JP4658241B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、気体を圧縮するのに用いるスクロール圧縮機に関し、例えば都市ガス配管等に接続して気体の圧力を昇圧するブースタ等に用いて好適なスクロール圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、スクロール圧縮機は、ケーシングと、該ケーシング内に設けられ、鏡板に渦巻状のラップ部が立設された固定スクロールと、前記ケーシングに回転可能に設けられた駆動軸と、該駆動軸の先端側に旋回可能に設けられ、鏡板に前記固定スクロールのラップ部と重なり合って複数の圧縮室を画成する渦巻状のラップ部が立設され、吸込口から吐出口に向けて圧縮気体を移送する旋回スクロールとによって構成されている。
【0003】
この種の従来技術によるスクロール圧縮機では、外部から駆動軸を回転駆動して旋回スクロールを固定スクロールに対して一定の偏心寸法をもって旋回運動させる。これにより、固定スクロールの外周側に設けた吸込口から気体を吸込みつつ、この気体を固定スクロールのラップ部と旋回スクロールのラップ部との間の各圧縮室内で順次圧縮し、固定スクロールの中心部に設けた吐出口から圧縮気体を外部に向けて吐出するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術によるスクロール圧縮機のうち、空調、冷媒用等の冷媒を圧縮する冷媒圧縮機は、吸込口側の冷媒(気体)の圧力が大気圧よりも高いので、吸込口側の冷媒が固定スクロールの外周側と旋回スクロールの外周側との間を介して外部に漏洩することがある。このため、従来技術による冷媒圧縮機では、駆動軸を回転駆動する電動機と共に圧縮機全体を密閉容器内に収納した密閉型圧縮機が広く用いられていた。
【0005】
しかし、密閉型圧縮機の場合、密閉容器内を外気と遮断する構成となっていたから、圧縮動作時に加熱する圧縮機を冷却するためには、冷媒自体を用いた冷却方法か、別途潤滑油を用いた冷却方法を用いなければならなかった。
【0006】
この場合、スクロール圧縮機を冷媒圧縮機に用いるときには問題は生じないものの、都市ガス等のように熱容量の小さい気体の圧縮に用いるときには、気体による冷却能力が不足し、圧縮機を十分に冷却することができないという問題があった。
【0007】
一方、潤滑油を用いて圧縮機を冷却したときには、潤滑油と圧縮気体との分離が難しく、例えば都市ガスのブースタ等のように圧縮気体自体を使用する用途には適用が難しかった。また、潤滑油を用いない無給油式の圧縮機では、潤滑油を用いた冷却方法は適用できないという問題があった。
【0008】
さらに、従来技術による無給油式の圧縮機を都市ガス配管のような圧力が高い気体の圧縮にそのまま適用したときには、吸込口から外部に向けて都市ガス等の気体が漏れるという問題もあった。
【0009】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、大気圧よりも高圧な気体を圧縮するときでも、気体の漏洩を防止できるスクロール圧縮機を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために本発明は、ケーシングと該ケーシングに設けられ鏡板に渦巻状のラップ部が立設された固定スクロールとからなる固定側部材と、前記ケーシングに回転可能に設けられた駆動軸と、該駆動軸の先端側に旋回可能に設けられ、鏡板に前記固定スクロールのラップ部と重なり合って複数の圧縮室を画成する渦巻状のラップ部が立設された旋回スクロールと、前記固定側部材に設けられ、前記各圧縮室のうち最外周側の圧縮室に連通した吸込口および前記圧縮室からの圧縮気体を外部に吐出する吐出口とを備えてなるスクロール圧縮機に適用される。
【0011】
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記旋回スクロールの外周側には、前記固定側部材との間で前記圧縮室を外気に対して遮断するため、内径側が開口した断面コ字状の弾性体からなるシール部材を設け、前記固定側部材には、前記旋回スクロールの外周側を外側から取囲むと共に前記旋回スクロールとの間で前記圧縮室から前記シール部材を介して漏洩した気体を収容する中間室を形成する隔壁部材を設け、該隔壁部材と旋回スクロールとの間には前記中間室内に漏洩した気体を密封する補助用のシール手段を設けたことにある。
【0012】
このように構成したことにより、断面コ字状をなしたシール部材を旋回スクロールと固定側部材とに弾性的に当接させ、両者の間をシールすることができ、吸込口に供給された気体または圧縮室内で圧縮された気体が旋回スクロールと固定側部材との間から外部に漏洩するのを防ぐことができる。
【0013】
しかも、前記固定側部材には、旋回スクロールの外周側を外側から取囲むと共に前記旋回スクロールとの間で圧縮室からシール部材を介して漏洩した気体を収容する中間室を形成する隔壁部材を設け、該隔壁部材と旋回スクロールとの間には前記中間室内に漏洩した気体を密封する補助用のシール手段を設ける構成としている。これにより、例え圧縮室からシール部材を介して外部に気体が漏洩したとしても、この気体を中間室内に捕捉して収容することができる。そして、隔壁部材と旋回スクロールとの間は補助用のシール手段を用いてシールできるから、中間室内の気体が外部に漏洩するのを防止することができる。
【0015】
また、請求項2の発明は、旋回スクロールの外周側には固定スクロールとの対向面側に開口する環状のシール取付溝を設け、シール部材は前記シール取付溝に嵌合される固定リップ部と前記固定スクロールと相対的に摺動する摺動リップ部とを有する構成としている。
【0016】
このように構成したことにより、シール部材は、固定リップ部をシール取付溝に嵌合できると共に摺動リップ部を固定スクロールに相対的に摺動でき、これらシール取付溝、固定スクロールとの間を気密にシールすることができる。
【0017】
一方、請求項3の発明が採用する構成の特徴は、前記旋回スクロールの外周側には、前記固定側部材との間で前記圧縮室を外気に対して遮断するため、内径側が開口した断面コ字状の弾性体からなるシール部材を設け、前記旋回スクロールの外周側には前記固定スクロールとの対向面側に開口する環状のシール取付溝を設け、前記シール部材は前記シール取付溝に嵌合される固定リップ部と前記固定スクロールと相対的に摺動する摺動リップ部とを有する構成とし、前記シール部材は、前記シール取付溝と接触する固定リップ部の接触面積よりも、前記固定スクロールと接触する摺動リップ部の接触面積を大きく形成する構成としたことにある。
【0018】
このように構成したことにより、断面コ字状をなしたシール部材を旋回スクロールと固定側部材とに弾性的に当接させ、両者の間をシールすることができ、吸込口に供給された気体または圧縮室内で圧縮された気体が旋回スクロールと固定側部材との間から外部に漏洩するのを防ぐことができる。また、前記シール部材は、固定リップ部をシール取付溝に嵌合できると共に摺動リップ部を固定スクロールに相対的に摺動でき、これらシール取付溝、固定スクロールとの間を気密にシールすることができる。しかも、シール部材の固定リップ部をシール取付溝に大きな面圧をもって弾性的に接触させることができ、シール部材の固定リップ部とシール取付溝との間のシール性能を高めることができる。また、シール部材の摺動リップ部を小さな面圧をもって固定スクロールに接触させることができ、摺動リップ部の摩耗速度を小さく抑えて、摺動リップ部の耐久性を高めることができる。
