JP4672527B2 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
このような特性を持たないフォトスペーサではパネル作製持に液晶中に気泡が生じることがあり、セルギャップが均一にならずに液晶表示装置としては表示品質が劣化し、例えば、色むらが顕著なものとなってしまう等の不具合が生じる。
これらの問題点を解決するための提案として、例えば、アルカリ現像性を有するフォトスペーサ用感光性樹脂組成物(特許文献−1)が提案されている。この提案では光重合性を有するモノマー、光重合開始剤とアルカリ現像性及び反応性を有するエポキシ樹脂を併用することで、機械的強度に優れたフォトスペーサを提案している。しかし、このようなエポキシ樹脂とアルカリ現像に必要なカルボン酸成分が共存しているような組成物では、エポキシ基とカルボン酸の間で架橋反応が進行する。その結果、脆くなり弾性回復特性は悪化するという課題があった。
このような不具合を解決する特性を有するフォトスペーサを形成する材料として、近年、さらに新たな提案(特許文献−2)がされている。この提案では、全固形分中の多官能モノマー量を50〜70%にすることによって改良を図っている。しかしながら、多官能モノマーを大量に使用した場合アルカリ現像性が悪化するという問題があった。
すなわち本発明は、カルボキシル基及び(メタ)アクリロイル基を有する親水性ポリマー(A)、多官能(メタ)アクリレートモノマー(B)、並びに光重合開始剤(C)を含有する感光性樹脂組成物であって、親水性ポリマー(A)が下記の(1)〜(4)の全てを満たすポリマーであり、感光性樹脂組成物(Q)の固形分の重量に基づく多官能(メタ)アクリレートモノマー(B)の含有量が70〜95重量%であることを特徴とするアルカリ現像可能な感光性樹脂組成物(Q)である。
(1)不飽和多塩基酸無水物を必須構成単量体とする共重合体(D)と、1分子中に水酸基、1級アミノ基および2級アミノ基から選ばれる少なくとも1種の官能基並びに(メタ)アクリロイル基を有する化合物(e)とを反応させて得られるポリマーである。
(2)100〜500mgKOH/gの弱酸価を有する。
(3)2〜9mmol/gの(メタ)アクリロイル基濃度を有する。
(4)多官能(メタ)アクリレートモノマー(B)との溶解度パラメーターの差が−1〜1である。
また、本発明は、上記感光性樹脂組成物を硬化させて形成されたフォトスペーサである。
・本発明の感光性樹脂組成物の硬化物は優れた弾性回復特性を有する。
・本発明の感光性樹脂組成物の硬化物はフォトスペーサとして優れた弾性回復特性を有する。
(A)のHLB値は、(A)の樹脂骨格によって好ましい範囲が異なるが、好ましくは4〜19、さらに好ましくは5〜18、特に好ましくは6〜17である。4以上であればフォトソルダーレジストの現像を行う際に、現像性がさらに良好であり、19以下であれば硬化物の耐水性がさらに良好である。なお、本発明におけるHLBは、小田法によるHLB値であり、親水性−疎水性バランス値のことであり、有機化合物の有機性の値と無機性の値との比率から計算することができる。
HLB≒10×無機性/有機性
また、無機性の値及び有機性の値は、文献「界面活性剤の合成とその応用」(槇書店発行、小田、寺村著)の501頁;または、「新・界面活性剤入門」(藤本武彦著、三洋化成工業株式会社発行)の198頁に詳しく記載されている。
方法は以下の通りである。
(i)試料約1gを精秤して三角フラスコに入れ、続いて中性メタノール・アセトン溶液[アセトンとメタノールを1:1(容量比)で混合したもの]を加え溶解する。
(ii)フェノールフタレイン指示薬数滴を加え、0.1mol/L水酸化カリウム滴定用溶液で滴定する。指示薬の微紅色が30sec続いたときを中和の終点とする。
(iii)次式を用いて決定する。
弱酸価(mgKOH/g)=(A×f×5.61)/S
ただし、A:0.1mol/L水酸化カリウム滴定用溶液のmL数。
f:0.1mol/L水酸化カリウム滴定用溶液の力価
S:試料採取(g)
(i)試料約1gを精秤して三角フラスコに入れ、続いてアセトン約10mlを加え溶解する。
