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JP4700369B2 - Cam装置、工具軌跡作成方法および工具軌跡作成プログラム - Google Patents

Cam装置、工具軌跡作成方法および工具軌跡作成プログラム Download PDF

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Description

本発明は、多軸数値制御装置用のCAM装置などに関する。
同時多軸制御NC(Numerical Control)加工機は、直線移動3軸と、少なくとも1つの回転移動軸を有し、段取替え無しで複雑な形状を切削できる特徴を持つが、CAD(Computer Aided Design)装置、CAM(Computer Aided Manufacturing)装置の支援無しでは、運用が困難である。ここで、CAM装置は、CAD装置が作成した形状データなどを基に、切削加工時に切削工具がたどる経路である工具軌跡(工具経路、CL(Cutter Location)ともいう)のデータ(工具軌跡データ)を作成する役割を有する。
このとき、CAM装置が作成する工具軌跡データは、加工経路方向に計算された切削工具の先端の移動方向と距離、すなわち、ある工具経路点と次の工具経路点をつなぐ線をベクトルで表現した工具先端位置ベクトルのデータ(以下、工具先端位置ベクトルという)と、切削工具の主軸方向を示す工具主軸方向ベクトルのデータ(以下、工具主軸方向ベクトルという)からなる。ここで、工具経路点とは、工具軌跡上の点のうち、コンピュータのデータとして記録される点である。CAM装置は、まず工具主軸方向ベクトルを、加工対象物であるワークの表面の法線ベクトルに対し、一定角度傾けるよう作成する(例えば、非特許文献1)。次に、CAM装置は、工具主軸方向ベクトルに従って、ワークの表面の曲面に切削工具が接触するように配置したときの工具先端位置ベクトルを作成する。一般的に、工具主軸方向ベクトルは、切削工具の進行方向に対し、前方に傾けて設定される。
図9は、工具主軸方向ベクトルを、切削工具の進行方向に対し、前方に傾けて設定した状態を示した図である。工具主軸方向ベクトルの定義は、図1を参照して後記する。図9に示すように、切削工具Tが、ワークW’の表面の法線ベクトル103と切削工具Tの進行方向101に対し、一定角度θ’だけ前方に傾けた状態となるよう、工具主軸方向ベクトル104が設定される。
また、非特許文献2には、回転する切削工具で先端が球状の切削工具(以下、ボールエンドミルという)を、所定の角度で傾斜させ直方体状のワークを切削加工したときの、傾斜角度と加工精度の関係を検討した研究が開示されている。その結果、切削工具を進行方向に対し、後方に傾斜させた状態で使用した(以下、突き加工という)ときに、面粗さが理論値に近い、良好な加工精度が得られることを確認している。
さらに、特許文献1には、複数の曲線を有するワークの表面に対し、工具軌跡上の点である加工点を複数設け、隣り合う加工点を直線で結び、この直線とワークの形状を比較し、ワークの少なくとも一部が、直線より加工面中身側にあるとき、切削工具とワークの干渉が生じると判定し、切削工具の傾斜を変更する技術が開示されている。
また、特許文献2では、切削工具を軸方向に送ることによる突き加工において、ストロークエンド近傍、すなわち加工終了時において、加工時に生じる振動(ビビリ)を抑えるため、回転刃がワークから遠ざかる方向、具体的には円弧状に切削工具をワークから遠ざけて逃がす技術が開示されている。
日経CG編著「CADの基礎知識」日経BP社、1994年8月、pp.266-267 大山和之、森重功一、竹内芳美著「面精度向上のためのボールエンドミル傾斜加工の研究」社団法人精密工学会、2000.10.7〜9、精密工学会秋季大会学術講演会 講演論文集pp.372 特開平8−305427号公報(段落0051〜0055、図10、図11) 特開平10−86009号公報(請求項1、請求項2、図1)
しかしながら、前記した工具主軸方向ベクトルを切削工具の進行方向に対し、前方に傾斜させて設定する方法は、高効率な切削加工実現のために、隣り合う工具軌跡の間隔(以下、ピックフィード量という)の増加、切削送り速度増加、切込量の増加などを実施した場合、切削抵抗が増大し、振動発生や、ワーク変形を引き起こす、といった問題があった。
また、非特許文献2で開示されている実験は、切削加工後の形状が平面になる場合を対象としており、切削加工後の形状が曲面になる場合を想定していないこと、対象とした切削工具はボールエンドミルのみであり、他の切削工具を対象としていない、といった問題があった。
また、突き加工は、従来用いられることがあったものの、荒加工のみに用いられ、中仕上げや仕上げ加工を行うための切削加工において、突き加工が適用されることはなかった。
さらに、特許文献1で開示されている技術は、切削加工中の切削工具の傾斜については記載されておらず、前記したピックフィード量の増加、切削送り速度増加、切込量の増加を実施した場合の切削抵抗の増加に伴う、振動発生、ワーク変形に関し、考慮をしていない、といった問題があった。
