JP4667741B2 - 誘導電動機の制御装置 - Google Patents
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Description
以下、この発明の実施の形態1を図に基づいて説明する。
図1は、実施の形態1における誘導電動機の制御装置100を示すブロック図であり、誘導電動機1、電力変換手段2、電圧指令値演算手段3、磁束指令値演算手段4、速度検知手段5、シーケンス管理手段6、トルク指令値演算手段7で構成されている。
まず誘導電動機1のトルク制御方法について説明する。磁束指令値演算手段4、トルク指令値演算手段7は、誘導電動機1を制御するための所望の磁束指令値Φr_ref、トルク指令値τ_refを電圧指令値演算手段3に出力する。また、速度検知手段5は誘導電動機1の回転速度wrを検知し、これも電圧指令値演算手段3に出力される。以下、この発明の実施の形態では機械角回転速度に誘導電動機の極対数をかけた電気角回転速度を回転速度wrと表記する。
なお、次に誘導電動機1の制御法、すなわち電圧指令値演算手段3の動作ついて説明する前に、この発明の説明で用いる表記について以下に整理しておく。
誘導電動機の状態量の表記
dq軸:誘導電動機の磁束ベクトルに同期して回転する直交2軸座標系
Φd,Φq:d軸磁束 およびq軸磁束(通常、d軸を磁束ベクトルに一致させるためΦq=0)
id,iq:d軸電流およびq軸電流
vd,vq:d軸電圧およびq軸電圧
vu,vv,vw:三相におけるu相電圧、v相電圧、w相電圧
wr:電気角回転速度
w:磁束ベクトルの回転周波数
ws:すべり(w−wr)
θ:固定軸からみたd軸位相角(ベクトル制御の基準位相角)
誘導機定数の表記
Rs:一次抵抗値
Ls:一次インダクタンス値
Rr:二次抵抗値
Lr:二次インダクタンス値
M:相互インダクタンス値
σ:漏れ係数(1−M2/Ls/Lr)
磁束指令値Φr_ref、トルク指令値τ_refからすべり周波数指令ws_refを算出すると同時に、誘導電動機1の磁束に同期して回転するdq座標系を利用して電圧や電流を直流量として捉え、磁束分電流指令値ids_ref、トルク分電流指令値iqs_refを一度算出する。これら磁束分電流指令値ids_ref、トルク分電流指令値iqs_refに基づいてd軸電圧指令値vd_ref、q軸電圧指令値vq_refを算出し、さらに電圧指令値の振幅値と位相角に変換し、最終的にはvd_ref、vq_refを固定子座標上の3相交流の電圧指令値Vu_ref、Vv_ref、Vw_refへと座標変換することで、三相交流の電圧指令値を算出する。
こうして得られた三相交流の電圧指令値が、電力変換手段2へと出力される。電力変換手段2は、具体的には電圧指令値に基づいてPWM変調をおこなってゲート駆動信号を出力し、そのゲート信号にもとづいていわゆるインバータの主回路をスイッチング動作させることで、PWM三相電圧を誘導電動機1に出力し、これを駆動する。
通常の運転中にシーケンス管理手段6から、ゲートオフ信号が出力されると、電力変換手段2はゲート遮断し、これに応じて誘導電動機1への電流の供給が停止する。しかし、誘導電動機1には磁束が残留しており、これに起因する残留電圧が端子間に発生していることは既に述べたとおりである。
具体的には、dq軸座標でみた二次磁束(d軸成分)Φdrは以下の式1のように振舞う(通常、二次磁束ベクトルをd軸に採用するため、q軸成分Φqrは0である)。
式1は、誘導電動機の二次側回路の特性を示す、以下の式2、3において、ゲート遮断の瞬間からd軸電流id、q軸電流iqとも電流が0になることから導出できる。
さらに、ゲート遮断中にもベクトル制御の基準座標軸を維持すべく、d軸が固定子座標基準軸(例えばuvwの三相のうちu相)から成す角θの演算をそのまま続行する。ただし、ここで実際のd軸と電圧制御手段で管理するd軸に誤差がでないよう、ゲート遮断中には実際のすべりすなわち磁束の回転周波数と回転子の電気角回転周波数の差が0であることを勘案して、すべり指令ws_refを0として以下の式5でθを演算する。なお、トルク指令値演算手段からトルク指令値τ_ref=0を出力するようにしても間接的にすべり指令ws_ref=0とする演算が可能であることは言うまでもない。