【0021】
さらに、請求項4の発明は、中間室内に収容された気体を外部に逃がすための逃がし手段を備える構成とした場合には、中間室内の気体を屋外の大気中等に逃がすことができ、中間室内の気体が外部に漏洩するのを防止することができる。
【0022】
さらに、請求項5の発明は、逃がし手段は、吸込口と吐出口との間を連通するバイパス通路と、該バイパス通路の途中に設けられ前記吐出口からの吐出気体が該バイパス通路を通じて前記吸込口側に向けて流通するときに負圧を発生する負圧発生部を有したベンチュリと、該ベンチュリの負圧発生部と前記中間室との間を連通し前記中間室内の気体を前記吸込口に戻す戻し通路とにより構成している。
【0023】
このように構成したことにより、吐出口からの吐出気体の一部をバイパス通路を通じて吸込口側に流通させ、このときにバイパス通路の途中に設けたベンチュリの負圧発生部で負圧を発生させることができる。この結果、例え圧縮室からシール部材を介して外部に気体が漏洩したとしても、この気体をベンチュリにより戻し通路を通じて吸込口に戻すことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態によるスクロール圧縮機として都市ガス(気体)のガス配管に接続されるスクロールガス圧縮機を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
【0025】
ここで、図1ないし図4は本発明の前提となる参考例を示し、1はスクロールガス圧縮機の外枠を形成するケーシングで、該ケーシング1は、後述の固定スクロール2と共に固定側部材を構成し、大径部1Aと小径部1Bとからなる段付き筒状に形成されている。
【0026】
2はケーシング1の大径部1Aに固着された固定スクロールで、該固定スクロール2は、その中心が後述する駆動軸3の軸線と一致するように配設された円板状の鏡板2Aと、該鏡板2Aの表面に立設された渦巻状のラップ部2Bと、該ラップ部2Bを外側から取囲むように鏡板2Aの径方向外側に設けられた外縁部2Cと、該外縁部2Cから中心側に向けて板状に折曲って形成されたリング受け2Dとによって大略構成され、鏡板2Aの背面には多数の放熱フィン2Eが設けられている。そして、固定スクロール2は、外縁部2Cがケーシング1の大径部1A先端側に一体に取付けられている。
【0027】
3は先端側にクランク3Aが突設された駆動軸で、該駆動軸3は、ケーシング1の小径部1B内に軸受3B,3Cを介して回転可能に軸支されている。また、駆動軸3は、その基端側に後述のプーリ29が設けられ、軸線を中心に回転駆動する。一方、クランク3Aの軸線は、駆動軸3の軸線に対して所定寸法だけ偏心している。
【0028】
4は駆動軸3の先端側に固着されたバランスウエイトで、該バランスウエイト4は、後述する旋回スクロール5の旋回動作に対して駆動軸3全体の回転バランスをとるものである。
【0029】
5は固定スクロール2と対向してケーシング1内に旋回可能に設けられた旋回スクロールで、該旋回スクロール5は、旋回スクロール本体6と背面プレート7とから構成され、該旋回スクロール5は後述の旋回軸受9を用いてクランク3Aに旋回可能に支持されている。
【0030】
ここで、旋回スクロール本体6は、固定スクロール2と同様に鏡板6Aと渦巻状のラップ部6B等とによって構成され、該鏡板6Aには多数の放熱フィン6Cが設けられている。そして、旋回スクロール5は、ラップ部6Bが固定スクロール2のラップ部2Bと所定角度(例えば180度)だけずらして重なり合うように配設され、両者のラップ部2B,6B間には複数の圧縮室8,8,…が画成されている。
【0031】
また、背面プレート7は、旋回スクロール本体6の各放熱フィン6C先端に固着され、その中央部には、ボス部7Aが一体形成されている。
【0032】
9は背面プレート7のボス部7A内に設けられた旋回軸受で、該旋回軸受9は、その内周側に駆動軸3のクランク3Aが挿入されている。そして、旋回軸受9は、駆動軸3のクランク3Aに対して旋回スクロール5を旋回可能に支持する構成となっている。
【0033】
10,10,…はケーシング1と旋回スクロール5の背面プレート7との間に複数配設された自転防止機構としての補助クランク(1個のみ図示)で、該各補助クランク10は、旋回スクロール5の旋回動作時に該旋回スクロール5の自転を防止するものである。
【0034】
11,11は固定スクロール2の外縁側に2箇所形成された吸込口で、該各吸込口11は、固定スクロール2の外縁側に画成された吸込室12内に開口すると共に、後述の流入配管14が接続されている。また、吸込室12は、複数の圧縮室8のうち最外周側の圧縮室8に連通している。これにより、圧縮運転時に流入配管14から供給されたガスは、吸込口11、吸込室12を通過して最外周側の圧縮室8に流入する。
【0035】
13は固定スクロール2の鏡板2A中心部に穿設された吐出口で、該吐出口13は、最内周側の圧縮室8内に開口し、圧縮したガスを外部に吐出するものである。
【0036】
14はU字状ないしコ字状をなした流入配管で、該流入配管14は、中央部分に流入口14Aを有すると共に、該流入口14Aから分岐した2つの流出口14B,14Bを有し、該各流出口14Bの先端は固定スクロール2の各吸込口11に接続されるフランジ14C,14Cとなっている。そして、流入配管14は、流入口14Aに設けられた後述の吸込圧力調整弁15を通じて流入したガスを各吸込口11を通じて吸込室12内に供給するものである。
【0037】
15は流入配管14の流入口14Aに取付けられた吸込圧力調整弁で、該吸込圧力調整弁15は、図3に示すように後述の弁ケーシング16、弁体21、ベローズ23等によって構成されている。
【0038】
16は吸込圧力調整弁15の外形をなす略円筒状の弁ケーシングで、該弁ケーシング16は、筒部16Aと、該筒部16Aの両端にそれぞれ閉塞する蓋部16B,16Bと、筒部16Aの長さ方向中間位置に間隔をもって設けられた2枚の仕切壁16C,16Cと、該各仕切壁16C,16Cにそれぞれ穿設された通気孔16D,16Dおよび後述するロッド21Aが挿通されるロッド挿通孔16E,16Eとによって構成されている。
【0039】
そして、一方の蓋部16Bには、流入配管14の流入口14Aが接続されると共に、他方の蓋部16Bには後述のベローズ23内を外気に連通する連通孔17が設けられている。また、弁ケーシング16には、仕切壁16C,16C間に位置してガス配管が接続される吸込管18が取付けられている。
【0040】
19は流入配管14側に位置して一方の蓋部16Bと一方の仕切壁16Cとの間に設けられた隔壁で、該隔壁19には、その中央部位に後述のロッド21Aが挿通される挿通孔20が貫通して設けられている。そして、隔壁19は、吸込管18が開口するガス流入室Aと、弁ケーシング16内に流入配管14の流入口14Aが開口するガス流出室Bとを画成している。また、挿通孔20は、ガス流入室Aからガス流出室Bに向かってテーパ状に拡開し、後述の弁体21が当接する弁座20Aとなっている。
【0041】