また、特許文献2では、突き加工を切削工具の軸方向に切削工具を送ることと定義しており、切削工具を傾斜させた状態における切削終了時において、切削工具が切削状態から急に空回しの状態に入るなどの、切削抵抗の急激な変化が原因で生じる横ブレや切削工具のホルダからの脱落などに関して、考慮をしていないといった問題があった。
また、非特許文献1、非特許文献2、特許文献1、および特許文献2では、切削開始時において、切削工具が空回しの状態から急に切削状態に入ることが原因で生じる切削抵抗の急激な増大による横ブレや切削工具の破損に関して、考慮をしていないといった問題があった。
従って、本発明は、ボールエンドミル以外の切削工具をも使用することが可能な突き加工を荒加工だけではなく中仕上げや仕上げ加工を行うための切削加工に対しても実現し、さらに切削加工後の形状が曲面となる場合にも適用できることを第1の目的とする。並びに、本発明は、突き加工を実現することによりピックフィード量の増加、切削送り速度増加、切込量の増加を実施した場合の、切削抵抗の増加に伴う、振動発生、ワーク変形を抑え、高効率な切削加工を実現することを第2の目的とする。
さらに、本発明は、切削工具を傾斜させた状態での切削加工の切削開始時や切削終了時における切削抵抗の急激な変化や、ワークと切削工具の干渉を軽減することを第3の目的とする。
前記の目的のために本発明は、曲面を有する形状データと複数の種類の切削工具から選択した切削工具の情報とを基に、工具主軸方向ベクトルを切削工具の進路方向に対し、できるだけ後方に傾斜させるよう傾斜角度を設定する傾斜角度設定手段を含んで構成されること、を特徴とするCAM装置を提供する。
また、前記CAM装置は、切削開始時に前記切削工具を切削工具の主軸方向から前記加工対象物に侵入させるよう設定する切削開始動作設定手段を、さらに含んで構成されること、を特徴とするCAM装置を提供する。
このように構成することで、本発明に係るCAM装置は、荒加工だけでなく中仕上げや仕上げ加工を行うための切削加工においても、ボールエンドミル以外の切削工具を使用できる突き加工が可能となり、さらに切削加工後の形状が曲面となる場合にも適用できる。並びに、本発明に係るCAM装置によると、ピックフィード量の増加、切削送り速度増加、切込量の増加を実施した場合の、切削抵抗の増加に伴う、振動発生、ワーク変形を抑え、高効率な切削加工を実現することが可能となる。
さらに、このように構成することで、切削開始時や切削終了時における切削抵抗の急激な変化を軽減することが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
まず、以下の実施形態において用いる各用語の定義を図1を参照して説明する。
図1は、突き加工における加工面が凸形状である場合におけるワークと切削工具の位置関係を示す図であり、図1(a)は、切削工具とワークの位置関係を示す斜視図、図1(b)は、図1(a)におけるA−A’矢視断面図である。なお、ワークW、切削工具T、矢印などの名称、符号についての基本的な構成は、図1、図4から図9において、共通するため、共通する要素については同一の符号を付して説明を省略することとする。
図1に示すように、本実施形態において、ワークWは表が凸形状、裏が凹形状となっている。そして、切削工具Tは略円柱状であり、底面の周囲に丸みを設け、外周と底面にそれぞれ図示しない刃を設けたコーナRエンドミルである。
ここで、凹形状とは、切削工具Tが接している加工面が切削工具Tに対してくぼんでいることであり、凸形状とは、切削工具Tが接している加工面が切削工具Tに対してふくれあがっていることである。
矢印101は、切削工具Tの進行方向を示す。切削点とは、切削加工時における切削工具TとワークWの接触点であり、図1(b)においては符号102の部分である。本実施形態において、法線ベクトル103は、加工面上の切削点102における法線ベクトルを指すこととする。工具主軸方向ベクトル104は、切削工具Tの主軸方向を示すベクトルであり、本実施形態では、切削点102を含むこととする。傾斜角度θは、法線ベクトル103と工具主軸方向ベクトル104のなす角とし、法線ベクトル103と工具主軸方向ベクトル104が一致するとき、傾斜角度0°とする。定義から明らかなように、傾斜角度θを工具主軸方向ベクトル104に変換することが可能である。さらに、本実施形態では、全ての角度は切削工具Tの進行方向101と逆方向を正とする。例えば、図1(b)における傾斜角度θは、正の値を持つ。また、法線ベクトル103と90°または−90°の関係にある線を接線とよぶこととする(図示せず)。なお、これらの用語を使って突き加工を定義すると、突き加工とは、切削加工時における切削工具Tの傾斜角度が0°以上である加工と定義できる。
図2は、本発明の実施形態に係るCAM装置を含んで構成されるCAD/CAMシステムのブロック図である。
