JP4645011B2 - 二軸延伸ポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、二軸延伸ポリエステルフィルムに関するものである。詳しくは優れた透明性を有し、かつ加熱処理によるヘイズ上昇が小さいポリエステルフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
二軸延伸ポリエステルフィルムは、優れた透明性、耐熱性、機械的特性、寸法安定性、耐薬品性等から各種ディスプレイ用光学フィルムとして多く利用されている。例えばプリズムレンズシート用のベースフィルム、拡散板用ベースフィルム、タッチパネル用ベースフィルム、AR(アンチリフレクション)フィルム用のベースフィルムとしては、優れた強度、寸法安定性が要求されるため、50μmあるいは100μm以上の厚手のフィルムが好適に用いられている。またこの様な光学用フィルムはベースフィルム上に何らかの機能層を設ける加工を施されることが殆どであり、この点からもベースフィルムには加工時の優れた取扱い性、耐熱性、寸法安定性が必要となる。これらに対し、例えばポリエステルフィルムの少なくとも片面に、特定の易接着性塗膜が形成されたフィルム等が提案されている(特許文献1)。さらに本用途に使用されるフィルムは光学用であることから、特に加工後にも優れた透明性を維持することが要求される。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−25182号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
プリズム加工やハードコート加工などを始め、各種加工に際しては100〜160℃の加熱が必要となる場合がある。しかしこれらの加工工程を経た従来の光学用二軸延伸ポリエチレンテレフタレートは、ヘイズの上昇や白色状の外観欠点が発生するという問題があった。特に温度が高くなる程、時間が長くなる程、これらの問題は顕著になる傾向にあり、実際にこれらの問題が発生すると得られた製品の視認性低下や品位低下につながることから、実際には光学用ポリエステルフィルムのヘイズ上昇が許や白色状の外観欠点が発生しないようなマイルドな条件で加工を実施しているのが現状である。しかしながら、製品のより高性能化、生産性の向上を図るためには、より高温での加工においても上記の問題が発生しない様な高透明のポリエステルフィルムが待望されていた。
【0005】
そこで、本発明の目的は前記問題点に鑑み、優れた透明性を有し、加工工程後もヘイズ上昇が小さい二軸延伸ポリエステルフィルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、ポリエチレンテレフタレートおよび/またはポリエチレンナフタレートと、シクロヘキサンジメタノールが24モル%〜33モル%共重合されたシクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレートからなるポリエステルフィルムであって、
該シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレートを2〜10重量%含有し、全光線透過率が90%以上、ヘイズが2%以下、かつ、150℃で30分間加熱処理後のヘイズ上昇が1%以下であり、融点が250〜260℃である二軸延伸ポリエステルフィルムである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のポリエステルフィルムは、ポリエチレンテレフタレートおよび/またはポリエチレンナフタレートと、シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレートからなるものである。
【0008】
耐熱性等の点から好ましいためである。
【0009】
上記ポリエステルには、各種の添加剤が含有されていても良く、添加剤として例えば、帯電防止剤、UV吸収剤、安定剤等が挙げられる。また、本発明のポリエステルフィルム内部には、易滑性付与を目的とした不活性粒子は、透明性の点から、含有させないことが望ましい。
【0010】
本発明では、耐熱性、生産性の点、さらに加工後の経時変化を抑制する等の点から、フィルムの融点が250〜260℃であることが必要である。
【0011】
