JP4652602B2 - 水系ゲル状芳香剤の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規の水系ゲル状芳香剤、特に、香料などの揮散性成分の徐放性に優れた水系ゲル状芳香剤に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
水系ゲル状芳香剤とは、水性のゲル基剤に香料などの芳香性物質(芳香剤成分)を含有せしめて構成した芳香剤であり、その具体的構成は、ゲル基剤に内包されている芳香剤成分を、その揮散性を利用して、芳香剤から経時的に揮散せしめて芳香を付与しようとするものであり、これまでに、室内用、車内用、トイレ用、それに生ゴミ用などの多くの用途で利用されている。
【0003】
従来の水系ゲル状芳香剤では、そのゲル基剤として、寒天、カラギーナン、ジェランガムなどを配合したものが利用されている。 しかしながら、このような基剤によれば、芳香剤の使用に伴う芳香剤の減量とともに、ゲル基剤表面の揮発成分が揮散して、その表面に強固な皮膜が形成されてしまい、芳香剤成分の均質な揮散が妨げられ、ひいては、水系ゲル状芳香剤自体の形状が歪(いびつ)になるなどの美観上の問題点がある。
【0004】
これら問題点を克服するために、例えば、ゲル基剤での主剤としてローカストビーンガムとキサンタンガムとを配合した水性賦香等性ゲル状物(特公昭57−15902号)が、これまでに提案されている。 しかしながら、ローカストビーンガムとキサンタンガムとの組み合わせをもってしても、得られるゲルの強度は、芳香剤などの用途での実用には、ほど遠いものでしかなかった。
【0005】
芳香剤や消臭剤の分野で求められるゲルの強度は、商品輸送時の品質保持や、商品使用時の安全性確保の観点からして非常に重要な要素である。 すなわち、ゲルの強度が不十分であると、商品輸送時にゲル破壊を招き、揮散成分が予定通りに放出せず、また商品の美観を損ねるなどの弊害をもたらす。 また、ゲルの強度が不十分であると、商品を転倒した時などに芳香剤が流出して、床やカーペットを汚損するなどの不都合があった。
【0006】
ゲル強度を上げるための一般的な手法として、基剤の量を増やす方法がある。
【0007】
しかし、この方法では、基剤の量が増えると、商品使用後の芳香剤の残渣(主に、ゲル残渣)も増えてしまい、これにより、芳香成分の残量(商品の終点)が視覚的に判断しにくくなり、また、経済効率的にも不利であった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、従来のゲル基剤を用いた水系ゲル状芳香剤において認識されていた上掲の問題点に鑑みて鋭意研究を行った。 特に、ゲル基剤の構成成分を種々選択した結果、香料などの揮散性成分の徐放性に優れ、かつゲルの保型性の安定に寄与するゲル基剤にたどり着き、本発明を完成するに至ったのである。
【0009】
すなわち、本発明の要旨とするところは、芳香性物質、ゲル基剤および水を含む原料から得られ、かつゲル基剤が、キサンタンガムおよびガラクトマンナン類からなり、また、ガラクトマンナン類の一部が加熱処理されている水系ゲル状芳香剤にある。
【0010】
また、本発明の他の実施態様によれば、芳香性物質、ゲル基剤および水を含む原料から得られ、かつゲル基剤が、キサンタンガムおよびガラクトマンナン類からなり、また、その一部が加熱処理されている水系ゲル状芳香剤が提供される。
【0011】
本発明の水系ゲル状芳香剤でのこの構成によって、香料などの揮散性成分の徐放性に優れ、かつ安定したゲルの保型性に寄与するゲル基剤を具備した水系ゲル状芳香剤が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
【0013】
本発明の水系ゲル状芳香剤で使用する芳香性物質としては、当該技術分野で周知のものや、ならびに当該技術分野で将来利用可能なものも含めて、いずれでも利用でき、例えば、天然香料や合成香料が挙げられ、これらを必要に応じて希釈、乳化したものが利用できる。
【0014】
