JP4623794B2 - アルミナ質耐食部材及びプラズマ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フッ素系および塩素系腐食性ガスあるいはフッ素系および塩素系プラズマを利用するCVD工程やドライエッチング工程、または酸素プラズマを利用してレジストを除去するアッシング工程やイオン衝撃に曝されるスパッタ工程で使用される装置の内壁部材、特にマイクロ波導入窓、シャワーヘッド、フォーカスリング、クランプリング、シールドリング等のアルミナ質耐食部材と、半導体や液晶などのデバイス製造工程、マイクロマシンの製造工程、電子回路の製造工程、薄膜製造工程およびその他のプラズマ処理を伴う製造において好適に用いられるプラズマ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、プラズマ装置は、半導体や液晶などのデバイスを製造する工程、エッチングを用いて形成されるマイクロマシンの製造工程、配線基板を形成する電子回路の製造工程、スパッタリングやプラズマCVDなどの薄膜製造工程およびその他のエッチングを伴う工程など、広範な製造工程において用いられている。
【0003】
プラズマ装置とは、特定のガスの一部をイオン化し、電子とイオンと中性粒子からなる気体を形成するための装置であって、真空容器と、ガスの導入装置とプラズマ発生装置と、被処理物を保持する固定治具とを具備する装置であり、具体的には核融合装置、プラズマCVDやスパッタやイオンプレーティングなどの薄膜形成装置、RIE(反応性イオンエッチング)や高密度イオンエッチング装置などのエッチャーなどが挙げられる。
【0004】
プラズマ発生装置は、直流、交流、高周波などにより電磁場を形成し、ガスをイオン化するための装置を言い、特に0.8〜13.56MHzの高周波や2.45GHzのマイクロ波を用いてプラズマを形成するための電源と電極とを備えているものである。
【0005】
特に、プラズマ半導体製造工程や他のエッチング工程を伴う製造工程において用いられるエッチング装置においては、装置内のガスに平板電極やコイル状の誘導電極に高周波を印加してプラズマを発生させたり、マイクロ波を真空容器内に導入してプラズマを発生させ、腐食性ガスのプラズマ雰囲気中で被処理物の表面のエッチング処理等を行っている。
【0006】
このため、これらのプラズマ装置においては、特に装置内部の部材の腐食が激しく、歩留まりや製品コストおよび製品の信頼性に影響を及ぼしてきた。特に、半導体素子などの高集積回路形成に使用されるドライプロセスやプラズマコーティング等に用いるプラズマ装置は、フッ素系や塩素系などのハロゲン系腐食ガスが利用されており、プラズマの腐食性が高く、これらの腐食性ガスに接触する部材は、高い耐食性が要求されている。
【0007】
従来からウエハなどの処理物以外のこれらプラズマに接触する部材は、一般にガラスや石英などのSiO2を主成分とする材料や、ステンレス、アルミニウム、モネル等の耐食性金属が多用されている。
【0008】
しかしながら、従来から使用されている石英ガラスなどを使用した部材では、プラズマ中での耐食性が低いため、消耗が激しく、分解で生じたガスがプラズマ中に混入し、ガス系を乱し、歩留まり低下を招いてしまう。
【0009】
一方、ステンレスなどの金属を使用した部材では、蒸発した金属成分が混入するため、半導体デバイスにおいては、不純物の混入が電気的な不良を招き、その結果誤動作の原因となった。したがって、デバイスの製造過程での不純物混入を極力抑制する必要があった。しかし、特に、エッチング工程においては、腐食性の強いフッ素や塩素を含むプラズマを用いるため、チャンバーの壁面や治具表面とプラズマが接触して、壁面または治具からの不純物が発生し、デバイスに影響を及ぼすという問題があった。
【0010】
