見当調整済みの絵柄を印刷しようとする紙の紙搬送方向下流側の紙を除き、見当調整済みの絵柄を印刷しようとする紙が、ゴム胴405と圧胴402との間を通過したときに、見当調整済みの4色目の絵柄が印刷できるタイミングで、かつ版胴406Dとゴム胴405の互いの切欠き部が対向しているタイミングで見当調整がされるように制御される。
このように、見当調整済みの絵柄が印刷される上流側の紙よりも紙搬送方向下流側の紙には、4色の版胴406Aないし406Dによってすべて見当未調整の4色の絵柄が印刷されるため、4色の絵柄がずれることがないので、紙搬送方向下流側の印刷物が不良印刷となることがなく、損紙の発生を防止することができる。一方、上流側の紙には、4色の印刷ユニット406Aないし406Dによって全て見当調整済みの絵柄が印刷される。
図13は本発明の第5の実施の形態を示す両面多色刷枚葉輪転印刷機の要部の構成図である。
同図において、符号501で示す両面多色刷枚葉輪転印刷機は、互いに周面を対接させる一対の集合ゴム胴502,503を備え、印刷胴としての集合ゴム胴502には紙をくわえる複数のくわえ爪装置が設けられているとともに、見当調整装置40を備えた4つの版胴504Aないし504Dが対接している。各版胴504Aないし504Dと集合ゴム胴502の周面には、上述した第1の実施の形態に示した切欠き部と同様の互いに対向する切欠き部(図示せず)が設けられている。集合ゴム胴503の周面には、版胴510,511およびザンメル集合版胴512が対接し、このザンメル集合版胴512の周面にはザンメル集合ゴム胴513が対接し、このザンメル集合ゴム胴513の周面には3つのザンメルパターン版胴514が対接している。
このように構成されていることにより、給紙装置から給紙された紙が渡し胴521を介して集合ゴム胴502のくわえ爪装置にくわえ替えられ、集合ゴム胴502と集合ゴム胴503との間を通過するときに、表面に4色のオフセット印刷が行われ、裏面に2色のオフセット印刷と3色のザンメル印刷が行われる。集合ゴム胴502と集合ゴム胴503との間を通過した紙は、渡し胴523のくわえ爪装置にくわえ替えられ、次いで排紙チェーン523の排紙爪にくわえ替えられ、排紙チェーン523によって搬送された後排紙装置に排紙される。
このように印刷が行われている最中に、4色の版胴504Aないし504Dによる絵柄を紙の中央へずらすには、絵柄を紙の中央へずらす量、すなわち、4色の版胴504Aないし504Dのひねり方向の調整値および天地方向の調整値ならびに左右方向の調整値を設定し、これら調整値を版見当調整装置40の表側調整値入力部96に入力する。
このように設定した後、全ユニット調整ボタン97をONすると、制御装置99では、見当調整済みの絵柄を印刷しようとする紙が、集合ゴム胴502と集合ゴム胴503との間を通過したときに、1色目の版胴504Aの見当調整済みの絵柄が印刷できるタイミングで、かつ版胴504Aと集合ゴム胴502の互いの切欠き部が対向しているタイミングで1色目の版胴504Aの見当調整を行うように制御する。
次いで、2色目の版胴504Bでは、見当調整済みの絵柄を印刷しようとする紙の紙搬送方向下流側の紙を除き、見当調整済みの絵柄を印刷しようとする紙が、集合ゴム胴502と集合ゴム胴503との間を通過したときに、見当調整済みの2色目の絵柄が印刷できるタイミングで、かつ版胴504Bと集合ゴム胴502の互いの切欠き部が対向しているタイミングで見当調整がされるように制御される。
また、3色目の版胴504Cでは、見当調整済みの絵柄を印刷しようとする紙の紙搬送方向下流側の紙を除き、見当調整済みの絵柄を印刷しようとする紙が、集合ゴム胴502と集合ゴム胴503との間を通過したときに、見当調整済みの3色目の絵柄が印刷できるタイミングで、かつ版胴504Cと集合ゴム胴502の互いの切欠き部が対向しているタイミングで見当調整がされるように制御される。
