[go: up one dir, main page]

JP4680023B2 - スレッド用体積ホログラム、および、これを用いたスレッド付き偽造防止用紙 - Google Patents

スレッド用体積ホログラム、および、これを用いたスレッド付き偽造防止用紙 Download PDF

Info

Publication number
JP4680023B2
JP4680023B2 JP2005296954A JP2005296954A JP4680023B2 JP 4680023 B2 JP4680023 B2 JP 4680023B2 JP 2005296954 A JP2005296954 A JP 2005296954A JP 2005296954 A JP2005296954 A JP 2005296954A JP 4680023 B2 JP4680023 B2 JP 4680023B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
volume hologram
layer
protective layer
present
thread
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005296954A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007108253A (ja
Inventor
実 阿▲座▼上
浩司 衞藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2005296954A priority Critical patent/JP4680023B2/ja
Publication of JP2007108253A publication Critical patent/JP2007108253A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4680023B2 publication Critical patent/JP4680023B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Credit Cards Or The Like (AREA)
  • Holo Graphy (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Paper (AREA)

Description

本発明は、各種紙媒体のスレッドとして用いられるスレッド用体積ホログラムに関するものであり、より詳しくは高精細な光像を得ることができ、かつ、耐久性の高いスレッド用体積ホログラムに関するものである。
ホログラムは、波長の等しい二つの光(物体光と参照光)を干渉させて物体光の波面を干渉縞として感光材料に記録したものであり、このホログラムに元の参照光と同一条件の光を当てると干渉縞による回折現象が生じ、元の物体光と同一の波面が再生できる。
このようなホログラムは、レーザー光またはコヒーレンス性の優れた光の干渉によって生じる干渉縞の記録形態により、いくつかの種類(表面レリーフ型ホログラム、体積型ホログラム等)に分類することができる。
上記ホログラムは、同一意匠の複製が困難であることから偽造防止機能に優れるため、各種セキュリティ用途に多く使用されている。このようなホログラムを偽造防止機能に用いる例は数多く知られているが、その中の一つに各種紙媒体に用いられるスレッドホログラムがある。
上記スレッドホログラムは、有価証券等の財産的価値を有する紙媒体の偽造を防止することを目的として、上記紙媒体の一部に形成されるものである。このようなスレッドホログラムは上記紙媒体の一部のみに形成されることにより高い偽造防止効果を発揮でき、かつ、紙媒体に意匠性を付与できることから、現在種々の紙媒体に広く用いられるに至っている。
上記スレッドホログラムが形成された紙媒体は、通常、紙媒体を製紙する際に、スレッドホログラムを紙媒体中に漉き込むことにより製造される。ここで、紙媒体を製紙する際には、通常、加熱条件下で行われることから、使用されるスレッドホログラムには上記加熱条件に耐え得る耐熱性が要求される。また、スレッドホログラムは表面に露出された形態で用いられるのが通常であるから、使用されるスレッドホログラムには、表面に水や異物等が付着することによって、得られる光像が乱されることのない高い耐久性が要求される。
特許文献1には、上記スレッドホログラムとして、表面レリーフ型ホログラムが用いられている例が開示されている。このような表面レリーフ型ホログラムは、基材上にホログラム形成層が形成された構成を有し、上記ホログラム形成層表面に形成された微細な凹凸により光像が得られるものである。
しかしながら、表面レリーフ型ホログラム層は光像を発現するホログラム形成層が表面に露出していることから、例えば、紙媒体への漉き込み時や、紙媒体の使用時等においてホログラム形成層表面に汚れや水分等が付着すると、得られる光像が乱れてしまうため、所望の耐久性が得られないという問題があった。
また、上記のような耐久性の問題を回避するために、例えば、上記ホログラム形成層上に保護層を形成した場合、上記基材と、上記保護層とを構成する材料が異なるとスレッドホログラムを紙媒体漉き込む際の加熱条件下において、上記基材と、上記保護層との熱膨張率に差が生じ、その結果としてホログラム形成層により得られる光像が乱れてしまうという問題点もあった。
さらに、近年、ホログラム技術の普及および偽造技術の高度化により、表面レリーフ型ホログラムは模倣複製が容易化している傾向があり、スレッドホログラムの機能の一つである偽造防止機能に欠けるという問題点もあった。
特開2000−273129号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、高精細な光像を得ることができ、かつ、耐久性の高いスレッド用体積ホログラムを提供することを主目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、樹脂材料からなる第1保護層と、上記第1保護層上に形成された体積ホログラム層と、上記体積ホログラム層上に形成され、樹脂材料からなる第2保護層と、を有するスレッド用体積ホログラムであって、上記第1保護層に用いられる樹脂材料および上記第2保護層に用いられる樹脂材料が同一であることを特徴とするスレッド用体積ホログラムを提供する。
本発明によれば、まず、体積ホログラム層が第1保護層および第2保護層によって挟持された構成を有することにより、体積ホログラム層により得られる光像が、水分や異物等の外的要因により乱されることを防止できるため、耐久性に優れたスレッド用体積ホログラムを得ることができる。
また、上記第1保護層と上記第2保護層とが、同一の樹脂材料からなることにより、例えば、本発明のスレッド用体積ホログラムを紙媒体に漉き込む際に熱が加わったとしても、熱膨張率に起因する第1保護層および第2保護層の変形を同程度にすることができるため、体積ホログラム層により得られる光像が乱されることを防止することができる。
さらに本発明のスレッド用体積ホログラムは、光像を発現するホログラムとして、体積型ホログラムを採用した体積ホログラム層が用いられているため、偽造防止効果に優れたスレッド用体積ホログラムを得ることができる。
本発明のスレッド用体積ホログラムは、上記第1保護層および上記第2保護層の厚みが同一であることが好ましい。上記第1保護層および上記第2保護層の厚みが同一であることにより、例えば、本発明のスレッド用体積ホログラムに外的張力が加わった際に、第1保護層と第2保護層とに生じる変形を同程度にすることができるため、上記外的張力により体積ホログラム層により得られる光像が乱されることを防止できるという利点を有するからである。
本発明のスレッド用体積ホログラムにおいては、上記第1保護層と上記体積ホログラム層との間、および、上記第2保護層と上記体積ホログラム層との間の少なくとも一方に感熱性接着剤からなる接着剤層が形成されていることが好ましい。このような接着剤層が形成されていることにより、第1保護層および第2保護層を形成する樹脂材料の種類に関わらず、第1保護層および第2保護層と、体積ホログラム層との密着性に優れたスレッド用体積ホログラムを得ることができるからである。
また、本発明のスレッド用体積ホログラムは、厚みが20μm〜50μmの範囲内であることが好ましい。これにより、本発明のスレッド用体積ホログラムを紙媒体のスレッドホログラムとして用いる場合に、紙媒体に漉き込むことが容易になるからである。
本発明は、スレッドホログラムを有するスレッド付き偽造防止用紙であって、上記スレッドホログラムが上記本発明のスレッド用体積ホログラムからなることを特徴とするスレッド付き偽造防止用紙を提供する。
本発明によれば、スレッドホログラムが上記本発明のスレッド用体積ホログラムからなることにより、高精細な光像が得られ、かつ、耐久性の高いスレッドを形成することができるため意匠性に優れたスレッド付き偽造防止用紙を得ることができる。また、上記本発明のスレッド用体積ホログラムを用いることにより、偽造防止機能に優れたスレッド付き偽造防止用紙を得ることができる。
本発明は、高精細な光像を得ることができ、かつ、耐久性の高いスレッド用体積ホログラムを得ることができるといった効果を奏する。
以下、本発明のスレッド用体積ホログラム、および、スレッド付き偽造防止用紙について詳細に説明する。
A.スレッド用体積ホログラム
まず、本発明のスレッド用体積ホログラムについて説明する。本発明のスレッド用体積ホログラムは、樹脂材料からなる第1保護層と、上記第1保護層上に形成された体積ホログラム層と、上記体積ホログラム層上に形成され、樹脂材料からなる第2保護層と、を有するものであって、上記第1保護層に用いられる樹脂材料および上記第2保護層に用いられる樹脂材料が同一であることを特徴とするものである。
