近年、数ギガバイトの容量を持つ相変化型光ディスクであるDVD−RWやDVD−RAMなどの書き換え型DVD(Digital Versatile Disk)やDVD−Rなどの追記型DVDといった記録型DVDが開発され、また、デジタルAV(オーディオ・ビデオ)データの符号化規格であるMPEG(Moving Picture Image Coding Experts Group)2が実用化された。これら記録型DVDおよびMPEG2の開発により、ビデオデータのような大容量データを、アクセス速度に優れた光ディスクに対して記録して扱うことが可能となった。
このアクセス性能を生かすために、記録型DVDでは、テープ媒体とは異なり、データがディスク上の何処に記録されているかを管理するための管理情報が記録される。この管理情報を規定するものとして、DVD Specifications for Rewritable/Re−recordable Discs(DVDビデオレコーディング規格。DVDビデオレコーディングフォーマット。以下、DVD−VRフォーマットと称す)が発行されている。また、DVD−ROMなどの再生のみ可能なメディアに対して策定された再生専用規格である、DVD Specifications for Read−Only Discs(DVDビデオ規格。DVDビデオフォーマット。以下、DVD−Videoフォーマットと称す)も、記録用フォーマットとして利用されている。なお、以下の説明には、DVDメディアのボリューム構造およびファイル構造内に記録される記述子やポインタ等は、特に断りがない限り、ISO/IEC 13346規格あるいはUDF(Universal Disk Format)規格に規定されたデータ構造をもつものとする。
このように、DVD−RWやDVD−Rの記録用規格には、DVD−VRフォーマットとDVD−Videoフォーマットという、2種類の記録フォーマットが存在する。詳細は後述するが、DVD−VRフォーマットの論理構成(図12)は、DVD−Videoフォーマットの論理構成(図17)と相違する。また、DVD−VRフォーマットのファイルシステム(図13)も、DVD−Videoフォーマットのファイルシステム(図18)と相違する(ファイルシステムとは、ディスク内のデータをディレクトリやファイルとして管理するための方式である)。さらに、DVD−VRフォーマットのAVデータおよび管理用データの記録フォーマット(図14〜図16)も、DVD−VideoフォーマットのAVデータおよび管理用データの記録フォーマット(図19および図20)と相違する。
このように、異なる記録フォーマットが存在するDVD規格において、フォーマットの変更方法は、従来からの課題であった。特に本発明と関連性を有する従来技術としては、例えば特許文献1に記載されたものがある。特許文献1には、DVD−VRフォーマットのストリームデータを、DVD−Videoフォーマットのストリームデータに変換する変換装置が記載されている。
以下、図12〜図20を参照して、DVD−VRフォーマットとDVD−Videoフォーマットの詳細を説明する。先に、DVD−VRフォーマットのデータ構成について説明する。図12は、DVD−VRフォーマットにおける物理セクタアドレスによって管理されている物理的なデータ構成と、ファイルシステムにより管理されている論理的なデータ構成とを示す図である。
図12において、記録型DVD1200は、DVD−VRフォーマットによって番組のデータが記録されたDVDメディアである。リードイン領域1201には、サーボを安定させるために必要な基準信号や、メディアの識別信号などが記録されている。また、ボリューム構造領域1202には、ファイルシステム用の管理情報が記録されている。リードアウト領域1203には、リードイン領域1201と同様の基準信号が記録されている。リードイン領域1201は、物理セクタアドレスの先頭に記録されており、リードアウト領域1203は、物理セクタアドレスの最後に記録されている。リードイン領域1201とリードアウト領域1203との間には、ユーザデータ領域があり、この領域には、論理的に有効なデータが記録されている。ユーザデータ領域の先頭に、ボリューム構造領域1202が記録されている。
ユーザデータ領域に記録されるデータは、図12に示されるようなファイル構造を有する。すなわち、ユーザデータ領域に記録されるデータは、ROOTディレクトリ1204の下のディレクトリであるDVD_RTAVディレクトリ1205に記録される。DVD_RTAVディレクトリ1205に記録されるデータは、いくつかのファイルとして記録される。これらファイルは大きく2種類のファイルに分類される。1つは管理情報ファイルで、もう1つはAVファイルである。AVファイルは、さらに動画ファイル、静止画ファイル、および、静止画にアフレコされた音声を含む音声ファイル、という3種類のファイルに分類される。これら3種類のAVファイルを管理するための情報として、管理情報ファイルが記録される。
DVD−VRフォーマットにおいて、管理情報ファイルは、VR_MANGR.IFOファイル1206として記録される。また、動画ファイルは、VR_MOVIE.VROファイル1207、静止画ファイルは、VR_STILL.VROファイル1208、音声ファイルは、VR_AUDIO.VROファイル1209として記録される。VR_MANGR.BUPファイル1210は、管理情報ファイルVR_MANGR.IFOファイル1206と同じ情報を予備として有するバックアップファイルである。
次に、ファイルシステムのデータ構成について、図を参照しながら説明する。DVD−VRフォーマットによって記録されるデータは、図13に示されるように構成される。すなわち、ユーザデータ領域であるボリューム1300には、ボリューム構造領域1301、ファイル構造領域1302、ファイルデータ領域1303および予備ボリューム構造領域1304が含まれる。
ボリューム構造領域1301には、ボリューム認識情報を有するボリューム認識列1305、ボリュームの属性情報を有する基本ボリューム記述子1306、処理システムのための情報を有する処理システム用記述子1307、区画の情報を有する区画記述子1308、論理ボリュームの識別情報を有する論理ボリューム記述子1309、ボリューム空間内の未割り付け領域の情報を有する未割り付け空間記述子1310、基本的な記述子列の終端を示す終端記述子1311、論理ボリュームの保全状態の情報を有する論理ボリューム保全記述子1312およびボリュームに対するアクセス開始情報を有する開始ボリューム記述子ポインタ1313などが記録される(ただし、ボリューム構造領域1301に記録されるデータは、この順またはこの種類に限定されるものではない)。