そこで、近年、耐食性に優れるアルミナが99重量%以上含まれる純度の高い治具が提案されている。例えば、特開平8−81258号公報では、99.2重量%以上の酸化アルミニウムと残部がアルミニウム以外の金属の酸化物からなる焼結体、または、1000℃〜1550℃で熱処理をして歪みを除去した焼結体が提案されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平8−81258号公報で開示されたアルミナセラミック焼結体を用いたエッチング部品では、純度が高いとはいえ、アルミナの粒界に存在している微量の種々の金属酸化物がプラズマイオンの照射を受けると蒸発してしまうこと、加工ダメージで生じた歪みは除去出来ても、アルミナ結晶粒子の結晶軸方向での熱膨張率の異方性に起因する本質的な残留応力を除去出来ないことより、粒子からではなく粒子の界面、すなわち粒界から選択的にエッチングが生じ、さら粒界の選択的エッチングが進行すると、粒子が焼結体から分離して自由粒子となる、いわゆるパーティクルが発生するという問題があった。
【0012】
このパーティクルは半導体デバイス上のメタル配線の断線や短絡、または、リソグラフ時の欠陥を発生させ、デバイス特性を劣化させると共に、歩留まりを低下させてしまうものであった。
【0013】
本発明は、高い耐食性を有し、パーティクルの発生しにくいアルミナ質耐食部材とプラズマ装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明のアルミナ質耐食部材は、アルミナの耐食性が粒界相に大きく依存するという知見に基づくもので、アルミナを主結晶相とし、その粒界相としてサイアロンを含有させることにより、耐食性とパーティクルの発生を改善するものである。
【0015】
すなわち、アルミナを主結晶相とし、その粒界相としてサイアロンを含み、かつ珪素の含有量が全量中0.01〜0.5モル%、窒素の含有量が全量中0.01〜1モル%、アルミニウムおよび珪素以外の金属元素の含有量が0.1モル%以下であり、これによって、界面の残留応力が大幅に減少し、高耐食性を示すとともに、パーティクル発生の少ないアルミナ質耐食部材を実現できる。サイアロンがアルミナ主結晶相の粒界に形成されるとアルミナの粒成長を抑制し、強度を高めるため、高負荷の部材に好適な耐食部材を供給できる。
【0017】
また、本発明のアルミナ質耐食部材は、99%以上の相対密度を有することが好ましい。相対密度を99%以上とすることにより、チャンバー部材として使用したとき、ガスリークの発生を抑制できる。また、気孔が多く存在すると、気孔のエッジ部にて異常放電を生じたり、表面に露出した気孔内部に腐食ガスが滞留するため気孔付近で腐食を受けやすく、腐食が加速される。
【0019】
また、本発明のプラズマ装置は、少なくとも真空容器と、ガスの導入装置と、プラズマ発生装置と、被処理物を保持する固定治具とを具備するプラズマ装置であって、該プラズマ装置の真空容器内のプラズマに接する部材として、本発明のアルミナ質耐食部材を用いたことを特徴とする。これにより、部材の寿命が長く、生産性の高く、信頼性の高い製品を製造できるプラズマ装置を実現できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明のアルミナ質耐食部材は、アルミナを主結晶相とする焼結体であり、主結晶相の粒界に、少なくとも珪素(Si)と窒素(N)と酸素(O)が含まれている。このうちSiは全量中0.01〜0.5モル%含有していることが必要であり、特に0.02〜0.1モル%が好ましい。0.01モル%未満では、粒界に存在する量が少ないため、Si、NおよびOを含む粒界相のないところが基点となって粒界エッチングが発生し、耐食性向上の効果が小さい。また、0.5モル%を越えると粒界相を構成する結晶が比較的大きな粒子となり、アルミナより先に蒸発して、耐食性が低下する。
【0021】
また、Nは全量中0.01〜1モル%含有していることが必要であり、特に0.02〜0.2モル%が好ましい。0.01モル%未満では、粒界に存在する量が少ないため、Si、NおよびOを含む粒界相のないところが基点となって粒界エッチングが発生し、耐食性向上の効果が小さい。また、1モル%を越えると粒界相を構成する結晶が比較的大きな粒子となり、アルミナより先に蒸発して、耐食性が低下する。
【0022】
粒界相を構成するサイアロン(以下単に化合物と言うことがある)は、粒界相としてSi−Al−O−N結合を形成し、この強固な結合によってアルミナ結晶界面を結合させ、アルミナ結晶の持っている軸方向の熱膨張率の異方性から発生する残留応力を減少せしめ、粒界の選択的なエッチングで生じるパーティクルの発生を大幅に減少させることができ、かつ粒界相の耐食性が向上できる。なお、サイアロンは、Si 6−z Al z O z N 8−z (0<z≦4)で表されるβ−サイアロンが好ましい。