次に、本発明のスレッド用体積ホログラムについて図を参照しながら説明する。図1は本発明のスレッド用体積ホログラムの一例を示す概略断面図である。図1に例示するように、本発明のスレッド用体積ホログラム10は、第1保護層1と、上記第1保護層1上に形成された体積ホログラム層2と、上記体積ホログラム層2上に形成された第2保護層3とからなるものである。この例において、上記第1保護層1と上記第2保護層3とは、同一の樹脂材料からなり、かつ、同一の厚みを有するものである。
図2は、本発明のスレッド用体積ホログラムの他の例を示す概略断面図である。図2に例示するように、本発明のスレッド用体積ホログラム11は、上記体積ホログラム層2と上記第2保護層3との間に、感熱性接着剤からなる接着剤層4が形成されていても良い。このような接着剤層4が形成されていることにより、第2保護層3を形成する樹脂材料の種類に関わらず、第2保護層3と、体積ホログラム層2との密着性に優れたスレッド用体積ホログラム11を得ることができるからである。
従来スレッドホログラムとして利用されてきた、表面レリーフ型ホログラムは、光像を発現するホログラム形成層が表面に露出していることから、例えば、紙媒体への漉き込み時や、紙媒体の使用時等においてホログラム形成層表面に汚れや水分等が付着すると、得られる光像が乱れてしまうため、所望の耐久性が得られないという問題があった。
また、上記のような耐久性の問題を回避するために、例えば、上記ホログラム形成層上に保護層を形成した場合、上記基材と、上記保護層とを構成する材料が異なるとスレッドホログラムを紙媒体漉き込む際の加熱条件下において、上記基材と、上記保護層との熱膨張率に差が生じ、その結果としてホログラム形成層により得られる光像が乱れてしまうという問題点もあった。
本発明によれば、体積ホログラム層を第1保護層および第2保護層によって挟持された構成を有することにより、体積ホログラム層を、水分や異物等の光像を乱す外的要因から保護することができるため、耐久性に優れたスレッド用体積ホログラムを得ることができる。
また、上記第1保護層と上記第2保護層とが同一の樹脂材料からなることにより、例えば、本発明のスレッド用体積ホログラムを紙媒体に漉き込む際に熱が加わったとしても、熱膨張率に起因する第1保護層および第2保護層の変形を同程度にすることができるため、体積ホログラム層により得られる光像が乱されることを防止することができる。
さらに本発明のスレッド用体積ホログラムは、光像を発現するホログラムとして、体積型ホログラムを採用した体積ホログラム層が用いられているため、偽造防止効果に優れたスレッド用体積ホログラムを得ることができる。
したがって、本発明によれば、高精細な光像を得ることができ、かつ、耐久性の高いスレッド用体積ホログラムを得ることができる。
本発明のスレッド用体積ホログラムは、第1保護層、体積ホログラム層、および、第2保護層を有するものであり、必要に応じて他の構成を有してもよいものである。以下、本発明のスレッド用体積ホログラムの各構成について詳細に説明する。
1.第1保護層および第2保護層
まず、本発明に用いられる第1保護層および第2保護層について説明する。本発明に用いられる第1保護層および第2保護層は同一の樹脂材料からなるものであり、体積ホログラム層を挟持するように配置されることにより、上記体積ホログラム層により得られる光像が、外的要因により乱されることを防止する保護機能を有するものである。
本発明に用いられる第1保護層および第2保護層を構成する樹脂材料としては、所望の強度を有するものであれば特に限定されるものではないが、本発明のスレッド用体積ホログラムがスレッドホログラムとして紙媒体に漉き込まれる際には加熱条件下におかれるため、このような加熱条件下においても変形や白濁等の形態の変化が生じない程度の耐熱性を有するものであることが好ましい。
また、本発明のスレッド用体積ホログラムを製造する際に、第1保護層または上記2保護層上に、溶剤を含む体積ホログラム層形成用組成物を塗工することにより、体積ホログラム層を形成する方法が用いられる場合においては、上記樹脂材料は、上記溶剤に侵食されない程度の耐溶剤性を有することが好ましい。
本発明に用いられる上記樹脂材料の具体例としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂や、ポリイミド樹脂系等を挙げることができる。
本発明においては上記樹脂材料のなかでも、ポリエステル系樹脂を用いることが好ましく、さらに上記ポリエステル系樹脂のなかでもポリエチレンテレフタレートを用いることが好ましい。
本発明においては上記樹脂材料を1種類のみ用いても良く、または、2種類以上を混合して用いてもよい。
本発明に用いられる第1保護層および第2保護層は両方が透明でなくても良く、少なくとも一方が体積ホログラム層を視認できる程度の透明性を有すれば良い。したがって、上記第1保護層および第2保護層は、少なくとも一方が上記透明性を有するものであれば、他方が不透明なものであっても良い。また、上記第1保護層および第2保護層の少なくとも一方が、体積ホログラム層を視認できる程度に着色されていても良い。
本発明においては、少なくとも一方が上記透明性を有するものであれば上記第1保護層および第2保護層に添加剤が含まれていても良い。このような添加剤としては、本発明のスレッド用体積ホログラムにおいて上記体積ホログラム層の光像の視認性を向上させる機能を有するものや、本発明のスレッド用体積ホログラムに意匠性を付与する機能を有するもの等を例示することができる。このような添加剤としては、例えば、染料・顔料等の着色剤や、耐候性を付与するための紫外線吸収剤および安定剤を挙げることができる。
本発明のスレッド用体積ホログラムは、スレッドホログラムとして紙媒体に漉き込んで用いられるため、本発明に用いられる第1保護層および第2保護層の厚みは、上記体積ホログラム層の厚み等に応じて、本発明のスレッド用体積ホログラムの厚みを紙媒体に漉き込むことが可能な程度にできる範囲内であることが好ましい。より具体的には2μm〜30μmの範囲内であることが好ましく、なかでも6μm〜20μmの範囲内であることが好ましい。
また、上記第1保護層と第2保護層の厚みは同一であっても良く、または、異なっていても良いものであるが、本発明において両者の厚みが同一であることが好ましい。上記第1保護層および上記第2保護層の厚みが同一であることにより、例えば、本発明のスレッド用体積ホログラムに外的張力が加わった際に、第1保護層と第2保護層とに生じる変形を同程度にすることができるため、上記外的張力により体積ホログラム層により得られる光像が乱されることを防止できるという利点を有するからである。
また、上記第1保護層および上記第2保護層には易接着処理が施されていても良い。上記易接着処理とは、上記第1保護層および上記第2保護層と、上記体積ホログラム層等の他の層との接着性を向上させるための処理である。
本発明に用いられる上記易接着処理としては、特に限定されるものではなく、樹脂シート等に対する一般的な表面処理を採用することができる。このような易接着処理としては、例えば、プラズマ処理、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理等の物理的処理、或いは、クロム酸、シランカップリング剤、プライマー剤等を使用した化学的処理を挙げることができる。
本発明に用いられる第1保護層および第2保護層は、単一の層からなる構成を有しても良く、または、複数の層が積層された構成を有するものであっても良い。複数の層が積層された態様としては、同一組成からなる層が積層された態様であっても良く、または、異なる組成からなる層が積層された態様であっても良い。
2.体積ホログラム層
まず、本発明の体積ホログラム層について説明する。本発明に用いられる体積ホログラム層は、体積型ホログラムの原理により屈折率差が記録され、これにより光像を発現する機能を有するものである。
本発明に用いられる体積ホログラム層を構成する材料は、所定の波長を有する光を照射することにより干渉稿を記録することが可能であり、かつ、本発明のスレッド用体積ホログラムの使用環境において、上記干渉稿に基づく光像が消失しない程度の耐熱性等を有するものであれば特に限定されない。なかでも本発明においては、上記体積ホログラム層が少なくとも光重合性化合物と光重合開始剤とにより形成されていることが好ましい。
なお、上記光重合性化合物には重合前のものと、重合後のものが含まれるものである。
(1)光重合性化合物
本発明に用いられる上記光重合性化合物について説明する。本発明に用いられる光重合性化合物としては、所望の光を照射することにより重合効果する機能を有するものであれば特に限定されない。このような光重合性化合物としては、光ラジカル重合性化合物と、光カチオン重合性化合物とを挙げることができる。
本発明においては上記光重合性化合物として、光ラジカル重合性化合物のみを用いても良く、また、上記光カチオン重合性化合物のみを用いてもよく、さらには、上記光ラジカル重合性化合物と上記光カチオン重合性化合物とを混合して用いても良いが、上記光ラジカル重合性化合物と上記光カチオン重合性化合物とを混合して用いることが好ましい。このように、上記光ラジカル重合性化合物と上記光カチオン重合性化合物とを混合して用いることにより、より高精細な光像を発現できる体積ホログラム層を形成することができるからである。
a.光ラジカル重合性化合物
