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JP4654866B2 - 容量性インピーダンスを持つ素子を駆動する駆動方法および駆動装置並びに撮像装置 - Google Patents

容量性インピーダンスを持つ素子を駆動する駆動方法および駆動装置並びに撮像装置 Download PDF

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Description

本発明は、電荷転送素子(CCD;Charge Coupled Device )などの容量性のインピーダンスを持つ素子を駆動する駆動方法および駆動装置、たとえばCCD用のドライバ回路などに関する。より詳細には、駆動時の消費電力を低減する技術に関する。
容量性のインピーダンスを持つ素子の代表的なものとして、撮像素子や、信号処理回路における遅延素子として、電荷転送素子が用いられている。
この電荷転送素子は、半導体基板上に絶縁膜を介して配された電極群からなり、そのインピーダンスは静電容量で近似できる。そして、その駆動には、その静電容量への電荷の充放電により、大きな電流を消費する問題がある。電荷転送素子を高速駆動すると、充放電に伴う消費電力の増大がさらに大きくなる。
この問題を解決するために、様々な手法が考えられている(たとえば、特許文献1〜4を参照)。
特開平1−303756号公報 特開平1−303757号公報 特開平1−303758号公報 特開平11−98416号公報 特開平5−122625号公報 特開平5−122619号公報
たとえば、特許文献1〜3には、LC共振回路を用いることで、電荷結合素子の消費電力を削減する仕組みが提案されている。たとえば、図23に示すように、インダクタL903(L3)とコンデンサC903(C3)の共振回路の他に、電荷結合素子901の容量ばらつきを補正するための調整用の可変容量素子913(C4)を配する仕組みや、図24(A)に示すように、電荷結合素子901とインダクタL902(L2)でなる並列共振回路の間にSW914,SW915を配して、かつ電源と共振回路の間にもSW916を配する仕組みが提案されている。
図24(A)に示す仕組みにおいては、図24(B)に示すように、3つのSW914,915,916を制御することで、共振回路内での共振期間(図中の917において、φ15=onの期間)と電源−電荷結合素子間の充放電期間(図中の917において、φ15=offの期間)を交互に切り替えることにより、共振期間内において、電源から流出する電流を抑えることで低消費電力化を実現するようにしている。
また、特許文献4には、図25(A)に示すように、電荷結合素子の前段の電荷転送ゲート電極が駆動された後でかつ後段の電荷転送ゲート電極が駆動される前に、両電極を駆動するクロックの経路を遮断するとともに、両電極相互間を接続するスイッチ909,910,911(SW0,SW1,SW2)でなるスイッチ回路を設ける構成が提案されている。
この場合、図25(B)に示すように、電荷結合素子908の電荷転送ゲート電極前段が駆動された直後から後段の電荷転送ゲート電極後段が駆動される直前までの期間(図中のφ3=1の区間)において、クロックφ1=0、クロックφ2=0として両電極を駆動するスイッチSW1,SW2を遮断し、クロックφ3=1としてSW2をオンさせて、つまりスイッチSW1,SW2とスイッチSW3を、オン/オフを逆に制御して、両電極相互間を電荷転送中の所定のタイミングで接続する。
このような制御を行なうと、前段の電極に充電されていた電荷の一部を次段の電極に移すことで電荷をリサイクルでき、その結果として、電荷結合素子の電極の静電容量を充放電する無効なエネルギを低減することができ、消費電力を低減することができるようになる。
また、特許文献5では、図26(A)に示すように、2相共振ドライバ回路を提案しているが、容量負荷920は、図26(B)に示す容量負荷921と等価である。よって、図26(A)と図26(B)は等価である。ここで、2相共振ドライバ回路では、図26(B)において、共振ループが対接地(GND)に対して形成されており、電極容量を含めた共振回路で共振させることで、共振ループ内で電流を保持することで回路全体の消費電力を小さく抑えている。従来であれば電極容量で消費される電力が課題となっていたが、2相共振ドライバ回路では、共振ループ内に電流を取り込むことで、電力消費の増大を抑えているのである。
しかしながら、2相共振ドライバ回路では、矩形波のように奇数次高調波を含むような信号で制御する場合においては、高調波成分による消費電力の増大が課題として残る。
また、特許文献6では、CCD駆動で特有の問題である駆動波形の1発目の駆動力不足のために電荷の転送を失敗する現象を回避するために、図26(C)に示すように、2相のクロック信号のそれぞれの供給を互いにクロックの1周期以上ずらして開始する、つまり一方のクロック信号に関しては1つもしくはそれ以上のパルスを余分に空回しすることで、CCD転送に寄与する駆動のレベルを確保している。
しかしながら、これら特許文献1〜4に記載された仕組みでは、スイッチの制御が、電極をLレベル(論理0)にするかHレベル(論理1)にするかと、電極をショートするか否かの制御になっており、回路内での電力消費が依然として大きい。
また、特許文献5では、共振周波数で動作させることができれば、消費電力は実質“0”に近い状況を実現できるが、実際には高調波成分を含むので、この高調波成分による消費電力の増大が存在する。
さらに、文献6に記載の仕組みでは、駆動波形の初期の駆動力確保のために、一方のクロック信号に関して、1つもしくはそれ以上の数のパルスを余分に空回しすることが必要があり、その分だけ、消費電力の増大が発生してしまう。この点では、別手段で空回しをなくしつつ、駆動当初の駆動力を確保することができれば好ましいのである。
たとえば、特許文献1〜3に記載された仕組みでは、共振を利用して電流を回路内に保持させることで、電源へ流出する電流を少なくすることにより、低消費電力化を図っているが、回路全体としては断続的な共振になっており、電流を回路内に保持させる能力が少なく、結果として、低消費電力化の効果が低い。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、容量性インピーダンスを持つ素子を駆動するに際して、初期駆動力確保のための空回し制御をなくしても初期駆動を確保できるようにするための仕組みと、低消費電力化の効果をさらに高めることのできる仕組みを提供することを目的とする。
本発明においては、容量性のインピーダンスを持つ素子を駆動するに当たり、n相のLC共振回路を構築するようにしつつ、そのn相のLC共振回路を駆動するドライバ回路の制御タイミングを工夫することで、低消費電力化の実現や初期駆動力不足の回避、オーバーシュートを生じさせない駆動を図ることを特徴としている。
ドライバ回路の低消費電力化について具体的に説明すると、n個の素子との間でn相のLC共振回路を構成し、n相のLC共振回路が順次相を移行して共振するように駆動するようにする。また、n相のLC共振回路の駆動点を、論理レベル0、ハイインピーダンス、および1の何れかで駆動するようにする。好ましくは、この両者をともに実行するようにすることで、出力論理が0、ハイインピーダンス、および1の何れかをとり、どの時点のタイミングにおいても重複しないように位相と論理を割り付ける。
ハイインピーダンスを割り付けることにより、ハイインピーダンス期間を信号の遷移(1→0または0→1)の期間に割り付けることができ、論理1,0,ハイインピーダンスを均等に割り付けると、120度通電の方形波として扱うことができて、信号成分の3次高調波成分が0になり、高調波成分による消費電力の増大を最大限に防止できる。
特許文献1〜4に記載の方式は、論理レベル0および1の何れかで駆動するものであるのに対して、本願発明では、ハイインピーダンス状態を導入し、このハイインピーダンス状態を論理レベル0および1とうまく組み合わせてn相共振回路の駆動点を駆動するようにした点に大きな特徴を有する。論理レベル0、ハイインピーダンス、および1のタイミングを工夫することで、n相のLC共振回路が順次相を移行して共振するように駆動することができるようになる。論理レベル0、ハイインピーダンス、および1を順次切り替えていくという点では、少なくとも3つの相が必要になる。また、4相以上でも不都合はないが、3つの論理レベル0、1、ハイインピーダンスとの整合においては、3m(mは1以上の正の整数)相、特に相数の最も少ない3相が最適であるということになる。
なお、3相共振による制御と論理の割付を工夫することで、特許文献5の高調波成分による消費電力の増大も最大限回避できる。さらに、電極容量は3相の電極それぞれに付与されるので、Y−Δ変換により電極容量も3相共振のループ内の容量(後述する図1のC0)にそれぞれ取り込まれる。よって、特許文献5に記載の仕組みにおいて、消費される電極容量による電力も、3相共振では共振ループ内に取り込むことができ、本願発明の制御方法によれば、電極容量による電力消費の影響をゼロもしくは限りなく小さくすることができる。
さらに、n相共振回路の全体としては共振に隙間が生じることなく、また各相の論理レベルが、どの時点のタイミングにおいても重複しないようにするべく、各相を2π/n(rad)の位相差を保つように駆動するのがよい。換言すれば、n相の全体を駆動する1周期において、何れかの相が必ず共振状態にあり、さらに共振が順に次の相に移行するようにする。
ドライバ回路の出力に、3相以上のLC共振回路を構成するように素子を配して、各相を2π/nの位相差を保つように駆動することで、共振回路内で電流を保持することができるようになる。この際に、n相のLC共振回路が順次相を移行して共振するように駆動すれば、何れかの相のLC共振回路が必ず共振状態になり、全体としては、連続的な共振動作を行なうようにでき、電流を回路内に保持させる能力を飛躍的に高めることができる。つまり、n相の共振回路内で保持できる電流量を最大化することで、接地(GND)への電流流出および電源からの電流供給を最小限に抑えることができる。
連続的な共振動作を定常的に行なうようにするには、n相のLC共振回路の駆動点を、論理レベル0、ハイインピーダンス、および1の何れかを所定の順に変化させるように駆動することで実現が容易になる。その際には、駆動点の論理レベルを、0→1→0→1→…と遷移させる過程で、ハイインピーダンスの状態を必ず挟むようにするのがよい。こうすることで、連続的な共振動作とドライバ回路の出力段に配されるトランジスタの貫通電流の防止または抑制を両立させることができる。
また、ドライバ回路の初期駆動力不足とオーバーシュートを生じさせないための工夫を具体的に説明すると、n相のLC共振回路の駆動点に対して、ハイインピーダンスの論理を持たせず全ての論理を0または1とし、論理0の駆動点を論理1の駆動点でサンドイッチにして、論理0が論理1に最初に遷移するときの駆動力不足を2つの論理1でアシストすることで、初期駆動力不足を回避することができる。
さらに、オーバーシュートはドライバの駆動能力に対して、共振回路からの電流の引込みの方が強いときに発生するので、オーバーシュートの低減のためには共振回路にダンピング抵抗を挿入して引込電流を小さくするか、ドライバの貫通電流を生かして、一時的にドライバの駆動能力を高めて、共振回路の電流引込みを賄うことで実現できる。
他方、共振回路にダンピング抵抗を挿入すると、共振回路内で保持できる電流量が小さくなり、ドライバ回路からの電流の流入や流出が大きくなり、定常電流が大きくなるというデメリットが発生する。よって、ダンピング抵抗を利用する場合には、適度な大きさの抵抗値にすることが肝要である。