また、ファイル構造領域1302には、ファイル集合記述子1315、終端記述子1316、セクタやECCブロックなど一定単位の領域ごとの記録状態を示す空間ビットマップ記述子1314、ファイルデータ領域に記録されるデータのファイルの分散情報(先頭アドレスとデータ長)を含むファイルエントリ、および、ファイル名やファイルの属性などの情報を含むファイル識別記述子などが記録される。ファイルデータ領域1303には、上述した管理情報ファイルおよびAVファイルが記録される。また、予備ボリューム構造領域1304には、ボリューム構造領域に記録されるデータと同じデータが、予備として記録される。
次に、DVD−VRフォーマットにおけるAVデータの構成について、図14を参照しながら説明する。DVD−VRフォーマットに準拠したAVデータの最上位に位置する論理単位は、Program Chain1400(以下、PGCと称す)である。このPGCは、PGCの部分的な再生単位であるCellの再生順を指定する。Cellには、動画区間を構成する動画Cellと静止画区間を構成する静止画Cellとがある。Cellに対応する物理単位が、Video Object(ビデオオブジェクト。以下、VOBと称す)である。動画Cellには動画VOBが、静止画Cellには静止画VOBが対応する。Cellは、VOBの全体もしくはその一部を参照する。
動画VOBは、複数のVideo Object Unit(ビデオオブジェクトユニット。以下、VOBUと称す)を含む。また、静止画VOB Group(以下、VOGと称す)は、1つ以上の静止画VOBを含む。動画VOBにはM_VOBIという管理情報が、静止画VOGにはS_VOGIという管理情報が、それぞれVR_MANGR.IFOに記録される。動画VOB、静止画VOGに対するアクセスは、これらM_VOBI、S_VOGIを介して行われる。図14には、動画データについてのPGCを示す。図に示されるように、動画VOBの集合が動画ファイルVR_MOVIE.VROファイル1207である。
次に、DVD−VRフォーマットのVOBのデータ構成について説明する。図15は、VOBのデータ構成を示す図である。VOB1500は、時系列に配列された複数のVOBUにより構成される。以下、図中のVOBU1501を用いてVOBUの構成を説明する。VOBU1501は、2キロバイト単位のパックの列により構成される。パックには、Group of Pictures(以下、GOPと称す)単位のピクチャデータから構成されるビデオパック(V_PCK)1503、オーディオデータを有するオーディオパック(A_PCK)1504、サブピクチャデータを有するサブピクチャパック(SP_PCK)1505、並びに、再生時間情報、再生制御情報およびコピー制御情報を含むリアルタイムデータ情報を有するリアルタイムデータ情報パック(RDI_PCK)1502がある。一般的には、VOBUには、1つ以上のV_PCKとA_PCKとが多重化され、さらに、その先頭には、RDI_PCKが多重化される。
V_PCK1503には、再生時間が約0.4〜1.0秒の少なくとも1つ以上のピクチャデータが含まれる。また、RDI_PCK1502には、MPEG準拠のパックヘッダ(Pack Header)1506、システムヘッダ(System Header)1507、パケットヘッダ(Packet Header)1508、サブストリームID(Sub_Stream_ID)1509、および、リアルタイムインフォメーションデータ(Real−Time Information Data)1510が含まれる。さらに、リアルタイムインフォメーションデータ1510には、再生時間情報を含むRDI_GI1511、再生制御情報およびコピー制御情報を含むDCI_CCI1512、並びに、製造者情報を含むMNFI1513が含まれる。
次に、DVD−VRフォーマットの管理情報ファイルであるVR_MANGR.IFOの構成について、図16を参照しながら説明する。VR_MANGR.IFOファイル1206は、図16のテーブル1600に示されるように、大きく分けて7つのテーブルに分けられる。このうち、M_AVFIT1601は、動画ファイルであるVR_MOVIE.VROファイル1207の情報を含む。また、M_AVFIT1601に含まれるM_AVFI1602には、前述した各VOBの情報であるM_VOBI1603が含まれる。M_VOBI1603は、開始表示時間情報VOB_V_S_PTM1604、終了表示時間情報VOB_V_E_PTM1605、表示時間と記録アドレスの変換テーブルであるTMAPI1606などを含む。TMAPI1606は、TMAPI1606全体の情報を示すTM_ENT1608や各VOBUのサイズと再生時間の情報を有するVOBU_ENT1609などを含む。
次に、DVD−VRフォーマットと共にDVD−RやDVD−RWの記録用規格であるDVD−Videoフォーマットについて説明する。図17は、DVD−Videoフォーマットにおける物理セクタアドレスによって管理されている物理的なデータ構成と、ファイルシステムによって管理されている論理的なデータ構成とを示す図である。以下の説明では、DVD−VRフォーマットと異なる点を説明する。
図17に示されるように、DVD−Videoフォーマットでは、VIDEO_TSディレクトリ1701に、ディスク全体の管理情報ファイルを有するビデオマネージャ(以下、VMGと称す)1700、並びに、各ビデオタイトル(番組)の管理情報ファイル、AVファイルおよび各ビデオタイトルの管理情報ファイルのバックアップファイルが含まれる。VMG1700は、ディスク全体の管理情報であるVIDEO_TS.IFOファイル1702、メニュー用のビデオオブジェクトファイルであるVIDEO_TS.VOBファイル1703、および、VIDEO_TS.IFOファイル1702のバックアップファイルであるVIDEO_TS.BUPファイル1704により構成される。
各ビデオタイトルの管理情報ファイルは、VTS_XX_X.IFO(Xは数字)で表されるファイル名を持つファイルである。図17においては、VTS_01_0.IFOファイル1705がその一例である。同様に、各ビデオタイトルのAVファイルは、VTS_XX.X.VOBというようなファイル名を持つファイルであり、図においては、VTS_01_1.VOBファイル1706がその一例である。また、各ビデオタイトルの管理情報ファイルのバックアップファイルは、VTS_XX_X.BUPというようなファイル名をもつファイルであり、図においては、VTS_01_0.BUPファイル1707がその一例である。DVDメディアには、ビデオタイトルは、最大99タイトルまで記録でき、また、各ビデオタイトルのAVファイルは、最大9ファイルまで記録できる。
