JP4620819B2 - 高カロリー高蛋白質流動食 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は新規流動食、より詳しくは全乳蛋白質、カゼインナトリウム、並びに蛋白質分解物及び/又はアミノ酸について特定組成を有する蛋白質を含有する高カロリー高蛋白質流動食に関し、これにより経口又は経管投与に適した無菌流動食の提供を可能にする。
【0002】
【従来の技術】
液状流動食、濃厚流動食等流動食について高カロリー化を図る場合、一般的に蛋白質の凝集・沈殿が問題となる。これまで、1.5kcal/ml以上の高カロリーに調整された流動食においては全乳蛋白質とカゼインの組み合わせでは、全乳蛋白質に対してカゼインナトリウムの比率が多過ぎると粘度が増加するので流動性が悪化する。また、全乳蛋白質の比率が多過ぎても蛋白質の凝集・沈殿が生じ保存性が悪くなることが知られている(特開平8−196236号公報参照。)。また、蛋白質として、全乳蛋白質に対して動植物性蛋白質分解物を配合したり、或いは全乳蛋白質とカゼインナトリウム又はカゼインカルシウムと動植物性蛋白質分解物を組み合わせて配合し良好な流動性を得る方法(特開平10−210951号公報参照。)が提案されている。
【0003】
しかしながら、このような従来技術においては、何れも総蛋白濃度として7.2g/100mlを採用して検討されているが、この濃度以上では検討がなされていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
高齢者の栄養的背景(低アルブミン血症等)や喫食量を考慮すると、高カロリーかつ高蛋白質であり、更に飲み易くするために十分な低粘度性を備え、加熱殺菌された液状流動食が必要と考えられている。ところが、前述の公知配合組成においては、7.2g/100ml以上の総蛋白質濃度で15cp以下(20℃)の粘度を実現するには不十分と考えられる。
【0005】
本発明の目的は、高カロリー、高蛋白質であるが低粘性で十分な流動性を確保して、飲み易く、かつ味、風味共に良好で、更に加熱滅菌等無菌処理可能な流動食を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、使用する蛋白質に全乳蛋白質と、カゼインナトリウムと、蛋白質分解物及び/又はアミノ酸とを少なくとも含み、かつその組成が全乳蛋白質:カゼインナトリウム:存在する蛋白質分解物及びアミノ酸の全量=1:(3.5〜5):(1〜5)の配合比率(重量)になるよう前記成分を配合することにより、味・風味にも優れ、高カロリー、高蛋白質で目的とする流動性(チューブ流動性等)を確保できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに到った。
【0007】
即ち、本発明は、蛋白質、脂質、炭水化物、ビタミン及びミネラルを含有する流動食であって、当該蛋白質が全乳蛋白質と、カゼインナトリウムと、蛋白質分解物及び/又はアミノ酸とを、全乳蛋白質:カゼインナトリウム:存在する蛋白質分解物及びアミノ酸の全量=1:(3.5〜5):(1〜5)の配合比率(重量)で含有することに特徴を有する流動食に存する。本発明の流動食により、好ましくは1.5kcal/ml以上のカロリーを含むことができる。
【0008】
蛋白質分解物には動物性蛋白質分解物、植物性蛋白質分解物が含まれる。流動食には蛋白質分解物とアミノ酸の両方を含むこともできるし、またどちらか一方のみ含むこともできる。この場合、上記配合比率の算定に関しては、存在する蛋白質分解物とアミノ酸の和(全量)を考慮すればよく、一方のみ存在する場合には当該一方のみ考慮して配合比率を算定すればよい。
【0009】
尚、「蛋白質分解物及び/又はアミノ酸」は、蛋白質を構成するアミノ酸及びペプチド(蛋白質の分解による。)並びに蛋白質の分解物等の少なくとも1種を含むもの、或いは組成物を意味し、また当該蛋白質は、動物性、植物性を問わない。また、前記ペプチドは蛋白質分解物に含まれる。
【0010】