さらに、4色目の版胴504Dでは、見当調整済みの絵柄を印刷しようとする紙の紙搬送方向下流側の紙を除き、見当調整済みの絵柄を印刷しようとする紙が、集合ゴム胴502と集合ゴム胴503との間を通過したときに、見当調整済みの4色目の絵柄が印刷できるタイミングで、かつ版胴504Dと集合ゴム胴502の互いの切欠き部が対向しているタイミングで見当調整がされるように制御される。
このように、見当調整済みの絵柄が印刷される上流側の紙よりも紙搬送方向下流側の紙には、4色の版胴504Aないし504Dによってすべて見当未調整の4色の絵柄が印刷されるため、4色の絵柄がずれることがないので、紙搬送方向下流側の印刷物が不良印刷となることがなく、損紙の発生を防止することができる。一方、上流側の紙には、4色の印刷ユニット504Aないし504Dによって全て見当調整済みの絵柄が印刷される。
図14は本発明の第6の実施の形態を示す多色刷枚葉輪転印刷機の概略構成図である。
同図において、符号601で示す多色刷枚葉輪転印刷機は、給紙装置602と、2色の印刷ユニット603A,603Bからなる印刷ユニット603と、排紙装置604とによって概略構成されている。1色目の印刷ユニット603Aには、版見当調整装置40を備えた版胴610Aとこれと周面が対接するゴム胴611Aとが備えられ、2色目の印刷ユニット603Bには、版見当調整装置40を備えた版胴610Bとこれと周面が対接するゴム胴611Bとが備えられており、ゴム胴611Aとゴム胴611Bとの間には両胴と周面が対接する印刷胴としての圧胴612が設けられている。版胴610Aとゴム胴611Aの周面には、上述した第1の実施の形態に示した切欠き部と同様の互いに対向する切欠き部(図示せず)が設けられており、版胴610Bとゴム胴611Bの周面には、上述した第1の実施の形態に示した切欠き部と同様の互いに対向する切欠き部(図示せず)が設けられている。
このような構成において、給紙装置602から図示を省略したサッカー装置によってフィーダボード615に1枚ずつ送り出された紙は、渡し胴616を介して圧胴612のくわえ爪装置にくわえ替えられ、圧胴612によって搬送される。圧胴612によって搬送される紙が、圧胴612とゴム胴611Aとの間を通過するときに1色目が印刷され、圧胴612とゴム胴611Bとの間を通過するときに2色目が印刷され、排紙チェーン617の排紙爪にくわえ替えられ、排紙チェーン617によって搬送されることにより排紙装置604に排紙される。
このように印刷が行われている最中に、上述した第1の実施の形態と同様に、紙の表面に印刷される絵柄を紙の中央へずらすには、絵柄を紙の中央へずらす量、すなわち、2色の版胴610A,610Bのひねり方向の調整値および天地方向の調整値ならびに左右方向の調整値を設定し、これら調整値を版見当調整装置40の表側調整値入力部96に入力する。
このように設定した後、全ユニット調整ボタン97をONすると、制御装置99では、見当調整済みの絵柄を印刷しようとする紙が、圧胴612と1色目のゴム胴611Aとの間を通過したときに、1色目の版胴610Aの見当調整済みの絵柄が印刷できるタイミングで、かつ版胴610Aとゴム胴611Aの互いの切欠き部が対向しているタイミングで1色目の版胴610Aの見当調整を行うように制御する。
次いで、2色目の版胴610Bでは、見当調整済みの絵柄を印刷しようとする紙の紙搬送方向下流側の紙を除き、見当調整済みの絵柄を印刷しようとする紙が、圧胴612と2色目のゴム胴611Bとの間を通過したときに、見当調整済みの2色目の絵柄が印刷できるタイミングで、かつ版胴610Bとゴム胴611Bの互いの切欠き部が対向しているタイミングで見当調整がされるように制御される。