次に、DVD−Videoフォーマットにおけるファイルシステムのデータ構成について、図18を参照しながら説明する。DVD−Videoフォーマットでは、DVD−VRフォーマットとは異なり、UDFに加え、ISO9660に従ったファイルシステムデータも記録される。ISO9660ファイル構造領域1802に記録される、パステーブル1806およびディレクトリレコード1807がそれに相当する。このようなファイルシステム構成をUDFブリッジと呼ぶ。ボリューム構造領域1801には、ボリューム認識列1808を代表に、図に示されるようなデータが記録される。また、ファイル構造領域1803には、図に示されるようなファイル識別記述子やファイルエントリ等のファイルが記録される。ファイルデータ領域1804には、上述した管理情報ファイルやAVファイルが記録される。ボリューム1800の終端には、DVD−VRフォーマットとは異なり、開始ボリューム記述子ポインタ1805が記録される。
次に、DVD−Videoフォーマットのファイルデータ領域におけるデータ配置の詳細について説明する。図19は、DVD−Videoフォーマットにおいて、ファイルデータのボリューム内での配置を示す図である。DVD−Videoフォーマットにおいては、ファイルデータ領域の先頭に、上述したVMG1700が配置され、続いてVideo Title Set(ビデオタイトルセット。以下、VTSと称す)が配置される。VMG1700には、Video Manager Information(以下、VMGIと称す)1900、Video Object Set for VMG Menu(以下、VMGM_VOBSと称す)1901、および、VMGI(バックアップ)1902が含まれる。VMGI1900は、上述したVIDEO_TS.IFOファイルに相当する。また、タイトル選択メニューのためのデータであるVMGM_VOBS1901は、VIDEO_TS.VOBに、VMGI(バックアップ)1902は、VIDEO_TS.BUPにそれぞれ相当する。VMG1700内におけるデータは、必ずVMGI1900を先頭に、VMGM_VOBS1901、VMGI(バックアップ)1902の順に配置される。なお、VMGM_VOBS1901は、タイトル選択メニューがない場合には、存在しないデータである。
各VTSは、各番組に相当する(図ではn個の番組が記録されている)。以下、VTS1903を用いてVTSのデータ構造を説明する。VTS1903に含まれるVideo
Title Set Information(ビデオタイトルセット情報。以下、VTSIと称す)1904は、VTS_XX_X.IFOファイルに、また、Video Object Set for Titles in a VTS(以下、VTSTT_VOBSと称す)1906は、VTS_XX_X.VOBファイルに、さらに、VTSI(バックアップ)1907は、VTS_XX_X.BUPファイルに相当する。また、Video Object Set for the VTS Menu(以下、VTSM_VOBSと称す)1905は、番組のメニューのためのデータであり、メニューがない場合には、存在しないデータである。VTS1903内のデータ配置は、必ずVTSI1904、VTSM_VOBS1905、VTSTT_VOBS1906、VTSI(バックアップ)1907の順番となる。このように、DVD−Videoフォーマットでは、データ配置に制約がある点が特徴である。さらに、VTSTT_VOBS1906は、Video Object Set(以下、VOBSと称す)と呼ばれるVOBの集合であり、VTSのAVデータを含む。
次に、DVD−VideoフォーマットのVOBSのデータ構成について説明する。図20は、VOBS2000のデータ構成を示す図である。以下、VOBS2000に含まれるVOB2001を用いて、VOBS2000のデータ構成を詳しく説明する。VOB2001には、2キロバイト単位のパックの列を含むVOBU2002が時系列に配列されている。パックには、上述したGOP単位のピクチャデータから構成されるV_PCK2004、オーディオデータから構成されるA_PCK2005、および、サブピクチャデータから構成されるSP_PCK2006に加え、再生制御情報およびデータサーチ情報を含むナビゲーションパック(NV_PCK)2003がある。
また、各VOBUには、NV_PCK2003を先頭に、V_PCK2004、A_PCK2005、および、SP_PCK2006が多重化される。NV_PCK2003には、MPEG準拠のパックヘッダ(Pack Header)2007、および、システムヘッダ(System Header)2008が含まれ、さらに、再生制御情報含むPCI_PKT2009、および、データサーチ情報を含むDSI_PKT2010が含まれる。
特開2003−101927号公報
(各実施形態に共通する装置の構成)
各実施形態の詳細を説明するに先立ち、各実施形態に共通して使用されるデジタルビデオレコーディング装置の構成を説明する。このデジタルビデオレコーディング装置は、書き換え型DVDであるDVD−RWを記録媒体として、AVデータを記録する装置である。
図1は、後述する第1〜第5の実施形態で使用されるデジタルビデオレコーディング装置のブロック図である。図1において、ユーザーインターフェイス部(UI部)102は、操作キーなどの入力デバイスや表示デバイスなどの出力デバイスを備える。UI部102は、ユーザから番組の録画開始や再生開始などの命令を受け、受けた命令をシステム制御部103に出力する。入力部104は、アンテナ端子や映像/音声入力端子等の外部入力端子を介して入力された入力信号100を、A/Dコンバータにより、デジタルデータに変換し、得られたデジタルデータをエンコーダ部105に出力する。
エンコーダ部105は、システム制御部103からの命令に応じて、入力部104から出力されたデジタルデータのエンコード処理を行う。ここで、エンコード処理とは、デジタルデータを符号化し、MPEG2に準拠したプログラム・ストリーム形式のVOBを生成する処理である。エンコーダ部105は、VOBを構成するVOBUを生成し、生成したVOBUをストリームバッファ部106に出力する。また、エンコーダ部105は、VOBUを生成する度に、生成したVOBUに関するVOBU情報をシステム制御部103に出力する。エンコーダ部105は、システム制御部103からエンコード停止命令を受けるまで、以上のエンコード処理を繰り返し実行する。ここで、VOBU情報とは、VOBU内のビデオフレーム再生開始時刻(VOBU_S_PTM)、VOBUの先頭から数えた最初のIピクチャのサイズ(Reference_Picture_Size)、VOBUのサイズ(VOBU_Size)、再生時間(PB_Time)、アスペクト比、オーディオモード、および、オーディオストリーム数などを含む情報である。
