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JP4684264B2 - 感光性組成物およびそれを用いた平版印刷版用原版 - Google Patents

感光性組成物およびそれを用いた平版印刷版用原版 Download PDF

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Description

本発明は平版印刷版用原版に関するものであり、特にコンピュータ等のデジタル信号から直接製版できるいわゆるダイレクト製版用のネガ型の平版印刷版用原版に関するものである。
従来、平版印刷版原版としては親水性支持体上に親油性の感光性樹脂層を設けた構成を有するものが広く用いられている。その製版方法として、通常は、リスフィルムを介してマスク露光後、非画像部を溶解除去することにより所望の印刷版を得る方法が用いられていた。
最近では、画像情報をコンピュータを用いて電子的に処理、蓄積、出力するデジタル化技術が広く普及している。そして、その様なデジタル化技術に対応した新しい画像出力方式が種々実用されるようになってきた。その結果、レーザー光のような指向性の高い光をデジタル化された画像情報に従って走査し、リスフィルムを介すること無く、直接印刷版を製造するコンピューター トゥ プレート(CTP)技術が切望されており、これに適応した平版印刷版原版を得ることが重要な技術課題となっている。
このような走査露光可能な平版印刷版原版としては、親水性支持体上にレーザー露光によりラジカルなどの活性種を発生しうる感光性組成物を含有した感光層を設けた構成が提案され、上市されている。この平版印刷版原版をデジタル情報に基づきレーザー走査露光し活性種を発生させ、その作用によって感光層を物理的、或いは化学的な変化を起こし不溶化させ、引き続き現像処理することによってネガ型の平版印刷版を得ることができる。
感光層の親油性並びに平滑性を付与するために、フッ素系界面活性剤を感光層に含有するネガ型平版印刷版が知られている。例えば、特許文献1、2、3に開示されている。特に、保護層を必要とするネガ型平版印刷版は、親油性の感光層と保護層の界面接着不良を起こし、その部分の感度低下が顕著となる。また、保護層の無いものは、確かにフッ素系界面活性が、感光層へ表面配向し、耐キズ性向上は見られるものの、フッ素系界面活性自身は光硬化作用の妨げになるため、硬化不充分となる。そのため、FMスクリーニングのような微細な小点再現性の劣化、耐刷性、耐溶剤性低下を引き起こし、充分満足するべきものでない。
特開平9−134011号公報 特開平9−197654号公報 特開2006−215119号公報
また、上記サーマルネガ型平版印刷版はプレヒートと呼ばれる重合促進工程を省略するため、感光層そのものが非常に高感度である。そのため、露光機側の版を検出する為の走査レーザーにも感じるようになり不要な印刷時の汚れになる問題があり、まだまだ改良の必要があった。
従って、本発明の目的は、上記のような走査レーザーに反応せず、高感度でFM小点再現性に優れ、耐刷性や耐溶剤性に優れた感光層が設けられたサーマルネガ版用平版印刷版原版を提供することである。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、感光層に特定のフッ素系重合性化合物および特定黒色染料を含有させることにより、上記の目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
(1)(A)赤外線吸収剤と、(B)アルカリ可溶性樹脂と、(C)ラジカル重合性開始剤と、(D)パーフルオロアルケニル基をもつ下記重合性化合物(I)及び/または下記重合性化合物(II)
を含有する感光性組成物。
Figure 0004684264
(式中、R1、R2およびR3は、同一または異なり、水素原子または置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基を示す。k、mおよびnは、同一または異なり、0〜20の整数を表す。)
Figure 0004684264
(式中、R4およびR5は、同一または異なり、水素原子もしくは置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基を示す。pおよびqは、同一または異なり、0〜20の整数を表す。)
(2)前記画像形成組成物が、アジン系縮合物を含む黒色染料とを更に含有する画像形成組成物。
(3)支持体上に、(1)または(2)に記載の感光性組成物を含有する感光層を設けてなることを特徴とするネガ型平版印刷版原版。
(4)支持体上に、(1)または(2)に記載の感光性組成物を含有する感光層と、その上層に保護層とを設けてなることを特徴とするネガ型平版印刷版原版。
以下に詳細に説明するように、本発明にかかる特定のフッ素系重合性化合物を含有する感光層を設けたネガ型平版印刷版用原版によると、フッ素系重合性化合物がその特異的な構造より、感光層表層へ配向し強固な感光膜を形成すると考えられる。一方、フッ素系重合性化合物の側鎖に導入されている重合性部位は感光層内で近傍にいるエチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物及び、又は、エチレン性不飽和二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂と容易に反応し光又は熱硬化する。以上から、本発明と同様な骨格を有するフッ素系界面活性剤を用いた場合と大きく異なり、本発明にかかる特定のフッ素系重合性化合物を含有する感光層は、高感度でFM小点再現性、耐刷性、耐溶剤性に優れ、かつ、保護層との接着性に優れた高品質な印刷版を得ることができる。また、更にアジン系黒色染料を含有すると、赤外線領域に対して高感度な感光層ではあるものの、版の走査レーザーの様な弱い光は吸収されても、反射しないため不要な被りが生じないものと考えられた。
以下に、本発明の実施の形態を説明する。最も、以下に説明する実施の形態は本発明を限定するものではない。
本発明の感光性組成物で用いられるパーフルオロアルケニル基をもつ重合性化合物(I)は、ヘキサフルオロプロペンオリゴマーから合成することにより得られる。また、一般式(II)で表される重合性化合物は、特定脂環構造を持つジオール化合物と不飽和二重結合を有する酸クロリド化合物との反応から得ることができる。当該重合性化合物(I)、(II)は、例えば、ネオス社、共栄社化学社より市販されている。
重合性化合物(I)におけるR1、R2およびR3は、同一または異なり、水素原子もしくは置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基を示す。R1、R2またはR3のいずれかがアルキル基である場合、その炭素数は、好ましくは、1〜3個である。
k、mおよびnは、同一または異なり、0〜20の整数を表す。k、mおよびnは好ましくは、0〜4であり、より好ましくは、全て1である。
重合性化合物(II)におけるR4およびR5としては、同一または異なり、水素原子もしくは置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基を示す。R4またはR5のいずれかがアルキル基である場合、その炭素数は、好ましくは、1〜3個である。