このように、見当調整済みの絵柄が印刷される上流側の紙よりも紙搬送方向下流側の紙には、2色の印刷ユニット603A,603Bによってすべて見当未調整の2色の絵柄が印刷されるため、2色の絵柄がずれることがないので、紙搬送方向下流側の印刷物が不良印刷となることがなく、損紙の発生を防止することができる。一方、上流側の紙には、2色の印刷ユニット603A,603Bによって全て見当調整済みの絵柄が印刷される。
図15は本発明の第7の実施の形態を示す多色刷枚葉輪転印刷機の概略構成図である。
同図において、符号701で示す多色刷枚葉輪転印刷機は、1つの印刷胴としての圧胴702と、この圧胴702に周面が対接する第1のゴム胴703および第2のゴム胴704と、第1のゴム胴703に周面が対接する1色目の版胴705Aおよび2色目の版胴705Bと、第2のゴム胴704に周面が対接する3色目の版胴706Aおよび4色目の版胴706Bならびに5色目の版胴706Cとによって概略構成されている。各版胴705Aおよび705Bと第1のゴム胴703の周面には、上述した第1の実施の形態に示した切欠き部と同様の互いに対向する切欠き部(図示せず)が設けられ、第1のゴム胴703と圧胴702の周面には、上述した第1の実施の形態に示した切欠き部と同様の互いに対向する切欠き部(図示せず)が設けられている。各版胴706Aないし706Cと第2のゴム胴704の周面には、上述した第1の実施の形態に示した切欠き部と同様の互いに対向する切欠き部(図示せず)が設けられ、第2のゴム胴704と圧胴702の周面には、上述した第1の実施の形態に示した切欠き部と同様の互いに対向する切欠き部(図示せず)が設けられている。版胴705Aおよび版胴705Bと、版胴706Aおよび版胴706Bならびに版胴706Cとには、上述した版見当調整装置40が備えられている。
このような構成において、給紙装置から渡し胴群707を介して圧胴702のくわえ爪装置にくわえ替えられた紙は、圧胴702によって搬送され、圧胴702と第1のゴム胴703との間を通過するときに2色が印刷され、圧胴702と第2のゴム胴704との間を通過するときに3色が印刷され、渡し胴群708を介して排紙装置側に搬送される。
このように印刷が行われている最中に、上述した第1の実施の形態と同様に、紙の表面に印刷される絵柄を紙の中央へずらすには、絵柄を紙の中央へずらす量、すなわち、2色の版胴705A,705Bおよび版胴706Aないし706Cのひねり方向の調整値および天地方向の調整値ならびに左右方向の調整値を設定し、これら調整値を版見当調整装置40の表側調整値入力部96に入力する。
このように設定した後、全ユニット調整ボタン97をONすると、制御装置99では、見当調整済みの絵柄を印刷しようとする紙が、圧胴702と第1のゴム胴703との間を通過したときに、1色目の版胴705Aの見当調整済みの絵柄が印刷できるタイミングで、かつ版胴705Aと第1のゴム胴703の互いの切欠き部が対向しているタイミングで1色目の版胴705Aの見当調整を行うように制御する。
次いで、2色目の版胴705Bでは、見当調整済みの絵柄を印刷しようとする紙の紙搬送方向下流側の紙を除き、見当調整済みの絵柄を印刷しようとする紙が、圧胴702と第1のゴム胴703との間を通過したときに、見当調整済みの2色目の絵柄が印刷できるタイミングで、かつ版胴705Bと第1のゴム胴703の互いの切欠き部が対向しているタイミングで見当調整がされるように制御される。