本発明に用いられる上記光ラジカル重合性化合物について説明する。本発明に用いられる光ラジカル重合性化合物としては、所定の波長を有する光を照射することによって、後述する光ラジカル重合開始剤から発生した活性ラジカルの作用により重合する化合物であれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては、上記光ラジカル重合性化合物として少なくとも一つの付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合を持つ化合物が好適に用いられる。このような化合物の具体例としては、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸塩、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド結合物等を挙げることができる。なかでも本発明においては、上記不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステルを用いることが好ましい。
上記不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステルの具体例としては、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー、2−フェノキシエチルアクリレート、フェノールエトキシレートモノアクリレート、2−(p−クロロフェノキシ)エチルアクリレート、p−クロロフェニルアクリレート、フェニルアクリレート、2−フェニルエチルアクリレート、ビスフェノールAの(2−アクリルオキシエチル)エーテル、エトキシ化されたビスフェノールAジアクリレート、2−(1−ナフチルオキシ)エチルアクリレート、o−ビフェニルアクリレート、9,9−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アクリロキシトリエトキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アクリロキシジプロポキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アクリロキシエトキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アクリロキシエトキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アクリロキシエトキシ−3,5−ジメチル)フルオレン等を挙げることができる。
また、他の例としては特開昭61−72748号公報に開示されている硫黄含有アクリル化合物を挙げることができる。具体的には、4,4´−ビス(β−アクリロイルオキシエチルチオ)ジフェニルスルホン、4,4´−ビス(β−アクリロイルオキシエチルチオ)ジフェニルケトン、4,4´−ビス(β−アクリロイルオキシエチルチオ)3,3´,5,5´−テトラブロモジフェニルケトン、2,4−ビス(β−アクリロイルオキシエチルチオ)ジフェニルケトン等を挙げることができる。
さらに他の例としては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、テトラメチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ソルビトールペンタメタクリレート、ソルビトールヘキサメタクリレート、トリ(メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルメタクリレートリゴマー、2−フェノキシエチルメタクリレート、フェノールエトキシレートモノメタクリレート、2−(p−クロロフェノキシ)エチルメタクリレート、p−クロロフェニルメタクリレート、フェニルメタクリレート、2−フェニルエチルメタクリレート、ビスフェノールAの(2−アクリルオキシエチル)エーテル、エトキシ化されたビスフェノールAジメタクリレート、2−(1−ナフチルオキシ)エチルメタクリレート、o−ビフェニルメタクリレート、9,9−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アクリロキシトリエトキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アクリロキシジプロポキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アクリロキシエトキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アクリロキシエトキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アクリロキシエトキシ−3,5−ジメチル)フルオレン、4,4´−ビス(β−メタクリロイルオキシエチルチオ)ジフェニルスルホン、4,4´−ビス(β−メタクリロイルオキシエチルチオ)ジフェニルケトン、4,4´−ビス(β−メタクリロイルオキシエチルチオ)3,3´,5,5´−テトラブロモジフェニルケトン、2,4−ビス(β−メタクリロイルオキシエチルチオ)ジフェニルケトン等のメタクリル酸エステルを挙げることができる。
また、本発明においては、上記光ラジカル重合性化合物として、1種のみを用いても良く、または、2種以上を組み合わせて用いても良い。
b.光カチオン重合性化合物
本発明に用いられる上記光カチオン重合性化合物について説明する。本発明に用いられる光カチオン重合性化合物は、エネルギー照射を受け、後述する光カチオン重合開始剤の分解により発生したブレンステッド酸あるいはルイス酸によってカチオン重合する化合物であれば特に限定されない。このような化合物としては、例えば、エポキシ環やオキセタン環等の環状エーテル類、チオエーテル類、ビニルエーテル類等を挙げることができる。なかでも本発明においては、上記エポキシ環を含有する化合物を用いることが好ましい。
上記エポキシ環を含有する化合物としては、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ジグリセロールトリグリシジルエーテル、ジグリシジルヘキサヒドロフタレート、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、シクロヘキセンオキシド等が例示される。
また、上記光カチオン重合性化合物は、1種または2種以上を組み合わせて用いてもよいものである。
本発明において、上記光重合性化合物として光ラジカル重合性化合物と光カチオン重合性化合物とを混合して用いる場合、本発明における体積ホログラム層は、通常、目的とする光像の形状にレーザーを照射して、光ラジカル重合性化合物を重合させた後、全面にエネルギーを照射することにより、光カチオン重合性化合物等の未硬化の物質を重合させる方法によって形成される。この際、上記光像を形成する際のレーザー等と、全面にエネルギー照射されるエネルギーとは、通常異なる波長のものが用いられるが、本発明に用いられる光カチオン重合性化合物は、光像を形成する例えばレーザー等によって重合しない化合物であることが好ましい。
さらにまた、このような場合においては、上記光ラジカル重合性化合物は、比較的低粘度の組成物中で重合が行われることが好ましいという点から、本発明に用いられる光カチオン重合性化合物は、常温で液状であることが好ましい。
c.その他
本発明における体積ホログラム中の光重合性化合物の含有量としては、体積ホログラム層に光像を記録することができ、かつ、体積ホログラム層に所望の強度を付与できる範囲内であれば特に限定されない。上記光重合性化合物の含有量は、本発明に用いられる体積ホログラム層に含まれる化合物の種類によっても異なるものであるが、例えば、体積ホログラム層に後述するバインダー樹脂が含まれる場合、上記光重合性化合物の含有量は、バインダー樹脂100重量部に対して10重量部〜1000重量部の範囲内であることが好ましく、特に10重量部〜300重量部の範囲内であることが好ましい。
また、本発明に用いられる体積ホログラム層は、例えばレーザー光またはコヒーレンス性の優れた光等によって上記光重合性化合物を重合させて干渉縞を形成し、光像を形成するものである。このため、上記重合性化合物として、上記光ラジカル重合性化合物および上記光カチオン重合性化合物を組み合わせて用いる場合には、それぞれの屈折率が異なるものが選択されて用いられるものであるが、本発明においては、上記光ラジカル重合性化合物および上記光カチオン重合性化合物のどちらの屈折率が大きいものであっても良い。なかでも本発明においては、材料選択性の面から光ラジカル重合性化合物の平均の屈折率が光カチオン重合性化合物より大きいものであることが好ましく、具体的には、平均の屈折率が0.02以上大きいことが好ましい。これは、光ラジカル重合性化合物と光カチオン重合性化合物との平均の屈折率の差が上記値より低い場合には、屈折率変調が不十分となり、高精細な光像を形成することが困難となる可能性があるからである。
なお、ここでいう平均の屈折率とは、光カチオン重合性化合物または光ラジカル重合性化合物を重合させた後の重合体について測定する屈折率の平均値をいう。また、本発明の屈折率は、アッベ屈折率計により測定された値である。
(2)光重合開始剤
次に、本発明に用いられる光重合開始剤について説明する。本発明における光重合開始剤としては、上述した光重合性化合物により種類が異なるものである。すなわち、上記光重合性化合物として光ラジカル重合性化合物を用いる場合は、光重合開始剤として光ラジカル重合開始剤を用いることが必要であり、また、上記光重合性化合物として光カチオン重合性化合物を用いる場合は、光重合開始剤として光カチオン重合開始剤用いる必要がある。さらに、上記光重合性化合物として光ラジカル重合性化合物および光カチオン重合性化合物を組み合わせて用いる場合は、光重合開始剤として光ラジカル重合開始剤および光カチオン重合開始剤を用いる必要がある。
a.光ラジカル重合開始剤
