JP4659303B2 - ジエン系ゴム組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジエン系ゴム組成物に関し、より詳細にはジエン系ゴムに特定のブロック共重合体とケイ素系無機充填材を配合してなる加工性及び無機充填材の分散性に優れたジエン系ゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、シリカはホワイトカーボンとも称され極めて補強性に優れるため、白色ないしは明色が要求されるゴム製品に用いられてきた。また、近年、タイヤ用ゴム材料として、高グリップ性能、およびタイヤの低転がり抵抗を両立させるために、ジエン系ゴムに補強剤としてカーボンブラックに代えてシリカを配合したゴム組成物が提案されている。ところが、シリカは高度の物性を発現させるためにその粒子径が極めて小さいものに設計されているため、充填比重が小さく嵩高であり、ゴムに配合する際に分散不良が起こりやすく、グリップ性能、およびタイヤの転がり抵抗などの特性が十分に改善されないという問題を有していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかして本発明は、加工性に優れるだけでなく、ケイ素系無機充填材の分散性の優れたジエン系ゴム組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、ジエン系ゴムに、共役ジエン系重合体ブロックPとアクリル系重合体ブロックQとからなるブロック共重合体とシリカ粉末を特定量配合することにより、上記目的が達成されることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、上記目的は本発明によれば、ジエン系ゴム100質量部、共役ジエン系重合体ブロックPとアクリル系重合体ブロックQとからなるブロック共重合体1〜50質量部およびケイ素系無機充填材4〜100質量部からなるジエン系ゴム組成物によって達成することができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に用いるジエン系ゴムは、通常のゴム製品に用いられているジエン系ゴムであれば特に限定されず、ブタジエン、イソプレン等のジエン系モノマーを主たる構成モノマー成分とする固形ゴムである。その具体例としては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレンゴム、ニトリル−共役ジエン系共重合ゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム等が挙げられる。これらのジエン系ゴムは、単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0006】
本発明に用いるブロック共重合体は、共役ジエン系重合体ブロックP(以下単に「ブロックP」ということがある)とアクリル系重合体ブロックQ(以下単に「ブロックQ」ということがある)とを有するブロック共重合体である。本発明に用いるブロック共重合体は、溶解度パラメーターの差の大きなブロックPとブロックQとが結合している点に特徴があり、これにより極性部分であるアクリル系重合体ブロックとシリカ粉末等のケイ素系無機充填材との親和性が向上するものと思われる。
【0007】
ブロック共重合体における共役ジエン系重合体ブロックPは、共役ジエンに由来する構造単位から主としてなる重合体ブロックである。ブロックPは、共役ジエンに由来する構造単位のみからなっていても、共役ジエン以外の単量体に由来する構造単位を有しているものでもよい。ブロックPが共役ジエン以外の単量体に由来する構造単位を有している場合は、該構造単位は例えばオレフィン類、芳香族ビニル化合物などのような極性を持たない単量体に由来するものであることが好ましい。
ブロックPを構成する共役ジエンは、鎖状構造を有する共役ジエンであっても、環状構造を有する共役ジエンであってもいずれでもよいが、極性を持たない共役ジエンであることが好ましい。ブロックPを構成する共役ジエンの具体例としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、ミルセン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、シクロヘキサジエンなどを挙げることができる。これらのなかでも、非極性ゴムとの相溶性の点から、ブロックPは、ブタジエンおよび/またはイソプレンに由来する構造単位からなっていることが好ましく、イソプレンに由来する構造単位からなっていることがより好ましい。
【0008】
また、ブロック共重合体におけるアクリル系重合体ブロックQは、アクリル系単量体に由来する構造単位から主としてなる重合体ブロックである。ブロックQは、アクリル系単量体に由来する構造単位のみからなっていても、アクリル系単量体以外の単量体に由来する構造単位を有しているものでもよい。ブロックQがアクリル系単量体以外の単量体に由来する構造単位を有している場合は、該構造単位は極性基を有する単量体に由来するものおよび/または極性基を持たない単量体に由来するものであってもよい。
ブロックQを構成するアクリル系単量体としては、アクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステルから選ばれる少なくとも1種以上の単量体(以下、アクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステルを「(メタ)アクリル酸アルキルエステル」と総称することがある)を挙げることができる。