図2に示すCAD/CAMシステム1は、製品の形状データを作成するCAD装置3、切削工具の寸法に関するデータなどを格納するファイルサーバ4、CAD装置3で作成されたワークの形状データ(以下、形状データという)を読み込み、読みこんだ形状データを基に工具軌跡データを算出し、算出した工具軌跡データをNCポストプロセッサ5に送るCAM装置2、CAM装置2から送られた工具軌跡データを同時多軸制御NC加工機7の座標系に変換し、数値制御用のNCデータに変換するNCポストプロセッサ5、そのNCデータに従って同時多軸制御NC加工機7の直線送り軸や回転軸の動作指令を作成し、同時多軸制御NC加工機7を動作させる数値制御装置6、数値制御装置6が作成した直線送り軸や回転軸の動作指令に従って動作し、ワークWの切削加工を行う同時多軸制御NC加工機7を含んで構成される。
(CAM装置)
さらに、CAM装置2は、CAD装置3で作成された形状データを読みこむ形状データ読込部21、読み込んだ形状データを基に、工具軌跡データを作成する切削動作設定部22、工具軌跡データを作成する際の様々な条件などを入力する入力部23、入力部23から入力された条件を基に、後記する切削動作設定部22に含まれる各部の動作を選択する操作指定部24、作成された工具軌跡データをNCポストプロセッサ5へ送る工具軌跡データ転送部25を含んで構成される。
なお、CAM装置2、CAD装置3、およびファイルサーバ4は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスクドライブ、入出力インターフェースなどを含んで構成されるコンピュータを用いて具現され、CAM装置2、CAD装置3、およびファイルサーバ4の各部は、このコンピュータのハードディスクドライブに格納されたプログラムをRAMに展開し、CPUが実行することで具現される。
(切削動作設定部)
さらに、切削動作設定部22は、入力部23を介した加工部位の指定に従って形状データから切削加工する部位を選択する加工範囲設定部221、切削加工に用いる切削工具を設定し、設定した切削工具の寸法などに関するデータをファイルサーバ4から取得し、取得した切削工具の寸法などに関するデータを後記する工具軌跡データ作成部223の干渉チェック部2233へ送る工具設定部222、工具軌跡を作成する工具軌跡データ作成部223、切削工具の切削開始動作を設定する切削開始動作設定部224、切削工具の終了動作を設定する切削終了動作設定部225を少なくとも含んで構成されている。
(工具軌跡データ作成部)
工具軌跡データ作成部223は、傾斜角度の初期値を設定する初期値設定部2231、形状データ読込部21から形状データを取得し、この形状データを基に工具先端位置ベクトルを作成する工具先端位置ベクトル作成部2232、工具先端位置ベクトル作成部2232が作成した工具先端位置ベクトル上の任意の複数の点について、切削工具とワークの干渉が生じているか否かをチェックし、干渉が生じている場合はフラグをたてる干渉チェック部2233、干渉チェック部2233による干渉チェックの結果、フラグがたったか否かを判定する干渉判定部2234、加工面の凹凸を判定する凹凸判定部2235、傾斜角度を変更する傾斜角度変更部2236を含んで構成される。
(CAD/CAMシステムの処理の概要)
次に、図2を参照して、本発明に係るCAM装置2を含んで構成されるCAD/CAMシステム1の処理の概要を説明する。
CAD装置3で作成された形状データは、CAM装置2の形状データ読込部21に送られ、さらに切削動作設定部22に送られる。切削動作設定部22では、送られた工具軌跡データなどを基に、工具軌跡データを作成する。具体的には、切削動作設定部22は、以下に記述する各手順によって工具軌跡データを作成する。
加工範囲設定部221は、入力部23を介して、入力される加工部位の指定に従って形状データから切削加工する部位を選択する。工具設定部222は、入力部23を介した切削工具の設定によって、ファイルサーバ4に格納されている切削加工に用いる切削工具の寸法に関するデータを選択する。さらに、工具設定部222は、選択した切削工具の寸法などに関するデータをファイルサーバ4から取得し、取得した切削工具の寸法などに関するデータを工具軌跡データ作成部223、具体的には後記する干渉チェック部2233へ送る。工具軌跡データ作成部223は、工具軌跡データを作成する。切削開始動作設定部224は、工具軌跡の切削開始動作を設定し、切削終了動作設定部225は、工具軌跡の終了動作を設定する。
これらの各設定部の内、加工範囲設定部221、工具設定部222、切削終了動作設定部225の処理の順番は自由である。そのため、これらの設定部で行われる処理は、入力部23を介して入力された情報を基に、操作指定部24が処理する設定部を選択し、処理が行われる。ここで、入力部23を介して入力された情報を基に、操作指定部24が処理する設定部を選択するとは、例えば、CAM装置2に接続された図示しないディスプレイ上に加工範囲設定、工具設定、工具軌跡データ作成、切削開始動作設定、切削終了動作設定などの項目が表示され、図示しない操作者が、これらを図示しないカーソルなどで選択することによって、設定部の処理を選択する、などである。