また、3色目の版胴706Aでは、見当調整済みの絵柄を印刷しようとする紙の紙搬送方向下流側の紙を除き、見当調整済みの絵柄を印刷しようとする紙が、圧胴702と第2のゴム胴704との間を通過したときに、見当調整済みの3色目の絵柄が印刷できるタイミングで、かつ版胴706Aと第2のゴム胴704の互いの切欠き部が対向しているタイミングで見当調整がされるように制御される。
さらに、4色目の版胴706Bでは、見当調整済みの絵柄を印刷しようとする紙の紙搬送方向下流側の紙を除き、見当調整済みの絵柄を印刷しようとする紙が、圧胴702と第2のゴム胴704との間を通過したときに、見当調整済みの4色目の絵柄が印刷できるタイミングで、かつ版胴706Bと第2のゴム胴704の互いの切欠き部が対向しているタイミングで見当調整がされるように制御される。
また、5色目の版胴706Cでは、見当調整済みの絵柄を印刷しようとする紙の紙搬送方向下流側の紙を除き、見当調整済みの絵柄を印刷しようとする紙が、圧胴702と第2のゴム胴704との間を通過したときに、見当調整済みの5色目の絵柄が印刷できるタイミングで、かつ版胴706Cと第2のゴム胴704の互いの切欠き部が対向しているタイミングで見当調整がされるように制御される。
このように、見当調整済みの絵柄が印刷される上流側の紙よりも紙搬送方向下流側の紙には、5色の印刷ユニット705A,705B,706Aないし706Cによってすべて見当未調整の5色の絵柄が印刷されるため、5色の絵柄がずれることがないので、紙搬送方向下流側の印刷物が不良印刷となることがなく、損紙の発生を防止することができる。一方、上流側の紙には、5色の印刷ユニット705A,705B,706Aないし706Cによって全て見当調整済みの絵柄が印刷される。
図16は本発明の第8の実施の形態を示す両面多色刷枚葉輪転印刷機の概略構成図である。
同図において、符号801で示す両面多色刷枚葉輪転印刷機は、給紙装置802と、4つの印刷ユニット803Aないし803Dからなる印刷ユニット803と、排紙装置804とによって概略構成されている。各印刷ユニット803Aないし803Dには、印刷胴としての圧胴810Aないし810Dと、これと周面を対接し上述した版見当調整装置140を備えた版胴811Aないし811Dとが備えられている。各版胴811Aないし811Dと各圧胴810Aないし810Dの周面には、上述した第1の実施の形態に示した切欠き部と同様の互いに対向する切欠き部(図示せず)が設けられている。
このような構成において、給紙装置802から給紙された紙は渡し胴815を介して、1色目の印刷ユニット803Aの圧胴810Aのくわえ爪装置にくわえ替えられ搬送され、圧胴810Aと版胴811Aとの間を通過するときに表面に1色目が印刷される。渡し胴816を介して2色目の印刷ユニット803Bの圧胴810Bのくわえ爪装置にくわえ替えられ搬送される紙は、圧胴810Bと版胴811Bとの間を通過するときに表面に2色目が印刷される。
渡し胴817を介して3色目の印刷ユニット803Cの圧胴810Cのくわえ爪装置にくわえ替えられ搬送される紙は、圧胴810Cと版胴811Cとの間を通過するときに表面に3色目が印刷される。渡し胴818を介して4色目の印刷ユニット803Dの圧胴810Dのくわえ爪装置にくわえ替えられ搬送される紙は、圧胴810Dと版胴811Dとの間を通過するときに表面に4色目が印刷される。排紙チェーン819の排紙爪にくわえ替えられ搬送されることにより排紙装置804に排紙される。
このように印刷が行われている最中に、4色の版胴811Aないし811Dによる絵柄を紙の中央へずらすには、絵柄を紙の中央へずらす量、すなわち、4色の版胴811Aないし811Dのひねり方向の調整値および天地方向の調整値ならびに左右方向の調整値を設定し、これら調整値を版見当調整装置40の表側調整値入力部96に入力する。