pおよびqは、同一または異なり、0〜20の整数を表す。pおよびqは好ましくは、0〜3であり、より好ましくは、全て0である。
上記R1、R2、R3、R4ないしR5において、アルキル基は、直鎖、分岐または環状のいずれであってもよく、またアルキル基が有しうる置換基としては、ハロゲン原子、特に塩素もしくは臭素原子、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、アミノ基、シアノ基、または硫酸基が挙げられる。
一般式(I)の重合性化合物、及び/又は、一般式(II)の重合性化合物の含有量は、感光層の全固形分に対して好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.01〜5質量%である。0.01質量%以上では、耐刷性、耐薬品性が良くなる。10質量%以下、特に5質量%以下では、アルカリ水溶液に高い耐性を持ち、現像安定性が特に良好になる。
本発明の感光性組成物は、アジン系縮合物を含む黒色染料を含有するものであってもよい。アジン系縮合物を主成分とする黒色染料は、波長域300〜650nmの範囲に吸収極大波長を有するである黒色染料であることが好ましい。アジン系縮合物を主成分とする黒色染料としては、例えば、オリエント化学工業社よりオイルブラックBS、オイルブラックNo5の商品名にて市販されているものが挙げられる。
上記アジン系縮合物を含む黒色染料の含有量は、感光層の全固形分に対して好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.01〜5質量%である。0.01質量%以上では、版検出レーザーを良く吸収する。10質量%以上では、感度低下がおこり実用レベルではない。
黒色染料に含まれる上記アジン系縮合物は黒色染料において主成分であることが好ましく、主成分とは、30%以上70%以下であることをいう。
本発明の感光性組成物がアジン系縮合物を主成分とする黒色染料を含むことが好ましい理由は必ずしも明確でなく、また、かかる理由が本発明の技術的範囲を何ら制約するものではないが、版検出用レーザーの微弱な露光を吸収し感光層内に光を出さない役割を果たしているものと考えられる。これにより、サーマルネガ型感光層において従来は不安定だった、FMスクリーニングを始めとする小点再現性が大幅に解消されエッジがシャープな画像が得られるものと考えられる。
本発明の感光性組成物で、(A)成分として使用される赤外線吸収剤は、画像露光光源の光を吸収して、そのエネルギーを熱に変換し得る化合物であれば特に限定されないが、波長域650〜1300nmの範囲に吸収極大を有し、好ましくは吸収極大でモル吸光係数εが105以上である赤外線吸収色素が特に有効である。赤外線吸収剤は、光の照射によって赤外線吸収剤から発生する熱、又は、光電子移動を引き起こしラジカル発生を促進させるために用いられる。このため、本発明の感光性組成物は、さらに赤外線吸収剤を含有することにより、レーザー露光によりアルカリ性水溶液に対する溶解性が減少するネガ型感光層となる。
上記赤外線吸収色素としては、シアニン系色素、スクアリウム系色素、クロコニウム系色素、アズレニウム系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、ポリメチン系色素、ナフトキノン系色素、チオピリリウム系色素、ジチオール金属錯体系色素、アントラキノン系色素、インドアニリン金属錯体系色素、分子間CT色素等が好ましい。
これらの色素は、公知の方法によって合成することができるが、以下のような市販品を用いることもできる。
日本化薬株式会社:IR750(アントラキノン系)、IR002,IR003(アルミニウム系)、IR820(ポリメチン系)、IRG022,IRG033(ジインモニウム系)、CY−2,CY−4,CY−9,CY−10,CY−20
大日本インキ化学工業株式会社:Fastogen blue 8120
みどり化学株式会社:MIR−101,1011,1021
その他、株式会社日本感光色素、三井化学株式会社、昭和電工株式会社、富士フイルム株式会社等の各社からも、上記色素は市販されている。
上記赤外線吸収色素の中で、特に下記一般式(III)で表される赤外線吸収色素が好ましい。
Figure 0004684264
(式中、R6は水素原子または置換基を有してもよいアルキル基、アルコキシ基を示し、R7は置換基を有してもよいアルキル基またはアルコキシ基を示し、Xは電荷中和イオンを示し、rは1〜7を表す。)
上記一般式(III)で表される赤外線吸収色素の好ましい具体例を下記に示すが、その化合物の範囲はこれらに限定されるものではない。
Figure 0004684264
上記赤外線吸収剤の添加量は、感光層の全固形分に対して0.5〜10質量%、好ましくは0.6〜8.0質量%である。添加量が0.5質量%以上、特に0.6質量%以上では、感度が特に高くなり、10質量%以下、特に8.0質量%以下では、非画像部(未露光部)の現像性が特に向上するので好ましい。
本発明の感光性組成物で、(B)成分として使用されるアルカリ可溶性樹脂は、サーマルネガ版において、露光部(画像部)での耐刷性や耐薬品性を向上させるために用いられる。本発明に使用されるアルカリ可溶性樹脂は、アルカリ剤に対して可溶性または膨潤性を持つことが望ましい。そのような高分子化合物として、アクリル酸誘導体の共重合体、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。また、エチレン性二重結合を側鎖に有するアルカリ可溶性樹脂の方が、高感度でアルカリ性の現像液にも良好に溶解する。
例えば、アクリル酸誘導体の共重合体としては、下記(m1)〜(m10)から選ばれるモノマーを、従来知られているグラフト共重合法、ブロック共重合法、ランダム共重合法等を用いて共重合させることにより得られる。
(m1)フェノール性水酸基を有するモノマー。例えば、N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、p−イソプロペニルフェノール、o−ヒドロキシフェニルアクリレート、m−ヒドロキシフェニルアクリレート、p−ヒドロキシフェニルアクリレート、o−ヒドロキシフェニルメタクリレート、m−ヒドロキシフェニルメタクリレート、p−ヒドロキシフェニルメタクリレートである。
(m2)スルホンアミド基を有するモノマー。例えば、m−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミドである。
(m3)活性イミド基を有するモノマー。例えばN−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミド、N−(p−トルエンスルホニル)アクリルアミドである。
(m4)脂肪族水酸基を有するモノマー。例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレートである。
(m5)α,β−不飽和カルボン酸。例えばアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸である。
(m6)アリル基を有するモノマー。例えば、アリルメタクリレート、N−アリルメタクリルアミドである。