また、本発明の水系ゲル状芳香剤には、香料の可溶化助剤として機能する可溶化溶剤、または香料の揮散性を制御する揮散調整溶剤をさらに含めることができる。 このような溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類、エチレングリコールアルキルエーテル類、ジエチレングリコールアルキルエーテル類、プロピレングリコールアルキルエーテル類などの有機溶剤またはこれらの組み合わせからなる混合溶剤がある。
【0015】
さらに、本発明の水系ゲル状芳香剤では、香料を可溶化するための界面活性剤を用いることができる。 これら界面活性剤としては、例えば、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルまたはアルキルアリール硫酸塩などの陰イオン性界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などの非イオン性界面活性剤などの1つ以上を利用することができる。
【0016】
本発明の水系ゲル状芳香剤で使用するゲル基剤とは、一般に、ガラクトマンナン類に、必要に応じてキサンタンガムを配合してなるものである。
【0017】
本発明の水系ゲル状芳香剤で使用するガラクトマンナン類としては、D−マンノース主鎖にD−ガラクトース側鎖を有する多糖類を用いることができる。 例えば、ローカストビーンガム、タラガム、グァーガム、カシアガム等が、これらに含まれる。 これらの中でも、後述する通り、本発明において所望の効果を得る観点からして、ローカストビーンガムが好ましい。 また、ガラクトマンナン類の形状としては、粉末状や顆粒状のものを用いることができる。
【0018】
ガラクトマンナン類全体における、加熱処理済みのガラクトマンナン類が占める割合は、ガラクトマンナン類全体の約0.1〜100重量%とすることが望ましい。これは、加熱処理済みのガラクトマンナン類の量が、ガラクトマンナン類全体の約0.1重量%に満たないと、本発明の水系ゲル状芳香剤に、理想的な弾力性が付与されないことによる。
【0019】
なお、ゲル基剤に用いる加熱処理されたガラクトマンナン類とは、ガラクトマンナン類の粉末を示差走査熱量計(DSC)で測定した際に、55℃(40〜70℃)付近の吸熱エンタルピーが、0.8mJ/mg(ガラクトマンナン類1mg当たり0.8mJ)以下であることを特徴とするものである。 ちなみに、非加熱のガラクトマンナン類の粉末での吸熱エンタルピーは、55℃(40〜70℃)付近において1〜2mJ/mgであった。
【0020】
一方、本発明の水系ゲル状芳香剤において、ガラクトマンナン類と組み合わせて使用されるキサンタンガムとは、澱粉、グルコース、ショ糖などの炭水化物を炭素源として、微生物キサントモナス・カンペストリス(Xanthomonas campestris)によって産生される微生物多糖類の一つであり、その構造は、主として、D−グルコース、D−マンノースおよびD−グルクロン酸のナトリウム、カリウムおよびカルシウム塩からなり、その主鎖は、D−グルコースのβ−1,4結合からなる。 そして、本発明の水系ゲル状芳香剤で使用するキサンタンガムとしては、市販の粉末状、顆粒状などのキサンタンガムを用いることができる。 特に、トウモロコシ澱粉、グルコースなどの炭水化物を炭素源とした、キサントモナス・カンペストリスの液体培養での培養液を、低級アルカノールで分別沈殿した後に得られる乾燥品形態のキサンタンガムが好適に利用できる。
【0021】
理想的な弾力性を水系ゲル状芳香剤に付与するために、ガラクトマンナン類とキサンタンガムを併用する場合のその配合比率は、ガラクトマンナン類:キサンタンガム=1:0〜0.001:1の重量比率が好ましい。 この配合比率を調整することで、生成するゲルの弾力性を加減することができる。 なお、配合比率が、上記範囲から外れると、得られるゲルの弾力性は不十分なものになり、本発明の水系ゲル状芳香剤に、理想的な弾力性は付与されない。
【0022】
なお、ガラクトマンナン類とキサンタンガムからなるゲル基剤の約0.1〜100重量%が、加熱処理したものとすることが望ましい。 これはすなわち、加熱処理されたゲル基剤の量が、ゲル基剤の約0.1重量%の量に満たないと、得られるゲルの弾力性は不十分なものになり、本発明の水系ゲル状芳香剤に、理想的な弾力性は付与されないことによる。