(ii)モルホリン標準液[モルホリンとメタノールを1:4(容量比)で混合したもの]10mlを加え、さらに50%酢酸標準液[酢酸とイオン交換水を1:1(容量比)で混合したもの]1.5mlを加えてよく振とうした後、室温で15分間放置する。
(iii)アセトニトリル15ml及び無水酢酸10mlを上記三角フラスコに加えよく振とうする。
(iv)記録式自動滴定装置を用いて、0.5mol/Lの塩酸・メタノール滴定用溶液を用いて滴定する。
(v)同時に空試験を実施し、下式にて決定する。
二重結合濃度(mmol/g) = f × (A−B) / 2S
ただし、A:試料の滴定に要した0.5mol/L塩酸・メタノール滴定用溶液のm L数。
B:空試験に要した0.5mol/L塩酸・メタノール滴定用溶液のmL数。
f:0.5mol/L塩酸・メタノール滴定用溶液の力価。
S:試料採取量(g)
SP値が近いもの同士はお互いに混ざりやすく(分散性が高い)、SP値の差は、この数値が離れているものは混ざりにくいことを表す指標である。
なお、(A)と(B)とのSP値の差が−1〜1であれば、現像工程での(A)と(B)との分離が起こりにくいので、均一な現像ができる(現像液への溶解性が均一である)という効果を発現できるものと推定される。
「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE,FEBRUARY,1974,Vol.14,No.2,ROBERT F.FEDORS.(151〜153頁)」
ここで、(A)と(B)とのSP値の差が−1〜1であるようにするためには、先ず(B)の組成を設定してSP値を決定し、そのSP値との差が上記範囲になるように(A)の組成を選択してもよく、逆に、先ず(A)の組成を設定してSP値を決定し、そのSP値との差が上記範囲になるような(B)を選択してもよい。
(B)は硬化物の弾性回復特性の観点から組成が選択し易いのでSP値が設定しやすく、かつ、(A)は組成の組み合わせの選択肢が多いという観点から、好ましいのは前者である。
また、SP値の設定と共に、(A)の弱酸価と(メタ)アクリロイル基濃度の設定が必要であるが、これらの設定の順序は、先ずSP値、次に弱酸価、最後に(メタ)アクリロイル基濃度を考慮して(A)の組成を設定するという方法が好ましい。
溶剤としては、グリコールジエーテル類(エチレングリコールジアルキルエーテルおよびプロピレングリコールジアルキルエーテルなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソフ゛チルケトンなど)及びハロゲン化炭化水素類(ジクロルエタンなど)が挙げられる。溶剤のうち好ましいのはケトン類である。
溶剤を使用する場合、その使用量は特に限定されないが、モノマーの合計重量に基づいて、通常400重量%以下、好ましくは5〜300%(以下において、%は特に限定しない限り重量%を表す)、特に好ましくは10〜200%である。
ラジカル重合開始剤としては、通常の過酸化物及びアゾ化合物が挙げられ、好ましいものはアゾ化合物である。重合開始剤の使用量は、モノマーの合計重量に基づいて、通常、0.0001〜20%が好ましく、さらに好ましくは0.001〜15%、特に好ましくは0.005〜10%である。反応温度は、ラジカル重合開始剤の種類により適宜決定されるが好ましくは40〜150℃である。
この反応は、(A0)中の酸無水物基と、(e)中の水酸基、1級アミノ基および/または2級アミノ基が反応して、ハーフエステルおよび/またはハーフアミドを形成する反応である。
アルキル基の炭素数2〜20のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート[2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及び1−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等];ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート(アルキレン基の炭素数2〜8、重量平均分子量100〜10,000)[ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレン・ポリプロピレングリコール(オキシエチレンの含有