本発明に用いられる光ラジカル重合開始剤について説明する。本発明に用いられる光ラジカル重合開始剤としては、例えばレーザー等によって、活性ラジカルを生成し、上記光ラジカル重合性化合物を重合させることが可能な開始剤であれば、特に限定されるものではない。このような光ラジカル重合開始剤としては、例えば、イミダゾール誘導体、ビスイミダゾール誘導体、N−アリールグリシン誘導体、有機アジド化合物、チタノセン類、アルミナート錯体、有機過酸化物、N−アルコキシピリジニウム塩、チオキサントン誘導体等を使用することができる。
より具体的には、1,3−ジ(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3´,4,4´−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3−フェニル−5−イソオキサゾロン、2−メルカプトベンズイミダゾール、ビス(2,4,5−トリフェニル)イミダゾール、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名イルガキュア651、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(商品名イルガキュア369、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、ビス(η−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム(商品名イルガキュア784、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)等を挙げることができる。
b.光カチオン重合開始剤
本発明に用いられる光カチオン重合開始剤について説明する。本発明に用いられる光カチオン重合開始剤としては、エネルギー照射によりブレンステッド酸やルイス酸を発生し、上記光カチオン重合性化合物を重合させるものであれば、特に限定されるものではない。
上記光重合性化合物として、光ラジカル重合性化合物および光カチオン重合性化合物を組み合わせて用いる場合、光カチオン重合開始剤としては、特に上記光ラジカル重合性化合物を重合させる例えばレーザーやコヒーレンス性の優れた光等に対しては反応せず、その後全面に照射されるエネルギーによって感光するものであることが好ましい。これにより、上記光ラジカル重合性化合物が重合する際、光カチオン重合性化合物がほとんど反応しないまま存在させることができ、本発明における体積ホログラム層において、大きな屈折率変調が得られるからである。
本発明に用いられる光カチオン重合開始剤の具体例としては、スルホン酸エステル、イミドスルホネート、ジアルキル−4−ヒドロキシスルホニウム塩、アリールスルホン酸−p−ニトロベンジルエステル、シラノール−アルミニウム錯体、(η−ベンゼン)(η−シクロペンタジエニル)鉄(II)等が例示される。さらに、ベンゾイントシレート、2,5−ジニトロベンジルトシレート、N−トシフタル酸イミド等を挙げることができる。
c.その他
本発明においては上記光重合開始剤として、光ラジカル重合開始剤としての性質と、光カチオン重合開始剤としての性質を併有する化合物を用いても良い。このような化合物としては、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ホスホニウム塩、トリアジン化合物、鉄アレーン錯体等を例示することができる。より具体的には、ジフェニルヨードニウム、ジトリルヨードニウム、ビス(p−t−ブチルフェニル)ヨードニウム、ビス(p−クロロフェニル)ヨードニウム等のヨードニウムのクロリド、ブロミド、ホウフッ化塩、ヘキサフルオロホスフェート塩、ヘキサフルオロアンチモネート塩等のヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウム、4−t−ブチルトリフェニルスルホニウム、トリス(4−メチルフェニル)スルホニウム等のスルホニウムのクロリド、ブロミド、ホウフッ化塩、ヘキサフルオロホスフェート塩、ヘキサフルオロアンチモネート塩等のスルホニウム塩、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン等の2,4,6−置換−1,3,5−トリアジン化合物等を挙げることができる。
また、上記の光重合開始剤は1種または2種以上を組み合わせて用いてもよいものである。
さらに、本発明の体積ホログラム層中に含まれる光重合開始剤の量は、上記光重合性化合物の種類等に応じて任意に決定すればよい。なかでも体積ホログラム層にバインダー樹脂が含まれる場合には、光重合開始剤の含有量をバインダー樹脂100重量部に対して0.1重量部〜20重量部の範囲内とすることが好ましく、特に5重量部〜15重量部の範囲内とすることが好ましい。
(3)添加剤
本発明における体積ホログラム層には、必要に応じて添加剤が含まれていても良い。本発明に用いられる添加剤としては、体積ホログラム層の光像の発現性を損なうものでなければ特に限定されない。このような添加剤しては、増感色素およびバインダー樹脂を挙げることができる。
a.増感色素
本発明に用いられる上記増感色素について説明する。本発明に用いられる増感色素は、上記光重合性化合物および上記光重合開始剤による重合反応をより長波長の光照射で進行させることを可能にする機能を有するものである。上記光重合性化合物および光重合開始剤は、紫外線に活性であるものが多いが、増感色素を添加することにより可視光にも活性となり、可視レーザー光を用いて干渉縞を記録することが可能となるため、本発明においては上記添加剤として増感色素を用いることが好ましい。
本発明に用いられる増感色素としては、干渉縞を記録する際に使用するレーザー光波長を考慮して選択されるものであるが、特に限定されるものではない。例えば、チオピリリウム塩系色素、メロシアニン系色素、キノリン系色素、スチリルキノリン系色素、クマリン系色素、ケトクマリン系色素、チオキサンテン系色素、キサンテン系色素、オキソノール系色素、シアニン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム系色素、シクロペンタノン系色素、シクロヘキサノン系色素等を挙げることができる。
上記シアニン系色素、メロシアニン系色素としては、3,3´−ジカルボキシエチル−2,2´−チオシアニンブロミド、1−カルボキシメチル−1´−カルボキシエチル−2,2´−キノシアニンブロミド、1,3´−ジエチル−2,2´−キノチアシアニンヨージド、3−エチル−5−[(3−エチル−2(3H)−ベンゾチアゾリリデン)エチリデン]−2−チオキソ−4−オキサゾリジン等を挙げることができる。
また、上記クマリン系色素、ケトクマリン系色素としては、3−(2´−ベンゾイミダゾール)7−N,N−ジエチルアミノクマリン、3,3´−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3,3´−カルボニルビスクマリン、3,3´−カルボニルビス(5,7−ジメトキシクマリン)、3,3´−カルボニルビス(7−アセトキシクマリン)等が挙げられる。
また、例えば、本発明のスレッド用体積ホログラムに高透明性が要求される場合において、可視光領域に吸収波長を有する増感色素を用いる場合、このような増感色素としては、干渉縞記録後の後工程、加熱や紫外線照射により分解されるなどして無色になるものが好ましい。このような増感色素としては、上述したシアニン系色素が好適に用いられる。
また、増感色素は、後述するバインダー樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部、好ましくは0.01〜2重量部の割合で使用するとよい。
b.バインダー樹脂
本発明に用いられるバインダー樹脂について説明する。本発明に用いられるバインダー樹脂は、体積ホログラム層に含有されることにより体積ホログラム層の自己支持性を向上する機能を有するものである。このような機能を有するバインダー樹脂を含有することにより、体積ホログラム層の成膜性、膜厚の均一性を向上させることができ、記録された干渉縞を安定に存在させることができるため、本発明においては上記添加剤としてバインダー樹脂を用いることが好ましい。
本発明に用いられるバインダー樹脂としては、ポリメタアクリル酸エステルまたはその部分加水分解物、ポリ酢酸ビニルまたはその加水分解物、ポリビニルアルコールまたはその部分アセタール化物、トリアセチルセルロース、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、シリコーンゴム、ポリスチレン、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリアリレート、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ−N−ビニルカルバゾールまたはその誘導体、ポリ−N−ビニルピロリドンまたはその誘導体、スチレンと無水マレイン酸との共重合体またはその半エステル等を挙げることができる。
また、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、アクリルニトリル、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、および酢酸ビニル等の共重合可能なモノマーからなる郡から選択される少なくとも1種のモノマーを重合させてなる共重合体を使用することもできる。また、側鎖に熱硬化または光硬化可能な官能基を有するモノマーを重合させてなる共重合体も使用することができる。
本発明においては上記バインダー樹脂として、上記樹脂を1種または2種以上の混合物として用いることができる。
また、本発明に用いられるバインダー樹脂としては、オリゴマータイプの硬化性樹脂を使用することもできる。このようなオリゴマータイプの硬化性樹脂としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ノボラック、o−クレゾールノボラック、p−アルキルフェノールノボラック等の各種フェノール化合物とエピクロロヒドリンとの縮合反応により生成されるエポキシ化合物等が挙げられる。
