JP4704592B2 - プラスチックキャップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、キャップ本体に橋絡部を介して周状バンドが接続され、開封に際して周状バンドが切り離されることにより開封明示機能(タンパーエビデント性)が達成されるキャップに関するもので、より詳細には周状バンドの容器口部への係止が両者のラチェットを介して行われるキャップにおいて、開栓トルクを低減させ、易開栓性を向上させるための改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
周状バンドの切り離しによる開封明示機能(タンパーエビデント性)を利用するプラスチックキャップは本日では一般的であり、このキャップにおける周状バンドの係止乃至固定には、前述したラチェット方式の他に、周状バンドに設けられたフラップ片を上方に折り返した状態で容器首部のあごの下に係合させる方式、周状バンドに設けれたフィンを径内方且つ斜め方向に突出した状態で容器首部のあごの下に係合させる方式などが知られている。
【0003】
これらの方式の内でも、ラチェット方式では、容器首部のラチェット爪と周状バンドの内側のラチェット片との周方向の係合によって周状バンドの容器口部に対する固定が行われるので、橋絡部を破断するのに必要な垂直方向へのストロークが比較的短くて済むという利点を有する。
【0004】
特許第2907064号公報には、天面壁を有し該天面壁の周縁から筒部が延出されてなるキャップ本体と、前記筒部の延出端から複数個のブリッジを介して垂下する筒状のスカート壁を有するピルファープルーフ特性を備えたキャップにおいて、前記スカート壁の前記ブリッジ側の端部と前記筒部の前記端部と対向する部位に、キャップを開封するときに互いに摺動し前記スカート壁と前記キャップ本体の各々を互いに離間する方向へガイドする傾斜面を備えたカムを設けると共に、少なくとも前記スカート壁に形成されたカムの傾斜面と反対側の面が略鉛直方向に延出された鉛直面とされており、かつ、前記ブリッジの内の少なくとも一つは前記スカート壁側に脆弱部を有しておりキャップを開封する際に前記脆弱部で破断され、前記鉛直面と対向する位置に至るように構成されていることを特徴とするピルファープルーフ特性を備えたキャップが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記タイプのキャップにおけるカムの傾斜面は、キャップを開栓するとき、互いに係合してキャップ本体と筒状スカート壁(バンド)とを離隔させるものであるが、公知のこの種のキャップでは、開栓開始時のブリッジ切断トルクが例えば14kgf・cmと大きな値を示す場合が多く、易開栓性の点で一層の改善が望まれている。
【0006】
従って、本発明の目的は、ラチェット方式のタンパーエビデントキャップにおいて、開栓時におけるブリッジ切断トルクを低減させ、易開栓性を向上させたキャップを提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、頂板部とその周縁部から垂下したスカート状側壁とから成るキャップ本体と、スカート状側壁の下端に破断可能な橋絡部を介して連結されている周状バンドとから構成され、該周状バンドの内面には容器首部のラチェット爪と係合し得るラチェット片が周方向に間隔をおいて複数形成されており、周状バンドの上端面及びスカート状側壁の下端面の一方には突起部が形成され、周状バンドの上端面及びスカート状側壁の下端面の他方には前記突起部に対応する凹部が形成されており、前記突起部及び凹部は閉栓方向には直立面乃至急斜面同士で係合し且つ開栓方向には緩斜面同士で係合するようにされたプラスチックキャップにおいて、前記突起部及び凹部の緩斜面同士の距離(D)と、前記突起部及び凹部の直立面乃至急斜面同士の距離(d)の比(D/d)の比が1.3乃至2.5の範囲、前記突起部及び凹部の緩斜面の傾斜角度(θ)が10乃至25度の範囲にあることを特徴とするプラスチックキャップが提供される。