以上のことから、駆動当初はドライバ出力論理を論理0と論理1になるように制御し、隣接の駆動点の論理により初期駆動力不足の駆動点をアシストして駆動力を確保し、かつドライバの貫通電流を生かして共振回路でのオーバーシュートを押さえ込む制御方法Aと、ドライバ出力論理を論理0と論理ハイインピーダンスと論理1を重複することなく制御し、低消費電力化を実現することを特徴とした制御方法Bを組み合わせて、制御方法Aによる状態から制御方法Bによる状態へ移行させることで、低消費電力化の実現や初期駆動力不足の回避、オーバーシュートを生じさせない駆動を図ることが実現できる。
本発明によれば、ドライブ回路出力にn相共振回路を配して、n相共振回路内で電流を保持できるように駆動するので、電源からの電流の流出を効果的に抑制することができ、消費電力を従来よりも低く抑えることができるようになる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
<基本原理;素子ばらつきなし>
図1および図2は、本発明に係る容量素子の駆動手法の基本原理を説明する図である。本実施形態の駆動手法では、また、ドライバ出力論理に、“1”,“Z”(ハイインピーダンス状態、“0”の3つの状態をとる場合において、ドライバ回路の駆動タイミングの制御に工夫を施すことにより、さらに低消費電力化を行ないつつ、出力駆動波形のオーバーシュートもなく、また初期駆動力も確保できる矩形波を実現することを特徴としている。
以下、3相駆動を例に具体的に説明する。
図1は、3相共振回路10の基本的な構成例を示している。この3相共振回路10は、Δ結線として構成しており、3相共振回路10を駆動する各相の駆動電源2として、AC(Alternating Current )電源V0,V1,V2が各ノード(駆動点)Node_A,Node_B,Node_Cに接続されるようになっている。
AC電源V0,V1,V2間に、所定のインピーダンス回路20がΔ結線で配置される。本実施形態では、抵抗値Rの抵抗素子22、容量値Cの容量素子(コンデンサ)24、インダクタンスLの誘電素子(インダクタまたはコイル)26の直列回路21と、この直列回路21に並列接続された容量値C0の容量素子28とでなる直並列型の3つのインピーダンス回路20(それぞれを参照子_01,12,20を付して示す/以下同様である)がΔ結線されている。
容量素子28は、CCDなどの容量性のインピーダンスを持つ素子の容量成分に相当するものである。抵抗素子22は、ダンピング抵抗として機能するものである。抵抗素子22は、必須のものではなく、基本的には、LC共振回路をなす直列回路21を容量性のインピーダンスを持つ素子(容量素子28に相当)に接続した構成となる。なお、各素子は、何れも、各相で、素子ばらつきがない理想的な状況にあるものとする。
駆動電源2(V0)と駆動電源2(V1)との間には、駆動電源2(V0)側から駆動電源2(V1)側に向けて電流i0が流れるものとする。この電流i0は、インピーダンス回路20_01を構成する容量素子28に流れる電流i00と、抵抗素子22、容量素子24、および誘電素子26の直列回路21_01に流れる電流i01の合成で表わすことができる。
同様に、駆動電源2(V1)と駆動電源2(V2)との間には、駆動電源2(V1)側から駆動電源2(V2)側に向けて電流i1が流れるものとする。この電流i1は、インピーダンス回路20_12を構成する容量素子28に流れる電流i10と、抵抗素子22、容量素子24、および誘電素子26の直列回路21_12に流れる電流i11の合成で表わすことができる。
同様に、駆動電源2(V2)と駆動電源2(V0)との間には、駆動電源2(V2)側から駆動電源2(V0)側に向けて電流i2が流れるものとする。この電流i2は、インピーダンス回路20_20を構成する容量素子28に流れる電流i20と、抵抗素子22、容量素子24、および誘電素子26の直列回路21_20に流れる電流i21の合成で表わすことができる。
ここで、この3相共振回路10において、共振により電流を回路内で保持できる最大電力を実現する駆動電源2の条件について考察する。最大電力を実現する駆動電源2の条件を特定するのは、3相回路内で保持できる電流量を最大化することで、電源Vddへの電流流出および電源Vddからの電流供給を最小限に抑えることができ、消費電力の削減効果を最大にすることができるようになるからである。
考察を簡易にするべく、図1に示すLCR回路を合成インピーダンスZで表わして簡略化した図2にて考察を行なうこととする。ここで、インピーダンス回路20の合成インピーダンスZは、式(1)で表わすことができる。
また、3相共振回路10の(複素)消費電力Pは、式(2)で表わすことができる。
ここで、駆動電源2(V0,V1,V2)をそれぞれ式(3)と定義し、また、各駆動電源2の初期位相をそれぞれφ0,φ1,φ2と定義すると、ノードNode_A,Node_B,Node_C間の電位差Δ01(=V0−V1),Δ12(=V1−V2),Δ20(=V2−V0)は、式(4)となる。
ここで、Z=zexp(jθ)とおくと、式(2)で示された3相LCR−C回路の複素消費電力Pは、式(5)のように変形することができる。
ここで、さらに皮相電力をVA、力率をcosΨとおくと、P=VAexp(jψ)となり、式(6)および式(7)が得られる。
ここで、3相共振回路10内で、電流が最大限に保持されることが望ましいので、消費電力Pの絶対値|P|が最大になる条件が望ましく、皮相電力ができるだけ大きく(皮相電力最大が最適)、力率ができるだけ“1”(力率1が最適)となるようにすることが条件になる。
よって、各駆動電源2の初期位相に求められる条件は、式(8)のようになる。
図3は、各駆動電源2の初期位相φ0,φ1,φ2の決定手法を説明する図である。複素平面上のベクトルa,b,c(図や式ではa,b,cの上部に“→”を付して示す)を考えると、原点を基点とする図3(A)に示すスター型のベクトル均衡状態において、ベクトルa,b,cを式(9−1)〜式(9−3)のようにおくと、求められる条件式は式(9−4)と表すことができる。
また、図3(A)に示すスター型のベクトル均衡状態は、図3(B)に示すようにΔ型に変形でき、素子ばらつきがないと正三角形が形成される。図3(B)において、ベクトルbのなす角α、ベクトルaのなす角β、ベクトルcのなす角γは、式(10−1)〜式(10−3)のようになり、これから式(10−4)が得られる。
したがって、各駆動電源2の初期位相φ0,φ1,φ2は、2π/3ずつ、位相がずれることが望ましいことになる。
よって、(φ0,φ1,φ2)=(θ,θ+2π/3,θ+4π/3)である限り、位相角θは任意でよいことになる。
したがって、3相共振回路10の各ノードNode_A,Node_B,Node_Cを駆動する3つの駆動電源2(V0,V1,V2)の各位相が、2π/3(rad)ずれることで、3相共振回路10内での力率が“1”となり、電流保持が最大となり、消費電力が最小となることが分かる。
これは、3相の全体を駆動する1周期において、3つのインピーダンス回路20の共振に隙間が生じることなく、順次、相を移行させるということ、つまり、1周期内では、何れかの相が必ず共振状態にあり、さらに共振が順に次の相に移行するようにすればよいということを意味している。
つまり、3相共振回路の制御に位相と論理の割付けという新たな概念を導入して、3相共振回路内で電流の保持を最大限にする条件を見出すことで、可能な限りの低消費電力化を施せることになる。その結果、180度通電モードから120度通電モードへクロック4周期以上のタイムスパンをとって遷移させると、オーバーシュートすることなくスムーズに定常的な共振状態へ移行させることができるのである。
3相共振による低消費電力化では、CCDなどの固体撮像素子の容量負荷を含めて共振回路を構成し、共振現象を電流を保持できる現象と解釈し、保持される電流によって容量負荷を駆動することで、電源からの電流流入や接地(GND)への電流流出を大幅に削減することができるのである。
たとえば、図1に示した3相共振回路10において、インピーダンス回路20が共振状態にあるのは、一方の駆動電源2から他方の駆動電源2へ流れる電流i0,i1,i2、すなわち一方のノードから他方のノードへ流れる電流がゼロのときである。つまり、一方の駆動電源2からの電流出力や他方の駆動電源2への電流供給がない状態である。
ここで、3相共振回路10の各駆動点をドライバ回路で駆動する場合には、駆動電源2をドライバ回路に置き換えることになる。この場合、一方のノードから他方のノードへ電流を流すには、一方のドライバ回路の出力論理を1(Hレベル)にし他方のドライバ回路の出力論理を0(Lレベル)にすればよい。
また、ノード間に電流を流さずに何れかの相のインピーダンス回路20を共振状態にするには、両側のドライバ回路の出力論理をハイインピーダンス状態(Zとも記す)にし、共振状態にない2つの相を経由して行なうことになる。このとき、出力論理がハイインピーダンスZのノードを経由する。共振状態にある相はインピーダンスが大きいので電流の流入や流出がない。よって、共振状態にない相を電流パスにすることで、共振状態の相を順次移行させることができる。
3相の全体を駆動する1周期において、3つのインピーダンス回路20の共振に隙間が生じることなく、順次、相を移行させる、つまり、1周期内で、何れかの相が必ず共振状態にあり、さらに共振を順に次の相に移行させることで、3相共振回路10の電流保持を最大にするためには、3相共振回路10の各ノードを駆動する3つのドライバ回路の出力論理を1,0,Zの何れかをとり、それらがどの時点のタイミングにおいても重複しないように、位相と論理を割り付ければよいということになる。3つのインピーダンス回路20の共振に隙間が生じることがないということは、要するに、出力論理1,0,Zの何れかにある各相の位相が2π/3(rad)ずつの位相差を保つということである。
なお、ここで特定した条件は、力率を“1”にすることで、3相回路内で保持できる電流量を最大化し、消費電力の削減効果を最大にする条件であり、多少のズレがあってもかまわない。この条件から外れていると、その効果が低下するということになる。
たとえば、出力論理1,0,Zの何れかにある各相の位相が2π/3(rad)ずつの位相差を保たなければ、必然的に、共振の相を順に移行させること、つまり、1周期内で、何れかの相が必ず共振状態にあるようにすることができなくなる。また、出力論理Zの位相期間を短くすると、1つのノードに対して2つのノードからの電流流入がなされる期間や、逆に1つのノードから2つのノードへの電流供給がなされる期間が生じ、消費電力の削減効果が低下する。
また、ここで求めた条件は、3相の場合の条件であるが、前記の考察から推測されるように、一般的には、n個の容量素子との間で共振回路をなすようにインピーダンス回路を設けてn相のLC共振回路を構成するようにし、このn相のLC共振回路が順次相を移行して共振するように駆動すればよいということになる。この場合、n相のLC共振回路が順次相を移行して共振するように、n相のLC共振回路のノードを、論理レベル0、ハイインピーダンス、および1の何れかで駆動すればよい。
好ましくは、各相を2π/nの位相差を保つように駆動することで、出力論理が0、ハイインピーダンス、および1の何れかをとり、どの時点のタイミングにおいても重複しないように位相と論理を割り付けるようにするのがよい。
つまり、一般的なn相については、n相共振回路の各ノードを駆動するn個のドライバ回路の出力位相が、2π/n(rad)ずれることで、n相共振回路内での電流保持が最大となり、消費電力が最小となることになる。
<3相共振回路と駆動電源との接続態様>