【0023】
本発明の水系ゲル状芳香剤に弾力性を付与するためには、加熱処理時のゲル基剤での乾燥減量を、約50重量%以下、好ましくは約20重量%以下、さらに好ましくは約15重量%以下とする。 これはすなわち、ゲル基剤での乾燥減量が、約50重量%を上回ると、ガラクトマンナン類が思うように加熱できず、本発明の水系ゲル状芳香剤に所望の弾力性を付与できないことによる。
【0024】
また、本発明の水系ゲル状芳香剤に弾力性を付与するために、一般には、ゲル基剤に、必要に応じて、多価アルコール類、および塩類を配合し、配合成分の一部もしくは全部を、固形分中の水分を約50%以下にした上で、約55〜約100℃、約5分〜約200分間の条件下で加熱処理する。
【0025】
本発明の水系ゲル状芳香剤に配合されるゲル基剤は、そのすべてが、加熱処理されている必要はない。 例えば、ゲル基剤の一部、例えば、ガラクトマンナン類の一部を加熱処理するだけでも、本発明の水系ゲル状芳香剤にある程度の弾力性を付与することができる。 この場合、ゲル基剤の約0.1重量%以上の量を加熱処理したものとしないと、前述したように、本発明の水系ゲル状芳香剤に所定の弾力性付与効果は期待できない。
【0026】
また、異なる加熱処理条件で加熱したガラクトマンナン類およびキサンタンガムのそれぞれを、ゲル基剤の構成成分とすることもできる。 この場合、ガラクトマンナン類およびキサンタンガムそれぞれに最適な加熱条件を適用して得られたものを、ゲル基剤に配合するのが望ましい。 この場合の最適な加熱条件としては、ガラクトマンナン類の場合、約55〜約150℃で、約1分〜約200分間、好ましくは、約55〜約100℃で、約5分〜約200分間、または、約100〜約150℃で、約1分〜約120分間である。 一方で、キサンタンガムの場合の最適な加熱条件としては、約55〜約150℃、約1〜約50時間、好ましくは、約80〜約150℃、約1〜約10時間である。 これら条件を適用するにあたって、高温側では比較的短時間の加熱とし、逆に、低温側では比較的長時間の加熱とするのが好ましい。 加熱温度が55℃に満たないと、弾力性の付与効果が不十分であり、逆に、150℃を超えると生成物が着色してしまう場合がある。
【0027】
ゲル基剤の加熱処理は、気体中でも液体中でも行うことができる。
【0028】
気体中で加熱処理する場合、空気中などの酸素存在下で加熱を行うと生成物が着色しかねないので、ゲル基剤の構成成分と反応しない不活性ガス中で加熱処理するのが望ましい。 これら不活性ガスとしては、窒素ガス、ヘリウムガス、炭酸ガス、水蒸気などを挙げることができる。 また、気体中での加熱処理を、減圧条件下で行うことによっても、生成物の着色が回避できる。 この場合、前掲の不活性ガスの他に、減圧の程度によっては、空気でも生成物を着色せずに利用することができる。 減圧の程度は、特に制限は無いが、約200〜約0.01mmHgの圧力が好適である。
【0029】
液体中で加熱処理する場合、ゲル基剤の構成成分を溶解しない不活性溶剤中に同成分を分散させた状態で加熱する。 液体中で加熱処理を行っても、生成物は着色されない。 不活性溶剤としては、ゲル基剤の構成成分を溶解せず、かつゲル基剤の構成成分と反応しないものであれば、特に制限はなく、いずれでも利用可能である。 これら不活性溶剤の例として、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、n−ペンチルアルコール、n−ヘキシルアルコールなどの炭素数1〜6のアルカノール、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールなどの炭素数1〜4のアルカンジオール、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)等のエチレングリコールのモノもしくはジ低級アルキル(C=1〜4、特に、1〜2)エーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのジエチレングリコールのモノもしくはジ低級アルキル(C=1〜4、特に、1〜2)エーテルなどの他、植物油脂、動物油脂、脂肪酸、脂肪酸とグリセリンなどのモノ、ジ、トリエステルなどの各種油脂類を挙げることができる。 不活性溶剤中での反応は、場合によっては、加圧下で、例えば、オートクレーブ中で行うことができる。 加熱処理後に不活性溶剤を除去するが、本発明の水系ゲル状芳香剤での一成分として残存せしめることも可能である。 なお、不活性溶剤の除去は、例えば、加熱処理液を濾過し、濾過残渣(ケーキ)を必要に応じてエタノールなどの低沸点溶剤で洗浄し、次いで、真空乾燥することによって行うことができる。
