以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る携帯無線機100の開いた状態の平面図である。
携帯無線機100は、第1の筐体101と、第2の筐体102と、第3の筐体103と、第1のヒンジ部104と、第2のヒンジ部105と、無線回路106と、整合回路107と、給電部108と、回路基板109と、回路基板110と、回路基板111とから主に構成される。以下に、各構成について、詳細に説明する。
第1の筐体101は、平面視矩形状であり、第1のヒンジ部104により図1のY方向に回動自在に第2の筐体102に連結される。また、第1の筐体101は、無線回路106及び整合回路107を設けた回路基板109を有する。
第2の筐体102は、平面視矩形状であり、第1のヒンジ部104により図1のY方向に回動自在に第1の筐体101に連結される。また、第2の筐体102は、第2のヒンジ部105により図1のX方向(第2の筐体102の底面と第3の筐体103の底面とが対向する方向及び離れる方向)に回動自在に第3の筐体103に連結される。即ち、第2の筐体102は、互いに交わる異なる2辺に設けた第1のヒンジ部104と第2のヒンジ部105により、第1の筐体101及び第3の筐体103と回動自在に連結する。また、第2の筐体102は、回路基板110を有する。
第3の筐体103は、平面視矩形状であり、第2のヒンジ部105により図1のX方向に回動自在に第2の筐体102に連結される。また、第3の筐体103は、回路基板111を有する。
第1のヒンジ部104は、導電性を有する材料により形成される。また、第1のヒンジ部104は、第1の筐体101と第2の筐体102とを、図1の回動軸P1を中心に回動可能に連結する。また、第1のヒンジ部104は、給電部108と電気的に接続する。また、第1のヒンジ部104は、第2の筐体102の回路基板110に設けたグランド部と電気的に接続する。
第2のヒンジ部105は、導電性を有する材料により形成される。また、第2のヒンジ部105は、第2の筐体102と第3の筐体103とを、図1の回動軸P2を中心に回動可能に連結する。また、第2のヒンジ部105は、第2の筐体102の回路基板110に設けたグランド部と第3の筐体103の回路基板111に設けたグランド部とを電気的に接続する。ここで、回動軸P2は、回動軸P1と直交する。
無線回路106は、第1の筐体101の回路基板109に設けられる。また、無線回路106は、回路基板109のグランド部と電気的に接続するグランド接続部を有する。また、無線回路106は、整合回路107と電気的に接続する。
整合回路107は、無線回路106と第1のヒンジ部104との間に直列に接続され、無線回路106及び第1のヒンジ部104と電気的に接続する。また、整合回路107は、回路基板109のグランド部と電気的に接続するグランド接続部を有する。
給電部108は、整合回路107に設けられ、第1のヒンジ部104と電気的に接続する。
回路基板109は、グランド部を有し、第1の筐体101に設けられる。また、回路基板109は、無線回路106及び整合回路107を有する。また、回路基板109のグランド部は、無線回路106のグランド接続部及び整合回路107のグランド接続部と電気的に接続する。
回路基板110は、グランド部を有し、第2の筐体102に設けられる。また、回路基板110のグランド部は、第1のヒンジ部104及び第2のヒンジ部105と電気的に接続する。
回路基板111は、グランド部を有し、第3の筐体103に設けられる。また、回路基板111のグランド部は、第2のヒンジ部105と電気的に接続される。
次に、携帯無線機100の開閉動作について、図1を用いて説明する。
第1の筐体101と第2の筐体102と第3の筐体103とが上下に重なり合った図示しない閉じた状態において、回動軸P1を中心にして第2の筐体102を図1のY2方向へ回動させ、続けて回動軸P2を中心にして第3の筐体103を図1のX1方向へ回動させることにより図1の開いた状態になる。
また、図1の開いた状態において、回動軸P2を中心にして第3の筐体103を図1のX2方向に回動させ、続けて回動軸P1を中心にして第2の筐体102を図1のY1方向に回動させることにより閉じた状態になる。
次に、携帯無線機100におけるアンテナ電流分布ついて、図1を用いて説明する。