ストリームバッファ部106は、バッファや書き込みおよび読み出し制御プログラムなどを含む。ストリームバッファ部106は、システム制御部103の命令に応じて、VOBUと管理情報の書き込みおよび読み出し処理を行う。具体的には、ストリームバッファ部106は、システム制御部103からVOBU書き込み命令を受けた場合には、VOBU書き込み処理を実行し、VOBU読み出し命令を受けた場合には、VOBU読み出し処理を実行する。同様に、ストリームバッファ部106は、システム制御部103から管理情報書き込み命令を受けた場合には、管理情報書き込み処理を実行し、管理情報読み出し命令を受けた場合には、管理情報読み出し処理を実行する。
VOBU書き込み処理とは、ストリームバッファ部106において、エンコーダ部105から出力されたVOBUを、内部のバッファに格納し、その後格納したVOBUを、DVD−RWディスク110に書き込み、バッファに格納されたデータを消去する処理である。なお、VOBUがDVD−RWディスク110に書き込まれる際に書き込みエラーが発生した場合には、ストリームバッファ部106は、書き込みエラーをシステム制御部103に通知する。また、VOBU読み出し処理とは、ストリームバッファ部106において、DVD−RWディスク110に書き込まれたVOBUを読み出し、読み出したVOBUを内部のバッファに格納し、その後バッファに格納されたVOBUをデコーダ部107に出力し、バッファに格納されたデータを消去する処理である。
管理情報書き込み処理とは、ストリームバッファ部106において、システム制御部103から出力された管理情報を管理情報ファイルとして、DVD−RWディスク110に書き込む処理である。また管理情報読み出し処理とは、ストリームバッファ部106において、管理情報ファイルとして格納されている管理情報を読み出し、管理情報に含まれる再生制御情報をシステム制御部103へ出力する処理である。なお、管理情報ファイルがDVD−RWディスク110に記録されていない場合には、ストリームバッファ部106は、読み出しエラーをシステム制御部103に通知する。
管理情報は、録画中に入力したVOBU情報から算出される再生制御情報を含む情報であり、録画終了とともに管理情報ファイルとして、DVD−RWディスク110に記録される。また、管理情報は、再生時にはシステム制御部103において参照され、DVD−RWディスク110に記録されているVOBU(またはVOB)の再生を制御する情報を含む。管理情報は、DVD−VRフォーマットでは、VR_MANGR.IFOファイルとして記録され、DVD−Videoフォーマットでは、VIDEO_TS.IFOファイルおよびVTS_XX_X.IFOファイルとして記録される。
デコーダ部107は、システム制御部103からの命令に応じて、デコード処理を行う。ここで、デコード処理とは、ストリームバッファ部106から出力されたVOBUから元のデジタルデータを復元する処理である。復元されたデジタルデータは、出力部108に出力される。デコーダ部107は、システム制御部103からデコード停止命令を受けるまで、以上のデコード処理を繰り返し実行する。
出力部108は、デコーダ部107から出力されたデジタルデータを、D/Aコンバータにより、アナログのAV信号101に変換し、得られたAV信号101を映像/音声出力端子などの外部出力端子を介してモニタなどに出力する。
以下、図1に示されるデジタルビデオレコーディング装置の録画動作について説明する。ここでは、DVD−VRフォーマットに従って記録する場合の動作について、図1を参照しながら説明する。
UI部102から番組の録画開始の指示が入力されると、システム制御部103は、ビデオストリームの記録を開始するために、各部に対して制御信号を出力する。入力信号100は、入力部104においてアナログ信号からデジタル信号に変換され、エンコーダ部105に出力される。エンコーダ部105は、入力部104より供給されたデジタル信号を圧縮し、ストリームバッファ部106に出力する。ストリームバッファ部106は、圧縮されたビデオストリームなどを一時的に蓄積し、蓄積したビデオストリームなどをドライブ部109に出力する。このビデオストリームなどの情報は、ドライブ部109において、DVD−VRフォーマットに準拠した形式で、DVD−RWディスク110に書き込まれる。このとき、システム制御部103は、書き込まれる情報のDVD−RWディスク110内の位置を指定する。DVD−VRフォーマットにおいては、ビデオストリームは、VR_MOVIE.VROファイルとして記録される。
番組の録画中、システム制御部103には、エンコーダ部105から、管理情報ファイルを作成するためのVOBU情報が供給される。DVD−VRフォーマットにおいては、管理情報ファイルは、VR_MANGR.IFOファイルとして記録される。UI部102から番組の録画停止が命令されると、システム制御部103は、ビデオストリームの記録を停止する。最後に、管理情報ファイルが、ドライブ部109によって、DVD−RWディスク110に記録される。
次に、図1に示されるデジタルビデオレコーディング装置の再生動作について説明する。UI部102により再生動作が指示されると、システム制御部103は、再生を開始するために、各部に対して制御信号を出力する。再生動作が開始されると、ドライブ部109により、DVD−RWディスク110からデジタル情報(圧縮されたビデオストリームや管理情報など)が読み出される。このとき、ストリームバッファ部106は、それらの情報を一時的に蓄積する。システム制御部103は、ストリームバッファ部106に蓄積された情報を、デコードする単位で読み出し、デコーダ部107に出力する。圧縮されたビデオストリーム等は、このデコーダ部107においてデコードされ、出力部108に出力される。出力部108は、デコードされたデジタルデータをD/A変換により、アナログのAV信号101に変換し、得られたAV信号101を映像/音声出力端子などの外部出力端子を介してモニタなどに出力する。
次に、図2を用いてDVD−Videoフォーマットによる番組の記録方法について詳しく説明する。なお、この記録方法は、従来から行われている記録方法であるが、本発明においても、後述するAVデータ記録処理(あるいは第1の実施形態の詳細な説明においては、DVD−Videoフォーマット記録処理)において使用するので、以下に説明する。
図2には、DVD−RWの物理的なデータ構成が示されており、それぞれDVD−Videoフォーマットによる記録開始前の状態(図2(a))、第1の番組のストリームデータの記録が完了した状態(図2(b))、第1の番組のVTSIバックアップの記録が完了した状態(図2(c))、第1の番組のVTSIの記録が完了した状態(図2(d))、第2の番組のストリームデータの記録が完了した状態(図2(e))、第2の番組のVTSIバックアップの記録が完了した状態(図2(f))、第2の番組のVTSIの記録が完了した状態(図2(g))、および、ファイナライズを終了した状態(図2(h))が示されている。
