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JP4696932B2 - 車両の操舵装置 - Google Patents

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JP4696932B2 JP2006015854A JP2006015854A JP4696932B2 JP 4696932 B2 JP4696932 B2 JP 4696932B2 JP 2006015854 A JP2006015854 A JP 2006015854A JP 2006015854 A JP2006015854 A JP 2006015854A JP 4696932 B2 JP4696932 B2 JP 4696932B2
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Description

本発明は、車両を操舵するために運転者によって操作される操舵ハンドルと、同操舵ハンドルに反力を付与する反力アクチュエータと、転舵輪を転舵するための転舵アクチュエータと、前記操舵ハンドルの操作に応じて前記反力アクチュエータを駆動制御して反力を付与するとともに前記転舵アクチュエータを駆動制御して転舵輪を転舵する制御装置とを備えたステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置に関する。
近年、この種の操舵装置、すなわち、運転者によって操作される操舵ハンドルと転舵輪との機械的な連結が解除されたステアリングバイワイヤ方式を採用した操舵装置の研究開発は盛んに行われている。そして、例えば、下記特許文献1には、ステアリングバイワイヤシステムにおいて操舵感を良好にするステアリング制御装置が示されている。
この従来のステアリング制御装置は、ステアリング・ホイールに運転者が付与する操舵トルクを検出する操舵トルクセンサと、転舵輪を転舵するための転舵機構における転舵変位量を検出する転舵変位量センサと、路面反力に基づいて転舵機構に働く転舵反力を検出する転舵反力センサまたは転舵機構に働く転舵反力を推定する転舵反力推定手段とを有している。そして、この従来のステアリング制御装置においては、操舵トルク、転舵反力および転舵反力の時間微分値またはその関連値を用いて、ステアリング・ホイールに操舵反力を付与する操舵アクチュエータの制御量を決定するようになっている。これにより、転舵反力の時間微分値の立ち上がりに伴って操舵反力を急峻に立ち上げることができるため、転舵反力に応じた操舵反力を速やかに付与できるようになっている。したがって、ビルドアップ感のある頑強で滑らかな操舵感が生成できるようになっている。
また、この従来のステアリング制御装置においては、ステアリング・ホイールの操舵角を検出する操舵角センサも設けられている。そして、この従来のステアリング制御装置においては、操舵角センサによって検出された操舵角に対し、車速などに応じて変化する伝達比を加味することによって転舵機構の転舵変位量、言い換えれば、転舵輪の転舵角を決定するようになっている。このように転舵変位量を決定することにより、運転者によるステアリング・ホイールの操作に応じて転舵輪を適切に転舵させることができ、車両を容易に旋回させるようになっている。
特開2004−34923号公報
ここで、一般的に、車両を低速で走行させるときには、運転者は、ステアリング・ホイール(操舵ハンドル)に入力する操作量(例えば、操舵角)の大きさに基づいて車両の旋回態様を決定する操舵傾向を有している。特に、車両を大きく旋回させるときには、操舵量に依存する操舵傾向が強くなる。一方、車両を高速で走行させるときには、運転者は、操舵ハンドルに入力する操作力(例えば、操舵トルク)の大きさに基づいて車両の旋回態様を決定する操舵傾向を有している。特に、中立位置近傍における操舵ハンドルの微小な操作においては、操舵力に依存する操舵傾向が強くなる。
ところで、上記従来のステアリング制御装置においては、操舵ハンドルの操作に応じて転舵輪が僅かに転舵し、この転舵輪の転舵に伴う転舵反力の入力が検出または推定されると、急峻に大きく変化する操舵反力が付与される。そして、このように急峻に立ち上がる操舵反力は、操舵ハンドルを介して、運転者によって知覚される。
このとき、上述した高速走行時における操舵傾向に従えば、運転者は、大きな操舵反力を知覚することによって、転舵輪が十分に、より詳しくは、運転者の意図したとおりに転舵していると認識すると考えられる。そして、運転者は、この認識に基づいて、自身が見込んだ旋回態様で車両が旋回を開始することを期待する。ところが、上記従来のステアリング制御装置においては、操舵ハンドルの操作によって決定される転舵変位量すなわち転舵輪の転舵角は、高速走行時であっても操舵角に依存して決定されるものであり、しかも、操舵角に対して車速に応じて変化する伝達比を加味して決定される。さらに、上記従来のステアリング制御装置では、急峻に大きくなる操舵反力が付与されるため、微小な操舵ハンドルの操作によって操舵角を入力することが難しくなる。