第1の筐体101の回路基板109のグランド部には、給電部108近傍の回路基板109のグランド上のアンテナ電流分布が強く、給電部108を中心に放射状に回路基板109上にアンテナ電流が分布する。また、第2の筐体102の回路基板110のグランド部には、第1のヒンジ部104と回路基板110のグランド部との接続部を中心にして放射状にアンテナ電流が分布する。また、第3の筐体103の回路基板111のグランド部には、第2のヒンジ部105と回路基板111のグランド部との接続部を中心にして放射状にアンテナ電流が分布する。これにより、回路基板109のグランド部と、回路基板110のグランド部と、回路基板111のグランド部とがアンテナとして機能し、ダイポールアンテナを構成することができる。このダイポールアンテナは、下方の1つの回路基板109のグランド部と、上方において左右に平行に配置した2つの回路基板110及び回路基板111のグランド部とにより構成されるので、上下のアンテナ素子長をアンバランスにすることで多数の共振周波数が発生し、さらに従来に比べてダイポールアンテナの体積を増大させることができるので、広帯域化が可能になる。
図2は、本実施の形態におけるVSWR(電圧定在波比)特性を示す図である。一般的に帯域幅としては、VSWR<3の周波数帯を示す。図2において、実線は、本実施の形態における携帯無線機100のVSWR特性を示し、破線は、従来の2つの筐体を有する特許文献1の携帯無線機のVSWR特性を示すものである。
図2より、従来は、セルラー通信用帯域の800MHz帯及び2GHz帯において良好なVSWR特性を得られる。一方、本実施の形態は、セルラー通信用に加えて、ディジタルテレビの使用帯域においても良好なVSWR特性を得ることができる。すなわち、本実施の形態は、セルラー通信およびディジタルテレビの使用帯域において、良好な通信性能を確保することができる。したがって、本実施の形態では、第2筐体102および第3筐体103に配置される図示しない表示部によって大画面のディジタルテレビ視聴を良好に行なうことができる。
次に、第2のヒンジ部105を設ける位置の相違によるVSWR特性の変化について、図3及び図4を用いて説明する。図3は、本実施の形態に係る携帯無線機100の第2のヒンジ部105を設ける位置を変えた状態を示す平面図である。図4は、第2のヒンジ部105を設ける位置の相違によるVSWR特性の変化を示す図である。なお、図3において、図1と同一部分には同一の符号を付している。
第2の筐体102の第1のヒンジ部104と連結する短辺301と交わる長辺302において、短辺301側の端部に第2のヒンジ部105−1を設けた場合には、図4に実線で示すVSWR特性を得ることができる。この場合、回路基板109のグランド部と、回路基板110のグランド部と、回路基板111のグランド部とにより構成されるアンテナは、各回路基板109、110、111のグランド部に流れるアンテナ電流を大きくすることができるので、放射抵抗を高くすることができる。
また、長辺302において、短辺301側の略中央部に第2のヒンジ部105−2を設けた場合には、図4に一点鎖線で示すVSWR特性を得ることができる。
また、長辺302において、短辺301側と反対側の端部に第2のヒンジ部105−3を設けた場合には、回路基板110のグランド部及び回路基板111のグランド部に流れるアンテナ電流の経路の長さを、上記の場合に比べて長くすることができる。その結果、図4に破線で示すVSWR特性を得ることができる。
図3及び図4より、第2のヒンジ部105を設ける位置を調整することにより異なるVSWR特性を有するアンテナを構成することができる。本実施の形態では、長辺302において、短辺301側の端部に第2のヒンジ部105−1を設けることが好ましい。
このように、本実施の形態によれば、製造コストの大幅な増大を招くことなく、広帯域にすることができ、複数の無線システムに対応することができる。また、本実施の形態によれば、第2のヒンジ部を設ける位置を調整することにより、VSWR特性の異なるアンテナを構成することができる。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2に係る携帯無線機500の横開き状態の平面図である。また、図6は本発明の実施の形態2に係る携帯無線機500の縦開き状態の平面図である。
携帯無線機500は、第1の筐体501と、第2の筐体502と、第3の筐体503と、第1のヒンジ部504と、第2のヒンジ部505と、第3のヒンジ部506と、無線回路507と、整合回路508と、給電部509と、回路基板510と、回路基板511と、回路基板512とから主に構成される。以下に、各構成について、詳細に説明する。