量10〜90重量%)モノ(メタ)アクリレート及びポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等];アルキル基の炭素数2〜20のアミノアルキル(メタ)アクリレート[アミノエチル(メタ)アクリレート、アミノイソプロピル(メタ)アクリレート、アミノブチル(メタ)アクリレート及びアミノヘキシル(メタ)アクリレート等]及びアルキル基の合計の炭素数3〜24のN−アルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート[N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−メチルアミノイソプロピル(メタ)アクリレート、N−メチルアミノブチル(メタ)アクリレート及びN−メチルアミノヘキシル(メタ)アクリレート等]等が挙げられる。
(e)の製造のし易さの観点から水酸基である。
(e)は、(e1)〜(e4)の混合物であってもよく、混合物の場合の混合割合は特に限定されないが、弾性回復特性の観点から好ましいのは、1分子中に上記官能基を1個のみ有する(メタ)アクリレート[(e1)〜(e3)]を50%以上、さらに好ましくは70%以上、特に80%以上含有するものである。
1分子中に上記官能基を1個のみ有する(メタ)アクリレート[(e1)〜(e3)]のうち、さらに好ましいのは(メタ)アクリロイル基を高濃度にできるという観点から(e2)または(e3)、特に(e3)であり、(e3)のうちでも、硬化物が硬くなりすぎないという観点から4価アルコールのトリ(メタ)アクリレート、とりわけペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートである。
触媒としては、ピリジン、トリエチルアミン、2−メチルイミダゾール等の塩基性触媒が挙げられる。触媒は、(A0)の重量に対し、好ましくは0.05〜1%、さらに好ましくは0.1〜0.6%の範囲内で添加する。
反応温度は、通常50〜120℃、好ましくは95〜100℃であり、反応時間は通常0.5〜10時間、好ましくは1〜5時間反応である。
無水マレイン酸/スチレン(46.5/53.5モル比)共重合体100部とペンタエリスリトールトリアクリレート110.3部の反応生成物(弱酸価=128mgKOH/g、アクリロイル基濃度=6.0mmol/g、SP値=11.3、Mn=25,000);
無水マレイン酸/スチレン(46.5/53.5モル比)共重合体100部と2−ヒドロキシエチルメタアクリレート59.7部の反応生成物(弱酸価=177mgKOH/g、アクリロイル基濃度=3.15mmol/g、SP値=10.24、Mn=22,000);等が挙げられる。
3%以上であればさらに良好に現像性を発揮でき、50%以下であれば硬化物の耐水性がさらに良好になる。
なお、本明細書において「固形分」とは当該組成物から溶剤を除いた成分を意味する。
(B)中の(B4)の含有量は好ましくは50%以下、さらに好ましくは30%以下である。
(F)としては、無機微粒子(F1)、増感剤(F2)、重合禁止剤(F3)、溶剤(F4)、並びにその他の添加剤(F5)(例えば、無機顔料、シランカップリング剤、染料、蛍光増白剤、黄変防止剤、酸化防止剤、消泡剤、消臭剤、芳香剤、殺菌剤、防菌剤及び防かび剤等)が挙げられる。
(F11)としては、公知のもの、例えば、酸化チタン、酸化ケイ素および酸化アルミニウム等が挙げられる。
(F12)としては、公知のもの、例えば、炭酸カルシウムおよび硫酸バリウム等が挙げられる。
これらのうちで、耐熱性および耐薬品性の観点から、(F11)が好ましく、さらに好ましくは、酸化ケイ素および酸化チタン、特に酸化ケイ素が好ましい。
(F1)は、体積平均一次粒子径が1〜200nm、フォトスペーサとしたときの透明性と弾性復元性の観点から、好ましくは1〜150nm、さらに好ましくは1〜120nm、特に好ましくは5〜20nmのものである。
感光性樹脂組成物中の(メタ)アクリロイル基は(A)および(B)に由来するものである。
また感光性樹脂組成物は、通常、室温で液状であり、その粘度は、25℃で0.1mPa・s〜10,000mPa・s、好ましくは1mPa・s〜8,000mPa・sである。