21はガス流出室Bが予め大気圧よりも僅かに低圧に設定された所定圧となったときに開弁し、所定圧よりも高圧となったときに閉弁する弁体で、該弁体21は、ロッド挿通孔16Eに軸方向に変位可能に取付けられたロッド21Aと、該ロッド21Aの先端側に設けられ、隔壁19の弁座20Aに離着座するポペット状弁部21Bとによって構成されている。
【0042】
22は弁体21のロッド21Aに取付けられた円板状の圧力バランス板で、該圧力バランス板22は、他方の蓋部16Bと仕切壁16Cとの間に位置して弁部21Bとは反対側となるロッド21Aの基端側に設けられている。そして、圧力バランス板22には、後述のベローズ23が取付けられている。
【0043】
ここで、圧力バランス板22のベローズ23側の受圧面積をS1、圧力バランス板22のロッド21A側の受圧面積をS2、弁体21の弁部21Bのうちロッド21A側の受圧面積をS3、弁部21Bのガス流出室B側の受圧面積をS4とすると、これらは大略S3<S1≒S2<S4なる関係を有している。
【0044】
23は弁ケーシング16内に位置して圧力バランス板22と弁ケーシング16の蓋部16Bとの間に設けられたベローズで、該ベローズ23は、蛇腹状をなして弁ケーシング16の軸方向(長さ方向)に伸縮可能となっている。また、ベローズ23は、その内部に制御圧室Cを画成し、該制御圧室C内は連通孔17を通じて外気に連通されることによって大気圧に保持されている。さらに、ベローズ23は軸方向の長さ寸法が縮小する方向に向かう僅かなばね力fを有している。これにより、ベローズ23は、弁体21の弁部21Bを弁座20Aに着座する方向に付勢している。
【0045】
24は例えば金属材料を用いて断面コ字状をなす環状体のシール取付部材で、該シール取付部材24は、図2に示すように旋回スクロール本体6の外周側に圧入等により嵌着して設けられ後述の接触シール25を取付けるものである。そして、シール取付部材24は、旋回スクロール本体6を取囲んで鏡板6Aの外周側に設けられている。また、シール取付部材24には、固定スクロール2のリング受け2Dに向けて開口した先端開口のシール取付溝24Aが形成され、該シール取付溝24Aは、固定スクロール2と旋回スクロール本体6との対向面間に開口する環状凹溝として形成されるものである。
【0046】
25はシール取付部材24のシール取付溝24A内に取付けられたシール部材としての接触シールで、該接触シール25は、固定スクロール2と旋回スクロール5との間を気密にシールするために、周方向に継ぎ目のないリング状に形成されている。
【0047】
また、接触シール25は、樹脂材料を用いることにより内径側が開口した断面略コ字状の弾性体として形成されたシールリング26と、該シールリング26の内周側に設けられたばね部材27とによって構成されている。
【0048】
ここで、シールリング26は、シール取付部材24のシール取付溝24A底部側に設けられた固定側の環状板部26Aと、シール取付溝24Aの開口側に設けられた摺動側の環状板部26Bと、環状板部26Aの外径端と環状板部26Bの外径端との間を連結した連結筒部26Cとにより構成されている。
【0049】
また、シールリング26の環状板部26Aには、その内径端側に位置して固定リップ部26A1が突設され、該固定リップ部26A1は前記シール取付溝24A内に嵌合して収容され、その底面に接触している。また、シールリング26の環状板部26Bにも、その内径端側に位置して摺動リップ部26B1が突設され、該摺動リップ部26B1は、シール取付溝24Aから突出して固定スクロール2に設けられた後述の摺接リング28に相対的に摺動するものである。
【0050】
さらに、ばね部材27は、断面コ字状の金属材料(例えばステンレス)からなり、環状板部26A,26B間に嵌着して取付けられることにより、環状板部26A,26Bを拡開させるように、固定リップ部26A1、摺動リップ部26B1をそれぞれシール取付溝24A、摺接リング28に弾性的に押圧している。
【0051】
28は固定スクロール2のリング受け2Dに設けられた摺接リングで、該摺接リング28は、ステンレス等の金属材料によって平板なリング状に形成され、旋回スクロール5の鏡板6Aとの間に配設され、接触シール25の摺動リップ部26B1が摺接している。
【0052】
29は駆動軸3の基端側にボルト30等によって一体に取付けられたプーリ、31は該プーリ29に設けられた遠心ファンで、該遠心ファン31は、ケーシング1の小径部1Bに取付けたファンケーシング32内に収容されている。
【0053】
本発明の参考例によるスクロールガス圧縮機は上述したような構成を有するもので、次に、このスクロールガス圧縮機の動作について説明する。
【0054】
まず、電動モータ(図示せず)により駆動軸3を回転させると、旋回スクロール5は駆動軸3を中心として所定寸法の旋回半径をもった旋回運動を行い、固定スクロール2のラップ部2Bと旋回スクロール5のラップ部6B間に画成された圧縮室8,8,…が連続的に縮小する。これにより、固定スクール2の吸込口11から吸込んだガスを該各圧縮室8で順次圧縮しつつ、この圧縮ガスを固定スクロール2の吐出口13から外部に向けて吐出する。
【0055】
次に、吸込圧力調整弁15の動作について図3および図4を参照しつつ説明する。
【0056】
まず、圧縮機の停止時には、吸込口11の圧力は所定圧よりも高圧の略大気圧程度に保持されているから、流入配管14を介して吸込口11に連通したガス流出室B内の圧力も略大気圧に保たれる。また、ベローズ23によって画成した制御圧室C内も外気に連通しているから、略大気圧に保持される。
【0057】
このとき、吸込管18を介してガス流入室A内に供給されるガスは、大気圧よりも高圧であるため、ガス流入室A内の圧力は、ガス流出室B内の圧力よりも高圧となる。しかし、ガス流入室A内の圧力は、弁体21の弁部21Bに作用すると共に、圧力バランス板22にも作用するから、これらの力は相殺され、開弁方向、閉弁方向のいずれにも作用しない。
【0058】
従って、弁体21は、ガス流出室B内の圧力と制御圧室C内との圧力差による力とベローズ23のばね力fとによって開弁方向、閉弁方向に変位する。このとき、ガス流出室B内と制御圧室C内とはいずれも大気圧となっているから、弁体21はベローズ23のばね力fによって閉弁する。
【0059】
一方、圧縮機の運転時には、吸込室12内のガスが圧縮室8内に吸込まれるから、吸込口11は徐々に負圧状態になる。このため、ガス流出室B内の圧力が制御圧室C内の圧力よりも低下するから、弁体21には開弁方向に向かう力が作用する。そして、吸込口11の圧力が所定圧よりも低下し、圧力差による力がベローズ23のばね力fよりも大きくなると、弁体21の弁部21Bはばね力fに抗して弁座20Aから離座し、弁体21は開弁する。これにより、吸込室12内にはガスが供給され、このガスを各圧縮室8を通じて圧縮することができる。
【0060】
また、弁体21が開弁して吸込室12内に過剰にガスが供給されたときには、吸込口11の圧力が所定圧よりも上昇する。このとき、ガス流出室B内の圧力が制御圧室C内の圧力よりも上昇するから、弁体21には閉弁方向に向かう力が作用する。これにより、弁体21は閉弁し、吸込口11の圧力は圧縮機の運転時であっても大気圧程度の所定圧に保持される。
【0061】