さらに、本発明に用いられるバインダー樹脂としては、ゾルゲル反応を利用した有機−無機ハイブリッドポリマーを使用することもできる。このような有機−無機ハイブリッドポリマーとしては、例えば、下記一般式(1)で表される重合性基を有する有機金属化合物とビニルモノマーとの共重合体が挙げられる。
M(OR´) (1)
(ここで、MはSi、Ti、Zr、Zn、In、Sn、Al、Se等の金属、Rは炭素数1〜10のビニル基または(メタ)アクリロイル基、R´は炭素数1〜10のアルキル基を表し、m+nは金属Mの価数である)。
金属MとしてSiを使用する場合の有機金属化合物の例としては、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリアリルオキシシラン、ビニルテトラエトキシシラン、ビニルテトラメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
また、上記ビニルモノマーとしては、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル等を挙げることができる。
上記バインダー樹脂の含有量は、通常、体積ホログラム層中に15質量%〜50質量%の範囲内、好ましくは20質量%〜40質量%の範囲内で用いられる。
c.その他
本発明における体積ホログラム層には、上記添加剤として、下記一般式(2)で表される有機金属化合物が含まれていても良い。本発明に用いられる体積ホログラム層は、干渉縞が屈折率変調または透過率変調として記録され形成されるものであるため、バインダー樹脂と光重合性化合物との屈折率差が大きいことが好ましいものであるが、体積ホログラム層に下記一般式(2)で表される有機金属化合物が含まれていることにより、上記バインダー樹脂と上記光重合性化合物との屈折率差を大きくすることができるからである。
M´(OR´´) (2)
(ここで、MはTi、Zr、Zn、In、Sn、Al、Se等の金属、R´´は炭素数1〜10のアルキル基を表し、kは金属Mの価数である)。
上記(2)式で表される化合物を体積ホログラム層に添加すると、水、酸触媒の存在下でゾルゲル反応により、バインダー樹脂と網目構造を形成するため、バインダー樹脂の屈折率を高くするたけでなく、膜の強靭性、耐熱性を向上させる効果がある。よって、光重合性化合物との屈折率差を大きくするには、金属M´は高い屈折率を有するものを使用することが好ましい。
(4)その他
本発明のスレッド用体積ホログラムは、スレッドホログラムとして紙媒体に漉き込んで用いられるため、本発明に用いられる体積ホログラム層の厚みは、後述する第1保護層および第2保護層の厚み等に応じて、スレッド用体積ホログラムの厚みを紙媒体に漉き込むことが容易となる程度にできる範囲内であることが好ましい。具体的には、0.1μm〜50μmの範囲内であることが好ましく、なかでも1μm〜20μmの範囲内であることが好ましい。
3.接着剤層
本発明のスレッド用体積ホログラムは、上記体積ホログラム層、第1保護層および第2保護層以外に他の構成を有していても良い。このような他の構成としては接着剤層を挙げることができる。なかでも、本発明のスレッド用体積ホログラムにおいては、上記第1保護層と上記体積ホログラム層との間、および、上記第2保護層と上記体積ホログラム層との間の少なくとも一方に感熱性接着剤からなる接着剤層が形成されていることが好ましい。このような接着剤層が形成されていることにより、第1保護層および第2保護層を形成する樹脂材料の種類に関わらず、第1保護層および第2保護層と、体積ホログラム層との密着性に優れたスレッド用体積ホログラムを得ることができるからである。
以下、本発明に用いられる接着剤層について説明する。
本発明に用いられる接着剤層を構成する感熱性接着剤としては、上記体積ホログラム層と、上記第1保護層および第2保護層に対して、所望の接着性を有するものであれば特に限定されない。このような感熱性接着剤としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−イソブチルアクリレート共重合樹脂、ブチラール樹脂、ポリ酢酸ビニルおよびその共重合体樹脂、セルロース系樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、スチレンブタジエンスチレンブロック共重合体(SBS)、スチレンイソプレンスチレンブロック共重合体(SIS)、スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEPS)等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。
本発明においては上記熱可塑性樹脂の中でも、180℃以下の温度でヒートシール可能な樹脂を用いることが好ましい。
本発明に用いられる接着剤層の厚みは、上記感熱性接着剤の種類に応じて、体積ホログラム層や、第1保護層および第2保護層に対して所望の接着性を発現できる範囲内であれば特に限定されない。なかでも本発明においては、0.1μm〜10μmの範囲内が好ましく、なかでも1μm〜5μmの範囲内が好ましい。
本発明において上記接着剤層を用いる態様としては、上記第1保護層と上記体積ホログラム層との間に形成されている態様、上記第2保護層と上記体積ホログラム層との間に形成されている態様、および、上記第1保護層および上記体積ホログラム層との間と上記第2保護層および上記体積ホログラム層の間とに形成されている態様を挙げることができるが、本発明においては上記のいずれの態様であっても好適に用いることができる。
また、接着剤層が、上記第1保護層および上記体積ホログラム層の間と上記第2保護層および上記体積ホログラム層の間とに形成される場合は、両接着剤層は同一の組成であることが好ましい。
4.スレッド用体積ホログラム
本発明のスレッド用体積ホログラムには、上述した体積ホログラム層、第1保護層、第2保護層、および、接着剤層以外の他の層が形成されていても良い。
本発明のスレッド用体積ホログラムは、スレッドホログラムとして紙媒体に漉き込まれることにより使用されるため、本発明のスレッド用体積ホログラムの厚みは紙媒体に漉き込むことが容易となる範囲内であることが好ましい。より具体的には厚みが10μm〜70μmの範囲内であることが好ましく、特に20μm〜50μmの範囲内であることが好ましい。
また、本発明のスレッド用体積ホログラムの形態は、必要な加工を施すことによりスレッドホログラムとして用いることができる形態であれば特に限定されるものではない。このような形態としては、例えば、短冊状、シート状、および、長尺シートがロール状に巻き取られた形状等を挙げることができる。
5.スレッド用体積ホログラムの製造方法
本発明のスレッド用体積ホログラムの製造方法について説明する。本発明のスレッド用体積ホログラムの製造方法としては、上記構成を有するスレッド用体積ホログラムを製造できる方法であれば特に限定されるものはなく、一般的な体積ホログラムの製造方法を用いることができる。
以下、本発明のスレッド用体積ホログラムの具体的な製造方法として、上記第2保護層と上記体積ホログラム層との間に上記接着剤層が形成された構成を有するスレッド用体積ホログラムの製造方法の一例について説明する。
上記第2保護層と上記体積ホログラム層との間に上記接着剤層が形成された構成を有するスレッド用体積ホログラムは、例えば、
光重合性化合物および光重合開始剤を含む体積ホログラム層形成用組成物を塗工することにより、第1保護層上に体積ホログラム形成用層を形成する体積ホログラム形成用層形成工程と、
上記体積ホログラム形成用層にレーザー光等のコヒーレンス性に優れた光を露光することにより、上記光重合性化合物を重合させて目的とする光像の干渉縞を記録し、これにより体積ホログラム層を形成する露光工程と、
上記体積ホログラム層上に、接着剤層を介して第2保護層を加熱圧着することにより第2保護層を形成する第2保護層形成工程と、
により製造することができる。
(1)体積ホログラム形成用層形成工程
上記体積ホログラム形成用層形成工程について説明する。上記体積ホログラム形成用層形成工程は、光重合性化合物および光重合開始剤を含む体積ホログラム層形成用組成物を塗工することにより、第1保護層上に体積ホログラム形成用層を形成する工程である。
本工程に用いられる体積ホログラム層形成用組成物は、光重合性化合物および光重合開始剤と、これらを溶解する溶媒とを含むものであり、必要に応じて添加剤が含まれるものである。ここで、上記光重合性化合物、光重合開始剤、および添加剤については、上記「2.体積ホログラム層」の項に記載したものと同様であるためここでの説明は省略する。
また、上記体積ホログラム層形成用組成物中の上記光重合性化合物、光重合開始剤、および添加剤の含有量としては、体積ホログラム層形成用組成物を第1保護層上に塗工する際の塗布方式等に応じて適宜調整して用いることができる。
上記体積ホログラム層形成用組成物に用いられる溶媒としては、上記光重合性化合物、光重合開始剤、および、添加剤を所望の濃度で溶解できるものであれば特に限定されない。このような溶媒としては、例えば、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、酢酸エチル、1,4−ジオキサン、1,2−ジクロロエタン、ジクロルメタン、クロロホルム、メタノール、エタノール、イソプロパノール等を使用することができる。また、これらの溶媒を1種または2種以上を混合して用いてもよい。
上記体積ホログラム層形成用組成物を第1保護層上に塗工する際の塗布方法としては、例えば、スピンコーター、グラビアコーター、コンマコーター、バーコーター等の方法を使用することができる。