本発明のフォトスペーサは、上記の感光性樹脂組成物(Q)を硬化させて形成された液晶セル内のギャップ保持のために設けられるフォトスペーサである。
フォトスペーサは、カラーフィルタ基板とTFT基板とを貼り合わせた時に液晶セルのギャップを決めるものであり、表示品質にとって重要な役割を果たす。フォトスペーサの高さ2〜5μm程度の範囲で一定の高さを持つものであり、その均一性が要求される。また、高さの他、フォトスペーサに要求される形状、大きさ、密度等は液晶表示装置の設計によって適宜決定される。
本発明の(Q)を、基板上にロールコート、スピンコート、スプレーコート、スリットコート等、公知の方法によって均一に塗布し、乾燥させて感光性樹脂組成物層を形成する。塗布装置としては、公知の塗布装置が使用でき、例えば、スピンコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、カーテンコーター、グラビアコーター及びコンマコーター等が挙げられる。
上記の感光性樹脂組成物層を、必要に応じて熱を加えて乾燥させる(プリベーク)。
乾燥温度としては、10℃以上が好ましく、さらに好ましくは12℃以上、特に好ましくは15℃以上、最も好ましくは20℃以上であり、また100℃未満が好ましく、さらに好ましくは90℃以下、特に好ましくは60℃以下、最も好ましくは50℃以下である。乾燥時間は、30秒以上が好ましく、さらに好ましくは1分以上、特に好ましくは2分以上であり、また10分以下が好ましく、さらに好ましくは8分以下、特に好ましくは5分以下である。乾燥は、減圧、常圧どちらでもよいが、減圧の方が好ましい。また、空気中、不活性ガス中どちらで行ってもよいが、不活性ガス中が好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物であれば、直径5〜10μm程度(面積20〜100μm2程度)のマスク開口部であっても、精度良く、すなわち直径6〜12μm(面積30〜120μm2)の範囲でパターンを形成することができる。
露光量としては、特に限定されないが、好ましくは20〜300mJ/cm2である。
ここで現像に用いる現像液は、通常、アルカリ水溶液を用いる。現像液として用いることのできるアルカリ水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機物の水溶液;ヒドロキシテトラメチルアンモニウム、ヒドロキシテトラエチルアンモニウム等の有機物の水溶液が挙げられる。これらを単独又は2種以上組み合わせて用いることもでき、また、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等の界面活性剤を添加して用いることもできる。
現像方法としては、ディップ方式とシャワー方式があるが、シャワー方式の方が好ましい。 現像液の温度は、好ましくは25〜40℃で使用される。現像時間は、膜厚や感光性樹脂組成物の溶解性に応じて適宜決定される。
ベークを行う場合、ベーク温度としては、好ましくは100〜250℃、さらに好ましくは150〜240℃、特に好ましくは180〜230℃である。ベーク時間は5分〜6時間、好ましくは15分〜4時間、特に好ましくは30分〜3時間である。
ベークは、減圧、常圧どちらでもよいが、減圧の方が好ましい。また、空気中、不活性ガス中どちらで行ってもよいが、不活性ガス中が好ましい。
フォトスペーサの弾性回復特性は、圧力がかかった時の「総変形量」と「塑性変形量」によって評価することができる。総変形量が大きく、かつ、塑性変形量が小さい方が弾性回復特性に優れる。
25℃において、一定の速度で所定の圧力をかけ、1秒間保持した後、一定の速度で圧力を除荷した時の荷重と変形量とのヒステリシス曲線(図1)から総変形量T0、塑性変形量T1を求め、所定の圧力における弾性回復率を下式で算出する。
弾性回復率(%)=(T0−T1/T0)×100
圧力として、0.2mN/μm2、0.4mN/μm2、0.6mN/μm2および0.8mN/μm2の異なる4種の圧力でヒステリシス曲線を測定し、それぞれにおいて上記弾性回復率を求める。