第1の筐体501は、平面視矩形状であり、第1のヒンジ部504により図6のY方向に回動自在に第2の筐体502に連結される。また、第1の筐体501は、第3のヒンジ部506により図5のZ方向に回動自在に第2の筐体502に連結される。また、第1の筐体501は、無線回路507及び整合回路508を設けた回路基板510を有する。
第2の筐体502は、平面視矩形状であり、第1のヒンジ部504により図6のY方向に回動自在に第1の筐体501に連結される。また、第2の筐体502は、第3のヒンジ部506により図5のZ方向に回動自在に第1の筐体501に連結される。即ち、第2の筐体502は、第1の筐体501に対して、互いに垂直な異なる2方向(Y方向とZ方向)に回動可能である。また、第2の筐体502は、互いに交わる異なる2辺に設けた第1のヒンジ部504と第2のヒンジ部505により、第1の筐体501及び第3の筐体503と回動自在に連結する。また、第2の筐体502は、回路基板511を有する。
第3の筐体503は、平面視矩形状であり、第2のヒンジ部505により図5及び図6のX方向(第2の筐体502の底面と第3の筐体503の底面とが対向する方向及び離れる方向)に回動自在に第2の筐体502に連結される。また、第3の筐体503は、回路基板512を有する。
第1のヒンジ部504は、導電性を有する材料により形成される。また、第1のヒンジ部504は、第1の筐体501と第2の筐体502とを、図6の回動軸P1を中心に回動可能に連結する。また、第1のヒンジ部504は、給電部509と電気的に接続する。また、第1のヒンジ部504は、第3のヒンジ部506と電気的に接続する。
第2のヒンジ部505は、導電性を有する材料により形成される。また、第2のヒンジ部505は、第2の筐体502と第3の筐体503とを、図6の回動軸P2を中心に回動可能に連結する。また、第2のヒンジ部505は、第2の筐体502の回路基板511に設けたグランド部と第3の筐体503の回路基板512に設けたグランド部とを電気的に接続する。ここで、回動軸P2は、回動軸P1と直交する。
第3のヒンジ部506は、導電性を有する材料により形成される。また、第3のヒンジ部506は、第1の筐体501と第2の筐体502とを、図5の回動軸P3を中心に回動可能に連結する。また、第3のヒンジ部506は、第1のヒンジ部504と第2の筐体502の回路基板511に設けたグランド部とを電気的に接続する。ここで、回動軸P3は、回動軸P1と直交するとともに、回動軸P2と平行である。なお、第3のヒンジ部506は、第2の筐体502が図6のY方向に回動する際に、第2の筐体502と共に回動する。
無線回路507は、第1の筐体501の回路基板510に設けられる。また、無線回路507は、回路基板510のグランド部と電気的に接続するグランド接続部を有する。また、無線回路507は、整合回路508と電気的に接続する。
整合回路508は、無線回路507と第1のヒンジ部504との間に直列に接続され、無線回路507及び第1のヒンジ部504と電気的に接続する。また、整合回路508は、回路基板510のグランド部と電気的に接続するグランド接続部を有する。
給電部509は、整合回路508に設けられ、第1のヒンジ部504と電気的に接続する。
回路基板510は、グランド部を有し、第1の筐体501に設けられる。また、回路基板510は、無線回路507及び整合回路508を有する。また、第1の回路基板510のグランド部は、無線回路507のグランド接続部及び整合回路508のグランド接続部と電気的に接続する。
回路基板511は、グランド部を有し、第2の筐体502に設けられる。また、回路基板511のグランド部は、第2のヒンジ部505及び第3のヒンジ部506と電気的に接続する。
回路基板512は、グランド部を有し、第3の筐体503に設けられる。また、回路基板512のグランド部は、第2のヒンジ部505と電気的に接続する。
次に、携帯無線機500の開閉動作について、図5及び図6を用いて説明する。
最初に、横開きの場合の開閉動作について、図5を用いて説明する。
第1の筐体501と第2の筐体502と第3の筐体503とが上下に重なり合った図示しない閉じた状態において、回動軸P3を中心にして第2の筐体502を図5のZ1方向へ回動させ、続けて回動軸P2を中心にして第3の筐体503を図5のX1方向へ回動させることにより図5の横開き状態になる。