前記全乳蛋白質と、カゼインナトリウムと、蛋白質分解物及び/又はアミノ酸との配合比率(重量)は、全乳蛋白質:カゼインナトリウム:存在する蛋白質分解物及びアミノ酸の全量=1:(3.5〜5):(1〜5)、好ましくは1:(3.5〜4.5):(2.5〜3.5)程度であり、好ましくは1.5kcal/ml以上のカロリーを有することができる。
【0011】
このようなカロリーを含むようにするために、前記本発明で組成を規定する蛋白質、脂質や炭水化物等の流動食の全体組成を選択、決定する中でそのような目的とするカロリーになるように調整することができる。
【0012】
全乳蛋白質は、全乳から得られる蛋白質であればよく、特に乳蛋白濃縮物を使用するのが好ましい。
【0013】
蛋白質分解物が動物性蛋白質分解物を含む場合、当該動物性蛋白質分解物としてはコラーゲン分解物、全乳蛋白質分解物、カゼイン分解物、乳清蛋白質分解物、鶏卵蛋白質分解物、肉蛋白質分解物、魚蛋白質分解物等が好ましく、その少なくとも1種を含有することができる。
【0014】
蛋白質分解物が植物性蛋白質分解物を含む場合、当該植物性蛋白質分解物としては、大豆蛋白質分解物、砂糖大根分解物等が好ましく、その少なくとも1種を含有することができる。
【0015】
アミノ酸としては、ロイシン、イソロイシン、バリン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン、ヒスチジン、アルギニン、アラニン、チロシン、グリシン、プロリン、グルタミン、グルタミン酸、セリン、アスパラギン、アスパラギン酸、シスチン等が好ましく、その少なくとも1種を含有することができる。また、アミノ酸を数種組み合わせて含有することもできる。
【0016】
流動食を製造するに際して、保存や、流通に適した容器内に収納した状態で製造することができ、この場合少なくとも滅菌されていることが望ましい。
【0017】
その場合、当該流動食を、加熱滅菌後に当該容器内に無菌的に充填し、又は当該容器内に充填した後加熱加圧殺菌することができる。
【0018】
流動食の形態としては、粉末状、液体状及び半固形状の何れかの形態にあることが望ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明において、「流動食」は、少なくとも蛋白質、脂質、炭水化物、ビタミン及びミネラルを含有し、ヒトその他動物が食するための水分を含む流動性に富んだ液体状の食品であり、この中には濃厚流動食や、高カロリーで良好なチューブ流動性、低浸透圧、耐加熱処理性を有する液状栄養食が含まれる。更に、このような液状栄養食を収納する栄養剤等液状栄養食及び無菌高カロリー流動食も含まれる(特開平8ー196236号公報、特開平10−210951号公報等参照。)。
【0020】
水分の含有量は通常使用時において60〜85重量%程度で経腸栄養チューブでの良好な流動性を有しており、温度25℃、落差60cmで流下速度100ml/時間以上の条件を満たすものが好ましい。
【0021】
本発明において、蛋白質の配合比率については各種蛋白質源に含有される実質的な蛋白質含有重量を基準とする。
【0022】
全乳蛋白質としては、全乳自体、全乳の濃縮物、全乳から調製された蛋白質を使用することができる。好ましくは、乳蛋白濃縮物が使用され、例えば脱脂乳、脱脂乳の濃縮物、乳蛋白濃縮物、脱脂乳から乳糖を除去した脱乳糖脱脂乳等を使用することができる。特に、乳蛋白濃縮物、例えば脱脂粉乳の限外濾過濃縮物が好ましい。
【0023】
使用する蛋白質分解物については、常法により各蛋白質を酵素、酸等で加水分解して調製することができる。
【0024】
蛋白質の流動食中の総濃度については、7〜10g/100ml程度の範囲になるように配合すればよい。この範囲であれば、耐好加熱滅菌性、高カロリー性、流動性において優れた流動食を製造することができる。また、7〜10g/100mlの範囲でその効果が最も認められ易い。
【0025】