DVD−Videoフォーマットに従って、DVD−RWに番組を記録する場合には、データおよび管理情報を記録する際に、少なくとも以下の点を考慮する必要がある。まず、ディスクのボリューム構造およびファイル構造201、並びに、ディスクに記録される全AVデータの管理情報であるVMG202は、その内容もサイズも全ての番組を記録した後にしか確定しない。一方、DVD−Videoフォーマットでは、これら情報は、ディスクのユーザデータ領域の先頭に記録することと規定されている。
そこで、サイズが全ての番組の記録後でなければ確定しない、ボリューム構造およびファイル構造201並びにVMG202を、ディスクのユーザデータ領域の先頭に記録するために、番組が記録されていない初期状態で、ディスクの前方部分の所定の位置に、後でボリューム構造およびファイル構造201並びにVMG202を記録するための固定長のデータ領域が予め確保される。番組は、確保されたデータ領域の後方に記録される。ボリューム構造およびファイル構造201やVMG202などは、全ての番組を記録後、ディスクをファイナライズすることにより記録される。
また、VTSIは各番組の管理情報であるので、その内容もサイズも各番組を記録した後にしか確定しない。一方、DVD−Videoフォーマットでは、VTSI204は、記録しようとする番組のVTSTT_VOBS(図2ではVOBS205と略した)の前方に記録することと規定されている。そこで、番組の記録後でなければサイズが確定しないVTSI204を、その番組のVOBS205の前方に記録するために、所定サイズのデータ領域が予め確保される。
以上のような、管理情報等の記録位置の制約を踏まえて、DVD−Videoフォーマットによる記録動作について、図2を用いて説明する。UI部102により番組記録の開始が命令されると、まず、ボリューム構造およびファイル構造201並びにVMG202を記録するためのデータ領域(図2(a)の斜線部209)がボリューム先頭に予約される。その後、番組のビデオストリームであるVOBS205の記録が開始される。VOBS205の記録が終了すると(図2(b))、VTSI204が確定し、VTSIバックアップ206がVOBS205に後続するデータ領域に記録され(図2(c))、さらに、VTSI204が、予め予約されたデータ領域(図2(b)の斜線部210)に記録される(図2(d))。以上の手順よって番組の記録が終了する。番組の追加記録は、上述した手順を繰り返すことによって行われる(図2(d)〜(g))。
番組を再生する(すなわち、VTSにアクセスする)ためには、VMG202に記録されるポインタ情報が必要であるが、上述したように、VMG202は、ディスクに記録する全ての番組が確定した後に、ディスクをファイナライズすることによって記録される。そこで、VMG202が未記録の段階で、VTSにアクセスするための情報として、各VTSの配置情報、すなわち番組エクステント情報203が、各番組の記録終了後に記録または更新される(図2(d))。番組エクステント情報203が固定アドレスもしくはドライブから得られる物理アドレスで示されるデータ領域に記録されることにより、番組エクステント情報203に基づいて、各VTSはアクセス可能になり、各番組の再生が可能になる。
上述したように、ボリューム構造およびファイル構造201並びにVMG202は、番組がディスクにこれ以上記録されなくなった時点で確定する。ディスクがファイナライズされると、ボリューム構造およびファイル構造201並びにVMG202が、予め予約されたデータ領域に記録され、さらに、ディスクのボリューム(ユーザデータ領域)の終端アドレスに隣接するデータ領域に、ファイルシステムの開始ボリューム記述子ポインタであるアンカー207が記録される。最後に、ドライブにより、物理的にボリュームがクローズされ、リードイン200およびリードアウト208が記録される(図2(h))。以上のファイナライズ処理を経て、DVD−Videoフォーマットの記録処理は終了する。
以上において説明したDVD−VideoフォーマットによるデータとDVD−VRフォーマットによるデータは、同一のディスクに混在することはできない。したがって、ユーザは、ディスクに番組を記録するにあたり、どちらかの記録フォーマットを選択する必要がある。すなわち、DVD−Videoフォーマットに従ってAVデータが記録されたDVDメディアに対して、DVD−VRフォーマットに従ってAVデータを追記するといったことは、フォーマットの違いによりできない。
そこで以下では、DVD−Videoフォーマットに従ってAVデータが記録されたDVDメディアに対して、DVD−VRフォーマットに従ったAVデータの追記を可能にするために、DVD−Videoフォーマットに従ってDVDメディアに記録されたAVデータを消去せずに、DVDメディアの論理フォーマットを、DVD−VRフォーマットに変更するフォーマット変更方法、また、そのようなフォーマット変更を可能とする情報記録方法、および、フォーマット変更後にDVDメディアに記録されたAVデータを再生する情報再生方法について説明する。
(第1の実施形態)
以下に、本発明の第1の実施形態に係る情報記録方法およびフォーマット変更方法について、図3を参照しながら説明する。なお、本実施形態に係る方法は、図1に示すデジタルビデオレコーディング装置を用いて実行される。
図3(a)は、本実施形態に係る情報記録方法を示すフローチャートである。図3(a)に示す手順は、未記録のDVD−RWディスク(以下、ディスクと称す)に対して実行される。図3(a)に示すステップS301〜S305を実行することにより、DVD−Videoフォーマットに従って番組が記録されたディスクが作成される。このディスクは、後述するフォーマット変更方法により、DVD−VRフォーマットに変更できる。
より詳細には、まず、データ長算出処理(ステップS301)において、ディスクに記録を開始する前に、DVD−Videoフォーマットにおけるボリューム構造、ファイル構造や管理情報等のサイズの和と、DVD−VRフォーマットにおけるボリューム構造、ファイル構造や管理情報等のサイズの和とが、システム制御部103によって算出される。次に、データ領域予約処理(ステップS302)において、以上のサイズのうち、大きい方のサイズのデータ領域がディスクのボリュームの先頭に予約される。次に、AVデータ記録処理(ステップS303)において、AVデータや管理情報(VTSI、番組エクステント情報など)などが、DVD−Videoフォーマットに従ってディスクに記録される。