このように設定した後、全ユニット調整ボタン97をONすると、制御装置105では、見当調整済みの絵柄を印刷しようとする紙が、圧胴810Aと版胴811Aとの間を通過したときに、版胴811Aの見当調整済みの絵柄が印刷できるタイミングで、かつ圧胴810Aと版胴811Aの互いの切欠き部が対向しているタイミングで版胴811Aの見当調整を行うように制御する。
次いで、2色目の印刷ユニット803Bの版胴811Bでは、見当調整済みの絵柄を印刷しようとする紙の紙搬送方向下流側の紙を除き、見当調整済みの絵柄を印刷しようとする紙が、圧胴810Bと版胴811Bとの間を通過したときに、見当調整済みの絵柄が印刷できるタイミングで、かつ圧胴810Bと版胴811Bの互いの切欠き部が対向しているタイミングで見当調整がされるように制御される。
また、3色目の印刷ユニット803Cの版胴811Cでは、見当調整済みの絵柄を印刷しようとする紙の紙搬送方向下流側の紙を除き、見当調整済みの絵柄を印刷しようとする紙が、圧胴810Cと版胴811Cとの間を通過したときに、見当調整済みの絵柄が印刷できるタイミングで、かつ圧胴810Cと版胴811Cの互いの切欠き部が対向しているタイミングで見当調整がされるように制御される。
さらに、4色目の印刷ユニット803Dの版胴811Dでは、見当調整済みの絵柄を印刷しようとする紙の紙搬送方向下流側の紙を除き、見当調整済みの絵柄を印刷しようとする紙が、圧胴810Dと版胴811Dとの間を通過したときに、見当調整済みの絵柄が印刷できるタイミングで、かつ圧胴810Dと版胴811Dの互いの切欠き部が対向しているタイミングで見当調整がされるように制御される。
このように、見当調整済みの絵柄が印刷される上流側の紙よりも紙搬送方向下流側の紙には、4色の印刷ユニット803Aないし803Dによってすべて見当未調整の4色の絵柄が印刷されるため、4色の絵柄がずれることがないので、紙搬送方向下流側の印刷物が不良印刷となることがなく、損紙の発生を防止することができる。一方、上流側の紙には、4色の印刷ユニット803Aないし803Dによって全て見当調整済みの絵柄が印刷される。
図17は本発明の第9の実施の形態を示す多色刷枚葉輪転印刷機の概略構成図である。
同図において、符号901で示す多色刷枚葉輪転印刷機は、給紙装置902と、印刷部903と、排紙装置904とによって概略構成されており、印刷部903には印刷胴としての圧胴905と、この圧胴905と周面を対接し、上述した版見当調整装置40を備えた3つの版胴906,907,908とが備えられている。各版胴906ないし908と圧胴905の周面には、上述した第1の実施の形態に示した切欠き部と同様の互いに対向する切欠き部(図示せず)が設けられている。
このような構成において、給紙装置902から渡しローラ群905を介して圧胴905のくわえ爪装置にくわえ替えられた紙は、圧胴905によって搬送され圧胴905と版胴906との間を通過するとき1色目が印刷され、圧胴905と版胴907の間を通過するとき2色目が印刷され、圧胴905と版胴908の間を通過するとき3色目が印刷される。印刷部903で印刷が終了した紙は、排紙チェーン910の排紙爪にくわえ替えられ、排紙チェーン910によって搬送され排紙装置904に排紙される。
このように印刷が行われている最中に、上述した第1の実施の形態と同様に、紙の表面に印刷される絵柄を紙の中央へずらすには、絵柄を紙の中央へずらす量、すなわち、3色の版胴906,907,908のひねり方向の調整値および天地方向の調整値ならびに左右方向の調整値を設定し、これら調整値を版見当調整装置40の表側調整値入力部96に入力する。