このため、高速走行時においては、転舵変位量(転舵角)が小さく決定される場合があり、この結果、運転者が相応の操舵反力を知覚しているにもかかわらず、転舵輪は運転者が意図した程度に十分に転舵していない可能性がある。これにより、運転者が高速走行時の操舵傾向すなわち操舵ハンドルを中立位置近傍で微小に操作することによって車両を旋回させようとしても、意図した旋回態様で車両を旋回させることが難しくなる。そして、この場合には、運転者は、転舵輪の転舵遅れや旋回不足を知覚し、車両の旋回状態に対して違和感を覚える場合がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、運転者による操舵ハンドルの操舵傾向に対応して応答性よく車両を旋回させる車両の操舵装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、車両を操舵するために運転者によって操作される操舵ハンドルと、同操舵ハンドルに反力を付与する反力アクチュエータと、転舵輪を転舵するための転舵アクチュエータと、前記操舵ハンドルの操作に応じて前記反力アクチュエータを駆動制御して反力を付与するとともに前記転舵アクチュエータを駆動制御して転舵輪を転舵する制御装置とを備えたステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、前記制御装置を、前記操舵ハンドルに対する運転者の操作量を検出する操作量検出手段と、前記操舵ハンドルに対する運転者の操作力を検出する操作力検出手段と、車両の旋回に関係して運転者が知覚し得る車両の運動状態を表していて前記操舵ハンドルに対する操作量と予め定めた関係にある第1の運動状態量を、前記検出した操作量を用いて計算する第1運動状態量計算手段と、車両の旋回に関係して運転者が知覚し得る車両の運動状態を表していて前記操舵ハンドルに対する操作力と予め定めた関係にある第2の運動状態量を、前記検出した操作力を用いて計算する第2運動状態量計算手段と、前記検出した操作量に基づいて、前記第1の運動状態量と前記第2の運動状態量との比を定めるための第1のパラメータ値を決定する第1パラメータ値決定手段と、前記検出した操作量の時間微分値に基づいて、前記第1の運動状態量と前記第2の運動状態量との比を定めるための第2のパラメータ値を決定する第2パラメータ値決定手段と前記検出した操作量に基づいて決定した前記第1のパラメータ値および前記検出した操作量の時間微分値に基づいて決定した前記第2のパラメータ値により決定した比を加味した第1の運動状態量と第2の運動状態量とを用いて、車両の旋回に関係して運転者が知覚し得る車両の運動状態量であって前記操舵ハンドルの操作によって見込んだ車両の運動状態量を表す見込み運動状態量を計算する見込み運動状態量計算手段と、前記計算した見込み運動状態量で車両が運動するために必要な前記転舵輪の転舵角を、前記計算した見込み運動状態量を用いて計算する転舵角計算手段と、前記計算した転舵角に応じて前記転舵アクチュエータを制御して前記転舵輪を同計算した転舵角に転舵する転舵制御手段とで構成したことにある。
この場合、前記第1の運動状態量、前記第2の運動状態量および前記見込み運動状態量は、例えば、車両の横加速度、ヨーレートおよび旋回曲率のうちのいずれか一つであるとよい。また、前記反力アクチュエータは、前記操舵ハンドルが車両を直進状態に維持するための中立位置近傍で操作されるとき、同操作に伴って検出した前記操舵ハンドルの操作量の変化量に比して大きな変化量で変化する反力を前記操舵ハンドルに付与するとよい。
この場合、前記第1パラメータ決定手段は、前記検出した操作量が小さいときに第1のパラメータ値を大きく決定するとともに前記検出した操作量が大きいときに第1のパラメータ値を小さく決定するものであり、前記第2パラメータ決定手段は、前記検出した操作量の時間微分値が小さいときに第2のパラメータ値を大きく決定するとともに前記検出した操作量の時間微分値が大きいときに第2のパラメータ値を小さく決定するものであり、前記見込み運動状態量計算手段は、前記第1のパラメータ値と前記第2のパラメータ値とが大きく決定されると、前記第2の運動状態量の比を大きくして前記見込み運動状態量を計算し、前記第1のパラメータ値と前記第2のパラメータ値とが小さく決定されると、前記第1の運動状態量の比を大きくして前記見込み運動状態量を計算するとよい。
上記のように構成した本発明においては、運転者が反力アクチュエータによって付与される反力に抗して操舵ハンドルを操作すると、操舵ハンドルに対する操作量(例えば、操舵角)と操舵力(例えば、操舵トルク)が検出される。そして、旋回に関係して運転者が知覚し得る車両の運動状態量(例えば、横加速度やヨーレート、旋回曲率など)として、検出された操作量を用いて第1の運動状態量が計算されるとともに検出された操作力を用いて第2の運動状態量が計算される。ここで、第1の運動状態量と第2の運動状態量は、それぞれ、操作量と操作力の変化に対して、例えば、比例関数的にまたはべき乗関数的に変化するように計算されるとよい。
一方で、運転者による操舵ハンドルの回動操作状態に応じて、第1の運動状態量と第2の運動状態量との比を定めるために検出した操作量に基づいて第1のパラメータ値が決定されるとともに検出した操作量の時間微分値に基づいて第2のパラメータ値が決定され、この決定された第1のパラメータおよび第2のパラメータを用いて決定した比を加味した第1の運動状態量と第2の運動状態量とを用いて見込み運動状態量が計算される。そして、計算された見込み運動状態量で車両が運動するための転舵輪の転舵角が計算されるとともに、同計算された転舵角に転舵輪が転舵される。
このように、運転者による操舵ハンドルの操作に応じて車両が運動(より詳しくは、旋回運動)することによって、運転者の操舵傾向に合わせた態様で車両を確実に旋回させることができる。すなわち、高速走行時における運転者の操舵傾向に従い、操舵ハンドルが中立位置近傍でゆっくりと操作される場合には、例えば、第2の運動状態量の比が大きくなるように第1のパラメータ値および第2のパラメータ値を決定することによって、運転者は、操舵ハンドルに入力する操作力に基づいて車両を応答性よく旋回させることができる。このとき、運転者によって入力された操作力、言い換えれば、反力アクチュエータによって付与される反力を、操作量の変化量よりも大きな変化量で変化させることができるため、操作力の微小変化を良好に検出することができる。そして、この検出した操作力の微小変化を反映した第2の運動状態量を確実に計算することができるため、運転者による操舵ハンドルの微小操作に対して、車両を確実に旋回させることができる。