(m7)アルキルアクリレート類またはアルキルメタクリレート類。例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸へキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、グリシジルアクリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸へキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリル、グリシジルメタクリレートである。
(m8)アクリルアミド類またはメタクリルアミド類。例えば、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−へキシルアクリルアミド、N−シクロへキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−へキシルメタクリルアミド、N−シクロへキシルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミドである。
(m9)スチレン類。例えば、スチレン、α−メチルスチレン、クロロメチルスチレン等である。
(m10)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾ−ル、4−ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
一般的に、アクリル酸誘導体の共重合体は、側鎖カルボキシル基を有するアクリル酸共重合体であって、当該カルボキシル基にグリシジルメタクリレートを付加反応させて、末端に重合性の二重結合を有するアルカリ可溶性アクリル酸共重合体などが特に望ましい。
また、グリシジルメタクリレートの導入率としては、共重合体中のカルボキシル基に対して20〜70%、より好ましくは30〜60%である。20%未満の導入率では、感度が著しく低下する場合があり、70%を超える導入率では、現像性が悪くなる場合がある。
アクリル酸誘導体の共重合体のMwは、好ましくは1,000〜500,000、特に好ましくは1,500〜300,000のものが用いられる。Mwが1,000以上、特に1,500以上では、特に充分な塗膜が得られ、500,000以下、特に300,000以下では、露光部分のアルカリ現像液に対する溶解性が良くなり、特に良好に現像できる。
本発明の感光性組成物において使用されるアルカリ可溶性ポリウレタン樹脂としては特に限定されるものではないが、ポリマーのガラス転移温度(Tg)が50℃〜180℃、さらに好ましくは70℃〜150℃の範囲にあり、Tgが50℃未満であると、フィルム形成性、つまり均一な感光層表面が形成しづらくなる場合があり、また、表面のべたつきも発生しやすくなる場合があるので好ましくない。また、Tgが180℃を超えるものである場合には、アルカリ可溶性が悪くなり、現像不良が起き易くなる場合があるので好ましくないためである。ここで、本明細書において、ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計DSC−60(島津製作所製)を用いて測定した。なお、上記アルカリ可溶性ポリウレタン樹脂の平均分子量(Mw)は、特に限定されるものではなく、従来用いられている任意のカルボキシル基を有さない一般的なポリウレタン樹脂を用いることができる。
一般的に、アルカリ可溶性ポリウレタン樹脂は、特開2002-311579号に記載されているような側鎖カルボキシル基を有するポリウレタン樹脂であって、当該カルボキシル基にグリシジルメタクリレートを付加反応させて、末端に重合性の二重結合を有するアルカリ可溶性ポリウレタン樹脂などが特に望ましい。
上記の側鎖カルボキシル基を有するポリウレタン樹脂であって、当該カルボキシル基にグリシジルメタクリレートを付加反応させて、末端に重合性の二重結合基を有するアルカリ可溶性ポリウレタン樹脂は、2段階反応で合成することができる。まず、基本骨格となるポリウレタン樹脂は上記ジイソシアネート化合物と上記カルボキシル基を有するジオール化合物とカルボキシル基を有さないジオール化合物とを非プロトン性溶媒中において、それぞれの反応性に応じた活性の公知な触媒を添加し、加熱することにより合成することができる。次いで、得られた基本骨格となるポリウレタンにグリシジルメタクリレートを付加反応させることにより、当該アルカリ可溶性ポリウレタン樹脂を合成することができる。使用するジイソシアネート化合物とジオール化合物とのモル比は、好ましくは0.8:1〜1.2:1であり、ポリマー末端にイソシアネート基が残存した場合、アルコール類または、アミン類などで処理することにより、最終的にイソシアネート基が残存しない形で合成される。
また、グリシジルメタクリレートの導入率としては、1段階目の基本骨格となるポリウレタン中のカルボキシル基に対して20〜70%、より好ましくは30〜60%である。20%未満の導入率では、高耐刷性の効果が難しくなる場合があり、70%を超える導入率では、現像性が悪くなる場合がある。
上記アルカリ可溶性樹脂として使用されるポリウレタン樹脂を合成するにあたり、好ましく使用されるジイソシアネート化合物として、具体的には以下に示すものが含まれる。すなわち、ジイソシアネート化合物として、
2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、3,3−ジメチルビフェニル−4,4−ジイソシアネート、へキサンメチレンジイソシアネート、トリメチルへキサンメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4−メチレンビス(シクロへキシルイソシアネート)、メチルシクロへキシル−2,4−(または2,6−)ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンなどが挙げられる。
また、カルボキシル基を有するジオール化合物としては具体的には以下に示すものが含まれる。すなわち、カルボキシル基を有するジオール化合物として、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシプロピル)プロピオン酸、N,N−2,2−ジヒドロキシエチルグリシン、ビス(ヒドロキシメチル)酢酸、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、酒石酸等が挙げられる。
上記カルボキシル基を有するジオール化合物のポリエレタン樹脂中における含有率は、20〜50モル%であり、より好ましくは25〜45モル%である。20モル%未満では、現像性が悪くなる場合があり、グリシジルメタクリレートの付加割合も狭くなり、50モル%を超えると現像時の画像強度が悪くなるのと同時にその他のジオール成分を含有できなくなる場合がある。