本発明のポリエステルフィルムは、透明性の点から全光線透過率が90%以上であり、ヘイズが2%以下であることが必要である。全光線透過率は91%以上がより好ましく、また高ければ高い程好ましいが、ポリエステルの分子骨格及び表面処理での効果と生産性、コストを考慮すると96%以下が現実的に好ましい範囲と考えられる。またヘイズは好ましくは1%以下、特に好ましくは0.8%以下である。これら全光線透過率及びヘイズを上記範囲とすることで光学用のベースフィルムとして好適に使用可能となる。このようにするためには、例えばポリエステルへの粒子や各種添加剤を添加量を低減し、更には添加しないことが好ましく、またフィルム表面反射での透過ロスを低減するため積層膜を設けること等が挙げられるが、本発明の様に加熱処理後のヘイズ上昇を制御するに際して、添加剤や樹脂を添加する場合、非相溶性や熱結晶化によるヘイズ上昇を生じさせないこと、また積層膜を設けた際に塗布はじき等によるヘイズ上昇を起こさないことが重要であり、これらの点で優れるシクロヘキサンジメタノール共重合ポリエステルを混合させることが極めて有効な手法であることを見出した。
【0012】
さらに本発明のポリエステルフィルムは、透過b値が0.5以下であることが好ましく、より好ましくは0.3以下である。透過b値が0.5以下であることにより、フィルムが黄ばんで見え、かかるフィルムをディスプレイ装置の表面に貼付した場合など、劣化、変色といった低品位な印象を与えたり、フィルムをディスプレイ装置の内部に組み込んだ場合、色調のバランスを損なうなどの問題がなく、好適に使用できるものとなる。またb値が−0.5以上が好ましいが、これは−0.5未満だとフィルムが青黒く見え、かかるフィルムをディスプレイ装置の表面に貼付した場合、暗い印象を与えるばかりか、フィルムをディスプレイ装置の内部に組み込んだ場合、色調・輝度のバランスを損なう可能性があるため好ましくない。透過b値を上記の通りとするには、加熱処理後のヘイズ上昇を制御しながら透過b値を上記の通りとするには、ポリエステルは勿論のことヘイズ制御するために添加する添加剤や樹脂による透過b値の上昇を抑制する必要がある。この点においてシクロヘキサンジメタノール共重合ポリエステルをポリエステルに添加させることは極めて効果的である。また更にフィルムの色調は、フィルム表層に形成される積層膜の種類、膜厚によって、製膜工程が安定する範囲内でも調整が可能であるが、溶融押出時の温度設定を極力低温とし、溶融工程での過昇温によるポリマーの劣化を抑えることも重要であり、またフィルムIVとしては0.6〜0.7であることが好ましい。
【0013】
本発明においては150℃で30分間加熱処理した際のヘイズ上昇が1%以下であることが必要であり、好ましくは0.5%以下である。従来のポリエチレンテレフタレートフィルムにおいて、加熱によるヘイズ上昇の主要因が主に環状3量体オリゴマーに起因する白色状欠点にあり、加熱によって環状3量体オリゴマーが表面に析出することによって生じることを見出した。更にこの現象は、二軸延伸後のポリエチレンテレフタレートフィルム中では非晶部に過飽和に存在している環状3量体が、加熱によって分子運動性が高まり、またエネルギー的に安定となる方向で系が作用するため、結果的に表面に析出する経路が形成され白色状欠点に成長すると考えられる。従って、加熱時のヘイズ上昇を抑制するには、加熱時の環状3量体との馴染みが良く析出を抑制し得る領域を確保する或いは環状3量体をトラップする様な第3成分を添加すれば良く、シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエステルを2〜10重量%含有することが極めて効果が高いことを見出した。
【0014】
ここで、本発明ではシクロヘキサンジメタノール共重合ポリエステルを2〜10重量%含有することが必要であるが、好ましくは3〜8重量%である。またシクロヘキサンジメタノール共重合ポリエステルは、シクロヘキサンジメタノールが24モル%〜33モル%共重合されていることが必要であり、実質的に非晶質あるいは融点が210℃以下であることが特に好ましい。
【0015】
さらに、本発明において高温下での長期安定性を良好とする点で、フィルム中のカルボン酸濃度は10〜45当量/トンであることが好ましい。さらに好ましくは15〜35当量/トンである。
【0016】
本発明のポリエステルフィルムは、面配向係数が0.155〜0.175であることが好ましく、より好ましくは0.16〜0.17、さらに好ましくは0.165〜0.17である。ここで、面配向係数とは、フィルムの長手方向屈折率をnMD、フィルムの幅方向屈折率をnTD、フィルムの厚さ方向屈折率をnZDとした際に、面配向係数Fn=(nMD+nTD)/2−nZDで表される。
【0017】
さらに、本発明のポリエステルフィルムは、A/B、A/B/A等の様に積層構成としても良い。
【0018】
本発明のフイルムの厚さは、フィルムの腰、加工性、耐熱性等の点で10〜500μmであることが好ましく、さらに好ましくは50〜200μmである。
【0019】
本発明のポリエステルフィルムは、片面もしくは両面に積層膜を有することが好ましい。この積層膜は、ポリエステルフィルム(ベース層)と各種加工工程で使用される塗布剤、蒸着物質等との接着性を向上させるためや、フィルムの易滑性を向上させるために設けるものである。