図4は、3相共振回路10と駆動電源2との接続態様の一例を示した図である。3相共振回路10は、図1に示した駆動電源2に相当するドライバ回路30の出力段と各ノードNode_A,Node_B,Node_Cに接続されるようになっている。なお、本願におけるドライバ回路は、この図における出力段31は問題ではなく、ドライバ回路30の出力端子すなわち3相共振回路10の駆動点に論理1,0,Zを与えるためのパルス信号を生成する部分が主要要素である。
ドライバ回路30の出力段31は、一例として、図4(A)に示すような構成のものが使用される。すなわち、出力段31は、電源Vdd側に配されるP型MOSトランジスタ32と接地Gnd側に配されるN型MOSトランジスタ34の直列回路で構成されている。P型MOSトランジスタ32のゲート32G(ノードNode_AP ,_BP ,_CP )およびN型MOSトランジスタ34のゲート34G(ノードNode_AN ,_BN ,_CN )には、それぞれ対応する駆動パルスが供給される。各MOSトランジスタ32,34の接続点であるドライバ回路30の出力ノード30_Outが、図4(B)に示す3相共振回路10の各ノードNode_A,Node_B,Node_Cに接続される。
<3相共振回路の各ノードの位相と論理の割付け;第1実施形態>
図5は、3相共振回路10の各ノードの位相とドライバ回路30の出力論理の割付けと駆動タイミングの第1実施形態を説明する図である。この第1実施形態は、3相回路内で保持できる電流量を最大化することで、電源Vddへの電流流出および電源Vddからの電流供給を最小限に抑え、これにより、消費電力の削減を行なう最も基本となる制御タイミングを実現するものである。
ドライバ回路30の出力論理は、ゲート32Gおよびゲート34Gに供給される駆動パルスの入力条件によって、論理“1”、“Z”(ハイインピーダンス)、“0”の3種類をとるものとする。具体的には、ゲート32GにLレベルが供給されるとP型MOSトランジスタ32がオンし、ゲート34GにHレベルが供給されるとN型MOSトランジスタ34がオンする。P型MOSトランジスタ32およびN型MOSトランジスタ34をともにオンさせると、電源Vddと接地Gndとがショートされるので、このようなタイミングで駆動することを避けるようにする。
P型MOSトランジスタ32のみをオンさせると、ドライバ回路30の出力ノード30_Outが電源Vddと接続され、論理“1”が得られる。N型MOSトランジスタ34のみをオンさせると、ドライバ回路30の出力ノード30_Outが接地Gndと接続され、論理“0”が得られる。各トランジスタ32,34をともにオフさせると、ドライバ回路30の出力ノード30_Outがハイインピーダンス状態となり、論理“Z”が得られる。
ここで、第1実施形態の論理と位相の割付け態様としては、ドライバ回路30の出力論理が1周期全体のうち、論理“1”を1/3、論理“Z”を1/3、論理“0”を1/3の期間をとるように、論理と位相の割付けを用意する。つまり、3相共振回路10の各ノードNode_A,Node_B,Node_Cの位相とドライバ回路30の出力論理“1”,Z,0を、均等に3等分して割り付ける。こうすることで、常に1,Z,0の何れかの論理を取り、それぞれが重複することのないようにすることができる。
一例として、図5に示す論理と位相の割付けのように、π/6(rad)〜5π/6(rad)に論理“1”を割り当て、7π/6(rad)〜11π/6(rad)に論理“0”を割り当て、残りの5π/6(rad)〜7π/6(rad)および11π/6(rad)〜1π/6(rad)に論理“Z”を割り当てることとする。
π/6(rad)〜5π/6(rad)の論理“1”の期間と、7π/6(rad)〜11π/6(rad)の論理“0”の期間との間に、論理“Z”を割り当てることで、論理の遷移過程で、直列接続されたP型MOSトランジスタ32とN型MOSトランジスタ34をともにオンすることを防止し、これにより、電源Vddと接地Gndとがショートすることで大電流が流れトランジスタが破壊に至ることを防止している。
すなわち、論理“1”から論理“0”へ、もしくはその逆に、直ちに論理が変化するように駆動すると、各トランジスタ32,34のバラツキで、一瞬、両者がともにオンする期間が生じ、貫通電流が発生し、回路全体の消費電流増大を招き、本願発明の趣旨に反するが、両者がともにオフする期間を確実に経るように駆動することで、その問題を回避することができる。
もちろん、論理“1”から論理“0”へ、もしくはその逆に、両者がともにオフする期間を経ることなく駆動することは可能である。また、この例では、両者がともにオフする期間を、それぞれπ/3(rad)に設定しているが、これは一例に過ぎず、どの程度にするかは自由である。
ここで、各ノードNode_A,Node_B,Node_Cの初期位相を、ノードNode_Aは3π/2(rad)、ノードNode_Bはπ/6(rad)、ノードNode_Cは5π/6(rad)とする。これら3つの駆動電源2(V0,V1,V2)の各初期位相は2π/3(rad)ずれている。もちろん、ここで示す各ノードNode_A,Node_B,Node_Cの初期位相は一例に過ぎず、各初期位相が2π/3(rad)ずつずれるという3者の関係を保っている限り、位相角θは任意でよいので、たとえば2π/3ずつ初期位相をそれぞれずらしてもよい。
つまり、各相の位相が120度ずつの位相差を保ちつつ、ドライバ回路30の出力論理が1,Z,0の何れかを取るようにし、どの時点のタイミングにおいても、重複しないように位相と論理を割り付けている。こうすることで、3相共振回路10内での電流保持が最大となり、消費電力を最小とすることができる。
ドライバ回路の出力にn相共振回路を配して、n相共振回路内で電流を保持できるように駆動するので、電源からの電流の流出を特許文献1〜3に記載の仕組みよりも効果的に抑制することができ、消費電力を特許文献1〜3に記載の仕組みよりも低く抑えることができるようになる。
たとえば、CCD撮像素子の水平CCDを水平ドライバ回路にて駆動するに当たっては、駆動周波数が高くなり、水平CCDを高速駆動する際の充放電に伴う消費電力の増大が問題となるが、本実施形態を適用すると、その改善に大きく寄与することができる。
特許文献1〜4に記載の技術では、電荷結合素子を駆動するドライバ回路において、ドライバ出力論理が2つの状態(1,0)の何れかをとる場合のみ論じられており、ドライバ出力にハイインピーダンスの状態を盛り込んで、ドライバ出力論理の3つの状態(1,Z,0)の何れかの論理をとり、その制御タイミングを工夫することによって、消費電力を低減する手法については全く考慮されておらず、この点に関して考察し、好適な制御タイミングを確定した本実施形態にて提案する仕組みが果たす効果は非常に高い。
図6は、図5に示す出力論理と位相の割付けから導かれる図4に示したドライバ回路30のゲート32G(ノードNode_AP ,_BP ,_CP )およびゲート34G(ノードNode_AN ,_BN ,_CN )に供給する駆動パルスと、それによる3相共振回路10の各ノードNode_A,_B,_Cの制御タイミングの一例を示す図である。ここで、図6では、1周期を24nsecとして、24nsecで360度位相が進むように、8nsec〜32nsecの期間を示している。この例では、1nsec当たり15度ずつ位相が進むようになる。
もちろん、ここで示す各ノードNode_A,Node_B,Node_Cに対する制御タイミングは一例に過ぎず、3者の関係を保って2π/3を単位として初期位相をずらしてもよい。たとえば、図に示す各ノードNode_A,Node_B,Node_Cに対する各タイミングを、それぞれノードNode_C,Node_A,Node_Bに対応付けるようにしてもよい。
図7および図8は、第1実施形態によるドライバ回路30の出力論理と位相の割付けによる効果を説明する図である。ここで、図7は、図6に示したドライバ回路30の制御タイミングで3相共振回路10を制御したときのドライバ回路30の出力応答を示す図である。また、図8は、図7に関するダンピング抵抗依存性を示す図である。
ここで、図6に示す駆動タイミングでドライバ回路30を制御すると、図7に示すように、初期駆動時に駆動力不足60やオーバーシュート61が発生するデメリットがあるが、定常状態62になると、波形の形状は滑らかであり、消費電流を小さく抑えることもできる。文献6に記載の仕組みとは異なり、何れかのクロック信号に関して、1つもしくはそれ以上のパルスを余分に空回しすることで駆動力を確保するということも不要である。このような第1実施形態で示す制御タイミングがドライバ回路30の定常電流の削減に効果的であることが分かる。
他方、CCD向けのドライバ回路では、初期駆動力不足60とCCDの電荷転送でミスを引き起こすオーバーシュート61が問題視されている。オーバーシュート61の問題を解消するには、たとえば図8に示すように、ダンピング抵抗(Dumping_Resistor)を若干大きくすれば、3相共振回路10内で保持される電流を少なくすることができ、その結果として、オーバーシュートを抑えることができる。
これは、駆動電源2へ流出する電流を使って、オーバーシュートを抑え込むことと等価である。しかしながら、ダンピング抵抗は、3相共振回路10の電流保持を妨げる方向へ働くので、オーバーシュートを抑える際に、多少の消費電流の増加が発生する、すなわち定常電流が増える欠点がある。
図9は、第1実施形態の出力論理と位相の割付けを実現するドライバ回路30の具体的な構成例を示す図である。すなわち、この図9では、出力側に3相共振回路10を配されたドライバ回路30において、ドライバ回路30の出力段の論理が常に1,Z,0の何れかの論理を取り、それぞれがほぼ重複することのない、図5の論理と位相の割付により得られる図6に示した制御タイミングを実現できる論理回路の一例が示されている。
ここでは、ドライバ回路30をなす論理回路を、FPGA(Flexible Programmable Gate Array)などのデジタル回路で構成する一例を示している。具体的には、P型MOSトランジスタ32およびN型MOSトランジスタ34の各ゲート32G,34Gを制御するノード制御回路(Node_Control)100(それぞれに各ノードの参照子を付して示す)として、基準クロックCLKを所定量遅延させる遅延回路(Delay_Logic )110と、遅延回路110で遅延されたクロック信号aをクロック端子CKに受けて動作するD型フリップフロップ(D−FF)120と、図6に示す制御タイミングの各位相に合わせてH(Vdd)/L(Gnd)の何れかをD型フリップフロップ120のD入力端子に設定するレジスタ回路130とを設ける。
D型フリップフロップ120の非反転出力Qをドライバ回路30の出力段を構成するP型MOSトランジスタ32およびN型MOSトランジスタ34の各ゲート32G(ノードNode_AP ,_BP ,_CP ),34G(ノードNode_AN ,_BN ,_CN )に接続する。
D型フリップフロップ110のクロック端子CKに入力されるクロック信号aは、遅延回路110によって所定量だけ遅延される。一例として、図6に示す1周期T(=24nsec)の1/12を単位として遅延させることにする。
D型フリップフロップ110のD入力端子は、図6に示す制御タイミングの各論理に合わせて、すなわちクロック端子CKに入力されるクロック信号aに合わせて、H(Vdd)/L(Gnd)の何れかが、レジスタ回路130によって設定される。具体的には、レジスタ回路130は、入力側がH(Vdd)/L(Gnd)に接続され出力側がD型フリップフロップ120のD入力端子に接続される2入力/1出力型の切替スイッチ132とレジスタ(Register)134とを含んでいる。レジスタ134には、各論理に対応させるためのH(Vdd)/L(Gnd)を規定する設定値が登録され、その設定値に基づいて切替スイッチ132を制御する構成となっている。