一方、低速走行時における運転者の操舵傾向に従い、操舵ハンドルが大きな操作量で比較的速く操作される場合には、例えば、第1の運動状態量の比が大きくなるように第1のパラメータ値および第2のパラメータ値を決定することによって、運転者は、操舵ハンドルに入力する操作量に基づいて車両を容易に旋回させることができる。したがって、運転者の操舵傾向に確実に対応するとともに運転者の知覚特性に合わせて車両を旋回させることができる。
この場合、具体的には、操作量が小さいときに第1のパラメータ値を大きく決定するとともに操作量が大きいときに第1のパラメータ値を小さく決定することができ、操作量の時間微分値が小さいときに第2のパラメータ値を大きく決定するとともに操作量の時間微分値が大きいときに第2のパラメータ値を小さく決定することができる。
これに、第1のパラメータ値と第2のパラメータ値とが大きく決定されると、言い換えれば、運転者によって操舵ハンドルが中立位置近傍でゆっくりと操作されると、第2の運動状態量の比を大きくして見込み運動状態量を計算することができる。このため、高速走行時における運転者の操舵傾向に対して、操作力に基づく第2の運動状態量の見込み運動状態量に対する比(所謂、重み)を確実に大きくすることができる。したがって、運転者は、操舵ハンドルに入力する操作力に基づいて車両を極めて応答性よく旋回させることができるとともに、操舵ハンドルを微小操作した場合であっても、車両をより確実に旋回させることができる。
また、第1のパラメータ値と第2のパラメータ値とが小さく決定されると、言い換えれば、運転者によって操舵ハンドルが大きな操作量で素早く操作されると、第1の運動状態量の比を大きくして前記見込み運動状態量を計算することができる。このため、低速走行時における運転者の操舵傾向に対して、操作量に基づく第1の運動状態量の見込み運動状態量に対する比(所謂、重み)を確実に大きくすることができる。したがって、運転者の操舵傾向により確実に対応するとともに運転者の知覚特性に合わせて車両を旋回させることができる。
以下、本発明の実施形態に係る車両の操舵装置について図面を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る車両の操舵装置を概略的に示している。
この操舵装置は、転舵輪としての左右前輪FW1,FW2を転舵するために、運転者によって回動操作される操舵ハンドル11を備えている。操舵ハンドル11は、操舵入力軸12の上端に固定されており、操舵入力軸12の下端は電動モータおよび減速機構からなる反力アクチュエータ13に接続されている。反力アクチュエータ13は、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に対して所定の反力トルクを付与する。
また、この操舵装置は、電動モータおよび減速機構からなる転舵アクチュエータ21を備えている。この転舵アクチュエータ21による転舵力は、転舵出力軸22、ピニオンギア23およびラックバー24を介して左右前輪FW1,FW2に伝達される。この構成により、転舵アクチュエータ21からの回転力は転舵出力軸22を介してピニオンギア23に伝達され、ピニオンギア23の回転によりラックバー24が軸線方向に変位して、このラックバー24の軸線方向の変位により、左右前輪FW1,FW2は左右に転舵される。
次に、これらの反力アクチュエータ13および転舵アクチュエータ21の作動を制御する電気制御装置について説明する。電気制御装置は、操舵角センサ31、操舵トルクセンサ32、転舵角センサ33および車速センサ34を備えている。
操舵角センサ31は、操舵入力軸12に組み付けられていて、操舵入力軸12すなわち操舵ハンドル11の中立位置からの回転角を検出して操舵角θとして出力する。操舵トルクセンサ32も、操舵入力軸12に組み付けられていて、運転者によって操舵ハンドル11に入力されたトルクを検出して操舵トルクTとして出力する。ここで、操舵トルクセンサ32がトルクを検出する際には、ノイズの影響が懸念されるため、例えば、数Hz程度のローパスフィルタを設けるようにするとよい。転舵角センサ33は、転舵出力軸22に組み付けられていて、転舵出力軸22の中立位置からの回転角を検出して実転舵角δ(左右前輪FW1,FW2の転舵角に対応)として出力する。車速センサ34は、車速Vを検出して出力する。
なお、本実施形態における中立位置とは、車両を直進状態に維持するための操舵ハンドル11、操舵入力軸12、転舵出力軸22および左右前輪FW1,FW2の位置をいう。そして、操舵角θおよび実転舵角δは、中立位置にて「0」として検出され、左方向の回転角を正の値で表すとともに右方向の回転角を負の値で表す。また、操舵トルクTは、左方向に付与されるトルクを正の値で表すとともに右方向に付与されるトルクを負の値で表す。