さらに、金属(例えば、鉄、アルミニウム、チタン、銅等)、プラスチック(例えば、ポリカーボネート、ポリエチレンテルフタラート、ポリ(メタ)アクリレート)、紙、ガラス、ゴム及び木材等の各種材料に対するコーティング剤、塗料、印刷インキ及び接着剤とて使用でき、成型材料等としても応用できる。
以下、実施例および製造例を以て本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。以下、部は重量部を意味する。
[親水性ポリマー(A)の製造]
加熱冷却・撹拌装置、環流冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えたガラス製コルベンに、無水マレイン酸150部を仕込み80℃まで加熱した。系内の気相部分を窒素で置換したのち、あらかじめ作成しておいたスチレン150部、アゾビスイソブチロニトリル(V−60:和光純薬製、以下AIBNと称す)5部、及びシクロヘキサノン50部にを混合した溶液205部を、80℃のコルベン中に60分間で滴下し、さらに同温度で6時間反応させた。その後、シクロヘキサノンで樹脂濃度が25重量%となるように希釈し、60℃に温調して、無水マレイン酸/スチレン共重合体(A0)のシクロヘキサノン溶液を得た。このポリマー溶液に、「NKエステルA−TMM−3L」(新中村化学(株)製:主成分ペンタエリスリトールトリアクリレート)361部、シクロヘキサノン1,099部、及びトリメチルアミン5部を仕込み、60℃で2時間反応させ、目的の親水性ポリマー(A1)のシクロヘキサノン溶液を得た(固形分含量は25%)。
製造例1と同様のコルベンで同様にして得られた無水マレイン酸/スチレン共重合体(A0)のシクロヘキサノン溶液に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート177部、シクロヘキサノン546部、及びトリメチルアミン5部を仕込み、60℃で2時間反応させ、目的の親水性ポリマー(A2)のシクロヘキサノン溶液を得た(固形分含量は25%)。
製造例1と同様のコルベンに、メチルメタクリレート40部(0.40モル部)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート40部(0.31モル部)、メタクリル酸20部(0.23モル部)、およびシクロヘキサノン150部を仕込み、80℃まで加熱した。系内の気相部分を窒素で置換したのち、あらかじめ作成しておいたAIBN5部をシクロヘキサノン50部に溶解した溶液55部を、80℃のコルベン中に10分間で滴下し、さらに同温度で3時間反応させた。さらにグリシジルメタアクリレート35部(0.31モル部)、シクロヘキサノン364部、およびヒドロキノン1.1部を仕込み60℃で5時間反応させ、目的の親水性ポリマー(X1)のシクロヘキサノン溶液を得た(樹脂分含量は25%)。
製造例1と同様のコルベンで同様にして得られた無水マレイン酸/スチレン共重合体(A0)のシクロヘキサノン溶液に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート40部及びトリメチルアミン5部を仕込み、60℃で2時間反応させ、目的の親水性ポリマー(X2)のシクロヘキサノン溶液を得た(固形分含量は25%)。
[感光性樹脂組成物の製造]
表2の配合例に従い、ガラス製の容器に各親水性ポリマーのシクロヘキサノン溶液を仕込み、さらに下記の(B−1)又は(B−2)、(C−1)を仕込み、均一になるまで攪拌し、さらに追加の溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を添加して実施例の感光性樹脂組成物(Q1)〜(Q3)、および比較例の感光性樹脂組成物(Y1)〜(Y4)を製造した。
感光性樹脂組成物の固形分の重量に基づく(メタ)アクリロイル基濃度、感光性樹脂組成物の固形分の重量に基づく(B)の含有量、および(A)と(B)とのSP値の差を表3に示す。
:「ネオマーDA−600」(ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエ リスリトールヘキサアクリレートの混合物:三洋化成工業(株)製)
B−2(多官能(メタ)アクリレート)