電力供給を休止しているゲート遮断期間中に、シーケンス管理手段6からゲートオン信号が出力されると、誘導電動機の磁束制御、トルク制御を再開する。磁束指令値演算手段4では、所望の目標値まで磁束指令値Φdr_refを立ち上げるが、そのときの初期値として、ゲート遮断中に演算するΦdr_ref_onのゲート遮断期間の終端における値を採用し、磁束指令値Φdr_refの演算出力を開始する。同様に、ゲート遮断中に演算を続行して得ていたd軸位相角θについても、そのままリセットすることなく前記式5の積分動作を続行し、トルク指令τ_refの立ち上がりに応じたすべり指令ws_refを反映させながら、通常のベクトル制御位相角の演算とする。このように電力供給再開時の磁束指令値Φdr_ref、d軸位相角θに基づいて電圧指令演算手段3において電圧指令値を演算することで、ゲート遮断中の誘起電圧値に等しい初期電圧値から滑らかに再起動に向けた電圧指令値演算に移行できる。すなわち、この状態でゲートオン信号に同期して電力変換手段2のPWM変調動作を再開することによって、電流のショック、トルクのショックを発生させることなく、誘導電動機1の再起動が可能になる。
電力変換手段2の運転を再開し誘導電動機1への電力供給を再開するにあたって、磁束指令値の初期値として、上記運転再開用磁束指令値をセットしてから、磁束指令値の大きさを所望の値まで増加させることによって、残留磁束を考慮した磁束立ち上げ制御が可能となり、電力供給の停止期間に依らず、安定した電流制御、トルク制御を、電圧検出器を用いることなく実施できる。
次に実施の形態2を図に基づいて説明する。
図3は、実施の形態2における誘導電動機の制御装置100を示すもので、前記図1に示した実施の形態1の構成に対して、飽和特性テーブル40を付加したものである。
誘導電動機1のインダクタンス値は、磁束の大きさによって変化する。具体的には、磁束分電流であるd軸電流idsと二次磁束Φdrの関係は線形ではなく、idsを大きくしていくとΦdrは飽和する特性を持っており、idsやΦdrが大きいほど、誘導電動機1の相互インダクタンスM、一次側インダクタンスLs、二次側インダクタンスLrは小さくなる特性をもつ。
上記に起因して、式1における一次遅れ特性に関する定数であるRr/Lrは、二次磁束Φdrの大きさに応じて変化することになる。例えば、磁束指令値演算手段4における二次インダクタンス値Lr*として、定格磁束における二次インダクタンス値Lr_100が固定値として設定されている場合、ゲート遮断期間における磁束の大きさの低下に伴い、実際の二次インダクタンスLrがLr_100、Lr*より相対的に増加していくため、真の磁束を表す式1と、磁束指令値演算手段4の演算内容である式4の出力結果との間は、厳密には図4のような差が生じることになる。このまま、式4のΦdr_ref_onの演算結果を用いて磁束立ち上げシーケンスに入ると、運転再開用磁束指令値と実際の磁束の差に起因した制御誤差から、電流やトルクのショックが発生する。
そこでこの実施の形態2では、実際の磁束の大きさΦdrと実際の二次インダクタンスLrの間にある飽和特性を記録した飽和特性テーブル40を設け、刻々と変化するΦdr_refの大きさと、飽和特性テーブル40とから二次インダクタンス設定値Lr*を求め、磁束指令値演算手段4における式4の演算中のLr*として反映させるようにする。こうすることによって、実際の磁束の挙動を記述する式1におけるΦdrと、磁束指令値演算手段4における運転再開用磁束指令値Φdr_ref_onとが精度良く一致することになり、ゲートオン時、すなわち電力供給開始時の電流ショック、トルクショックを一層抑制することが可能となる。
実際の残留磁束の挙動とより精度良く一致する運転再開用磁束指令値を演算することが可能となるため、残留磁束を考慮した磁束立ち上げ制御がよりスムーズになり、電流ショック、トルクショックをさらに低減できる効果が得られる。
前記二次抵抗値検知手段としては、誘導電動機1の回転子の温度を計測して二次抵抗R2の対温度特性を記録したテーブルから実際のRrを求める手法や、温度計を用いずにRrを求める手法などが既に知られており、これらを組み合わせることによって式4の運転再開用磁束指令値Φdr_ref_onの演算精度を改善できる。