さらに、圧縮機の停止時には、吸込口11は大気圧となるので、ガス流出室B内の圧力は制御圧室C内の圧力と略等しくなる。このとき、弁体21はベローズ23のばね力fによって閉弁するから、吸込圧力調整弁15を圧縮機の運転停止に伴ってガスの供給を自動停止する自動停止弁として使用することができる。このため、圧縮機の運転停止時に吸込口11へのガスの供給を停止でき、吸込口11周辺等からのガスの漏洩を確実に防ぐことができる。
【0062】
かくして、本発明の参考例によれば、吸込口11には吸込圧力調整弁15を接続して設けたから、吸込圧力調整弁15は、吸込口11が大気圧程度の所定圧となったときのみ開弁してガスを供給することができる。このため、大気圧よりも高圧のガスが供給されるときであっても、吸込室15を常に略大気圧に保持することができる。この結果、吸込口11と外部との圧力差を小さくすることができ、ガスを吸込室12内に保持することができる。
【0063】
また、圧縮機の運転停止時には、吸込圧力調整弁15を閉弁することができるから、吸込圧力調整弁15をガスの供給を自動停止する自動停止弁として使用することができ、運転停止時のガスの漏洩を確実に防ぐことができる。
【0064】
さらに、従来技術のようにガス配管からのガスを直接的に吸込口11に供給したときには、大気圧よりも高い圧力のガスを圧縮するから、圧縮機には過圧縮現象が生じることがある。この場合、圧縮機の動力が上昇して過負荷運転状態になるから、圧縮機の耐久性等が低下するという問題がある。
【0065】
これに対し、本発明の参考例では吸込圧力調整弁15によって吸込口11を大気圧程度に保持できるから、常に大気圧のガスを圧縮することができ、圧縮機には過負荷が生じることがなく安定した状態で運転することができる。このため、圧縮機に信頼性、耐久性が向上すると共に、無駄な動力の消費を抑制でき、エネルギ消費量を低減することができる。
【0066】
また、接触シール25と吸込圧力調整弁15とによってガスの漏洩を防止できるから、従来技術のように圧縮機全体を密閉容器内に収容する必要がない。このため、部品点数を削減し、製造コストを低減できると共に、各種の冷却手段を用いて圧縮機を容易に冷却することができる。
【0067】
さらに、旋回スクロール5の外周側には固定スクロール2との間で圧縮室8と外気との連通を遮断する接触シール25を設けたから、接触シール25によって旋回スクロール5と固定スクロール2の間をシールすることができ、吸込口11に供給されたガスが旋回スクロール5と固定スクロール2の間から外部に漏洩するのを防ぐことができる。
【0068】
また、吸込圧力調整弁15によって吸込口11と外部との圧力差を小さくすることができるから、接触シール25を通じて外部に向かうガスを減少させることができ、接触シール25による気密性を向上させることができる。
【0069】
特に、本発明の参考例では、旋回スクロール5には固定スクロール2に向けて開口した環状のシール取付溝24Aを設け、該シール取付溝24Aにはシールリング26とばね部材27とからなる接触シール25を取付ける構成としたから、ばね部材27によってシールリング26の固定リップ部26A1をシール取付溝24Aの底部に押付け、摺動リップ部26B1を固定スクロール2に向けて付勢した状態で摺接させることができる。このため、接触シール25によって固定スクロール2と旋回スクロール5との間を隙間なくシールすることができ、これらの間を通じて吸込室12内のガスが外部に漏洩するのを防止することができる。
【0070】
次に、図5および図6は本発明の第1の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、固定側部材には、旋回スクロールの外周側に位置するシール取付部材を外側から取囲む環状の隔壁部材を設け、該隔壁部材とシール取付部材との間には、接触シールから漏洩したガスを収容する中間室と、該中間室内に漏洩したガスを密封する補助用のシール手段を設け、さらに固定側部材には中間室内に漏洩したガスを外部に逃がすための逃がし配管を設ける構成としたことにある。
【0071】
なお、本実施の形態では、前述した参考例と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0072】
41は本実施の形態に係る固定スクロールで、該固定スクロール41は、前述した参考例による固定スクロール2とほぼ同様に、円板状の鏡板41Aと、該鏡板41Aに立設されたラップ部41Bと、鏡板41Aの径方向外側に設けられた外縁部41Cと、該外縁部41Cの内周側に設けられたリング受け41Dと、鏡板41Aの背面側に設けられた放熱フィン41Eとによって構成されている。また、固定スクロール41のリング受け41Dには断面略L字状をなした環状の切欠溝41D1が設けられている。
【0073】
42は固定スクロール41と対向してケーシング1内に旋回可能に設けられた本実施の形態に係る旋回スクロールで、該旋回スクロール42についても、前述した参考例による旋回スクロール5とほぼ同様に、旋回スクロール本体43と背面プレート44とにより構成されている。
【0074】
また、旋回スクロール本体43は、鏡板43A、ラップ部43Bおよび放熱フィン43Cによって構成され、鏡板43Aの外周側には後述のシール取付部材47が取付けられる環状段部43Dが設けられている。さらに、背面プレート44はボス部44Aを有している。
【0075】
45は本実施の形態に用いる流入配管で、該流入配管45は、流入口45Aと、該流入口45Aから分岐した2つの流出口45B,45Bを有し、該各流出口45Bの先端は固定スクロール2の各吸込口11に接続されるフランジ45C,45Cとなっている。また、流入配管45の流入口45Aには例えば前記参考例で述べた吸込圧力調整弁15(図示せず)が設けられている。46は吐出口13に設けられた吐出配管である。
【0076】
47は旋回スクロール42の外周側に設けられた本実施の形態に用いる内側のシール取付部材で、該シール取付部材47は、金属材料を用いて断面コ字状をなす環状体として形成され、旋回スクロール42の環状段部43Dに圧入等により嵌合して取付けられている。
【0077】
そして、シール取付部材47には、固定スクロール41のリング受け41Dとの対向面側となる表面側に位置してシール取付溝47Aが開口して設けられている。また、シール取付部材47は、その裏面側が後述のフェイスシール55に対する摺接面47Bとなっている。
【0078】
48はシール取付部材47のシール取付溝47A内に設けられた本実施の形態に用いるシール部材としての接触シールで、該接触シール48についても、前記参考例で述べた接触シール48とほぼ同様に、樹脂材料を用いることにより内径側が開口した断面略コ字状の弾性体からなるシールリング49と、該シールリング49の内周側に設けられたばね部材50とによって構成されている。
【0079】
ここで、シールリング49は、シール取付部材47のシール取付溝47A底部側に配置された固定側の環状板部49Aと、シール取付溝47Aの開口側に配置された摺動側の環状板部49Bと、該環状板部49A,49B間を連結した連結筒部49Cとにより構成されている。
【0080】
また、シールリング49の環状板部49Aは固定リップ部49A1を有し、該固定リップ部49A1は前記シール取付溝47A内に嵌合して収容され、その底面に接触している。また、シールリング49の環状板部49Bは摺動リップ部49B1を有し、該摺動リップ部49B1は、シール取付溝47Aから突出して固定スクロール41の切欠溝41D1に設けられた摺接リング51に相対的に摺動するものである。