前記突起部及び凹部の緩斜面同士が係合する移動距離(L)と、前記突起部及び凹部の直立面乃至急斜面同士が係合する移動距離(l)との比(L/l)が5.5乃至10.0の範囲にあることが好ましい。
【0008】
【発明の実施形態】
本発明のキャップは、頂板部とその周縁部から垂下したスカート状側壁とから成るキャップ本体と、スカート状側壁の下端に破断可能な橋絡部(以下ブリッジとも呼ぶ)を介して連結されている周状バンドとから構成され、該周状バンドの内面には容器首部のラチェット爪と係合し得るラチェット片が周方向に間隔をおいて複数形成されており、周状バンドの上端面及びスカート状側壁の下端面の一方には突起部が形成され、周状バンドの上端面及びスカート状側壁の下端面の他方には前記突起部に対応する凹部が形成されており、前記突起部及び凹部は閉栓方向には直立面乃至急斜面同士で係合し且つ開栓方向には緩斜面同士で係合するようにされているが、前記突起部及び凹部の緩斜面同士の距離(D)を、前記突起部及び凹部の直立面乃至急斜面同士の距離(d)よりも大きく設定したことが特徴である。
【0009】
容器首部に設けられたラチェット爪及び周状バンド内面のラチェット片は、開栓の際互いに係合して周状バンドの回転を阻止して、周状バンドの容器首部への固定を行うものである。
周状バンドの上端面及びスカート状側壁の下端面の一方に設けられた突起部及びこの突起部に対応して周状バンドの上端面及びスカート状側壁の下端面の他方に設けられた凹部は、スカート状側壁と周状バンドとの隙間を、ごみ等の異物が入りにくいように可及的に小間隔にしながら、以下に述べるように閉栓操作及び開栓操作を円滑に行うものである。
即ち、上記突起部及び凹部には、互いに対向する直立面乃至急斜面と互いに対向する緩斜面とが設けられており、直立面乃至急斜面同士は閉栓方向に互いに係合して、キャップ本体と共に周状バンドを回転させ、ブリッジの破損を防止する。一方、緩斜面同士は開栓方向に互いに係合して周状バンドを下方へ押し下げる。
【0010】
従来のこのタイプのキャップの突起部と凹部との配置を説明するための図1(説明図、公知例−特開平9−150846号公報参照)において、キャップ本体のスカート状側壁6の下端面61には凹部3が形成されており、一方周状バンド2の上端面21には突起部4が形成されている。
凹部3には直立面31と緩斜面32とが形成されており、これに対応して、突起部4にも直立面41と緩斜面42とが同様に形成されている。尚、この図においては、直立面として示されているが、急斜面としても同様な作用が達成されるので、以下直立面乃至急斜面と呼ぶ。
従来のキャップでは、凹部の緩斜面32と突起部の緩斜面42との距離(D’)はかなり短く、直立面乃至急斜面同士31、41の距離(d’)よりも短く設定している。そのため、開栓方向(矢印方向A)にキャップ本体をねじった際、これらの緩斜面同士32、42が直ちに係合し、周状バンド2を下方へ押し下げ及びブリッジ9の破断の応力が同時に加わるため、開栓トルクが異常に高い値になるという欠点がある。
【0011】
これに対して、本発明のキャップの突起部と凹部との配置を説明するための図2(説明図)において、キャップ本体のスカート状側壁6の下端面61に対する凹部3の形成及び周状バンド2の上端面21に対する突起部4の形成は、従来の例と同様であり、凹部3及び突起部4に対する直立面乃至急斜面31、41と緩斜面32、42との形成も従来の例と同様であるが、本発明では凹部3及び突起部4の緩斜面32、42同士の距離(D)を、前記凹部3及び突起部4の直立面乃至急斜面31、41同士の距離(d)よりも大きく設定している。
そのため、本発明によれば、開栓方向にキャップ本体をねじった際、キャップ本体をある程度旋回した後、緩斜面32、42同士が係合するので、複数のブリッジ9の内のあるものが破断され或いは脆弱化された後、周状バンド2を押し下げる応力が加わるため、開栓時のブリッジ切断トルクを顕著に低減させ、開栓性を向上させうるという利点がある。