次に実施の形態3を図に基づいて説明する。
図5は、実施の形態3における誘導電動機の制御装置100を示すもので、前記図1に示した実施の形態1の構成に対して、磁束指令値変化率リミッタ41を付加したものである。図2で説明したように、ゲートオン時には運転再開用磁束指令値Φdr_ref_onを初期値として磁束指令値
Φdr_refを目標値まで増加させるが、磁束指令値変化率リミッタ41は、このときの変化率を制限して電圧指令値演算手段3に出力するものである。これによってゲートオンから磁束指令値Φdr_refが目標値に達するまでの間に生じる電流ショックやトルクショックを一層低減できることを以下で説明する。
誘導電動機の二次側回路の特性を示す式2、3のうち、二次磁束Φdrの大きさに関する式2に対し移項操作したものを以下の式6に示す。
次に誘導電動機1の一次側回路の電圧方程式は以下の式7とおりである。式2、3と同様に、二次磁束ベクトルをd軸とした回転座標上での表記である。
ここで前記q軸の式に注目すると、d軸からの干渉項として(w・σLs・ids)が存在することが分かる。すなわち、磁束の変化率が大きいときには、式6に従って大きなd軸電流idsが発生し、かつq軸電圧に対する干渉電圧(w・σLs・ids)が発生すると言える。電圧指令値演算手段3において、干渉電圧を正確に指令値に反映させる、すなわち正確にd軸位相角θを制御した上で正確に非干渉化制御ができれば、上記干渉電圧が電流の過渡応答に外乱となることはないが、実際には過渡的にθが実際の二次磁束ベクトルからずれた値となったり、電圧指令値演算手段における漏れインダクタンスの設定値が実際のσLsに対して誤差を有すること等によって、完全な非干渉化は困難である。その結果、q軸電圧に対する干渉電圧(w・σLs・ids)が外乱として急激に発生する場合、過渡的にq軸電流が発生することになり、磁束との積で過渡的なトルクが発生することになる。
そこで、磁束指令値発生手段4の出力に磁束指令値変化率リミッタ41を設け、磁束指令値の変化率を制限する。これによって、ゲートオンの後、磁束指令値を目標値まで増加させるときに発生する電流ショックやトルクショックを低減することができる。
以上、図5のように、前記実施の形態1に示した図1の構成に対して、磁束指令値の変化率を制限する磁束指令値変化率リミッタ41を設けることによって、前記実施の形態1における効果に加え、
d軸電流idsが過渡的に大きくなることを抑制し、同時にq軸への過渡的な外乱電圧の発生や過渡的なq軸電流制御誤差、トルク制御誤差を抑制することが可能となるため、再起動時の電流ショック、トルクショックをさらに低減できる。
次に実施の形態4を図に基づいて説明する。
図6は、実施の形態4における誘導電動機の制御装置100を示すもので、構成要素1〜7は実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。この実施の形態4は、磁束推定手段9を設ける制御装置の構成において、その出力である磁束推定値に基づいて、ゲートオン時の磁束制御を行うことを特徴とする。以下、その動作について説明する。
まず電流検出手段8は、誘導電動機1の一次側回路に流れる電流を検出する。このように電流検出手段8を設置する場合には、検出された電流を電圧指令値演算手段3にフイードバックし、電流指令値との差に基づいて電圧指令値を調節するいわゆる電流ループを構成すると電流の制御応答や制御精度が向上し、ひいてはトルク制御精度が向上することは、電動機制御における一般的技術として良く知られているとおりである。
磁束推定手段9は、速度検知手段5で得られる誘導電動機1の回転速度、電流検知手段8で得られる電流値、そして電圧指令値演算手段3の出力である電圧指令値に基づいて、誘導電動機1の磁束を推定する。磁束推定手段9の構成例としては例えば電気学会産業応用部門論文誌121巻8号(2001年)金原他;「抵抗変動にロバストな最適オブザーバを用いた誘導電動機のベクトル制御法」に示されている。その演算式を以下に引用する。
ここで、ゲートオフ、ゲートオンに伴う磁束推定手段9の動作について説明する。