また、図5の横開き状態において、回動軸P2を中心にして第3の筐体503を図5のX2方向に回動させ、続けて回動軸P3を中心にして第2の筐体502を図5のZ2方向に回動させることにより閉じた状態になる。
次に、縦開き状態における開閉動作について、図6を用いて説明する。
閉じた状態において、回動軸P1を中心にして第2の筐体502を図6のY2方向へ回動させ、続けて回動軸P2を中心にして第3の筐体503を図6のX1方向へ回動させることにより図6の縦開き状態になる。
また、図6の縦開き状態において、回動軸P2を中心にして第3の筐体503を図6のX2方向に回動させ、続けて回動軸P1を中心にして第2の筐体502を図6のY1方向に回動させることにより閉じた状態になる。
次に、携帯無線機500におけるアンテナ電流分布について、図5〜図8を用いて説明する。図7は、本実施の形態に係る携帯無線機500の第2のヒンジ部505を設ける位置を変えた状態を示す平面図である。また、図8は、第2のヒンジ部505を設ける位置の相違によるVSWR特性の変化を示す図である。図8において、実線及び一点鎖線は、本実施の形態における携帯無線機500の横開き状態のVSWR特性を示し、破線は、従来の2つの筐体を有する場合の横開き状態の携帯無線機のVSWR特性を示すものである。なお、図7において、図5と同一部分には同一の符号を付している。
図6の縦開きの場合には、実施形態1の図1と同等の電流分布となり、VSWR特性についてもほぼ同等の性能が得られる。一方、図5及び図7の横開きの場合には、回路基板510のグランド部と、回路基板511のグランド部と、回路基板512のグランド部とがアンテナとして機能し、ダイポールアンテナを構成することができる。このダイポールアンテナは、下方の1つの回路基板510のグランド部と、上方に配置した2つの回路基板511及び回路基板512のグランド部とにより構成されるので、従来に比べてダイポールアンテナの体積を増大させることができるので、広帯域化が可能になる。
本実施形態に係る携帯無線機500は、第2のヒンジ部505及び回路基板512を設けることによって、図8に示すように帯域幅は大幅に広くなることがわかる。これは、回路基板512が存在することで、携帯無線機500は、2つの共振周波数を有するモードにおいて動作し、帯域幅が広がったことになる。これにより、ディジタルテレビの使用チャネルにおいて広帯域が実現し、主要チャネル帯域(473〜707MHz帯)において、良好な通信性能を確保することができる。したがって、第2筐体502および第3筐体503に配置される図示しない表示部によって大画面のディジタルテレビ視聴を良好に行なうことができる。
次に、第2のヒンジ部505を設ける位置によるVSWR特性の変化について、図7及び図8を用いて説明する。
図6の縦開き状態において、第2の筐体502の第1のヒンジ部504と接続する短辺701と交わる長辺702において、短辺701側の端部に第2のヒンジ部505−1を設けた場合には、図8に一点鎖線で示すVSWR特性を得ることができる。
また、長辺702において、短辺701側と反対側の端部に第2のヒンジ部505−2を設けた場合には、回路基板511のグランド部及び回路基板512のグランド部に流れるアンテナ電流の経路の長さを、上記の場合に比べて長くすることができる。その結果、図8に実線で示すVSWR特性を得ることができる。これにより、ディジタルテレビの使用チャネルにおいて広帯域が実現し、デジタルテレビチャネル帯域(473〜770MHz帯)において、良好な通信性能を確保することができる。
図7及び図8より、第2のヒンジ部105を設ける位置を調整することにより、異なるVSWR特性を有するアンテナを構成することができる。本実施の形態では、長辺702において、短辺701側の端部に第2のヒンジ部505−1を設けることが好ましい。
このように、本実施の形態によれば、横開き状態と縦開き状態の双方において、製造コストの大幅な増大を招くことなく、広帯域にすることができ、複数の無線システムに対応することができる。また、本実施の形態によれば、第2のヒンジ部を設ける位置を調整することにより、VSWR特性の異なるアンテナを構成することができる。
(実施の形態3)
図9は、本発明の実施の形態3に係る携帯無線機900の開いた状態の平面図である。
図9に示す携帯無線機900は、図1に示す実施の形態1に係る携帯無線機100に対して、リアクタンス素子901を追加する。なお、図9において、図1と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