【0012】
本発明のキャップにおいては、D/dの比が1.3乃至2.5の範囲、特に1.5乃至2.0の範囲にあることが、開栓時のブリッジ切断トルクを減少させる上で好ましい。後述する実験例に示すとおり、D/dの比が0.3にある場合の開栓時のブリッジ切断トルクは13.94kgf・cmであるのに対して、D/dの比が上記範囲にある場合には開栓時のブリッジ切断トルクを10.68kgf・cmに低減させることができる。
即ち、D/dの比が上記範囲を下回ると、ブリッジ切断トルクの低減の程度が上記範囲にある場合に比して不十分であり、一方上記範囲を上回ると、凹部の寸法があまりにも大きくなって、ごみ等の異物が付着する傾向があるため、好ましくない。
【0013】
また、本発明のキャップにおいては、前記突起部及び凹部の緩斜面の傾斜角度(θ)が10乃至25度、特に12乃至20度の範囲にあることが、易開栓性の点で好ましい。
この角度が上記範囲を上回ると、角度が上記範囲内にある場合に比して、ブリッジ切断トルクが大きくなるので好ましくなく、一方この角度が上記範囲を下回ると、周状バンドの押し下げが不十分となるので好ましくない。
【0014】
更に、本発明のキャップでは、前記突起部及び凹部の緩斜面同士が係合する移動距離(L)と、前記突起部及び凹部の直立面乃至急斜面同士が係合する移動距離(l)との比(L/l)が5.5乃至10.0の範囲にあることが、D/dの比について述べたのと同様な理由で好ましい。
【0015】
また更に、スカート状側壁の外面に高さ方向に延びるローレット状溝が形成されており、前記ローレット状溝の各々は頂部と頂部から開栓方向に延びる緩斜面と頂部から閉線方向に延びる急斜面とにより形成されていることが、指による実際の開栓の際の開栓のし易さの点で好ましい。
即ち、指でスカート状側壁を把持した場合、開栓方向に指の表面とローレット状溝との噛み合わせが滑りなく確実に行われるので、開栓のし易さが確実に向上する。
【0016】
【実施例】
本発明を添付図面に示す実施例に基づいて更に説明するが、本発明はこの例に限定されるものでは決してない。
添付図面において、
図3は本発明のプラスチックキャップの一例の側断面図であり、
図4は図3のキャップの底面図であり、
図5は図3のキャップの側面図であり、
図6は図3のキャップの上面図であり、
図7は図3のキャップにおける凹部及び突起部を拡大して示す拡大展開図であり、
図8は図3のキャップが容器首部に締結されている状態を示す拡大側断面図であり、
図9は図3のキャップにおけるローレット状溝の変形を示す側面図であり、
図10は図9のキャップの上面図であり、
図11は本発明のプラスチックキャップの他の例の側断面図であり、
図12は図11のキャップの底面図であり、
図13は図11のキャップの側面図であり、
図14は図11のキャップの上面図であり、
図15は図11のキャップにおける凹部及び突起部を拡大して示す拡大展開図である。
【0017】
本発明のこの実施例のキャップは、キャップ本体1と、タンパーエビデントバンド(周状バンド)2とから成る。
キャップ本体1は、頂板部5と、頂板部5の周縁部から垂下したスカート状側壁6とから構成されている。頂板部5の内面には、環状の密封部7が設けられており、環状の密封部7内に容器首部の上端が嵌合し、シール性が確保されるようになっている。また環状の密封部7を設ける代わりに、ライナー材乃至パッキンを頂板部5の内面に設けることにより、シール性を確保することもできる。
またスカート状側壁6の内面には、ネジ山8が設けられており、ネジ係合により、キャップが容器首部に締結されるようになっている。
更に、キャップの指による把持及び旋回を容易にするために、スカート状側壁6にはローレット状溝62が形成されている。
【0018】