しかし、工具軌跡データ作成部223の処理は、少なくとも加工範囲設定部221、工具設定部222の処理が終了した後に、処理をしなければならない。そのため、工具軌跡データ作成部223の処理は、加工範囲設定部221、工具設定部222の処理が終了した後に操作指定部24が工具軌跡データ作成部223の処理を選択することが可能となる。ここで、加工範囲設定部221、工具設定部222の処理が終了した後に操作指定部24が工具軌跡データ作成部223の処理を選択することが可能となるとは、例えば、最初、前記したディスプレイ上において、工具軌跡データ作成の項目は、選択が不可能な状態にあるが、加工範囲設定部221、工具設定部222の処理が終了した後、前記したディスプレイ上において、工具軌跡データ作成の項目が選択可能となるように表示する、などである。また、切削開始動作設定部224の処理は、少なくとも工具軌跡データ作成部223の処理が終了した後に、処理をしなければならない。そのため、切削開始動作設定部224の処理は、工具軌跡データ作成部223の処理が終了した後に操作指定部24が、前記したディスプレイ上において、切削開始動作設定の項目を選択することが可能となるように表示する。
切削動作設定部22が作成した工具軌跡データは、工具軌跡データ転送部25へ送られ、さらに、NCポストプロセッサ5へ送られる。NCポストプロセッサ5は、その工具軌跡データを同時多軸制御NC加工機7の座標系に変換し、数値制御装置6用のNCデータに変換する。数値制御装置6は、そのNCデータに従って同時多軸制御NC加工機7の直線送り軸や回転軸の動作指令を作成し、同時多軸制御NC加工機7を動作させる。
次に、本発明の実施形態に係る工具軌跡データ作成部の突き加工用の工具軌跡データの作成の処理について、図1、図2を参照しつつ、図3に沿って説明する。
図3は、突き加工用の工具軌跡データの作成の処理の流れを示すフローである。なお、本実施形態では、切削工具TにコーナRエンドミルを選択した場合について示すが、これに限らず他の回転工具を選択してもよい。なお、本実施形態における工具軌跡データは、荒加工だけでなく、例えば中仕上げや仕上げ加工を行うための切削加工に用いる工具軌跡データとすることもできる。
まず、切削工具Tの傾斜角度の初期値が、初期値設定部2231において設定される(S31)。このとき、傾斜角度の初期値を入力部23を介して設定してもよいし、またファイルサーバ4に、加工面の凹凸、加工面の曲率に対応した傾斜角度の初期値をテーブルとして予め格納しておき、初期値設定部2231が加工面の凹凸、加工面の曲率を判別して、その凹凸、曲率に対応した傾斜角度の初期値をファイルサーバ4から取得してもよい。本実施形態では、傾斜角度の初期値は90°、すなわち進行方向101に対し、後方の接線方向に工具主軸方向ベクトル104を合わせるよう固定して設定されているものとする。
次に、初期値設定部2231は、傾斜角度の初期値を、工具主軸方向ベクトルに変換し工具先端位置ベクトル作成部2232に送る。工具先端位置ベクトル作成部2232は、形状データ読込部21から形状データを取得する。さらに、工具先端位置ベクトル作成部2232は、工具設定部222から、選択した切削工具の寸法などに関するデータを取得する。工具先端位置ベクトル作成部2232は、取得した形状データ、工具主軸方向ベクトルと選択した切削工具の寸法などに関するデータとを基に、工具先端位置ベクトルを作成し(S32)、工具主軸方向ベクトル、作成した工具先端位置ベクトル、形状データと切削工具の寸法などに関するデータとを干渉チェック部2233へ送る。
次に、干渉チェック部2233は、作成した工具先端位置ベクトルについて、形状データと工具先端位置ベクトル、工具の寸法などに関するデータを基に、切削工具TとワークWとが干渉するか否かのチェックを行う(S33)。具体的な干渉チェックの方法としては、例えば、沖野 教郎 著、自動設計の方法論、昭和57年5月30日、pp.146-148に記載されている方法がある。干渉チェック部2233は、干渉が生じる箇所が存在する場合に、その箇所における工具先端位置ベクトルにフラグをたてる。具体的には、例えば、工具先端位置ベクトルと、フラグは常に対のデータとして記憶されており、干渉が生じていない箇所の工具先端位置ベクトルには、0が対のデータとして記憶され、干渉が生じている箇所の工具先端位置ベクトルには、1が対のデータとして記憶されるなどである。次に、干渉チェック部2233は、工具主軸方向ベクトルと、工具先端位置ベクトル、形状データ、切削工具の寸法などに関するデータ、およびフラグを干渉判定部2234へ送る。
干渉判定部2234は、ステップS33の結果において、フラグがたっているか否かを判定する(S34)。干渉する箇所が存在しない場合(S34→干渉箇所なし)、処理を終了、すなわち工具軌跡データの作成を終了し、干渉判定部2234は、作成した工具軌跡データ、すなわち工具主軸方向ベクトルと工具先端位置ベクトルを工具軌跡データ転送部25へ送る。干渉する箇所が存在する場合、すなわちフラグのデータに1が存在する場合(S34→干渉箇所あり)、干渉判定部2234は、工具主軸方向ベクトル、工具先端位置ベクトル、形状データ、切削工具の寸法などに関するデータを凹凸判定部2235へ送り、ステップS35へ処理を進める。