【0030】
ゲル基剤の構成成分を水溶液中で混合して、再度、乾燥固化させた後に、加熱処理を行うことで、本発明の水系ゲル状芳香剤に良好な弾力性を付与できる。 具体的には、ゲル基剤の構成成分を水中に分散させ、次いで、水分を除去し、水分が0〜約90重量%となった後に加熱処理を行う。 水への分散方法は、特に限定されるものではないが、約10〜約100℃の水で、約10分以上攪拌して分散させる。 最も簡便な方法は、約50〜約80℃の水で、約20分以上攪拌して分散する方法である。 通常、攪拌による分散時間は、約3時間で十分である。 また、水溶液中のゲル基剤の構成成分の濃度は、特に限定するものではないが、操作性の観点からすれば、約0.1〜約20重量%の濃度が好ましい。 なお、水溶液内に有機溶媒などが含有されてもよいが、低級アルコール類が約20重量%以上含まれると、ゲル基剤の構成成分が凝集して好ましくない。
【0031】
本発明の水系ゲル状芳香剤によれば、多価アルコールおよび塩を添加した条件下で弾力性付与効果が相乗的に現れる。 特に、炭素数2〜8で、水酸基を2〜6個有する多価アルコールおよびその重合物をガラクトマンナン類に加えると、水系ゲル状芳香剤の安定化と弾力性の向上が顕著である。 なお、重合物としては、水酸基を最低2個以上保持していることが必要である。 このような多価アルコールとしては、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、ネオペンチルアルコール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトール、ポリグリセリンなどが挙げられるが、これらに限定するものではない。 ゲル基剤の加熱処理系内に塩を加えることで、本発明の水系ゲル状芳香剤において弾力性付与効果が現れる。 塩としては、各種ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩が挙げられるが、これらの中でも、2価のアルカリ金属塩が効果的である。 これらの塩類として、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、乳酸カルシウム、乳酸ナトリウム、第一リン酸カリウム、第二リン酸カリウム、リン酸三ナトリウム、L−アスコルビン酸ナトリウム、L−グルタミン酸ナトリウム、L−アスコルビン−リン酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどがあるが、これらに限定されない。
【0032】
芳香性物質およびゲル基剤を含む原料を、水の存在下で、常温下、好ましくは、20〜40℃で、pH4〜9、好ましくは、pH4.5〜7の条件下で混合することによって、本発明の水系ゲル状芳香剤が得られる。
【0033】
なお、本発明の水系ゲル状芳香剤に用いられる水としては、例えば、水道水、脱イオン水、蒸留水、濾過精製水などのいずれでも利用可能である。
【0034】
【実施例】
以下に、本願発明の実施例を具体的に説明するが、本願発明はこれら実施例の開示によって限定的に解釈されるべきものではない。
【0035】
実施例1:水系ゲル状芳香剤の製造およびその性状検討
ローカストビーンガム(FLBG−A:新田ゼラチン社製)、キサンタンガム(VS900:新田ゼラチン社製)、プロピレングリコール、ラベンダー香料(OSK−1:大鹿香料社製)、および界面活性剤(TWEEN80:ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル)を準備した。 また、ローカストビーンガムを、105℃で、60分間、加熱処理して得た加熱済ローカストビーンガムと、それに、キサンタンガムを、115℃で、180分間、加熱処理して得た加熱済キサンタンガムも、それぞれ準備した。