周状バンド2は、スカート状側壁6の下側に配置され、周状バンド2の上端面とスカート状側壁6の下端面とは、周方向に適当な間隔をおいて複数設けられている破断可能な橋絡部(ブリッジ)9を介して連結されている。
【0019】
図4から明らかな通り、周状バンド2の内周面には、適当な間隔をおいて複数のラチェット片10が形成されており、これらのラチェット片10は、キャップを開栓するときの旋回方向(図4中、矢線Aで示す)を指向している。このラチェット片10は、その付け根で周状バンド2に固定されていると共に、上端部が周状バンド2の内面側上部の水平段差部2aに固定されている。
【0020】
図7によく示されるとおり、キャップ本体のスカート状側壁6の下端面61には凹部3が形成されており、一方周状バンド2の上端面21には突起部4が形成されている。
凹部3には直立面乃至急斜面31と緩斜面32とが形成されており、これに対応して、突起部4にも直立面乃至急斜面41と緩斜面42とが同様に形成されている。
図に示す具体例では、上記凹部3及び突起部4は2個ずつ対となって軸対称に配置されている。
凹部及び突起部の直立面乃至急斜面31、41同士は閉栓方向に互いに係合して、キャップ本体1と共に周状バンド2を回転させ、ブリッジ9の破損を防止するものである。
一方、凹部及び突起部の緩斜面32、42同士は開栓方向に互いに係合して周状バンド2を下方へ押し下げるものである。
【0021】
本発明では、凹部3及び突起部4の緩斜面32、42同士の距離(D)を、前記凹部3及び突起部4の直立面乃至急斜面31、41同士の距離(d)よりも大きく設定しており、前記凹部3及び突起部4の緩斜面32、42同士が係合する移動距離(L)と、前記凹部3及び突起部4の直立面乃至急斜面31、41同士が係合する移動距離(l)との比(L/l)が5.5乃至10.0の範囲に設定している。
そのため、本発明によれば、開栓方向にキャップ本体をねじった際、キャップ本体をある程度旋回した後、緩斜面32、42同士が係合するので、複数のブリッジ9の内の或ものが破断され或いは脆弱化された後、周状バンド2を押し下げる応力が加わるため、開栓時のブリッジ切断トルクを顕著に低減させ、開栓性を向上させうるという利点がある。
【0022】
また、突起部及び凹部の緩斜面32、42の傾斜角度(θ)を10乃至25度の範囲に設定して、緩斜面同士の係合によって発生する応力を低くし、易開栓性が得られるようにしている。
更に、凹部3の緩斜面32及び直立面乃至急斜面31は、それらの上端において、水平面33に接続されていることが好ましい。同様に、突起部4の緩斜面42及び直立面乃至急斜面41も、それらの上端において、水平面43に接続されていることが好ましい。このような構成にすると、キャップ本体に垂直方向の力が作用したとき、水平面33、43同士が係合してブリッジ9の破損を防止するので好都合である。
【0023】
ラチェット片10の周状バンド2への配置を説明するための図4において、周状バンド2の内面には、周方向に一定の間隔をおいて、ラチェット片10が配置されている。このラチェット片10は、周状バンド2の内面に接続する付け根部11と、この付け根部から内方且つ開栓方向に延びる片状係止部12とから成る。片状係止部12の外面と周状バンド2の内面とは、片状係止部12の先端側から付け根部11まで延びる溝13により分離されている。
【0024】
図8において、本発明のキャップの頂板部5の内面には、容器口部との密封を行うための密封部7が設けられている。
この実施例において、この密封部7は、インナーリング71、アウターリング72及びこれらの中間に設けられたコンタクトリング73からなっている。インナーリング71では、内周側の面が下向きに径の増大するテーパ面74となっており、インナーリング71の下方先端部の外方への広がり変形を容易にし、成形時における型抜きをも容易にしている。また、インナーリングの外周側の下方には容器口部の内部に挿入されて、容器口部内周面と係合する径の増大した密封用ビード部75を備えている。一方、アウターリング72は容器口部の外周面と係合して、インナーリング71の容器口部内への挿入をアシストするものである。更に、コンタクトリング73は容器口部の頂面と係合して密封が行われるようになっている。