【0023】
また、主結晶相の粒界に窒化珪素や酸化珪素が含まれていても差し支えない。特に、窒化珪素が微細な結晶粒子として析出するとアルミナの粒成長を抑制し、その結果焼結体の強度が高くなり、機械的負荷の加わるような部材に好適な耐食部材が実現できる。
【0025】
また、本発明のアルミナ質耐食部材における不純物とは、Al、Si以外の金属元素であり、これらはアルミナに固溶せずに粒界に存在する。そのため、Al、Si以外の金属が0.1モル%を越えるとSi−O−N結合やSi−Al−O−N結合を切り、アルミナ結晶界面の結合を低下させてしまい、粒界がエッチングされやすくなる。したがって、Al、Si以外の金属はそれぞれが全量中0.1モル%以下であることが必要であり、特に0.05モル%以下、さらには0.01モル%以下が好ましい。また、Al、Si以外の金属元素のうち、含有量の多い順に6元素の含有量の合計が全量中0.3モル%以下、特に0.1モル%以下、さらには0.05モル%以下であることが好ましい。
【0026】
さらに、本発明のアルミナ質耐食部材のアルミナに対する相対密度は、99%以上、望ましくは99.5%以上が好ましい。99%に達しないと、真空チャンバーとして使用した場合、ガスリークが発生すると同時に気孔付近の大幅な耐食性の低下を招いてしまう恐れがあるためである。
【0027】
本発明によるアルミナ質耐食性部材の製造には、純度99%以上、好適には99.9%以上、平均粒径が1μm以下、好適には0.5μm以下のアルミナ粉末を用いる。このアルミナ粉末にサイアロンを添加すれば良い。ここで、サイアロンをアルミナの粒界に均一に存在させるためには、添加粉末の粒径を1μm、特に0.5μmにすることが好ましい。
【0029】
次に、アルミナ粉末とサイアロン粉末との混合粉末にバインダーを添加し、回転ミルなどの方法で十分混合する。
【0030】
このように得られたスラリーを造粒・乾燥し、所望の成形手段、例えば、金型プレス、冷間静水圧プレス、射出成形、押し出し成形、鋳込み成形等により、所定の部材形状に成形する。
【0031】
このようにして得られた成形体を不活性ガス雰囲気、特に窒素雰囲気中で焼成して緻密化させる。焼成方法としては、雰囲気焼成、ホットプレス焼成、マイクロ波焼成などが上げられる。特に緻密化を促進させるために、熱間静水圧プレス(HIP)を用いても良い。
【0032】
このように製造された本発明のアルミナ質耐食性部材は、プラズマ装置における種々の部品に活用できる。例えば図1に示すエッチング装置1は、チャンバー壁2内に設けられたシャワーヘッド3からハロゲン系腐食ガスなどのガスが導入され、高周波コイル4に高周波が印加されるとウエハ5の上方にプラズマが形成される。そして、電極を兼ねる固定治具6にバイアス電圧が加わるとプラズマ中のイオンがウエハ5に移動し、ウエハ5をエッチング処理する。この時、プラズマによるエッチング範囲を制御するためにフォーカスリング7が用いられる。
【0033】
これらの部品の中で、プラズマ、イオン衝撃に曝される部材であるチャンバー壁2、シャワーヘッド3、固定治具6およびフォーカスリング7などに本発明のアルミナ質耐食部材を使用することができる。この他にもクランプリング、シールドリング、防着板などに使用することもできる。
【0034】
なお、図1以外のエッチング装置、例えば平行平板型RIE装置、マイクロ波を利用したECR装置等の部品にも使用できる。また、マイクロ波によりプラズマを発生させる装置においては、マイクロ波窓等の部品にも使用される。
【0035】
この様な装置に利用されるハロゲン系腐食ガスとしては、SF6、CF4、CHF3、ClF3、NF3、C4F8、HF等のフッ素系ガス、Cl2、HCl、BCl3、CCl4等の塩素系ガス、あるいはBr2、HBr、BBr3等の臭素系ガスなどが有る。
【0036】
また、エッチング効果をより高めるためには、ハロゲン系腐食ガスとともに、Ar等の不活性ガスを導入してプラズマを発生させることもある。特に高密度プラズマの利用により、エッチングに対するイオン衝撃の比率を増大させ、高速エッチングを実現できる。
【0037】