電力変換手段2、誘導電動機1に電力が供給されている期間、すなわち所望のPWM動作により電圧が誘導電動機1に出力されている期間には、誘導電動機1の一次側端子電圧は、ほぼ電圧指令値演算手段3の出力に等しい。したがって、磁束推定手段9に必要な一次側端子電圧の信号として、電圧指令値を代用することで、電圧を検知するハードウェアを省略してコストを抑制しつつ、磁束推定を行うことが可能である。当然、大きさの情報だけでなく、二次磁束の位相角の情報も推定できるため、d軸位相角θの演算も可能であり、ベクトル制御のための座標変換操作が可能である。
一方、電力変換手段2、誘導電動機1に電力が供給されていない期間、ゲート遮断期間中には、誘導電動機1の一次側端子電圧と電圧指令値演算手段3の出力とは必ずしも一致しない。従って、上記のように電圧指令値で代用する方法で磁束推定手段9の入力に用いると、磁束推定手段9の出力である磁束推定値の精度は著しく低下してしまう。そこで、ゲート遮断期間中には、一次側端子電圧を用いない磁束推定演算手法に切り替える。前記文献における例では、フィードバックゲインHを以下の式9のH_offに置き換えることで、二次磁束Φdr、Φqrの推定演算については実施の形態1の説明に用いた式2、3と等価になり、電圧値を用いない磁束推定演算形式とすることができる。
なお、ゲート遮断期間中は、誘導電動機1の端子が開放されることとほぼ等価であり、原則として一次電流ids、iqsは共に0となる。結局、式12のH_offを用いて式9、10をゲート遮断期間中に演算することは、ゲートオフ時点の磁束推定値と回転速度wrと誘導機の回路定数のみに基づいた演算である。従って、0を積算する演算を省略した簡易な演算式に切り替えても同様の磁束推定演算が可能であり、切り替え項目の省略によるシーケンス簡易化とのバランスを考慮して磁束推定手段9に実装すれば良い。
以上のようにして、電力供給期間、ゲート遮断期間にかかわらず、二次磁束の推定演算、およびd軸位相角θの演算が可能である。従って、ゲートオン時には、その時点における磁束推定値Φdrを運転再開用磁束指令値として、磁束指令値演算手段4のΦdr_refの初期値に設定すれば、電圧指令値演算手段3は残留磁束を考慮した電圧指令値を出力することができ、この状態から電力変換手段2の動作を再開すれば、電流ショック、トルクショックを発生させることなく安定に誘導電動機1、電力変換手段2の運転を再開できる。その後、所望の目標値まで磁束指令値Φdr_refを増加させるようにすれば、所望の運転状態に移行することができる。
電力変換手段2の運転を再開し誘導電動機1への電力供給を再開するにあたって、磁束指令値の初期値として、上記運転再開用磁束指令値をセットしてから、磁束指令値の大きさを所望の値まで増加させることによって、残留磁束を考慮した磁束立ち上げ制御が可能となり、電力供給の停止期間に依らず、安定した電流制御、トルク制御を、電圧検出器を用いることなく実施できる効果が得られる。
4 磁束指令値演算手段、5 速度検知手段、7 トルク指令値演算手段、
8 電流検出手段、9 磁束推定手段、40 飽和特性テーブル、
41 磁束指令値変化率リミッタ、100 誘導電動機の制御装置。
Claims (4)
- 誘導電動機の制御装置であって、
電力変換手段と速度検知手段と電圧指令値演算手段と磁束指令値演算手段と磁束指令値変化率リミッタとトルク指令値演算手段とを備え、
前記電力変換手段は、前記誘導電動機に給電するものであり、前記速度検知手段は、前記誘導電動機の回転速度を検知するものであり、
前記磁束指令値演算手段は、前記誘導電動機を制御するための所望の磁束指令値を演算して、前記電圧指令値演算手段に出力するものであり、
前記トルク指令値演算手段は、前記誘導電動機を制御するための所望のトルク指令値を前記電圧指令値演算手段に出力するものであり、
前記電圧指令値演算手段は、前記磁束指令値および前記トルク指令値から磁束分電流指令値およびトルク分電流指令値を算出し、前記磁束分電流指令値および前記トルク分電流指令値に基づいて前記電力変換手段への電圧指令値を演算、出力するものであり、
前記電力変換手段が運転を停止し前記誘導電動機への給電を停止している期間に、
前記磁束指令値演算手段は前記誘導電動機の回転速度と回路定数と給電停止時の磁束指令値とに基づいて、給電再開時の磁束指令値の演算を続行して前記磁束指令値変化率リミッタに出力し、