レジスタ134に設定される値と図6に示す制御タイミングの各論理との対応は、1周期T(=24nsec)の1/12を単位として遅延させて制御するので、12ビットデータで設定すればよく、たとえば、図6の8nsec側を上位ビットとし、32nsec側を下位ビットとし、2nsecを各ビットに対応させるとよい。
なお、図9に示す第1実施形態のドライバ回路30の構成例は、図6に示す第1実施形態の制御タイミングを実現する論理回路の一例に過ぎず、同様の制御タイミングを実現できる論理回路は、この例に限らず多数あり、FPGAなどによって、同等の機能を供する論理回路を構築することができる。
<3相共振回路の各ノードの位相と論理の割付け;第2実施形態>
図10は、3相共振回路10の各ノードの位相とドライバ回路30の出力論理の割付けと駆動タイミングの第2実施形態を説明する図である。この第2実施形態は、第1実施形態における制御タイミングにおいて発生するオーバーシュートをダンピング抵抗以外の手法で、具体的にはドライバ回路30の制御タイミングを工夫することで改善する点に特徴を有している。さらに、期駆動力不足を改善する点にも特徴を有している。
より具体的には、ドライバ回路30の制御タイミングを工夫して、初期の数サイクル期間中は電源Vddからの電流流出を増やして、オーバーシュートを抑え込み、さらに初期にハイインピーダンス期間を設けないことで、初期駆動力不足を防止し、オーバーシュートの抑止と初期駆動力不足を防止した段階以降には、電源Vddからの電流流出を減らすことで、3相共振回路10内で電流を最大限保持できるようにする。
そのためには、各相の位相を120度ずつの位相差を保ちつつ、初期段階から定常段階へと、順に論理と位相の割付けを変更していくステップを設けることで実現できる。ステップ数としては、最低限、初期段階と定常段階とを与えることのできる2ステップがあればよく、初期の数サイクル期間中は電源Vddからの電流流出を増やして、オーバーシュートの抑止と初期駆動力の低下を防止し、この状況を実現できた段階で定常状態に設定することで、電源Vddからの電流流出を減らすことができる。
また、オーバーシュートの抑止と初期駆動力低下の防止を実現できた段階から徐々に電源Vddからの電流流出を減らすようにより滑らかな遷移にするには、3ステップ以上で段階的に論理と位相の割付けを変更していけばよい。
この第2実施形態では、より滑らかに遷移させるべく、3段階を経るようにする。こうすれば、初期の数サイクル期間中は電源Vddからの電流流出を増やして、オーバーシュートを抑え込み、オーバーシュートを抑え込めた段階から、徐々に電源Vddからの電流流出を減らすことができる。
具体的には、先ず、初期段階(第1段階)に対応する論理と位相の割付けとして、ドライバ回路30の出力論理が1周期全体のうち、論理“1”を1/2、論理“Z”を0、論理“0”を1/2の期間をとるように、論理と位相の割付けを用意する。たとえば、図10(A)に示すように、0(rad)〜π(rad)に論理“1”を割り当て、π(rad)〜0(=2π)(rad)に論理“0”を割り当てることとする。
ここで、各ノードNode_A,Node_B,Node_Cの初期位相を、第1実施形態と同様に、ノードNode_Aは3π/2(rad)、ノードNode_Bはπ/6(rad)、ノードNode_Cは5π/6(rad)とすると、図10(A)に示す状態では、1つのノードNode_Aに対して、ノードNode_BおよびノードNode_Cの2つのノードから電流流入が起こる。また、全体としてπ(180度)だけ位相が進むと、1つのノードNode_Aから、ノードNode_BおよびノードNode_Cの2つのノードに向けて電流流出が起こる。このことは、電力消費が増えることを意味する。
また、第2段階として、論理“1”を5/12、論理“Z”を1/6、論理“0”を5/12の期間をとるように、論理と位相の割付けを用意する。たとえば、図10(B)に示すように、π/12(rad)〜11π/12(rad)に論理“1”を割り当て、13π/12(rad)〜23π/12(rad)に論理“0”を割り当て、残りの11π/12(rad)〜713/12(rad)および23π/12(rad)〜1π/12(rad)に論理“Z”を割り当てることとする。
図10(A)に示す初期段階に比べると、出力論理がハイインピーダンスとなる期間が増えるので、1つのノードに対して2つのノードからの電流流入が起こる期間や、1つのノードから2つのノードに向けての電流流出が起こる期間が短くなり、電力消費が少し減ることになる。
さらに、第3段階として、第1実施形態と同様に、論理“1”を1/3、論理“Z”を1/3、論理“0”を1/3の期間をとるように、論理と位相の割付けを用意する。たとえば、図10(C)に示すように、π/6(rad)〜5π/6(rad)に論理“1”を割り当て、7π/6(rad)〜11π/6(rad)に論理“0”を割り当て、残りの5π/6(rad)〜7π/6(rad)および11π/6(rad)〜1π/6(rad)に論理“Z”を割り当てることとする。第3段階にすれば、第1実施形態の説明から分かるように、電力消費を最少に抑えることができる。
第2段階および第3段階において、論理“1”の期間と論理“0”の期間との間に、論理“Z”を割り当てることで、論理の遷移過程で、直列接続されたP型MOSトランジスタ32とN型MOSトランジスタ34をともにオンすることを防止し、これにより、貫通電流が発生することを防止している。この点は、第1実施形態と同様である。なお、第1段階においても、論理“1”の期間と論理“0”の期間との間に、ごく僅かの論理“Z”を割り当てることで、オーバーシュートを改善しつつ、トランジスタ破壊を防止するようにしてもよい。
図10(A)に示す初期段階の論理割付けから、図10(B)に示す第2段階の論理割付けを経て、図10(C)に示す定常状態の論理割付けに順に遷移させる。これから分かるように、その遷移手法を実現するには、論理“1”の期間と論理“0”の期間との間に設ける論理“Z”の期間を漸次広くすればよいことが分かる。
図11は、図10に示す出力論理と位相の割付けから導かれる図4に示したドライバ回路30のゲート32G(ノードNode_AP ,_BP ,_CP )およびゲート34G(ノードNode_AN ,_BN ,_CN )に供給する駆動パルスと、それによる3相共振回路10の各ノードNode_A,_B,_Cの制御タイミングの一例を示す図である。図6に示した第1実施形態の制御タイミングと同様に、8nsec〜32nsecの期間を1周期(=24nsec)として、24nsecで360度位相が進むように示している。
図10(A)の初期段階の論理割付けに対応する図11(A)に示すような制御タイミングでドライバ回路30を制御すると、電源Vddからの電流流出が増えて、ドライバ回路30の出力波形におけるオーバーシュートの抑止と初期駆動力低下の防止を同時に実現できる。この初期段階の後、図10(B)の第2段階の論理割付けに対応する図11(B)に示すような制御タイミングに移行させていくと、電源Vddからの電流流出は減る。さらに、図10(C)の第3段階の論理割付けに対応する図11(C)に示すような制御タイミングに移行させると、3相共振回路10内での電流保持が最大となり、定常電流が最小になり、消費電力を最小にすることができる。
ここで、遷移を段階的に行なうことで、オーバーシュートの抑止と初期駆動力低下の防止を同時に実現しつつ定常電流を削減するに際しては、詳細は第3実施形態にて説明するが、初期段階を余り長く取る必要はない。したがって、図10(A),図11(A)の初期段階の状態を数サイクル実行し、図10(B),図11(B)の第2段階を経て、図10(C),図11(C)の第3段階へ、順に状態を移行させていき、第3段階で定常状態にすれば、定常電流を増やすことがなく、オーバーシュートを抑えつつ、消費電力を最小にすることができる。
なお、ここでは3段階で初期段階から定常段階へと順にドライバ回路30の出力論理と位相の割付けを変更していたが、その段階数をさらに増やし多段階で制御するようにすれば、ほぼ連続的にドライバ回路30の出力論理と位相の割付けを変更することができる。
図12は、第2実施形態の出力論理と位相の割付けを実現するドライバ回路30の具体的な構成例を示す図である。図10および図11から分かるように、各段階の論理割付けに対応する制御タイミングで3相共振回路10を駆動することができればよく、最も単純な構成としては、それぞれ個別のドライバ回路30を用意しておき、各ドライバ回路30の論理出力を段階の移行に合わせて選択するようにすればよい。
たとえば、図12に示すように、図10(A)の初期段階の論理割付けに対応する図11(A)の制御タイミングで3相共振回路10を駆動する第1段階用のドライバ回路30_1と、図10(B)の第2段階の論理割付けに対応する図11(B)の制御タイミングで3相共振回路10を駆動する第2段階用のドライバ回路30_2と、図10(C)の第2段階の論理割付けに対応する図11(C)の制御タイミングで3相共振回路10を駆動する第3段階用のドライバ回路30_3とを設ける。
また、これら各段階用のドライバ回路30_1,_2,_3の後段に、それぞれの論理出力の何れかを選択する選択回路(Selector)40を設ける。選択回路40には、段階の移行を制御する制御信号CN1を供給する。選択回路40における選択動作を制御信号CN1で制御することで、その選択対象が、ドライバ回路30_1→ドライバ回路30_2→ドライバ回路30_3となるように、順次切り替える。こうすることで、第2実施形態のドライバ回路30の制御タイミングを、初期段階→第2段階→第3段階(=定常状態)へと、順に遷移させることができる。
なお、図12に示す第2実施形態のドライバ回路30の構成例は、図11に示す第2実施形態の制御タイミングを実現する論理回路の一例に過ぎず、同様の制御タイミングを実現できる論理回路は、この例に限らず多数あり、FPGAなどによって、同等の機能を供する論理回路を構築することができる。また、FPGAなどで論理回路の切り替えを行なうこともできる。
また、ここでは図10および図11に対応するように、3段階で初期段階から定常段階へと順に遷移させるべく、各ドライバ回路30_1,_2,_3の出力論理を選択していたが、その段階数をさらに増やしそれに対応したドライバ回路30_nを設け、それらの出力論理を順次選択するようにすれば、ほぼ連続的にドライバ回路30の出力論理と位相の割付けを変更することができる。ただしこの場合、段階数nに応じて個々のドライバ回路30_nを設ける必要があるので、回路規模が大きくなる欠点がある。しかしながら、後述する第3実施形態の回路構成では信号発生回路や比較回路などのアナログ回路を必要とするのに対して、デジタル回路で実現できFPGAを利用できる利点がある。
<3相共振回路の各ノードの位相と論理の割付け;第3実施形態>
図13〜図15は、3相共振回路10の各ノードの位相とドライバ回路30の出力論理の割付けと駆動タイミングの第3実施形態を説明する図である。この第3実施形態は、ドライバ回路30の制御タイミングを工夫することでオーバーシュートの抑止と初期駆動力低下の防止を同時に実現しつつ消費電力を削減する点で第2実施形態と共通するが、段階的に制御タイミングを遷移させる第2実施形態とは異なり、初期段階から定常段階へと連続的に制御タイミングを遷移させることで、実質的に連続的に論理と位相の割付けを変更していく点に特徴を有している。
ここで、図13および図14は、出力論理と位相の割付けを連続的に変化させる第3実施形態のドライバ回路30の具体的な構成例を示す図である。図13は、その全体概要を示すものである。図14は、第3実施形態のドライバ回路30を構成する可変リファレンス回路の構成例を示す図である。