【0081】
また、ばね部材50は断面コ字状の金属材料からなり、環状板部49A,49B間に嵌着して取付けられることにより、環状板部49A,49Bを拡開させるように、固定リップ部49A1、摺動リップ部49B1をそれぞれシール取付溝47A、摺接リング51に弾性的に押圧している。
【0082】
さらに、接触シール48の環状板部49Bとシール取付溝47Aの内側の周壁面との間には、図6に示すようには隙間Sが設けられている。このため、吸込室12内のガスの一部は図6中に示す矢印の如く旋回スクロール42の鏡板43Aと摺接リング51との間、シール取付部材47と摺接リング51との間、接触シール48とシール取付溝との間の隙間Sを経由して接触シール48の内径側に流入する。そして、この流入したガスの圧力によってシールリング49の固定リップ部49A1、摺動リップ部49B1をばね部材50と一緒にそれぞれシール取付溝47A、摺接リング51に押圧することができる。
【0083】
52はケーシング1の大径部1Aと固定スクロール41との間に固定して設けられた隔壁部材としての外側のシール取付部材で、該シール取付部材52は、ケーシング1の大径部1Aと固定スクロール41のリング受け41Dとに衝合して固着された環状のフランジ部52Aと、該フランジ部52Aの内周から軸方向に突出した筒部52Bと、該筒部52Bから径方向内向きに突出した環状突部52Cとにより構成されている。
【0084】
また、シール取付部材52の環状突部52Cにはシール取付部材47の摺接面47Bとの対向面側に位置して断面略コ字状をなした環状のシール取付溝52Dが設けられている。そして、シール取付部材52は筒部52Bと環状突部52Cがシール取付部材47の外周側を外側から取囲むように配置されている。
【0085】
53は内側のシール取付部材47と外側のシール取付部材52との間に形成された中間室で、該中間室53は、シール取付部材47とシール取付部材52の筒部52B、環状突部52Cとの間に断面略コ字状をなした環状の空間部として形成されるものである。そして、中間室53は、圧縮室8、吸込室12からのガスが接触シール48を介して漏洩したときに、このガスを中間室53内に一時的に収容するものである。
【0086】
54はシール取付部材52のシール取付溝52D内に設けられた補助用のシール手段としての補助シール機構で、該補助シール機構54は、フェイスシール55とバックアップリング56とにより構成されている。
【0087】
ここで、フェイスシール55は、例えば弾性樹脂材料により断面矩形のシールリングとして形成され、シール取付溝52Dの開口側の内部に嵌合して設けられている。また、バックアップリング56は、弾性をもったゴム材料等を用いて形成され、シール取付溝52Dの底部(奥部)側の内部に設けられている。そして、このバックアップリング56はフェイスシール55をシール取付部材47の摺接面47Bに向けて弾性的に押圧している。
【0088】
そして、補助シール機構54は、フェイスシール55がシール取付部材47の摺接面47Bに沿って弾性的に摺接することにより、シール取付部材47との間を気密にシールし、中間室53内に漏洩したガスを密封する構成となっている。
【0089】
57はシール取付部材47,52間の中間室53内に開口して設けられた逃がし手段としての逃がし配管で、該逃がし配管57は、基端側が固定スクロール41のリング受け41Dに固定して取付けられ、先端側は吸込室12から流入配管45のフランジ45Cを貫通して外部へと屋外に向けて伸長して延びている。
【0090】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、旋回スクロール42の外周側に設けた接触シール48の固定リップ部49A1、摺動リップ部49B1をそれぞれシール取付溝47A、摺接リング51に弾性的に押圧でき、接触シール48によって固定スクロール41と旋回スクロール42との間を隙間なくシールすることができ、これらの間を通じて圧縮室8内または吸込室12内のガスが外部に漏洩するのを防止することができ、前述した参考例とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0091】
特に、本実施の形態では、シール取付部材47の外周側を外側から取囲むシール取付部材52を設け、シール取付部材47,52間には中間室53を設ける構成としたので、例え圧縮室8内のガスが接触シール48を介して外部に漏洩したとしても、このガスを中間室53内に一時的に収容することができる。そして、シール取付部材52にはシール取付部材47との間をシールする補助シール機構54を設ける構成としたので、中間室53内にガスを密封することができる。従って、固定スクロール41と旋回スクロール42との間を、接触シール48、補助シール機構54を用いて二段階にシールすることができ、固定スクロール41と旋回スクロール42との間の密封性をさらに良好に保つことができる。
【0092】
しかも、本実施の形態では、中間室53内には逃がし配管57を開口して設ける構成としたので、中間室53内に漏洩したガスを逃がし配管57を通じて外部へと屋外に逃がして大気中に拡散することができ、当該スクロールガス圧縮機が設置される室内にガスが滞留する不具合を解消することができる。
【0093】
また、接触シール48と補助シール機構54とを軸方向(スラスト方向)に間隔をおいて配置したので、例えば補助シール機構54を接触シール48の外周側に配置した場合と比較して当該圧縮機を径方向に小型化して形成することができる。
【0094】
次に、図7および図8は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、吸込口と吐出口との間を連通するバイパス通路を設け、このバイパス通路の途中には負圧発生部を有したベンチュリ管を設け、旋回スクロールの外周側に設けた中間室内のガスをベンチュリ管により吸込口側に戻す構成としたことにある。
【0095】
なお、本実施の形態では、前述した参考例と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0096】
61は本実施の形態に係る固定スクロールで、該固定スクロール61は、鏡板61A、ラップ部61B、外縁部61C、リング受け61Dおよび放熱フィン61Eとによって構成されている。また、固定スクロール61のリング受け61Dには切欠溝61D1が設けられている。
【0097】
62は本実施の形態に係る旋回スクロールで、該旋回スクロール62は、旋回スクロール本体63と背面プレート64とにより構成されている。また、旋回スクロール本体63は、鏡板63A、ラップ部63Bおよび放熱フィン63Cによって構成され、鏡板63Aには環状段部63Dが設けられている。さらに、背面プレート64はボス部64Aを有している。
【0098】
65は本実施の形態に用いる流入配管で、該流入配管65は、流入口65Aと流出口65B,65Bとを有し、該各流出口65Bの先端はフランジ65C,65Cとなっている。また、流入配管65の流入口65Aには例えば前記参考例で述べた吸込圧力調整弁15(図示せず)が設けられている。66は吐出口13に設けられた吐出配管である。
【0099】