【0009】
ブロックQを構成する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。そのような(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等が挙げることができる。ブロックQは、これらの(メタ)アクリル酸アルキルエステルの1種または2種以上から形成されていることが好ましい。
これらのうちでも、ブロックQは、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルの1種または2種以上から形成されていることが好ましく、特にメタクリル酸メチルから形成されていることがより好ましい。
【0010】
ブロック共重合体は、少なくとも1個のブロックPと少なくとも1個のブロックQがブロック状に結合した共重合体である限りは、各ブロックの結合数、結合ブロック数、結合形態などは特に限定されない。
ブロック共重合体の例としては、以下の一般式(1)〜(5)で示されるブロック共重合体を挙げることができる。
【0011】
【化1】
(PQ)x (1)
(PQ)x−P (2)
(QP)x−Q (3)
{(PQ)y}r−Z (4)
{(QP)y}r−Z (5)
(式中、PはブロックP、QはブロックQ、Zは価数が2以上である化合物残基、xは1以上の整数、yは1以上の整数、rは化合物残基Zと同じ2以上の整数をそれぞれ示す。)
【0012】
少なくとも1個のブロックPと少なくとも1個のブロックQを有しているブロック共重合体である限りは、相溶化性能の観点からはどの結合様式においても特に大きな差はないが、ブロック共重合体の製法上の容易性の観点から、1個のブロックPと1個のブロックQが結合したジブロック共重合体PQおよび/または1個のブロックQの両端にブロックP各1個がそれぞれ結合したトリブロック共重合体PQPが好ましく用いられ、ジブロック共重合体PQがより好ましく用いられる。
【0013】
ブロック共重合体を構成するブロックPとブロックQとの構成割合は特に限定されないが、ブロックPとブロックQとの含有比率はは97/3〜3/97(質量比)であることが好ましい。共役ジエン系重合体からなるブロックPの割合が3質量%以上であると、ジエン系ゴム中へのブロック共重合体の分散性が良好となり、一方ブロックQの割合が3質量%以上であると、弾性率が良好となるので好ましい。
【0014】
ブロック共重合体を構成する共役ジエン系重合体ブロックPおよびアクリル系重合体ブロックQの分子量は特に制限されないが、一般にはブロックPおよびブロックQの数平均分子量が5,000〜1,000,000の範囲内であることが好ましく、7,000〜500,000の範囲内であることがより好ましい。またブロック共重合体(B)全体の数平均分子量は10,000〜1,500,000であることが好ましく、14,000〜1,000,000であることがより好ましい。
なお、本明細書における数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリエチレン換算での数平均分子量をいう。
【0015】
ブロック共重合体の製法は特に制限されず、溶液重合、懸濁重合などにより製造することができる。
例えば、共役ジエンの重合にあたっては、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウムなどの有機アルカリ金属化合物を重合開始剤として用いて、またアクリル系単量体の重合にあたっては、有機アルカリ金属化合物と有機アルミニウム化合物や有機亜鉛化合物などの化合物とから構成される開始剤系を用いて、ブロック共重合体におけるブロックPとブロックQの結合形態(結合順序)に応じて、いずれか一方の重合体を製造した後、該重合体の存在下にもう一方の単量体成分を結合・重合させることにより製造することができる。
【0016】
上記ブロック共重合体の配合割合は、ジエン系ゴム100質量部に対して1〜50質量部の範囲であり、好ましくは2〜40質量部の範囲である。ブロック共重合体の配合量が1質量部より少ないと、ケイ素系無機充填材との親和性が不十分で分散改良効果が得られないため好ましくない。一方その配合量が50質量部を超えるとゴム組成物の力学物性が低下し好ましくない。
【0017】
本発明に用いるケイ素系無機充填材は、ケイ酸、ケイ酸塩、二酸化ケイ素などのケイ素成分を主成分とする無機のものであれば特に限定されず使用することができ、その好ましいものとしてはシリカ粉末が挙げられる。シリカ粉末はケイ酸及び/又はケイ酸塩を主成分とし、湿式法及び乾式法によるいずれのシリカ粉末も用いることができる。
【0018】
上記ケイ素系無機充填材の配合割合は、ジエン系ゴム100質量部に対して、4〜100質量部の範囲であり、好ましくは10〜90質量部の範囲である。ケイ素系無機充填材の配合量が4質量部より少ないと補強性に劣り、一方100質量部を超えると破断特性、耐摩耗性等が劣るため好ましくない。
【0019】
本発明のジエン系ゴム組成物には、必須成分であるジエン系ゴム、ブロック共重合体及びケイ素系無機充填材の他に必要に応じてゴム工業で常用される各種添加物が用いられる。これらの添加剤としては、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、老化防止剤、補強剤、他の充填剤、軟化剤、可塑剤等が挙げられる。