全体概要としては、位相が120度ずつずれた信号値が漸次変化しかつ周期的に変化する信号を発する周期信号生成回路を設け、周期信号生成回路の出力電圧を連続的に電圧値が変化する基準電圧と比較し、その比較結果として得られる論理出力に基づいて3相共振回路10の各ノードNode_A,Node_B,Node_Cを駆動するようにする。
たとえば、第3実施形態のドライバ回路30は、正弦波を生成する正弦波生成回路50と、電圧比較を行なうコンパレータ(比較;Comparator)回路52と、出力値が漸次変化する基準値を生成する基準信号生成回路の一例である可変リファレンス回路(Variable_Ref)54とを備える。
具体的には、先ず、各相の位相が120度ずつの位相差を持つように、初期位相が120度ずつずれた3つの正弦波生成回路(Sine_Wave )50_A,_B,_Cを設ける。各正弦波生成回路50_A,_B,_Cは、実質的にはAC電源であればよく、たとえばDC(Direct Current)レベルが1(Volt)で振幅が2Vppのものとする。
一例として、第1実施形態および第2実施形態に対応させるべく、ノードNode_A用の正弦波生成回路50_Aの初期位相は3π/2(rad)、ノードNode_B用の正弦波生成回路50_Bの初期位相はπ/6(rad)、ノードNode_C用の正弦波生成回路50_Cの初期位相は5π/6(rad)とする。もちろん、ここで示す各正弦波生成回路50_A,_B,_Cの初期位相は一例に過ぎず、3者の関係を保って2π/3を単位として初期位相をずらしてもよい。たとえば、π/6(rad)をノードNode_B用の正弦波生成回路50_Bに、5π/6(rad)をノードNode_C用の正弦波生成回路50_Cに、3π/2(rad)をノードNode_A用の正弦波生成回路50_Aに、それぞれ対応付けるようにしてもよい。
なお、正弦波生成回路50は、信号出力を漸次変化させかつ周期的に変化させることのできる周期信号生成回路の一例に過ぎず、正弦波信号を発するものに限らず、たとえば、三角波や台形波などの略対象性を有する波形を発する周期信号生成回路を使用してもよい。略対象性を有する波形を用いることで、ドライバ出力論理の変化において、論理“1”と“0”の間に“Z;ハイインピーダンス”を確実に挿入することができる。
また、信号出力を漸次変化させることができればよく、連続的に変化させるものに限らず、段階的に変化させるものであってもよい。その段階数が少ない場合には、ドライバ回路30全体の動作としては制御タイミングが段階的に遷移するようになるので第2実施形態に近いものとなるが、段階数をある程度多くとることで、実質的に連続して信号値を変化させるものと見なすことができ、第3実施形態の目的とする制御タイミングの連続的な遷移を実現することができる。
また、コンパレータ回路52としては、ドライバ回路30の出力段を構成するP型MOSトランジスタ32およびN型MOSトランジスタ34のそれぞれをコンパレータ回路52の出力で駆動するべく、ゲート32G(ノードNode_AP ,_BP ,_CP )用のコンパレータ回路52_Pとゲート34G(ノードNode_AN ,_BN ,_CN )用のコンパレータ回路52_Nとを設ける。
また、可変リファレンス回路54としては、コンパレータ回路52_P用のものであって、基準電圧を連続的に増加させるインクリメント型の可変リファレンス回路54_Incre と、コンパレータ回路52_N用のものであって、基準電圧を連続的に減少させるディクリメント型の可変リファレンス回路54_Decre とを設ける。インクリメント型の可変リファレンス回路54_Incre は、連続的に電圧レベルが増加する参照電圧Incre_ref をコンパレータ回路52_Pの反転入力端子(−)に供給し、ディクリメント型の可変リファレンス回路54_Decre は、連続的に電圧レベルが減少する参照電圧Decre_ref をコンパレータ回路52_Nの反転入力端子(−)に供給する。
各可変リファレンス回路54_Incre ,_Decre は、たとえば図14に示すように、入力されるクロックCKの数をアップ(Up)カウントもしくはダウン(Down)カウントするカウンタ回路56と、カウンタ回路56のカウント値であるデジタルデータをアナログ値に変換するDAC(Digital to Analog Converter )回路58とで構成することができる。ここで、インクリメント型の可変リファレンス回路54_Incre にする場合にはカウンタ回路56をアップカウンタ構成にし、ディクリメント型の可変リファレンス回路54_Decre にする場合にはカウンタ回路56をダウンカウンタ構成にする。
カウンタ回路56から出力されるカウンタ値をDAC回路58に入力することで、コンパレータ回路52_P,_N用の基準電圧(リファレンスレベル)を実質的に連続的に変化させることができるようになる。リファレンスレベルの可変をデジタル値で制御できる、すなわちカウンタ回路56のデジタル出力値を順次インクリメントやディクリメントさせることで、連続的に可変リファレンス回路54のアナログ出力レベルを可変できる。
また、カウンタ回路56に供給するクロックCKの周波数を調整することで、各参照電圧Incre_ref ,Decre_ref の変化速度を調節することもできる。クロックCKの周波数を調整する手法としては、たとえば、図示するように、マスタークロックCK0を分周する分周回路55を設け、その分周回路55の出力をクロックCKとしてカウンタ回路56に供給する構成を採ればよい。分周数を制御することで、簡単にクロックCKの周波数を切り替えることができる。見方を変えると、分周数を制御することで、単位時間当たりの可変リファレンス回路54の出力値の変化の度合いを制御できるので、可変リファレンス回路54の出力値を段階的に変化させることができるようにもなる。
なお、この図14に示す可変リファレンス回路54の構成例は、コンパレータ回路52用の基準電圧を連続的に変化させる回路の一例に過ぎず、同様の機能を実現できる回路は、この例に限らず多数ある。すなわち、可変リファレンス回路54は、出力値が漸次変化する基準値を生成する基準信号生成回路の一例であって、出力値を段階的に(好ましくはたとえば10段階以上の多段階に)変化させる、さらに好ましくは実質的に連続的に変化させることのできるものであれば、どのようなものであってもよい。
たとえば、抵抗分圧回路により、段階的な出力値を得るようにし、分圧点を順次切り替えてコンパレータ回路52に基準信号として供給する選択回路を設けることで、基準信号生成回路を構成することができる。周期信号生成回路が連続的に信号値を変化させるものであっても、可変リファレンス回路54の出力値を段階的に変化させると、実質的には、第2実施形態と同様に、制御タイミングを段階的に遷移させることができるようになる。
各コンパレータ回路52_P,_Nの非反転入力端子(+)には、図13に示すように、各ノードNode_A,_B,_Cに対応する正弦波生成回路50_A,_B,_Cからの正弦波信号が供給される。
これにより、コンパレータ回路52における比較レベルや基準電圧の変化速度の調節が可変リファレンス回路54によりなされ、結果として、コンパレータ回路52では、比較レベルが自由に調節される。
つまり、カウンタ回路56のデジタル出力値を順次インクリメントやディクリメントさせることで、連続的に可変リファレンス回路54_のアナログ出力レベルを可変でき、コンパレータ回路52_において、可変リファレンス回路54_から供給される連続的に変化する基準電圧(アナログ出力レベル)と正弦波生成回路50_から供給される正弦波電圧とを比較することにより、ドライバ回路30の制御タイミングを、図11に示される初期段階(A)→第2段階(B)→第3段階(C)のように、連続的に変遷させていくことができる。つまり、ドライバ回路30の出力論理と位相の割付けを図10に示される初期段階(A)→第2段階(B)→第3段階(C)のように連続的に変遷させていくことができる。
第3実施形態の手法では、正弦波電圧と基準電圧とを比較し、その比較結果に基づいて3相共振回路のノードを駆動するようにするとともに、カウンタのカウント値を利用して基準電圧を連続的に増加もしくは減少させる(つまり連続的に変化させる)ようにしており、信号発生回路や比較回路などのアナログ回路を必要とするものの、制御タイミングを連続的に変化させるための回路は、基準電圧を連続的に変化させるものであればよく、その規模が段階数に応じて大きくなることはない。第2実施形態の手法では、回路規模が大きくなる欠点があるが、この問題を解消することができる。
なお、先にも述べたが、周期信号生成回路(本実施形態での正弦波生成回路50に相当)や基準信号生成回路(本実施形態の可変リファレンス回路54に相当)における信号値の変化の程度を段階的なものとすることで、ドライバ回路30全体の動作を、制御タイミングが段階的に遷移するようにすることができ、事実上、第2実施形態と同様の制御が可能になる。
したがって、正弦波生成回路50や可変リファレンス回路54を、その出力値を段階的に変化させるのか連続的に変化させるのかを切り替えることができるように構成すれば、使用目的に応じて、第2実施形態の制御にするか、第3実施形態の制御にするかを簡単に切り替えることができるようになり、使い勝手のよいドライバ回路を構築することができるようになる。
図15は、第3実施形態のドライバ回路30による制御の効果を説明する図である。ドライバ回路30の出力論理と位相の割付けを図10に示される初期段階(A)→第2段階(B)→第3段階(C)のように連続的に変遷させていくと、第2実施形態と同様に、初期段階では電源Vddからの電流流出を増やすことでオーバーシュートの抑止と初期駆動力低下の防止を同時に実現しつつ、所定速度で第3段階に遷移させることで、3相共振回路10内での電流保持を最大とすることで、定常電流を最小にし、消費電力を最小にすることができるようになる。
ここで、基準電圧を連続的に変化させて制御タイミングを初期段階(A)から第3段階(C)まで連続的に遷移させることで、オーバーシュートの抑止と初期駆動力低下の防止を同時に実現しつつ定常電流を削減するに際しては、初期段階を余り長く取る必要はない。たとえば、図15に示すように、初期段階(A)→第3段階(C)の遷移期間が4周期以上(1周期24nsecの場合には96nsec以上)であると、ダンピング抵抗0Ωでオーバーシュートを抑えつつ、定常電流を小さくできている。遷移時間を必要以上に長くとっても、オーバーシュート量は変化しないし、初期駆動力低下の防止も実現できる。したがって、遷移時間4周期が現実的な遷移時間になる。
なお、前述の各実施形態で説明したことから分かるように、3相共振回路の各ノードの初期値と最終値をたとえば(a,b,c)=(0,1,1)と一致させることで、消費電流を小さく抑えることができる。しかしながら、その一方で、このような制御を停止すると、共振回路であるが故に減衰振動が一定期間発生し、画像に不具合を生じる可能性がある。この問題を避けるには、たとえばCCD転送の際、減衰振動で誤転送される信号については信号処理をしないことで対応することが考えられる。
また、駆動周波数に対しての共振周波数の安定度が問題となり得る。しかしながら、図示を割愛するが、たとえば駆動周波数に対して共振周波数の変動がある程度小さければ(たとえば±20%以下)、波形振幅の変動が十分に小さく、影響を受けないことが確認されている。
<<素子ばらつき対応>>
図16は、本発明に係る容量素子の駆動手法の変形例の基本原理を説明する図である。ここで、図16(A)は図1に対応するものであり、図16(B)は図2に対応するものである。