:「NKエステルA−TMM−3L」(ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタ エリスリトールテトラアクリレートの混合物:新中村化学(株)製)
C−1(光重合開始剤)
:「イルガキュア907」(2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2− モルフォリノプロパン−1−オン:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
[現像性の測定]
感光性樹脂組成物(Q1)〜(Q3)、および(Y1)〜(Y4)を、それぞれガラス基板上に仕上り膜厚が5μmになるようにスピンコートし、25℃で5分間乾燥し、その後1%炭酸ナトリウム水溶液を用いて30秒間現像を行い、現像性を評価した。結果を表3に示す。評価基準は以下の通りである。
◎:目視により残留物無し。
○:目視により残留物わずかにあり。
△:目視により残留物が多い。
×:現像できない。
[フォトスペーサの作製]
感光性樹脂組成物(Q1)〜(Q3)、および(Y3)、(Y4)を、それぞれガラス基板上に、仕上り膜厚が5μmになるようにスピンコートし、25℃で5分間乾燥した。フォトスペーサ形成用のフォトマスクを通して高圧水銀灯の光を100mJ/cm2照射した。尚、フォトマスクと基板との間隔(露光ギャップ)は100μmで露光した。その後1%炭酸ナトリウム水溶液を用いて現像をした。水洗を施したのち、230℃で60分間ポストベークしてフォトスペーサをカラーフィルタ上に形成した。フォトスペーサの上底面積は150μm2、下底面積は400μm2であった。
上記のようにして得られたフォトスペーサの弾性特性をフィッシャースコープH−100(フィッシャーインストルメンツ社製)装置を用いて、前述の弾性回復率の測定法に従って測定した。
なお、断面が正方形の平面圧子(50μm×50μm)の平坦圧子を用いた。結果を表4に示す。
比較例6のフォトスペーサでは、使用された感光性樹脂組成物(Y5)中の親水性ポリマー(X1)は酸価を十分量有していないため現像性が悪い。
比較例4の感光性樹脂組成物、および比較例6のフォトスペーサでは、使用された感光性樹脂組成物(Y4)中の親水性ポリマー(X1)の含有量を増大させ、現像性を確保したが、感光性樹脂組成物の固形分重量に基づく(メタ)アクリロイル基濃度が低下し弾性回復特性が悪化したものと推定される。
さらに、金属(例えば、鉄、アルミニウム、チタン、銅等)、プラスチック(例えば、ポリカーボネート、ポリエチレンテルフタラート、ポリ(メタ)アクリレート)、紙、ガラス、ゴム及び木材等の各種材料に対するコーティング剤、塗料、印刷インキ及び接着剤とて使用でき、成型材料等としても応用できる。
T1: 塑性変形量
T2: 弾性変形量
Claims (3)
- カルボキシル基及び(メタ)アクリロイル基を有する親水性ポリマー(A)、多官能(メタ)アクリレートモノマー(B)、並びに光重合開始剤(C)を含有する感光性樹脂組成物であって、親水性ポリマー(A)が下記の(1)〜(4)の全てを満たすポリマーであり、感光性樹脂組成物(Q)の固形分の重量に基づく多官能(メタ)アクリレートモノマー(B)の含有量が70〜95重量%であることを特徴とするアルカリ現像可能な感光性樹脂組成物(Q)。
(1)不飽和多塩基酸無水物を必須構成単量体とする共重合体(D)と、1分子中に水酸基、1級アミノ基および2級アミノ基から選ばれる少なくとも1種の官能基並びに(メタ)アクリロイル基を有する化合物(e)とを反応させて得られるポリマーである。
(2)100〜500mgKOH/gの弱酸価を有する。
(3)2〜9mmol/gの(メタ)アクリロイル基濃度を有する。
(4)多官能(メタ)アクリレートモノマー(B)との溶解度パラメーターの差が−1〜1である。 - 感光性樹脂組成物(Q)の固形分の重量に基づく(メタ)アクリロイル基濃度が6〜12mmol/gである請求項1記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1または2記載の感光性樹脂組成物を硬化させて形成された液晶セル内のギャップ保持のために設けられたフォトスペーサ。
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