また、カルボキシル基を有さず、イソシアネートと反応しない他の置換基を有していてもよいジオール化合物も使用することができ、具体的には以下に示すものが含まれる。即ち、ジオール化合物として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブチレングリコール、1,6−へキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−ビス−β−ヒドロキシエトキシシクロヘキサン、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加体、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加体、ビスフェノールFのエチレンオキサイド付加体、ビスフェノールFのプロピレンオキサイド付加体、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加体、水添ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加体、ヒドロキノンジヒドロキシエチルエーテル、p−キシレングリコール、ジヒドロキシエチルスルホン、ビス−(2−ヒドロキシエチル)−2,4−トリレンジカルバメート、ビス(2−ヒドロキシエチル)イソフタレート等が挙げられる。
本発明の感光性組成物において用いられるアルカリ可溶性樹脂は、単独でも2種以上混合して用いてもよい。添加量は、感光層の全固形分に対して20〜95質量%、好ましくは25〜90質量%である。添加量が20質量%未満の場合は、耐刷性が悪くなる場合があり、95質量%を超えると感度が悪くなる場合がある。
本発明の感光性組成物で、(C)成分として使用されるラジカル重合性開始剤としては公知の化合物を用いることができる。例えば、有機ホウ素塩、トリハロアルキル置換された化合物、ヘキサアリールビスイミダゾール、チタノセン化合物、ケトオキシム化合物、チオ化合物、有機過酸化物、オニウム塩(特開2003−114532号公報に記載のヨードニウム塩、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩)等が挙げられる。これらのラジカル重合性開始剤の中でも、特に有機ホウ素塩、トリハロアルキル置換化合物が好ましく用いられる。更に好ましくは、有機ホウ素塩とトリハロアルキル置換化合物を組み合わせて用いることである。
有機ホウ素塩を構成する有機ホウ素アニオンは、下記一般式で表される。
Figure 0004684264
式中、R8、R9、R10及びR11は各々同じであっても異なっていてもよく、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基を表す。これらのうちでR8、R9、R10及びR11の内一つがアルキル基であり、他の置換基がアリール基である場合が特に好ましい。
有機ホウ素塩を構成するカチオンとしては、アルカリ金属イオンおよびオニウム化合物が挙げられるが、好ましくは、オニウム塩であり、例えばテトラアルキルアンモニウム塩等のアンモニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等のスルホニウム塩、トリアリールアルキルホスホニウム塩が挙げられる。特に好ましい有機ホウ素塩の例を下記に示す。
Figure 0004684264
Figure 0004684264
他の好ましいラジカル重合性開始剤として、トリハロアルキル置換化合物が挙げられる。上記トリハロアルキル置換化合物とは、具体的にはトリクロロメチル基、トリブロモメチル基等のトリハロアルキル基を分子内に少なくとも一個以上有する化合物であり、好ましい例としては、該トリハロアルキル基が含窒素複素環基に結合した化合物としてs−トリアジン誘導体およびオキサジアゾール誘導体が挙げられ、或いは該トリハロアルキル基がスルホニル基を介して芳香族環あるいは含窒素複素環に結合したトリハロアルキルスルホニル化合物が挙げられる。
トリハロアルキル置換した含窒素複素環化合物やトリハロアルキルスルホニル化合物の特に好ましい例を以下に示す。
Figure 0004684264
Figure 0004684264
Figure 0004684264
Figure 0004684264
上述したようなラジカル重合性開始剤の含有量は、アルカリ可溶性樹脂に対して、1〜40質量%の範囲が好ましく、更には1〜20質量%の範囲で含まれることが好ましい。
本発明の感光性組成物には、前記の成分の他、本発明の効果を損なわない限りにおいて、必要応じて、重合性化合物、着色剤、ロイコ色素、感脂性樹脂、重合禁止剤、界面活性剤、可塑剤等を添加することができる。
本発明の感光性組成物は、上記重合性化合物を含有することによって皮膜強度が向上し、高感度で支持体との密着性に優れ、耐刷性もアップすると考えられる。
上記重合性化合物は、エチレン性二重結合を有する重合可能な化合物である。
エチレン性二重結合を有する重合可能な化合物としては分子量1000以下のモノマーから分子量1000以上のオリゴマー、ポリマー領域のものまで種々のものを用いることができる。このような化合物として不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド等、不飽和アルコールとイソシアネート化合物とのウレタン、不飽和カルボン酸とエポキシ化合物とのエステル等を挙げることができる。
より具体的には、例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルジオールジアクリレート、ネオペンチルジオールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシテトラエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどが挙げられる。
上記エチレン性二重結合を有する重合性化合物は、公知の方法で合成できるほか、市販のものを用いることができる。例えば、東亜合成株式会社製、日本油脂株式会社製、共栄社化学株式会社製、新中村化学株式会社製、三菱化学株式会社製、日本化薬株式会社製、大阪有機化学株式会社製等がある。
上記エチレン性二重結合を有する重合性化合物の添加量は、感光層の全固形分に対して(即ち、感光性組成物の全固形分に対して)好ましくは1〜80質量%、さらに好ましくは2〜70質量%である。添加量が、1質量%以上の場合は、感度がより早くなり、80質量%以下では、画像部(露光部)の耐キズ性がより向上するので好ましい。
本発明の感光性組成物は、画像を見やすくするために、着色剤を含有することができる。着色剤としては、油溶性染料及び塩基性染料が好ましい。具体的には、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン、ビクトリアブルー、メチレンブルー、エチルバイオレット、ローダミンB、ビクトリアピュアブルーBOH(保土谷化学工業社製)、オイルブルー613(オリエント化学工業社製)、オイルグリーン等を挙げることができる。これらの染料の添加量は、好ましくは感光層の0.05〜5.0質量%であり、さらに好ましくは0.1〜4.0質量%である。0.05質量%以上、特に0.1質量%以上では、感光層の着色が充分で画像が特に見やすくなり、5.0質量%以下、特に4.0質量%以下では、現像後の非画像部に染料の残りが残りにくくなり好ましい。