【0020】
積層膜を設ける方法は特に限定されないが、たとえば、ポリエステルフィルムの製造工程中に積層膜を構成する成分を共押出する方法、または塗布方法で基盤層上に設けたのち、基盤層と共に延伸する方法が好ましく用いられる。ここで、フィルム上へ積層膜を構成する成分を塗布する方法は特に限定されないが、例えば、リバースコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、バーコート法、マイヤーバーコート法、ダイコート法、スプレーコート法などを用いることができる。
【0021】
この積層膜を構成する成分としては、ベース層であるポリエステルフィルムに対し接着性を有するものであれば特に限定されないが、たとえばポリエステル、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂などを好適に用いることができる。また、異なる2種以上の樹脂、例えば、ポリエステルとウレタン樹脂、ポリエステルとアクリル樹脂、あるいはウレタン樹脂とアクリル樹脂等を組み合わせて用いてもよい。好ましくはポリエステル、アクリル樹脂、ウレタン樹脂であり、特に好ましくはポリエステルである。
【0022】
本発明にかかる積層膜においては、上記した樹脂に各種の架橋剤を併用することにより、耐熱接着性を向上させると同時に、耐湿接着性を飛躍的に向上させることができる。該積層膜に用いる樹脂として、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂に架橋性官能基が共重合されている場合、架橋剤を併用することがとくに好ましい。積層膜を構成する樹脂と架橋剤は任意の比率で混合して用いることができるが、架橋剤は、樹脂100重量部に対し0.2〜20重量部添加が常態下での接着性向上の点で好ましく、より好ましくは0.5〜15重量部添加、とくに好ましくは1〜10重量部添加である。架橋剤の添加量が、0.2重量部未満の場合、その添加効果が小さく、また、20重量部を越える場合は、接着性が低下する傾向がある。
【0023】
また、本発明における積層膜中には本発明の効果が損なわれない範囲内で、各種の添加剤、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、帯電防止剤、核剤などが配合されていてもよい。
【0024】
本発明における積層膜中に無機粒子を添加するのは、易滑性や耐ブロッキング性が向上する点で、とくに好ましい。この場合、添加する無機粒子としては、シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナゾル、カオリン、タルク、マイカ、炭酸カルシウムなどを用いることができる。用いられる無機粒子は、平均粒径0.005〜5μmが好ましく、より好ましくは0.01〜3μm、とくに好ましくは0.02〜2μmである。積層膜中の樹脂100重量部に対する無機粒子の混合比は特に限定されないが、固形分重量比で0.05〜10重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量部である。
【0025】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を説明する。なお、特性は以下の方法により測定評価した。
(1)ポリエステルの固有粘度
ポリエステルをオルソクロロフェノ−ルに溶解し、25℃において測定した。
(2)ポリエステルのカルボキシル末端基量
ポリエステルをo−クレゾール/クロロホルム(重量比7/3)に100℃20分の条件で溶解し、アルカリで電位差滴定を行ない求めた。
(3)フィルムの面配向係数
ナトリウムD線(波長589nm)を光源として、アッベ屈折計を用いて、フィルムの長手方向屈折率nMD、フィルムの幅方向屈折率nTD、フィルムの厚さ方向屈折率nZDを求め、面配向係数Fn=(nMD+nTD)/2−nZDを求めた。
(4)ポリエステルの融点
ポリエステルあるいはフィルムを示差走査熱量計(パーキン・エルマー社製DSC2型)により、10℃/分の昇温速度で測定し、融解ピークから融点を求めた。
(5)全光線透過率
全自動直読ヘイズコンピューターHGM−2DP(スガ試験機(株)製)を用いて、フィルム厚み方向の全光線透過率を測定した。
(6)ヘイズ
全自動直読ヘイズコンピューターHGM−2DP(スガ試験機(株)製)を用いて、フィルム厚み方向のヘイズを測定した。測定はA4サイズのフィルムを6分割した各サンプルについて実施し、平均値を求めた。
(7)ヘイズ上昇値
200mm×150mmサイズのフィルムを150±3℃で30分加熱処理し、加熱前後のヘイズを全自動直読ヘイズコンピューターHGM−2DP(スガ試験機(株)製)を用いて、フィルム厚み方向のヘイズを測定した。測定はA4サイズのフィルムを6分割した各サンプルについて実施し、ヘイズ上昇平均値を求めた。