【0025】
上記キャップが容器首部と共に示されている図8において、容器首部50は、その外周面上方にネジ山51を有しており、さらに下方にはサポートリング52が形成されている。即ち、ネジ山51と、スカート状側壁6の内面に形成されているネジ山8とのネジ係合により、容器首部にキャップが締結される。
【0026】
また、この容器首部50には、サポートリング52の付け根部上面に、適当な間隔をおいて、複数個のラチェット爪53が設けられている。さらに、サポートリング52の上方には、キャップを開栓して、容器の内容液を取り出すときに、周状バンド2を係止し、首部50からの脱落を防止するための周状突起54が形成されている。この突起54は、切り離された周状バンド2の容器首部50からの脱落を有効に防止し得る限りにおいて、必ずしも周状に連続したものである必要はなく、例えば周方向に一定間隔で形成されているようなものであってもよい。
【0027】
キャップを容器首部50に装着する(キャッピング)ために、閉栓方向に旋回してキャップを容器首部50上に押し込んでいくと、先ず周状バンド2の内周面が容器首部50に設けられているラチェット爪53上を乗り越えていく。このために、周状バンド2には抵抗力が作用して、この抵抗力は橋絡部9に集中し、その破断が生じ易くなるが、本発明では既に指摘したとおり、凹部3の直立面乃至急斜面31に、突起部4の直立面乃至急斜面41が当接し、これにより、周状バンド2を閉栓方向に強制的に旋回させることができる。即ち、橋絡部9に集中する上記抵抗力を緩和することができ、橋絡部9の破断を防止することが可能となる。
【0028】
またキャッピングに際しては、キャップに軸方向の荷重が加わり、この軸方向荷重によっても橋絡部9の破断を生じ易くなるが、凹部3の水平面33が突起部4の水平面43に当接することにより、このような軸方向荷重を緩和することができ、やはり橋絡部9の破断を有効に防止することができる。
【0029】
またキャップの開栓に際しては、キャップのラチェット片10と容器首部のラチェット爪53とが係合して周状バンド2の回転が阻止されるが、既に述べた作用により、ブリッジ9の部分的な破断乃至は脆弱化が進行した後、緩斜面32、42同士の係合が生じるので、ブリッジ切断トルクを顕著に低減させることができる。
【0030】
本発明では、スカート状側壁6の外面に高さ方向に延びるローレット状溝62を形成することは既に指摘したが、このローレット状溝の変形を示す図9及び10において、ローレット状溝62の各々は頂部63と頂部63から開栓方向に延びる緩斜面64と頂部63ら閉線方向に延びる急斜面65とにより形成されている。
このローレット状溝62を指で把持し、開栓方向に旋回させると、指の表面と急斜面とが係合するので、指の滑りがなく、指による実際の開栓が非常にしやすくなる。
【0031】
図2乃至10に示した実施例では、凹部3及び突起部4を2個ずつ軸方向に対称に配置しているが、図11乃至15に示した実施例では、凹部3及び突起部4を1個ずつ軸方向に対称に配置している。図11乃至15に示した実施例では、説明の重複を避けるため、共通の部材は共通の引照数字で示されている。
【0032】
以上の実施例においては、周状バンドの上端面の下端面には突起部が形成され、スカート状側壁の下端面には前記突起部に対応する凹部が形成されている。この構成は、スカート状側壁の下端に出っ張りがないため、好ましいものではあるが、上記構成を逆にして、スカート状側壁の下端面には突起部が形成され、周状バンドの上端面には前記突起部に対応する凹部が形成されていても、開栓時のブリッジ切断トルクを同様に低減させることができる。
【0033】
本発明の効果を一層明白にするために実験データを示す。
表1は改良前と改良後(本発明品)の平均ブリッジ切れトルクを測定したものである。