次に、DVD−VRフォーマット管理情報記録処理(ステップS304)において、DVD−VRフォーマットにおける管理情報、すなわちVR_MANGR.IFOファイルが、AVデータが記録された領域、および、ステップS301において予約されたデータ領域以外のユーザデータ領域に記録される。あるいは、VR_MANGR.IFOファイルに代えて、後にVR_MANGR.IFOファイルを作成するために必要なデータが、上記の領域に記録されてもよい。最後に、リアルタイムデータ情報記録処理(ステップS305)において、DVD−VRフォーマットにおけるVOBUを管理するためのリアルタイムデータ情報であるRDI_PCKが、該当するVOBおよびVOBUに関連付けられ、テーブルとして、AVデータが記録された領域、および、ステップS301において予約されたデータ領域以外のデータ領域に記録される。
以上の手順に従って番組がディスクに記録されることにより、DVD−Videoフォーマットに従って再生可能なディスクが作成される。これに加えて、このディスクは、番組を消去しなくても、DVD−VRフォーマットにフォーマット変更が可能という特徴を有する。なお、このディスクを再生する場合には、VTSIおよび番組エクステント情報が参照され再生される。あるいは、ステップS304において、DVD−VRフォーマットにおける管理情報であるVR_MANGR.IFOファイルが記録された場合には、このVR_MANGR.IFOファイルを管理情報として、このディスクを再生することも可能である。
次に、本実施形態に係るフォーマット変更方法を示す。図3(b)は、本実施形態に係るフォーマット変更方法を示すフローチャートである。図3(b)に示す手順は、図3(a)に示された方法で番組が記録されたディスクに対して実行される。図3(b)に示す手順では、ステップS310〜S312を実行することにより、ステップS301〜S305によって記録されたディスクのフォーマットがDVD−VRフォーマットに変更される。
より詳細には、まず、DVD−VRフォーマットのファイル構造情報作成処理(ステップS310)において、図3(a)に示す方法でディスクに記録された各AVデータの開始アドレスの情報およびデータ長の情報を含むファイルエントリが、システム制御部103によって作成される。次に、DVD−VRフォーマット情報記録処理(ステップS311)において、ステップS301において予約されたデータ領域に、DVD−VRフォーマットのボリューム構造、ファイル構造や管理情報等が記録される。さらに、ステップS311では、ステップS303においてVR_MANGR.IFOファイルが記録されなかった場合には、VR_MANGR.IFOが記録される。最後に、ナビゲーションデータ情報書き換え処理(ステップS312)において、RDI_PCKの情報を記録したテーブルに基づいて、DVD−VideoフォーマットにおけるVOBUを管理するためのNV_PCKが、対応するRDI_PCKに書き換えられる。
以上の手順によって、DVD−Videoフォーマットで記録されたディスクは、DVD−VRフォーマットに変更される。フォーマット変更されたディスクは、DVD−VRフォーマットの管理情報であるVR_MANGR.IFOファイルに基づいて再生される。
本実施形態に係る情報記録方法、フォーマット変更方法および情報再生方法を、図4〜図9を用いてさらに詳しく説明する。図4〜図9は、本実施形態に係る情報記録方法およびフォーマット変更方法の詳細を示すフローチャートである。
図1に示されるデジタルビデオレコーディング装置に、ディスクが装填されると、システム制御部103は、まず、このディスクが未記録か否かの確認を行う(ステップS400)。装填されたディスクが未記録である場合(ステップS400のYes)、ユーザは、UI部102を通して、記録フォーマットを指示する。ユーザによりDVD−Videoフォーマットによる番組の録画が選択されると(ステップS401およびS402のYes)、システム制御部103は、後述するデータ長算出処理により、ボリューム先頭に予約する領域のデータ長を算出し(ステップS403)、このデータ領域を予約する(ステップS404)。
次に、システム制御部103は、DVD−Videoフォーマット記録処理(ステップS405)に従い、AVデータをディスクに記録する。
また、DVD−Videoフォーマットによって記録されたディスク(ステップS406のYes)に対して、ユーザからUI部102を通して番組追記の命令が指示されると(ステップS407のYes)、システム制御部103は、DVD−Videoフォーマット記録処理(ステップS405)を行う。また、上記のディスクに対して、ユーザから再生命令が指示されると(ステップS408のYes)、システム制御部103は、番組エクステント情報およびVTSI、もしくは、VR_MANGR.IFOファイルに基づき、番組の再生を行う(ステップS409)。
ユーザからUI部102を介してフォーマット変更が指示されると(ステップS410のYes)、システム制御部103は、後述するフォーマット変更処理により、DVD−VideoフォーマットからDVD−VRフォーマットへのフォーマット変更を開始する(ステップS411)。なお、フォーマットの変更は、DVD−VRフォーマットのみで記録可能な、例えば、コピーワンス番組や二ヶ国語音声番組などを録画する際には、システム制御部103において自動的に行ってもよい。
また、ステップS401において、ユーザによりDVD−VRフォーマットが選択されると、図5(a)のフローチャートに示されるように、システム制御部103は、DVD−VRフォーマットによりディスクのフォーマットを行い(ステップS500)、DVD−VRフォーマットにより番組を録画する(ステップS501のYesおよびステップS502)。
また、DVD−VRフォーマットに変更されたディスク、あるいは、DVD−VRフォーマットにより番組が記録されたディスクに対して、ユーザからUI部102を介して、録画命令が指示されると(図5のステップS510のYes)、システム制御部103は、DVD−VRフォーマットによる番組の録画を行う(ステップS511)。あるいは、上記のディスクに対して、再生の命令が指示されると(ステップS512のYes)、システム制御部103は、VR_MANGR.IFOファイルに基づいてディスクを再生する(ステップS513)。
ディスクに対して、録画、再生またはフォーマット変更が終了し、ユーザからUI部102を介して、ディスクの排出が命令されると(ステップS412のYes、ステップS503のYes、または、ステップS514のYes)、ディスクはデジタルビデオレコーディング装置から排出される(ステップS413)。
