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JP4670254B2 - 有害な植物寄生性線虫防除方法 - Google Patents

有害な植物寄生性線虫防除方法 Download PDF

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Description

本発明は、有害な植物寄生性線虫防除方法等に関する。
有害な植物寄生性線虫とは、高等植物に栄養を依存しながら生育する線虫類を指し、これらは、人間生活にとって重要な農作物や園芸作物等に寄生する。その寄生範囲は極めて広く、高等植物の殆ど総てに渡るために、世界中で農業上重大な被害を与えている。
現在、農業分野における有害な植物寄生性線虫による被害の除去や抑制には、一般的には、クロロピクリン、メチルブロマイド、ダゾメット、アルディカーブ、オキサミル、ホスチアゼート等の化学農薬による防除方法が主として利用されている。しかし、これらの化学農薬だけでは、必ずしも十分な線虫防除が実施できない場合があり、線虫防除における化学農薬を補完でき、又は、代わり得るような他の効果的な線虫防除方法の開発が求められていた。
このような要望に応えるための一つの候補技術として、メチオニン等のアミノ酸が、有害な植物寄生性線虫による作物の被害を抑制することが知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
一方、他の一つの候補技術として、糸状菌であるミロテシウム・ベルカリア(Myrothecium verrucaria)ATCC 46474株を培養して得られる抗線虫活性を有する培養物が、有害な植物寄生性線虫に対して防除効果を示すことが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
米国特許第5,051,255号公報 Nematologica, Vol.17, pp.495-500 (1971)、植物防疫 第56巻 第5号 pp.22-25 (2001)
しかしながら、メチオニン等のアミノ酸だけの使用又は上記の培養物だけの使用では、上記の防除効力が必ずしも十分であるとは言えない場合があった。
本発明者らは、かかる状況のもと鋭意検討した結果、アミノ酸と、ミロテシウム・べルカリア(Myrothecium verrucaria)を培養して得られる抗線虫活性を有する培養物又はその等価物との組み合わせ使用が有害な植物寄生性線虫防除のために極めて有効な手段であることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、
1.アミノ酸と、ミロテシウム・べルカリア(Myrothecium verrucaria)を培養して得られる抗線虫活性を有する培養物又はその等価物との有効量を、保護すべき作物、有害な植物寄生性線虫又は有害な植物寄生性線虫の生息場所に施用することを特徴とする有害な植物寄生性線虫防除方法(以下、本発明方法と記すこともある。);
2.相乗効果量の(a synergistic effective amount of)
アミノ酸と、
ミロテシウム・べルカリア(Myrothecium verrucaria)を培養して得られる抗線虫活性を有する培養物又はその等価物とを、
保護すべき作物、有害な植物寄生性線虫又は有害な植物寄生性線虫の生息場所に施用することを特徴とする有害な植物寄生性線虫防除方法;
3.アミノ酸がメチオニンである前項1または2記載の方法;
4.アミノ酸が、1000m当たり、約0.05kg〜約50kg施用される前項1または2記載の方法;
5.ミロテシウム・べルカリア(Myrothecium verrucaria)が、ミロテシウム・べルカリア(Myrothecium verrucaria)ATCC 46474株である前項1または2記載の方法;
6.アミノ酸と、ミロテシウム・べルカリア(Myrothecium verrucaria)を培養して得られる抗線虫活性を有する培養物又はその等価物とを含有することを特徴とする有害な植物寄生性線虫防除剤(以下、本発明防除剤と記すこともある。);
7.相乗効果量の(a synergistic effective amount of)
アミノ酸と、ミロテシウム・べルカリア(Myrothecium verrucaria)を培養して得られる抗線虫活性を有する培養物又はその等価物とを
含有することを特徴とする有害な植物寄生性線虫防除剤;
8.アミノ酸がメチオニンである前項6または7記載の有害な植物寄生性線虫防除剤;
9.ミロテシウム・べルカリア(Myrothecium verrucaria)が、ミロテシウム・べルカリア(Myrothecium verrucaria)ATCC 46474株である前項6または7記載の有害な植物寄生性線虫防除剤;