この変形例は、各相で素子ばらつきが存在する場合の対処手法に特徴を有している。素子ばらつきについては、図中に、素子の末尾に、相番号を示す参照番号を付して示す。
ここで、各駆動電源2の初期位相をそれぞれφ0,φ1,φ2と定義し、各相のインピーダンスZをそれぞれ、Z0=z0exp(jθ0),Z1=z1exp(jθ1),Z2=z2exp(jθ2)とおくと、式(2)で示された3相LCR−C回路の複素消費電力Pは、式(5)を変形した形として、式(11)で示すことができる。
ここで、さらに皮相電力をVA、力率をcosΨとおくと、P=VAexp(jψ)となり、式(6)を変形した形として式(12)が得られるとともに、式(7)を変形した形として式(13)が得られる。
ここでも、3相共振回路10内で、電流が最大限に保持されることが望ましいので、消費電力Pの絶対値|P|が最大になる条件が望ましいし、皮相電力最大と、力率1を実現することが条件になる。
よって、各駆動電源2の初期位相に求められる条件は、式(8)を変形した形として式(14)のようになる。
<初期位相の決定アプローチ;その1>
図17は、図3に対応するものであって、素子ばらつきがある場合の、各駆動電源2の初期位相φ0,φ1,φ2の決定アプローチ(その1)を説明する図である。この初期位相の決定アプローチ(その1)は、三角形の周囲長に着目しつつ、1相の初期位相を固定して残りの2相の初期位相を調整する点に特徴を有している。
複素平面上のベクトルa,b,cを考えると、原点を基点とする図17(A)に示すスター型のベクトル均衡状態において、ベクトルa,b,cを式(15−1)〜式(15−3)のようにおくと、求められる条件式は式(15−4)と表すことができる。
また、図17(A)に示すスター型のベクトル均衡状態は、図17(B)に示すようにΔ型に変形できるが、素子ばらつきが存在すると正三角形にはならない。ここで、図17(B)において、ベクトルbのなす角α、ベクトルaのなす角β、ベクトルcのなす角γは、先に示した式(10−1)〜式(10−3)のようになる。
ここで、さらに三角形の周囲長に着目すると、式(16−1)の関係式が導かれ、cosβおよびcosγは、式(16−2)で表すことができる。また、3相の初期位相の内の1相(たとえば位相φ2)を固定して、残り2相(位相φ0,φ1)を可変させて3相共振の定常電流を減らすことを考えると、最終的には、初期位相φ0,φ1,φ2は式(16−3)のようになる。
このように、初期位相の決定アプローチ(その1)では、三角形の周囲長に着目しつつ、各相のインピーダンスから初期位相を調整するに当たり、上記の条件式(16−3)に従って、1相の初期位相を固定して残りの2相の初期位相を調整することにすれば、2相の初期位相を一意的に決めてあげることができる。これにより、素子ばらつきによるインピーダンスばらつきを考慮した3相共振回路内で電力を最大限保持するためのタイミング制御ができる。よって、素子ばらつきがあっても、ドライバ回路30で消費される電力を最小にすることができる。
図18は、初期位相の決定アプローチ(その1)を適用した実験例である。制御前の初期位相設定としては、(phase_a,phase_b,phase_c)=(90,330,210)、(_nn_a,_nn_b,_nn_c)=(1.15,1.0.85)、(_l_a,_l_b,_l_c)=(1.15,1,0.85)としている。ここで、phase_x,nn_x,l_x(xは添え字a,b,cを示す)の定義はそれぞれ順に各相の初期位相、各相の容量のCCD容量(図16のC00,C01,C02に相当)に対する比、各相のインダクタの基準値に対する比を示している。
周囲長の調整手順としては、(A)phase_a=90,phase_b=270〜450deg,phase_c=210:1回目制御Phase_b、(B)phase_a=90,phase_b=325〜335deg,phase_c=210deg:1回目制御phase_b、(C)phase_a=90,phase_b=330deg,phase_c=150〜210deg:1回目制御Phase_c、(D)phase_a=90,phase_b=330deg,phase_c=180〜200deg:1回目制御phase_c、(E)phase_a=90deg,phase_b=300〜330deg,phase_c=190deg:2回目制御phase_c、(F)phase_a=90deg,phase_b=320deg,phase_c=190deg→8.433mA :制御完了、の各例を示している。(F)に示すように、制御完了後には電流が8.433mAになった。
この実験例からも分かるように、三角形の周囲長に着目して、3相の初期位相の1相(図18のPhase_a )を固定して、残り2相(図18のPhase_b ,Phase_c )を可変することで、3相共振の定常電流を減らすことができる。
この初期位相の決定アプローチ(その1)では、初期位相の設定における調整対象が2相であるので、調整の自由度が高く、探索回数を増やすほど、より小さい定常電流を探索することができる。
ただし、調整対象が2相であるということは、その分だけ位相制御が煩雑になる。すなわち、3相全てのインピーダンスを観測して、2つの初期位相を設定する必要があり煩雑になるのである。また、前述の初期位相の決定アプローチ(その1)の説明から分かるように、逆cos関数が出てきていることにより、関数の取り得る範囲が“−1〜+1”に制限される。したがって、実際のインピーダンスばらつきに対応できない可能性がある。
<初期位相の決定アプローチ;その2>
図19は、図3や図17に対応するものであって、素子ばらつきがある場合の、各駆動電源2の初期位相φ0,φ1,φ2の決定アプローチ(その2)を説明する図である。この初期位相の決定アプローチ(その2)は、2つのベクトルの方位を固定して、残りの1つのベクトル方位を移動して、3つのベクトルの均衡を保つようにするとともに、三角形の面積に着目して、残りの1相の初期位相の条件を導く点に特徴を有している。
たとえば、図17(A)において、2つのベクトルa,bの方位を固定し、角度∠aをπ/6(rad)、角度∠bを5π/6(rad)とすると、ベクトルcの方位は、図19のような方向へ移動してベクトルの均衡を保つようになる。
なお、ベクトルa,b,cを先に示した式(15−1)〜(16−3)のようにおくと、求められる条件式は式(15−4)と表すことができる。
また、図19(A)に示すスター型のベクトル均衡状態は、図19(B)に示すようにΔ型に変形できるが、素子ばらつきが存在すると正三角形にはならない。ここで、図19(B)において、ベクトルbのなす角α、ベクトルaのなす角β、ベクトルcのなす角γは、式(17−1)〜式(17−3)のようになる。
ここで、さらに三角形の面積に着目して残りの初期位相φ0の条件式を導くことにする。先ず、∠a=π/6,∠b=5π/6であるから、φ2=π/6,φ1=5π/6となる。よって、三角形の面積SΔは式(18)で表すことができ、これより初期位相φ0は式(19)のようになる。
ここで、三角形の面積SΔは負の値を取ることはなく、常に正(SΔ>0)であることから、初期位相φ0の取り得る範囲は、“7π/6<φ0<11π/6”となる。
したがって、以上のことを纏めると、最終的には、初期位相φ0,φ1,φ2は式(20)のようになる。
このように、初期位相の決定アプローチ(その2)では、各相のインピーダンスから初期位相を調整するに当たり、2つのベクトルの方位を固定して残りの1つのベクトル方位を移動して3つのベクトルの均衡を保つようにするとともに、三角形の面積に着目して、上記の条件式(20)に従って、残りの1相の初期位相を調整することにすれば、その1相の初期位相を一意的に決めてあげることができる。これにより、素子ばらつきによるインピーダンスばらつきを考慮した3相共振回路内で電力を最大限保持するためのタイミング制御ができる。よって、決定アプローチ(その2)でも、素子ばらつきがあっても、ドライバ回路30で消費される電力を最小にすることができる。
図20は、初期位相の決定アプローチ(その2)を適用した実験例である。制御前の初期位相設定としては、(phase_a,phase_b,phase_c)=(90,330,210)、(_nn_a,_nn_b,_nn_c)=(1.15,1.0.85)、(_l_a,_l_b,_l_c)=(1.15,1,0.85)としている。面積の調整手順としては、(A)phase_a=0〜180deg,phase_b=330deg,phase_c=210deg:制御Phase_a、(B)phase_a=60〜150deg,phase_b=330deg,phase_c=210deg:制御phase_a、(C)phase_a=90〜120deg,phase_b=330deg,phase_c=210deg:制御phase_a、(D)phase_a=108deg,phase_b=330deg,phase_c=210deg →8.454mAの各例を示している。(D)に示すように、制御完了後には電流が8.454mAになった。
この実験例からも分かるように、三角形の面積に着目して、3相の初期位相の内の2相(図20のPhase_b ,Phase_c )を固定して、残り1相(図20のPhase_a )を可変することで、3相共振の定常電流を減らすことができる。
この初期位相の決定アプローチ(その2)では、初期位相の設定における調整対象が1相であるので、調整の自由度は決定アプローチ(その1)に比べると低いが、その分だけ、位相制御が簡単である。また、調整対象が1相であるので、定常電流を小さくすることはできるものの、決定アプローチ(その1)に比べると調整精度は十分とはいえない。たとえば、図20(D)における調整後の電流値は8.454mAで、周囲長を調整した場合の図18(F)における電流値8.433mAよりも若干多い。
したがって、決定アプローチ(その1)と決定アプローチ(その2)との対比から、定常電流が決定アプローチ(その1)と決定アプローチ(その2)で差が大きければ決定アプローチ(その1)を選択するのがよく、差が小さく違いが見られなければ決定アプローチ(その2)を選択し制御方法を簡単にするのがよい。
<3相共振回路の各ノードの位相と論理の割付け;第4実施形態>
図21は、3相共振回路10の各ノードの位相とドライバ回路30の出力論理の割付けと駆動タイミングの第4実施形態を説明する図である。ここで、図21は、素子ばらつきに対応した第4実施形態のドライバ回路30の全体概要を示す回路ブロック図である。
この第4実施形態は、各相で素子ばらつきが存在する場合における、初期位相の決定アプローチ(その1)もしくは決定アプローチ(その2)を実現する構成である点に特徴を有している。
全体概要としては、前述のように、素子ばらつきがある場合には、決定アプローチ(その1)もしくは決定アプローチ(その2)を適用して位相調整を行なうことで低消費電力化を図る。このためのハードウェア構成の仕組みとして、第4実施形態のドライバ回路300は、ドライバ回路300の出力段31に安定化した電源電圧を供給する安定化電源部(Regulator )310と、n相のLC共振回路について素子のインピーダンスばらつきが存在するときに駆動信号の初期位相を調整することで素子のインピーダンスばらつきを考慮した消費電力の補正を行なう補正制御部320とを備えている。
補正制御部320は、3相共振回路の駆動点、すなわちドライバ回路300(第1〜第3実施形態のドライバ回路30)の出力段31に供給される電源電流の負荷安定化特性を監視し、駆動信号の初期位相の決定アプローチ(その1)もしくは決定アプローチ(その2)の何れかの手法に従って初期位相を調整する。