これらのセンサ31〜34は、電子制御ユニット35に接続されている。電子制御ユニット35は、CPU、ROM、RAMなどからなるマイクロコンピュータを主要構成部品とするもので、後述するプログラムを含む各種プログラムの実行により反力アクチュエータ13および転舵アクチュエータ21の作動をそれぞれ制御する。このため、電子制御ユニット35の出力側には、反力アクチュエータ13および転舵アクチュエータ21を駆動制御するための駆動回路36,37がそれぞれ接続されている。駆動回路36,37内には、反力アクチュエータ13および転舵アクチュエータ21内の電動モータに流れる駆動電流を検出するための電流検出器36a,37aが設けられている。そして、電流検出器36a,37aによって検出された駆動電流は、両電動モータの駆動を制御するために、電子制御ユニット35にフィードバックされている。
次に、上記のように構成した実施形態の動作について詳細に説明する。運転者によって図示しないイグニッションスイッチがオン状態とされると、電子制御ユニット35(より詳しくは、CPU)は、図2に示す転舵角決定プログラムを所定の短時間ごとに繰り返し実行する。以下、この転舵角決定プログラムについて詳細に説明する。
電子制御ユニット35は、転舵角決定プログラムの実行をステップS10にて開始し、ステップS11にて、操舵角センサ31と操舵トルクセンサ32とからそれぞれ操舵角θと操舵トルクTを入力する。ここで、運転者が操舵ハンドル11を介して入力する操舵トルクT、言い換えれば、反力アクチュエータ13によって付与される反力トルク(以下、反力トルクTzという)について説明する。
反力アクチュエータ13によって付与される反力トルクTzは、図3に示すように、検出操舵角θが「0」、言い換えれば、操舵ハンドル11の中立位置近傍にて、検出操舵角θの変化量よりも大きな変化量で変化する特性を有する。そして、電子制御ユニット35は、操舵角センサ31から検出操舵角θを入力すると、この検出操舵角θに対応する反力トルクTzを図3の特性テーブルを用いて決定し、この反力トルクTzが反力アクチュエータ13によって付与されるように駆動回路36を制御する。すなわち、電子制御ユニット35は、駆動回路36の電流検出器36aから反力アクチュエータ13内の電動モータに流れる駆動電流を入力する。そして、電子制御ユニット35は、決定した反力トルクTzに対応した駆動電流が適切に流れるように駆動回路36をフィードバック制御する。
これにより、操舵ハンドル11に対して、反力アクチュエータ13から反力トルクTzが付与され、運転者は、この反力トルクTzに略等しいトルクを操舵ハンドル11に入力する。このように、運転者によって操舵ハンドル11にトルクが入力されると、操舵トルクセンサ32は入力されたトルクを操舵トルクTとして電子制御ユニット35に出力する。なお、運転者が上述した変化特性を有する反力トルクTzを知覚することにより、特に、操舵ハンドル11の中立位置近傍におけるしっかりとした操作感を得ることができる。ここで、反力トルクTzに関しては、図3に示した特性テーブルを参照して決定することに代えて、例えば、操舵角θが「0」の近傍にて反力トルクTzが操舵角θの変化よりも大きく変化する(所謂、上に凸となる)ように設定された種々の関数を用いて、計算して決定するようにしてもよい。
前記ステップS11にて検出操舵角θおよび検出操舵トルクTを入力すると、電子制御ユニット35は、ステップS12にて、第1の運動状態量としての目標横加速度Gmaを、検出操舵角θを用いて決定する。すなわち、電子制御ユニット35は、図4に示すように、検出操舵角θに対する目標横加速度Gmaの変化特性を表す予め実験的に設定された特性テーブルを参照して、目標横加速度Gmaを決定する。なお、目標横加速度Gmaに関しては、操舵角θの関数として表すことが可能であるため、図4に示した特性テーブルの参照に代えて、所定の関数(例えば、比例関数やべき乗関数など)を用いた計算によって決定するようにしてもよい。
前記ステップS12における目標横加速度Gmaの決定処理後、電子制御ユニット35は、ステップS13にて、第2の運動状態量としての目標横加速度Gmtを、検出操舵トルクTを用いて決定する。すなわち、電子制御ユニット35は、図5に示すように、検出操舵トルクTに対する目標横加速度Gmtの変化特性を表す予め実験的に設定された特性テーブルを参照して、目標横加速度Gmtを決定する。なお、目標横加速度Gmtに関しても、操舵トルクTの関数として表すことが可能であるため、図5に示した特性テーブルの参照に代えて、所定の関数(例えば、べき乗関数など)を用いた計算によって決定するようにしてもよい。
ここで、操舵角θに対する目標横加速度Gmaの変化特性と操舵トルクTに対する目標横加速度Gmtの変化特性について説明する。上述したように、運転者は、車両の低速走行時においては、操舵ハンドル11に入力する操舵角θの大きさに基づいて車両の旋回態様を決定する操舵傾向を有する。さらに、運転者は、低速走行時においては、操舵ハンドル11をある程度素早く回動する操舵傾向を有する。一方、運転者は、高速走行時においては、操舵ハンドル11に入力する操舵トルクTの大きさに基づいて車両の旋回態様を決定する操舵傾向を有する。さらに、運転者は、高速走行時においては、操舵ハンドル11をゆっくりと回動する操舵傾向を有する。
このように、運転者の異なる操舵傾向に対して適切に対応するとともに、操舵ハンドル11の回動操作に対する運転者の知覚特性に合わせて応答性よく車両を旋回させることができるように、目標横加速度Gmaおよび目標横加速度Gmtの変化特性が決定される。すなわち、低速走行時における操舵傾向に対応するとともに、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に起因する車両の旋回に伴って実際に小さく発生する横加速度と運転者がこの横加速度の発生を知覚する知覚特性とを一致させるために、操舵角θの変化に対して略リニアに変化する目標横加速度Gmaが設定される。