10.有害な植物寄生性線虫防除のための、アミノ酸と、ミロテシウム・べルカリア(Myrothecium verrucaria)を培養して得られる抗線虫活性を有する培養物又はその等価物との組み合わせ使用;
11.有害な植物寄生性線虫防除のための、相乗効果量の、
アミノ酸と、ミロテシウム・べルカリア(Myrothecium verrucaria)を培養して得られる抗線虫活性を有する培養物又はその等価物との
組み合わせ使用;
12.アミノ酸が、メチオニン、アラニン、ロイシン、フェニルアラニン、バリン、アスパラギン酸、アミノ酪酸若しくはエチオニン、又はこれら全部若しくは一部の混合物である前項10または11記載の使用;
13.アミノ酸がメチオニンである前項10または11記載の使用;
等を提供するものである。
本発明は、線虫防除における化学農薬を補完でき、又は、代わりうるような効果的な線虫防除方法等を提供可能とする。
本発明において、有害な植物寄生性線虫防除のための有効成分として使用されるアミノ酸としては、例えば、メチオニン、アラニン、ロイシン、フェニルアラニン及びバリン、アスパラギン酸、アミノ酪酸のような天然アミノ酸、エチオニンのような人工アミノ酸、並びにこれら全部又は一部の混合物等をあげることができる。好ましくは、例えば、メチオニン、フェニルアラニン又はバリン等があげられる。
本発明における「ミロテシウム・べルカリア(Myrothecium verrucaria)を培養して得られる抗線虫活性を有する培養物」としては、例えば、ミロテシウム・ベルカリア(M. verrucaria)を、後述のような培養条件下において培養することにより得られる抗線虫活性を有する培養物(例えば、培養後の、菌糸体(mycelium)を含む全培地)等をあげることができる。また、本発明における「ミロテシウム・べルカリア(Myrothecium verrucaria)を培養して得られる抗線虫活性を有する培養物の等価物」としては、例えば、上記培養物の殺菌物、または該殺菌物からの抽出物、部分精製物もしくは精製物;或いは、上記培養物からの抽出物、部分精製物もしくは精製物、またはこれらの殺菌物があげられ、これらは抗線虫活性を有する。ここで、抽出に用いられる溶媒としては、例えば、アセトン、メタノール等をあげることができる。部分精製または精製は、遠心分離、ろ過、抽出等を含む通常の分画、精製の方法を適宜組合わせて行うことができる。殺菌の方法としては、加熱殺菌、ろ過殺菌、アルコール殺菌、ガス殺菌等の通常の方法があげられ、好ましくは加熱殺菌があげられる。
上記のような「ミロテシウム・べルカリア(Myrothecium verrucaria)を培養して得られる抗線虫活性を有する培養物又はその等価物」(以下、総じて本培養物と記すこともある。)の代表的な例として、ミロテシウム・ベルカリアATCC 46474株を培養して得られる本培養物(米国特許第5,051,255号参照)等をあげることができる。
ここで、「ミロテシウム・ベルカリア(Myrothecium verrucaria)」とは、例えば、下記の特徴を有する糸状菌である。
(1)糸状不完全菌網(Hyphomycetes)に属し、分生子殻(pycnidia)、分生子層(acervuli)を形成しない。
(2)分生子柄(conidiophore)は、無色、隔壁を有し、ガラス質である。
(3)分生子は紡錘状、単胞、暗オリーブ〜暗緑色、大きさは2.0μm〜3.0μm×7.0μm〜8.0μmである。
(4)生育はポテト−グルコース培地で、8℃〜40℃の温度で可能だが、最適温度は約25℃前後である。
(5)菌糸は無色で薄い隔壁を有し、大きさは約1.5μm×3.0μm程度である。
本発明で用いられるミロテシウム・ベルカリアの代表的な例としては、ミロテシウム・ベルカリア(Myrothecium verrucaria)ATCC 46474株をあげることができる。当該株は、American Type Culture Collection(Parklawn Drive 12301, Rockville, Md. USA.)の永久保存菌株コレクション(permanent culture collection)に、登録番号(accession number)ATCC46474にて登録されている。
本発明で用いられる本培養物は、例えば、下記のような方法により取得・調製することができる。
本培養物を得るためには、ミロテシウム・ベルカリア(Myrothecium verrucaria)ATCC 46474株等の糸状菌であるミロテシウム・ベルカリア(Myrothecium verrucaria)を栄養培地中で培養すればよい。
当該培養は、当該微生物の胞子又は特別に生育された接種源から開始させればよい。例えば、ポテト−デキストロース寒天培地等の初期生育培地上で生じた胞子を、フラスコ内の生育培地(種培養液)中に移植し、振とうしながら培養する。これにより、当該微生物の胞子発芽や初期生育を行う。尚、当該接種源として用いられる至適胞子濃度は、通常のルーチン的な予備試験等により、容易に決定することができる。
