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JP4623696B2 - 並列ケーブルの制振装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、斜張橋ケーブル、吊り橋ケーブル、ポール、支柱、街灯、道路灯、信号機、避雷針、煙突、その他の構造物における並列ケーブルの制振装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下、斜張橋に用いる斜張橋ケーブルを被制振部材とする並列ケーブルの制振装置を例に従来技術を説明する。図8(a)は斜張橋の概略を示したものであって、同図で1は橋桁、2は支塔、3は斜張橋ケーブル、4はケーブル制振装置である。ケーブル制振装置4は、風や走行車両などの影響による斜張橋ケーブル3の振動を減衰させ、斜張橋ケーブル3に掛かる負荷を緩和して、斜張橋ケーブル3の破損を防止するものである。
【0003】
このケーブル制振装置4は、図8(b)(c)に示すように、橋桁1に取り付けたケーブル定着部11の近傍において、粘弾性体の一種である減衰性を有するゴムからなるゴムダンパー12を斜張橋ケーブル3の周囲に複数個等配状態で配設し、ゴムダンパー12の一端をケーブル定着部11側に取り付け、他端を斜張橋ケーブル3側に固定したもので、雨水や紫外線を遮蔽するためカバー13で覆ってある。ゴムダンパー12の取り付けは、図8(d)に示すように、ゴムダンパー12の一端に接着した鋼板製の取付板14を、ケーブル定着部11の上端の固定リング15に固着したフランジ16に取り付け、ゴムダンパー12の他端に接着した鋼板製の取付板17を斜張橋ケーブル3にクランプリング18で固定したホルダ19に取り付けている。
【0004】
このケーブル制振装置4によれば、風などの影響により振動する斜張橋ケーブル3の振動エネルギーを受けてゴムダンパー12がせん断方向に弾性変形し、そのせん断方向の反力で振動を減衰させて斜張橋ケーブル3の振動を抑制する仕組みになっている。
【0005】
上記の制振装置は、振動のエネルギーを受けてせん断方向に変形するゴムダンパー12のせん断方向の反力により振動を減衰させるものである。一般に同一材料で作られた同一断面積のゴム体の場合、引張方向の弾性係数である縦弾性係数E(σ/ε)と、せん断方向の弾性係数である横弾性係数G(τ/γ)との比(E:G)は、約3:1の関係にある。このことから、一般のゴム体は、同じ値の応力を引張(圧縮)方向に与えた場合とせん断方向に与えた場合とでは、せん断方向に応力を与えた場合の方がより大きく変形する性質がある。換言すれば、一般のゴム体は引張(圧縮)方向によりもせん断方向の方が軟らかい性質がある。
【0006】
このため、上記の制振装置4のように、斜張橋ケーブル3の半径方向の変位に対してゴムダンパー12がせん断方向に弾性変形するようにゴムダンパー12を配設している。
【0007】
しかし、ゴムダンパー12のせん断歪と、せん断歪を受けたときの反力との関係は、図9に示すように、ゴムダンパー12が破断するまでほぼ線形関係にあるので、例えば、設計時に想定した力よりも異常に大きな力が斜張橋ケーブル3に掛かった場合に、せん断歪に伴う反力を十分に発揮し得ないまま、ゴムダンパー12が弾性変形域を越えて破損してしまう可能性がある。
【0008】
並列ケーブルの振動を防止するためには、隣接するケーブル間にステンレスワイヤや紐または鋼製の棒で連結し、ケーブル剛性および減衰を高めるとともに、ケーブル同士を連結したことによる質量効果に期待していた。その他の方法として、ケーブル同士を連結する連結部材に減衰性を有するゴム材料からなる制振部材を介して振動を抑制していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前者のケーブル同士を連結させる方法においては、接続した点が節となり、異なるモードの振動が発生する。また、この方法は、複数のケーブルにおける振動変位の位相遅れを利用するものであり、同位相で振動した場合には制振効果は得られない。さらに、ケーブルの面外振動には対応できず、事前に減衰効果を推定することが難しいなどの欠点がある。