次に、図6に示すフローチャートを用いて、データ長算出処理について説明する。データ長算出処理では、まず、システム制御部103において、DVD−Videoフォーマットによって規格最大数の番組を記録した場合に要するボリューム構造サイズ、ファイル構造サイズおよびVMGのサイズの和(以下、サイズAを称す)が算出される(ステップS600)。さらに、DVD−VRフォーマットにより規格最大数の番組を記録した場合に要するボリューム構造サイズ、ファイル構造サイズ、VR_MANGR.IFOファイルサイズおよびVR_MANGR.BUPファイルサイズの和(以下、サイズBと称す)が算出される(ステップS601)。最後に、サイズAとサイズBとが比較され(ステップS602)、サイズの大きな方のデータサイズを有するデータ領域が、ディスクのボリュームの先頭に予約される(ステップS603、S604および図4のステップS404)。ここで、これらのデータのうち、VMG以外は、記録フォーマットの規格最大数、並びに、ファイルシステムにより定まる。VMGについては、VMGがメニュー表示用のストリームデータを含むため、システムもしくはユーザの指示により、どのようなメニューを作成するかによってサイズAが定まる。番組のAVデータ等は、この予約されたデータ領域以降の領域に記録される。
次に、DVD−Videoフォーマット記録処理について、図7を参照しながら説明する。DVD−Videoフォーマット記録処理では、まず、システム制御部103において、VTSIが記録されるデータ領域が、ディスクのユーザデータ領域に予約される(ステップS700)。次に、エンコーダ部105において、入力部104から入力されたデジタルデータのエンコードが開始され、VOBUが生成される。生成されたVOBUは、エンコーダ部105からストリームバッファ部106に出力される。同時に、ストリームバッファ部106に出力されたVOBUに関するVOBU情報が、エンコーダ部105からシステム制御部103に出力される。VOBU情報には、VTSI並びにDVD−VRフォーマット用管理情報のデータが含まれる。システム制御部103は、入力されたVOBU情報を、システム制御部103内のメモリに蓄積する(ステップS701)。
また、システム制御部103には、エンコーダ部105から、DVD−VRフォーマットによる各VOBUのRDI_PCK情報が供給される。供給されたRDI_PCK情報は、システム制御部103において、VOBおよびVOBUに関連付けられ、図8に示されるようなテーブルとして、システム制御部103内のメモリに蓄積される(ステップS702)。最後に、システム制御部103からストリームバッファ部106に対して、VOBUのディスクへの書き込みが指示され、VOBUがディスクに記録される(ステップS703)。以上、図7に示されるフローチャートのステップS701からステップS703までの処理は、ユーザによる番組の録画終了の命令がUI部102を介して指示される(ステップS704)まで繰り返される。
ユーザから録画終了の命令がUI部102を介して指示されると(ステップS704のYes)、システム制御部103は、ステップS701において蓄積したVOBU情報をもとに、VTSIおよびVTSIバックアップを作成する(ステップS705)。作成されたVTSIは、ステップS700において予約したデータ領域に記録され、VTSIバックアップは、VTSTT_VOBSに後続するデータ領域に記録される(ステップS705)。VTSIおよびVTSIバックアップが記録されることにより、番組のVTSの記録が完了する。
次に、システム制御部103において、ステップS701において蓄積したVOBU情報をもとに、DVD−VRフォーマット用管理情報ファイル(VR_MANGR.IFOファイル)が作成され、ディスクに記録される(ステップS706)。VR_MANGR.IFOファイルは、VTSIやVTSTT_VOBSなどが記録されていない、例えばVTSと隣接するデータ領域に記録される。あるいは、VTSI、VTSTT_VOBSおよびVTSIバックアップの配置順序を変えないことを条件に、VR_MANGR.IFOファイルが記録されるデータ領域は、VTS内のデータ領域でもよい。
次に、ステップS702において、システム制御部103内のメモリに蓄積されたRDI_PCKのテーブル情報(図8参照。以下、RDI_PCKテーブルと称す)が、単一エクステントのデータファイルとしてディスクに記録される(ステップS707)。最後に、VTSI、VTSTT_VOBSおよびVTSIバックアップについて、それぞれの記録開始アドレスおよび記録サイズを含む情報が、番組エクステント情報としてディスクの所定のデータ領域(図2参照)に記録され(ステップS708)、DVD−Videoフォーマットによる記録が終了する。
次に、フォーマット変更処理について、図9を用いて説明する。フォーマット変更処理では、まず、システム制御部103において、番組エクステント情報をもとに、DVD−Videoフォーマットで記録された全てのVTSTT_VOBSをエクステントとした割り付け記述子を有するファイルエントリが作成される(ステップS900)。割り付け記述子とは、ファイルエントリ内に記録されるファイルの分散領域の情報であり、具体的には、各分散領域の記録開始アドレスおよび記録サイズの情報を有する記述子である。
次に、DVD−VRフォーマット用のボリューム構造が、ディスクに規定されたファイルシステムに従って作成され、ディスクに記録される(ステップS901)。さらに、DVD−VRフォーマット用のファイル構造が、ディスクに規定されたファイルシステムに従って作成され、ディスクに記録される(ステップS902)。ステップS900において作成されたファイルエントリは、ここで作成されたファイル構造内に、VR_MOVIE.VROのファイルエントリ1317(図13参照)として記録される。さらに、DVD−Videoフォーマット記録処理のステップS706において記録されたVR_MANGR.IFOファイルが、DVD−VRフォーマット用のファイル構造で指定されたファイルデータ領域に配置される(ステップS903)。
最後に、ステップS707においてディスクに記録されたRDI_PCKテーブルをもとに、VTSTT_VOBSの各VOBUの先頭に記録されたNV_PCKが、該当するRDI_PCKに書き換えられる(ステップS904)。各VOBUのVOB内における相対アドレスは、VR_MANGR.IFOファイルのTMAP_GI(図16の1607)のADR_OFSフィールド(図示せず)とVOBU_ENT(1609)のVOBU_SZフィールド(図示せず)とによって確認される。ADR_OFSフィールドは、各VOBの先頭アドレスを示し、VOBU_SZフィールドは、各VOBUのサイズを示す。ADR_OFSフィールドにVOBU_SZフィールドを加算することにより、VOB内の各VOBUの記録アドレスが確認できる。各VOBの記録開始アドレスは、番組エクステント情報から確認される。以上により、フォーマット変更処理が完了する。
上述したように、本実施形態に係る情報記録方法によれば、DVD−Videoフォーマットに従って番組が記録されたDVDメディアが作成される。このDVDメディアには、DVD−Videoフォーマットに準拠したAVデータや管理情報などに加えて、DVD−VRフォーマットにおけるDVDメディア全体の管理情報であるVR_MANGR.IFOファイルと、DVD−VRフォーマットにおけるVOBUの管理情報であるRDI_PCKとが記録されることから、DVD−VRフォーマットへの変更が可能となる。