次いで、活性化された生育状態にある発芽した胞子は、栄養培地を含むファーメンターに、接種源として移植してもよい。尚、本培養物を得るための培養においては、通常、1−2%の接種量となる接種源を調製すればよい。ここで「ファーメンター」とは、特に限定されるものではなく、実験室レベルから大規模培養プロセスまでに適するような、振とう培養法、固体培養法、連続及び回分培養法等の各種の培養法において使用される装置を示すものである。
当該培養は、振とうフラスコ又は静置発酵槽の中で行うことができる。
振とうフラスコを用いる場合には、空気供給は、空気を培地に混ぜ込むようなフラスコの攪拌により行われる。当該フラスコを攪拌するためには、広い範囲の振とう培養装置を用いることが可能である。当該プロセスにおいては、一般的に、ロータリー振とう装置又は往復振とう装置等が挙げられる。当該フラスコが約100〜500rpm、好ましくは約200〜250rpmでかつ約50mmの円軌道で回転するようなロータリー振とう装置の使用が望ましい。培養物は、通常、エルレンマイヤーフラスコ等のようなフラスコの内側に沿って円滑に移動する。
静置発酵槽を用いる場合には、空気供給は、培養混合物の中へのディスクタービン、翼ディスク、オープンタービン又はマリンプロペラのような推進手段による空気や酸素の吹き込みにより行われる。
当該微生物の培養に用いられる栄養培地は、当該微生物が増殖するものであれば特に限定されるものではなく、微生物培養に通常使用される炭素源、窒素源、無機塩及び当該微生物により同化されるような生育因子等を適宜含む培地が用いられる。
培地に用いられる好ましい炭素源としては、例えば、デキストロース、グルコース、ラクトース及びマルトース等の糖類や、デンプン、デキストリン、コーンミール及びにグリセロール等を挙げることができる。
培地に用いられる窒素源としては、有機窒素源、無機窒素源又はそれらの混合物等を挙げることができる。具体的には、培地に用いられる窒素源としては、例えば、大豆粉、コーン・スティープ・リカー(Corn Steep Liquor)、ピーナッツミール、綿実粉、コットンジャームミール(Corn Germ Meal)や、各種のアンモニウム塩等が挙げられる。
さらにミネラルや生育因子等を培地中に添加することが有益である。例えば、ディスティラーズ可溶物(distillers' solubles)、 コーン・スティープ・リカー(Corn Steep Liquor)、フィッシュミール、酵母製品、 ペプトン化ミルク及び乳漿のような粗培地有効成分(Crude medium ingredients)は、ミネラルだけではなく生育因子をも含んでいる。
液体培地に用いられる無機塩としては、例えば、リン酸カリウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、炭酸カルシウム、塩化コバルト、硫酸マグネシウム及び硫酸亜鉛等の無機塩を培地に添加することもできる。尚、炭酸カルシウムのような固形物は、当該プロセス(培養)におけるpH調節を助けるために、好ましく添加される。
本培養物を得るための培養時間としては、約4日間〜約7日間を好ましく挙げることができる。より好ましくは5日間が挙げられる。培養温度としては、約20〜40℃を挙げることができる。好ましくは、約25℃〜約30℃であり、最も好ましくは約25℃が挙げられる。培地pHとしては、約4〜約10を挙げることができる。好ましくは、約5〜約8であり、最も好ましくは中性pHが挙げられる。
本培養物の回収は、当該分野において通常用いられる方法により行えばよい。
このようにして調製された本培養物をアセトン等の適切な溶媒を用いて抗線虫活性成分を抽出することにより、等価物としての本培養物を調製することもできる。さらにまた、このような本培養物を凍結乾燥した後、これを粉末状態にすることにより、粉体としての本培養物を調製することもできる。また、商業的に製造された本培養物を購入し、これを用いてもよい。例えば、商品名:DiTera(Valent Biosciences Corporation 社製)等の本培養物の製品が知られているが、これらに限定されるものではない。
本発明において防除対象となりうる有害な植物寄生性線虫としては、例えば、下記に示すものがあげられる。