【0010】
一方、後者の制振構造としては、特開平8−41821号公報に開示されたように、各ケーブルと連結部材とを高減衰ゴム製の吸振手段を介して連結したものや、特開平10−159017号公報および特開2000−130568号公報に開示されたように連結部材の一部を高減衰ゴム製の制振部材を用いて構成したものがある。
【0011】
図10は、上記の特開平8−41821号公報に開示された制振装置20の軸線に垂直な横断面図で、並列ケーブル3,3を鋼製の2割型の連結部材21で連結し、並列ケーブル3,3と連結部材21との間に、高減衰ゴム製の吸振手段22を介在させたものである。
【0012】
図11は、上記の特開平10−159017号公報に開示された制振装置23で、並列ケーブル3,3をそれぞれ把持する鋼製の2割型の把持部材24,24間を、中央に穴25aを有する高減衰ゴム製の制振部材25を介在して結合したものである。
【0013】
図12は、上記の特開2000−130568号公報に開示された制振装置26で、並列ケーブル3,3をそれぞれ把持する鋼製の2割型の把持部材27,27間を、高減衰ゴム製の制振部材28を介在して結合したものである。
【0014】
上記の図10、図11、図12に示すケーブル同士を高減衰ゴム製の吸振手段22または制振部材25,28を介して連結する制振装置20,23,26は、引張変位に対して抑制能力が弱く、ウェークフラッターやウェークギャロッピングなどの空力不安定現象によりケーブル3,3が大きな振幅で振動し、連結したケーブルの位相距離が大きくなり、高減衰ゴム材料で作られた吸振部材または制振部材の許容引張変位を超えた場合には破断に至るという問題点があった。
【0015】
そこで、本発明は、制振性が高く、空力不安定現象により大きな振幅の振動が生じるような状況でも安定した性能を発揮する並列ケーブルの制振装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の並列ケーブルの制振装置は、並列ケーブルの各ケーブルの外周に配設した振動減衰機能を有する高分子弾性材を含む制振部材と、前記制振部材を支持するダンパーハウジングとを少なくとも備えた並列ケーブルの制振装置において、前記制振部材の形状が応力を受けたときに弾性的に変形するように構成されており、かつ、前記制振部材が前記各ケーブルと該ケーブルの各ダンパーハウジングとの間に介在し、前記各ダンパーハウジングの外周面に拘束リングを装着し、前記各拘束リングを連結部材で連結したことを特徴とする。
【0017】
上記の並列ケーブルの制振装置によれば、制振部材の形状が応力を受けたときに弾性的に圧縮変形、引張変形ないしせん断変形するように構成されていることによって、比較的小さいスペースで高い制振効果が得られ、また、前記制振部材が前記各ケーブルと該ケーブルの各ダンパーハウジングとの間に介在し、前記各ダンパーハウジングの外周面に拘束リングを装着し、前記各拘束リングを連結部材で連結することによって、ウェークギャロッピング現象などで生じるケーブル間の相対的な変位がケーブル外周に配置された制振部材によって相乗的に減衰され、さらに、連結部材の変形を小さくして、効果的に制振部材に荷重を負荷することができ、制振部材により並行ケーブルの振動を効果的に抑制することができる。
【0020】
請求項に記載の並列ケーブルの制振装置は、前記制振部材を、前記ケーブルとダンパーハウジングとの間に介在する複数個の制振部材で構成するとともに、前記制振部材の形状を、当該制振部材に作用する引張応力およびせん断応力によって変形し、その際に生じる履歴減衰により制振エネルギーを吸収するように構成したことを特徴とするものである。
【0021】
上記の並列ケーブルの制振装置によれば、制振部材の変形によって制振エネルギーを吸収することにより、並列ケーブルの振動を効果的に抑制することができる。