ステップS35において、凹凸判定部2235が、送られた形状データと入力部23を介して入力された情報を基に、加工面の凹凸を判定する。ここで、入力部23を介して入力される情報を基に、加工面の凹凸を判定するとは、例えば図示しない操作者が、加工面の凹凸を判定し、その判定結果を入力部23を介して凹凸判定部2235へ送り、凹凸判定部2235は、送られた情報を基に凹凸を判定する、などである。加工面が凹形状だった場合(S35→凹)、ステップS36へ処理を進める。加工面が凸形状だった場合(S35→凸)、ステップS37へ処理を進める。いずれの処理へ進む場合でも、凹凸判定部2235は、工具主軸方向ベクトル、工具先端位置ベクトル、形状データ、切削工具の寸法などに関するデータを傾斜角度変更部2236へ送る。
ステップS36では、傾斜角度変更部2236が、後記するθaからθbの範囲で、傾斜角度θを予め設定しておいた所定角度だけ小さくすることによって、傾斜角度θの変更がなされる。傾斜角度θの変更における角度の範囲(θa,θb)の算出については後に詳述する。このような角度範囲とすることで、突き加工の状態を保持したまま、傾斜角度θの変更を行うことができる。
ステップS37では、傾斜角度変更部2236が、0°から90°の範囲で、傾斜角度θを予め設定しておいた所定角度だけ小さくすることによって、傾斜角度θの変更がなされる。傾斜角度θの変更における角度の範囲(0°,90°)の算出については後に詳述する。このような角度範囲とすることで、突き加工の状態を保持したまま、傾斜角度θの変更を行うことができる。
ステップS36、またはステップS37における傾斜角度θの変更後、傾斜角度変更部2236は、変更した傾斜角度θを工具主軸方向ベクトルに変換し、工具主軸方向ベクトルを工具先端位置ベクトル作成部2232へ送り、ステップS32の処理へ戻る。
次に、図3のステップS36およびステップS37の、傾斜角度変更の処理における傾斜角度の範囲の設定方法について、図4から図5を参照して説明する。なお、以下の図において、図を見易くするため、コーナRエンドミルの底面の周囲の丸みは図示しないこととする。また、図4、および図5における演算は、全て形状データと、切削工具の寸法などに関するデータを基に行われる。
(加工面が凹形状の場合における傾斜角度の範囲)
まず、図4を参照して、加工面が凹形状のときの、図3のステップS36の傾斜角度変更の処理における傾斜角度の範囲の設定について説明する。
図4は、加工面が凹形状のときの、図3のステップS36の傾斜角度変更の処理における傾斜角度の範囲の設定方法を示す図である。図4におけるワークWは、図1(a)におけるA−A’矢視断面図である。
加工面が凹形状の場合は、図4(a)に示すように、進行方向101に対し前方に切削工具Tを傾斜させていき、やがて切削点102以外の切削工具Tの底面とワークWが接触する点(第1の接触点401)を求め、このときの傾斜角度(第1の傾斜角度θa)を求める。
図4(b)に示すように、切削工具Tの傾斜角度θが第1の傾斜角度θa以下となると、切削工具Tの底面とワークWが干渉し、削り込みが発生する。
次に、図4(c)に示すように、進行方向101に対して後方に切削工具Tを傾斜させていき、やがて切削点102以外の切削工具Tの側面とワークWが接触する点(第2の接触点402)を求め、このときの傾斜角度(第2の傾斜角度θb)を求める。
図4(d)に示すように、切削工具Tの傾斜角度θが第2の傾斜角度θb以上になると、切削工具Tの側面とワークWが干渉し、削り込みが発生する。
よって、加工面が凹形状の場合、図4(e)に示すように、傾斜角度θは第1の傾斜角度θa以上、第2の傾斜角度θb以下でなければならない。
これら傾斜角度θの範囲の算出は、工具軌跡上の任意の点において演算してもよいし、切削開始点において演算してもよい。
このような角度範囲とすることで、突き加工の状態を保持したまま、傾斜角度θの変更を行うことができる。
(加工面が凸形状の場合における傾斜角度の範囲)
次に、図5を参照して、加工面が凸形状のときの、図3のステップS37の傾斜角度変更の処理における傾斜角度の範囲の設定について説明する。
図5は、加工面が凸形状のときの、図3のステップS37の傾斜角度変更の処理における傾斜角度の範囲の設定方法を示す図であり、図1(a)におけるA−A’矢視断面図を示している。
加工面が凸形状の場合は、図5(a)に示すように、進行方向に対し前方に切削工具Tを傾斜させていき、やがて切削点以外の切削工具Tの底面とワークWが接触する点を求め、このときの傾斜角度(第3の傾斜角度θc)を求める。このとき、切削工具Tの底面は、切削点102における接平面と一致する。よって、本実施形態における第3の傾斜角度θcは、0°である。
図5(b)に示すように、切削工具Tの傾斜角度θが0°以下となると、切削工具Tの底面とワークWが干渉し、削り込みが発生する。