携帯無線機900は、第1の筐体101と、第2の筐体102と、第3の筐体103と、第1のヒンジ部104と、第2のヒンジ部105と、無線回路106と、整合回路107と、給電部108と、回路基板109と、回路基板110と、回路基板111と、リアクタンス素子901とから主に構成される。
第2の筐体102は、平面視矩形状であり、第1のヒンジ部104により図9のY方向に回動自在に第1の筐体101に連結される。また、第2の筐体102は、第2のヒンジ部105により図9のX方向に回動自在に第3の筐体に連結される。即ち、第2の筐体102は、互いに交わる異なる2辺に設けた第1のヒンジ部104と第2のヒンジ部105により、第1の筐体101及び第3の筐体103と回動自在に連結する。また、第2の筐体102は、リアクタンス素子901を設けた回路基板110を有する。
回路基板110は、グランド部を有し、第2の筐体102に設けられる。また、回路基板110のグランド部は、第1のヒンジ部104及び第2のヒンジ部105と電気的に接続する。また、回路基板110は、リアクタンス素子901を有する。また、回路基板110のグランド部は、リアクタンス素子901のグランド接続部と電気的に接続する。
リアクタンス素子901は、第2の筐体102の回路基板110に設けられる。また、リアクタンス素子901は、第2のヒンジ部105が設けられる長辺において、第1のヒンジ部104側と反対側の端部に設けられる。また、回路基板110のグランド部と第3の筐体103の回路基板111のグランド部とをリアクタンス素子901を介して電気的に接続し、回路基板111のグランド部を回路基板110のグランド部にリアクタンス素子901を介して終端する。リアクタンス素子901は、例えば1.5pFの電気容量を有する。
回路基板111は、グランド部を有し、第3の筐体103に設けられる。また、回路基板111のグランド部は、第2のヒンジ部105と電気的に接続される。
図10は、本実施の形態における携帯無線機900のVSWR特性を示す図である。
図10において、実線は、上記の実施の形態1の携帯無線機100のVSWR特性を示し、破線は、本実施の形態の携帯無線機900のVSWR特性を示す。
図10に示すように、リアクタンス素子901を設けることにより、低周波数帯において、上記の実施の形態1よりも広帯域にすることができる。
このように、本実施の形態によれば、上記の実施の形態1の効果に加えて、実施の形態1よりも広帯域にすることができる。
なお、本実施の形態において、第2の筐体102の第1のヒンジ部104と接続する短辺と交わる第2の筐体102の長辺において、第1のヒンジ部104側の端部に第2のヒンジ部105を設けたが、本実施の形態はこれに限らず、第2の筐体102の第1のヒンジ部104と接続する短辺と交わる第2の筐体102の長辺において、任意の位置に第2のヒンジ部105を設けることができる。
(実施の形態4)
図11は、本発明の実施の形態4に係る携帯無線機1100の横開き状態の平面図である。
図11に示す携帯無線機1100は、図5に示す実施の形態2に係る携帯無線機500に対して、リアクタンス素子1101を追加する。なお、図11において、図5と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。また、本実施の形態において、縦開き状態は、リアクタンス素子1101を有する以外は図6と同一構成であるので、図示を省略する。
携帯無線機1100は、第1の筐体501と、第2の筐体502と、第3の筐体503と、第1のヒンジ部504と、第2のヒンジ部505と、第3のヒンジ部506と、無線回路507と、整合回路508と、給電部509と、回路基板510と、回路基板511と、回路基板512と、リアクタンス素子1101とから主に構成される。
第2の筐体502は、平面視矩形状であり、第1のヒンジ部504により図6のY方向に回動自在に第1の筐体501に連結される。また、第2の筐体502は、第3のヒンジ部506により図11のZ方向に回動自在に第1の筐体501に連結される。即ち、第2の筐体502は、第1の筐体501に対して、互いに垂直な異なる2方向(Y方向とZ方向)に回動可能である。また、第2の筐体502は、互いに交わる異なる2辺に設けた第1のヒンジ部504と第2のヒンジ部505により、第1の筐体501及び第3の筐体503と回動自在に連結する。また、第2の筐体502は、リアクタンス素子1101を設けた回路基板511を有する。