一方、高速走行時における操舵傾向に対応するとともに、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に起因する車両の旋回に伴って大きく発生する横加速度と運転者がこの横加速度を知覚する知覚特性とを一致させるために、操舵トルクTの変化に対してべき乗関数的に変化する目標横加速度Gmtが設定される。そして、このような変化特性を有するように設定された目標横加速度Gmaと目標横加速度Gmtとを用いて、後述する目標転舵角δfを決定することによって、運転者の操舵傾向への対応と運転者の知覚特性に合わせた車両の旋回態様の確保とを両立することができる。
そして、電子制御ユニット35は、ステップS13にて目標横加速度Gmtを決定すると、ステップS14にて、操舵ハンドル11の操作状態を表す操舵角θの大きさに応じて変化する第1パラメータ値としての重み付けパラメータ値K1を決定する。すなわち、電子制御ユニット35は、図6に示すように、操舵角θの増加に伴って「1」から「0」に向けて減少する重み付けパラメータ値K1を、検出操舵角θを用いて決定する。
この重み付けパラメータ値K1の決定について説明すると、上述したように、特に、高速走行時においては、運転者は、中立位置近傍で操舵トルクTの大きさを調整することによって車両を旋回させる。このため、中立位置近傍で操舵ハンドル11が回動操作されている場合、すなわち、検出操舵角θの変化範囲が「0」の近傍にある場合には、後述するように、目標横加速度Gmtの比(割合)を大きくするために、重み付けパラメータ値K1が大きく決定される。一方、特に、低速走行時においては、運転者は、操舵ハンドル11を大きく回動操作して操舵角θの大きさを調整することによって車両を旋回させる。このため、中立位置から離間して操舵ハンドル11が回動操作されている場合、すなわち、検出操舵角θが大きい場合には、後述するように、目標横加速度Gmaの比(割合)を大きくするために、重み付けパラメータ値K1が小さく決定される。
次に、電子制御ユニット35は、ステップS15にて、操舵ハンドル11の操舵状態を表す回動操作速度(以下、操舵角速度dθ/dtという)に応じて変化する第2のパラメータ値としての重み付けパラメータ値K2を決定する。すなわち、電子制御ユニット35は、検出操舵角θを時間微分することにより、操舵角速度dθ/dtを算出する。そして、電子制御ユニット35は、図7に示すように、操舵角速度dθ/dtの増加に伴って「1」から「0」に向けて減少する重み付けパラメータ値K2を、算出した操舵角速度dθ/dtを用いて決定する。
この重み付けパラメータ値K2の決定について説明すると、上述したように、特に、高速走行時においては、運転者は、ゆっくりと操舵ハンドル11を回動操作して車両を旋回させる。このため、算出された操舵角速度dθ/dtが小さいほど、後述するように、目標横加速度Gmtの比(割合)を大きくするために、重み付けパラメータ値K2が大きく決定される。一方、特に、低速走行時においては、運転者は、比較的素早く操舵ハンドル11を回動操作して車両を旋回させる。このため、算出された操舵角速度dθ/dtが大きいほど、後述するように、目標横加速度Gmaの比(割合)を大きくするために、重み付けパラメータ値K2が小さく決定される。
このように、重み付けパラメータ値K2を決定すると、電子制御ユニット35は、ステップS16にて、運転者が操舵ハンドル11の回動操作により見込んだ、見込み運動状態量としての見込み横加速度Gを、下記式1に従って計算する。
G=K2・(K1・Gmt+(1−K1)・Gma)+(1−K2)・Gma …式1
ただし、前記式1中のGmaは前記ステップS12にて決定された操舵角θに基づく目標横加速度Gmaであり、Gmtは前記ステップS13にて決定された操舵トルクTに基づく目標横加速度Gmtである。また、前記式1中のK1は前記ステップS14にて決定された操舵角θに基づく重み付けパラメータ値K1であり、K2は前記ステップS15にて決定された操舵角速度dθ/dtに基づく重み付けパラメータ値K2である。
そして、前記式1に従えば、運転者が操舵ハンドル11を中立位置近傍で回動操作した場合には、上述したように、重み付けパラメータ値K1が大きな値として決定され、この結果、右辺第1項における目標横加速度Gmtの見込み横加速度Gに対する比(割合)が大きくなる。逆に、運転者が操舵ハンドル11を大きく回動操作した場合には、重み付けパラメータ値K1が小さな値として決定され、この結果、右辺第1項における目標横加速度Gmaの見込み横加速度Gに対する比(割合)が大きくなる。また、運転者が操舵ハンドル11をゆっくりと回動操作した場合には、上述したように、重み付けパラメータ値K2が大きな値として決定され、この結果、前記式1における右辺第1項の見込み横加速度Gに対する比(割合)が大きくなる。逆に、運転者が操舵ハンドル11を素早く回動操作した場合には、重み付けパラメータ値K2が小さな値として決定され、この結果、前記式1における右辺第2項の見込み横加速度Gに対する比(割合)が大きくなる。
これにより、高速走行時における運転者の操舵傾向に従って、中立位置近傍でゆっくりと操舵ハンドル11を回動操作した場合には、操舵トルクTに基づいて決定された目標横加速度Gmtの比(割合)が大きくなった見込み横加速度Gが計算される。また、低速走行時における運転者の操舵傾向に従って、素早く大きな操舵角θまで操舵ハンドル11を回動操作した場合には、操舵角θに基づいて決定された目標横加速度Gmaの比(割合)が大きくなった見込み横加速度Gが計算される。
このように見込み横加速度Gを計算すると、電子制御ユニット35は、ステップS17にて、計算した見込み横加速度Gで車両が旋回するための目標転舵角δfを、下記式2に従って計算する。