使用する脂質には、一般的に食用として利用されている脂質を使用することができる。その例としては、大豆油、コーン油、ヤシ油、サフラワー油、オリーブ油、エゴマ油等の植物性油脂、牛脂、ラード、魚油、乳脂肪等の動物性油脂、中鎖脂肪酸(MCT油)、高度不飽和脂肪酸(エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、γ−リノレン酸、リノール酸等)を挙げることができる。流動食中に含まれる脂質の濃度については、好ましくは1.5〜9g/100ml程度、より好ましくは3.5〜9g/100ml程度になるように配合することができる。この範囲であれば、耐加熱滅菌性、高カロリー性、流動性において優れた流動食を製造することができる。
【0026】
使用する炭水化物には、一般的に食用に使用される炭水化物を使用することができ、その例としては、澱粉、デキストリン、ショ糖、ブドウ糖、果糖、麦芽糖等、また食物繊維として難消化性デキストリンやグアガム加水分解物等を挙げることができる。この中では浸透圧や粘度調整の上からデキストリンがより好ましく使用される。DE値(Dextrose Equivalent)としては15〜30程度の範囲にあるものが好ましく、この範囲であれば流動性も確保でき、浸透圧についても十分低くすることができる。炭水化物の配合比率としては通常10〜35g/100ml程度であるが、デキストリンを使用する場合のデキストリン濃度としては、16〜35g/100ml程度が好ましく、この範囲であれば、耐加熱滅菌性、高カロリー性、流動性において優れた流動食を製造することができる。
【0027】
使用するビタミンとしては、ビタミンA、B1、B2、B6、B12、C、D、E、ナイアシン、パントテン酸、葉酸等を例示することができ、これら成分を複数、できる限り組み合せて使用するのが望ましい。
【0028】
使用するミネラルの成分としては、ナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、鉄等を挙げることができる。これらは塩の形態で使用することができる。更に、ビオチン、コリン、亜鉛、マンガン、銅、ヨウ素、モリブデン、クロム等を挙げることができ、これら複数成分をできる限り多く組み合せて使用するのが好ましい。
【0029】
本発明の流動食には、必要に応じて、乳化剤、リン酸塩、クエン酸塩等の塩類や、果汁、香料等を添加して使用することができる。このような乳化剤には、食用として使用可能な乳化剤を使用することができ、その中にはレシチン、リゾレシチン、有機酸モノグリセライド、デカグリセリン、デカグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、酒石酸モノグリセライド、ショ糖脂肪酸エステル、コンドロイチン硫酸ナトリウム等が含まれる。また、乳化剤は通常含まれる脂肪重量の1〜20%程度の範囲で使用するのが好ましい。
【0030】
本発明の流動食は、例えば上記蛋白質、炭水化物、ミネラル等に任意量の水を添加して混ぜ合わせ、この液状物に上記脂質を、乳化剤、ビタミン剤、ミネラル類と共に添加、混合(予備混合)したものを、ホモジナイザー等を用いて本乳化することにより製造することができる。
【0031】
本発明の流動食は、エネルギー値が、好ましくは1.5kcal/ml以上、より好ましくは1.5〜3kcal/ml程度、更に好ましくは1.5〜2kcal/ml程度である。また、浸透圧が700mOsm/kg以下で、粘度が30cp(20℃)以下でることが好ましい。特に、経口用流動食の場合には、浸透圧が900mOsm/kg以下であれば好ましく、粘度は20cp(20℃)以下のものが飲み易さの点で好ましい。
【0032】
本発明の形態としては、液体状の流動食は勿論、半固形状の形態のもの及び、水に溶解して液体の流動食状にして用いることができる粉末状の形態にある流動食等を挙げることができる。
【0033】
以上、本発明において流動食の組成を中心にして説明したが、本発明の流動食の製造に際しては特に困難は無く、上記に説明した組成範囲に基づいて、更に後記実施例や流動食の製造法として従来から知られている方法や今後新しく提供される方法を利用すれば、本発明で目的とする流動性ある食品を容易に製造することができる。