ここで、本工程に用いられる第1保護層としては、上記「1.第1保護層および第2保護層」の項において記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
上記体積ホログラム層形成用組成物の塗布量は、形成する体積ホログラム層の厚み等によって適宜選択されるものであるが、通常1g/m〜100g/mの範囲内、好ましくは10g/m〜40g/mの範囲内とされる。
本工程においては、上記体積ホログラム層形成用組成物を第1保護層上に塗布した後、必要に応じて乾燥処理を施しても良い。
(2)露光工程
次に、露光工程について説明する。上記露光工程は、上記体積ホログラム形成用層形成工程により形成された上記体積ホログラム形成用層に、レーザー光等のコヒーレンス性に優れた光を露光することにより、上記光重合性化合物を重合させて目的とする光像の干渉縞を記録し、これにより体積ホログラム層を形成する工程である。
本工程において、上記体積ホログラム形成用層に、レーザー光等のコヒーレンス性に優れた光を露光する際に用いられる光としては、例えば、アルゴンイオンレーザー(458nm、488nm、514.5nm)、クリプトンイオンレーザー(647.1nm)、ヘリウム−ネオンレーザー(633nm)、YAGレーザー(532nm)等を使用することができる。
また、本工程において上記像の干渉縞を記録する方法としては、従来の公知の方法を使用することができる。例えば、上記体積ホログラム形成用層に原版を密着させ、第1保護層側から可視光、あるいは紫外線や電子線等の電離放射線を用いて干渉露光を行うことにより像の干渉縞が記録される。
また、本工程においては、屈折率変調の促進、光重合性化合物等の重合反応完結のために干渉露光後、紫外線による全面露光や加熱等の処理を適宜行うことができる。
(3)第2保護層形成工程
次に、上記第2保護層形成工程について説明する。上記第2保護層形成工程は、上記露光工程によって形成された体積ホログラム層上に、接着剤層を介して第2保護層を加熱圧着することにより第2保護層を形成する工程である。
本工程においては、例えば、感熱性接着剤を含む接着剤層形成用組成物を第2保護層上に塗工することにより接着剤層を有する第2保護層を形成し、この接着剤層を有する第2保護層を用い、上記接着剤層と上記体積ホログラム層とが接するように配置した後、一般的な方法により加熱圧着することにより、上記体積ホログラム層上に接着剤層を介して第2保護層を形成することができる。
ここで、本工程に用いられる第2保護層については、上記「1.第1保護層および第2保護層」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。また、上記感熱性接着剤については、上記「3.接着剤層」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
(4)その他
なお、接着剤層を有さないスレッド用体積ホログラムは、例えば、次のような方法により作成することができる。すなわち、上記体積ホログラム形成用層形成工程において、光重合性化合物として光ラジカル重合性化合物と光カチオン重合性化合物とを用い、かつ、上記光重合開始剤として光ラジカル重合開始剤と光カチオン重合開始剤を用いる。
次に、上記露光工程において、上記光ラジカル重合性化合物のみが重合する波長の光を用い、上記光ラジカル重合性化合物のみを重合させることにより干渉稿を記録する。
次に、第2保護層形成工程において、接着剤層を有さない第2保護層を用い、体積ホログラム層と、第2保護層とを接触させた後、上記第2保護層側から上記光カチオン重合性化合物が重合可能な波長の光を照射することにより光カチオン重合性化合物を重合させる。
このような方法によれば、上記光カチオン重合性化合物が重合する際に上記体積ホログラム層と、上記第2保護層とを接着することができるため、接着剤層を有さないスレッド用体積ホログラムを製造することができる。
B.スレッド付き偽造防止用紙
次に、本発明のスレッド付き偽造防止用紙について説明する。本発明のスレッド付き偽造防止用紙は、スレッドホログラムを有するものであって、上記スレッドホログラムが上記本発明のスレッド用体積ホログラムからなることを特徴とするものである。
本発明によれば、スレッドホログラムが上記本発明のスレッド用体積ホログラムからなることにより、高精細な光像が得られ、かつ、耐久性の高いスレッドを形成することができるため意匠性に優れたスレッド付き偽造防止用紙を得ることができる。また、上記本発明のスレッド用体積ホログラムを用いることにより、偽造防止機能に優れたスレッド付き偽造防止用紙を得ることができる。
本発明のスレッド付き偽造防止用紙は、上記本発明のスレッド用体積ホログラムをスレッドホログラムとして有するものである。以下、本発明のスレッド付き偽造防止用紙について説明する。
なお、上記本発明のスレッド用体積ホログラムについては、上記「A.スレッド用体積ホログラム」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
本発明のスレッド付き偽造防止用紙において、上記本発明のスレッド用体積ホログラムからなるスレッドホログラムが形成されている態様としては、特に限定されるものではないが、通常、偽造防止用紙に漉き込まれた態様により形成される。このような態様としては、例えば、特開平10−71759号公報に開示されているように、本発明のスレッド付き偽造防止用紙の一方の面に、スレッドホログラムを間欠的に露出させる表出部と、当該表出部間でスレッドホログラムを間欠的に覆う被覆部が形成されている態様や、登録実用新案第3028886号公報に開示されているように、本発明のスレッド付き偽造防止用紙の表面の文字若しくは画像からなるすき入れのある窓開部にスレッドホログラムが露出している態様等を挙げることができる。
また、本発明のスレッド付き偽造防止用紙は、上記本発明のスレッド用体積ホログラムからなるスレッドホログラムが1ヶ所のみに形成されていても良く、または、複数箇所に形成されていても良い。
本発明のスレッド付き偽造防止用紙は、任意の紙媒体を製紙する際に、上記本発明のスレッド用体積ホログラムからなるスレッドホログラムを漉き込むことにより製造することができる。このような漉き込み方法としては、特に限定されるものではなく一般的に用いられる漉き込み方法を用いることができる。
また、本発明のスレッド付き偽造防止用紙の用途としては、例えば、商品券、鉄道乗車券、定期乗車券、株券、紙幣、証券、ギフトカード、チケット、および、ラベル等を挙げることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、本発明について実施例を用いて具体的に説明する。
第1保護層として厚み12μmの易接着処理ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名 ダイヤホイルH300E,三菱ポリエステルフィルム社製)を用い、易接着処理が施された面上に下記組成を有する体積ホログラム層形成用組成物を、乾燥後の膜厚が10μmとなるようにアプリケーターで塗布した後、オーブンで乾燥することにより、体積ホログラム形成用層を形成した。
<体積ホログラム層形成用組成物>
・ポリメチルメタクリレート(重量平均分子量20万) 100重量部
・9,9−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)フルオレン 80重量部
・1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル 70重量部
・ジフェニルヨードニウムヘキサンフルオロアンチモネート 5重量部
・3,9−ジエチル−3’−カルボキシメチル−2,2−チアカルボシアニンヨードニウム塩 1重量部
・メチルエチルケトン/1−ブタノール(質量比1:1) 200重量部
次に、上記体積ホログラム形成用層にホログラム原版を密着させ、レーザー光(波長532nm)を第1保護層側から80mJ/cmで入射することにより、干渉稿を記録することにより、上記体積ホログラム形成用層から体積ホログラム層を形成した。
次に、中間フィルムとして厚み25μmのポリエステルフィルム(商品名 ルミラーT60,東レ社製)を上記体積ホログラム層にラミネートした後、加熱、紫外線定着露光を実施して第1保護層/体積ホログラム層/中間フィルムの構成を有する中間積層体を作製した。
第2保護フィルムとして厚み12μmの易接着処理ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名 ダイヤホイルH300E,三菱ポリエステルフィルム社製)を用い、易接着処理が施された面上に下記組成を有する接着剤層形成用組成物を乾燥後の膜厚が4μmとなるようにバーコーターにて塗布した後、オーブンで乾燥させて、接着剤層を有する第2保護層を作製した。
<接着剤層形成用組成物>
・ポリエステル樹脂 100重量部
(商品名 バイロナールMD1985,東洋紡績社製)
・溶剤(水/イソプロピルアルコール=1/1(質量比)) 100重量部
次に、上記中間積層体の中間フィルムを剥離し、体積ホログラム層と、上記第2保護フィルムとを、上記接着剤層が上記体積ホログラム層と接するように向かい合わせた後、130℃の熱ローラー間に通して熱ラミネートを行い、第1保護フィルム/体積ホログラム層/接着剤層/第2保護層の構成を有する本発明のスレッド用体積ホログラムを得た。
本発明のスレッド用体積ホログラムの一例を示す概略断面図である。 本発明のスレッド用体積ホログラムの他の例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 … 第1保護層
2 … 体積ホログラム層
3 … 第2保護層
4 … 接着剤層
10、11 … スレッド用体積ホログラム