δf=L・(1+A・V2)・G/V2 …式2
ただし、前記式2中のLは車両のホイールベースを示す予め決められた所定値であり、Aは車両の運動性能を示す予め決められた所定値である。また、前記式2中のVは、車速センサ34によって検出された車速Vである。
そして、電子制御ユニット35は、目標転舵角δfを計算すると、続くステップS18およびステップS19を繰り返し実行し、左右前輪FW1,FW2が目標転舵角δfとなるまで、オーバーシュートさせることなく転舵アクチュエータ21を駆動制御する。具体的に説明すると、電子制御ユニット35は、ステップS18にて、駆動回路37から転舵アクチュエータ21の電動モータに流れる駆動電流を入力し、駆動電流が適切に電動モータに流れるようにフィードバック制御する。これにより、転舵アクチュエータ21の電動モータは、転舵出力軸22、ピニオンギア23およびラックバー24を介して左右前輪FW1,FW2を転舵させる。そして、電子制御ユニット35は、ステップS19にて、転舵角センサ33によって検出された実転舵角δが目標転舵角δfと一致するまで「No」と判定し続け、実転舵角δが目標転舵角δfと一致すると、「Yes」と判定してステップS20に進む。
ステップS20においては、電子制御ユニット35は、転舵アクチュエータ21の作動を停止させ、ステップS21にて、転舵角決定プログラムの実行を一旦終了する。そして、所定の短時間が経過すると、ふたたび、転舵角決定プログラムの実行を開始する。
以上の説明からも理解できるように、本実施形態によれば、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に応じて車両が旋回運動することによって、運転者の操舵傾向に合わせた態様で車両を確実に旋回させることができる。すなわち、電子制御ユニット35は、操舵角θを用いて目標横加速度Gmaを決定するとともに操舵トルクTを用いて目標横加速度Gmtを決定することができる。また、電子制御ユニット35は、操舵角θに基づいて決定される重み付けパラメータ値K1と操舵角速度dθ/dtに基づいて決定される重み付けパラメータ値K2とを決定することができる。そして、操舵角θが小さいときに重み付けパラメータ値K1を大きく決定するとともに操舵角θが大きいときに重み付けパラメータ値K1を小さく決定し、操舵角速度dθ/dtが小さいときに重み付けパラメータ値K2を大きく決定するとともに操舵角速度dθ/dtが大きいときに重み付けパラメータ値K2を小さく決定することができる。
また、電子制御ユニット35は、このように決定される重み付けパラメータ値K1と重み付けパラメータ値K2を用いるとともに目標横加速度Gmaと目標横加速度Gmtとを用いて見込み横加速度Gを計算し、この見込み横加速度Gを用いて目標転舵角δfを計算することにより、良好に運転者の操舵傾向を反映して車両を旋回させることができる。すなわち、重み付けパラメータ値K1と重み付けパラメータ値K2とが大きく決定されると、前記式1に従って目標横加速度Gmtの割合を大きくして見込み横加速度Gを計算することができる。このため、高速走行時における運転者の操舵傾向に対して、操舵トルクTに基づく目標横加速度Gmtの見込み横加速度Gに対する、所謂、重みを大きくすることができる。したがって、運転者は、操舵ハンドル11に入力する操舵トルクTに基づいて車両を極めて応答性よく旋回させることができるとともに、操舵ハンドル11を微小操作した場合であっても、車両をより確実に旋回させることができる。
また、重み付けパラメータ値K1と重み付けパラメータ値K2とが小さく決定されると、前記式1に従って目標横加速度Gmaの割合を大きくして見込み横加速度Gを計算することができる。このため、低速走行時における運転者の操舵傾向に対して、操舵角θに基づく目標横加速度Gmaの見込み横加速度Gに対する重みを大きくすることができる。したがって、運転者の操舵傾向に確実に対応するとともに運転者の知覚特性に合わせて車両を旋回させることができる。
ここで、上記実施形態においては、車両の旋回に関係して運転者が知覚し得る車両の運動状態量として横加速度を採用し、見込み運動状態量として見込み横加速度Gを計算するように実施した。しかしながら、その他の運動状態量、例えば、ヨーレートや旋回曲率を採用し、見込み運動状態量として見込みヨーレートγや見込み旋回曲率ρを計算するとともに、これら見込みヨーレートγや見込み旋回曲率ρで車両が旋回するための目標転舵角δfを決定するように変形して実施することも可能である。以下、具体的に説明する。
まず、運動状態量としてヨーレートγを採用した場合から説明する。この変形例においても、電子制御ユニット35は、上記実施形態と同様に、転舵角決定プログラムを実行する。すなわち、電子制御ユニット35は、ステップS11にて操舵角θおよび操舵トルクTを操舵角センサ31および操舵トルクセンサ32から入力する。そして、電子制御ユニット35は、ステップS12にて、図4に示した操舵角θに対する目標横加速度Gmaと同様の変化特性を有する目標ヨーレートγmaを決定し、ステップS13にて、図5に示した操舵トルクTに対する目標横加速度Gmtと同様の変化特性を有する目標ヨーレートγmtを決定する。
続く、ステップS14およびステップS15においては、電子制御ユニット35は、上記実施形態と同様に、操舵角θに基づいて重み付けパラメータ値K1を決定するとともに、操舵角速度dθ/dtに基づいて重み付けパラメータ値K2を決定する。そして、電子制御ユニット35は、ステップS16にて、運転者が操舵ハンドル11の回動操作により見込んだ見込みヨーレートγを、前記式1と同様の下記式3に従って計算する。