【0034】
この流動食には、容器等に充填された状態にあるものも含まれ、その場合流動食を予め加熱滅菌した後に無菌的に容器に充填する方法(例えば、UHT滅菌法とアセプティック充填法を併用する方法)、或いは流動食を容器に充填した後に、容器と一緒に加熱滅菌する方法(レトルト滅菌法)を採用することができる。
尚、UHT滅菌法では、間接加熱方式及び直接加熱方式のどちらでも使用することができる。
【0035】
使用する場合の容器としては、軟質合成樹脂、例えばポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂等で密閉された加熱殺菌可能な容器を挙げることができる。また、紙にアルミ箔、合成樹脂、例えばポリエチレン等がラミネートされた素材により形成されたものを使用することができ、この容器はアセプティック包装法に好適に使用することができる。
【0036】
加熱滅菌する場合常法による殺菌方法を採用することができ、例えばレトルト殺菌の場合110〜120℃、10〜30分程度の加熱処理が好適である。UHT滅菌法を採用する場合には間接加熱滅菌法及び直接加熱滅菌法のどちらでもよく、130〜150℃、2〜60秒程度の加熱処理が好適である。
【0037】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明する。尚、使用する%値は重量比率で表わされている。
【0038】
(実施例1)
流動食の配合組成は下記に示す通りである(カロリー:1.6kcal/ml)。
【0039】
【0040】
使用した蛋白質に関しては、実質蛋白質重量として8重量%となるように、全乳蛋白質:カゼインナトリウム:コラーゲンペプチド+アミノ酸ミックス=1:(3.5〜6.5):(1.0〜6.0)となる範囲で蛋白質配合の組み合わせを行った(下記表1参照。)。
【0041】
アミノ酸ミックスには、L−ロイシン、L−イソロイシ及びL−バリンを含み、その混合比率としてL−ロイシン:L−イソロイシン:L−バリン=2:1:1であるものを使用した。
コラーゲンペプチドとアミノ酸ミックスの比率については、2:1に固定した。
【0042】
ビタミンミックスには、ビタミンA、B1,B2、B6、B12、C、D3、E、葉酸、パントテン酸カルシウム及びナイアシンを含む。
【0043】
ミネラルミックスには、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン及び鉄を含む。
【0044】
尚、使用したミネラル及びビタミンは全て市販品である。
【0045】
仕上り流動食中のビタミン及びミネラルの含有量(流動食100g当たり)は次の通りである。
【0046】
【0047】
(流動食の製造)
脱イオン水(60℃)に、カゼインナトリウム、乳蛋白、コラーゲンペプチド、アミノ酸ミックス、デキストリン、ミネラルミックス、ビタミンミックス、ミルクフレーバー及び乳化剤を加えて混合した。これとは別に、容器中で大豆油を60℃に加温し、これを先に調製した水溶液に加えて混合した。これを高圧ホモジナイザーを用いて49MPs(500kgf/cm2)にて2回乳化処理を行った。これを、UHT(140℃、30秒)にて殺菌し、評価用流動食サンプルを製造した。
【0048】
(評価試験)
このようにして得られた評価用流動食サンプルについては、物性の評価を行った。44℃で2週間保存した後開封してアドバンス浸透圧計により浸透圧を測定し、粘度を回転式B型粘度計(20℃)にて測定した。結果を表1に示した。
【0049】
また、アミノ酸の異風味に対する官能評価を行った。卓越したパネラー5名により評価を行い、その結果も表1に示した。
尚、官能評価においては、それぞれ○:「アミノ酸の異風味無し」;△:「アミノ酸の異風味やや有り」;及び×:「アミノ酸の異風味かなり有り」を表す。
【0050】
【表1】
【0051】
物性の評価に関しては、全ての実験区において、44℃2週間保存による蛋白の凝集・沈殿は認められなかった。更に、全ての実験区において細菌試験を行い、無菌であることも確かめられた。