次に、図5(c)に示すように、進行方向に対して後方に切削工具Tを傾斜させていき、やがて切削点以外の切削工具Tの側面とワークWが接触する点を求め、このときの傾斜角度(第4の傾斜角度θd)を求める。このときの工具主軸方向ベクトル104は、切削点102における接線と一致する。よって、本実施形態における第4の傾斜角度θdは、90°である。
図5(d)に示すように、切削工具Tの傾斜角度θが90°以上になると、切削工具Tの側面とワークWが干渉し、削り込みが発生する。
よって、コーナRエンドミルを用いた切削加工において、加工面が凸形状の場合、図5(e)に示すように、傾斜角度θは0°以上、90°以下でなければならない。
これら傾斜角度θの範囲の算出は、工具軌跡上の任意の点において演算してもよいし、切削開始点において演算してもよい。
このような角度範囲とすることで、突き加工の状態を保持したまま、傾斜角度θの変更を行うことができる。
次に、図2、図3を参照しつつ、図6を参照して、本発明の実施形態に係る切削開始動作設定部において設定される切削工具の動作について説明する。
図6は、本発明の実施形態に係る切削開始動作設定部において設定される切削工具の動作を示す図である。
同時多軸制御NC加工機7が、工具軌跡データ作成部223で作成された工具軌跡データを基に実際の切削加工に入る際、切削工具Tは、空回しの状態から、急にワークWの切削へ入るため、最初の切削に入る前の動作を考慮しないと切削負荷が急激に増大する。その結果、ワークWの変形、切削工具Tの破損などの問題が生じるおそれがある。
本実施形態では、切削開始動作設定部224は、最初の切削位置における工具主軸方向から切削工具Tを侵入できるよう、切削工具Tを工具主軸方向に移動した位置(Ta)に切削開始位置を設定する。このときの工具主軸方向ベクトル104は、図3のステップS36、ステップS37において、工具軌跡データ作成部223が設定した傾斜角度θから変換されたものである。このように設定することで、斜め方向から切削工具TがワークWに侵入するため、切削加工に入る際の切削工具Tに対する切削抵抗を軽減することができる。この結果、切削工具Tの切削開始時における横ブレや切削工具Tの破損を防ぐことができる。
次に、図2、図3を参照しつつ、図7を参照して、本発明の実施形態に係る切削終了動作設定部において設定される切削工具の動作について説明する。
図7は、本発明の実施形態に係る切削終了動作設定部において設定される切削工具の動作を示す図である。
同時多軸制御NC加工機7が、工具軌跡データ作成部223で作成された工具軌跡データを基に実際の切削加工を終了する際、切削状態から急に空回りの状態となるため、切削負荷の急激な変化が生じたり、時にはワークWと切削工具Tの側面が干渉してしまう。その結果、切削工具Tを固定している図示しないホルダから、切削工具Tが脱落してしまうといった問題が生じるおそれがある。
本実施形態では、切削終了動作設定部225は、図7に示すように、最後の切削点102aから、例えば法線方向に中心Cを有する円弧上701を、切削工具Tの進行方向に沿って移動させ(T→Tb)切削工具Tを移動させ終了させるよう設定する。このように設定することで、ワークWと切削工具Tとが徐々に離れるように設定できるため、切削終了時のワークWと切削工具Tの干渉や、切削負荷の急激な変化を軽減することができる。
前記した従来手法を説明した図9を参照しつつ、図8を参照して切削加工に突き加工を適用したときの作用を説明する。
図8は、工具主軸方向ベクトルを、切削工具の進行方向に対し、後方に傾けて設定した状態を示した図である。
図9に示すように、切削工具Tを進行方向101に対し前方に傾けた場合、切削工具Tの進行方向101と同方向、かつワークWの法線ベクトル103に対し、垂直方向に切削力105が生じる。この切削力105は、工具主軸方向104’に垂直な成分(工具主軸垂直方向成分)106と、工具主軸方向成分107に分解できる。工具主軸垂直方向成分106は、工具主軸方向成分107に対して大きいことから、切削工具Tの工具主軸垂直方向成分106に大きな力が加わる。切削工具Tは、工具主軸垂直方向成分106が、工具主軸方向104’に比べて剛性が小さいため、工具主軸垂直方向成分106に大きな力が生じると、切削工具Tが振動しやすくなる。
一方、図8に示すように本発明による工具主軸方向ベクトルの定め方に従った突き加工では、工具主軸垂直方向成分106は工具主軸方向成分107に対して小さいことから、切削工具Tの工具主軸方向104’に大きな力が加わる。切削工具Tは、工具主軸方向104’が工具主軸垂直方向成分106に比べて剛性が大きいため、工具主軸方向104’に大きな力が生じても、切削工具Tが振動しにくくなる。また、剛性が大きい工具主軸方向104’に大きな力が働くため、より高い切削負荷に耐えることができる。
以上の結果より、突き加工を適用した切削加工では、加工速度を上げることに伴う切削抵抗の増大が原因となって生じる振動発生、ワーク変形を抑えることができ、高効率な切削加工が可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記した実施形態に限定されることなく適宜変形して実施することが可能である。