さらに、レジスト等有機物の除去に酸素ガスを導入することにより有機物を燃焼させるアッシングが行われている。そして、これらのハロゲン系腐食ガスや酸素等が使用される雰囲気下でマイクロ波や高周波が導入されるとこれらのガスがプラズマ化されることになる。このような装置においても本発明のアルミナ質耐食部材を使用することができる。
【0038】
次に、プラズマ装置について、図1のエッチング装置の概略配置図に基づき説明する。図1のプラズマ装置として用いられているエッチング装置1は、チャンバー壁2を構成要素とする真空容器と、シャワーヘッド3とそれに接続された配管などからなるガス導入装置と、高周波コイル4とそれに電気的に接続された高周波発信機を含むプラズマ発生装置と、ウエハ5を固定すると共に電極を兼ねる固定治具6と、プラズマによるエッチング範囲を制御するフォーカスリング7から構成されている。
【0039】
これらの中で、チャンバー壁2、シャワーヘッド3、固定治具6およびフォーカスリング7などが、ウエハの上方に形成されるプラズマと接しており、上述のように本発明のアルミナ質耐食部材を使用することができる。
【0040】
なお、プラズマに接する部材とは、プラズマ中のイオンや活性種の影響を受け、腐食が進行する部材をいい、特にプラズマ内部に配置された部材、プラズマを閉じこめる容器、あるいはプラズマとの間に遮断する物体の存在しないような部材などである。
【0041】
また、真空容器とは、大気から分離され、容器内部を1気圧未満の減圧状態を可能とするものであり、特に、真空度は残留ガスの影響を考慮し、100Pa以下、さらには1Pa以下の真空度が好ましい。そのためには、真空排気を行うための真空ポンプを用いて真空状態を達成するとともに、ガスの導入に対しては容器内の圧力を一定に保つことができるものが好ましい。
【0042】
さらに、ガス導入装置とは、少なくとも所望のガスを真空容器内に導入するための設備であり、一般には、ガスボンベなどのガス供給設備から所定の流量のガスを真空容器内に導入する設備であり、ガス流量は、通常マスフローコントローラなどにより調整されている。
【0043】
さらに、プラズマ発生装置とは、プラズマを発生するために必要な電場を形成するための設備で、特に1MHz〜10GHz、特に0.4〜5GHz、さらには0.7〜2.6GHzの高周波の発生装置と、発生した高周波を電極または装置に導く配線または導波管である。
【0044】
さらにまた、被処理物の固定治具6とは、ウエハ5などの被処理物に対してエッチングや成膜などの処理を行うために、ウエハ5を一定の位置に固定するものであり、サセプタや静電チャックなどを用いることができる。また、真空容器内の真空度が低い場合には、真空チャックを用いても差し支えない。なお、図1に示した例のように、固定治具6が電極を兼ねても良く、またヒータを兼ねたり、冷却する機能を有していても差し支えない。
【0045】
このように構成されたプラズマ装置は、本発明のアルミナ質耐食部材を用いており、過酷な環境に曝された部材の寿命を長くし、部品交換までの時間を長くすることによって、交換時の装置停止回数を減らしてスループットを高めるとともに、部材にかかる費用を節約でき、その結果低コストに大きく貢献できる。また、プラズマ中への不純物混入を低下できるため、安定した処理が可能となる。
【0046】
【実施例】
純度99.999%、平均粒径0.3μmのアルミナ粉末:原料A、純度99.99%、平均粒径0.2μmのアルミナ粉末:原料B、純度99.8%、平均粒径0.4μmのアルミナ粉末:原料C、および99.999%アルミナ粉末に有機珪素化合物(ポリシラザン)を被覆した粉末:原料Dを用いた。
【0047】
原料A乃至Cのアルミナ粉末に金属不純物が0.1モル%以下、平均粒径が0.4μmの窒化珪素粉末、平均粒径0.5μmまで粉砕した酸窒化珪素、Si6-zAlzOzN8-z(Z=1〜3)のβ−サイアロン(SiAlON)粉末を表1に示すように添加し、回転ミルで40時間混合した。
【0048】
これらの混合原料にバインダーを添加し、成形・脱脂後、窒素中1300〜1600℃にて3時間焼成し、相対密度99%以上の焼結体を得た。一部の焼結体については、更に、2000気圧、1450℃、2時間の条件でHIP処理を施し、相対密度100%の緻密体を作製した。