【0036】
これら材料を、下記表1に記載の配合量に従って混合し、イオン交換水で100gの最終重量に調整した。 また、ローカストビーンガムとキサンタンガムの双方に代えて、新鮮寒天を用いた事例を対照とした。
【0037】
【表1】
【0038】
このようにして製造した各水系ゲル状芳香剤の80gを、20℃に調整された密閉容器(100ml容)内に、20分間放置した。 各水系ゲル状芳香剤の芳香の強弱について、熟練したパネラー8名によって、官能的に5段階で得点を付けてもらった。 すなわち、芳香の強いと判断した場合には5点、以下、芳香が薄れるに従い1点ずつ減じ、芳香が弱いと判断した場合には1点を付与した。 各芳香剤について、パネラー各位の評点を集計して得た合計点から平均点を求め、それを官能検査結果とした。 その結果を、以下の表2に記した。
【0039】
【表2】
【0040】
次に、120ccの各計量カップに各水系ゲル状芳香剤の100gを取り、これを25℃に調整された室内に静置して、その重量変化を経時的に計量した。 その結果を、図1のグラフにまとめた。
【0041】
図1のグラフから明らかな通り、本発明の水系ゲル状芳香剤(実施例品)は、対照からして、均一なゲル減量を示しており、香料成分の均一な揮散に寄与しうるものであることが明らかとなった。
【0042】
実施例2:水系ゲル状芳香剤のゲル強度の検討
実施例1に記載の材料を用い、下記表3に記載の配合量に従って混合し、イオン交換水で100gの最終重量に調整して、本発明の水系ゲル状芳香剤(実施例A〜B)を調製した。 また、非加熱のローカストビーンガムと非加熱のキサンタンガムを利用して調製した水系ゲル状芳香剤を、比較例とした。
【0043】
【表3】
【0044】
このようにして製造した各水系ゲル状芳香剤(実施例A〜Bおよび比較例)は、いずれもゲルの形成に至っていたので、それらのゲル強度を、レオメーター(レオメーターCR−500X:株式会社サン科学製)を用いて定深度測定によって決定した。 具体的には、同レオメーターに装着されている感圧軸(直径1cm)を、60mm/分の速度で各水系ゲル状芳香剤に当接および挿入した際に、各水系ゲル状芳香剤の表面から1cmの深さにおいて感圧軸に負荷される力(g)を測定した。 その測定結果も、表3に併せてとりまとめた。
【0045】
表3に記載の結果から明らかなように、比較例の芳香剤からして、本発明の水系ゲル状芳香剤(実施例A〜B)は、ゲル強度が格段に大きく、弾力性に富んでおり、芳香剤の用途における実用性が認められた。
【0046】
【発明の効果】
このように本発明によると、所期の目的であった、香料などの揮散性成分の徐放性に優れ、かつ安定なゲルの保型性に寄与するゲル基剤を具備した水系ゲル状芳香剤が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の水系ゲル状芳香剤の経時的ゲル減量を示すグラフである。
Claims (5)
- キサンタンガム、及び少なくとも一部があらかじめ加熱処理されているガラクトマンナン類からなるゲル基剤、並びに、芳香性物質を含む原料を、水の存在下で混合することを特徴とする、水系ゲル状芳香剤の製造方法。
- 前記ゲル基剤が、ガラクトマンナン類とキサンタンガムを、ガラクトマンナン類:キサンタンガム=1:0.001〜0.001:1の重量比率で含む請求項1に記載の製造方法。
- キサンタンガム及びガラクトマンナン類からなり、少なくとも一部があらかじめ加熱処理されているゲル基剤、並びに、芳香性物質を含む原料を、水の存在下で混合することを特徴とする、水系ゲル状芳香剤の製造方法。
- 前記ゲル基剤が、ガラクトマンナン類とキサンタンガムを、ガラクトマンナン類:キサンタンガム=1:0.001〜0.001:1の重量比率で含み、かつ前記ゲル基剤の0.1重量%以上が加熱処理されている請求項3に記載の製造方法。
- 前記ガラクトマンナン類が、ローカストビーンガムである請求項1乃至4のいずれかに記載の製造方法。
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