Claims (4)

  1. スレッドホログラムを有するスレッド付き偽造防止用紙であって、
    前記スレッドホログラムが、
    樹脂材料からなる第1保護層と、
    前記第1保護層上に形成された体積ホログラム層と、
    前記体積ホログラム層上に形成され、樹脂材料からなる第2保護層と、
    を有し、
    前記第1保護層に用いられる樹脂材料および前記第2保護層に用いられる樹脂材料が同一であることを特徴とするスレッド付き偽造防止用紙。
  2. 前記第1保護層および前記第2保護層の厚みが同一であることを特徴とする、請求項1に記載のスレッド付き偽造防止用紙。
  3. 前記第1保護層と前記体積ホログラム層との間、および、前記第2保護層と前記体積ホログラム層との間の少なくとも一方に、感熱性接着剤からなる接着剤層が形成されていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のスレッド付き偽造防止用紙。
  4. 厚みが20μm〜50μmの範囲内であることを特徴とする、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載のスレッド付き偽造防止用紙。
JP2005296954A 2005-10-11 2005-10-11 スレッド用体積ホログラム、および、これを用いたスレッド付き偽造防止用紙 Expired - Fee Related JP4680023B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005296954A JP4680023B2 (ja) 2005-10-11 2005-10-11 スレッド用体積ホログラム、および、これを用いたスレッド付き偽造防止用紙