例えば、本実施形態では切削工具Tとして、コーナRエンドミルを選択したことを前提としているが、その他の回転切削工具を選択することも可能である。この場合、図4から図5における第1の傾斜角度から第4の傾斜角度θa,θb,θc,θdは、それぞれの回転切削工具の寸法などに関するデータと、形状データを基に算出した角度とすることで、同様の処理を行うことができる。
また、本実施形態では、切削終了動作設定部225における切削動作終了時の切削工具Tの動きについて、円弧状かつ下方としたが、これに限らず円弧状かつ上方、円弧状かつ横方向などとしてもよい。また、円弧状に限らず、他の曲線状であってもよい。
また、本実施形態では、図2の工具設定部222は、入力部23を介した切削工具Tの設定によって、ファイルサーバ4に格納されている切削加工に用いる切削工具Tの寸法に関するデータを選択、取得し、干渉チェック部2233へ送っているが、これに限らず、例えば工具設定部222は、入力部23を介して、切削工具Tの選択を行い、選択した切削工具の名称などを干渉チェック部2233へ送り、干渉チェック部2233は送られた切削工具の名称などを基に、ファイルサーバ4から選択された切削工具の寸法などに関するデータを取得してもよい。
さらに、本実施形態では図2の凹凸判定部2235は、図2の入力部23を介して取得した情報をもとに、加工面の凹凸を判定したが、これに限らず、例えば凹凸判定部2235が加工面の微分係数などを解析することによって、加工面の凹凸を自動的に判定してもよい。
また、図2のファイルサーバ4をデータベースにしてもよい。このとき、データベースはCAD装置3やCAM装置2と別体にしてもよいし、CAD装置3と一体にする、もしくはCAM装置2と一体にしてもよい。
突き加工における加工面が凸形状である場合におけるワークと切削工具の位置関係を示す図であり、(a)切削工具とワークの位置関係を示す斜視図、(b)(a)におけるA−A’矢視断面図である。 本発明に係るCAM装置を含んで構成されるCAD/CAMシステムのブロック図である。 突き加工用の工具軌跡データの作成の処理の流れを示すフローである。 加工面が凹形状のときの、図3のステップS36の傾斜角度変更の処理における傾斜角度の範囲の設定方法を示す図である。 加工面が凸形状のときの、図3のステップS37の傾斜角度変更の処理における傾斜角度の範囲の設定方法を示す図である。 本発明の実施形態に係る切削開始動作設定部において設定される切削工具の動作を示す図である。 本発明の実施形態に係る切削終了動作設定部において設定される切削工具の動作を示す図である。 工具主軸方向ベクトルを、切削工具の進行方向に対し、後方に傾けて設定した状態を示した図である。 工具主軸方向ベクトルを、切削工具の進行方向に対し、前方に傾けて設定した状態を示した図である。
符号の説明
2 CAM装置
3 CAD装置
4 ファイルサーバ
21 形状データ読込部
22 切削動作設定部
23 入力部
24 操作指定部
25 工具軌跡データ転送部
101 進行方向
102,102a 切削点
103 法線ベクトル
104,104’ 工具主軸方向ベクトル
221 加工範囲設定部
222 工具設定部
223 工具軌跡データ作成部
224 切削開始動作設定部
225 切削終了動作設定部
2231 初期値設定部
2232 工具先端位置ベクトル作成部
2233 干渉チェック部
2234 干渉判定部
2235 凹凸判定部
2236 傾斜角度変更部
θ,θ’ 傾斜角度
T,Ta,Tb 切削工具
W,W’ ワーク

Claims (5)

  1. CAD装置で作成した、曲面を有する加工対象物の形状データを読み込む形状データ読
    込手段と、
    各種の切削工具の形状に関する情報が格納された記憶手段と、
    前記切削工具の種類を選択し、選択した前記切削工具の形状に関する情報を前記記憶手段から取得する工具設定手段と、
    工具軌跡データを作成する工具軌跡データ作成手段と、
    を含んで構成され、加工対象物の中仕上げ加工および表面仕上げ加工を行うためのCAM装置であって、
    前記工具軌跡データ作成手段は、
    前記形状データ読込手段から前記形状データを取得し、前記工具設定手段から前記選択した切削工具の形状に関する情報を取得し、
    前記切削工具の角度の初期値を、前記切削工具の進行方向後方の接線方向に当該切削工具の主軸方向を示す工具主軸方向ベクトルを合わせるように設定し、
    前記切削工具の角度が初期値の状態で、前記形状データおよび前記切削工具の形状に関する情報を基に、前記工具主軸方向ベクトルを含む工具軌跡データを作成し、
    前記工具軌跡データと、前記形状データと、前記切削工具の形状に関する情報と、を基に、前記切削工具と、前記加工対象物と、が干渉するか否かの干渉チェックを行い、
    前記干渉チェックの結果、前記切削工具と、前記加工対象物と、が干渉しないと判定された場合、前記工具軌跡データを出力し、
    前記干渉チェックの結果、前記切削工具と、前記加工対象物と、が干渉する箇所があると判定された場合、前記形状データを基に、切削加工面の微分係数を算出し、解析することによって、前記切削加工面の凹凸を判定し、