本実施形態に係るフォーマット変更方法によれば、VR_MANGR.IFOファイルがディスク全体の管理情報に設定され、また、DVD−VideoフォーマットのVOBUの管理情報であるNV_PCKがRDI_PCKに書き換えられ、さらに、DVD−VRフォーマットに準拠したボリューム構造、ファイル構造が記録されることにより、上記のDVDメディアのフォーマットが、DVD−VideoフォーマットからDVD−VRフォーマットへ変更される。
本実施形態の情報記録方法およびフォーマット変更方法によれば、DVD−Videoフォーマットに従ってAVデータが記録されたDVDメディアに対して、DVDメディアの論理フォーマットを直接DVD−VRフォーマットに変更することが可能であることから、すでに記録されているAVデータを消去することなく、このDVDメディアにDVD−VRフォーマットに従ってAVデータ(例えば、DVD−VRのみで記録可能なコピーワンス番組や二ヶ国語音声番組)を追記することができる。
なお、DVD−Videoフォーマット記録処理のステップS706おいて記録されるデータは、VR_MANGR.IFOファイルではなく、DVD−VRフォーマット用管理情報のデータであってもよい。この場合、VR_MANGR.IFOファイルは、フォーマット変更時に、ステップS903において、この管理情報のデータに基づいて作成され、ファイル構造で指定されたデータ領域に記録される。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係るフォーマット変更方法について、第1の実施形態に係るフォーマット変更方法と異なる部分について説明する。システム制御部103は、フォーマット変更処理のステップS904において、RDI_PCKテーブルに基づいて、VTSTT_VOBSの各VOBUの先頭に記録されたNV_PCKが該当するRDI_PCKを書き換える際に、NV_PCKと各VOBおよびVOBUとを関連付けたリストを記録する(図10のステップS1000)。このリストをNV_PCKテーブルと呼ぶ(図11参照)。
第1の実施形態に係るフォーマット変更方法におけるフォーマット変更処理に、以上の手順を追加したフォーマット変更方法が、本実施形態に係るフォーマット変更方法である。ユーザがDVD−VRフォーマットにフォーマット変更後、再度DVD−Videoフォーマットに変更を希望する場合、フォーマット変更時にRDI_PCKによって書き換えられたNV_PCKを、NV_PCKテーブルに基づいて、各VOBおよびVOBUの先頭に再度書き換えることにより、DVD−Videoフォーマットへ再変更できる。ただし、DVD−VRフォーマットに変更後、DVD−VRフォーマットによって番組を追記していないDVDメディアにおいてのみ、本実施形態に係るフォーマット変更方法は有効である。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係るフォーマット変更方法について、第1の実施形態に係るフォーマット変更方法と異なる部分について説明する。システム制御部103は、フォーマット変更処理のステップS904において、RDI_PCKテーブルに基づき、VTSTT_VOBSに含まれる各VOBUの先頭のNV_PCKを、該当するVOBUのRDI_PCKに書き換えない。その代わりに、システム制御部103は、RDI_PCKテーブルに記録された各RDI_PCKが、該当するVOBUの先頭に配置されるように、VR_MOVIE.VROファイルのファイルエントリに割り付け記述子を作成する。
第1の実施形態におけるフォーマット変更処理に、以上のステップを追加したフォーマット変更方法が、本実施形態に係るフォーマット変更方法である。ただし、VR_MOVIE.VROファイルはリアルタイムファイルであるため、過度にファイルデータが分散している場合においては、再生時の連続性が失われる可能性がある。しかし、これはドライブ部109からストリームバッファ部106への読み出し速度を向上することによって解決される。
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係る情報記録方法および情報再生方法について説明する。本実施形態に係る情報記録方法では、第1の実施形態に係る情報記録方法と異なり、システム制御部103は、DVD−Videoフォーマット記録処理において、RDI_PCK情報の蓄積並びにRDI_PCKテーブルの作成および記録を行わない。その代わりに、システム制御部103は、番組がDVD−Videoフォーマットで記録されたことを示すフラグ(以下、番組フォーマットフラグと称す)を記録する。番組フォーマットフラグは、番組エクステント情報内やRDI_PCK内の製造者情報であるMNFI1513に記録してもよく、また、これらとは別にディスク内の空き領域に記録してもよい。
DVD−VRフォーマットにフォーマットを変更後、UI部102を介して、ユーザから再生が指示されると、システム制御部103は、まず、番組フォーマットフラグを確認する。番組フォーマットフラグが記録されていることが確認されると、システム制御部103は、デコーダ部107に対して、ディスクに記録されているAVデータを、DVD−Videoフォーマットに準拠したAVデータとして、デコード処理を行うよう命令する。この結果、ディスクに記録されたAVデータは、DVD−Videoフォーマットによって再生される。
本実施形態に係る情報再生方法によれば、複雑な情報記録方法やフォーマット変更方法を行うことなく、DVD−VRフォーマットにフォーマットを変更後のディスクを再生することができる。このことにより、装置の構成や装置を制御するプログラムを簡単にすることができる。
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態に係る情報記録方法について、第1の実施形態に係る情報記録方法と異なる部分について説明する。第1の実施形態に係るフォーマット変更方法におけるフォーマット変更処理が終了した後、システム制御部103は、VTSIおよびVTSIバックアップが記録されたデータ領域を、ファイル構造の空間ビットマップ記述子1314において、未記録領域と設定する。この設定により、DVD−VRフォーマットに変更されたディスク内の、VTSIおよびVTSIバックアップが記録されていたデータ領域も、データ記録領域として利用することができる。ただし、VTSIまたはVTSIバックアップを消去すると、第2の実施形態に係るフォーマット変更方法である、DVD−Videoフォーマットへの再変更は不可能になる。