【0020】
上記加硫剤としては、例えば、硫黄、有機過酸化物等があげられ、このうち有機過酸化物としては、例えばベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド等が挙げられる。
また、加硫促進剤としては、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のチウラム系加硫促進剤;ジブチルジチオカーバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカーバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカーバミン酸ナトリウム等のジチオカーバミン酸類;2−メルカプトベンゾチアゾール、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のチアゾール類;トリメチルチオ尿素、N,N'−ジエチルチオ尿素等のチオウレア類などの有機促進剤や、消石灰、酸化マグネシウム、酸化チタン、リサージ(PbO)等の無機促進剤が挙げられる。
【0021】
加硫促進助剤としては、例えば亜鉛華等の金属酸化物や、或いはステアリン酸、オレイン酸、綿実脂肪酸等の脂肪酸などが挙げられる。
老化防止剤としては、たとえば2−メルカプトベンゾイミダゾール等のイミダゾール類;フェニル−α−ナフチルアミン、 N,N’−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル− N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン等のアミン類;2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、スチレン化フェノール等のフェノール類などが挙げられる。
【0022】
補強剤及び他の充填材としては、本発明の目的を損ねない範囲でカーボンブラック、亜鉛華、表面処理沈降性炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クレー等の無機系のものや、クマロンインデン樹脂、フェノール樹脂、ハイスチレン樹脂等の有機系のものを使用することができる。
【0023】
また軟化剤としては、例えば脂肪酸(ステアリン酸、ラウリル酸等)、綿実油、トール油、アスファルト物質、パラフィンワックス等の、植物油系、鉱物油系、及び合成系の各種軟化剤が挙げられる。
可塑剤としては、例えばジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、トリクレジルフォスフェート等の各種可塑剤があげられる。
【0024】
本発明のジエン系ゴム組成物を製造する方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができ、より具体的にはラボプラストミル、オープンロール、バンバリーミキサー、ブラベンダー等の通常のゴム混練装置を用いて混合・混練することにより調製される。例えば、加硫剤と加硫促進剤を除く配合剤と必須成分であるジエン系ゴム、ブロック共重合体及びシリカ粉末などのケイ素系無機充填材をラボプラストミル、バンバリー等の混練機にて1次混練を行い、その後にオープンロール等の混練機にてその混合物と加硫剤と加硫促進剤を2次混練し、得られた混合物をプレス加硫することで本発明のジエン系ゴム組成物を得ることができる。
【0025】
この際の1次混練時の温度は、一般に80〜200℃の範囲である。この温度が80℃より低くなると耐摩耗性の向上が少なくなる場合があり、逆に200℃を超えるとジエン系ゴム成分の焼けが生じる場合がある。混練時間は、一般に30秒〜30分である。
次いで得られた混合物を通常100℃以下、好ましくは室温〜80℃まで冷却した後、加硫剤と加硫促進剤を加え、2次混練が行われる。その温度は、一般に室温〜80℃である。その後、プレス加硫成形機などを用い、80℃〜200℃で約2分〜60分間プレス加硫することにより本発明のジエン系ゴム組成物が得られる。
【0026】
【実施例】
以下に実施例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれらによって何ら制限されるものではない。
【0027】
<ブロック共重合体の合成:合成例1>
1.5リットルのオートクレーブ容器内にトルエンを920ml投入し、20分間窒素パージを行った。これに濃度1.3Mのsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液4.9mlとイソプレン287mlとを加え、25℃で5時間、攪拌下にブロックPの重合を行った。
得られた反応混合液の一部をサンプリングし、ガスクロマトグラフィー(以下、GCと称する)で分析したところ、イソプレンの反応率は99%以上であった。また、GPC(ポリスチレン換算)での分析の結果、得られたブロックPのポリイソプレンの数平均分子量(Mn)は48,460であり、その重量平均分子量/数平均分子量の比(Mw/Mn)は1.03であった。
【0028】
次いで上記反応混合液を−30℃に冷却し、62mmolのイソブチルビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウムを含有するトルエン溶液を89ml及び1,2−ジメトキシエタン9.2mlを添加し、10分間攪拌した。