容器に水を入れ、キャッパ(澁谷工業社製1ヘッドサーボキャッパ)にて所定量キャップを巻き締め、5℃の条件下に24時間保管後、トルク測定機(京都技研社製自動トルクメータ)にてブリッジ切れトルクを測定した。
測定の結果、本発明品は平均ブリッジ切れトルクで3.2kgf・cm低下した。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、頂板部とその周縁部から垂下したスカート状側壁とから成るキャップ本体と、スカート状側壁の下端に破断可能な橋絡部を介して連結されている周状バンドとから構成され、該周状バンドの内面には容器首部のラチェット爪と係合し得るラチェット片が周方向に間隔をおいて複数形成されており、周状バンドの上端面及びスカート状側壁の下端面の一方には突起部が形成され、周状バンドの上端面及びスカート状側壁の下端面の他方には前記突起部に対応する凹部が形成されており、前記突起部及び凹部は閉栓方向には直立面乃至急斜面同士で係合し且つ開栓方向には緩斜面同士で係合するようにされたプラスチックキャップにおいて、前記突起部及び凹部の緩斜面同士の距離(D)を、前記突起部及び凹部の直立面乃至急斜面同士の距離(d)よりも大きく設定したことにより、開栓時におけるブリッジ切断トルクを低減させ、易開栓性を向上させたキャップを提供するができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のキャップの突起部と凹部との配置を説明するための説明図である。
【図2】本発明のキャップの突起部と凹部との配置を説明するための説明図である。
【図3】本発明のプラスチックキャップの一例の側断面図である。
【図4】図3のキャップの底面図である。
【図5】図3のキャップの側面図である。
【図6】図3のキャップの上面図である。
【図7】図3のキャップにおける凹部及び突起部を拡大して示す拡大展開図である。
【図8】図3のキャップが容器首部に締結されている状態を示す拡大側断面図である。
【図9】図3のキャップにおけるローレット状溝の変形を示す側面図である。
【図10】図9のキャップの上面図である。
【図11】本発明のプラスチックキャップの他の例の側断面図である。
【図12】図11のキャップの底面図である。
【図13】図11のキャップの側面図である。
【図14】図11のキャップの上面図である。
【図15】図11のキャップにおける凹部及び突起部を拡大して示す拡大展開図である。
Claims (2)
- 頂板部とその周縁部から垂下したスカート状側壁とから成るキャップ本体と、スカート状側壁の下端に破断可能な橋絡部を介して連結されている周状バンドとから構成され、該周状バンドの内面には容器首部のラチェット爪と係合し得るラチェット片が周方向に間隔をおいて複数形成されており、周状バンドの上端面及びスカート状側壁の下端面の一方には突起部が形成され、周状バンドの上端面及びスカート状側壁の下端面の他方には前記突起部に対応する凹部が形成されており、前記突起部及び凹部は閉栓方向には直立面乃至急斜面同士で係合し且つ開栓方向には緩斜面同士で係合するようにされたプラスチックキャップにおいて、前記突起部及び凹部の緩斜面同士の距離(D)を、前記突起部及び凹部の直立面乃至急斜面同士の距離(d)よりも大きく設定し、これらの比(D/d)の比が1.3乃至2.5の範囲、前記突起部及び凹部の緩斜面の傾斜角度(θ)が10乃至25度の範囲にあることを特徴とするプラスチックキャップ。
- 前記突起部及び凹部の緩斜面同士が係合する移動距離(L)と、前記突起部及び凹部の直立面乃至急斜面同士が係合する移動距離(l)との比(L/l)が5.5乃至10.0の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のキャップ。
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