サツマイモネコブセンチュウ(Meloidogyne incognita)、ジャワネコブセンチュウ(Meloidogyne javanica)、キタネコブセンチュウ(Meloidogyne hapla)、アレナリアネコブセンチュウ(Meloidogyne arenaria)等のMeloidogyne属線虫類、イモグサレセンチュウ(Ditylelenchus destructor)、ナミクキセンチュウ(Ditylelenchus dipsaci)等のDitylelenchus属線虫類、キタネグサレセンチュウ(Pratylenchus penetrans)、キクネグサレセンチュウ(Pratylenchus fallax)、ミナミネグサレセンチュウ(Pratylenchus cffeae)、クルミネグサレセンチュウ(Pratylenchus vulnus)等のPratylenchus属線虫類、ジャガイモシストセンチュウ(Globodera rostochiensis)、ジャガイモシロシストセンチュウ(Globodera pallida)等のGlobodera属線虫類、ダイズシストセンチュウ(Heterodera glycines)、テンサイシストセンチュウ(Heterodera shachtoii)等のHeterodera属線虫類、ニセネグサレセンチュウ(Aphelenchus avenae)等のAphelenchus属線虫類、ミカンネモグリセンチュウ(Radopholus similis)等のRadopholus属線虫類等があげられるが、これらに限定されるものではない。
本発明方法は、特に限定されるものではないが、トマト、チョウセンアザミ、キクイモ、ナス、バナナ、大麦、ビート食用根、カカオ、ニンジン、キャサバ、セロリ、ヒヨコマメ、柑橘類、ココナッツ、コーヒー、トウモロコシ、棉、ササゲ、野豆(field bean)、飼い葉、ブドウ、ガバ(guava)、メロン、アワ、オート麦、オクラ、鑑賞用植物、パパイヤ、落花生、胡椒、キマメ、パイナップル、ジャガイモ、米、ライ麦、モロコシ、大豆、テンサイ、サトウキビ、ピーマン、サツマイモ、茶、タバコ、各種のレタス類、小麦及びヤムイモ等の各種の異なる植物や果実における多様な農業上での適用のための線虫防除に用いることができる。
また、例えば、カーネーション、バラの木、ガーベラ、キク、鉢植えの草花、 ビードロカズラ(philodendrons)、イチジク、ポトス(pothos)、チトセラン(sansevierias)及びサボテン等の栽培花も本発明により保護することができる。尚、栽培草木の例は、全ての観賞用や開花低木を含むであろう。
本発明は、アミノ酸と、ミロテシウム・べルカリア(Myrothecium verrucaria)を培養して得られる抗線虫活性を有する培養物又はその等価物(即ち、本培養物)との組み合わせ使用が特徴である。その組み合わせの混合割合又は併用割合としては、例えば、抗線虫活性について相乗効果を生ずる割合であって、具体的には、本培養物100gに対して、アミノ酸約10g〜約200kg程度、好ましくは、約20g〜4kg程度の割合をあげることができる。
本発明方法においては、アミノ酸と、ミロテシウム・べルカリア(Myrothecium verrucaria)を培養して得られる抗線虫活性を有する培養物又はその等価物とを同時に施用してもよいし、アミノ酸とミロテシウム・べルカリア(Myrothecium verrucaria)を培養して得られる抗線虫活性を有する培養物又はその等価物とを含む製剤を予め調製しておき、これを施用してもよい。
本発明防除剤は、アミノ酸と、ミロテシウム・べルカリア(Myrothecium verrucaria)を培養して得られる抗線虫活性を有する培養物又はその等価(即ち、本培養物)との混合物そのものであってもよいが、通常、さらに固体担体又は液体担体を混合し、必要により界面活性剤、その他の製剤用補助剤等を添加することにより、油剤、乳剤、水和剤、顆粒水和剤、フロアブル剤(水中懸濁剤、水中乳濁剤等)、粉剤、粒剤、マイクロカプセル剤等に製剤化される。
これらの製剤には、アミノ酸と本培養物とを、これら両者の合計量として、通常、0.01重量%〜99重量%程度、好ましくは5重量%〜95重量%程度含有する。アミノ酸と本培養物との混合割合としては、例えば、抗線虫活性について相乗効果を生ずる割合であって、具体的には、本培養物10重量部に対して、アミノ酸約1重量部〜約20000重量部程度、好ましくは、約2重量部〜400重量部程度の割合をあげることができる。
製剤化の際に用いられる固体坦体としては、例えば、粘土類(カオリンクレー、珪藻土、ベントナイト、フバサミクレー、酸性白土等)、合成含水酸化珪素、タルク、セラミック、その他の無機鉱物(セリサイト、石英、硫黄、活性炭、炭酸カルシウム、水和シリカ等)、化学肥料(硫安、燐安、硝安、尿素、塩安等)等の微粉末及び粒状物をあげることができる。
液体坦体としては、例えば、水、アルコール類(メタノール、エタノール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルナフタレン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、シクロヘキサン、灯油、軽油等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、ニトリル類(アセトニトリル、イソブチロニトリル等)、エーテル類(ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン等)、酸アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、トリクロロエタン、四塩化炭素等)、ジメチルスルホキシド及び植物油(大豆油、綿実油等)等があげられる。