γ=K2・(K1・γmt+(1−K1)・γma)+(1−K2)・γma …式3
そして、前記式3に従えば、運転者が操舵ハンドル11を中立位置近傍で回動操作した場合には、上記実施形態と同様に、重み付けパラメータ値K1が大きな値として決定され、この結果、右辺第1項における目標ヨーレートγmtの見込みヨーレートγに対する比(割合)が大きくなる。逆に、運転者が操舵ハンドル11を大きく回動操作した場合には、重み付けパラメータ値K1が小さな値として決定され、この結果、右辺第1項における目標ヨーレートγmaの見込みヨーレートγに対する比(割合)が大きくなる。また、運転者が操舵ハンドル11をゆっくりと回動操作した場合には、上記実施形態と同様に、重み付けパラメータ値K2が大きな値として決定され、この結果、前記式3における右辺第1項の見込みヨーレートγに対する比(割合)が大きくなる。逆に、運転者が操舵ハンドル11を素早く回動操作した場合には、重み付けパラメータ値K2が小さな値として決定され、この結果、前記式3における右辺第2項の見込みヨーレートγに対する比(割合)が大きくなる。
これにより、高速走行時における運転者の操舵傾向に従って、中立位置近傍でゆっくりと操舵ハンドル11を回動操作した場合には、操舵トルクTに基づいて決定された目標ヨーレートγmtの比(割合)が大きくなった見込みヨーレートγが計算される。また、低速走行時における運転者の操舵傾向に従って、素早く大きな操舵角θまで操舵ハンドル11を回動操作した場合には、操舵角θに基づいて決定された目標ヨーレートγmaの比(割合)が大きくなった見込みヨーレートγが計算される。
そして、電子制御ユニット35は、見込みヨーレートγを計算すると、上記実施形態と同様に、ステップS17にて目標転舵角δfを、前記式2と同様の下記式4に従って計算する。
δf=L・(1+A・V2)・γ/V …式4
ただし、前記式4においても、Lは車両のホイールベースを示す予め決められた所定値であり、Aは車両の運動性能を示す予め決められた所定値である。また、前記式4中のVは、車速センサ34によって検出された車速Vである。
このように、目標転舵角δfを計算すると、電子制御ユニット35は、ステップS18およびステップS19を繰り返し実行して転舵アクチュエータ21を作動させ、実転舵角δが目標転舵角δfと一致すると、転舵角決定プログラムの実行を一旦終了する。以上の説明からも理解できるように、運動状態量としてヨーレートγを採用して場合であっても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
また、運動状態量として旋回曲率ρを採用した場合には、転舵角決定プログラムにおけるステップS12およびステップS13にて、上記実施形態と同様に、操舵角θに対する目標旋回曲率ρmaおよび操舵トルクTに対する目標旋回曲率ρmtが決定される。そして、上記実施形態と同様に、ステップS16にて、重み付けパラメータ値K1,K2、目標旋回曲率ρmaおよび目標旋回曲率ρmtを用いて、前記式1と同様の下記式5に従い見込み旋回曲率ρが計算される。
ρ=K2・(K1・ρmt+(1−K1)・ρma)+(1−K2)・ρma …式5
また、ステップS17においては、計算された見込み旋回曲率ρを用いて、前記式2と同様の下記式6に従い目標転舵角δfが計算される。
δf=L・(1+A・V2)・ρ …式6
ただし、前記式6においても、Lは車両のホイールベースを示す予め決められた所定値であり、Aは車両の運動性能を示す予め決められた所定値である。また、前記式6中のVは、車速センサ34によって検出された車速Vである。
なお、これらステップ以外の転舵角決定プログラムにおける各ステップは、上記実施形態および上記変形例と同様に実行されるため、その説明を省略する。したがって、運動状態量として旋回曲率ρを採用した場合であっても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態および変形例においては、車両を操舵するために回動操作される操舵ハンドル11を用いるようにした。しかし、これに代えて、例えば、直線的に変位するジョイスティックタイプの操舵ハンドルを用いてもよいし、その他、運転者によって操作されるとともに車両に対する操舵を指示できるものであれば、いかなるものを用いてもよい。
また、上記実施形態および変形例においては、転舵アクチュエータ21が転舵出力軸22を回転させることにより、左右前輪FW1,FW2を転舵するようにした。これに代えて、電動モータを用いてラックバー24をリニアに変位させることにより、左右前輪FW1,FW2を転舵するようにしてもよい。
さらに、上記実施形態および変形例においては、運転者が知覚し得る車両の運動状態量として、横加速度G、ヨーレートγおよび旋回曲率ρをそれぞれ単独で用いるようにした。しかし、これらの車両の運動状態量を、運転者による選択操作により切り換え、または、車両の走行状態に応じて自動的に切り換えて、車両の操舵制御を行うようにしてもよい。車両の走行状態に応じて自動的に切り換える場合、例えば、車両の低速走行時には前記運動状態量として旋回曲率ρを用い、車両の中速走行時には前記運動状態量としてヨーレートγを用い、車両の高速走行時には前記運動状態量として横加速度Gを用いるようにする。これによれば、車両の走行車速域に応じて、運転者が容易に知覚できる運動状態量を適切に選択でき、運転者の操舵傾向に良好に対応することができるとともに運転者の知覚特性に合った態様で車両を応答性よく旋回させることができる。