67は旋回スクロール62の外周側に設けられた本実施の形態に用いる内側のシール取付部材で、該シール取付部材67は、旋回スクロール62の環状段部63Dに嵌着して取付けられ、その表面側にはシール取付溝67Aが設けられている。また、シール取付部材67の裏面側は摺接面67Bとなっている。
【0100】
68はシール取付部材67のシール取付溝67A内に設けられた本実施の形態に用いるシール部材としての接触シールで、該接触シール68は、第2の実施の形態で述べた接触シール48とほぼ同様に、内径側が開口した断面略コ字状の弾性体からなるシールリング69と、該シールリング69の内周側に設けられたばね部材70とによって構成されている。
【0101】
また、シールリング69は、固定リップ部69A1を有した固定側の環状板部69Aと、摺動リップ部69B1を有した摺動側の環状板部69Bと、環状板部69A,69B間を連結した連結筒部69Cとにより構成されている。そして、接触シール68は、固定リップ部69A1をシール取付溝67Aに嵌合させると共に、摺動リップ部69B1を固定スクロール61の切欠溝61D1に設けられた摺接リング71に相対的に摺動させ、この状態で固定スクロール61と旋回スクロール62との間を気密にシールしている。
【0102】
72はケーシング1の大径部1Aと固定スクロール41との間に固定して設けられた隔壁部材としての外側のシール取付部材で、該シール取付部材72は、前記第1の実施の形態で述べたシール取付部材52とほぼ同様に構成され、シール取付部材67を外側から取囲むように配置されている。
【0103】
73は内側のシール取付部材67と外側のシール取付部材72との間に形成された中間室で、該中間室73は、圧縮室8、吸込室12からのガスが接触シール68を介して漏洩したときに、このガスを中間室73内に一時的に収容するものである。
【0104】
74はシール取付部材72に設けられた補助用のシール手段としての補助シール機構で、該補助シール機構74は、第2の実施の形態で述べた補助シール機構54とほぼ同様に、フェイスシール75とバックアップリング76とにより構成され、中間室73内に漏洩したガスを密封するものである。
【0105】
77は中間室73内に漏洩したガスを外部に逃がすための逃がし機構で、該逃がし機構77は、後述のバイパス配管78,79、ベンチュリ管80および戻し配管81により構成されている。
【0106】
78は吐出配管66の途中に接続して設けられたバイパス通路としての流入側のバイパス配管、79は流入配管65の流入口65Aの途中に接続して設けられたバイパス通路としての流出側のバイパス配管で、これら各バイパス配管78,79は流入配管65、吐出配管66を介して吸込口11と吐出口13との間を連通するものである。
【0107】
このため、図8に示すように、吐出配管66内を矢示D方向へと向かうガスの一部はベンチュリ管80を介してバイパス配管78からバイパス配管79に向けて矢示E方向へと流通する。
【0108】
80はバイパス配管78,79の間に接続して設けられたベンチュリ管で、該ベンチュリ管80は、その長さ方向の中間に位置する最小内径部分よりもやや下流側が負圧発生部80Aとなっている。そして、図8に示すように、吐出配管66からのガスがベンチュリ管80内を矢示E方向へと流通するときには、負圧発生部80A内で負圧が発生することにより、中間室73内に漏洩したガスは後述の戻し配管81を介してベンチュリ管80側へと吸込まれるようになる。
【0109】
81は中間室73をベンチュリ管80の負圧発生部80Aと接続するための戻し配管で、該戻し配管81は、図8に示すように、中間室73内に漏洩したガスを矢示F方向へとベンチュリ管80内に吸込ませるものである。そして、ベンチュリ管80内に吸込まれたガスはバイパス配管79から流入配管65内へと矢示G方向に流通し、吸込口11内に戻される構成となっている。
【0110】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0111】
特に、本実施の形態では、吸込口11側の流入配管65と吐出口13側の吐出配管66との間をバイパス配管78,79を介して互いに連通し、該バイパス配管78,79の間にはベンチュリ管80を設け、中間室73を戻し配管81を通じてベンチュリ管80の負圧発生部80Aと接続する構成としている。
【0112】
このため、図8に示すように吐出配管66内を矢示D方向へと向かうガスの一部はバイパス配管78,79を介してベンチュリ管80内を矢示E方向へと流通し、このときに負圧発生部80A内で負圧を発生させることができる。
【0113】
この結果、例え圧縮室8内または吸込室12内のガスが接触シール68を介して中間室73内に漏洩したとしても、この漏洩したガスを戻し配管81を介して矢示F方向へとベンチュリ管80内に吸込むことができる。そして、ベンチュリ管80内に吸込んだガスをバイパス配管79から流入配管65内へと矢示G方向に流通させ、吸込口11内に戻して再度圧縮することができ、中間室73内のガスが外部に漏洩するのを防止することができる。
【0114】
また、中間室73内のガスを戻し配管81を介してベンチュリ管80側に吸込むことができることにより、中間室73内を常時負圧の状態に保つことができる。この結果、接触シール68の外周側となる中間室73と接触シール68の内周側82との間に大きな圧力差を生じさせることができ、この圧力差によりばね部材70からシールリング69に付加されるばね力を大きくすることができる。
【0115】
これにより、シールリング69の固定リップ部69A1、摺動リップ部69B1をそれぞれシール取付部材67のシール取付溝67A、摺接リング71に強く押付けることができ、接触シール68のシール性を高めることができる。
【0116】
次に、図9ないし図11は本発明の第3の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、固定スクロールと旋回スクロールとの間をシールする接触シールを構成するシールリングのうち、シール取付溝と嵌合して接触する固定リップ部の接触面積を小さく形成し、固定スクロールと摺動可能に接触する摺動リップ部の接触面積を大きく形成したことにある。
【0117】
なお、本実施の形態では、前述した参考例と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0118】
91は本実施の形態に係る固定スクロールで、該固定スクロール91は、鏡板91A、ラップ部91B、外縁部91C、リング受け91Dおよび放熱フィン91Eとによって構成されている。また、固定スクロール91のリング受け91Dには切欠溝91D1が設けられている。
【0119】
92は本実施の形態に係る旋回スクロールで、該旋回スクロール92は、旋回スクロール本体93と背面プレート94とにより構成されている。また、旋回スクロール本体93は、鏡板93A、ラップ部93Bおよび放熱フィン93Cによって構成され、鏡板93Aには環状段部93Dが設けられている。さらに、背面プレート94はボス部94Aを有している。
【0120】
95は旋回スクロール92の外周側に設けられた本実施の形態に用いるシール取付部材で、該シール取付部材95は、旋回スクロール92の環状段部93Dに嵌着して取付けられ、シール取付溝95Aを有している。
【0121】
96はシール取付部材95のシール取付溝95A内に設けられた本実施の形態に用いるシール部材としての接触シールで、該接触シール96は、後述のシールリング97とばね部材98とによって構成されている。