本発明の感光性組成物には、感光層の着色効果と現像液に対する溶解抑制効果を目的として、ロイコ色素を添加できる。ロイコ色素としては、従来の感熱記録材料に用いられているラクトン環を含む色素が好ましい。好ましい具体例としては、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロルフタリド、3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド、3,3−ビス(p−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド、3、6−ジメトキシフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、3−ジメチルアミノ−5、7−ジメチルフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7、8−ベンズフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロアミノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−(N−(3'−トリフルオロメチルフェニル)アミノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(o−クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム等を挙げることができる。
ロイコ色素の添加量は、感光層の0.01〜10質量%、好ましくは0.05〜5質量%である。添加量が0.01質量%以上、特に0.05質量%以上では、感光層の着色が充分となり、可視性が優れ、10質量%以下、特に5質量%以下では、非画像部(露光部)の現像性が特に向上するので好ましい。
さらに、本発明の感光性組成物には、感光層の感脂性(親油性)を向上させるために感脂性樹脂を添加することができる。感脂性樹脂としては、例えば、特開昭50−125806号公報に記載されているような、炭素数3〜15のアルキル基で置換されたフェノール類とアルデヒドの縮合物、又はt−ブチルフェノールホルムアルデヒド樹脂などが使用可能である。
上記感脂性樹脂が感光層の全固形分に占める割合は、0.01〜10質量%が好ましく、より好ましくは、0.05〜10質量%である。
本発明の平版印刷版原版の感光層においては、重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物、即ち、重合性化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合禁止剤を添加することが望ましい。適当な熱重合禁止剤としてはハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。熱重合禁止剤の添加量は、感光性組成物中の不揮発性成分の質量に対して約0.01質量%〜約5質量%が好ましい。また、必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、感光性組成物中の不揮発性成分に対して約0.5質量%〜約10質量%が好ましい。
本発明の感光性組成物には、現像条件に対する処理の安定性を広げるため、特開昭62−251740号公報や特開平3−208514号公報に記載されているような非イオン界面活性剤、特開昭59−121044号公報、特開平4−13149号公報に記載されているような両性界面活性剤を添加することができる。非イオン界面活性剤の好適例としては、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノグリセリド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。両性界面活性剤の好適例としては、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインやN−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例えば、商品名「アモーゲンK」:第一工業社製)等が挙げられる。上記非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤が感光層中に占める割合は、0.05〜15質量%が好ましく、より好ましくは、0.1〜15質量%である。0.05質量%以上、特に0.1質量%以上では、現像性が特に良好であり、また、15質量%以下では、現像性が遅くなることがなくなる。
本発明の感光性組成物には、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤を添加することもできる。例えば、ブチルフタリル、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸トリブチル等が用いられる。
上記可塑剤が感光層の全固形分に占める割合は、0.01〜10質量%が好ましく、より好ましくは、0.05〜10質量%である。
支持体上に、上記感光性組成物を含有する感光層を設けてなるネガ型平版印刷版原版もまた、本発明の一つである。本発明の平版印刷原版は、通常感光性組成物の成分として上述したものを溶媒に溶かして、適当な支持体上に感光層塗布液を塗布することにより製造することができる。ここで使用する溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、メチレンクロライド、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、ジオキソラン、アセトン、シクロヘキサノン、トリクロロエチレン、メチルエチルケトン、γ−ブチルラクトン等が挙げられるが、これに限定されるものではない。これら溶媒は単独あるいは2種以上混合して使用される。溶媒中の上記成分(添加剤を含む全固形分)の濃度は、好ましくは1〜50質量%である。
塗布する方法としては、種々の方法を用いることができるが、例えば、回転塗布、押し出し塗布、バーコーター塗布、ロール塗布、エアーナイフ塗布、ディップ塗布、カーテン塗布等を挙げることができる。感光層の塗布量は、用途により異なるが、乾燥時で0.5〜5.0g/m2が好ましい。
上記支持体としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、銅、もしくは鋼等の金属板や、クロム、亜鉛、銅、ニッケル、アルミニウム、鉄等がメッキもしくは蒸着された金属板、紙、プラスチックフィルム、もしくはガラス板や、樹脂が塗布された紙や、親水化処理されたプラスチックフィルム等が挙げられる。
上記支持体としては、ポリエステルフィルム又はアルミニウム板が好ましく、その中でも寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板は特に好ましい。好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板及びアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板であり、更にアルミニウムがラミネートもしくは蒸着されたプラスチックフィルムでもよい。このように本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるものでなく、従来公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用することができる。本発明で用いられるアルミニウム板の厚みは、おおよそ0.1〜0.5mm、好ましくは0.12〜0.4mmである。