【0022】
請求項に記載の並列ケーブルの制振装置は、さらにケーブルフランジを備え、前記制振部材が、ケーブルフランジおよびダンパーハウジングと接する部分で固定接続・接着されていることを特徴とするものである。
【0023】
上記の並列ケーブルの制振装置によれば、ケーブルフランジおよびダンパーハウジングによって、制振部材を確実に保持することができ、ケーブルの振動を効果的に抑制することができる。
【0024】
請求項に記載の並列ケーブルの制振装置は、前記制振部材が高減衰ゴムで構成され、その高減衰ゴムの内部損失(tanδ)が0.2以上、かつ、0.7以下であることを特徴とするものである。
【0025】
上記の並列ケーブルの制振装置によれば、高減衰ゴムによって、高い振動抑制効果が得られる。ここで、高減衰ゴムの内部損失(tanδ)が0.2未満では振動抑制効果がなく、また、0.7を超えると反力が高すぎる。したがって、高減衰ゴムの内部損失(tanδ)は0.2以上、かつ、0.7以下に設定される。
【0026】
請求項に記載の並列ケーブルの制振装置は、前記制振部材が、前記連結部材で連結された連結方向軸線に直列の位置に配置されていることを特徴とするものである。
【0027】
上記の並列ケーブルの制振装置によれば、連結された連結方向軸線に直列の位置に配置されている制振部材により、並列ケーブルの間に作用する引張力または反発力を効果的に吸収して、振動を抑制することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、斜張橋ケーブルを被制振部材とする本発明の一実施形態に係る制振装置30を図面に基づいて説明する。
【0029】
図1は、被制振部材としての並列ケーブルである斜張橋ケーブル3,3に取り付けられた制振装置30の軸線方向の縦断面図であり、図2(a)は、図1における軸線方向に垂直なA−A線に沿った横断面図である。図1および図2(a)において、31,31は斜張橋ケーブル3,3に固定されたケーブルフランジ、32,32は制振部材としてのゴムダンパー、33,33は内周面33a,33aがケーブルフランジ31,31の外周面31a,31aに対向するように配設した円筒形状のダンパーハウジング、34,34はダンパーハウジング33,33の変形を防ぐためにゴムダンパー32,32の取り付け位置に対してダンパーハウジング33,33の外周面に装着した拘束リングである。
【0030】
前記拘束リング34,34は、連結部材35によって連結されている。この連結部材35は、例えば、鋼材などからなる構造対数減衰率が0.01以下の部材よりなる丸棒材によって構成される。
【0031】
前記ゴムダンパー32は、(例えば、損失係数tanδが0.30よりも大きな)高減衰性を有する高分子弾性材からなるゴム製の制振部材であって、図3(a)に示すように、斜張橋ケーブル3の軸線方向に沿った断面形状がV字形を有し、その頂部32aから内径方向に向けて上下に斜めに延在するV字形の一対の斜辺部32b,32bを有し、ケーブルフランジ31の周囲に一体に連続してなるリング状の部材である。そして、V字形の斜辺部32b,32bの内周面に鋼板32c,32cを接着してケーブルフランジ31の外周面31aに取り付け、かつ、V字形の頂部32aの外周面に鋼板32dを接着してダンパーハウジング33の内周面33aに取り付けてある。このゴムダンパー32はV字形の頂部32aが斜張橋ケーブル3の振動エネルギーを受けて、V字形の斜辺部32b,32bがダンパーハウジング33からの反力を受ける。
【0032】
詳しくは、ゴムダンパー32の断面形状は、図3(a)に示すように、リング部材の外周面において頂部32aを有し、内径方向にV字形の一対の斜辺部32b,32bは、互いに外側に少し膨らんだ形で「く字形」に屈折した部分kを形成してある。この「く字形」の屈折した部分は、半径方向に圧縮させる外力がゴムダンパー32に作用した場合に、一対の斜辺部32b,32bが上下外方へ変形して相互間距離を増大するような変形を促す部分である。