(8)透過b値
分光式色差計SE−2000型(日本電色工業(株)製)を用い、JIS−K−7105に従って透過法で測定した。
【0026】
実施例1〜3、比較例1
表1に示す構成成分で構成される188μmのフィルムを製膜した。
実施例1では、酢酸マグネシウム、三酸化アンチモン、亜リン酸を用いてポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」と称する)を重合しPET(A)を得た。該PET(A)に添加ポリエステルとして、シクロヘキサンジメタノール(以下、「CHDM」と称する)を33モル%共重合した共重合ポリエステルであるPET/CHDM(33)を5重量%ブレンドしベント付き2軸押出機にてコンパウンドしてチップ化した後、120℃にて2時間真空乾燥した後、引き続き180℃で3時間真空乾燥し、275℃で溶融押出して、キャスティングドラムにて、テープ状の電極で静電印加させながら、キャスト上で急冷固化し、未延伸フィルムを得た。これを70℃で予熱し、ラジエーションヒーターを併用しながら85℃のロールにて、長手方向に3.2倍延伸し一軸延伸フィルムとした。この後、該一軸延伸フィルムの両面に、積層膜として易滑剤(粒径0.1μmのコロイダルシリカ固形分比0.4重量部)を含む水分散性アクリル系樹脂(濃度3.0重量%)を#4のメタバーにて両面に塗布した後、110℃で幅方向に3.3倍延伸し、230℃で熱処理して、全体の膜厚が188μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムは表1に示す通り極めて優れた特性を示すものであった。
【0027】
実施例2では、酢酸マグネシウム、非晶質二酸化ゲルマニウム、リン酸を用いてPETを重合しPET(B)を得た。該PET(B)に添加ポリエステルとして、CHDMを33モル%共重合したPET/CHDM(33)を3重量%ブレンドしベント付き2軸押出機にてコンパウンドしてチップ化した後、120℃にて2時間真空乾燥した後、引き続き180℃で3時間真空乾燥し、275℃で溶融押出して、キャスティングドラムにて、テープ状の電極で静電印加させながら、キャスト上で急冷固化し、未延伸フィルムを得た。これを70℃で予熱し、ラジエーションヒーターを併用しながら85℃のロールにて、長手方向に3.2倍延伸し一軸延伸フィルムとした。この後、該一軸延伸フィルムの両面に、積層膜として易滑剤(粒径0.1μmのコロイダルシリカ固形分比0.4重量部)を含む水分散性アクリル系樹脂(濃度3.0重量%)を#4のメタバーにて両面に塗布した後、110℃で幅方向に3.3倍延伸し、230℃で熱処理して、全体の膜厚が188μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムは表1に示す通り極めて優れた特性を示すものであった。
【0028】
実施例3では、酢酸マンガン、三酸化アンチモン、リン酸トリメチルを用いてPETを重合しPET(C)を得た。該PET(C)に添加ポリエステルとして、CHDMを24モル%共重合したPET/CHDM(24)を8重量%ブレンドしベント付き2軸押出機にてコンパウンドしてチップ化した後、180℃で2時間真空乾燥し、280℃で溶融押出して、キャスティングドラムにて、テープ状の電極で静電印加させながら、キャスト上で急冷固化し、未延伸フィルムを得た。これを70℃で予熱し、ラジエーションヒーターを併用しながら85℃のロールにて、長手方向に3.2倍延伸し一軸延伸フィルムとした。この後、該一軸延伸フィルムの両面に、積層膜として易滑剤(粒径0.1μmのコロイダルシリカ固形分比0.4重量部)を含む水分散性アクリル系樹脂(濃度3.0重量%)を#4のメタバーにて両面に塗布した後、110℃で幅方向に3.3倍延伸し、230℃で熱処理して、全体の膜厚が188μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムは表1に示す通り極めて良好な特性を示すものであった。
【0029】
比較例3では添加ポリエステルとして、、PETにCHDMを24モル%共重合したPET/CHDM(24)をCHDMを20モル%共重合したポリエチレンテレフタレートPET/CHDM(20)に変更した以外は実施例3と同様にして全体の膜厚が188μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムは表1に示す通り極めて良好な特性を示すものであった。
【0030】