【0122】
97は接触シール96の一部を構成する本実施の形態に用いるシールリングで、該シールリング97は、樹脂材料等を用いることにより内径側が開口した断面略コ字状の弾性体として形成され、シール取付部材95のシール取付溝95A内に取付けられている。
【0123】
また、シールリング97は、シール取付溝95Aの底部側に配置され固定リップ部97A1が設けられた固定側の環状板部97Aと、シール取付溝95Aの開口部側に配置され摺動リップ部97B1が設けられた摺動側の環状板部97Bと、環状板部97A,97B間を連結した連結筒部97Cとにより構成されている。
【0124】
そして、シールリング97は、固定リップ部97A1がシール取付溝95Aに嵌合し、摺動リップ部97B1が固定スクロール91のリング受け91Dに設けられた後述の摺接リング99に相対的に摺動することにより、固定スクロール91と旋回スクロール92との間を気密にシールしている。
【0125】
ここで、シールリング97の固定リップ部97A1は、環状板部97Aから略三角形状または略半円形状の断面形状をなして突出している。これに対しシールリング97の摺動リップ部97B1は、環状板部97Bから略四角形状をなして突出し、その表面は全体が平坦面として形成されている。
【0126】
このため、シールリング97は、シール取付溝95Aに接触する固定リップ部97A1の接触面積をT1とし、摺接リング99に接触する摺動リップ部97B1の接触面積をT2としたとき、
【0127】
【数1】
T1<T2
の関係に設定される。
【0128】
この結果、シールリング97は、シール取付溝95Aに対する固定リップ部97A1の面圧をP1とし、摺接リング99に対する摺動リップ部97B1の面圧をP2としたとき、
【0129】
【数2】
P1>P2
となる。
【0130】
さらに、図10に示すように、シールリング97は固定リップ部97A1の厚みをL1とし、摺動リップ部97B1の厚みをL2としたとき、
【0131】
【数3】
L2>L1
となる関係に設定されている。
【0132】
98はシールリング97の内周側に嵌着して設けられたばね部材で、該ばね部材98は、断面コ字状の金属材料からなり、シールリング97の固定リップ部97A1、摺動リップ部97B1をそれぞれシール取付溝95のシール取付溝95A、摺接リング99に弾性的に押圧している。99は固定スクロール91のリング受け91Dに嵌着して設けられた摺接リングである。
【0133】
次に、本実施の形態によるスクロールガス圧縮機の動作について説明するに、まず、接触シール96はシールリング97がシール取付部材95のシール取付溝95A内に圧入して取付けられるため、旋回スクロール92の旋回動作時に接触シール96を摺接リング99に摺接させたときには、接触シール96とシール取付溝95Aとの間で大きな摩擦力が発生し、この摩擦力が抵抗となって接触シール96はシール取付溝95A内でゆっくりと相対回転するか、または殆ど動かない状態となる。
【0134】
従って、接触シール96は、固定リップ部97A1がシール取付溝95Aに対して低速で相対的に回転摺動する。これに対し、接触シール96の摺動リップ部97B1は固定スクロール91側の摺接リング99に接触しているため、この摺接リング99に対して高速で旋回摺動するようになる。
【0135】
ここで、本実施の形態では、接触シール96のシールリング97のうち、シール取付溝95Aに接触する固定リップ部97A1の接触面積T1と、摺接リング99に接触する摺動リップ部97B1の接触面積T2とを数1の関係に設定している。
【0136】
このため、シールリング97の固定リップ部97A1と摺動リップ部97B1のうち、高速で旋回摺動する摺動リップ部97B1側の面圧P2を固定リップ部97A1側の面圧P1よりも小さく(数2参照)抑えることができ、摺動リップ部97B1側の摩耗速度を小さく保ち、その耐久性、寿命等を高めることができる。
【0137】
ところで、スクロールガス圧縮機の組立後は、当該圧縮機を構成する各種部品の加工精度、組付誤差等に起因して、接触シール96の固定リップ部97A1とシール取付溝95Aとの間、摺動リップ部97B1と摺接リング99との間等には部分的に僅かな隙間が生じることがある。
【0138】
この場合、馴らし運転を行うことにより、接触シール96をシール取付溝95A、摺接リング99との間でそれぞれ積極的に摩耗させて前記隙間をなくし、接触シール96からのガスの漏洩を防止する必要がある。
【0139】
そこで、本実施の形態では、接触シール96のうち低速で回転摺動する固定リップ部97A1側の面圧P1を数2のように大きく設定したので、固定リップ部97A1側の摩耗速度を大きくし、前記馴らし運転の時間を短縮することができる。
【0140】
また、接触シール96の固定リップ部97A1の面圧P1を大きくできることにより、固定リップ部97A1のシール性を高めることができる。さらに、この固定リップ部97A1は低速で回転摺動するため、面圧P1を大きく設定したとしても、摩耗速度が極端に大きくなることはなくなり、固定リップ部97A1の耐久性も確保することができる。
【0141】
また、接触シール96の固定リップ部97A1は、その厚みL1を小さく形成することにより面圧P1を高く設定できるため、シール取付溝95Aとなじみ易くなり、固定リップ部97A1のシール性能を高めてガスの漏れの原因をなくすことができる。
【0142】
さらに、接触シール96の摺動リップ部97B1は、その厚みL2を大きく形成すると共に面圧P2を低く設定したことにより、摺動リップ部97B1の摩耗速度を遅らせることができる。
【0143】
なお、前記実施の形態では、所定圧を大気圧よりも僅かに低圧に設定するものとしたが、ベローズ23のばね力fの大きさ、方向等を適宜設定することによって、所定圧を大気圧よりも僅かに高圧に設定する構成としてもよい。
【0144】
また、前記実施の形態では、接触シール25を旋回スクロール5の鏡板6Aに取付けるものとしたが、本発明はこれに限らず、接触シール25を固定スクロール2のリング受け2Dに取付ける構成としてもよい。
【0145】
さらに、前記実施の形態では、固定スクロール2の吸込口11には流入配管14を介して吸込圧力調整弁15を接続する構成としたが、吸込口11に直接的に吸込圧力調整弁15を取付ける構成としてもよい。
【0146】
【発明の効果】
以上詳述した通り、請求項1の発明によれば、旋回スクロールの外周側には、固定側部材との間で圧縮室を外気に対して遮断するため、内径側が開口した断面コ字状の弾性体からなるシール部材を設け、前記固定側部材には、前記旋回スクロールの外周側を外側から取囲むと共に前記旋回スクロールとの間で前記圧縮室から前記シール部材を介して漏洩した気体を収容する中間室を形成する隔壁部材を設け、該隔壁部材と旋回スクロールとの間には前記中間室内に漏洩した気体を密封する補助用のシール手段を設ける構成としている。
【0148】
即ち、請求項1の発明によれば、旋回スクロールの外周側には固定側部材との間で圧縮室を外気に対して遮断するため、内径側が開口した断面コ字状の弾性体からなるシール部材を設ける構成としたので、シール部材を旋回スクロールと固定側部材とに弾性的に当接させ、両者の間をシールすることができ、吸込口に供給された気体または圧縮室内で圧縮された気体が旋回スクロールと固定側部材との間から外部に漏洩するのを防ぐことができる。