界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルアリールエーテル類及びそのポリオキシエチレン化合物、ポリエチレングリコールエーテル類、多価アルコールエステル類並びに糖アルコール誘導体等をあげることができる。
その他の製剤用補助剤としては、例えば、固着剤、分散剤及び安定剤等、具体的には、カゼイン、ゼラチン、多糖類(澱粉、アラビアガム、セルロース誘導体、アルギン酸等)、リグニン誘導体、ベントナイト、糖類、合成水溶性高分子(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸類等)、PAP(酸性リン酸イソプロピル)、BHT(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、BHA(2−tert−ブチル−4−メトキシフェノールと3−tert−ブチル−4−メトキシフェノールとの混合物)、鉱物油、脂肪酸及び脂肪酸エステル等があげられる。
本発明防除剤は、その製剤形態によっては、アミノ酸を予め製剤化したものと、本培養物を予め製剤化したものとを混合することにより調製してもよく、また、両者を施用時に混用又は併用することもできる。
本発明では、例えば、有害な植物寄生性線虫防除のための有効成分の有効量又は施用量は、1000m当たりアミノ酸の有効量又は施用量として、通常、約0.05kg〜約50kg程度である。尚、有害な植物寄生性線虫防除のための有効成分を粒剤、粉剤等のまま施用する場合には、通常、上記の有効量又は施用量となるようにそのまま施用すればよい。また、有害な植物寄生性線虫防除のための有効成分を乳剤、水和剤、顆粒水和剤、フロアブル剤等を水に希釈して施用する場合でも、上記の有効量又は施用量となるように水で希釈して施用すればよい。
本発明では、例えば、本発明製剤を、保護すべき作物、有害な植物寄生性線虫又は有害な植物寄生性線虫の生息場所(例えば、有害な植物寄生性線虫の生息又は侵入が予想される土壌)に施用することにより、有害な植物寄生性線虫を防除することができる。
上記の有効量又は施用量は、いずれも製剤の種類、施用時期、施用場所、施用方法、害虫の種類、被害程度等の状況によって異なり、上記の範囲に関わることなく増減して適宜選択することができる。
以下、本発明を参考例、製剤例及び試験例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。尚、製剤例中、部は重量部を表す。
参考例
ミロテシウム・ベルカリアATCC 46474株を、滅菌されたポテト−デキストロース液体培地に接種し、これを25℃にて3〜4週間培養することにより、本培養への接種源を調製する。調製された接種源0.1mlを、滅菌された液体培地(培地組成:グルコース2g、可溶性スターチ15g、酵母エキス2g、硫酸マグネシウム水和物0.3g、炭酸カルシウム1g、ネオペプトン5g、蒸留水1000ml、pH7.0)100mlに接種し、これを25℃、5日間振とう培養する。培養後、得られた培養物をオートクレーブ(120℃、1.2気圧、20分間)にて殺菌処理することにより、本培養物を調製する。
製剤例1
メチオニン15部と、上記参考例に準じてミロテシウム・ベルカリアATCC 46474菌株を培養して得られる培養物を加熱殺菌することにより得られた調製物5部との両者を、綿実油20部及びN,N−ジメチルホルムアミド20部に混合攪拌し、これにポリエチレングリコール10部及びドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム10部を加え、よく攪拌混合懸濁して、乳剤を得る。
製剤例2
メチオニン60部と、上記参考例に準じてミロテシウム・ベルカリアATCC 46474菌株を培養して得られる培養物を加熱殺菌することにより得られた調製物10部との両者を、ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末12部及び珪藻土12部を混合した中に加え、よく攪拌混合して水和剤を得る。
製剤例3
メチオニン15部、上記参考例に準じてミロテシウム・ベルカリアATCC 46474菌株を培養して得られる培養物を加熱殺菌することにより得られた調製物5部、合成含水酸化珪素微粉末5部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5部、ベントナイト30部及びクレー40部の全てをよく攪拌混合し、次いでこれらの混合物に適当量の水を加え、さらに攪拌し、増粒機で製粒し、通風乾燥して粒剤を得る。