このため、補正制御部320は、安定化電源部310の出力電圧を監視(検知)する検出器としての監視部(Detector)322と、監視部322の検知結果に基づいて前述した初期位相の決定アプローチ(その1)もしくは決定アプローチ(その2)の何れかの手法に従って初期位相を調整する校正器としての位相調整部(Calibrator)324とを有している。
安定化電源部310からドライバ回路300の出力段31に供給される定常電流を監視部320でモニタするために、高周波成分の電源ノイズを除去するための、いわゆるデカップリングコンデンサ(パスコンともいわれる)340が電源ライン350と接地(GND)との間に設けられている。
監視部322は、安定化電源部310の負荷安定化(Load_Regulation )特性を見て、安定化電源部310からドライバ回路300の出力段31に供給される定常電流をモニタし、その監視結果を位相調整部324に通知する。
位相調整部324は、第1〜第3実施形態で示したドライバ回路30に備えられているレジスタ回路130のレジスタ134の設定値を調整する、すなわち校正されたデータをレジスタ134に渡して駆動することで初期位相を調整する。
ここで、位相調整部324は、初期位相を調整するごとに、調整前後の出力電圧同士を比較する。そして、調整前後で出力電圧が上昇していることを検出できれば、定常電流が小さくなったことになるので、さらに位相調整の設定を施す。逆に、出力電圧が下がったときには、定常電流が上昇したことを検出したことになるので、位相調整の設定を元に戻す。
このとき、定常電流が最小であることの確定方法は、2つ前の試行は定常電流が下がったことの検出と1つ前の試行では定常電流が上がったことの検出を用いて行なう。2つ前の証拠までを見て定常電流の最小の判定を行う理由は、最初の試行で定常電流が上昇したことのみを見て、位相調整を終了されてしまう事態を避けるためである。
このように、LC共振回路についてインピーダンスばらつきが存在する際には、ドライバ回路30の出力段31に供給する電源を安定化電源部310で駆動して、その安定化電源部310の出力電流を負荷安定化特性で捉えて、監視部322と位相調整部324とで定常電流が最小となるように、レジスタ回路130のレジスタ134の設定値として与える校正されたデータを決定し、この校正データをレジスタ134に渡して駆動すれば、素子のインピーダンスばらつきを考慮した消費電力の補正を行なうことができる。
<CCD固体撮像素子と周辺部の概要>
図22は、CCD固体撮像素子210と、このCCD固体撮像素子210を駆動するドライバ回路の一実施形態である駆動制御部240とから構成された固体撮像装置202の概略図である。本実施形態では、インターライン転送(IT)方式のCCD固体撮像素子210を、6相もしくは8相で垂直駆動転送するとともに、3相で水平転送駆動する場合を例に採って説明する。
図22において、ドライバ回路の一実施形態である駆動制御部240は、タイミング信号生成部241と出力段に相当する駆動部242とを備えている。なお、本願におけるドライバ回路は、この図における駆動部242は問題ではなく、駆動制御部240の出力端子すなわち水平CCD215の駆動点に該当する水平転送電極に論理1,0,Zを与えるためのパルス信号を生成するタイミング信号生成部241が主要要素である。なお、駆動部242は、駆動すべき電極ごとに、図4(A)に示した構成のPチャネルMOSトランジスタおよびNチャネルMOSトランジスタの直列回路を備えている。
CCD固体撮像素子210には、駆動電源246から、ドレイン電圧VDDおよびリセットドレイン電圧VRDが印加され、駆動制御部240の出力段に相当する駆動部242にも所定の電圧が供給されるようになっている。
固体撮像装置202を構成するCCD固体撮像素子210は、半導体基板221上に、画素(ユニットセル)に対応して受光素子の一例であるフォトダイオードなどからなるセンサ部(感光部;フォトセル)211が多数、垂直(列)方向および水平(行)方向において2次元マトリクス状に配列されている。これらセンサ部211は、受光面から入射した入射光をその光量に応じた電荷量の信号電荷に変換して蓄積する。
またCCD固体撮像素子210は、センサ部211の垂直列ごとに6相もしくは8相駆動に対応する複数本(本例では1ユニットセル当たり6本もしくは8本)の垂直転送電極224(224-1〜224-6もしくは224-1〜224-8)が設けられる垂直CCD(Vレジスタ部、垂直転送部)213が配列されている。
垂直CCD213の転送方向は図中縦方向であり、この方向に垂直CCD213が設けられ、この方向に直交する方向(水平方向)に垂直転送電極224が複数本並べられる。さらに、これら垂直CCD213と各センサ部211との間には読出ゲート(ROG)212が介在している。また各ユニットセルの境界部分にはチャネルストップCSが設けられている。これらセンサ部211の垂直列ごとに設けられ、各センサ部211から読出ゲート部212によって読み出された信号電荷を垂直転送する複数本の垂直CCD213によって撮像エリア214が構成されている。
センサ部211に蓄積された信号電荷は、読出ゲート部212に読出パルスXSGに対応するドライブパルスが印加されることにより垂直CCD213に読み出される。垂直CCD213は、6相(8相)の垂直転送クロックV1〜V6(V8)に基づくドライブパルスφV1〜φV6(φV8)よって転送駆動され、読み出された信号電荷を水平ブランキング期間の一部にて1走査線(1ライン)に相当する部分ずつ順に垂直方向に転送する。この1ラインずつの垂直転送を、特にラインシフトという。
また、CCD固体撮像素子210には、複数本の垂直CCD213の各転送先側端部すなわち、最後の行の垂直CCD213に隣接して、図の左右方向に延在する水平CCD(Hレジスタ部、水平転送部)215が1ライン分設けられている。この水平CCD215は、本実施形態では3相の水平転送クロックH1,H2,H3(詳細には、それぞれPチャネル用とNチャネル用が存在する)に基づくドライブパルスφH1,φH2,φH3によって転送駆動され、複数本の垂直CCD213から移された1ライン分の信号電荷を、水平ブランキング期間後の水平走査期間において順次水平方向に転送する。このため3相駆動に対応する複数本(3本)の水平転送電極229(229-1,229-2,229-3)が設けられる。
水平CCD215の転送先の端部には、たとえばフローティング・ディフュージョン・アンプ(FDA)構成の電荷電圧変換部216が設けられている。この電荷電圧変換部216は、水平CCD215によって水平転送されてきた信号電荷を順次電圧信号に変換して出力する。この電圧信号は、被写体からの光の入射量に応じたCCD出力(VOUT)として導出される。以上により、インターライン転送方式のCCD固体撮像素子210が構成されている。
また固体撮像装置202は、本実施形態の固体撮像装置202の特徴部分として、CCD固体撮像素子210を駆動するための種々のパルス信号(“L”レベルと“H”レベルの2値)を生成するタイミング信号生成部241と、タイミング信号生成部241から供給された種々のパルスを所定レベルのドライブパルスにしてCCD固体撮像素子210に供給する駆動部242とを備えている。
たとえば、タイミング信号生成部241は、水平同期信号(HD)や垂直同期信号(VD)に基づいて、CCD固体撮像素子210のセンサ部211に蓄積された信号電荷を読み出すための読出パルスXSG、読み出した信号電荷を垂直方向に転送駆動し水平CCD215に渡すための垂直転送クロックV1〜Vn(nは駆動時の相数を示す;たとえば6相駆動時にはV6、8相駆動時にはV8)、垂直CCD213から渡された信号電荷を水平方向に転送駆動し電荷電圧変換部216に渡すための水平転送クロックH1,H2,H3、およびリセットパルスRGなどを生成し、駆動部242に供給する。
駆動部242は、タイミング信号生成部241から供給された種々のクロックパルスを所定レベルの電圧信号(ドライブパルス)に変換し、あるいは別の信号に変換しCCD固体撮像素子210に供給する。たとえば、タイミング信号生成部241から発せられたn相の垂直転送クロックV1〜V6(V8)は、駆動部242を介して垂直ドライブパルスφV1〜φV6(φV8)とされ、CCD固体撮像素子210内の対応する所定の垂直転送電極(224-1〜224-6もしくは224-1〜224-8)に印加されるようになっている。同様に、3相の水平転送クロックH1,H2,H3は、駆動部242を介して水平ドライブパルスφH1,φH2,φH3とされ、CCD固体撮像素子210内の対応する所定の水平転送電極(229-1,229-2,229-3)に印加されるようになっている。
ここで、駆動部242は、本実施形態の特徴部分として、タイミング信号生成部241から供給される3相の水平転送クロックH1,H2,H3(詳細には、それぞれPチャネル用とNチャネル用が存在する)に基づいて、各水平転送電極229の論理状態を“L”レベルと“H”レベルの2値だけでなく、ハイインピーダンス状態にもすることができるようになっている。
なお、駆動部242は、読出パルスXSGについては、6相もしくは8相の垂直転送クロックV1〜V6(V8)のうちのV1,V3,V5(,V7)に重畳することで、3値レベルを採る垂直ドライブパルスφV1,φV3,φV5(,φV7)として、CCD固体撮像素子210に供給する。つまり、垂直ドライブパルスφV1,φV3,φV5(,φV7)は、本来の垂直転送動作だけでなく、信号電荷の読出しにも兼用されるようにする。
このような構成のCCD固体撮像素子210の一連の動作を概説すれば以下の通りである。先ず、タイミング信号生成部241は、垂直転送用の転送クロックV1〜V6(V8)や読出パルスXSGなどの種々のパルス信号を生成する。これらのパルス信号は、駆動部242により所定電圧レベルのドライブパルスに変換された後に、CCD固体撮像素子210の所定端子に入力される。
センサ部211の各々に蓄積された信号電荷は、タイミング信号生成部241から発せられた読出パルスXSGが読出ゲート部212の転送チャネル端子電極に印加され、転送チャネル端子電極下のポテンシャルが深くなることにより、当該読出ゲート部212を通して垂直CCD213に読み出される。そして、6相(8相)の垂直ドライブパルスφV1〜φV6(φV8)に基づいて垂直CCD213が駆動されることで、順次水平CCD215へ転送される。
水平CCD215は、タイミング信号生成部241から発せられ駆動部242により所定電圧レベルの変換された3相の水平ドライブパルスφH1,φH2,φH3に基づいて、複数本の垂直CCD213の各々から垂直転送された1ラインに相当する信号電荷を順次電荷電圧変換部216側に水平転送する。
電荷電圧変換部216は、水平CCD215から順に注入される信号電荷を図示しないフローティングディフュージョンに蓄積し、この蓄積した信号電荷を信号電圧に変換して、たとえば図示しないソースフォロア構成の出力回路を介して、タイミング信号生成部241から発せられたリセットパルスRGの制御の元に撮像信号(CCD出力信号)VOUTとして出力する。
すなわち上記CCD固体撮像素子210においては、センサ部211を縦横に2次元状に配置してなる撮像エリア214で検出した信号電荷を、各センサ部211の垂直列に対応して設けられた垂直CCD213により水平CCD215まで垂直転送する。この後、3相の水平転送パルスH1,H2,H3に基づく論理レベル“L”、“H”、“ハイインピーダンス”の水平ドライブパルスφH1,φH2,φH3に従って、信号電荷を水平CCD215により水平方向に転送するようにしている。そして、電荷電圧変換部216にて水平CCD215からの信号電荷に対応した電位に変換してから出力するという動作を繰り返す。