【0033】
なお、頂部32aの幅Wと、V字形の斜辺部32b,32bの端部間の距離Dとの関係は、例えば、0.75W≦D≦1.5Wとなっていることが望ましい。0.75W≦D≦1.5Wの関係にある場合、斜張橋ケーブル3の振動エネルギーを受けた初期の段階での、V字形の斜辺部32b,32bの屈曲を抑止することができ、斜辺部32b,32bの弾性変形段階でのより大きな振動エネルギーの吸収が可能となる。
【0034】
これにより、このゴムダンパー32は、図3(b)に示すように、斜張橋ケーブル3が半径方向に振動して圧縮される場合、斜張橋ケーブル3の振動エネルギーとダンパーハウジング33の反力を受けて、V字形の斜辺部32b,32bからなる上下の面が弾性変形して外側に膨らむようになる。このゴムダンパー32は、図3(c)に示すように、V字形の斜面部32b,32bに囲まれた空間32eがほとんど無くなる程度まで、斜辺部32b,32bの弾性変形が進むから、斜張橋ケーブル3の半径方向において約50%の圧縮歪に相当する圧縮変形にも十分に耐えることができ、斜張橋ケーブル3のより大きな変位を吸収することができる。
【0035】
また、このゴムダンパー32においては、斜張橋ケーブル3の半径方向の圧縮歪(自然状態での半径方向の長さに対する圧縮変形量の割合)とその反力sとの関係は、図4に示すように、0〜30%の圧縮歪における変形初期において、図中の破線tで示す吸収エネルギーに比べてより大きな反力sを発揮することができる。
【0036】
すなわち、このゴムダンパー32は、斜張橋ケーブル3の振動によって0〜20%程度圧縮歪が生じるが、ゴムの減衰能力内で十分に斜張橋ケーブル3の振動エネルギーを吸収することができる。また、斜張橋ケーブル3の振動の吸収エネルギーtが小さな段階で、より大きな反発力を発揮することことができるので、より大きな制振作用を発揮することができる。
【0037】
次に、約30%〜50%までの圧縮歪では、図4に示すように反力sは略一定である。これは、図3(c)に示すようにV字形の一対の斜辺部32b,32bが互いに外側に膨らむ変形が約30%の圧縮歪を超えると一定の応力で変形が進むことを示している。さらに変形が進んで約50%の圧縮歪を超えると、図3(c)の空間32eがなくなり、ゴムダンパー32がケーブルフランジ31とダンパーハウジング33との間に挟み込まれた状態となってこれ以上変形できなくなる。このため反力sが急激に上昇する。この状態では斜張橋ケーブル3は通常の振動状態にあらず、異常に変位しており、ゴムダンパー32は振動抑制という作用よりもむしろ、斜張橋ケーブル3の変位を拘束するストッパーとして作用している。
【0038】
すなわち、この制振装置30は、ゴムダンパー32が通常の斜張橋ケーブル3の振動を変形初期におけるその減衰域内で吸収して十分な耐久性と優れた制振機能を発揮することができるとともに、斜張橋ケーブル3に異常に大きな変位が生じた場合でも、半径方向の圧縮変形に対する許容量が大きく、50%程度の圧縮歪を許容することができるから構造的に破損する可能性が低く、かつ、斜張橋ケーブル3の異常な変位に対してはより大きな反力を発揮して斜張橋ケーブル3を拘束するように作用することができる。
【0039】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、上記の実施形態に限定されるものではない。特に、被制振部材は、斜張橋ケーブルに限定されず、吊り橋ケーブル、支柱、街灯、道路灯、信号機、避雷針、煙突、その他の振動を伴う構造物における並列ケーブルの制振装置として広く適用することができる。
【0040】
上記実施形態では、ゴムダンパー32は、ケーブルフランジ31の外周面31aとダンパーハウジング33の内周面33aの両方に接着してあるが、ゴムダンパー32の内周面の鋼板32c,32cをケーブルフランジ31の外周面31aに接着せず、ゴムダンパー32の外周面をダンパーハウジング33の内周面33aに接着して配設するようにしてもよい。この場合、ゴムダンパー32には、斜張橋ケーブル3が振れ動いた側で圧縮され、その反発力で斜張橋ケーブル3の振動を抑制するようになる。同様に、ゴムダンパー32の外周面の鋼板32dをダンパーハウジング33の内周面33aに接着せず、ゴムダンパー32の内周面をケーブルフランジ31の外周面に接着してゴムダンパー32を配設するようにしてもよい。