前記磁束指令値変化率リミッタは、前記磁束指令値演算手段が出力する給電再開時の磁束指令値の変化率を制限するものであり、前記誘導電動機への給電再開時、前記磁束指令値変化率リミッタは磁束指令値の変化率を制御して前記電圧指令値演算手段に出力し、
前記電圧指令値演算手段は、前記電力変換手段の運転停止中にも前記トルク指令値および前記速度検知手段が出力する回転速度に基づき、電圧指令値の基準位相角の演算を連続して実行するとともに、前記給電再開時の磁束指令値と前記基準位相角とに基づき演算することにより給電再開時の電圧指令値を取得し、この電圧指令値を前記誘導電動機への給電再開時の、前記電力変換手段への電圧指令値の初期値としてセットし、その後所望の値まで電圧指令値の振幅を増加させるよう出力することを特徴とする誘導電動機の制御装置。 - 前記誘導電動機の制御装置には、さらに加えて前記磁束指令値演算手段に付属して飽和特性テーブルが設けられており、前記飽和特性テーブルは、前記誘導電動機の磁束とインダクタンスとの間の飽和特性を記録したものであり、
前記磁束指令値演算手段が給電再開時の磁束指令値を演算する際、前記飽和特性テーブルを前記演算に反映させることを特徴とする請求項1に記載の誘導電動機の制御装置。 - 前記誘導電動機の制御装置には、さらに加えて抵抗値検出手段が設けられており、
前記抵抗値検出手段は2次側巻線回路の温度変化に伴う抵抗値を推定して前記磁束指令値演算手段に出力するものであり、前記磁束指令値演算手段は、前記推定抵抗値を給電再開時の磁束指令値を演算する際の回路定数に反映させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の誘導電動機の制御装置。 - 誘導電動機の制御装置であって、
電力変換手段と速度検知手段と電流検出手段と電圧指令値演算手段と磁束指令値演算手段と磁束推定手段および磁束指令値変化率リミッタとを備え、
前記電力変換手段は、前記誘導電動機に給電するものであり、前記速度検知手段は、前記誘導電動機の回転速度を検知するものであり、
前記電流検出手段は前記誘導電動機の1次側回路電流を検出するとともに、前記電圧指令値演算手段にフィードバックするものであり、
前記磁束指令値演算手段は、前記誘導電動機を制御するための所望の磁束指令値を演算して、前記磁束指令値変化率リミッタに出力し、
前記電圧指令値演算手段は、前記磁束指令値およびトルク指令値から磁束分電流指令値およびトルク分電流指令値を算出し、前記磁束分電流指令値および前記トルク分電流指令値に基づいて前記電力変換手段への電圧指令値を演算、出力するとともに、電圧指令値の基準位相角を演算するものであり、
前記磁束指令値変化率リミッタは、前記磁束指令値演算手段が出力する給電再開時の磁束指令値の変化率を制限するものであり、前記誘導電動機への給電再開時、前記磁束指令値変化率リミッタは磁束指令値の変化率を制御して前記電圧指令値演算手段に出力し、前記磁束推定手段は、前記誘導電動機を制御するための磁束推定値を演算して、前記電圧指令値演算手段および前記磁束指令値演算手段に出力するものであり、
前記電力変換手段が運転を停止し前記誘導電動機への給電を停止している期間に、
前記磁束指令値演算手段は前記誘導電動機の回転速度と回路定数と給電停止時の磁束推定値とに基づいて、給電再開時の磁束指令値の演算を続行して前記電圧指令値演算手段に出力し、
前記電圧指令値演算手段は、前記電力変換手段の運転停止中にも前記速度検知手段が出力する回転速度に基づき、電圧指令値の基準位相角の演算を連続して実行するとともに、前記給電再開時の磁束指令値と前記基準位相角とに基づき演算することにより給電再開時の電圧指令値を取得し、この電圧指令値を前記誘導電動機の給電再開時の前記電力変換手段への電圧指令値の初期値としてセットして前記誘導電動機を再始動させ、始動開始後は前記磁束推定手段が前記回転速度、1次側回路電流および電圧指令値演算手段の出力する電圧指令値に基づいて推定磁束を演算するとともに前記電圧指令値演算手段に出力し、前記電圧指令値演算手段は前記推定磁束値と基準位相角とに基づいて演算した電圧指令値を前記電力変換手段に出力し、その後所望の値まで電圧指令値の振幅を増加させるよう出力することを特徴とする誘導電動機の制御装置。
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