アルミニウム板を粗面化するに先立ち、表面の圧延油を除去するための、例えば、界面活性剤、又はアルカリ性水溶液などによる脱脂処理が行われる。アルミニウム板の表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を粗面化する方法及び化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械的方法としては、ブラシ研磨、ボール研磨、ブラスト研磨、バフ研磨法などの公知の方法を用いることができる。また、電気化学的な粗面化方法としては、塩酸又は硝酸電解液中で交流又は直流により行う方法がある。また、特開昭53−123204号公報に開示されている機械的方法と電気化学的な方法を組み合わせた方法も利用することができる。このように粗面化されたアルミニウム板は、必要に応じてアルカリエッチング処理及び中和処理された後、所望により表面の保水性や耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理が施される。アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、一般的に硫酸、リン酸、蓚酸、クロム酸あるいはそれらの混酸が用いられる。
陽極酸化の処理条件は、用いる電解質により種々変わるので一概に特定し得ないが、一般的には電解質の濃度が1〜60質量%溶液、液温は5〜60℃、電流密度2〜50A/dm2、電圧1〜100V、電解時間5秒〜3分の範囲であれば適当である。陽極酸化皮膜の量は0.5〜5.0g/m2が適当で、0.5g/m2以上では耐摩耗性が特に良くなり、5.0g/m2以下では、陽極酸化の孔に染料などが特に染み込みにくくなるので好ましい。
陽極酸化を施された後、アルミニウム板は、さらに、例えばケイ酸アルカリ、リン酸ソーダ、弗化ナトリウム、弗化ジルコニウム、アルキルチタネート、トリヒドロキシ安息香酸などの単独あるいは混合液による化成処理や、熱水溶液への浸漬もしくは水蒸気浴などによる封孔処理や、酢酸ストロンチウム、酢酸亜鉛、酢酸マグネシウム、もしくは、安息香酸カルシウム等の水溶液による被覆処理や、ポリビニルピロリドン、ポリアミンスルホン酸、ポリビニルホスホン酸、ポリアクリル酸、もしくは、ポリメタクリル酸等による表面もしくは裏面の化成あるいは被覆処理を後処理として行うこともできる。
さらに、上記支持体として、特開平10−297130号に記載の表面処理を施したアルミニウム支持体等も使用することができる。
本発明の平版印刷原版を合紙なしで多数枚積み重ねた時の版同士の離脱性をよくし、また、合紙を間に入れて積み重ねた場合でも合紙と版との離脱性をよくするために、平版印刷原版の感光層表面をマット化する場合がある。感光層表面をマット化する方法としては、本発明の感光性組成物中にマット剤などを添加する方法、感光層表面に水溶性樹脂あるいは水溶性樹脂とマット剤などを溶解、分散させた溶液をスプレー塗布する方法などがある。マット剤としては、例えば二酸化珪素、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ粉末、澱粉、コンスターチ、重合体粒子(例えばポリアクリル酸、ポリスチレンなどの粒子)などが挙げられる。
本発明の平版印刷版原版は、支持体上に、上記感光性組成物を含有する感光層と、その上層に保護層とを設けてなるものがより好ましい。本発明の平版印刷版原版の感光層は光重合又は熱重合性ネガ型感光層であり、通常、露光を大気中で行うために、感光層中で露光により生じる画像形成反応を阻害する大気中に存在する酸素や塩基性物質等の低分子化合物の感光層への混入を防止する目的で、感光層の上に、水溶性の保護層を設ける。本発明における水溶性保護層は、酸素等の低分子化合物の透過性が低いことを要し、さらに、露光に用いる光の透過は実質阻害せず、感光層との密着に優れ、かつ、露光後の現像工程で容易に除去できることが望ましい。このような、保護層に関する工夫が従来なされており、米国特許第3,458,311号、特公昭55−49729号に詳しく記載されている。保護層に使用できる材料としては、例えば、比較的結晶性に優れた水溶性化合物を用いることがよく、具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、酸性セルロース類、ゼラチン、アラビアゴム、ポリアクリル酸などのような水溶性ポリマーが知られているが、これらの内、ポリビニルアルコールを主成分として用いることが、酸素遮断性、現像除去性といった基本特性的にもっとも良好な結果を与える。
保護層に使用するポリビニルアルコールは、必要な酸素遮断性と水溶性を有するための、未置換ビニルアルコール単位を含有する限り、一部がエステル、エーテル及びアセタールで置換されていてもよい。また、同様に一部が他の共重合成分を有していてもよい。ポリビニルアルコールの具体例としては、71〜100%加水分解され、分子量が200〜3000の範囲のものを挙げることができる。具体的には、株式会社クラレ製のPVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−117H、PVA−120、PVA−124、PVA−124H、PVA−CS、PVA−CST、PVA−HC、PVA−203、PVA−204、PVA−205、PVA−210、PVA−217、PVA−220、PVA−224、PVA−217EE、PVA−217E、PVA−220E、PVA−224E、PVA−405、PVA−420、PVA−613、L−8、日本酢ビ・ポバール株式会社製のJT−05、JP−05、JF−17、日本合成化学工業株式会社製のゴーセノールNL−05、NM−11、NM−14、AL−06、P−610、C−500等が挙げられる。
保護層の成分(PVAの選択、添加剤の使用)、塗布量等は、酸素遮断性・現像除去性の他、カブリ性や密着性・耐キズ性を考慮して選択される。一般には使用するPVAの加水分解率が高いほど(保護層中の未置換ビニルアルコール単位含率が高いほど)、膜厚が厚いほど酸素遮断性が高くなり、感度の点で有利である。しかしながら、極端に酸素遮断性を高めると、製造時・生保存時に不要な重合反応が生じたり、また、画像露光時に、不要なカブリ、画線の太りが生じたりという問題を生じる。また、画像部との密着性や、耐キズ性も版の取り扱い上極めて重要である。即ち、水溶性ポリマーからなる親水性の層を親油性の感光層に積層すると、接着力不足による膜剥離が発生しやすく、剥離部分が酸素の重合阻害により膜硬化不良などの欠陥を引き起こす。これに対し、これら2層間の接着性を改善すべく種々の提案がなされている。例えば、米国特許出願番号第292,501号、米国特許出願番号第44,563号には、主にポリビニルアルコールからなる親水性ポリマー中に、アクリル系エマルジョン又は水不溶性ビニルピロリドン−ビニルアセテート共重合体などを20〜60質量%混合し、感光層の上に積層することにより、充分な接着性が得られることが記載されている。本発明における保護層に対しては、これら公知の技術をいずれも適用することができる。このような保護層の塗布方法については、例えば、米国特許第3,458,311号、特公昭55−49729号に詳しく記載されている。本発明においては、接着力、感度、不要なカブリの観点から、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンを併用することが好ましい。添加量比(質量比)は、ポリビニルアルコール:ポリビニルピロリドンの比率が3:1以下、即ち、PVAに対するPVPの混合比が1/3以下であることが好ましい。水溶性保護層の乾燥後の塗布質量としては、1.0〜3.0g/m2であることが好ましい。