【0052】
また、この表1の結果から明らかなように、官能評価に関しては、カゼインナトリウムの配合比率が6.5重量%で、コラーゲンペプチド+アミノ酸ミックスの配合比率が1重量%の場合、粘度が30cpを超えてしまい、チューブの通液性も悪く、喉ごしにも影響を与えた。
【0053】
カゼインナトリウムの配合比率が3.5重量%で、コラーゲンペプチド+アミノ酸ミックスの配合比率が6重量%の場合には、浸透圧が900mOsm/kgを超えてしまい、尚かつ、アミノ酸の異風味も強く感じられた。乳蛋白の配合比率が1重量%で、カゼインナトリウムの配合比率が3.5〜5.0重量%で、コラーゲンペプチド+アミノ酸ミックスの配合比率が1.0〜5.0重量%の場合には、粘度、浸透圧及び味・風味の何れの項目においても良好な濃厚流動食を製造することができた。
【0054】
(実施例2)
蛋白質の組成を各種変更して、本発明品と従来品とを比較した。蛋白質濃度として、実験区1〜3は7.2g/100ml、実験区4〜6は8g/100mlに設定した以外は、前記実施例1と同様に実験を行った。
【0055】
実施例1と同様にして製造した評価用流動食サンプルについては、物性評価を行った。44℃で2週間保存後開封して、回転式B型粘度計(20℃)にて粘度を測定を行った。その結果を表2に示した。
【0056】
【表2】
【0057】
表2の結果から、蛋白質源として全乳蛋白質、カゼインナトリウム並びに蛋白質分解物(動物性、植物性)及び/又はアミノ酸の組み合わせを用いることで、高カロリー、高蛋白質であっても極めて低粘度で飲み易い濃厚流動食が得られることが分かる。
【0058】
この結果は、従来の蛋白質源、例えばカゼインナトリウムと全乳蛋白質及び動物性、植物性蛋白質分解物の組み合わせ、全乳蛋白質とカゼインナトリウム、カルシウム及び動物性、植物性蛋白質分解物の組み合わせ等と比較して本発明品が特に低粘度化という面において優れていることを示すものである。
【0059】
更に、蛋白質含量を8g/100mlに設定した場合においても、他の蛋白質配合よりも本発明品が優れていることを示すものである。
【0060】
【発明の効果】
以上から明らかなように、本発明は蛋白質、脂質、炭水化物、ビタミン及びミネラルを含む流動食であって、この蛋白質に全乳蛋白質と、カゼインナトリウムと、蛋白質分解物及び/又はアミノ酸とを少なくとも含み、かつその組成が全乳蛋白質:カゼインナトリウム:存在する蛋白質分解物及びアミノ酸の全量=1:(3.5〜5):(1〜5)の配合比率(重量)になるように前記成分を配合することにより、粘度や浸透圧に優れ、味・風味において良好な流動食を提供することができる。
【0061】
そのカロリーを1.5kcal/ml以上にすることができる。
Claims (5)
- 蛋白質、脂質、炭水化物、ビタミン及びミネラルを含有し、かつ1.5kcal/ml以上のカロリーを有する流動食であって、当該蛋白質が全乳蛋白質と、カゼインナトリウムと、蛋白質分解物及びアミノ酸とを、全乳蛋白質:カゼインナトリウム:蛋白質分解物及びアミノ酸の全量=1:(3.5〜5):(1〜5)の配合比率(重量)で含有することを特徴とする流動食。
- 前記蛋白質分解物及びアミノ酸の全量が、全乳蛋白質1に対して3〜5の配合比率(重量)で含まれる請求項1に記載の流動食。
- 全乳蛋白質が乳蛋白濃縮物である請求項1又は2に記載の流動食。
- 蛋白質分解物が動物性蛋白質分解物を含み、当該動物性蛋白質分解物がコラーゲン分解物、全乳蛋白質分解物、カゼイン分解物、乳清蛋白質分解物、鶏卵蛋白質分解物、肉蛋白質分解物及び魚蛋白質分解物の少なくとも1種を含有する請求項1〜3何れか記載の流動食。
- 当該流動食が容器内に収納された状態にあり、加熱滅菌後に当該容器内に無菌的に充填され、又は当該容器内に充填された後に加熱加圧殺菌された請求項1〜4何れか記載の流動食。
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