次いで得られた溶液を激しく攪拌しながら、これにアクリル酸n−ブチル6.3mlを添加し、−30℃で1時間、攪拌下に重合を行った後、メタノールを約1ml添加することにより、重合を停止させた。
得られた反応混合液を8,000mlのメタノールに再沈させることにより、ブロック共重合体Iを取得した。得られた重合体の収率はほぼ100%であった。GPC測定(ポリスチレン換算)の結果、該重合体については数平均分子量が51,390、そのMw/Mnが1.02であり、またNMR測定の結果、アクリル酸n―ブチル含量が2.6質量%であった。
【0029】
<ブロック共重合体の合成:合成例2>
1.5リットルのオートクレーブ容器内にトルエンを920ml投入し、20分間窒素パージを行った。これに濃度1.3Mのsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液7.1mlとイソプレン287mlとを加え、25℃で5時間、攪拌下にブロックPの重合を行った。
得られた反応混合液の一部をサンプリングし、GCで分析したところ、イソプレンの反応率は99%以上であった。また、GPC(ポリスチレン換算)での分析の結果、得られたブロックPのポリイソプレンの数平均分子量(Mn)は33,000であり、その重量平均分子量/数平均分子量の比(Mw/Mn)は1.03であった。
【0030】
次いで上記反応混合液を−30℃に冷却し、91mmolのイソブチルビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウムを含有するトルエン溶液を129ml及び1,2−ジメトキシエタン9.2mlを添加し、10分間攪拌した。
次いで得られた溶液を激しく攪拌しながら、これにアクリル酸n―ブチル6.3mlを添加し、−30℃で1時間、攪拌下に重合を行った後、メタノールを約1ml添加することにより、重合を停止させた。
得られた反応混合液を8000mlのメタノールに再沈させることにより、ブロック共重合体IIを取得した。得られた重合体の収率はほぼ100%であった。GPC測定(ポリスチレン換算)の結果、該重合体については数平均分子量が35,000、そのMw/Mnが1.02であり、またNMR測定の結果、アクリル酸n―ブチル含量が2.6重量%であった。
【0031】
実施例1〜2、比較例1〜2
表1に示す割合(質量部)で天然ゴム(RSS#1)、ブロック共重合体、未変性ポリイソプレン(クラレ社製:LIR50)、シリカ粉末(日本シリカ工業社製:ニップシールVN3)、老化防止剤(大内新興化学社製:ノクラックNS−6)およびステアリン酸を混合し、これをラボプラストミルで130℃で5分間1次混練を行い、次いで得られた混合物と架橋剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、アミン化合物を下記に示す配合比にて、4インチロールを用いて2次混練を行った後、145℃で5MPaの圧力下最適加硫時間プレスして、1mm厚の試験片を作成した。
(配合比)
ゴム組成物:100質量部
加硫剤(硫黄):2質量部
加硫促進剤(大内新興化学社製:ノクセラーCZ):1.3質量部
加硫促進助剤(酸化亜鉛):5質量部
ジシクロヘキシルアミン:3質量部
【0032】
得られた試験片を用い下記の評価試験を行い、得られた結果を表1に示した。
(評価試験方法)
(1)加工性:プラストミルによる1次混練時のトルク変化を計測し、変化の少ない方からその程度を記号で示した。
○:トルクの変化がほとんど確認されない。
△:わずかにトルクの上昇が確認される。
×:発熱が伴うほどのトルク上昇が確認される。
【0033】
(2)シリカ粉末の分散性:得られたゴム組成物を凍結切断して、四酸化オスミウムで染色した後、走査型電子顕微鏡観察により評価した。
(3)tanδ:レオロジー社製DVE−V4 FTレオスペクトラーを用い、11Hzで測定を行った。
(4)力学性能:試験片の厚みが1mmであること以外はJIS K−6301に準拠して、加硫状態のゴム組成物の引張強さ、引張び、100%モジュラス及びJIS−A硬度をそれぞれ測定した。
【0034】
【表1】
【0035】
表1に示される結果から、本発明のゴム組成物は混練時のトルク変化が小さくなり、加工性及びシリカの分散状態が向上することがわかる。
また、実施例1及び実施低2と比較例2との比較から、タイヤのグリップ性能と相関ある0℃でのtanδは、未変性ポリイソプレンを添加した場合に比べても、本発明のゴム組成物の場合には向上していることがわかる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のジエン系ゴム組成物は、加工性に優れかつシリカ粉末の分散性にも優れており、その特性を生かす各種用途、例えばトレッド、カーカス、サイドウォール、ビード部などのタイヤ各部位、あるいはホース、窓枠、ベルト、靴底、防振ゴム、自動車部品などのゴム製品への利用が好適である。
Claims (2)
- ジエン系ゴム100質量部、共役ジエン系重合体ブロックPとアクリル系重合体ブロックQとからなるブロック共重合体1〜50質量部およびケイ素系無機充填材4〜100質量部からなるジエン系ゴム組成物。
- ケイ素系無機充填材がシリカ粉末である請求項1記載のジエン系ゴム組成物。
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