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005296954A JP4680023B2 (ja) 2005-10-11 2005-10-11 スレッド用体積ホログラム、および、これを用いたスレッド付き偽造防止用紙

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007108253A JP2007108253A (ja) 2007-04-26
JP4680023B2 true JP4680023B2 (ja) 2011-05-11

Family

ID=38034180

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005296954A Expired - Fee Related JP4680023B2 (ja) 2005-10-11 2005-10-11 スレッド用体積ホログラム、および、これを用いたスレッド付き偽造防止用紙

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4680023B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102713769B (zh) * 2010-01-19 2016-03-30 大日本印刷株式会社 埋入用体积全息图片材、防伪用纸和卡片
EP2700510B1 (de) * 2012-08-23 2015-09-16 Bayer MaterialScience AG Polycarbonatbasierte Sicherheits- und/oder Wertdokumente mit Hologramm im Kartenkörper
WO2024228369A1 (ja) * 2023-05-01 2024-11-07 ソニーグループ株式会社 光学素子、光学素子の製造方法、材料セット、光学機器およびシステム。

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003058026A (ja) * 2001-08-09 2003-02-28 Dainippon Printing Co Ltd 偽造防止体積ホログラム積層体

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3220708B2 (ja) * 1992-02-28 2001-10-22 大日本印刷株式会社 感光性記録媒体
JPH1034813A (ja) * 1996-07-26 1998-02-10 Topy Ind Ltd 金属材表面被膜構造とその形成方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003058026A (ja) * 2001-08-09 2003-02-28 Dainippon Printing Co Ltd 偽造防止体積ホログラム積層体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007108253A (ja) 2007-04-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4821969B2 (ja) レーザーマーキングホログラム及びホログラムレーザーマーキング方法
RU2517177C2 (ru) Лист объемной голограммы для встраивания, бумага для предотвращения подделок и карта
JP5884314B2 (ja) 体積ホログラム転写箔
JP4187196B2 (ja) 偽造防止体積ホログラム積層体および偽造防止体積ホログラムシール
US8852828B2 (en) Volume hologram photosensitive composition
WO2007029693A1 (ja) 体積型ホログラム付きコレステリック液晶媒体の製造方法
JP4918977B2 (ja) ホログラム転写箔
JP4803333B2 (ja) ホログラム積層体
JP2007069486A (ja) 体積型ホログラム付きコレステリック液晶媒体の製造方法
JP2003316239A (ja) 体積ホログラム積層体、体積ホログラム転写箔、及び体積ホログラムラベル
JP4680023B2 (ja) スレッド用体積ホログラム、および、これを用いたスレッド付き偽造防止用紙
JP4858697B2 (ja) 体積型ホログラム付きコレステリック液晶媒体の製造方法
JP5024202B2 (ja) 長尺体積ホログラム層転写箔、および、これを用いた体積ホログラム積層体の製造方法
JP4589008B2 (ja) 体積型ホログラム感光性組成物
JP5186948B2 (ja) 体積ホログラム積層体、体積ホログラム転写用シート、体積ホログラム貼着体および体積ホログラム積層体の製造方法
JP4500532B2 (ja) 体積型ホログラム記録用感光性組成物および体積型ホログラム記録用感光性媒体
JP4895014B2 (ja) 体積型ホログラム付きコレステリック液晶媒体の製造方法
JP2003058026A (ja) 偽造防止体積ホログラム積層体
JP6003307B2 (ja) 体積ホログラム転写箔
JP2011027897A (ja) 貼り替え防止シールおよび貼り替え防止シールの製造方法
JP4423017B2 (ja) 体積型ホログラム記録用感光性組成物および体積型ホログラム記録用感光性媒体
JP7311013B2 (ja) 体積ホログラム積層体、体積ホログラム積層体の製造方法、体積ホログラム転写箔、体積ホログラムラベル、埋込用体積ホログラムシート、カードおよびホログラム貼付物品
WO2022154042A1 (ja) 体積ホログラム積層体、体積ホログラム転写箔、体積ホログラムラベル、カード、データページおよび冊子類
JP2004318068A (ja) 体積型ホログラム記録用感光性組成物および体積型ホログラム記録用感光性媒体
JP2005055472A (ja) ホログラム層とそれを用いたホログラム転写箔

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080616

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100914

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101109

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110111

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110202

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4680023

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140210

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees