JP4673981B2 - 缶胴の外面処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、缶胴の外面に所定の外面処理、例えば、印刷処理、塗料の塗布、フィルムの貼り付けなどをおこなう装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、缶の製造工程において、缶胴の外面に所定の外面処理、例えば、印刷処理、塗料の塗布、フィルムの貼り付けなどを施す方法としては、金属板を円筒形状に成形して、その両端を接合して缶胴を製造した後、あるいは金属板を絞り加工、絞りしごき加工などにより成形して缶胴を製造した後、この缶胴の外面に所定の外面処理を施す方法が知られている。
【0003】
上記の方法およびその装置の一例が、特開平3−230940号公報に記載されている。この公報においては、複数のマンドレルがターンテーブルに等間隔で設けられており、各マンドレルの内部には電磁誘導コイルが設けられている。また、マンドレルに対して軸線方向に相対移動自在な保持部材が設けられており、この保持部材には真空源に連通された吸引孔が形成されている。さらにターンテーブルの近傍には、粘着ロールを有する接着装置が設けられている。
【0004】
上記公報に記載された方法および装置においては、まず、保持部材の真空吸着力により、絞りしごき缶、押し出し成形缶などのような2ピース缶の缶胴の底部を吸着して、その缶胴が保持される。ついで、保持部材が缶胴の軸線方向に移動して、マンドレルが缶胴の内部に挿入され、マンドレルと缶胴との軸線方向の位置決めがおこなわれる。また、電磁誘導コイルに電力が供給されることにより、マンドレルに保持されている缶胴が加熱される。その後、粘着ロールに巻き付けられているフィルムシートが、接着剤層を介して缶胴の外面に接着され、かつ、所定圧力でフィルムシートが加圧され、フィルムシートが缶胴の外面に接着される。このようにして、フィルムシートが接着された缶胴を保持している保持部材が、缶胴の軸線方向に移動して、缶胴の内部からマンドレルが抜き取られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報に記載された発明においては、マンドレルと缶胴とが、その中心線に直交する方向には位置決めされていないため、保持部材を缶胴の中心線方向に移動させることにより、缶胴の内部にマンドレルを挿入する場合、および缶胴の外面にフィルムを接着した後に、保持部材を缶胴の中心線方向に移動させて、缶胴の内部からマンドレルを抜き取る場合に、マンドレルと缶胴の内面とが接触し、擦れて缶胴の内面に傷が付いてしまう可能性があった。また、上記のような缶胴の内面には、缶に充填される内容物と缶胴の内面との直接接触を防ぎ、かつ、缶胴の内面の腐食などを防止する目的で、熱可塑性樹脂フィルムなどにより構成された内面被覆層が形成されるが、上記公報に記載されている装置及び方法を、内面被覆層を備えた缶胴の外面処理に用いた場合は、マンドレルと内面被覆層とが接触して、内面被覆層が破れる可能性があった。
【0006】
この発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであり、缶胴に保持部材を嵌合・保持する場合、および保持部材を缶胴の内部から抜き取る場合に、保持部材と缶胴の内面とが接触することを回避することのできる缶胴の外面処理装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、缶胴の開口端を、所定の軌道上を走行する軸状の保持部材の先端側に対向させて配置するとともに、前記缶胴と前記保持部材とをその中心線方向に相対移動させて、前記缶胴を前記保持部材に嵌合・保持させるとともに、前記缶胴を前記保持部材により嵌合・保持した状態で前記缶胴の外周面に所定の処理を施した後、前記缶胴と前記保持部材とを軸線方向に相対移動させて、前記缶胴を前記保持部材から抜き取る缶胴の外面処理装置において、前記缶胴の開口端とは反対側の端部を吸着して保持する保持具が、前記保持部材の先端側に対向して配置され、その保持具が、前記缶胴の中心線と前記保持部材の中心線とを一致させる自動調心機構を備えており、前記自動調心機構が、前記保持具に取り付けられ、かつ、前記保持部材の中心線を中心とする同一円周上に配置された複数の磁石を備えていることを特徴とするものである。
【0008】
請求項1の発明によれば、缶胴と保持部材とが、その中心線が自動調心された状態で、中心線方向に相対移動されるため、保持部材に対して缶胴を嵌合する時、および保持部材から缶胴を抜き取る時に、缶胴の内面と保持部材との接触が回避される。また、複数の磁石により形成される磁界のバランスにより、缶胴が中心線に直交する方向に自動的に位置決めされるとともに、缶胴の外面に所定の処理を施す際に、缶胴が磁気吸着力に抗してその中心線に直交する方向への移動が可能である。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、前記自動調心機構が、前記缶胴の外周面に所定の処理を施す際に、前記缶胴と前記保持部材とが前記中心線に直交する方向に相対移動することを許容する機能を備えていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の作用が生じる他に、缶胴の外周面に所定の処理を施す際には、缶胴と保持部材とが中心線に直交する方向に相対移動することにより、缶胴の内面と保持部材とが線接触する。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1または2の構成に加えて、前記保持部材の外径が、前記缶胴の内径よりも2.0ないし4.0mm小さいことを特徴とするものである。
【0014】
請求項3の発明によれば、請求項1または2の発明と同様の作用が生じる他に、缶胴の内面と保持部材との接触を確実に防止でき、かつ、缶胴の外面に所定の処理を施す際に、缶胴の内面と保持部材とが接触する衝撃が少なくなる。
【0019】
【発明の実施の形態】
つぎに、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1は、缶胴1の外面に所定の処理を施すための外面処理装置A1の要部を示す部分的な断面図、図2は、外面処理装置A1の全体構成を示す正面図である。缶胴1の外面に施される所定の処理としては、印刷、外面フィルムの貼り付け、塗料の塗布などが知られているが、この実施例では、主として、外面フィルムを缶胴1の外面に貼り付ける場合について説明する。また、缶胴1は、溶接缶、接着缶などの3ピース缶、絞り缶、深絞り缶、絞りしごき缶、インパクト缶などの2ピース缶、ネジキャップと螺合する口頸部を備えたボトル型缶のいずれに用いられるものでもよいが、この実施例では、主として、3ピース缶に用いる缶胴1について説明する。
【0020】
すなわち、缶胴1は円筒形状に構成され、その両端が開口されている。また、缶胴1の素材となる金属板は、磁性材料または非磁性材料のいずれであってもよく、非磁性材料としては、例えば、アルミニウム板、アルミニウム合金板を用いることができる。また、磁性材料としては、ティンフリースチールなどの表面処理鋼板、ブリキ、極薄錫メッキ鋼板、クロムメッキ鋼板、アルミメッキ鋼板、ニッケルメッキ鋼板、その他の各種合金メッキ鋼板を用いることができる。この実施例では、上記の金属板のうち、主として磁性材料を用いた場合について説明する。
【0021】
この缶胴1の内面側には、内面被覆層(図示せず)が形成されている。缶胴1の内面側に内面被覆層を形成する方法としては、缶胴成形前の鋼板であって、缶胴1の内面側となる面に塗料を塗布する方法と、缶胴成形前の鋼板であって、缶胴1の内面側となる面に熱可塑性樹脂フィルムを貼り付ける方法とがある。缶胴1の内面となる面に塗料を塗布する場合は、塗料としてポリエステル系またはフェノール系などの硬化型合成樹脂、特に熱硬化型合成樹脂を用いることが望ましい。なお、2ピース缶の缶胴の場合には、缶胴の成形後に、その内面に塗料を塗布する場合もある。
【0022】
これに対して、缶胴1の内面となる面に熱可塑性樹脂フィルムを貼り付ける場合は、熱可塑性樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂などのホモのポリエステル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートとイソフタレート酸との共重合などよりなる共重合ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、変性ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂などのうちから選ばれた透明な高分子樹脂単体や2以上の樹脂の混合物、あるいは上記樹脂の複合体からなる熱可塑性樹脂フィルムが用いられる。なお、缶胴1の内径は、52.4ないし52.5mmの範囲内に設定することができる。また、缶胴1の開口端50が、真円ではなく、楕円形状になっている場合でも、楕円の短軸の長さを51.0mm以上に設定することができる。
【0023】
前記外面処理装置A1は、モータなどの駆動力源(図示せず)により回転される回転軸2を有している。回転軸2は、フレーム3,4に固定された円筒部材3A,4Aに取り付けた軸受4Bにより、水平な状態で回転自在に保持されている。また、回転軸2には回転体5が取り付けられており、回転軸2と回転体5とが一体的に、かつ、図2において時計方向に回転する。この回転体5の外周側には、回転軸2の中心線C1を中心とする円周上に、複数の軸孔5Aが所定間隔おきに形成されている。この各軸孔5Aの中心線D1と、回転軸2の中心線とが平行に設定されている。
【0024】
各軸孔5Aには軸受5Bがそれぞれ取り付けられており、各軸受5Bにより軸7がそれぞれ回転自在に保持されている。すなわち、各軸7は、中心線D1を中心として自転可能であるとともに、回転体5が回転すると、各軸7が中心線C1の周囲を公転する。各軸7におけるフレーム4とは反対側の端部には、軸状、言い換えれば円柱形状のマンドレル6がそれぞれ連結されている。各マンドレル6は、缶胴1の内部に嵌合されて、缶胴1を保持するためのものである。各マンドレル6の中心線B1は、回転軸2の中心線C1と平行に設定されているとともに、マンドレル6の中心線B1と、軸7の中心線D1とが偏心している。このため、軸7が自転すると、マンドレル6は軸7の中心線D1を中心として公転する。なお、各マンドレル6の外径は、48.4ないし50.4mmの範囲内に設定することができ、缶胴1の内径よりもマンドレル6の外径の方が、2.0ないし4.0mm小さく設定されている。
【0025】
一方、各軸7におけるフレーム4側の端部には、アーム状の連結部材8がそれぞれ取り付けられている。また、各連結部材8には、カムフォロア軸9がそれぞれ連結されている。各カムフォロワ軸9の中心線E1と、回転軸2の中心線C1とが平行に設定されている。上記構成の軸7及び連結部材8ならびにカムフォロワ軸9が、互いに一体となって回転するように連結されている。
【0026】
また、各カムフォロア軸9におけるフレーム4側の端部には、カムフォロア10が回転可能に取り付けられている。フレーム4には、回転軸2の周囲に環状の固定部材11が取り付けられており、固定部材11には環状のカム溝12が形成されている。各カムフォロワ10は、カム溝12の案内形状に沿って追従移動可能に支持されている。
【0027】
前記カム溝12は、前記回転軸2の中心線C1の外側に形成された環状溝であり、カム溝12の半径方向の中心線(図示せず)は、半径方向に変位している。つまり、回転体5と固定部材11とが相対回転すると、カムフォロワ10がカム溝12に沿って半径方向に変位して、連結部材8が軸7を中心として揺動すると同時に、連結部材8の揺動に伴う軸7の回転によって、マンドレル6が軸7を中心として公転する。すなわち、マンドレル6が回転体5の半径方向に変位する。上記の構成は、図2に示す中心線C1の周囲におけるマンドレル6の環状の移動軌跡(言い換えれば、巡回軌跡もしくは公転軌跡)F1を、中心線C1を中心とする真円とせずに、移動軌跡F1を円周方向の一部で半径方向に変位させる(蛇行させる)ための構成である。
【0028】
さらに、回転軸2における回転体5とフレーム3との間には、回転ターレット19が取り付けられている。この回転ターレット19は、缶胴供給ステーションG1から供給される缶胴1を、マンドレル6に保持される前に一時的に保持するためのものである。この回転ターレット19の外周側には、缶胴1を、その開口端50をマンドレル6側に向けた状態で保持するためのポケット部20が、各マンドレル6の数に対応して複数形成されている。複数のポケット部20の移動軌跡(図示せず)は、中心線C1を中心とする真円に設定されている。
【0029】
上記の移動軌跡F1に臨み、マンドレル加熱ステーションK1、缶胴供給ステーションG1、強制伝熱ステーションH1、フィルム貼付ステーションJ1、缶胴排出ステーションL1が、円周方向に沿って上記の順序で配置されている。ここで、マンドレル加熱ステーションK1を基準とすると、缶胴排出ステーションL1が最も下流側に配置されていることになる。そして、缶胴排出ステーションL1およびマンドレル加熱ステーションK1に対応する領域F6と、缶胴供給ステーションG1に対応する領域F3と、缶胴供給ステーションG1と強制伝熱ステーションH1との間に対応する領域F2と、強制伝熱ステーションH1に対応する領域F5と、フィルム貼付ステーションJ1に対応する領域F4とに亘り、前記移動軌跡F1が形成されている。
【0030】
まず、マンドレル加熱ステーションK1は、高周波誘導加熱、電気ヒーター、近赤外線、遠赤外線などの加熱装置13を主体として構成されている。また、缶胴供給ステーションG1は、外面フィルムが貼り付けられる前の缶胴1を、移動軌跡F1側に向けて供給するものである。この缶胴供給ステーションG1は、缶胴1を1個ずつ半径方向に移送する螺旋溝を備えたインフィードスクリュー15と、インフィードスクリュー15により移送される缶胴1を加熱する加熱装置14と、インフィードスクリュー15により移送される缶胴1を1個ずつ保持する保持溝16を複数備えたインフィードターレット17とを備えている。加熱装置14は、高周波誘導加熱、電気ヒーター、近赤外線、遠赤外線などを主体として構成されている。
【0031】
インフィールドターレット17の回転軸18は水平に配置され、この回転軸18と回転軸2とが平行に配置されている。このインフィードターレット17は、モータなどの駆動源(図示せず)により、図2において反時計方向に回転される。なお、インフィードターレット17の外周側には、缶胴1が保持溝16から脱落することを防止する案内部材(図示せず)が設けられている。インフィードターレット17の回転に伴う保持溝16の移動軌跡(この移動軌跡は、回転軸18を中心とする移動軌跡である)と、マンドレル6の移動軌跡F1の一部の領域F3とが一致しており、この領域F3は前記領域F2よりも上流側に配置されている。
【0032】
前記強制伝熱ステーションH1は、マンドレル6の公転方向において、領域F2よりも下流側に配置されている。強制伝熱ステーションH1は、マンドレル6に被せられた缶胴1の外面と接触するベルト部材21を有し、そのベルト部材21が張り渡された駆動プーリ22および回転プーリ23と、テンションプーリ24とを有している。また、強制伝熱ステーションH1には、ベルト部材21に対して赤外線を照射し、缶胴1と接触するベルト面の温度を所定温度に加熱する赤外線照射手段25が設けられている。なお、ベルト部材21は、厚さ1.3mmで、缶胴の高さとほぼ同じ幅かあるいはそれ以上の幅を有しており、かつその素材としては、シリコン系ゴム、フッ素系ゴム、またはニトリル系ゴムなどの耐熱ゴムが挙げられる。
【0033】
つぎにフィルム貼付ステーションJ1について説明すると、フィルム貼付ステーションJ1は、マンドレル6の公転方向において、強制伝熱ステーションH1よりも下流側に配置されており、フィルム貼付ステーションJ1は、貼付ドラム26を主体として構成されている。回転軸26Aを中心として反時計方向に回転する貼付ドラム26の外面には、外面フィルム(図示せず)が吸着保持される。この貼付ドラム26の外周面の移動軌跡と、回転軸2の回転に伴うマンドレル6の移動軌跡F1とが、領域F4で一致するように、移動軌跡F1の外側に回転軸26Aが配置されている。このように、領域F4における移動軌跡F1の変位は、回転体5の半径方向におけるカム溝12の形状に基づいて設定されている。この貼付ドラム26の外面には、缶胴1の周長に対応した所定長さに切断された外面フィルム(図示せず)が保持されている。
【0034】
上記の外面フィルムとしては、例えば熱可塑性樹脂フィルム、具体的には、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂などのホモのポリエステル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートとイソフタレート酸との共重合体などよりなる共重合ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン樹脂、変性ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン共重合体などのうちから、用途により選ばれた透明な高分子樹脂単体、あるいは上記樹脂の複合体からなる熱可塑性樹脂フィルムが用いられる。中でも、耐熱性があるポリエチレンテレフタレート樹脂を用いることが好ましい。
【0035】
外面フィルムに対する印刷方法としては、グラビア印刷、フレキソ印刷等を採用することができるが、意匠性の点からみると画質が鮮明でかつ高級感があるグラビア印刷が好ましい。印刷に使用するインキとしては、一般的に熱硬化性のウレタン系樹脂のインキが用いられる。外面フィルムにおける印刷面とは反対側の面には、熱硬化型の接着剤が塗布されている。この接着剤としては、例えば、ポリエステル系、ポリウレタン系、エポキシ系、ポリエチレン系などを用いることができる。外面フィルムは、接着剤が塗布された面が外側になる状態で、貼付ドラム26に保持されている。
【0036】
前記回転ターレット19とフレーム3との間には、回転軸2を取り囲む固定枠28が配置されている。固定枠28の軸孔31内には、軸受31Aを介して回転軸2が回転自在に挿入されている。固定枠28には環状の固定部材29が取り付けられており、固定部材29の外周には全周に亘ってカム溝30が形成されている。このカム溝30は中心線C1を中心として環状に形成されているとともに、円周方向の所定領域において、中心線方向に変位されている。
【0037】
より具体的には、マンドレル6の移動軌跡F1に対応して、カム溝30が中心線方向に変位している。すなわち、マンドレル6の移動軌跡F1における領域F3よりも上流側の領域F6に対応する範囲において、カム溝30は、図1において最も左側、すなわち、回転体5から離れた位置に配置されている。領域F3に対応する範囲では、カム溝30が図1において右側、すなわち回転体5に近づく方向に変位されており、領域F2から領域F5を経由して領域F4に亘る範囲では、カム溝30が回転体5に最も近づいた位置に配置されている。領域F4の下流端に対応する範囲では、再びカム溝30が回転体5から離れる方向に変位し、領域F4と領域F3との間に設定されている領域F6に対応する範囲では、カム溝30が回転体5から最も離れた位置に配置されている。さらにまた、カム溝30にはカムフォロワ32が配置され、カムフォロワ32は、カム溝30内において、円周方向およびカム溝30の深さ方向(中心線C1と直交する方向)に移動自在である。
【0038】
回転軸2の外周におけるフレーム3と固定枠28との間には、回転体33が取り付けられている。回転体33は回転軸2と一体回転するように構成され、回転体33の外周側には、中心線C1を中心とする同一円周上に、複数の軸孔34が形成されている。各軸孔34の中心線M1は、中心線C1と平行に設定されている。また、中心線M1と中心線D1とが一直線上に配置されている。軸孔34の数はマンドレル6の数に対応している。各軸孔34には滑り軸受35がそれぞれ固定されている。各滑り軸受35により各軸36がそれぞれ保持されている。この滑り軸受35と軸36とが、相対回転自在、かつ、中心線方向に相対移動自在に構成されている。
【0039】
各軸36におけるフレーム3側の端部には、アーム状の連結部材37を介してカムフォロワ軸38が連結されている。カムフォロワ軸38の中心線N1は、中心線C1と平行に設定され、中心線N1と中心線E1とが一直線上に配置されている。このように、カムフォロワ軸38が軸36を中心として揺動するように構成されている。カムフォロワ軸38における連結部材37とは反対側の端部には、カムフォロワ39が取り付けられている。
【0040】
前記フレーム3には、回転軸2を取り囲む環状の固定部材40が固定されており、固定部材40における回転体33側の側面には、環状のカム溝41が形成されている。そして、回転軸2の中心線方向における投影面において、カム溝41の幅方向の中心線(図示せず)と、カム溝12の幅方向の中心線(図示せず)とが一致するように、カム溝41およびカム溝12の形状が設定されている。このカム溝41内に前記カムフォロワ39が配置されている。カムフォロワ39は、カム溝41内で、円周方向およびカム溝41の深さ方向(中心線C1と平行な方向)に移動自在である。
【0041】
一方、前記各軸36における固定枠28側の端部には、アーム形状の連結部材42を介して軸43がそれぞれ連結されている。各軸43の中心線P1と中心線C1とが平行に設定され、中心線P1と中心線B1とが一直線上に配置されている。つまり、各軸43は各軸36を中心として揺動自在である。各軸43における回転体5側の端部には、マグネットテーブル44がそれぞれ設けられている。各マグネットテーブル44は、円盤形状のホルダー45と、ホルダー45における回転体5側の面に臨んで配置した複数の磁石46と、各磁石46における回転体5側の表面を覆うプレート47とを有している。なお、この実施例では、ホルダー45における回転体5側の面に、円柱状の磁石46の一方の面のみが露出するように、その磁石46を埋め込んで配置し、この磁石46の露出した面をプレート47で覆っている。各プレート47は、ポケット20またはマンドレル6に保持されている缶胴1の開口端50とは反対側の端部51と対向している。
【0042】
複数の磁石46は、図3に示すように、中心線P1,B1を中心とする同一円周上に偶数個設けられており、N極とS極とが円周方向に交互に配置されていることが好ましい。各磁石46は円柱形状に構成され、各磁石46の中心が缶胴1の外径に対応する円周上に配置されている。プレート47における回転体5側の端面47Aは、中心線P1と直交する平坦状に成形され、プレート47の端面47Aに沿って缶胴1が半径方向に滑動できるように、その端面47Aの平坦度、およびプレート47の材質が選択される。プレート47の材質としては非磁性材料、例えば、SUS、超硬合金などの金属材料、あるいはガラス、プラスチックなどを用いることができる。一方、各軸43には、その長手方向の中途部位に腕部48がそれぞれ連結されており、各腕部48の先端には前記カムフォロワ32がそれぞれ取り付けられている。
【0043】
上記構成において、各軸43が各軸36を中心として揺動すると、各カムフォロワ32が中心線C1に直交して固定枠28の半径方向、つまり、各カム溝30の深さ方向に変位するが、各カムフォロワ32がカム溝30の深さ方向に変位した場合でも、各カムフォロワ32がカム溝30から抜け出さないように、カム溝30の深さ(中心線C1に直交する方向の深さ)が設定されている。また、カムフォロワ32がカム溝30に沿って中心線P1方向に移動すると、各カムフォロワ32と一体的に軸43,36およびカムフォロワ軸38が中心線方向に移動する。
【0044】
また、中心線方向におけるカム溝30の位置に基づいて、軸36が中心線方向に往復移動した場合でも、連結部材37,42と回転体33とが接触しないように、軸36の長さが設定されている。また、軸36とカムフォロワ軸38とが一体的に中心線方向に往復移動した場合でも、カムフォロワ39がカム溝41から抜け出さないように、カム溝41の深さ(中心線方向の深さ)が設定されている。
【0045】
つぎに、図1および図2に示す外面処理装置A1の作用を説明する。まず、缶胴供給ステーションG1においては、インフィードスクリュー14により缶胴1が1本ずつ搬送されるとともに、各缶胴1は加熱装置14により加熱された後、各缶胴1はインフィードターレット17の保持溝16により保持される。そして、インフィードターレット17の反時計方向への回転にともない、保持溝16が回転軸18を中心とする円弧形状の軌跡で移動し、各缶胴1が領域F3に向けて移送される。
【0046】
一方、回転軸2と回転ターレット19とが一体回転しており、ポケット部20が回転軸2を中心とする真円形状の軌跡で移動している。このため、保持溝16により保持されている缶胴1が領域F3に進入すると、缶胴1が保持溝16からポケット部20に受け渡される。
【0047】
また、回転軸2が時計方向に回転すると、回転体5に取り付けられている各軸7も、回転軸2を中心として反時計方向に公転する。また、回転軸2の回転にともない、カムフォロワ10がカム溝12に沿って転動するため、マンドレル6が軸7を中心として揺動する。したがって、各マンドレル6は、円周方向に移動し、かつ、回転体5の半径方向に変位し、結果的に、図2に一点鎖線で示す環状のの移動軌跡F1に沿って各マンドレル6が公転する。
【0048】
さらに、回転軸2と回転体33とが一体回転しており、各軸36が中心線C1を中心として公転している。また、回転軸2の回転にともない、カムフォロワ39がカム溝41に沿って転動するため、カムフォロワ軸38の揺動により軸36が回転し、その軸36の回転により軸43が揺動し、マグネットテーブル44が円周方向に移動し、かつ、回転軸2の半径方向に変位する。ここで、各マンドレル6の中心線B1と各軸43の中心線P1とが一直線上に配置され、各軸7の中心線D1と各軸36の中心線M1とが一直線上に配置され、各カムフォロワ軸9の中心線E1と各カムフォロワ軸38の中心線N1とが一直線上に配置されている。このため、回転軸2の回転にともない、各マンドレル6と各マグネットテーブル44とが、円周方向の位相および半径方向の位置が一致した状態で同期して移動する。
【0049】
そして、回転軸2の回転にともない、マンドレル6がマンドレル加熱ステーションK1を通過する際に、マンドレル6が加熱装置13により130ないし220℃の範囲内で加熱された後、回転体2の回転により、マンドレル6およびマグネットテーブル44が領域F3に進入する。すると、カム溝12,41の形状に基づいて、マンドレル6およびマグネットテーブル44が回転軸18を中心とする円弧状の軌跡で公転する。すなわち、マンドレル6およびマグネットテーブル44が回転軸2の半径方向の内側に移動する。さらに回転軸2の回転にともない、マンドレル6およびマグネットテーブル44が領域F2に進入すると、マンドレル6およびマグネットテーブル44は、回転軸2を中心とする円弧形状の軌跡で移動する。
【0050】
マグネットテーブル44が領域F2に進入した時点では、カム溝30の形状に基づいて、軸43およびマグネットテーブル44は、マンドレル6から最も離れた位置(つまり待機位置)にあり、保持溝16に保持されている缶胴1と、マグネットテーブル44のプレート47とが非接触の状態にあるが、マグネットテーブル44が領域F2に進入した後は、回転軸2の回転にともない、カム溝30の軸線方向における形状に基づいて、軸43およびマグネットテーブル44が、マンドレル6に近づく方向に移動する。すると、プレート47の端面47Aと、缶胴1の端部51とが接触するとともに、各磁石46の磁気吸引力により缶胴1の端部51が吸着される。
【0051】
ここで、各磁石46は、中心線P1,B1を中心とする同一円周上に、円周方向に交互に、かつ、偶数個配置されている。この場合、各磁石46の磁気力により缶胴1は各磁石46の中心に引き寄せられるとともに、各磁石46は、N極とS極とが交互に並ぶように配置されているため、N極から出た磁束がプレート47を透過し、プレート47の上方を跨いでS極に入り、この磁束と缶胴1に誘起される電流との相互作用である電磁誘導作用が生じ、缶胴1が各磁石46の中心に引き寄せられる。このように、磁気力と電磁誘導作用が複合的に作用することにより、缶胴1がプレート47の端面47Aに沿って滑動し、缶胴1がその半径方向に位置決めされる。このようにして、缶胴1の中心線Q1とマンドレル6の中心線B1とが一直線上に保持させられる。
【0052】
ついで、カム溝30の形状に基づいて、マグネットテーブル44がマンドレル6に近づく方向にさらに移動して、缶胴1の内部にマンドレル6が挿入される。なお、缶胴1の内部にマンドレル6が嵌合されても、マンドレル6の先端52と、プレート47の端面47Aとが接触することはない。その後、マンドレル6およびマグネットテーブル44が、強制伝熱ステーションH1に対応する領域F5に進入する。すると、カム溝12,41の形状に基づいて、マンドレル6およびマグネットテーブル44が回転軸2を中心として公転する。つまり、マンドレル6およびマグネットテーブル44が、回転軸2の半径方向の外側に変位する。
【0053】
前記のように、缶胴1の内部にマンドレル6が挿入されると、マンドレル6の熱が缶胴1に伝達されるが、マンドレル6の外径は缶胴1の内径より若干小さく設定させている。より具体的には、マンドレル6の外径の方が缶胴1の内径よりも2.0ないし4.0mm小さく設定されている。そのために、マンドレル6の外面と缶胴1の内面とが必ずしも密着しないので、両者の間の熱伝達が不充分になり、結局は、缶胴1を充分に加熱できないおそれがある。このような不都合を回避するために、強制伝熱ステーションH1において、缶胴1の内面をマンドレル6に強制的に密着させている。
【0054】
すなわち、強制伝熱ステーションH1では、マンドレル6の移動軌跡F1の外側からベルト21が缶胴1に押し付けられており、その結果、缶胴1の内面がマンドレル6の外面に密着させられる。また、ベルト部材21が走行しているために、各缶胴1が各マグネットテーブル44に吸着保持されたまま回転し、その内面の全体がマンドレル6に順に密着させられる。すなわち、缶胴1の全体にマンドレル6から均等に熱が伝達される。この際、缶胴1の内面とマンドレル6との間に滑りが生じないように、マンドレル6は低トルクで回転可能な状態にすることが好ましい。
【0055】
このようにして、缶胴1が強制伝熱ステーションH1を通過した後、マンドレル6およびマグネットテーブル44が、フィルム貼着ステーションJ1に対応する領域F4に進入すると、カム溝12,41の形状に基づいて、マンドレル6およびマグネットテーブル44が、回転軸26Aを中心とする移動軌跡で移動する。フィルム貼着ステーションJ1では、貼付ドラム26の外面が缶胴1の外面に押し付けられて、磁石46の磁気吸着力に抗して缶胴1の半径方向に平行移動し、外面フィルムが缶胴1の外周面に巻き付くとともに、缶胴1の熱により缶胴1と外面フィルムとが接着される。
【0056】
このようにして、外面フィルムを缶胴1の外面に貼り付ける工程が完了した後、缶胴1は再び各磁石46の磁気力と電磁誘導作用により、缶胴1の半径方向に自動的に位置決めされる。そして、マンドレル6およびマグネットテーブル44が領域F4を通過して領域F6に進入すると、マンドレル6およびマグネットテーブル44は、カム溝12,41の形状に基づいて、回転軸2を中心とする円弧状の軌跡で移動する。マンドレル6およびマグネットテーブル44が缶胴排出ステーションL1に進むと、カム溝30の形状に基づいて軸43およびマグネットテーブル44が、中心線方向に、かつ、マンドレル6から離れる方向に移動し、缶胴1の内部からマンドレル6が抜き出される。そして、マグネットテーブル44から缶胴1が取り外されて、その缶胴1が次工程に搬送される。なお、缶胴1が取り外されたマグネットテーブル44は、加熱ステーションK1に進む前に、前記待機位置に復帰する。
【0057】
以上のように、この実施例によれば、マグネットテーブル44により保持された缶胴1の中心線Q1と、マンドレル6の中心線B1とを自動的に一致させた(自動調心させた)状態で、缶胴1の内部に対するマンドレル6の挿入動作と、缶胴1の内部からマンドレル6を抜き取る動作とがおこなわれる。また、缶胴1が強制伝熱ステーションH1およびフィルム貼付ステーションJ1を通過する間、缶胴1は、常時マグネットテーブル44により吸着保持されている。このため、マンドレル6に対する缶胴1の嵌合時、およびマンドレル6から缶胴1を抜き取る時に、缶胴1の内面とマンドレル6とが接触することを回避できる。したがって、缶胴1の内面もしくは内面被覆層に傷が付くことを防止でき、缶胴1の製品品質の低下を抑制できる。
【0058】
さらにこの実施例によれば、缶胴1の外周面に所定の処理を施す際に、缶胴1に対して半径方向の荷重が与えられると、缶胴1がマグネットテーブル44の磁気吸着力に抗してプレート47の端面47Aに沿って滑動し、缶胴1の内面とマンドレル6の外面とが線接触する。したがって、缶胴1の外周面に、缶胴1の高さ方向に沿って所定の処理を均一に施すことができ、缶胴1の外面に対する所定の処理の処理精度の低下を抑制できる。
【0059】
さらにまた、この実施例によれば、缶胴1の内径が52.4ないし52.5mmの範囲に設定され、かつ、マンドレル6の外径が48.4ないし50.4mmの範囲に設定され、かつ、缶胴1の内径よりもマンドレル6の外径の方が2.0ないし4.0mm小さく設定されている。つまり、缶胴1の内径よりもマンドレル6の外径の方が2.0mm以上小さいため、缶胴1の内面とマンドレル6とが接触することを確実に防止することができるとともに、缶胴1の外面に所定の処理を施す場合、すなわち、上記のように外面フィルムを貼り付ける場合、あるいは、印刷を施す場合、もしくは塗料を塗布する場合などのように、缶胴1の外面に半径方向に対して、3,000N程度の荷重(圧力)が作用し、缶胴1がプレート47の端面47Aに沿って滑動し、缶胴1とマンドレル6とが接触する場合でも、缶胴1とマンドレル6との半径方向の相対移動量が、4.0mm以下の少ない値になるため、缶胴1の内面とマンドレル6とが接触する際の衝撃が低減される。
【0060】
さらにこの実施例においては、缶胴1の端部51に、マグネットテーブル44のプレート47を接触させて缶胴1を吸着保持しているため、缶胴1が中心線方向に位置決めされ、缶胴1が強制伝熱ステーションH1およびフィルム貼着ステーションJ1において、移動軌跡F1の外側から缶胴1に臨む部品と、マグネットテーブル44とが接触することを防止できるとともに、缶胴1がマンドレル6の中心線方向に移動することを確実に防止でき、外面フィルムの貼り付け精度が向上する。
【0061】
上記実施例においては、磁石46として永久磁石、または電磁石のいずれを用いてもよい。また、マグネットテーブル44と軸43とが相対回転可能となるように、マグネットテーブル44と軸43とを、軸受(図示せず)を介して連結することにより、缶胴1がマグネットテーブル44に吸着されていても、缶胴1を自転させ易くすることもできる。このように缶胴1が回転し易くなると、強制伝熱ステーションH1においては、缶胴1の内面ととマンドレル6の外面との密着性が一層向上するとともに、フィルム貼着ステーションJ1におては、缶胴1の外面に対する外面フィルムの密着性・接着性が一層向上する。
【0062】
なお、上記実施例においては、缶胴1として3ピース缶用のもの、すなわち、両端が開口された円筒形状の缶胴1を例として説明しているが、2ピース缶用の缶胴、すなわち、一端が開口され、他端には円筒部に連続する底部を有する有底円筒形状の缶胴を用いることもできる。この2ピース用の缶胴を用いる場合、その缶胴の底部がマグネットテーブル44側に向けられる状態で、缶胴供給ステーションG1に缶胴が供給される。
【0063】
さらに、上記実施例においてはマグネットテーブル44の磁気吸着力により缶胴を保持しているが、真空吸着装置(図示せず)により、缶胴1を保持し、かつ、缶胴1の中心線Q1とマンドレル6の中心線B1とを一致させるように構成することもできる。この真空吸着装置を採用した場合は、缶胴の材料が、磁性材料または非磁性材料のいずれであっても、缶胴1の保持および半径方向の位置決めをおこなうことができる。さらにまた、上記実施例においては、マンドレル6は中心線方向に固定されており、マグネットテーブル44が中心線方向に往復動するように構成されているが、マンドレルを中心線方向に移動する構成を採用することもできる。
【0064】
ここで、実施形態の構成とこの発明の構成との対応関係を説明すれば、マンドレル6が保持部材に相当し、マグネットテーブル44および真空吸着装置が、この発明の保持具に相当し、磁石46およびプレート47がこの発明の自動調心機構に相当し、移動軌跡F1がこの発明の所定の軌道に相当する。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、缶胴と保持部材とが、その中心線が自動調心された状態で、中心線方向に相対移動されるため、缶胴の内面と保持部材との接触が回避される。したがって、缶胴の内面に傷が付くことを防止できる。また、この缶胴が内面被覆を有する缶胴である場合は、その内面被覆に傷が付くことを防止できる。また、複数の磁石による磁気力および電磁誘導作用により、缶胴が中心線に直交する方向に自動的に位置決めされるとともに、缶胴の外面に所定の処理を施す際に、缶胴が磁気吸着力に抗してその中心線に直交する方向に移動することが可能である。
【0066】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる他に、缶胴の外周面に所定の処理を施す際には、缶胴と保持部材とが中心線に直交する方向に相対移動することにより、缶胴の内面と保持部材とが線接触する。したがって、缶胴の外周面に缶胴の高さ方向に沿って、所定の処理を均一に施すことができるとともに、缶胴が不用意にその半径方向に傾いたり、変形したりすることが抑制され、缶胴の高さ方向への外面処理のずれや印刷時の色むらなどのような、外面処理の精度の低下を抑制することができる。
【0068】
請求項3の発明によれば、請求項1または2の発明と同様の効果を得られる他に、缶胴と他方の保持部材との接触を確実に防止でき、かつ、缶胴の外面に所定の処理を施す際に、缶胴と他方の保持部材とが接触する衝撃が少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例における外面処理装置の要部を示す断面図である。
【図2】 この発明の実施例における外面処理装置の全体構成を示す正面図である。
【図3】 図1のマグネットテーブルを示す側面図である。
【符号の説明】
1…缶胴、 6…マンドレル、 44…マグネットテーブル、 46…磁石、47…プレート、 50…開口端、 51…端部、 A1…外面処理装置、 Q1,B1…中心線、 F1…移動軌跡。
Claims (3)
- 缶胴の開口端を、所定の軌道上を走行する軸状の保持部材の先端側に対向させて配置するとともに、前記缶胴と前記保持部材とをその中心線方向に相対移動して、前記缶胴を前記保持部材に嵌合・保持させた後、前記缶胴の外周面に所定の処理を施し、ついで、前記缶胴と前記保持部材とを軸線方向に相対移動させて、前記缶胴を前記保持部材から抜き取る缶胴の外面処理装置において、
前記缶胴の開口端とは反対側の端部を吸着して保持する保持具が、前記保持部材の先端側に対向して配置され、その保持具が、前記缶胴の中心線と前記保持部材の中心線とを一致させる自動調心機構を備えており、
前記自動調心機構が、前記保持具に取り付けられ、かつ、前記保持部材の中心線を中心とする同一円周上に配置された複数の磁石を備えていることを特徴とする缶胴の外面処理装置。 - 前記自動調心機構が、前記缶胴の外周面に所定の処理を施す際に、前記缶胴と前記保持部材とが前記中心線に直交する方向に相対移動することを許容する機能を備えていることを特徴とする請求項1に記載の缶胴の外面処理装置。
- 前記保持部材の外径が、前記缶胴の内径よりも2.0ないし4.0mm小さいことを特徴とする請求項1または2に記載の缶胴の外面処理装置。
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