図22に示すCCD固体撮像素子210の水平CCD215を駆動制御部240にて駆動するに当たっては、駆動周波数が垂直CCD213の駆動周波数よりも高くなり、また画素数が増えるとそれがさらに顕著になり、水平CCD215を高速駆動する際の充放電に伴う消費電力の増大が問題となる。しかしながら、上述した第1〜第3実施形態の制御タイミングで水平CCD215を駆動することで、消費電力の増加を伴うことなく、高速駆動ができるようになる。
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
また、上記の実施形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組合せにより種々の発明を抽出できる。実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
たとえば、適切な駆動条件を特定するに当たっては、容量素子28と並列に抵抗素子22と容量素子24と誘電素子26を有する直列回路21を接続して直並列共振回路を構成した場合について考察していたが、このような構成に限らず、たとえば容量素子28と並列に誘電素子26を接続して並列共振回路を構成する場合においても、同様の駆動条件を導出することができ、各ノードを駆動する出力論理の各位相を2π/n(rad)ずらすことで、n相共振回路内での電流保持を最大とすることができ、その結果、消費電力を最小にすることができる。
また、上記第1〜第3実施形態では、3相の制御タイミングについて詳細に述べたが、上記第1〜第3実施形態で説明した手法は、3相に限らず、4相以上にも適用できるものである。
また、上記第1〜第3実施形態で示した制御タイミングで駆動される容量性のインピーダンスを持つ素子の一例として、CCD固体撮像素子の水平CCDを例に、説明したが、適用される素子は、水平CCDに限定されない。たとえば、信号処理回路において遅延素子として用いられる電荷転送素子でもよい。
本発明に係る容量素子の駆動手法の基本原理を説明する図(基本的な構成例)である。 本発明に係る容量素子の駆動手法の基本原理を説明する図(図1の簡易版)である。 各駆動電源2の初期位相φ0,φ1,φ2の決定手法を説明する図である。 3相共振回路と駆動電源との接続態様の一例を示した図である。 3相共振回路の各ノードの位相とドライバ回路の出力論理の割付けと駆動タイミングの第1実施形態を説明する図である。 図5の論理と位相の割付けから導かれる、図4のドライバ回路の制御タイミングの一例を示す図である。 第1実施形態によるドライバ回路の出力論理と位相の割付けによる効果を説明する、出力応答を示した図である。 第1実施形態によるドライバ回路の出力論理と位相の割付けによる効果を説明する、ダンピング抵抗依存性を示した図である。 第1実施形態の出力論理と位相の割付けを実現するドライバ回路の具体的な構成例を示す図である。 3相共振回路の各ノードの位相とドライバ回路の出力論理の割付けと駆動タイミングの第2実施形態を説明する図である。 図10の論理と位相の割付けから導かれる、図4のドライバ回路の制御タイミングの一例を示す図である。 第2実施形態の出力論理と位相の割付けを実現するドライバ回路の具体的な構成例を示す図である。 出力論理と位相の割付けを連続的に変化させる第3実施形態のドライバ回路の具体的な構成例を示す全体図である。 第3実施形態のドライバ回路を構成する可変リファレンス回路54の構成例を示す図である。 第3実施形態のドライバ回路による制御の効果を説明する図である。 本発明に係る容量素子の駆動手法の変形例の基本原理を説明する図である。 素子ばらつきがある場合の、各駆動電源の初期位相の決定アプローチ(その1)を説明する図である。 初期位相の決定アプローチ(その1)を適用した実験例である。 素子ばらつきがある場合の、各駆動電源の初期位相の決定アプローチ(その2)を説明する図である。 初期位相の決定アプローチ(その2)を適用した実験例である。 3相共振回路の各ノードの位相とドライバ回路の出力論理の割付けと駆動タイミングの第4実施形態を説明する図である。 固体撮像装置の概略図である。 従来技術(その1)を示す図である。 従来技術(その2)を示す図である。 従来技術(その3)を示す図である。 従来技術(その4)および従来技術(その5)を示す図である。
符号の説明
2…駆動電源、10…3相共振回路、20…インピーダンス回路、21…直列回路、22…抵抗素子、24…容量素子、26…誘電素子、28…容量素子、30…ドライバ回路、31…出力段、32…P型MOSトランジスタ、32G,34G…ゲート、34…N型MOSトランジスタ、40…選択回路、50…正弦波生成回路、52…コンパレータ回路、54…可変リファレンス回路、55…分周回路、56…カウンタ回路、58…DAC回路、100…ノード制御回路、110…遅延回路、120…D型フリップフロップ、130…レジスタ回路、202…固体撮像装置、210…CCD固体撮像素子、213…垂直CCD、215…水平CCD、240…駆動制御部、241…タイミング信号生成部、242…駆動部、300…ドライバ回路、310…安定化電源部、320…補正制御部、322…監視部、324…位相調整部

Claims (24)

  1. 容量性のインピーダンスを持つ素子を駆動する方法であって、
    n(nは3以上の整数)個の前記素子との間でn相のLC共振回路を構成し、
    前記n相のLC共振回路が順次相を移行して共振するように、前記n相のLC共振回路の駆動点を、論理レベル0、ハイインピーダンス、および1の何れかで駆動する
    ことを特徴とする駆動方法。
  2. 各相を2π/nの位相差を保つように駆動する
    ことを特徴とする請求項1に記載の駆動方法。
  3. 皮相電力がより大きくなるように駆動する
    ことを特徴とする請求項1に記載の駆動方法。
  4. 力率が略“1”となるように駆動する
    ことを特徴とする請求項1に記載の駆動方法。
  5. 容量性のインピーダンスを持つ素子を駆動する駆動装置であって、
    n(nは3以上の整数)個の前記素子との間でn相のLC共振回路を構成するように接続される駆動点を駆動するドライバ回路であって、前記n相のLC共振回路が順次相を移行して共振するように前記駆動点を駆動するためのパルス信号を生成するドライバ回路
    を備えたことを特徴とする駆動装置。
  6. 容量性のインピーダンスを持つ素子を駆動する駆動装置であって、
    n個の前記素子との間でn相のLC共振回路を構成するように接続される駆動点を駆動するドライバ回路であって、論理レベル0、ハイインピーダンス、および1の何れかをとるように前記駆動点を駆動するためのパルス信号を生成するドライバ回路
    を備えたことを特徴とする駆動装置。
  7. 前記ドライバ回路は、前記n相のLC共振回路が順次相を移行して共振するように、論理レベル0、ハイインピーダンス、および1の何れかを前記駆動点に与えるためのパルス信号を生成する
    ことを特徴とする請求項6に記載の駆動装置。
  8. 前記ドライバ回路は、各相を2π/nの位相差を保つように前記駆動点を駆動するためのパルス信号を生成する
    ことを特徴とする請求項5〜7のうちの何れか1項に記載の駆動装置。
  9. 前記ドライバ回路は、論理レベル0から1への変化と、論理レベル1から0への変化の間に、論理レベルが前記ハイインピーダンスとなる状態を挟むようにする
    ことを特徴とする請求項7に記載の駆動装置。
  10. 前記ドライバ回路は、論理レベル0および1の何れかを前記駆動点に与える第1段階から、論理レベル0、ハイインピーダンス、および1の何れかを前記駆動点に与える定常段階へと遷移させるように駆動する
    ことを特徴とする請求項7に記載の駆動装置。
  11. 前記ドライバ回路は、論理レベル0から1への変化と、論理レベル1から0への変化の間に、論理レベルが前記ハイインピーダンスとなる状態を挟み、かつ、このハイインピーダンスの期間を漸次増やすことで、前記第1段階から前記定常段階へと遷移させる
    ことを特徴とする請求項10に記載の駆動装置。
  12. 前記ドライバ回路は、前記第1段階から前記定常段階へと、段階的に遷移させるように駆動する
    ことを特徴とする請求項10に記載の駆動装置。
  13. 前記ドライバ回路は、前記の各段階の論理状態を与える個別のドライバ回路と、この個別のドライバ回路の論理出力を、前記第1段階から前記定常段階へと段階的に遷移するように選択して前記駆動点に供給する選択回路と
    を有していることを特徴とする請求項10に記載の駆動装置。
  14. 前記ドライバ回路は、前記第1段階から前記定常段階へと、実質的に連続的に遷移するように駆動する
    ことを特徴とする請求項10に記載の駆動装置。
  15. 前記ドライバ回路は、
    信号値が漸次変化しかつ周期的に変化する信号を発する周期信号生成回路と、
    出力値が漸次変化する基準値を生成する基準信号生成回路と、
    前記周期信号生成回路と前記基準信号生成回路の各出力を比較する比較回路とを有し、
    前記比較回路の出力に基づいて、前記論理出力を得る
    ことを特徴とする請求項10に記載の駆動装置。
  16. 前記ドライバ回路は、前記周期信号生成回路として、前記信号値が段階的に変化する信号を発するものを有し、これにより、前記第1段階から前記定常段階へと、段階的に遷移させるように駆動する
    ことを特徴とする請求項15に記載の駆動装置。
  17. 前記ドライバ回路は、前記基準信号生成回路として、段階的に変化する前記基準値を発するものを有し、これにより、前記第1段階から前記定常段階へと、段階的に遷移させるように駆動する
    ことを特徴とする請求項15に記載の駆動装置。
  18. 前記ドライバ回路は、前記周期信号生成回路として、前記信号値が実質的に連続的に変化する信号を発するものを有し、かつ前記基準信号生成回路として、実質的に連続的に変化する前記基準値を発するものを有し、これにより、前記第1段階から前記定常段階へと、実質的に連続的に遷移させるように駆動する
    ことを特徴とする請求項15に記載の駆動装置。
  19. 前記ドライバ回路は、皮相電力がより大きくなるように駆動する
    ことを特徴とする請求項5または6に記載の駆動装置。
  20. 前記ドライバ回路は、力率が略“1”となるように駆動する
    ことを特徴とする請求項5または6に記載の駆動装置。
  21. 前記駆動点を駆動するためのパルス信号の初期位相を調整することで、前記素子のインピーダンスばらつきを考慮した消費電力の補正を行なう補正制御部
    をさらに備えたことを特徴とする請求項5または6に記載の駆動装置。
  22. 前記補正制御部は、前記駆動点に供給される電源電流の負荷安定化特性を監視して前記パルス信号の初期位相を調整する
    ことを特徴とする請求項21に記載の駆動装置。
  23. 容量性のインピーダンスを持つ複数の電荷転送素子を備えた撮像装置であって、
    n(nは3以上の整数)個の前記電荷転送素子との間でn相のLC共振回路を構成するように接続され、前記n相のLC共振回路が順次相を移行して共振するように、前記n相のLC共振回路の駆動点を、論理レベル0、ハイインピーダンス、および1の何れかで駆動するためのパルス信号を生成するドライバ回路
    を備えたことを特徴とする撮像装置。
  24. 前記電荷転送素子は、垂直方向および水平方向に2次元状に配されており、
    前記ドライバ回路は、前記水平方向に配された前記電荷転送素子を駆動するためのパルス信号を生成するものである
    ことを特徴とする請求項23に記載の撮像装置。
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