このように設定した後、全ユニット調整ボタン97をONすると、制御装置99では、見当調整済みの絵柄を印刷しようとする紙が、圧胴905と版胴906との間を通過したときに、1色目の版胴906の見当調整済みの絵柄が印刷できるタイミングで、かつ圧胴905と版胴906との互いの切欠き部が対向しているタイミングで1色目の版胴906の見当調整を行うように制御する。
次いで、2色目の版胴907では、見当調整済みの絵柄を印刷しようとする紙の紙搬送方向下流側の紙を除き、見当調整済みの絵柄を印刷しようとする紙が、圧胴905と2色目の版胴907との間を通過したときに、見当調整済みの2色目の絵柄が印刷できるタイミングで、かつ圧胴905と2色目の版胴907との互いの切欠き部が対向しているタイミングで見当調整がされるように制御される。
また、3色目の版胴908では、見当調整済みの絵柄を印刷しようとする紙の紙搬送方向下流側の紙を除き、見当調整済みの絵柄を印刷しようとする紙が、圧胴905と3色目の版胴908との間を通過したときに、見当調整済みの3色目の絵柄が印刷できるタイミングで、かつ圧胴905と3色目の版胴908との互いの切欠き部が対向しているタイミングで見当調整がされるように制御される。
このように、見当調整済みの絵柄が印刷される上流側の紙よりも紙搬送方向下流側の紙には、3色の版胴906,907,908によってすべて見当未調整の3色の絵柄が印刷されるため、3色の絵柄がずれることがないので、紙搬送方向下流側の印刷物が不良印刷となることがなく、損紙の発生を防止することができる。一方、上流側の紙には、3色の版胴906,907,908によって全て見当調整済みの絵柄が印刷される。
なお、本実施の形態においては、シート状物として紙を例示したが、ビニールまたはシート状のフィルムでもよい。また、本実施の形態においては、複数の版胴の見当調整を開始するための全ユニット調整ボタン97を備えた例を開示したが、表面全ユニット調整ボタンと裏面全ユニット調整ボタンとをそれぞれ備えるようにしてもよい。
1…両面枚葉輪転印刷機、3Aないし3D…表面印刷ユニット、4Aないし4D…裏面印刷ユニット、12Aないし12D…版胴、13Aないし13D…ゴム胴、14Aないし14D…圧胴(印刷胴)、15Aないし15D…切欠き部、17Aないし17D…切欠き部、19Aないし19D,20Aないし20D…切欠き部、25Aないし25D…版胴、26Aないし26D…ゴム胴、27Aないし27D…圧胴(印刷胴)、28Aないし28D…切欠き部、30Aないし30D…切欠き部、32Aないし32D,33Aないし33D…切欠き部、40…版見当調整装置、83…表側ひねり調整用モータ、91…表側天地調整用モータ、93…表側左右調整用モータ、96…表側調整値入力部、97…全ユニット調整ボタン、98…ロータリエンコーダ、99,105…制御装置、101…裏側調整値入力部、102…裏側ひねり調整用モータ、103…裏側天地調整用モータ、104…裏側左右調整用モータ、201…両面2色刷枚葉輪転印刷機、207,208,213,214…ゴム胴、210,211,215,216…版胴、301…反転機構付枚葉輪転印刷機、310Aないし31D…版胴、301…反転機構付枚葉輪転印刷機、310Aないし310D…版胴、401…複合多色刷枚葉輪転印刷機、406Aないし406D…版胴、501…両面多色刷枚葉輪転印刷機、504Aないし504D…版胴、601…多色刷枚葉輪転印刷機、610A,610B…版胴、701…多色刷枚葉輪転印刷機、705A,705B…版胴、706Aないし706C…版胴、801…両面多色刷枚葉輪転印刷機、811Aないし811D…版胴、901…多色刷枚葉輪転印刷機、906,907,908…版胴。