回路基板511は、グランド部を有し、第2の筐体502に設けられる。また、回路基板511のグランド部は、第2のヒンジ部505及び第3のヒンジ部506と電気的に接続する。また、回路基板511は、リアクタンス素子1101を有する。また、回路基板511のグランド部は、リアクタンス素子1101のグランド接続部と電気的に接続し、リアクタンス素子1101を介して回路基板512のグランド部を終端する。
リアクタンス素子1101は、第2の筐体502の回路基板511に設けられる。また、リアクタンス素子1101は、第2の筐体502の第2のヒンジ部505が設けられる長辺において、第2のヒンジ部505が設けられる端部と反対側の端部に設けられる。また、回路基板511のグランド部と第3の筐体503の回路基板512のグランド部とをリアクタンス素子1101を介して電気的に接続し、回路基板512のグランド部を回路基板511のグランド部にリアクタンス素子1101を介して終端する。リアクタンス素子1101は、例えば22nHの電気容量を有する。
回路基板512は、グランド部を有し、第3の筐体503に設けられる。また、回路基板512のグランド部は、第2のヒンジ部505と電気的に接続する。
図12は、本実施の形態における携帯無線機1100のVSWR特性を示す図である。
図12において、破線は、上記の実施の形態2の携帯無線機500のVSWR特性を示し、実線は、本実施の形態の携帯無線機1100のVSWR特性を示す。
図12に示すように、リアクタンス素子1101を設けることにより、高周波数帯において、上記の実施の形態2よりも広帯域にすることができる。
このように、本実施の形態によれば、上記の実施の形態2の効果に加えて、実施の形態2よりも広帯域にすることができる。
なお、本実施の形態において、第2の筐体502の第1のヒンジ部504と接続する短辺と交わる第2の筐体502の長辺において、第1のヒンジ部504側の端部に第2のヒンジ部505を設けたが、本実施の形態はこれに限らず、第2の筐体502の第1のヒンジ部504と接続する短辺と交わる第2の筐体502の長辺において、任意の位置に第2のヒンジ部505を設けることができる。
(実施の形態5)
図13は、本発明の実施の形態5に係る携帯無線機1300の開いた状態の平面図である。
携帯無線機1300は、第1の筐体1301と、第2の筐体1302と、第3の筐体1303と、第1のヒンジ部1304と、第2のヒンジ部1305と、無線回路1306と、整合回路1307と、給電部1308と、アンテナ素子1309と、回路基板1310と、回路基板1311と、回路基板1312とから主に構成される。以下に、各構成について、詳細に説明する。
第1の筐体1301は、平面視矩形状であり、第1のヒンジ部1304により図13のY方向に回動自在に第2の筐体1302に連結される。また、第1の筐体1301は、無線回路1306及び整合回路1307を設けた回路基板1310を有する。
第2の筐体1302は、平面視矩形状であり、第1のヒンジ部1304により図13のY方向に回動自在に第1の筐体1301に連結される。また、第2の筐体1302は、第2のヒンジ部1305により図13のX方向に回動自在に第3の筐体1303に連結される。即ち、第2の筐体1302は、互いに交わる異なる2辺に設けた第1のヒンジ部1304と第2のヒンジ部1305により、第1の筐体1301及び第3の筐体1312と回動自在に連結する。
第3の筐体1303は、平面視矩形状であり、第2のヒンジ部1305により図13のX方向(第2の筐体1302の底面と第3の筐体1303の底面とが対向する方向及び離れる方向)に回動自在に第2の筐体1302に連結される。また、第3の筐体1303は、回路基板1312を有する。
第1のヒンジ部1304は、導電性を有する材料により形成される。また、第1のヒンジ部1304は、第1の筐体1301と第2の筐体1302とを、図13の回動軸P1を中心に回動可能に連結する。
第2のヒンジ部1305は、導電性を有する材料により形成される。また、第2のヒンジ部1305は、第2の筐体1302と第3の筐体1303とを、図13の回動軸P2を中心に回動可能に連結する。また、第2のヒンジ部1305は、第2の筐体1302の回路基板1311に設けたグランド部と第3の筐体1303の回路基板1312に設けたグランド部とを電気的に接続する。ここで、回動軸P2は、回動軸P1と直交する。
無線回路1306は、第1の筐体1301の回路基板1310に設けられる。また、無線回路1306は、回路基板1310のグランド部と電気的に接続するグランド接続部を有する。また、無線回路1306は、整合回路1307と電気的に接続される。
整合回路1307は、無線回路1306とアンテナ素子1309との間に直列に接続され、無線回路1306及びアンテナ素子1309と電気的に接続する。また、整合回路1307は、回路基板1310のグランド部と電気的に接続するグランド接続部を有する。
給電部1308は、整合回路1307に設けられ、アンテナ素子1309に給電する。
アンテナ素子1309は、給電部1308から給電される。また、アンテナ素子1309は、図13の開いた状態において、第2の筐体1302の回路基板1311のグランド部と静電容量結合により電気的に接続する。また、アンテナ素子1309は、図示しない閉じた状態において、第2の筐体1302の回路基板1311のグランド部と電気的に非接続の状態になる。
回路基板1310は、グランド部を有し、第1の筐体1301に設けられる。また、回路基板1310は、無線回路1306及び整合回路1307を有する。また、回路基板1310のグランド部は、無線回路1306のグランド接続部及び整合回路1307のグランド接続部と電気的に接続する。
回路基板1311は、グランド部を有し、第2の筐体1302に設けられる。また、回路基板1311のグランド部は、図13の開いた状態において、アンテナ素子1309と静電容量結合により電気的に接続する。また、回路基板1311のグランド部は、図示しない閉じた状態において、アンテナ素子1309と電気的に非接続の状態になる。また、回路基板1311のグランド部は、第2のヒンジ部1305と電気的に接続する。
回路基板1312は、グランド部を有し、第3の筐体1303に設けられる。また、回路基板1312のグランド部は、第2のヒンジ部1305と電気的に接続する。
次に、携帯無線機1300の開閉動作について、図13を用いて説明する。
第1の筐体1301と第2の筐体1302と第3の筐体1303とが上下に重なり合った図示しない閉じた状態において、回動軸P1を中心にして第2の筐体1302を図13のY2方向へ回動させ、続けて回動軸P2を中心にして第3の筐体1303を図13のX1方向へ回動させることにより図13の開いた状態になる。
また、図13の開いた状態において、回動軸P2を中心にして第3の筐体1303を図13のX2方向に回動させ、続けて回動軸P1を中心にして第2の筐体1302を図13のY1方向に回動させることにより閉じた状態になる。
次に、携帯無線機1300におけるアンテナ電流分布について、図13を用いて説明する。
図13において、縦開きの場合には、実施の形態1の図1と同等の電流分布となり、VSWR特性についてもほぼ同等の性能が得られる。
また、閉じた状態の場合には、第1の筐体1301の回路基板1310のグランド部上を流れるアンテナ電流と、第2の筐体1302の回路基板1311のグランド部上を流れるアンテナ電流とが、互いに打ち消し合う方向に流れるため、回路基板1310のグランド部と、回路基板1311のグランド部と、回路基板1312のグランド部と、アンテナ素子1309とにより構成されるダイポールアンテナの性能は劣化する。しかし、本実施の形態では、給電部1308からアンテナ素子1309に対して給電されるとともに、アンテナ素子1309は閉じた状態において回路基板1311のグランド部と電気的に非接続の状態になることにより、アンテナ素子1309がアンテナとして機能する。これにより、閉じた状態におけるアンテナ性能の劣化を防ぐことができる。
このように、本実施の形態によれば、上記の実施の形態1の効果に加えて、閉じた状態におけるアンテナ性能の劣化を防ぐことができる。
なお、本実施の形態において、縦開き状態にする場合について説明したが、本実施の形態はこれに限らず、図5及び図6のように横開き状態と縦開き状態の双方の状態にする場合にも適用することができる。また、本実施の形態において、第2の筐体1302の第1のヒンジ部1304と接続する短辺と交わる第2の筐体1302の長辺において、第1のヒンジ部1304側の端部に第2のヒンジ部1305を設けたが、本実施に形態はこれに限らず、第2の筐体1302の第1のヒンジ部1304と接続する短辺と交わる第2の筐体1302の長辺において、任意の位置に第2のヒンジ部1305を設けることができる。
(実施の形態6)
図14は、本発明の実施の形態6に係る携帯無線機1400の横開き状態の平面図である。また、図15は、本発明の実施の形態6に係る携帯無線機1400の縦開き状態の平面図である。
図14及び図15に示す携帯無線機1400は、図5及び図6に示す実施の形態2に係る携帯無線機500に対して、横開き固定フック部1401と、横開き接続検知部1402と、横開き用リアクタンス素子1403と、縦開き用リアクタンス素子1404と、スイッチ1405とを追加する。なお、図14及び図15において、図5及び図6と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
回路基板511は、グランド部を有し、第2の筐体502に設けられる。また、回路基板511は、横開き固定フック部1401と、横開き接続検知部1402と、横開き用リアクタンス素子1403と、縦開き用リアクタンス素子1404と、スイッチ1405とを有する。また、回路基板511のグランド部は、第2のヒンジ部505及び第3のヒンジ部506と電気的に接続する。また、回路基板511のグランド部は、横開き用リアクタンス素子1403のグランド接続部及び縦開き用リアクタンス素子1404のグランド接続部と電気的に接続し、横開き用リアクタンス素子1403または縦開き用リアクタンス素子1404を介して回路基板512のグランド部を終端する。
横開き固定フック部1401は、第2の筐体502に設けられる。また、横開き固定フック部1401は、携帯無線機1400が図14の横開き状態になった際に、第1の筐体501により押圧される。
横開き接続検知部1402は、横開き固定フック部1401の第1の筐体501による押圧を検出し、検出結果をスイッチ1405へ出力する。
横開き用リアクタンス素子1403は、第2の筐体502の回路基板511に設けられる。また、横開き用リアクタンス素子1403は、第2の筐体502の第2のヒンジ部505が設けられる長辺において、第2のヒンジ部505が設けられる端部と反対側の端部に設けられる。また、回路基板511のグランド部と第3の筐体503の回路基板512のグランド部とをリアクタンス素子1403を介して電気的に接続し、回路基板512のグランド部を回路基板511のグランド部にリアクタンス素子1403を介して終端する。
縦開き用リアクタンス素子1404は、第2の筐体502の回路基板511に設けられる。また、縦開き用リアクタンス素子1404は、第2の筐体502の第2のヒンジ部505が設けられる長辺において、第2のヒンジ部505が設けられる端部と反対側の端部に設けられる。また、回路基板511のグランド部と第3の筐体503の回路基板512のグランド部とをリアクタンス素子1404を介して電気的に接続し、回路基板512のグランド部を回路基板511のグランド部にリアクタンス素子1404を介して終端する。また、縦開き用リアクタンス素子1404は、横開き用リアクタンス素子1403と異なる終端定数を設定可能である。
スイッチ1405は、横開き接続検知部1402から横開き状態の検出結果が入力した場合には、第3の筐体503の回路基板512のグランド部と横開き用リアクタンス素子1403とを電気的に接続させる。これにより、回路基板512のグランド部は、横開き用リアクタンス素子1403を介して回路基板511のグランド部に終端する。また、スイッチ1405は、横開き接続検知部1402から横開き状態の検出結果が入力しない場合には、第3の筐体503の回路基板512のグランド部と縦開き用リアクタンス素子1404とを電気的に接続させる。これにより、回路基板512のグランド部は、縦開き用リアクタンス素子1404を介して回路基板511のグランド部に終端する。
このように、本実施の形態によれば、上記の実施の形態2の効果に加えて、横開き状態の場合と縦開き状態の場合の双方において、最適な終端定数を設定することができ、実施の形態2及び実施の形態3よりも広帯域のダイポールアンテナを構成することができる。
なお、本実施の形態において、第2の筐体502の第1のヒンジ部504と接続する短辺と交わる第2の筐体502の長辺において、第1のヒンジ部504側の端部に第2のヒンジ部505を設けたが、本実施の形態はこれに限らず、第2の筐体502の第1のヒンジ部504と接続する短辺と交わる第2の筐体502の長辺において、任意の位置に第2のヒンジ部505を設けることができる。
上記実施の形態1〜実施の形態6において、第2の筐体の長辺の一部に第2のヒンジ部を設けたが、本発明はこれに限らず、第2の筐体の長辺の全部に第2のヒンジ部を設けても良い。