試験例1
メチオニン(住友化学工業社製、以下、成分A剤と記すこともある。)と、市販される本培養物(ミロテシウム・ベルカリアATCC46474菌株を培養して得られる培養物を殺菌することにより得られた調製物90重量%を含む顆粒水和製剤、商品名:DiTera DF、Valent Biosciences Corporation 社製、以下、成分B剤と記すこともある。)との両者を、水100mlに対して所定の濃度になるよう希釈することにより、各試験用薬液を調製した。
サツマイモネコブセンチュウ(Meloidogyne incognita)が甚発生した線虫汚染土壌5kg(線虫密度:2255頭/20g(調査方法:ベルマン法))に、所定濃度に希釈された各試験用薬液(100ml)を施用した後、当該土壌をよく混和した。混和された各試験用薬液施用土壌500gを穴空きプラスチックカップ(860ml、直径約10cm、高さ約11cm)に入れ、これにキュウリ苗(播種14日後)を移植した(2株/カップ、5反復)。移植後は、ガラス温室内で当該植物を育苗した。
移植50日後、育苗された植物の根を水で洗浄してから、当該根におけるネコブ着生程度を観察することにより、植物10株当たりの平均ネコブ着生程度を算出した。結果を表1に示した。成分A剤と成分B剤とを組み合わせ使用した場合(本発明区)、成分A剤または成分B剤を単剤で使用した場合(比較例区)と比較して、ネコブ着生程度において相乗効果が認められた。尚、ネコブ着生程度は下記のように判定した。

5:線虫の寄生により植物が枯死している。
4:多数のコブが根全体に認められ、連なった大きなコブを形成している。
3:コブの形成が根全体に認められ、一部に大きなコブを形成している。
2:コブの形成が一部に認められ、連なったコブもあるが、大きなコブは無い。1:コブの形成が僅かに認められる。
0:コブの形成は全く認められない。
Figure 0004670254

2.3
試験例2
成分A剤と成分B剤とを、水100mlに対して所定の濃度になるよう希釈することにより、各試験用薬液を調製した。
サツマイモネコブセンチュウ(Meloidogyne incognita)汚染土壌3kgに、所定濃度に希釈された各試験用薬液(100ml)を施用した後、当該土壌をよく混和した。混和された各試験用薬液施用土壌500gを穴空きプラスチックカップ(860ml、直径約10cm、高さ約11cm)に入れ、これにキュウリ苗(播種14日後)を移植した(2株/カップ、6反復)。移植後は、ガラス温室内で当該植物を育苗した。
移植32日後、育苗された植物の根を水で洗浄してから、1株当りの当該根におけるゴール数を観察することにより防除価を算出した。結果を表に示した。尚、防除価は下記の計算式にて算出した。
防除価=(C−S)×100/C
C:無処理区における1株当りの平均ゴール数
S:処理区における1株当りの平均ゴール数
Figure 0004670254
本発明は、線虫防除における化学農薬を補完でき、又は、代わりうるような効果的な線虫防除方法等を提供可能とする。

Claims (4)

  1. メチオニンと、ミロテシウム・べルカリア(Myrothecium verrucaria)を培養して得られる抗線虫活性(nematocidal activity)を有する培養物;該培養物の殺菌物、または該殺菌物からの抽出物、部分精製物もしくは精製物;或いは該培養物からの抽出物、部分精製物もしくは精製物、またはこれらの殺菌物との有効量を、保護すべき作物、有害な植物寄生性線虫又は有害な植物寄生性線虫の生息場所に施用することを特徴とする有害な植物寄生性線虫(plant parasitic nematodes)防除方法。
  2. ミロテシウム・べルカリア(Myrothecium verrucaria)が、ミロテシウム・べルカリア(Myrothecium verrucaria)ATCC 46474株である請求項1記載の方法。
  3. メチオニンと、ミロテシウム・べルカリア(Myrothecium verrucaria)を培養して得られる抗線虫活性(nematocidal activity)を有する培養物;該培養物の殺菌物、または該殺菌物からの抽出物、部分精製物もしくは精製物;或いは該培養物からの抽出物、部分精製物もしくは精製物、またはこれらの殺菌物とを含有することを特徴とする有害な植物寄生性線虫防除剤。
  4. ミロテシウム・べルカリア(Myrothecium verrucaria)が、ミロテシウム・べルカリア(Myrothecium verrucaria)ATCC 46474株である請求項3記載の有害な植物寄生性線虫防除剤。
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