本発明の実施形態に係る車両の操舵装置の概略図である。 図1の電子制御ユニットにて実行される転舵角決定プログラムを示すフローチャートである。 図1の反力アクチュエータによって操舵ハンドルに付与される反力トルクの操舵角に対する変化特性を示すグラフである。 操舵角と目標横加速度(目標ヨーレート,目標旋回曲率)の関係を示すグラフである。 操舵トルクと目標横加速度(目標ヨーレート,目標旋回曲率)の関係を示すグラフである。 操舵角と重み付けパラメータ値の関係を示すグラフである。 操舵角速度と重み付けパラメータ値の関係を示すグラフである。
符号の説明
FW1,FW2…前輪、11…操舵ハンドル、12…操舵入力軸、13…反力アクチュエータ、21…転舵アクチュエータ、22…転舵出力軸、23…ピニオンギア、24…ラックバー、31…操舵角センサ、32…操舵トルクセンサ、33…転舵角センサ、34…車速センサ、35…電子制御ユニット、36,37…駆動回路

Claims (4)

  1. 車両を操舵するために運転者によって操作される操舵ハンドルと、同操舵ハンドルに反力を付与する反力アクチュエータと、転舵輪を転舵するための転舵アクチュエータと、前記操舵ハンドルの操作に応じて前記反力アクチュエータを駆動制御して反力を付与するとともに前記転舵アクチュエータを駆動制御して転舵輪を転舵する制御装置とを備えたステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、前記制御装置を、
    前記操舵ハンドルに対する運転者の操作量を検出する操作量検出手段と、
    前記操舵ハンドルに対する運転者の操作力を検出する操作力検出手段と、
    車両の旋回に関係して運転者が知覚し得る車両の運動状態を表していて前記操舵ハンドルに対する操作量と予め定めた関係にある第1の運動状態量を、前記検出した操作量を用いて計算する第1運動状態量計算手段と、
    車両の旋回に関係して運転者が知覚し得る車両の運動状態を表していて前記操舵ハンドルに対する操作力と予め定めた関係にある第2の運動状態量を、前記検出した操作力を用いて計算する第2運動状態量計算手段と、
    前記検出した操作量に基づいて、前記第1の運動状態量と前記第2の運動状態量との比を定めるための第1のパラメータ値を決定する第1パラメータ値決定手段と、
    前記検出した操作量の時間微分値に基づいて、前記第1の運動状態量と前記第2の運動状態量との比を定めるための第2のパラメータ値を決定する第2パラメータ値決定手段と
    前記検出した操作量に基づいて決定した前記第1のパラメータ値および前記検出した操作量の時間微分値に基づいて決定した前記第2のパラメータ値により決定した比を加味した第1の運動状態量と第2の運動状態量とを用いて、車両の旋回に関係して運転者が知覚し得る車両の運動状態量であって前記操舵ハンドルの操作によって見込んだ車両の運動状態量を表す見込み運動状態量を計算する見込み運動状態量計算手段と、
    前記計算した見込み運動状態量で車両が運動するために必要な前記転舵輪の転舵角を、前記計算した見込み運動状態量を用いて計算する転舵角計算手段と、
    前記計算した転舵角に応じて前記転舵アクチュエータを制御して前記転舵輪を同計算した転舵角に転舵する転舵制御手段とで構成したことを特徴とするステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。
  2. 請求項に記載したステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、
    前記第1パラメータ決定手段は、前記検出した操作量が小さいときに第1のパラメータ値を大きく決定するとともに前記検出した操作量が大きいときに第1のパラメータ値を小さく決定するものであり、
    前記第2パラメータ決定手段は、前記検出した操作量の時間微分値が小さいときに第2のパラメータ値を大きく決定するとともに前記検出した操作量の時間微分値が大きいときに第2のパラメータ値を小さく決定するものであり、
    前記見込み運動状態量計算手段は、
    前記第1のパラメータ値と前記第2のパラメータ値とが大きく決定されると、前記第2の運動状態量の比を大きくして前記見込み運動状態量を計算し、前記第1のパラメータ値と前記第2のパラメータ値とが小さく決定されると、前記第1の運動状態量の比を大きくして前記見込み運動状態量を計算することを特徴とするステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載したステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、
    前記第1の運動状態量、前記第2の運動状態量および前記見込み運動状態量は、車両の横加速度、ヨーレートおよび旋回曲率のうちのいずれか一つであるステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。
  4. 請求項1に記載したステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、
    前記反力アクチュエータは、
    前記操舵ハンドルが車両を直進状態に維持するための中立位置近傍で操作されるとき、同操作に伴って検出した前記操舵ハンドルの操作量の変化量に比して大きな変化量で変化する反力を前記操舵ハンドルに付与することを特徴とするステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。
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