参考例1では、酢酸マグネシウム、三酸化アンチモン、亜リン酸を用いてポリエチレンテレフタレート(以下「PEN」と称する)を重合しPET(A)を得た。該PET(A)に添加ポリエステルとして、シクロヘキサンジメタノール(以下。「CHDM」と称する)を33モル%共重合した共重合ポリエステルであるPET//CHDM(33)を5重量%ブレンドしベント付き2軸押出機にてコンパウンドしてチップ化した後、120℃にて2時間真空乾燥した後、引き続き180℃で3時間真空乾燥し、285℃で溶融押出して、キャスティングドラムにて、テープ状の電極で静電印加させながら、キャスト上で急冷固化し、未延伸フィルムを得た。これを85℃で予熱し、ラジエーションヒーターを併用しながら95℃のロールにて、長手方向に3.2倍延伸し一軸延伸フィルムとした。この後、該一軸延伸フィルムの両面に、積層膜として易滑剤(粒径0.1μmのコロイダルシリカ固形分比0.4重量部)を含む水分散性アクリル系樹脂(濃度3.0重量%)を#4のメタバーにて両面に塗布した後、110℃で幅方向に3.3倍延伸し、230℃で熱処理して、全体の膜厚が188μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムは表1に示す通り極めて優れた特性を示すものであった。
【0031】
比較例1では、二酸化ゲルマニウム、リン酸トリメチルを用いてポリエステルを重合しポリエステルDを得た。ポリエステルDを180℃で3時間真空乾燥し、280℃で溶融押出して、キャスティングドラムにて、ワイヤー状の電極で静電印加させながら、キャスト上で急冷固化し、未延伸フィルムを得た。これを70℃で予熱し、ラジエーションヒーターを併用しながら85℃のロールにて、長手方向に3.3倍延伸し一軸延伸フィルムとした。この後、該一軸延伸フィルムの両面に、積層膜として易滑剤(粒径0.1μmのコロイダルシリカ固形分比0.4重量部)を含む水分散性ポリエステル系樹脂(濃度3.0重量%)を#4のメタバーにて両面に塗布した後、110℃で幅方向に3.5倍延伸し、220℃で熱処理して、全体の膜厚が188μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムは表1に示す通りであった。
【0032】
比較例2では、ポリエステルDを180℃で3時間真空乾燥し、ポリプロピレンを0.1重量%添加した後、280℃で溶融押出して、キャスティングドラムにて、ワイヤー状の電極で静電印加させながら、キャスト上で急冷固化し、未延伸フィルムを得た。これを70℃で予熱し、ラジエーションヒーターを併用しながら85℃のロールにて、長手方向に3.3倍延伸し一軸延伸フィルムとした。この後、該一軸延伸フィルムの両面に、積層膜として易滑剤(粒径0.1μmのコロイダルシリカ固形分比0.4重量部)を含む水分散性ポリエステル系樹脂(濃度3.0重量%)を#4のメタバーにて両面に塗布した後、110℃で幅方向に3.5倍延伸し、210℃で熱処理して、全体の膜厚が188μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムは表1に示す通りであった。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】
本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムは、上記したとおりであるので、優れた透明性を有し、加工工程後もヘイズ上昇が小さい。従って例えば、プリズムレンズシート用、拡散板用、タッチパネル用、AR(アンチリフレクション)用など各種光学用シートのベースフィルムとして好適に使用でき、、製品のより高性能化、生産性の向上を目指したより高温での加工においても問題なく使用できる。
Claims (4)
- ポリエチレンテレフタレートおよび/またはポリエチレンナフタレートと、シクロヘキサンジメタノールが24モル%〜33モル%共重合されたシクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレートからなるポリエステルフィルムであって、
該シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレートを2〜10重量%含有し、全光線透過率が90%以上、ヘイズが2%以下、かつ、150℃で30分間加熱処理後のヘイズ上昇が1%以下であり、融点が250〜260℃である二軸延伸ポリエステルフィルム。 - 透過b値が0.5以下であり、面配向係数が0.155〜0.175である請求項1に記載の二軸延伸ポリエステルフィルム。
- シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレートが、実質的に非晶質または融点が210℃以下である請求項1または2に記載の二軸延伸ポリエステルフィルム。
- ディスプレイ用光学フィルムに用いられる請求項1〜3のいずれかに記載の二軸延伸ポリエステルフィルム。
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