【0149】
また、吸込口に吸込圧力調整弁を接続した場合には、この吸込圧力調整弁によって吸込口と外部との圧力差を小さくすることができるから、シール部材を通じて外部に向かう気体を減少させることができ、シール部材による気密性を向上させることができる。しかも、前記固定側部材には、旋回スクロールとの間で中間室を形成する隔壁部材を設け、該隔壁部材と旋回スクロールとの間には中間室内に漏洩した気体を密封する補助用のシール手段を設ける構成としたので、例え圧縮室からシール部材を介して外部に気体が漏洩したとしても、補助用のシール手段により中間室内の気体が外部に漏洩するのを防止することができる。
【0150】
また、請求項2の発明は、シール部材の固定リップ部をシール取付溝と嵌合させ、摺動リップ部を固定スクロールと相対的に摺動させる構成としたので、シール部材は固定リップ部をシール取付溝に嵌合させ、摺動リップ部を固定スクロールに摺動させて、これらシール取付溝、固定スクロールとの間を気密にシールすることができ、シール部材のシール性能を高めることができる。
【0151】
一方、請求項3の発明は、旋回スクロールの外周側にはシール部材が取付けられる環状のシール取付溝を設けると共に、このシール部材は、シール取付溝と接触する固定リップ部の接触面積よりも固定スクロールと接触する摺動リップ部の接触面積を大きく形成する構成としたので、シール部材の固定リップ部をシール取付溝に大きな面圧をもって弾性的に接触させることができ、シール部材の固定リップ部とシール取付溝との間のシール性能を高めることができる。また、摺動リップ部が固定スクロールの摺接リングに対して旋回摺動するのに比べて、固定リップ部はシール取付溝に対して相対的に低速で回転摺動するか、または殆ど動かない状態となるため、固定リップ部の面圧を高く設定したとしても、固定リップ部の摩耗速度は極端に大きくなることはなくなり、固定リップ部の耐久性を維持することができる。
【0152】
また、シール部材の摺動リップ部を小さな面圧をもって固定スクロールに接触させることができ、摺動リップ部の摩耗速度を小さく抑えて、摺動リップ部の耐久性を高めることができる。
【0154】
さらに、請求項4の発明は、中間室内に収容された気体を逃がし手段により外部に逃がす構成としたので、逃がし手段により中間室内の気体を例えば屋外の大気中等へと放出することができ、中間室内から気体が外部に漏洩するのを防止することができる。
【0155】
さらに、請求項5の発明は、吸込口と吐出口との間にバイパス通路を設け、このバイパス通路の途中には負圧発生部を有したベンチュリを設け、中間室内の気体をベンチュリにより吸込口側に戻す構成としたので、例え圧縮室からシール部材を介して中間室内に気体が漏洩したとしても、この気体をベンチュリにより戻し通路を通じて吸込口に戻すことができ、中間室内から気体が外部に漏洩するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の前提となる参考例によるスクロールガス圧縮機を示す縦断面図である。
【図2】 図1中のa部を拡大して示す要部拡大縦断面図である。
【図3】 参考例による吸込圧力調整弁を閉弁状態で拡大して示す拡大断面図である。
【図4】 参考例による吸込圧力調整弁を開弁状態で拡大して示す拡大断面図である。
【図5】 本発明の第1の実施の形態によるスクロールガス圧縮機を示す縦断面図である。
【図6】 図5中のb部を拡大して示す要部拡大断面図である。
【図7】 本発明の第2の実施の形態によるスクロールガス圧縮機を示す縦断面図である。
【図8】 図7中の接触シール、補助シール機構、ベンチュリ管、戻し配管等を拡大して示す部分拡大断面図である。
【図9】 本発明の第3の実施の形態によるスクロールガス圧縮機の接触シール等を図8と同様位置からみた部分拡大断面図である。
【図10】 図9中のc部を拡大して示す要部拡大断面図である。
【図11】 図10中の接触シールを単体で示す断面図である。
Claims (5)
- ケーシングと該ケーシングに設けられ鏡板に渦巻状のラップ部が立設された固定スクロールとからなる固定側部材と、前記ケーシングに回転可能に設けられた駆動軸と、該駆動軸の先端側に旋回可能に設けられ、鏡板に前記固定スクロールのラップ部と重なり合って複数の圧縮室を画成する渦巻状のラップ部が立設された旋回スクロールと、前記固定側部材に設けられ、前記各圧縮室のうち最外周側の圧縮室に連通した吸込口および内周側の圧縮室からの圧縮気体を外部に吐出する吐出口とを備えてなるスクロール圧縮機において、
前記旋回スクロールの外周側には、前記固定側部材との間で前記圧縮室を外気に対して遮断するため、内径側が開口した断面コ字状の弾性体からなるシール部材を設け、
前記固定側部材には、前記旋回スクロールの外周側を外側から取囲むと共に前記旋回スクロールとの間で前記圧縮室から前記シール部材を介して漏洩した気体を収容する中間室を形成する隔壁部材を設け、
該隔壁部材と旋回スクロールとの間には前記中間室内に漏洩した気体を密封する補助用のシール手段を設けたことを特徴とするスクロール圧縮機。 - 前記旋回スクロールの外周側には前記固定スクロールとの対向面側に開口する環状のシール取付溝を設け、前記シール部材は前記シール取付溝に嵌合される固定リップ部と前記固定スクロールと相対的に摺動する摺動リップ部とを有する構成としてなる請求項1に記載のスクロール圧縮機。
- ケーシングと該ケーシングに設けられ鏡板に渦巻状のラップ部が立設された固定スクロールとからなる固定側部材と、前記ケーシングに回転可能に設けられた駆動軸と、該駆動軸の先端側に旋回可能に設けられ、鏡板に前記固定スクロールのラップ部と重なり合って複数の圧縮室を画成する渦巻状のラップ部が立設された旋回スクロールと、前記固定側部材に設けられ、前記各圧縮室のうち最外周側の圧縮室に連通した吸込口および内周側の圧縮室からの圧縮気体を外部に吐出する吐出口とを備えてなるスクロール圧縮機において、
前記旋回スクロールの外周側には、前記固定側部材との間で前記圧縮室を外気に対して遮断するため、内径側が開口した断面コ字状の弾性体からなるシール部材を設け、
前記旋回スクロールの外周側には前記固定スクロールとの対向面側に開口する環状のシール取付溝を設け、前記シール部材は前記シール取付溝に嵌合される固定リップ部と前記固定スクロールと相対的に摺動する摺動リップ部とを有する構成とし、
前記シール部材は、前記シール取付溝と接触する固定リップ部の接触面積よりも、前記固定スクロールと接触する摺動リップ部の接触面積を大きく形成する構成としたことを特徴とするスクロール圧縮機。 - 前記中間室内に収容された気体を外部に逃がすための逃がし手段を備えてなる請求項1または2に記載のスクロール圧縮機。
- 前記逃がし手段は、前記吸込口と吐出口との間を連通するバイパス通路と、該バイパス通路の途中に設けられ前記吐出口からの吐出気体が該バイパス通路を通じて前記吸込口側に向けて流通するときに負圧を発生する負圧発生部を有したベンチュリと、該ベンチュリの負圧発生部と前記中間室との間を連通し前記中間室内の気体を前記吸込口に戻す戻し通路とにより構成してなる請求項4に記載のスクロール圧縮機。
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