    前記判定の結果、前記切削加工面が凹面である場合、前記取得した形状データと前記選択した切削工具の形状に関する情報とを使用して、前記切削工具を進路方向に対し、後方に傾斜させた状態における切削点を中心として、前記切削工具を仮想的に前後に傾斜させ、前記切削工具の底面および側面が前記加工対象物に接触する際の前記切削加工面に対する前記切削工具の角度である第1の傾斜角度および第2の傾斜角度を算出し、
    前記第1の傾斜角度および前記第2の傾斜角度の範囲内で、第3の傾斜角度を決定し、
    前記判定の結果、前記切削加工面が凸面である場合、前記取得した前記形状データと前記選択した切削工具の形状に関する情報とを使用して、前記切削加工面に対する前記切削工具の角度が、0°から、進路方向に対して後方90°の範囲内で、前記工具主軸方向ベクトルを後方90°に近づけるように、前記第3の傾斜角度を決定し、
    前記決定した第3の傾斜角度を基に、前記工具主軸方向ベクトルを含む工具軌跡データを作成し、
    工具進行方向の切削力を、工具主軸方向の力と、工具主軸に対して垂直方向の力と、に分解したとき前記工具主軸方向の力より、工具主軸に対して垂直方向の力が小さくなるよう、前記第3の角度を決定すること
    を特徴とするCAM装置。
  2. 前記CAM装置は、
    前記切削工具を、前記切削加工面に対し、後方に傾斜させた状態で前記切削工具の主軸方向から前記加工対象物に侵入させるよう設定する手順を実行する切削開始動作設定手段をさらに含んで構成すること、
    を特徴とする請求項1に記載のCAM装置。
  3. CAD装置で作成した、曲面を有する加工対象物の形状データを読み込む形状データ読込手段と、
    各種の切削工具の形状に関する情報が格納された記憶手段と、
    前記切削工具の種類を選択し、選択した前記切削工具の形状に関する情報を前記記憶手段から取得する工具設定手段と、
    工具軌跡データを作成する工具軌跡データ作成手段と、
    を含んで構成され、加工対象物の中仕上げ加工および表面仕上げ加工を行うためのCAM装置における工具軌跡作成方法であって、
    前記工具軌跡データ作成手段が、
    前記形状データ読込手段から前記形状データを取得し、前記工具設定手段から前記選択した切削工具の形状に関する情報を取得する手順、
    前記切削工具の角度が、当該切削工具の進行方向後方の接線方向に当該切削工具の主軸方向を示す工具主軸方向ベクトルを合わせるように設定された初期値の状態で、前記形状データおよび前記切削工具の形状に関する情報を基に、前記工具主軸方向ベクトルを含む工具軌跡データを作成する手順、
    前記工具軌跡データと、前記形状データと、前記切削工具の形状に関する情報と、を基に、前記切削工具と、前記加工対象物と、が干渉するか否かの干渉チェックを行う手順、
    前記干渉チェックの結果、前記切削工具と、前記加工対象物と、が干渉しないと判定された場合、前記工具軌跡データを出力する手順、
    前記干渉チェックの結果、前記切削工具と、前記加工対象物と、が干渉する箇所があると判定された場合、前記形状データを基に、切削加工面の微分係数を算出し、解析することによって、前記切削加工面の凹凸を判定する手順、
    前記判定の結果、前記切削加工面が凹面である場合、前記取得した形状データと前記選択した切削工具の形状に関する情報とを使用して、前記切削工具を進路方向に対し、後方に傾斜させた状態における切削点を中心として、前記切削工具を仮想的に前後に傾斜させ、前記切削工具の底面および側面が前記加工対象物に接触する際の前記切削加工面に対する前記切削工具の角度である第1の傾斜角度および第2の傾斜角度を算出する手順、
    前記第1の傾斜角度および前記第2の傾斜角度の範囲内で、第3の傾斜角度を決定する手順、
    前記判定の結果、前記切削加工面が凸面である場合、前記取得した前記形状データと前記選択した切削工具の形状に関する情報とを使用して、前記切削加工面に対する前記切削工具の角度が、0°から、進路方向に対して後方90°の範囲内で、工具進行方向の切削力を、工具主軸方向の力と、工具主軸に対して垂直方向の力と、に分解したとき前記工具主軸方向の力より、工具主軸に対して垂直方向の力が小さくなるように、かつ前記工具の主軸方向を後方90°に近づけるように、前記第3の傾斜角度を決定する手順、
    前記決定した第3の傾斜角度を基に、前記工具主軸方向ベクトルを含む工具軌跡データを作成する手順、
    、含んで実行することを特徴とする工具軌跡作成方法。
  4. 前記CAM装置が、
    前記切削工具を、前記切削加工面に対し、後方に傾斜させた状態で前記切削工具の主軸方向から前記加工対象物に侵入させるよう設定する手順、
    をさらに含んで実行することを特徴とする請求項3に記載の工具軌跡作成方法。
  5. コンピュータに、請求項3または請求項4に記載の工具軌跡作成方法を実行させる工具軌跡作成プログラム。
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