【0049】
得られた焼結体は、残留応力の除去状態、界面の結合状態を確認するために、部材からJISR1601に基づく試験片を切り出し、加工し、四点曲げによる強度を測定するとともに、破面観察により、破壊形態を確認した。この破壊が粒内破壊であれば粒界相がアルミナ界面を強固に結合させており、粒界破壊であれば粒界相がアルミナ界面を強固に結合させていないことがわかる。従って、表1における結合の評価は、粒内破壊の場合を○、粒界破壊の場合を×で示した。
【0050】
また、金属不純物量は、存在量の多いNa、Ca、Mg、K、Fe、Cuについてそれぞれの含有量をICP発光分光分析で測定し、これらの含有量の合計を金属不純物量として算出した。
【0051】
一方、耐食性は、部材から20mm角で厚みが1mmの試験片を切り出し、加工し、表面を鏡面加工し、フッ素系はCF4+CHF3+Ar、塩素系はBCl3ガスを用いて、反応性イオンエッチング装置にてガス流量100sccm、圧力5Pa、RF出力0.8W/cm2、エッチング時間を3時間の条件でプラズマエッチング試験で調べ、エッチング率をテスト前後の重量変化から算出した。
【0052】
パーティクルの有無は、直径6インチ、厚さ2mmの円板を作製し、片面を鏡面加工しプラズマエッチング処理をした後、エッチング面に6インチのSiバージンウエハを接触させ、Siウエハの接触面の凹凸をレーザー散乱によって検出し、パーティクルカウンターにてウエハ全体にわたって0.3μm以上のパーティクル個数をカウントした。得られた結果を表1に示す。なお、試料No.2、3、16、17は参考試料を示す。
【0053】
【表1】
【0054】
本発明の試料No.4〜6、8〜13、20、21は、相対密度が99.5%以上、エッチング率35nm/min以下、パーティクル数20個以下であり、破壊状態はいずれも粒内破壊と粒界相の結合が強いものであった。
【0055】
一方、Si、NおよびOからなる化合物を含まない試料No.1は、エッチング率が45nm/minと大きく、またパーティクル数が26個と多く、結合も弱かった。
【0056】
また、Si、NおよびOからなる化合物量が0.005モル%と少なく、本発明の範囲外の試料No.7と、0.5モル%を越える本発明の範囲外の試料No.14および15は、エッチング率が40nm/min以上と大きく、またパーティクル数が25個以上と多かった。
【0057】
さらに、AlおよびSi以外の金属が0.1モル%を越え、本発明の範囲外の試料No.18および19は、エッチング率が50nm/min以上と大きく、パーティクル数が20個以上と多く、また結合も弱かった。
【0058】
【発明の効果】
本発明のアルミナ質耐食性部材は、サイアロンがアルミナ粒界に存在し、かつ珪素の含有量が全量中0.01〜0.5モル%、窒素の含有量が全量中0.01〜1モル%、アルミニウムおよび珪素以外の金属元素の含有量が0.1モル%以下であることで、ハロゲン系腐食ガスやイオン衝撃に対する耐食性を高めるとともに、プラズマと接触する部材から発生するパーティクルを大幅に減少させ、長寿命を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエッチング装置の概略断面図である。
【符号の説明】
1・・・エッチング装置
2・・・チャンバー壁
3・・・シャワーヘッド
4・・・高周波コイル
5・・・ウエハ
6・・・固定治具
7・・・フォーカスリング
Claims (3)
- アルミナを主結晶相とし、その粒界相としてサイアロンを含み、かつ珪素の含有量が全量中0.01〜0.5モル%、窒素の含有量が全量中0.01〜1モル%、アルミニウムおよび珪素以外の金属元素の含有量が0.1モル%以下であることを特徴とするアルミナ質耐食部材。
- 99%以上の相対密度を有することを特徴とする請求項1記載のアルミナ質耐食部材。
- 少なくとも真空容器と、ガスの導入装置と、プラズマ発生装置と、被処理物を保持する固定治具とを具備するプラズマ装置であって、該プラズマ装置の真空容器内のプラズマに接する部材として、請求項1または2記載のアルミナ質耐食部材を用いたことを特徴とするプラズマ装置。
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