【0041】
また、上記実施形態では、断面形状がV字形のゴムダンパー32は頂部32aを外周側にし、斜辺部32b,32bの端部を内周側にした構成を有しているが、頂部32aを内周側にしてケーブルフランジ31側に対向させ、斜辺部32b,32bの端部を外周側にしてダンパーハウジング33側に対向させた構成としてもよい。
【0042】
上記の実施形態では、ゴムダンパー32を斜張橋ケーブル3の周囲において、図2(a)に示すように、周方向に一体に連続したリング状の部材としているが、ゴムダンパー32を周方向に分断して間欠的に設けたものでもよい。この場合、ゴムダンパー32を斜張橋ケーブルケーブル3の周方向に各複数個ずつ設置することができ、ゴムダンパー32の設置が容易になる。なお、このように、ゴムダンパー32を複数個に分割して設置する場合、少なくとも一対のゴムダンパー32が連結部材の連結方向の軸線に直列の方向に配置する。そのようにした場合、その連結部材の連結方向の軸線に直列の方向に配置されたゴムダンパー32によって、ケーブル3,3間に作用する引張力または反発力に対して、ケーブル3,3の振動を効果的に抑制することができる。さらに、このように、ゴムダンパー32を分割して配置する場合、図2(b)に示すように、ダンパーハウジング33’を多角形状として、ゴムダンパー32’および鋼板32c’と鋼板32d’を製造し易い平板的な形状にして製造コストの低減を図ってもよい。
【0043】
また、制振部材であるゴムダンパーの断面形状は、上記に限定されない。例えば、図5に示すゴムダンパー41は、より大きな圧縮変形を可能とするべく、頂部41aの幅Wを広く形成し、その上下の端部から一対の斜辺部41b,41bを半径方向に延在させたπ字形の断面形状を備えるものである。
【0044】
また、図6に示す制振部材であるゴムダンパー43は、周方向に中空穴43cを備えた断面形状がD字形であって、例えば、D字形の直線部43aをケーブルフランジ31の外周面31aに接着し、円弧部43bをダンパーハウジング33の内周面33aに対向させたものである。この場合、ゴムダンパー43に半径方向に圧縮する力が掛かると、中空穴43cにより円弧部43bが上下に広がる方向に弾性変形し、この弾性変形がある程度進んでからゴムダンパー43の圧縮変形に移行するので、大きな変位を吸収でき、かつ、耐久性を発揮することができる。
【0045】
また、図7に示す制振部材であるゴムダンパー45は、ケーブルフランジ31側の部分45aと、ダンパーハウジング33側の部分45bとの上下両側間を、互いに離れあうように形成した一対の円弧形状の制振部分45c,45dで連結して、両制振部分45c,45d間にラグビーボール状の周方向の穴部45eを形成したもので、ゴムダンパー45に作用する圧縮応力によって、上下両側の制振部分45c,45dが上下方向に広がって弾性変形し、この弾性変形がある程度進んでからゴムダンパー45の圧縮変形に移行するので、大きな変位を吸収でき、かつ、耐久性を発揮することができる。
【0046】
【発明の効果】
本発明の制振装置は、並列ケーブルの各ケーブルの外周に配設した振動減衰機能を有する高分子弾性材を含む制振部材と、前記制振部材を支持するダンパーハウジングとを少なくとも備えた並列ケーブルの制振装置において、前記制振部材の形状が応力を受けたときに弾性的に変形するように構成されており、かつ、前記制振部材が前記各ケーブルと該ケーブルの各ダンパーハウジングとの間に介在し、前記各ダンパーハウジングの外周面に拘束リングを装着し、前記各拘束リングを連結部材で連結したものであるから、制振部材が弾性変形してから圧縮変形に移行するので、制振部分の弾性変形域においてケーブルのより大きな変位を許容でき、より高い制振機能と、より高い耐久性を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る制振装置の軸線に沿った縦断面図である。
【図2】(a)は図1の制振装置における軸線に垂直なA−A線に沿っ横断面図、
(b)は他の実施形態における制振装置におけ軸線に垂直A−A線に沿った横断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る制振装置の制振部材の制振状態を示す拡大部分縦断面図で、
(a)は制振部材が圧縮されていない状態を示す拡大部分縦断面図、
(b)は制振部材が途中まで圧縮された状態を示す拡大部分縦断面図、
(c)は制振部材が略完全に圧縮された状態を示す拡大部分縦断面図である。
【図4】 本発明の一実施形態に係る制振部材の圧縮歪と反力の関係を示す図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係る制振部材の断面形状を示す拡大部分縦断面図である。
【図6】本発明の別の実施形態に係る制振部材の断面形状を示す拡大部分縦断面図である。
【図7】本発明のさらに別の実施形態に係る制振部材の断面形状を示す拡大部分縦断面図である。
【図8】(a)は一般的な斜張橋の概略図、
(b)は従来の斜張橋ケーブルの制振装置の部分側断面図、
(c)は(b)のケーブル制振装置の軸線に垂直な拡大横断面図、
(d)は(b)の制振部材を示す部分拡大図である。
【図9】せん断歪と反力との関係を示す図である。
【図10】従来の並列ケーブルにおける制振装置の横断面図である。
【図11】従来の他の並列ケーブルにおける制振装置の斜視図である。
【図12】従来のさらに他の並列ケーブルにおける制振装置の斜視図である。
【符号の説明】
3 斜張橋ケーブル
30 制振装置
31,31’ ケーブルフランジ
32,32’,41,43,45 制振部材(ゴムダンパー)
32a,41a 頂部
32b,42b 斜辺部
32c,32c’,32d,32d’ 鋼板
33,33’ ダンパーハウジング
34,34’ 拘束リング
35 連結部材

Claims (5)

  1. 並列ケーブルの各ケーブルの外周に配設した振動減衰機能を有する高分子弾性材を含む制振部材と、前記制振部材を支持するダンパーハウジングとを少なくとも備えた並列ケーブルの制振装置において、
    前記制振部材の形状が応力を受けたときに弾性的に変形するように構成されており、かつ、前記制振部材が前記各ケーブルと該ケーブルの各ダンパーハウジングとの間に介在し、前記各ダンパーハウジングの外周面に拘束リングを装着し、前記各拘束リングを連結部材で連結したことを特徴とする並列ケーブルの制振装置。
  2. 前記制振部材を、前記ケーブルとダンパーハウジングとの間に介在する複数個の制振部材で構成するとともに、前記制振部材の形状を、当該制振部材に作用する圧縮応力、引張応力およびせん断応力によって変形し、その際に生じる履歴減衰により制振エネルギーを吸収するように構成したことを特徴とする請求項に記載の並列ケーブルの制振装置。
  3. さらにケーブルフランジを備え、前記制振部材が、ケーブルフランジおよびダンパーハウジングと接する部分で固定接続・接着されていることを特徴とする請求項1または2に記載の並列ケーブルの制振装置。
  4. 前記制振部材が高減衰ゴムで構成され、その高減衰ゴムの内部損失(tanδ)が0.2以上、かつ、0.7以下であることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の並列ケーブルの制振装置。
  5. 前記制振部材は、前記連結部材で連結された連結方向軸線に直列の位置に配置されていることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の並列ケーブルの制振装置。
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