本発明の平版印刷版用原版は、感光層と、その上層に保護層とを有するものであれば、感光層と保護層とが隣接している必要は必ずしもなく、感光層と保護層との間に、両者を接着させる目的で中間層を有していてもよい。
本発明の平版印刷版用原版に、照射するためのレーザー光源としては、近赤外から赤外領域に発光波長を持つ光源が好ましく、固体レーザー、半導体レーザーが好ましい。発光波長としては760〜1300nmが好ましい。また、UV露光用の光源としては、カーボンアーク灯、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ等がある。発光波長としては、300〜500nmが好ましい。
本発明の平版印刷原版の現像に用いられる現像液および現像補充液としては、水系アルカリ現像液が好適である。アルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、同リチウム、ケイ酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、同リチウム、第三リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、ホウ酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム等の無機アルカリ剤及び、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、オクタン酸ナトリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等の有機アルカリ剤等が挙げられる。これらのアルカリ剤は単独もしくは2種以上を組み合せて混合して用いてもよい。
上記のアルカリ水溶液には、さらに活性剤を添加することができる。上記活性剤としては、陰イオン界面活性剤あるいは両性界面活性剤を使用することができる。 上記イオン界面活性剤として、例えば炭素数が8から22のアルコールの硫酸エステル類(例えばポリオキシエチレンアルキルサルフェートソーダ塩)、アルキルアリールスルホン酸塩類(例えばドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、ポリオキシエチレンドデシルフェニルサルフェートソーダ塩、アルキルナフタレンスルホン酸ソーダ、ナフタレンスルホンソーダ、ナフタレンスルホンソーダのホルマリン縮合物)、ソジウムジアルキルスルホクシネート、アルキルエーテルリン酸エステル、アルキルリン酸エステルなどを用いることができる。また、両性界面活性剤として、例えばアルキルベタイン型、アルキルイミダゾリン型活性剤が好ましい。さらに上記のアルカリ水溶液中には、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、亜硫酸マグネシウム等の水溶性亜硫酸塩を添加することもできる。
以下に、本発明を実施例によりさらに具体的に示すが、本実施例は本発明を限定するものでない。
厚さ0.24mmのアルミニウム(材質1050)をアルカリ脱脂した後、パーミストンの水懸濁液をかけながらナイロンブラシで表面を研磨し、よく水洗した。次いで、70℃、15質量%水酸化ナトリウム水溶液を5秒間かけ流し、表面を3g/m2エッチングした後、さらに水洗を行ない、次いで、1N塩酸浴中で200クーロン/dm2で電解粗面化処理を行った。引き続き水洗した後、15質量%水酸化ナトリウム水溶液で表面を再度エッチングし、水洗を行った後、20質量%の硝酸水溶液に浸漬して、デスマットした。次いで、15質量%硫酸水溶液中で陽極酸化処理を行って、2.0g/m2の酸化皮膜を形成し、水洗の後、50℃の1質量%のフッ化カリウムと10質量%のリン酸一ナトリウムの混合溶液で後処理し、水洗・乾燥した。
[実施例1〜5]
次に、下記感光液の本発明のパーフルオロアルケニル基をもつ重合性化合物(I)、及び/または(II)に示す重合性化合物の種類を変えて、5種類の感光液イ〜ホを調製した。これらの感光液を上記アルミニウム板上に乾燥後の膜厚が1.5g/m2になるように塗布し、90℃で3分間乾燥して平版印刷版を得た。
[実施例1]
(感光液イ)
特定フッ素系重合性化合物(F−1)(0.025g)
重合性化合物(D−1)(0.6g)
アルカリ可溶性樹脂(C−1)(2.0g)
赤外線吸収剤:赤外線吸収剤(1)(0.05g)
ラジカル重合性開始剤1:有機ホウ素塩(B−6)(0.05g)
ラジカル重合性開始剤2:トリアジン化合物(T−7)(0.05g)
染料:オイルブルー613(オリエント化学工業社製)(0.15g)
特定黒色染料:オイルブラックNo5(オリエント化学工業社製)(0.03g)
溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテル/テトラヒドロフラン=30ml/20ml
[実施例2]
(感光液ロ)
特定フッ素系重合性化合物(F−2)(0.025g)
重合性化合物(D−1)(0.6g)
アルカリ可溶性樹脂(C−1)(2.0g)
赤外線吸収剤:赤外線吸収剤(1)(0.05g)
ラジカル重合性開始剤1:有機ホウ素塩(B−6)(0.05g)
ラジカル重合性開始剤2:トリアジン化合物(T−7)(0.05g)
染料:オイルブルー613(オリエント化学工業社製)(0.15g)
特定黒色染料:オイルブラックNo5(オリエント化学工業社製)(0.03g)
溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテル/テトラヒドロフラン=30ml/20ml
[実施例3]
(感光液ハ)
特定フッ素系重合性化合物1(F−1)(0.0125g)
特定フッ素系重合性化合物2(F−2)(0.0125g)
重合性化合物(D−1)(0.6g)
アルカリ可溶性樹脂(C−1)(2.0g)
赤外線吸収剤:赤外線吸収剤(1)(0.05g)
ラジカル重合性開始剤1:有機ホウ素塩(B−6)(0.05g)
ラジカル重合性開始剤2:トリアジン化合物(T−7)(0.05g)
染料:オイルブルー613(オリエント化学工業社製)(0.15g)
特定黒色染料:オイルブラックNo5(オリエント化学工業社製)(0.03g)
溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテル/テトラヒドロフラン=30ml/20ml
[実施例4]
(感光液ニ)
特定フッ素系重合性化合物(F−3)(0.025g)
重合性化合物(D−1)(0.6g)
アルカリ可溶性樹脂(C−1)(2.0g)
赤外線吸収剤:赤外線吸収剤(1)(0.05g)
ラジカル重合性開始剤1:有機ホウ素塩(B−6)(0.05g)
ラジカル重合性開始剤2:トリアジン化合物(T−7)(0.05g)
染料:オイルブルー613(オリエント化学工業社製)(0.15g)
特定黒色染料:オイルブラックNo5(オリエント化学工業社製)(0.03g)
溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテル/テトラヒドロフラン=30ml/20ml
[実施例5]
(感光液ホ)
特定フッ素系重合性化合物(F−4)(0.025g)
重合性化合物(D−1)(0.6g)
アルカリ可溶性樹脂(C−1)(2.0g)
赤外線吸収剤:赤外線吸収剤(1)(0.05g)
ラジカル重合性開始剤1:有機ホウ素塩(B−6)(0.05g)
ラジカル重合性開始剤2:トリアジン化合物(T−7)(0.05g)
染料:オイルブルー613(オリエント化学工業社製)(0.15g)
特定黒色染料:オイルブラックNo5(オリエント化学工業社製)(0.03g)
溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテル/テトラヒドロフラン=30ml/20ml
同様に、下記比較感光液(1)(本発明と同様な官能基を有するパーフルオロアルケニル基をもつ界面活性剤)と比較感光液(2)(特定黒色染料なし)を変えて、比較感光液(1)、(2)を調製した。これらの感光液も上記アルミニウム板上に乾燥後の膜厚が1.5g/m2になるように塗布し、90℃で3分間乾燥して平版印刷版を得た。
比較例1
(比較感光液(1))
フッ素系界面活性剤(フタージェント250)(0.025g)
重合性化合物(D−1)(0.6g)
アルカリ可溶性樹脂(C−1)(2.0g)
赤外線吸収剤:赤外線吸収剤(1)(0.05g)
ラジカル重合性開始剤1:有機ホウ素塩(B−6)(0.05g)
ラジカル重合性開始剤2:トリアジン化合物(T−7)(0.05g)
染料:オイルブルー613(オリエント化学工業社製)(0.15g)
特定黒色染料:オイルブラックNo5(オリエント化学工業社製)(0.03g)
溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテル/テトラヒドロフラン=30ml/20ml
Figure 0004684264
比較例2
(比較感光液(2))
特定フッ素系重合性化合物(F−1)(0.025g)
重合性化合物(D−1)(0.6g)
アルカリ可溶性樹脂(C−1)(2.0g)
赤外線吸収剤:赤外線吸収剤(1)(0.05g)
ラジカル重合性開始剤1:有機ホウ素塩(B−6)(0.05g)
ラジカル重合性開始剤2:トリアジン化合物(T−7)(0.05g)
染料:オイルブルー613(オリエント化学工業社製)(0.15g)
溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテル/テトラヒドロフラン=30ml/20ml
Figure 0004684264
Figure 0004684264
[水溶性保護層]
上記の感光層表面に、下記水溶性保護層塗布液をワイヤーバーで塗布し、乾燥装置にて90℃で3分間乾燥させた。塗布量は、2.0g/m2であった。
[水溶性保護層塗布液]
・ポリビニルアルコール
(日本合成化学工業社製 ケン化度89モル%、重合度500) 100g
・界面活性剤(日本乳化剤、エマレックス710) 0.03g
・蒸留水 50g
[評価方法]
得られた平版印刷版原版を以下のように評価した。
1.感度評価
得られた平版印刷版原版を、Creo社製Trendsetter 800QTMにて、解像度2400 dpi、外面ドラム回転数360 rpmで照射エネルギーを変化させて露光した。露光後、富士フイルム社製現像液(DH−N)を4倍希釈し、PK-910II自動現像機を用いて30℃ 12秒で現像処理した。この時、照射エネルギーが低いほど、高感度を示す。
2.FMスクリーニングテスト
また、上記同様にCreo社製Trendsetter 800QTMにて、露光エネルギー80mJ/cm2でFM Staccato 36で露光した。露光後、富士フイルム社製現像液(DH−N)を4倍希釈し、PK-910II自動現像機を用いて30℃ 12秒で現像処理した。この時、1%のハイライト部位が測定できないものは、FMスクリーニング画像再現性が悪いことを示す。
3.耐薬品テスト1
上記同様にして露光エネルギー80mJ/cm2で得られた50%網点画像を、東洋インキ製造製 新聞湿し水(Litho Supply)を10%希釈した水溶液に30分間浸漬し、脱脂綿にて20回擦り後、網点部位の画像部溶解性を評価した。
4.耐薬品テスト2
上記同様にして露光エネルギー80mJ/cm2で得られた50%網点画像を、エタノールを湿らせた脱脂綿で20回擦りし、網点部位の画像部溶解性を評価した。
5.検出レーザー被りテスト
得られた平版印刷版原版を、Creo社製Trendsetter 800QTMにて、解像度2400 dpi、外面ドラム回転数360 rpmで照射エネルギーを変化させて露光した。露光後、富士フイルム社製現像液(DH−N)を4倍希釈し、PK-910II自動現像機を用いて30℃ 12秒で現像処理した。レーザーマーカーのあり、なしにより評価した。
6.界面接着性テスト
得られた平版印刷版原版を、Creo社製Trendsetter 800QTMにて、露光エネルギー80mJ/cm2で全面露光した。露光後、富士フイルム社製現像液(DH−N)を4倍希釈し、PK-910II自動現像機を用いて30℃ 12秒で現像処理した。10cm四方中に何個の欠落があるかで評価した。1個以上ならば界面接着不良とし、0個ならば良好とした。
Figure 0004684264
*評価基準(耐薬品性1,2)
◎:全く侵されない ○:光沢が減少する ×:画像部欠落する
表1から明らかなように、本発明にかかる特定フッ素系重合性化合物とアジン系縮合物を主成分とする黒色染料を含有する感光層を設けたダイレクトネガ型印刷版によると、いずれも高感度で走査レーザーに反応せず、FM小点再現性に優れ、耐刷性や耐溶剤性に優れた感光層が設けられたサーマルネガ版用平版印刷版原版が提供される。

Claims (4)

  1. (A)赤外線吸収剤と、
    (B)アルカリ可溶性樹脂と、
    (C)ラジカル重合性開始剤と、
    (D)パーフルオロアルケニル基をもつ下記重合性化合物(I)及び/または下記重合性化合物(II)を含有する感光性組成物。
    Figure 0004684264
    (上記式中、R1、R2およびR3は、同一または異なり、水素原子もしくは置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基を示す。k、mおよびnは、同一または異なり、0〜20の整数を表す。)
    Figure 0004684264
    (上記式中、R4およびR5は、同一または異なり、水素原子もしくは置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基を示す。pおよびqは、同一または異なり、0〜20の整数を表す。)
  2. 更に、アジン系縮合物を含む黒色染料を含有する請求項1に記載の感光性組成物。
  3. 支持体上に、請求項1または2に記載の感光性組成物を含有する感光層を設けてなることを特徴とするネガ型平版印刷版原版。
  4. 支持体上に、請求項1または2に記載の感光性組成物を含有する感光層と、その上層に保護層とを設けてなることを特徴とするネガ型平版印刷版原版。
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